JP6408352B2 - 回路基板および測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品の実装部位の周囲にスリットが形成されている回路基板、およびこの回路基板を備えた測定装置に関するものである。
この種の回路基板として、下記の特許文献1に開示された基板が知られている。この基板は、電子部品(LEDチップなど)の搭載予定領域を含む所定領域の周囲に、熱絶縁用穴を、例えば、この所定領域の外周形状に沿った細長の長方形状のスリットとして、または、この所定領域の外周形状に沿って互いに対向するように形成された2つのコ字状のスリットとして、または、この所定領域の外周形状に沿ったスパイラル状のスリットとして形成して構成されている。
この基板では、所定領域の周囲に形成された熱絶縁用穴により、熱絶縁用穴の内側に位置する所定領域と、熱絶縁用穴の外側に位置する領域との間での熱伝導を大幅に低減させる(熱絶縁を図る)ことが可能になっている。
また、このように基板における電子部品の搭載予定領域の周囲に配設した穴には、下記の特許文献2に開示されているように、基板が撓んだ際に生じる力が穴で囲まれた搭載予定領域に作用するのを低減するという効果があることも知られている。
特開2009−130294号公報(第11−12頁、第1−10図) 特開2001−326428号公報(第2−5頁、第3−5図)
ところが、上記したような構成のスリットが形成された基板には、以下のような解決すべき課題が存在している。すなわち、図5,6に示すような2つのコ字状のスリット61,62を搭載予定領域W(点線で囲まれた方形の領域)を含む所定領域(方形の領域)の外周形状に沿って対向するように形成した構成の基板51,52(基板52では、対向する2つのコ字状のスリットを2組(スリット61,62と、スリット63,64)形成した構成)や、図7に示すような2つのスパイラル状のスリット61,62を搭載予定領域Wの中心Oに対して点対称となる状態で形成した構成の基板53では、搭載予定領域Wを通過する仮想直線Lを規定し、この仮想直線Lを挟んで位置する異なる部位(スリットの外側に位置する外側部位)から搭載予定領域Wに至る経路を考えたときに、この経路が複数存在し、かつ各経路の搭載予定領域Wとの接続部位(スリットの内側に位置する部位)が仮想直線Lを挟んで位置する状態が生じる。
具体的には、図5に示す基板51では、例えば、各スリット61,62を横切って搭載予定領域Wを通過する仮想直線Lを同図に示すように規定し、この仮想直線Lを挟んで位置する異なる外側部位A1,A2から搭載予定領域Wに至る経路RTを考えたときに、この経路RTが経路RT1,RT2(太い破線で示す経路)の2つ存在し、かつ各経路RT1,RT2の搭載予定領域Wとの接続部位B1,B2が仮想直線Lを挟んで位置している。
また、図6に示す基板52では、例えば、各スリット61,62を横切ると共に、各スリット63,64間の隙間の中間点および搭載予定領域Wを通過する仮想直線Lを同図に示すように規定し、この仮想直線Lを挟んで位置する異なる外側部位A1,A2から搭載予定領域Wに至る経路RTを考えたときに、この経路RTが経路RT1,RT2(太い破線で示す経路)の2つが少なくとも存在し(図示はしないが、線対称の位置にさらに2つ存在する)、かつ各経路RT1,RT2の搭載予定領域Wとの接続部位B1,B2が仮想直線Lを挟んで位置している。
また、図7に示す基板53では、例えば、各スリット61,62を横切って搭載予定領域Wを通過する仮想直線Lを同図に示すように規定し、この仮想直線Lを挟んで位置する異なる外側部位A1,A2から搭載予定領域Wに至る経路RTを考えたときに、この経路RTが経路RT1,RT2(太い破線で示す経路)の2つ存在し、かつ各経路RT1,RT2の搭載予定領域Wとの接続部位B1,B2が仮想直線Lを挟んで位置している。
