JP6411618B2 - ヒンジ装置、樹脂部材及び車両用アンダーカバー - Google Patents

ヒンジ装置、樹脂部材及び車両用アンダーカバー Download PDF

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Description

本発明は、一及び他の本体部を相対的に回動可能に連結するヒンジ部を備え、合成樹脂により一体成形されたヒンジ装置、これを有する樹脂部材及びこれを備えた車両用アンダーカバーに関する。
従来、自動車などの車両の車体下部に取り付けられ、遮音性能の向上や空気抵抗の低減を図る車両用アンダーカバーが知られている。そして、このような車両用アンダーカバーとして、合成樹脂により一体成形され、車体に固定される固定部に対して弾性変形可能な薄肉状のヒンジ部を介して開閉可能な回動部を備え、例えばメンテナンスなどの際に回動部を開いて、車体側のエンジンルームなどへのアクセスを可能とした構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このような合成樹脂製の車両用アンダーカバーは、特に冬季、あるいは寒冷地域などにおいて合成樹脂が硬化することでヒンジ部の動作性が低下するおそれがある。したがって、回動部を大きく、かつ、繰り返し開閉した場合でもヒンジ部を保護しつつ確実に動作させるため、ヒンジ部に複数の山部を設け、これら山部が互いの回動角度を規制することで回動時のヒンジ部の変形量を抑制した構成が知られている(例えば、特許文献2及び3参照。)。
国際公開第2010/050060号 (第4−6頁、図2) 特開平8−72910号公報 (第2−3頁、図1−3) 特開平10−71652号公報 (第2−3頁、図1−2)
しかしながら、上述のヒンジ装置では、複数の山部を設けなければならず、構成を簡略化することが容易でない。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ヒンジ部を簡単な構成で保護しつつ確実に動作させることができるヒンジ装置、これを有する樹脂部材及びこれを備えた車両用アンダーカバーを提供することを目的とする。
請求項1記載のヒンジ装置は、一の本体部と、他の本体部と、これら一及び他の本体部を相対的に回動可能に連結するヒンジ部とを一体的に備えたヒンジ装置であって、前記一及び他の本体部は、前記ヒンジ部に対して互いに離反する方向に延びる一及び他の規制面部を有し、前記ヒンジ部は、一の規制面を有する一のヒンジ本体部と、他の規制面を有する他のヒンジ本体部と、前記一のヒンジ本体部と前記他のヒンジ本体部とを、前記一の規制面と前記他の規制面とが互いに対向するように所定角度で連結する屈曲可能な第1の弱部と、前記一のヒンジ本体部と前記一の本体部とを、前記一の規制面と前記一の規制面部とが互いに連続するように連結する屈曲可能な第2の弱部と、前記他のヒンジ本体部と前記他の本体部とを、前記他の規制面と前記他の規制面部とが互いに連続するように連結する屈曲可能な第3の弱部とを具備し、前記第1の弱部と前記第3の弱部との距離が、前記第1の弱部と前記第2の弱部との距離よりも大きく設定され、前記他の本体部に対する前記一の本体部の一方向への回動により、前記第1の弱部が、前記一の規制面と前記他の規制面との角度が小さくなる方向に屈曲し、前記第2の弱部が、前記他の規制面と前記一の規制面部とが接近するように前記一の規制面と前記一の規制面部との角度が大きくなる方向に屈曲し、前記第3の弱部が、前記一の規制面部と前記他の規制面部とが接近するように前記他の規制面と前記他の規制面部との角度が大きくなる方向に屈曲するものである。
請求項2記載のヒンジ装置は、請求項1記載のヒンジ装置において、第1の弱部の強度は、第2及び第3の弱部の強度よりも小さく設定されているものである。
請求項3記載のヒンジ装置は、請求項1または2記載のヒンジ装置において、第1の弱部は、一のヒンジ本体部と他のヒンジ本体部とを鋭角をなすように連結し、第2及び第3の弱部は、一及び他の規制面部と一及び他の規制面とが鈍角をなすように前記一及び他のヒンジ本体部と一及び他の本体部とをそれぞれ連結しているものである。
