JP6399768B2 - 麺類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、麺類の製造方法に関する。より詳しくは、速度の異なるコンベアに少なくとも2回以上乗り移らせることで、麺重量のばらつきを減らし、麺線がストレート状になっている麺類の製造方法に関する。
現在、日本のみならず、海外においても様々な即席麺が市場に流通している。即席麺は、水分含量が極めて低く、乾燥状態であるために長期の保存性に優れている。また、調理においても熱湯に浸して数分間放置するだけ、又は1〜数分程度熱湯で茹でるだけで復元して喫食でき、きわめて簡便性の高い食品である。
即席麺としては、例えば、フライ麺とノンフライ麺が知られている。両者の違いは、乾燥工程の種類の違いである。フライ麺は、α化処理した麺を150℃程度の高温の油でフライ処理して乾燥させた麺である。一方、ノンフライ麺とは、フライ処理以外の方法によって乾燥させた麺である。例えば、α化処理した麺を熱風乾燥、マイクロ波照射、低温で送風乾燥する方法、真空凍結乾燥またはこれらの組み合わせなどが挙げられる。
近年、即席麺においても、本格的な食感や見た目など、今までよりも本格志向が高まっている。特にストレート麺に対する需要は高く、ストレート麺に関する出願もなされている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1,2には、麺線が縦横に振れながら切り出されること(以下、「横波麺線」という。)が開示されている。
特許4381470号 特許4860773号
ところで、ウェーブを付けた従来の縦波麺線は、湿熱処理後の麺線同士の結着数が少ないため、一食分ずつ切り分けても麺重量のばらつきが少なかった。これに対して、横波麺線は、従来のウェーブ麺に比べて湿熱処理後の麺線同士の結着数が多く、一食分ずつ切り分けた場合に麺重量のばらつきが大きくなるといった問題が発生する。そのため、麺重量のばらつきを減らすためには、α化の際に発生した麺線同士の結着を解き、ストレート状に延伸してから一食分ずつ切り分けることが好ましい。また、乾燥後の結着や乾燥不良を減らすためにも、乾燥前に結着が解かれていることが好ましい。
しかし、横波麺線は、蒸煮処理後に麺線を延伸しようとしても、麺線が多層の積層状態となっているため、麺線にかかる抵抗が大きく、ストレート状に延伸することは容易ではない。
また、横波麺線は、点接触により少なからず結着した状態で多層構造を形成しているため、延伸した際に麺線にかかる抵抗力もその位置により大小様々である。したがって、一度に大きな力で麺線を延伸しようとすると、結着の多い個所は抵抗力が大きくなるため延伸されにくい。一方、結着の少ない個所は抵抗力が小さいため、麺線が引き千切れてしまうおそれがある。
さらに、麺線が引き千切れないように小さな力で延伸した場合には、結着の少ない個所しか延伸することができない。また、結着の多い個所は延伸されずに多層構造のままとなり、ストレート状に延伸することができない。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、延伸工程において、麺線が引き千切れることなく結着を解き、麺線をストレート状に延伸することができる麺の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、ストレート麺の製造において、複雑な装置を使うことなく麺線同士の結着を解消するとともに、麺線を引き千切ることなくストレート状に延伸する方法について鋭意検討を行った。そして、種々の延伸条件について検討した結果、湿熱処理によってα化された麺線を、等速または速度の異なるコンベアに少なくとも2回以上乗り移らせることで、麺線の結着を解消するとともに、麺線を引き千切ることなくストレート状に延伸することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記課題解決のため、本発明は、湿熱処理された麺線を等速または異なる速度のコンベアに2回以上乗り移らせる工程を含む麺類の製造方法を提供する。
かかる構成によれば、コンベアで湿熱処理した麺線を2回以上乗り移らせることで、麺線同士の結着を解き、麺線をストレート状に引き延ばすことができる。
