JP6403935B1 - 仮止接着剤および部品製造方法 - Google Patents

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Abstract

加工用基板に対し、加工対象である種々の部品前駆体を良好に仮止することが可能な仮止接着剤を提供し、またウエハの被研磨面を高精度に研磨可能とする研磨工程を備えるウエハ製造方法を提供する。
仮止接着剤は、ロジン、セラック、炭素数5以下のアルコールである低級アルコール、および分子内に2個以上の水酸基を有するアルコール誘導体である多価アルコール誘導体、を含み、また部品製造方法は、上記仮止接着剤を用い、部品前駆体と加工用基板との間に接着用塗膜を形成し、前記加工用基板に前記部品前駆体を仮止する仮止工程、および前記仮止工程において前記加工用基板に仮止された前記部品前駆体の被加工面を加工する加工工程を備える。

Description

本発明は、研磨工程等の精密加工等の加工時に部品前駆体を所定の基板に一時的に接着し固定するための仮止接着剤および本発明の仮止接着剤を用いてウエハ等の各種部品を製造する部品製造方法に関する。
従来、集積回路装置や半導体装置等の各種装置や電子部品、光学レンズ部品等に用いられる種々の部品の製造において、当該部品前駆体に対し研磨、切削、穴開け、研削または切断などの種々の精密加工を行う場合、仮止接着剤を用いて加工用基板に上記部品前駆体を仮止した状態で加工作業を実施することが一般的である。たとえば電子部品や集積回路装置等に用いられるウエハ等を研磨加工する場合、被研磨体であるウエハ(ウエハ前駆体)に対し、その一方面側に仮止接着剤を塗布して接着用塗膜を形成する。そして所定の研磨用基板上に上記接着用塗膜を当接し、ウエハ前駆体を仮止し、ウエハ前駆体の露出面を研磨して鏡面仕上げする研磨工程が実施される。尚、上記研磨用基板とは、研磨装置の研磨台等であり、以下においては、単に「研磨台」と称呼する場合がある。また、以下において、各種の精密加工等の加工を行う際に加工対象である部品を仮止するための基板を「加工用基板」と称呼する場合がある。上記内容は一例としてウエハ前駆体の研磨加工について記載したが、その他の研磨、切削、穴開け、研削などの加工において適宜、仮止接着剤が用いられ得る。
上記仮止接着剤としては、接着剤成分と溶剤とを含んで構成されるものが一般的である。たとえば、下記特許文献1には、カルボキシル基を持つアルカリ可溶性の樹脂が、メチルエチルケトンを主体とし、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び酢酸ブチルのうちの少なくとも一方を含む混合溶剤に溶解されてなる仮止接着剤が提案されている。接着剤成分である上記樹脂としては、酸無水化物を付加したエポキシ樹脂、アビエチン酸を主成分としたロジン樹脂、およびスチレンアクリル共重合体が挙げられている。加えて当該エポキシ樹脂を用いた実施例が開示されている。また特許文献1段落[0023]には、合成樹脂を溶媒に溶解させた仮止接着剤において、溶媒を上記構成の混合溶剤とした仮止接着剤は、従来の仮止接着剤とほぼ同様の乾燥性、剥離強さを維持しながら優れた膜厚均一性を有することが記載されている。
特開2002−121534号公報
ところで、昨今の技術の進歩により、集積回路装置や半導体装置等の各種装置に対する高品質化が求められるようになってきている。これに伴い、これら装置に用いられるウエハ等の種々の部品に対する高品質化の要求も強まってきている。この要求を満足するために、加工用基板に対し、加工対象となる部品を良好に仮止することが求められる。しかし、従来の仮止接着剤は、高い加工精度を満足するよう部品を良好に基板に対し仮止するには充分ではなかった。
本発明は以上の課題を鑑みなされたものであり、加工用基板に対し、加工対象である種々の部品前駆体を良好に仮止することが可能な仮止接着剤を提供する。
また本発明は、ウエハ前駆体等の部品前駆体を高精度に加工する精密加工をも可能とする加工工程を備える部品製造方法を提供する。
本発明の仮止接着剤は、ロジン、セラック、炭素数5以下のアルコールである低級アルコール、および分子内に2個以上の水酸基を有するアルコールを誘導化した誘導体である多価アルコール誘導体、を含み、前記ロジンおよび前記セラックの配合比率が、ロジン(質量部)/セラック(質量部)=40/60から80/20の範囲であることを特徴とする。
本発明の部品製造方法は、本発明の仮止接着剤を用い、部品前駆体と加工用基板との間に接着用塗膜を形成し、前記加工用基板に前記部品前駆体を仮止する仮止工程、および前記仮止工程において前記加工用基板に仮止された前記部品前駆体の被加工面を加工する加工工程を備えることを特徴とする。
本発明の仮止接着剤は、上記構成を備えることにより、加工用基板に対し、加工対象である種々の部品前駆体を良好に仮止することが可能である。したがって本発明の仮止接着剤を用いて加工用基板に仮止された部品前駆体に対し、研磨、切削、穴開け、研削または切断等の種々の加工を高精度に実施することが可能である。
また本発明の部品製造方法は、本発明の仮止接着剤を用いて加工用基板に部品前駆体を接着固定するため、被加工面が高精度に加工された高品質の部品を製造可能とする。たとえば、部品がウエハである場合には、本発明の部品製造方法は、本発明の仮止接着剤を用いて研磨台にウエハ前駆体が接着固定されるため、被研磨面が高精度に研磨された高品質のウエハの製造を可能とする。
以下に、本発明の仮止接着剤について説明する。尚、本発明に関し、仮止とは、加工において、加工用基板に対し加工対象である部品前駆体を接着固定するとともに、当該加工後に加工用基板から製造された部品をはがすことを想定した接着を意味する。
たとえば、ウエハ前駆体の研磨に関していえば、仮止とは、研磨台に対しウエハ前駆体を接着固定して研磨工程を実施し、当該研磨工程後に研磨台からウエハをはがすことを想定した接着を意味する。以下の本発明の仮止接着剤に関する説明では、仮止接着剤を用い任意の部品前駆体を加工用基板に仮止し加工を行う場合の例として、集積回路に用いられるウエハの製造に関し、ウエハ前駆体を研磨台に仮止し当該ウエハ前駆体を研磨する例を主として用いる。
しかしかかる説明は、本発明の仮止接着剤の用途を何ら限定するものではない。本発明の仮止接着剤は、ウエハ前駆体以外の種々の部品前駆体に対し、良好な塗布性および接着性を示し得る。そのため、本発明の仮止接着剤は、たとえばシリコン、サファイア、ガリウムヒ素、ガラス材、磁性材、金属材、水晶、光学レンズ部材または半導体デバイス用部材等の種々の部材からなる部品前駆体を加工用基板に仮止し、加工を実施するための仮止接着剤としても広く用いられ得る。また本発明の仮止接着剤は、加工用基板に対しても良好な塗布性を示し得る。そのため、本発明の仮止接着剤を加工用基板に対し塗布して接着用塗膜を形成し、当該接着用塗膜に加工対象となる部品前駆体を当接させることで当該部品前駆体を加工用基板に対し仮止することもできる。上記加工には、研磨に加え、仮止された部品の切削、切断、研削または穴開けなど種々の加工を広く包含する。