上記のように、搭載予定領域Wを通過する仮想直線Lを規定したときに、2つ以上の経路RT1,RT2が存在し、各経路RT1,RT2の各外側部位A1,A2が仮想直線Lを挟んで位置し、かつ各経路RTの各接続部位B1,B2が仮想直線Lを挟んで位置するようにスリットが形成された構成となるような基板51,52,53では、この仮想直線Lを折り線として折り曲げる(以下、「仮想直線Lで曲げる」ともいう)ような外力が加わった際に、各外側部位A1,A2間の位置関係が変化し、この位置関係の変化に起因した力が各経路RT1,RT2を介して各接続部位B1,B2に伝わる。また、この構成の基板51,52,53では、この接続部位B1,B2も仮想直線Lを挟んで位置しているため、接続部位B1,B2にそれぞれ伝わる力に基づいて、搭載予定領域Wを仮想直線Lで曲げようとする力(ストレス)が搭載予定領域Wに作用するという解決すべき課題が存在している。
一方、図8に示すような1つのスパイラル状のスリット61を搭載予定領域Wを含む所定領域の外周形状に沿って形成した構成の基板54では、上記の経路RT(外側部位Aと接続部位Bとを結ぶ経路)は1つであるため、基板51,52,53に生じる上記のような課題は存在しない。しかしながら、経路RTが1つであり、また搭載予定領域Wまでの距離が長くなることから、搭載予定領域Wに実装した電子部品に対してスリット61の外側から経路RTに沿って配線を敷設するのが困難になるという別の課題が存在している。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、スリットの外側から電子部品の実装領域への配線を敷設するための経路を複数確保でき、かつ曲げを生じさせる外力が加わったときでも実装領域に曲げようとする力が作用し難い回路基板、およびこの回路基板を備えた測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の回路基板は、電子部品の実装領域および当該実装領域を取り囲んで配設されたスリット形成領域を備えている回路基板であって、前記スリット形成領域に複数のスリットが形成されることによって、当該スリット形成領域の外側に位置する外側部位から当該スリット形成領域を経由して前記実装領域に至る経路が複数存在し、前記実装領域の表面に沿って当該実装領域を通過する仮想直線に対して、複数の前記経路についての前記外側部位のすべてが同じ側に位置する構成、および複数の前記経路の前記実装領域との接続部位のすべてが同じ側に位置する構成のうちのいずれかの構成を備えると共に、前記実装領域を囲んで形成されたコ字状の第1スリットと、対向する一対の第1長孔部および当該一対の第1長孔部の同一側の端部同士を繋げる第2長孔部を有するコ字状であって、当該一対の第1長孔部のうちの一方の第1長孔部が前記第1スリットの開口部位側に位置する状態で当該第1スリットを囲んで形成された第2スリットとが前記複数のスリットとして形成されている。
請求項記載の回路基板は、電子部品の実装領域および当該実装領域を取り囲んで配設されたスリット形成領域を備えている回路基板であって、前記スリット形成領域に複数のスリットが形成されることによって、当該スリット形成領域の外側に位置する外側部位から当該スリット形成領域を経由して前記実装領域に至る経路が複数存在し、前記実装領域の表面に沿って当該実装領域を通過する仮想直線に対して、複数の前記経路についての前記外側部位のすべてが同じ側に位置する構成、および複数の前記経路の前記実装領域との接続部位のすべてが同じ側に位置する構成のうちのいずれかの構成を備えると共に、前記実装領域内に当該実装領域の中心を含んで当該実装領域とほぼ同等の広さの仮想方形領域を1つ規定したときに、前記仮想方形領域の四辺のうちの一の辺側に両端部が位置する状態で前記実装領域を囲むようにして形成されたコ字状およびC字状のうちのいずれかの形状の第1スリットと、前記四辺のうちの前記一の辺と隣接する他の一の辺側に両端部が位置する状態で前記第1スリットを囲むようにして形成されたコ字状およびC字状のうちのいずれかの形状の第2スリットとが、前記複数のスリットとして形成されている。
請求項記載の測定装置は、請求項1または2記載の回路基板を備えている。
