JPH11188635A - 研削砥石 - Google Patents
研削砥石Info
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- JPH11188635A JPH11188635A JP35659597A JP35659597A JPH11188635A JP H11188635 A JPH11188635 A JP H11188635A JP 35659597 A JP35659597 A JP 35659597A JP 35659597 A JP35659597 A JP 35659597A JP H11188635 A JPH11188635 A JP H11188635A
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- fatty acid
- grinding wheel
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 乾式研削に用いられる研削砥石において、研
削性能を可及的に向上させる。 【解決手段】 ビトリファイド研削砥石10の気孔16
の内壁面に、ステアリン酸ナトリウムやステアリン酸亜
鉛などの脂肪酸塩18を含浸、固着させた。こうすれ
ば、カルナバろうや、カルナバろう及びジベンゾルスル
フィドの混合物、パラフィン、離型剤などを用いる場合
と比べて、消費電力値、研削後の砥石半径磨耗量および
被削材温度が低下することが実験的に確認された。
削性能を可及的に向上させる。 【解決手段】 ビトリファイド研削砥石10の気孔16
の内壁面に、ステアリン酸ナトリウムやステアリン酸亜
鉛などの脂肪酸塩18を含浸、固着させた。こうすれ
ば、カルナバろうや、カルナバろう及びジベンゾルスル
フィドの混合物、パラフィン、離型剤などを用いる場合
と比べて、消費電力値、研削後の砥石半径磨耗量および
被削材温度が低下することが実験的に確認された。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研削液(クーラン
ト)を使用しない乾式研削に用いられる研削砥石に関す
るものである。
ト)を使用しない乾式研削に用いられる研削砥石に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】廃液処理等の問題が生じない乾式研削を
精密研削に用いると、研削時に発生する熱の影響などに
より被削材の加工品位の低下が起こり易かった。そこ
で、かかる問題を解決すべく、研削砥石の開気孔(オー
プンポアタイプ)の内壁面に高級脂肪酸やパラフィンな
どの潤滑剤を固着させたものが、例えば特開昭52−1
8286号公報、或いは特開昭53−140692号公
報などで提案されている。かかる研削砥石によれば潤滑
剤が研削時に潤滑作用を行うため、乾式研削においても
被削材の加工品位の低下が起こりにくくなる。
精密研削に用いると、研削時に発生する熱の影響などに
より被削材の加工品位の低下が起こり易かった。そこ
で、かかる問題を解決すべく、研削砥石の開気孔(オー
プンポアタイプ)の内壁面に高級脂肪酸やパラフィンな
どの潤滑剤を固着させたものが、例えば特開昭52−1
8286号公報、或いは特開昭53−140692号公
報などで提案されている。かかる研削砥石によれば潤滑
剤が研削時に潤滑作用を行うため、乾式研削においても
被削材の加工品位の低下が起こりにくくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
潤滑剤を含む研削砥石においても、研削時の潤滑作用は
未だ不充分であり、比較的大きな研削抵抗のために消費
電力や研削砥石の磨耗量は充分に低減されておらず、研
削時に発生する熱の影響などによる被削材の加工品位の
低下も避けられなかった。
潤滑剤を含む研削砥石においても、研削時の潤滑作用は
未だ不充分であり、比較的大きな研削抵抗のために消費
電力や研削砥石の磨耗量は充分に低減されておらず、研
削時に発生する熱の影響などによる被削材の加工品位の
低下も避けられなかった。
【0004】本発明は以上のような事情を背景として為
されたものであり、その目的とするところは、乾式研削
に用いられる研削砥石において、研削時の潤滑作用、換
言すれば研削性能を可及的に向上させることにある。
されたものであり、その目的とするところは、乾式研削
に用いられる研削砥石において、研削時の潤滑作用、換
言すれば研削性能を可及的に向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1発明は、砥粒と、それらの砥粒を相互に結合さ
せる結合剤と、それらの砥粒および結合剤の隙間に設け
られる気孔とから成り、それらの気孔の内壁面に脂肪酸
塩が固着させられている研削砥石を特徴とする。
に、第1発明は、砥粒と、それらの砥粒を相互に結合さ
せる結合剤と、それらの砥粒および結合剤の隙間に設け
られる気孔とから成り、それらの気孔の内壁面に脂肪酸
塩が固着させられている研削砥石を特徴とする。
【0006】第2発明は、第1発明において、前記脂肪
酸塩の塩基部分が、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属であることを特徴とする。
酸塩の塩基部分が、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属であることを特徴とする。
【0007】第3発明は、第1発明において、前記脂肪
酸塩は金属石鹸であることを特徴とする。
酸塩は金属石鹸であることを特徴とする。
【0008】第4発明は、第1発明において、前記脂肪
