JP6409376B2 - 医療用針および医療用針の支持部材 - Google Patents

医療用針および医療用針の支持部材 Download PDF

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本発明は、医療用針および医療用針の支持部材に関する。
医療用針を生体組織に固定するための手段は、様々な方法が提案されている。
例えば特許文献1には、針などの介入器具を支持するための安定化デバイス(以下、従来技術1ともいう)が開示されている。従来技術1は、ベースと、支持部材と、クランプ部材と、保持部材とを備えており、上記ベースが患者(以下、「被験者」という)の皮膚に付着されることが特許文献1に説明されている。従来技術1は、支持部材により介入器具を支持するとともに、ベースによって被験者に対し安定した姿勢を維持し、もって介入器具の姿勢の安定化を図ることを課題としている。
より具体的には、従来技術1として、略平坦であって一方方向に長形かつ扁平のベースを備える安定化デバイスが例示されている(たとえば特許文献1図2)。上記ベースは、接着剤、接着剤、吸引力又は他の好適な結合方法によって被験者に取り外し可能に結合することができる。特許文献1図8には、被験者の皮膚(以下、「生体組織」という)の所定面に対し一方側の面がぴったりと結合したベースを備える安定化デバイスに、針などの介入器具が支持された状態が図示されている。
特表2014−500066号公報
しかしながら従来技術1は以下の課題を有していた。
即ち、従来技術1のベースが被験者の生体組織に付着した状態が持続した場合に、当該生体組織において汗が生じる場合があった。生体組織と、これに当接にするベースとの間に生じた汗は、流出し、または気化する空間がないため、発汗した箇所にて長時間滞留する場合があった。これにより、被験者に不快な使用感を与える虞があり問題であった。
医療用針は、シリンジに充填した薬剤を一度に体内または体内に埋め込まれたポートに注入する所謂「ワンショット注入」に使用される態様と、針部を通じて薬剤を、時間をかけて体内またはポートに注入する所謂「持続注入」に使用される態様を含む。かかる持続注入のごとく、持続的に使用され得る介入器具に従来技術1が用いられる場合には、特にベースに対向する生体組織における発汗による上記問題が生じる虞が大きい。
そのため、医療用針において、ベース(以下、「支持部」という)と生体組織との間に生じた汗を速やかに気化または流出させることができれば、被験者に好適な使用感を与えることができて望ましい。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、支持部本体と生体組織との間に生じた汗を良好に気化または流出させることが可能な医療用針、および医療用針の支持部材を提供することを課題とする。
本発明の医療用針は、針部と、上記針部を支持する支持部と、を備える医療用針であって、上記支持部が、上記針部の基端部を支持する基端固定部と、上記基端固定部に支持された上記針部を覆う可撓性の支持部本体を有しており、上記支持部本体が、湾曲形状をなし上記針部の上記基端部から先端部に向けて開口する凹部を有するとともに、上記凹部の周面から当該支持部本体の外周面まで貫通する通気孔を有し、上記通気孔が、2以上設けられて、上記支持部本体の周方向に分散配置されており、上記凹部の上記周面に形成された内側開口と上記支持部本体の上記外周面に設けられた外側開口とを連通しており、少なくとも上記外側開口が、上記基端固定部寄りに1以上の頂点と、上記基端固定部から上記凹部の開口である凹部開口の周縁に向けて拡径する拡径部と、を有し、複数の上記通気孔の上記外側開口において、上記頂点がいずれも上記基端固定部寄りに配置されており、上記拡径部がいずれも上記凹部開口の周縁に向けて拡径していることを特徴とする。
本発明の医療用針の支持部材は、医療用針の針部を支持するための医療用針の支持部材であって、上記針部の基端部を支持する基端固定部と、上記基端固定部に支持された上記針部を覆う可撓性の支持部本体を有しており、上記支持部本体が、湾曲形状をなし上記針部の上記基端部から先端部に向けて開口する凹部を有するとともに、上記凹部の周面から当該支持部本体の外周面まで貫通する通気孔を有し、上記通気孔が、2以上設けられて、上記支持部本体の周方向に分散配置されており、上記凹部の上記周面に形成された内側開口と上記支持部本体の上記外周面に設けられた外側開口とを連通しており、少なくとも上記外側開口が、上記基端固定部寄りに1以上の頂点と、上記基端固定部から上記凹部の開口である凹部開口の周縁に向けて拡径する拡径部と、を有し、複数の上記通気孔の上記外側開口において、上記頂点がいずれも上記基端固定部寄りに配置されており、上記拡径部がいずれも上記凹部開口の周縁に向けて拡径していることを特徴とする。
本発明の医療用針は、支持部本体に通気孔を有する。これにより、本発明の医療用針は、支持部本体と生体組織との間に生じた汗を、当該通気孔を介して良好に気化または流出させることが可能である。
また本発明の医療用針の支持部材は、任意の針部材とともに、本発明の医療用針を構成することができる。
第一実施形態にかかる医療用針の構成を示す側面図(a)、上面図(b)、断面図(c)である。 第一実施形態の使用状態を説明するための断面図である。 第二実施形態に係る医療用針の構成を示す側面図(a)、上面図(b)である。 第一実施形態における外側開口の説明図(a)、第二実施形態における外側開口の説明図(b)である。 通気孔を1つ備える本発明の態様の例を示す上面図(a)、通気孔を2つ備える本発明の態様の例を示す上面図(b)、通気孔を3つ備える本発明の態様の例を示す上面図(c)である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
なお、本実施の形態では図示するように上下の方向を規定して説明する場合がある。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものであり、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
