JP6411479B2 - ジアミノトルエンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ジニトロトルエン(DNT)を気相水素化するための工業的に実行できる方法であって、DNT含有流を、所望により噴霧ガスの存在下で、水素含有キャリヤーガス流の中にスプレーし、得られた実質的に気体状流から、蒸発していない液体滴を除去し、得られたガス流を、触媒作用により水素化し、トルエンジアミンを形成する方法に関する。
芳香族アミンは、重要な中間体であり、安価で大量に入手できる必要がある。従って、非常に大きな容量を有するプラントを、例えばジニトロトルエン(以下、DNTと呼ぶ)を水素化するために、建設する必要がある。水素化生成物トルエンジアミン(以下、TDAと呼ぶ)は、ポリウレタン化学で非常に重要なトリレンジイソシアネートの製造で重要な中間体である。トルエンジアミンの製造に関しては、数多くの出版物がある。先行技術の大部分は、液相におけるジニトロトルエンの水素化に関する。公知の方法には、さらなる溶剤を使用しない(例えば米国特許第3,093,685号参照)か、又はDNT及び形成されたTDA/水混合物の両方を溶解させる溶剤、例えば単純な脂肪族アルコール(例えばメタノール)、を使用する「単相」製法が挙げられる。さらに、DNTを溶解させるが、形成されたTDA/水混合物は溶解させない、従って層分離を起こす溶剤(例えば炭化水素)が使用される「二相」製法もある、例えば英国特許第1490313号参照。触媒(例えばPd/C、ラニーNi、Ni/SiO、等)は、通常、液相中にスラリー化される(従って、「スラリー相製法」とも呼ばれる)。可能な反応器は、例えばループ反応器又は撹拌タンクである (例えば、米国特許出願公開第2011/295039A1号)。現在、工業的に関連する製法は全て液相で稼働している。ジニトロトルエンの高温における液相水素化製法及び気相水素化は、特に工業用ジニトロトルエンの熱的不安定性のために、潜在的な危険性があるので、工業的には使用されていない。揮発性がほとんど無い、及び/又は温度に敏感なニトロ芳香族化合物の気相水素化は、文献(例えばCartolano, A.R.及びVedage, G.A.., 2004,還元によるアミン(Amines by Reduction)、Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, John Wiley & Sons, Inc., 5th版(1月31日,2004), Vol.2, 頁478及び頁484, Online-ISBN: 9780471238966))中では危険であると見なされている。
英国特許第599,252号及び米国特許第3,13,6818号は、芳香族モノアミン、特にアニリン、を流動床反応器中で、水素化により、気相中で製造する方法を記載している。モノニトロ芳香族化合物は、ジニトロ芳香族化合物よりも実質的により安定しており、無秩序な熱分解が重大な問題を引き起こさない。英国特許第599,252号は、比較的高比率のジニトロ化合物を有する出発材料の気相水素化に対して特に警告している。
独国特許出願公告第1809711号は、ニトロ化合物の気相水素化の方法に関し、特に、好ましくは反応器の直ぐ上流の限られた場所における、噴霧により高温ガス流中に、液体ニトロ化合物を均質に導入する問題に対処している。ニトロ化合物の不完全蒸発が起こり得る危険性については記載されていない。この文献は、ニトロ化合物一般的な用語で述べているが、具体的な例はニトロベンゼンのみを与えている。この文献で述べられているプロセスパラメーターは、ニトロベンゼンに関して最適化されている。
独国特許出願公開第3636984号は、ニトロ芳香族化合物とジニトロ芳香族化合物を、対応する炭化水素から、ニトロ化及びそれに続く水素化により、カップリングにより製造する方法を記載している。水素化は、気相中で、温度176〜343.5℃で行われる。気相水素化装置を記載しており、これは、実質的に直列に接続された2個の反応器からなり、中間冷却及び中間の出発材料の導入部を有するが、これらのサイズ及び構造に関しては何も記載されていない。ジニトロトルエン分解の問題は、この文献では扱われていない。
文献欧州特許出願公開第0696573A1号、第0696574A1号、第0748789A1号、第0748790A1号及び独国特許出願公開第102006035203A1号は、芳香族ニトロ化合物を水素化するための、純粋に断熱条件下で行われる、気相方法に関する。欧州特許出願公開第0696574A1号は、ニトロ芳香族化合物及び水素からなるガス混合物が、触媒上を断熱条件下で、かなり一般的な様式で通過する、芳香族アミンの製造方法を記載している。上記の他の文献では、特別な利点が、それぞれの場合、各種パラメーターを変えることにより、製法中で達成される。この方法は、一般式
Figure 0006411479
式中、R2およびR3は、とりわけメチル基でよい。しかし、該文献の焦点は、アニリンに当てられている(例はニトロベンゼンの水素化に関する)。記載する文献は、ジニトロトルエンの水素化の特別な態様を扱っていない。
英国特許第832,939号は、特に、気相におけるジニトロ化合物の水素化に関する。この文献は、酸化アルミニウム担体材料上の硫化ニッケル触媒の使用を開始している。この文献によれば、これらの使用により、予期せぬことに、急速な反応で優れた収率が可能である。この文献は、蒸発に関してプロセスエンジニアリングの詳細には行っていない。水素化は、常圧で、温度約220℃(例参照)、即ち液体純粋ジニトロトルエンの分解温度よりも低い温度で行われる。
独国特許出願公開第3734344A1号は、ジニトロトルエン(DNT)の、気相における、トルエンジアミン(TDA)への転化を記載している。DNTは、不活性な、高温キャリヤーガス中で、2〜120秒間以内で蒸発し、蒸発したDNT及びキャリヤーガスから構成され、温度150〜250℃を有する混合物を与える。好適な種類の蒸発装置として、平滑な管を有する薄膜蒸発装置、短経路蒸発装置、液体循環の無い流下膜式蒸発器及び単-コイルらせん管蒸発器が挙げられている。DNTの低揮発度及び易分解性及びそれに関連する爆発危険性が述べられている。分解を回避するための、又は高沸点で熱に敏感な不純物の蓄積を回避するための対策は記載されていないが、これは、実験時間が数時間と短いため、及び行った実験に使用した出発材料の純度のために、恐らく問題にならなかったのであろう。DNT中に不揮発性成分が存在する可能性は、蒸発プロセスが、DNT及び不揮発性成分への分離に理論的に使用できる限りにおいてのみ、記載されている。この文献により、水素化は、温度200〜450℃で、好ましくは大気圧で行われる。
気相においてDNTを水素化する可能性に明白に言及している文献から、大規模な経済的反応に関する技術的概念を引き出すことはできない。文献(特に英国特許第832939号及び独国特許出願公開第3734344A1号)は、工業的DNT水素化プロセスを実行する際に克服すべきハードルも、その様なプロセスに関連している可能性のある利点も、記載していない。
