JP6404073B2 - 駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動力制御装置に関し、特に、車両の駆動力を制御する駆動力制御装置に関する。
近年、車両の発進時や走行時の挙動の安定性を向上するために、車両の駆動力を制御する駆動力制御装置が提案されてきている。
このような駆動力制御装置では、車両に搭載された種々のセンサの検出情報を用いて、車両の駆動力を制御する構成を採用しているため、これらの種々のセンサに故障や断線等の異常が発生する事態も考えられる。
かかる状況下で、特許文献1は、トラクション制御装置に関し、車両のアクセル操作に基づき定まるエンジンの要求駆動力に対してトラクション制御が作動されている際にトラクション制御に使用するセンサに異常が発生した場合には、トラクション制御を非作動とすることを運転者に報知した上でトラクション制御を非作動とする構成を開示する。
特開2012−202285号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成においては、トラクション制御が作動されている際にトラクション制御に使用するセンサに異常が発生した場合には、トラクション制御を非作動とすることを運転者に報知した上でトラクション制御を非作動とするものではあるが、トラクション制御が非作動状態にある際に運転者のアクセル操作に応じて要求駆動力が増加した場合には、駆動輪が不要に空転する可能性が考えられて改善の余地がある。特に、運転者がトラクション制御を非作動とする旨の報知に気づかなかった場合には、運転者がアクセル開度を急増させることによって駆動輪が急に空転する可能性がより高くなると考えられる。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、駆動力の調整処理が非作動状態にあることを運転者に気づかせると共に、駆動力の調整処理が非作動状態にあるときに要求駆動力が増加した場合に駆動輪が不要に空転することを抑制可能な駆動力制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、車両のアクセル操作に基づき定まるエンジンの要求駆動力に対して駆動力を調整する駆動力調整処理を含むトラクション制御処理を実行し、前記駆動力調整処理中に前記トラクション制御に使用するセンサに異常が発生したことを検出した場合に、前記駆動力調整処理を中止する制御部を有する駆動力制御装置において、前記制御部は、前記センサに異常が発生したことを検出したときに前記駆動力調整処理を中止した状態で、前記駆動力を要求駆動力に追従させる駆動力制御処理を実行しながら、前記要求駆動力が増加した場合には、前記駆動力を前記要求駆動力より低下させるように前記駆動力の変化特性を前記要求駆動力の変化特性に対して偏位させるフェール処理を行うことを第1の局面とする。
また、本発明は、第1の局面に加えて、前記駆動力制御装置は、前記フェール処理を終了させるスイッチに電気的に接続されることを第2の局面とする。
また、本発明は、第1又は第2の局面に加えて、前記制御部は、実スロットル開度の変化速度を目標スロットル開度の変化速度よりも遅くすることにより前記フェール処理を行うことを第3の局面とする。
また、本発明は、第1又は第2の局面に加えて、前記制御部は、目標スロットル開度に実スロットル開度を追従させながら実スロットル開度を少なくとも1回間欠的に低下させることにより前記フェール処理を行うことを第4の局面とする。
また、本発明は、第1又は第2の局面に加えて、前記制御部は、実スロットル開度に上限値を設けることにより前記フェール処理を行うことを第5の局面とする。
以上の本発明の第1の局面にかかる駆動力制御装置によれば、制御部が、センサに異常が発生したことを検出したときに駆動力調整処理を中止した状態で、駆動力を要求駆動力に追従させる駆動力制御処理を実行しながら、要求駆動力が増加した場合には、駆動力を要求駆動力より低下させるように駆動力の変化特性を要求駆動力の変化特性に対して偏位させるフェール処理を行うものであるため、駆動力調整処理が非作動状態にあることを運転者に気づかせると共に、駆動力調整処理が非作動状態にあるときに要求駆動力が増加した場合に駆動輪が不要に空転することを抑制することができる。
