JP6404575B2 - 遺伝子改変クロストリジウム・サッカロパーブチルアセトニカム - Google Patents

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Description

本発明は、遺伝子改変クロストリジウム・サッカロパーブチルアセトニカム種微生物、および該微生物を用いてブタノールを製造する方法に関する。
微生物によるブタノール発酵では、ブタノールに加えて、アセトン、エタノールなどの溶媒の他、酪酸、酢酸および乳酸といった有機酸が副生する。これらの副生物はブタノール収率低下の要因となるほか、ブタノールを回収するプロセスを構築する上でも障害となる。
ブタノール発酵において、副生物(アセトン、エタノール、有機酸など)を減らすことは、ブタノールの対グルコース収率を向上させ、分離精製工程を容易にするという意味で非常に有用である。そこで、以前から副生物を減らすための検討が行われてきた。その方法としては、副生物の合成遺伝子の破壊またはブタノール合成遺伝子の強化がよく採用され、相同組換えや突然変異を用いた手法で実施された。例えば、非特許文献1では、相同組換えを用いてbuk(酪酸キナーゼ)およびpta(ホスホトランスアセチラーゼ)の破壊を行っている。しかし、この手法では酪酸生成経路を破壊した際には酢酸が、酢酸生成経路を破壊した際には酪酸が顕著に増大した。また、aad(アルコール/アルデヒドデヒドロゲナーゼ)をクローニング後過剰発現させた例もあり(非特許文献2)、溶媒の生成量が高く示された例もある。また、遺伝子の抑制と導入を同時に行う例もあり、非特許文献3ではctfB(CoAトランスフェラーゼのBサブユニット)を抑制しながらthl(アセチルCoA二量化酵素)とaadを発現させており、これによりエタノールが約13g/L程度まで増大している。
アセトン生成をなくしてエタノール、ブタノールを生成した例として非特許文献4ではadc(アセトアセテートデカルボキシラーゼ)またはctfAB(CoAトランスフェラーゼ)と、ptaの同時破壊を行っている。このときは酪酸が著量蓄積し、ブタノールの生成量は大幅に減少している。特許文献1では、クロストリジウム・アセトブチリカムにおいてbukまたはptb(ホスホトランスブチリラーゼ)の遺伝子破壊を実施し、酪酸生成経路を破壊した株に対し、さらにアセトン、乳酸、酢酸、ヒドロゲナーゼの調整を実施したと記載されているが、具体的な数値は示されていない。非特許文献5では、クロストリジウム・アセトブチリカムにおいて、ptbとptaの破壊およびbukとptaの破壊を実施しているが、酪酸および酢酸を含め副生物の低減効果は十分とはいえず、ブタノールの収率向上が達成されていない。
したがって、酪酸、酢酸、エタノールといった副生物の生成を抑制しながらブタノールを高効率で生産できる微生物開発が求められている。
WO2008-052596
Green et al., Microbiology., 142:2079, 1996 Nair et al., J. Bacteriol., 176:871, 1994 Sillers et al., Biotechnol Bioeng., 102:38, 2009 Lehmann et al., Appl Microbiol Biotechnol., 94:743, 2012 Jang et al., mbio 2012., 23:00314, 2012
本発明は、ブタノール発酵において、ブタノール以外の副生物の生成を抑制し、ブタノールの収率を向上させることを目的とする。
本発明者らは、クロストリジウム・サッカロパーブチルアセトニカム種微生物において、ブチリルCoAから酪酸が生成する経路を破壊することにより、当該微生物を用いたブタノール発酵において、酪酸だけでなく、その他の副生物の生成を抑制し、ブタノール収率を向上させることに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下を包含する。
(1)ブチリルCoAから酪酸が生成する経路に関与する酪酸生成酵素遺伝子の機能を欠損させたクロストリジウム・サッカロパーブチルアセトニカム種微生物。
(2)酪酸生成酵素遺伝子として、ptbおよび/またはbukの機能を欠損させた、(1)記載の微生物。
(3)さらに、アセチルCoAから酢酸が生成する経路に関与する酢酸生成酵素遺伝子の機能を欠損させた、(1)または(2)記載の微生物。
(4)酢酸生成酵素遺伝子として、ptaおよび/またはackの機能を欠損させた、(3)記載の微生物。
(5)さらに、アセトアセチルCoAからアセトンが生成する経路に関与するアセトン生成酵素遺伝子の機能を欠損させた、(1)〜(4)のいずれかに記載の微生物。
(6)アセトン生成酵素遺伝子として、adcおよび/またはctfABの機能を欠損させた、(5)記載の微生物。
(7)さらに、ピルビン酸から乳酸が生成する経路に関与する乳酸生成酵素遺伝子の機能を欠損させた、(1)〜(6)のいずれかに記載の微生物。
(8)乳酸生成酵素遺伝子として、ldh1の機能を欠損させた、(7)記載の微生物。
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載の微生物を、炭素源を含む培地中で培養する工程を含む、ブタノールの製造方法。
(10)培養液からブタノールを回収する工程を含む、(9)記載の方法。
本発明により、ブタノール発酵におけるブタノール収率が向上し、発酵液からのブタノールの分離精製が簡易になり、経済的に有利なブタノール生産が可能となる。
ブタノール発酵の代謝経路を、中間体化合物、および関与する酵素遺伝子とともに示す。 pNS78プラスミドのプラスミドマップを示す。 pNS47プラスミドのプラスミドマップを示す。 pNS44プラスミドのプラスミドマップを示す。 pNS80プラスミドのプラスミドマップを示す。 pKNT19−FLPプラスミドのプラスミドマップを示す。