気相プロセスによりTDAを工業的に製造することに関して、工業等級純度のDNTは、実験室実験用の小バッチで使用するDNTよりも、比較的不揮発性の付随する成分の比率が高いことに注意すべきである。経済的理由から、工業等級DNTを、複雑で経費の掛かる予備精製を行わずに、使用できることが望ましい。このため、工業的製造プラントにおけるDNTの蒸発に特別な対策が必要である。
上記の文献のどれも、DNT又はその関連する成分を無秩序な様式で分解せずに、工業等級純度のジニトロトルエンを長い操作期間にわたって工業的規模で、安全に蒸発させ、気相水素化させるための、系統的な工程が取られていることを示していない。同様に、下記に関する情報、即ち
a)DNTの熱分解を回避するための危険な温度限界、
b)蒸発が困難な、又は全く蒸発しない、及び危険の可能性のある材料(例えばピクリン酸、クレゾール、トリニトロトルエン(TNT))の取り扱い、
c)蒸発していない状態において危険の可能性のある、蒸発していない材料(DNT、TNT、等)の蓄積を回避すること、及び
d)生成物ガス流を冷却する前に、DNTの完全転化を確実にすること
もほとんど無い。
DNTの水素化により、大量のエネルギーが放出される。従来の液相プロセスでは、水素は、約20〜100barの絶対圧力で導入され、反応器は、この圧力で操作される、例えば米国特許出願公開第2008/0146847A1号参照(圧力100bar及び温度150℃) 。低温レベルのため、除去すべきエネルギーの利用が可能である、及び/又は非常に限られた程度にのみ経済的である。より高い圧力蒸気を発生できる様に、水素化反応がより高温で行うことができるなら、これは大きな経済的価値を有するであろう。これは、特に、複数の製造プラントを含んでなり、一プロセスで得られた蒸気が、他のプロセスで活用できる(例えば、出発材料を反応温度に加熱する)、統合されたシステムに適用される。最近、圧力レベル4barの蒸気を製造できる温度で、溶剤無しに液相水素化を行うことが報告されている(米国特許出願公開第2011/0275858A1号)。この目的には、水素化を温度185℃で行っているが、これは、下記の条件下で安全な様式で可能である、即ち
1.内側熱交換表面及び外側回路を有し、熱を除去する、反応器が使用された。
2.液体の表面より下の駆動ノズルにより、DNTを触媒懸濁液中に導入した。
3.反応器中の平均DNT濃度が、1000ppm未満の値に制限された。
4.外側回路中の水素を含む水素濃度が、1体積%を超える、好ましくは3体積%を超える値に設定された。
とりわけニトロ及びニトロソ化合物は、TDAの存在下で高温で爆発的に分解することがあるので、これらの条件を守ることが、上記プロセスに不可欠である(独国特許出願公開第102005008613A1号)。しかし、特に第三及び第四条件は、温度185℃以上の工業的製造の場合、液相プロセスの設計及び操作で大きな実際的な問題につながる。個々のパラメーターを相互に適合させることは、実際には困難である。以下により詳しく説明する様に、本発明により、高圧蒸気を気相プロセスで、比較し得る実際的な制限なしに、得られるように、温度を185℃以上に維持することができる。
さらに、気相プロセスには、一連の他の利点がある。例えば、生成物は反応器を気体形態で離れ、触媒は反応器中に止まるので、触媒を生成物から分離することが容易である。気相反応器の場合、通常はスラリー相プロセスである反応器の場合よりも、プロセスのスケールアップも簡単である。気相プロセスでは機械的撹拌が不要なので、攪拌機上のケーキングによるプラント休止時間の危険性及びエネルギー消費も低い。さらに、気相反応器は、撹拌容器よりも、清掃が簡単である。
気相における工業的TDA合成のさらなる利点は、異なった温度における分別凝縮(fractional condensation)により、簡単な様式で、気体状生成物を予備分別(prefractionation)(異性体分離を含む)にかける可能性があることである。この様にして得た凝縮画分のそれぞれを、その後に続く蒸留順序において、この画分に正確に適合した異なった場所(place)に供給することができる。これは、液相プロセス(6カラムまで、例えば米国特許第6,359,177B1号参照)から得た生成物の通常の蒸留と比較して、蒸留を著しく簡素化する可能性を与える。
従って、工業的規模で実行できる、従って、気相水素化の多くの利点、特に高圧蒸気を得る機会、及び分別凝縮により簡素化されたワークアップ(work-up)を実際使用することができ、それによってプロセスのエネルギー効率を著しく増加する、工業等級の純度を有するDNTの水素化を気相で行うための方法を提供する必要がある。特に、DNT及びその関連する成分の制御されていない分解の危険性を回避することが重要である。
上記のことを考慮して、本発明は、気相中でジニトロトルエンの水素化により、トルエンジアミンを製造する連続方法であって、下記の工程、即ち
(I)蒸発装置(1000、1010、1020)中で、ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)を水素含有キャリヤーガス流(2、21、22)中にスプレーし、その際、
a)ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)の温度が70℃〜150℃、好ましくは80℃〜100℃であり、水素含有キャリヤーガス流(2、21、22)の温度が140℃〜300℃、好ましくは180℃〜240℃であり、
b)ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)の絶対圧力が3.0bar〜30bar、好ましくは4.0bar〜20barであり、水素含有キャリヤーガス流(2、21、22)の絶対圧力が1.0bar〜10bar、好ましくは3.0bar〜6.0barであり、ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)の圧力が、水素含有キャリヤーガス流(2、21、22)の圧力より高く、好ましくは0.01bar〜10bar高く、
c)水素とDNTのモル比が、>6.0:1〜900:1、好ましくは60:1〜500:1であり、
ジニトロトルエンが、0.010s〜100s以内、好ましくは0.010s〜3.0s以内で蒸発し、ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)中に存在する全ジニトロトルエンの総質量に対して、少なくとも95.0質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%が気相中に持ち込まれ、ジニトロトルエン及び水素を含んでなり、かつ、ある割合の(proportions of)蒸発していない、比較的不揮発性の、ジニトロトルエンに関連する成分も含みうる、実質的に気体状流(3、31、32)がこの様にして得られ、
