JP6407795B2 - 船舶の磁場低減方法 - Google Patents

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Description

この発明は、船舶の運航中において、船舶の外部磁場を低減する船舶の磁場低減方法に関する。
従来、例えば、鋼鉄製等の磁性体の船体を有する船舶が発生する外部磁場により、目標の補足を行うことを目的とする補足装置に対して、補足されることを減ずるべく磁場低減機能を船舶に設け、外部磁場を“0”に近づけるための磁場低減処理が行われていた。
図8は磁性体の船体20内に設けられた従来の磁場低減機能を模式的に示す説明図である。同図に示すように、制御部11は記憶装置14より永久磁気・保存データD14を受ける。永久磁気・保存データD14は直近に消磁処理された後の船体20自身が有する永久磁場の測定値を指示する。
制御部11は、永久磁気・保存データD14から船舶の永久磁場を認識し、船体20が存在する地球上の位置によって誘導磁場を求め、永久磁場及び誘導磁場からなる外部磁場を最終的に求め、外部磁場を“0”に近づけるための全体消磁電流を算出し、全体消磁電流に基づく全体消磁電流指令データD11a〜D11dを電源装置12a〜12dに出力する。
具体的には、全体消磁電流における船首尾線方向LM、左右舷方向AM、及び垂直方向VMそれぞれの成分に分割した直流電流値(船首尾方向消磁電流IL、左右舷方向消磁電流IA、船首尾方向消磁電流IL)を算出し、算出した直流電流値に基づく全体消磁電流指令データD11a〜D11dを電源装置12a〜12dに出力する。
電源装置12a〜12dは全体消磁電流指令データD11a〜D11dに基づく出力電流I12a〜I12dで消磁コイル部13a〜13dに通電させる。その結果、消磁コイル部13a〜13d全体により発生した磁場により船舶の外部磁場を補償中和することにより、船舶の外部磁場の低減化を図ることができる。
上述のように、船舶の運用中に消磁コイル部を通電する消磁電流を生成して、船舶の外部磁場の低減化を図る技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
特開2011−93383号公報
従来の船舶の全体磁場を低減化する方法は、永久磁場は専用の計測装置を備えた場所で計測することにより始めて得られる値であるため、頻繁に計測を実施することができない。このため、運用中は直近に測定した永久磁場の測定値あるいは上記測定値に対応する永久磁場用消磁電流(値)を用いるのが一般的であった。
一方、船舶の永久磁場は当該船舶が主に行動する海域の地球磁場の影響を受けて徐々に磁化されるため経年的に変化する。このため、予め計測、算出された永久磁場あるいは永久磁場用消磁電流を利用し続ける場合、経時変化する船舶の永久磁場に適切に対応することができず、運用中において船舶の外部磁場を精度良く低減化することができないという問題点があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、船舶の永久磁場の経時変化を考慮して、運用中において船舶の外部磁場を精度良く低減化することができる、船舶の磁場低減方法を得ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載の船舶の磁場低減方法は、運用中における所定の船舶の外部磁場を低減する船舶の磁場低減方法であって、(a) 前回の消磁処理後において、前記所定の船舶に残留する永久磁場を前回残留磁場として測定するステップと、(b) 前回の前記所定の船舶の運用後において、前記所定の船舶の永久磁場を前回運用後磁場として測定するとともに、前記ステップ(a) から経過時間を前回運用期間として取得するステップと、(c) 前記ステップ(b) 後に前記所定の船舶に対し今回の消磁処理を実行するステップと、(d) 前記ステップ(c) 後において、前記所定の船舶に残留する永久磁場を今回残留磁場として測定するステップと、(e) 前記前回残留磁場、前回運用期間、前記前回運用後磁場及び前記今回残留磁場に関する情報を演算用永久磁場情報として記憶するステップと、(f) 前記所定の船舶の運用時に、前記ステップ(d) の実行時からの現時点までの経過時間を現在運用期間とし、前記現在運用期間及び前記演算用永久磁場情報に基づく演算式を用いて、現時点における前記所定の船舶の永久磁場を低減するための永久磁場用消磁電流を算出するステップと、(g) 前記ステップ(f) で求めた永久磁場用消磁電流に基づき、前記所定の船舶の外部磁場を低減させる全体消磁電流を求め、前記全体消磁電流に基づく通電電流を少なくとも一つの消磁コイル部に流すことにより、前記所定の船舶の外部磁場を低減する磁場低減処理を実行するステップとを備え、前記ステップ(g) は、(g-1) 現時点の誘導磁場を低減するための誘導磁場用消磁電流を求めるステップと、(g-2) 前記永久磁場用消磁電流に前記誘導磁場用消磁電流を加算して前記全体消磁電流を求めるステップと、(g-3) 前記全体消磁電流に基づく前記磁場低減処理を実行するステップと含む
