JP6407247B2 - 組織サンプルからのタンパク質キネティックスバイオマーカーを、生体内で同位体標識した後の、体液からのタンパク質キネティックスバイオマーカーに取りかえるための方法 - Google Patents

組織サンプルからのタンパク質キネティックスバイオマーカーを、生体内で同位体標識した後の、体液からのタンパク質キネティックスバイオマーカーに取りかえるための方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
〔関連出願の相互参照〕
この出願は、2013年3月15日に提出された米国仮特許出願第61/801,815の利益を主張し、その全文が参照により本明細書に組み込まれる。
〔背景〕
1.分野
本開示は、概して、タンパク質キネティックスを測定するための方法に関し、より具体的には、同位体標識に基づく、体液中のバイオマーカーを用いて、組織タンパク質のキネティックスを測定するための方法に関する。
2.関連技術の説明
調査のための細胞または組織のサンプリングである生検は、種々の疾患(例えば、癌)の診断と治療において重要な役割を果たしている。多くの場合、生検は、疾患の病因に重要であると知られている目的の組織中の特定のタンパク質に関する情報を取得するために行われる。例えば、コラーゲンI型またはVI型、基質タンパク質、およびルミカン(マトリックスプロテオグリカン)は、肝線維症において役割を果たすことが知られている。従来、侵襲的な生検は、肝繊維症に罹っているか、または肝繊維症のリスクがある、被検体におけるコラーゲンまたはルミカンのキネティックスを含むコラーゲンまたはルミカンの調査を可能にするために実施されていた。最も侵襲的な手段であろう生検は、被検体にリスク要素を与え、また、多くの場合、高価である。
従って、目的の組織タンパク質についての情報、特にキネティックスを提供することができる生検に代わる、非侵襲的で、費用対効果の高い方法は、有用であろう。
〔概略〕
本開示の特定の態様は、提供される体液中のタンパク質の測定によって、医療目的の組織中のタンパク質の、合成速度、分解速度、運搬速度、または他の動態学的パラメータの速度を、組織の身体的試料採取を必要とせずに測定するための方法に関する。これらの方法は医療目的の組織中の標的タンパクも、医療目的の組織から漏出する、または放出され得ることに起因して、体液(例えば、血漿)中で見出され得るという発見を利用している。それゆえ、同位体標識(例えば、放射性同位体または安定な非放射性同位体)で標的タンパク質を標識することによって、同位体標識タンパク質を、医療目的の組織自体よりも非侵襲的な手段で有利に入手できる体液から収集、濃縮および/または単離することができる。
したがって、いくつかの実施形態では、方法は、組織中の1つ以上の標的タンパク質を選択すること;1つ以上の同位体標識標的タンパク質を生成するために、同位体標識分子が1つ以上の標的タンパク質に入り込み、当該1つ以上の標的タンパク質を標識するのに十分な期間、被検体に同位体標識分子を投与すること;体液を収集することであって、当該体液は、組織から漏出したか、または放出された1つ以上の同位体標識標的タンパク質を含有している、収集すること;当該体液から1つ以上の同位体標識標的タンパク質を濃縮または単離すること;濃縮または単離された1つ以上の同位体標識標的タンパク質の、同位体含有量、取り込み速度、ならびに/または、同位体含有量および/もしくは同位体標識パターンの、変化パターンもしくは変化速度の、質量分析測定を実施すること;濃縮または単離された1つ以上の同位体標識標的タンパク質の少なくとも1つの動態学的パラメータを計算することであって、体液からの1つ以上の同位体標識標的タンパク質の動態学的パラメータは、組織中の1つ以上の標的タンパク質の対応する動態学的パラメータを反映している、計算すること;および体液中の1つ以上の標的タンパク質の対応する少なくとも1つの動態学的パラメータに基づいて、組織中の1つ以上の標的タンパク質の少なくとも1つの動態学的パラメータを推測すること、を包含する。
〔図面の説明〕
図1は、“仮想生検”方法の例示的な概要を示している。
図2は、同位体標識血液タンパク質の測定から組織の繊維形成を評価する“仮想生検”方法の適用を図示している。
図3は、個人間におけるコラーゲン合成速度のばらつきを示している。個々の被検体に由来する合成速度は、(A)ではコラーゲンIα1およびコラーゲンIα2、(B)ではコラーゲンIIIα1、ならびに(C)ではコラーゲンVIα3に対して与えられていることが示されている。合成速度は、1日当たりの総コラーゲンの一部分として合成される新たなコラーゲンのパーセンテージとして表現される。
図4は、種々の血漿タンパク質の代謝回転と肝臓コラーゲンの代謝回転との間の相関関係(r値)を示している。血漿ルミカンは、最も高い相関関係(標識されている)を示している。
図5は、血漿ルミカンの代謝回転と肝臓コラーゲンの代謝回転との間の相関関係を示している。(A)では、肝臓コラーゲンの代謝回転と血漿ルミカンの代謝回転との間で比較し、(B)では、血漿ルミカンと肝臓コラーゲンIIIα1との間で比較し、(C)では、血漿ルミカンと肝臓コラーゲンVIα3との間で比較し、また、(D)では、血漿ルミカンと、コラーゲンIα1、Iα2、IIIα1、VIα1、およびVIα3から得られる平均の肝臓代謝回転とを、比較している。
図6は、血漿ルミカン合成速度と血漿TGFBI合成速度とが、同一の患者において、互いに相関し、また(A)では、肝臓コラーゲン合成と相関し、また(B)では、肝繊維症スコアと相関していることを示している。
図7は、同一の患者において、(A)では、肝臓コラーゲンIα1合成速度と肝繊維症スコアとの間の相関関係を示し、(B)では、肝臓コラーゲンIIIα1合成速度と肝臓炎スコアとの間の相関関係を示している。
図8は、選択された他のタンパク質(Aでは血漿ヘモペキシン、Bでは血清アルブミン)の合成速度が、同一の患者において、肝繊維症スコアと相関していないことを示している。
図9は、血液中の同位体標識筋肉クレアチンキナーゼの測定から筋タンパク質合成を評価する“仮想生検”方法の適用を図示している。
図10は、血漿クレアチンキナーゼMM合成速度と筋肉クレアチンキナーゼMM合成速度との間の相関関係を示している。r値およびp値も与えられている。
図11は、いくつかの筋タンパク質の合成速度が筋肉クレアチンキナーゼMMの合成速度と相関していることを示している。(A)では、筋肉クレアチンキナーゼMM合成速度と、アクチンの合成速度との相関関係が示され、(B)では、筋肉クレアチンキナーゼMM合成速度と、ミオシン2の合成速度との相関関係が示され、(C)では、筋肉クレアチンキナーゼMM合成速度と、トロポニンIの合成速度との相関関係が示され、また、(D)では、筋肉クレアチンキナーゼMM合成速度と、トロポミオシンαの合成速度との相関関係が示されている。
図12は、血漿クレアチンキナーゼMMの合成速度が、異なるタイプの筋肉から単離されたクレアチンキナーゼMMと相関していることを示している。(A)では、血漿クレアチンキナーゼMM合成速度と、腓腹筋から単離されたクレアチンキナーゼMMの合成速度との間の相関関係が示され、(B)では、血漿クレアチンキナーゼMM合成速度と、四頭筋から単離されたクレアチンキナーゼMMの合成速度との間の相関関係が示されている。
〔詳細な説明〕
以下の説明は、例示的な方法、パラメータなどを示す。しかし、そのような説明は、本開示の範囲の限定を意図するものではなくて、例示的な実施形態の説明として提供されることを認識するべきである。
医療目的の組織中のタンパク質合成速度またはタンパク質分解速度を、診断バイオマーカー(例えば、タンパク質動態学的バイオマーカー)として、体液から非侵襲的に測定することによって、目的の組織の侵襲的な試料採取の必要性を回避するための方法が、本明細書に記載される。医療目的の組織は、骨格筋、心筋、肝臓もしくは他の組織の線維芽細胞、膵臓β細胞または癌組織を含むが、これらに限定されない。また、試料採取される体液は、血液、脳脊髄液、唾液または尿を含むが、これらに限定されない。
図1は、仮想生検方法の実施形態の例示的な概要を提供する。当該方法は、医療目的の組織中におけるキネティックスが当該組織中における疾病過程または治療の反応を反映し、かつ当該組織中の疾病過程についての情報を提供する標的タンパク質を選択する選択工程を含む。当該選択は、組織中のタンパク質のキネティックスの実験的測定を介して、または、組織中のタンパク質のキネティックスについて公開された情報を介して、またはそれらの組み合わせによって、導かれ得る。
第2の工程は、標識投与工程であり、当該工程は、目的の組織中で合成が行われている標的タンパク質を標識するのに十分な期間、目的の組織中で確立した、または疑いがある疾病状態の被検体に、または目的の組織中で疾病状態のリスクがある被検体に、新たに合成されたタンパク質に代謝的に取り込まれた安定な同位体トレーサーまたは放射性同位体トレーサー(O、13−ロイシン、H−フェニルアラニン、13C−グルコース、13C−アセテート、15N−グリシン、15N−標識スピルリナ)を投与することを含んでもよい。次に、体液の試料採取が被検体に実施される。当該体液は、血液、尿、痰または脳脊髄液を含むが、これらに限定されない。次に、濃縮工程または単離工程が実施される。ここで、組織中で合成され、元の組織に単独でまたは主に由来し、次に、アクセス可能な体液に漏出する、標的タンパク質は、体液から単離され、濃縮され、または精製される。元の組織から体液への漏出経路は、分泌、エキソサイトーシス、膜からの漏出、標的化小胞融合、エキソソームへの結合、細胞死、または、漏出の、他の任意の生物学的過程または病理学的過程を介したものであり得る。次に、当該タンパク質、または当該タンパク質からのペプチドは、当該技術分野で知られている方法によって、体液から単離される。当該方法は、免疫分離、ゲルまたはカラムにおける物理的選別、液体クロマトグラフ分離、部分的酵素加水分解後の、抗ペプチド免疫分離、物理的選別またはタンデム型質量分析を含むが、これらに限定されない。次に、測定工程が実施される。当該工程は、好ましい実施形態においては標的タンパク質からのペプチドの質量分析を用いることによって、標的タンパク質中の同位体含有量および/または同位体パターンを測定することを含んでもよい。最後に、計算工程が実施され、体液から単離された標的タンパク質のキネティックスを決定する。このように、元の組織からの標的タンパク質の“仮想生検”は、医療目的の組織からの身体サンプルを必要とせずに実施されるであろう。
本明細書で開示される好ましい実施形態において、クレアチンキナーゼMMは、サルコペニア、悪液質、筋ジストロフィー、運動トレーニングおよび他の医学的状態の、診断および薬剤開発で使用するための、骨格筋タンパク質合成および分解のタンパク質動態学的バイオマーカーとして標的化された。Oは、ヒトまたは実験的動物に投与され、血漿クレアチンキナーゼMMは、免疫沈降によって血漿から単離され、トリプシン消化にかけられ、LC/MS/MS(液体クロマトグラフィー−タンデム型質量分析)によって分析され、質量アイソトポマーパターンの変化を決定し、当該変化から、血漿中のクレアチンキナーゼMMの合成速度が計算された。血漿クレアチンキナーゼMMの合成速度は、同一の被検体の筋肉生検から単離されたクレアチンキナーゼMMの合成速度を密接に反映し、血漿クレアチンキナーゼMM合成速度または骨格筋クレアチンキナーゼMM合成速度は、他のいくつかの筋タンパク質の合成速度と密接に相関した。反対に、血漿から単離されたクレアチンキナーゼMB(心筋特有の)は、クレアチンキナーゼMMよりも、はるかに早い合成速度を示した。これは、血液測定からの、組織特有のクレアチンキナーゼ合成測定を示唆している。