請求項4記載の樹脂部材は、樹脂部材本体と、この樹脂部材本体と一体形成された請求項1ないし3いずれか一記載のヒンジ装置とを具備したものである。
請求項5記載の車両用アンダーカバーは、被固定部としての車体の下部に取り付けられる請求項4記載の樹脂部材を備えたものである。
請求項1記載のヒンジ装置によれば、一のヒンジ本体部と他のヒンジ本体部とを、一の規制面と他の規制面とが互いに対向するように所定角度で連結しているので、一の本体部を他の本体部に対して一方向へと回動させて第1の弱部を屈曲させると一及び他の規制面とが接近し、これらが接触することで第1の弱部の変形量が抑制され、第1の弱部を保護できる。この状態で、第1の弱部と第3の弱部との距離が、第1の弱部と第2の弱部との距離よりも大きいため、他の規制面が一の規制面に対して突出するので、一の本体部を他の本体部に対してさらに回動させて第2の弱部を屈曲させるとこの突出した他の規制面と一の規制面部とが接近し、これらが接触することで第2の弱部の変形量が抑制され、第2の弱部を保護できる。さらにこの状態で、一の本体部を他の本体部に対してさらに回動させて第3の弱部を屈曲させると一及び他の規制面部が接近し、これらが接触することで第3の弱部の変形量が抑制され、第3の弱部を保護できる。この結果、ヒンジ部の回動角度を第1ないし第3の弱部に分散し、ヒンジ部を簡単な構成で保護しつつ確実に動作させることができる。
請求項2記載のヒンジ装置によれば、請求項1記載のヒンジ装置の効果に加え、第1の弱部の強度を第2及び第3の弱部の強度よりも小さく設定したので、第1の弱部が第2及び第3の弱部よりも先に屈曲するヒンジ部の好ましい変形特性が容易に実現される。
請求項3記載のヒンジ装置によれば、請求項1または2記載のヒンジ装置の効果に加え、一及び他の規制面によって第1の弱部の回動角度が鋭角に規制され、他の規制面と一の規制面部とによって第2の弱部の回動角度が鈍角の補角である鋭角に規制されるとともに、一及び他の規制面部によって第3の弱部の回動角度が鈍角の補角である鋭角に規制されるので、第1ないし第3の弱部の変形量をより抑制してこれら第1ないし第3の弱部をより確実に保護できる。
請求項4記載の樹脂部材によれば、一及び他の本体部の一方を他方に対してヒンジ部により回動させる任意の樹脂製品に対して樹脂部材を適用できる。
請求項5記載の車両用アンダーカバーによれば、車両の所望する箇所に一及び他の本体部のいずれかを配置することで、これら一及び他の本体部の一方を他方に対してヒンジ部により回動させて所望する箇所に容易にアクセス可能となる。
本発明のヒンジ装置の一実施の形態を示す断面図である。 同上ヒンジ装置の屈曲動作を(a)ないし(c)の順に示す説明断面図である。 同上ヒンジ装置及び樹脂部材本体を一体に備えた樹脂部材である車両用アンダーカバーを示し、(a)は車両用アンダーカバーの平面図、(b)は車両用アンダーカバーの側面図である。
以下、本発明のヒンジ装置、樹脂部材及び車両用アンダーカバーの一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図3において、10は樹脂部材である車両用アンダーカバー(以下、単にアンダーカバーという)を示し、このアンダーカバー10は、図示しない自動車などの車両の被固定部としての車体の下部前側に取り付けられて、エンジンルームの下部を覆い、遮音性能の向上や空気抵抗の低減を図るものである。なお、以下、前後、上下、及び両側などの方向については、車体の直進方向を基準として説明し、矢印F方向が前方、矢印R方向が後方、矢印W方向が両側方向である車幅方向である。
そして、このアンダーカバー10は、図示しない所定の成形型を用いて、例えば耐熱性を有し弾性変形可能な合成樹脂により一体成形されて全体として略板状をなし、ヒンジ装置15と樹脂部材本体としてのカバー本体16とを備えている。
