JP6410440B2 - ピボット用軸受の製造方法およびピボットの製造方法 - Google Patents

ピボット用軸受の製造方法およびピボットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ピボット用軸受の製造方法およびピボットに関するものである。
従来、高粘度の基油と特定のウレア化合物からなる増ちょう剤とが配合されてなる軸受用グリースが知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特開2007−112998号公報 特開2008−115991号公報
しかしながら、特許文献1,2の軸受用グリースにおいてはアウトガスの発生を低減するための成分の配合比率の管理が困難であり、このようなグリースを用いた軸受は比較的高価となる不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、低トルクで、低トルク変動による高耐久性により長期にわたって潤滑性能を維持しつつ、アウトガスの発生を安価に低減することができるピボット用軸受の製造方法およびピボットを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、同軸に配置された内輪と外輪との間の円環状空間に周方向に間隔を空けて転動体を配置し、前記円環状空間内にグリースを注入することにより軸受組立体を組み立てる組立工程と、該組立工程において組み立てられた前記軸受組立体を、常温より高い温度に調節された雰囲気内に所定時間にわたって放置する揮発工程とを含むピボット用軸受の製造方法であって、前記揮発工程において、前記軸受組立体を、前記外輪の外径寸法よりも小さい口径の穴を有するプレートに、前記円環状空間の少なくとも一部を前記穴に一致させて配置するピボット用軸受の製造方法を提供する。
本態様によれば、組立工程において組み立てられた軸受組立体を、揮発工程において高温雰囲気内に放置することにより、グリース内に含有されているアウトガスを発生する成分が揮発して、アウトガスを発生する成分を放出させることができる。これにより、グリースのアウトガスを発生する成分の濃度を低減することができ、使用の際に発生するアウトガスを十分に低減した軸受を製造することができる。
この場合において、ウレア化合物や増ちょう剤等のグリースを構成する成分の配合時に成分の配合比率の調整によってアウトガスを発生する成分を低減する従来の方法とは異なり、グリースを製造した後の揮発工程においてアウトガスを発生する成分を放出させるので、配合時にアウトガスを発生する成分が多く含有されていたとしても、最終的な軸受内のグリース内のアウトガスを発生する成分の濃度を低減することができる。すなわち、グリースの配合時には低トルク、低トルク変動等の潤滑性能を向上するための配合比率を自由に選択することができ、安価で潤滑性能の高い軸受を製造することができる。
また、軸受組立体の円環状空間内がプレートによって閉ざされてしまうことを防止し、グリースの表面からのアウトガスを発生する成分をより効率的に揮発させることができる
上記態様においては、前記揮発工程が、前記軸受組立体を大気圧よりも低い低圧力雰囲気内に配置してもよい。
このようにすることで、軸受組立体に封入されたグリースに含有されているアウトガスを発生する成分の沸点が下がるため、アウトガスを発生する成分を放出させるための温度を低下させ、アウトガスの揮発をさらに促進することができる。
上記態様においては、前記揮発工程が、時間間隔をあけて複数回行われ、該揮発工程間において前記軸受組立体の前記内輪と前記外輪とを軸回りに相対的に回転させる馴染み運転工程を含んでいてもよい。
このようにすることで、各揮発工程において、軸受組立体内のグリースの表面近傍のアウトガスを発生する成分が揮発され、次の揮発工程までの間の馴染み運転工程において、外輪または内輪が軸回りに相対的に回転させられることにより、グリースが撹拌される。これにより、軸受組立体内において、グリースの表面が入れ替えられる。その結果、次の揮発工程におけるアウトガスを発生する成分の放出をより効率的に行い、グリースに含有されているアウトガスを発生する成分の濃度のムラを低減し、均質なグリースが封入された軸受を製造することができる。