本発明の微生物は、クロストリジウム・サッカロパーブチルアセトニカム(C.サッカロパーブチルアセトニカム)において、酪酸生成酵素遺伝子の機能を欠損させることにより得られる。C.サッカロパーブチルアセトニカムは、ブタノール生成能を有するものであり、その株は特に制限されないが、具体例として、例えば、ATCC27021株、ATCC13564株などが挙げられる。
一般的にクロストリジウム属微生物は、プラスミドの導入が困難であるが、C.サッカロパーブチルアセトニカムはプラスミドの導入を比較的容易に行うことができる。また、C.アセトブチリカムATCC824株などでは、プラスミドがDNAエンドヌクレアーゼによって切断されるためにそのまま導入することができず、メチル化処理をする必要があるが、C.サッカロパーブチルアセトニカムではその必要がない。
酪酸生成酵素遺伝子は、ブチリルCoAから酪酸が生成する経路に関与する酵素をコードする遺伝子である。酪酸生成酵素遺伝子には、ptb(ホスホトランスブチリラーゼをコードする遺伝子)およびbuk(酪酸キナーゼをコードする遺伝子)が含まれる。ホスホトランスブチリラーゼは、ブチリルCoAからブチリルリン酸を形成する反応を触媒する酵素である。酪酸キナーゼは、ブチリルリン酸を酪酸に転化する反応を触媒する酵素である。酪酸生成酵素遺伝子の機能を欠損させることには、これらの遺伝子のうち単独の遺伝子の機能を欠損させること、および複数の遺伝子の機能を欠損させることが包含され、酵素サブユニットをコードする遺伝子の1つまたは複数の機能を欠損させることも包含される。
酪酸の生成系路を破壊した例としては非特許文献1、特許文献1、非特許文献5があるが非特許文献1では酪酸生成経路の破壊によって酢酸が大量に生成しブタノールの収率向上は見られていない。特許文献1では破壊した株の記載はあるが培養結果については記載がない。また、非特許文献5では酢酸と酪酸の生成経路の両方を破壊した結果が記載されているが、外部からアルコールデヒドロゲナーゼの発現を行わない限りブタノールの収率向上が見られていない。上記の検討は全てC.アセトブチリカムで行われたものである。
一方、本願においては使用する菌株としてC.サッカロパーブチルアセトニカムを用いているが、この株で意外なことに酪酸生成経路を破壊した場合にはC.アセトブチリカムで見られたような酢酸が増加する現象は見られず、菌の生育も良好であり、ブタノール収率も向上した。
このように、酪酸生成経路の破壊の効果はC.アセトブチリカムではブタノール生産に顕著な効果がないのに対して、C.サッカロパーブチルアセトニカムでは副生物の低減とブタノール収率向上の効果があることを見出した。また、さらに酪酸生成経路を破壊した株の酢酸生成経路を破壊することによって、酢酸、酪酸の生成の大幅な低減ができ、ブタノール収率が大幅に向上することを見出した。
本発明の微生物においては、さらに、酢酸生成酵素遺伝子の機能を欠損させることが好ましい。それにより、ブタノール発酵におけるブタノール収率をさらに向上させることができる。
酢酸生成酵素遺伝子は、アセチルCoAから酢酸が生成する経路に関与する酵素をコードする遺伝子である。酢酸生成酵素遺伝子には、pta(ホスホトランスアセチラーゼをコードする遺伝子)およびack(酢酸キナーゼをコードする遺伝子)が含まれる。ホスホトランスアセチラーゼは、アセチルCoAからアセチルリン酸を形成する反応を触媒する酵素である。酢酸キナーゼは、アセチルリン酸を酢酸に転化する反応を触媒する酵素である。酢酸生成酵素遺伝子の機能を欠損させることには、これらの遺伝子のうち単独の遺伝子の機能を欠損させること、および複数の遺伝子の機能を欠損させることが包含され、酵素サブユニットをコードする遺伝子の1つまたは複数の機能を欠損させることも包含される。
本発明の微生物においては、さらに、アセトン生成酵素遺伝子の機能を欠損させてもよい。アセトン生成酵素遺伝子を欠損させることにより、アセトンが副生せず、分離精製工程がより容易になる。また、還元力供給培養と組み合わせることにより、さらなる収率向上が期待できる。
アセトン生成酵素遺伝子は、アセトアセチルCoAからアセトンが生成する経路に関与する酵素をコードする遺伝子である。アセトン生成酵素遺伝子には、ctfA(CoAトランスフェラーゼのAサブユニットをコードする遺伝子)、ctfB(CoAトランスフェラーゼのBサブユニットをコードする遺伝子)およびadc(アセトアセテートデカルボキシラ−ゼをコードする遺伝子)が含まれる。CoAトランスフェラーゼは、AサブユニットとBサブユニットを含み、アセトアセチルCoAをアセトアセテートに転化する反応を触媒する酵素である。ctfABと表記されている場合には、CoAトランスフェラーゼのAサブユニットをコードする遺伝子とBサブユニットをコードする遺伝子の両方を指す。アセトアセテートデカルボキシラ−ゼは、アセトアセテートを脱炭酸してアセトンを生成する反応を触媒する酵素である。アセトン生成酵素遺伝子の機能を欠損させることには、これらの遺伝子のうち単独の遺伝子の機能を欠損させること、および複数の遺伝子の機能を欠損させることが包含され、酵素サブユニットをコードする遺伝子の1つまたは複数の機能を欠損させることも包含される。
本発明の微生物においては、さらに、乳酸生成酵素遺伝子の機能を欠損させてもよい。乳酸生成酵素遺伝子を欠損させることにより、乳酸が副生せず、分離精製工程がより容易になる。また、還元力をよりブタノール生成に利用できるようになるため、さらなる収率向上が期待できる。