請求項1記載の本願発明記載の船舶の磁場低減方法は、ステップ(f) において、所定の船舶の運用時に、現在運用期間及び演算用永久磁場情報を演算パラメータとした演算式を用いて、現時点における所定の船舶の永久磁場を消磁するための永久磁場用消磁電流を算出している。
上記演算式は、現在運用期間及び演算用永久磁場情報(前回残留磁場、前回運用期間、前回運用後磁場及び今回残留磁場に関する情報)を演算パラメータとすることにより、前回の運用時における所定の船舶の永久磁場の経時変化を反映した精度の高い永久磁場用消磁電流を求めることができる。
その結果、本願発明の船舶の磁場低減方法は、ステップ(g) の磁場低減処理により、比較的安価な構成で、運用中において所定の船舶に生じる外部磁場を精度良く消磁することができる。
また、所定の船舶に生じる永久磁場を上記演算式を用いた演算により求めることにより、所定の船舶の永久磁場を運用中に測定する磁場測定装置等を設ける必要がない分、安価に所定の船舶を消磁することができる。
船舶の永久磁場の経時変化を示すグラフである。 船体に対する磁場の方向成分を模式的に示す説明図である。 垂直方向消磁電流、左右舷方向消磁電流、及び船首尾方向消磁電流の電流値決定方法を模式的に示すグラフである。 この発明の実施の形態である、船舶の磁場低減方法の磁場低減対象となる船体の内部構成を模式的に示す説明図である。 本実施の形態の磁場低減方法を実現するための消磁処理の処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態の磁場低減方法を実現するための演算部の動作手順を示すフローチャートである。 本実施の形態の磁場低減方法を実現するための制御部の動作手順を示すフローチャートである。 船体内に設けられた従来の磁場低減機能を模式的に示す説明図である。
<発明の原理>
図1は船舶の永久磁場の経時変化を示すグラフである。同図示すように、磁性体の船体を有する船舶の永久磁場L1は運用期間P0〜P2中、時間経過と共に変化する傾向があり、定期的に消磁期間E1及びE2を設けて消磁することにより、“0”に近い残留磁場F11及びF21まで永久磁場L1を低減化している。
図1における運用期間P2における運用中時刻t2xを現時刻とすると、船舶の前回運用前に実行された消磁処理後において、船舶に残留する永久磁場である前回残留磁場M0は残留磁場F11となる。
また、前回の運用後、直近の消磁期間E2直前において、船舶の前回運用後磁場PMは運用後磁場F20となり、残留磁場F11を求めた消磁完了時刻t11から消磁開始時刻t20までの前回運用期間Tが運用期間P1となる。
そして、消磁開始時刻t20から消磁完了時刻t21に至る消磁期間E2に船舶に対する消磁処理が実行される。
その結果、消磁期間E2における消磁処理後において、船舶に残留する永久磁場である今回残留磁場M1として今回残留磁場F21を得ることができる。
本発明は、前回の船舶運用期間である運用期間P1における船舶の永久磁場L1の経時変化を一次関数的な変化として捉え、同様な永久磁場L1の経時変化が運用期間P2においても生じると推定している。
したがって、運用期間P2における運用中時刻t2xが現時刻の場合、運用中時刻t2xの消磁完了時刻t21からの時間を現在運用期間Δtとし、上述した前回残留磁場M0、前回運用期間T、前回運用後磁場PM、今回残留磁場M1を用いて、現在推定磁場MCを以下の式(1)により導出することができる。
Figure 0006407795
なお、永久磁場L1を低減するための消磁電流は永久磁場に対して一意に決定する。ただし、消磁電流に基づき磁場を発生する消磁コイル部の巻数等の仕様の認識が前提となる。したがって、前回残留磁場M0、前回運用後磁場PM及び今回残留磁場M1に対応して決定される消磁電流を前回残留消磁電流IM0、前回運用後消磁電流IPM、及び今回残留消磁電流IM1とすると、現在推定磁場MCに対して決定される現在推定消磁電流IMCは式(1)同様、以下の式(2)により導出することができる。