本発明の医療用針または医療用針の支持部材の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
本発明における用語または本発明を説明する際に用いられる用語は、特段の断りがない限り、以下のとおり定義される。
本発明を説明する際、針部の先端部とは、生体組織に穿刺される側の先端を含む所定領域を意味し、針部の基端部とは、上記先端とは反対側の端部(基端)を含む所定領域を意味する。
本明細書において医療用針の縦断面とは、医療用針に設けられた針部の軸心を通って当該針部の長手方向に平行に切断した断面をいう。
<第一実施形態>
以下に、本発明の医療用針に関し、本発明の第一実施形態である医療用針100の構成について図1、図2および図4(a)を用いて説明する。
図1(a)は、図1(b)の白抜き矢印から見た第一実施形態にかかる医療用針100の構成を示す側面図であり、図1(b)は、医療用針100の上面図であり、図1(c)は図1(b)に示す医療用針100のC−C線断面図である。図2は、第一実施形態の作用効果を説明するための断面図である。図4(a)は、第一実施形態における外側開口44の説明図である。
医療用針100は、針部20と、針部20を支持する支持部30と、を備える。
支持部30は、針部20の基端部を支持する基端固定部32と、基端固定部32に支持された針部20を覆う可撓性の支持部本体34を有している。支持部本体34は、湾曲形状をなし針部20の基端部から先端部に向けて開口する凹部36(図1(c)参照)を有するとともに、凹部36の周面362から支持部本体34の外周面364まで貫通する通気孔40を有している。通気孔40は、凹部36の周面362に形成された内側開口42と支持部本体34の外周面364に設けられた外側開口44とを連通している。
1以上の通気孔40を支持部本体34に設けることによって、医療用針100は、支持部本体34と生体組織との間に生じた汗を良好に気化または流出させることが可能である。
本実施形態にかかる医療用針100は、通気孔40は、基端固定部32を挟んで両側にそれぞれ2以上設けられるとともに、支持部本体34の周方向に分散配置されている。
本実施形態において凹部36の周面362とは、支持部本体34の内周面に相当する。
本実施形態にかかる医療用針100は、具体的には、図1(b)に図示されるとおり、基端固定部32を挟んで両側にそれぞれ5つずつ、通気孔40が設けられている。10個の通気孔40は、同形状であり、支持部本体34の周方向に分散配置されている。また基端固定部32の片側において5つの通気孔40が略均等な間隔で配列されている。
一つの通気孔40の周方向における開口径は、周方向の寸法の10等分未満に制限されている。即ち、周方向の寸法に対し、周方向における開口径は、充分に小さい。ここで通気孔40の「周方向における開口径」とは、支持部本体34の周方向において測定される通気孔40の径のうちの最大径を意味する。
かかる医療用針100によれば、通気孔40が設けられることによって、支持部30と生体組織(図2における生体組織400参照)との間に発生した汗を、通気孔40から外側(通気孔40を介して生体組織とは反対側)に流出し、または気化させることができる。これにより、本発明の医療用針が、長時間、持続的に生体組織に当接された場合であっても、発汗した箇所(即ち、生体組織とこれに当接する凹部36の周面362との間)に汗が長時間滞留することを防止し、被験者に対し、良好な使用感を付与することが可能である。
通気孔40は、針部20の基端部を固定する基端固定部32を挟んで両側にそれぞれ2以上設けられるとともに、支持部本体34の周方向に分散配置されている。即ち、本実施形態の医療用針100において、少なくとも4つの通気孔40が支持部本体34の周方向に分散配置されており、多数、かつ1つずつの開口面積が支持部本体34の総面積に対し充分に小さい。
このように、医療用針100は、多数の通気孔40が分散配置されている。そのため、医療用針100は、通気孔40を除く支持部本体34が生体組織400(図2参照)の皮膚に当接したとき、生体組織400の皮膚が通気孔40から外方向に膨出することを抑制するとともに、支持部本体34の外周面に貼られた接着テープ500(図2参照)が通気孔40から内方向(生体組織400方向)に入り込むことを抑制する。
その結果、使用状態の医療用針100は、通気孔40において生体組織400と接着テープ500とが密着することを抑制し、通気孔40を、生体組織400と通気孔40を覆う接着テープ500との間における空間50(図2参照)となすことを可能とする。かかる医療用針100によれば、生体組織400と支持部本体34との間に生じた汗は、空間50(通気孔40)を介して外部に流出し、または空間50において気化し外部に放出され得る。
以下に本発明の医療用針100の詳細を説明する。
支持部本体34は、自然状態の医療用針100において基端固定部32に支持された針部20の少なくとも一部を覆う可撓性の部材である。支持部本体34は、可撓性を有することにより、生体組織の隆起形状に追従するように適宜変形することができる。本実施形態の医療用針100は、セプタムポート440(図2参照)等の医療機器が任意で埋設された被験者の皮膚に針部20を穿刺して用いられるほか、医療機器を有しない被験者の皮膚に対して針部20を穿刺する用途で用いられてもよい。即ち、本実施形態でいう「生体組織」とは、針部20が穿刺される被験者の皮膚を含む人体の所定部分であって、セプタムポート440等の医療機器が埋設された所定部分の生体組織、および医療機器が埋設されていない所定部分の生体組織を含む。また、本発明の医療用針100は、医療機器に直接に針部20を穿刺する用途を排除するものではない。
支持部本体34は、たとえば、シリコーンゴム、ウレタンゴムまたはスチレン・ブタジエンゴムなどの合成ゴム材料で形成されている。これにより、本実施形態の支持部本体34は、可撓性を有しているだけでなく、耐薬品性にも優れている。