乳酸生成酵素遺伝子は、ピルビン酸から乳酸が生成する経路に関与する酵素をコードする遺伝子である。乳酸生成酵素遺伝子には、乳酸デヒドロゲナーゼが包含される。乳酸デヒドロゲナーゼは乳酸とピルビン酸との相互変換を触媒する酵素である。その際、NADHとNADの相互変換も同時に生じる。乳酸デヒドロゲナーゼには4種の異なる種が存在する。2種はシトクロムc依存型で、それぞれD−乳酸(D−乳酸デヒドロゲナーゼ:EC1.1.2.4)または、L−乳酸(L−乳酸デヒドロゲナーゼ:EC1.1.2.3)に作用する。残りの2種はNAD(P)−依存型酵素で、それぞれD−乳酸(D−乳酸デヒドロゲナーゼ:EC1.1.1.28)、または、L−乳酸(L−乳酸デヒドロゲナーゼ:EC1.1.1.27)に作用する。乳酸デヒドロゲナーゼの具体例として、ldh1、ldh2、lldDおよびldh3が挙げられ、特にldh1の機能を欠損させることが好ましい。乳酸生成酵素遺伝子の機能を欠損させることには、これらの遺伝子のうち単独の遺伝子の機能を欠損させること、および複数の遺伝子の機能を欠損させることが包含される。
本発明において遺伝子には、DNAおよびRNAが包含され、DNAには一本鎖DNAおよび二本鎖DNAが包含される。
酵素遺伝子の機能を欠損させることには、酵素遺伝子の一部または全部を改変(例えば、置換、欠失、付加および/または挿入)または破壊することによって、該遺伝子の発現産物が当該酵素としての機能を有しないようにすること、ならびに酵素タンパク質が発現しないようにすることが包含される。例えば、酵素遺伝子のゲノムDNAの一部に欠失、置換、付加または挿入を生じさせることによって、該酵素遺伝子の機能を全くまたは実質的に不全とするかまたは欠損させることができる。酵素遺伝子のプロモーターの一部または全部を改変(例えば、置換、欠失、付加および/または挿入)または破壊することによって、酵素タンパク質が発現しないようにすることも包含される。ここで、遺伝子が破壊されているとは、その遺伝子配列の一部またはすべてが欠失するか、遺伝子配列中に別のDNA配列が挿入されているか、または遺伝子配列中の一部配列が他の配列と置換されることにより、該酵素遺伝子の機能を全くまたは実質的に不全とした状態のことをさす。
本発明において、各酵素遺伝子の機能を欠損させたクロストリジウム・サッカロパーブチルアセトニカムの形質転換体は、そのゲノム上の各酵素遺伝子が機能不全にされたノックアウト微生物である。このような形質転換体は、一般に、公知の標的遺伝子組換え法(ジーンターゲティング法:例えばMethods in Enzymology 225:803-890, 1993)を使用することにより、例えば相同組換えにより作製することができる。相同組換えによる方法は、ゲノム上の配列と相同な配列に目的のDNAを挿入し、このDNA断片を細胞内に導入して相同組換えを起こさせることにより実施できる。ゲノムへの導入の際には目的のDNAと薬剤耐性遺伝子を連結したDNA断片を用いると容易に相同組換えが起こった株を選抜することができる。また、薬剤耐性遺伝子と特定の条件下で致死的になる遺伝子を連結したDNA断片をゲノム上に相同組換えによって挿入し、その後、薬剤耐性遺伝子と特定の条件下で致死的になる遺伝子を置き換える形で導入することもできる。また、乳酸菌で発見されたグループIIイントロンを用いた手法(Guo et. al., Science 21;289 (5478):452-7 (2000))や、TALENテクノロジーやCRISPRテクノロジーといったゲノム加工の方法も使用できる。
グループIIイントロンは、乳酸菌のLtrAというタンパク質と複合体を形成し、ゲノム中の特定の領域に挿入される機能を持つイントロンである。このイントロンのターゲッティング領域と呼ばれる個所を適切に変更することにより、微生物ゲノム中の狙った場所にDNA配列を挿入することができる。DNAが挿入された場所が遺伝子の内部であった場合、その遺伝子の機能はほとんどの場合消失するため、遺伝子破壊の手法として利用することができる。この際、グループIIイントロン内部に適切な薬剤耐性遺伝子を挿入し、さらにその薬剤耐性遺伝子の内部にtdイントロンと呼ばれる自己離脱性(セルフ-スプライシング)DNA領域を挿入することにより、ベクターの状態では薬剤耐性遺伝子が発現できないが、グループIIイントロンとなりtdイントロンが自己離脱した状態でDNA配列が挿入されると、薬剤耐性遺伝子が機能を持つ状態となる。この手法で得た遺伝子破壊株は、ゲノム中に挿入された薬剤耐性遺伝子によって獲得される薬剤耐性をマーカーとすることにより容易に選抜することができる。
ターゲッティング配列と呼ばれる個所に関しては、Perutkaらによって大腸菌を用いた解析が行われており(Perutka et al., J. Mol. Biol. 13;336(2):421-39(2004))、どの個所をどう改変すれば目的とするDNA配列に挿入されるのか予測することが可能となっている。この参考文献をもとにすれば、たとえばエクセルのマクロのプログラミングを行い、このマクロに対して破壊対象とする遺伝子の塩基配列を入力することによって、対象とする遺伝子へのDNA挿入部位とターゲッティング配列の改変方法を出力させることができる。
一般的に遺伝子破壊株の選抜のために薬剤耐性遺伝子を用いる場合、複数遺伝子の破壊には別の薬剤耐性遺伝子を用いる必要がある。しかし、FLP−FRT法(Schweizer HP, J. Mol. Microbiol. Biotechnol. 5(2):67-77(2003))やCre−loxP法(Hoess et al. Nucleic Acids Res. 11;14(5):2287-300(1986))などを用いて薬剤耐性遺伝子を切り出すことにより、薬剤耐性をなくすことができる。FLP、CreはそれぞれFRT、loxPという25塩基前後の短いDNAを認識し、FRTまたはloxPに挟まれた領域を切り出すはたらきを持つ。すなわち、遺伝子破壊用ベクターの薬剤耐性遺伝子の側部にFRT配列またはloxP配列を配して遺伝子破壊を行い、その後薬剤耐性となった遺伝子破壊株に対してFLPまたはCre遺伝子をクローニングした別のベクターを導入して作用させることにより、薬剤感受性の遺伝子破壊株が取得できる。その後、同様の手法で再度遺伝子破壊を実施することができる。