(II)工程(I)から得たジニトロトルエン及び水素を含んでなる実質的に気体状流(3、31、32)中に存在する液滴の、除去又は標的とする分解(targeted decomposition)、好ましくは除去、を装置(2000、2010、2020)中で行い、得られた、ジニトロトルエン及び水素を含んでなり、液滴が激減した(depleted)ガス流(4、41、42)が、ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)中に存在する全ジニトロトルエンの総質量に対して、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、非常に好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下の蒸発していない滴を含み、
(III)ジニトロトルエン及び水素を含んでなり液滴が激減したガス流(4、41、42)中に存在するジニトロトルエンを、水素と、少なくとも一個の反応空間(3000、3010、3020)中で、触媒(100、110、120)の存在下、絶対圧1.0bar〜10bar、好ましくは3.0bar〜60bar、温度140℃〜300℃、好ましくは180℃〜270℃、及び反空間中の滞留時間0.1s〜10s、好ましくは1.0s〜5.0s、で反応させ、トルエンジアミン含有ガス流(5、51、52)を形成し、
(IV) 工程(III)で、最後の反応空間(3000、3020)を通過した後、得られたトルエンジアミン含有ガス流(5、52)を、トルエンジアミンを含んでなる液相(6、6a、6b、6c)及び水素を含んでなる気相(7)に、凝縮により、好ましくは凝縮装置(4000)中、特に好ましくは多段階凝縮(4010、4020、4030)により、段階毎に低下する温度で、分離し、
(V)工程(IV)で得た水素を含んでなる気相(7)の少なくとも一部を、工程(I)の第一蒸発装置(1000、1010)中に循環させる
ことを含んでなる、方法を提供する。
発明の具体的説明
この状況下では、蒸発装置は、DNT流1(11、12)をキャリヤーガス流(「原料水素」流)2(21、22)中にスプレーし、DNTを非常に完全に蒸発させるのに好適な全ての装置である。図1に示す実施態様では、実線、「原料水素」流2は、例えば、「循環ガス水素」7及び新しい水素200の混合物であり、図1で破線で示す実施態様では、循環ガス水素(7)と同一である。蒸発装置は、流れ1(11、12)を流れ2(21、22)中にスプレーするための少なくとも一個の装置を含んでなる。最も簡単な場合、蒸発装置は単にパイプを含んでなり、そのパイプを通して、流れ2(21、22)が流れ、その装置を通って流れ1(11、12)が開けた所にスプレーされる。「スプレー装置」は、好ましくはノズルである (詳細に関して下記参照) 。
第一蒸発装置(1000、1010)は、直列に接続された複数の反応空間を使用する場合、従って、反応混合物の流方向に直列に配置された複数の蒸発装置が使用される場合(図3の例参照)も、反応混合物の流方向における第一蒸発装置、即ち、図3に示す実施態様では、蒸発装置1010を指す。複数の反応空間が平行に接続された、従って、複数の蒸発装置が平行に接続されている場合も、反応混合物の流方向で第一に配置された全ての蒸発装置は、工程(V)の意味内で「第一蒸発装置」である。ただ1個の反応空間、従って、ただ1個の蒸発装置が存在する(例えば図1参照)場合も、この蒸発装置は、無論、工程(V)の意味内で「第一」蒸発装置である。
ここで、ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)中に存在する全ジニトロトルエンの総質量に対して、少なくとも95.0質量%が気相中に持ち込まれる[工程(I)]及びガス流(4、41、42)が、ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)中に存在する全ジニトロトルエンの総質量に対して、好ましくは1000ppm以下の蒸発していない滴を含む[工程(II)]の記載は、それぞれの場合に、DNT自体を意味する、即ち、工業等級DNT中に常に存在する不純物を考慮しない。例えば、流れ1(11、12)が、akg/hで工程(I)における蒸発に供給される、純度98%を有するジニトロトルエンである場合、少なくとも0.95・0.98・akg/hの気体状ジニトロトルエンが、流れ3(31、32)で工程(II)における滴除去に供給される。ジニトロトルエン及び水素を含んでなり、液滴が激減した気体流(4、41、42)中の残留滴含有量は、好ましくはレーザー−光学測定により、容量測定技術(capacitive measurement technique)により、又は代表的なサブ流を除去し、上記の技術的によりその滴含有量を測定することにより、又は滴を集め、秤量することにより、決定する。当業者が精通している上記の方法は、一般的に、結果の信頼性から差し引かない、通常の誤差による公差内で同じ結果を与える。それにも関わらず、異なった測定方法が著しく異なった値を与える場合、レーザー−光学測定から得た結果が、本発明では決定的である。
本発明の目的には、用語反応空間(工程(III))は、DNT及び水素が互いに、触媒の存在下で反応する空間を意味する。反応空間は、化学反応を行うための工業的装置内に位置する、即ち反応器である。触媒(例えば触媒球の床の形態にある)を完全に満たした反応器の場合、反応空間は、反応器の内側容積と同一である。複数の反応空間が存在する場合、これらは、直列又は並列に接続することができる。最後の反応空間は、直列接続した複数の反応空間の場合(例えば、図3参照)、反応混合物の流れ方向で最後の反応空間、即ち図3に示す実施態様における反応空間3020を指す。好ましくは、この反応空間で得た、気相(7)と液相(6)に分離される、トルエンジアミン含有ガス流だけである。平行に接続された複数の反応空間の場合、反応混合物の流方向で最後に配置された全反応空間は、工程(IV)の意味における「最後の反応空間」である。この場合、この様にして得た複数のトルエンジアミン含有ガス流を、好ましくは凝縮の前に組み合わせる。ただ1つの反応空間が存在する場合(例えば図1参照)、無論、これも、工程(IV)の意味における「最後の」反応空間である。
本発明の目的には、反応空間における滞留時間は、ガス流が流れ得る反応空間の容積と、単位時間当たり反応空間から出る容積流の比である。
以下に本発明を詳細に説明する。前後関係から反対のことが明白に示されない限り、様々な実施態様を、互いに自在に組み合わせることができる。
