JP6406150B2 - ステアリングホイール - Google Patents
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Description
各伝達突部が、上記の条件を満たすように設けられた場合であっても、伝達突部間の間隔は、各伝達突部の外面が、底壁部の外周面よりも上記方向の内方に位置している場合よりも大きくなる。そのため、各伝達突部の全体が、底壁部の外周面よりも径方向の外側の領域に設けられるほどではないものの、ダンパホルダをバッグホルダに対しより安定した状態で組付ける効果は得られる。
上記ステアリングホイールにおいて、前記底壁部の外周面において隣り合う前記係合突部の間には、同底壁部の径方向外方へ向けて突出して、前記キャップ部材の前記周壁部の内周面に接触する突起部が設けられていることが好ましい。
図1に示すように、車両には、軸線L1に沿って同車両の略前後方向に延び、かつ同軸線L1を中心として回転するステアリングシャフト(操舵軸)14が、後側ほど高くなるように傾斜した状態で配設されている。ステアリングシャフト14の後端部には、ステアリングホイール10が取付けられている。
図3、図6及び図7に示すように、エアバッグ装置20は、パッド部24、リングリテーナ25、エアバッグ(図示略)及びインフレータ23を、バッグホルダ21に組付けることによって構成されている。
図4、図5及び図8に示すように、各ホーンスイッチ機構30は、支持部材としてのスナップピン31、スライダとしてのピンホルダ32、キャップ部材としてのコンタクトホルダ33、可動側接点部としての接点端子34、ばね受け35、及び付勢部材としてのコイルばね36を備えている。次に、ホーンスイッチ機構30の各構成部材について説明する。
図8及び図11に示すように、スナップピン31は、導電性を有する金属材料によって形成されている。このスナップピン31の芯金12に対する支持構造については、後述する。スナップピン31の主要部は、上記ステアリングシャフト14の軸線L1に対し平行の関係にある軸線L2に沿って前後方向に延び、かつバッグホルダ21の取付孔21gの内径よりも小径の長尺状の軸部31fによって構成されている。スナップピン31は、この軸部31fにおいて取付孔21gに挿通されている。軸部31fの後端部は、固定側接点部として機能する。軸部31fにおける前端部31cの後側には、環状の係止溝31bが形成されている。軸部31fの後端外周部には、同軸部31fの他の部分よりも大径状をなす鍔部31aが形成されている。鍔部31aの外径は、バッグホルダ21の取付孔21gの内径よりも大きく設定されている。
ピンホルダ32は、絶縁性を有する樹脂材料によって形成されている。ピンホルダ32の主要部は、前後両端が開放された筒状部32aによって構成されている。筒状部32aは、スナップピン31の軸部31fの外側に被せられている。ピンホルダ32は、ホーンスイッチ機構30の作動に際し、軸部31fに沿って前後方向へスライドするスライダとして用いられている。
コンタクトホルダ33は、絶縁性を有する樹脂材料により形成されている。コンタクトホルダ33は、略円板状をなす天板部33aと、その天板部33aの周縁部から前方に延びる略円筒状の周壁部33bとを備えている。天板部33aは、ピンホルダ32における筒状部32aの後端部から後方へ離間している。周壁部33bは、スナップピン31の少なくとも鍔部31aと、ピンホルダ32の筒状部32aの少なくとも後端部とを覆っている。図4及び図5に示すように、周壁部33bの周方向に互いに離間した複数箇所には、フック部33cが径方向へ弾性変形可能に形成されている。
図8及び図11に示すように、接点端子34は、導電性を有する帯状の金属板をプレス加工することにより形成されている。接点端子34は、コンタクトホルダ33の径方向に延びる本体部34aと、同本体部34aの両端から前方へ延びる一対の側部34bとを備えている。
図5及び図11に示すように、ばね受け35は、絶縁性を有する樹脂材料によって形成されている。ばね受け35の一部は、円環板状をなす受け部35bによって構成されている。受け部35bの外径は、コイルばね36の外径、及び貫通孔12cの内壁面における後端部の外径、すなわち、テーパ状の内壁面における最大径と同程度に設定されている。