このカバー本体16は、車体側に直接的または間接的に固定される固定部21と、この固定部21に対してヒンジ装置15を介して回動可能に連結される回動部22とを備えている。また、このカバー本体16には、補強用のビード部23が設けられているとともに、車体への取り付け用の取付部24が複数設けられている。そして、このカバー本体16は、本実施の形態では、車体のエンジンのシリンダブロック(あるいはクランクケース)などの被取付部25の下部に着脱可能に配置された被対向部としてのオイルパン26の一部の下方に回動部22が対向するように車体に取り付けられている。
固定部21は、覆う部分の形状などに応じて任意の形状とすることができるが、本実施の形態では、例えば車幅方向に長手方向を有する、すなわち横長の固定部本体27と、この固定部本体27の後部の一側から後方に延びる突出部28とを一体に備えた、平面L字状に形成されている。そして、固定部本体27の後部の他側には、ヒンジ装置15を介して回動部22が後方に延びて連結されている。したがって、突出部28と回動部22との間に、車体などの構造体との干渉を避けるための切欠部29が前後方向に沿って形成され、カバー本体16が平面逆U字状となっている。
突出部28は、後部すなわち先端部が基端部に対して幅狭となるように形成されている。また、この突出部28は、先端部が回動部22よりも後方に延びている。
回動部22は、例えば突出部28と車幅方向に線対称な形状に形成されている。すなわち、この回動部22は、後部すなわち先端部が基端部に対して幅狭となるように形成されている。
ビード部23は、固定部本体27、突出部28及び回動部22の全体に亘って、車幅方向及び前後方向に沿って交差状に形成されている。
取付部24は、例えばボルトなどの図示しない取付部材によってカバー本体16を車体などに固定するためのものであり、例えば取付点である丸孔として形成されている。そして、これら取付部24は、固定部21の固定部本体27の外縁部、突出部28の反回動部22側の側縁部及び先端部(後端部)、及び、回動部22の反突出部28側の側縁部及び先端部(後端部)などに互いに離間されて複数開口されている。
オイルパン26は、例えば耐熱性の金属などにより薄い受け皿状に形成され、車幅方向に沿って長手状、すなわち横長となっている。そして、クランクシャフトの回転力などを利用してオイルポンプを駆動し、オイルパン26内のエンジンオイルを、ストレーナを介して吸い上げてエンジン各部に圧送し、各部の潤滑や冷却を行い、各部の潤滑や冷却を行ったエンジンオイルを、オイルパン26内部に落下回収するようになっている。また、このオイルパン26には、回動部22に対向する底部に図示しないドレン排出孔が形成され、このドレン排出孔が開閉部材としてのドレンボルト26aにより液密的に閉塞されている。本実施の形態では、このドレンボルト26aは、オイルパン26の後寄りに位置し、後方下側に向けて傾斜している。このドレンボルト26aは、エンジンオイルなどの交換の際に緩めることでドレン排出孔を開き、このドレン排出孔からエンジンオイルを下方へと排出可能とするようになっている。
そして、ヒンジ装置15は、回動部22の基端部である前端部と一体成形された一の本体部としての回動本体部31と、固定部21の固定部本体27の後縁部の他側に一体成形された他の本体部としての固定本体部32と、これら本体部31,32を連結するヒンジ部33とを一体的に(一体に)備えている。
回動本体部31は、例えば平面板状に形成されており。水平方向に沿って配置されている。すなわち、この回動本体部31の一主面である下面(一般面)は、水平方向に沿う平面状の一の規制面部としての回動規制面部35となっている。
固定本体部32は、例えば平面板状に形成されており、水平方向に沿って配置されている。すなわち、この固定本体部32の一主面である下面(一般面)は、水平方向に沿う平面状の他の規制面部としての固定規制面部37となっている。
そして、回動規制面部35と固定規制面部37とは、ヒンジ部33に対して互いに離反する方向に延びている。換言すれば、これら回動規制面部35と固定規制面部37とは、ヒンジ部33を挟んで互いに反対側に位置している。