Figure 0006407795
図2は船体10に対する磁場の方向成分を模式的に示す説明図である。実際に船体10の永久磁場を低減するための補償中和用の磁場を船体10に発生させることを考える。この場合、永久磁場を船首尾方向LM、左右舷方向AM及び垂直方向VMそれぞれの成分に分解し、分解した永久磁場成分に対応させるべく、現在推定消磁電流IMCを船首尾方向LM、左右舷方向AM及び垂直方向VMにおける消磁電流成分となる現在推定消磁電流IVMC、現在推定消磁電流IAMC、及び現在推定消磁電流ILMCに分解している。
正確には、上述した式(1)及び式(2)は船首尾方向LM、左右舷方向AM、及び垂直方向VMそれぞれにおける永久磁場及び消磁電流の成分に適応される式である。
したがって、前回残留消磁電流IM0、前回運用後消磁電流IPM、今回残留消磁電流IM1に対応する船首尾方向LMの成分を、前回残留消磁電流ILM0、前回運用後消磁電流ILPM、及び今回残留消磁電流ILM1とすると、式(2)の船首尾方向LMにおける現在推定消磁電流(成分)IVMCは、以下の式(2L)により導出される。
Figure 0006407795
同様にして、前回残留消磁電流IM0、前回運用後消磁電流IPM、今回残留消磁電流IM1に対応する左右舷方向AMの成分を、前回残留消磁電流IAM0、前回運用後消磁電流IAPM、及び今回残留消磁電流IAM1とすると、式(2)の左右舷方向AMにおける現在推定消磁電流(成分)IAMCは、以下の式(2A)により導出される。
Figure 0006407795
同様にして、前回残留消磁電流IM0、前回運用後消磁電流IPM、今回残留消磁電流IM1に対応する垂直方向VMの成分を、前回残留消磁電流IVM0、前回運用後消磁電流IVPM、及び今回残留消磁電流IVM1とすると、式(2)の垂直方向VMにおける現在推定消磁電流(成分)IVMCは、以下の式(2V)により導出される。
Figure 0006407795
上記のように、前回残留磁場M0、前回運用後磁場PM、前回運用期間T及び今回残留磁場M1、あるいは、上述した磁場M0、PM、M1から一意に決定される前回残留消磁電流IM0、前回運用後消磁電流IPM、今回残留消磁電流IM1及び前回運用期間Tを演算用永久磁場情報として予め保存しておけば、上述した式(1)を適用して現在推定磁場MCを求めたり、式(2)(式(2L)、式(2A)及び式(2V))を適用して現在推定消磁電流IMCを求めたりすることができる。
図3は垂直方向VM、左右舷方向AM及び船首尾方向LMにおける垂直方向消磁電流IV、左右舷方向消磁電流IA、及び船首尾方向消磁電流ILの電流値決定方法を模式的に示すグラフである。
同図に示すように、消磁完了時刻t21における今回残留磁場M1に対応する垂直方向VM、左右舷方向AM及び船首尾方向LMの消磁電流成分は、電流値IV1、電流値IA1、及び電流値IL1になっていると仮定する。
この場合、運用中時刻t2xにおける現在推定磁場MCに対応する垂直方向VM、左右舷方向AM及び船首尾方向LMの消磁電流成分は、消磁完了時刻t21から運用中時刻t2xまでの経過時間を現在運用期間Δtとして、式(2)(式(2V)、式(2A)及び式(2L))を適用することにより、電流値IVx、電流値IAx及び電流値ILxとして求めることができる。
その結果、船舶の永久磁場L1の経時変化(現在運用期間Δt)を反映させた精度の高い電流値IVx、電流値IAx及び電流値ILxを垂直方向消磁電流IV、左右舷方向消磁電流IA、及び船首尾方向消磁電流ILとして求めることができる。
なお、以下では説明の都合上、式(2V)、式(2A)及び式(2L)で表された垂直方向VM、左右舷方向AM及び船首尾方向LMの成分を含む概念として、式(1)を永久磁場推定演算式とし、式(2)を永久磁場用の消磁電流推定演算式として代表させて説明する場合がある。
<船体10の構成>
図4はこの発明の実施の形態である、磁性体の船体10を有する船舶(所定の船舶)の磁場低減方法を実現する船体10の内部構成を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、船体10内に制御部1、電源装置2a〜2d、消磁コイル部3a〜3d、記憶装置4及び演算部5を有している。