尚、本発明の仮止接着剤、部品製造方法、および本明細書に関し、部品前駆体とは、仮止接着剤を用いて行われる加工前の部品(即ち、部材)を指す。例えば仮止接着剤を用いて行われる研磨加工前のウエハをウエハ前駆体と称する。本発明に関し加工とは、仮止接着剤を用いて加工用基板に対し部品前駆体を仮止し、部品を作成するために当該部品前駆体に対し手を加えることをいう。ここで「手を加える」とは、例えば、仮止された部品前駆体に対し、研磨、研削、切削、穴開け、および切断等の作業の1種また2種以上を行うことをいう。上記加工には、精密加工と、特段の精密性が求められない一般的な加工とを含む。本発明に関し精密加工とは、高い精密性が求められる部品の加工を意味し、精密性の度合いは特に限定されないが、たとえばナノ単位またはミクロン単位の精密性が求められる加工を含む。尚、以下の説明では、本発明に関する加工として特に精密加工を例に本発明を説明するが、かかる説明は、本発明を何ら限定するものではない。
本発明者らは、加工用基板に対し加工対象である種々の部品前駆体を良好に接着し高い精度で精密加工を実施可能とするために、以下のとおり仮止接着剤に関し鋭意検討した。その結果、本発明者らは、種々の部品前駆体に対し優れた接着性を示す本発明の仮止接着剤を完成した。
即ち、仮止接着剤は、文字通り仮止を前提とした接着剤である。したがって、たとえば仮止接着剤で研磨台に接着されたウエハ前駆体は、研磨終了後に研磨台からはがされるとともに、研磨後のウエハに残存する仮止接着剤がアルカリ洗浄除去されることが一般的である。そのため、仮止接着剤は、接着性のみならず洗浄性にも優れるものが望ましい。これに対し本発明者らは、エポキシ系またはアクリル系等の合成樹脂と比較して洗浄性の良好な接着成分としてロジンを用いるとともに、当該ロジンにセラックを混合させて仮止接着剤を調製した。これにより上記仮止接着剤は、洗浄性に優れるとともに充分な接着性も確保されることがわかった。
昨今の集積回路技術の進歩により、これに用いられるウエハに対する高品質化の要求も強まってきている。特にウエハの研磨レベルの高精度化は重要な課題の一つである。より具体的には、ウエハ表面を高い精度で平滑に研磨することが求められている。上記課題を解決するためには、ウエハ前駆体が研磨台に対し傾斜することなく仮止されること(以下、要素1ともいう)、および仮止されたウエハ前駆体が研磨中にしっかりと研磨台に接着固定された状態を維持すること(以下、要素2ともいう)に加え、研磨時の圧力が均等にウエハ前駆体の被研磨面に伝達されること(以下、要素3ともいう)が必要である。尚、本明細書において、要素1に関連し「ウエハ前駆体が研磨台に傾斜することなく仮止される」とは、研磨等の精密加工において与える影響を小さくする程度にウエハ前駆体面と研磨台面とが平行または平行に近い状態であることを意味し、物理的に完全に平行である場合に限定するものではない。
本発明者らの検討によれば、上記3つの要素は、いずれも仮止接着剤の性能や塗布性に密接にかかわることがわかった。
つまり、ウエハ前駆体に対して塗布された仮止接着剤よりなる接着用塗膜の面内における膜厚差(以下、面内膜厚差ともいう)が有意である場合、研磨台に対し、ウエハ前駆体面が傾いた状態で仮止され、上記要素1が満たされない場合がある。
また仮止接着剤の接着性が充分でない場合等には、厳しい研磨条件で研磨されている間にウエハ前駆体の位置ズレまたはウエハ前駆体が研磨台から外れてしまう現象が発生し、上記要素2が満たされない場合がある。
さらに、ウエハ前駆体に対し仮止接着剤の濡れ広がり性が悪く、仮止接着剤の非着部分が発生した場合、研磨台に仮止されたウエハ前駆体の厚み方向において当該非着部分と重なるウエハ前駆体領域は、その周辺の領域に比べ研磨時に相対的に小さな圧力を受ける。そのため、上記要素3が満たされない。上記仮止接着剤の非着部分とは、仮止接着剤がウエハ前駆体の塗布面上で塗布されていない部分を指す。被研磨面において、部分的に研磨の圧力が小さくなると、その領域の研磨量が周辺の領域よりも少なくなる。その結果、ウエハの厚み方向において被研磨面に微小な凹凸が形成され高い平滑性が得られない。また上述する面内膜厚差が有意な場合も研磨時の圧力のかかり具合が被研磨面において不均一になり、要素3が満たされない要因となる。
以上に述べるとおり、接着力が高く、これにより要素2を満たしつつ、濡れ広がり性および面内膜厚差も良好で、これにより要素1および要素3をも満たす仮止接着剤が好ましい。本発明者らは、接着剤成分としてロジンおよびセラックを含み、上記要素1から要素3のいずれも満たす仮止接着剤であれば、ウエハ前駆体等の種々の部品前駆体を研磨台等の加工用基板に良好に接着できるとの知見を得た。そして、この知見を基にさらなる検討が行われた末、本発明が完成された。
本発明の仮止接着剤は、ロジン、セラック、炭素数5以下のアルコールである低級アルコール(以下、単に低級アルコールともいう)、および分子内に2個以上の水酸基を有するアルコール誘導体である多価アルコール誘導体、を含むことを特徴とする。本発明の仮止接着剤は、接着性および洗浄性のバランスを図り得る特定の2種類の接着成分を含むとともに、組み合わされた特定の溶剤を含む。
かかる構成により、本発明は、ウエハ前駆体に対する濡れ広がり性が良好であり、ウエハ前駆体に塗布されてなる接着用塗膜の面内膜厚差が小さく抑制されるとともに、良好な接着性を示す仮止接着剤を実現する。そのため、本発明の仮止接着剤を用いてなる接着用塗膜が形成されたウエハ前駆体は、研磨台に対し傾斜することなく仮止されること(要素1)ができ、かつ研磨中にしっかりと研磨台に対し接着固定された状態を維持すること(要素2)ができるとともに、研磨時の圧力を被研磨面の全領域に対して均等に付与すること(要素3)ができる。
また一般的に、ウエハ前駆体の接着面に形成された接着用塗膜の膜厚差が大きい場合には、以下の問題がある。即ち、接着用塗膜の膜厚差が大きい状態で研磨台に仮止されたウエハ前駆体の被研磨面は、当該膜厚差に起因して、回転する研磨用のパッド(以下、単にパッドともいう)から受ける圧力が面内において不均等になる虞がある。この結果、被研磨面の研磨量が面内において不均一になる虞がある。または被研磨面の局所部分とパッドとの衝突圧が発生し、研磨時のウエハ前駆体のずれや傾斜が誘発され、研磨台に対するウエハ前駆体の接着性が低下する虞がある。これに対し、本発明の仮止接着剤は、上記要素1および要素3を満たすことで、さらに要素2の充足性を高める。そのため、本発明の仮止接着剤を用いて仮止されたウエハ前駆体は、より厳しい研磨条件にも対応し高精度に研磨され得る。