また、本発明の第2の局面にかかる駆動力制御装置によれば、駆動力制御装置が、フェール処理を終了させるスイッチに電気的に接続されるものであるため、駆動力調整処理が非作動状態にあることに気づいた運転者は、かかるスイッチを操作することによってフェール処理を終了させることにより、自己のアクセル操作の意のままに車両の駆動力を発揮させることができる。
また、本発明の第3の局面にかかる駆動力制御装置によれば、制御部が、実スロットル開度の変化速度を目標スロットル開度の変化速度よりも遅くすることによりフェール処理を行うものであるため、駆動力調整処理が非作動状態にあることを運転者に気づかせながら、最終的には実駆動力を要求駆動力に一致させることができる。
また、本発明の第4の局面にかかる駆動力制御装置によれば、制御部が、目標スロットル開度に実スロットル開度を追従させながら実スロットル開度を少なくとも1回間欠的に低下させることによりフェール処理を行うものであるため、要求駆動力に対する実駆動力の設定自由度を、駆動力調整処理が非作動状態にあることを運転者に気づかせる範囲内で高めることができる。
また、本発明の第5の局面にかかる駆動力制御装置によれば、制御部が、実スロットル開度に上限値を設けることによりフェール処理を行うものであるため、最終的には実駆動力を要求駆動力に一致させることができないが、駆動力調整処理が非作動状態にあることを運転者に気づかせることができる。
図1は、本発明の実施形態における駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本実施形態における駆動力制御装置が実行する駆動力制御処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、本実施形態における駆動力制御装置が実行する駆動力制御処理中の第1の変形例を含むフェール処理を説明するための目標スロットル開度と実スロットル開度との関係を示すタイミングチャートである。 図4は、本実施形態における駆動力制御装置が実行する駆動力制御処理中の第2の変形例のフェール処理を説明するための目標スロットル開度と実スロットル開度との関係を示すタイミングチャートである。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における駆動力制御装置につき、詳細に説明する。
〔駆動力制御装置の構成〕
まず、図1を参照して、本実施形態における駆動力制御装置の構成につき、詳細に説明する。
図1は、本実施形態における駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態における駆動力制御装置1は、図示を省略する2輪自動車等の車両に搭載され、車両が備える図示を省略するバッテリ等の電源から供給される電力を利用して動作する。駆動力制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等を有するマイクロコンピュータ等の演算処理装置であり、典型的にはECU(Electronic Control Unit)である。駆動力制御装置1は、メモリから必要な制御プログラム及び制御データを読み出して、後述する駆動力制御処理用等の制御プログラムを実行する。
具体的には、駆動力制御装置1は、スリップ率演算部11、駆動力演算制御部12、及びモータ駆動回路13を備える。スリップ率演算部11及び駆動力演算制御部12は、CPUの機能ブロックである。また、駆動力制御装置1には、切換ボタン21、スロットルポジションセンサ22、クランク角センサ23、ギアポジションセンサ24、アクセル開度センサ25、大気温度センサ26、大気圧センサ27、後輪速センサ28、前輪速センサ29、及びスロットルモータ30が電気的に接続されている。なお、このような各種入力側接続部品用の駆動力制御装置1内の各種入力回路については、図示を省略する。
スリップ率演算部11は、後輪速センサ28によって検出された図示を省略する後輪の回転速度と前輪速センサ29によって検出された図示を省略する前輪の回転速度とに基づいて、前後輪間のスリップ率を演算する。