酪酸生成酵素遺伝子、酢酸生成酵素遺伝子、アセトン生成酵素遺伝子および乳酸生成酵素遺伝子をコードするDNAの各配列として、GenBankに登録されている公知の配列を利用してもよい。なお、C.サッカロパーブチルアセトニカムATCC13564株のctfA、ctfB、およびadcの塩基配列は、アクセッション番号AY251646に登録されている。今回用いた、ATCC27021株のptbの塩基配列を配列番号1に、ptaの塩基配列を配列番号2に、ctfBの塩基配列を配列番号3に、ldh1の塩基配列を配列番号8に示す。
上記の塩基配列でコードされる酵素遺伝子と機能的に同等の遺伝子もまた、各酵素遺伝子に包含される。ある塩基配列からなる酵素遺伝子と機能的に同等の遺伝子としては、当該塩基配列と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上相同な(または同一の)塩基配列からなり、同じ酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子が挙げられる。例えば、配列番号1からなるptbと機能的に同等の遺伝子としては、配列番号1と70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上相同な塩基配列からなり、ホスホトランスブチリラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子が挙げられる。また、当業者であれば既知の遺伝子に関してGenBankで得られた参照番号を用い、他の微生物において等価な遺伝子を決定することもできる。
公知の配列に基づいてプローブ(例えば約30〜150塩基)を作製し、放射性または蛍光ラベルで標識し、各酵素遺伝子のゲノムDNAを検出または単離するために使用することができる。微生物細胞から定法に従いゲノムDNAを取り出したのち、制限酵素で切断後、サザンハイブリダイゼーション、in situハイブリダイゼーションなどのハイブリダイゼーション法によって上記プローブを用いて、目的の酵素遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)を探索することができる。必要に応じて制限酵素地図を作成し、相同組換えを行うための任意のターゲット部位を決定し、ターゲティングベクターを設計する。
組換えDNAを挿入してターゲティングベクターを作製するためのベクターは、クロストリジウム属微生物で複製可能なベクターであれば特に限定されない。大腸菌とクロストリジウム属微生物のシャトルベクターであれば都合がよくpIM13由来のpKNT19(Journal of General Microbiology, 138, 1371-1378 (1992))などのシャトルベクターが特に好ましい。
形質転換により遺伝子の破壊された株を取得するためのベクターは、必要な配列を、微生物ゲノムDNAを鋳型にしてクローニングすることにより取得するか、または合成し、必要であればそれらを適切に連結することによって取得できる。微生物ゲノムDNAから所望の遺伝子またはプロモーターをクローニングにより取得する方法は、分子生物学の分野において周知である。例えば遺伝子の配列が既知の場合、制限エンドヌクレアーゼ消化により適したゲノムライブラリを作り、所望の遺伝子配列に相補的なプローブを用いてスクリーニングすることができる。配列が単離されたら、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許第4,683,202号)のような標準的増幅法を用いてDNAを増幅し、形質転換に適した量のDNAを得ることができる。なお、クローニングに用いるゲノムDNAライブラリの作製、ハイブリダイゼーション、PCR、プラスミドDNAの調製、DNAの切断および連結、形質転換等の方法は、Sambrook, J., Fritsch,E.F., Maniatis,T., Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1.21(1989)に記載されている。DNA配列については、直接合成することも可能であるし、または、PCR等で取得したDNA配列を、制限酵素処理を行ってライゲーションを行うか、もしくはDNA配列の両端に相補的なプローブ(プライマー)に15bp分の別のDNA配列の相同領域を付加したものを用いてPCR反応を実施して増幅し、インフュージョン反応(米国特許第7,575,860号)を行うことにより、連結してより長鎖のDNA配列を取得することもできる。
ターゲティングベクターの微生物への導入は、公知の方法で実施できる。導入方法は、特に制限されないが、例えば、ミクロセル法、リン酸カルシウム法、リポソーム法、プロトプラスト法、DEAE−デキストラン法、エレクトロポレーション法等を挙げることができ、エレクトロポレーション法が好ましく用いられる。
得られた形質転換体をブタノール生産用の培地で培養しブタノール発酵を行うことによりブタノールを製造する。培養に用いる培地および培養条件は、ブタノール発酵の分野で公知のものを使用できる。培養培地は、通常、炭素源、窒素源および無機イオンを含む。
炭素源としては、好ましくは糖類、例えば、単糖類、オリゴ糖類、多糖類を用いる。好ましくは単糖類、特にグルコースを用いる。グルコースとともに、ラクトース、ガラクトース、フラクトースもしくはでんぷんの加水分解物などのその他糖類、ソルビトールなどのアルコール類、またはフマル酸、クエン酸もしくはコハク酸等の有機酸類を、併用してもよい。
窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機アンモニウム塩、大豆加水分解物などの有機窒素、アンモニアガス、アンモニア水等を用いることができる。
無機イオンとしては、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、鉄イオン、マンガンイオン等が添加される。有機微量栄養素としては、チアミン、p−アミノ安息香酸、ビタミンB1、ビオチンなどの要求物質または酵母エキス等を必要に応じ適量含有させることが望ましい。
本発明においては、好ましくは還元力を上昇させた条件で形質転換体の培養を実施することにより、アセトン、エタノール、酢酸、酪酸および乳酸といった副生物の生成を抑制しながらブタノールを高効率で生産することができる。ブタノールの絶対生成量も増大させることができる。還元力を上昇させた条件での培養とは、培養中に生じる酵素反応が、還元力が上昇した条件で行われることをさす。還元力の上昇は、例えば、NADHを添加することにより、水素を導入することにより、または培養槽内の水素分圧を上昇させることにより実施できる。培養槽内の水素分圧を上昇させることにより、培養液が接する気相における水素分圧が上昇し、培養液に接する気相中の水素は、ヒドロゲナーゼによって即座に取り込まれると考えられる。
培養槽内の水素分圧は、例えば、密閉状態で培養することにより、上昇させることができる。密閉状態とすることにより、微生物から排出される水素の外部放出を制限することができ、結果として培養槽内の水素分圧を上昇させることができる。また、外部から水素を導入してもよい。例えば、培養液に水素をバブリングすることにより水素を導入してもよいし、培養槽の気相部に水素を導入してもよいし、培養液に接するように水素を導入してもよい。具体的には、培養槽内の水素分圧を20〜40℃の範囲で、好ましくは0.06atm以上、より好ましく0.08atm以上、さらに好ましくは0.10atm以上、さらにより好ましくは0.12atm以上、最も好ましくは0.15atm以上で、好ましくは10atm以下とする。
水素分圧の測定は、公知の方法で実施でき、特に制限されないが、例えば、発生した気体をアルミニウムバッグに捕集し、バッグ内の気体の水素濃度をガスクロマトグラフィーで検出し、濃度と体積を掛け合わせることで発生した水素の量を定量し、発生した水素の量と培養槽中の気相部の体積から、水素分圧を算出できる。
本発明においては、pHを調整して培養を実施することにより、さらに、副生物に対するブタノールの生成量を向上させることができる。培地のpHは、好ましくは4.6以上、4.7以上、4.8以上、4.9以上、5以上または5.5以上であり、好ましくは8以下、7.5以下、7.0以下、6.9以下、6.8以下、6.7以下、6.6以下または6.5以下になるよう、必要であれば制御する。pH調整には、無機または有機の酸性またはアルカリ性物質、例えば、炭酸カルシウム、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸カリウムなどを使用できる。pH調整には、上記のようなアルカリ性物質等を加えなくても、培地が目的のpHに保たれている場合も包含される。例えば、窒素源として硫酸アンモニウムを用いている場合、それを緩衝能の高い酢酸アンモニウムに代替すれば、pHの低下が抑えられ、生育が改善される場合がある。
その他の培養条件は、特に制限されず、当技術分野で慣用の条件を採用することができる。例えば、バッチ培養を行う場合、培養時間は通常5〜100時間、好ましくは12〜48時間である。連続培養または流加培養を行う場合には、培養時間は通常200時間以上、好ましくは500時間以上、より好ましくは1000時間以上である。培養温度は通常20〜55℃、好ましくは25〜40℃、例えば約30℃に調整する。
本発明の製造方法において、副生物に対するブタノールの生成比は、生成したブタノールのモル数を、生成したアセトン、エタノール、酢酸および酪酸の合計モル数で割った数値として、好ましくは2.5以上、3.0以上、4.0以上または5.0以上である。また、副生物に対するブタノールの生成比は、生成したブタノールのモル数を、生成したアセトン、エタノール、酢酸、酪酸および乳酸の合計モル数で割った数値とすると、好ましくは2.5以上、3.0以上、4.0以上または5.0以上である。
培養中または培養終了後の培養液からの発酵生成物、すなわちブタノールの回収には、特別な方法は必要ではなく、公知の方法でブタノールを回収できる。当技術分野で周知のイオン交換樹脂法、蒸留、ガスストリッピング、溶媒抽出その他の方法を組み合わせることにより、培養中または培養終了後に実施できる。好ましくは培養中に、ブタノールをガスストリッピングまたは溶媒抽出により回収し、さらに蒸留により精製する。本発明の方法では、副生物の生成量に対するブタノールの生成量が多いことから、ブタノールの収率が高く、またブタノールの分離精製工程を簡略化することができるため、コストの観点からも有利である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
実施例1 形質転換微生物の作製
Perutka et al., J. Mol. Biol. 13;336(2):421-39(2004)をもとにして、標的とする遺伝子の塩基配列を入力することにより、その遺伝子へのグループIIイントロンの挿入箇所とターゲッティング配列の改変方法が出力されるようなエクセルマクロのプログラミングを行った。次に、実際に遺伝子破壊を実施するptb遺伝子、pta遺伝子、ctfB遺伝子、ldh1遺伝子の塩基配列をこれに入力し、ターゲッティング配列の改変箇所を出力させた。ptb遺伝子の塩基配列を配列番号1に、pta遺伝子の塩基配列を配列番号2に、ctfB遺伝子の塩基配列を配列番号3に、ldh1遺伝子の塩基配列を配列番号8に示す。