厳しい研磨条件に耐えうる本発明の仮止接着剤は、モース硬度9以上のウエハ前駆体を研磨用基板(研磨台)に仮止するための接着剤として使用することもできる。即ち、ウエハ前駆体として汎用されるシリコンウエハ前駆体よりも硬質なウエハ前駆体(例えばサファイアウエハ等)を研磨する場合、研磨条件がより厳しくなる。そのため、研磨時のウエハ前駆体の接着固定の状態が、ウエハ前駆体の研磨精度に対しよりシビアに影響を及ぼす。これに対し、上記要素1から要件3を満たす本発明の仮止接着剤は、研磨時のウエハ前駆体の接着固定状態を良好なものとし得る。そのため、モース硬度9以上の硬質なウエハ前駆体の研磨にも充分に対応可能である。
以上に、昨今の集積回路技術の進歩におけるウエハ前駆体の研磨加工を例に、仮止接着剤に求められる性能等について説明した。上述する要素1から要素3は、研磨加工以外の種々の精密加工においても重要である。したがって、上記説明は、研磨加工以外の種々の精密加工に関しても参照され得る。
以下に本発明の仮止接着剤についてさらに詳細に説明する。
[ロジン]
本発明に用いられるロジンは、共役二重結合を有するアビエチン酸を主体とするものであり、具体的には、ロジン、ロジンエステル、部分または水添ロジン、重合ロジン、またはこれらのロジン樹脂とマレイン酸等の二塩基酸との変性ロジンまたはそれらのエステル誘導体等の1種または混合物が例示される。上記ロジンは、一般的に3つの環構造およびカルボキシル基を有する。上記ロジンは、松脂を溶剤抽出後、温浴で固形化された天然ロジン、またはこの精製物若しくは変性物が主流である。しかし本発明は、合成されたロジンを用いることを除外しない。
[セラック]
本発明に用いられるセラックは、天然セラックまたは合成セラックのいずれかまたは組み合わせである。天然セラックは、たとえばカイガラムシから抽出され精製された樹脂状の物質が例示される。合成セラックの例としては、たとえば、トリハイドロキシパルミチン酸と高級脂肪族二塩基酸のポリエステル化合物などが例示される。
本発明者らの検討により、ロジンおよびセラックを含む仮止接着剤において、ロジンの配合比率が大きくなるほど、面内膜厚差が小さくなり、また濡れ広がり性が向上する傾向があることがわかった。一方、セラックの配合比率が大きくなるほど、接着力が高くなる傾向があることがわかった。かかる傾向を踏まえ、研磨条件等を勘案し、ロジンおよびセラックの配合比率を適宜変更することで、より適切な研磨を実施可能である。
たとえば仮止接着剤の性能のより良いバランスを図る観点では、仮止接着剤におけるロジンおよびセラックの配合比率は、ロジン(質量部)/セラック(質量部)=40/60から80/20の範囲であることが好ましく、45/55から75/25の範囲であることがより好ましく、55/45から65/35の範囲であることが更に好ましい。これにより、ウエハ前駆体に対する良好な濡れ広がり性を確保しつつ、ウエハ前駆体と研磨台とをしっかりと接着固定することができ、性能のバランスのとれた仮止接着剤を提供することができる。
上記範囲よりもロジンが多い場合には、接着力が小さくなる傾向にある。しかしかかる場合、セラックの配合比率が減るため、濡れ広がり性が良好で面内膜厚差が小さくなる。その結果、ウエハ前駆体を研磨台に対しより平行に接着固定すること、および仮止接着剤の非着部分を実質的になくすことが可能である。研磨台に対し良好な接着状態が実現されたウエハ前駆体は、被研磨面とパッドとの衝突圧がより小さく抑えられる。そのため、接着力の減少による影響が補われ、高い精度の研磨が実施されうる。
尚、本発明の仮止接着剤は、本発明の趣旨に逸脱しない範囲において、接着成分として、ロジンおよびセラックを含むとともに、さらに異なる接着成分を含んでもよい。
[低級アルコール]
本発明の仮止接着剤には、溶剤として、炭素数5以下のアルコールである低級アルコールが含まれる。かかる低級アルコールは、一般的に沸点が低い。そのため、ウエハ前駆体に塗布された仮止接着剤を適度に乾燥させて接着用塗膜を形成する際、および研磨工程の際に蒸発除去されやすい。沸点が低いという観点からは、低級アルコールとして1価低級アルコールが選択されることが好ましい。ここでいう1価低級アルコールとは、ヒドロキシ基を1つ有する低級アルコールを意味する。また同様に沸点が低いという観点からは、沸点が140℃以下の低級アルコールが、本発明に用いられる低級アルコールとして好ましい。
溶剤として上記低級アルコールのみが用いられた仮止接着剤は、良好な接着性が発揮される。ただし、かかる仮止接着剤は、望ましい濡れ広がり性が示され難く、また面内膜厚差も大きくなる傾向にある。そのため本発明は、溶剤として、低級アルコールに加え、後述する多価アルコール誘導体を用いる。
上記低級アルコールとしては、たとえばノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、2‐ブタノール、t-ブタノール、またはイソブチルアルコールなどが例示される。
本発明の仮止接着剤は、1種または2種以上の低級アルコールを含む。
たとえば上記低級アルコールとして、沸点の異なる2種以上の溶剤を含み、上記2種以上の低級アルコールのうちの少なくとも1種の沸点が、95℃以下であることは、本発明の好ましい一実施態様である。低級アルコールは、比較的沸点の低いものが多い。そのため、仮止接着剤に含まれる低級アルコールは、接着用塗膜から蒸発し易く、その結果、粘着性の向上に寄与する。しかし、低級アルコールを含む仮止接着剤は、当該低級アルコールの沸点が低いが故に、濡れ広がり性がやや劣る傾向にあり、かつ面内膜厚差もやや大きくなってしまう傾向にあった。これに対し、沸点の異なる2種以上の溶剤を含み、かつ沸点が95℃以下である低級アルコールを1種以上含む仮止接着剤は、良好な接着性を維持しつつ、仮止接着剤の濡れ広がり性が良好であるか、または面内膜厚差の増大を抑制することができる。
上述する沸点が95℃以下の低級アルコールとしては、たとえば、メタノール(沸点64.7℃)、エタノール(沸点78.3℃)、およびイソプロピルアルコール(沸点82.3℃)などが挙げられるが、これに限定されない。
2種の低級アルコールの組合せとしては、たとえば、エタノールおよびメタノール、またはエタノールおよびイソプロピルアルコールが挙げられる。3種の低級アルコールの組合せとしては、たとえば、エタノール、イソプロピルアルコールおよびメタノールなどが挙げられる。これらの組合せは、低級アルコールとして含まれる全ての溶剤の沸点が95℃以下である。
また、2種の低級アルコールの組合せの異なる態様として、たとえば、ノルマルプロピルアルコール(沸点97.2℃)およびメタノール、またはノルマルプロピルアルコールおよびエタノールが挙げられる。また3種の低級アルコールの組合せの異なる態様として、たとえば、エタノール、イソプロピルアルコール、およびノルマルプロピルアルコールなどが挙げられる。このように、溶剤として2種以上の低級アルコールを含む場合に、少なくとも1種の低級アルコールの沸点が95℃以下であり、かつ少なくとも1種の低級アルコールの沸点が95℃を上回ってもよい。
