以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
[第1の実施形態]
図1は、画像読取装置の構成を示すブロック図である。本実施形態では、画像読取装置として、例えば、コピー機能、スキャン機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能等の複数の機能が一体化された複合機(MFP:Multifunctional Peripheral)が用いられる。複合機1は、外部インタフェース4と外部バス2を介して、外部のコンピュータ3と相互に通信可能に接続されている。外部バス2は、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)で構成されているが、複数の外部装置と接続可能なネットワーク接続や、他のインタフェースであっても良い。
CPU11は、複合機1を統括的に制御するプロセッサである。内部バス15は、各ブロックを相互に接続するバスである。ROM12は、CPU11で動作するプログラムや各種データを保存するためのものである。RAM13は、電源をオフすると記憶データが揮発してしまう書換え可能な作業用メモリであり、CPU11のワーキングメモリとしても用いられる。一方、不揮発性RAM14は、電源をオフしても中身のデータが揮発しない書換え可能なメモリである。CPU11は、例えば、ROM12に記憶されたプログラムをRAM13に読み出して実行することにより、本実施形態の動作を実現する。操作部5は、操作者(ユーザ)による種々の操作指示を受付け、また、ユーザに対して、電源状態等、複合機1の各種状態や、各ジョブのステータス等を表示する。
複合機1において、第1面画像読取部7と第2面画像読取部8はそれぞれ、原稿の第1面(表面)と第2面(裏面)を光学的に読み取るイメージセンサユニットである。イメージセンサユニットは、原稿に光を照射する光源や、原稿からの反射光を読み取り、光電変換する素子を配列したイメージセンサを含む。
複合機1は、両面原稿の両面を2つの画像読取部により、実質的にほぼ同時に(1回の用紙搬送で)読み取ることができる。片面原稿および両面原稿の第1面は、第1面画像読取部7で読み取られ、両面原稿の第2面は、第2面画像読取部8で読み取られる。このように両面原稿の両面をほぼ同時に(1回の用紙搬送で)読み取ることにより、両面原稿の読取時間を短縮することができる。
画像読取制御部6は、第1面画像読取部7と第2面画像読取部8のアナログ信号をA/D(アナログ/デジタル)変換したり、第1面画像読取部7と第2面画像読取部8のゲイン調整等の特性補正を行う。また、画像読取制御部6は、デジタル画像データをRAM13へ記憶するため、DMA(ダイレクトメモリアクセス)転送を行う回路を有する。
複合機1は、両面原稿を第1面画像読取部7と第2面画像読取部8を用いて読み取り、2つの画像読取部から出力されるアナログ信号を、1つの画像読取制御部6で処理する。両面原稿を読み取る場合、画像読取制御部6は、2つの画像読取部から出力されるアナログ信号を第1面、第2面の順に逐次処理して1つのデジタル画像データとし、RAM13へ格納する。そのため、読み取った画像データは、後述する図3に示すように、1つの画像データ内に第1面の画像データと第2面の画像データを含むことになる。このように1つの画像読取制御部が2つの画像読取部からの信号を処理することで、2つの画像読取制御部を備える場合よりも、回路規模を小さくすることができ、コストを低減することができる。
画像処理部9は、RAM13に記憶されている画像データを読み出し、各種画像処理や画像形成のための画像変換処理を行う回路である。画像処理部9は、RAM13に記憶されている画像データを読み出してJPEGなどにより符号化処理する回路と、符号化されたデータ(符号化データ)を復号化処理する回路を有する。ここでは、符号化の方法としてJPEGを例に挙げて説明しているが、JPEG符号化に限定されるものではなく他の符号化方式を用いても良い。
[スキャン機能]
両面原稿を読み取る場合、画像読取制御部6は、RAM13に記憶された画像データを、画像処理部9でJPEGなどにより符号化処理し、符号化データを再びRAM13へ格納する。画像処理部9による符号化処理は、画像読取制御部6の画像データをRAM13へ記憶する処理と並行して行われる。また、画像読取制御部6は、符号化処理が実行された画像データが記憶されていたRAM13の領域を解放し、その領域を再び画像読取制御部6が画像データを格納するために使用する。このように、読み取った画像データを逐次符号化することで、符号化しない場合と比較して、RAM13上に多くの画像データを記憶することが可能になる。その結果、使用可能な記憶領域が限られている場合でも効率的な読取りを実現することができる。また、画像データを外部のコンピュータ3に送信する場合、画像データを符号化しない場合と比較して通信データ量が小さくなるので、高速化することができる。
複合機1をスキャナとして用いる場合、自動原稿給送装置を使用して片面原稿の読取りを行う場合には、まず、第1面画像読取部7は、後述の原稿積載部上に積載された原稿の表面を読み取ってアナログ信号を出力する。そして、画像読取制御部6は、A/D変換と特性補正を行い、画像データとしてRAM13に格納する。画像処理部9は、RAM13に格納された画像データをJPEG符号化して、符号化データをRAM13に格納する。そして、画像処理部9は、符号化データを外部インタフェース4と外部バス2を介してコンピュータ3に送信する。