コイルばね36は、スナップピン31の軸部31f、ピンホルダ32の筒状部32a、ばね受け35の両装着部35fのそれぞれの周りに巻回されている。コイルばね36は、ピンホルダ32の受け部32cとばね受け35の受け部35bとの間に、圧縮させられた状態で配置されている。
図8、図10及び図11に示すように、弾性部材41は、ゴム(例えば、EPDM、シリコンゴム等)、エラストマー等の弾性材料によって環状に形成されており、ピンホルダ32と、後述するダンパホルダ42との間に介装されている。
弾性本体部41aは、同弾性本体部41aの前側に位置する部材から後方へ離間している。該当する部材は、後述するダンパホルダ42の底壁部42bである。また、弾性本体部41aは、同弾性本体部41aの後側に位置する部材から前方へ離間している。該当する部材は、上述したスナップピン31の鍔部31aである。また、弾性本体部41aの後端外周部には、径方向外方へ突出する環状突部41fが設けられている。環状突部41fは、コンタクトホルダ33の周壁部33bから径方向内方へ離間している。
ダンパホルダ42は、絶縁性を有する樹脂材料によって形成されている。ダンパホルダ42は、弾性部材41とバッグホルダ21における挟持部21iとの間であり、かつ同バッグホルダ21における取付部21fの後側に配置されている。
周壁部42aは円環状をなし、コンタクトホルダ33内において、ピンホルダ32における筒状部32aの軸方向の領域の一部を覆っている。
各ホーンスイッチ機構30が、上記のように、弾性部材41及びダンパホルダ42を介してバッグホルダ21に取付けられた状態では、ピンホルダ32が、スナップピン31とバッグホルダ21との接触を防ぎつつ、すなわち絶縁状態にしつつ、バッグホルダ21をスナップピン31に対し前後動可能に支持する。また、ピンホルダ32が、コイルばね36の後ろ向きの付勢力をスナップピン31の鍔部31aに伝達する。
図10及び図11に示すように、この作業に際しては、ホーンスイッチ機構30毎のスナップピン31が芯金12において対応する保持部12bの貫通孔12cに後方から挿入される。この挿入に伴い、ばね受け35の受け部35bが保持部12bに接近し、係合片35eが貫通孔12cの内壁面に接近する。また、スナップピン31における軸部31fの前端部31cがクリップ13に接触する。さらに、クリップ13の付勢力に抗してスナップピン31等が前方へ移動されると、クリップ13がスナップピン31の径方向外方へ弾性変形させられる。そして、係止溝31bがクリップ13に対向する箇所までスナップピン31が移動されると、クリップ13が自身の弾性復元力により係止溝31bに入り込もうとする。
図9(a),(b)及び図10に示すように、ダンパホルダ42のバッグホルダ21への組付けに際しては、ダンパホルダ42の底壁部42bにおいて互いに周方向に離間した複数箇所(2箇所)からそれぞれ前方へ向けて突出する伝達突部42hが、バッグホルダ21の対応する伝達孔21hに係合される。
このとき、エアバッグ装置20の荷重は、主としてコンタクトホルダ33、ダンパホルダ42及び弾性部材41を介してピンホルダ32に伝わる。
(1)ダンパホルダ42における円環板状の底壁部42bの互いに周方向に離間した複数箇所からそれぞれ前方へ向けて突出する伝達突部42hをバッグホルダ21の対応する伝達孔21hに係合させる。この係合により、振動をエアバッグ装置20のバッグホルダ21に効率よく伝えるようにしたステアリングホイール10にあって、底壁部42bの径方向における各伝達突部42hの外面42lを、同底壁部42bの外周面42fよりも同方向の外方に位置させている(図9(a),(b)、図10)。
(2)各伝達突部42hを、底壁部42bの外周面42fよりも同底壁部42bの径方向の内側の領域と外側の領域とに跨った状態で設けている(図9(a),(b))。
(5)底壁部42bの径方向における各伝達突部42hの外面42lを、同底壁部42bの外周面42fよりも係合突部42dの外面42mに近い箇所に位置させている(図9(b))。
(7)底壁部42bの外周面42fにおいて隣り合う係合突部42dの間に、同底壁部42bの径方向外方へ向けて突出して、コンタクトホルダ33の周壁部33bの内周面33hに接触する突起部42gを設けている(図9(a),(b))。
また、突起部42gと、係合突部42d、切欠き33e及び伝達突部42hとを、互いに干渉しにくくすることができる。突起部42gの数を増やして、耐久性等を向上させたいといった要求があった場合に、容易に対処することができる。
<ピンホルダ32(スライダ)について>