ヒンジ部33は、回動本体部31側である後側に位置する一のヒンジ本体部としての後側本体部41と、固定本体部32側である前側に位置する他のヒンジ本体部としての前側本体部42と、これら本体部41,42を連結する屈曲可能な第1の弱部43と、後側本体部41と回動本体部31とを連結する屈曲可能な第2の弱部44と、前側本体部42と固定本体部32とを連結する屈曲可能な第3の弱部45とを備えた、いわばトリプルヒンジ構造であり、前後方向に沿う垂直面での断面視で上方に突出する山状である逆V字状(三角形状)となっている。したがって、カバー本体16(アンダーカバー10)は、全体として下方に突出する部分がない。
後側本体部41は、例えば平面板状に形成されており、前側本体部42と対向する一主面である下面(前面)が、前方に向けて上方に傾斜する一の規制面としての後側規制面47となっている。
前側本体部42は、例えば平面板状に形成されており、後側本体部41と対向する一主面である下面(後面)が、後方に向けて上方に傾斜する他の規制面としての前側規制面49となっている。
第1の弱部43は、ヒンジ部33の本体部41,42よりも薄肉状に形成された湾曲部(薄肉部)であり、規制面47,49と連続する下側が窪んで形成され、本体部41,42(規制面47,49)の上端部に位置している。したがって、この第1の弱部43により、規制面47,49が互いに連続し、本体部41,42が互いに前後方向に回動可能となっている。また、この第1の弱部43に対して、本体部41,42(規制面47,49)は、前後方向に互いに略等しい角度、本実施の形態では45°未満の略30°ずつそれぞれ傾斜しており、本体部41,42(規制面47,49)が(第1の)所定角度である略60°をなす鋭角状(角度α1)となるように山状に連結されている。すなわち、この第1の弱部43は、上方に突出するように屈曲する、いわば山折りとなっている。そして、この第1の弱部43は、第2の弱部44よりも前方上側で、かつ、第3の弱部45よりも後方上側に位置している。すなわち、この第1の弱部43は、前後方向において、第2及び第3の弱部44,45間に位置している。
第2の弱部44は、ヒンジ部33の本体部41,42よりも薄肉状に形成された湾曲部(薄肉部)であり、上側が窪んで形成され、後側本体部41の下端部及び回動本体部31の前端部に位置している。すなわち、この第2の弱部44は、第1の弱部43と反対方向に屈曲される、いわば谷折りとなっている。したがって、この第2の弱部44により、後側規制面47と回動規制面部35とが互いに連続し、後側本体部41と回動本体部31とが互いに上下方向に回動可能となっている。また、この第2の弱部44に対して、後側本体部41と回動本体部31とは、後側規制面47と回動規制面部35とが(第2の)所定角度である鈍角状(角度α2)をなすように連結されている。本実施の形態では、角度α2が略120°となっており、この角度α2の補角(180−α2)である角度α3が鋭角である略60°となっている。
第3の弱部45は、ヒンジ部33の本体部41,42よりも薄肉状に形成された湾曲部(薄肉部)であり、上側が窪んで形成され、前側本体部42の下端部及び固定本体部32の後端部に位置している。すなわち、この第3の弱部45は、第1の弱部43と反対方向に屈曲される、いわば谷折りとなっている。したがって、この第3の弱部45により、前側規制面49と固定規制面部37とが互いに連続し、車体に固定された固定本体部32に対して前側本体部42が上下方向に回動可能となっている。また、この第3の弱部45に対して、前側本体部42と固定本体部32とは、前側規制面49と固定規制面部37とが(第3の)所定角度である鈍角状(角度α4)をなすように連結されている。本実施の形態では、角度α4が角度α2と略等しい略120°となっており、この角度α4の補角(180−α4)である角度α5が角度α1,α3と略等しい略60°となっている。