本発明は、切刃ロールによって切り出される麺線の切り出し速度と切刃ロールの直下に設けたコンベアの速度との速度比が3以上となるように麺線を切り出す工程(切り出し工程)と、前記切り出された麺線を湿熱処理する工程(湿熱処理工程)と、前記湿熱処理された麺線を前記コンベアよりも速度の速い搬送コンベアに少なくとも2回以上乗り移らせて移送する工程(延伸工程)と、を含む麺類の製造方法を提供する。
かかる構成によれば、速度比を設けて麺線を横波麺線とすることで、麺線自体にウェーブを付きにくくさせることができる。また、横波麺線を切刃ロールの直下に設けたコンベアよりも速度の速い搬送コンベアに2回以上乗り移らせることで、麺線の結着を解き、麺線をストレート状に引き延ばすことができる。
ここで、特許請求の範囲に記載の「コンベア」とは、ウェーブコンベアや蒸煮コンベアだけでなく、搬送コンベアの直前に設けられたコンベア全てを含む概念である。例えば、蒸煮コンベアと搬送コンベアとの間に、別のコンベアを設けた場合であっても、本概念に含まれる。
また、特許請求の範囲に記載の「湿熱処理」とは、麺線をα化できる湿熱処理であれば本概念に含まれる。例えば、飽和水蒸気を用いた場合はもちろん、過熱水蒸気を用いた場合や、水分を麺線に付与した後に高温熱風で処理する場合も本概念に含まれる。
前記した構成において、前記搬送コンベアは2以上の搬送コンベアからなり、各搬送コンベアの速度は、一つ前の搬送コンベアと等速またはそれ以上の速度であり、かつ、最終搬送コンベアの速度が前記麺線の切り出し速度以上の速度であることが好ましい。
また、前記した構成において、前記搬送コンベアが、第一搬送コンベアと第二搬送コンベアとを少なくとも含み、前記第二搬送コンベアの速度は前記第一搬送コンベアと等速またはそれ以上の速度であり、かつ、前記第二搬送コンベアの速度が前記麺線の切り出し速度以上の速度であることが好ましい。
かかる構成によれば、等速または段階的に早くなっている搬送コンベアに乗り移らせることによって、麺線を引き千切ることなく、徐々に麺線同士の結着を解くことができる。
前記した構成において、前記湿熱処理工程と前記延伸工程との間に、湿熱処理された麺線に対して水分を付与する工程を含むことが好ましい。
かかる構成によれば、湿熱処理後の麺線に水分を付与することによって、麺線同士の結着を弱め、ストレート状に引き延ばしやすくすることができる。
本発明により、複雑な装置を用いることなく麺線の結着を解消し、麺線をストレート状に延伸することができる。また、一定長に麺線をカットすることが容易となるため、麺重量のばらつきを軽減でき、生産性を向上することができる。さらに、結着を解消することで、湯戻しした時に麺線がほぐれやすくなる。
一般的な即席麺の製造工程の一部を示す概略説明図である。 本発明の延伸工程おける、好ましい搬送コンベアの構成を示す概念図である。 実施例1における延伸後の麺線の状態を示す写真である。 実施例2における延伸後の麺線の状態を示す写真である。 実施例3における延伸後の麺線の状態を示す写真である。 実施例4における延伸後の麺線の状態を示す写真である。 実施例5における延伸後の麺線の状態を示す写真である。 実施例6における延伸後の麺線の状態を示す写真である。 比較例1における延伸後の麺線の状態を示す写真である。 比較例2における延伸後の麺線の状態を示す写真である。 実施例7における延伸後の麺線の状態を示す写真である。 実施例8における延伸後の麺線の状態を示す写真である。 実施例9における延伸後の麺線の状態を示す写真である。 実施例10における延伸後の麺線の状態を示す写真である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を適宜参酌しながら、説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
図1は、一般的な即席麺の製造工程の一部を示す概略説明図である。
通常、即席麺は一対の切刃ロール10により切り出された麺線Nが、コンベア30によって蒸機20に搬送され、湿熱処理される。湿熱処理された麺線Nは、搬送コンベア40に乗り移った後、搬送され、所定の長さに切断される。切断された麺線は、その後一般的な方法により乾燥され、即席麺ができる。