また、支持部本体34は、可視光透過性の材料でもよく、または可視光不透過材料でもよい。可視光透過性の材料で支持部本体34を作成した場合には、生体組織の位置を目視的に特定しながら、穿刺した針部20を支持部本体34の外部から観察できる。支持部本体34に任意の着色を施し、意匠性を高めてもよい。上記着色は、光透過性の着色であってもよいし、遮光性の着色であってもよいし、またはこれらの組み合わせであってもよい。
支持部本体34は、湾曲した形状をなしている。ここでいう「湾曲した形状」とは、たとえば図1(a)に示す半球よりも浅い杯状である。「湾曲した形状」の他の例としては、図示省略するが、半円球面状の伏椀形状、および中空管を軸方向に沿って切断してなる管縦割形状を含む。
上述する湾曲した形状をなす支持部本体34は、図1(c)に示すとおり、針部20の基端部から先端部に向けて開口する凹部36を有している。針部20の少なくとも一部は、医療用針100の自然状態において、凹部36に覆われている。本実施形態における医療用針100の自然状態を側面視したとき、針部20の先端は、凹部36の開口である凹部開口38の周縁382から突出している(図1(a)、図1(c)参照)。図示省略するが、本実施形態は変形例として、針部20の先端が周縁382よりも基端側(基端固定部32側)に位置し、側面視にて針部20が視認されない態様を含む。
凹部36は、支持部本体34の内周面側に形成される。上記内周面側とは、支持部本体34が生体組織に対向する側である。可撓性の支持部本体34の内周面側に凹部36を有することにより、支持部本体34を生体組織の隆起形状に追従させ易い。これにより、医療用針100を生体組織に対し、当該生体組織の様々な曲率および形状に合わせて安定して設置することができる。
本実施形態における支持部本体34の外周面364は、凹部36の周面362と略平行に形成されている。基端固定部32の近傍を除く支持部本体34は、略均一な肉厚にて形成されている。基端固定部32の近傍は、他の領域と同等の肉厚を有していてもよいし、針部20の支持の補強のために他の領域よりも肉厚にしてもよい。ただし、上記説明は、基端固定部32の近傍を除く支持部本体34の肉厚が不均一である態様を本発明から除外するものではない。
基端固定部32は支持部本体34の頂部に設けられており、針部20の基端部と嵌合する構造、または当該基端部を挟持する機構などを有し、針部20の基端部を固定する。針部20の基端部は、基端固定部32に適宜接着固定されてもよい。
針部20は、支持部30に設けられた基端固定部32に基端部が固定され、凹部36の凹部開口38に向かって突出して支持されている。針部20が突出する方向は特に限定されるものではなく、生体組織の形状に合わせて適宜調整される。ここでは、針部20は、たとえば、凹部開口38に向かって、針部20の先端部を除く中間部の延在方向が、凹部開口38の法線方向と一致するように突出して支持されている。
針部20は、生体組織に薬剤を投与するための通孔を有している。本実施形態における針部20は、基端から先端まで屈曲のない直管状をなす。図示省略するが、他の針部20と例としては、たとえば、ヒューバー針を挙げることができる。ここでヒューバー針とは、針部20の先端部(針先)が所定の角度に屈曲し、上記通孔の先端側の開口面が針部20の中間部の側面と略平行となるよう形成された針をいう。
次に通気孔40について説明する。通気孔40は、支持部本体34において凹部36の周面362から支持部本体34の外周面364まで貫通する。
図1(c)に示すとおり、通気孔40は、凹部36の周面362に形成された内側開口42と支持部本体34の外周面364に設けられた外側開口44とを連通している。
本実施形態にかかる医療用針100は、少なくとも外側開口44が、基端固定部32寄りに1以上の頂点を有する形状をなしている。
即ち、外側開口44は、凹部開口38の周縁382よりも基端固定部32に近い位置に頂点386を有している。好ましくは、頂点386は、外側開口44の基端固定部32に最も近い位置に設けられる。
外側開口44が頂点386を有することにより、頂点386近傍において毛細管現象が生じ、生体組織と支持部本体34との間に生じた汗を内側開口42から外側開口44へと導き得る。
本実施形態において複数の頂点386は、いずれも基端固定部32寄りに配置されており、基端固定部32を中心に周方向に配置されている。かかる配置によれば、医療用針100を鎖骨と肋骨との間に設置された被験者が仰向けの状態で、または着席または起立した状態で、医療用針100から薬剤を注入される場合、特に望ましい。即ち、いずれの頂点386も重量方向において外側開口44の上部に位置し、毛細管現象で外側開口44に導かれた汗は、自重に従い頂点386よりも拡径する外側開口44の下部領域に溜まるからである。
また、薬剤注入時の被験者の姿勢が不特定である場合も、頂点386が基端固定部32を中心に周方向に配置されているため、被験者に対する医療用針100の取付け位置を選ばず、いずれかまたは全ての頂点386を汗の誘導に関し有効に作用させることができる。
より具体的には、本実施形態における外側開口44は、所謂ハート形状をなす。図4(a)に示すとおり、ハート形状である外側開口44は、180°未満の内角を有する頂点386を有している。図1(b)に示すとおり、支持部本体34に設けられた複数の外側開口44の頂点386は、いずれも基端固定部32寄りに位置している。
本実施形態における外側開口44は、図4(a)に示すとおり、基端固定部32から凹部36の開口である凹部開口38の周縁382に向けて拡径する拡径部384を有している。換言すると、外側開口44の周方向の寸法は、基端固定部32から周縁382に向けて増大する領域を有している。
より具体的には、たとえば外側開口44は、図1(a)に示すとおり、頂点386よりも凹部開口38の周縁382側に拡径部384を有する。かかる構成によれば、頂点386において毛細管現象により内側開口42から外側開口44に吸い上げられた汗を、拡径部384の方向に導くことが可能である。