一方、自動原稿給送装置を使用して両面原稿の読取りを行う場合には、まず、第1面画像読取部7と第2面画像読取部8は、後述の原稿積載部上に積載された原稿の表面と裏面をほぼ同時に読み取ってアナログ信号を出力する。画像読取制御部6は、A/D変換と特性補正を行い、両面原稿の第1面と第2面の画像データが一体となった画像データをRAM13に格納する。画像処理部9は、RAM13に格納された画像データをJPEG符号化して、符号化データをRAM13に格納する。そして、画像処理部9は、符号化データを外部インタフェース4と外部バス2を介してコンピュータ3に送信する。
コンピュータ3は、両面原稿の第1面と第2面が一体となった符号化データを受信すると、復号化してそれぞれの面の原稿領域を切り出し、各面に対応した画像データを作成する。画像データは、JPEGなどにより再符号化処理して、コンピュータ3の記憶領域に格納される。
ここでは、コンピュータ3へ両面原稿の第1面と第2面が一体となった符号化データを送信する動作を説明したが、複合機1で復号化して第1面と第2面を切り出した後、それぞれの画像データをコンピュータ3に送信するようにしても良い。その場合には、画像処理部9は、RAM13に格納された両面原稿の第1面と第2面が一体となった符号化データを、第1面の原稿領域を復号化しながら再符号化し、第1面の符号化データをRAM13に格納する。次に、画像処理部9は、第2面の原稿領域を復号化しながら再符号化し、第2面の符号化データをRAM13に格納する。画像処理部9は、RAM13に格納された第1面の符号化データと第2面符号化データを、外部インタフェース4と外部バス2を介してコンピュータ3に送信する。また、ここでは、符号化データをRAM13に一度記憶したのちコンピュータ3に送信する動作を説明したが、再符号化と送出を並列して行うようにしても良い。
[コピー機能]
複合機1を複写機として、片面原稿のコピー機能を実行する場合、符号化データをRAM13に記憶するまでの動作は、片面原稿のスキャンと同じである。画像処理部9は、符号化データを復号化し、画像データに各種画像処理を行い、画像形成部10に出力する。画像形成部10は、画像処理が実行された画像データに基づいて、記録媒体上に画像を形成する。
両面原稿のコピー機能を実行する場合も、符号化データをRAM13に記憶するまでの動作は、両面原稿のスキャンと同じである。画像処理部9は、符号化データから第1面に対応する画像データを復号化し、画像データに各種画像処理を行い、画像形成部10に出力する。画像形成部10は、画像処理が実行された第1面に対応する画像データに基づいて、記録媒体上に画像を形成する。次に、画像処理部9は、符号化データから第2面に対応する画像データを復号化し、画像データに各種画像処理を行い、画像形成部10に出力する。画像形成部10は、画像処理が実行された第2面の画像データに基づいて、記録媒体上に画像を形成する。
[ファクシミリ送信機能]
複合機1を読取側のファクシミリとして、片面原稿を送信する場合、画像データをRAM13に格納するまでの動作は、片面原稿のスキャンと同じである。画像処理部9は、RAM13内の画像データをJPEGなどを用いて符号化処理し、コードデータとして再び、RAM13に格納する。次に、CPU11は、RAM13から読み出したコードデータを、モデム16に書き込み、変調を行い、CCITT勧告によって定められた通信機能に基づいて、公衆回線17を経由して外部のファクシミリ装置に送信する。
両面原稿を送信する場合、符号化データをRAM13に格納するまでの動作は、両面原稿のスキャンと同じである。画像処理装置9は、符号化データから第1面に対応する画像データを復号化し、JPEGなどにより再符号化して、第1面のコードデータとして再びRAM13に格納する。そして、第1面のコードデータを片面原稿の場合と同様に外部のファクシミリ装置に送信する。次に、画像処理装置9は、符号化データから第2面に対応する画像データを復号化し、JPEGなどにより符号化し、第2面のコードデータとして再びRAM13に格納する。そして、第1面のコードデータの送信終了後に、第2面のコードデータを外部のファクシミリ装置に送信する。
図2は、複合機1の自動原稿給送装置の動作を説明するための構成図である。図2は、自動原稿給送装置の原稿の搬送パス(搬送路)の概略断面図である。自動原稿給送装置において、原稿積載部201は、原稿を積載するための積載トレイである。自動原稿給送装置を用いて読取りを行う場合、まず、給紙ローラ203により、原稿積載部201の最上位の原稿202を自動原稿給送装置内へ給紙する。原稿202は、搬送パスに沿って搬送ローラ204により搬送され、原稿先端が第1面読取位置214に到達すると、読取りが開始される。読取開始後、原稿202の搬送とともに読取りが行われ(いわゆる流し読み)、原稿後端まで読取りが行われるかまたは所定枚数の原稿の読取りの後、読取りを終了する。
読取終了後の原稿202は、排紙ローラ205により原稿排紙部206に排紙される。ここでは、原稿の先端から読取りを開始し、原稿の終端まで読取りを行う構成について説明したが、原稿先端から予め定められた量分、先に読取りを開始したり、原稿後端から予め定められた量分、後に読取りを終了する構成としても良い。