上記態様においては、最終の前記揮発工程が行われた後に、前記軸受組立体の前記円環状空間をシールドにより閉塞するシールド配置工程を含んでいてもよい。
このようにすることで、揮発工程において、軸受組立体の円環状空間が開放されている状態で、円環状空間内のグリースに含有されているアウトガスを発生する成分の揮発を行うことにより、効率的にアウトガスを発生する成分を放出させることができる。そして、全ての揮発工程が終了した後に、シールド配置工程においてシールドにより円環状空間を閉塞することにより、グリースが外部に漏出することを抑制した軸受を製造することができる。
本発明の他の態様は、上記の方法で製造されたピボット用軸受の前記内輪にシャフトを嵌合するピボットの製造方法を提供する。
本態様によれば、グリースに含有されているアウトガスを発生する成分を予め揮発させて製造されたピボット用軸受を用いてピボットを組み立てることにより、使用時におけるアウトガスの発生を低減したピボットを製造することができる。
本発明によれば、低トルクで、低トルク変動による高耐久性により長期にわたって潤滑性能を維持しつつ、アウトガスの発生を安価に低減することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るピボットの一部を軸方向に破断した縦断面図である。 図1のピボットに用いられるピボット用軸受の製造方法を示すフローチャートである。 図2のピボット用軸受の製造方法における揮発工程を示す平面図である。 図2のピボット用軸受の製造方法における揮発工程の第1の変形例を示す(a)正面図、(b)軸受組立体間に間隔保持部材を配置した正面図である。 図2のピボット用軸受の製造方法における揮発工程の(a)第2の変形例を示す正面図(b)第3の変形例を示す正面図、(c)第3の変形例においてワイヤを回転させた時の正面図である。 図2のピボット用軸受の製造方法の変形例を示すフローチャートである。
本発明の一実施形態に係るピボット用軸受(以下、単に軸受という。)の製造方法およびピボットについて、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るピボット1は、図1に示されるように、2つの軸受2と、この軸受2に嵌合されたシャフト3と、2つの軸受2間に軸方向に挟まれるスペーサ部材4とを備えている。
2つの軸受2は、図1に示されるように、それぞれ、半径方向に隣接させて同軸に配置され円環状の内輪5および外輪6と、これら内輪5と外輪6との間の円環状空間7に周方向に間隔を空けて配置される複数個の転動体8とを備えている。また、円環状空間7には、潤滑剤としてグリース9が封入されている。
内輪5は、外周面に形成されたレースウェイ(内輪軌道)を有し、外輪6は、内周面に形成されたレースウェイ(外輪軌道)を有している。内輪5のレースウェイと外輪6のレースウェイとの間でそれぞれ転動体8が転動されることにより、内輪5と外輪6とがそれぞれ相対回転させられるようになっている。
転動体8は、円環状空間7において、リテーナ(図示略)により等間隔に配置された状態で回転可能に保持されている。
リテーナは、円環状の基部の円周方向に沿って軸方向に突出して設けられた複数の突起および該突起間を連結して凹状に形成され、転動体8を保持するポケットと、転動体8間においてグリース9を保持するグリースポケットとを有している。
グリース9は、粘性を有する基油(例えば、鉱油、エステル系合成油、合成炭化水素油(ポリα−オレフィン)など)と、ウレア化合物(例えば、脂肪族ウレア化合物、脂肪脂環式ウレア化合物、芳香族ウレア化合物など)からなる増ちょう剤とを含有している。グリース9は、内輪5のレースウェイ、外輪6のレースウェイ、および各転動体8の表面に付着して、ピボット1が良好なトルク特性、および流動性を維持するようになっている。また、グリース9における増ちょう剤の含有量は、10〜20質量%であることが好ましい。