酸塩の融点が100℃以上であることを特徴とする。
酸塩の融点が100℃以上であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】ここで、上記研削砥石には、長
石、可溶性粘土、又は耐火性粘土などを結合剤として用
いたビトリファイド砥石や、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、又はポリエステル樹脂などを結合剤として用いた
レジノイド砥石等の種々のものが含まれる。また、上記
砥粒には、溶融アルミナ系砥粒や、共溶融アルミナ・ジ
ルコニア砥粒、微結晶性焼結アルミナ砥粒、焼結アルミ
ナ砥粒、炭化ケイ素砥粒、CBN砥粒、ダイヤモンド砥
粒等の種々のものが含まれる。気孔は、互いに連通して
いて外部に連通しているオープンポアタイプ(開気孔)
である。
石、可溶性粘土、又は耐火性粘土などを結合剤として用
いたビトリファイド砥石や、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、又はポリエステル樹脂などを結合剤として用いた
レジノイド砥石等の種々のものが含まれる。また、上記
砥粒には、溶融アルミナ系砥粒や、共溶融アルミナ・ジ
ルコニア砥粒、微結晶性焼結アルミナ砥粒、焼結アルミ
ナ砥粒、炭化ケイ素砥粒、CBN砥粒、ダイヤモンド砥
粒等の種々のものが含まれる。気孔は、互いに連通して
いて外部に連通しているオープンポアタイプ(開気孔)
である。
【0010】また、脂肪酸塩は、CH3 −(CH2 )n
−COO□(□=−K、−Na、−Zn、−NH3 R、
−NH2 R1 R2 、−NHR1 R2 R3 、・・・)で表
されるもので、図5に示すように炭素数が12〜18
(n=10〜16)のものが好適に用いられる。n=1
2のものとしては、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸カ
ルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸鉛などが用いら
れ、n=13のものとしては、トリデシル酸亜鉛などが
用いられ、n=14のものとしては、ミリスチン酸リチ
ウム、ミリスチン酸鉛などが用いられ、n=16のもの
としては、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリ
ウム、パルミチン酸リチウム、パルミチン酸カルシウ
ム、パルミチン酸鉛などが用いられ、n=18のものと
しては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸鉛などが用いられる。
−COO□(□=−K、−Na、−Zn、−NH3 R、
−NH2 R1 R2 、−NHR1 R2 R3 、・・・)で表
されるもので、図5に示すように炭素数が12〜18
(n=10〜16)のものが好適に用いられる。n=1
2のものとしては、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸カ
ルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸鉛などが用いら
れ、n=13のものとしては、トリデシル酸亜鉛などが
用いられ、n=14のものとしては、ミリスチン酸リチ
ウム、ミリスチン酸鉛などが用いられ、n=16のもの
としては、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリ
ウム、パルミチン酸リチウム、パルミチン酸カルシウ
ム、パルミチン酸鉛などが用いられ、n=18のものと
しては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸鉛などが用いられる。
【0011】図5は、これら種々の脂肪酸塩の融点をそ
れぞれ示したものであり、図示されるように、各融点は
全て100℃以上となっている。融点が100℃より低
い場合、研削加工の際に比較的低温の状態で融け出して
しまうため、高温で必要な研削比の十分な効果が得られ
ない。また、図5に示す塩基のうちカリウム(K+ )、
ナトリウム(Na+ )、リチウム(Li+ )はアルカリ
金属で、カルシウム(Ca2+)はアルカリ土類金属であ
るが、何れも結合力が強いため融点が高く、本発明の脂
肪酸塩として好適に用いられる。
れぞれ示したものであり、図示されるように、各融点は
全て100℃以上となっている。融点が100℃より低
い場合、研削加工の際に比較的低温の状態で融け出して
しまうため、高温で必要な研削比の十分な効果が得られ
ない。また、図5に示す塩基のうちカリウム(K+ )、
ナトリウム(Na+ )、リチウム(Li+ )はアルカリ
金属で、カルシウム(Ca2+)はアルカリ土類金属であ
るが、何れも結合力が強いため融点が高く、本発明の脂
肪酸塩として好適に用いられる。
【0012】また、金属石鹸は、水溶性を有し界面活性
剤として用いられる通常の脂肪酸塩とは異なり、水には
不溶であって有機溶剤に溶解する脂肪酸塩であり、脂肪
酸塩の塩基部分に、例えば鉛、コバルト、亜鉛、マンガ
ン、鉄、銅、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム
等の種々の金属が配位させられたものである。このよう
な金属石鹸も比較的融点が高いため、本発明の脂肪酸塩
として好適に用いられる。前記図5において、塩基部分
がカルシウム(Ca2+)、亜鉛(Zn2+)、鉛(P
b2+)の脂肪酸塩は金属石鹸である。
剤として用いられる通常の脂肪酸塩とは異なり、水には
不溶であって有機溶剤に溶解する脂肪酸塩であり、脂肪
