次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、パチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する中枠(遊技機本体)12が開閉および着脱可能に組み付けられている。また、中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された球発射装置(球発射ソレノイド)12Aを作動する操作ハンドル16が設けられている。操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで球発射装置12Aが作動されて、打出し位置から遊技盤20の前面側に画成された遊技領域20aに向けてパチンコ球が1球ずつ発射されるようになっている。操作ハンドル16は、操作レバー16aの回動量に応じて前記球発射装置12Aによるパチンコ球の打球力を強弱変化させ得るよう構成され、遊技者が操作ハンドル16の操作レバー16aを右回りに回転させて回動量を調節することで、球発射装置12Aに打ち出されるパチンコ球が遊技領域20aの適宜の位置に導かれるようになっている。そして、打ち出されたパチンコ球が遊技領域20aの後述する始動入賞口31a,32aに入球した場合には、当該入賞(当り判定条件の成立)を契機として特図当り判定(当り判定)が実行され、この当り判定の結果が当りの判定となることで、遊技者に有利な大当り遊技(特図当り遊技)が生起されるようになっている。なお、中枠12に配設される遊技盤20には、演出(表示演出)を実行可能な演出手段としての図柄表示装置(表示手段)17が着脱可能に配設されている。この図柄表示装置17の表示画面17aでは、始動入賞口31a,32aへのパチンコ球の入賞(始動条件の成立)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行い、最終的に停止表示(確定停止表示)する飾図によって当り判定の結果を報知するようになっている。実施例では、図柄表示装置17として、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
図1に示すように、前記中枠12の前面側には、装飾が施された装飾枠としての前枠(扉体)13が開閉可能に組み付けられている。すなわち、前枠13は、中枠12の前側を覆う閉位置および該中枠12の前側を開放する開位置に変位可能に構成されている。前枠13には、前記遊技盤20の遊技領域20aを機前側から視認するための窓口13aが前後に貫通形成されており、ガラス板や透明な合成樹脂材からなる透視保護板(図示せず)が窓口13aを覆うように配設されることで、遊技領域20aを機前側から透視し得る状態で遊技盤20が保護されるよう構成されている。また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するよう枠ランプ(発光手段)19が配設されると共に、前枠13の上隅部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)18が配設されている。すなわち、枠ランプ19に設けられた発光体(図示せず)を所定の色およびタイミングで発光させたり、スピーカ18から適宜の音を出力することで、図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前枠13に配設されたスピーカ18および枠ランプ19は、演出を実行可能な演出手段として機能している。
前枠13の下部位置には、パチンコ球を貯留する上球受け皿14および下球受け皿15が一体的に組み付けられており(図1参照)、前枠13の開閉に合わせて球受け皿14,15が一体的に開閉するようになっている。ここで、パチンコ機10は、遊技店内の図示しない球補給機構から補給されたパチンコ球を貯留する球貯留タンク(図示せず)が機後側の上部に配設されており、この球貯留タンクの下流側に繋がる図示しない球通路に接続する球払出装置(図示せず)を駆動することで、球貯留タンクに貯留されたパチンコ球を上球受け皿14へと払い出すよう構成される。上球受け皿14は、前記球払出装置によって払い出されたパチンコ球を貯留すると共に、貯留したパチンコ球を最終的に前記球発射装置12Aによる打出し位置へと1個ずつ送り出すように設けられている。なお、上球受け皿14がパチンコ球で満杯になると、前記球払出装置によって新たに払い出されたパチンコ球は下球受け皿15に導かれて貯留されるようになっている。なお、スピーカ18や枠ランプ19を上球受け皿14や下球受け皿15に配設してもよい。
(パチンコ機10に備えられる制御基板60,65,66について)
前記パチンコ機10の後面側には、パチンコ遊技に関する統括的な制御を行う主制御基板60(図3参照)が配設されている。主制御基板60は、遊技に関する制御処理を実行する主制御CPU60a、該主制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶する主制御ROM60b、当該主制御CPU60aが読み出しを行なう各種乱数値が記憶されると共に制御処理に伴って各種情報を一時的に記憶可能な主制御RAM60c等を備えている。この主制御基板60(主制御CPU60a)には、遊技に関する各種の情報を表示する遊技情報表示器30(図2および図3参照)が電気的に接続されており、該遊技情報表示器30の表示内容(発光態様)を主制御CPU60aが切替制御するよう構成されている。
また、パチンコ機10の後面側には、演出に関する制御を行う演出制御CPU65aを備えた演出制御基板65(図3参照)と、この演出制御基板65(演出制御CPU65a)で決定した演出内容に応じて前記図柄表示装置17での画像表示を制御する表示制御CPU66aを備えた表示制御基板66(図3参照)とが配設されている。演出制御基板65(演出制御CPU65a)は、主制御基板60により出力された制御信号(コマンド)に基づいて演出内容を決定し、その決定した演出内容を制御信号(コマンド)として表示制御基板66へ出力する。また、演出制御基板65(演出制御CPU65a)は、決定した演出内容に応じて、前記スピーカ18の音声出力を制御すると共に、前記前枠13に設けられた前記枠ランプ19や、遊技盤20に設けられた後述するサイド飾り40(後述する下発光体基板LB3の発光体d3)、当り演出ランプLP(後述する中発光体基板LBの発光体d2)および右打ち報知ランプ(後述する右発光体基板LB1の発光体d1)等の遊技盤ランプ(演出手段)を発光制御する。更に、演出制御基板65(演出制御CPU65a)は、決定した演出内容に応じて、遊技盤20に設けられた演出用の可動体(演出手段)25dを動作制御するようになっている。これにより演出制御基板65(演出制御CPU65a)は、演出手段としての図柄表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19、サイド飾り40、当り演出ランプLP、右打ち報知ランプおよび可動体25dにより実行される演出を統括的にコントロールし得るようになっている。
(遊技盤20について)
次に、前記遊技盤20の構成について説明する。遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材から所定板厚の略矩形状に形成された平板状の透明板(遊技領域形成部材)により構成されている。遊技盤20の前側には、図2に示す如く、前面(盤面)に配設された略円形状の案内レール22によりパチンコ球が流下可能(移動可能)な遊技領域20aが画成されて、前記球発射装置12Aから発射されたパチンコ球が当該遊技領域20a内に打ち出されることで遊技が行われるようになっている。なお、遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材等の非光透過性の板部材の表面に装飾シール等を貼付したものであってもよい。
図2に示すように、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が前記遊技領域20a内に複数開設されて、各装着口に対応して各種の遊技構成部品25,26,33,34,35が取り付けられている。また、遊技盤20には、遊技領域20aの最下部位置にアウト口23が開設されており(図2参照)、遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球がアウト口23に入球して機外に排出されるよう構成される。ここで、パチンコ機10は、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入球可能な入球口31a,32a,33a,34a,35aが形成された遊技構成部品として、始動入賞ユニット26、特別入賞ユニット(特別入賞部)33、ゲート部34および普通入賞部35が遊技盤20に設けられており、パチンコ球が入球した入球口31a,32a,33a,34a,35aに応じた制御が実行されることで所定の遊技を行い得るよう構成されている。また、遊技盤20の遊技領域20aには多数の遊技釘29が設けられており、遊技釘29との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するようになっている。なお、前記図柄表示装置17は、遊技盤20の後面側に取り付けられ、該遊技盤20の装着口に配設された遊技構成部品としての枠状装飾体25(後述)に形成された表示窓口25aを介して、遊技盤20の前側から視認し得るよう構成されている。
(枠状装飾体25について)
前記遊技盤20には、前記案内レール22で囲まれた遊技領域20aの略中央部分に、前後に開口する表示窓口25aが形成された枠状装飾体25(図2参照)が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の表示画面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。枠状装飾体25は、遊技盤20の前面より前方に突出して遊技領域20aの内周を画成する庇状部25bと、該庇状部25bの後縁から外方に延出する薄板状のフランジ25cとを備えている。そして、フランジ25cを遊技盤20の前面に当接させて取付位置に位置合わせした状態で該フランジ25cをネジ等の固定手段で遊技盤20に固定することで、枠状装飾体25が遊技盤20に取り付けられる。ここで、庇状部25bは、表示窓口25aの外周を囲うように設けられており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が表示窓口25aの内側(すなわち表示画面17aの前面側)へと進入するのを規制している。
