JP6407785B2 - 研削砥石及びその製造方法並びに該研削砥石を備えた装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超精密仕上げに用いる潤滑剤を含浸した研削砥石及びその製造方法並びに該研削砥石を備えた装置に係り、特に半導体ウエハの面取り加工等に好適な潤滑剤を含浸した研削砥石及びその製造方法並びに該研削砥石を備えた装置に関する。
半導体装置や電子部品の素材となるウエハは、単結晶シリコン等のインゴットを、内周刃やワイヤー装置等のスライシング装置でスライスして薄い板状に形成される。その後、結晶軸方向を示すオリエンテーションフラット(以下オリフラとも称す)の加工をし、次いで周縁の割れや欠け等を防止するために、その周面を研削する。この周面加工は、面取り加工と呼ばれる。面取り加工の最終段階では、微粒砥石により低温で加工して、ウエハの変形や加工の歪みを低減する。
このような面取り加工に用いる研削用砥石の例が、特許文献1に記載されている。この公報に記載の潤滑剤含有研削砥石においては、研削点の温度が比較的低い研削加工において、砥石に含有した固形の潤滑剤が溶融して潤滑作用を発揮させることを目的としている。そのため、砥粒層マトリックスの気孔内に固形油脂を充填させ、研削点で発生する熱で固形油脂を溶融して研削作用表面に供給し、研削屑は固形油脂が溶融した後の気孔に受け入れている。溶融した油脂は、潤滑剤として研削点における砥粒とワークとの摩擦を和らげ、発熱を抑制して研削抵抗を低下させる。
研削用砥石の他の例が、特許文献2、3に記載されている。特許文献2に記載のウエーハ面取り装置に適用したウエーハ面取り用砥石では、回転する砥石でウエーハの外周部を研削してウエーハを所定の形状に形成している。その際、ウエーハの外周部の粗研削を行う粗研削砥石とツルーイング砥石とを一体に形成した兼用砥石として、面取り装置の機構を簡略化するとともに、精度の高い安定した面取り加工を可能にしている。
また特許文献3においては、ツルーイング砥石と、外周粗研削砥石とマスター砥石とを同軸上に設けて形成した外周加工砥石とを、面取り装置が備えている。ツルーイング砥石は、板状物を載置して回転する載置台の回転軸と同軸上に配置されている。マスター砥石の溝形状は、面取り砥石に転写で形成され、オンマシンで精度よく所望の形状を形成している。
特開2004−291114号公報 特開2007−044817号公報 特開2005−153085号公報
半導体ウエハの面取り加工では、従来多量の冷却媒体を研削点に供給して、砥石とワークとの間で発生する熱を放熱していた。しかしながら、環境汚染防止や廃液処理の容易化等のために、研削作業において使用する冷却媒体をできるだけ減らす要求が強まっている。この要求に応えるために、砥石に潤滑剤を含浸させ、潤滑剤の潤滑作用により切削点での摩擦熱の発生を抑制して、乾式で研削することが提案されている。
特許文献1では、潤滑油や研削液を使用しない乾式研削方式の潤滑材含有研削砥石において、多数の砥粒をビトリファイド系結合材で相互に結合し、砥粒間に形成された気孔に、融点が60℃以上で溶融液化して潤滑剤として作用する飽和脂肪酸や脂肪酸アミド等の油脂を真空含浸法で砥石の気孔に充填している。この特許文献1に記載の砥石は、乾式研削を用いているので、たとえ砥石の気孔に潤滑剤を含浸させて研削点での発熱を抑制しても、研削状態によっては発生する摩擦熱が過大になり、放熱が十分でなくなる恐れがある。また、砥粒の結合にビトリファイド系結合材を使用して真空含浸しているが、砥粒の結合にはフッ素系のレジンを使用することも多く、フッ素系のレジンは極めて撥水性、撥油性が強いので、その場合潤滑剤を真空含浸することが困難である。
上記特許文献2に記載のウエーハ面取り装置では、ウエーハ外周部を粗研削する粗研削砥石とツーリング砥石とを一体化して、機構を簡素化している。それとともに、ツルーイングと粗研削とを高速回転可能な同一軸に取り付けているので、ツルーイングと粗研削時の熱条件の変化に起因する加工歪等の発生が抑制されている。しかしながらこのウエーハ面取り装置では、高速回転を前提にしているので面取り加工時に多大な摩擦熱が発生するが、面取り加工時の摩擦熱除去に用いる潤滑剤や冷却液については十分には考慮されていない。すなわち、現在は環境に配慮して潤滑剤や冷却油の使用を極力低減することが求められているが、その点については開示されていない。
特許文献3に記載の面取り砥石では、砥石の形状保持性の利点からレジンボンド砥石を用いた際に、ツルーイング砥石の形状をマスター砥石からの転写により保持して、加工精度及び加工性を向上させている。しかしながらこの面取り砥石においても、面取り加工中に発生する熱を効率的に除去し、かつ環境に配慮して潤滑剤や冷却油の使用を極力低減することについては考慮されていない。