酸塩の塩基部分に、例えば鉛、コバルト、亜鉛、マンガ
ン、鉄、銅、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム
等の種々の金属が配位させられたものである。このよう
な金属石鹸も比較的融点が高いため、本発明の脂肪酸塩
として好適に用いられる。前記図5において、塩基部分
がカルシウム(Ca2+)、亜鉛(Zn2+)、鉛(P
b2+)の脂肪酸塩は金属石鹸である。
【0013】また、上記研削砥石の製造方法としては、
(a) 砥粒と、該砥粒を相互に結合させる結合剤と、該砥
粒および該結合剤の隙間に設けられる気孔とから成り、
該気孔の内壁面に脂肪酸塩が固着させられている研削砥
石の製造方法において、(b)所定の第1温度に設定され
た所定の溶媒に前記脂肪酸塩を溶かした脂肪酸塩溶液を
調製する第1工程と、(c) 前記研削砥石を該脂肪酸塩溶
液に浸漬させる第2工程と、(d) 該研削砥石が浸漬させ
られた状態で、該脂肪酸塩溶液を前記第1温度よりも低
い所定の第2温度以下に冷却することにより、該研削砥
石の気孔の内壁面で該脂肪酸塩をゲル化させる第3工程
と、(e) 該研削砥石を該脂肪酸塩溶液から引き上げて該
研削砥石を乾燥させることにより、該研削砥石の気孔の
内壁面でゲル化している該脂肪酸塩に含まれる溶媒分を
蒸発させる第4工程とから成ることを特徴とするものが
ある。
(a) 砥粒と、該砥粒を相互に結合させる結合剤と、該砥
粒および該結合剤の隙間に設けられる気孔とから成り、
該気孔の内壁面に脂肪酸塩が固着させられている研削砥
石の製造方法において、(b)所定の第1温度に設定され
た所定の溶媒に前記脂肪酸塩を溶かした脂肪酸塩溶液を
調製する第1工程と、(c) 前記研削砥石を該脂肪酸塩溶
液に浸漬させる第2工程と、(d) 該研削砥石が浸漬させ
られた状態で、該脂肪酸塩溶液を前記第1温度よりも低
い所定の第2温度以下に冷却することにより、該研削砥
石の気孔の内壁面で該脂肪酸塩をゲル化させる第3工程
と、(e) 該研削砥石を該脂肪酸塩溶液から引き上げて該
研削砥石を乾燥させることにより、該研削砥石の気孔の
内壁面でゲル化している該脂肪酸塩に含まれる溶媒分を
蒸発させる第4工程とから成ることを特徴とするものが
ある。
【0014】このように、脂肪酸塩の研削砥石への導入
は、脂肪酸塩の溶液に研削砥石を浸漬して冷却した後
に、研削砥石をその溶液から引き上げて乾燥している
が、脂肪酸塩の融液に研削砥石を浸漬した後に、研削砥
石をその融液から引き上げて冷却しても良い。脂肪酸塩
は、気孔を残した状態で設けられても良いが、気孔を略
埋め潰すように設けることも可能である。
は、脂肪酸塩の溶液に研削砥石を浸漬して冷却した後
に、研削砥石をその溶液から引き上げて乾燥している
が、脂肪酸塩の融液に研削砥石を浸漬した後に、研削砥
石をその融液から引き上げて冷却しても良い。脂肪酸塩
は、気孔を残した状態で設けられても良いが、気孔を略
埋め潰すように設けることも可能である。
【0015】融点が高く、しかも分解し易い水溶性の脂
肪酸塩に砥石を浸漬するには、脂肪酸塩を略飽和状態ま
で溶かした飽和溶液を用いることが望ましい。1回の浸
漬および冷却、ゲル化(固体の析出を示す)では、気孔
を残した状態でその気孔の内壁面に脂肪酸塩が付着させ
られるが、溶液中への浸漬および冷却、ゲル化を繰り返
すことにより、気孔を略埋め尽くすまで脂肪酸塩を設け
ることもできる。
肪酸塩に砥石を浸漬するには、脂肪酸塩を略飽和状態ま
で溶かした飽和溶液を用いることが望ましい。1回の浸
漬および冷却、ゲル化(固体の析出を示す)では、気孔
を残した状態でその気孔の内壁面に脂肪酸塩が付着させ
られるが、溶液中への浸漬および冷却、ゲル化を繰り返
すことにより、気孔を略埋め尽くすまで脂肪酸塩を設け
ることもできる。
【0016】脂肪酸塩を溶かす溶媒としては水が好適に
用いられるが、エチルアルコールなどの他の溶媒を用い
ることも可能で、脂肪酸塩の種類によって適宜定められ
る。パルミチン酸カリウムやステアリン酸ナトリウム等
の脂肪酸塩は水(湯)に溶け易く、化学記号O(酸素)
があるもの(砥粒、結合剤、被削材など)や金属(被削
材)に付着する性質があるため、砥石に含浸させて水分
だけを無くすことにより、砥粒や結合剤の表面に水素結
合やイオン結合によって付着し、気孔を埋め潰すことな
く気孔の内壁面に容易に固着させることができる。水溶
性の脂肪酸塩を用いた場合は、砥石の製造作業(脂肪酸
塩の含浸作業)が一層容易である。
用いられるが、エチルアルコールなどの他の溶媒を用い
ることも可能で、脂肪酸塩の種類によって適宜定められ
る。パルミチン酸カリウムやステアリン酸ナトリウム等
の脂肪酸塩は水(湯)に溶け易く、化学記号O(酸素)
があるもの(砥粒、結合剤、被削材など)や金属(被削
材)に付着する性質があるため、砥石に含浸させて水分
だけを無くすことにより、砥粒や結合剤の表面に水素結
合やイオン結合によって付着し、気孔を埋め潰すことな
く気孔の内壁面に容易に固着させることができる。水溶
性の脂肪酸塩を用いた場合は、砥石の製造作業(脂肪酸
塩の含浸作業)が一層容易である。
【0017】また、本発明の研削砥石は、水、油又はエ
マルジョンなどの液体クーラントを用いない乾式研削に
好適に用いられ、特に−10℃程度以下の冷風(空気な
ど)を研削部位に吹き付けながら研削加工を行うことが
望ましい。但し、研削部位の温度よりも低温であれば冷
却効果が得られるため、例えば作業環境温度(室温な
ど)の空気を冷風として吹き付けるようにしても良い。
マルジョンなどの液体クーラントを用いない乾式研削に
好適に用いられ、特に−10℃程度以下の冷風(空気な