たとえば拡径部384を有する外側開口44は、図4(a)に示すとおり、拡径部384を挟んで頂点386と対向する弧388を有する形状をなす。ハート形状である外側開口44は、弧388を2つ備えるが、弧388の数はこれに限定されない。これにより、頂点386から拡径部384の方向に導かれた汗を弧388の側に貯めることが可能である。頂点386から拡径部384へ、そしてさらに弧388へと導かれる望ましい汗の流れは、内側開口42近傍における生体組織と支持部本体34との間に生じた汗を内側開口42に導き、上記望ましい汗の流れに合流させることが可能である。
上述するとおり、本実施形態における外側開口44は、ハート形状をなす。外側開口44の変形例としては、図4(b)に示す通気孔41における外側開口44が示す扇形状、図示省略する滴形状などを挙げることができるが、これに限定されない。
医療用針100は、ハート形状、扇形状、または滴形状のごとく、多くの人が公知の形状と認識する図形形状の外側開口44を支持部本体34に備えることにより、以下の効果を発揮する。即ち、かかる医療用針100は、医療用針100を使用する被験者および医療用針100を取り扱う医療従事者に対し好適な印象を与えることができる。医療用針100を生体組織に穿刺した状態を長時間維持することは、被験者にとって少なからず精神的な負担を与え得る。このような場合において、被験者が医療用針100に対し好適な印象を持つことは、上記負担の軽減につながり得るため、非常に有効である。
中でも、図4(a)に示すハート形状、図4(b)に示す扇形状は、頂点386、拡径部384および弧388を有し、上述する望ましい汗の流れを誘導することが可能なため、より望ましい。図示省略するが、滴形状も同様である。
本発明においてハート形状とは、心臓をシンボリックに表すマークとして知られる形状を指し、またトランプの4つの絵柄であるハート、スペード、ダイヤ、クローバの内の1つとして知られる当該ハートの形状を意味する。より具体的には、180°未満の内角を有する第一の頂点と、これに対向する180°を超える内角を有する第二の頂点と、上記第二の頂点を挟んで設けられた2つの弧と、上記2つの弧と上記第一の頂点および上記第二の頂点とを結ぶ線分とを備える図形である。上記線分には、直線および湾曲線を含む。ハート形状は、上記2つの頂点を結ぶ直線を中心にして鏡面対称である態様および非鏡面対称である態様を含む。
また本発明において扇形状とは、180°未満の内角を有する頂点と、これに対向する1つの弧と、上記弧の両端と上記頂点とをそれぞれ結ぶ2本の直線とから構成される形状を意味する。
また本発明において滴形状とは、180°未満の内角を有する頂点と、これに対向する1つの弧と、上記弧の両端と上記頂点とをそれぞれ結ぶ2本の湾曲線とから構成される。上記滴形状には、所謂、液滴形状、ティアドロップ形状を含む。
本実施形態における複数の外側開口44の形状は、いずれも同一のハート形状をなしている。ただし、医療用針100はこれに限定されず、複数の外側開口44の形状は、ハート形状、扇形状、滴形状、または他の任意の形状のいずれか2以上の組み合わせであってもよい。
図1(b)から理解されるように、本実施形態にかかる医療用針100は、外側開口44および内側開口42が略同一形状である。より具体的には、たとえば、内側開口42も、外側開口44と同様に、頂点386、拡径部384、および弧388を有している。これにより、より良好に上述する望ましい汗の流れの誘導が行われる。
外側開口44および内側開口42は、同形状であって相似形の形状を有していてもよい。
通気孔40の開口方向は、たとえば図1(b)に示すとおり、針部20の延在方向と略同方向である。
換言すると、通気孔40の開口方向は、少なくとも通気孔40の近傍における支持部本体34の肉厚方向よりも針部20の延在方向に沿っており、例えば針部20の延在方向と一致する。かかる開口方向を備える通気孔40は、支持部本体34に設けられる複数の通気孔40のうちの少なくとも1つであり、好ましくは当該複数の通気孔40の全てである。
かかる構成を有することにより、通気孔40の開口方向と、当該通気孔40が形成されている領域における支持部本体34の外周面364の法線方向が相違する。したがって、医療用針100の使用状態において、支持部本体34の外周面364に貼りつけられた接着テープ500の法線方向と、通気孔40の開口方向とが相違する。これにより、通気孔40(外側開口44)を覆う接着テープ500を、通気孔40の内部に入り込みにくくさせることができ、使用状態において通気孔40を空間50として機能させることに寄与する。より具体的には、図2に示すように、接着テープ500の法線方向と逆向きの方向である方向372に向かって外側から接着テープ500が押圧されたときであっても、少なくとも通気孔40におけるコーナー部374に接着テープ500が入り込むことがない。コーナー部374は、図2において通気孔40の内部に仮想的に破線で示している。
ここで「通気孔40の開口方向」とは、医療用針100の縦断面において観察される通気孔40の中心軸の延在方向を意味する。
通気孔40の開口方向と針部20の延在方向とが略同方向であることによって、通気孔40に対する接着テープ500の入り込みを防止する効果をより顕著に得るためには、通気孔40は、基端固定部32よりも周縁382に近い位置に設けられることが好ましい。具体的には、通気孔40の重心位置が、基端固定部32よりも周縁382に近いとよい。
図1(c)に示されるとおり、通気孔40を区画する壁面430の延在方向は、針部20の延在方向と略平行である。かかる通気孔40を設けるためには、たとえば射出成形により支持部本体34を成形する際に、支持部本体34の成形型に予め通気孔40を確保する突出部を設けておく。そして、樹脂部材を所望の形状に成形した後、設置が予定される針部20の取付方向に上記成形型を抜き取ることによって、針部20の延在方向と略同方向に延在する通気孔40を成形することができる。