請求項1記載の回路基板および請求項2記載の回路基板では、スリット形成領域の外側に位置する外側部位からスリット形成領域を経由して実装領域に至る経路が複数存在し、実装領域を通過する仮想直線に対して、複数の経路についての外側部位のすべてが同じ側に位置する構成、および複数の経路の実装領域との接続部位のすべてが同じ側に位置する構成のうちのいずれかの構成を備えている。
したがって、これらの回路基板によれば、回路基板にこの仮想直線で曲げるような外力が加わったとしても、複数の経路についての外側部位のすべてが仮想直線に対して同じ側に位置する構成においては、実装領域はこの外側部位を含む部位と同じ1つの仮想平面内に位置した状態で変化(移動)し、また複数の経路についての実装領域との接続部位のすべてが仮想直線に対して同じ側に位置する構成においては、実装領域はこの接続部位が接続されている部位と同じ1つの仮想平面内に位置した状態で変化(移動)するため、実装領域に加わるストレス(曲げようとする力)を極めて小さい状態にすることができる。また、これらの回路基板によれば、スリット形成領域の外側の領域から実装領域への配線を敷設するための経路を複数確保することができる。
また、請求項記載の回路基板および請求項記載の回路基板によれば、比較的形状が簡単なコ字状やC字状のスリットを2つだけ形成するだけで済むため、基板構造の複雑化を回避することができる結果、製造時の歩留まりを高くすることができる。
また、請求項記載の測定装置によれば、請求項1または2記載の回路基板を備えたことにより、測定装置に振動などの外力が加わり、これに起因して測定装置に実装されたこの回路基板に上記のような外力が加わったとしても、回路基板の実装領域に加わるストレス(曲げようとする力)を極めて小さい状態に維持することができる。したがって、この測定装置によれば、この測定装置に加わる振動などの外力の影響によって実装領域に搭載された電子部品に不具合が生じるという事態の発生を大幅に低減することができるため、測定装置の信頼性を向上させることができる。
回路基板1の構成図である。 回路基板1Aの構成図である。 回路基板1Bの構成図である。 回路基板1Cの構成図である。 回路基板51の構成図である。 回路基板52の構成図である。 回路基板53の構成図である。 回路基板54の構成図である。
以下、回路基板および測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、回路基板の各構成について、図面を参照して説明する。
最初に、図1に示す回路基板としての回路基板1の構成について説明する。この回路基板1は、不図示の電子部品(1または複数の電子部品)が実装される実装領域W、およびこの実装領域Wを取り囲んで配設されたスリット形成領域Xを備えている。
この回路基板1では、実装領域Wは、一例として図1において破線で示すように、外形が方形状の領域に形成されている。また、スリット形成領域Xは、一例として同図において一点鎖線で示すように、実装領域Wの外形に合わせて、外形が実装領域Wを取り囲む方形の環状領域に形成されている。また、スリット形成領域X内には、外形がそれぞれコ字状に形成された第1スリット61および第2スリット62が独立した状態で形成されている。
この場合、第1スリット61は、図1に示すように、実装領域Wの中心Oを含んで実装領域Wとほぼ同等の広さの仮想方形領域(本例では一例として、実装領域Wが方形であることから、発明の理解を容易にするため、実装領域W全体を仮想方形領域とする。したがって、この例では、仮想方形領域Wともいう)を実装領域W内に1つ規定したときに、この仮想方形領域Wの四辺のうちの一の辺側(同図中での上辺側)に両端部が位置する状態で実装領域Wを囲むように形成されている。