(切出工程)
切出工程では、まず、常法により所定の厚みに調整した麺帯を、一対の切刃ロール間を通過させることによって複数の麺線へと形成する。次に、麺線とカスリ剥離歯とを接触させることにより切刃ロールから麺線を剥離させ、切刃ロールの下に配置された稼働中のコンベア(本実施例では、蒸煮コンベア)上に落下させる。
ここで、蒸煮コンベアに落下する場合の麺線の状態や蒸煮コンベアに落下後の麺線の積層状態は、麺線の切出し速度、蒸煮コンベアの速度、切刃から麺線を剥離する際の位置等によって異なる。
具体的な切出しの方法の例について、以下に説明する。なお、以下に記載する「麺線の切出し速度」は、「切刃ロールから切り出される麺線の実際の速度」を意味する。
従来のウェーブ麺の製造方法では、切刃ロールから剥離した麺線は誘導管内へと通され、麺線の揺動が強制的に抑えられて、強いウェーブが麺線に付与されてしまう。このため、湿熱処理後に麺線を延伸しても略直線状のストレート麺にはならない。
本発明においては、誘導管を用いず、麺線を蒸煮コンベアに落下させる時に、比較的自由に落下させることが好ましい。また、カスリ剥離刃の位置を調節することで、隣接する溝から剥離される麺線同士を離れた位置で剥離させることが好ましい。このように切り出すことで、麺線を同調させずに、湾曲させながら蒸煮コンベア上に落下させることが可能となる。
麺線切出し速度は、蒸煮コンベアの速度よりも速いことが必要となる。この点を具体的に説明すると、麺線の切出し速度が蒸煮コンベアの速度と同じであると蒸煮コンベア上の麺線は直線状になる。次に、麺線の切出し速度が蒸煮コンベアの搬送速度よりも速くなると、麺線は波形状でコンベア上に切り出される。麺線の切出し速度が蒸煮コンベアの速度よりもさらに速くなれば、麺線はコンベア上で縦横に振れながら切り出される。
そして、これらの麺線が連続的に堆積することで、麺線同士が点接触で多層に積み重なり合った積層体を得ることができる。
麺線の切出し速度と蒸煮コンベアの速度比は、2〜20の範囲であることが好ましく、3〜10以下の範囲であることがよりに好ましい。速度比が2未満では、麺線がほぼ直線状または波形状に切り出され、速度比が20を超えると麺線の積層量が多くなりすぎ、後述する湿熱処理工程で蒸しが不十分になる恐れが生じるためである。なお、切刃ロールは、角刃又は丸刃その他どのような形状の切刃ロールを用いてもよい。
ここで、図1では切刃ロール10の下に蒸煮コンベア30が設けられている場合を想定しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、切刃ロールの直下にウェーブコンベアを設け、ウェーブコンベアから蒸煮コンベアに乗り移るようにしても良い。このとき、上記したように、麺線の切出し速度とウェーブコンベアの速度比が、2〜20の範囲であることが好ましく、3〜10以下の範囲であることがより好ましい。
(湿熱処理工程)
次に、湿熱処理工程について説明する。切出工程後の麺線は、蒸煮コンベアによってそのままの状態で湿熱処理工程へと搬送させる。例えば、湿熱処理に飽和水蒸気を用いる場合には、温度100℃で1〜3分間程度行う。また、湿熱処理に過熱水蒸気を用いる場合には、温度130℃〜220℃で5〜60秒程度行う。この場合、連続的にコンベアに載せたままの麺線を湿熱処理し、α化させることができる。
なお、湿熱処理工程に入る前に、切り出された麺線を速度の速い別のコンベアに乗り移らせても良い(図示せず)。このようにすることで、切り出された麺線を若干延伸することができ、麺線間に隙間を設けることができる。これにより、蒸気が麺線間を通過しやすくなり、より均一に湿熱処理することができる。
(延伸工程)
次に、延伸工程について説明する。延伸工程では、湿熱処理工程後の麺線Nを、一定方向に伸ばし、麺線の結着を解消してまっすぐな状態へと調整する。本発明においては、延伸工程は、少なくとも等速または速度の異なる2つ以上の搬送コンベアを用いて行われる。
図2に示すように、本実施例において、延伸工程は第一搬送コンベア51と第二搬送コンベア52とで行われる。各搬送コンベアは無端コンベアであって、麺線Nの進行方向に対して連続して配置されている。また、コンベア間に隙間ができないよう、蒸煮コンベア30と第一搬送コンベア51、および、第一搬送コンベア51と第二搬送コンベア52の各端部が被るように段差を設けて配置されている。なお、本実施例ではコンベアの進行方向が同じ場合を例にしているが、これに限られず、第一搬送コンベアと第二搬送コンベアの進行方向を逆向きにしてもよい。