驚くべきことに、蒸発したDNTと水素含有キャリヤーガスの気体状混合物は、液体DNT又は同じ(高)温度で高濃度を有するDNTの溶液よりも、熱的により安定していることが分かった。これは、DNTが原則的に好ましくない反応を受ける、TDAの存在下でも適用される。従って、プロセスのかなりの部分が、DNTの十分に完全な蒸発である。本発明のプロセスにより、DNTの少なくとも99.90%、好ましくは少なくとも99.95%、より好ましくは少なくとも99.99%、特に好ましくは少なくとも99.995%を気相(工程(I)及び(II))にしてから、触媒の存在下で、反応空間中で、水素化し、TDAを形成する(工程(III))ことができる。1で存在する全ジニトロトルエンの質量に対して、0.10%の蒸発していない滴の可能な最大量は非常に低いので、分解反応が危険な程度に起こることは無い。気体状DNTが存在する場所、即ち蒸発装置内及び反応空間中、のどこでも、温度300℃を超えてはならず、さらに、短い滞留時間を維持する必要がある。
流れ1(DNT)及び200(新しい水素)は、それぞれ不可欠な成分DNT及び水素に加えて、さらなる成分をも含むことができる。特に、工業等級のDNTを、反応条件下で不活性であり共蒸発する、好適な溶剤に溶解させるのが有利な場合がある。好適な溶剤は、アルコールである(好ましくはメタノール、エタノール及びイソプロパノールの中から選択する)。溶剤を使用する場合、溶液(1)中の工業等級DNTの比率は、1の総質量に対して、好ましくは>0質量%〜≦50質量%である。水素も、純粋な形態で使用する必要は無く、水素化の反応条件下で不活性である他のガスで希釈することができる。これは、水素を不活性ガスと混合してからDNT含有流1と混合するか、または水素及び不活性ガスを別に導入することにより、行うことができる。好適な不活性ガスは、例えば希ガス、蒸気、CO、窒素であるが、窒素又は蒸気が好ましい。DNT含有流1と接触させる前に、水素をそのようなガスで希釈する場合、流れ2中の水素の比率は、流れ2中に存在する全成分の総モル量に対して、好ましくは3mol%以上である。例えば、合成ガス中に存在する水素を高純度に精製せずに、合成ガスを直接使用することもできる。凝縮し得る希釈ガス(例えば蒸気)を使用する場合、これには、凝縮し得ないキャリヤーガスと比較して、圧縮機を通る体積流が減少するという利点がある。
本プロセスは、工程(I)で、工業等級DNTを工業的規模で蒸発させることができる。流れ3(31、32)中に尚存在するどのような比率の液滴でも、極めて主として〜完全に、工業等級DNT中にある比較的不揮発性の付随する成分からなる。従って、流れ3(31、32)中にある蒸発していない液滴の比率は、使用するDNTの純度に実質的な程度に依存する。本発明のプロセスで、流れ1(11、12)のDNT供給源として使用するのが好ましい「工業等級」DNTは、それぞれの場合に工業等級DNT1(11、12)の総量に対して、
99.00質量%〜99.94質量%のDNT、その中で2,4−及び2,6−DNTが大部分(1中に存在するDNTの>95%)を構成する、
>5ppmのニトロクレゾール、
>20ppmのトリニトロトルエン、
>500ppmの、水、モノニトロトルエン、硫酸及び硫酸塩を含んでなる、好ましくはからなる不純物、
を含んでなる。
使用する蒸発装置(1000、1010、1020)は、DNTの非常に完全な蒸発、及び同時に、液体DNTの短い共鳴時間及び最小熱応力を確実に行う必要がある。この目的には、DNT含有流1が、高温水素含有ガス流2(21、22)中に、少なくとも一個のスプレー装置(好ましくはノズル)によりスプレーされる装置(「スプレー蒸発装置」)が好適である。ここで、流れ1と2(21、22)のモル流れ比は、好ましくは3(31、32)中のDNTの比率が、それぞれの場合に流れ3(31、32)中に存在する全化合物の総モル量に対して、0.1mol%〜10mol%、特に好ましくは0.8mol%〜2.0mol%になる様にする。キャリヤーガス流の温度は、できるだけ多くのDNTを蒸発させることができる、即ちDNTの分圧が、蒸発装置から支配する出口温度における飽和圧に非常に近く、同時に、DNTの完全転化における下流反応空間中で許容される300℃の最高温度を超えないように選択すべきである。これによって、蒸発装置への入口における水素含有キャリヤーガス2の好適な温度140℃〜300℃、好ましくは180℃〜240℃が得られる。DNTの、非常に急速(0.010s〜100s以内、好ましくは0.010s〜3.0s以内)で、完全な(1(11、12)中に存在する全DNTの少なくとも95.0質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%)蒸発を達成するには、通常の一流体及び特に二流体ノズルで可能な様に、非常に小さな滴サイズ(平均滴直径dが好ましくは20μm〜200μm)及び一様な滴サイズ分布を有するDNTスプレー流1(11、12)を製造する必要がある。
好適な一流体ノズルは、例えばWozniak、「噴霧技術(Zerstaeubungstechnik)」、Springer 2003(特に5.1、5.3、5.4及び5.5章)及びRichter「液体の噴霧(Zerstaeuben von Fluessigkeiten)」、expert Verlag, Renningen, 2004(特に3.4、4.3、4.4及び5.7章)に記載されているノズルである。例えば、接線方向中空コーンノズルは、比較的小さな滴直径が製造され、詰まりを起こさないので、好適である。より小さな流量及びさらに小さな滴直径には、超音波噴霧装置ノズルが、可変操作範囲のためにも、好適である。
しかし、滴サイズ及び滴サイズ分布に関する上記の必要条件は、二流体ノズルにより、最も簡単に満足される。従って、特に好ましい実施態様では、本発明は、工程(I)における流れ1(11、12)の、キャリヤーガス流2(21、22)への噴霧を、少なくとも二流体ノズル(7000)により行い、そのノズルを通して、1(11、12)に加えて、ノズルの出口側の周囲で優勢な(prevailing)絶対圧よりも1.0bar〜20bar高い、好ましくは3.0bar〜9.0bar高い圧力下で、及び好ましくは流れ2と同じ温度の噴霧ガス9の流れを通過させるプロセスを提供する。好適な二流体ノズルは、例えばWozniak、「噴霧技術(Zerstaeubungstechnik)」, Springer 2003(特に5.2章)及びRichter「液体の噴霧(Zerstaeuben von Fluessigkeiten)」、expert Verlag、Renningen、2004(特に6.5章)に記載されている。二流体ノズル7000の、ノズル(「内部混合ノズル」)又はノズルから個別流が出る場合(「外部混合ノズル」)の、構造によって、1(11、12)及び噴霧化ガス流(9)が起こる。第一の場合、1(11、12)及び噴霧化ガス流(9)の二相混合物が、ノズル7000内で形成され、キャリヤーガス流2(21、22)中にスプレーされる。後者の場合、DNT1(11、12)及び噴霧化ガス流(9)を含む流れが相互に分離して、ノズル内のチャネルを通して、キャリヤーガス雰囲気2(21、22)中にスプレーされる。好ましくは、流れ1(11、12)及び9がノズル内で互いに衝突し、二相混合物としてノズルを離れる内部混合二流体ノズルを使用する。