本実施形態において、通気孔40の大きさは、所定条件を満たす範囲において、特に制限されない。たとえば、針部20が生体組織に穿刺され医療用針100が生体組織に設置された状態(即ち、医療用針100の使用状態)において、通気孔40を空間50となすためのより好ましい態様としては、以下を挙げることができる。尚、ここでいう所定条件とは、通気孔40が基端固定部32を挟んで両側にそれぞれ2以上設けられるとともに、支持部本体34の周方向に分散配置されることをいう。
即ち、医療用針100において、通気孔40の内接円300(図4(a)参照)の直径を、支持部本体34の肉厚の3倍以下とすることができる。ここで支持部本体34の肉厚とは、支持部本体34の肉厚が均一である場合には、当該肉厚をいい、支持部本体34の肉厚が不均一である場合には、通気孔40の近傍において測定される肉厚(例えば図1(a)に示す肉厚320)をいう。
かかる構成によれば、医療用針100の使用状態において、通気孔40は、生体組織または生体組織と接着テープ500によって塞がれ難く、実質的に、内側開口42と外側開口44との間に空間50をなすことができる。ここで「実質的に」とは、「支持部本体34の肉厚の好ましい範囲を想定した場合に」といった程度の意味である。本実施形態において支持部本体34の肉厚の範囲は限定されるものではない。たとえば支持部本体34の支持性能を満たすという観点からは、上記肉厚の下限は、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましい。また医療用針100を設置される被験者の負担を軽減するという観点からは、たとえば上記肉厚の上限は、4mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましく、2mm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態における支持部本体34には、スリット60が設けられている。スリット60は、凹部36の開口である凹部開口38の周縁382から基端固定部32に向かって延在している。医療用針100は、図1(b)に示すとおり、スリット60の基端固定部32側の端部451から周方向に周回して規定される境界線450よりも凹部開口38側に、通気孔40が包含されている。
スリット60は、支持部本体34の凹部開口38を拡張可能にする。ここでいう「拡張」とは、支持部本体34の凹部開口38のある方向の開口幅が広がることをいう。これによりたとえば、以下のような医療用針100の使用方法が可能となる。即ち、針部20を生体組織に穿刺する際、まず、凹部開口38を広げて支持部本体34の表裏を反転させた状態で、スリット60を折り目として支持部本体34を二つ折りにする。これにより、針部20の針先を含む先端部が支持部本体34から露出し他方向から観察可能となる。次いで、二つ折りにされた支持部本体34を指で保持しつつ針部20の針先を目視し針部20を生体組織に穿刺する。次いで、支持部本体34を保持していた指を外すことにより、支持部本体34が弾性的に反転回復して表裏が再度反転する。これにより、支持部本体34の凹部36が椀状となって生体組織を覆う。このように、支持部本体34にスリット60を有することにより、容易に当該支持部本体34の凹部開口38を拡張することができ、支持部本体34の反転を容易に行うことができる。
本実施形態におけるスリット60は、支持部本体34の凹部開口38の周縁382から、基端固定部32に向かって、支持部本体34の周長の半分以上の長さに亘って形成されている。これにより支持部本体34の表裏を反転させることが容易となる。尚、ここでいう「周長」とは、支持部本体34の自然状態における湾曲面上の長さをいう。
スリット60の端部451よりも中心側に通気孔40を有しないことにより、自然状態に対し反転した支持部本体34を指で把持して針部20を穿刺する際に、支持部本体34の中心部分の硬度が保たれ、把持状態が安定する。
たとえば支持部本体34は、図1(b)に示すとおり、基端固定部32を挟んで対向する一対のスリット60を有しており、一対のスリット60を結ぶ線分(図示せず)を介して両側にそれぞれ複数個の通気孔40が配置されている。具体的には、本実施形態では、当該線分を介して5つずつ通気孔40が周方向に整列配置されている態様を示している。上述のとおり、本実施形態にかかる医療用針100は、一対のスリット60を結ぶ線分を介して通気孔40がバランスよく設けられている。これによって、上述のとおり穿刺時に支持部本体34を反転させスリット60を折り目として支持部本体34を二つ折りにし、また再度反転させて反転回復させる際に、一対のスリット60の両側における支持部本体34の動作のバランスが良い。
また本実施形態における通気孔40は、非円形であり、基端固定部32を中心として略回転対称に配置されている。より具体的には、例えば、通気孔40は非円形であるハート形状である。図1(b)から理解されるとおり、たとえば、通気孔40は、スリット60が設けられた箇所を除き、基端固定部32を中心に略30°ピッチで略回転対称に配置されている。このように、通気孔40が支持部本体34においてバランスよく配置されることによって、医療用針100を生体組織に設置する際に、通気孔40の位置をいずれかにするという観点では設置方向を選ばない。
支持部本体34には、針部20と連通するチューブ部340が接続されている(図1(b)参照)。チューブ部340は基端固定部32を挟んで対向する一対のスリット60の延在方向に沿って延びている。スリット60を折り目として支持部本体34を二つ折りにしたときに、チューブ部340の一部および基端固定部32を反転した支持部本体34で挟み込むことができる。図1(a)に示すとおり、自然状態における支持部本体34の頂部には、互いに対向する一対の立面370が紙面上方に突出して形成されており、この立面370の間に基端固定部32が取り付けられる。本実施形態の基端固定部32は、チューブ部340と針部20とを互いに連通させるコネクタとしても機能している。なお、本実施形態に代えて、基端固定部32は、針部20またはチューブ部340を嵌合させるための、支持部本体34に形成された穴や溝であってもよい。
