JP6409227B2 - 油劣化度評価方法、油劣化度評価装置 - Google Patents
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Description
一方で、上述したRPVOTの場合、潤滑油の高性能化に伴って、測定に数十時間以上の長時間を要するものがある。さらに、RPVOTの場合、実機の潤滑油を採取して専用の測定装置で測定する必要がある。この測定装置は、潤滑油に酸素圧を加えて高温な状態に保持する特殊な装置であるため、採取した潤滑油を測定装置が設置された場所まで持ち運ぶ必要がある。つまり、RPVOTの場合、潤滑油の劣化を把握するまでに長時間を要するという課題がある。
このように試験油の吸収スペクトルのデータとRPVOT残存率のデータとの相関関係を、評価対象の油の吸収スペクトルのデータを取得する前に取得しておくことで、評価対象の油の吸収スペクトルのデータを取得した後には、評価対象の油の吸収スペクトルのデータと相関関係データに基づいてRPVOT残存率を直ぐに求めることができる。
その結果、油の劣化度を迅速、且つ、簡便に評価することができる。
このようにすることで、劣化が進むことによって油の吸収スペクトルの特性が紫外領域から可視領域に変移した場合であっても、この吸収スペクトルの特性が測定波長の領域外となることを抑制できる。
このようにすることで吸収スペクトルのピーク波長とRPVOT残存率とは相関関係があることから、評価対象の油の吸収スペクトルのピーク波長を求めることで、容易にRPVOT残存率を求めることができる。同様に、吸収スペクトルの吸収強度とRPVOT残存率とは相関関係があることから、評価対象の油の吸収スペクトルの吸収強度を求めることで、容易にRPVOT残存率を求めることができる。さらに、これら吸収スペクトルのピーク波長と吸収強度とを両方用いて評価した場合には、何れか一方のみ用いた場合よりも評価結果の信頼性を向上できる。
このように構成することで、評価対象の油が、例えばガスタービン等の回転機械の潤滑油であり、この回転機械が運転中の場合であっても、非接触で評価対象の油のRPVOT残存率を推定することができる。その結果、回転機械等の装置から評価対象の油を取り出して測定装置にかけてRPVOT残存率を測定する場合よりも、評価対象の油のRPVOT残存率を迅速に求めることができる。
このように構成することで、劣化が進むことによって油の吸収スペクトルの特性が紫外領域から可視領域に変移した場合であっても、この吸収スペクトルの特性が波長の領域外となることを抑制できる。
このように構成することで、例えばガスタービン等の回転機械が運転中に、評価対象の油のRPVOT残存率が閾値以下となった場合には、報知部によってユーザに報知することができる。そのため、適切なタイミングで油の交換が可能となり、また、ガスタービン等の回転機械にバーニッシュが発生することを抑制できる。
図1は、この発明の実施形態における油劣化度評価装置の概略構成を示す図である。図2は、上記油劣化度評価装置の装置本体の概略構成を示す図である。
図1に示すように、この実施形態における油劣化度評価装置1は、ガスタービン発電設備2で使用される潤滑油の劣化度を評価する。ガスタービン発電設備2は、ガスタービン3、圧縮機4、発電機5、および、潤滑装置6をそれぞれ備えている。
圧縮機4は、ガスタービン3の回転軸7に接続され、この回転軸7の回転エネルギーにより外気を圧縮した圧縮空気を生成する。この圧縮空気は、燃焼器(図示せず)に供給される。
発電機5は、回転軸7の回転エネルギーを電気エネルギーに変換して出力する。
主油タンク9は、潤滑油であるタービン油を内部に貯留する貯留空間を有している。この主油タンク9には、潤滑油供給配管10と、潤滑油戻し配管12とがそれぞれ接続されている。
ポンプ11は、主油タンク9に貯留されたタービン油を圧送する。この実施形態におけるポンプ11は、潤滑油供給配管10の途中に設けられている。このポンプ11によって、主油タンク9に貯留されたタービン油が、潤滑油供給配管10により形成される流路を介して軸受8に供給される。
上述したタービン油は、ガスタービン発電設備2が運転を継続している間は、潤滑油供給配管10と潤滑油戻し配管12とによって形成される流路を介して、常に軸受8と主油タンク9との間を循環している。
油劣化度評価装置1は、光照射部15と、光学セル16と、光検出部17と、装置本体18と、表示部19と、報知部20とを備えている。
図3は、この発明の実施形態における相関関係データを取得する手順を示すフロー図である。
また、積分範囲外の波長の吸光度を用いてベースラインの補正を行うようにしても良い。例えば、450nmから700nmの波長領域の吸光度の平均値を、全波長領域の吸光度から減算することができる。
この実施形態の一例において、DryTOSTにより200時間経過した試験油のRPVOT残存率は18.3%となった。DryTOSTにより400時間経過した試験油のRPVOT残存率は33.6%となった。DryTOSTにより600時間経過した試験油のRPVOT残存率は43.5%となった。DryTOSTにより750時間経過した試験油のRPVOT残存率は55.5%となった。DryTOSTにより900時間経過した試験油のRPVOT残存率は77.9%となった。
この実施形態の油劣化度評価装置1の場合、上述した一連のフローによって求められた相関関係データは、入力装置30を介して予め記憶部26に記憶される。
