JP6405130B2 - 熱電発電装置 - Google Patents
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以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る熱電発電装置1の分解斜視図であり、図2は、熱電発電装置1の断面図である。
図1、図2において、熱電発電装置1は、図中上側に配置された受熱用の受熱板10と、受熱板10よりも低温に維持される冷却板20と、受熱板10および冷却板20の間に介装される熱電発電モジュール30とを備え、平面視にて四角形とされている。このような熱電発電装置1は、例えば熱処理炉でのバーナー燃焼部分に配置される場合では、受熱板10がバーナーの火炎によって炙られ、この際の熱エネルギを電気に変換する。
冷却板20は、例えばアルミ製であり、内部に冷却水等の冷却液が流通する冷却回路20Aを有し、この冷却液によって全体が20〜40℃程度に冷却維持される。冷却回路20Aは、冷却板20の外部において、冷却液の供給管路20Bおよび戻し管路20Cに接続されている。
熱電発電モジュール30については、後述する。
図3は、熱電発電モジュール30および伝熱シート70の分解斜視図である。図4は、熱電発電装置1の要部を拡大して示す断面図である。
図3、図4において、熱電発電モジュール30は、それぞれ複数のN型の熱電素子32NおよびP型の熱電素子32Pと、これらの熱電素子32N,32Pの周囲を囲う鉄、銅、アルミ等の金属製で四角環状の外側封止枠33と、貫通孔31を貫通するボルト41の周囲を囲う鉄、銅、アルミ等の金属製で円環状の内側封止枠34と、熱電素子32N,32Pおよび封止枠33,34の受熱板10と対向する側および冷却板20と対向する側のそれぞれを、当該熱電素子32N,32Pおよび当該封止枠33,34に亘って連続して覆う上下の薄膜シート35とを有している。
図4において、受熱板10と熱電発電モジュール30との間の外側封止枠33に対応した部位には、空気層からなる第1断熱層61が形成されている。受熱板10と熱電発電モジュール30との間の内側封止枠34に対応した部位にも、空気層からなる第2断熱層62が形成されている。これらの第1、第2断熱層61,62が形成されていることにより、受熱板10で受けた熱が各封止枠33,34を介して冷却板20に伝わることがない。このため、受熱板10で受けた熱が確実に熱電素子32N,32Pを通過することとなり、熱電発電モジュール30での発電効率を向上させることができる。
図3、図4に示すように、受熱板10と熱電発電モジュール30との間には、第1断熱層61および第2断熱層62を避けるように伝熱層71が形成されている。伝熱層71は、カーボンシート製等の伝熱シート70によって形成されている。この伝熱層71にて第1、第2断熱層61,62分の隙間を埋めることにより、受熱板10で受けた熱を熱電素子32N,32Pに効果的に伝達させることが可能である。また、伝熱シート70は、受熱することで熱膨張する受熱板10と、貫通熱により熱膨張する熱電素子32N,32Pおよび各封止枠33,34との厚み方向(図中上下方向)の熱膨張差を吸収する役目をも有している。
次に、熱電発電装置1の製造手順を概略説明する。
先ず、既知の回路パターン成形法により受熱側電極35A、冷却側電極35B、および接合パターン35Cが形成された薄膜シート35に、熱電素子32N,32P、外側封止枠33、および内側封止枠34を半田付け等して接合し、熱電発電モジュール30を組み立てておく。そして、この熱電発電モジュール30の一方の面の薄膜シート35を冷却板20に接着し、他方の面側に伝熱シート70を配置し、さらに伝熱シート70上に受熱板10を配置し、これにより熱電発電モジュール30を受熱板10および冷却板20で挟み込む。この後、第1、第2締結手段40,50により、受熱板10、冷却板20、および熱電発電モジュール30を相互に締結する。その他、リード線等の処理については、説明を省略する。
以上に説明した本実施形態によれば、金属製の外側封止枠33および内側封止枠34を用いて熱電発電モジュール30を封止しているため、耐熱性能をより向上させることができ、熱電発電装置1が高熱に曝されても封止性能を良好に維持できる。また、受熱板10と熱電発電モジュール30との間には、外側封止枠33に対応した部位に第1断熱層61が形成され、内側封止枠34に対応した部位に第2断熱層62が形成されているので、受熱板10で受けた熱が各封止枠33,34に伝達されるのを抑制でき、この各封止枠33,34を通して冷却板20に伝達される熱量を大幅に軽減できて、発電効率を向上させることができる。