低級アルコールとして、沸点の異なる2種以上の溶剤を含み、上記2種以上の低級アルコールのうちの少なくとも1種の沸点が、95℃以下である本発明の態様において、上記低級アルコールとして、エタノールが含まれることが好ましい。また上記態様において、2種以上の低級アルコールのうち、エタノールの配合量が最も多いことがより好ましい。何故ならば、エタノールは、ロジンまたはセラックに対する溶解性が良好であり、かつ沸点が適度に低い。このようにエタノールは、上記溶解性と沸点のバランスが良いため、低級アルコールとしてエタノールを含む仮止接着剤は、濡れ広がり性が損なわれることなく、良好な接着力を示す傾向にある。また、低級アルコールとしてエタノールを含むことで、仮止接着剤は、固形分比率を高くしても良好な塗布性が維持され易く、その結果、接着用塗膜の厚みを増大させ易い。当該エタノールの配合量は特に限定されないが、仮止接着剤(樹脂組成物)中の低級アルコール100質量部におけるエタノールの配合量が50質量部以上94.5質量部以下の範囲であることが好ましい。
エタノールが上記範囲で含まれる仮止接着剤において、エタノールの沸点を超えて95℃以下の沸点を示す第2の低級アルコール(たとえばイソプロピルアルコール)が含まれることが好ましい。第2の低級アルコールの配合量は、エタノールより少なければよいが、仮止接着剤(樹脂組成物)中の低級アルコール100質量部における第2の低級アルコールの配合量が0.5質量部以上15質量部以下の範囲であることが好ましい。このように、エタノールよりも沸点が高く、かつ95℃以下の沸点を示す低級アルコールが少量含まれることで、仮止接着剤の濡れ広がり性が改善され、または面内膜厚差が小さく抑えられ得る。
エタノールが上記範囲で含まれる仮止接着剤において、エタノールの沸点を下回る沸点を示す第3の低級アルコール(たとえばメタノール)が含まれることが好ましい。第3の低級アルコールの配合量は、エタノールより少なければよいが、仮止接着剤(樹脂組成物)中の低級アルコール100質量部における第3の低級アルコールの配合量が5質量部以上20質量部以下の範囲であることが好ましい。このように、エタノールよりも沸点が高く、かつ95℃以下の沸点を示す低級アルコールが少量含まれることで、仮止接着剤の濡れ広がり性が改善され、または面内膜厚差が小さく抑えられ得る。
とりわけ、接着用塗膜の厚みを増大させたい場合には、低級アルコールとしてエタノール、上記第2の低級アルコールおよび上記第3の低級アルコールを全て含むことが好ましく、実質的に低級アルコールとしてこれら3種のみが含まれていることがより好ましい。かかる組み合わせにおいて、仮止接着剤(樹脂組成物)中の、それぞれの低級アルコールの含有量は、低級アルコール100質量部において、エタノールの配合量が50質量部以上94.5質量部以下の範囲であり、第2の低級アルコールの配合量が0.5質量部以上15質量部以下の範囲であり、かつ第3の低級アルコールの配合量が5質量部以上20質量部以下の範囲となるよう調整するとよい。
[多価アルコール誘導体]
本発明の仮止接着剤には、分子内に2個以上の水酸基を有するアルコール誘導体である多価アルコール誘導体が含まれる。上記多価アルコール誘導体は、一般的に低級アルコールよりも沸点が高い。そのため、多価アルコール誘導体は、低級アルコールが蒸発除去された後でも接着用塗膜に残存しやすい。仮止接着剤における溶剤として、上記低級アルコールと上記多価アルコール誘導体とを含む混合溶剤を用いることで、接着成分としてロジンおよびセラックを含む仮止接着剤の濡れ広がり性、面内膜厚差の減少、および接着性の向上を良好に図ることができる。本発明の仮止接着剤は、1種または2種以上の高価アルコール誘導体を含む。
上記多価アルコール誘導体としては、たとえば、プロピレングリコールアルキルエーテル類またはエチレングリコールアルキルエーテル類等の2価のアルコールを少なくとも一種を用いることが好ましい。これらの多価アルコール誘導体は、ロジンおよびセラックを良好に溶かすことができ、ロジンおよびセラックを含有する仮止接着剤の品質を安定化させることができる。
上記プロピレングリコールアルキルエーテル類としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、またはプロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。またプロピレングリコールアルキルエーテル類の異なる例として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのアセテート類を用いることもできる。
上記エチレングリコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、またはエチレングリコールジメチルエーテル等を挙げることができる。
本発明の仮止接着剤に含まれる低級アルコールと多価アルコール誘導体との配合比率は、特に限定されないが、低級アルコール(質量部)/多価アルコール誘導体(質量部)=95/5から25/75の範囲であることが好ましく、90/10から30/70の範囲であることがより好ましく、85/15から35/65であることが更に好ましい。上記配合比率がかかる範囲であることにより、濡れ広がり性、面内膜厚差、および接着性の3つの評価においてバランスよく良好である仮止接着剤を容易に提供することができる。
上述する低級アルコールおよび多価アルコール誘導体は特に限定されないが、たとえば、低級アルコールが、1価低級アルコールであって沸点が70℃以上105℃以下であること、または多価アルコール誘導体が沸点115℃以上150℃以下であること、の少なくともいずれか一方を満たすことが好ましい。1価低級アルコールとして2種以上の溶剤が含まれる場合には、1価低級アルコールとして配合された複数の溶剤のうち最も配合量の多い1価低級アルコールの沸点が、少なくとも上記範囲であることが好ましい。また、多価アルコール誘導体として2種以上の溶剤が含まれる場合には、多価アルコール誘導体として配合された複数の溶剤のうち最も配合量の多い多価アルコール誘導体の沸点が、少なくとも上記範囲内であることが好ましい。
仮止接着剤の溶剤として沸点が上記範囲の1価低級アルコールが含まれる場合、ウエハ前駆体に塗布された後の乾燥工程時などに当該1価低級アルコールをスムーズに蒸発させることができ、良好な接着性が得られやすい。
また仮止接着剤の溶剤として沸点が上記範囲の多価アルコール誘導体が含まれる場合、良好な接着性を維持しつつ、ウエハ前駆体に塗布される際の伸びがよく、濡れ広がり性に優れた仮止接着剤を容易に調整することができる。