ど)を研削部位に吹き付けながら研削加工を行うことが
望ましい。但し、研削部位の温度よりも低温であれば冷
却効果が得られるため、例えば作業環境温度(室温な
ど)の空気を冷風として吹き付けるようにしても良い。
【0018】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明が適用されたビトリファイ
ド研削砥石10(以下、砥石10と略す)の一部を拡大
して示す断面図である。図において、12は砥粒、14
は結合剤としてのビトリファイドボンド、16は気孔で
ある。砥石10の仕様は、”PA80K7V75R”で
ある。すなわち、砥粒12は淡紅色アルミナ質(PA)
が用いられており、粒度は80番、結合度はK、組織は
7であり、ビトリファイドボンド14はV75Rが用い
られている。また、直径はφ205mmで、厚さは25
mmである。気孔16の内壁面には脂肪酸塩18が固着
しており、脂肪酸塩18としてはステアリン酸ナトリウ
ムが用いられている。
ド研削砥石10(以下、砥石10と略す)の一部を拡大
して示す断面図である。図において、12は砥粒、14
は結合剤としてのビトリファイドボンド、16は気孔で
ある。砥石10の仕様は、”PA80K7V75R”で
ある。すなわち、砥粒12は淡紅色アルミナ質(PA)
が用いられており、粒度は80番、結合度はK、組織は
7であり、ビトリファイドボンド14はV75Rが用い
られている。また、直径はφ205mmで、厚さは25
mmである。気孔16の内壁面には脂肪酸塩18が固着
しており、脂肪酸塩18としてはステアリン酸ナトリウ
ムが用いられている。
【0020】次に、砥石10の気孔16の内壁面に脂肪
酸塩18を固着させる方法について説明する。先ず、8
0℃に設定された水(湯)に、ステアリン酸ナトリウム
を溶かしてその飽和溶液を調製する(第1工程)。本実
施例では、100g(cm3)の水にステアリン酸ナト
リウムを約5g添加した。次に、その飽和溶液に砥石1
0を浸漬させる(第2工程)。続いて、その飽和溶液に
砥石10が浸漬させられた状態で、その飽和溶液をゲル
化するまで、例えば60℃以下に冷却することにより、
砥石10の気孔16の内壁面でステアリン酸ナトリウム
をゲル化(水を含んだ状態)させる(第3工程)。最後
に、砥石10を溶液から引き上げて乾燥する(約60℃
まで加熱)ことにより、気孔16の内壁面でゲル化して
いるステアリン酸ナトリウムに含まれる水分を蒸発させ
て、ステアリン酸ナトリウムを気孔16の内壁面に固着
させる(第4工程)。
酸塩18を固着させる方法について説明する。先ず、8
0℃に設定された水(湯)に、ステアリン酸ナトリウム
を溶かしてその飽和溶液を調製する(第1工程)。本実
施例では、100g(cm3)の水にステアリン酸ナト
リウムを約5g添加した。次に、その飽和溶液に砥石1
0を浸漬させる(第2工程)。続いて、その飽和溶液に
砥石10が浸漬させられた状態で、その飽和溶液をゲル
化するまで、例えば60℃以下に冷却することにより、
砥石10の気孔16の内壁面でステアリン酸ナトリウム
をゲル化(水を含んだ状態)させる(第3工程)。最後
に、砥石10を溶液から引き上げて乾燥する(約60℃
まで加熱)ことにより、気孔16の内壁面でゲル化して
いるステアリン酸ナトリウムに含まれる水分を蒸発させ
て、ステアリン酸ナトリウムを気孔16の内壁面に固着
させる(第4工程)。
【0021】上記ステアリン酸ナトリウムの含有量は、
実測値で約15gであった。ステアリン酸ナトリウムの
比重は約1.08(実測値)で、その体積は13.9c
m3であり、砥石10における気孔16の占める容積
(ステアリン酸ナトリウムを含浸する前)は約291c
m3 であるため、気孔16に対するステアリン酸ナトリ
ウムの割合は約4.8容量%である。
実測値で約15gであった。ステアリン酸ナトリウムの
比重は約1.08(実測値)で、その体積は13.9c
m3であり、砥石10における気孔16の占める容積
(ステアリン酸ナトリウムを含浸する前)は約291c
m3 であるため、気孔16に対するステアリン酸ナトリ
ウムの割合は約4.8容量%である。
【0022】次に、上記砥石10について横軸平面研削
盤を用いて冷風プランジ研削(ダウンカット)を行い、
カット数に対する消費電力値の変化、カット数が200
passに到達した後の砥石半径磨耗量および被削材温
度をそれぞれ調べた。その試験結果をそれぞれ図2〜図
4に示す。研削条件は、砥石周速度が27.6m/s
(2580r.p.m )、テーブル送り速度が10m/mi
n、切込寸法が5μm/pass×200pass、−
10℃の冷風(ドライエア)を吐出流量約85L(リッ
トル)/minで研削点付近に噴射、被削材はSUJ2
(HRC60)、被削材の寸法は長さ100mm×幅1
0mm×厚み50mmである。また、砥石10のドレス
条件は、0.8mm角の角柱単石ドレッサーを用いて、
ドレス切込は10μm/pass×5pass、ドレス
リードは0.2mm/revとした。
盤を用いて冷風プランジ研削(ダウンカット)を行い、
カット数に対する消費電力値の変化、カット数が200
passに到達した後の砥石半径磨耗量および被削材温
度をそれぞれ調べた。その試験結果をそれぞれ図2〜図
4に示す。研削条件は、砥石周速度が27.6m/s
(2580r.p.m )、テーブル送り速度が10m/mi
n、切込寸法が5μm/pass×200pass、−
10℃の冷風(ドライエア)を吐出流量約85L(リッ
トル)/minで研削点付近に噴射、被削材はSUJ2
(HRC60)、被削材の寸法は長さ100mm×幅1
0mm×厚み50mmである。また、砥石10のドレス