好ましい実施態様では、本発明は、蒸気、窒素、水素、水素を含んでなる気相7の一部、水素含有キャリヤーガス流(2、21、22)の一部又は上記ガスの二種以上の混合物を噴霧化ガス9として使用する方法を提供する。特に好ましくは、水素(即ち、新しい水素200、水素含有流2(21、22)とは区別する)を噴霧化ガス9として使用する。複数の反応器が直列接続されている場合、流れ200は、様々な反応器にわたって分割される(210、220、...)。水素化で消費される水素は、この様に、簡単で有利な様式で、連続操作で置き換えられ、プロセスガス7が非常に完全に循環される。流れ9と流れ1の質量比は、好ましくは0.01〜1、特に好ましくは0.05〜0.2である。ノズルによる圧力低下は、流れ9に関しては、好ましくは1.0bar〜20bar、特に好ましくは3.0bar〜9.0bar、流れ1に関しては、好ましくは0.1bar〜20bar、特に好ましくは3.0bar〜9.0barである。
工程(II)で、すでに実質的に気体状流3(31、32)は、とりわけ、液相における熱的感度がより高いので、液滴をさらに除去する。これは、好ましくは下記の手段の一つ以上により達成される、即ち
a)残留する滴を流れ3(31、32)から、例えば好適な分離装置により分離する。そのような分離装置は、反応器自体の中に設置することもできる。その場合、分離装置は、実際の反応空間の上流に配置する。好適な分離装置は、例えばフィルター、ニット、デフレクション沈殿機、サイクロン及び当業者には公知の滴沈殿機である。分離装置は、それらの機能が通常製造サイクルの際に確保される様な寸法を有し、その後、分離装置は洗浄されるか、又は当業者には公知の方法により再生される(例えば燃焼により)か、又は複数の分離装置を並列接続し、これらの1基が操作されている間、他の装置が洗浄又は再生される。
b)目標とする、蓄積された成分の連続的、又は断続的な分解を行い、例えば好適なエネルギーの導入及び調整された熱分解の開始により、安全な化学種を形成する。
ここで、a)は、好ましくはb)の上である。
DNT及びTDAは、互に反応し得るので、工程(III)における反応条件は、DNTの非常に完全な転化が短時間で確実に行われる様に選択する。ここで、圧力、温度及び水素とDNTのモル比に関する上記の条件が特に重要である。好適な触媒は、原則的に、DNTを急速に転化させる限り、DNT水素化に関して当業者には公知の触媒である。本発明では、固体触媒を使用する。原則的に、芳香族ニトロ化合物の水素化で、当業者には公知の全ての固体触媒が好適である。そのような触媒は、多くの出版物で記載されており、水素化に活性炭元素として、Pd、Pt、Ru、Fe、Co、Ni、Mn、Re、Cr、Mo、V、Pb、Ti、Sn、Dy、Zn、Cd、Ba、Cu、Ag、Au、及びそれらの化合物、場合により酸化物、硫化物又はセレン化物として、及びラネー合金の形態でも、及び不活性担体材料上の、例えばAl、Fe/Al、SiO、ケイ酸塩、炭素、グラファイト、TiO、Crを含んでなる。上記元素の混合酸化物も考えられる。
好ましくは、セラミック担体、好ましくはAl、より好ましくはα-Al、特に好ましくはBET表面積が40m/g未満、好ましくは20m/g未満、特に好ましくは10m/g未満のα-Al及び
セラミック単体の床体積の1リットルあたり
(a)1.0g〜100g、好ましくは1.0g〜50g、の、元素の周期律表の族8〜12の少なくとも一種の金属(1986年のIUPAC推奨による番号付け)、好ましくはPd、Pt、
(b)1.0g〜100g、好ましくは1.0g〜50g、の、元素の周期律表の族4〜6及び12の少なくとも一種の金属、好ましくはTi、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、及び
(c)1.0g〜100g、好ましくは1.0g〜20g、の、元素の周期律表の族14及び15の少なくとも一種の金属、好ましくはPb、Bi
を含んでなる触媒(100、110、120)を使用する。
さらなる好ましい触媒は、それぞれの場合に不活性担体、好ましくはAl、特に好ましくはα-Al上に、
Pd及びRh又は
Ag及びRhを
水素化に活性な元素として含んでなる。
固体触媒上の反応は、大部分等温的に(即ち、反応熱の除去しながら)、例えばシェル及びチューブ反応器又は流動床反応器で行うことができる。好適な装置は、ペリーの化学エンジニヤのハンドブック(Perry's Chemical Engineers' Handbook)、第8版、19章、2007、及び第7版、23章、1999、Mcgraw-Hill Professionalに記載されている。反応を、例えば固定床反応器(独国特許出願公開第102006035203A1号、特に段落[0006]、[0020]及び[0030]〜[0032] )で断熱的に行うこともできる。断熱反応器では、好ましくは50K〜150Kの断熱温度増加を設定する。この温度増加を維持するには、ガス流4を適切に設定する必要がある(例えば、十分に大過剰の水素により)。当業者は、必要なガス流4の選択をどのように計算するかが分かる。様々な操作様式の組合せも、同様に考えられる。
反応熱の除去は、等温操作する反応器(反応熱を除去するための冷却回路(例えば油、水又は溶融塩)を有するシエル及びチューブ反応器)の場合、反応器に統合される。断熱操作する反応器は、好ましくは熱を除去するための装置(例えば熱交換器)が続く。温度レベルは、熱を除去し、例えば最大圧力、好ましくは3〜10bar(絶対)を有する蒸気を発生させるための好適な熱伝達媒体を加熱するのに使用される。
2または3反応段階を、一種以上の出発材料を中間で導入するか、又はせずに、直列接続することができる。DNTを各反応器中に供給する場合、各反応器は、好ましくは専用のDNT蒸発段階を有する。最後の反応段階から出るガスは、反応生成物を実質的に除去し、好ましくない化合物を排出した後、蒸発及び/又は反応段階に再循環させ、過剰に使用した出発材料(即ち、水素)を活用する、蒸発を支援する、及び反応器内の温度増加を下げるのが有利である。
複数の反応段階を直列接続することは、断熱反応の場合には特に有利であるが、これは、段階あたりで反応できたDNTの量が、第一に低蒸気圧により、第二に断熱温度増加により、限られているためである。大部分等温反応が使用される場合、先行する断熱反応段階の使用は、中間冷却が無いか、又は中間冷却がほとんど無い場合、蒸発の前に反応熱によりガス流を予備加熱し、DNTの蒸発がより早期に行われるので、有利な場合がある。方法の特に効率的な実施態様は、断熱及び等温反応段階を交互に使用することを含んでなるが、これは、断熱反応段階からの特に高い出口温度を、等温段階における反応のために、大量のDNTの蒸発に利用できるためである。段階(I)〜(III)を一つの装置内に統合することも考えられる。