駆動力演算制御部12は、切換ボタン21からの切換信号、スロットルポジションセンサ22によって検出された車両のスロットルバルブの開度(実スロットル開度)、クランク角センサ23によって検出された車両のクランク軸の回転角度、ギアポジションセンサ24によって検出された車両の変速機のギアポジション、アクセル開度センサ25によって検出された車両のアクセル操作部材の操作量(アクセル開度)、大気温度センサ26によって検出されたエンジンの周囲の大気の温度(大気温度)、及び大気圧センサ27によって検出されたエンジンの周囲の大気の圧力(大気圧)に基づいて車両の駆動輪の駆動力を演算して、モータ駆動回路13を介してスロットルモータ30を制御することにより、車両のアクセル操作に基づき定まるエンジンの要求駆動力に対して車両の駆動力を調整する駆動力の調整処理(以下、駆動力調整処理と記す)を含むトラクション制御処理(以下、駆動力制御処理と記す)を実行する。ここで、駆動力調整処理には、車両のアクセル操作に基づき定まるエンジンの要求駆動力に対して、車両の駆動力を低下又は増加させる処理を含む。なお、車両が2輪自動車である場合には、後輪が駆動輪で、前輪は従動輪である。また、スロットルバルブ、クランク軸、変速機、及びアクセル操作部材については、図示を省略する。
モータ駆動回路13は、駆動力演算制御部12からの制御信号に応じて、モータ駆動回路13を介してスロットルモータ30を制御する
切換ボタン21は、駆動力制御処理の実行の許可/禁止を手動で切り換えるオン/オフのスイッチであり、その切換信号を駆動力演算制御部12に出力する。
スロットルポジションセンサ22は、車両の実スロットル開度を検出し、このように検出した実スロットル開度を示す電気信号を駆動力演算制御部12に出力する。
クランク角センサ23は、車両のクランク軸の回転角度を検出し、このように検出したクランク軸の回転角度を示す電気信号を駆動力演算制御部12に出力する。
ギアポジションセンサ24は、車両のギアポジションを検出し、このように検出したギアポジションを示す電気信号を駆動力演算制御部12に出力する。
アクセル開度センサ25は、車両のアクセル開度を検出し、このように検出したアクセル開度を示す電気信号を駆動力演算制御部12に出力する。
大気温度センサ26は、エンジンの周囲の大気温度を検出し、このように検出した大気温度を示す電気信号を駆動力演算制御部12に出力する。
大気圧センサ27は、エンジンの周囲の大気圧を検出し、このように検出した大気圧を示す電気信号を駆動力演算制御部12に出力する。
後輪速センサ28は、車両の後輪の回転速度を検出し、このように検出した後輪の回転速度を示す電気信号をスリップ率演算部11に出力する。
前輪速センサ29は、車両の前輪の回転速度を検出し、このように検出した前輪の回転速度を示す電気信号をスリップ率演算部11に出力する。
スロットルモータ30は、モータ駆動回路13からの駆動信号に従ってスロットルバルブを開閉駆動する。
このような構成を有する駆動力制御装置1は、以下に示す駆動力制御処理を実行することにより、駆動力調整処理を含む駆動力制御処理が非作動状態にあることを運転者に気づかせると共に、要求駆動力が増加した場合に駆動輪が不要に空転することを抑制する。以下、更に図2から図4をも参照して、本実施形態における駆動力制御装置1が実行する駆動力制御処理の流れにつき、詳細に説明する。
〔駆動力制御処理〕
図2は、本実施形態における駆動力制御装置が実行する駆動力制御処理の流れを示すフローチャートである。図3は、本実施形態における駆動力制御装置が実行する駆動力制御処理中の第1の変形例を含むフェール処理を説明するための目標スロットル開度と実スロットル開度との関係を示すタイミングチャートである。また、図4は、本実施形態における駆動力制御装置が実行する駆動力制御処理中の第2の変形例のフェール処理を説明するための目標スロットル開度と実スロットル開度との関係を示すタイミングチャートである。