条件は、0.8mm角の角柱単石ドレッサーを用いて、
ドレス切込は10μm/pass×5pass、ドレス
リードは0.2mm/revとした。
【0023】図2〜図4は、脂肪酸塩18としてステア
リン酸ナトリウムを設けた砥石10の他、同じく脂肪酸
塩であるステアリン酸亜鉛を設けた場合と、脂肪酸塩以
外の離型剤、パラフィン、カルナバろう+ジベンゾルス
ルフィド、カルナバろうを設けた場合とを比較して示し
たものである。ベースとなる砥石の仕様は前記砥石10
と同じで、気孔16に対する含浸割合は、ステアリン酸
亜鉛が95容量%、離型剤が90容量%、パラフィンが
98容量%、カルナバろう+ジベンゾルスルフィドが9
0容量%、カルナバろうが98容量%である。これらの
ステアリン酸亜鉛、離型剤、パラフィン、カルナバろう
+ジベンゾルスルフィド、カルナバろうは、それぞれ融
点以上に加温して溶融させ、その中に研削砥石を浸漬
し、引き上げて冷却すれば気孔16内に含浸できる。な
お、ステアリン酸亜鉛の場合、含浸割合が少量の時は、
例えばエチルアルコールを溶媒として用いて溶解し、後
は前記ステアリン酸ナトリウムの場合と同様にして気孔
16内に含浸させれば良い。
リン酸ナトリウムを設けた砥石10の他、同じく脂肪酸
塩であるステアリン酸亜鉛を設けた場合と、脂肪酸塩以
外の離型剤、パラフィン、カルナバろう+ジベンゾルス
ルフィド、カルナバろうを設けた場合とを比較して示し
たものである。ベースとなる砥石の仕様は前記砥石10
と同じで、気孔16に対する含浸割合は、ステアリン酸
亜鉛が95容量%、離型剤が90容量%、パラフィンが
98容量%、カルナバろう+ジベンゾルスルフィドが9
0容量%、カルナバろうが98容量%である。これらの
ステアリン酸亜鉛、離型剤、パラフィン、カルナバろう
+ジベンゾルスルフィド、カルナバろうは、それぞれ融
点以上に加温して溶融させ、その中に研削砥石を浸漬
し、引き上げて冷却すれば気孔16内に含浸できる。な
お、ステアリン酸亜鉛の場合、含浸割合が少量の時は、
例えばエチルアルコールを溶媒として用いて溶解し、後
は前記ステアリン酸ナトリウムの場合と同様にして気孔
16内に含浸させれば良い。
【0024】図2から明らかなように、カット数(pa
ss)に対する消費電力値(kW)は、カルナバろう
や、カルナバろう及びジベンゾルスルフィドの混合物、
パラフィン、離型剤などを用いた場合と比べて、ステア
リン酸亜鉛やステアリン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩を
用いた方が、全カット数領域において低い値を示してお
り、優れた研削性能(切れ味)が得られる。特に低カッ
ト数領域でも消費電力が少なく、慣らし研削を行うこと
なく直ちに研削作業にとりかかることができる。
ss)に対する消費電力値(kW)は、カルナバろう
や、カルナバろう及びジベンゾルスルフィドの混合物、
パラフィン、離型剤などを用いた場合と比べて、ステア
リン酸亜鉛やステアリン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩を
用いた方が、全カット数領域において低い値を示してお
り、優れた研削性能(切れ味)が得られる。特に低カッ
ト数領域でも消費電力が少なく、慣らし研削を行うこと
なく直ちに研削作業にとりかかることができる。
【0025】また、図3から明らかなように、砥石半径
磨耗量(μm)は、図2と同様にステアリン酸亜鉛やス
テアリン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩を用いた方が、そ
の他のものを用いた場合と比べて低い値を示している。
更に、図4から明らかなように、被削材温度(℃)も、
同様に前者を用いた方が後者を用いた場合より低い値を
示している。また、目視によっても切屑の排出はスムー
ズに行われ、凝集することもなく個々に分離して排出さ
れ、また、砥石や被研削材への付着も観察されなかっ
た。
磨耗量(μm)は、図2と同様にステアリン酸亜鉛やス
テアリン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩を用いた方が、そ
の他のものを用いた場合と比べて低い値を示している。
更に、図4から明らかなように、被削材温度(℃)も、
同様に前者を用いた方が後者を用いた場合より低い値を
示している。また、目視によっても切屑の排出はスムー
ズに行われ、凝集することもなく個々に分離して排出さ
れ、また、砥石や被研削材への付着も観察されなかっ
た。
【0026】このように、ステアリン酸ナトリウムまた
はステアリン酸亜鉛を用いた場合、優れた研削性能が得
られる(消費電力、研削抵抗の低下)とともに、砥石1
0の磨耗や被削材の温度上昇が抑制されるなどの優れた
潤滑作用が得られるようになる。これは、ステアリン酸
ナトリウムやステアリン酸亜鉛等の脂肪酸塩は、化学記
号O(酸素)があるもの(砥粒、結合剤、被削材など)
や金属(被削材)に付着する性質があるため、親水基側
が気孔の内壁面や切屑(被削材)に付着するとともに親
油基側が互いに反発し合うことにより、切屑が良好に排
出されるためと考えられる。
はステアリン酸亜鉛を用いた場合、優れた研削性能が得
られる(消費電力、研削抵抗の低下)とともに、砥石1
0の磨耗や被削材の温度上昇が抑制されるなどの優れた
潤滑作用が得られるようになる。これは、ステアリン酸
ナトリウムやステアリン酸亜鉛等の脂肪酸塩は、化学記
号O(酸素)があるもの(砥粒、結合剤、被削材など)
や金属(被削材)に付着する性質があるため、親水基側
が気孔の内壁面や切屑(被削材)に付着するとともに親
油基側が互いに反発し合うことにより、切屑が良好に排