そして、第1の弱部43は、本実施の形態では例えば第2及び第3の弱部44,45よりも肉厚が薄く設定されていることで、強度が第2及び第3の弱部44,45の強度よりも小さく設定されている。また、第1の弱部43と第2の弱部44との間の距離(後側規制面47の第1及び第2の弱部43,44間の距離)L1が、第1の弱部43と第3の弱部45との間の距離(前側規制面49の第1及び第3の弱部43,45間の距離)L2よりも小さく(距離L2が距離L1よりも大きく)設定されている。したがって、前側規制面49の長さが後側規制面47の長さよりも長く、かつ、後側規制面47と回動規制面部35との長さの和よりも短くなっており、回動規制面部35(第2の弱部44及び回動本体部31)が固定規制面部37(第3の弱部45及び固定本体部32)よりも上方に位置している。すなわち、回動規制面部35(回動本体部31)と固定規制面部37(固定本体部32)との間には、上下方向の面差(距離)Dが生じている。
そして、アンダーカバー10は、通常には各取付部24において取付部材を介して車体側に固定されてエンジンルームの下部を覆い、エンジンルームからの音漏れを防止したり、車体下部の空気抵抗を低減したり、跳ね上げた石や水からエンジンルームの下部を保護したりする。
また、例えばエンジンオイルの交換作業などのために、エンジンルームに対して下方からのアクセスが必要になった場合には、例えばジャッキアップした車体の下部の位置にて、回動部22の縁部の取付部24の位置で取付部材を取り外した後、アンダーカバー10の回動部22を固定部21に対して相対的に回動させてオイルパン26の下部を露出させ、ドレンボルト26aを緩めてオイルパン26内のエンジンオイルを抜き取る。この後、ドレンボルト26aを締め付け、上記作業と逆順で回動部22を下方、後方及び上方へと回動させることで元の位置に戻し、取付部24の位置で取付部材を用いて回動部22を車体に固定するとともに、新たなエンジンオイルを補充する。
このとき、まず作業者が回動部22(回動本体部31)を下方に向けて回動させると、第1ないし第3の弱部43,44,45のうち、最も強度が小さい第1の弱部43が弾性的に屈曲変形し、ヒンジ部33の後側本体部41の後側規制面47が固定部21(固定本体部32)側であるヒンジ部33の前側本体部42の前側規制面49と接触して面一となる位置まで角度α1である略60°回動部22(回動本体部31)が回動するように第1の弱部43が変形する(図2(a))。すなわち、後側本体部41と前側本体部42とを、後側規制面47と前側規制面49とが互いに対向するように第1の弱部43によって所定角度で山状に連結しているので、規制面47,49を接触させるように第1の弱部43を変形させることで第1の弱部43の変形量が抑制され、第1の弱部43を保護できる。
この状態で、第1の弱部43と第3の弱部45との間の距離L2が、第1の弱部43と第2の弱部44との間の距離L1よりも長いことで、前側規制面49が後側規制面47に対して突出し、前側規制面49の第2の弱部44と接触する位置の下部に、この第2の弱部44(後側本体部41(後側規制面47))に対して下方へと突出する余剰部分である突出部49aが形成される。
続いて作業者が回動部22(回動本体部31)を前方に向けて回動させると、第2の弱部44の変形が前側本体部42により規制されているため、前側本体部42(前側規制面49)により回動角度が規制される位置、すなわち回動規制面部35と前側規制面49の突出部49aとが接触する位置、換言すれば後側規制面47(突出部49aあるいは前側規制面49)と回動規制面部35とが面一となる位置まで角度α2の補角である角度α3すなわち略60°回動部22(回動本体部31)が回動するように第2の弱部44が変形する(図2(b))。したがって、第2の弱部44の変形量が抑制され、第2の弱部44を保護できる。この状態で、第2の弱部44は、略平面状となり、第3の弱部45よりも上方の位置で前側規制面49と接触した状態を維持する。また、回動規制面部35の反第2の弱部44側が突出部49aよりも下方に突出する。