搬送コンベア50としては、ゴムベルトコンベア、スチールベルトコンベア、金網ベルトコンベア、ケーブルベルトコンベア、マグネットベルトコンベアなどのベルトコンベア、スライドコンベア、フラットコンベア、金網チェーンコンベア、クロスバーコンベア、エプロンコンベア、パンコンベア、カーブドコンベア、ピボッテドバケットコンベア、ドラグチェーンコンベア、スクレーパコンベア、エンマッセコンベア、パレットコンベア、プッシャコンベア、台車コンベア、トウコンベア、トロリコンベアなどのチェーンコンベア、フリーローラーコンベア、駆動ローラコンベア、ホイールコンベアなどのローラコンベアなどが挙げられる。本発明においては、ベルトコンベアまたはチェーンコンベアが好ましい。また、コンベアは、湿熱処理された麺線が滑りにくい素材、形状などであることが好ましい。
第一搬送コンベア51は、蒸煮コンベア30の直後に配置されたコンベアである。第一搬送コンベア51の速度は、麺線の切り出し速度の0.3〜1.5倍であることが好ましく、0.5〜1倍であることがより好ましい。
第一搬送コンベア51の速度が、麺線の切り出し速度の0.3倍未満だと、麺線はほとんど延伸されることなく、そのままコンベア上を移動していってしまう。一方、第一搬送コンベア51の速度が、麺線の切り出し速度の1.5倍よりも大きくなってしまうと、麺線に過剰な力がかかり千切れてしまう恐れがある。
第二搬送コンベア52は、第一搬送コンベア51の直後に配置されたコンベアである。第二搬送コンベア52の速度は、麺線の切り出し速度の1〜3倍であることが好ましく、1〜2倍であることがより好ましい。
第二搬送コンベア52の速度が、第一搬送コンベア51の速度よりも遅い場合、麺線Nを延伸することができないばかりか、麺線Nが第二搬送コンベア52上に溜まってしまい、せっかく延伸した麺線Nが再度重なり合うなどしてしまう。一方、第二搬送コンベア52の速度が、麺線の切り出し速度の3倍よりも大きくなってしまうと、麺線Nに過剰な力がかかる。その結果、麺線の太さ(径)が変化するか、千切れてしまうか、又は、第二搬送コンベアに供給される麺線Nが追いつかず、延伸された麺線Nが第二搬送コンベア52上で滑ってしまい、麺線表面を傷つける恐れがある。
なお、本発明において、延伸時間は特に制限されないが、搬送コンベア50の長さや速度に応じて、適宜変更可能である。また、搬送コンベア50の速度は、生麺の原料配合や他の工程条件に応じて適宜変更可能である。麺線Nが乗り移る搬送コンベア50の速度は、順次速くなっていることが好ましい。
図2では、蒸煮コンベア30の直後に搬送コンベア50が設置される場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、蒸煮コンベア30と搬送コンベア50との間に、ボイル工程や着味工程を設ける場合には、蒸煮コンベア30と搬送コンベア50との間に、別のコンベアを設けても良い。
また、本実施例では2つの搬送コンベアを用いたが、これに限られるものではなく、さらに複数の搬送コンベアを用いても良い。
さらに、延伸する際に、湿熱処理後の麺にシャワーまたは浸漬等によって、水またはお湯等を付与してから延伸してもよい。また、水やお湯に調味料、塩、ほぐれ剤などを配合して用いても良い。
(切断工程)
延伸工程後には、伸ばした麺線を所定の長さに切断する切断工程を有することが好ましい。最終製品である即席麺の麺重量を一定量に調整するためである。この切断工程は、通常の即席麺における切断工程と同じであり、公知の切断方法を利用することができる。
なお、このように湿熱処理後に切断した蒸煮麺はそのまま包装して利用することも可能である。すなわち、蒸煮麺とは、生麺を湿熱処理した後に切断及び袋詰めされ、チルド商品として流通しているものをいうが、本発明により製造した蒸煮麺はウェーブがほとんど無く、略直線状のストレート麺となるため独特の食感を得ることができる。このため、汁有りタイプのラーメン、うどんや蕎麦、または、汁無しタイプのやきそばやパスタ等にも利用できる。