図2のフローチャートに示すように、本実施形態における駆動力制御処理は、車両の図示を省略するイグニッションスイッチがオン状態になり、駆動力制御装置1に対して電力が供給されてそれが稼働し、かつ、駆動力制御装置1が切換ボタン21から出力される切換信号に応じて駆動力制御処理の実行が許可されている実行許可状態であるときに開始となり、駆動力制御処理はステップS1の処理に進む。なお、かかる駆動力制御処理は、実行許可状態が維持される間、所定の制御周期毎に繰り返し実行され、実行許可状態が維持されなくなったタイミングで停止する。
ステップS1の処理では、駆動力演算制御部12が、車両の状態が駆動力制御処理で駆動力を低下又は増加させる駆動力調整処理中の状態であるか否かを判別する。かかる駆動力調整処理は、後輪速センサ28によって検出された後輪の回転速度と前輪速センサ29によって検出された前輪の回転速度とからスリップ率演算部11によって演算されるスリップ率が所定値以上になったときに、駆動力演算制御部12が判別したタイミングで開始されるものである。車両の状態が駆動力調整処理中の状態であるか否かは、駆動力演算制御部12が、例えば、駆動力制御処理において駆動力調整処理中にオン状態になるフラグの状態を検出することによって判別する。そして、駆動力演算制御部12は、車両の状態が駆動力調整処理中の状態であると判別するまでは、ステップS1の処理を繰り返し、車両の状態が駆動力調整処理中の状態であると判別したタイミングで駆動力制御処理を次のステップS2の処理に進める。
ここで、図3及び図4においては、時刻T=T1で、実スロットル開度を低下させて駆動力を低下させる駆動力調整処理が開始されている。
ステップS2の処理では、駆動力演算制御部12が、駆動力制御処理に使用するセンサに断線等の異常が発生したか否かを判別する。このような駆動力制御処理に使用するセンサとしては、大気温度センサ26、大気圧センサ27、後輪速センサ28、前輪速センサ29、及び図示を省略するエンジン温度センサ等を例示することができる。また、かかるセンサに異常が発生したか否かは、駆動力演算制御部12が、例えば、センサの出力信号の電圧がゼロ又は異常な高電圧を示すか否かを判別することによって判別する。判別の結果、駆動力制御処理に使用するセンサに異常が発生していない場合には、駆動力演算制御部12は、駆動力制御処理をステップS1の処理に戻す。一方、駆動力制御処理に使用するセンサに異常が発生している場合には、駆動力演算制御部12は、駆動力制御処理を次のステップS3の処理に進める。なお、エンジン温度センサとしては、エンジンの潤滑オイルの温度を検出する温度センサや、エンジンのクーラントの温度を検出する温度センサが使用可能である。
ここで、図3及び図4においては、時刻T=T2で、駆動力制御処理に使用するセンサに異常が発生したと判別されている。
ステップS3の処理では、駆動力演算制御部12が、モータ駆動回路13を介してスロットルモータ30を制御することによって、実スロットル開度を所定開度に維持する制御処理を実行する。つまり、駆動力演算制御部12が駆動力制御処理に使用するセンサに異常が発生したと判別した場合には、駆動力演算制御部12は、その判別したタイミング以降、実スロットル開度を一定、漸増及び漸減等の所定開度に設定する制御処理を実行する。これにより、ステップS3の処理は完了し、駆動力制御処理は次のステップS4の処理に進む。
ここで、図3及び図4においては、時刻T=T2で、駆動力制御処理に使用するセンサに異常が発生したと判別されると共に、実スロットル開度を低下させる制御が実行されている。
ステップS4の処理では、駆動力演算制御部12が、アクセル開度センサ25によって検出されたアクセル開度から求められる目標スロットル開度がスロットルポジションセンサ22によって検出される実スロットル開度未満であるか否かを判別する。判別の結果、目標スロットル開度が実スロットル開度以上である場合には、駆動力演算制御部12は、駆動力制御処理をステップS3の処理に戻す。一方、目標スロットル開度が実スロットル開度未満である場合には、駆動力演算制御部12は、駆動力制御処理を次のステップS5の処理に進める。
ここで、図3及び図4においては、時刻T=T3で、目標スロットル開度が実スロットル開度未満であると判別されている。