上記効果をより充分に得るために、仮止接着剤は、上記1価低級アルコールおよび上記多価アルコール誘導体を両方含むことが好ましい。
より具体的な例としては、上記低級アルコールとしてノルマルプロピルアルコールを含み、かつ上記多価アルコール誘導体としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを含むことが好ましい。沸点約97℃のノルマルプロピルアルコール、および沸点約120℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルを混合溶剤として含むことで、濡れ広がり性が良好で、面内膜厚差が小さく、かつ接着性にも優れたバランスの良い仮止接着剤を容易に調整することができる。
尚、本発明の仮止接着剤は、本発明の趣旨に逸脱しない範囲において、溶剤として、上述する低級アルコールおよび多価アルコール誘導体を含むとともに、さらに異なる溶剤を含んでもよい。また、仮止接着剤には、適宜、任意の添加剤が含有されてもよい。
ところで、仮止接着剤における固形分比率は、当該仮止接着剤よりなる接着用塗膜の膜厚に影響を及ぼす。即ち、一般的な仮止接着剤は、固形分比率が高いほど、膜厚が大きくなるとともに、濡れ広がり性が低下し、または面内膜厚差が大きくなる傾向にある。しかし本発明者らの検討によれば、本発明の仮止接着剤は、固形分比率を適度に増大させた場合、良好な濡れ広がり性および小さい面内膜厚差を維持しつつ、接着性を上げることができる。本発明の仮止接着剤は、固形分比率が増大することで溶剤比率が低下した場合であっても、上述する望ましい2種の溶剤(即ち、低級アルコールおよび多価アルコール誘導体)が混合して用いられるため、良好な濡れ広がり性および小さい面内膜厚差を維持可能であると推測された。加えて、膜厚が増大した接着用塗膜と研磨台とが当接して接着する際、当該接着用塗膜の表面に存在する微小な凹凸が接着用塗膜の厚み方向において吸収されて平らに均され当接面の面積が実質的に増えることで、接着性が増すものと推測された。
上述するとおり、良好な濡れ広がり性および小さい面内膜厚差を維持しつつ、接着性を増大させるという観点において、本発明の仮止接着剤は、仮止接着剤100質量%における固形分比率が、25質量%以上50質量%以下の範囲であることが好ましく、35質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。固形分比率が25質量%を上回ると、接着用塗膜の厚みがある程度大きく、充分に高い接着性を得やすくなる。また固形分比率が50質量%を下回ると、ウエハ前駆体に対する塗り性が向上し、面内膜厚差が小さくなり易い。
本発明に関し、仮止接着剤の固形分比率とは、下記の条件にて測定される。即ち、所定寸法のアルミ箔上に、0.5g以上1.0g以下の範囲の仮止接着剤を滴下し、試験片の質量(加熱前質量)を測定した後、当該試験片をオーブンに入れて180℃、20分間加熱して溶剤を蒸発除去する。加熱後、試験片をオーブンから取り出して室温まで冷却した後、再度、試験片の質量(加熱後質量)を測定する。そして下記式(1)から固形分比率が算出される。尚、ここでいう室温とは、20℃以上25℃以下の範囲を示す。
[式1]
固形分比率(質量%)=加熱後質量/加熱前質量×100 (1)
上述する本発明の仮止接着剤において、より好ましい態様は、仮止接着剤100質量%における固形分比率が、35質量%以上45質量%以下の範囲であり、かつ上記低級アルコールと上記多価アルコール誘導体との配合比率が、低級アルコール(質量部)/多価アルコール誘導体(質量部)=95/5から25/75の範囲である。上記低級アルコール(質量部)/多価アルコール誘導体(質量部)が、90/10から30/70の範囲であることがより好ましく、85/15から35/65であることが更に好ましい。
上記態様の仮止接着剤は、固形分比率を適度に高くして接着性を向上させるとともに、高沸点アルコールである多価アルコール誘導体の配合量を充分に確保することで、良好な濡れ広がり性を担保することができる。
次に、本発明の部品製造方法について説明する。尚、以下の説明においては、便宜的に加工前の部品を部品前駆体と呼び、当該部品前駆体を用いて加工工程を実施し、得られたものを単に部品と呼ぶ。例えば、具体的には研磨工程前のウエハをウエハ前駆体と呼び、当該ウエハ前駆体を用いて研磨工程を実施し、得られたものを単にウエハと呼ぶ。
本発明の部品製造方法は、仮止工程および加工工程を備える。上記仮止工程とは、上述する本発明の仮止接着剤を用い、部品前駆体と加工用基板との間に接着用塗膜を形成し、上記加工用基板に上記部品前駆体を仮止する工程である。また、加工工程は、上記仮止工程において加工用基板に仮止された上記部品前駆体の被加工面に対し加工する工程である。
たとえば、本発明の部品製造方法は、ウエハ製造方法として実施することができる。即ち、当該ウエハ製造方法は、上記部品製造方法において、部品前駆体がウエハ前駆体であり、ウエハ前駆体と加工用基板である研磨用基板との間に接着用塗膜を形成し、研磨用基板にウエハ前駆体を仮止する仮止工程、および上記仮止工程において研磨用基板に仮止されたウエハ前駆体の被研磨面を研磨する研磨工程を含む加工工程を備える。
本発明における加工工程は、特段の精密性が求められない一般的な加工工程および高い精密性が求められる精密加工工程を含む。また本発明の製造方法は上記ウエハに加えシリコン、サファイア、ガリウムヒ素、ガラス材、磁性材、金属材、水晶、光学レンズまたは半導体デバイス用部材等の種々の部材からなる部品の製造方法としても用いることができる。また、本発明の製造方法における加工工程としては、研磨工程以外の加工として、研削工程、切削工程、穴開け工程、および切断工程のいずれか一種以上が挙げられる。
以下において、本発明の部品製造方法に関し、部品がウエハである態様(即ちウエハ製造方法)であり、かつ加工工程が精密加工工程である態様を例に説明する。本発明の部品製造方法の一例であるウエハ前駆体の研磨の場合、本発明の仮止接着剤を用いてウエハ前駆体が研磨用基板(研磨台)に仮止されるため、研磨用基板に対し、ウエハ前駆体を傾斜させることなく仮止することができる。上記研磨用基板と上記ウエハ前駆体との間に存在する接着用塗膜は、面内膜厚差が小さく、かつ仮止接着剤の非着部分が非常に少ないか、あるいは実質的にない。そのため、研磨工程において、ウエハ前駆体の被研磨面に対し、研磨用のパッドからウエハ前駆体に対しかかる圧力は、当該ウエハ前駆体の被研磨面に対し略均等になる。その結果、当該被研磨面を高精度に研磨することができ、高品質なウエハを製造することができる。
以下にウエハ製造方法を例に本発明の部品製造方法の詳細を説明する。