本発明は上記従来の技術の不具合に鑑みなされたものであり、フッ素系のレジンボンドで砥粒を結合した砥石によるウエハ等の研削加工において、潤滑剤や冷却油の使用を極力低減して環境汚染を防止するとともに、確実に継続して研削点へ潤滑剤を供給可能にすることを目的とする。また本発明では、潤滑剤を長期にわたり供給可能な砥石により水冷却低温で環境に配慮した加工が可能となるウエハ面取り装置及び同装置に用いる砥石を実現することも目的とする。
上記目的を達成する本発明の特徴は、半導体ウエハの面取り加工時に水冷却して用いられ、砥粒と多数の気孔を有するレジン系結合剤とで砥石部を形成し、前記気孔に潤滑剤として脂肪酸塩を真空含浸させた研削砥石において、前記レジン系結合剤はフッ素系結合剤であり、前記脂肪酸塩を80℃以上、大気圧において沸騰温度未満の高温の水溶液の状態で前記気孔に真空含浸させたのち自然乾燥して前記脂肪酸塩を前記気孔に保持したことにある。
そしてこの特徴において、前記レジン系結合剤は、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化))、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド(2フッ化))、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン(3フッ化))、ECTFE(クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体)の少なくともいずれかであることが望ましく、前記脂肪酸塩は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸の少なくともいずれかのカリウム塩またはナトリウム塩であることが望ましい。
また上記特徴において、真空含浸時に用いる前記脂肪酸塩の水溶液濃度を、好ましくは5〜40wt%、より好ましくは10〜30wt%、さらに好ましくは15〜20wt%とする。さらに、真空含浸時に用いる前記脂肪酸塩の水溶液の温度をクラフト点温度以上とするのがよく、前記脂肪酸塩の真空含浸量は、前記気孔の体積の30〜50%であることが望ましい。
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、半導体ウエハの面取り加工時に水冷却して用いられ、砥粒と多数の気孔を有するレジン系結合剤とで砥石部を形成し、前記気孔に潤滑剤として脂肪酸塩を真空含浸させる研削砥石の製造方法において、ほぼ蒸発温度であって蒸発温度未満の前記脂肪酸塩水溶液を準備し、この脂肪酸塩水溶液に前記研削砥石を浸漬し、0.13〜1.33kPaに減圧した環境で前記研削砥石内の空気を前記脂肪酸塩水溶液に置換し、常温大気環境で自然乾燥したものである。
そしてこの特徴において、前記脂肪酸塩水溶液の濃度は、5〜10wt%であり、前記脂肪酸塩はラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸の少なくともいずれかのカリウム塩またはナトリウム塩であることが望ましく、前記レジン系結合剤はPTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化))、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド(2フッ化))、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン(3フッ化))、ECTFE(クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体)の少なくともいずれかであり、前記脂肪酸塩水溶液の温度は80〜90℃であることが好ましい。
さらに上記目的を達成する本発明の特徴は、ウエハを保持するウエハテーブルと、前記ウエハの外周部を研削する粗研削砥石と、精研削砥石と、前記ウエハテーブルを前記粗研削砥石および精研削砥石に対向させるようX,Y,Z方向に移動させる移動手段と、前記粗研削砥石および精研削砥石の形状を成形するのに用いるツルーイング砥石と、前記粗研削砥石および精研削砥石による研削加工時にウエハとの当接面で発生する熱を吸熱及び放熱する水冷却手段とを備えたウエハ面取り装置が、上記特徴のいずれかを有する研削砥石を備えることにある。
本発明によれば、ポーラスな表面を有する面取り砥石素材に飽和脂肪酸塩溶液とともに潤滑剤を供給し、砥石表面を乾燥させて潤滑剤含浸砥石とし、この潤滑剤を含む砥石を水冷却で使用したので、砥石の切削点へ潤滑剤が確実に供給されて切削点温度を所定温度以下にすることができる。また、冷却液を水としたので、冷却液による環境汚染を防止できる。さらにウエハ面取り装置では、砥石に潤滑剤を含浸させているので、長期にわたり潤滑剤を切削点に供給可能であり、冷却液を水としたので低温かつ環境に配慮した加工が可能となる。