工程(III)における水素化は、絶対圧1.0bar〜20bar、好ましくは3.0bar〜6barで行うのが有利である。比較的低圧がDNT蒸発及び生成物の単離で熱回収を支援するが、装置の寸法が大きくなり、圧縮用の高いエネルギー消費につながる。特に、工業的規模で、循環流が、使用できる装置の最大サイズにより制限されるので、同じプラント容量及び同じ最大循環体積流では、低プロセス圧は、より多くの反応段階を必要とする。
蒸気又は窒素は、目標とする様式で供給するか、または蒸発及び反応において、より好ましい圧縮を達成するために、圧縮(存在する全成分にわたって平均化された)すべき循環ガスの平均モル質量を増加するために、目標とする排出により望ましい濃度でプロセス中に残すことができる。
反応生成物トルエンジアミン(TDA)及び水は、工程(IV)の凝縮によりトルエンジアミン-含有ガス流から選択的に除去される。これは、複数の反応器を直列接続する場合、各反応器の後で、又は好ましくは、最後の反応器の後でのみ行うことができる。この目的に好適な装置は、当業者には公知であり、例えば空気冷却器又はシェル及びチューブ熱交換器である。凝縮は、好ましくは、凝縮温度が徐々に低下する、直列接続された複数の凝縮器(4010、4020、4030)で行い、その際、一つの凝縮器から出る気相が続く凝縮器に送られる。好ましい実施態様では、凝縮は、2〜5、特に好ましくは4つの凝縮物画分が得られる様に行う。5つの凝縮物画分6a、6b、6c、6d及び6eを有する実施態様では、凝縮温度は、例えば下記の様に徐々に低下する。
6a 175℃〜195℃における凝縮、
6b 145℃〜165℃における凝縮、
6c 129℃〜149℃における凝縮、
6d 85℃〜105℃における凝縮
6e 30℃〜50℃における凝縮。
このようにして得た様々な凝縮物流(6a、6b、6c、...)は、好ましくは個別に、異なった場所で、下流の蒸留順序に導入される。この蒸留順序は、当業者が精通している、従来の蒸留カラム(又は個々の蒸留カラム)からなる。特に好ましい実施態様では、蒸留順序は、
1.熱的に統合された構造、例えばビートポンプを有するカラム又はHIDIC(「熱的に統合された蒸留カラム」)又は
2.熱的に連結されたカラム、例えば側流ストリッピングを有するカラム又は精留カラム、側流蒸発器又は予備分離カラム又は予備蒸発器、例えばPetlyuk又はKaibel構造、又は分割壁カラム
を含んでなる。
さらに、蒸留カラムは、多くのポンプ液体回路を有することができる。
複数の凝縮物画分6a、6b、等が同じ蒸留カラムに供給される場合、好ましくは、高温で得られた画分を、低温で得られた画分の上の(above)蒸留カラムに導入する。
上記の蒸留順序は、6個までの蒸留カラムを有する先行技術によるTDA蒸留順序よりも、設置及び操作が著しく安価である。
副流は、プロセス中に揮発性の好ましくない成分が蓄積するのを回避するために、好ましくは、残りの凝縮し得ないガス流から排出する。続いて、好ましくは、圧力を増加し、圧縮された流れをプロセスに再循環させる(水素含有ガス流7)。
工程(IV)で得た水素を含んでなる気相7は、工程(V)で、第一蒸発装置(1000、1010)に再循環させる。好ましい実施態様では、水素を含んでなる気相7を使用し、水素含有キャリヤーガス流2を与える。これは、新しい水素200をDNT含有流1と(好ましくは、2液ノズル中で)混合してから、得られた混合流をキャリヤーガス流2中にスプレーする(この実施態様では、循環ガス流7と同一である)(図1で破線により示す)。あるいは、新しい水素(200)を循環プロセスガス流7と組み合わせ、キャリヤーガス流2を形成してから、DNT含有ガス流1を中にスプレーすることも考えられる(図1で実線により示す)。複数の反応器を直列接続する場合、流れ7を直接使用し、キャリヤーガス流2を第一反応器にのみ供給する。それに続く反応器用のキャリヤーガス流は、トルエンジアミン含有ガス流(51)であるか、又は、これが、好ましくは、図3に示す様に、新しい水素(200)濃度が高い場合、流れ22であり、無論、流れ7の成分を含む。
工程(IV)で得た液相6(又は液相6a、6b、6c、等)は、目標とする生成物トルエンジアミンの他に、主として水及び少量の二次的な成分を含む。流れ6(又は液相6a、6b、6c、等)は、好ましくは、さらなる工程(VI)で、粗製TDAの蒸留を含んでなる、それ自体公知の方法によりワークアップし、純粋なトルエンジアミンを得る。好適な方法は、例えば米国特許第6,359,177号及び第7,307,190号に記載されている。このワークアップは、工程(IV)における好適な予備分別により、著しく簡素化される。
本発明の様々な実施態様を、添付の図面を参照しながら、以下に説明する、即ち
図1は、ただ1基の反応器3100を有する本発明の方法の基本的な実施態様を、非常に簡素化された形態で示す。圧縮機の様な詳細は、簡素化のために示していない。
工業等級DNT(1)は、蒸発装置1000中で、水素含有キャリヤーガス流2(工程(I)、実線)の中にスプレーすることにより、気相にする。水素含有キャリヤーガス流2としてプロセスガス流7を使用し、新しい水素200及びDNT流1と混合して(破線)てから、蒸発装置に入ることも考えられる。反応器に入る前に、流れ3から、装置2000中で、最後の液滴を除去する(工程(II))。この様にして得た液体8は、好ましくない反応を回避するために、さらに急速に冷却するか、または調整された分解にかける(例えば、マイクロ波で照射するか、又は図には示していない別の様式で、調整された熱分解により)。ガス流4は、反応器3100中に導入される。反応空間3000中では、触媒100の存在下で水素化が起こる(工程(III))。反応器を離れる気体状生成物流5は、熱交換器5000中で、流れ7との熱交換により冷却され、凝縮装置4000中で凝縮し、トルエンジアミンを含んでなる液相6及び水素を含んでなる気相7を与える。流れ7は、好ましくないガスの蓄積を防止するために、所望により少量(図には示していない)を排出後、新しい水素200と混合され、水素含有キャリヤーガス流2を得る。流れ7は、熱交換器5000中で、流れ5との熱交換により予備加熱される。流れ5の部分的凝縮は、熱交換器5000中ですでに起こる。しかし、これは、一般的に十分に完全ではないので、凝縮器4000が、下流に設置される。
図1aは、図1における破線で示す実施態様のプロセス全体の一部分で、この実施態様の好ましい変形を示すが、そこでは二流体ノズル7000が使用される。新しい水素200が噴霧ガス9として同時に作用する。二流体ノズルは、蒸発装置1000の中に直接開いている。二流体ノズル7000の、内部混合ノズルとして可能な構造を図1bに示す。