一方、第2スリット62は、図1に示すように、仮想方形領域Wの四辺のうちの上記した一の辺と隣接する他の一の辺側(同図中での右辺側または左辺側。本例では一例として左辺側)に両端部が位置する状態で第1スリット61を囲むように形成されている。具体的には、コ字状の第2スリット62は、対向する一対の第1長孔部62a,62b、および第1長孔部62a,62bの同一側の端部同士(本例では、同図中での右端部同士)を繋げる第2長孔部62cを備えている。このため、本例では、第2スリット62は、第1長孔部62a,62bのうちの第1長孔部62aが第1スリット61の開口部位側に位置する状態で形成されている。
このようにして、この回路基板1では、スリット形成領域Xに複数のスリット(本例では第1スリット61および第2スリット62の2個)が形成されることにより、スリット形成領域Xの外側に位置する外側部位(起点)からスリット形成領域Xを経由して実装領域Wに至る経路(最短で至る経路)が、図1に示すように、経路RT1,RT2の2個存在する。また、回路基板1における各経路RT1,RT2が通過する部位は、各スリット61,62によって区分けされたスリット形成領域Xの外側の部位とスリット形成領域Xの内側の部位(実装領域Wの部位)とを連結する連結部を構成する。
これらの経路RT1,RT2のうちの経路RT1は、図1において太線の破線で示すように、スリット形成領域Xの外側に位置する外側部位A1(第1長孔部62a側に位置する起点)からスリット形成領域X(具体的には、第1長孔部62aと、第1スリット61の一方の端部(同図中の左端部)との間に形成される距離の短い隙間)を経由して実装領域Wとの接続部位B1(終点)に至る経路として規定される。上記したように、ここでの経路は最短となるように規定される。このため、外側部位A1は、図1に示すように、第2スリット62の第1長孔部62a側の端部に近接した位置に規定され、また接続部位B1は、同図に示すように、実装領域Wにおける第1スリット61の一方の端部に近接した位置(実装領域Wの四辺のうちの上辺における左端部)に規定される。
一方、経路RT2は、図1において太線の破線で示すように、スリット形成領域Xの外側に位置する外側部位A2(第1長孔部62b側に位置する起点)からスリット形成領域X(具体的には、第2スリット62の第1長孔部62bおよび第2長孔部62cと第1スリット61との間に形成される距離の長い隙間、並びに第2スリット62の第1長孔部62aと第1スリット61の他方の端部(同図中の右端部)との間に形成される距離の短い隙間)を経由して実装領域Wとの接続部位(終点)B2に至る経路として規定される。ここでの経路も最短となるように規定される。このため、外側部位A2は、図1に示すように、第2スリット62の第1長孔部62b側の端部に近接した位置に規定され、また接続部位B2は、同図に示すように、実装領域Wにおける第1スリット61の他方の端部に近接した位置(実装領域Wの四辺のうちの上辺における右端部)に規定される。
次いで、回路基板1に1本の仮想直線Lで曲げるような外力が加わったときの、この外力の実装領域Wへの影響について説明する。
まず、実装領域Wの表面(回路基板1の表面でもある)に沿って、かつ回路基板1を仮想直線L(以下、説明のため仮想直線L1ともいう)で曲げるような外力が回路基板1に加わった場合について説明する。この仮想直線L1は、実装領域(本例では仮想方形領域でもある)Wの四辺のうちの左辺および右辺を横切る仮想直線(同図では一例として、第1長孔部62a,62bと平行(またはほぼ平行)な直線として示されている)である。
この場合、各経路RT1,RT2の外側部位A1,A2は、この仮想直線L1を挟んで位置しているため、回路基板1が仮想直線L1で若干曲がった際には、各外側部位A1,A2間の位置関係が変化する。
ところで、コ字状の第2スリット62の内側の構成は、外側部位A1,A2の各近傍から仮想直線L1に沿って延びる2つの細長い部位(実装領域Wの四辺のうちの上辺と第2スリット62の第1長孔部62aとの間で形成されて外側部位A1の近傍に至る部位と、第1スリット61と第2スリット62の第1長孔部62bとの間で形成されて外側部位A2の近傍に至る部位。斜線を付した2つの部位)と、この2つの細長い部位の先端側部位P1,P2を連結する部位(第1スリット61と第2スリット62の第2長孔部62cとの間で形成される部位)とが形成され、上記した2つの細長い部位のうちの外側部位A1の近傍に至る部位に実装領域Wの四辺のうちの上辺が連結される構成となっている。