なお、前記遊技盤20に画成された遊技領域20aは、枠状装飾体25における庇状部25bの左側方をパチンコ球が流下する第1流下経路21aと、該枠状装飾体25における庇状部25bの上方から右側方をパチンコ球が流下する第2流下経路21bとに区画されている。これにより、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することで、遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球が第1流下経路21aを流下する遊技形態(左打ち)および当該パチンコ球が第2流下経路21bを流下する遊技形態(右打ち)の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。ここで、遊技盤20は、後述する第2始動入賞部32が後述する枠状装飾体25の下方で第1流下経路21aおよび第2流下経路21bに臨むように配設され、該第1流下経路21aおよび第2流下経路21bを流下するパチンコ球が第2始動入賞部32に入球し得るよう構成されている。また、遊技盤20は、後述する第1始動入賞部31や普通入賞部35が第1流下経路21aに臨むように配設され、該第1流下経路21aを流下するパチンコ球が第1始動入賞部31や普通入賞部35に入球(入賞)する一方、第2流下経路21bを流下するパチンコ球は入球(入賞)しないように構成されている。更に、遊技盤20は、後述する特別入賞ユニット33やゲート部34が第2流下経路21bに臨むように配設され、該第2流下経路21bを流下するパチンコ球が特別入賞ユニット33やゲート部34に入球(入賞)する一方、第1流下経路21aを流下するパチンコ球は入球(入賞)しないように構成されている。なお、遊技盤20における遊技構成部品25,26,33,34,35の配置は実施例に限られるものではなく、例えば、第2流下経路21bを流下するパチンコ球が第1流下経路21aを流下するパチンコ球よりも低い確率で後述する第1始動入賞部31や普通入賞部35に入球し得るよう構成してもよいし、第1流下経路21aを流下するパチンコ球が第2流下経路21bを流下するパチンコ球よりも低い確率で後述する特別入賞ユニット33やゲート部34に入球し得るよう構成してもよい。
(始動入賞ユニット26について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入球可能な始動入賞部31,32を備えた始動入賞ユニット26が設けられている。始動入賞ユニット26は、枠状装飾体25の下方に配設されており、パチンコ球が入球可能な第1始動入賞口(入球口)31aを備えた第1始動入賞部31が上部に設けられると共に、パチンコ球が入球可能な第2始動入賞口(入球口)32aを備えた第2始動入賞部32が第1始動入賞部31の下方に位置するよう設けられている。ここで、第1始動入賞部31は、第1始動入賞口31aが常に上方へ向けて開口して、第1流下経路21aを流下するパチンコ球を第1始動入賞口31aから常に受け入れるよう構成されている。一方、第2始動入賞部32は、所定の開放条件および閉鎖条件に従って第2始動入賞口32aが始動用開閉部材32bにより開閉される開閉型の入賞部とされている。すなわち、第2始動入賞口32aは、パチンコ球が入球(入賞)可能な開状態および入球(入賞)不可能な閉状態に変化する。なお、第2始動入賞部32は、始動用開閉部材32bを開閉作動(駆動)する駆動手段としての始動入賞ソレノイドSL1(図3参照)を備え、該始動入賞ソレノイドSL1が主制御CPU60aによって駆動制御されるよう構成される。
前記第1および第2始動入賞部31,32には、第1および第2始動入賞口31a,32aに入球(入賞)したパチンコ球を検出する入球検出センサ(入球検出手段)としての始動入賞検出センサSE1,SE2(図3参照)が設けられている。始動入賞検出センサSE1,SE2は、前記主制御基板60(主制御CPU60a)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサSE1,SE2からの検出信号が主制御基板60(主制御CPU60a)に入力されると、該主制御基板60(主制御CPU60a)は、始動入賞検出センサSE1,SE2からの検出信号の入力を賞球の払出条件として、該主制御基板60(主制御CPU60a)が賞球の払い出しを決定し、払出制御基板(図示せず)に対して賞球払出指令コマンドを出力して、前記球払出装置に規定個数のパチンコ球(賞球)を払い出させるようになっている。また、第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,32aへのパチンコ球の入賞)を条件(始動条件)の成立として、主制御基板60(主制御CPU60a)が各種入賞情報(後述する各種乱数の値)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて、大当り遊技を付与するかの特図当り判定(大当り抽選)が行われるよう構成されている。
そして、演出制御CPU65aが表示制御CPU66aを介して特図当り判定の結果に基づいて図柄表示装置17の表示画面17aで表示する内容を制御して、該図柄表示装置17において図柄変動演出を実行するよう構成される。すなわち、演出制御CPU65aは、表示画面17aの表示を制御する表示制御手段として機能している。また、図柄変動演出の結果、図柄表示装置17に所定の当り表示となる組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で図柄(演出用の飾図)が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(以後、大当り遊技という)が付与されることを報知し得るようになっている。
(ゲート部34について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、前記枠状装飾体25の右側方に離間する位置に、遊技領域20a(第2流下経路21b)を流下するパチンコ球が通過(入球)可能なゲート部34が設けられている。ゲート部34には、パチンコ球が上下に通過(入球)可能なゲート口34aが設けられており、該ゲート口34aをパチンコ球が通過したことを検出する入球検出センサ(入球検出手段)としてのゲートセンサSE4(図3参照)が配設される。ゲートセンサSE4は、前記主制御基板60(主制御CPU60a)と電気的に接続されている。そして、ゲートセンサSE4から主制御基板60(主制御CPU60a)への検出信号の入力、すなわちゲートセンサSE4のパチンコ球の検出(ゲート口34aへのパチンコ球の入球による検出条件の成立)に伴って各種通過検出情報(後述する各種乱数の値)が取得され、この取得した遊技情報に基づいて普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り判定が当りの判定結果となり、普図当り遊技が付与される場合には、前記始動入賞ソレノイドSL1が駆動制御されて始動用開閉部材32bが開閉動作する(第2始動入賞口32aを開閉する)ようになっている。
(普通入賞部35について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、前記枠状装飾体25の左下方に離間する位置に、遊技領域20a(第1流下経路21a)を流下するパチンコ球が入球(入賞)可能な普通入賞部35が複数設けられている。図2に示すように、前記普通入賞部35は、前記遊技領域20aの左側縁(第1流下経路21a)において、パチンコ球が入球可能な普通入賞口35aが上方に常時開口するよう前記遊技盤20に設けられており、第1流下経路21aを流下するパチンコ球が一定の確率で普通入賞口35aに入球し得るようになっている。普通入賞部35は、普通入賞口35aに入球(入賞)したパチンコ球を検出する入球検出センサ(入球検出手段)としての普通入賞検出センサSE5(図3参照)が設けられている。前記普通入賞検出センサSE5は、前記主制御基板60(主制御CPU60a)と電気的に接続されている。そして、普通入賞検出センサSE5からの検出信号が主制御基板60(主制御CPU60a)に入力されることを賞球の払出条件として、該主制御基板60(主制御CPU60a)が賞球の払い出しを決定し、前記払出制御基板(図示せず)に対して賞球払出指令コマンドを出力して、前記球払出装置に規定個数の賞球を払い出させるようになっている。
(特別入賞ユニット33について)
図3に示すように、特別入賞ユニット(特別入賞部)33は、遊技盤20の前面に沿う平板状に形成された台板(台板部)71を備えており、該台板71の前面側を遊技領域20a(第2流下経路21b)のパチンコ球が流下し得るよう形成されている。この台板71は、遊技盤20に前側から固定され、これにより特別入賞ユニット33が遊技盤20の前面において枠状装飾体25から右下方へ離間する位置に配設されている。特別入賞ユニット33は、遊技領域20a(第2流下経路21b)を流下するパチンコ球が入球可能な特別入賞口(入球口、可変入球口)33aと、この特別入賞口33aに入球したパチンコ球を検出する特別入賞検出センサSE3と、特別入賞口33aに連通する入賞通路R1(後述する検出路R1a、連絡路R1bおよび排出路R1c)と、パチンコ球を特別入賞口33aへ向けて誘導不能な待機状態および誘導可能な作動状態に変位する作動部材33bと、この作動部材33bを待機状態および作動状態に変位させる駆動手段としての特別入賞ソレノイドSL2と、この特別入賞ソレノイドSL2を作動部材33bに連繋するための作動連繋機構151,155,159とを備えている。すなわち、特別入賞ユニット33は、特別入賞口33aに対するパチンコ球の入球し易さを可変可能に構成された可変入賞部として構成されている。
特別入賞ユニット33は、台板71の前面上部に取り付けられた前カバー81により前部が構成されている。図4および図5Aに示すように、前カバー81は、台板71から前方へ離間した位置で左右に延在する前側規制部88と、この前側規制部88の左端部から後方へ延出して延出端が台板71に固定される左支持部82と、前側規制部88の右端部から後方へ延出して延出端が台板71に固定される右支持部84とを備えている。そして、前カバー81は、パチンコ球が上方から下方へ通過可能な球通過領域Rxを左支持部82および右支持部84の間に画成すると共に、この球通過領域Rxの前側に前側規制部88が位置する構成となっている(図7および図8参照)。前側規制部88は、台板71の前面に対してパチンコ球の直径以上かつ該パチンコ球の直径の2倍以下の寸法で前方へ離間するよう設けられ、台板71の前面に沿って球通過領域Rxを通過するパチンコ球の前側(台板71から離間する側)への変位を規制している。また、左右の支持部82,84は、複数個(実施例では概ね4個)のパチンコ球を一列に並べた寸法分だけ離間する位置に設けられており、遊技領域20a(第2流下経路21b)を流下する複数個のパチンコ球が球通過領域Rxへ向けて一度に流入し得るよう構成されている。左支持部82には、右側面に特別入賞口33aが形成されており、また該特別入賞口33aに連通する入賞通路R1の上流部としての検出路R1aが、当該左支持部82の内側に形成されている。ここで、球通過領域Rxに流入したパチンコ球は、左支持部82に設けられた特別入賞口33aへ入球するか、または該特別入賞口33aとは異なる方向(下方)へ向かって当該球通過領域Rxを通過するようになっている。ここで、特別入賞口33aの開口寸法は、パチンコ球の直径以上であって該パチンコ球の直径の2倍以下となる寸法とされ、複数のパチンコ球が同時に入球し得ない大きさで形成されている。また、作動部材33bは、左右両端に設けた軸部52a,53aが台板71および前カバー81の間に枢支され、待機状態(第1状態)で球通過領域Rxをパチンコ球が通過可能とし、作動状態(第2状態)ではパチンコ球が球通過領域Rxを通過するのを規制するよう構成されている。そして、作動部材33bを作動させるための特別入賞ソレノイドSL2および後述する作動連繋機構151,155,159(図9および図10参照)等は、台板71の後面側に固定された箱状の収容体91の内側(収容空間95)に収容されている。