この情報をもとに、ptb遺伝子、pta遺伝子、ctfB遺伝子、およびldh1遺伝子の破壊ベクターであるpNS78プラスミド、pNS47プラスミド、pNS44プラスミド、およびpNS80プラスミドを設計した。構築には、DNA合成を利用した。これらプラスミドの塩基配列をそれぞれ配列番号4、5、6および9に示し、プラスミドマップを図2、3、4および5に示す。また、FLPリコンビナーゼを含むpKNT19−FLPプラスミドを設計し、同様にDNA合成により構築した。その塩基配列を配列番号7に、プラスミドマップを図6に示す。
作製したpNS78をC.サッカロパーブチルアセトニカムATCC27021株に形質転換した。具体的には、まず前培養として、C.サッカロパーブチルアセトニカムのグリセロールストック0.5mLをTYA培地5mLに接種し、30℃、24時間培養した。この前培養液をTYA培地10mLにOD=0.1となるよう接種、15mL容ファルコンチューブで37℃にてインキュベートした。OD=0.6となった段階で発酵液を遠心分離して上清を除去し、氷冷しておいた65mM MOPSバッファー(pH6.5)10mLを加えピペッティングにより再懸濁し、遠心分離を行った。MOPSバッファーによる洗浄は2回繰り返した。遠心分離によりMOPSバッファーを除去した後、氷冷しておいた0.3Mスクロース100μLで菌体ペレットを再懸濁し、コンピテントセルとした。コンピテントセル50μLをエッペンドルフチューブに取り、プラスミド1μgと混合した。氷冷したエレクトロポレーション用セルに入れ、Exponential dcayモード、2.5kV/cm、25uF、350Ωで印加した。用いたエレクトロポレーション装置はGene pulser xcell(Bio−rad)である。その後5mL TYA培地に全量を接種し、30℃で2時間程度回復培養した。その後、回復培養液を、クロラムフェニコール10ppmを含有するMASS固体培地に塗布し、30℃で数日間培養を行って出現したコロニーからの選抜を行い、プラスミドが導入されクロラムフェニコール耐性となった株を取得した。さらにpNS78保持株を複数回継代培養した後、エリスロマイシン200ppmを含有するMASS固体培地に植菌することにより、グループIIイントロンが機能し、標的遺伝子中にDNA配列が挿入され、酪酸生成酵素遺伝子ptbが破壊され、エリスロマイシン耐性を取得した株であるC.サッカロパーブチルアセトニカムΔptb株を取得した。
この株は、このままではエリスロマイシン耐性を保持しており、複数遺伝子の破壊が行えないため、エリスロマイシン耐性遺伝子をpKNT19−FLPプラスミド中のFLPリコンビナーゼにより除去した。まず、C.サッカロパーブチルアセトニカムΔptbの継代培養を繰り返し、pNS78を自然に欠落した株を取得した。その株に対し、先ほどと同様にエレクトロポレーション法によりpKNT19−FLPプラスミドを導入し、クロラムフェニコール耐性で選抜した。pKNT19−FLPプラスミド導入株の継代培養を繰り返し、FLPの作用によりエリスロマイシン耐性遺伝子が除去され、エリスロマイシン感受性となった株をレプリカプレート法により選抜した。これを継代培養することによりpKNT19−FLPプラスミド自身をも欠損したC.サッカロパーブチルアセトニカムΔptb(エリスロマイシン耐性なし)を取得した。このエリスロマイシン耐性のないC.サッカロパーブチルアセトニカムΔptbに対し、上述と同様の手法を繰り返してpNS47およびpNS44を導入することにより、pta遺伝子、およびctfB遺伝子の破壊も行ったC.サッカロパーブチルアセトニカムΔptaΔptb株およびC.サッカロパーブチルアセトニカムΔctfBΔptaΔptb株の取得に成功した。さらにC.サッカロパーブチルアセトニカムΔptbに対し、上述と同様の手法を繰り返してpNS47およびpNS80を導入することにより、pta遺伝子、およびldh1遺伝子の破壊も行ったC.サッカロパーブチルアセトニカムΔptaΔptbΔldh1株の取得に成功した。上記で用いた培地およびバッファーの組成を以下に示す。
Figure 0006404575
Figure 0006404575
Figure 0006404575
実施例2 Δptbのブタノール発酵
実施例1で作製したC.サッカロパーブチルアセトニカムの形質転換微生物(Δptb株)を培養しその性能の評価を行った。形質転換微生物のグリセロールストックを500μl分、TYA培地に植菌し、試験管内で30℃にて培養を24時間行った。取得した前培養液を、新たなTYS培地5mlに50μl分植菌し、試験管内で30℃にて培養を行った。培養は、24時間程度行った。培養は開放条件で実施した。
培養終了後、培養液を取得し、液体クロマトグラフィーを用いてブタノールおよび他のアルコール、ケトン、有機酸類の定量分析を実施した。カラムにはAminex HPX−87H Column(Bio−Rad)を使用した。結果を表4に示す。表中、「B/(A+E+酢+酪)」は、ブタノール(mM)を、アセトン(mM)とエタノール(mM)と酢酸(mM)と酪酸(mM)の合計で割った数値を表し、副生物パラメータ1とする。表中、「B/(A+E+酢+酪+乳)」は、ブタノール(mM)を、アセトン(mM)とエタノール(mM)と酢酸(mM)と酪酸(mM)と乳酸(mM)の合計で割った数値を表し、副生物パラメータ2とする。また、副生物パラメータ1と副生物パラメータ2をまとめて副生物パラメータと称する。
Figure 0006404575
野生株の結果と比較し、Δptb株では副生物パラメータやグルコースからの収率が向上した。また、CaCOの添加がなくても培養は可能であり、生育速度も野生株と同程度に早く24時間程度経過時点でグルコースを完全に消費していた。さらに、C.アセトブチリカムでの酪酸生成経路破壊の先行例と異なり、酢酸が異常に増加するというような代謝の変化は起きなかった。