装置4000における凝縮は、好ましくは、粗製TDAの予備分離がこの早期の段階で起こる様に行われ、これは、後に続くワークアップ(図2)を著しく支援する。この目的には、気体状形態で得られる生成物5が、徐々に低下して行く温度で直列接続された凝縮器(4010、4020、4030)中における分別凝縮により、複数の凝縮物画分6a、6b、6c、等に分離される。図に示す様な3つの凝縮物流の実施態様は、単なる例である。得られる凝縮物画分のそれぞれは、後に続く蒸留順序(工程(VI))で蒸留カラム6000におけるこの画分に正確に一致する、異なった場所に供給される。この様にして、それらの異性体組成物及び二次成分含有量に関して異なっている、様々なトルエンジアミン画分8a、8b、8c及び8dが得られる。
図3は、1基の反応器3100の代わりに、2個の蒸発装置1010及び1020を有する2基の断熱的に操作される反応器3110及び3120が、直列接続されている配置を示す。2基の反応器は純粋に例として示し、選択すべき反応器の実際の数は、多くのファクター、例えば望ましい製造容量、循環ガス量、等によって異なる。8〜12反応器を直列接続するのが好ましい。図1に、破線で示す反応経路も無論同様にここで使用でき、単に簡潔性の理由から図には示していない。
工業等級DNT(1)は、蒸発装置1010又は1020で、水素含有キャリヤーガス流21又は22中にスプレーすることにより(工程(I))、気相になる。それぞれの反応器中に入る前に、流れ31又は32は、装置2010又は2020中で、液滴を断熱的に除去し(工程(II))、ガス流41又は42を得る。水素化は、反応器3110及び3120中で断熱条件下で起こる(工程(III))。反応熱は、少量の不可避な熱損失を除いて、ガス流の温度増加(断熱温度増加)で定量的に反映される。第一反応器から出る気体状生成物流51は、続く段階で下流の熱交換器5010で入口温度に冷却され、蒸気を発生する。最後の熱交換器5020を通過した後、生成物は、4000で多段階凝縮及び相分離を通過する(工程IV)。ここで得られた流れ6a、6b及び6cは、工程(VI)(図には示していない)でワークアップされ、純粋なTDAを与える。得られた気相は、蒸気52による熱交換の後、及び所望によりパージ流として小部分を排出(図には示していない)後、流れ7としてプロセスに再循環される(工程(V))。
本発明の方法は、様々な実施態様で実行できる。反応空間3000(3010、3020)における反応は、上記の様に、断熱的又は等温的に行うことができる。触媒100(110、120)は、固定床又は流動床の形態で存在できる。プロセスは、複数の段階(即ち、複数の反応空間3010、3020、...)で、新しいDNTを複数回加えて行うこともでき、2〜10段階が好ましい。
ここで、反応空間3000の種類は、段階毎に変化することができる。例えば、断熱的及び等温的に操作する反応空間が交互にある(3010断熱、3020等温、3030断熱、等)実施態様が考えられる。固定床反応器及び流動床反応器も、一製造プラントでは、例えば交互様式で互いに組み合わせることができる。
さらに、熱の除去装置(熱交換器)を個々の段階の間に設けることができる。その様な熱を除去するための装置は、好ましくは断熱操作する反応空間の下流に設置する。等温操作する反応空間の場合、熱の除去は、反応空間自体の中で起こる。同様に、先行する段階から反応熱の一部又は全部を、新しいDNTの(自然吸熱)蒸発に使用し、これによって直接有用にすることができる。
例1(直列接続した8個の反応器を有するプロセス用のAspen Plus(登録商標)によるプロセスシミュレーション、図4)
毎時39.8メートルトンのDNT(1)を70℃〜100℃で融解させ、絶対圧10〜20barに圧縮し、8本の流れ(11、12、...、18)に分割した。新しい水素(200)2959kg/hを同じ絶対圧で供給し、同様に8本の流れ(210、220、...、280)に分割した。DNT流(11、12、...、18)及び新しい水素流(210、220、...、280)を、それぞれの場合に、二流体ノズル(図には示していない)中で互いに混合した。得られた、混合した流れをスプレー蒸発装置(1010、1020、...、1080)に供給した。第一スプレー蒸発装置中では、循環ガス(7、約100000m/h)を絶対圧4.2bar下でキャリヤーガス流(21)として使用し、その中にDNT/新しい水素混合物(11+210)をスプレーした。得られた、主として気体状混合流(31)を、滴沈殿装置(2010)に通した。スプレー蒸発装置への入口と、滴沈殿装置への入口との間のDNTの滞留時間は、0.25〜0.35秒間であった。ここに示す実施態様では、滴沈殿用の装置を、蒸発装置中に統合した。蒸発し得ない成分は、液体流(81)としてスプレー蒸発装置(1010)の底部で排出した。蒸発し得ない成分の全ての得られた液体流(81、82、...、88)は、40℃未満の温度に急速に冷却し、安全に廃棄した(図には示していない)。スプレー蒸発装置から来るガス流(41)は、反応器3110中に供給した。反応空間3010では、DNTがトルエンジアミンに断熱条件下で転化された。反応器を離れるTDA含有循環ガス流(51)は、熱交換器(5010)中で温度180℃に冷却され、6bar蒸気を発生し、DNT/新しい水素混合物(12+220)用のキャリヤーガス流(22)として次のスプレー蒸発装置(1020)に供給された。得られた混合流(32)は、上記の様に滴を除去し、反応混合物3120中でTDAに転化される。反応器3130〜3180中のさらなる反応は、僅かに異なった温度で同様に行われる。
最後の反応器(3180)を通過した後に得られる生成物流(58)は、複数の熱交換器(簡素化した形態で5080として示す)を通過し、その中で、液体TDA含有流(6a、6b、6c)を与える部分的凝縮がすでに起こった。残ったガス流は、スクラッバー(4000)中で部分的に液化し、TDA含有液相6dを与える。スクラッバー(4000)から出るオーバーヘッド生成物は、凝縮器(4010)を通過し、そこで得られた液相は、主として水及び少量の低沸点副生物及び痕跡量のTDAからなり、部分的にスクラッバーに循環し、部分的に排出された。少量のパージ流が、凝縮器(4010)を離れる循環ガス流(7)から除去され、残りの循環ガス流(7)は圧縮された(両方共図には示していない)。5080中で、間接的熱交換により、高温TDAガス流58で加熱された後、循環ガス流(7)は、キャリヤーガス流(21=7)として供給され、スプレー蒸発装置(1010)中で、DNT/新しい水素混合物(11+210)を蒸発させる。
下記の温度で生じた個々のTDA画分の凝縮、即ち
6a:185℃
6b:155℃
6c:135℃
6d:95℃
これら4本の流れは、相互から分離されて、対流蒸発装置、側方流通路及びオーバーヘッド凝縮器(図4には示していない)を有する蒸留カラムに供給され、流れ6aは、底部上のカラム5理論プレートに供給される。流れ6bは6aの上に供給され、流れ6cは6bの上に供給され、流れ6dは6cの上に供給される。蒸留カラムの最上部の絶対圧は60mbarであった。4本の生成物流を取った。