出されるためと考えられる。
【0027】また、上記ステアリン酸ナトリウムの融点
は220℃でステアリン酸亜鉛の融点は140℃である
ため、常温では固体状態を保って気孔16の内壁面に強
固に固着することにより、非研削時における脱落が好適
に防止される一方、研削時には摩擦熱で融解して本件発
明の効果が確実に得られる。融点が100℃より低い場
合、研削加工の際に比較的低温の状態で融け出してしま
うため、潤滑が必要な高温の研削部分で十分な効果が得
られない。
は220℃でステアリン酸亜鉛の融点は140℃である
ため、常温では固体状態を保って気孔16の内壁面に強
固に固着することにより、非研削時における脱落が好適
に防止される一方、研削時には摩擦熱で融解して本件発
明の効果が確実に得られる。融点が100℃より低い場
合、研削加工の際に比較的低温の状態で融け出してしま
うため、潤滑が必要な高温の研削部分で十分な効果が得
られない。
【0028】また、上記ステアリン酸ナトリウムやステ
アリン酸亜鉛を所定の溶媒に溶かして、その溶液中に砥
石10を浸漬して気孔12内に溶液を含浸させ、冷却、
ゲル化した後、溶液から取り出して乾燥させ、溶媒を蒸
発させることにより、それらのステアリン酸ナトリウム
やステアリン酸亜鉛等18を気孔16の内壁面に固着す
るようにしているため、気孔16を埋め潰すことなくそ
の気孔16の内壁面に固着させることができるととも
に、その製造が比較的単純且つ容易で、大量生産が可能
である。特に、ステアリン酸ナトリウムの場合は、溶媒
として水を用いるため、その製造作業が一層容易であ
る。
アリン酸亜鉛を所定の溶媒に溶かして、その溶液中に砥
石10を浸漬して気孔12内に溶液を含浸させ、冷却、
ゲル化した後、溶液から取り出して乾燥させ、溶媒を蒸
発させることにより、それらのステアリン酸ナトリウム
やステアリン酸亜鉛等18を気孔16の内壁面に固着す
るようにしているため、気孔16を埋め潰すことなくそ
の気孔16の内壁面に固着させることができるととも
に、その製造が比較的単純且つ容易で、大量生産が可能
である。特に、ステアリン酸ナトリウムの場合は、溶媒
として水を用いるため、その製造作業が一層容易であ
る。
【0029】次に、強制空冷の有無による研削性能への
影響について調べた結果を説明する。図6は、前記ステ
アリン酸ナトリウム18を気孔16内に設けた場合(含
浸あり)と、設けない場合(含浸なし)との2種類の砥
石を用いて、強制空冷の有無による消費電力および研削
後被削材温度の違いを調べた結果で、「強制空冷」は、
−10℃の冷風(ドライエア)を吐出流量約85L(リ
ットル)/minで研削点付近に噴射した場合であり、
「強制空冷無し」は冷風を噴射することなく研削作業を
行った場合である。かかる図6から明らかなように、
「強制空冷無し」の場合は脂肪酸塩18を設けても殆ど
研削性能は向上しないが、「強制空冷」の場合は脂肪酸
塩18を設けることにより研削性能が向上する。この意
味で、本実施例の砥石10の使用に際しては、研削点に
冷風を吹き付けながら研削加工を行うことが望ましい。
影響について調べた結果を説明する。図6は、前記ステ
アリン酸ナトリウム18を気孔16内に設けた場合(含
浸あり)と、設けない場合(含浸なし)との2種類の砥
石を用いて、強制空冷の有無による消費電力および研削
後被削材温度の違いを調べた結果で、「強制空冷」は、
−10℃の冷風(ドライエア)を吐出流量約85L(リ
ットル)/minで研削点付近に噴射した場合であり、
「強制空冷無し」は冷風を噴射することなく研削作業を
行った場合である。かかる図6から明らかなように、
「強制空冷無し」の場合は脂肪酸塩18を設けても殆ど
研削性能は向上しないが、「強制空冷」の場合は脂肪酸
塩18を設けることにより研削性能が向上する。この意
味で、本実施例の砥石10の使用に際しては、研削点に
冷風を吹き付けながら研削加工を行うことが望ましい。
【0030】図7は砥石10の気孔16の内壁面に脂肪
酸塩18が固着する量の違いによる研削性能への影響に
ついて調べたものである。これは、ステアリン酸ナトリ
ウムを脂肪酸塩18として気孔16内に(気孔16に対
して)4.8容量%設けた場合と、9.6容量%設けた
場合との2種類の砥石10を用いて消費電力平均値、研
削後被削材温度、および砥石半径磨耗量の違いを調べた
結果で、図2〜図4の試験に用いたのと同様な条件で試
験を行ったものである。ここで用いたステアリン酸ナト
リウムを4.8容量%設けた砥石10は、図2〜図4の
試験のデータを用い、9.6容量%設けた砥石10は前
述の方法の2倍の量のステアリン酸ナトリウムを約10
0℃の水(湯)に溶かした溶液を用いる事によって固着
させた。図7から明らかなように、9.6容量%の方が
消費電力平均値が低く、研削後被削材温度も低く、砥石
半径磨耗量も少ないため、研削性能が良い。このため、
砥石10の気孔16の内壁面に脂肪酸塩18が固着する
量は出来るだけ多い方が望ましい。
酸塩18が固着する量の違いによる研削性能への影響に
ついて調べたものである。これは、ステアリン酸ナトリ
ウムを脂肪酸塩18として気孔16内に(気孔16に対
して)4.8容量%設けた場合と、9.6容量%設けた
場合との2種類の砥石10を用いて消費電力平均値、研
削後被削材温度、および砥石半径磨耗量の違いを調べた
結果で、図2〜図4の試験に用いたのと同様な条件で試
験を行ったものである。ここで用いたステアリン酸ナト
リウムを4.8容量%設けた砥石10は、図2〜図4の
試験のデータを用い、9.6容量%設けた砥石10は前
述の方法の2倍の量のステアリン酸ナトリウムを約10
0℃の水(湯)に溶かした溶液を用いる事によって固着