記憶装置4は、内部に演算用永久磁場データD4(演算用永久磁場情報)を有している。演算用永久磁場データD4は、前述したように、前回残留磁場M0、前回運用後磁場PM、前回運用期間T及び今回残留磁場M1、あるいは、前回残留消磁電流IM0、前回運用後消磁電流IPM、今回残留消磁電流IM1及び前回運用期間Tを指示している。すなわち、演算用永久磁場データD4は、前回残留磁場M0、前回運用期間T、前回運用後磁場PM及び今回残留磁場M1に関する情報となる。
演算部5は、演算用永久磁場データD4、及び現在運用期間Δtに基づき、式(1)あるいは式(2)を適用して、永久磁場用の消磁電流(値)である永久磁場用消磁電流IPを求め、永久磁場用消磁電流IPを指示する演算消磁電流データD5を制御部1に出力する。
制御部1は演算消磁電流データD5より船舶の永久磁場用消磁電流IPを認識し、船体10が存在する地球上の位置によって得られる誘導磁場用消磁電流IYを算出し、永久磁場用消磁電流IPと誘導磁場用消磁電流IYとを加算して外部磁場用の全体消磁電流ITを最終的に求め、全体消磁電流ITに基づき、外部磁場を“0”に近づけるための全体消磁電流指令データD1a〜D1dを電源装置2a〜2dに出力する。
電源装置2a〜2dはそれぞれ船体10内で供給される電源を指令された直流電流に変換することにより、全体消磁電流指令データD1a〜D1dに基づく出力電流I2a〜I2d(通電電流)を消磁コイル部3a〜3dに通電する。すなわち、出力電流I2a〜I2dで消磁コイル部3a〜3dを通電することにより、全体消磁電流ITを反映した磁界を消磁コイル部3a〜3dから発生させる。その結果、消磁コイル部3a〜3dから発生する磁界によって船舶の外部磁場を補償中和することにより、船舶の外部磁場を効果的に消磁する磁場低減処理を実行することができる。
なお、永久磁場用消磁電流IPと誘導磁場用消磁電流IYとの加算処理は、正確には、船首尾線方向LM、左右舷方向AM、及び垂直方向VMそれぞれの成分に分けて行われる。また、全体消磁電流ITにおける船首尾線方向LM、左右舷方向AM、及び垂直方向VMそれぞれの成分それぞれ基づき、全体消磁電流指令データD1a〜D1dを電源装置2a〜2dに出力する。例えば、消磁コイル部3a,3bが船首尾方向LMの磁界発生用であり、消磁コイル部3cが左右舷方向AMの磁界発生用であり、消磁コイル部3dが垂直方向VMの磁界発生用である場合を考える。この場合、消磁コイル部3a,3b(消磁コイル部3a,3b間の仕様同一)の出力電流I2a,I2bの合計値が全体消磁電流ITの船首尾方向LMの成分値となり、消磁コイル部3cの出力電流I2cが全体消磁電流ITの左右舷方向AMの成分値となり、消磁コイル部3dの出力電流I2dが全体消磁電流ITの垂直方向VMの成分値となる。
<磁場低減方法の処理手順>
図5〜図7はこの発明の実施の形態における船舶の磁場低減方法の処理手順を示すフローチャートである。図5〜図7は、演算用永久磁場データD4として、前回残留消磁電流IM0、前回運用後消磁電流IPM、今回残留消磁電流IM1及び前回運用期間Tを採用している場合を示している。
(消磁処理)
図5は本実施の形態の磁場低減方法を実現するための消磁処理の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS11において、消磁処理を行う直前の船舶の永久磁場を前回運用後磁場PMとして測定する。この際、前回残留磁場M0の測定時から前回運用後磁場PM測定時までの期間が前回運用期間Tとして認識される。
その後、ステップS12において、船舶に対する消磁処理がなされ、船舶の永久磁場を“0”に近づけける。
続いて、ステップS12の直後に実行されるステップS13において、船舶の永久磁場を今回残留磁場M1として測定する。この際、前回の消磁処理後に行ったステップS13で得られた今回残留磁場M1が前回残留磁場M0となる。
その後、ステップS14において、ステップS11で得た前回運用後磁場PM及びステップS13で得た今回残留磁場M1に対応する前回運用後消磁電流IPM及び今回残留消磁電流IM1を演算する。この際、消磁コイル部3a〜3dそれぞれの巻数等の仕様に沿って前回運用後消磁電流IPM及び今回残留消磁電流IM1が求められる。
前回運用後消磁電流IPM及び今回残留消磁電流IM1で消磁コイル部3a〜3dに通電するによって、前回運用後磁場PM及び今回残留磁場M1を“0”に近づけるけることができる。この際、前回の消磁処理後に行ったステップS14で得られた今回残留磁場M1に対応する今回残留消磁電流IM1が前回残留消磁電流IM0となる。