ステップS5の処理では、駆動力演算制御部12が、駆動力調整処理を中止し、要求駆動力に駆動力を追従させるようにモータ駆動回路13を介してスロットルモータ30を制御することによって、実スロットル開度を目標スロットル開度に追従させる通常のスロットルモータ駆動制御を実行する。これにより、ステップS5の処理は完了し、駆動力制御処理は次にステップS6の処理に進む。
ここで、図3及び図4においては、時刻T=T3で、駆動力調整処理が中止され、時刻T=T3から時刻T=T4までの期間で、実スロットル開度を目標スロットル開度に追従させる通常のスロットルモータ駆動制御が実行されている。
ステップS6の処理では、駆動力演算制御部12が、アクセル開度センサ25によって検出されたアクセル開度に基づいて目標スロットル開度が増加したか否かを判別する。判別の結果、目標スロットル開度が増加していない場合には、駆動力演算制御部12は、駆動力制御処理をステップS5の処理に戻す。一方、目標スロットル開度が増加した場合には、駆動力演算制御部12は、駆動力制御処理を次のステップS7の処理に進める。
ここで、図3及び図4においては、時刻T=T4で、目標スロットル開度が増加したと判別されている。
ステップS7の処理では、駆動力演算制御部12が、駆動力調整処理を再開し、要求駆動力を規制すべく駆動力の変化特性を要求駆動力の変化特性に対して偏位させるように、モータ駆動回路13を介してスロットルモータ30を制御することによって、実スロットル開度を制御するフェール処理を実行する。なお、かかるフェール処理は、駆動力調整処理の範囲内に含まれる処理ではなく、それとは別の処理として扱ってもよい。また、本実施形態のフェール処理を含む駆動力調整処理では、実スロットル開度によって駆動力を制御する例で説明しているが、これに限らず、点火時期や燃料噴射量を制御することによって駆動力を制御してもよい。
具体的には、駆動力演算制御部12は、図3に実線で示すように、時間T=T4以降、実線で示す実スロットル開度を車両の加速が鈍る方向に偏位させる(開かなくする、遅らせる)、換言すれば実スロットルの変化速度を目標スロットル開度の変化速度より遅くすることによって、駆動力を要求駆動力より低下させる。
また、第1の変形例として、駆動力演算制御部12は、図3に一点鎖線で示すように、時間T=T4以降、実スロットル開度に上限値を設けることによって、駆動力を要求駆動力より低下させるようにしてもよい。
また、第2の変形例として、駆動力演算制御部12は、図4に実線で示すように、少なくとも1回以上実スロットル開度を間欠的に低下させることによって、駆動力を要求駆動力より低下させるようにしてもよい。この場合には、実スロットル開度の低下量及び低下継続時間は、車両の種別等を考慮して、任意に設定することができる。なお、ステップS3の処理で説明した駆動力制御処理に使用するセンサの異常が検出された際の実スロットル開度を所定開度に維持する制御処理で、このような実スロットル開度を間欠的に低下させる処理を実行してもよい。
ここで、かかるフェール処理は、切換ボタン21の操作によって駆動力制御処理が禁止されるまでの間で有効となる。つまり、運転者は、切換ボタン21を手動で操作することによって駆動力調整処理(フェール処理を含む)を実行する駆動力制御処理を禁止させることにより、駆動力制御処理が全く介入しない通常のスロットルモータ駆動制御による通常の車両駆動状態を選択することができ、自己のアクセル操作の意のままに車両の駆動力を発揮させることができる。
これにより、ステップS7の処理は完了し、今回の一連の駆動力制御処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態における駆動力制御装置1では、制御部(駆動力演算制御部)12が、センサに異常が発生したことを検出したときに駆動力調整処理を中止した状態で要求駆動力が増加した場合には、要求駆動力を規制するように駆動力の変化特性を要求駆動力の変化特性に対して偏位させるフェール処理を行うものであるため、要求駆動力の規制による車両の加速特性の変化により駆動力調整処理が非作動状態にあることを運転者に気づかせると共に、駆動力調整処理が非作動状態にあるときに要求駆動力が増加した場合に駆動輪が不要に空転することを抑制することができる。