気体状オーバーヘッド生成物は、主として水及び低沸点物質を含んでなり、
液体オーバーヘッド生成物は、主としてo-TDAを含んでなり、
側流として取った生成物は、主としてm-TDA(毎時25メートルトン)を含んでなり、
底部生成物は、主として高沸点物質を含んでなる。
対流蒸発装置のエネルギー消費は、202℃で5.5MWであった。
その様な蒸留性能に関しては、複数の蒸留カラムを使用することが、先行技術では必要である。これは、専門家の文献で明らかであり、例えば3個の蒸留カラムを使用して水の除去及び異性体分離が記載されている、Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, John Wiley & Sons, Inc., 第5版(1月31日,2004), Vol.2, 頁485, online-ISBN: 9780471238966参照。欧州特許出願公開第1935871A2号は、好適な反応部分と接続したエネルギー節約により、計算された外側からの10.9MWの蒸気が、25t/hのm-TDA生成物流を得るための水除去に必要であると記載している。米国特許第7307190B2号によれば、後に続く異性体分離が、分割壁カラムにおけるエネルギー節約様式でもたらされ、それには、計算された5.6MWが、25t/hのm-TDA生成物流を得るのに必要である。従って、本発明の方法における5.5MWと比較して、先行技術によれば、合計で少なくとも15.5MWの蒸発装置の電力が、全反応混合物の分別に対する少なくとも2個のカラムで必要である。さらに、1個のカラムにおける本発明の蒸留は、装置及び操作の簡単さに関して、反応部分の熱統合によるカラム及び分割壁カラムからなる先行技術の2カラム蒸留系列よりも、安価である。

Claims (7)

  1. 気相中でジニトロトルエンの水素化により、トルエンジアミンを製造する連続方法であって、下記の工程
    (I)蒸発装置(1000、1010、1020)中で、ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)を水素含有キャリヤーガス流(2、21、22)中にスプレーし、その際、
    a)前記ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)の温度が70℃〜150℃であり、前記水素含有キャリヤーガス流(2、21、22)の温度が140℃〜300℃であり、
    b)前記ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)の絶対圧力が3.0bar〜30barであり、前記水素含有キャリヤーガス流(2、21、22)の絶対圧力が1.0bar〜10barであり、前記ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)の前記圧力が、前記水素含有キャリヤーガス流(2、21、22)の前記圧力より高く、
    c)水素とDNTのモル比が、6.0:1〜900:1であり、
    ジニトロトルエン及び水素を含んでなる流れ(3、31、32)を形成し、
    (II)工程(I)から得たジニトロトルエン及び水素を含んでなる流れ(3、31、32)中に存在する液滴の除去又は該液滴を標的とする分解を行い、ジニトロトルエン及び水素を含んでなり、液滴が激減したガス流(4、41、42)を形成し、
    (III)ジニトロトルエン及び水素を含んでなり液滴が激減した前記ガス流(4、41、42)中に存在する前記ジニトロトルエンを、水素と、少なくとも一個の反応空間(3000、3010、3020)中で、触媒(100、110、120)の存在下、絶対圧1.0bar〜10bar、温度140℃〜300℃、及び前記反応空間中の滞留時間0.1s〜10s、で反応させ、トルエンジアミン含有ガス流(5、51、52)を形成し、
    (IV) 工程(III)で、最後の前記反応空間(3000、3020)を通過した後、得られた前記トルエンジアミン含有ガス流(5、52)を、トルエンジアミンを含んでなる液相(6)及び水素を含んでなる気相(7)に、凝縮により、分離し、
    (V)工程(IV)で得た前記水素を含んでなる気相(7)の少なくとも一部を、工程(I)の前記第一蒸発装置(1000、1010)中に循環させる
    ことを含んでなる、方法。
  2. 工程(I)における前記ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)の前記水素含有キャリヤーガス流(2、21、22)中への前記スプレーが、少なくとも一個の二流体ノズル(7000)により行われ、前記ノズルを通して、前記ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)に加えて、前記ノズルの出口側の周囲で優勢な絶対圧よりも1.0bar〜20bar高い圧力下で、噴霧ガス9の流れを通過させる、請求項1に記載の方法。
  3. 蒸気、窒素、新しい水素200、前記水素を含んでなる気相7の一部、前記水素含有キャリヤーガス流(2、21、22)の一部又は上記ガスの二種以上の混合物を噴霧化ガス9として使用する、請求項2に記載の方法。
  4. 工程(IV)における前記凝縮が、徐々に低下して行く凝縮温度で分別的に行われ、複数の、トルエンジアミンを含んでなる液相(6a、6b、6c)が得られる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. (VI)工程(IV)で得られる前記トルエンジアミンを含んでなる液相6又は前記トルエンジアミンを含んでなる液相(6a、6b、6c)が(複数可)、蒸留によりワークアップされ、純粋なトルエンジアミンを得る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程(IV)における前記凝縮が、徐々に低下して行く凝縮温度で分別的に行われ、複数のトルエンジアミンを含んでなる液相(6a、6b、6c)を形成し、該液相を、工程(VI)で、互いに分離し、蒸留による前記ワークアップにおいて様々な場所に導入する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)中の前記ジニトロトルエンが、下記の組成を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法:
    それぞれの場合に、前記ジニトロトルエンを含んでなる流れ(1、11、12)中のジニトロトルエンの総質量に対して
    99.00質量%〜99.94質量%のジニトロトルエン、
    >5ppmのニトロクレゾール、
    >20ppmのトリニトロトルエン、
    >500ppmの、水、モノニトロトルエン、硫酸及び硫酸塩を含んでなる他の不純物。
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