この構成により、外側部位A1,A2の近傍に接続された2つの細長い部位の一部であって、仮想直線L1を挟んで位置する先端側部位P1,P2は、上記のように各外側部位A1,A2間の位置関係が変化したときには、互いに連結されていることから、対応する外側部位A1,A2よりもそれぞれの位置の変化量は少ないものの、対応する外側部位A1,A2と同じ方向に変化する。つまり、仮想直線L1に対して外側部位A1と同じ側に位置する先端側部位P1は、外側部位A1と同じ方向に変化し、仮想直線L1に対して外側部位A2と同じ側に位置する先端側部位P2は、外側部位A2と同じ方向に変化する。これにより、第1スリット61の一方の端部に近接している(つまり、外側部位A1に近接している)接続部位B1、および第1スリット61の他方の端部に近接している(つまり、先端側部位P1に近接している)接続部位B2も、仮想直線L1に対して外側部位A1と同じ側に位置することから、外側部位A1と同じ方向にそれぞれ変化する。
つまり、外側部位A1、外側部位A1の近傍に接続された1つの細長い部位、および各接続部位B1,B2は、同じ1つの仮想平面内にほぼ位置した状態を維持しつつ変化し、この各接続部位B1,B2でこの1つの細長い部位に接続されている実装領域Wもまたこの1つの仮想平面内にほぼ位置した状態を維持しつつ変化(移動)する。
したがって、この回路基板1では、回路基板1を仮想直線L1で曲げるような外力が加わったとしても、実装領域Wは、この外力が加わる前の状態(外側部位A1、外側部位A1の近傍に接続された1つの細長い部位、および各接続部位B1,B2が含まれる1つの仮想平面内に位置した状態)がほぼ維持されたまま変化(移動)するため、実装領域Wに加わるストレス(曲げようとする力)は極めて小さい状態に維持されている。
次に、実装領域Wの表面(回路基板1の表面でもある)に沿って、かつ仮想直線L(以下、説明のため仮想直線L2ともいう)で回路基板1を曲げるような外力が回路基板1に加わった場合について説明する。この仮想直線L2は、実装領域Wの四辺のうちの上辺および下辺を横切る仮想直線(同図では一例として、第1長孔部62a,62bと交差(この例では、直交(またはほぼ直交))する直線として示されている。)である。
この場合、各経路RT1,RT2の外側部位A1,A2は、この仮想直線L2に対して常に同じ側に位置している。このため、回路基板1が仮想直線L2で若干曲がった際には、各外側部位A1,A2は同じ方向に変化する。この場合、回路基板1におけるこの外側部位A1,A2を含み、かつスリット形成領域Xの外縁に沿って延びる幅狭な部位(破線で囲まれた部位)は、1つの仮想平面内に位置した状態で変化し、外側部位A1,A2を含むこの幅狭な部位にのみ接続されているコ字状の第2スリット62の内側に位置する部位(内側部位ともいう)もまたこの1つの仮想平面内に位置した状態を維持しつつ変化(移動)する。
したがって、この回路基板1では、回路基板1を仮想直線L2で曲げるような外力が加わったとしても、第2スリット62の内側に位置する内側部位(実装領域Wを含む部位)は、この外力が加わる前の状態(回路基板1における外側部位A1,A2を含む上記の幅狭な部位と共に同じ1つの仮想平面内に位置した状態)がほぼ維持されたまま変化(移動)するため、実装領域Wに加わるストレス(曲げようとする力)は極めて小さい状態に維持されている。