医療用針100の各構成の寸法は特に限定されない。たえば、凹部開口38の開口径は、30mm以上50mm以下(例えば37mm前後)であり、通気孔40の近傍における支持部本体34の肉厚は0.5mm以上4mm以下(例えば1.5mm)である。また、ハート形状である通気孔40の開口径は2mm以上7mm以下(例えば4.5mm)であり、スリット60の幅寸法は、1mm以上5mm以下(例えば3mm)である。尚、上述する通気孔40の開口径の範囲は、支持部本体34の周方向に10個の通気孔40が分散配置された場合の目安であって、支持部本体34の寸法および通気孔40の数によって適宜設計することができる。また通気孔40の内接円300の直径は、上述する支持部本体34の肉厚に合わせて適宜設計してもよく、当該直径が当該肉厚の3倍以下であるという観点からは、通気孔40の内接円300は、1mm以上12mm以下(例えば3.5mm前後)である。
次に、図2を用い、医療用針100の使用例および作用効果について説明する。図2は、本実施形態の使用状態を説明するための断面図である。図2に示すとおり、被験者の生体組織400の皮下には、たとえば、セプタムポート440が埋め込まれている。セプタムポート440は、セプタム410を支持固定するとともに、カテーテル420が接続されている。セプタム410を貫通して穿刺された針部20から注入された薬剤は、カテーテル420により、被験者の体内へ伝搬される。なお、セプタム410は、針20で穿刺可能であり、例えばシリコーンといった軟質樹脂で構成され、セプタムポート440の内部に備えられる薬液溜まり(図示省略)とセプタムポート440の外部とを隔てる部材である。たとえば針部20の先端は、例えばセプタム410を貫通して、上記薬液溜まりまで到達する。
図2に示すとおり使用状態において、医療用針100に設けられた針部20が生体組織400に穿刺されている。針部20の基端部は、上述したように基端固定部32に支持されており医療用針100は、支持部本体34が生体組織400を覆って当接することにより医療用針100が支持されている。また、針部20の先端は、隆起した生体組織400を貫通し、セプタムポート440に接続している。
医療用針100が生体組織400に対し安定して固定されるように、接着テープ500が、支持部本体34の外周面364と生体組織400の表面とに亘って貼り付けられている。接着テープ500は、通気孔40の外側開口44を覆っている。
本実施形態における通気孔40は、上述するとおり基端固定部32を挟んで両側にそれぞれ2以上設けられるとともに、支持部本体34の周方向に分散配置されている。そのため、支持部本体34の内周面(凹部36の周面362)は、少なくとも略十字状に、またはさらに多網状に生体組織400に当接している。これにより生体組織400が周面362によって外方向から内方向に押さえられ、通気孔40から生体組織400の表皮が外方向に膨出することが抑制される。加えて、支持部本体34の外周面364に貼られた接着テープ500が通気孔40から内方向(生体組織400方向)に入り込むことが抑制されている。
その結果、通気孔40において生体組織400と接着テープ500とが密着することが抑制され、生体組織400と通気孔40を覆う接着テープ500との間には空間50が形成されている。
医療用針100が生体組織400に設置された状態が長時間に亘ると、支持部本体34に対向する生体組織400において汗が生じる場合があるが、当該汗は、空間50をなす通気孔40に溜まり、また空間50の存在により徐々に気化し得る。空間50の内部において気化した汗を外部に良好に放出させるためには、たとえば通気性を有する部材で構成された接着テープ500を使用してもよい。
本実施形態によれば、このように、生体組織400において生じた汗を、支持部本体34と生体組織400との間に長時間滞留することを防止することができるので、被験者に好適な使用感を与えることができる。
<第二実施形態>
以下に、本発明の医療用針に関し、本発明の第二実施形態である医療用針200の構成について図3および図4(b)を用いて説明する。
図3(a)は、図3(b)の白抜き矢印方向から見た第二実施形態に係る医療用針200の構成を示す側面図であり、図3(b)は、医療用針200の上面図である。図4(b)は、第二実施形態における通気孔41の説明図である。
医療用針200は、通気孔41の形状および形成位置が、第一実施形態にかかる医療用針100と異なること以外は、医療用針100と同様に構成されている。
通気孔41は、図3(a)および図3(b)に示すとおり、基端固定部32を挟んで両側にそれぞれ2つずつ設けられるとともに、支持部本体34の周方向に分散配置されている。図3(b)に示されるとおり、上面視上、4つの通気孔41の間には、支持部本体34の肉部が略十字に存在している。そのため、支持部本体34の内周面は、略十字状に、生体組織400に当接可能である。
通気孔41は扇形状である。通気孔41の外側開口44は、基端固定部32から凹部36の開口である凹部開口38の周縁382に向けて拡径する拡径部384(図4(b)参照)を有している。かかる外側開口44は、拡径部384を挟んで頂点386と対向する弧388を1つ有する形状をなしている。扇形状は、上述のとおり多くの人が公知の形状と認識する図形形状といえる。
<第三実施態様>
次に本発明の医療用針の支持部材について説明する。本発明の医療用針の支持部材は、上述する本発明の医療用針(例えば医療用針100)から支持部30のみを取出したときの構成と同様である。