最後に、ステップS15において、ステップS14で得た前回運用後消磁電流IPM、今回残留消磁電流IM1及び前回残留消磁電流IM0並びにステップS11で得た前回運用期間Tを指示する消磁電流情報によって、記憶装置4に格納する演算用永久磁場データD4の内容を更新する。
(演算部5の処理)
図6は本実施の形態の磁場低減方法を実現するための演算部5の動作手順を示すフローチャートである。
同図を参照して、ステップS21で記憶装置4に保存された演算用永久磁場データD4を受信する。
そして、ステップS22において、直近の消磁処理完了後から現時点までの現在運用期間Δtを認識し、演算用永久磁場データD4より得られたパラメータ(IM0,IM1,IPM,T)を消磁電流推定演算式である式(2)((式(2V)、式(2A)及び式(2L))に適用して、永久磁場用の現在推定消磁電流IMC(IVMC、IAMC,及びILMC)を算出する。なお、現在運用期間Δtは、今回残留磁場M1の測定時刻(図5のステップS13)から現時点までの期間となる。
そして、ステップS23において、ステップS22で算出した現在推定消磁電流IMCを指示する演算消磁電流データD5を制御部1に出力する。
(制御部1の処理)
図7は本実施の形態の磁場低減方法を実現するための制御部1の動作手順を示すフローチャートである。
同図を参照して、ステップS31で演算部5から出力された演算消磁電流データD5を受信し、ステップS32において、演算消磁電流データD5から、永久磁場用消磁電流IP(=現在推定消磁電流IMC)を認識する。
その後、ステップS33において、船体10が存在する地球上の位置によって得られる誘導磁場を算出し、続くステップS24において、現在の誘導磁場に対する誘導磁場用消磁電流IYを算出する。
そして、ステップS35において、永久磁場用消磁電流IPと誘導磁場用消磁電流IYとを加算して外部磁場用の全体消磁電流ITを算出する。
最後に、ステップS36において、全体消磁電流ITに基づき、船体の外部磁場を“0”に近づけるための全体消磁電流指令データD1(D1a〜D1d)を電源装置2(2a〜2d)に出力する。その結果、演算部5によるステップS22で求めた永久磁場用消磁電流IP(=現在推定消磁電流IMC)に基づき得られた全体消磁電流ITを消磁コイル部3a〜3dに流し、消磁コイル部3a〜3dから生じる磁界によって船舶の外部磁場を補償中和することにより、船舶の外部磁場を低減する磁場低減処理を実行することができる。
<効果>
このように、本実施の形態による船舶(所定の船舶)の磁場低減方法は、演算部5によるステップS22の実行により(図5参照)、磁性体の船体10を有する船舶の運用時に、現在運用期間Δt及び演算用永久磁場データD4の各種データ(M0,M1,PM,T)を演算パラメータとした消磁電流推定演算式である式(2)を用いて、現時点における船舶の永久磁場を消磁(低減)するための永久磁場用消磁電流IP(=現在推定消磁電流IMC)を算出している。
式(2)は、現在運用期間Δt及び演算用永久磁場データD4(前回残留磁場M0、前回運用期間T、前回運用後磁場PM及び今回残留磁場M1に関する情報)を演算パラメータとしているため、前回の運用時における船舶の永久磁場の経時変化を反映した精度の高い永久磁場用消磁電流IPを求めることができる。
その結果、本実施の形態の船舶の磁場低減方法は、制御部1のステップS35の実行により実現される磁場低減処理により、比較的安価な構成で、運用中における船舶の外部磁場を精度良く消磁することができる。
また、現時点における船舶の永久磁場を式(2)の消磁電流推定演算式を用いた演算により求めることにより、船体10を有する船舶の永久磁場を運用中に測定する磁場測定装置等を船体10内に設ける必要がない分、安価に船舶の磁場低減処理を実行することができる。
制御部1はステップS33〜S36の実行に伴う磁場低減処理によって、誘導磁場の影響を加味して、船舶の全体磁場(永久磁場+誘導磁場)を精度良く消磁することができる。
さらに、本実施の形態では、演算用永久磁場データD4として、前回残留消磁電流IM0、前回運用後消磁電流IPM、及び今回残留消磁電流IM1を指示する消磁電流情報を含ませることにより、記憶装置4はステップS22の実行時に式(2)を用いて直接、永久磁場用消磁電流IP(=現在推定消磁電流IMC)を演算することができるため、演算処理の効率化を図ることができる。