さらに作業者が回動部22(回動本体部31)を上方に向けて回動させると、第3の弱部45の変形が突出部49aよりも下方に突出する回動規制面部35により規制されているため、回動本体部31(回動規制面部35)により回動角度が規制される位置、すなわち回動規制面部35と固定規制面部37とが接触する位置、換言すれば後側規制面47(前側規制面49)及び回動規制面部35と固定規制面部37とが水平状に面一となる位置まで角度α4の補角である角度α5すなわち略60°回動部22(回動本体部31)が回動するように第3の弱部45が変形する(図2(c))。この結果、第3の弱部45の変形量が抑制され、第3の弱部45を保護できる。
この状態で、第3の弱部45も第2の弱部44と同様に略平面状となり、回動部22(回動本体部31)が固定部21(固定本体部32)に対して略180°(=α1+α3+α5)回動されることとなり、この固定部21(固定本体部32)の下部(固定規制面部37)に回動部22(回動本体部31)が重ねられた位置となって、オイルパン26の下部が下方に露出する。
このように、作業者が回動部22(回動本体部31)を下方から前方及び上方へとヒンジ装置15を中心として連続的に回動させる作業に伴い、ヒンジ部33が順次動作して第1ないし第3の弱部43,44,45が角度α1,α3,α5ずつ変形するので、ヒンジ部33による回動を各弱部43,44,45のそれぞれに分散して、ヒンジ部33を簡単な構成で保護しつつ確実に動作させることができる。したがって、例えば冬季、あるいは寒冷地域などにおいて合成樹脂が硬化した場合、あるいはヒンジ部33を繰り返し折り曲げた場合などでも、ヒンジ部33の適切かつ確実な動作を得ることができる。
しかも、角度α1,α3,α5をそれぞれ略60°とすることで、各弱部43,44,45の変形量を抑制しつつ、回動部22(回動本体部31)を固定部21(固定本体部32)に対して略180°回動可能なヒンジ装置15を容易に実現できる。すなわち、ヒンジ装置15に大きな回動角度を設定しても、各弱部43,44,45を確実に保護できる。
また、第1の弱部43の強度を第2及び第3の弱部44,45の強度よりも小さく設定したので、第1の弱部43が第2及び第3の弱部44,45よりも先に屈曲するヒンジ部33の好ましい変形特性が容易に実現される。
さらに、規制面47,49によって第1の弱部43の回動角度が鋭角(角度α1)に規制され、前側規制面49と回動規制面部35とによって第2の弱部44の回動角度が鈍角(角度α2)の補角である鋭角(角度α3)に規制されるとともに、規制面部35,37によって第3の弱部45の回動角度が鈍角(角度α4)の補角である鋭角(角度α5)に規制されるので、第1ないし第3の弱部43,44,45の変形量をより抑制してこれら第1ないし第3の弱部43,44,45をより確実に保護できる。
そして、車両の所望する箇所、本実施の形態ではオイルパン26の下方の位置に回動部22(回動本体部31)を配置することで、回動部22(回動本体部31)を固定部21(固定本体部32)に対してヒンジ部33により回動させて所望する箇所に容易にアクセス可能となる。
また、ヒンジ装置15はカバー本体16と合成樹脂により一体成形するので、別部品などを設定する必要がなく、コストをより低減できる。
さらに、ヒンジ装置15(カバー本体16)の下部は、下方に突出する部分がないため、空力性能を悪化させることがなく、アンダーカバー10として好適に用いることができる。
なお、上記の一実施の形態において、図2では、説明をより明確にするためにヒンジ装置15の動作を段階的に示したが、必ずしも1つの動作が完全に終了した後に次の動作が行われるとは限らず、各動作が終了する直前にその次の動作が並行的に開始することもある。
また、ヒンジ装置15は、例えば固定部21の固定部本体27と突出部28との間など、必要な位置に任意に設けてよい。すなわち、回動部22(回動本体部31)の回動によって露出させる被対向部は、オイルパン26に限らず、メンテナンスなどのためにアクセスが必要な任意の部材とすることができる。