図4および図11に示すように、特別入賞ユニット33には、特別入賞口33aに連通する入賞通路R1が設けられている。入賞通路R1は、上流端から下流端にかけて複数のパチンコ球が同時に通過し得ない通路幅(パチンコ球の直径以上であって該パチンコ球の直径の2倍以下となる通路幅)に形成されており、特別入賞口33aに入球したパチンコ球は、その入球した順番に従って入賞通路R1を流下して機外へ排出されるようになっている。具体的に、入賞通路R1は、特別入賞口33aから左方へ延在した後に後方へ延在する上流部としての検出路R1aと、この検出路R1aの下流端に連通する中流部としての連絡路R1bと、連絡路R1bの下流端に連通する下流部としての排出路R1cとで構成されている。また、特別入賞検出センサSE6が検出路R1aに対応して配設されており、特別入賞口33aに入球したパチンコ球を即時に検出し得るようになっている。そして、特別入賞口33aに入球したパチンコ球を前カバー81に設けられた検出路R1aによって台板71が位置する後方へ向けて誘導した後、台板71の後面に沿って上下に延在する連絡路R1bによって、該パチンコ球を下方へ誘導するようになっている。
特別入賞ユニット33は、図5Aおよび図6Aに示すように、LEDからなる発光体d1,d2,d3が実装された右発光体基板LB1、中発光体基板LB2および下発光体基板LB3を備えている。右発光体基板LB1は、前カバー81の後述する右支持部84の内部に収容されており、発光体d1からの光の照射によって右支持部84の前面を点灯させる遊技盤ランプを構成している。また、下発光体基板LB3は、台板71の前面において前カバー81の下方に配設された後述するサイド飾り40の内部に収容されており、図柄変動演出に合わせて発光体d3が発光する遊技盤ランプを構成している。ここで、特別入賞ユニット33には、中発光体基板LB2に実装された発光体(光照射手段)d2を前側から覆うように透明な光透過部101(後述)が配設されており、発光体d2および光透過部101によって遊技盤ランプとしての当り演出ランプLPが構成されている。そして、この当り演出ランプLPから前方へ向けて照射される光が、前カバー81における前側規制部88の下側に設けられた視認口81aを通じて前側から視認できるように構成されている。なお、中発光体基板LB2は、台板71の後面側に配設され、実装された発光体d2から作動状態にある作動部材33bへ向けて光を照射し得るように(球通過領域Rxへ向かうように)構成されている。
(作動部材33bの全体構成および枢支構造等について)
ここで、作動部材33bに関する具体的な構成について説明する。作動部材33bは、図5Aおよび図5Bに示すように、台板71の前面側で前後方向に揺動可能な左右一対のアーム部52,53と、当該一対のアーム部52,53の揺動端部(作動部材33bが作動状態にある場合の下端部)を連結するよう左右に延在する連結部51とを備えた上向きコ字状に形成されている。この作動部材33bは、有色不透明(実施例では白色)な合成樹脂材により形成され、作動状態において、後方に位置する中発光体基板LB2の発光体d2(当り演出ランプLPの発光体d2)から前方へ向けた光の照射方向に位置するように構成されている。一対のアーム部52,53の枢支端部(作動部材33bが作動状態にある場合の上端部)には、軸部52a,53aが相互に離間方向へ突出するよう夫々形成され、これらの軸部52a,53aが台板71および前カバー81により形成された軸受け部74a,74b,89a,89b(後述)に対して枢支されている。なお、以下の説明では、左側のアーム部を左アーム部52と指称し、右側のアーム部を右アーム部53と指称して区別する場合がある。ここで、作動部材33bは、左右の軸部52a,53aの軸線が左下がりに傾く姿勢で前後に揺動変位し得るように軸受け部74a,74b,89a89bに支持されている。
作動部材33bの軸部52a,53aは、前カバー81および台板71の間に枢支されている。具体的に、台板71の前面には、前方へ開口する凹状の後側凹状部74a,74b(図5A参照)が左右に離間するように形成され、当該一対の後側凹状部74a,74bに軸部52a,53aが前側から嵌合するよう構成されている。また、前カバー81の後面には、後方へ開口する凹状の前側凹状部89a,89b(図5B参照)が台板71の後側凹状部74a,74bと対応する位置に形成され、後側凹状部74a,74bに嵌合した軸部52a,53aの前方への離脱を規制している。すなわち、左側の前側凹状部89aおよび左側の後側凹状部74aからなる軸受け部によって左アーム部52の枢支端部に設けられた左軸部52aが枢支され、右側の前側凹状部89bおよび右側の後側凹状部74bからなる軸受け部によって右アーム部53の枢支端部に設けられた右軸部53aが枢支される構成とされている。
なお、作動部材33bの連結部51には、長手方向に沿って延在する転動面55(後述)が当該作動部材33bの揺動中心(軸線)を向くよう形成されている。この作動部材33bの転動面55は、作動部材33bの軸線と平行に設けられることで、当該作動部材33bの作動状態において特別入賞口33aへ向けて下方傾斜するようになっている。ここで、特別入賞ユニット33は、待機状態となっている作動部材33bの転動面55が後方を向き、作動状態となっている作動部材33bの転動面55が上方を向くように構成されている。このように構成することで、作動部材33bが作動状態から待機状態に変位する際に、転動面55上のパチンコ球が台板71側(後方)へ誘導されて球通過領域Rxから下方へ落下するようになっている。なお、実施例では、作動部材33bが揺動範囲の前端位置にある状態を待機状態とし、揺動範囲の後端位置にある状態を作動状態とする。
(アーム部52,53のがたつきを防止する構成について)
図9(a)および図10(a)に示すように、作動部材33bの前記アーム部52,53は、作動部材33bの軸線に対して直交する方向へ延在するよう設けられている。これに対し、台板71には、左側の後側凹状部74aの右端部から右下がりに延在する長孔状のアーム収容部(左側のアーム収容部)75aが当該台板71を前後に貫通するように設けられ、作動部材33bが待機状態から作動状態へと変位する際に、左アーム部52の一部が該アーム収容部75aの内側を通過するようになっている。また、台板71には、右側の後側凹状部74bの左端部から右下がりに延在すると共に前方に開口する凹溝状のアーム収容部(右側のアーム収容部)75bが設けられ、作動部材33bが待機状態から作動状態へと変位する際に右アーム部53が前側から該アーム収容部75bに挿入されるようになっている。すなわち、作動部材33bは、作動状態においてアーム部52,53の左右方向の動きがアーム収容部75a,75bによって規制され、作動部材33b全体の左右方向へのがたつきが防止されている。
(左アーム部52について)
図11に示すように、前記左アーム部52は、特別入賞口33aの開口右側に隣接して位置するよう設けられている。この左アーム部52は、右アーム部53よりも後方へ大きく構成されており、後端部が台板71における左側のアーム収容部75aを介して台板71の後側に突出するよう構成されている。そして、左アーム部52において台板71の後側に突出する後端部に、後述する連係機構150と連繋する作用部52bが設けられている。なお、作用部52bは、左アーム部52の後端部から右方へ向けて突出するよう設けられている。
また、左アーム部52は、図5Aに示すように、作動部材33bが待機状態のときに特別入賞口33aを閉鎖する開閉部52cが設けられている。この開閉部52cは、作動部材33bが作動状態のときに後方に向かって凹む湾曲形状に形成され、当該作動部材33bの作動状態では、特別入賞口33aの開口側(右方)に重ならない後側に位置して特別入賞口33aをパチンコ球が入球可能な状態に開放する一方、作動部材33bの待機状態では、特別入賞口33aの開口前側(右方)に重なって特別入賞口33aをパチンコ球が入球し得ない状態に閉鎖するよう構成されている。すなわち、作動部材33bは、待機状態にあって連結部51が台板71の前方に離間して球通過領域Rxを開放する場合には、開閉部52cが特別入賞口33aを閉鎖する。一方、作動部材33bは、作動状態にあって連結部51が台板71に近接する状態では、開閉部52cが特別入賞口33aを閉鎖するように構成されている。なお、開閉部52cが特別入賞口33aの開口側を閉鎖する状態とは、パチンコ球が特別入賞口33aに入球し得ない状態であればよく、開閉部52cが特別入賞口33aを完全に塞いだ状態に限らず、特別入賞口33aの一部が塞がれずに露出する状態も含むこととする。
また、前記開閉部52cは、図11および図13に示すように、特別入賞口33aから右方へ離間するにつれて下方傾斜する傾斜面とされている。このため、作動部材33bが作動状態から待機状態に変位する際に、転動面55上のパチンコ球と当該特別入賞口33aとの間に開閉部52cが差し込まれ、特別入賞口33aに入球する間際のパチンコ球(特別入賞検出センサSE3で検出される間際のパチンコ球)が当該特別入賞口33aから球通過領域Rx側に押し戻され得るように構成されている。また、開閉部52cは、作動部材33bが作動状態にある場合に台板71の前面から転動面55(前方)へ向けて下方傾斜するように位置して(図13(b)参照)、台板71に接した状態で転動面55を転動するパチンコ球を台板71から離間させて特別入賞口33aにおける前後方向の中心にパチンコ球を誘導し得るようになっている。
(右アーム部53について)
図9(a)および図10(a)に示すように、直線的な棒状に形成された前記右アーム部53の前記揺動端部(連結部51との接続端部)には、金属製の錘部材53cを有する錘部53bが設けられている。錘部53bは、図5Aおよび図12(b)に示すように、右側方へ開口する円筒状に形成され、開口から金属製の錘部材53cが嵌入固定されている。すなわち、作動部材33bにおいて台板71に枢支される軸部52a,53aから離間する端部側に錘部53bを設けることで、作動部材33bを待機状態から作動状態へ速やかに変位させ得るように構成され、かつ作動状態における作動部材33bの姿勢の安定性が高められている。
(連結部51の具体的な構成について)
前記連結部51は、図9(a)および図10(a)に示すように、軸部52a,53aの軸線と平行に延在して、前後方向の幅寸法がパチンコ球の直径以下となる棒状に形成されている。この連結部51には、パチンコ球が転動可能な転動面55が平面状に形成されており、作動部材33bが作動状態のときに転動面55が左側(特別入賞口33a側)へ下方傾斜して、該転動面55で受け止めたパチンコ球を特別入賞口33aへ向けて転動させ得るようになっている。そして、作動部材33bが待機状態から作動状態に変位する際には、連結部51(転動面55)が軸部52a,53aを中心とした円弧状の軌跡に沿って下方へ移動しつつ台板71に近接し、反対に作動状態から待機状態に変位する際には、連結部51(転動面55)が軸部52a,53aを中心とした円弧状の軌跡に沿って台板71から離間しつつ上方へ移動するようになっている。これにより、作動部材33bの待機状態では、転動面55が球通過領域Rxより前側に位置してパチンコ球が連結部51および台板71の間を通過し得る状態となり、作動状態では、転動面55が球通過領域Rxをその途中箇所で塞ぐ(パチンコ球が連結部51および台板71との間を通過不能な状態となる)ように構成されている。