第1面画像読取部209は、原稿の第1面を読み取るためのイメージセンサユニットであり、図1の第1面画像読取部7に対応する。原稿の第1面は、原稿積載部201に積載された原稿202の上向きの面に対応する。第1面画像読取部209は、図中の矢印211の方向に移動可能であり、読取動作中以外は、待機位置212に位置する。自動原稿給送装置を用いた読取りの場合、第1面画像読取部209は、第1面読取位置214に停止し、搬送パスに沿って搬送される原稿の第1面を読み取る。
第2面画像読取部210は、原稿の第2面を読み取るためのイメージセンサユニットであり、図1の第2面画像読取部8に対応する。第2面画像読取部210は、自動原稿給送装置の第2面読取位置217に固定され、搬送パスに沿って搬送される原稿の第2面を読み取る。原稿の第2面は、原稿積載部201に積載された原稿202の下向きの面に対応する。
第1面画像読取部209と、第2面の画像読取部210は、読取部間距離218だけ離れているので、同時両面読取を行う場合、読取画像における第1面原稿画像位置と第2面原稿画像位置は、読取部間距離218だけ離れる。同時両面読取で読み取る画像データについては、図3で後述する。ここでは、第2面画像読取部210が自動原稿給送装置に固定されている構成を説明したが、第2面画像読取部210が移動可能にして、第2面読取位置217を調整する構成としても良い。なお、同時両面読み取りとは、2つの画像読取部を用いて1回の用紙搬送で表面と裏面の画像を読み取る処理を指す。
原稿センサ207は、原稿積載部201の原稿の有無を検知するためのセンサである。原稿先端センサ208は、搬送ローラ204で搬送される原稿の先端位置を検知するためのセンサである。搬送ローラ204で搬送される原稿202の先端が原稿先端センサ208に達した時のセンサの値が変化することで、原稿202の先端が原稿先端センサ208の位置215にあることが検知される。また、原稿先端センサ208は、原稿202の後端が原稿先端センサ208を通過した時にセンサの値が変化することで、原稿202の後端の位置が原稿先端センサ208の位置215にあることが検知される。
検知された原稿の先端位置と後端位置に基づいて、読取開始と読取終了が行われる。原稿202の読取開始タイミングは、原稿先端センサ208で原稿の先端位置を検知した時点から予め定められた搬送量(読取開始搬送量)分、原稿を搬送した後(原稿を搬送したタイミング)とされる。原稿202の読取終了タイミングは、原稿先端センサ208で原稿の後端位置を検知した時点から予め定められた搬送量(読取終了搬送量)分、原稿を搬送した後(原稿を搬送したタイミング)とされる。原稿先端センサ208は、読取開始及び読取終了のタイミングを決めるための、搬送路上の基準位置の役割を果たす。読取開始搬送量と読取終了搬送量については、図5〜図9で後述する。
第1面画像読取部209は、自動原稿給送装置を用いた読取りだけでなく、原稿固定の読取りでも使用される。原稿固定の読取りでは、第1面画像読取部209は、固定原稿読取面213の方向に移動しながら、固定原稿読取面213に置かれた原稿を読み取る。
図3は、同時両面読取で読み取られたJPEG符号化後の画像データ301を示す図である。図1の説明で述べたように、複合機1では、2つの画像読取部を1つの画像読取制御部が制御し、第1面305と第2面306が一体となった画像データが生成される。図中矢印302は、第1面画像読取部209の主走査方向Xを示す。ここで、主走査方向Xは、画像読取部のイメージセンサの撮像素子の配列方向である。図中矢印303は、副走査方向Yを示す。副走査方向Yは、自動原稿給送装置で原稿を搬送する搬送方向を示す。
開始位置X307と開始位置Y309は、画像データ301における原稿の第1面305の画像開始位置を示す。幅X308は、第1面305の読取幅を示し、高さY310は、第1面の読取高さを示す。開始位置X311と開始位置Y313は、画像データ301における原稿の第2面306の画像開始位置を示す。幅X312は、第2面306の読取幅を示し、高さY314は、第2面の読取高さを示す。
通常、第1面305の画像開始位置と第2面の画像開始位置は、JPEG符号化の基準単位であるブロック領域304の境界と一致(整合)するように設定される。しかしながら、画像読取装置内の2つの画像読取部それぞれの位置には、若干の取り付け誤差が生じ得る。そのため、情報処理装置において、復号化した画像データから表裏の原稿領域を分離してそれぞれの原稿領域を再符号化する場合に、画像形成装置での符号化ブロックの境界位置と、情報処理装置での符号化ブロックの境界位置とが異なる場合がある。
JPEGなどの符号化方式では、8×8画素や16×16画素のような矩形ブロック単位でデータ圧縮を行うことにより、ブロックの境界部分の輝度値や色値の連続性が失われることがある。その連続性が失われた状態で復号化し、ブロック境界が符号化時のブロック境界ではない位置で再符号化すると、ブロック内に連続性が失われた画像領域が含まれることになり、圧縮効率が低下してしまう。