<その他>
本実施の形態では、演算用永久磁場データD4として、前回残留消磁電流IM0、前回運用後消磁電流IPM、前回運用期間T及び今回残留消磁電流IM1を指示する消磁電流情報を用いたが、前回残留磁場M0、前回運用後磁場PM及び前回運用期間T及び今回残留磁場M1を指示する永久磁場情報をそのまま演算用永久磁場データD4として用いても良い。
この場合、図5で示す消磁処理及び図6で示す演算部5の処理が以下のように変更される。図5に示す消磁処理は、ステップS14を省略し、ステップS15において、ステップS11で得た前回運用後磁場PM、前回運用期間T、ステップS13で得た今回残留磁場M1及び前回残留磁場M0を指示する情報によって、記憶装置4に格納する演算用永久磁場データD4の内容を更新する。
図6示す演算部5の動作は、ステップS22において、演算用永久磁場データD4を永久磁場推定演算式である式(1)に適用して現在推定磁場MCを求めた後、消磁コイル部3a〜3dの仕様に基づき、現在推定磁場MCに対応する永久磁場用消磁電流IPを算出する。
このように、演算用永久磁場データD4として、前回残留磁場M0、前回運用後磁場PM及び前回運用期間T及び今回残留磁場M1を指示する情報をそのまま演算用永久磁場データD4とすることにより、図5のステップS14の処理を不要にできる分、図5で示す消磁処理の簡略化を図ることができる。
なお、制御部1及び演算部5は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行するようにしても良い。また、記憶装置4は、HDD、DVD、メモリなどによって構成されるのが一般的である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 制御部
2a〜2d 電源装置
3a〜3d 消磁コイル部
4 記憶装置
5 演算部
10 船体

Claims (2)

  1. 運用中における所定の船舶の外部磁場を低減する船舶の磁場低減方法であって、
    (a) 前回の消磁処理後において、前記所定の船舶に残留する永久磁場を前回残留磁場として測定するステップと、
    (b) 前回の前記所定の船舶の運用後において、前記所定の船舶の永久磁場を前回運用後磁場として測定するとともに、前記ステップ(a) から経過時間を前回運用期間として取得するステップと、
    (c) 前記ステップ(b) 後に前記所定の船舶に対し今回の消磁処理を実行するステップと、
    (d) 前記ステップ(c) 後において、前記所定の船舶に残留する永久磁場を今回残留磁場として測定するステップと、
    (e) 前記前回残留磁場、前回運用期間、前記前回運用後磁場及び前記今回残留磁場に関する情報を演算用永久磁場情報として記憶するステップと、
    (f) 前記所定の船舶の運用時に、前記ステップ(d) の実行時からの現時点までの経過時間を現在運用期間とし、前記現在運用期間及び前記演算用永久磁場情報に基づく演算式を用いて、現時点における前記所定の船舶の永久磁場を低減するための永久磁場用消磁電流を算出するステップと、
    (g) 前記ステップ(f) で求めた永久磁場用消磁電流に基づき、前記所定の船舶の外部磁場を低減させる全体消磁電流を求め、前記全体消磁電流に基づく通電電流を少なくとも一つの消磁コイル部に流すことにより、前記所定の船舶の外部磁場を低減する磁場低減処理を実行するステップとを備え
    前記ステップ(g) は、
    (g-1) 現時点の誘導磁場を低減するための誘導磁場用消磁電流を求めるステップと、
    (g-2) 前記永久磁場用消磁電流に前記誘導磁場用消磁電流を加算して前記全体消磁電流を求めるステップと、
    (g-3) 前記全体消磁電流に基づく前記磁場低減処理を実行するステップと含む
    船舶の磁場低減方法。
  2. 請求項1記載の船舶の磁場低減方法であって、
    前記演算用永久磁場情報は、前記少なくとも一つの消磁コイル部より磁界を発生させて、前記前回残留磁場、前記前回運用後磁場及び前記今回残留磁場を低減するための消磁電流である、前回残留消磁電流、前回運用後消磁電流、及び今回残留消磁電流を指示する消磁電流情報を含む、
    船舶の磁場低減方法。
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