JP6399645B2 - 手指消毒剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、手指消毒剤組成物に関する。さらに詳しくは、エタノール及び/又はイソプロパノールを含有し、手指に擦り込むだけで簡便に消毒を行うことができる手指消毒剤組成物に関する。
エタノール等のアルコールを主成分とするアルコール消毒剤が医療現場等で広く使用されている。従来から、アルコール消毒剤は液状のものが使用されてきた。液状消毒剤では、手指に均一に塗布するためには、その液を多量に噴霧又は塗布するケースが多い。また、液状消毒剤は粘性が低いため、手指から消毒剤が流れ落ちてしまう現象(液だれ)が生じる。そのため、液の一部は無駄になる。
そこで、近年、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等を用いて増粘したゲル状の消毒剤も使用されるようになってきている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5)。
ゲル状消毒剤は、増粘剤を含有するため、ディスペンサーのノズルにおいて、時間の経過とともに、凝固したゲルが付着することによって、詰まりが生じ、次にディスペンサーを使用する際に、製剤が斜め方向に吐出され、上手に掌にとることができないことが時としてある。これに対して、特許文献4及び特許文献5には、詰まり防止のために、アルカンジオールやエステルを添加した組成物が開示されている。
また、ゲル状消毒剤は、増粘剤を含有するため、特許文献1、特許文献4及び特許文献5にあるような従来のゲル状消毒剤組成物では、乾き際にべたつき感がある等、使用感に問題がある。これに対して、特許文献2及び特許文献3には、粉体を含有する使用感に優れたゲル状消毒剤が開示されている。
特開平6−199700号公報 特開2010−163419号公報 特開2012−144481号公報 特開2011−148759号公報 特表2011−517310号公報
特許文献2及び特許文献3の粉体を含有する使用感に優れたゲル状消毒剤において、ノズルの詰まり発生を解消するためのアイデアの一例として、特許文献4又は特許文献5において開示されたアルカンジオールやエステルをゲル状消毒剤に添加するという考えがあり得る。しかしながら、このような成分を添加しても、時として発生するディスペンサーノズルでの詰まりによる製剤の斜め方向への吐出を解消することはできなかった。
従って、本発明の解決しようとする課題は、粉体を含有した組成物でありながら、ディスペンサーノズルの詰まり発生が低減されたゲル状の手指消毒剤組成物を提供することにある。
そこで、本発明者らは、前記の課題を解決するべく種々の成分を検討した結果、カルボキシビニルポリマー及び/又はアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を増粘剤としたアルコール消毒剤に対して、増粘剤に由来する詰まりの発生を助長することはあっても、詰まりの発生を抑制することはないと考えていた水不溶性粉体やグリセリンをそれぞれ適量配合することによって、予想に反して、ディスペンサーノズルの詰まり発生が低減されたゲル状の手指消毒剤組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、
次の成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D):
成分(A):エタノール及びイソプロパノールから選ばれる1種以上
成分(B):カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体及びそれらの塩から選ばれる1種以上
成分(C):水不溶性粉体
成分(D):グリセリン
を含有し、
成分(A)の含有量が40質量%以上、95質量%以下、
成分(C)の含有量が0.05質量%以上、1質量%以下、
成分(D)の含有量が0.5質量%以上、4質量%以下
である手指消毒剤組成物に関するものである。
本発明の手指消毒剤組成物は、使用感に優れているだけでなく、ディスペンサーノズルの詰まり発生を低減することができる。従って、本発明の手指消毒剤組成物を、医師や看護師等の医療従事者、入院患者や通院患者等に対する病院での用途だけでなく、介護施設、レストランや飲食店を含む食品加工業等の公共施設での用途や、さらには一般用途として在宅医療現場等家庭内での手指の消毒等、あらゆるところで使用することができる。
本発明の手指消毒剤組成物は、水不溶性粉体及びグリセリンを含有することにより、増粘剤によるディスペンサーノズルの詰まりを抑制する効果を奏する。その理由は定かではないが、以下のように考える。通常、ゲル状消毒剤にグリセリンを配合すると粘着性が上がる。ところが特定量の粉体を含有するゲル状消毒剤に特定量のグリセリンを含有させると、ゲルの粘着性の低減により、粘着性による詰まりを抑制するとともに、ゲルの吸湿性により、ゲルの乾固による詰まりを抑制することができるものと考える。
<成分(A)>
成分(A)はエタノール及びイソプロパノールから選ばれる1種以上であり、汎用性及び実用性の観点から、エタノールが好ましい。