図3では、第1面305の画像よりも第2面306の画像が副走査方向に、ずれ量315だけ後方にずれている。これは、図2に示したように、第1面画像読取部209と第2面画像読取部210のイメージセンサユニットが互いに干渉しないように位置をずらして配置されているからである。本実施形態では、第2面306が後方にずれている場合について示しているが、これに限定されるものではなく、第1面305が後方にずれていても良いし、また、第1面305と第2面306が互いにずれていない場合であっても良い。
図4は、同時両面読取で読み取った画像データにおいて、第1面305と第2面306との間に画像開始位置のずれがある場合を示す図である。図3で示したように、通常、原稿領域の画像開始位置は、符号化データを復号化し再符号化する際の画像劣化を抑えるために、JPEG符号化ブロックの境界と重なるようにし、符号化と再符号化の際のブロックの位置ずれがないようしている。
しかしながら、第1面画像読取部209の停止位置がずれることによって、画像データ301における第1面305の画像開始位置がずれる場合がある。また、第2面画像読取部210の取り付け位置がずれることによって、画像データにおける第2面306の画像開始位置がずれる場合がある。また、画像読取部の位置ずれがない場合であっても、搬送パスを通る原稿のたわみや張りによっても、画像データ301における第1面305の画像開始位置や第2面306の画像開始位置にずれが生じる場合がある。
図4(A)は、第1面305の画像開始位置がJPEG符号化ブロックの境界に対して副走査方向にずれ量401分ずれている様子を示している。また、図4(B)は、第2面306の画像開始位置がJPEG符号化ブロックの境界に対して副走査方向にずれ量402分ずれている様子を示している。
図4(A)及び(B)に示すように画像開始位置がずれた第1面305、第2面306の原稿領域は、復号化後に再符号化する際に、符号化時のJPEG符号化ブロックの境界に対してずれ量401とずれ量402だけずらして再符号化することになる。そのため、再符号化による画像劣化を生じてしまう。
以下、画像開始位置の副走査方向について、JPEG符号化ブロックの境界とのずれを調整するための構成を説明する。
図5は、画像開始位置を調整するための動作を説明する図である。図4に示したように、画像開始位置がJPEG符号化ブロックの境界に対してずれた場合に、再符号化の際のブロックとのずれが生じる。そのため、複合機1は、読取後に、画像開始位置をJPEG符号化ブロックの境界位置とするための位置調整動作を行う。位置調整動作は、複合機1の不揮発性RAM14に予め記憶された調整値に基づき行われる。調整値には、第1面305の画像開始位置を調整するための第1面調整値503と、第2面306の画像開始位置を調整するための第2面調整値504の2つある。
第1面調整値503と第2面調整値504は、複合機1の不揮発性RAM14に予め記憶されている、例えば自動原稿給送装置を用いる読取りの読取解像度単位の整数値である。また、調整値として、読取解像度単位の他に、物理単位の数値が用いられても良い。
第1面調整値503と第2面調整値504は、複合機1の操作部5上に表示されたユーザインタフェース上で受け付けるように構成しても良い。若しくは、第1面調整値503と第2面調整値504は、外部のコンピュータ3から外部インタフェース4を介して受信し、不揮発性RAM14に格納された値であっても良い。第1面調整値503と第2面調整値504の値は、例えば、ずれ量が確認できるようなテスト原稿を読み取る(テスト読取)ことで取得される。つまり、テスト画像データにおける原稿領域の位置ずれ量を検出して、検出した位置ずれ量を補正するための値を調整値として取得する。
ここでは、調整値は、第1面305用と第2面306用の2つとして説明しているが、特に2つに限定されるものではない。調整値は、コピー時やファックス時のような機能ごと、片面読取または同時両面読取のような読取方法ごと、原稿搬送速度に応じて選択するなど複数の調整値を備えるようにしても良い。他にも、調整値を外部のコンピュータ3から受信して、読取動作ごとや読取原稿ごとに設定する方法でも良い。
図5の副走査位置501と副走査位置502はそれぞれ、原稿領域の画像位置ずれがない場合の第1面305の画像開始位置と第2面306の画像開始位置を示す。図5(A)は、第1面305の画像開始位置と第2面306の画像開始位置にずれがある状態で、第1面調整値503と第2面調整値504が0の場合の画像データを示す。図5(B)は、図5(A)の状態から、第1面調整値503と第2面調整値504に「+」の値を設定した場合の画像データの移動方向を示す。「+」の値を設定すると、図5(B)の矢印に示すように、画像データは、副走査方向下方に調整される。
図5(B)の第1面調整値503を「+」の値にして、第1面305の画像開始位置を下方向に移動させる場合の調整動作について説明する。なお、用紙の先端が第1面画像読取部209を超えてから読み取りが開始されている場合、第1面305の画像開始位置を下方向に移動させる調整が必要となる。ここでは、第1面調整値503を+24ラインとした場合で説明する。例えば、上述したテスト読取により得られた画像データから、第1面305の画像開始位置を24ライン分下方向に移動する必要があると判定されたケースである。その場合には、第1面画像読取部209の読取位置を、第1面読取位置214から24ライン分、待機位置212側にずらした位置とする。即ち、読取開始時に、第1面画像読取部209は、待機位置212から、「第1面読取位置214+24ライン」に対応する位置に移動するよう制御される。つまり、調整前は用紙の先端が第1面画像読取部209を超えてから読み取りが開始されていたが、調整処理により用紙の先端が第1面画像読取部209に到着したタイミングで読み取りが開始される。そのため、第1面305の画像の開始位置がJPEG符号化の基準単位であるブロック領域304の境界に一致(整合)される。