実施例3 ΔptaΔptb株を用いたブタノール発酵
実施例1で作製したC.サッカロパーブチルアセトニカムの形質転換微生物(ΔptaΔptb株)を培養して、その性能を評価した。形質転換微生物のグリセロールストックを500μl分、TYA培地5mlに植菌し、試験管内で30℃にて培養を24時間行った。取得した前培養液を、新たなTYA、TYSまたはTYS−CaCO培地5mlに50μl分植菌し、試験管内で30℃にて培養を行った。TYS培地の組成を以下に示す。なお、TYS−CaCO培地とは、TYS培地にCaCOを5g/L添加した培地のことを指す。
Figure 0006404575
培養は、96時間程度行った。培養は開放条件または密閉条件で実施した。TYS−CaCO培地では、CaCOの作用によりpHが5を下回らないように保たれる。野生株についても同様に培養を行った。
培養終了後、培養液を取得し、液体クロマトグラフィーを用いてブタノールおよび他のアルコール、ケトン、有機酸類の定量分析を実施した。カラムにはAminex HPX−87H Column(Bio−Rad)を使用した。結果を表6および7に示す。表中、「B/(A+E+酢+酪)」は、ブタノール(mM)を、アセトン(mM)とエタノール(mM)と酢酸(mM)と酪酸(mM)の合計で割った数値を表し、副生物パラメータ1とする。表中、「B/(A+E+酢+酪+乳)」は、ブタノール(mM)を、アセトン(mM)とエタノール(mM)と酢酸(mM)と酪酸(mM)と乳酸(mM)の合計で割った数値を表し、副生物パラメータ2とする。また、副生物パラメータ1と副生物パラメータ2をまとめて副生物パラメータと称する。
Figure 0006404575
Figure 0006404575
表6の結果より、CaCOによるpH調整がなされていない場合、ΔptaΔptb株はほとんど生育しなかった。この際のpHは4.5程度まで低下しており、pHをある程度以上に維持することが生育には必要であることが判明した。
なお、ΔptaΔptb株は、TYA培地で培養した場合はpHは5以上に保たれて生育し、CaCOによるpH調整は不要であった。
また、TYS−CaCO培地で培養を実施した場合、野生株では最大でブタノール濃度は156mMにとどまったのに対し、ΔptaΔptb株ではブタノール濃度が、開放系で175mM、密閉系では184mMまで蓄積した。また、ΔptaΔptb株では酪酸・酢酸の生成は確認できなかった。さらに、密閉系ではアセトン濃度が3mM、エタノール濃度が10mMと低く抑えられ、結果として副生物パラメータは13.92まで上昇した。野生株でも密閉培養を実施することにより、副生物パラメータは2.08まで上昇したが、ΔptaΔptb株と比較すると低水準にとどまった。
CaCOによるpH調整がなされている場合、開放系においても密閉系においても、ΔptaΔptb株の結果は、野生株の結果に比べて、副生物に対するブタノールの収率が高かった。
実施例4 種々の水素分圧下でのブタノール発酵
実施例1で作製したC.サッカロパーブチルアセトニカムの形質転換微生物(ΔptaΔptb株)を、種々の水素分圧下で培養した。形質転換微生物のグリセロールストックを500μl分、TYS−CaCO培地に植菌し、試験管内で30℃にて培養を24時間行った。取得した前培養液を、新たなTYS−CaCO培地5mlに50μl分植菌し、試験管内で30℃にて培養を行った。CaCOを5g/L添加することにより、pHは5.0を下回らないように調整した。
培養は96時間とし、開放または密閉条件で実施し、密閉条件では試験管の気相部分と培養液部分の比率を変更することにより、水素分圧の調整を実施した。
培養終了後、培養液を取得し、液体クロマトグラフィーを用いてブタノールおよび他のアルコール、ケトン、有機酸類の定量分析を実施した。カラムにはAminex HPX−87H Column(Bio−Rad)を使用した。結果を表8に示す。表中、「B/(A+E+酢+酪)」は、ブタノール(mM)を、アセトン(mM)とエタノール(mM)と酢酸(mM)と酪酸(mM)の合計で割った数値を表し、副生物パラメータ1とする。表中、「B/(A+E+酢+酪+乳)」は、ブタノール(mM)を、アセトン(mM)とエタノール(mM)と酢酸(mM)と酪酸(mM)と乳酸(mM)の合計で割った数値を表し、副生物パラメータ2とする。また、副生物パラメータ1と副生物パラメータ2をまとめて副生物パラメータと称する。
Figure 0006404575
表8の結果からわかるように、CaCOによるpH調整がなされている場合、密閉系より開放系の方が、エタノール蓄積量が多く、25mM程度蓄積していた。結果として、副生物パラメータは密閉系の方が高くなり、水素分圧0.25atmの条件までは、水素分圧が高いことが副生物の少ない培養に有効であることが示された。
実施例5 ΔctfBΔptaΔptbのブタノール発酵
実施例1で作製したC.サッカロパーブチルアセトニカムの形質転換微生物(ΔctfBΔptaΔptb株)を培養しその性能の評価を行った。形質転換微生物のグリセロールストックを500μl分、TYS−CaCO培地に植菌し、試験管内で30℃にて培養を24時間行った。取得した前培養液を、新たなTYS−CaCO培地5mlに50μl分植菌し、試験管内で30℃にて培養を行った。
培養は、96時間程度行った。培養は開放条件または密閉条件で実施し、pH制御を行った条件では、pHが5を下回らないようにCaCOを5g/L添加した培地を使用した。