図11(b)に示すように、転動面55は、作動部材33bが作動状態のときに左端部(傾斜下端部)が特別入賞口33aの開口下端部と略整合する高さ位置に位置するよう構成されている。この転動面55は、作動部材33bが作動状態のときの傾斜方向となる左右方向の幅寸法がパチンコ球の直径の2倍以上とされ、球通過領域Rxへ流入する複数のパチンコ球を同時に受け止め得るよう構成されている。転動面55は一方で、作動部材33bが作動状態のときの傾斜方向に対して交差する前後方向の幅寸法が、パチンコ球の直径以下とされ、複数のパチンコ球が前後に並んで転動面55を転動しないよう構成されている。ここで、連結部51(転動面55)は、作動部材33bの作動状態において台板71の前面に対して僅かに(パチンコ球の直径より狭い寸法だけ)前方へ離間するよう構成されており(図13(b)参照)、作動部材33bを作動状態から待機状態へ向けて変位させた際に、台板71との間隔を速やかにパチンコ球の直径以上に拡大して、転動面55上のパチンコ球を球通過領域Rxから落下させ得るようになっている。
また、図13(b)に示すように、転動面55は、作動状態において台板71側へ向けて僅かに下方傾斜するよう形成されている。すなわち、転動面55は、作動状態において左方(特別入賞口33a側)および後方(台板71側)の夫々に下方傾斜しており、当該転動面55上のパチンコ球を台板71に接した状態で特別入賞口33aへ向けて転動させるよう構成されている。このため、作動状態から待機状態に作動部材33bが変位するのに伴って、当該転動面55上のパチンコ球を台板71と転動面55との間から速やかに球通過領域Rxの下方に落下させ得るようになっている。なお、実施例では、転動面55の傾斜方向について、該転動面55の右端を傾斜上端とし、左端を傾斜下端として説明する。
図8(b)に示すように、転動面55は、傾斜上端側と傾斜下端側とで幅寸法が異なるよう形成されている。具体的に、転動面55は、傾斜上端側に位置する帯状の第1の転動面部55aと、当該第1の転動面部55aの傾斜下端に接続して前後方向の幅寸法が第1の転動面部55aよりも大きくかつパチンコ球の直径より小さな第2の転動面部55bとを有している。この第1の転動面部55aおよび第2の転動面部55bは、作動状態において台板71に対向する後端部が直線状に連続した形状とされ、第2の転動面部55bの前端部が、第1の転動面部55aの前端部よりも前方へ位置するよう形成されている。このように、第2の転動面部55bを第1の転動面部55aよりも前後に幅広に構成することで、台板71に接した状態で転動面55(第1の転動面部55a)を左方へ転動するパチンコ球が開閉部52cの傾斜に沿って前方へ移動する場合に、第2の転動面部55bによってパチンコ球を安定的に特別入賞口33aまで案内することができる。なお、第2の転動面部55bにおける左右方向の幅寸法は、パチンコ球の直径より大きな寸法に設定されている。ここで、作動部材33bの前端部には、両転動面部55a,55bの接続部分からなる段部56が形成されている。この段部56は、作動部材33bが待機状態にある場合に、前カバー81(前側規制部88)に形成された後述する係合凹部88cに下方から係合するよう構成されている。
(前カバー81について)
次に、前カバー81における前側規制部88、左支持部82および右支持部84に関する構成について説明する。
(前側規制部88について)
図7(a)および図8(a)に示すように、前側規制部88は、左支持部82の上端部と右支持部84の上端部とを繋ぐように設けられ、下端部の位置が左右の支持部82,84よりも上側に位置している。これにより、前カバー81には、前側規制部88の下面と、左右の支持部82,84における対向する側面とにより、下向き凹状の視認口81aが形成されている。ここで、作動部材33bの待機状態および作動状態の間で変位する際の移動範囲は、待機状態(前端位置)で連結部51(転動面55)が前側規制部88の下端部に下方から近接して対向するように設定されている。すなわち、前カバー81に視認口81aを形成することで、作動部材33bが待機状態から作動状態に変位する際の前方へ向けた移動範囲が確保されている。また、前側規制部88によって、待機状態にある作動部材33bの連結部51を上方から覆って保護し得ることで、球通過領域Rxに流入するパチンコ球との接触によって連結部51(作動部材33b)が下方へ変位するのを防いでいる。更に、作動部材33bが作動状態にある場合には、視認口81aと連通して球通過領域Rxを前方へ開放する隙間が、正面視における転動面55と前側規制部88の下端部との間に形成され、転動面55上のパチンコ球を前側から当該隙間を介して視認し得るようになっている。なお、詳しくは後述するが、特別入賞ユニット33には、視認口81aの後方に当り演出ランプLP(後述)が設けられている(中発光体基板LB2の発光体d2が位置している)。そして、当り演出ランプLP(発光体d2)からの光が、作動部材33bの作動状態において前方位置にある連結部51(作動部材33b)へ向けて照射されるようになっている。
また、前側規制部88の下端部には、待機状態にある作動部材33bの段部56と係合可能な凹状の係合凹部(係合部)88cが左端部に形成されており、待機状態において当該段部56が係合凹部88cと係合することで、待機状態における作動部材33bの左右方向へのがたつきを防止している。
前側規制部88の後面には、図5Bおよび図13に示すように、後方(台板71側)へ向けて突出する減勢リブ(減勢部)88aが、前側規制部88の上辺に沿って左右方向に延在するよう形成されている。この減勢リブ88aは、上面が後方へ向けて下方傾斜するよう設けられ、球通過領域Rxへ向けて上方から流入するパチンコ球を台板71の前面に沿う後方側へ案内すると同時に該パチンコ球の流速を低減させるよう構成されている。一方で、この減勢リブ88aは、作動状態にある作動部材33bの転動面55から上方へ向けてパチンコ球の直径以上に離間して、該転動面55上でのパチンコ球の移動を妨害しないように形成されている。
また、前側規制部88の後面には、図5Bおよび図13に示すように、下辺に沿って左右方向に延在する突条88bが形成されている。この突条88bは、作動状態における転動面55の左右方向の傾斜に沿って左下がりに延在すると共に、当該転動面55上に位置するパチンコ球が接触可能な位置に設けられている。突条88bにおける後端(突出端)の前後位置は、作動状態の作動部材33bにおける転動面55の前端縁よりもパチンコ球の半径以下の寸法分だけ前側となっている。これにより、作動部材33bが作動状態となっている場合に、転動面55上に位置するパチンコ球が前側から突条88bに支持された状態で転動して、該パチンコ球の重心が転動面55を向くよう構成されており、該作動部材33bが待機状態となる際に、当該転動面55上にあるパチンコ球を台板71と転動面55との間から球通過領域Rxの下方へ速やかに落下させ得るようになっている。また、突条88bは、前側規制部88の後面において右端から係合凹部88cの形成位置までの間の範囲に形成され、転動面55の傾斜下端側(第2の転動面部55b)に対応する部分には設けられていない。すなわち、突条88bは、前側規制部88の後面において転動面55の傾斜上端側(第1の転動面部55a)に対応する範囲に形成されている。すなわち、突条88bは、作動部材33bの開閉部52cの傾斜に沿って台板71から離間するように第2の転動面部55bを移動するパチンコ球の動きを阻害しないようになっている。
(左支持部82と、入賞通路R1との関係について)
図11に示すように、前記左支持部82には、当該左支持部82の右面に開設された特別入賞口33aに上流端が連通する前記検出路R1aが形成されている。この検出路R1aは、特別入賞口33aから左方へ延在した後に後方の台板71へ向けて延在するよう形成され、台板71を前後に貫通する上側通孔71a(図5Aおよび図11参照)に下流端が連通している。すなわち、球通過領域Rxに流入して当該特別入賞口33aに入球したパチンコ球は、左支持部82の内側に形成された検出路R1aを通じて台板71の後面側へ案内されるようになっている。
ここで、台板71の後面には、図5Bおよび図12に示すように、後方に延出して上下に長い枠状をなす樋形成部71bが形成されている。そして、この樋形成部71bの後方開口を後側から塞ぐように後カバー96が台板71の後面に取り付けられることで、樋形成部71bの内側であって後カバー96の前側に、入賞通路R1のうち台板71より後側の部分を構成する前記連絡路R1b(図11参照)が画成されている。この樋形成部71bは、上端部では上側通孔71aの開口上縁に沿って延在し、内側に画成される連絡路R1bの上流端部が該上側通孔71aを介して台板71より前側の検出路R1aと接続されている。そして、検出路R1aおよび上側通孔71aを通じて台板71の後面側に案内されたパチンコ球が、連絡路R1bに沿って下方へ流下するよう構成されている。なお、樋形成部71bは、連絡路R1bの下流端部に到達したパチンコ球の進行方向を台板71(具体的には、後述する下側通孔72a)が位置する前方へ変更するよう構成されている。
(左支持部82と、特別入賞検出センサSE3との関係について)
図11に示すように、特別入賞ユニット33における左支持部82の内側には、特別入賞検出センサSE3の前端部を特別入賞口33aに臨む位置で位置決めする凹状溝83aが上下に対向するよう形成されている。そして、凹状溝83aに位置決めされた特別入賞検出センサSE3の前端部が、検出路R1aの上流端でパチンコ球を検出し得るようになっている。特別入賞検出センサSE3は、主制御基板60(主制御CPU60a)と電気的に接続されており、特別入賞検出センサSE3がパチンコ球を検出すると、検出信号を主制御基板60(主制御CPU60a)に出力し、該主制御基板60(主制御CPU60a)は、特別入賞検出センサSE3からの検出信号の入力を賞球の払出条件として、該主制御基板60(主制御CPU60a)が賞球の払い出しを決定し、前記払出制御基板(図示せず)に対して賞球払出指令コマンドを出力して、前記球払出装置に規定個数の賞球を払い出させるようになっている。
ここで、台板71において凹状溝83aの後方に重なる位置には、前後方向に貫通するセンサ挿通口73(図5A参照)が形成されると共に、後面におけるセンサ挿通口73の開口縁から後方に延在するセンサ係止片77が下方へ向けて弾性変形し得るように設けられている。そして、特別入賞検出センサSE3は、後端側がセンサ挿通口73を通じて台板71の後面側へ突出し、後端面にセンサ係止片77が係止した状態で、特別入賞ユニット33に配設されている。すなわち、台板71に設けたセンサ係止片77によって特別入賞検出センサSE3の後方への移動を規制することで、該特別入賞検出センサSE3の前端部が左支持部82の内側(検出路R1a)において特別入賞口33aに臨む適正位置に位置するよう保持されている。そして、特別入賞検出センサSE3の前端部が特別入賞口33aに臨むよう位置することで、特別入賞口33aを検出路R1aに向けて通過したパチンコ球を即時に検出できるようになっている。なお、特別入賞検出センサSE3は、台板71の後面側に突出する後端部が前記収容体91と台板71に設けられた前記樋形成部71bとの間に位置して左右および上方への移動が規制されるようになっている。