本発明に係る砥石を備えた面取り装置の一実施例の正面図である。 本発明に係る砥石の概略製作工程を示す図である。 本発明の原理を説明する図であり、フッ素系レジンの濡れ性を向上させる前の状態の図である。 本発明の原理を説明する図であり、フッ素系レジンの濡れ性を向上させた後の状態の図である。 本発明に係る砥石への潤滑剤含浸方法を説明する図である。 潤滑剤を含浸させない砥石の表面拡大写真である。 本発明に係る潤滑剤を含浸させた砥石の表面拡大写真である。 図1に示した面取り装置に用いる各種砥石の形状を示す図である。
以下、本発明に係る研削砥石及びその製造方法並びに該研削砥石を備えた装置について、図面を用いて説明する。なお、以下の説明においては半導体装置や電子装置の部品となるウエハ(板状物)の面取り装置及びそれに用いる砥石を例に取り説明するが、本発明はウエハ面取り装置に限るものではなく、精密な研削が必要でかつ低温での加工が望まれる各種研削装置及びそれに用いる砥石に適用可能である。
図1は、本発明に係る研削装置としてのウエハ面取り装置10の一実施例の正面図である。ウエハ面取り装置10では、ウエハ面取り装置10は、大別してウエハ送りユニット20、砥石回転ユニット50、図示しないウエハ供給/収納部、ウエハ洗浄/乾燥部、ウエハ搬送手段、及び面取り装置各部の動作を制御する図示しないコントローラから構成されている。
ウエハ送りユニット20は、基礎部をなす本体ベース11上に載置されたX軸ベース21と、X軸ベース21上に水平方向に延びて平行配置された2本のX軸ガイドレール22、22と、各X軸ガイドレール22に2個ずつ、計4個、滑動自在に取り付けたX軸リニアガイド23、23、…と、下面にX軸リニアガイド23が取り付けられたXテーブル24と、Xテーブル24を駆動するX軸駆動手段25とを備えている。X軸駆動手段25は、図示しないボールねじ及びステッピングモータから構成されており、図示しない制御手段の制御指令に基づいて、Xテーブル24をX方向(図1では紙面奥行き方向)に駆動する。
Xテーブル24の上面には、X軸と直交する水平方向(図1では紙面左右方向)に、2本のY軸ガイドレール26、26が平行配置されている。Y軸ガイドレール26ごとに、間隔を置いて2個、合計4個のY軸リニアガイド27、27、…、がY軸ガイドレール26に滑動自在に取り付けられている。Y軸リニアガイド27は、Yテーブル28の下面に取り付けられており、ボールねじとステッピングモータを有する図示しないY軸駆動手段により、Yテーブル28をY方向(図1では紙面左右方向)に駆動する際の案内として作用する。
Yテーブル28の上面には、垂直方向に延びる2本のZ軸ガイドレール29、29が、Y方向に間隔を置いて平行配置されている。Z軸ガイドレール29には滑動自在に4個の図示しないZ軸リニアガイドが取り付けられている。Z軸リニアガイドは、上下方向に移動するZテーブル31に取り付けられており、ボールねじとステッピングモータを有するZ軸駆動手段30がZテーブル31を上下方向に駆動する際の案内として作用する。
Zテーブル31の中央部には、ウエハテーブル(載置台)34を水平面内でθ方向に回転させるためのθスピンドル33が組み込まれている。θスピンドル33は、θ軸モータ32で駆動される。ウエハテーブル34は、θスピンドル33の軸端部である上端部に取り付けられており、板状物であるウエハWを吸着載置する。ウエハテーブル34は、ウエハテーブル34の回転軸心CW回りに(図1のθ方向に)回転する。ウエハテーブル34の下面には、ツルーイング砥石41が、ウエハテーブル34の回転軸心CWに同心に取り付けられている。ツルーイング砥石41は、ウエハテーブル34に載置したウエハWの周縁を仕上げ面取りする外周研削用砥石の整形、すなわちツルーイングするのに用いられる。
以上説明したように、ウエハ面取り装置10が備えるウエハ送りユニット20は、ウエハW及びツルーイング砥石41を、図1でθ方向に回転させるとともに、X、Y、及びZ方向に移動する。
次に、ウエハ送りユニット20の側部に設けられている砥石回転ユニット50について説明する。砥石回転ユニット50では、ウエハ送りユニット20に搭載したウエハWに高さ位置を合わせるために、砥石回転ユニットベース部63が垂直方向に延びて設けられている。砥石回転ユニットベース部63の中央部には、上下方向に延びる回転軸を有する外周砥石スピンドル51が設けられている。