培養終了後、培養液を取得し、液体クロマトグラフィーを用いてブタノールおよび他のアルコール、ケトン、有機酸類の定量分析を実施した。カラムにはAminex HPX−87H Column(Bio−Rad)を使用した。結果を表9に示す。表中、「B/(A+E+酢+酪)」は、ブタノール(mM)を、アセトン(mM)とエタノール(mM)と酢酸(mM)と酪酸(mM)の合計で割った数値を表し、副生物パラメータ1とする。表中、「B/(A+E+酢+酪+乳)」は、ブタノール(mM)を、アセトン(mM)とエタノール(mM)と酢酸(mM)と酪酸(mM)と乳酸(mM)の合計で割った数値を表し、副生物パラメータ2とする。また、副生物パラメータ1と副生物パラメータ2をまとめて副生物パラメータと称する。
Figure 0006404575
実施例3での結果と同様に、CaCOによるpH調整を実施していないものでは、pHが低下し生育しない現象が見られた。pH調整を行った場合、ΔctfBΔptaΔptb株は、実施例2の野生株よりもブタノール収率および副生物パラメータが高かった。ΔptaΔptb株と比較すると、ΔctfBΔptaΔptb株ではアセトンが生成せずに、代わりに酢酸が少量生成した。
実施例6 ΔptaΔptbΔldh1のブタノール発酵
実施例1で作製したC.サッカロパーブチルアセトニカムの形質転換微生物(ΔptaΔptbΔldh1株)と野生株を培養しその性能の評価を行った。形質転換微生物のグリセロールストックを500μl分、TYS−CaCO培地に植菌し、試験管内で30℃にて培養を24時間行った。取得した前培養液を、新たなTYS−CaCO培地5mlに50μl分植菌し、試験管内で30℃にて培養を行った。
培養は、96時間程度行った。培養は開放条件または密閉条件で実施し、pHが5を下回らないようにCaCOを5g/L添加した培地を使用した。
培養終了後、培養液を取得し、液体クロマトグラフィーを用いてブタノールおよび他のアルコール、ケトン、有機酸類の定量分析を実施した。カラムにはAminex HPX−87H Column(Bio−Rad)を使用した。結果を、表10に示す。表中、「B/(A+E+酢+酪)」は、ブタノール(mM)を、アセトン(mM)とエタノール(mM)と酢酸(mM)と酪酸(mM)の合計で割った数値を表し、副生物パラメータ1とする。表中、「B/(A+E+酢+酪+乳)」は、ブタノール(mM)を、アセトン(mM)とエタノール(mM)と酢酸(mM)と酪酸(mM)と乳酸(mM)の合計で割った数値を表し、副生物パラメータ2とする。また、副生物パラメータ1と副生物パラメータ2をまとめて副生物パラメータと称する。
Figure 0006404575
表10の結果から、開放系においても密閉系においても、ΔptaΔptbΔldh1株の結果は、野生株の結果に比べて、副生物に対するブタノールの収率が高かった。表6のΔptaΔptb株の結果と比較することにより、特に密閉系において、ΔptaΔptbΔldh1株では、乳酸の生成が抑制されており、副生物に対するブタノールの収率がさらに向上したことがわかる。
実施例7 異なる培地条件におけるブタノール発酵
実施例1で作製したC.サッカロパーブチルアセトニカムの形質転換微生物(Δpta株、Δptb株、ΔptaΔptb株、ΔptaΔptbΔldh1株)を培養して、その性能を評価した。形質転換微生物のグリセロールストックを500μl分、TYS培地5mlに植菌し、試験管内で30℃にて培養を24時間行った。取得した前培養液を、新たなTYS−KHPO培地5mlに50μl分植菌し、試験管内で30℃にて培養を行った。TYS−KHPO培地の組成を以下に示す。
Figure 0006404575
培養は、96時間程度行った。培養は密閉条件で実施した。初発pHを6.5と7.0の2条件で行った。野生株についても同様に培養を行った。
培養終了後、培養液を取得し、液体クロマトグラフィーを用いてブタノールおよび他のアルコール、ケトン、有機酸類の定量分析を実施した。カラムにはAminex HPX−87H Column(Bio−Rad)を使用した。結果を表12〜17に示す。表中、「B/(A+E+酢+酪)」は、ブタノール(mM)を、アセトン(mM)とエタノール(mM)と酢酸(mM)と酪酸(mM)の合計で割った数値を表し、副生物パラメータ1とする。表中、「B/(A+E+酢+酪+乳)」は、ブタノール(mM)を、アセトン(mM)とエタノール(mM)と酢酸(mM)と酪酸(mM)と乳酸(mM)の合計で割った数値を表し、副生物パラメータ2とする。また、副生物パラメータ1と副生物パラメータ2をまとめて副生物パラメータと称する。
Figure 0006404575
Figure 0006404575
Figure 0006404575
Figure 0006404575
表12〜15よりKHPOによるpH調整がなされている場合、Δpta株、Δptb株、Δptaptb株、Δptaptbldh1株の結果は、野生株の結果に比べて、副生物に対するブタノールの収率が高いことがわかる。

Claims (5)

  1. クロストリジウム・サッカロパーブチルアセトニカムATCC27021株において、ブチリルCoAから酪酸が生成する経路に関与する酪酸生成酵素遺伝子であるptbの機能、並びに、アセチルCoAから酢酸が生成する経路に関与する酢酸生成酵素遺伝子であるptaの機能を欠損させたクロストリジウム・サッカロパーブチルアセトニカム種微生物。
  2. さらに、アセトアセチルCoAからアセトンが生成する経路に関与するアセトン生成酵素遺伝子であるadcおよび/またはctfABの機能を欠損させた、請求項1記載の微生物。
  3. さらに、ピルビン酸から乳酸が生成する経路に関与する乳酸生成酵素遺伝子であるldh1の機能を欠損させた、請求項1又は2記載の微生物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の微生物を、炭素源を含む培地中で培養する工程を含む、ブタノールの製造方法。
  5. 培養液からブタノールを回収する工程を含む、請求項4記載の方法。
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