本発明の一例であるウエハ製造方法は、上述する仮止工程および研磨工程を実施すること以外は、公知のウエハを製造するための各工程を適宜組合せることができる。
例えば、シリコン、サファイア、またはリン化ガリウム若しくは窒化ガリウム等の化合物半導体といった任意のウエハ用材料により形成された柱状体を準備する。そして上記柱状体を適度な厚みにスライスすることで仮止工程に用いられるウエハ前駆体を形成することができる。
このように形成されたウエハ前駆体は、仮止工程に供される前に、適宜、研磨剤などで表面を粗く研磨されるとともに、必要に応じて化学的エッチングにて表面処理される。
上述のとおり準備されたウエハ前駆体を用い仮止工程が実施される。本発明において仮止工程の具体的な内容は、研磨用基板とウエハ前駆体との間に本発明の仮止接着剤を用いて接着用塗膜を形成可能な範囲で適宜決定してよい。たとえば仮止工程の具体的な例としては、ウエハ前駆体の一方面側に仮止接着剤を塗布して接着用塗膜を形成し、上記接着用塗膜を貼り付け面として研磨用基板に上記ウエハ前駆体を仮止する態様(以下、仮止工程態様1ともいう)が挙げられる。異なる仮止工程の具体的な例として、研磨用基板に仮止接着剤を塗布して接着用塗膜を形成し、上記接着用塗膜の上にウエハ前駆体を配置することで、接着用塗膜を介して研磨用基板にウエハ前駆体を仮止する態様(以下、仮止工程態様2ともいう)が挙げられる。尚、以下の説明では、上記仮止工程態様1を例に説明する。
仮止工程において、本発明の仮止接着剤をウエハ前駆体の一方面側に塗布する。塗布する方法は特に限定されないが、例えば、スピンコーター、ダイコーター、ディップコーター、インクジェットコーター、ロールコーターなどの塗布装置を用い、仮止接着剤をウエハ前駆体に塗布して接着用塗膜を形成することができる。接着用塗膜が形成された後、適宜、当該接着用塗膜に含まれる溶剤を除去するために加熱するとよい。加熱方法は特に限定されないが、接着用塗膜が形成されたウエハ前駆体をホットプレートまたはオーブンに入れて、100℃から120℃の温度にて、0.5分から2分程度加熱するとよい。尚、仮止接着剤の塗布量は、当該仮止接着剤の組成や固形分比率等を勘案して適宜決定してよい。例えば4インチのウエハ前駆体の一方側面に対し、1mlから3ml程度の仮止接着剤を塗布するとよい。尚、仮止工程に用いられる仮止接着剤は、上述にて説明する本発明の仮止接着剤が用いられるため、ここでは詳細な説明を割愛する。
その後、研磨用基板に対し接着用塗膜を対向させた向きで、ウエハ前駆体を当該研磨用基板の所定の位置に配置し接着固定する。このとき、研磨用基板の表面温度を、ロジンおよびセラックの混合物の軟化温度よりも高い温度(例えば軟化温度より20℃から50℃程度高い温度)に予め調整するとよい。温度調整された研磨用基板に接着用塗膜を密着させ、次いで、放冷することで、ウエハ前駆体を研磨用基板に対し、より確実に仮止することができる。
上記仮止工程の後、研磨工程が実施される。研磨工程は、ウエハ前駆体の研磨を可能とする公知の研磨手段を適宜実施することができる。たとえば、ウエハ前駆体の被研磨面に対し圧力をかけながら回転するパッドにより当該被研磨面を研磨することができる。研磨条件は、ウエハ前駆体の硬度や求められる研磨精度によって適宜変更することができる。本発明の仮止接着剤を用いて上記仮止工程が実施されるため、厳しい研磨条件下においても高精度に研磨可能である。そのため、本発明の一例であるウエハ製造方法は、モース硬度9以上のウエハ(例えばサファイアウエハ等)の製造方法としても好適である。
上記研磨工程の実施後、研磨されたウエハを研磨用基板から剥離する。剥離は、例えば加熱溶融または、ナイフまたはスクレイパーなどを用い、接着用塗膜を化学的または物理的に破壊して実施されることが一般的である。その後、剥離されたウエハに残存する仮止接着剤を洗浄してウエハを清浄にする。洗浄方法は特に限定されないが、たとえば洗浄液に満たされた洗浄槽に上記ウエハを浸漬し、ウエハに残存する仮止接着剤を溶解し除去する。
上述のとおり仮止工程および研磨工程を含む適宜の工程の実施により、高精度に研磨されたウエハを製造することができる。
以上にウエハ製造方法を例に説明する本発明の部品製造方法は、本発明の仮止接着剤の用途を何ら限定するものではない。上述する仮止接着剤の説明からも理解されるとおり、本発明の仮止接着剤は、ウエハ前駆体を含む種々の部品前駆体と加工用基板との間に接着用塗膜を形成するに望ましい機能を有する。したがって、本発明の部品製造方法は、一般的な加工工程の実現はもちろんのこと、種々の部品の高精度な精密加工の実現に寄与し得る。したがって、本発明の部品製造方法は、本発明の仮止接着剤を用い、部品前駆体と加工用基板との間に接着用塗膜を形成し、上記加工用基板に上記部品前駆体を仮止する仮止工程、および上記仮止工程において上記加工用基板に仮止された上記部品前駆体の被加工面に対し研磨、切削、切断、穴あけ、研削等の加工を実施する加工工程を備える部品製造方法として適用することができる。
本発明の実施例として、ウエハ前駆体の仮止接着剤である実施例および比較例を以下の通り調整した。
接着成分として以下を準備し、表1から表3に示す割合で調整し各実施例、および各比較例を得た。尚、表中、接着成分は固形分の質量部を表し、溶剤は使用した溶剤の質量部を表す。
(接着成分)
・ロジン(マレイン酸変性ロジン)
・セラック(天然セラック)
また上記接着成分を溶解または混合するための溶剤として以下を準備した。
(低級アルコール)
・ノルマルプロピルアルコール(NPA)
・メタノール
・イソブチルアルコール
・エタノール
・イソプロピルアルコール
(多価アルコール誘導体)
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)
・エチレングリコールジメチルエーテル
・プロピレングリコールモノブチルエーテル
(その他)
・メチルエチルケトン(MEK)
・酢酸ブチル
上述のとおり得られた各実施例および各比較例である仮止接着剤について以下の評価を行った。評価結果は、表1から表3にそれぞれ示す。
(濡れ広がり性評価)
ウエハ前駆体として既に片面研磨されたシリコンウエハ前駆体(4インチ、厚み1mm程度、円板状)を準備し、非研磨面に、上述のとおり得られた各仮止接着剤1.0mlを、スピンコーティング法により塗布し塗膜を形成した。塗布条件は、2800rpm、5秒とした。塗布後、115℃、50秒の条件で上記塗膜を加熱し接着用塗膜を形成し、当該接着用塗膜が形成されたシリコンウエハ前駆体を得た。上記シリコンウエハ前駆体に形成された接着用塗膜を室内灯の下で目視にて観察し、以下のとおり評価した。
○:シリコンウエハ前駆体の非研磨面の塗膜に非着部分が確認されなかった
△:シリコンウエハ前駆体の非研磨面の塗膜に非着部分が1箇所以上5箇所未満確認された