外周砥石スピンドル51の先端部には、ウエハWの外周部を研削するための外周加工砥石52が取り付けられている。外周加工砥石52は、砥石回転ユニットベース部63に内蔵された外周砥石モータにより、外周加工砥石軸心CH回りに水平方向に回転駆動される。外周加工砥石52の上方には複数の砥石を搭載した円板状のターンテーブル53が外周加工砥石52と上下方向に距離を置いて配置されている。
ターンテーブル53の外周近傍には、複数の貫通穴が形成されており、各穴には用途ごとの砥石セットが取り付けられている。すなわち、ウエハWの円弧形の外周面やフラットなオリフラ面の精研削(仕上げ研削)をする外周精研削セットや、ウエハWの一部に設けたウエハの結晶軸を示すためのノッチ粗研削セットやノッチ精研削セットが取り付けられている。外周精研削セットは、上下方向に延びる回転軸を有する外周精研スピンドル54と、外周精研スピンドル54の下端部に取り付けた外周精研削砥石55と、外周精研スピンドル54の上部に取り付けられ外周精研スピンドル54を駆動する外周精研モータ56とを有している。ノッチ粗研削セットは、上下方向に延びる回転軸を有するノッチ粗研スピンドル60と、ノッチ粗研スピンドル60の下端部に取り付けたノッチ粗研削砥石61と、ノッチ粗研スピンドル60の上部に取り付けられ、ノッチ粗研スピンドル60を回転駆動するノッチ粗研モータ62とを有している。同様に、ノッチ精研削セットは、上下方向に延びる回転軸を有するノッチ精研スピンドル57と、ノッチ精研スピンドル57の下端部に取り付けたノッチ精研削砥石58と、ノッチ精研スピンドル57の上部に取り付けられノッチ精研スピンドル57を駆動するノッチ精研モータ59を有している。
ウエハWの加工位置及び加工の種類に応じて、ターンテーブル53を所定量だけ回転軸64回りに回動させると、加工に応じた砥石をウエハWの加工面に位置づけできる。すなわち、外周加工砥石52でウエハWの外周面を粗加工したのち、外周精研スピンドル54に取り付けた外周精研削砥石55で、ウエハWの外周の仕上げ研削のための面取り加工を実行する。また、ウエハWの外周部に設けるノッチについては、ノッチ粗研スピンドル60に取り付けたノッチ粗研削砥石61で粗加工したのち、ノッチ精研スピンドル57に取り付けたノッチ精研削砥石58で仕上げ研削としての面取りを実行する。
このようにウエハWの外周面を研削するために複数の砥石が用いられるが、ウエハWの外周面を粗研削加工する際に用いる外周加工砥石52は、最も大径であり扁平な円盤状をしている。外周加工砥石52の側面の断面形状は、ウエハWの各部の形状に応じられるように複数層に形成されることもある。また外周精研削砥石55は円柱状の砥石であり、外周加工砥石52よりも小径に形成されている。ノッチ粗研削砥石61およびノッチ精研削砥石58は、ノッチ部が小さいこともあり、小径の棒状に形成されている。
ところで、外周加工砥石スピンドル51は、ボールベアリングを用いたビルトインモータ駆動のスピンドルで、その回転速度は8,000rpmである。外周精研スピンドル54はエアーベアリングを用いたビルトインモータ駆動のスピンドルで、回転速度35,000rpmである。ノッチ粗研スピンドル60は、エアーベアリングを用いたエアータービン駆動のスピンドルで、回転速度80,000rpmであり、ノッチ精研スピンドル57はエアーベアリングを用いたビルトインモータ駆動のスピンドルで、回転速度150,000rpmである。
ここで、外周加工砥石52が複数層に形成されているときは、ウエハWの外周粗研削砥石と、ウエハWのオリフラ及びオリフラコーナーを仕上げ研削する面取り砥石とが積層されている。層状に形成されたこれらの砥石の表面には、摩耗による溝形状の変形に対処するため、複数個の溝が形成されている。
ウエハテーブル34の下方に取り付けたツルーイング砥石41の粒度は、代表的には#320である。また、外周加工砥石52を構成する外周粗研削砥石としては、直径202mmのダイヤモンド砥粒のメタルボンド砥石を用い、その粒度は#800程度である。オリフラ及びオリフラコーナー精研削用砥石としては、直径202mmのダイヤモンド砥粒のレジンボンド砥石を用い、その代表的な粒度は#3000である。一方、詳細を後述する外周精研削砥石55は、直径50mmのダイヤモンド砥粒のレジンボンド砥石で、代表的には粒度#3000である。また、ノッチ粗研削砥石61としては直径1.8mm〜2.4mmの小径で、ダイヤモンド砥粒のレジンボンド砥石で粒度#800程度のものを、ノッチ精研削砥石58には、直径1.8mm〜2.4mmの小径で、ダイヤモンド砥粒のレジンボンド砥石で粒度#4000程度のものを用いる。