即ち、本発明の医療用針の支持部材は、医療用針100の針部20を支持するため部材である。当該支持部材は、針部20の基端部を支持する基端固定部32と、基端固定部32に支持された針部20を覆う可撓性の支持部本体34を有している。支持部本体34が、湾曲形状をなし針部20の基端部から先端部に向けて開口する凹部36を有するとともに、凹部36の周面362から支持部本体34の外周面364まで貫通する通気孔40を有する。通気孔40は、基端固定部32を挟んで両側にそれぞれ2以上設けられるとともに、支持部本体34の周方向に分散配置されている。
本発明の医療用針の支持部材は、独立して商取引の対象となり得る。当該支持部材は、一般的に医療用針に用いられる針部と組み合わせ使用することにより、生体組織400に対し安定して当該針部を支持することを可能とし、また本発明の医療用針100によってもたらされる優れた作用効果を享受することができる。
本発明の医療用針の支持部材に関し、適宜、上述する医療用針100または医療用針200における支持部30に関する説明を参照することができるため、ここでは詳細の説明を省略する。
以上に本発明の実施形態について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様を含む。
たとえば、本発明の医療用針または医療用針の支持部材は、以下の態様を包含する。
たとえば本発明に包含される他の態様の例を図5(a)から(c)に示す。図5(a)は通気孔40を1つ備える本発明の態様の例を示す上面図であり、図5(b)は通気孔40を2つ備える本発明の態様の例を示す上面図であり、図5(c)は、通気孔40を3つ備える本発明の態様の例を示す上面図である。図5(a)から(c)に示す医療用針100は、第一実施態様における医療用針100に対し、設けられる通気孔40の数、配置位置、および寸法を変更したこと以外は同様の構成を備える。
即ち、本発明は、図5(a)に示す医療用針100のごとく、通気孔40が、1つ設けられている態様を包含する。1以上の通気孔40を支持部本体34に設けることによって、医療用針100は、支持部本体34と生体組織との間に生じた汗を良好に気化または流出させることが可能である。
また本発明は、図5(b)に示す医療用針100のごとく、通気孔が、2つ設けられている態様を包含する。図5(b)では、基端固定部32を介して両側に1つずつ通気孔40が設けられた態様を示している。換言すると、基端固定部32を介して、略180度対向する位置に複数(具体的には2個)の通気孔40が配置されている。このように、複数の通気孔40を離れた位置に形成することによって、上記汗の気化または流出が効率良く行われ得る。
ただし、本発明は、2以上の通気孔40が、基端固定部32を介して対向する位置以外の位置に配置されることを除外するものではない。通気孔40の数が増大することによって、上記汗の気化または流出の効果を増大させ得る。したがって2以上の通気孔40は支持部本体34にランダムに形成配置されていてもよい。
たとえば、本発明は、図5(c)に示す医療用針100のように、3つの通気孔40を備え、上面視上、基端固定部32を通過して、支持部本体34を2分する線分(図示省略)で区画される2つの領域の一方の領域に、1つの通気孔40を備え、他方の領域に2つの通気孔40を備える態様を包含する。このように、3つ以上の通気孔40が基端固定部32を中心として、有意に支持部本体34に分散配置されていることが好ましい。
上記分散配置の観点からは、図5(c)に示すとおり、2以上の通気孔40が支持部本体34の周方向に分散配置されている態様は、本発明の好ましい態様の1つとして挙げられる。特には、図5(c)に示すとおり、2つ以上の通気孔40が互いに略等しい間隔で分散配置されているとよい。これによって、医療用針100の取付け角度によらず、生体組織から生じた汗をいずれかまたは全ての通気孔40から効率良く流出し、または気化させることができる。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)針部と、前記針部を支持する支持部と、を備える医療用針であって、
前記支持部が、前記針部の基端部を支持する基端固定部と、前記基端固定部に支持された前記針部を覆う可撓性の支持部本体を有しており、
前記支持部本体が、湾曲形状をなし前記針部の前記基端部から先端部に向けて開口する凹部を有するとともに、前記凹部の周面から当該支持部本体の外周面まで貫通する通気孔を有し、
前記通気孔が、前記凹部の前記周面に形成された内側開口と前記支持部本体の前記外周面に設けられた外側開口とを連通していることを特徴とする医療用針。
(2)前記通気孔が、2以上設けられている上記(1)に記載の医療用針。
(3)前記通気孔が、前記支持部本体の周方向に分散配置されている上記(2)に記載の医療用針。
(4)前記通気孔が、前記基端固定部を挟んで両側にそれぞれ2以上設けられている上記(2)または(3)に記載の医療用針。
(5)少なくとも前記外側開口が、前記基端固定部寄りに1以上の頂点を有する上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の医療用針。
(6)前記外側開口が、前記基端固定部から前記凹部の開口である凹部開口の周縁に向けて拡径する拡径部を有する上記(5)に記載の医療用針。
(7)記外側開口が、前記拡径部を挟んで前記頂点と対向する弧を有する形状をなす上記(6に記載の医療用針。
(8)前記外側開口が、ハート形状、扇形状または滴形状である上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の医療用針。
(9)前記外側開口および前記内側開口が略同一形状である上記(1)から(8)のいずれか一項に記載の医療用針。
(10)前記通気孔の開口方向が、前記針部の延在方向と略同方向である上記(1)から(9)のいずれか一項に記載の医療用針。
(11)前記通気孔の内接円の直径が、前記支持部本体の肉厚の3倍以下である上記(1)から(10)のいずれか一項に記載の医療用針。
(12)前記支持部本体は、前記凹部の開口である凹部開口の周縁から前記基端固定部に向かって延在するスリットを有し、