(乾燥工程)
即席麺を製造するためには、切断工程後に、リテーナに充填等してから麺線を乾燥させる乾燥工程を行う。乾燥工程としては、いわゆるノンフライ麺を製造するための公知の乾燥手段、例えば、熱風乾燥、真空凍結乾燥、マイクロウェーブ乾燥等を利用することが可能である。
また、その他の乾燥方法として、麺線を植物性油脂及び/又は動物性油脂を用いて油揚げする方法がある。なお、公知の油揚げ手段を利用することが可能である。
(包装工程)
通常の即席麺の製造方法と同様に、適宜スープやかやく等と共に容器等へ充填される。そして、密封処理が施された後、最終製品である即席麺として市場に供給される。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。また、本発明の各特性は、以下の方法により評価した。
(麺重量のばらつきの評価)
本発明において、後述する『実施例・比較例』に使用した条件の下、一定時間ごとにカットした麺重量を測定した。また、その結果から平均値、標準偏差および変動係数(標準偏差/平均)を求め、麺重量のばらつきを評価した。
[実施例1]
本発明の実施例として、即席中華麺を用いた延伸試験を行った。まず、ミキサーや圧延機を用いて麺生地を調製した。この麺生地は、現在市販されている即席中華麺と同様である。
(切出工程)
次に、麺厚1.1mmに圧延した麺生地を直径3.7cm、幅21.5cmである一対の切刃ロールへと供給し、20番丸刃で麺線を切り出した。このとき、誘導管は使用せずに蒸煮コンベア上へと落下させた。また、カスリについては、任意の隣接する剥離歯2つが切刃ロールの周方向において異なるものを設置した。さらに、麺線の切り出し速度を960cm/分、蒸煮コンベアの搬送速度を160cm/分とし、一対の切刃ロールの接合部と、コンベアとの間の距離は5cmとした。
(湿熱工程)
次に、切出工程後の麺線を、切出工程終了時の麺線の状態を維持させたまま、湿熱処理装置へと導入して、飽和蒸気の蒸気流量240kg/hr、温度100℃で2分30秒間湿熱処理した。
(延伸工程)
次に、湿熱処理工程後のα化された麺線に、700ml/分の割合でお湯シャワーを2回行なった。そして、第一搬送コンベアの速度を960cm/分、第二搬送コンベアの速度を960cm/分に設定した搬送コンベアに、蒸煮コンベアから乗り移らせるという手段によって麺線を延伸した。
(切断工程)
次に、直線状態に延伸した麺線を、回転するロールカッターを用いて一定の通過時間ごとに切断した。このとき、1サンプルあたりの麺線の長さは約30cmであった。得られたサンプル6点分について重量を測定した。
[実施例2]
延伸工程において、表1に示すように、第一搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度の0.3倍とし、第二搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度と等速としたこと以外は、実施例1と同じである。
[実施例3]
延伸工程において、表1に示すように、第一搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度の0.5倍とし、第二搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度と等速としたこと以外は、実施例1と同じである。
[実施例4]
延伸工程において、表1に示すように、第一搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度の0.7倍とし、第二搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度と等速としたこと以外は、実施例1と同じである。
[実施例5]
延伸工程において、表1に示すように、第一搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度と等速とし、第二搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度の1.2倍としたこと以外は、実施例1と同じである。
[実施例6]