スペーサ部材4は、中空のリング状に形成されており、内径寸法が内輪5の外径寸法より大きい寸法で形成され、外径寸法が外輪6の外径寸法と略等しい寸法で形成されている。このスペーサ部材4は、2つの軸受2の外輪6間に軸方向に挟まれている。これにより、2つの軸受2の内輪5間には隙間が形成されるようになっている。
シャフト3は、中空の略円筒形状に形成され、一端に全周にわたって半径方向外方に延びる鍔状のフランジ部10を備えている。
外輪6間にスペーサ部材4を挟み、内輪5内にシャフト3が嵌合された状態において、内輪5どうしを軸方向に近接させる外力を加えることにより、2つの軸受2に予圧が掛けられた状態にすることができる。
次に、本実施形態に係る軸受2の製造方法について以下に説明する。
本実施形態に係る軸受2の製造方法は、図2に示されるように、グリース9が封入されている軸受組立体Pを組み立てる組立工程S1と、グリース9に含有されているアウトガスを発生する成分(以下、アウトガス成分という。)を揮発させる揮発工程S2と、軸受組立体P内のグリース9を攪拌する馴染み運転工程S4とを含んでいる。
組立工程S1は、軸受2の内輪5と、この内輪5に対応する外輪6とを同軸に配置し、これら内輪5と外輪6との間の円環状空間7に周方向に間隔を空けて転動体8を配置する。そして、所望の潤滑性能を達成するのに必要な成分を選択して混合することにより生成されたグリース9を、円環状空間7内に配置されたリテーナのグリースポケットに注入することで軸受組立体Pを組み立てる。
揮発工程S2は、図3に示されるように、組立工程S1において組み立てられた軸受組立体Pを、外輪6の外径寸法よりも小さい口径の穴11を多数有するプレート(例えば、穴あきプレート、メッシュプレートなど)12上に、円環状空間7の少なくとも一部が穴11に一致するように載せて、内部の温度および圧力を調節可能な恒温室内に配置することにより行われる。
恒温室は、常温より高い温度、例えば、60〜120℃、好ましくは80℃以上に設定されている。また、恒温室は、大気圧よりも低い圧力、例えば、5Torr以下、好ましくは1Torr以下に減圧されている。したがって、グリース9が封入されている軸受組立体Pは、高温減圧雰囲気内に配置される。そして、揮発工程S2は、軸受組立体Pがこのような高温減圧雰囲気内に、所定時間(例えば、1時間)にわたって放置されることにより行われる。なお、常温とは、例えば、摂氏15℃を指す。
揮発工程S2が終了した後には、揮発工程S2が予め設定された回数だけ行われたか否かが判定され(ステップS3)、設定された回数に満たない場合には、馴染み運転工程S4が行われる。
馴染み運転工程S4は、揮発工程S2が終了した軸受組立体Pを恒温室内から取り出して軸受組立体Pの一方の内輪5または外輪6を固定し、他方の外輪6または内輪5に軸回りの回転動力を付与して内輪5と外輪6とを相対的に回転させる工程である。
馴染み運転工程S4により、内輪5と外輪6とを相対的に回転させてグリース9を攪拌することにより、グリース9の周囲に露出する表面が入れ替えられるようになっている。
そして、馴染み運転工程S4が終了した後には、揮発工程S2からの工程が繰り返される。
本実施形態に係る軸受2の製造方法によれば、揮発工程S2において、軸受組立体Pが配置される雰囲気を高温減圧状態にするので、グリース9に含有されているアウトガス成分の沸点を下げ、アウトガス成分をグリース9の表面から揮発させ易くすることができる。これにより、グリース9の表面近傍に存在するアウトガス成分を効率的に周囲に放出させることができる。
また、揮発工程S2を複数回実施し、揮発工程S2の間に馴染み運転工程S4を行うので、アウトガス成分の放出により当該アウトガス成分の濃度が少なくなった表面近傍と、未だアウトガス成分の放出が行われずアウトガス成分の濃度の高い内部とが攪拌によって混合され、アウトガス成分の濃度の高い部分が新たに表面近傍に配置される。そして、馴染み運転による攪拌後に実施される揮発工程S2においては、表面近傍に新たに配置されたアウトガス成分の濃度の高い部分からアウトガス成分を揮発させることができ、アウトガス成分の放出を促進することができる。