上記のように外周精研削時には、35,000rpmもの高速で外周精研削砥石55を回転駆動するので、被研削物であるウエハWに外周精研削砥石55が当接する加工面では、摩擦熱が発生する。従来は潤滑をも兼ねて、油性の研削液が使用されていたが環境負荷が大きいため、現在は潤滑を兼ねた研削油の使用を抑制し、ドライ加工をする場合もある。しかしながらドライ加工の場合、潤滑剤の供給を確実に行うこと、加工部で発生した熱を効率的に除去すること、等の課題が生じる。そこで本発明においては、準ドライ加工ともいうべき、ドライ加工に使用される潤滑剤含浸砥石での研削性の確保と、冷却液として水を使用することにより環境負荷の低減を図っている。
そのため、ウエハ面取り装置10は、加工面に水を供給するノズル71を外周精研削砥石55の近傍であって加工面の近傍に配置している。ノズル71で加工面に供給された水は、潤滑剤を一部含んで排液回収手段72でウエハ面取り装置10外に漏れることなく回収され、例えば砥石回転ユニットベース部63内に収容したタンク73に導かれる。そして、タンク73内の水を再度ポンプ74で汲み上げて、加圧してノズル71に供給する。後述するように潤滑剤は水溶性であり、所定使用時間経過後に水処理するだけでよく、環境負荷が低減される。また使用する水量は、研削加工部での発熱を放熱するに足るだけでよく、極力少量とすることが可能になる。
次に本発明の特徴の一つである、ウエハ面取り装置10に用いる砥石について説明する。図2は、砥石の一種である外周精研削砥石55の作製方法の概略を示すフローチャートである。外周精研削砥石55の素材を、外周精研スピンドル54の軸端に取り付け可能なように、外周精研削砥石素材を、ほぼ直径50mmの円柱に加工する(ステップS100)。本実施例では、ダイヤモンド砥粒をフッ素系のレジンで結合した砥石層を外周精研削砥石素材に付着させるため、必要に応じて砥石層の付着表面を表面処理する(ステップS110)。次いで、フッ素系レジンとダイヤモンド砥粒の混合液を準備する(ステップS120)。フッ素系レジンの中にダイヤモンド砥粒が分散した液を外周精研削砥石素材表面に塗布し焼結するか接着剤を用いて接着する(ステップS130)。焼結の場合、焼結が完了したら、砥石層に形成された空隙に、潤滑剤である油脂の水溶液を真空含浸させる(ステップS140)。次いで、真空含浸して形成された外周精研削砥石55を、常温で数時間乾燥させ、油脂を保持した空隙を形成する(ステップS150)。空隙部分は、研削加工中に発生する研削屑の収容場所として作用する。最後にウエハ形状に応じて、ツルーイング加工する(ステップS160)。このツルーイング加工は、ウエハ面取り装置10に、外周研削砥石55を取り付けた状態で、ツルーイング砥石41を用いて実施する。
上記外周精研削砥石55の製作過程における油脂の真空含浸について、図3から図5を用いて詳述する。図3は、真空含浸の効果を模式的に示した図であり、フッ素系レジンの濡れ性を向上させる前の状態の図、図4はフッ素系レジンの濡れ性を向上させた後の図である。図5は、外周精研削砥石55の円周表面側に形成した砥石層に、潤滑剤を含浸させる方法を説明する図である。
砥石の気孔に液状の油脂を含浸させてその後油脂を固化すれば、潤滑剤含浸砥石を作製できる。しかしながら、油脂は、水に比べて粘度が高く流動性が低いので、砥石内部にできた細かな気孔に含浸させることは困難になる。そこで、本発明においては、油脂を砥石に形成された気孔に含浸させるために、油脂を水溶液化するとともに水溶液をクラフト点以上の高温として水中への油脂の溶解を促進させている。
図3(a)は、脂肪酸塩(脂肪酸ナトリウム)の水溶液200中に砥石が浸漬された状態を示している。濡れ性向上前には、砥粒204が分散し、気孔205が形成されたフッ素系レジン203の表面と脂肪酸塩(脂肪酸ナトリウム)の水溶液200表面は接しているが、図3(b)に示すように表面張力により、砥石内部には侵入しない。一方、水溶液温度を80〜90℃程度まで上昇させた濡れ性向上後においては、図4に示すように、親水性となり、砥石層に形成される気孔205は脂肪酸塩水溶液200で満たされる。脂肪酸塩水溶液を80〜90℃にすることにより、あれだけ強烈な撥水性、撥油性を示すフッ素系レジン203に対して濡れ性が良くなるのか、そのメカニズムは不明であるが、発明者の鋭意研究により、その温度条件においては濡れ性が向上し、気孔205内に脂肪酸塩の水溶液200を導入することができることを見いだした。ここで、水溶液温度は、80℃〜90℃がより好ましいが、80℃以上大気圧における沸騰温度未満であっても砥石内部に脂肪酸塩の水溶液200を浸入させ、砥石の気孔中に脂肪酸塩202を導入できることを確認した。
なお、ダイヤモンド砥粒の結合材としてフッ素系レジンを使用しているため、フッ素系レジンはビトリファイド系レジンに比べて常温状態では濡れ性に乏しく、また、フッ素系レジンで形成される気孔がビトリファイド系の結合材よりも小さいので、常温程度の低温下では、油脂や脂肪酸塩を乳化、水溶液化しても砥石内部の気孔に入り込みにくい。つまり、油脂、脂肪酸塩の水溶液等に外周精研削砥石55を浸漬して、焼結によりレジン表面に形成された多数の気孔へ油脂を含浸させようとしても、そのままでは十分な量を含浸できない。