前記スリットの前記基端固定部側の端部から周方向に周回して規定される境界線よりも前記凹部開口側に、前記通気孔が包含されている上記(1)から(11)のいずれか一項に記載の医療用針。
(13)前記支持部本体は、前記基端固定部を挟んで対向する一対の前記スリットを有し、
前記一対の前記スリットを結ぶ線分を介して両側にそれぞれ複数個の前記通気孔が配置されている上記(12)に記載の医療用針。
(14)前記通気孔が、非円形であり、前記基端固定部を中心として略回転対称に配置されている上記(1)から(13)のいずれか一項に記載の医療用針。
(15)医療用針の針部を支持するための医療用針の支持部材であって、
前記針部の基端部を支持する基端固定部と、前記基端固定部に支持された前記針部を覆う可撓性の支持部本体を有しており、
前記支持部本体が、湾曲形状をなし前記針部の前記基端部から先端部に向けて開口する凹部を有するとともに、前記凹部の周面から当該支持部本体の外周面まで貫通する通気孔を有していることを特徴とする医療用針の支持部材。
(16)前記通気孔が、2以上設けられている上記(15)に記載の医療用針の支持部材。
(17)前記通気孔が、前記支持部本体の周方向に分散配置されている上記(16)に記載の医療用針の支持部材。
(18)前記通気孔が、前記基端固定部を挟んで両側にそれぞれ2以上設けられている上記(16)または(17)に記載の医療用針の支持部材。
20・・・針部
30・・・支持部
32・・・基端固定部
34・・・支持部本体
36・・・凹部
38・・・凹部開口
40、41・・・通気孔
42・・・内側開口
44・・・外側開口
50・・・空間
60・・・スリット
100、200・・・医療用針
300・・・内接円
320・・・肉厚
340・・・チューブ部
362・・・周面
364・・・外周面
370・・・立面
372・・・方向
374・・・コーナー部
382・・・周縁
384・・・拡径部
386・・・頂点
388・・・弧
400・・・生体組織
410・・・セプタム
420・・・カテーテル
430・・・壁面
440・・・セプタムポート
450・・・境界線
451・・・端部
500・・・接着テープ

Claims (12)

  1. 針部と、前記針部を支持する支持部と、を備える医療用針であって、
    前記支持部が、前記針部の基端部を支持する基端固定部と、前記基端固定部に支持された前記針部を覆う可撓性の支持部本体を有しており、
    前記支持部本体が、湾曲形状をなし前記針部の前記基端部から先端部に向けて開口する凹部を有するとともに、前記凹部の周面から当該支持部本体の外周面まで貫通する通気孔を有し、
    前記通気孔が、2以上設けられて、前記支持部本体の周方向に分散配置されており、前記凹部の前記周面に形成された内側開口と前記支持部本体の前記外周面に設けられた外側開口とを連通しており、
    少なくとも前記外側開口が、前記基端固定部寄りに1以上の頂点と、前記基端固定部から前記凹部の開口である凹部開口の周縁に向けて拡径する拡径部と、を有し、
    複数の前記通気孔の前記外側開口において、前記頂点がいずれも前記基端固定部寄りに配置されており、前記拡径部がいずれも前記凹部開口の周縁に向けて拡径していることを特徴とする医療用針。
  2. 前記通気孔が、前記基端固定部を挟んで両側にそれぞれ2以上設けられている請求項に記載の医療用針。
  3. 前記外側開口が、前記拡径部を挟んで前記頂点と対向する弧を有する形状をなす請求項1または2に記載の医療用針。
  4. 前記外側開口が、ハート形状、扇形状または滴形状である請求項1からのいずれか一項に記載の医療用針。
  5. 前記外側開口および前記内側開口が略同一形状である請求項1からのいずれか一項に記載の医療用針。
  6. 前記通気孔の開口方向が、前記針部の延在方向と略同方向である請求項1からのいずれか一項に記載の医療用針。
  7. 前記通気孔の内接円の直径が、前記支持部本体の肉厚の3倍以下である請求項1からのいずれか一項に記載の医療用針。
  8. 前記支持部本体は、前記凹部の開口である凹部開口の周縁から前記基端固定部に向かって延在するスリットを有し、
    前記スリットの前記基端固定部側の端部から周方向に周回して規定される境界線よりも前記凹部開口側に、前記通気孔が包含されている請求項1からのいずれか一項に記載の医療用針。
  9. 前記支持部本体は、前記基端固定部を挟んで対向する一対の前記スリットを有し、
    前記一対の前記スリットを結ぶ線分を介して両側にそれぞれ複数個の前記通気孔が配置されている請求項に記載の医療用針。
  10. 前記通気孔が、非円形であり、前記基端固定部を中心として略回転対称に配置されている請求項1からのいずれか一項に記載の医療用針。
  11. 医療用針の針部を支持するための医療用針の支持部材であって、
    前記針部の基端部を支持する基端固定部と、前記基端固定部に支持された前記針部を覆う可撓性の支持部本体を有しており、
    前記支持部本体が、湾曲形状をなし前記針部の前記基端部から先端部に向けて開口する凹部を有するとともに、前記凹部の周面から当該支持部本体の外周面まで貫通する通気孔を有し
    前記通気孔が、2以上設けられて、前記支持部本体の周方向に分散配置されており、前記凹部の前記周面に形成された内側開口と前記支持部本体の前記外周面に設けられた外側開口とを連通しており、
    少なくとも前記外側開口が、前記基端固定部寄りに1以上の頂点と、前記基端固定部から前記凹部の開口である凹部開口の周縁に向けて拡径する拡径部と、を有し、
    複数の前記通気孔の前記外側開口において、前記頂点がいずれも前記基端固定部寄りに配置されており、前記拡径部がいずれも前記凹部開口の周縁に向けて拡径していることを特徴とする医療用針の支持部材。
  12. 前記通気孔が、前記基端固定部を挟んで両側にそれぞれ2以上設けられている請求項11に記載の医療用針の支持部材。
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