このように、本実施形態に係る軸受2の製造方法によれば、組立工程S1で組み立てられた軸受組立体Pに注入されたグリース9が潤滑性能向上や低コスト化等を意図した配合比率を適用してアウトガス成分を多く含有していたとしても、揮発工程S2および馴染み運転工程S4を経て、最終的にはアウトガス成分の濃度を十分に低減したグリース9が封入された軸受2を製造することができる。すなわち、配合後にアウトガス成分を除去するので、配合する成分としては低トルクや低トルク変動等の潤滑性能を向上するための特性を有する成分や、その配合比率を自由に選択することができ、安価で潤滑性能の高いグリース9が封入された軸受2を製造することができるという利点がある。
また、本実施形態に係る軸受2の製造方法によれば、揮発工程S2において、恒温室内には軸受組立体Pを単体で配置するので、ピボット1を構成した状態で恒温室に配置される場合と比較して、熱容量を小さくすることができ、アウトガス成分の放出に使用されるエネルギを低減することができるという利点もある。
また、本実施形態に係る軸受2の製造方法によれば、揮発工程S2において、軸受組立体Pの円環状空間7の少なくとも一部を穴11に一致させてプレート12上に載せるので、円環状空間7内がプレート12によって閉ざされてしまうことを防止し、グリース9の表面からのアウトガス成分をより効率的に揮発させることができる。
なお、本実施形態に係る軸受2の製造方法においては、軸受組立体Pを円環状空間7の少なくとも一部を穴11に一致させてプレート12上に載せて揮発工程S2を実施したが、これに代えて、図4(a),(b)に示されるように、軸受組立体Pをその内輪5の内側に貫通させた直線状のワイヤ13により支持させた状態で揮発工程S2を行ってもよい。
また、複数の軸受組立体Pを直線状のワイヤ13に支持させる場合には、図4(a)に示されるように、隣り合う軸受組立体Pどうしを軸方向に間隔を空けて支持することが好ましい。このとき、図4(b)に示されるように、軸受組立体P間に、外輪6の内径寸法よりも小さい寸法で形成されている間隔保持部材16を配置してもよい。
このようにすることで、揮発工程S2において、一度に複数の軸受組立体Pに対してアウトガス成分の揮発を同時に行うことができ、その場合にグリース9が収容されている円環状空間7をできるだけ閉ざさないように軸受組立体Pを支持することができ、グリース9からのアウトガス成分の揮発を十分に行うことができる。
また、上述の直線状のワイヤ13に代えて、図5(a)〜(c)に示されるように、剛性を有する、波状に形成されたワイヤ(以下、波状ワイヤという。)14、または螺旋状に形成されたワイヤ(以下、螺旋状ワイヤという。)15に軸受組立体Pを支持させてもよい。
揮発工程S2において、波状ワイヤ14に複数の軸受組立体Pを支持させる場合は、図5(a)に示されるように、A部のように各谷部につき軸受組立体Pを1つずつ配置することが好ましい。このとき、B部のように1つの谷部に複数の軸受組立体Pを配置してもよい。
また、揮発工程S2において螺旋状ワイヤ15に複数の軸受組立体Pを支持させる場合は、図5(b)に示されるように、まず、螺旋状ワイヤ15の一端を各内輪5の内側の円柱状の空間に貫通させて複数の軸受組立体Pを密着状態で支持させる。次に、この状態で螺旋状ワイヤ15を軸回りに回転させながら軸受組立体Pを、螺旋状ワイヤ15の螺旋状部分に移動させると、軸受組立体Pは螺旋状ワイヤ15の回転によって一端から他端側に向かって移動する。したがって、螺旋状ワイヤ15を複数回回転させることにより、図5(c)に示されるように、螺旋の各周期につき軸受組立体Pを1つずつ配置することができる。
波状または螺旋状ワイヤ14,15の1カ所の湾曲した部分に複数の軸受組立体Pを支持させたときには、波状または螺旋状ワイヤ14,15の傾斜により、隣り合う2つの軸受組立体Pが離間され、あるいは異なる傾き角度で波状または螺旋状ワイヤ14,15に支持される。これにより、隣り合う軸受組立体P間に隙間が形成され、各軸受組立体Pの円環状空間7の少なくとも一部を各軸受組立体Pの周囲に露出させることができ、アウトガス成分の揮発を妨げずに行うことができる。
また、本実施形態に係る軸受2の製造方法においては、図6に示されるように、ステップS3において、揮発工程S2が予め設定された回数だけ行われた(つまり、最終の揮発工程S2が終了した)と判定された後、軸受組立体Pの外輪6に半径方向に沿って配置されたシールドにより円環状空間7を閉塞するシールド配置工程S5を含んでいてもよい。