なお、左支持部82には、図5Bに示すように、後方へ向けて開口する凹状の前側凹状部89aが形成されており、台板71に形成された左側の後側凹状部74aとの間に作動部材33bの左軸部52aを支持するようになっている。
(右支持部84について)
図5Bに示すように、前記右支持部84は、光を透過可能な合成樹脂により形成されると共に、後方へ開口する箱状に形成され、前方へ向けて光を照射する発光体d1を実装した右発光体基板LB1が内部に収容されている(図11参照)。この右支持部84の前面は、右発光体基板LB1の発光体d1から前方へ向けて照射される光を拡散し得るよう構成され、右発光体基板LB1の発光体d1の発光に応じて右支持部84の前面を点灯させる遊技盤ランプを構成している。ここで、右発光体基板LB1は、演出制御基板65に配線接続されており、後述する大当り遊技、確変状態および変短状態が付与される期間において発光体d1が発光するよう演出制御CPU65aにより発光制御される。すなわち、右支持部84および右発光体基板LB1の発光体d1からなる遊技盤ランプは、遊技者が右打ちの遊技形態(パチンコ球が第2流下経路21bを流下する遊技形態)で遊技を行うことが適した遊技状態を報知する所謂「右打ち報知ランプ」として機能している。
また、右支持部84の上面は、球通過領域Rxが位置する左方へ向けて下方傾斜するよう形成され、第2流下経路21bを流下するパチンコ球を該上面で受け止めて球通過領域Rxへ向けて誘導し得るようになっている。また、図11に示すように、右支持部84には、上面に沿って左方へ延在した後に下方へ垂下する庇状の保護部87が設けられている。保護部87は、作動部材33bに設けられた錘部53b(図11(b)参照)が移動する範囲の上方を囲うよう構成され、第2流下経路21bを流下するパチンコ球が錘部53bに接触するのを防いでいる。すなわち、前カバー81は、右支持部84に設けた保護部87によって作動部材33bの錘部53bがパチンコ球と接触するのを防ぎ、作動部材33bが意図せず作動状態から待機状態へ向けて変位するのを防いでいる。
図11に示すように、右支持部84の右上部には、遊技領域20a(第2流下経路21b)を流下して右支持部84の上面に乗ることなく当該右支持部84の右側へ進行したパチンコ球の一部を遊技盤の外部に排出するための排出樋(第2アウト口)84bが設けられている。この排出樋84bは、上方および後方へ開口する樋状に形成され、台板71の上縁右端部において上方に開口する凹状に形成された排出凹部71cに後端が接続されている。すなわち、第2流下経路21bを流下する過程で排出樋84bに入球したパチンコ球は、台板71の排出凹部71cを介して台板71の後側に案内されて、図示しない排出経路を介して機外へ排出されるようになっている。このように、上壁部84aの上流側に排出樋84bを設けることで、第2流下経路21bを流下するパチンコ球が球通過領域Rxに流入することとなる割合を調整している。なお、排出樋84bに入球することなく第2流下経路21bの右端側に進行したパチンコ球は、後述するサイド飾り40の誘導面41上に受け止められて該誘導面41を左方へ転動するようになっている。
なお、右支持部84には、後方へ向けて開口する凹状の前側凹状部89bが形成されており、台板71に形成された右側の後側凹状部74bとの間に作動部材33bの右軸部53aを支持するようになっている。
(収容体91について)
図5Aおよび図5Bに示すように、前記収容体91は、台板71の後面側に固定されると共に後方に開口する箱状に形成された前部材91aと、この前部材91aの後方開口を塞ぐように当該前部材91aに組み付けられると共に前方に開口する箱状に形成された後部材91bとから横長の矩形箱状に構成されている。具体的に、収容体91は、台板71の後面(後述する取付部78)に取り付けられた後述する基板カバー100および中発光体基板LB2の上部を後方から覆う状態で、台板71の後面に取り付けられている。そして、これら前部材91aおよび後部材91bの間に画成される収容空間95には、作動部材33bを待機状態(第1状態)および作動状態(第2状態)の間で変位させる駆動手段としての特別入賞ソレノイドSL2(図3参照)と、この特別入賞ソレノイドSL2の駆動力を作動部材33bに伝達するための作動連繋機構151,155,159とが収容されている。この収容体91の前面(前部材91aの前面)には、台板71に形成されたアーム収容部75aの後方位置に、収容空間95に開口する連繋開口91c(図9参照)が形成されており、当該連繋開口91cを介して作動部材33bの作用部52bが収容空間95の側に臨んで作動連繋機構151,155,159(後述する第3連繋部材159)に接続するようになっている。また、前部材91aには、上下方向に延在するガイド壁部94a(図5B参照)が連繋開口91cの開口右端縁から後方(収容空間95の内部側)に延出するよう形成されると共に、後部材91bにおいて連繋開口91cに後方から臨む位置に、上下方向に延在するガイド溝94b(図5A参照)が形成されており、当該ガイド壁部94aおよびガイド溝94bにより第3連繋部材159の上下移動を案内するようになっている。
ここで、特別入賞ソレノイドSL2は、図9および図10に示すように、コイルバネSL2cにより付勢されたプランジャSL2bの先端部が当該特別入賞ソレノイドSL2の駆動停止状態(消磁状態)において基体SL2aから突出し、駆動状態(励磁状態)とした場合にプランジャSL2bが駆動停止状態よりも基体SL2a側に引き付けられるように構成されている。特別入賞ソレノイドSL2は、プランジャSL2bが基体SL2aに対し左側に位置して左右方向に移動可能となる横向き姿勢で前記収容空間95の右側に偏倚した位置に収容されている。この特別入賞ソレノイドSL2は、主制御基板60と電気的に接続されて主制御CPU60aによって駆動制御されるよう構成されている。そして、特別入賞ソレノイドSL2の駆動停止状態では、台板71から前方へ離間してパチンコ球を特別入賞口33aへ誘導不能な待機状態(第1状態)とされ、特別入賞ソレノイドSL2の駆動状態では、台板71と近接して球通過領域Rxにおける上下方向の途中位置を塞ぎ、該作動部材33bに設けられた転動面55によりパチンコ球を特別入賞口33aへ誘導する作動状態(第2状態)となるよう構成されている。そして、作動部材33bの作動に伴って、特別入賞口33aは、パチンコ球が入球不可能な状態から入球可能な状態に変化するようになっている。なお、特別入賞ソレノイドSL2は、図柄表示装置17による図柄変動演出の終了後に大当り遊技(特図当り遊技)が付与される場合に駆動制御される。なお、実施例では、付与される大当り遊技の種類に応じた作動条件(作動パターン)に従って作動部材33bが作動状態に変位するよう構成されている。すなわち、大当り遊技を付与する場合に作動部材33bを所定の作動条件で待機状態から作動状態に変化させることで特別入賞口33aへのパチンコ球の入球が可能となり、これによって遊技者が賞球を獲得し得る状態が生起されるよう構成されている。
(作動連繋機構151,155,159について)
前記作動連繋機構151,155,159は、図9および図10に示すように、特別入賞ソレノイドSL2のプランジャSL2bに連結されて当該プランジャSL2bと一体的に移動する第1連繋部材151と、該第1連繋部材151に連繋する第2連繋部材155と、該第2連繋部材155に連繋して特別入賞ソレノイドSL2の駆動力を作動部材33bの作用部52bに伝達する第3連繋部材159とにより構成されている。
第1連繋部材151は、プランジャSL2bの先端部に固定されて後部材91bの上下の壁部に摺接する第1基部152と、該第1基部152の前側上端部から上方へ延出する板状の上側摺動板153と、第1基部152の前側下端部から下方へ延出する板状の下側摺動板154とを備え、特別入賞ソレノイドSL2の駆動に伴って収容空間95内を左右方向に移動するよう構成されている。また、上側摺動板153には、当該上側摺動板153において第1基部152より左側に延在する部位の下端部に、下方に開口する凹部153aが形成されており、当該凹部153aに第2連繋部材155が接続して第1連繋部材151の動作に伴って第2連繋部材155が作動されるようになっている。ここで、上側摺動板153および下側摺動板154は、各摺動板153,154を前後から挟むよう収容体91に設けられた前側の案内壁92aおよび後側の案内壁92bに摺接するよう構成されており、特別入賞ソレノイドSL2を駆動した際に、第1連繋部材151が一定の姿勢(凹部153aが下方に開口する姿勢)で左右方向に移動するようになっている。
第2連繋部材155は、前後に貫通孔156aが貫通する円筒状の第2基部156と、該第2基部156の外周面から当該第2基部156の径方向に突出して第1連繋部材151に接続する連繋第1突部157と、該第2基部156の外周面から当該第2基部156の径方向に突出して第3連繋部材159に接続する連繋第2突部158とを備えている。そして、第2基部156の貫通孔156aに、収容体91(前部材91a)に形成された前後に延在する連繋用軸93が挿通されて、当該連繋用軸93を中心として第2連繋部材155が収容空間95内で揺動可能に支持されている。また、連繋第1突部157の突出端部には、連繋用軸93の軸線と平行となるよう後方へ突出する連繋第1作用軸157aが形成されて、当該連繋第1作用軸157aが第1連繋部材151の凹部153aに係合するよう構成されており、該第1連繋部材151が左右方向へ移動することで、第2連繋部材155が連繋用軸93を中心として揺動するようになっている。更に、連繋第2突部158の突出端部には、連繋用軸93の軸線と平行となるよう後方へ突出する連繋第2作用軸158aが形成されており、当該連繋第2作用軸158aに第3連繋部材159が接続して第2連繋部材155の動作に伴って第3連繋部材159が作動されるようになっている。
第3連繋部材159は、連繋開口91cを介して収容体91(収容空間95)の外部に露出して作動部材33bに接続する第3基部160と、該第3基部160の下端部から右方に延出して第2連繋部材155に接続する延出係合部165とを備えて、第2連繋部材155の作動に伴い第3基部160が連繋開口91cに臨んだ状態で収容空間95内を上下方向に移動するよう構成されている。ここで、第3基部160には、連繋開口91cに臨む左側面に、前方および左側方へ開口する連繋凹部164が形成されている。そして、連繋凹部164における上下の壁部の間に、作動部材33bの作用部52bが位置するよう構成されている。ここで、実施例の作動部材33bが自重により待機状態から作動状態へ変位するよう構成されていることから、作用部52bが連繋凹部164の上側に位置する作用壁部164aに当接するようになっている。すなわち、第3連繋部材159の上下方向への移動に伴って連繋凹部164の作用壁部164aに当接した作用部52bが上下に移動することで、作動部材33bが待機状態および作動状態に変位するようになっている。
また、第3基部160の右側縁には、前方へ開口する凹溝状の連繋前側係合部161が上下方向に延在するよう設けられると共に、当該第3基部160の後端部には、後方へ突出する連繋後側係合部162が上下方向に延在するよう設けられている。そして、連繋前側係合部161に対して収容体91のガイド壁部94aが前側から摺接可能に差し込まれると共に、連繋後側係合部162が収容体91のガイド溝94bに前側から摺接可能に差し込まれて、第3連繋部材159が一定の姿勢(連繋凹部164に作用部52bが臨む姿勢)で上下方向に移動可能になっている。