させた。図7から明らかなように、9.6容量%の方が
消費電力平均値が低く、研削後被削材温度も低く、砥石
半径磨耗量も少ないため、研削性能が良い。このため、
砥石10の気孔16の内壁面に脂肪酸塩18が固着する
量は出来るだけ多い方が望ましい。
【0031】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもで
きる。
細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもで
きる。
【0032】例えば、前述の実施例では”PA80K7
V75R”の砥石10に本発明が適用された場合につい
て説明したが、開気孔を有していさえすれば、ビトボン
ドに限定されずレジボンドなど結合剤の種類や粒度、結
合度、組織などが異なる種々の仕様の研削砥石に適用さ
れ得る。
V75R”の砥石10に本発明が適用された場合につい
て説明したが、開気孔を有していさえすれば、ビトボン
ドに限定されずレジボンドなど結合剤の種類や粒度、結
合度、組織などが異なる種々の仕様の研削砥石に適用さ
れ得る。
【0033】また、前述の実施例では−10℃程度の冷
風(ドライエア)を約85L(リットル)/minの吐
出流量で研削点付近に噴射していたが、冷風の温度や媒
体、吐出流量は適宜変更することが可能で、例えば−2
0℃〜−60℃程度の冷風を噴射することもできる。室
温付近の空気を噴射するようにしても良い。
風(ドライエア)を約85L(リットル)/minの吐
出流量で研削点付近に噴射していたが、冷風の温度や媒
体、吐出流量は適宜変更することが可能で、例えば−2
0℃〜−60℃程度の冷風を噴射することもできる。室
温付近の空気を噴射するようにしても良い。
【0034】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【0035】
【発明の効果】このように、脂肪酸塩が気孔内に設けら
れた本発明の研削砥石によれば、優れた研削性能が得ら
れる(消費電力、研削抵抗の低下)とともに、砥石の磨
耗や被削材の温度上昇が抑制されるなど、優れた潤滑作
用が得られるようになる。
れた本発明の研削砥石によれば、優れた研削性能が得ら
れる(消費電力、研削抵抗の低下)とともに、砥石の磨
耗や被削材の温度上昇が抑制されるなど、優れた潤滑作
用が得られるようになる。
【0036】また、融点が100℃以上の脂肪酸塩を用
いる第4発明では、常温では固体状態を保って気孔の内
壁面に強固に固着することにより、非研削時における脱
落が好適に防止される一方、研削時には摩擦熱で融解し
て本件発明の効果が確実に得られる。融点が100℃よ
り低い場合は、研削加工の際に比較的低温の状態で融け
出してしまうため、高温になる研削部分で十分な効果が
得られない。第2発明のように塩基部分がアルカリ金属
またはアルカリ土類金属の脂肪酸塩や、第3発明のよう
に脂肪酸塩が金属石鹸の場合も、その融点が比較的高い
ため同様の効果が得られる。
いる第4発明では、常温では固体状態を保って気孔の内
壁面に強固に固着することにより、非研削時における脱
落が好適に防止される一方、研削時には摩擦熱で融解し
て本件発明の効果が確実に得られる。融点が100℃よ
り低い場合は、研削加工の際に比較的低温の状態で融け
出してしまうため、高温になる研削部分で十分な効果が
得られない。第2発明のように塩基部分がアルカリ金属
またはアルカリ土類金属の脂肪酸塩や、第3発明のよう
に脂肪酸塩が金属石鹸の場合も、その融点が比較的高い
ため同様の効果が得られる。
【図1】本発明の一実施例であるビトリファイド研削砥
石の構成を説明する断面図である。
石の構成を説明する断面図である。
【図2】図1のビトリファイド研削砥石によるカット数
と消費電力値との関係を示す図であって、比較例を併せ
て示す図である。
と消費電力値との関係を示す図であって、比較例を併せ
て示す図である。
【図3】図1のビトリファイド研削砥石によるカット数
が200pass到達後の砥石半径磨耗量を示す図であ
って、比較例を併せて示す図である。
が200pass到達後の砥石半径磨耗量を示す図であ
って、比較例を併せて示す図である。
【図4】図1のビトリファイド研削砥石によるカット数
が200pass到達後の被削材温度を示す図であっ
て、比較例を併せて示す図である。
が200pass到達後の被削材温度を示す図であっ
て、比較例を併せて示す図である。
【図5】図1のビトリファイド研削砥石に使用可能な種
々の脂肪酸塩を融点と共に示す図である。
々の脂肪酸塩を融点と共に示す図である。
【図6】強制空冷の有無による効果を示す図である。
【図7】脂肪酸塩の固着量の違いによる効果を示す図で
ある。
ある。
10:ビトリファイド研削砥石 12:砥粒 14:ビトリファイドボンド(結合剤) 16:気孔 18:脂肪酸塩
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 元久 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 伊藤 達也 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 石黒 勝裕 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 佐藤 正秋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 砥粒と、該砥粒を相互に結合させる結合
剤と、該砥粒および該結合剤の隙間に設けられる気孔と
から成り、該気孔の内壁面に脂肪酸塩が固着させられて