本明細書で開示される別の実施形態において、コラーゲン原線維結合タンパク質のルミカンは、肝臓、肺、心臓、皮膚、腎臓または他の組織の繊維症の、診断の開発および薬剤の開発で使用するための、組織繊維形成(例えば、組織の細胞外基質中での、繊維芽細胞由来のコラーゲンの蓄積)のバイオマーカーとして、血漿中で標的化された。Oは、ヒトおよび実験的動物に投与され、ルミカン由来のペプチドは、LC/MS/MSによって単離され、特定された。質量アイソトポマーパターンの変化は測定され、当該変化から、血漿中のルミカンの合成速度は計算された。肝炎に罹っていて、かつ繊維症に罹っていると疑われる被検体の肝臓のコラーゲンI型、III型およびVI型の合成速度を、血漿ルミカンの合成速度が密接に反映していることが同一の被検体において実証された。これは、血液測定からの、肝臓繊維形成の測定を示唆している。
本明細書で開示される“仮想生検”方法は、多くの組織および疾病過程に一般化することができ、また、当該方法は、薬剤の発見、および薬剤の開発において、または、個人化医療における疾病のサブセットを特定するために、または、患者の医療診断および医療管理のために、使用され得るバイオマーカーとして有用である。
<I.一般技術>
本開示の実施では、他で指摘しない限り、当該技術分野の範囲内である、分子生物学(組み換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学、の従来技術を使用する。そのような技術は、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, second edition (Sambrook et al., 1989) Cold Spring Harbor Press、Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait, ed., 1984)、Methods in Molecular Biology, Humana Press、Cell Biology: A Laboratory Notebook (J. E. Cellis, ed., 1998) Academic Press、Animal Cell Culture (R. I. Freshney, ed., 1987)、Introduction to Cell and Tissue Culture (J. P. Mather and P. E. Roberts, 1998) Plenum Press、Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures (A. Doyle, J. B. Griffiths, and D. G. Newell, eds., 1993-8) 3. Wiley and Sons、Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.)、Handbook of Experimental Immunology (D. M. Weir and C. C. Blackwell, eds.)、Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J. M. Miller and M. P. Cabs, eds., 1987)、Current Protocols in Molecular Biology (F. M. Ausubel et al., eds., 1987)、PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis et al., eds., 1994)、Current Protocols in Immunology (J. E. Coligan et al., eds., 1991)、Short Protocols in Molecular Biology (Wiley and Sons, 1999)、and Mass isotopomer distribution analysis at eight years: theoretical, analytic and experimental considerations by Hellerstein and Neese (Am J Physiol 276 (Endocrinol Metab. 39) E1146-E1162, 1999)などの、文献に十分に説明されている。さらに、市販のアッセイキットおよび試薬を使用する実験手順は、他で言及しない限り、製造者が規定したプロトコルに従って、典型的に用いられる。
米国特許第8129335号(その全文が参照により組み込まれている)は、本明細書に記載される方法の実施に有用であろう方法および開示を提供する。
<II.定義>
他で定義しない限り、本明細書で使用されるすべての、技術用語、記号、および他の科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有することを意図するものである。いくつかの場合、一般的に理解される意味を有する用語は、明確性のために、および/または、前もって参照するために、本明細書で定義され、また、本明細書における、そのような定義の包含は、当該技術分野で通常理解されることと実質的に異なることを意味すると、必ずしも解釈されるべきではない。本明細書で記載または参照されている技術および実験手順は、当業者によって、例えば、Mass isotopomer distribution analysis at eight years: theoretical, analytic and experimental considerations by Hellerstein and Neese (Am J Physiol 276 (Endocrinol Metab. 39) E1146-E1162, 1999)などの従来の方法論を用いて、通常よく理解され、かつ一般的に使用される。必要に応じて、市販のキットおよび試薬の使用に関する実験手順は、他で指摘しないかぎり、製造者によって規定されたプロトコルおよび/またはパラメータに従って、通常に行われる。
“動態学的パラメータ”および“分子流束速度(molecular flux rates)”は、本明細書で交換可能に使用され、タンパク質の、合成速度、分解速度および/または輸送速度を示すことができる。また、“動態学的パラメータ”および“分子流束速度”は、分子のプールへの、タンパク質の投入量、または、分子のプールからの、タンパク質の除去量を示し、従って、分子のプールへの流入量、および分子のプールからの流出量と同義である。
“アイソトポローグ”は、同一の、元素組成および化学組成を有するが、同位体を含有している点が異なる(例えば、上記の例の、CHNHとCHNHD)、同位体の同族体、または同位体の分子種を示している。“アイソトポローグ”は、これらの同位体組成によって定義され、従って、各々のアイソトポローグは、固有の正確な質量を有しているが、固有の構造を有していなくてもよい。アイソトポローグは、通常、同位体異性体(アイソトポマー)のファミリーのアイソトポローグを含み、当該同位体異性体は、分子上の同位体の位置が異なる(例えば、CHNHDとCHDNHとは、同一のアイソトポローグであるが、異なるアイソトポマーである)。
“同位体標識水”は、水素または酸素のいずれかの1つ以上の特定の重同位体で標識された水を含む。同位体標識水の具体的な例は、O、OおよびH 18Oを含む。
“タンパク質前駆体”は、任意の有機分子、もしくは任意の無機分子、またはそれらの構成成分を示し、それらの1つ以上の原子は、細胞、組織または生物の生化学的プロセスを介して、細胞、組織、生物または他の生物学的システム中の、タンパク質分子に取り込まれることができる。タンパク質前駆体の例は、アミノ酸、O、CO、NHおよびHCOを含むが、これらに限定されない。
“同位体標識タンパク質前駆体”は、自然に、細胞中に、組織中に、生物中に、存在する元素のもっとも豊富な同位体とは異なる元素の同位体を含有しているタンパク質前駆体を示す。同位体標識は、H、13C、15N、18O、33S、34Sなどの、生体分子中に存在する元素の特定の重同位体を含んでもよいし、または、H、14C、35S、125I、131Iなどの、生体分子中に存在する元素の他の同位体を含んでもよい。同位体標識タンパク質前駆体は、O、15NH13CO、H113COH標識アミノ酸、13C標識アミノ酸、15N標識アミノ酸、18O標識アミノ酸、34Sまたは33S標識アミノ酸、O、H標識アミノ酸、および14C標識アミノ酸を含むが、これらに限定されない。
“同位体標識有機代謝物前駆体”は、自然に、または細胞中に、組織中に、または生物中に、存在する元素のもっとも豊富な同位体とは異なる元素の同位体を含有している有機代謝物前駆体を示している。同位体標識は、H、13C、15N、18O、33S、34Sなどの、生体分子中に存在する元素の特定の重同位体を含んでもよいし、または、H、14C、35S、125I、131Iなどの、生体分子中に存在する元素の他の同位体を含んでもよい。同位体標識有機代謝物前駆体は、O、15NH13CO、H13COH標識アミノ酸、13C標識アミノ酸、15N標識アミノ酸、18O標識アミノ酸、33Sまたは34S標識アミノ酸、O、H標識アミノ酸、14C標識アミノ酸、14CO、およびH14COを含むが、これらに限定されない。
“部分的に精製すること”とは、他の類似した化合物の混合物の1つ以上の成分を除去する方法を示す。例えば、“タンパク質を部分的に精製すること”は、1つ以上のタンパク質の混合物から、1つ以上のタンパク質を除去することを示す。本明細書で用いられる用語“濃縮すること”は、交換可能に使用され得る。
“単離すること”とは、化合物の混合物から1つの化合物を分離することを示す。例えば、“タンパク質を単離すること”とは、1つ以上のタンパク質の混合物中のすべての他のタンパク質から、特定の1つのタンパク質を分離することを示す。
“生物学的サンプル”は、細胞、組織、または生物から得られた任意のサンプルを包含する。当該定義は、生物由来の、血液および他の液体サンプルを包含し、それらは、最小限の侵襲性または非侵襲性のアプローチ(例えば、採尿、採血、針吸引、および最小限の、リスク、不快感または労力を伴った他の処置)による試料採取を介して生物から入手可能である。また、当該定義は、これらの調達後に、タンパク質または有機代謝物などの特定の成分に対する、試薬での処理、可溶化、または濃縮などによって、任意の方法で処理されたサンプルも含む。また、用語“生物学的サンプル”は、血清、血漿、他の生体液または組織サンプルなどの、臨床的な試料を包含し、また、培養中の細胞、細胞の上清、および細胞溶解産物も含む。体液は、液体の生物学的サンプルを示すために用いられ得る。
“体液”は、尿、血液、間質液、浮腫液、唾液、涙液、炎症滲出液、滑液、膿瘍、蓄膿もしくは他の感染液、脳脊髄液、汗、肺分泌物(痰)、精液、便、胆汁、腸分泌物または他の生体液を示すが、これらに限定されない。
“正確な質量”は、分子式におけるすべての同位体の正確な質量を合計することによって計算された質量を示す(例えば、CHNHDの32.04847)。
“公称質量”は、分子の正確な質量を四捨五入することによって得られる整数の質量を示す。