延伸工程において、表1に示すように、第一搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度の1.2倍とし、第二搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度の1.5倍としたこと以外は、実施例1と同じである。
[比較例1]
延伸工程において、第一搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度の0.6倍とし、第二搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度の0.6倍としたこと以外は、実施例1と同じである。
[比較例2]
延伸工程において、第一搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度の0.6倍とし、第二搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度の0.8倍としたこと以外は、実施例1と同じである。
Figure 0006399768
実施例1〜6・比較例1〜2における麺線の平均重量、標準偏差および変動係数の結果を、表2及び図3〜10に示す。
Figure 0006399768
表2に示すように、実施例1〜6における麺線の平均重量は、どの実施例においてもほぼ同じであった。また、図3〜8に示すように、実施例1〜6は、麺線同士の結着が解かれ、麺線がストレート状に伸びた状態となっていることがわかる。
次に、標準偏差および変動係数の結果について比較する。ここで、変動係数は、相対的なばらつきを示す指標である。実施例1〜6は標準偏差が5未満である。また、変動係数は4%未満であった。つまり、1サンプルあたりの麺重量のばらつきが少ないことがわかる。
より詳細に比較すると、実施例2〜4の結果から、第一搬送コンベアの搬送速度が速くなるにつれて、変動係数の値が小さくなってきていることがわかる。この結果は、第一搬送コンベアの搬送速度を麺線の切り出し速度と等速にした実施例1の結果よりも良いものであった。このため、延伸工程における第一搬送コンベアと第二搬送コンベアの速度は、等速の場合よりも、速度差を設けた方がより好ましいと考えられる。
次に、実施例5,6についても比較する。実施例5,6の結果から、第一搬送コンベアまたは/および第二搬送コンベアの搬送速度を麺線の切り出し速度よりも速くすると、実施例1と比較して、変動係数の値が小さくなっていることがわかった。これは、麺線がよりストレート状に引っ張られるためと考えられる。
一方、表2に示すように、比較例1,2は実施例よりも平均重量が大きい値であった。また、図9,10に示すように、比較例1,2は、麺線同士の結着が解かれていない塊や麺線がストレート状に伸びていない個所が存在していることがわかる。
比較例1,2の標準偏差は14以上であり、いずれの実施例に比べて3倍以上の値であった。また、比較例の変動係数は12以上であり、いずれの実施例に比べて3倍以上の値であった。すなわち、実施例に比べて麺重量のばらつきが非常に大きいことがわかる。
次に、麺線の切り出し速度と蒸煮コンベアの速度との速度比を変更した場合について検討を行った。
[実施例7]
実施例1の切り出し工程において、麺線の切り出し速度を480cm/分、蒸煮コンベアの搬送速度を160cm/分とした。また、延伸工程において、第一搬送コンベアおよび第二搬送コンベアの速度を480cm/分としたこと以外は、実施例1と同じである。
[実施例8]
表3に従って、麺線の切り出し速度を1600cm/分、蒸煮コンベアの搬送速度を160cm/分とした。また、延伸工程において、第一搬送コンベアの速度を麺線切り出し速度と等速とし、第二搬送コンベアの速度を麺線切り出し速度の1.5倍としたこと以外は、実施例1と同じである。
[実施例9]
表3に従って、延伸工程において、第一搬送コンベアの速度を麺線切り出し速度の1.2倍、第二搬送コンベアの速度を麺線切り出し速度の1.5倍としたこと以外は、実施例8と同じである。
[実施例10]