×:シリコンウエハ前駆体の非研磨面の塗膜に非着部分が5箇所以上確認された
(接着力評価)
一対のステンレス鋼(SUS)治具を準備し、140℃に加熱した。そして、加熱されたステンレス鋼(SUS)の先端に各仮止接着剤を滴下して、20分後に一対のステンレス鋼(SUS)治具の先端同志を貼り合せ、室温(25℃)に冷却した。そして、JIS K6850(1999)に規定される接着剤−剛性被着材の引張せん断接着強さ試験方法に準拠して、ステンレス鋼(SUS)治具を引きはがした。引きはがすときの接着剤塗膜の破断応力(MPa)を測定し、これを仮止接着剤の接着力として以下のとおり評価した。
○:破断応力が3MPa以上であった
△:破断応力が2MPa以上3MPa未満であった
×:破断応力が2MPa未満であった
(面内膜厚差評価および平均膜厚の測定)
上記濡れ広がり性評価において作成したものと同様の片面研磨されたシリコンウエハ前駆体を準備し研磨面に上記と同じ条件で塗膜を形成した。そして、非接触式膜厚測定システム(フィルメトリクス株式会社製、F50自動マッピング膜厚測定システム)を用いて接着用塗膜の任意の151箇所の膜厚を測定し、以下の式(2)のとおり膜厚差(μm)を求めた。そして得られた膜厚差を以下のとおり評価した。
また上述のとおり測定された151箇所の膜厚の平均値を算出し、これを平均膜厚(μm)とした。
[式2]
面内膜厚差(μm)=測定された膜厚の最大値−測定された膜厚の最小値 (2)
○:面内膜厚差が0.2μm未満であった
△:面内膜厚差が0.2μm以上0.4μm未満であった
×:面内膜厚差が0.4μm以上であった
表1、2に示すとおり、全実施例ともに不良の評価(×評価)がなく、バランスのとれた良好な性能の仮止接着剤であることが示された。実施例1から3、7、8、12、14、21、22、24、および25はいずれの評価も良好(○評価)な結果であった。
これに対し、実施例4から6、9、11、16、18、および20は、接着力の点でやや低い評価(△評価)であった。しかしこれらの実施例は、濡れ広がり性および面内膜厚差が良好であった。そのため、これらの実施例は、研磨台に対しウエハを傾斜させることなく仮止することが可能であり、その結果、研磨時の負荷が小さくなるため、接着力の不十分さを充分に補える範囲であった。
また、実施例10、13、15、17、19および23は、濡れ広がり性および面内膜厚差の評価がやや低い評価(△評価)であった。しかしこれらの実施例は、接着力が良好であり全体のバランスが図られているため、良好な研磨が充分に可能であった。
仮止接着剤(樹脂組成物)中の固形分比率の観点では、固形分比率が20質量%と低めに調整された実施例9または55質量%と高めに調整された実施例10に比べ、当該比率が25質量%以上50質量%以下の範囲である実施例7、8は、いずれの評価も良好(○評価)であり特に優れていた。
ロジンとセラックの配合比率の観点では、ロジンの配合比率が85%と高めに調整された実施例11またはセラックの配合比率が65%と高めに調整された実施例13に比べ、ロジン/セラック=40/60〜80/20の範囲で調整された実施例2、12、および14は、いずれの評価も良好(○評価)であり特に優れていた。
溶媒比率の観点では、低級アルコールの比率が95%と高めに調整された実施例15、または多価アルコールの比率が75%と高めに調整された実施例16に比べ、低級アルコール/多価アルコール誘導体=90/10〜30/70の範囲に調整された実施例1から3、および7は、いずれの評価も良好(○評価)であり特に優れていた。
一方、実施例17から20は、実施例2と同様に低級アルコール/多価アルコール誘導体=80/20に調整された。しかし実施例17から20は、実施例2に比べて接着力、または濡れ広がり性および面内膜厚差の評価がやや劣った。かかる評価は以下のとおり推察された。
即ち、実施例17は、低級アルコールとして、沸点が低めであるメタノールが用いられた。そのため、実施例17は、接着用塗膜が均される前に乾燥し、実施例2と比べて濡れ広がり性がやや劣り、また面内膜厚差がやや大きくなったと推察された。
実施例18は、低級アルコールとして、沸点が高めであるイソブチルアルコールが用いられた。そのため、実施例18は、接着用塗膜が乾燥し難い傾向にあり、実施例2と比べて接着力の評価がやや劣ったと推察された。
実施例19は、多価アルコール誘導体として、沸点が低めであるエチレングリコールジメチルエーテルが用いられた。そのため、実施例19は、接着用塗膜が均される前に乾燥し、実施例2と比べて濡れ広がり性がやや劣り、また面内膜厚差がやや大きくなったと推察された。
実施例20は、多価アルコールとして、沸点が高めであるプロピレングリコールモノブチルエーテルが用いられた。そのため、実施例20は、接着用塗膜が乾燥し難い傾向にあり、実施例2と比べて接着力の評価がやや劣ったと推察された。
実施例21、23から25は、2種以上の低級アルコールが用いられた実施例を示した。実施例21、22、24、25は、膜厚が大きく設計された(平均膜厚の値を参照)にも関わらず、面内膜厚差が、0.12μmから0.15μmと小さく良好であった。
実施例21は、接着力が高い上、濡れ広がり性が良好で面内膜厚差も0.13μmと小さくバランスがとれ良好な仮止接着剤であった。
実施例23は、実施例21から25の中でも、特に接着力が高く良好であった。かかる理由は、実施例23において多価アルコール誘導体に対する低級アルコールの配合量が顕著に多かったためと推察された。
一方、表3に示すとおり比較例は、いずれも不良の評価(×評価)を1つ以上含むか、あるいは接着成分(固形分)が溶けないため評価不能(比較例7)であった。
尚、比較例1から4において、ロジンの配合比率が大きくなるほど、面内膜厚差が小さくなり、また濡れ広がり性が向上する傾向があった。一方、比較例1から4において、セラックの配合比率が大きくなるほど、接着力が高くなる傾向があることが示された。
面内膜厚差の観点から、適度な平均膜厚(具体的には2.8μm程度)で設計した場合に、比較例は面内膜厚差が大きくなったが、実施例は、かかる膜厚であっても面内膜厚差を小さく抑えることができた。特に実施例7および21から25では、平均膜厚が3.75μmと大きく破断応力も3.9Mpaと非常に高い上、良好な濡れ広がり性が示された。
Figure 0006403935
Figure 0006403935
Figure 0006403935
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)ロジン、
セラック、
炭素数5以下のアルコールである低級アルコール、および
分子内に2個以上の水酸基を有するアルコール誘導体である多価アルコール誘導体、
を含むことを特徴とする仮止接着剤。
(2)前記ロジンおよび前記セラックの配合比率が、ロジン(質量部)/セラック(質量部)=40/60から80/20の範囲である上記(1)に記載の仮止接着剤。