ここで、図3では、フッ素系レジンの例として、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)を使用しているが、他のフッ素系樹脂、例えばPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化))、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド(2フッ化))、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン(3フッ化))、ECTFE(クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体)を使用しても、疎水性の不具合がある。
含浸させるものは脂肪酸塩(界面活性剤)であり、例えば石鹸材料であるラウリン酸ナトリウムや、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のカリウム塩やナトリウム塩を使用できる。後述の本発明に係る真空含浸法を用いると、より含浸される。
フッ素系レジンを結合材として多数の気孔を有する砥石を形成した場合、たとえ脂肪酸塩を真空吸引しても、脂肪酸塩のフッ素樹脂に対する濡れ性が低いので、水溶液中の脂肪酸塩を砥石に含浸させるのが困難である。そこで本実施例においては、水溶液温度を高温にして脂肪酸塩、フッ素系レジンに対する濡れ性を向上させている。本発明者は、脂肪酸塩の水溶液を高温にすることによりフッ素系のレジンに対する濡れ性が向上することを見いだした。
図5は、濡れ性向上の一手法を示す概略図である。脂肪酸塩(ラウリン酸ナトリウム)の20wt%水溶液を準備する。その際、脂肪酸塩81の温度を90℃、水82の温度も90℃に設定する。準備した脂肪酸塩水溶液83を密封可能な容器(真空容器)84に入れ、この脂肪酸塩水溶液83中に外周精研削砥石55を浸漬する。浸漬された外周精研削砥石55を、真空ポンプ85を用いて真空吸引する。真空吸引により、外周精研削砥石55の気孔から気泡86が抜け出し、空隙となった気孔に脂肪酸塩水溶液86が侵入する。なお、真空吸引時の真空容器84内の圧力は、0.133kPa〜1.33kPa程度に保たれる。脂肪酸塩水溶液83を外周精研削砥石55に含浸させた後は、真空容器84から外周精研削砥石55を取り出し、常温で乾燥させる。これにより、脂肪酸塩水溶液86から水分が蒸発し、脂肪酸塩水溶液86で置換された気孔は、脂肪酸塩81が保持された元の気孔よりも体積の小さい気孔になる。
ここで、脂肪酸塩水溶液83の温度を水分が蒸発する限度近くまで高めることにより、水溶液濃度を保ったまま、脂肪酸塩水溶液83の浸透性または気孔への流動性を向上できる。その結果、外周精研削砥石55の結合材であるフッ素系レジンに形成された気孔中の空気と脂肪酸塩水溶液83との置換が促進され、潤滑剤である脂肪酸塩81をフッ素系レジンの空隙に保持できる。
本実施例では、脂肪酸塩の水溶液濃度を20wt%としているが、脂肪酸塩の濃度が5〜40wt%であれば、実用上使用可能である。ただし、脂肪酸塩水溶液濃度が、10〜30wt%であれば、良好な砥石が得られ、脂肪酸塩水溶液濃度が15〜20wt%であれば、均質な最良の砥石が得られる。この理由は、以下に説明する円を確保できるからである。
脂肪酸塩水溶液濃度を上記の範囲内で変化させると、置換率を研削加工の内容に応じて調整又は制御できる。ここで、置換率は、焼成時にフッ素系レジンに形成される全気孔の体積と、上記真空含浸と乾燥により脂肪酸塩のみが気孔に残留保持され、その結果、水分量部分だけ気孔として残った部分の体積の割合である。
上述したように、フッ素系レジンに形成される気孔は、砥石として使用するときに研削屑の収容部として作用するので、焼成時に形成される全気孔を脂肪酸塩で置換することは研削性能上好ましくない。実際に脂肪酸塩で全気孔を置換すると、研削抵抗の増加や潤滑性の劣化が生じている。そこで、本実施例では、焼成で形成された全気孔の30〜50%程度が脂肪酸塩で置換されるように、脂肪酸塩水溶液濃度と、真空含浸時間(5分〜60分:砥石の緻密度、大きさで変化させる)と、脂肪酸塩水溶液温度を上記のように設定している。
図6に、フッ素系レジンに脂肪酸塩を真空含浸させたのち、常温・大気条件で1日〜2週間ほどの間乾燥させた砥石層の表面拡大写真を示す。図6の写真には、真空含浸により脂肪酸塩がダイヤモンド砥粒の周りを覆い、気孔が分かりにくくなっている様子が示されている。また図6において、黒っぽい部分がダイヤモンド砥粒であり、その他は結合材のフッ素系レジンである。脂肪酸塩水溶液濃度を変えることにより、真空含浸時に気孔に含浸する水の割合が変化し、自然乾燥すれば水分量だけ最終的に気孔として残ることが容易に理解できる。