延出係合部165は、第3連繋部材159の移動方向(上下方向)に直交する方向へ延在する平板状の摺動板165aと、当該摺動板165aの後端部に設けられ、前後に開口する長孔165cが左右方向に延在するよう開設された作動孔部165bとを備えている。そして、摺動板165aの上面に、第2連繋部材155における連繋第2突部158の突出端部が摺接すると共に、作動孔部165bの長孔165cに、当該連繋第2突部158に設けられた連繋第2作用軸158aが挿入されている。すなわち、特別入賞ソレノイドSL2の駆動に伴って、第2連繋部材155が揺動するのに伴い、連繋第2作用軸158aが作動孔部165bを作動することで、第3連繋部材159が上下方向に移動するようになっている。
ここで、第3連繋部材159が最下部に位置する状態(すなわち作動部材33bの待機状態に対応した状態)では、摺動板165aおよび連繋第2突部158の接触点と連繋用軸93(貫通孔156aの中心)とを結ぶ直線が、当該摺動板165aに直交するようになっている。すなわち、第3連繋部材159が最下部に位置する状態では、当該第3連繋部材159を上方へ移動させる力が作用した場合(作動部材33bを待機状態から作動状態に変位させる力が作用した場合)に、第2連繋部材155を揺動させる方向へ力が作用しないよう構成されており、当該第3連繋部材159の上方移動が規制されるよう構成されている。言い換えると、第2連繋部材155および第3連繋部材159は、特別入賞ソレノイドSL2を非駆動時に作動部材33bを待機状態に保持させるロック手段として機能し、当該特別入賞ソレノイドSL2を駆動した場合に限り作動部材33bを待機状態から作動状態に変位させ得るようになっている。
(当り演出ランプLPについて)
次に、当り演出ランプLPに関する構成について説明する。図5A、図11(a)および図12に示すように、当り演出ランプLPは、中発光体基板LB2において作動部材33bへ向けて光を照射可能に設けられた発光体(光照射手段)d2と、この発光体d2の前を覆うように基板カバー100に設けられた光透過部101とによって構成されている。なお、実施例では、複数の発光体d2と光透過部101とで当り演出ランプLPを構成しているが、当り演出ランプLPに発光体d2を1つのみ備えるようにしてもよいし、当り演出ランプLPに光透過部101を備えず、発光体d2のみで当り演出ランプLPを構成することもできる。また実施例では、発光体d2をLEDにより構成しているが、例えば有機EL表示器等により発光体d2を構成してもよい。
図5Bに示すように、台板71の後面には、中発光体基板LB2と、この中発光体基板LB2の前面の一部を覆う基板カバー100とを取り付けるための取付部78が設けられている。取付部78は、後方へ突出すると共に中発光体基板LB2を囲う枠状に延在する囲繞部78aと、この囲繞部78aの内側で台板71の前面へ貫通する開口部78bとを備えている。囲繞部87aは、下辺が中発光体基板LB2の下端面LB2c(図13参照)と対向しており、中発光体基板LB2の上下位置を位置決めするための位置決め手段として機能している。開口部78bは、台板71の前面に設けられた左右のアーム収容部75a,75bの間で開口して、球通過領域Rxに連通するよう設けられている。また、取付部78は、中発光体基板LB2に実装された複数の発光体d2の前方位置で開口部78bが開口するよう設けられ、複数の発光体d2から前方へ向けて照射された光が、開口部78bを通じて前方へ向かうようになっている。なお、開口部78bは、やや左下がりの左右方向(より具体的には、作動部材33bが作動状態のときの転動面55の傾斜方向)に延在する長孔状に設けられ、作動状態となった作動部材33bにおける連結部51の後方に略全体が重なるように位置している。ここで、開口部78bは、基板カバー100に設けられた光透過部101の外形よりやや大きな開口形状に形成され、後方から挿入される該光透過部101によって概ね塞がれるようになっている。
図5Aに示すように、中発光体基板LB2は、前方へ向けて光を照射可能な発光体d2が前面に複数(実施例では6個)実装された基板上部LB2aを備え、この基板上部LB2aが背面視において左右のアーム収容部75a,75bの間に位置している。なお、基板上部LB2aの複数の発光体d2は、連結部51の延在方向に沿うやや左下がりの直線上に並ぶように実装されている。すなわち、当り演出ランプLPには、作動状態にある作動部材33bの転動面55が傾斜する方向に並ぶように複数の発光体d2が設けられている。また、中発光体基板LB2は、図5Bに示すように、基板上部LB2aよりも下側に位置する基板下部LB2bの後面に、演出制御基板65からの配線が接続される第1のコネクタ接続部CN1と、右発光体基板LB1からの配線が接続される第2のコネクタ接続部CN2と、下発光体基板LB3からの配線が接続される第3のコネクタ接続部CN3とが設けられている。すなわち、中発光体基板NL2は、他の発光体基板LB1,LB3と演出制御基板65との電気的な接続を中継する基板としても機能している。また、中発光体基板LB2は、台板71の取付部78に後方から取り付けられた状態で、基板上部LB2aが収容体91によって後方から覆われると共に、基板下部LB2bが後カバー96によって後方から覆われている。ここで、収容体91および囲繞部78aは、取付部78の内外を区画して外部光が基板カバー100の光透過部101に入り込むのを防いでいる。
基板カバー100は、有色不透明な合成樹脂材により形成され、図5Aに示すように、中発光体基板LB2の基板上部LB2aを前側から覆う状態で台板71の取付部78に取り付けられている。この基板カバー100の下端には、中発光体基板LB2(基板上部LB2a)における複数の発光体d2が照射する光を前面側へ透過させる光透過部101が設けられている。光透過部101は、作動部材33bが作動状態のときの転動面55の傾斜方向に沿って延在する横長形状に形成されている。また、光透過部101は、台板71に設けられた開口部78bに整合する形状であって、開口部78bに後側から挿入し得るように前方へ突出している。なお、実施例の光透過部101は、有色不透明な合成樹脂材により形成されており、前後に貫通形成された透過孔104(後述)を通じて発光体d2からの光を前方へ透過させるように構成されている。これに対し、光透過部101を光透過性の合成樹脂材等により形成してもよい。ここで、基板カバー100の上端には、左右に延在すると共に後方へ延出する位置決め部102が設けられており、この位置決め部102を中発光体基板LB2の上端面に位置決めすることで、光透過部101が中発光体基板LB2に対して、複数の発光体d2の実装領域を前側から覆う正確な位置に位置決めされるようになっている。そして、基板カバー100が中発光体基板LB2の前面に位置決めされた状態で、光透過部101が中発光体基板LB2(基板上部LB2a)における複数の発光体d2の実装領域を前側から覆うように位置し、発光体d2(複数の発光体d2)と光透過部101とで当り演出ランプLPが構成されている。ここで、当り演出ランプLPは、作動状態となった作動部材33bにおける連結部51の後方に略全体が重なるように構成されている。
図12(a)に示すように、光透過部101には、中発光体基板LB2の各発光体d2と対向する位置に、前後に貫通する透過孔104が夫々設けられている。そして、中発光体基板LB2の前面に基板カバー100を組み合わせた状態で、正面視において複数の透過孔104の内側に発光体d2が夫々位置するようになっている。すなわち、光透過部101は、正面視において各発光体d2が透過孔104から視認し得るように構成されている。このため、作動部材33bが作動状態にある場合は、各発光体d2から照射されて前方へ直進する強い光が、光透過部101に遮蔽されることなく作動部材33bに照射されるようになる。また、各発光体d2の前端を対応する透過孔104の後端部に位置させることで、複数の透過孔104が対応する各発光体d2から照射された光の進行方向を規制して、光が台板71の後側で広がらないように構成されている。複数の透過孔104は、当該複数の透過孔104の並ぶ方向に延在する長孔状に形成されており、また、各透過孔104の前端部には、前方へ向かうにつれて次第に当該複数の透過孔104の並ぶ方向へ広がるテーパ部105が形成されている。すなわち、光透過部101は、透過孔104を透過(通過)する光の回析作用によって、当該透過する光を透過孔104の並ぶ方向(言い換えれば、発光体d2の並列方向であって、作動部材33bが作動状態のときの転動面55の延在方向)へ拡散するように構成されている。
ここで、当り演出ランプLPは、図7(a)および図13(a)に示すように、全体が視認口81aの後方位置に重なるように設けられており、作動部材33bが待機状態にある場合には、当該作動部材33bよりも下方でかつ視認口81aの後方位置に重なって位置するように構成されている。すなわち、作動部材33bが待機状態にある場合には、当り演出ランプLPを構成する各発光体d2の光照射方向X1(図13参照)から上方へ外れた側に作動部材33bが位置し、当り演出ランプLPの全体が正面(光照射方向X1)から視認し得るようになっている。一方で、当り演出ランプLPは、遊技者からの所定の視認範囲S(図13参照)に沿って当り演出ランプLPを視認する場合に、待機状態にある作動部材33bが当り演出ランプLPの手前側に重なって当り演出ランプLPの略全体が視認し得なくなるよう構成されている。すなわち、作動部材33bが待機状態にある場合には、当り演出ランプLPが所定の視認範囲(特定位置)Sからは概ね視認することができず、一方で、遊技者が視認口81aを正面から覗き込んだ時には視認し得るようになっている。なお、「所定の視認範囲(特定位置)S」とは、機前側の座席に着座した遊技者から当り演出ランプLPを視認可能な上下範囲であって、実施例では、図13に示すように、当り演出ランプLPの上縁と、視認口81aの上縁(前側規制部88の下縁)とを結ぶ直線の延長位置が、当該「所定の視認範囲(特定位置)S」の上限となり、また、当り演出ランプLPの下縁と、待機状態の作動部材33bにおける連結部51の下縁とを結ぶ直線の延長位置が、当該「所定の視認範囲(特定位置)S」の下限となっている。
また、当り演出ランプLPは、図8(a)および図13(b)に示すように、作動状態にある作動部材33bの連結部51に対して当り演出ランプLPの略全体(複数の発光体d2)が後方位置に重なるよう構成されている。すなわち、作動部材33bは、作動状態において当り演出ランプLPの発光体d2の光照射方向X1に位置するよう構成され、当り演出ランプLPは、各発光体d2から前方へ向けた光を作動状態の作動部材33bに照射し得るよう構成されている。ここで、実施例の作動部材33bは、有色不透明な合成樹脂材によって発光体d2からの光を反射可能に構成されており、作動状態において、当り演出ランプLPの発光体d2から照射される光の一部を、所定の視認範囲(特定位置)Sへ向けて(図13(b)においてX2で示す方向へ向けて)反射するように構成されている。ここで、作動部材33bは、待機状態から作動状態へ変位するのに伴い連結部51(転動面55)が当り演出ランプLPの前方(発光体d2の光照射方向X1)に近接するよう移動することで、当り演出ランプLPの発光体d2から照射される光を効率的に反射し得るよう構成されている。すなわち、作動部材33bが作動状態にある場合には、当り演出ランプLPの発光体d2に照射されて作動部材33bで所定の視認範囲Sへ向けて(X2方向へ向けて)反射した光を、遊技者が視認し得るようになっている。