“質量アイソトポマー”は、同位体組成ではなく、公称質量に基づいてグループ化される同位体異性体のファミリーを示す。質量アイソトポマーは、アイソトポローグとは異なり、異なる同位体組成の分子を含み得る(例えば、CHNHD、13CHNH、CH 15NHは、同一の質量アイソトポマーの一部であるが、異なるアイソトポローグである)。運用面では、質量アイソトポマーは、質量分析計によって分析されないアイソトポローグのファミリーである。これは、四重極質量分析計に関しては、一般的に、質量アイソトポマーが、公称質量を共有するアイソトポローグのファミリーであることを意味する。従って、アイソトポローグのCHNHおよびCHNHDは、公称質量が異なり、異なる質量アイソトポマーであるとして、区別されるが、アイソトポローグの、CHNHD、CHDNH13CHNHおよびCH 15NHは、すべて同一の公称質量のものであり、それゆえ、同一の質量アイソトポマーである。従って、各々の質量アイソトポマーは、一般的に、複数のアイソトポローグから構成され、複数の正確な質量を有する。アイソトポローグと質量アイソトポマーとの区別は、実際に有用である。なぜなら、すべての個々のアイソトポローグは、四重極質量分析計を用いても分析されず、より高い質量分解能を生み出す質量分析器を用いてさえも、分析され得ず、そのため、質量分析データからの計算が、アイソトポローグではなく、質量アイソトポマーの存在量に対して実行される必要があるためである。質量が最も低い質量アイソトポマーは、Moで表され、これは、ほとんどの有機分子に関しては、すべての、12C、H、16O、14Nなどを含む化学種である。他の質量アイソトポマーは、これらの質量の差異によって、Mと区別される(M、Mなど)。与えられた質量アイソトポマーに関して、分子中における同位体の位置または配置は、明示されず、相違し得る(すなわち、“位置的アイソトポマー”は、区別されない)。
“質量アイソトポマーエンベロープ”は、分子またはイオンフラグメントと結合した質量アイソトポマーのセットを示す。
“質量アイソトポマーパターン”は、分子の質量アイソトポマーの存在量のヒストグラムを示す。従来では、当該パターンは、パーセント相対存在量で示されており、ここでは、全ての存在量は、最も豊富な質量アイソトポマーの存在量に標準化され、最も豊富なアイソトポマーが100%と考えられる。しかし、質量アイソトポマー分布分析(MIDA)などの、確率分析に関する応用に好ましい形態は、比率の存在量、または部分の存在量であり、ここでは、各々の化学種が全存在量に寄与する部分が使用される。用語“同位体パターン”は、用語“質量アイソトポマーパターン”と同義で使用され得る。
“モノアイソトピック質量”は、すべての、H、12C、14N、16O、32Sなどを含む核種の正確な質量を示す。C、H、N、O、P、S、F、CI、BrおよびIから構成されるアイソトポローグに関しては、最も低い質量を有するアイソトポローグの同位体組成は、特有であり、明確である。なぜなら、これらの元素の最も豊富な同位体も、質量が最も低いためである。モノアイソトピック質量は、mで略称され、他の質量アイソトポマーの質量は、mからの、これらの質量の差異によって特定される(m、mなど)。
“同位体的に摂動される”とは、自然には豊富でない同位体が過剰に存在するか(濃縮された)、または、不足して存在する(減少させられた)、自然に見出される分布と異なる同位体分布を伴った、元素または分子の明確な混合から帰結する、元素または分子の状態を示す。
“モノマー”は、ポリマーの合成中に結合し、かつポリマー中に2回以上現れる、化学的ユニットを示す。
“ポリマー”は、モノマーの2つ以上の繰り返しから合成され、かつ、これを含有する、分子を示す。
“タンパク質”は、アミノ酸のポリマーを示す。本明細書で使用される“タンパク質”は、長いアミノ酸ポリマー、およびペプチドなどの短いポリマーを示し得る。
<III.本開示の方法>
本開示は、体液中のタンパク質の測定によって、組織の身体的試料採取を必要とせずに、医療目的の組織中のタンパク質の動態学的パラメータを測定する方法に関する。当該方法は、組織中の1つ以上の標的タンパク質を選択することと、1つ以上の同位体標識標的タンパク質を生成するために、同位体標識分子が1つ以上の標的タンパク質に入り込み、当該1つ以上の標的タンパク質を標識するのに十分な期間、被検体に同位体標識分子を投与することと、体液を収集することであって、当該体液は、組織から漏出したか、または放出された1つ以上の同位体標識標的タンパク質を含有している、収集することと、当該体液から1つ以上の同位体標識標的タンパク質を濃縮または単離することと、濃縮または単離された1つ以上の同位体標識標的タンパク質の、同位体含有量、取り込み速度、ならびに/または、同位体含有量および/もしくは同位体標識パターンの、変化パターンもしくは変化速度の、質量分析測定を実施することと、濃縮または単離された1つ以上の同位体標識標的タンパク質の少なくとも1つの動態学的パラメータを計算することであって、体液からの1つ以上の同位体標識標的タンパク質の動態学的パラメータは、組織中の1つ以上の標的タンパク質の対応する動態学的パラメータを反映している、計算することと、体液中の1つ以上の標的タンパク質の対応する少なくとも1つの動態学的パラメータに基づいて、組織中の1つ以上の標的タンパク質の少なくとも1つの動態学的パラメータを推測することと、を含む。それぞれ特定された標的タンパク質または標的ペプチドに対応するアイソトポマーエンベロープ中のイオンの、相対的質量アイソトポマー存在量および絶対的質量アイソトポマー存在量は、質量分析によって定量化され、それぞれ特定された標的タンパク質または標的ペプチドの分子流束速度は、目的タンパク質の動態学的パラメータを決定するために計算される。
<A.標的タンパク質を選択すること>
好適な標的タンパク質は、体液中で検出可能な任意のタンパク質を含み得る。いくつかの実施形態において、標的タンパク質は、組織コラーゲン沈着または繊維形成に関連している。いくつかの実施形態において、標的タンパク質は、コラーゲン合成繊維芽細胞に由来してもよい。いくつかの実施形態において、標的タンパク質は、ルミカン、パールカン、フィブロネクチン、プロコラーゲンおよびコラーゲンを含んでもよい。いくつかの実施形態において、標的タンパク質は、任意のクレアチンキナーゼタンパク質(例えば、EC2.7.3.2の酵素活性を有すると知られている、または予測されている任意のタンパク質)を含んでもよい。クレアチンキナーゼタンパク質は、脳型(B)または筋肉型(M)のいずれかである2つのサブユニットからなってもよい。このように、クレアチンキナーゼタンパク質は、MM、MBおよびBBを含むサブユニットの組み合わせであってもよい。組織が異なると、これらのタンパク質を異なる割合で発現することが知られている。例えば、クレアチンキナーゼMMは、骨格筋に、極めて特有であり、心臓組織(例えば、心筋)は、他の組織より、クレアチンキナーゼMBを高い割合で発現することが知られている。いくつかの実施形態において、標的タンパク質は、膵臓β細胞の分泌顆粒に由来する血液タンパク質、例えば、インスリン、を含んでもよい。
<B.同位体標識分子を投与すること>
<1.標識前駆体分子>
[a.同位体標識]
分子流束速度を測定する第1の工程は、細胞、組織または生物に同位体標識前駆体分子を投与することを含む。同位体標識前駆体分子は、安定な同位体、または放射性同位体であってもよい。使用され得る同位体標識は、H、13C、15N、18O、H、14C、35S、32P、125I、131I、または有機体システムに存在する元素の他のアイソトープを含むが、これらに限定されない。一実施形態において、同位体標識は、Hである。
[b.前駆体分子]
前駆体分子は、タンパク質または有機代謝物に取り込まれる同位体標識を有する任意の分子であってもよい。同位体標識は、本明細書で開示されるすべての前駆体分子を修飾し、同位体標識前駆体分子を形成するために使用されてもよい。
全ての前駆体分子が、1つ以上のタンパク質および/または有機代謝物に取り込まれてもよい。代わりに、前駆体分子の一部が、1つ以上のタンパク質および/または有機代謝物に取り込まれてもよい。
前駆体分子は、CO、NH、グルコース、乳酸、O、酢酸および脂肪酸を含んでもよいが、これらに限定されない。
[i.タンパク質前駆体]
タンパク質前駆体分子は、当該技術分野で知られる任意のタンパク質前駆体分子であってもよい。これらの前駆体分子は、CO、NH、グルコース、酪酸、HO、酢酸および脂肪酸であってもよい。
また、タンパク質の前駆体分子は、1つ以上のアミノ酸を含んでもよい。当該前駆体は、任意のアミノ酸であってもよい。前駆体分子は、単一重水素化アミノ酸または多重重水素化アミノ酸であってもよい。例えば、前駆体分子は、13C−リジン、15N−ヒスチジン、13C−セリン、13C−グリシン、H−ロイシン、15N−グリシン、13C−ロイシン、−ヒスチジンおよび任意の重水素化アミノ酸の1つ以上であってもよい。標識アミノ酸は、例えば、非標識アミノ酸で希釈されずに、または非標識アミノ酸で希釈して、投与されてもよい。すべての同位体標識前駆体は、例えば、ケンブリッジアイソトープ研究所(アンドーバー、マサチューセッツ)から商業的に購入したものであってよい。
また、タンパク質前駆体分子は、翻訳後修飾アミノ酸または翻訳前修飾アミノ酸の任意の前駆体であってもよい。これらの前駆体は、グリシン、セリンまたはHOなどのメチル化前駆体;HOまたはOなどのヒドロキシル化前駆体;リン酸、HOまたはOなどのリン酸化前駆体;脂肪酸、酢酸、HO、エタノール、ケトン体、グルコースまたはフルクトースなどのプレニル化前駆体;CO、O、HOまたはグルコースなどのカルボキシル化前駆体;酢酸、エタノール、グルコース、フルクトース、酪酸、アラニン、HO、COまたはOなどのアセチル化前駆体;および当該技術分野で知られる他の翻訳後修飾を含むが、これらに限定されない。
遊離アミノ酸に存在する標識の度合は、実験的に決定されてもよいし、またはアミノ酸中の標識部位の数に基づいて想定されてもよい。例えば、標識として水素同位体を用いた場合、体内水分中のOに曝露中に、遊離アミノ酸のC−−H結合に存在する標識、または、より具体的には、tRNA−アミノ酸に存在する標識、が特定されてもよい。各々の非必須アミノ酸中のC−−H結合の合計数が知られている。当該合計数は、例えば、アラニン中の4、グリシン中の2などである。
タンパク質の前駆体分子は、水であってもよい。C−−H結合の水素原子は、アミノ酸の水素原子である。当該水素原子は、タンパク質のO−−H結合およびN−−H結合が水溶液中で不安定であるため、Oからタンパク質合成を測定することに有用である。このように、Oからの、O−−H結合またはN−−H結合へのH標識の交換は、上記のように、遊離アミノ酸からタンパク質を合成することなく生じる。C−−H結合は、特異的な酵素触媒中間代謝反応中に、HOから遊離アミノ酸への取り込みを受ける。それゆえ、O投与後の、タンパク質結合アミノ酸のC−−H結合中のH標識の存在は、当該タンパク質がO曝露の期間中に遊離形態であったアミノ酸から構築されたこと、すなわち、当該タンパク質が新しく合成されたことを意味する。分析的には、使用されたアミノ添加誘導体(the amino add derivative)は、すべて、C−−H結合を含む必要があるが、N−−H結合およびO−−H結合が潜在的に混入したすべてのものが取り除かれる必要がある。
体内水分からの水素原子は、遊離アミノ酸に取り込まれてもよい。標識水からのHまたはHは、中間代謝の反応を介して、細胞中の遊離アミノ添加物(free amino adds)に入り込むことができるが、HまたはHは、ペプチド結合に存在するアミノ酸、またはトランスファーRNAに結合しているアミノ酸に入り込むことはできない。遊離必須アミノ酸は、急速可逆性アミノ基転移反応を介して、体内水分からα−炭素C−−H結合に、単一水素原子を取り込んでもよい。遊離非必須アミノ添加物(Free non-essential amino adds)は、代謝的に交換可能な、より多数のC−−H結合を含み、当然に、それゆえ、新しく合成されたタンパク質中に、Oからの、分子あたりのより高い同位体濃縮値を示すことが期待される。
当業者は、体内水分からの標識水素原子が、他の生化学的経路を介して他のアミノ酸に取り込まれてもよいことを理解するだろう。例えば、水からの水素原子が、クエン酸回路における前駆体のα−ケトグルタル酸の合成を介して、グルタミン酸に取り込まれ得ることが知られている。グルタミン酸もまた、グルタミン、プロリンおよびアルギニンの生化学的前駆体であることが知られている。別の例として、体内水分からの水素原子は、3−メチル−ヒスチジンのメチル基、ヒドロキシプロリンまたはヒドロキシリジンのヒドロキシル基、および他のものなどの、翻訳後修飾アミノ酸に取り込まれてもよい。他のアミノ添加合成経路(Other amino adds synthesis pathways)が、当業者に知られている。
また、酸素原子(H 18O)は、酵素触媒反応を介して、アミノ酸に取り込まれてもよい。例えば、アミノ酸のカルボン酸部分への酸素交換は、酵素触媒反応中に発生してもよい。アミノ酸への標識酸素の取り込みは、当業者に知られている。また、酸素原子は、酵素触媒反応を介して、18からアミノ酸に取り込まれてもよい(ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジンまたは他の翻訳後修飾アミノ酸を含む)。
また、標識水からの、水素標識および酸素標識は、翻訳後修飾を介して、アミノ酸に取り込まれてもよい。一実施形態における翻訳後修飾では、翻訳後修飾前の生合成経路を介して標識水素または標識酸素をすでに含んでもよい。別の実施形態における翻訳後修飾では、翻訳後修飾段階前または翻訳後修飾段階後のいずれかに、体内水分からの遊離交換標識水素(the free exchange labeled hydrogens)に関与する代謝誘導体から、標識水素、標識酸素、標識炭素または標識窒素を取り込んでもよい(例えば、メチル化、ヒドロキシル化、リン酸化、プレニル化、硫酸化、カルボキシル化、アセチル化または他の既知の翻訳後修飾)。
被検体への投与に好適なタンパク質前駆体は、タンパク質中に見出される標準のアミノ酸の他に、HO、CO、NHおよびHCOを含むが、これらに限定されない。
[ii.タンパク質の前駆体を投与する形態]
1つ以上の同位体標識前駆体を投与する形態は、同位体標識前駆体の吸収特性と、各々の化合物が標的化される特定の生合成プールとに応じて、異なってもよい。前駆体は、生物、植物、およびヒトを含む動物に、生体内分析のために、直接、投与されてもよい。さらに、前駆体は、生細胞に、インビトロで投与されてもよい。特定のタイプの生細胞は、肝細胞、脂肪細胞、筋細胞、線維芽細胞、神経細胞、膵臓β細胞、腸管上皮細胞、白血球、リンパ球、赤血球、微生物細胞、およびインビトロで生存および機能し続けることができる任意の他の細胞型を含む。
概して、投与の適切な形態は、生合成プール中の前駆体の定常レベル、および/または少なくとも一時的な期間、そのようなプールを供給するリザーバ中の前駆体の定常状態レベルを生じる形態である。静脈内経路の投与、または経口経路の投与は、ヒトを含む生物に、上記の前駆体を投与するために一般的に使用される。低速放出前駆体組成物(slow release precursor compositions)と共に任意で用いられる場合、放出皮下投与または筋肉内投与などの、他の経路の投与も適切である。注射用組成物は、通常、無菌の医薬賦形剤中に調製される。投与の形態は、連続的投与または非連続的投与(例えば、パルスチェイス)を含む。
<B.同位体標識タンパク質を含有する体液を収集すること>
本発明の方法の実施において、一態様では、タンパク質および有機代謝物は、当該技術分野で知られる方法に従って、細胞、組織または生物から得られる。当該方法は、目的のタンパク質または有機代謝物に対して特異的であってもよい。目的のタンパク質および有機代謝物は、生物学的サンプルから単離されてもよい。
複数のタンパク質または複数の有機代謝物は、細胞、組織または生物から獲得されてもよい。1つ以上の生物学的サンプルは、例えば、採血、採尿、生検、または当該技術分野で知られる他の方法によって取得されてもよい。1つ以上の生物学的サンプルは、1つ以上の生物学的液体であってもよい。また、タンパク質または有機代謝物は、筋肉、肝臓、副腎組織、前立腺組織、子宮内膜組織、血液、皮膚、および乳房組織などの、特定の器官または組織から取得されてもよい。タンパク質または有機代謝物は、腫瘍細胞または繊維芽細胞などの、特定のグループの細胞から取得されてもよい。
生物学的試料採取の頻度は、種々の要因によって異なり得る。そのような要因は、タンパク質または有機代謝物の性質、試料採取の容易さおよび安全性、タンパク質またはそれに由来する有機代謝物の合成速度および分解速度/除去速度、ならびに治療薬または生物学的薬剤の半減期を含むが、これらに限定されない。
また、当該タンパク質または有機代謝物は、高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography)(HPLC)、高速液体クロマトグラフィー(fast performance liquid chromatography)(FPLC)、化学抽出、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、および/または当業者に知られる他の分離方法、を含む従来の精製方法によって、部分的に精製されるか、または必要に応じて単離されてもよい。
別の実施形態において、タンパク質または有機代謝物は、加水分解されるか、または他の方法で分解され、より小さな分子を形成してもよい。加水分解方法は、当該技術分野で知られる任意の方法を含み、化学的加水分解(酸加水分解など)および生化学的加水分解(ペプチダーゼ分解など)を含むが、これらに限定されない。加水分解または分解は、タンパク質もしくは有機代謝物の、精製および/もしくは単離の前、またはタンパク質もしくは有機代謝物の、精製および/もしくは単離の後のいずれかに実施されてもよい。また、タンパク質または有機代謝物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、高速液体クロマトグラフィー(FPLC)、ガスクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、ならびに/または当業者に知られる化学的化合物および/もしくは生化学的化合物を分離する他の任意の方法、を含む従来の精製方法によって、部分的に精製されるか、または必要に応じて単離されてもよい。
<C.同位体標識タンパク質を濃縮するか、または単離すること>
いくつかの実施形態において、同位体標識標的タンパク質は、体液から濃縮されるか、または単離される。タンパク質または有機代謝物は、当該技術分野で知られる標準の生化学的方法を使用して、生物学的サンプル(例えば、体液)から、部分的に、精製されるか、濃縮されるか、または単離されてもよい。例えば、タンパク質を濃縮または単離する好適な方法は、免疫沈降、クロマトグラフィー(例えば、サイズ排除、疎水性相互作用、親和性、金属結合、免疫親和性またはHPLC)、密度勾配を介した遠心分離などを含んでもよいが、これらに限定されない。濃縮および単離するための好適な方法は、例えば、タンパク質の存在量、タンパク質の生化学的特性、サンプルのタイプ(例えば、体液)、および必要とされる相対的な濃縮度または純度に依存してもよい。
<D.質量分析測定を実施すること>
液体クロマトグラフィー−タンデム型質量分析(LC/MS/MS)、ガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS)、同位体比質量分析、GC−同位体比−燃焼−MS、GC−同位体比−熱分解−MS、液体クロマトグラフィーMS、エレクトロスプレーイオン化MS、マトリックス支援レーザー脱離飛行時間MS、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴MS、およびサイクロイドMSを含むが、これらに限定されない質量分析などの種々の方法によって、タンパク質および有機代謝物中の同位体濃縮度は決定され得る。
質量分析計は、タンパク質および有機代謝物などの分子を、速く移動する気体イオンに変換し、これらの質量電荷比に基づいて、これらを分離する。従って、イオンまたはイオンフラグメントの同位体またはアイソトポローグの分布は、複数のタンパク質または有機代謝物中の同位体濃縮度を測定するために使用されてもよい。
一般的に、質量分析計は、イオン化手段および質量分析器を含む。多くの種々のタイプの質量分析計が、当該技術分野で知られている。これらは、磁場セクター型分析器(magnetic sector analyzers)、エレクトロスプレーイオン化、四重極、イオントラップ、飛行時間型質量分析器およびフーリエ変換型分析器を含むが、これらに限定されない。
また、質量分析計は、多くの種々のイオン化方法を含んでもよい。これらは、電子衝撃、化学的イオン化および電界イオン化などの気相イオン化源、ならびに、電界脱離、高速原子衝撃(fast atom bombardment)、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化、および表面励起レーザー脱離/イオン化(surface enhanced laser desorption/ionization)などの脱離源を含むが、これらに限定されない。
さらに、2つ以上の質量分析器は、結合され(MS/MS)、最初に、前駆体イオンを分離し、次に、気相フラグメントイオンを分離および測定してもよい。これらの装置は、タンパク質のイオンフラグメントの初期系列を生成し、次に、初期イオンの第2フラグメントを生成する。結果として生じた、重複した系列によって、数分内(コンピュータ分析時間も含む)の単独の質量分光分析に基づいて、重複した“パズルのピース”を繋ぎ合せることによってタンパク質の完全な配列決定が可能になる。
タンパク質量分析によってもたらされる、MS/MSペプチドフラグメンテーションパターン、およびペプチドの正確な分子質量の決定は、タンパク質のアミノ酸配列に関する固有の情報を提供し、本発明に用いることができる。未知のタンパク質は、単独の質量分光分析の実行によって、数分で配列決定され、かつ特定され得る。すぐに利用可能な、ペプチド配列およびタンパク質フラグメンテーションパターンのライブラリーは、ほぼ確実に、複雑なプロテオーム混合物の成分を特定する機会を提供する。
また、種々のイオン化方法が当該技術分野で知られている。1つの重要な進歩は、タンパク質およびポリヌクレオチドを含む大きい非揮発性高分子のイオン化のための技術の開発である。このタイプの技術は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)およびマトリックス支援レーザー脱離(MALDI)を含んでいる。これらにより、MSが、液体クロマトグラフィーおよびキャピラリーゾーン電気泳動などの強力な試料分離導入技術(powerful sample separation introduction techniques)と組み合わせて応用されることを可能にしている。
さらに、質量分析計は、ガスクロマトグラフィー(GC)および高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの分離手段と連結してもよい。ガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)において、ガスクロマトグラフィーからのキャピラリーカラムは、質量分析計と直接連結される(必要に応じて、ジェットセパレーター(jet separator)を使用する)。そのような応用において、ガスクロマトグラフィー(GC)カラムは、サンプルガス混合物からサンプル成分を分離し、分離された成分は、イオン化され、質量分析計で化学的に分析される。
GC/MS(またはタンパク質および有機代謝物のイオンを分析する他の質量分析モダリティ)は、有機分子の質量アイソトポマー存在量を測定するために使用され、生体内で同位体標識水から有機分子に取り込まれる水素原子の数に従って、同位体標識水からの水素標識同位体の取り込みは、3倍から7倍に増幅される。
一般的に、タンパク質に対する、基準線の質量アイソトポマー頻度分布を決定するために、上記のサンプルは、同位体標識前駆体の注入の前に採取される。上記の測定は、細胞、組織または生物において、タンパク質の質量アイソトポマーの自然発生頻度を確立する1つの手段である。細胞、組織または生物が、同様の環境履歴を有する被検体の集団の一部である場合、集団のアイソトポマー頻度分布は、そのようなバックグラウンド測定のために使用されてもよい。さらに、そのような基準線の同位体頻度分布は、既知の同位体平均天然存在量を用いて推定されてもよい。例えば、自然中において、13Cの天然存在量は、有機性炭素で1.11%を示す。そのようなアイソトポマー頻度分布を決定する方法は、下記で説明される。一般的に、タンパク質のサンプルは、被検体への同位体標識前駆体投与の前および後に採取され、下記に記載されるアイソトポマー頻度のために分析される。同様の考察が、動的オルガネオミクス(Dynamic Organeomics)のための有機分子の単離に適用される。
このように、タンパク質(タンパク質分解性切断を受けたタンパク質、または直接分析されるタンパク質)の非常に複雑な混合物の単独の分析は、数千の発現タンパク質を表現するペプチドを一意的に特定し得る。
また、タンパク質は、タンパク質チップを使用して検出されてもよい。質量分析を用いた、いくつかの市販の“タンパク質チップ”の同等物が、現在、売られている(例えば、Ciphergen Biosystems)。強力なイオンフラグメンテーション技術(MS/MS装置)、および/またはペプチドを生成する生化学的な方法(例えば、タンパク質加水分解(proteolysis))、サンプル導入方法における改良(HPLC、表面脱離など)、最大の高分子のイオン化のために改良されたキャパシティ(ESI、MALDI)ならびに、大きなデータセットのコンピュータ化された迅速な処理、およびペプチド/タンパク質の参照ライブラリーとの比較のコンピュータ化された迅速な処理、と組み合わされた質量分析によるペプチド配列決定の能力は、質量分析を、自動化された大規模で高スループットな静的プロテオミクス(static proteomics)のための一般的で、かつ強力なツールにした。
<相対的アイソトポマー存在量および絶対アイソトポマー存在量を測定すること>
測定された質量スペクトルピークの高さ、または代わりとしての、当該ピーク下の領域は、親(ゼロ質量同位体)アイソトポマー(the parent (zero mass isotope) isotopomer)に対する比として表現される。サンプル中のアイソトポマーの存在量に対する相対値および絶対値を与える任意の計算方法が、本発明の目的のために、そのようなデータを記述することに使用されてもよいことが理解される。
<タンパク質の標識:非標識の割合を計算すること>
次に、標識タンパク質および非標識タンパク質の割合が計算される。第一に、実施者は、分子の単離アイソトポマー分子種に対して測定された過剰モル比を決定する。次に、実施者は、測定された過剰比の内部パターンを、理論パターンと比較する。上記の理論パターンは、米国特許第5,338,686号、5,910,403号および6,010,846号(これらの全文が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている二項分布関係または多項分布関係を用いて計算され得る。当該計算は、質量アイソトポマー分布分析(MIDA)を含む。質量アイソトポマー分布分析(MIDA)組み合わせアルゴリズムのバリエーションは、当業者に知られる種々で多数の情報源で論じられている。当該方法は、Chinkes, et al.(1996)、およびKelleher and Masterson (1992)、および 米国特許出願Ser. No. 10/279,399と同様に、Hellerstein and Neese(1999)によってさらに論じられている(これらのすべては、全文が参照により本明細書に組み込まれる)。上記に引用された参考文献に加えて、当該方法を実行する計算ソフトウェアが、カリフォルニア大学バークレー校のMarc Hellerstein教授から公的に入手可能である。
理論的パターンに対する、過剰モル比の比較は、目的のタンパク質に対して作成された表を使用して、または決定された関係をグラフィック的に用いて、実施され得る。これらの比較から、P値などの値が決定される。当該P値は、前駆体サブユニットプール中のサブユニットの質量同位体濃縮度の確率を示す。次に、この濃縮度は、A値などの値を決定するために使用される。当該A値は、各々の質量アイソトポマーに対する、新しく合成されたタンパク質の濃縮度を示し、もし、すべての同位体が新しく合成された場合に存在すると期待されるアイソトポマー過剰比を明らかにする。
次に、部分存在量(Fractional abundances)が計算される。個々の同位体の部分存在量(元素のための)、または個々の質量アイソトポマーの部分存在量(分子のための)は、特定の同位体または質量アイソトポマーによって示される全存在量の部分である。これは、相対存在量とは区別される。相対存在量では、もっとも豊富な種は、100の値が与えられ、他のすべての種は、100に関して標準化され、パーセント相対存在量として表現される。質量アイソトポマーMに対して、
の部分存在量=A=存在量MXi=0n存在量M
Figure 0006407247
ここで、0からnは、最も低い質量(M)の質量アイソトポマーに関連した公称質量の範囲であり、当該質量アイソトポマーで存在量が見出される。
Δ部分存在量(濃縮度または枯渇度(depletion))=
Figure 0006407247
ここで、下付きeは、濃縮されていることを示し、bは、基準線または天然存在量を示す。
前駆体投与の期間のあいだに、実際に新しく合成されたポリマーの部分を決定するために、測定過剰モル比(EM)は、計算された濃縮値A と比較される。当該濃縮値は、各々の質量アイソトポマーに対する、新しく合成されたバイオポリマーの濃縮度を示し、もし、すべてのアイソトポマーが新しく合成された場合、存在すると期待されるアイソトポマー過剰比を明らかにする。
<F.動態学的パラメータを計算する>
体液からの1つ以上の同位体標識標的タンパク質の動態学的パラメータが、当該技術分野で知られる任意の方法によって、組織中の1つ以上の標的タンパク質の対応する動態学的パラメータを反映することを、当業者が確立してもよい。当該方法は、例えば、個々の被検体中の1つ以上の標的タンパク質の動態学的パラメータの測定を独立に比較することを含む。
合成速度を決定する方法は、タンパク質前駆体プール中に存在する質量同位体標識サブユニットの割合を計算することを含み、この割合を用いて、少なくとも1つの質量同位体標識サブユニットを含有するタンパク質の期待頻度を計算する。次に、この期待頻度は、実際に実験的に決定されたタンパク質アイソトポマー頻度と比較される。選択された取り込み期間のあいだに、添加同位体標識前駆体から合成されるタンパク質の割合が、これらの値から決定される。従って、上記の期間のあいだの合成速度も決定される。
次に、前駆体と生成物との関係が適用される。連続的な標識方法に対して、同位体濃縮度は、漸近的な(すなわち、最も可能性がある)濃縮度と比較され、動態学的パラメータ(例えば、合成速度)は、前駆体と生成物との公式から計算される。部分合成速度(k)は、連続的な標識を適用することによって決定されてもよく、前駆体と生成物との式は、
Figure 0006407247
ここで、f=部分合成量=生成物濃縮度/漸近前駆体/濃縮度であり、t=調べられているシステムにおいて接触する標識投与時間である。
非連続的な標識方法に対して、同位体濃縮度の減退速度が計算され、タンパク質の動態学的パラメータは、指数関数的減衰方程式から計算される。当該方法を実施するうえで、バイオポリマーは、質量アイソトポマー中で濃縮され、好ましくは、当該質量アイソトポマーは、種々の質量同位体標識前駆体を含有している。例えば、3つまたは4つの質量同位体標識前駆体を含有しているタンパク質などのタンパク質の、より高いこれらの質量アイソトポマーは、天然質量同位体標識前駆体の比較的に低い存在量に起因して、外来性前駆体の非存在下では、無視できる量しか形成されないが、タンパク質前駆体取り込み期間のあいだでは有意な量が形成される。連続的な時点において、細胞、組織または生物から採取されたタンパク質は、質量分析によって分析され、高質量タンパク質アイソトポマーの相対頻度を決定する。高質量アイソトポマーが、最初の時点の前にほぼ独占的に合成されるため、2つの時点間のその減衰は、タンパク質の減衰速度の直接的な測定を与える。
質量同位体標識サブユニットの割合が、前駆体投与後のその最高レベルから実質的に減衰していることを確実にするために、好ましくは、最初の時点は、投与の形態に従って、前駆体の投与を中断して少なくとも2〜3時間後である。一実施形態において、次の時点は、最初の時点からだいたい1〜4時間後であるが、このタイミングは、バイオポリマープールの交換速度に依存するであろう。
タンパク質の減衰速度は、3つの同位体タンパク質に対する減衰曲線から決定される。減衰曲線がいくつかの時点によって画定される当該ケースにおいて、減衰キネティックスは、指数関数的減衰曲線に、当該曲線をフィッティングすることにより決定され得て、これから減衰定数を決定する。
分解速度定数(Breakdown rate constants)は、指数関数的減衰曲線または他の動態学的減衰曲線に基づいて計算されてもよい。
Figure 0006407247
本発明は、特定の質量同位体およびタンパク質に関して記載されているが、当該方法は、サブユニットプールの組成、ならびに質量同位体標識され得る2つ以上の同一サブユニットから形成される実質的に任意のバイオポリマーに対する合成速度および減衰速度を、決定するために使用され得る方法が理解されるであろう。同様の考察が、有機代謝物に適用される。
<G.組織中のタンパク質の動態学的パラメータを推測すること>
同位体標識標的タンパク質の動態学的パラメータは、体液から濃縮または単離された標的タンパク質の測定に基づいて計算される。次に、いくつかの実施形態において、この動態学的パラメータは、医療目的の組織中の標的タンパク質の対応する動態学的パラメータを推測するために使用される。組織中の標的タンパク質の動態学的パラメータと、体液中の標的タンパク質の動態学的パラメータとは関係づけられてもよいが(すなわち、体液中の標的タンパク質の動態学的パラメータは、組織中の対応する動態学的パラメータを反映する)、これらが等価である必要はない。組織における動態学的パラメータ、および体液における動態学的パラメータは、当該技術分野で知られる任意の方法によって測定および比較されてもよい。組織中のタンパク質の動態学的パラメータと、体液中のタンパク質の動態学的パラメータとは、組織からの、タンパク質の流出または放出の、既知または未知の速度によって、数学的に関係づけられてもよい。組織からの、タンパク質の流出速度または放出速度を決定するための種々の方法が、当該技術分野で知られている。
<実用性>
元の組織中の目的のタンパク質の代謝回転キネティックスは、ヒト患者の診断、管理、または治療の選択のために、診断テストとして用いられてもよい。実施例を通して、骨格筋クレアチンキナーゼMM(用語“クレアチンキナーゼM型”および“CK−M”は、本明細書において交換可能で使用される)、ミオグロビンまたはトロポニンの合成速度および/または分解速度の、体液からの測定は、サルコペニア、悪液質、栄養失調、虚弱、運動性障害、リハビリテーション、筋ジストロフィー、または骨格筋量もしくは骨格筋機能の他の障害、を伴った患者の診断、管理、または治療の選択で使用され得る。心不全、心臓移植、高血圧、虚血性心疾患、または心筋量もしくは心筋機能の他の疾患、を伴った患者の診断、管理、または治療の選択における、心筋クレアチンキナーゼMB合成速度および/または分解速度の、体液からの測定。別の実施例を通して、C型肝炎もしくはB型肝炎、アルコール性肝線維症、脂肪肝疾患、または他の線維形成性障害を伴った患者の医療モニタリングで使用するための、ルミカン合成の血液測定から、肝臓繊維形成の速度が決定され得る。
<実施例1:血液サンプルからの血漿ルミカンの測定を介した、肝臓繊維形成の仮想生検>
この実施例では、体液バイオマーカーを介して肝臓コラーゲン合成速度を決定することによって肝臓繊維形成を評価する仮想生検の使用を説明する。この実施例では、体液中のバイオマーカーが前もって特定されていない場合に、組織タンパク質合成(および対応するそれの速度)の仮想生検体液バイオマーカーを発見する手引きを示す。
[組織収集]
11人のすべての被検体を、UCSF肝臓センター(UCSF Liver Center)で募集した。当該被検体は、緊急に診断的生検を受ける必要があった。被検体は、紹介日から外科生検日までの期間のあいだの外来で、14日間から56日間のあいだ、非放射性安定同位体トレーサーである重水を飲んだ。血液、尿および18ゲージの肝臓の生検材料を収集した。50%の生検材料を用いて、疾患および繊維性強度の病理学的診断のための組織学的組織スライドを作製した。残りの組織を、下記の動態学的分析のために用いた。被検体は、様々な診断[Hep Cウイルス(HCV)、自己免疫性肝炎(AIH)、肝細胞癌(HCC)]、および様々な繊維性スコア[0〜4の範囲において]を有していた。当該調査は、UCSFのヒト研究委員会(the Committee on Human Research)によって認可された。すべての関係者は、書面によるインフォームドコンセントを与え、ヘルシンキプロトコルの宣言に従った。
[肝臓組織LCMS調製]
6人の患者からの肝臓生検組織を、計量し(3〜13mg)、純粋な脱イオン水中のFast Prep-24(商標)(MP Biomedical)ビーズミルで実質的に均質化した。均質化した組織を、次に、アセトン沈殿にかけ、全組織タンパク質を精製した。9倍の量の低温のアセトンを、ホモジェネートと混合し、−20℃で、20分間、インキュベートし、続けて、4℃で5分間の、1000×gの遠心分離を行った。ペレットを、H2O中で再懸濁し、全タンパク質定量化を、BCA Protein Assay Kit(Thermo、イリノイ州ロックフォード)を介して実施した。各々の患者から、80μgの肝臓タンパク質を単離し、25mM重炭酸アンモニウム(pH=8)中のProteasMax(商標)界面活性剤(0.1%;Promega、ウィスコンシン州マディソン)および尿素(4M)を使用して変性させた。当該溶液を、室温で20分間、混合しながらTCEP(5mM)で還元し、続けて、暗所で20分間、ヨードアセトアミド(10mM)でインキュベーションし、還元されたシステインを化学的に修飾した。次に、肝臓タンパク質を、トリプシン(Promega、ウィスコンシン州マディソン)で、37℃で一晩かけて消化した。翌日、全量の5%にギ酸を添加し、LC−MS/MSの前に、C18 spec tip(Varian、カリフォルニア州パロアルト)を用いてペプチドを濃縮および脱塩した。
[血漿LCMS調製]
multi-affinity spin cartridge (Hu14, Agilent、カリフォルニア州サンタクララ)を用いて、製造者の推奨に従って、8人の患者の血漿(10μL)から、高存在量タンパク質を枯渇させた。残りのタンパク質成分を、BCA Protein Assay Kit(Thermo、イリノイ州ロックフォード)を用いて定量し、50μgのタンパク質を、トリプシン消化のために各々の患者から単離した。25mM重炭酸アンモニウム(pH=8)中のProteasMax(商標)界面活性剤(0.1%;Promega、ウィスコンシン州マディソン)および尿素(4M)を用いて、血漿タンパク質サンプルを変性させた。当該溶液を、室温で20分間、混合しながらTCEP(5mM)で還元し、続けて、暗所で20分間、ヨードアセトアミド(10mM)でインキュベーションし、還元されたシステインを化学的に修飾した。次に、血漿タンパク質を、トリプシン(Promega、ウィスコンシン州マディソン)で、37℃で一晩かけて消化した。翌日、全量の5%にギ酸を添加し、LC−MS/MSの前に、C18 spec tip(Varian、カリフォルニア州パロアルト)を用いてペプチドを濃縮および脱塩した。
[体内水分中のH濃縮度の測定]
一定分量の血漿を1:100で希釈し、80℃での一晩かけた蒸留のために、反転密封されるスクリューキャップバイアル(inverted sealed screw-capped vials)のキャップに入れた。血漿から蒸留した水中の重水素モルパーセント過剰度(MPE)の直接測定によって、体内水分のO濃縮度を決定した。公開された方法(G. Lis, et al., Anal. Chem. 80 (2008) 287-293)に従って、laser water isotope analyzer(LGR、カリフォルニア州ロスガトス)を用いて、O標準曲線に対して、MPEを測定した。
[LCMSデータ取得およびアイソトポマー抽出]
ペプチドの同位体分布を、HPLC Chip-Cube Polaris Chip(Agilent、カリフォルニア州サンタクララ)を備えたAgilent 6550 QToFを用いて測定した。各々のサンプルを、分析ごとに2回注入した。第1の注入のあいだ、MSMSフラグメンテーションスペクトルを、ペプチド特定のために収集した。第2の注入のあいだ、MSMSフラグメンテーションを実施せず、より長い滞留時間(毎秒1スペクトル)を、フルスキャン取得に用いた。AgilentのソフトウェアパッケージSpectrum Millを用いて、MSMSフラグメンテーションデータを分析し、タンパク質特定を、Uniprot/Swissprotに基づかせた。ここで、検索の制限として、種=ヒト、トリプシン消化、およびシステインのカルバミドメチル化を用いた。ピログルタミン酸、酸化メチオニン、およびヒドロキシプロリンを、追加の修飾として許容した。アイソトポマーパターンを、AgilentからのMassHunterソフトウェアパッケージを用いてMSスキャンデータから抽出した。計算された中間質量、元素式および滞留時間を用いて、観測された同位体クラスターをフィルタリングした。ビジュアルベイシックのアプリケーションを作成し、ペプチド配列のリストからペプチド元素組成を計算し、体内水分からH/Dを能動的に取り込んだC−H位置の番号(n)に対する様々な前駆体O濃縮度(p)にわたるアイソトポマーパターンを計算する。nに対する理論ペプチド値を、以前に記載されたように決定する(J.C. Price et al., Anal. Biochem. 420 (2012) 73-83)。簡潔に説明すると、トリプシンペプチドは、ペプチドを構成するアミノ酸の個々の値(nAA)の合計であるnの値を示す。その後のデータ処理をマイクロソフトのエクセル(Microsoft Excel)を用いて実行した。
[タンパク質部分合成量(f)および代謝回転速度(k)の計算]
質量分析は、H標識を有するペプチド中のより高い質量へのシフトを定量化することができる一方で、新しく合成されたタンパク質による既存のタンパク質分子の交換速度の動態学的解釈は、標識されていない種と比較した新しく合成された種の質量アイソトープパターンの理解を必要とする。安定同位体摂動前駆体プールの存在下で合成されたタンパク質の質量アイソトープパターンは、組み合わせ分析(M.K. Hellerstein and R.A. Neese, Am. J. Physiol. 276 (1999) E1146-E1170)によって計算され得る。部分合成量(f)は、集団における、新しく合成されたタンパク質の割合として定義され、全プールの部分として表現される。我々は、標準化されたモノアイソトピックピーク(the normalized monoisotopic peak)の強度における変化に対する絶対値(|EM0|)に、fの計算を基づかせた。原理的には、エンベロープ中の任意の同位体ピークの強度におけるシフトは、同一のfを示すはずである。実際には、我々は、このアイソトポマーに対する部分存在量におけるより大きな変化が原因で(標識された種がEM1〜EM4のあいだで分配する一方で、EM0は減少する。)、信号対雑音比が、|EM0|に対して最も好ましいことを見出す。我々は、方程式k=ln(1−f)/tを用いて、各々の被検体に対する部分合成量測定を、時間独立代謝回転速度kに標準化した。ここで、tは、生検前の、重水への曝露時間である。
[タンパク質代謝回転速度の計算で使用されるペプチドに対する基準]
我々の算入するための基準に合ったペプチドは、30000カウントより大きいシグナル強度を有していた。タンパク質代謝回転速度を、各々のタンパク質に対するこれらの基準を合格したペプチド集団の平均として計算した。各々のサンプルに対するタンパク質代謝回転速度を決定するために、最小値の2つのペプチドを必要とした。
[コラーゲンキネティックスおよびルミカンキネティックスと、疾患との相関]
肝臓サンプルタンパク質(n=6)および血漿サンプルタンパク質(n=8)からのタンパク質代謝回転速度(k)は、互いに相関し、患者組織学的線維化スコア(0〜4)とも相関した。回帰分析を実行し、統計学的に有意な関係(p<0.05)(例えば、肝臓1型コラーゲンおよび血漿ルミカンに対する線維化スコア)を決定した。
[結果]
図2に図示されたように、Oを、ヒトに投与し、Oは、組織繊維形成中に、コラーゲン、および繊維形成関連タンパク質/コラーゲン関連タンパク質に取り込まれた。次に、可能性のある、肝繊維症の体液診断バイオマーカーを特定するために、肝臓コラーゲン合成速度と相関した合成速度のタンパク質を、血液および尿から選別した。上述のように、肝臓サンプルタンパク質および血漿サンプルタンパク質からのタンパク質代謝回転速度は、互いに相関し、患者組織学的線維化スコアとも相関した。上述のように、回帰分析を実行し、統計学的に有意な関係を決定した。
タンパク質ルミカンに由来するペプチドを含む、結晶中の多くのタンパク質に由来するペプチドにおける質量アイソトポマーパターンの変化を、LC/MS/MSによって特定および測定し、肝臓組織コラーゲンの合成速度と比較した。肝臓におけるコラーゲン合成速度は、個々のヒト被検体のあいだで異なった(図3)。肝炎に罹っていて、かつ繊維症に罹っていると疑われる同一被検体の肝臓のコラーゲンI型、III型およびVI型の合成速度を、血漿ルミカンの合成速度が密接に反映していることが実証された。これは、血液測定からの、肝臓繊維形成の測定を示唆している(図4、5)。
従って、血漿中のルミカンの合成速度を、これらのデータによって示された質量アイソトポマーパターンの変化から計算することができた。さらに、また、血漿形質転換成長因子(TGF)−β誘導タンパク質の合成速度は、肝炎に罹った患者の肝臓中のコラーゲンI型α1の合成速度と密接に相関し(図6A)、かつ同一被検体において疑われた繊維症と密接に相関した(図6B)ことが示された。図7Aに図示されるように、肝炎に罹っていて、かつ繊維症に罹っていると疑われる患者の肝臓中のコラーゲンI型の合成速度は、同一被検体における組織学的線維症スコアと相関した。図7Bに図示されるように、肝炎に罹っていて、かつ繊維症に罹っていると疑われる患者の肝臓中のコラーゲンIII型の合成速度は、同一被検体における組織学的炎症スコアと相関した。さらに、血液中のほとんどのタンパク質の合成速度は、肝繊維症スコアと相関せず(図8に示された、選択されたタンパク質)、血漿タンパク質合成速度が、肝炎に罹っていて、かつ繊維症に罹っていると疑われるこれらの患者の普遍的な肝臓タンパク質合成における増加の非特異的マーカーではないことを証明した。
<実施例2:血液サンプルを用いた、クレアチンキナーゼの仮想生検>
[ヒトにおける重水素化水標識プロトコル]
全ての手順およびプロトコルは、コロラド州立大学の施設内倫理委員会(the Institutional Review Board)によって認可された。17人の被検体(7人の男性、10人の女性)が、調査に含まれ、各々の志願者は、参加する前に、可能性のあるリスクおよび利益が知らされ、書面の同意書が提供された。当該調査は、ヘルシンキ宣言によって定められたガイドラインに従った。
新しく合成されたタンパク質の重水素標識は、以前に記載されたプロトコル(Robinson et al, 2011)を用いて、4週間の、Oの経口摂取によって達成された。被検体が合計で150ml/日摂取するように、1日3回、70%のOを50ml摂取した場合、目標の1〜2%の濃縮度が一週間の導入段階のあいだに達成され、当該濃縮度は、合計で100ml/日の投与量になるように1日2回、50mlの70%Oの投与量を用いて、3週間維持された。
[サンプル収集]
経口重水素化水摂取のあいだに、唾液スワブ(Saliva swabs)を定期的に収集し、参加者に、唾液試料採取前の30分間、何も飲食しないように指示した。唾液スワブを、分析するまで−80℃で保管した。静脈血を収集し、血漿を遠心分離(1200g、4℃、15分)によって分離し、−80°で保管した。被検体が局所麻酔下(1%リドカイン)にあるうちに、手動吸引の5mmバーグストロム針(5-mm Bergstrom needle)を用いて、外側広筋の筋肉生検サンプル(〜100−150mg)を、取り除き、次に、液体窒素で直ちに凍結させ、−80で保管した。
[体内水分濃縮度分析]
体内水分濃縮度を、唾液スワブまたは血漿サンプルから決定した。一定分量の血漿または唾液を1:200で希釈し、80℃での一晩かけた蒸留のために、反転密封されるスクリューキャップバイアル(inverted sealed screw-capped vials)のキャップに入れた。血漿から蒸留した水中の重水素モルパーセント過剰度(MPE)の直接測定によって、体内水分のO濃縮度を決定した。laser water isotope analyzer(LGR、カリフォルニア州ロスガトス)を用いて、O標準曲線に対して、MPEを測定した。
[筋タンパク質の、SDS−PAGE分画、クマシー染色およびゲル内トリプシン消化]
10〜30mgの筋肉サンプルを、1X protease inhibitor cocktail(Thermo)を100mg/mlで含むM-PER reagent(Thermo)中でホモジェネートした。当該ホモジェネートを、1000×g、10分間、4℃で遠心分離し、不溶性物質をペレット化した。ホモジェネートからの250μgのタンパク質を、SDS−PAGEおよびLC/MSのために調製した。当該サンプルを、1X XT sample buffer(Bio-Rad)および5mMのTCEP(Sigma)中で、95℃、5分間、インキュベートした。当該サンプルを室温で冷まし、当該サンプルに、ヨードアセトアミド(Sigma)を、15mMの最終濃度になるように添加した。当該サンプルを、室温、暗所で、20分間、インキュベートした。当該サンプルを、Bio-Rad Criterion Cell(165-6001)中の、1X XT MES running buffer(Bio-Rad)を含有するCriterion XT 12 well 4-12% Bis-Tris gels(Bio-Rad)に装填した。10μLのKaliedoscope Pre-Stained Molecular Weight Standard(Bio-Rad)を、サンプルの側方の端に装填した。当該ゲルは、60Vが20分間流され、サンプルを完全にゲルに入れ、次に、当該ゲルは、100Vが1時間半、流された。当該ゲルを、取り除き、5分間、回転させながら200mlのMilliQのHOで洗浄することを3回行った。Coomassie(Bio-Rad)を添加し、ゲルをわずかに覆って、回転させながら60分間、インキュベートした。30分間、回転させながら200mlのMilliQのHOで洗浄することを4回行うことにより、当該ゲルを脱色し、Kimwipeを水に入れ、染料を吸収させた。10〜15、15〜20、20〜25、25〜37、37〜50、50〜75、75〜100、100〜150および150〜250kDに対応するゲルバンドを、クマシー染色されたゲルから切り出し、37℃で一晩、トリプシン(Proteomics grade, Sigma)消化にかけた。当該ペプチドを、ゲルから抽出し、乾燥させ、LC/MS分析のために3%アセトニトリル/0.1%ギ酸中で再構成した。
[血漿からのクレアチンキナーゼM型の免疫沈降、SDS−PAGE分画およびゲル内トリプシン消化]
1mgのepoxy Dynabeads(Invitrogen)に結合した20μgのgoat-anti-CK-M polyclonal antibody(CalBioreagents)を用いて、クレアチンキナーゼM型(CK−M)を、〜500μlの血漿から免疫沈降した。サンプルを、60分間、室温でインキュベートし、結合したCK−Mを、サンプルバッファー中に溶出し、上述のように、SDS−PAGE分画およびクマシー染色で調製した。37〜50kDに対応するゲルバンドをクマシー染色されたゲルから切り出し、37℃で一晩、トリプシン(Proteomics grade, Sigma)消化にかけた。ペプチドを、ゲルから抽出し、乾燥させ、LC/MS分析のために3%アセトニトリル/0.1%ギ酸中で再構成した。
[LC/MS分析]
トリプシン消化されたペプチドを、Chip Nano source and 1200 series nanoflow and capillary HPLC pumps (Agilent Technologies, Santa Clara, CA)を備えたAgilent 6520 QToFまたはAgilent 6550 QToFで、以前に記載されたように分析した(Price et al. 2011, 2012)。両方ともがPolaris C18-A stationary phase(3μmの粒子サイズ)で充填された360nL濃縮カラムおよび0.075×150mm分析用カラム、からなるPolaris HR chip(Agilent #G4240-62030)を用いて、各々のサンプルを、分析ごとに2回注入した。ナノLCの移動相は、18MΩ水中の、3%v/vアセトニトリル、0.1%ギ酸(バッファーA)、および、18MΩ水中の、95%アセトニトリル、0.1%ギ酸(バッファーB)であった。18〜27分間、350nL/分の流速の勾配で、サンプルを溶出した。毎秒6つのMSスキャン、毎秒4つのMSMSスペクトル、および毎サイクル12個に及ぶ前駆体を、収集するように設定された装置で、第1の注入のあいだに、データ依存MSMSフラグメンテーションスペクトルを収集した。第2の注入のあいだには、MSMSフラグメンテーションを実施せず、より長い滞留時間(毎秒1スペクトル)を、フルスキャン取得に用いた。より長い滞留時間は、観測されたアイソトポマーパターンの信号対雑音比を上昇させた。1%の包括的偽発見率(global false discovery rate)を有するスイスプロットマウスデータベース(Swiss-Prot mouse database)(08/2010)を用いたSpectrum Mill MS Proteomics Workbench (version B.04.00, Agilent Technologies、カリフォルニア州サンタクララ)を使用して、MSMSフラグメンテーションデータを分析した。固定修飾(システインのカルバミドメチル化)および可変修飾(酸化メチオニン、ピログルタミン酸)を有効にし、失敗した切断は、2つまでは許容した。ペプチドレベルおよびタンパク質レベルで確認された結果を調べ、再度、タンパク質の非特異的な切断を許容した。6より大きいスコア、および50%より大きく評価されたピーク強度の、ペプチドのリストを、Spectrum Millからエクスポートし、エクセルを使用して、非還元体ペプチド公式データベースにまとめた。ペプチドの元素組成、質量および滞留時間を含むこのデータベースを使用して、Mass Hunter(version B.05.00, Agilent Technologies、カリフォルニア州サンタクララ)のファインドバイフォーミュラアルゴリズム(Find-by-Formula algorithm)で、MSのみの対応する取得ファイルから各々のペプチドのペプチド同位体存在量(動態学的情報を含む)を抽出した。ビジュアルベイシックアプリケーションを作成し、ペプチド配列のリストからペプチド元素組成を計算し、体内水分から水素/重水素(H/D)を能動的に取り込んだC−H位置の番号(n)に対する様々な前駆体O濃縮度(p)にわたるアイソトポマーパターンを計算した。各々の被検体の体内水分濃縮度の入力情報を用い、マイクロソフトエクセルの一連のテンプレートを使用して、続きのデータ処理を実行し、タンパク質レベルにおける部分合成量データを生成した。動態学的データがタンパク質ごとに2つ以上のペプチドを含むように、フィルターをかけた。
[統計分析]
ピアソン相関分析(Pearson correlation analysis)(GraphPad Prism)を実行し、血漿中のCK−Mの部分合成量と、筋肉で測定されたCK−Mの部分合成量とを相関させた。さらに、また、血漿CK−Mの部分合成量と、筋肉で測定されたいくつかの筋原線維および細胞質タンパク質の部分合成量とを用いて、相関分析を実行した。すべての相関を、p<0.05で有意と見なした。
[結果]
Oを、ヒトまたは実験用動物に投与し、血漿クレアチンキナーゼMMを、免疫沈降によって血漿から単離し、トリプシン消化にかけ、LC/MS/MS(液体クロマトグラフィー−タンデム型質量分析)によって分析し、質量アイソトポマーパターンの変化を決定した。当該アイソトポマーパターンから、血漿中のクレアチンキナーゼMMの合成速度を計算した(図9)。血漿クレアチンキナーゼMMの合成速度が、同一の被検体の筋肉生検材料から単離されたクレアチンキナーゼMMの合成速度を密接に反映していることを実証した(図10)。図11で図示されたように、骨格筋クレアチンキナーゼMMの合成速度は、他のいくつかの筋タンパク質の合成速度と密接に相関した(アクチン、図11A、ミオシン2、図11B、トロポニンI、図11C、トロポミオシンα、図11D)。反対に、血漿から単離されたクレアチンキナーゼMB(心筋特有の)は、クレアチンキナーゼMMよりも、はるかに早い合成速度を示した。これは、血液測定からの、組織特有のクレアチンキナーゼ合成の測定を示唆している。
並行した、ラットの実験において、Oを健康なラットに投与し、血漿クレアチンキナーゼMMを、免疫沈降によって血漿から単離し、トリプシン消化にかけ、LC/MS/MS(液体クロマトグラフィー−タンデム型質量分析計)によって分析し、質量アイソトポマーパターンの変化を決定した。当該質量アイソトポマーパターンから、血漿中のクレアチンキナーゼMMの合成速度を計算した(図9に図示されたように)。血漿クレアチンキナーゼの合成速度は、腓腹筋クレアチンキナーゼMMの合成速度(図12A)、および四頭筋クレアチンキナーゼMMの合成速度(図12B)と、非常に密接に相関した。
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図1は、“仮想生検”方法の例示的な概要を示している。 図2は、同位体標識血液タンパク質の測定から組織の繊維形成を評価する“仮想生検”方法の適用を図示している。 図3は、個人間におけるコラーゲン合成速度のばらつきを示している。個々の被検体に由来する合成速度は、(A)ではコラーゲンIα1およびコラーゲンIα2、(B)ではコラーゲンIIIα1、ならびに(C)ではコラーゲンVIα3に対して与えられていることが示されている。合成速度は、1日当たりの総コラーゲンの一部分として合成される新たなコラーゲンのパーセンテージとして表現される。 図4は、種々の血漿タンパク質の代謝回転と肝臓コラーゲンの代謝回転との間の相関関係(r値)を示している。血漿ルミカンは、最も高い相関関係(標識されている)を示している。 図5は、血漿ルミカンの代謝回転と肝臓コラーゲンの代謝回転との間の相関関係を示している。(A)では、肝臓コラーゲンの代謝回転と血漿ルミカンの代謝回転との間で比較し、(B)では、血漿ルミカンと肝臓コラーゲンIIIα1との間で比較し、(C)では、血漿ルミカンと肝臓コラーゲンVIα3との間で比較し、また、(D)では、血漿ルミカンと、コラーゲンIα1、Iα2、IIIα1、VIα1、およびVIα3から得られる平均の肝臓代謝回転とを、比較している。 図6は、血漿ルミカン合成速度と血漿TGFBI合成速度とが、同一の患者において、互いに相関し、また(A)では、肝臓コラーゲン合成と相関し、また(B)では、肝繊維症スコアと相関していることを示している。 図7は、同一の患者において、(A)では、肝臓コラーゲンIα1合成速度と肝繊維症スコアとの間の相関関係を示し、(B)では、肝臓コラーゲンIIIα1合成速度と肝臓炎スコアとの間の相関関係を示している。 図8は、選択された他のタンパク質(Aでは血漿ヘモペキシン、Bでは血清アルブミン)の合成速度が、同一の患者において、肝繊維症スコアと相関していないことを示している。 図9は、血液中の同位体標識筋肉クレアチンキナーゼの測定から筋タンパク質合成を評価する“仮想生検”方法の適用を図示している。 図10は、血漿クレアチンキナーゼMM合成速度と筋肉クレアチンキナーゼMM合成速度との間の相関関係を示している。r値およびp値も与えられている。 図11は、いくつかの筋タンパク質の合成速度が筋肉クレアチンキナーゼMMの合成速度と相関していることを示している。(A)では、筋肉クレアチンキナーゼMM合成速度と、アクチンの合成速度との相関関係が示され、(B)では、筋肉クレアチンキナーゼMM合成速度と、ミオシン2の合成速度との相関関係が示され、(C)では、筋肉クレアチンキナーゼMM合成速度と、トロポニンIの合成速度との相関関係が示され、また、(D)では、筋肉クレアチンキナーゼMM合成速度と、トロポミオシンαの合成速度との相関関係が示されている。 図12は、血漿クレアチンキナーゼMMの合成速度が、異なるタイプの筋肉から単離されたクレアチンキナーゼMMと相関していることを示している。(A)では、血漿クレアチンキナーゼMM合成速度と、腓腹筋から単離されたクレアチンキナーゼMMの合成速度との間の相関関係が示され、(B)では、血漿クレアチンキナーゼMM合成速度と、四頭筋から単離されたクレアチンキナーゼMMの合成速度との間の相関関係が示されている。

Claims (15)

  1. 体液中のタンパク質の測定によって、医療目的の組織中のタンパク質の、合成速度、分解速度、運搬速度または他の動態学的パラメータの速度を、上記組織の身体的試料採取を必要とせずに測定するための方法であって、
    a)組織中の1つ以上の標的タンパク質を選択すること、
    b)1つ以上の同位体標識標的タンパク質を生成するために、同位体標識分子が上記1つ以上の標的タンパク質に入り込み、当該1つ以上の標的タンパク質を標識するのに十分な期間、被検体に上記同位体標識分子を投与すること、
    c)体液を収集することであって、当該体液は、上記組織から漏出したか、または放出された1つ以上の同位体標識標的タンパク質を含有している、収集すること、
    d)上記体液から上記1つ以上の同位体標識標的タンパク質を濃縮または単離すること、
    e)濃縮または単離された上記1つ以上の同位体標識標的タンパク質の、同位体含有量、取り込み速度、ならびに/または、同位体含有量および/もしくは同位体標識パターンの、変化パターンもしくは変化速度の、質量分析測定を実施すること、
    f)濃縮または単離された上記1つ以上の同位体標識標的タンパク質の少なくとも1つの動態学的パラメータを計算することであって、上記体液からの上記1つ以上の同位体標識標的タンパク質の動態学的パラメータは、組織中の上記1つ以上の標的タンパク質の対応する動態学的パラメータを反映している、計算すること、および
    g)上記体液中の上記1つ以上の標的タンパク質の対応する少なくとも1つの動態学的パラメータに基づいて、上記組織中の上記1つ以上の標的タンパク質の上記少なくとも1つの動態学的パラメータを推測すること、を包含する、方法。
  2. 上記同位体標識分子は、アミノ酸を標識する普遍的な前駆体である、請求項1に記載の方法。
  3. 上記同位体標識分子は、O、13−ロイシン、H−フェニルアラニン、15N−グリシン、15N−標識スピルリナ、13COロイシンおよび13C−グルコースからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記同位体標識分子は、安定な非放射性同位体標識分子である、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. 上記同位体標識分子は、Oである、請求項4に記載の方法。
  6. 上記同位体標識分子は、放射性同位体標識分子である、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  7. 上記組織は、骨格筋、心筋、脳、膵臓β細胞または膵島、および肝臓、肺、腎臓、心臓または皮膚に存在するコラーゲン生成繊維芽細胞からなる群から選択される、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
  8. 上記体液は、血液、尿、唾液、胆汁、脳脊髄液、皮膚組織間質液もしくは脂肪組織間質液、唾液、涙液、気管支肺胞洗浄液、口腔咽頭分泌物、腸液、頚膣部分泌物または子宮分泌物および精液からなる群から選択される、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
  9. 上記同位体標識分子を、1つ以上の同位体標識標的タンパク質を生成するのに十分な期間、投与し、次に、中断し、
    上記同位体標識分子の上記投与が中断されたあとに、上記体液から、上記1つ以上の同位体標識標的タンパク質を濃縮または単離することを行う、請求項1〜の何れか1項に記載の方法。
  10. 上記1つ以上の標的タンパク質は、組織コラーゲン沈着または繊維形成に関連しており、かつ/またはコラーゲン合成繊維芽細胞に由来し、
    上記1つ以上の標的タンパク質は、ルミカン、パールカン、フィブロネクチン、プロコラーゲンおよびコラーゲンからなる群から選択され、かつ、
    上記少なくとも1つの動態学的パラメータは、C型肝炎またはB型肝炎、アルコール性肝繊維症、脂肪肝疾患、肝臓の繊維症、心臓の繊維症、皮膚の繊維症または腎臓の繊維症、および他の繊維形成障害、からなる群から選択される疾患の、診断、治療、予後、管理、層別化、または他の特徴づけのための、医療的に重要なプロセスの速度を明らかにする、請求項1〜の何れか1項に記載の方法。
  11. 上記1つ以上の標的タンパク質を、工程(d)と工程(e)とのあいだでトリプシン消化にかけ、
    上記1つ以上の標的タンパク質を、トリプシン消化されたペプチドとして工程(e)で分析する、請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
  12. 上記標的タンパク質は、クレアチンキナーゼMMまたはクレアチンキナーゼMBであり、
    上記体液は、血漿であり、
    工程(d)は、免疫沈降を包含し、
    上記クレアチンキナーゼMMまたはクレアチンキナーゼMBを、工程(d)と工程(e)とのあいだでトリプシン消化にかけ、
    上記クレアチンキナーゼMMまたはクレアチンキナーゼMBを、トリプシン消化されたペプチドとして工程(e)で分析し、かつ、
    工程(e)は、LC/MS/MSによって、質量アイソトポマー存在量を測定することを包含する、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
  13. クレアチンキナーゼMMに特異的なトリプシン消化を受けたペプチドを、LC/MS/MSによって、質量アイソトポマー存在量の変化に関して分析し
    質量アイソトポマー存在量の上記変化を使用し、骨格筋組織中のクレアチンキナーゼの合成速度および/または分解速度を計算し、かつ、
    骨格筋組織中のクレアチンキナーゼの上記合成速度および/または上記分解速度の上記計算を、サルコペニア、悪液質、栄養失調、虚弱、運動性障害、筋ジストロフィー、または骨格筋量もしくは骨格筋機能の別の障害、に罹った患者の、診断、管理、リハビリテーション、または治療の選択で、使用する、請求項12に記載の方法。
  14. クレアチンキナーゼMBに特異的なトリプシン消化を受けたペプチドを、LC/MS/MSによって、質量アイソトポマー存在量の変化に関して分析し
    質量アイソトポマー存在量の上記変化を使用して、心臓組織中のクレアチンキナーゼの合成速度および/または分解速度を計算し、かつ、
    心臓組織中のクレアチンキナーゼの上記合成速度および/または上記分解速度の上記計算を、心不全、心臓移植、高血圧、虚血性心疾患、または心筋量もしくは心筋機能の別の疾患、を伴った患者の、診断、管理、リハビリテーション、または治療の選択で、使用する、請求項12に記載の方法。
  15. 上記1つ以上の標的タンパク質は、膵臓β細胞の分泌顆粒に由来する血液タンパク質である、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
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