また、本実施形態における駆動力制御装置1では、それが、フェール処理を終了させるスイッチ(切換ボタン)21に電気的に接続されるものであるため、駆動力調整処理が非作動状態にあることに気づいた運転者は、かかるスイッチを操作することによってフェール処理を終了させることにより、自己のアクセル操作の意のままに車両の駆動力を発揮させることができる。
また、本実施形態における駆動力制御装置1では、制御部12が、実スロットル開度の変化速度を目標スロットル開度の変化速度よりも遅くすることによりフェール処理を行うものであるため、センサの異常時にはセンサの正常時とは異なる車両の加速特性の変化により駆動力調整処理が非作動状態にあることを運転者に気づかせながら、最終的には実駆動力を要求駆動力に一致させることができる。
また、本実施形態における駆動力制御装置1では、制御部12が、目標スロットル開度に実スロットル開度を追従させながら実スロットル開度を少なくとも1回間欠的に低下させることによりフェール処理を行うものであるため、要求駆動力に対する実駆動力の設定自由度を、駆動力調整処理が非作動状態にあることを運転者に気づかせる範囲内で高めることができる。
また、本実施形態における駆動力制御装置1では、制御部12が、実スロットル開度に上限値を設けることによりフェール処理を行うものであるため、最終的には実駆動力を要求駆動力に一致させることができないが、駆動力調整処理が非作動状態にあることを運転者に気づかせることができる。
なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明は、駆動力の調整処理が非作動状態にあることを運転者に気づかせると共に、駆動力の調整処理が非作動状態にあるときに要求駆動力が増加した場合に駆動輪が不要に空転することを抑制可能な駆動力制御装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から2輪自動車等の車両用の駆動力制御装置に広く適用され得るものと期待される。
1…駆動力制御装置
11…スリップ率演算部
12…駆動力演算制御部
13…モータ駆動回路
21…切換ボタン
22…スロットルポジションセンサ
23…クランク角センサ
24…ギアポジションセンサ
25…アクセル開度センサ
26…大気温度センサ
27…大気圧センサ
28…後輪速センサ
29…前輪速センサ
30…スロットルモータ

Claims (5)

  1. 車両のアクセル操作に基づき定まるエンジンの要求駆動力に対して駆動力を調整する駆動力調整処理を含むトラクション制御処理を実行し、前記駆動力調整処理中に前記トラクション制御に使用するセンサに異常が発生したことを検出した場合に、前記駆動力調整処理を中止する制御部を有する駆動力制御装置において、
    前記制御部は、前記センサに異常が発生したことを検出したときに前記駆動力調整処理を中止した状態で、前記駆動力を要求駆動力に追従させる駆動力制御処理を実行しながら、前記要求駆動力が増加した場合には、前記駆動力を前記要求駆動力より低下させるように前記駆動力の変化特性を前記要求駆動力の変化特性に対して偏位させるフェール処理を行うことを特徴とする駆動力制御装置。
  2. 前記駆動力制御装置は、前記フェール処理を終了させるスイッチに電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の駆動力制御装置。
  3. 前記制御部は、実スロットル開度の変化速度を目標スロットル開度の変化速度よりも遅くすることにより前記フェール処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動力制御装置。
  4. 前記制御部は、目標スロットル開度に実スロットル開度を追従させながら実スロットル開度を少なくとも1回間欠的に低下させることにより前記フェール処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動力制御装置。
  5. 前記制御部は、実スロットル開度に上限値を設けることにより前記フェール処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動力制御装置。
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