成分(A)の含有量は、消毒効果や液だれの観点から、本発明の手指消毒剤組成物の40質量%以上、95質量%以下である。成分(A)の含有量は、消毒効果の観点から、本発明の手指消毒剤組成物中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上であり、そして、液だれの観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。
成分(A)がエタノール及びイソプロパノールの両方を含有する場合、エタノールの含有量とイソプロパノールの含有量の質量比は所望の効果が得られる限り限定されるわけではないが、例えば、汎用性及び実用性の観点から、エタノール/イソプロパノール(質量比)は好ましくは50/50以上、より好ましくは80/20以上であり、そして好ましくは99/1以下である。
<成分(B)>
成分(B)は、本発明の手指消毒剤組成物のゲル状特性を付与する観点から、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体及びそれらの塩から選ばれる1種以上である。
成分(B)のカルボキシビニルポリマーは、特に限定されるものではないが、主としてアクリル酸の重合体である。
成分(B)のカルボキシビニルポリマー又はその塩としては、「医薬部外品原料規格2006」(薬事日報社発行)に記載されている市販のカルボキシビニルポリマー又はその塩が挙げられる。例えば、カーボポール980、981(ルーブリゾール社製)、ハイビスワコー103、104、105(和光純薬社製)が挙げられる。
成分(B)のカルボキシビニルポリマー又はその塩の分子量及び架橋度は、例えば、本発明の手指消毒剤組成物が成分(B)を含有した時に、手指消毒剤組成物の粘度が後述する好ましい範囲となれば、特に限定されない。
成分(B)のアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体は、アクリル酸とメタクリル酸アルキルの共重合体である。
成分(B)のアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体又はその塩としては、「医薬部外品原料規格2006」(薬事日報社発行)に記載されている、アクリル酸と、アルキル基の炭素数が10以上、30以下であるメタクリル酸アルキルとの共重合体が挙げられる。例えば、市販品を使用することができ、例えば、カーボポールETD2020、Ultrez20、Pemulen TR−1、Pemulen TR−2(ルーブリゾール社製)が挙げられる。
成分(B)のアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体又はその塩の構成ユニット比(アクリル酸:メタクリル酸アルキル)、分子量及び架橋度は、例えば、本発明の手指消毒剤組成物が成分(B)を含有した時に、手指消毒剤組成物の粘度が、後述する好ましい範囲となれば、特に限定されない。
本明細書において、成分(B)のカルボキシビニルポリマー若しくはその塩、又は、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体若しくはその塩の粘度に関しては、その成分の0.2質量%中和水溶液の粘度として、次のように説明することができる。即ち、液だれの観点から、好ましくは1500mPa・s以上、より好ましくは10000mPa・s以上、より好ましくは20000mPa・s以上であり、そして、液だれ及び汎用性の観点から、好ましくは50000mPa・s以下、より好ましくは40000mPa・s以下、より好ましくは30000mPa・s以下である。ここで、中和水溶液とは、水酸化ナトリウム水溶液でpH7に中和した水溶液のことである。また、粘度は、B型粘度計を用いて、20℃、回転数12r/minの条件で測定した値である。使用するローターの目安は、測定対象が2000mPa・s以下の場合はNo.2であり、2000mPa・sを超えて8000mPa・s以下の場合はNo.3であり、8000mPa・sを超えて50000mPa・s以下の場合はNo.4である。
成分(B)を含有することにより、本発明の手指消毒剤組成物は適度の粘性を有することができる。本発明の手指消毒剤組成物の粘度の観点から、成分(B)は1種類であってもよく、又は複数の種類であってもよい。
本発明の成分(B)は、汎用性及び実用性の観点から、カルボキシビニルポリマー及びその塩から選ばれる1種以上が好ましい。
成分(B)のカルボキシビニルポリマーの塩又はアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体の塩は、カルボキシビニルポリマー又はアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体の無機塩又は有機塩が挙げられる。無機塩としてはナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
成分(B)のカルボキシビニルポリマーの塩又はアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体の塩は、本発明の手指消毒剤組成物における成分(B)の析出を抑制する観点から、有機塩が好ましい。有機塩としては、例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩が挙げられる。これらのうち、汎用性及び実用性の観点から、トリエタノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩が好ましく、トリエタノールアミン塩がより好ましい。これらの塩は1種類単独であってもよく、複数の種類であってもよい。
成分(B)の含有量は、液だれや使用感の観点から、本発明の手指消毒剤組成物の、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、そして、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。なお、成分(B)の塩の含有量は酸換算した値である。
<成分(C)>
成分(C)は水不溶性粉体である。成分(C)の水不溶性粉体は、通常の化粧料に使用されるものであれば特に限定されない。ここで、水不溶性粉体とは、(粉体)1gを25℃の水100gに撹拌下で添加したとき、溶解した量が0.1g以下、好ましくは0.05g以下の粉体のことである。
成分(C)の水不溶性粉体の数平均粒径は、使用感の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上であり、そして、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下である。なお、粒径は、光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察された画像を平行線ではさんだ平行線間の距離としてデジタルノギスを用いて計測することができる。また、平均粒径は、例えば一定方向の平行線ではさんで計測した10〜20個の粉体の粒径の数平均として求めることができる。
成分(C)の材質は、無機粉体、有機粉体いずれでもよく、両者を併用してもよい。成分(C)の形状は、球状、針状、板状等いずれでもよい。また、粒子構造も特に制限はなく、多孔質、無孔質等のいずれのものも使用することができる。
無機粉体としては、金属酸化物(例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム)、金属塩(例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タングステン酸金属塩)、粘土鉱物(例えば、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、リチア雲母、ベントナイト、モンモリナイト、ヘクトライト、ゼオライト)、ケイ酸化合物(例えばケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム)、ヒドロキシアパタイト、セラミックスパウダー、アルミナ、窒化ホウ素等が挙げられる。成分(C)の無機粉体としては、使用感の観点から、タルクが好ましい。
有機粉体としては、有機高分子粉体(例えば、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、シルクパウダー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂)、有機低分子粉体(例えば、ラウロイルリジン)等が挙げられる。成分(C)の有機粉体としては、使用感の観点から、シリコーンバウダーが好ましい。シリコーンパウダーとしては、例えば、ジメチルシリコーンを架橋したシリコーンエラストマーやポリメチルシルセスキオキサン等を用いることができる。
従って、本明細書における成分(C)の好ましい例としては、タルク及びシリコーンパウダーから選ばれる1種以上である。
成分(C)の含有量は、詰まり発生を低減する観点から、本発明の手指消毒剤組成物の0.05質量%以上、1質量%以下である。成分(C)の含有量は、詰まり発生を低減する観点から、好ましくは0.075質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、より好ましくは0.20質量%以上であり、そして、好ましくは0.9質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。成分(C)は1種類を単独であってもよく、又は複数の種類であってもよい。
<成分(D)>
成分(D)のグリセリンの含有量は、詰まり発生を低減する観点から、本発明の組成物の0.5質量%以上、4質量%以下である。成分(D)のグリセリンの含有量は、詰まり発生を低減する観点から、好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは0.75質量%以上、より好ましくは1.2質量%以上であり、そして、好ましくは3.6質量%以下、より好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。
本発明の手指消毒剤組成物中の成分(C)の含有量と成分(D)の含有量の質量比(C)/(D)は、詰まり発生を低減する観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.07以上、より好ましくは0.08以上、より好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上であり、そして、好ましくは2以下、より好ましくは1.0以下、より好ましくは0.6以下、より好ましくは0.22以下である。
また、本発明の手指消毒剤組成物中の成分(C)の含有量と成分(D)の含有量の質量比(C)/(D)は、詰まり発生を低減する観点から、好ましくは0.05〜2、より好ましくは0.07〜1.0、より好ましくは0.08〜1.0、より好ましくは0.10〜0.6、より好ましくは0.10〜0.22、より好ましくは0.15〜0.22である。
本発明の手指消毒剤組成物中の成分(B)の含有量と成分(C)の含有量の質量比(B)/(C)は、詰まり発生をより低減する観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、より好ましくは0.7以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、より好ましくは2以下である。
また、本発明の手指消毒剤組成物中の成分(B)の含有量と成分(C)の含有量の質量比(B)/(C)は、詰まり発生をより低減する観点から、好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.1〜5、より好ましくは0.3〜5、より好ましくは0.7〜5、より好ましくは0.7〜2である。
本発明の手指消毒剤組成物は手指消毒剤として十分な殺菌効果を有する。必要に応じて、本発明の手指消毒剤組成物は、殺菌効果を増強するために、本発明の効果を損なわない範囲で殺菌剤を含有しても良い。殺菌剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、アルキルリン酸ベンザルコニウム等のベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、レゾルシン、トリクロロカルバニド、塩化クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、過酸化水素、ポピドンヨード、ヨードチンキ等が挙げられる。本発明の手指消毒剤組成物は、これらの殺菌剤の1種を単独で含有してもよく、2種類以上を含有してもよい。これらの殺菌剤の合計含有量は、本発明の手指消毒剤組成物の、好ましくは0.01質量%以上、10質量%以下である。
本発明の手指消毒剤組成物は、上述した各成分の他に、手指消毒剤組成物に用いられる各種任意成分を、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて含有してもよい。各種任意成分としては、特に制限されないが、例えば、油脂類、多糖類、界面活性剤、抗炎症剤、清涼剤、血行促進剤、創傷治癒剤、キレート剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、色素等が挙げられる。
本発明の手指消毒剤組成物は水を含有してもよい。水を含有する場合、上述した各成分及びその他の任意成分の含有量を除く、残余量が水の含有量となる。水の含有量は、液だれの観点から、本発明の手指消毒剤組成物の、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、そして、消毒効果の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
本発明の手指消毒剤組成物の調製方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、水に成分(B)を加えた粘稠液に成分(A)を混合し、次いで成分(C)及び成分(D)を混合した後、中和してゲル化する方法が挙げられる。成分(C)及び成分(D)については、混合順序は制限されず、中和後に混合してもよい。
本発明の手指消毒剤組成物は、ディスペンサーに収容して使用する。ディスペンサーとしては、一般的にポンプタイプのものが使用される。ポンプディスペンサーとしては、例えば、吉野工業所のディスペンサー(P−102BS、ロングノズル)がある。ディスペンサーから本発明の手指消毒剤組成物の適量を手に取り、手指に擦り込むことにより手指の消毒を行う。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。尚、特記しない限り、含有量は質量%で表す。また、特に断らない限り、実験は25℃で行った。
実施例1
まず、精製水46.85gにカルボキシビニルポリマー(ルーブリゾール社製、カーボポール980)0.6gを加えた粘稠液にエタノール150gを混合し、さらにタルク(浅田製粉社製、JA−46R、数平均粒子径:10μm、水に不溶)0.4g及びグリセリン2gを混合した後、トリエタノールアミン0.15gを加えて撹拌し、粉体とグリセリンを含有する手指消毒剤組成物(X)を得た。
次に、対照として、精製水49.25gにカルボキシビニルポリマー0.6gを加えた粘稠液にエタノール150gを混合した後、トリエタノールアミン0.15gを加えて撹拌し、粉体とグリセリンを含有しない手指消毒剤組成物(Y)を得た。
試験例:詰まり発生低減効果の評価
各手指消毒剤組成物について、以下のように吐出試験を行い、詰まり発生低減効果を評価した。
吐出試験は、手指消毒剤組成物をディスペンサー(吉野工業所製P−102BS、ロングノズル)からビーカー(ニッコー・ハンセン社製PPディスポビーカー100mL)に向けて吐出して行った。ビーカーの底を標的(直径4cmの円)として、その中心がディスペンサーのノズル先端の真下7.5cmの位置になるようにビーカーを設置した。
吐出回数が10回の吐出試験を1操作として、2日又は3日毎に1操作行った。ここで、吐出は10秒に1回行い、すなわち1操作は1分30秒で行った。これを20操作行い、合計吐出回数が200回に達した時点で、次の式から詰まり発生低減率を求めた。なお、詰まり発生低減率は、3個のディスペンサーにおいてテストした結果の平均値である。
詰まり発生低減率(%)={1−〔(Xの標的を外した吐出回数)/(Y(対照)の標的を外した吐出回数)〕}×100
詰まり発生低減率としては、100%、即ち詰まりが発生しなかったことが最も高い評価であり、低減率が100%に近いほど、より高い評価となる。本明細書においては、低減率が50%以上であれば、詰まり発生低減効果が優れるとし、低減率が90%以上であれば、著しく優れるとした。
手指消毒剤組成物(X)の詰まり発生低減率は、97.9%であり、手指消毒剤組成物(X)は、詰まり発生低減効果が著しく優れるものであった。
なお、実施例1の手指消毒剤組成物のX及びYは、使用する際に液だれせず、塗布しやすいものであった。また、実施例1の手指消毒剤組成物のX及びYは、大腸菌及び黄色ブドウ球菌に対する殺菌活性に優れるものであった。
実施例2(実施組成物2−1〜2−7及び比較組成物2−1〜2−7)
表1に示す組成の手指消毒剤組成物を実施例1と同様に調製した。すなわち、まず、精製水にカルボキシビニルポリマーを加えた粘稠液にエタノールを混合し、さらにシリコーンパウダー及びグリセリンを混合した後、トリエタノールアミンを加えて撹拌し、粉体とグリセリンを含有する手指消毒剤組成物を得た。次いで、上記の試験例の方法で、それらの詰まり発生低減率を求めた。なお、対照には、実施例1と同じ、粉体とグリセリンを含有しない手指消毒剤組成物(Y)を用いた。
Figure 0006399645
*1:カーボポール980(ルーブリゾール社製)、粘度(20℃、0.2%水溶液、12r/min)24200mPa・s。
*2:KMP−590(信越化学社製)、ポリメチルシルセスキオキサン、数平均粒子径:2μm、水に不溶。
表1に示すように、成分(C)及び(D)の量が本発明の範囲にある実施例2−1〜2−7の手指消毒剤組成物は、詰まり発生低減効果が優れるものであった。一方、比較組成物の詰まり発生の低減率はいずれの組成物においても低いことが分かった。これは、成分(C)が少な過ぎるか多過ぎることや(比較組成物2−1、2−2、2−7)、成分(D)が少な過ぎるか多過ぎること(比較組成物2−3、2−4、2−5、2−6)が理由であると考えられる。
なお、実施組成物2−1〜2−7、比較組成物2−1〜2−7の手指消毒剤組成物は、何れも、使用する際に液だれせず、塗布しやすいものであった。また、実施組成物2−1〜2−7、比較組成物2−1〜2−7の手指消毒剤組成物は、何れも、大腸菌及び黄色ブドウ球菌に対する殺菌活性に優れるものであった。
本発明の手指消毒剤組成物は、ディスペンサーノズルの詰まり発生の低減に優れているため、医療従事者向けの病院での用途、介護施設、食品加工業等の公共施設での用途等に好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 次の成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D):
    成分(A):エタノール及びイソプロパノールから選ばれる1種以上
    成分(B):カルボキシビニルポリマー及その塩から選ばれる1種以上
    成分(C):水不溶性粉体
    成分(D):グリセリン
    を含有し、
    成分(A)の含有量が40質量%以上、95質量%以下、
    成分(C)の含有量が0.05質量%以上、0.9質量%以下、
    成分(D)の含有量が0.5質量%以上、3.6質量%以下、
    成分(B)の含有量と成分(C)の含有量の質量比(B)/(C)が0.3以上、5以下であり、成分(C)がタルク及びシリコーンパウダーから選ばれる1種以上である、手指消毒剤組成物。
  2. 成分(C)の含有量と成分(D)の含有量の質量比(C)/(D)が0.05以上、2以下である、請求項1記載の手指消毒剤組成物。
  3. 成分(B)の含有量が0.02質量%以上、2質量%以下である、請求項1又は2記載の手指消毒剤組成物。
  4. 成分(C)の数平均粒径が0.1μm以上、100μm以下である、請求項1〜の何れか1項記載の手指消毒剤組成物。
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