実施例1の切り出し工程において、麺線の切り出し速度を1920cm/分、蒸煮コンベアの搬送速度を160cm/分とした。また、延伸工程において、第一搬送コンベアの速度を麺線切り出し速度と等速とし、第二搬送コンベアの速度を麺線切り出し速度の1.5倍としたこと以外は、実施例1と同じである。
Figure 0006399768
実施例7〜10における麺線の平均重量、標準偏差および変動係数の結果を、表4及び図11〜14に示す。
Figure 0006399768
表4に示すように、実施例7〜10における麺線の平均重量は、実施例7が重かった。これは、シャワー時における麺線への水分付与量が他の実施例よりも多くなり、麺線水分量が高くなったためと考えられる。
また、図11〜14に示すように、実施例7〜10は、麺線同士の結着が解かれ、麺線がほぼストレート状に伸びた状態となっていることがわかる。
次に、各実施例の変動係数を見てみると、実施例10の値が最も大きく、実施例7の値が最も小さかった。ここで、実施例7の変動係数が小さかったのは、切り出された麺線束において麺線同士の接触数が少なく、結着が少なかったためと考えられる。そのため、麺線の切り出し速度と搬送コンベアの速度比が同じである実施例1と比較しても、変動係数は小さくなっていることがわかる。
一方、実施例8〜10では、切り出された麺線が厚く盛られた状態となっていた。つまり、切り出された麺線束において麺線同士の接触数が多い状態となっていた。そのため、結着が多くなり、変動係数が大きくなったと考えられる。これは、麺線の切り出し速度と搬送コンベアの速度との速度比が同じである実施例6と実施例9との比較からも明らかである。さらに、実施例8,9の結果から、麺線の切り出し速度と蒸煮コンベア速度との速度比が大きい場合には、搬送コンベアの搬送速度を麺線の切り出し速度よりも速くすることがより有効であることがわかった。
なお、表には示していないが、実施例1の条件において、第二搬送コンベアの速度を麺線の切り出し速度の0.8倍にした場合についても実験を行った。その結果、第一搬送コンベアで延伸された麺線が、第二搬送コンベア上で波を打ったように波形状となった。
また、標準偏差8.6、変動係数7.2%であった。この結果から、搬送コンベアは等速または段階的に速くする有効であり、遅いコンベアに乗り移らせるのは好ましくないことがわかる。
10 切刃ロール
20 蒸機
30 コンベア
40,50 搬送コンベア
51 第一搬送コンベア
52 第二搬送コンベア
N 麺線

Claims (3)

  1. 切刃ロールによって切り出される麺線の切り出し速度と切刃ロールの直下に設けたコンベアの速度との速度比が3以上6以下となるように麺線を切り出す工程(切り出し工程)と、
    前記切り出された麺線を湿熱処理する工程(湿熱処理工程)と、
    前記湿熱処理された麺線を前記コンベアよりも速度の速い搬送コンベアに少なくとも2回以上乗り移らせる工程(延伸工程)と、を含む麺類の製造方法であって、
    前記搬送コンベアは第一搬送コンベアと第二搬送コンベアとを少なくとも含み、
    前記第一搬送コンベアの速度は前記麺線の切り出し速度の0.5〜0.7倍の速度であり、
    前記第二搬送コンベアの速度は前記麺線の切り出し速度と等速である麺類の製造方法。
  2. 切刃ロールによって切り出される麺線の切り出し速度と切刃ロールの直下に設けたコンベアの速度との速度比が3以上6以下となるように麺線を切り出す工程(切り出し工程)と、
    前記切り出された麺線を湿熱処理する工程(湿熱処理工程)と、
    前記湿熱処理された麺線を前記コンベアよりも速度の速い搬送コンベアに少なくとも2回以上乗り移らせる工程(延伸工程)と、を含む麺類の製造方法であって、
    前記搬送コンベアは第一搬送コンベアと第二搬送コンベアとを少なくとも含み、
    前記第一搬送コンベアの速度は前記コンベア速度の3〜5倍の速度であり、
    前記第二搬送コンベアの速度は前記第一搬送コンベア速度の1.4〜2倍の速度である麺類の製造方法。
  3. 前記湿熱処理工程と前記延伸工程との間に、湿熱処理された麺線に対して水分を付与する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の麺類の製造方法。
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