・ピンホルダ32の筒状部32aにおける被伝達部は、受け部32cとは別の箇所に設けられてもよい。
<コンタクトホルダ33(キャップ部材)について>
・コンタクトホルダ33は、スナップピン31及びピンホルダ32の各後端部に加え、それよりも前側の部分を覆うものであってもよい。
・付勢部材としては、ピンホルダ32(スライダ)を後方へ付勢するものであることを条件として、コイルばねとは異なる種類のばねや、ばねとは異なる弾性部材が用いられてもよい。
・弾性部材41として、上記実施形態とは異なる形状を有するものが用いられてもよい。これに伴い、ピンホルダ32及びダンパホルダ42の各形状が変更されてもよい。
・弾性部材41から弾性板状部41cが省略されてもよい。この場合には、ダンパホルダ42の伝達部42eはピンホルダ32の受け部32c(被伝達部)に直接接触される。
・伝達部42eは、必ずしも円環状をなしていなくてもよく、スナップピン31の軸線L2を中心とする円上の複数箇所において、その円に沿った円弧状に形成されてもよい。
・各伝達突部42hは、底壁部42bの外周面42fにおいて周方向に互いに離間し、かつ係合突部42dから離間した箇所に設けられてもよい。表現を変えると、各伝達突部42hは、底壁部42bの外周面42fにおいて、隣り合う係合突部42d間に設けられてもよい。
<突起部42gについて>
・上記実施形態とは逆に、コンタクトホルダ33の周壁部33bの内周面33hであって、隣り合う切欠き33eの間に、同周壁部33bの径方向内方へ向けて突出して、底壁部42bの外周面42fに接触する突起部42gが設けられてもよい。
・上記ステアリングホイールは、車両以外の乗物、例えば、航空機、船舶等における操舵装置のステアリングホイールに適用することもできる。
Claims (6)
- エアバッグ装置のバッグホルダに挿通された支持部材と、
前記支持部材に前後方向へスライド可能に被せられた筒状のスライダと、
前記支持部材及び前記スライダの少なくとも各後端部を覆う筒状の周壁部を有するキャップ部材と、
前記キャップ部材内で前記スライダの軸方向の領域の一部を覆う環状のダンパホルダと、
前記スライダ及び前記ダンパホルダの間に介装された環状の弾性部材と
を備え、前記ダンパホルダが、前記支持部材の軸線を自身の軸線とする円環板状の底壁部を備え、前記底壁部において互いに周方向に離間した複数箇所からそれぞれ前方へ向けて突出する伝達突部が、前記バッグホルダに設けられた伝達孔に係合され、
前記エアバッグ装置をダイナミックダンパのダンパマスとして機能させ、かつ前記弾性部材をダイナミックダンパのばねとして機能させるように構成されたステアリングホイールであって、
各伝達突部は、前記底壁部の径方向における同伝達突部の外面を、同底壁部の外周面よりも同方向の外方に位置させた状態で設けられており、
前記底壁部の外周面において周方向に互いに離間した複数箇所には、同底壁部の径方向外方へ向けて突出する係合突部がそれぞれ設けられ、
前記キャップ部材の前記周壁部の前端部には、前記係合突部が係合される切欠きが設けられており、
各伝達突部の少なくとも一部は、前記係合突部に設けられているステアリングホイール。 - 各伝達突部は、前記底壁部の外周面よりも同底壁部の径方向の内側の領域と外側の領域とに跨った状態で設けられている請求項1に記載のステアリングホイール。
- 各伝達突部は、同伝達突部のうち、前記外側の領域に位置する部分が、前記内側の領域に位置する部分よりも多くなるように設けられている請求項2に記載のステアリングホイール。
- 各伝達突部は、前記底壁部の径方向における同伝達突部の外面を、同底壁部の外周面よりも前記係合突部の外面に近い箇所に位置させた状態で設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のステアリングホイール。
- 前記底壁部の周方向における各伝達突部の両端面は、同方向における各係合突部の両端面により挟まれた領域に位置している請求項1〜4のいずれか1項に記載のステアリングホイール。
- 前記底壁部の外周面において隣り合う前記係合突部の間には、同底壁部の径方向外方へ向けて突出して、前記キャップ部材の前記周壁部の内周面に接触する突起部が設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載のステアリングホイール。
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