このようにすることで、揮発工程S2において、軸受組立体Pの円環状空間7が開放されている状態で、円環状空間7内のグリース9に含有されているアウトガス成分の揮発を行うことにより、効率的にアウトガス成分を放出させることができる。そして全ての揮発工程S2が終了した後に、シールド配置工程S5において、シールドにより円環状空間7を閉塞することにより、グリース9が外部に漏出することを抑制した軸受2を製造することができる。
また、本実施形態に係る軸受2の製造方法においては、馴染み運転工程S4として、軸受2の内輪5または外輪6の回転時に生じる振動や音響を測定する音響装置を採用して、内輪5と外輪6とを相対的に回転させてもよい。
また、本実施形態においては、組立工程S1、揮発工程S2および馴染み運転工程S4を全て手動で行う場合を例示して説明したが、これらの工程を自動的に行うことにしてもよい。
次に、本発明の一実施形態に係るピボット1の作用について説明する。
本実施形態に係るピボット1は、上記の方法で製造された2つの軸受2の内輪5内面に接着剤を塗布して、一方の軸受2の一方の端面がフランジ部10に突き当たる位置までシャフト3に嵌合させた後、スペ―サ部材4を外輪6間に挟むように配置された状態で他方の軸受2をシャフト3に嵌合させ、2つの軸受2の内輪5どうしを近接させる方向に外力を加えることにより適正な予圧を付与した状態で、接着剤を硬化させることにより構成されている。
このように構成された本実施形態に係るピボット1によれば、アウトガス成分の濃度を十分に低減したグリース9が封入されている軸受2を用いるので、使用時におけるアウトガスの発生を低減したピボット1を提供することができる。
この場合において、軸受組立体Pの状態でアウトガス成分の濃度を低減したグリース9が封入されている軸受2を用いているので、ピボット1の組み立て後に高温雰囲気内でアウトガス成分を放出させる場合と比較して、熱膨張率差による部品の変形や接着剤の塑性変形、クリープによる歪み等の問題の発生を防止することができる。
その結果、本実施形態に係るピボット1によれば、低トルクかつ低トルク変動という高い軸受性能を発揮することができる。
1 ピボット
2 軸受(ピボット用軸受)
3 シャフト
5 内輪
6 外輪
7 円環状空間
8 転動体
9 グリース
11 穴
12 プレート
13,14,15 ワイヤ

Claims (5)

  1. 同軸に配置された内輪と外輪との間の円環状空間に周方向に間隔を空けて転動体を配置し、前記円環状空間内にグリースを注入することにより軸受組立体を組み立てる組立工程と、
    該組立工程において組み立てられた前記軸受組立体を、常温より高い温度に調節された雰囲気内に所定時間にわたって放置する揮発工程とを含むピボット用軸受の製造方法であって、
    前記揮発工程において、前記軸受組立体を、前記外輪の外径寸法よりも小さい口径の穴を有するプレートに、前記円環状空間の少なくとも一部を前記穴に一致させて配置するピボット用軸受の製造方法。
  2. 前記揮発工程が、前記軸受組立体を大気圧よりも低い低圧力雰囲気内に配置する請求項1に記載のピボット用軸受の製造方法。
  3. 前記揮発工程が、時間間隔をあけて複数回行われ、
    該揮発工程間において前記軸受組立体の前記内輪と前記外輪とを軸回りに相対的に回転させる馴染み運転工程を含む請求項1または請求項2に記載のピボット用軸受の製造方法。
  4. 最終の前記揮発工程が行われた後に、
    前記軸受組立体の前記円環状空間をシールドにより閉塞するシールド配置工程を含んでいる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のピボット用軸受の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法で製造されたピボット用軸受の前記内輪にシャフトを嵌合するピボットの製造方法
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