このように、この回路基板1では、実装領域Wを取り囲むスリット形成領域X内に複数のスリット(上記の例では第1スリット61と第2スリット62の2つ)が形成され、これにより、スリット形成領域Xの外側に位置する外側部位からスリット形成領域Xを経由して実装領域Wに至る経路が複数(上記の例では、外側部位A1から実装領域Wとの接続部位B1に至る経路RT1と、外側部位A2から実装領域Wとの接続部位B2に至る経路RT2の2つ)存在し、実装領域Wの表面に沿ってこの実装領域Wを通過する仮想直線L(L1,L2)に対して、複数の経路(経路RT1,RT2)についての外側部位(外側部位A1,A2)のすべてが同じ側に位置する構成、および複数の経路(経路RT1,RT2)の実装領域Wとの接続部位(接続部位B1,B2)のすべてが同じ側に位置する構成のうちのいずれかの構成になっている。
したがって、この回路基板1によれば、回路基板1に1本の仮想直線L(L1,L2)で曲げるような外力が加わったとしても、複数の経路RT1,RT2についての外側部位A1,A2のすべてが仮想直線L2に対して同じ側に位置する構成においては、実装領域Wはこの外側部位A1,A2を含む部位(上記の幅狭な部位)と同じ1つの仮想平面内に位置した状態で変化(移動)し、また複数の経路RT1,RT2についての実装領域Wとの接続部位B1,B2のすべてが仮想直線L1に対して同じ側に位置する構成においては、実装領域Wはこの接続部位B1,B2が接続されている部位(上記の細長い部位)と同じ1つの仮想平面内に位置した状態で変化(移動)するため、実装領域Wに加わるストレス(曲げようとする力)を極めて小さい状態にすることができる。
また、この回路基板1によれば、実装領域Wは複数の経路RT1,RT2を介してスリット形成領域Xの外側の領域と接続されているため、1つの経路で接続される構成と比較して、スリット形成領域Xの外側の領域から実装領域Wへの配線を敷設するための経路を複数確保することができる。
また、この回路基板1では、実装領域W内に実装領域Wの中心Oを含んで実装領域Wとほぼ同等の広さの仮想方形領域(上記の例では実装領域W全体)を1つ規定したときに、仮想方形領域Wの四辺のうちの一の辺側(上記の例では仮想方形領域Wの上辺側、つまり実装領域Wの上辺側)に両端部が位置する状態で実装領域Wを囲むように連続して形成されたコ字状の第1スリット61と、上記の四辺のうちの一の辺と隣接する他の一の辺側(上記の例では仮想方形領域Wの左辺側、つまり実装領域Wの左辺側)に両端部が位置する状態で第1スリット61を囲むように連続して形成されたコ字状の第2スリット62とが、複数のスリットとしてスリット形成領域X内に形成されている。具体的には、実装領域Wを囲んで形成されたコ字状の第1スリット61と、対向する一対の第1長孔部62a,62bおよび一対の第1長孔部62a,62bの同一側の端部同士を繋げる第2長孔部62cを有するコ字状であって、一対の第1長孔部62a,62bのうちの一方の第1長孔部(上記の例では第1長孔部62a)が第1スリット61の開口部位側に位置する状態で第1スリット61を囲んで形成された第2スリット62とが、複数のスリットとして形成されている。
したがって、この回路基板1によれば、比較的形状が簡単なコ字状のスリットを2つだけ形成するだけで済むため、基板構造の複雑化を回避することができる結果、製造時の歩留まりを高くすることができる。
なお、上記の回路基板1では、第1スリット61および第2スリット62について、対向する一対の長孔部(第2スリット62を例に挙げると、上記したように62a,62b)を仮想方形領域W(上記の例では実装領域Wと同じ)の対向する一辺に沿って延びる直線状に形成しているが、図2に示す回路基板1Aのように、一対の長孔部のうちの一方の先端側を仮想方形領域Wの辺に沿って少しだけ曲げる構成としたり、図3に示す回路基板1Bのように、一対の長孔部の双方の先端側を仮想方形領域Wの辺に沿って少しだけ曲げる構成としてもよく、これらの形状についてもコ字状の形状に含まれるものとする。なお、回路基板1と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略した。