まず、油劣化度評価装置1を起動させる。
すると、図10に示すように、図示しないタイマーによって、予め設定された所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS11)。この判定の結果、所定時間が経過していないと判定された場合には、所定時間が経過するまで待機状態とする。一方で、所定時間が経過したと判定された場合には、タービン油の吸収スペクトルのデータを取得する(ステップS12)。より具体的には、光照射部15により紫外から可視領域の光線をタービン油に照射して、透過光L2を光検出部17によって検出する。さらに、この光検出部17の検出結果に基づいて吸収スペクトル検出部25で吸収スペクトルのデータを取得する。
その後、この油劣化度評価方法のフローを一旦終了する。
紫外領域から可視領域までの吸収スペクトルのピーク波長は、同種の物質であれば分子量と正の相関があり、吸収スペクトルのピーク波長は油劣化生成物の分子量と相関する。また、一方で、吸収強度は油劣化生成物の生成量と相関する。通常は、吸収スペクトルのピーク波長と吸収強度は相関して変化するので、両者から推定したRPVOT残存率は一致する。そのため、両者から推定したRPVOT残存率に偏差が生じる場合は、油の使用温度、圧力などの運転環境の変化を示す蓋然性が高い。
油劣化生成物の分子量の増加は、付着性の増加に繋がりバーニッシュのリスクを増加させるのでピーク波長から推定したRPVOT残存率が、吸収強度から推定したRPVOT残存率より大きくなる場合は、バーニッシュのリスクの上昇を示すことになる。
さらに、上述した吸収スペクトルを検出する波長領域は、上述した範囲に限られない。上述した範囲を含むより広い波長領域としても良い。
2 ガスタービン発電設備
3 ガスタービン
4 圧縮機
5 発電機
6 潤滑装置
7 回転軸
8 軸受
9 主油タンク
10 潤滑油供給配管
11 ポンプ
12 潤滑油戻し配管
15 光照射部
16 光学セル
17 光検出部
18 装置本体
19 表示部
20 報知部
21 窓板
25 吸収スペクトル検出部
26 記憶部
27 RPVOT残存率算出部
28 判定部
29 出力部
30 入力装置
Claims (6)
- 評価対象の油と同性状の油を用いて劣化度の異なる複数の試験油を作成し、これら劣化度の異なる複数の試験油に対して、それぞれ紫外から可視領域の波長を有する測定光線を照射して前記劣化度の異なる複数の試験油の各吸収スペクトルのデータを取得する工程と、
前記劣化度の異なる複数の試験油の酸化劣化試験を行い、前記劣化度の異なる複数の試験油の各RPVOT残存率のデータを取得する工程と、
前記吸収スペクトルのデータと、前記RPVOT残存率のデータとの相関関係データを求める工程と、
前記評価対象の油に前記測定光線と同じ紫外から可視領域の波長を有する光線を照射して前記評価対象の油の吸収スペクトルのデータを取得する工程と、
前記評価対象の油の吸収スペクトルのデータと、前記相関関係データとに基づいて、前記評価対象の油のRPVOT残存率を求める工程と、
を含み、
前記データを取得する工程では、前記評価対象の油が流れる流路の一部を形成している光学セルを通じて、前記流路の前記評価対象の油に前記光線を照射する油劣化度評価方法。 - 前記評価対象の油に照射する光線、および、前記測定光線は、200nmから450nmの波長領域の光線である請求項1に記載の油劣化度評価方法。
- 前記吸収スペクトルのデータは、前記吸収スペクトルのピーク波長データと、前記吸収スペクトルの吸収強度データとのうち、少なくとも一つである請求項1又は2に記載の油劣化度評価方法。
- 評価対象の油と同性状の油を用いて作成された劣化度の異なる複数の試験油の紫外から可視領域の波長を有する測定光線に対する各吸収スペクトルと、前記劣化度の異なる複数の試験油の各RPVOT残存率との相関関係データを予め記憶する記憶部と、
前記評価対象の油に紫外から可視領域の波長を有する光線を照射する光照射部と、
前記光照射部からの光を透過させるとともに、前記評価対象の油が流れる流路の一部を形成している光学セルと、
前記評価対象の油を透過した光線を検出する光検出部と、
前記光検出部の検出結果に基づいて前記評価対象の油の吸収スペクトルを検出する吸収スペクトル検出部と、
前記吸収スペクトル検出部の検出結果と、前記記憶部に記憶された相関関係データとに基づいて、前記評価対象の油のRPVOT残存率を求めるRPVOT残存率算出部と、
前記RPVOT残存率算出部により求められたRPVOT残存率のデータを外部に出力する出力部と、を備える油劣化度評価装置。 - 前記評価対象の油に照射する光線、および、前記測定光線は、200nmから450nmの波長領域の光線である請求項4に記載の油劣化度評価装置。
- 前記RPVOT残存率算出部によって求められたRPVOT残存率と、予め設定されたRPVOT残存率の閾値とを比較して、RPVOT残存率が前記閾値以下であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記RPVOT残存率が前記閾値以下であると判定された場合に、前記RPVOT残存率が前記閾値以下になったことを報知する報知部と、を備える請求項4又は5に記載の油劣化度評価装置。
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