さらに、回動本体部31の回動規制面部35と固定本体部32の固定規制面部37とには上下方向に面差Dが生じるようになっているが、例えば角度α1,α2,α3を適宜調整することにより、回動規制面部35と固定規制面部37とが同一平面状に位置するようにすることも可能である。
また、ヒンジ装置15(アンダーカバー10)は、合成樹脂により成形されたものに限らず、例えば消音用や防錆用の樹脂コーティングを施したアルミニウム製や鋼製などの薄い金属板としてもよい。
さらに、各弱部43,44,45は、薄肉にすることで弱部とする構成の他にも、例えばミシン目などのように間欠的に孔を開けて折り曲げやすくする構成などとしてもよい。
そして、ヒンジ装置15は、車両用アンダーカバー10に限らず、樹脂ケースの蓋、あるいは樹脂製の小物入れなど、一及び他の本体部の一方を他方に対してヒンジ部33により回動させる樹脂製品全般に対して適用可能である。
本発明は、例えば自動車のエンジンルームの下部を覆う車両用アンダーカバーに好適に用いることができる。
10 樹脂部材である車両用アンダーカバー
15 ヒンジ装置
16 樹脂部材本体としてのカバー本体
31 一の本体部としての回動本体部
32 他の本体部としての固定本体部
33 ヒンジ部
35 一の規制面部としての回動規制面部
37 他の規制面部としての固定規制面部
41 一のヒンジ本体部としての後側本体部
42 他のヒンジ本体部としての前側本体部
43 第1の弱部
44 第2の弱部
45 第3の弱部
47 一の規制面としての後側規制面
49 他の規制面としての前側規制面

Claims (5)

  1. 一の本体部と、他の本体部と、これら一及び他の本体部を相対的に回動可能に連結するヒンジ部とを一体的に備えたヒンジ装置であって、
    前記一及び他の本体部は、前記ヒンジ部に対して互いに離反する方向に延びる一及び他の規制面部を有し、
    前記ヒンジ部は、
    一の規制面を有する一のヒンジ本体部と、
    他の規制面を有する他のヒンジ本体部と、
    前記一のヒンジ本体部と前記他のヒンジ本体部とを、前記一の規制面と前記他の規制面とが互いに対向するように所定角度で連結する屈曲可能な第1の弱部と、
    前記一のヒンジ本体部と前記一の本体部とを、前記一の規制面と前記一の規制面部とが互いに連続するように連結する屈曲可能な第2の弱部と、
    前記他のヒンジ本体部と前記他の本体部とを、前記他の規制面と前記他の規制面部とが互いに連続するように連結する屈曲可能な第3の弱部とを具備し、
    前記第1の弱部と前記第3の弱部との距離が、前記第1の弱部と前記第2の弱部との距離よりも大きく設定され、
    前記他の本体部に対する前記一の本体部の一方向への回動により、前記第1の弱部が、前記一の規制面と前記他の規制面との角度が小さくなる方向に屈曲し、前記第2の弱部が、前記他の規制面と前記一の規制面部とが接近するように前記一の規制面と前記一の規制面部との角度が大きくなる方向に屈曲し、前記第3の弱部が、前記一の規制面部と前記他の規制面部とが接近するように前記他の規制面と前記他の規制面部との角度が大きくなる方向に屈曲する
    ことを特徴とするヒンジ装置。
  2. 第1の弱部の強度は、第2及び第3の弱部の強度よりも小さく設定されている
    ことを特徴とする請求項1記載のヒンジ装置。
  3. 第1の弱部は、一のヒンジ本体部と他のヒンジ本体部とを鋭角をなすように連結し、
    第2及び第3の弱部は、一及び他の規制面部と一及び他の規制面とが鈍角をなすように前記一及び他のヒンジ本体部と一及び他の本体部とをそれぞれ連結している
    ことを特徴とする請求項1または2記載のヒンジ装置。
  4. 樹脂部材本体と、
    この樹脂部材本体と一体形成された請求項1ないし3いずれか一記載のヒンジ装置と
    を具備したことを特徴とする樹脂部材。
  5. 被固定部としての車体の下部に取り付けられる請求項4記載の樹脂部材を備えた
    ことを特徴とする車両用アンダーカバー。
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