図5(B)の第2面調整値504を「+」の値にして、第2面306の画像開始位置を下方向に移動させる場合の調整動作について詳細に説明する。なお、用紙の先端が第2面画像読取部210を超えてから読み取りが開始されている場合、第2面306の画像開始位置を下方向に移動させる調整が必要となる。ここでは、第2面調整値504を+24ラインとした場合で説明する。その場合には、第1面画像読取部209の読取位置を、第1面読取位置214から24ライン分、待機位置212と逆側にずらした位置とする。即ち、読取開始時に、第1面画像読取部209は、待機位置212から、「第1面読取位置214−24ライン」に対応する位置に移動するよう制御される。次に、原稿先端センサ208通過後の読取開始搬送量を24ライン分短く設定する。即ち、読取開始時に読取開始搬送量を、「原稿先端センサ208通過後搬送量−24ライン」に設定し、原稿の流し読みを開始するタイミングを24ライン分早くする。これにより、第1面読取位置214から24ライン分、待機位置212と逆側にずらした位置に配置された第1面画像読取部209上に用紙が到着したタイミングで第1面の画像の読み取りが開始される。
つまり、第2面画像読取部210は固定されているので、第1面305の画像開始位置との相対的な差を広げることを目的として、まず、第1面画像読取部209の位置を第2面画像読取部210から離れる方向に位置するよう制御する。しかしながら、第1面画像読取部209の位置をずらしただけで読み取り開始タイミングが変更されない場合、第1面画像読取部209の読取開始のタイミングが遅くなる。つまり、用紙の先端が第1面画像読取部209を24ライン分通過してから読み取りが始まることになる。その結果、画像データ301上での第1面305の画像データの上端から24ライン分の領域が読み取られないことになる。従って、第1面画像読取部209の読取開始のタイミングを早くすることにより(上記の「−24ライン」)、画像データ301上での第1面305の画像データが適切に読み取られるように制御する。以上のような動作により、第2面306の画像開始位置のみを画像データ301内で下方向に調整することができる。
図5(C)は、図5(A)の状態から、第1面調整値503と第2面調整値504に「−」の値を設定した場合の画像データの移動方向を示す。「−」の値を設定すると、図5(C)の矢印に示すように、画像データは、副走査方向上方に調整される。
図5(C)の第1面調整値503を「−」の値にして、第1面305の画像開始位置を上方向に移動させる場合の調整動作について説明する。なお、用紙の先端が第1面画像読取部209に到着する前に読み取りが開始されている場合、第1面305の画像開始位置を上方向に移動させる調整が必要となる。ここでは、第1面調整値503を−24ラインとした場合で説明する。例えば、上述したテスト読取により得られた画像データから、第1面305の画像開始位置を24ライン分上方向に移動する必要があると判定されたケースである。その場合には、第1面画像読取部209の読取位置を、第1面読取位置214から24ライン分、待機位置212と逆側にずらした位置とする。即ち、読取開始時に、第1面画像読取部209は、待機位置212から、「第1面読取位置214−24ライン」に対応する位置に移動するよう制御される。つまり、調整前は用紙の先端が第1面画像読取部209に到着する前に読取が開始されていたが、上記処理により用紙の先端が第1面画像読取部209に到着したタイミングで読み取りが開始される。そのため、第1面305の画像の開始位置がJPEG符号化の基準単位であるブロック領域304の境界に一致(整合)される。
図5(C)の第2面調整値504を「−」の値にして、第2面306の画像開始位置を上方向に移動させる場合の調整動作について説明する。なお、用紙の先端が第2面画像読取部210に到着する前に読み取りが開始されている場合、第2面306の画像開始位置を上方向に移動させる調整が必要となる。ここでは、第2面調整値504を−24ラインとした場合で説明する。第1面画像読取部209の読取位置を、第1面305の読取位置214から24ライン分、待機位置212側にずらした位置とする。即ち、読取開始時に、第1面画像読取部209は、待機位置212から、「第1面読取位置214+24ライン」に対応する位置に移動するよう制御される。次に、原稿先端センサ208の通過後の読取開始搬送量を24ライン分長く設定する。即ち、読取開始時に読取排紙搬送量を「原稿先端センサ208通過後搬送量+24ライン」に設定し、原稿の流し読みを開始するタイミングを24ライン分遅くする。これにより、第1面読取位置214から24ライン分、待機位置212にずらした位置に配置された第1面画像読取部209上に用紙が到着したタイミングから読み取りが開始される。