図5には、本発明の第2実施形態に係る熱電発電装置1の断面図が示されている。
図5において、受熱板10と熱電発電モジュール30との間の各封止枠33,34に対応した部位には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や多孔質ポリイミドなど、断熱性を有する任意の材質のシートによって第1、第2断熱層81,82が形成されている。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
このような本実施形態でも、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、各封止枠33,34の断面形状は単純な四角形であったが、四角形に限定されず、図6(A)〜(C)に外側封止枠33を代表して示すように、横向きの断面H形(A)、横向きの断面V形または横向きの断面U形(B)、断面Z形(C)、さらには図示を省略するが、横向きの断面M字形、横向きの断面W形、あるいはこれらに類似した断面形状を適用してもよい。これらの断面形状によれば、熱量が受熱側から冷却側へ貫通する際の経路断面が狭められたり、伝達経路がより長くなっていたりすることで、熱量を貫通し難くできる。
また、同様な効果を得るために、各封止枠の厚み寸法を十分に大きくしてもよい。この際、熱電素子の厚み寸法に対して各封止枠の厚み寸法が大きい場合には、受熱板や冷却板に段差を設けることで、熱電素子の接合部分の位置および各封止枠の接合部分の位置を異ならせ、熱電素子および各封止枠間の寸法差を吸収してもよい。
また、前記第1実施形態で説明した第1、第2締結手段40,50についても、その実施にあたって適宜な構成を採用でき、実施形態の構成に限定されない。
さらに、前記実施形態では、熱電素子32N,32Pおよび各封止枠33,34の冷却板20側も薄膜シート35で覆われていたが、冷却板側の薄膜シートは必要に応じて設けられればよく、熱電素子と冷却板との間で電気的な絶縁が維持されれば、そのような薄膜シートを省略してもよい。
前記実施形態では、第1締結手段40を用いることで、この第1締結手段40のボルト41周りを囲う内側封止枠35が併せて用いられ、第2断熱層62が形成さていたが、第2締結手段50のみが用いられるような場合には、そのような内側封止枠や第2断熱層も当然不要である。
Claims (5)
- 受熱する受熱板と、
前記受熱板よりも低温に維持される冷却板と、
前記受熱板および前記冷却板の間に介装される熱電発電モジュールと、
前記受熱板、前記冷却板、および前記熱電発電モジュールに亘って挿通されてこれらを互いに締結する締結手段とを備え、
前記熱電発電モジュールは、複数の熱電素子と、これらの熱電素子の周囲を囲う外側封止枠と、前記熱電素子および前記外側封止枠の少なくとも前記受熱板と対向する側を当該熱電素子および当該外側封止枠に亘って連続して覆う薄膜シートと、前記締結手段の周囲を囲う内側封止枠とを有し、
前記受熱板と前記熱電発電モジュールとの間の前記外側封止枠に対応した部位には第1断熱層が形成され、
前記受熱板と前記熱電発電モジュールとの間の前記内側封止枠に対応した部位には第2断熱層が形成されている
ことを特徴とする熱電発電装置。 - 請求項1に記載の熱電発電装置において、
前記受熱板と前記熱電発電モジュールとの間には、前記第1断熱層および前記第2断熱層を避けるように伝熱層が形成されている
ことを特徴とする熱電発電装置。 - 請求項1または請求項2に記載の熱電発電装置において、
前記熱電発電モジュールは、前記受熱板および前記冷却板によって押圧された状態で介装され、
前記締結手段は、前記熱電発電モジュールに前記受熱板および前記冷却板を介して押圧力を付与するコイルばねを備えている
ことを特徴とする熱電発電装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の熱電発電装置において、
前記外側封止枠および/または前記内側封止枠と前記薄膜シートとが互いに接合されている
ことを特徴とする熱電発電装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の熱電発電装置において、
前記薄膜シートは、ポリイミド薄膜と、当該ポリイミド薄膜の一方の面の全体を覆う銅薄膜とを有して形成されているとともに、前記銅薄膜側を前記受熱板側および前記冷却板側に向くように、前記熱電素子および前記外側封止枠に対して前記受熱板と対向する側と前記冷却板と対向する側との両方に設けられている
ことを特徴とする熱電発電装置。
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