また、上記の回路基板1,1A,1Bでは、スリットの形状をコ字状としているが、図4に示す回路基板1Cのように、C字状(または円弧状)の形状とすることもできる。この回路基板1Cでは、第1スリット61および第2スリット62の2つのC字状(または弧状)のスリットがスリット形成領域X(中心Oを中心点とする直径の異なる2つの同心円(一点鎖線で示される円)で挟まれた円環状の領域)内に形成され、このスリット形成領域Xの内側の領域(具体的には、上記の2つの同心円のうちの小径の円で囲まれた領域)が実装領域となる。
この場合、この実装領域内に実装領域の中心Oを含んで実装領域とほぼ同等の広さ(実装領域の広さにできるだけ近い広さ)の仮想方形領域Wを1つ規定したときに、第1スリット61は、仮想方形領域Wの四辺のうちの一の辺(図4中の上辺)側に両端部が位置する状態で実装領域を囲むように形成されている。また、第2スリット62は、仮想方形領域Wの四辺のうちの上記の一の辺と隣接する他の一の辺(同図中の左辺)側に両端部が位置する状態で第1スリット61を囲むように形成されている。なお、回路基板1と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この構成により、この回路基板1Cでの第2スリット62の内側の構成は、外側部位A1,A2の各近傍から仮想直線L1に沿って延びる2つの細長い弧状の部位(実装領域における第1スリット61の両端部(開口部)側の部位と第2スリット62との間で形成されて外側部位A1の近傍に至る弧状の部位と、この弧状の部位に対して中心Oを基準として反対側に位置すると共に第1スリット61および第2スリット62の各部位間で形成されて外側部位A2の近傍に至る弧状の部位と、この2つの細長い弧状の部位の先端側部位P1,P2を連結する弧状の部位(第1スリット61と第2スリット62との間で形成される部位)とが形成され、上記した2つの細長い部位のうちの外側部位A1の近傍に至る弧状の部位に実装領域の上部が連結される構成となっている。つまり、回路基板1Cは、各スリット61,62がC字状に形成される構成のため、上記の2つの細長い部位、およびこれら2つの細長い部位の先端側部位P1,P2を連結する部位が弧状に形成され、かつ実装領域が円形状に形成されている点で回路基板1と相違するものの、基本構成は回路基板1の基本構成と同じである。
したがって、この回路基板1Cにおいても、実装領域を取り囲むスリット形成領域X内に複数のスリット(上記の例では第1スリット61と第2スリット62の2つ)が形成され、これにより、スリット形成領域Xの外側に位置する外側部位からスリット形成領域Xを経由して実装領域に至る経路が複数(上記の例では、外側部位A1から実装領域との接続部位B1に至る経路RT1と、外側部位A2から実装領域との接続部位B2に至る経路RT2の2つ)存在し、実装領域の表面に沿ってこの実装領域を通過する仮想直線L(L1,L2)に対して、複数の経路(経路RT1,RT2)についての外側部位(外側部位A1,A2)のすべてが同じ側に位置する構成、および複数の経路(経路RT1,RT2)の実装領域との接続部位(接続部位B1,B2)のすべてが同じ側に位置する構成のうちのいずれかの構成になっている。
このため、この回路基板1Cによれば、回路基板1Cに1本の仮想直線L(L1,L2)で曲げるような外力が加わったとしても、複数の経路RT1,RT2についての外側部位A1,A2のすべてが折り線としての仮想直線L2に対して同じ側に位置する構成においては、実装領域はこの外側部位A1,A2を含む部位(破線で囲まれた部位)と同じ1つの仮想平面内に位置した状態で変化(移動)し、また複数の経路RT1,RT2についての実装領域との接続部位B1,B2のすべてが折り線としての仮想直線L1に対して同じ側に位置する構成においては、実装領域はこの接続部位B1,B2が接続されている部位(上記の細長い部位)と同じ1つの仮想平面内に位置した状態で変化(移動)するため、実装領域に加わるストレス(曲げようとする力)を極めて小さい状態にすることができる。