更に、当り演出ランプLPは、図13(b)に示すように、作動部材33bの連結部51が前カバー81の前側規制部88から下方へ離間した状態となる当該作動部材33bの作動状態において、所定の視認範囲Sから当該当り演出ランプLPを視認する場合に、当該当り演出ランプLPの上部が前側規制部88および連結部51(転動面55)の間に位置して、光透過部101を通じて各発光体d2が視認できるように構成されている。ここで、各発光体d2は、所定の視認範囲Sから視認する場合において、作動状態にある作動部材33bの転動面55を転動するパチンコ球の移動軌跡と重なる奥側に位置するよう配置されている。すなわち、当り演出ランプLPは、作動部材33bの作動状態において所定の視認範囲Sから視認する場合に、発光状態(光照射状態)となっている発光体d2が転動面55上のパチンコ球によって一時的に隠されたり、また露出されたりするよう構成されており、所定の視認範囲Sから視認し得る当り演出ランプLPの光の態様を転動面55上のパチンコ球との関係で変化させ得るようになっている。
(サイド飾り40について)
次に、サイド飾り40と、このサイド飾り40の内部に収容される機構とについて説明する。特別入賞ユニット33は、図6A、図6Bおよび図11に示すように、サイド飾り40を構成する要素として、LEDからなる発光体d3が実装された下発光体基板LB3と、この下発光体基板LB3が取り付けられる台座部40aと、下発光体基板LB3の前側を覆う意匠板40bとを備えている。意匠板40bは、透明な合成樹脂材からなる平板の表面または裏面に図示しない所定の模様や絵柄等の装飾(意匠)が付加されたシートを貼付したものであって、下発光体基板LB3に実装された発光体d3からの光を前方へ透過するよう構成されている。下発光体基板LB3は、演出制御基板65に配線接続されている。そして、下発光体基板LB3は、図柄変動演出に合わせた発光タイミングおよび発光色で発光体d3が発光するよう演出制御基板65により制御されるようになっている。また、台座部40aは、透明な合成樹脂材によって後方へ開口する箱状に形成され、台板71の前面のうち前カバー81の下方領域を覆うように当該台板71に取り付けられている。この台座部40aの上面は、左側へ下方傾斜するよう設けられ、意匠板40bと組み合わされた状態で、パチンコ球を左方へ誘導可能な誘導面41を構成している。すなわち、特別入賞ユニット33は、球通過領域Rxを下方へ向けて通過したパチンコ球をサイド飾り40の誘導面41で受けて、この誘導面41によってパチンコ球を始動入賞ユニット26側へ誘導し得るように構成されている。
ここで、実施例の特別入賞ユニット33は、図11に示すように、サイド飾り40(台座部40a)の内側に排出路R1cが設けられており、この排出路R1cの上流端に連通する連絡路R1bが、台板71の後面に沿って流下するパチンコ球を下流部分で前方へ向けて(すなわち排出路R1cへ向けて)誘導するよう構成されている。そして、台座部40aの内側には、排出路R1cと分岐するように特定入球通路R2が設けられると共に、排出路R1cまたは特定入球通路R2にパチンコ球を振り分ける案内体42が配設されている。また、下発光体基板LB3の上縁には切欠部Kが形成されており、当該切欠部Kを通じて排出路R1cおよび特定入球通路R2へのパチンコ球の振り分けが視認できるようになっている。このように、実施例の特別入賞ユニット33は、台板71より前側で特別入賞口33aに入球したパチンコ球を台板71の後面側に導いた後に、再び台板71の前側に導いて、サイド飾り40の内側で案内体42によって流下先を振り分ける構成とされている。このため、該振り分けの構成を備えない仕様でパチンコ機10を構成する場合にも、当該特別入賞ユニット33における連絡路R1bより上流側に関する機構部分はそのまま汎用できる。
(特別入賞口33aに入賞した遊技球を振り分ける構成について)
具体的に、サイド飾り40を構成する台座部40aの内面には、図11に示すように、排出路R1cおよび特定入球通路R2を画成するための通路壁Wが形成されている。また、台板71の前面には、図6Aに示すように、台座部40aが取り付けられる位置に前方へ開口する凹状の振分凹部72が設けられており、この振分凹部72の内側に特定入球通路R2の一部を画成する通路壁Wが形成されている。また、台板71には、振分凹部72の内側において上側通孔71aの直下位置に、前後に貫通する下側通孔72aが形成されている。この下側通孔72aは、台板71の後面側に画成された連絡路R1bの下流端と連通している。そして、振分凹部72の前方開口を台座部40aで塞ぐようにサイド飾り40が位置することで、台座部40aおよび振分凹部72の内側空間に、下側通孔72aの前側位置となる上流端から右下方へ向けて延在する排出路R1cが画成されると共に、下側通孔72aの前側位置となる上流端から左下方へ向けて延在する特定入球通路R2が画成されている。ここで、台板71には、排出路R1cの下流端の後方位置に、前後に貫通する右側通孔72bが形成されている。また、台板71には、特定入球通路R2の下流端の後方位置に、前後に貫通する左側通孔72cが形成されている。すなわち、排出路R1cは、上流端が下側通孔72aを介して連絡路R1bの下流端と連通し、通過するパチンコ球を下流端から右側通孔72bを介して台板71の後方へ排出し得るように構成されている。また、特定入球通路R2は、上流端が下側通孔72aを介して連絡路R1bの下流端と連通し、通過するパチンコ球を下流端から左側通孔72cを介して台板71の後方へ排出し得るように構成されている。
図11に示すように、台板71には、排出路R1cの出口(入賞通路R1の出口)となる右側通孔72bの下方位置に、当該右側通孔72bを通じて排出路R1c(入賞通路R1)から台板71の後面側へ排出されたパチンコ球を検出する排出球検出センサSE8が配設されている。この排出球検出センサSE8は、主制御基板60と電気的に接続されており、パチンコ球を検出した場合に検出信号を主制御基板60に入力するようになっている。そして、パチンコ機10は、排出球検出センサSE8によるパチンコ球の検出を契機として、特別入賞口33aに入球したパチンコ球が排出路R1cから排出されたことを認識し得るように構成されている。
また、台板71には、図11に示すように、特定入球通路R2の入口を通過したパチンコ球を検出する入球検出手段としての特定入球検出センサSE6(図3参照)が、特定入球通路R2における入口近傍に位置するように振分凹部72の内側に配設されている。この特定入球検出センサSE6は、主制御基板60と電気的に接続されており、パチンコ球を検出した場合に検出信号を主制御基板60に入力するようになっている。そして、パチンコ機10は、特定入球検出センサSE6によるパチンコ球の検出を契機として、主制御基板60が所定の特典を付与すること(具体的には、大当り抽選の当選確率が向上する確変状態を大当り遊技の終了後に付与すること)を決定するように構成されている。
更に、振分凹部72の内側には、図11に示すように、特別入賞口33aに入球したパチンコ球を入賞通路R1の下流側(排出路R1c)へ振り分ける第1姿勢(図11(a)に示すように左側に揺動した状態)および特定入球通路R2へ振り分ける第2姿勢(図11(b)に示すように右側に揺動した状態)に変位可能な案内体(可変部材)42が、下側通孔72aの直下方に位置するように配設されている。なお、台板71には、前後に貫通する軸孔72dが下側通孔72aの直下方に形成されており、この軸孔72dに挿通される軸ピン43に固定された状態で案内体42が振分凹部72に配設されている。
図6Bに示すように、特別入賞ユニット33は、後カバー96が台板71の後面を収容体91の下方(台板71における振分凹部72の後面側)で覆うように構成されている。そして、後カバー96の前面と台板71の後面との間には、案内体42を第1姿勢および第2姿勢に変位させる駆動手段としての切替えソレノイドSL3(図3参照)と、この切替えソレノイドSL3を案内体42に連繋するための振分連繋機構167,168(図6Aおよび図6B参照)と、案内体42の位置を検出する位置検出センサSE7(図3参照)とが配設されている。
切替えソレノイドSL3は、振分連繋機構167,168および軸ピン43を介して案内体42に連繋されている。この切替えソレノイドSL3は、主制御基板60と電気的に接続されており、該主制御基板60が切替えソレノイドSL3を駆動することで、案内体42を第1姿勢および第2姿勢に変位させるよう構成されている。ここで、後カバー96の前面と台板71の後面との間には、切替えソレノイドSL3のプランジャに左端部が固定されて左右にスライド変位するスライド部材167と、このスライド部材167の右端部に対して上下方向の中間部が連繋して上端部を中心として下端側が揺動すると共に上端部(揺動中心)に軸ピン43の後端部が固定された揺動部材168とが配設され、これらスライド部材167および揺動部材168が振分連繋機構167,168を構成している。そして、切替えソレノイドSL3の消磁状態では、プランジャが右方へ突出してスライド部材167が移動範囲の右端に位置することで、揺動部材168および軸ピン43が左側に回動した状態となり、これに伴って案内体42が揺動左端(すなわち、第1姿勢)に位置する。一方で、切替えソレノイドSL3の励磁状態では、プランジャが左方へ退避してスライド部材167が移動範囲の左端に位置することで、揺動部材168および軸ピン43が右側に回動した状態となり、これに伴って案内体42が揺動右端(すなわち、第2姿勢)に位置するようになっている。ここで、案内体42は、常には第1姿勢に保持されており、切替えソレノイドSL3が大当り遊技中の特定のタイミングで駆動制御されることで、当該大当り遊技中の予め定められた期間に亘って第2姿勢に変位するようになっている。
前記位置検出センサSE7は、揺動部材168の下端部の移動範囲に対応して設けられており、揺動部材168の揺動位置に応じて案内体42の位置を検出し得るように構成されている。この位置検出センサSE7は、主制御基板60と電気的に接続されており、揺動部材168の下端部が左端に揺動した状態(案内体42が第2姿勢に位置する状態)を検出した場合に検出信号を主制御基板60に入力するようになっている。そして、パチンコ機10は、主制御基板60が切替えソレノイドSL3を駆動制御していない期間に位置検出センサSE7からの検出信号を入力したことを契機として、所定の報知手段(例えば、表示装置17等)にエラー報知を実行させるようになっている。
次に、遊技盤20に設けられた図柄表示用の表示手段(遊技情報表示器30および図柄表示装置17)について説明する。
(遊技情報表示器30について)