つまり、第2面画像読取部210は固定されているので、第1面305の画像開始位置との相対的な差を小さくすることを目的として、まず、第1面画像読取部209の位置を第2面画像読取部210に近づく方向に位置するよう制御する。しかしながら、第1面画像読取部209の位置をずらしただけで読み取り開始のタイミングが変更されない場合、第1面画像読取部209の読取開始のタイミングが早くなる。つまり、用紙が第1面画像読取部209に到達する24ライン手前のタイミングから読み取りが始まることになる。その結果、画像データ301上での第1面305の画像データの上端に24ライン分の空白領域が付加されてしまう。従って、第1面画像読取部209の読取開始のタイミングを遅くすることにより(上記の「+24ライン」)、画像データ301上での第1面305の画像データが適切に読み取られるように制御する。以上のような動作により、第2面306の画像開始位置のみを画像データ301内で上方向に調整することができる。
第1面調整値503と第2面調整値504の両方を設定して読取りを行う場合は、それぞれの調整値を加算することで調整動作を行う。例えば、第1面調整値503を−24ラインとして、第1面画像開始位置を上方向に24ライン移動させるとともに、第2面調整値504を+24ラインとして、第2面画像開始位置を下方向に24ライン移動させる場合について説明する。その場合、読取開始時に、第1面画像読取部209を待機位置212から、「(第1面読取位置214−24ライン)−24ライン」に対応する位置に移動するよう制御する。次に、読取開始搬送量を「原稿先端センサ208通過後搬送量−24ライン」に設定し、原稿の流し読みを開始するタイミングを24ライン分早くする。
[片面読取の場合の調整値による制御]
図6は、片面読取の場合の調整値による制御を説明する図である。自動原稿給送装置の概略断面図601は、搬送パス603を搬送する原稿の読取開始時の原稿先端位置604と第1面画像読取部605の位置を説明するための図である。第2面画像読取部606は、既に説明したように、固定された位置にある。座標608は、概略断面図601の座標であり、搬送パス上流側が座標軸0で、搬送パス下流側が+側である。
画像データ602は、原稿が読み取られた画像データであり、概略断面図601の状態で読取開始した場合に、出力される画像データである。また、画像データ602は、原稿領域(文字画像「A」の領域)を含む。座標607は、原稿領域の座標であり、調整値を0とした場合の位置が座標軸0であり、原稿下側が+側で、原稿上側が−側である。
図6(A)は、片面読取において、第1面調整値503が0の場合の制御を説明する図である。調整値0の場合、画像データ602において原稿領域は移動しない。図6(B)は、片面読取において、第1面調整値503が「+」の値の場合の制御を説明する図である。第1面調整値503を「+」にするとは、画像データ602における原稿領域を下方向に移動させることである。そのため、概略断面図に示すように、読取開始搬送量を第1面調整値503に応じて小さくすることで読取開始のタイミングを早くする。これは、図5(B)で説明した、第1面画像読取部209を待機位置212側にずらすことと等価である。
図6(C)は、片面読取において、第1面調整値503が「−」の値の場合の制御を説明する図である。第1面調整値503を「−」にするとは、画像データ602における原稿領域を上方向に移動させることである。そのため、概略断面図に示すように、読取開始搬送量を第1面調整値503に応じて大きくすることで読取開始のタイミングを遅くする。これは、図5(C)で説明した、第1面画像読取部209を待機位置212と逆側にずらすことと等価である。
即ち、図6(A)〜(C)に示すように、片面読取の場合の第1面調整値503による制御は、読取開始搬送量を「原稿先端センサ208通過後搬送量−第1面調整値503」とすることで行う。また、読取終了搬送量も同様に「原稿先端センサ208通過後搬送量−第1面調整値503」とする。
以上のように、片面読取の場合の画像位置調整を行うが、図7で後述する両面読取の場合の画像位置調整における第1面調整値503による制御動作により行うようにしても良い。
[両面読取の場合の調整値による制御]
図7は、両面読取の第1面調整値503の制御を説明する図である。図7の各部の説明は、図6と同じである。図7(A)は、両面読取の場合で第1面調整値503が0、第2面調整値504が0の場合の制御を説明する図である。第1面調整値503及び第2面調整値504が0の場合、画像データ602において原稿領域は移動しない。
図7(B)は、両面読取の場合で第1面調整値503が「+」の値、第2面調整値504が0の場合の制御を説明する図である。第1面調整値503を「+」にするとは、画像データ602における第1面305の原稿領域のみを下方向に移動させることである。そのため、概略断面図に示すように、第1面画像読取部605を+側に位置させることで、図6(B)に示す第1面305の原稿領域の読取開始タイミングを早くすることと等価な状態を実現する。
図7(C)は、両面読取の場合で第1面調整値503が「−」の値、第2面調整値504が0の場合の制御を説明する図である。第1面調整値503を「−」にするとは、画像データ602における第1面305の原稿領域のみを上方向に移動させることである。そのため、概略断面図に示すように、第1面画像読取部605を0側に位置させることで、図6(C)に示す第1面305の原稿領域の読取開始タイミングを遅くすることと等価な状態を実現する。
即ち、図7(A)〜(C)に示すように、両面読取の場合の第1面調整値503による制御は、第1面画像読取部605を「第1面読取位置214+第1面調整値503」の位置に配置することで行う。
図8は、両面読取の場合の第2面調整値504による制御を説明する図である。図の各部の説明は、図6と同じである。図8(A)は、両面読取の場合で第1面調整値503が0、第2面調整値504が0の場合の制御を説明する図である。第1面調整値503及び第2面調整値504が0の場合、画像データ602において原稿領域は移動しない。
図8(B)は、両面読取において第1面調整値503が0、第2面調整値504が「+」の値の場合の制御を説明する図である。第2面調整値504を「+」にするとは、画像データ602における第2面306の原稿領域のみを下方向に移動させることである。そのため、概略断面図に示すように、読取開始搬送量を第2面調整値504に応じて小さくすることで、第1面305と第2面306の読取開始のタイミングを早くする。しかしながら、その結果、調整対象外の第1面305の読取開始タイミングも早くなってしまう。つまり、用紙の先端が第1面画像読取部605に到着する前に読み取りが始まってしまう。従って、第1面画像読取部605を第2面調整値504に応じて0側(−方向)に位置させることで用紙の先端が第1面画像読取部605に到着したタイミングで第1面305の原稿領域の読み取りが始まるようにする。その結果、画像データ602において第1面305の原稿領域が移動しないようにする。
図8(C)は、両面読取において第1面調整値503が0、第2面調整値504が「−」の値の場合の制御を説明する図である。第2面調整値504を「−」にするとは、画像データ602における第2面306の原稿領域のみを上方向に移動させることである。そのため、概略断面図に示すように、読取開始搬送量を第2面調整値504に応じて大きくすることで、第1面305と第2面306の読取開始のタイミングを遅くする。しかしながら、その結果、調整対象外の第1面305の読取開始タイミングも遅くなってしまう。つまり、用紙の先端が第1面画像読取部605を超えてから読み取りが始まってしまう。従って、第1面画像読取部605を第2面調整値504に応じて+側に位置させることで用紙の先端が第1面画像読取部605に到着したタイミングで第1面305の原稿領域の読み取りが始まるようにする。その結果、画像データ602において第1面305の原稿領域が移動しないようにする。
即ち、図8(A)〜(C)に示すように、両面読取の場合の第2面調整値504による制御は、第1面画像読取部605の位置を「第1面読取位置214−第2面調整値504」とすることで行う。また、読取開始搬送量を「原稿先端センサ208通過後搬送量−第2面調整値504」とすることで行う。また、読取終了搬送量も同様に「原稿先端センサ208通過後搬送量−第2面調整値504」とする。
また、両面読取において第1面調整値503と第2面調整値504を同時に反映する場合は、図7と図8で説明した調整値による制御動作を合わせる。即ち、両面読取の場合の第1面調整値503と第2面調整値504による制御は、第1面画像読取部605の位置を「第1面読取位置214+第1面調整値503−第2面調整値504」とすることで行う。また、読取開始搬送量を「原稿先端センサ208通過後搬送量−第2面調整値504」とすることで行う。また、読取終了搬送量も同様に「原稿先端センサ208通過後搬送量−第2面調整値504」とする。
[読取制御処理]
図9は、本実施形態における読取制御処理を示すフローチャートである。なお、本願のフローチャートの各処理は、例えば、CPU11がROM12に記憶されたプログラムをRAM13に読み出して実行することにより実現される。S901において、CPU11は、読取方法が片面読取であるか、若しくは同時両面読取であるかを判定する。S901の判定は、例えば、操作部5に表示された設定画面上での読取設定内容に基づいて行われても良い。片面読取であると判定された場合にはS902に進み、同時両面読取であると判定された場合にはS905に進む。
S902からS904までの処理は、片面読取の場合で第1面調整値503による制御処理である。S902において、CPU11は、第1面画像読取部209を第1面画像読取位置214へ移動するよう制御する。図6に示すように、片面読取の場合の画像位置調整は、読取開始位置搬送量と読取終了位置搬送量の調整で行われ、第1面像読取位置214の調整は行われない。
S903において、CPU11は、片面読取の場合の読取開始搬送量を設定する。上述したように、片面読取の場合には、読取開始搬送量を「原稿先端センサ208通過後搬送量−第1面調整値503」に設定する。S904において、CPU11は、片面読取の場合の読取終了搬送量を設定する。片面読取の場合には、読取終了搬送量を「片面時原稿先端センサ208通過後搬送量−第1面調整値503」に設定する。
上記では、片面読取の画像位置調整を、読取開始位置搬送量と読取終了位置搬送量で調整する処理を説明したが、図7で説明したように、第1面画像読取部209の位置で調整するようにしても良い。
S905からS907までの処理は、同時両面読取の場合の第1面調整値503と第2面調整値504による制御処理である。S905において、CPU11は、第1面画像読取部209を「第1面画像読取位置214+第1面調整値503−第2面調整値504」へ移動するよう制御する。