(3)前記低級アルコールが、1価低級アルコールであって沸点が70℃以上105℃以下であること、または前記多価アルコール誘導体が沸点115℃以上150℃以下であること、の少なくともいずれか一方を満たす上記(1)または(2)に記載の仮止接着剤。
(4)前記多価アルコール誘導体が、プロピレングリコールアルキルエーテル類またはエチレングリコールアルキルエーテル類の少なくとも一方を含む上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の仮止接着剤。
(5)仮止接着剤100質量%における固形分比率が、25質量%以上50質量%以下の範囲である上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の仮止接着剤。
(6)前記低級アルコールと前記多価アルコール誘導体との配合比率は、低級アルコール(質量部)/多価アルコール誘導体(質量部)=95/5から25/75の範囲である上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の仮止接着剤。
(7)仮止接着剤100質量%における固形分比率が、25質量%以上50質量%以下の範囲であり、かつ
前記低級アルコールと前記多価アルコール誘導体との配合比率は、低級アルコール(質量部)/多価アルコール誘導体(質量部)=95/5から25/75の範囲である上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の仮止接着剤。
(8)モース硬度9以上のウエハ前駆体を研磨用基板に仮止するための上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の仮止接着剤。
(9)前記低級アルコールとしてノルマルプロピルアルコールを含み、かつ
前記多価アルコール誘導体としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを含む上記(1)から(8)のいずれか一項に記載の仮止接着剤。
(10)前記低級アルコールとして、沸点の異なる2種以上の溶剤を含み、
前記2種以上の前記低級アルコールの少なくとも1種の沸点が、95℃以下である上記(1)から(8)のいずれか一項に記載の仮止接着剤。
(11)上記(1)から(10)のいずれか一項に記載の仮止接着剤を用い、部品前駆体と加工用基板との間に接着用塗膜を形成し、前記加工用基板に前記部品前駆体を仮止する仮止工程、および前記仮止工程において前記加工用基板に仮止された前記部品前駆体の被加工面を加工する加工工程を備えることを特徴とする部品製造方法。
(12)前記部品前駆体がウエハ前駆体であり、前記ウエハ前駆体と前記加工用基板である研磨用基板との間に前記接着用塗膜を形成し、前記研磨用基板に前記ウエハ前駆体を仮止する仮止工程、および前記仮止工程において前記研磨用基板に仮止された前記ウエハ前駆体の被研磨面を研磨する研磨工程を含む加工工程を備える上記(11)に記載の部品製造方法。

Claims (13)

  1. ロジン、
    セラック、
    炭素数5以下のアルコールである低級アルコール、および
    分子内に2個以上の水酸基を有するアルコールを誘導化した誘導体である多価アルコール誘導体、
    を含み、
    前記ロジンおよび前記セラックの配合比率が、ロジン(質量部)/セラック(質量部)=40/60から80/20の範囲であることを特徴とする仮止接着剤。
  2. 前記低級アルコールが、1価低級アルコールであって沸点が70℃以上105℃以下であること、または前記多価アルコール誘導体が沸点115℃以上150℃以下であること、の少なくともいずれか一方を満たす請求項1に記載の仮止接着剤。
  3. 前記多価アルコール誘導体が、プロピレングリコールアルキルエーテル類またはエチレングリコールアルキルエーテル類の少なくとも一方を含む請求項1または2に記載の仮止接着剤。
  4. 仮止接着剤100質量%における固形分比率が、25質量%以上50質量%以下の範囲である請求項1からのいずれか一項に記載の仮止接着剤。
  5. 前記低級アルコールと前記多価アルコール誘導体との配合比率は、低級アルコール(質量部)/多価アルコール誘導体(質量部)=95/5から25/75の範囲である請求項1からのいずれか一項に記載の仮止接着剤。
  6. 仮止接着剤100質量%における固形分比率が、25質量%以上50質量%以下の範囲であり、かつ
    前記低級アルコールと前記多価アルコール誘導体との配合比率は、低級アルコール(質量部)/多価アルコール誘導体(質量部)=95/5から25/75の範囲である請求項1からのいずれか一項に記載の仮止接着剤。
  7. モース硬度9以上のウエハ前駆体を研磨用基板に仮止するための請求項1からのいずれか一項に記載の仮止接着剤。
  8. 前記低級アルコールとしてノルマルプロピルアルコールを含み、かつ
    前記多価アルコール誘導体としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを含む請求項1からのいずれか一項に記載の仮止接着剤。
  9. 前記低級アルコールとして、沸点の異なる2種以上の溶剤を含み、
    前記2種以上の前記低級アルコールの少なくとも1種の沸点が、95℃以下である請求項1からのいずれか一項に記載の仮止接着剤。
  10. 前記多価アルコール誘導体が、プロピレングリコールモノメチルエーテルである請求項1からのいずれか一項に記載の仮止接着剤。
  11. 前記低級アルコールを2種以上含むとともに、
    前記低級アルコールと前記多価アルコール誘導体との配合比率が、低級アルコール(質量部)/多価アルコール誘導体(質量部)=54/46から25/75である請求項1から10のいずれか一項に記載の仮止接着剤。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の仮止接着剤を用い、部品前駆体と加工用基板との間に接着用塗膜を形成し、前記加工用基板に前記部品前駆体を仮止する仮止工程、および前記仮止工程において前記加工用基板に仮止された前記部品前駆体の被加工面を加工する加工工程を備えることを特徴とする部品製造方法。
  13. 前記部品前駆体がウエハ前駆体であり、前記ウエハ前駆体と前記加工用基板である研磨用基板との間に前記接着用塗膜を形成し、前記研磨用基板に前記ウエハ前駆体を仮止する仮止工程、および前記仮止工程において前記研磨用基板に仮止された前記ウエハ前駆体の被研磨面を研磨する研磨工程を含む加工工程を備える請求項12に記載の部品製造方法。
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