また、この回路基板1Cによれば、実装領域は複数の経路RT1,RT2を介してスリット形成領域Xの外側の領域と接続されているため、1つの経路で接続される構成と比較して、スリット形成領域Xの外側の領域から実装領域への配線を敷設するための経路を複数確保することができる。また、この回路基板1Cによれば、比較的形状が簡単なC字状のスリットを2つだけ形成するだけで済むため、基板構造の複雑化を回避することができる結果、製造時の歩留まりを高くすることができる。
また、上記の回路基板1,1A,1B,1Cでは、2つのスリット61,62だけをスリット形成領域X内に構成する最も簡易な構成を採用しているが、上記の構成のスリット61,62を含む限り、図示はしないが、他のスリットを1または2以上形成することもできる。
また、回路基板1,1A,1B,1Cを含む上記の各回路基板は、電流測定装置、電圧測定装置、抵抗測定装置、およびロガーなどのデータ測定装置などの各種の測定装置に使用することができる。そして、これらの回路基板を備えた測定装置によれば、測定装置に振動などの外力が加わり、これに起因して測定装置に実装されたこの回路基板に上記のような外力が加わったとしても、回路基板の実装領域に加わるストレス(曲げようとする力)を極めて小さい状態に維持することができる。したがって、この測定装置によれば、測定装置に加わる振動などの外力の影響によって実装領域に搭載された電子部品に不具合が生じるという事態の発生を大幅に低減することができるため、測定装置の信頼性を向上させることができる。
1 回路基板
61 第1スリット
62 第2スリット
A1,A2 外側部位
B1,B2 接続部位
L,L1,L2 仮想直線
RT1,RT2 経路
W 実装領域
X スリット形成領域

Claims (3)

  1. 電子部品の実装領域および当該実装領域を取り囲んで配設されたスリット形成領域を備えている回路基板であって、
    前記スリット形成領域に複数のスリットが形成されることによって、当該スリット形成領域の外側に位置する外側部位から当該スリット形成領域を経由して前記実装領域に至る経路が複数存在し、
    前記実装領域の表面に沿って当該実装領域を通過する仮想直線に対して、複数の前記経路についての前記外側部位のすべてが同じ側に位置する構成、および複数の前記経路の前記実装領域との接続部位のすべてが同じ側に位置する構成のうちのいずれかの構成を備えると共に、
    前記実装領域を囲んで形成されたコ字状の第1スリットと、対向する一対の第1長孔部および当該一対の第1長孔部の同一側の端部同士を繋げる第2長孔部を有するコ字状であって、当該一対の第1長孔部のうちの一方の第1長孔部が前記第1スリットの開口部位側に位置する状態で当該第1スリットを囲んで形成された第2スリットとが前記複数のスリットとして形成されている回路基板。
  2. 電子部品の実装領域および当該実装領域を取り囲んで配設されたスリット形成領域を備えている回路基板であって、
    前記スリット形成領域に複数のスリットが形成されることによって、当該スリット形成領域の外側に位置する外側部位から当該スリット形成領域を経由して前記実装領域に至る経路が複数存在し、
    前記実装領域の表面に沿って当該実装領域を通過する仮想直線に対して、複数の前記経路についての前記外側部位のすべてが同じ側に位置する構成、および複数の前記経路の前記実装領域との接続部位のすべてが同じ側に位置する構成のうちのいずれかの構成を備えると共に、
    前記実装領域内に当該実装領域の中心を含んで当該実装領域とほぼ同等の広さの仮想方形領域を1つ規定したときに、前記仮想方形領域の四辺のうちの一の辺側に両端部が位置する状態で前記実装領域を囲むようにして形成されたコ字状およびC字状のうちのいずれかの形状の第1スリットと、前記四辺のうちの前記一の辺と隣接する他の一の辺側に両端部が位置する状態で前記第1スリットを囲むようにして形成されたコ字状およびC字状のうちのいずれかの形状の第2スリットとが、前記複数のスリットとして形成されている回路基板。
  3. 請求項1または2記載の回路基板を備えている測定装置。
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