S906において、CPU11は、同時両面読取の場合の読取開始搬送量を設定する。上述したように、同時両面読取の場合には、読取開始搬送量を「原稿先端センサ208通過後搬送量−第2面調整値504」に設定する。S907において、CPU11は、同時両面読取の場合の読取終了搬送量を設定する。同時両面読取の場合は、読取終了搬送量を「両面時原稿先端センサ208通過後搬送量−第2面調整値504」に設定する。
S904と907に示すように、片面読取時の場合の読取終了搬送量と同時両面読取時の読取終了搬送量とで異なるのは、第2面画像読取部210が第1面画像読取部209より搬送パスの下流に位置しているためである。つまり、同時両面読取時には片面読取時よりも第1面画像読取部209と第2面画像読取部210の間の距離だけ多く読み取る必要があるので、両面時原稿先端センサ208通過後搬送量は、片面時原稿先端センサ208通過後搬送量よりも、その距離分大きい。
S908において、CPU11は、読取動作を行うよう各部を制御する。読取動作の詳細は、図10で後述する。S908の処理後、図9の処理を終了する。
以上のような調整値による制御処理は、読取原稿毎に行っても良い。又は、予め決定した画像読取位置と読取開始搬送量と読取終了搬送量の値をRAM13等に記憶しておき、CPU11が読取動作時に値を読み出して上記の制御処理を行う構成としても良い。
図10は、S908の処理の手順を示すフローチャートである。S1001において、CPU11は、原稿が原稿先端センサ208を通過してから、原稿を、S903若しくはS906で設定された読取開始搬送量だけ搬送する。S1002において、CPU11は、原稿の読取処理を開始する。片面読取の場合、第1面305の読取開始時に行う処理であり、S1006の終了処理に対応する開始処理である。S1002では、CPU11は、画像読取制御部6と画像処理部9への設定を行い、第1面画像読取部7を制御して画像読取を行う。同時両面読取の場合、原稿の両面を1回の用紙搬送でほぼ同時に読み取るため第1面305と第2面306の読取開始時に行う処理であり、S1006の終了処理に対応する開始処理である。S1002では、CPU11は、画像読取制御部6と画像処理部9への設定を行い、第1面画像読取部7と第2面画像読取部8を制御して画像読取を行う。
S1003において、CPU11は、原稿を1ライン読み取るよう画像読取部を制御する。S1002〜S1006において、CPU11は、自動原稿給送装置から原稿を給紙しながら流し読みを行う。そのため、CPU11は、原稿を1ライン分の距離分搬送するごとにS1003を処理する。
S1004において、CPU11は、所定ライン数以上のライン数を読み取ったか否かを判定する。ここで、所定ライン数とは、例えば、読取機能に対して予め読取ライン数が定められている場合のライン数や、自動原稿給送装置が給紙可能な最大原稿サイズに対応するライン数である。S1004で所定ライン数以上のライン数を読み取ったと判定された場合にはS1006に進み、所定ライン数以上のライン数を読み取っていないと判定された場合にはS1005に進む。
S1005において、CPU11は、原稿の後端まで読み取ったか否かを判定する。S1005の判定は、原稿の後端が原稿先端センサ208を通過してから、読取終了搬送量だけ原稿を搬送したか否かに基づいて判定する。ここで、片面読取の場合の読取終了搬送量は、図9のS904で設定された「片面時原稿先端センサ208通過後搬送量−第1面調整値503」となる。同時両面読取の場合の読取終了搬送量は、図9のS907で設定した「両面時原稿先端センサ208通過後搬送量+第2面調整値504」となる。
S1005で原稿の後端まで読み取ったと判定された場合にはS1006に進む。一方、原稿の後端まで読み取っていないと判定された場合には、S1003からの処理を繰り返して読取を継続する。
S1006において、CPU11は、現在読取対象の原稿の読取動作を終了する。片面読取の場合、第1面305の読取終了時に行う処理であり、CPU11は、画像読取制御部6及び画像処理部9を終了する。同時両面読取の場合、第1面305と第2面306の読取終了時に行う処理であり、CPU11は、画像読取制御部6及び画像処理部9を終了する。
S1007において、CPU11は、後続する次の原稿の有無を判定する。次の原稿があると判定された場合には、S1001からの処理を繰り返して読取動作を継続する。一方、次の原稿がないと判定された場合には、図10の処理を終了する。
S1007の判定は例えば、S1006の処理まで読み取っていた原稿後端が原稿先端センサ208を通過後に原稿先端センサ208が原稿先端を検知したか、原稿センサ207により原稿積載台に原稿があると判定した場合に、次の原稿があると判定される。
以上のように、本実施形態においては、表面と裏面を一度の読取動作において読取可能な読取処理において、表面と裏面それぞれの画像データにおける原稿領域の副走査位置を調整することが可能となる。その結果、表裏一体の画像データから表面と裏面の原稿領域を復号化して再符号化する場合でも、符号化ブロックの境界のずれを低減することができる。
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。