いることを特徴とする研削砥石。 - 【請求項2】 前記脂肪酸塩の塩基部分が、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属であることを特徴とする請求
項1に記載の研削砥石。 - 【請求項3】 前記脂肪酸塩が金属石鹸であることを特
徴とする請求項1に記載の研削砥石。 - 【請求項4】 前記脂肪酸塩の融点が100℃以上であ
ることを特徴とする請求項1に記載の研削砥石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35659597A JPH11188635A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 研削砥石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35659597A JPH11188635A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 研削砥石 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11188635A true JPH11188635A (ja) | 1999-07-13 |
Family
ID=18449814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35659597A Pending JPH11188635A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 研削砥石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11188635A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6669534B2 (en) * | 2001-07-27 | 2003-12-30 | Amir Abbas Shirzadi Ghoshouni | Surface treatment of oxidizing materials |
CN103537994A (zh) * | 2012-07-13 | 2014-01-29 | 丰田万磨株式会社 | 陶瓷结合剂磨具 |
CN103551984A (zh) * | 2013-11-08 | 2014-02-05 | 谢泽 | 含天然纤维、磨料、热膨胀树脂空心微球抛磨一体轮的制备方法 |
CN105522490A (zh) * | 2015-12-02 | 2016-04-27 | 苏州群力防滑材料有限公司 | 一种耐冲击的陶瓷砂轮 |
JP2016192463A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 株式会社東京精密 | 研削砥石及びその製造方法並びに該研削砥石を備えた装置 |
JP2020506280A (ja) * | 2016-12-29 | 2020-02-27 | サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド | ガラス化ボンドおよびフィラーを有する研磨粒 |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP35659597A patent/JPH11188635A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6669534B2 (en) * | 2001-07-27 | 2003-12-30 | Amir Abbas Shirzadi Ghoshouni | Surface treatment of oxidizing materials |
CN103537994A (zh) * | 2012-07-13 | 2014-01-29 | 丰田万磨株式会社 | 陶瓷结合剂磨具 |
CN103551984A (zh) * | 2013-11-08 | 2014-02-05 | 谢泽 | 含天然纤维、磨料、热膨胀树脂空心微球抛磨一体轮的制备方法 |
CN103551984B (zh) * | 2013-11-08 | 2016-01-13 | 谢泽 | 含天然纤维、磨料、热膨胀树脂空心微球抛磨一体轮的制备方法 |
JP2016192463A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 株式会社東京精密 | 研削砥石及びその製造方法並びに該研削砥石を備えた装置 |
CN105522490A (zh) * | 2015-12-02 | 2016-04-27 | 苏州群力防滑材料有限公司 | 一种耐冲击的陶瓷砂轮 |
JP2020506280A (ja) * | 2016-12-29 | 2020-02-27 | サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド | ガラス化ボンドおよびフィラーを有する研磨粒 |
US11214718B2 (en) | 2016-12-29 | 2022-01-04 | Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. | Abrasive particles with vitrified bond and filler |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040217 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |