JP6406708B2 - 電池固定部 - Google Patents

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Description

本発明は、電極反応等を観察するべく分析機器内に分析用電池を保持するホルダの電池固定部に関する。
電池を構成する負極活物質及び正極活物質では、周知の通り、充放電時に電極反応が生じる。近時、この電極反応を、充放電を行っている最中に分析機器によって分析することが試みられている。例えば、非特許文献1には、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することが可能な分析用電池が提案されている。
この分析用電池は、50μm×100μm程度の長方形形状の観察窓がそれぞれ形成された一組の基板(シリコン基板)を有する。この一組の基板は、所定の間隔で離間し、且つ互いの観察窓が対向するように重畳されて重畳部を形成する。また、観察窓同士の間に、LiCoO2からなる正極活物質と、高配向性黒鉛からなる負極活物質とが配置されるように、一方の基板に負極活物質及び正極活物質がイオンビーム蒸着法により設けられる。なお、負極活物質及び正極活物質はそれぞれ、集束イオンビーム(FIB)を使用してバルク体から摘出されている。
上記の負極活物質及び正極活物質(以下、総称して活物質ともいう)は、重畳部の内部において、負極集電体及び正極集電体(以下、総称して集電体ともいう)のそれぞれと電気的に接続されている。集電体の各々は、重畳部の内部から延在して、一端側が外部に露出するように前記一方の基板に設けられている。この重畳部から露出する集電体の一端側を介して、活物質のそれぞれと重畳部の外部とを電気的に接続することが可能である。
上記の分析用電池について、活物質での電極反応等を分析する場合、例えば、特許文献1に提案されるホルダにより、該分析用電池を分析機器内に保持し、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて観察する。ホルダは、その先端に電池固定部が着脱自在に装着され、該電池固定部に分析用電池が着脱自在に固定される。また、ホルダには、分析用電池の活物質と、充放電試験装置等とを電気的に接続するための電気経路が形成される。電池固定部には、前記電気経路と分析用電池の集電体とを電気的に接続するべく、負極導電部及び正極導電部(以下、総称して導電部ともいう)が設けられている。
すなわち、負極導電部の一端側は、電池固定部がホルダに装着された際に電気経路と接触し、且つ負極導電部の他端側は、電池固定部に分析用電池が固定された際に負極集電体の一端側と接触する。同様に、正極導電部は、一端側が電気経路に接触し、且つ他端側が正極集電体の一端側に接触する。
これにより、ホルダの電気経路と、電池固定部の導電部と、分析用電池の集電体とを介して、活物質を充放電試験装置等に電気的に接続することが可能になり、該活物質で電極反応を生じさせることができる。この際、観察窓に電子線を透過させてTEM観察を行うことで、活物質での電極反応についての分析を行うことが可能になる。
特表2013−535795号公報
In-situ Electron Microscopy of Electrical Energy Storage Materials[online]、2014年[2014年1月30日検索]、インターネット<URL:http://www1.eere.energy.gov/vehiclesandfuels/pdfs/merit_review_2011/electrochemical_storage/es095_unocic_2011_o.pdf>
上記の電池固定部は、各集電体が同一の基板上、換言すると、同一平面上に設けられた分析用電池が固定された場合に、各導電部の他端側が集電体の一端側にそれぞれ接触する。このため、例えば、各集電体が互いに異なる基板上に設けられることにより、重畳部から同一側の基板に集電体を露出させることができない分析用電池、つまり、2個の集電体が大きく離間して配置される分析用電池が上記の電池固定部に固定された場合には、集電体と導電部とを上記のように接触させることが困難になる。
すなわち、上記の電池固定部では、各導電部の他端側が、分析用電池の同一基板の同一側に対して近接配置されている。このため、互いに離間した2個の集電体のうち、1個の集電体の一端側に、一方の導電部の他端側を接触ないしは近接させると、残余の集電体の一端側と、残余の導電部の他端側とが大きく離間してしまう。
上記のように離間した集電体と導電部とを電気的に接続するためには、例えば、導電性ワイヤを引き回し、該導電性ワイヤの端部を集電体及び導電部のそれぞれとはんだ付けする必要等が生じる。この場合、導電性ワイヤ等の抵抗成分により、余分な電圧降下が生じてしまう。一般的な電池に比して極めて小型である分析用電池は、活物質の総量が少なく測定可能な電流も小さいため、分析結果に電圧降下の影響が及び易い。従って、上記のような余分な電圧降下が生じると、分析用電池を精度よく分析することが妨げられる。また、上記の通り、はんだ付け等を伴うことにより、分析用電池を電池固定部に固定する作業や、電池固定部から取り外す作業が煩雑になる。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、異なる基板に設けられた複数の集電体を有する分析用電池を、電極反応等の分析精度を低下させることなく且つ容易に着脱できる電池固定部を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、一方の主面に第1集電体が設けられた第1基板と、一方の主面に第2集電体が設けられた第2基板とを前記一方の主面同士が対向するように部分的に重畳した重畳部を有し、前記第1集電体及び前記第2集電体の一端側が前記重畳部からそれぞれ露出し、且つ他端側が前記重畳部の内部で第1活物質及び第2活物質とそれぞれ電気的に接続される分析用電池を分析機器内に保持するホルダの電池固定部であって、本体部と、前記本体部に薄膜状に設けられた第1導電部及び第2導電部と、前記本体部に前記分析用電池を固定する固定手段と、を備え、前記本体部は、前記ホルダに設けられた電気経路と電気的に接続される第1接続点及び第2接続点がそれぞれ配設される第1平面と、前記第1平面と段部を形成する第2平面と、前記第1平面及び前記第2平面を連続させる斜面を形成する傾斜部と、を有し、前記固定手段は、前記第1集電体の一端側と前記第1平面の前記段部近傍とを近接させるべく、前記第1基板の他方の主面が前記第2平面に臨み、且つ前記第1基板の側面が前記段部に臨むように前記分析用電池を固定し、前記第1導電部は、前記第1平面の前記段部近傍から前記第1接続点まで連続し、前記第2導電部は、前記第2集電体の一端側と対向する前記第2平面の対向部又は該対向部近傍から前記斜面を通って前記第1平面の前記第2接続点まで連続することを特徴とする。
本発明に係る電池固定部では、互いの間に段部と傾斜部が設けられた第1平面と第2平面とを有する本体部を備える。この本体部に対して、第1集電体及び第2集電体が互いに異なる第1基板及び第2基板にそれぞれ設けられた分析用電池が固定される。この際、分析用電池の重畳部から露出する第1集電体の一端側(露出部)と、本体部の第1平面の段部近傍とが互いの面内方向に近接する。この第1平面には、段部近傍から第1接続点まで連続する第1導電部が設けられている。また、分析用電池の重畳部から露出する第2集電体の一端側(露出部)と、本体部の第2平面とが対向し、該第2平面には、第2集電体との対向部又は該対向部近傍から第2接続点まで連続する第2導電部が設けられている。
従って、第1集電体の露出部と第1導電部とを互いに近接させることができ、且つ第2集電体の露出部と第2導電部とを互いに近接させることができる。このため、第1導電部を介して第1集電体と第1接続点とを容易に接続すること、及び第2導電部を介して第2集電体と第2接続点とを容易に接続することができる。
さらに、この電池固定部では、本体部の傾斜部が、第1平面及び第2平面に連続する斜面を形成する。このため、高低差が設けられた第1平面及び第2平面であっても、第2平面の対向部又は該対向部近傍から、斜面を通って第1平面の第2接続点まで、薄膜状の第2導電部を容易に連続させることができる。すなわち、段部で第2導電部が断絶されることを回避できるため、スクリーン印刷やインクジェット印刷等の印刷プロセスを採用して容易且つ高品質に第2導電部を形成することが可能である。
以上から、この電池固定部では、第1集電体及び第2集電体(以下、総称して集電体ともいう)が第1基板及び第2基板の各々に個別に設けられた分析用電池が固定される場合であっても、第1導電部及び第2導電部(以下、総称して導電部ともいう)と、集電体とのそれぞれを容易に近接させることができる。従って、例えば、導電性ワイヤ等によって、集電体と導電部とを電気的に接続する必要がない分、分析用電池の電極反応等を精度よく分析することや、分析用電池を電池固定部に容易に着脱することが可能になる。
上記の電池固定部において、前記第1平面は、前記電気経路と電気的に接続される第3接続点と、前記段部近傍から前記第3接続点まで連続する第3導電部とがさらに設けられることが好ましい。つまり、電池固定部は、一組以上の第3接続点及び第3導電部をさらに備えていることが好ましい。この場合、第3導電部を第1導電部に電気的に接続すると、該第3導電部を介して、第1導電部と第3接続点を電気的に接続することができる。これによって、例えば、分析用電池を充電する際に、第1接続点及び第1導電部を介して第1集電体に電圧を印加することができるとともに、第1集電体に印加されている電圧の実測値を第3導電部及び第3接続点を介して得ることができる。従って、第1集電体に対する印加電圧の入力値と実測値とを比較することができるため、分析用電池の分析結果を一層詳細に得ることが可能になる。
また、この電池固定部は、第3集電体が設けられた分析用電池を本体部に固定することも可能である。このような分析用電池を電池固定部に固定した場合、上記の第1集電体の露出部及び第1導電部と同様に、分析用電池の重畳部から露出する第3集電体の一端側(露出部)と第3導電部を近接させることができる。
この第3集電体の他端側が、例えば、分析用電池に設けられた参照極に重畳部の内部で電気的に接続されている場合、参照極とホルダの電気経路とを容易に電気的に接続することができる。このため、第1活物質及び第2活物質について、互いの電位差に加えて、参照極を基準とした電位もそれぞれ計測することができる。その結果、分析用電池の分析結果を一層詳細に得ることが可能になる。
また、第3集電体の他端側は、例えば、第1活物質及び第2活物質とは異なる第3活物質と、重畳部の内部で電気的に接続されていてもよい。この場合、ホルダの電気経路に対して、第1接続点、第2接続点、第3接続点を切り替えて接続するのみで、電極反応を生じさせ活物質を切り替えることができる。つまり、電池固定部に固定する分析用電池を交換する必要がないため、電子顕微鏡内の高真空状態を維持したままで、種々の活物質を容易且つ効率的に分析することが可能になる。
上記の電池固定部において、前記固定手段は、前記第1集電体の一端側と、前記段部近傍に設けられた前記第1導電部との両方に接触して配置される第1導電板と、前記第2基板と前記第2平面との間に介装され、前記第2集電体の一端側と、前記対向部近傍に設けられた前記第2導電部との両方に接触する第2導電板と、前記第1導電板を前記本体部に固定する第1固定板と、前記第2導電板を前記本体部に固定する第2固定板とを有することが好ましい。
この場合、集電体と導電部とを簡素な構成で容易に電気的に接続しつつ分析用電池を電池固定部に着実に固定することができる。
上記の電池固定部において、前記固定手段は、前記第1固定板及び前記第2固定板の何れか一方と前記本体部との間に介在する板バネをさらに有することが好ましい。例えば、本体部と第1固定板との間に板バネを介在させた電池固定部に分析用電池を固定する場合、先ず、第2固定板を本体部から取り外した状態で、板バネと第2平面との間に該板バネの弾性力に抗して分析用電池の第1基板を挿入する。次に、第2固定板を本体部に取り付けることで分析用電池を電池固定部に固定できる。また、分析用電池を電池固定部から取り外す場合、第2固定板のみを本体部から取り外した状態で、板バネと本体部間から分析用電池の第1基板を引き抜けばよい。このように、本体部から第1固定板を取り外す必要がないため、分析用電池を電池固定部に対して一層容易に着脱することができる。
本体部と第2固定板との間に板バネが介在する場合も同様に、本体部から第2固定板を取り外すことなく、電池固定部から分析用電池を一層容易に着脱することができる。
本発明に係る電池固定部では、異なる基板に設けられた複数の集電体を有する分析用電池が本体部に固定された際に、該集電体のそれぞれに対して、対応する導電部を近接配置することができる。これにより、導電性ワイヤ等を用いることなく、集電体と導電部を容易に電気的に接続することができるため、分析用電池の電極反応等を精度よく分析することや、分析用電池を電池固定部に容易に着脱することが可能になる。
本発明の第1実施形態に係る電池固定部が装着されたホルダの要部概略斜視図である。 図1に示す電池固定部に固定される分析用電池の概略斜視図である。 図2のIII−III線矢視要部断面図である。 図4Aは、図1に示す電池固定部の本体部の概略平面図であり、図4Bは、図4AのIVB−IVB線矢視要部断面図である。 図5Aは、図4Aに示す本体部に分析用電池を固定した状態を示す概略平面図であり、図5Bは、図5AのVB−VB線矢視要部断面図である。 図6Aは、図4Aに示す電池固定部の変形例に係る固定手段を説明するための概略平面図であり、図6Bは、図6AのVIB−VIB線矢視要部断面図である。 図7Aは、図6Aに示す固定手段により本体部に図2に示す分析用電池を固定した状態を示す概略平面図であり、図7Bは、図7AのVIIB−VIIB線矢視要部断面図である。 本発明の第2実施形態に係る電池固定部の本体部の概略平面図である。
以下、本発明に係る電池固定部につき好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係る電池固定部10は、分析用電池12が着脱自在に固定されるものであり、該分析用電池12が固定された状態で、ホルダ14に着脱自在に装着される。ホルダ14は、透過型電子顕微鏡(TEM)等の分析機器(不図示)内で分析可能となる位置に分析用電池12を保持するものであり、充放電装置(不図示)等と電気的に接続される電気経路(不図示)が設けられている。後述するように、ホルダ14に電池固定部10が装着されると、該電池固定部10に固定された分析用電池12と上記の電気経路とが電気的に接続されるようになっている。これによって、分析機器内で分析用電池12に電極反応を生じさせることができ、該電極反応をいわゆるその場観察することが可能になる。
先ず、図2及び図3を参照しつつ、電池固定部10に着脱自在に固定される分析用電池12について説明する。図2は、分析用電池12の概略斜視図であり、図3は、図2のIII−III線矢視要部断面図である。なお、以降の説明では、発明の理解を容易にするため、図2〜図8に示すX軸方向を幅、Y軸方向を奥行き、Z軸方向を高さと定義する。
分析用電池12は、例えば、リチウム、ナトリウム等の金属イオン二次電池、ニッケル・水素電池、アルカリ・マンガン電池、及び、金属イオン空気電池、金属イオン全固体電池等、又は固体高分子型等の燃料電池から構成することができる。以下では、分析用電池12がリチウムイオン二次電池である例を説明する。
分析用電池12は、第1基板16と第2基板18とを、互いの一方の主面同士が対向するように部分的に重畳した重畳部20を有している。重畳部20の第1基板16と第2基板18との間には、例えば、スペーサ22(図3参照)が介在することで空間が確保されている。この空間が電解液で満たされた状態で、重畳部20の外周がエポキシ系樹脂接着剤等からなるシール24(図2参照)によってシールされている。なお、分析用電池12は、スペーサ22を用いることなく上記空間を形成可能である場合には、該スペーサ22を備えていなくてもよい。また、図3では、シール24の図示を省略している。
分析用電池12では、上記の通り、重畳部20に電解液が内包されるため、電解液を流通させる必要がない。これにより、第1基板16及び第2基板18に対して作用する電解液の圧力を小さくすることができる分、第1基板16と第2基板18の離間距離を小さくすることができ、分析用電池12の小型化を図ることができる。
第1基板16及び第2基板18の互いに重畳されていない部分は、重畳部20の幅方向の両端側にそれぞれ延在して、各々の一方の主面を重畳部20の外部に露出させている。
第1基板16及び第2基板18は、例えば、ケイ素(Si)、窒化ケイ素(Si34)、SiにSiO2等の酸化被膜を形成したもの、ホウケイ酸ガラス、石英(SiO2)等からなり、重畳部20を形成した際に互いに重なり合う四角錐台状の貫通孔26がそれぞれ形成されている。また、第1基板16及び第2基板18の一方の主面には、貫通孔26を覆うように透過膜28がそれぞれ設けられ、他方の主面には、貫通孔26を露出させるように被膜30がそれぞれ設けられている。
透過膜28は、例えば、窒化ケイ素(Si34)、炭化ケイ素(SiC)等の電子線に対して透過性を示す材料から形成される。被膜30も、透過膜28と同様の材料から形成することができる。つまり、重畳部20のうち、第1基板16及び第2基板18の貫通孔26が互いに重なり合う部分は、透過膜28を介して電子線を良好に透過させる観察窓32となる。
この観察窓32の透過膜28同士の間に、第1活物質34及び第2活物質36が互いに離間しつつ、電解液に接触するように配置されている。これによって、観察窓32に電子線を透過させることで、第1活物質34及び第2活物質36での電極反応等を分析することができる。なお、以降の説明では、重畳部20の観察窓32を除く部分、すなわち、第1基板16及び第2基板18が透過膜28を介して対面する部分を対面部ともいう。
図3に示すように、第1基板16の一方の主面側には、第1活物質34と、該第1活物質34に電気的に接続される第1集電体38が設けられる。また、第2基板18の一方の主面側には、第2活物質36と、該第2活物質36に電気的に接続される第2集電体40が設けられる。
第1活物質34は、観察窓32内から、該観察窓32の幅方向の一方側の対面部内に延在する層状であり、例えば、Li及びLi合金、Li4Ti512、Si、Ge、Sn及びSn合金、Al及びAl合金、Si酸化物、Sn酸化物、Al酸化物、カーボン(C)等の材料を好適に用いて形成することができる。
第2活物質36は、観察窓32内から、該観察窓32の幅方向の他方側の対面部内に延在する層状であり、例えば、LiCoO2、LiMnO2、LiMn24、LiNiO2、LiFePO4、Li2FePO4F、LiCo1/3Ni1/3Mn1/32、Li(LiαNixMnyCoz)O2等の材料を好適に用いて形成することができる。
第1集電体38の幅方向の他端側は、重畳部20の対面部内で第1活物質34と電気的に接続されている。また、第1集電体38の幅方向の一端側は、重畳部20の外部に露出して露出部42を形成している。第1集電体38の好適な材料としては、タングステン(W)、銅(Cu)、ステンレス(SUS)、カーボン(C)等が挙げられる。
第2集電体40は、幅方向の一端側が、重畳部20の対面部内で第2活物質36と電気的に接続されていることを除いて、上記の第1集電体38と同様に形成されている。すなわち、第2集電体40の幅方向の他端側は、重畳部20から露出して露出部44(図3参照)を形成している。第2集電体40の好適な材料としては金(Au)、白金(Pt)、カーボン(C)、アルミニウム(Al)等が挙げられる。
上記の構成から、分析用電池12では、第1集電体38及び第2集電体40の露出部42、44を介して、重畳部20の外部と、第1活物質34及び第2活物質36とを電気的に接続することが可能になっている。従って、上記の露出部42、44にホルダ14の電気経路をそれぞれ電気的に接続することで、分析用電池12に充放電反応等の所望の電極反応を生じさせることが可能になる。
次に、図4A、図4B、図5A、図5Bも併せて参照しつつ電池固定部10について具体的に説明する。なお、図4Aは、電池固定部10の本体部46の概略平面図であり、図4Bは、図4AのIVB−IVB線矢視要部断面図である。図5Aは、本体部46に分析用電池12を固定した状態を示す概略平面図であり、図5Bは、図5AのVB−VB線矢視要部断面図である。
図4Aに示すように、電池固定部10は、本体部46と、該本体部46に薄膜状に設けられた第1導電部48及び第2導電部50と、該本体部46に分析用電池12を固定する固定手段52(図5A参照)とを備える。
本体部46は、例えば、アルミナ、ジルコニア等の酸化物セラミックスから形成される板状である。なお、本体部46の材料は、上記の酸化物セラミックスに限定されるものではなく、第1導電部48及び第2導電部50との間に短絡が生じない電気絶縁性を有するものであればよい。また、図4Bに示すように、本体部46は、幅方向の一方側に配設される第1平面54と、該第1平面54と段部56を形成するように幅方向の他方側に配設される第2平面58と、該第1平面54及び第2平面58に連なる斜面60を形成する傾斜部62とを有する。
段部56は、本体部46の奥行き方向の一方側に設けられ、第2平面58から高さ方向に突出する。これにより、第1平面54と第2平面58との間に高低差が形成されている。また、傾斜部62は、本体部46の奥行き方向の他方側に設けられ、上記の通り高低差を有する第1平面54と第2平面58との間を斜面60によって滑らかに連続させる。
また、図4Aに示すように、本体部46は、その第1平面54側に、奥行き方向の略中央に設けられ、幅方向に延在する切欠64と、該切欠64を挟んで奥行き方向に対向する第1延在部66及び第2延在部68とを有する。この第1延在部66には、本体部46を高さ方向に貫通する第1貫通孔70が形成され、該第1貫通孔70の周縁部の第1平面54には、ホルダ14の電気経路が電気的に接続される第1接続点72が配設される。
第2延在部68には、本体部46を高さ方向に貫通する第2貫通孔74が形成され、該第2貫通孔74の周縁部の第1平面54には、ホルダ14の電気経路が電気的に接続される第2接続点76が配設される。なお、第1延在部66及び第2延在部68には、電池固定部10がホルダ14の後述する先端部78に装着される際に、該先端部78に設けられた位置決め凸部80が挿入される位置決め孔82がそれぞれ設けられている。
この本体部46では、図5Bに示すように、第2平面58に第1基板16の他方の主面が臨み、且つ段部56に重畳部20から露出する第1基板16の側面16aが臨むように分析用電池12が固定される。この本体部46のうち、分析用電池12の観察窓32と高さ方向に重なる部位には、該本体部46を高さ方向に貫通する観察孔84が形成されている。これによって、分析用電池12の観察窓32を透過した電子線を、さらに観察孔84を透過させて、分析機器の検出部(不図示)に照射することができる。なお、段部56に第1基板16の側面16aを当接させた際に、観察窓32と観察孔84とが重なり合うように各々の配置を設定することにより、本体部46に対する分析用電池12の位置決めを容易にすることができる。
また、本体部46は、上記のように分析用電池12が固定された際に、該分析用電池12の四隅が配置される部位の近傍に固定ねじ孔86がそれぞれ形成されている。この固定ねじ孔86は、固定手段52の後述する固定ねじ88が螺合可能となっている。
第1導電部48及び第2導電部50は、電気導電性を有し、薄膜状に形成することが可能な材料から構成される。このような材料としては、金、白金、銀、銅等の金属材料を挙げることができるが、酸化による抵抗変化を抑制する観点からは、金を採用することが好ましい。また、第1導電部48及び第2導電部50の薄膜の厚さは、100nm〜10μmの範囲内とすることが好適であるが、特にこれに限定されるものではない。なお、第1導電部48及び第2導電部50は、例えば、インク状あるいはペースト状とした上記金属材料の微粒子の分散液を用いて、スクリーン印刷やインクジェット印刷等の印刷プロセスを行うことにより形成可能である。特に、インク状の上記分散液を用いたインクジェット印刷を採用した場合、汎用性に優れ、且つ第1導電部48及び第2導電部50の形成に必要な装置が大掛かりとなることを回避できる点で好ましい。
第1導電部48は第1平面54に設けられ、図4Aに示すように、段部56近傍から第1延在部66を通って第1接続点72まで連続する。図5Bに示すように、本体部46に分析用電池12が固定された際、第1平面54の段部56近傍に第1集電体38の露出部42が近接する。換言すると、第1導電部48と、第1集電体38の露出部42とが近接する。なお、図5Bに示すように、第1基板16の一方の主面の高さ方向位置に、第1導電部48の表面の高さ方向位置が揃うように、段部56の高さが調整されることが好ましい。この場合、後述するように、固定手段52の構成を一層簡素化することが可能になる。
また、図5Bに示すように、本体部46に分析用電池12が固定された際、第2集電体40の露出部44は第2平面58に対向する。第2導電部50は、この第2集電体40の露出部44と対向する第2平面58の対向部近傍から、斜面60を通って第1平面54に到達し、さらに第2延在部68に配設された第2接続点76まで連続する。従って、上記のように本体部46に分析用電池12が固定された際、第2導電部50と、第2集電体40の露出部44とが近接する。
固定手段52は、図1、図5A及び図5Bに示すように、第1導電板90と、第2導電板92と、第1固定板94と、第2固定板96と、固定ねじ88を有している。
第1導電板90は、例えば、銅、アルミ、銀等の電気導電性の材料からなる板状であり、互いに近接配置された、露出部42と第1導電部48との両方に接触するように配置される。つまり、第1導電板90を介して、第1集電体38と第1導電部48とが電気的に接続される。
第2導電板92は、スペーサ材102と積層された状態で、第2基板18と第2平面58との間に介装される。この第2導電板92は、上記の第1導電板90と同様に電気導電性を有する材料から形成された板状であり、互いに近接配置された露出部44と第2導電部50との両方に接触するように配置される。つまり、第2導電板92を介して、第2集電体40と、第2導電部50とが電気的に接続される。
スペーサ材102は、上記の第1導電板90及び第2導電板92と同様の材料から形成されてもよいし、電気絶縁性の材料から形成されてもよいが、比較的剛性が大きい材料から形成されることが好ましい。また、第2導電板92に積層されたスペーサ材102の高さが、本体部46に配置された分析用電池12の高さと揃うように、該スペーサ材102の厚さが設定されている。
なお、第1導電板90、第2導電板92、スペーサ材102、第1基板16、第2基板18のそれぞれの厚さは、略同等に設定されていることが好ましい。この場合、本体部46に配置された分析用電池12の高さと、第1導電板90の高さと、積層した第2導電板92及びスペーサ材102の高さとを容易に揃えることができるため、後述するように、固定手段52によって本体部46に分析用電池12を一層容易且つ着実に固定することが可能になる。
第1固定板94及び第2固定板96は、例えば、アルミニウム、カーボン、樹脂等の弾性を有する非磁性材料からなる板状であり、奥行き方向の両端側に非磁性材料からなる固定ねじ88が挿通される貫通孔(不図示)がそれぞれ形成されている。第1固定板94は、上記のように配置された第1導電板90上に積層される。この際、第1固定板94に設けられた貫通孔は、本体部46に設けられた固定ねじ孔86と同軸となる。従って、第1固定板94の貫通孔に挿通させた固定ねじ88をさらに固定ねじ孔86に螺合させることで、第1集電体38の露出部42と第1導電部48に向かって第1導電板90を押圧しつつ分析用電池12の幅方向の一方側を本体部46に固定することができる。
第2固定板96は、上記のように配置された第2導電板92及び第2基板18上に積層される。この際、第2固定板96に設けられた貫通孔は、本体部46に設けられた固定ねじ孔86と同軸になる。従って、上記の第1固定板94と同様に、第2固定板96の貫通孔に挿通した固定ねじ88をさらに固定ねじ孔86に螺合させることで、第2集電体40の露出部44と第2導電部50とに向かって第2導電板92及びスペーサ材102を押圧しつつ分析用電池12の幅方向の他方側を本体部46に固定することができる。
本実施形態に係る電池固定部10は、基本的には以上のように構成されるものであり、このうち、第1導電部48及び第2導電部50は、例えば、以下に示す印刷プロセスにより本体部46に形成することができる。すなわち、先ず、一般的な機械加工等により上記の外形形状とした本体部46の表面のうち、第1導電部48及び第2導電部50を形成する部位にプライマー処理を施す。これによって、第1導電部48及び第2導電部50を構成する上記金属材料の微粒子を溶媒に分散させた分散液と、本体部46の表面との密着性を高めることができる。上記金属材料として金を採用した場合、分散液としては、市販の製品である商品名「AgナノメタルインクAu1T」(株式会社アルバック製)等を用いることができる。この分散液を用いたインクジェット印刷により、上記のプライマー処理を施した部位に対して、第1導電部48及び第2導電部50のパターン(薄膜)を形成する。なお、このようなインクジェット印刷は、例えば、インクジェット印刷機(マイクロジェット社製、型式:LaboJet−600)を用いて行うことが可能である。
この際、第1導電部48のパターンは、第1平面54の段部56近傍から第1接続点72まで連続するように形成すればよい。また、第2導電部50のパターンは、第2平面58の対向部近傍から、斜面60を通って第1平面54の第2接続点76まで連続するように形成すればよい。このため、第1導電部48及び第2導電部50の各々のパターンが、例えば、段部56で断絶されること等を効果的に回避でき、最終的に得られる第1導電部48及び第2導電部50の品質向上を図ることが可能になる。
次に、上記のようにして形成した第1導電部48及び第2導電部50のパターンを、所定の温度で焼成して溶媒を除去することで薄膜とする。これにより、インクジェット印刷により容易且つ高品質に第1導電部48及び第2導電部50が形成された本体部46を得ることができる。なお、上記の「AgナノメタルインクAu1T」を分散液として用いた場合、例えば、250℃で焼成を行えばよい。
この本体部46には、上記の固定手段52を用いて、分析用電池12が固定される。すなわち、先ず、上記の通り、第2平面58に第1基板16の他方の主面が臨み、且つ段部56に第1基板16の側面16aが臨むように本体部46に対して分析用電池12を配置する。そして、第1集電体38の露出部42と第1導電部48との両方に接触するように第1導電板90を配置する。また、第2集電体40の露出部44と第2導電部50との両方に第2導電板92を接触させるように、第2基板18と第2平面58との間に第2導電板92を介装するとともに、該第2導電板92にスペーサ材102を積層する。
次に、第1導電板90上に、さらに第1固定板94を部分的に積層することで、該第1固定板94の貫通孔と、本体部46の固定ねじ孔86とを同軸にして、固定ねじ88を挿通する。この固定ねじ88を固定ねじ孔86に螺合させることで、第1集電体38の露出部42と第1導電部48とに向かって第1導電板90を押圧しつつ分析用電池12の幅方向の一方側を本体部46に固定できる。
また、スペーサ材102及び第2基板18上に、さらに第2固定板96を部分的に積層することで、該第2固定板96の貫通孔と、本体部46の固定ねじ孔86とを同軸にして、固定ねじ88を挿通する。この固定ねじ88を固定ねじ孔86に螺合させることで、第2集電体40の露出部44と第2導電部50とに向かって第2導電板92及びスペーサ材102を押圧しつつ分析用電池12の幅方向の他方側を本体部46に固定できる。
従って、固定手段52のような簡素な構成で、第1集電体38及び第2集電体40と、第1導電部48及び第2導電部50とのそれぞれを容易に電気的に接続しつつ、分析用電池12を電池固定部10に着実に固定することができる。
なお、固定手段52は、さらに、ガラス基板等の電気絶縁性を有する絶縁板(不図示)を有してもよい。この絶縁板を、例えば、第1固定板94の奥行き方向の両端側と、第1平面54との間にそれぞれ介装することで、第1固定板94を介して第1導電部48及び第2導電部50が短絡してしまうことを回避できる。
電池固定部10は、上記のようにして分析用電池12が固定された状態で装着機構106(図1参照)により、ホルダ14の先端部78に装着される。図1に示すように、ホルダ14の先端部78には、本体部46のうち、第1延在部66及び第2延在部68がそれぞれ挿入される第1溝108及び第2溝110が形成されている。第1溝108の底壁には、第1延在部66が挿入された際、該第1延在部66の第1貫通孔70と同軸になる第1ねじ孔112と、第1延在部66の位置決め孔82に挿入される位置決め凸部80とが形成されている。
第2溝110の底壁にも同様に、第2貫通孔74と同軸になる第2ねじ孔114と、第2延在部68の位置決め孔82に挿入される位置決め凸部80とが形成されている。従って、第1溝108及び第2溝110のそれぞれに第1延在部66及び第2延在部68を挿入し、各々の位置決め孔82に位置決め凸部80を挿入することで、ホルダ14の先端部78に電池固定部10を仮止めすることができる。
装着機構106は、ホルダ14の先端部78を覆うカバー116と、第1ねじ孔112及び第2ねじ孔114にそれぞれ螺合するビス118とを有する。カバー116には、先端部78を覆った際に、上記の第1貫通孔70及び第1ねじ孔112と同軸になる貫通孔120と、第2貫通孔74及び第2ねじ孔114と同軸になる貫通孔122とが形成されている。
この装着機構106では、上記のように先端部78に電池固定部10を仮止めした状態で、第1ねじ孔112及び第2ねじ孔114にビス118を螺合することにより、カバー116と先端部78の内方に電池固定部10を装着することができる。このようにしてホルダ14に装着された電池固定部10は、上述したように、第1接続点72及び第2接続点76にホルダ14の電気経路が電気的に接続される。すなわち、ホルダ14の電気経路と、電池固定部10の第1導電部48及び第2導電部50と、分析用電池12の第1集電体38及び第2集電体40とを介して、第1活物質34及び第2活物質36を充放電試験装置に電気的に接続することができる。これによって、分析用電池12に充放電反応等の所望の電極反応を生じさせることが可能になる。
従って、例えば、分析用電池12のTEM観察を行う場合、先ず、上記のように電池固定部10に分析用電池12を固定する。そして、TEMの電子線照射部に分析用電池12の観察窓32が対向するように、TEM内にホルダ14を挿入する。このホルダ14の電気経路に充放電試験装置等を接続し、第1接続点72及び第2接続点76の間に電位差を設けることで、第1活物質34及び第2活物質36で観察対象となる電極反応を生じさせることができる。この際、観察窓32に電子線を透過させることで、分析用電池12の電極反応を精度よく分析することが可能になる。
以上から、第1実施形態に係る電池固定部10では、本体部46に分析用電池12が固定された際、第1集電体38の露出部42と、第1平面54の段部56近傍とが互いの面内方向に近接するとともに、第2集電体40の露出部44と、第2平面58とが対向する。この第1平面54には、段部56近傍から第1接続点72まで連続する第1導電部48が設けられている。また、第2平面58には、第2集電体40との対向部近傍から第2接続点76まで連続する第2導電部50が設けられている。従って、この電池固定部10では、第1導電部48及び第2導電部50と、第1集電体38及び第2集電体40とのそれぞれが近接するように分析用電池12を固定することができる。このため、例えば、導電性ワイヤ等を引き回すことなく、第1集電体38及び第2集電体40と、第1導電部48及び第2導電部50とをそれぞれ容易に電気的に接続することができる。
このように、電池固定部10に分析用電池12を固定することで、導電性ワイヤ等の抵抗成分により余分な電圧降下が生じることを回避できる。その結果、分析用電池12の電極反応等を精度よく分析することが可能になる。また、はんだ付け等を伴わずに、電池固定部10に分析用電池12を容易且つ効率的に着脱することが可能になる。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改変が可能なことはいうまでもない。
例えば、上記の固定手段52の変形例としては、図6A、図6B、図7A、図7Bに示すものが挙げられる。図6Aは、電池固定部10の変形例に係る固定手段130を説明するための概略平面図であり、図6Bは、図6AのVIB−VIB線矢視要部断面図である。図7Aは、固定手段130により本体部46に分析用電池12を固定した状態を示す概略平面図であり、図7Bは、図7AのVIIB−VIIB線矢視要部断面図である。
なお、図6A〜図7Bに示す構成要素のうち、図1〜図5Bに示す構成要素と同一又は同様の機能及び効果を奏するものに対しては、同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
変形例に係る固定手段130は、第1固定板94と本体部46との間に介在する板バネ132をさらに有している。具体的には、板バネ132は、例えば、ベリリウム銅、ステンレス鋼、チタン等の電気導電性を有する非磁性材料からなり、ヘミング曲げ加工が施された曲部134を有している。この板バネ132は、第1導電部48に積層された第1導電板90と、第1固定板94との間に介装される。この際、曲部134が、第1基板16の厚さよりも僅かに小さい距離で第2平面58から離間する。従って、板バネ132によって、曲部134と第2平面58との間に挿入された第1基板16を第2平面58に向かって弾発付勢することができる。なお、板バネ132と第1導電板90は、予め、スポット溶接やろう付け等により一体化しておくことが好ましい。この場合、本体部46に対して、板バネ132及び第1導電板90を一層容易に固定することが可能になる。
この固定手段130を用いて、本体部46に分析用電池12を固定する工程の一例を説明する。先ず、図6A及び図6Bに示すように、本体部46に対して、第2固定板96を固定せず、第1固定板94のみを固定しておく。この際、第1固定板94と本体部46との間には、上記のように板バネ132及び第1導電板90を介在させておく。
次に、板バネ132の弾性力に抗して、該板バネ132と第2平面58との間に、分析用電池12の第1基板16をその側面16a側から差し込む。これによって、板バネ132の曲部134は、第1集電体38の露出部42に接触する。この板バネ132は、上記の通り、電気導電性の材料から形成され、且つ第1固定板94により第1導電板90とともに第1導電部48に押圧されている。これにより、板バネ132及び第1導電板90を介して、第1集電体38の露出部42と第1導電部48とを電気的に接続することができる。
次に、上記の通り、第2集電体40の露出部44と第2導電部50との間に第2導電板92及びスペーサ材102を介装するように第2導電板92を配設したのち、図7A及び図7Bに示すように、第2固定板96を本体部46に取り付ける。これによって、第2集電体40の露出部44と第2導電部50とを電気的に接続しつつ、分析用電池12を電池固定部10に固定することができる。
一方、この固定手段130により本体部46に固定された分析用電池12を、該本体部46から取り外す場合、第2固定板96のみを本体部46から取り外した状態で、板バネ132と本体部46間から分析用電池12の第1基板16を引き抜けばよい。
以上から、この固定手段130を用いることにより、本体部46に対して、第1固定板94を固定したまま、第2固定板96のみを着脱することにより、分析用電池12を着脱することができるため、分析用電池12を一層容易に着脱することが可能になる。
第2実施形態に係る電池固定部140について、図8を参照しつつ説明する。図8は、電池固定部140の本体部46の概略平面図である。なお、図8に示す構成要素のうち、図1〜図7Bに示す構成要素と同一又は同様の機能及び効果を奏するものに対しては、同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
電池固定部140は、上記の電池固定部10の構成要素のうち、第1導電部48に代えて第1導電部142を備えるとともに、第3導電部144及び第3接続点146をさらに備えている。
第1導電部142は、第1平面54の段部56近傍に設けられる部位の奥行き方向の大きさが、第1導電部48に比して小さい。このように、第1導電部142が第1導電部48に比して小さくなった分の第1平面54上のスペースには、第3導電部144が設けられている。第1導電部142及び第3導電部144は、上記の第1導電部48及び第2導電部50と同様の材料及び手法を用いて形成することができる。第3導電部144は、段部56近傍から第3接続点146まで連続するように第1平面54に設けられる。第3接続点146は、ホルダ14の電気経路と電気的に接続され、例えば、第1貫通孔70の周縁部の第1平面54に配設される。
なお、図8の例示では、第3導電部144及び第3接続点146がそれぞれ1個ずつ第1平面54に設けられているが、第3導電部144及び第3接続点146の個数は、特にこれに限定されるものではない。第3導電部144及び第3接続点146は互いに対応する一組から構成されればよく、第1平面54に複数組の第3導電部144及び第3接続点146が形成されてもよい。
上記のように構成される電池固定部140に対しても、上記の電池固定部10と略同様に固定手段52を用いて、分析用電池12を固定することができる。この場合、固定手段52の第1導電板90が第1導電部142と第3導電部144の両方に接触することにより、該第1導電板90を介して第1導電部142及び第3導電部144が電気的に接続される。その結果、例えば、分析用電池12を充電する際に、第1接続点72及び第1導電部142を介して第1集電体38に電圧を印加することができるとともに、第1集電体38に印加されている電圧の実測値を、第3導電部144及び第3接続点146を介して得ることができる。これによって、第1集電体38に対する印加電圧の入力値と実測値とを比較することができるため、分析用電池12の分析結果を一層詳細に得ることが可能になる。
また、この電池固定部140では、第3集電体(不図示)が設けられた分析用電池12についても、好適に固定することができる。このような分析用電池12を電池固定部140に固定すると、重畳部20から露出する第3集電体の一端側(露出部)と第3導電部144についても、上記の第1集電体38の露出部42及び第1導電部48と同様に近接させることができる。
この第3集電体の他端側は、例えば、分析用電池12に設けられた参照極(不図示)に重畳部20の内部で電気的に接続されている。この場合、参照極とホルダ14の電気経路とを容易に電気的に接続することができるため、第1活物質34及び第2活物質36について、互いの電位差に加えて、参照極を基準とした電位もそれぞれ計測することができる。その結果、分析用電池12の分析結果を一層詳細に得ることが可能になる。なお、この場合、第1導電板90は、例えば、互いの間が電気的に絶縁された2枚からなり、一方は、第1導電部48及び第1集電体38の露出部42に接触し、他方は、第3導電部144及び第3集電体の露出部に接触するように配設される。
また、第3集電体の他端側は、第1活物質34及び第2活物質36とは異なる第3活物質(不図示)と、重畳部20の内部で電気的に接続されていてもよい。この場合、ホルダ14の電気経路に対して、第1接続点72、第2接続点76、第3接続点146を切り替えて接続するのみで、電極反応を生じさせる活物質を第1活物質34〜第3活物質のうちから切り替えることができる。従って、電池固定部140に固定する分析用電池12を交換することなく、換言すると、電子顕微鏡内の高真空状態を維持したまま、複数の活物質の電極反応を分析することができるため、容易且つ効率的に分析用電池12を分析可能となる。
本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態に係る電池固定部10、140では、上記の通り、重畳部20に電解液が内包された分析用電池12が固定されることとしたが、電解液を流通させる分析用電池が固定されてもよい。この場合、電池固定部10、140及びホルダ14には、電解液を分析用電池に流通させるための流通経路がさらに設けられる。
また、上記の実施形態に係る電池固定部10、140では、第2導電部50が、第2集電体40の露出部44と対向する第2平面58の対向部近傍から第2接続点76まで連続することとした。しかしながら、第2導電部50は、第2集電体40の露出部44と対向する第2平面58の対向部から第2接続点76まで連続してもよい。
また、分析機器としては、TEMのみならず、電子線を用いる分析機器全般を採用することができる。
10、140…電池固定部 12…分析用電池
14…ホルダ 16…第1基板
16a…側面 18…第2基板
20…重畳部 34…第1活物質
36…第2活物質 38…第1集電体
40…第2集電体 42、44…露出部
46…本体部 48、142…第1導電部
50…第2導電部 52、130…固定手段
54…第1平面 56…段部
58…第2平面 60…斜面
62…傾斜部 72…第1接続点
76…第2接続点 90…第1導電板
92…第2導電板 94…第1固定板
96…第2固定板 132…板バネ
134…曲部 144…第3導電部
146…第3接続点

Claims (4)

  1. 一方の主面に第1集電体が設けられた第1基板と、一方の主面に第2集電体が設けられた第2基板とを前記一方の主面同士が対向するように部分的に重畳した重畳部を有し、前記第1集電体及び前記第2集電体の一端側が前記重畳部からそれぞれ露出し、且つ他端側が前記重畳部の内部で第1活物質及び第2活物質とそれぞれ電気的に接続される分析用電池を分析機器内に保持するホルダの電池固定部であって、
    本体部と、前記本体部に薄膜状に設けられた第1導電部及び第2導電部と、前記本体部に前記分析用電池を固定する固定手段と、を備え、
    前記本体部は、前記ホルダに設けられた電気経路と電気的に接続される第1接続点及び第2接続点がそれぞれ配設される第1平面と、前記第1平面と段部を形成する第2平面と、前記第1平面及び前記第2平面を連続させる斜面を形成する傾斜部と、を有し、
    前記固定手段は、前記第1集電体の一端側と前記第1平面の前記段部近傍とを近接させるべく、前記第1基板の他方の主面が前記第2平面に臨み、且つ前記第1基板の側面が前記段部に臨むように前記分析用電池を固定し、
    前記第1導電部は、前記第1平面の前記段部近傍から前記第1接続点まで連続し、
    前記第2導電部は、前記第2集電体の一端側と対向する前記第2平面の対向部又は該対向部近傍から前記斜面を通って前記第1平面の前記第2接続点まで連続することを特徴とする電池固定部。
  2. 請求項1記載の電池固定部において、
    前記第1平面は、前記電気経路と電気的に接続される第3接続点と、前記段部近傍から前記第3接続点まで連続する第3導電部とがさらに設けられることを特徴とする電池固定部。
  3. 請求項1又は2記載の電池固定部において、
    前記固定手段は、
    前記第1集電体の一端側と、前記段部近傍に設けられた前記第1導電部との両方に接触して配置される第1導電板と、
    前記第2基板と前記第2平面との間に介装され、前記第2集電体の一端側と、前記対向部近傍に設けられた前記第2導電部との両方に接触する第2導電板と、
    前記第1導電板を前記本体部に固定する第1固定板と、
    前記第2導電板を前記本体部に固定する第2固定板と、
    を有することを特徴とする電池固定部。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の電池固定部において、
    前記固定手段は、前記第1固定板及び前記第2固定板の何れか一方と前記本体部との間に介在する板バネをさらに有することを特徴とする電池固定部。
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