図7に、比較例として本発明の真空含浸を適用する前(脂肪酸塩を気孔に入れる前)のフッ素系レジンを結合材とした砥石の表面形状の拡大図を示す。潤滑剤である脂肪酸塩が砥石の気孔内に保持されておらず、黒っぽいダイヤモンド砥粒が脂肪酸塩に覆われていない。
図8に、上記手法により作成した砥石を用いて、ウエハの面取り研削をする時に用いる砥石例と、ウエハ面の形状例を示す。図8(a)は、研削に使用する砥石の断面形状例である。砥石は、外周部にV溝(研削用溝92)が形成されたオリフラ粗研削用砥石91と、同様に外周部にV溝(研削用溝94)が形成された外周粗研削用砥石93とを重ね合わせた形状である。なお、図8(a)では各砥石91,93共に溝数を1本のみ示しているが、砥石交換やツルーイング頻度を低減するために、溝数は通常複数本形成される。
図8(b)〜図8(d)に、ウエハWの様々な面取り形状を斜視図および断面図で示している。図8(b)は、ウエハWの外周部に段差Wを形成するトリミング加工の例である。図8(c)は、貼り合わせたウエハWの面取り加工であり、2段に張り合わされたウエハの周縁部に溝W2を形成する場合である。図8(d)は、非対称ウエハ面取り加工であり、ウエハWの周縁部を上面から下面へ斜めの加工面W3を形成する場合である。面取り形状に加工するため、砥石はツルーイングにより、所望の形状に加工される。このような各種形状の面取りに上記実施例で説明した砥石を用いることができる。
なお、面取り加工はドライ研削でもよいが、水を冷却剤として使用することが望ましい。冷却材が水であるので、研削面への潤滑剤の広がりを期待できる。また、潤滑剤である脂肪酸塩が冷却剤としての水に混入しても、容易に溶解し環境汚染がない。さらに、水を冷却剤とすることで、低温の研削加工が可能になり、ウエハの高精度研削が可能になる。また、研削面での発熱を水の相変化により吸収することも可能であり、少量の冷却水で研削加工が可能で環境負荷を低減できる。さらに、脂肪酸塩は石鹸としても使用されるものであるから、冷却水と一緒になって洗浄作用をすることも期待できる。
以上説明したように本実施例によれば、常温では疎水性であるフッ素系レジンを結合材として焼結により形成された砥石の表面に確実に脂肪酸塩を潤滑剤として含浸できるので、ウエハ加工用砥石による加工精度を向上できる。また、含浸させる脂肪酸塩は水溶性であるから、冷却液として水を用いて加工した場合には、水冷却により低温研削が可能になり高精度研削を実現できるとともに、冷却液による環境負荷も低減できる。
また、砥石素材にダイヤモンド砥粒とフッ素系レジンの混合液を焼結して砥石を作成するので、砥石素材形状を変えるだけで、ウエハの各種面取り形状に容易に対応でき、使用者の所望のウエハ面取り研削を実現できる。さらに、真空含浸時に脂肪酸塩水溶液の濃度を、許容範囲内で変化させることにより、フッ素系レジンに形成される気孔の脂肪酸塩への置換割合を変化させることができ、研削加工内容に応じた砥石を実現できる。例えば上記実施例では精研削砥石を例にとって気孔の置換割合を設定しているが、本発明は粗研削砥石にも適用可能であり、粗研削砥石の場合には、置換割合を上げて研削量を増やすことも可能である。
10…ウエハ面取り装置、11…本体ベース、20…ウエハ送りユニット、21…X軸ベース、22…X軸ガイドレール、23…X軸リニアガイド、24…Xテーブル、25…X軸駆動手段、26…Y軸ガイドレール、27…Y軸リニアガイド、28…Yテーブル、29…Z軸ガイドレール、30…Z軸駆動手段(ボールねじ)、31…Zテーブル、32…θ軸モータ、33…θスピンドル、34…ウエハテーブル、41…ツルーイング砥石、50…砥石回転ユニット、51…外周砥石スピンドル、52…外周加工砥石、53…ターンテーブル、54…外周精研スピンドル、55…外周精研削砥石、56…外周精研モータ、57…ノッチ精研スピンドル、58…ノッチ精研削砥石、59…ノッチ精研モータ、60…ノッチ粗研スピンドル、61…ノッチ粗研削砥石、62…ノッチ粗研モータ、63…砥石回転ユニットベース部、64…(ターンテーブル)回転軸、71…ノズル、72…排液回収手段、73…タンク、74…ポンプ、81…脂肪酸塩、82…水、83…脂肪酸塩水溶液、84…密封容器(真空容器)、85…真空ポンプ、86…気泡、91…オリフラ祖研削用砥石(直線及びコーナ研削砥石)、92…研削用溝、93…外周粗研削砥石、94…研削用溝、200…脂肪酸塩水溶液、201…水、202…脂肪酸塩(脂肪酸ナトリウム)、203…レジン(PTFE)、204…砥粒、205…気孔、CH…(外周加工砥石)軸心、CW…(ウエハテーブル)回転軸心、W…ウエハ、θ…ウエハテーブル回転方向。

Claims (12)

  1. 半導体ウエハの面取り加工時に水冷却して用いられ、砥粒と多数の気孔を有するレジン系結合剤とで砥石部を形成し、前記気孔に潤滑剤として脂肪酸塩を真空含浸させた研削砥石において、
    前記レジン系結合剤はフッ素系結合剤であり、前記脂肪酸塩を80℃以上、大気圧における沸騰温度未満の水溶液の状態で前記気孔に真空含浸させたのち自然乾燥して前記脂肪酸塩を前記気孔に保持したものであることを特徴とする研削砥石。
  2. 前記レジン系結合剤は、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化))、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド(2フッ化))、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン(3フッ化))、ECTFE(クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体)の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の研削砥石。
  3. 前記脂肪酸塩は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸の少なくともいずれかのカリウム塩またはナトリウム塩であることを特徴とする請求項1または2に記載の研削砥石。
  4. 真空含浸時に用いる前記脂肪酸塩の水溶液濃度を、5〜40wt%としたことを特徴とする請求項3に記載の研削砥石。
  5. 真空含浸時に用いる前記脂肪酸塩の水溶液濃度を、10〜30wt%としたことを特徴とする請求項3に記載の研削砥石。
  6. 真空含浸時に用いる前記脂肪酸塩の水溶液濃度を、15〜20wt%としたことを特徴とする請求項3に記載の研削砥石。
  7. 真空含浸時に用いる前記脂肪酸塩の水溶液の温度をクラフト点温度以上としたことを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の研削砥石。
  8. 前記脂肪酸塩の真空含浸量は、前記気孔の体積の30〜50%であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の研削砥石。
  9. 半導体ウエハの面取り加工時に水冷却して用いられ、砥粒と多数の気孔を有するレジン系結合剤とで砥石部を形成し、前記気孔に潤滑剤として脂肪酸塩を真空含浸させる研削砥石の製造方法において、
    80℃〜90℃の前記脂肪酸塩水溶液を準備し、この脂肪酸塩水溶液に前記研削砥石を浸漬し、0.13〜1.33kPaに減圧した環境で前記研削砥石内の空気を前記脂肪酸塩水溶液に置換し、常温大気環境で自然乾燥したことを特徴とする研削砥石の製造方法。
  10. 前記脂肪酸塩水溶液の濃度は、5〜10wt%であり、前記脂肪酸塩はラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸の少なくともいずれかのカリウム塩またはナトリウム塩であることを特徴とする請求項9に記載の研削砥石の製造方法。
  11. 前記レジン系結合剤はPTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化))、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド(2フッ化))、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン(3フッ化))、ECTFE(クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体)の少なくともいずれかである請求項9または10に記載の研削砥石の製造方法。
  12. ウエハを保持するウエハテーブルと、前記ウエハの外周部を研削する粗研削砥石と、精研削砥石と、前記ウエハテーブルを前記粗研削砥石および精研削砥石に対向させるようX,Y,Z方向に移動させる移動手段と、前記粗研削砥石および精研削砥石の形状を成形するのに用いるツルーイング砥石と、前記粗研削砥石および精研削砥石による研削加工時にウエハとの当接面で発生する熱を吸熱及び放熱する水冷却手段とを備えたウエハ面取り装置において、
    前記粗研削砥石および精研削砥石の少なくともいずれかが、請求項1から8のいずれか1項に記載された研削砥石であることを特徴とするウエハ面取り装置。
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