図2に示すように、遊技盤20には、各種の遊技情報を表示可能な遊技情報表示器30が配設されている。遊技情報表示器30は、複数の表示部30A,30B,30Cを備えると共に、主制御基板60の主制御CPU60aと電気的に接続され、主制御CPU60aによって表示内容(発光態様)が制御されるようになっている。遊技情報表示器30は、遊技盤20における遊技領域20a外の位置に配設されることで、図柄表示装置17で実行されている演出に注目している遊技者にとって妨げにならないように構成されている。また、遊技情報表示器30は、1つの表示ユニットとして図柄表示装置17よりも表示領域が小さく構成されており、各表示部30A,30B,30Cに表示される情報(遊技情報)をまとめて確認することが容易となっている。なお、実施例の遊技情報表示器30は、各表示部30A,30B,30Cが個別に点灯制御可能な複数のLEDからなる発光表示部で構成されているが、対応する情報を表示乃至報知し得るものであれば、7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の表示手段を採用できる。
(特図表示部30A,30Bについて)
遊技情報表示器30には、前記第1始動入賞口31aおよび第2始動入賞口32aへの入球を契機として行われる特図当り判定(大当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を識別可能に表示する特図表示部(表示手段)30A,30Bが設けられている(図2参照)。特図表示部30A,30Bは、前記第1始動入賞口31aへの入賞(第1始動入賞検出センサSE1による検出)を契機として変動表示を開始した後に最終的に複数種類の図柄(特別図柄)の内の1つを停止表示する第1特図表示部30Aと、第2始動入賞口32aへの入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として変動表示を開始した後に最終的に複数種類の特別図柄(以下、「特図」という)の内の1つを停止表示する第2特図表示部30Bとからなる。なお、第1および第2特図表示部30A,30Bに停止表示される特図としては、大当り遊技が付与されることを認識し得る大当り図柄としての複数種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが、各特図表示部30A,30Bに対応して夫々設定されている。なお、以下の説明では、第1特図表示部30Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部30Aに停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部30Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部30Bに停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
特図表示部30A,30Bでの特図変動表示の変動時間および停止表示する特図の種類は、第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出を契機として主制御CPU60aに取得される入賞情報(取得した乱数の値)に基づいて決定される。具体的に、主制御CPU60aは、大当り遊技を付与するか否かの決定(特図当り判定)に用いる特図当り判定用乱数の値と、特図としての大当り図柄の決定に用いる特図決定用乱数の値と、特図変動表示の変動時間の決定や図柄変動演出の内容の決定に用いる特図変動パターン振分用乱数の値とを、第1および第2始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出タイミングに応じて取得し、主制御基板60に備えられる記憶手段としての主制御RAM60cに記憶する。そして、主制御RAM60cに記憶した特図当り判定用乱数の値に応じて特図当り判定を行い、この特図当り判定がはずれの判定結果となった場合には、停止表示する特図としてはずれを示す1種類の特図を決定する。また、特図当り判定が当りの判定結果となった場合には、特図決定用乱数の値に応じて大当り図柄としての特図を決定する。更に、特図変動パターン振分用乱数の値に応じて特図変動表示の変動時間や図柄変動演出の内容を特定する特図変動パターンを複数種類のうちから決定する。
また、実施例では、特図表示部30A,30Bでの特図変動表示の結果として停止表示される特図によって、大当り遊技が終了した後の遊技状態が報知されるようになっている。ここで、実施例のパチンコ機10は、前記特図決定用乱数の値を用いた大当り図柄の決定に基づいて、大当り遊技が終了した後の遊技状態を主制御CPU60aが決定する。そして、主制御CPU60aは、特図当り判定が当りの判定結果となる確率を向上させる確率変動機能と、第2始動入賞口32aへのパチンコ球の入球し易さ(入賞確率)を向上させる入賞率向上機能とを有しており、確率変動機能が作動する確率変動状態(確変状態)とするか、および入賞率向上機能が作動する入賞率向上状態(変短状態)とするかの組み合わせによって、複数種類の遊技状態を生起し得るようになっている。具体的に、パチンコ機10では、確率変動機能および入賞率向上機能の何れも作動させない第1の遊技状態(非確変状態かつ非変短状態)と、確率変動機能および入賞率向上機能を作動させる第2の遊技状態(確変状態かつ変短状態)と、確率変動機能を作動させ、入賞率向上機能を作動させない第3の遊技状態(確変状態かつ非変短状態)と、確率変動機能を作動させず、入賞率向上状態を作動させる第4の遊技状態(非確変状態かつ変短状態)とを生起させ得るよう構成されている。すなわち、特図表示部30A,30Bで停止表示される大当り図柄としての特図の種類に応じて、大当り遊技が終了した後の遊技状態が第1〜第4の遊技状態のうち何れとなるかを識別できるようになっている。
(普図表示部30Cについて)
遊技情報表示器30には、ゲートセンサSE4のパチンコ球の検出(ゲート部34のパチンコ球の通過)を契機として変動表示を開始した後に最終的に複数種類の図柄(普通図柄)の内の1つを停止表示する普図表示部30Cが設けられている(図2参照)。なお、普図表示部30Cに停止表示される普通図柄(以下、「普図」という)としては、普図当り遊技が付与されることを認識し得る当り図柄としての複数種類の普図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の普図とが設定されている。
なお、主制御CPU60aは、通過検出情報としての複数種類の乱数の値をゲートセンサSE4によるパチンコ球の検出を契機として取得すると共に、普図表示部30Cでの普図変動表示の変動時間および停止表示する普図の種類を通過検出情報(取得した乱数の値)に基づいて決定するよう構成されている。具体的に、主制御CPU60aは、普図当り遊技を付与するか否かの決定(普図当り判定)に用いる普図当り判定用乱数の値と、普図としての当り図柄の決定に用いる普図決定用乱数の値と、普図変動表示の変動時間の決定に用いる普図変動パターン振分用乱数の値とを、ゲートセンサSE4によるパチンコ球の検出タイミングに応じて取得し、主制御基板60に備えられる記憶手段としての主制御RAM60cに記憶する。そして、主制御RAM60cに記憶した普図当り判定用乱数の値に応じて普図当り判定を行い、この普図当り判定がはずれの判定結果となった場合には、停止表示する普図としてはずれを示す1種類の普図を決定する。また、普図当り判定が当りの判定結果となった場合には、普図決定用乱数の値に応じて当り図柄としての普図を決定する。更に、普図変動パターン振分用乱数の値に応じて普図変動表示の変動時間を特定する普図変動パターンを複数種類のうちから決定する。
(図柄表示装置17について)
図柄表示装置17は、表示制御基板66と電気的に接続され、演出制御基板65の演出制御CPU65aから出力される特図変動パターン指定コマンド等の制御信号に基づく表示制御基板66の制御によって表示内容が更新されるようになっている。図柄表示装置17の表示画面17aには、演出用の図柄である飾図を変動表示可能な図柄列が複数列設定されており、前記第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口32aへの入賞(始動条件の成立)を契機として、各図柄列の飾図が変動開始されるようになっている。そして、各図柄列に定められた有効停止位置を組み合わせた停止図柄有効ラインに停止表示(確定表示)される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。すなわち、図柄表示装置17では、始動条件の成立を契機として飾図(図柄)を変動表示した後に、所定の飾図(図柄)を有効停止位置に停止表示(確定表示)するよう構成される。図柄表示装置17には、主制御CPU60aが決定した特図変動パターンにより特定される変動時間に亘って図柄変動演出(飾図の変動表示)が行われ、該変動時間の終了タイミングで飾図が停止表示(確定表示)されるようになっている。ここで、第1特図表示部30Aと図柄表示装置17とでは、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出とが同時に開始され、特図1と飾図とが同時に停止表示される。同様に、第2特図表示部30Bと図柄表示装置17とでは、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出とが同時に開始され、特図2と飾図とが同時に停止表示される。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。主制御CPU60aは、特図変動表示の結果として大当り図柄を特図表示部30A,30Bに停止表示した後に大当り遊技を開始するよう設定されている。ここで、主制御ROM60bには、特別入賞口33aへのパチンコ球の入球を可能とするラウンド遊技を継続可能な最大継続時間と、大当り遊技の開始タイミングから最初のラウンド遊技を開始するまでのオープニング時間と、ラウンド遊技の終了後に次のラウンド遊技を開始するまでのラウンド間インターバル時間と、最後のラウンド遊技の終了から大当り遊技の終了タイミングまでのエンディング時間とが記憶されている。そして、主制御CPU60aは、主制御ROM60bに記憶されたオープニング時間、ラウンド遊技の最大継続時間(ラウンド遊技の実行期間)、ラウンド間インターバル時間およびエンディング時間を計測すると共に、これらの時間の計測に基づいて大当り遊技を進行するための各種の制御処理を実行するようになっている。また、主制御ROM60bには、ラウンド遊技の回数(実施例では16回および2回のうち何れか)が大当り遊技の種類に対応付けて記憶され、主制御CPU60aは、特図表示部30A,30Bに停止表示した大当り図柄(大当り遊技の種類)に対応して、大当り遊技でのラウンド遊技の実行回数を決定するよう構成されている。
更に、主制御ROM60bには、大当り遊技の種類に対応して該大当り遊技での作動部材33bの作動パターンが記憶されている。そして、主制御CPU60aは、大当り遊技の各ラウンド遊技において、作動パターンに基づいて作動部材33bを駆動制御するようになっている。なお、実施例では、1回のラウンド遊技において作動部材33bが待機状態から作動状態に変位して再び待機状態に戻る1回の往復動作を行うよう作動パターンが設定されている。そして、1回のラウンド遊技が、特別入賞口33aに規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入球するか、或いは各ラウンド遊技Rの開始から規定の最大継続時間(例えば25秒)が経過することを条件(ラウンド終了条件)として終了するようになっている。ここで、主制御CPU60aは、オープニング時間、エンディング時間およびラウンド間インターバル時間の夫々において作動部材33bを待機状態に保持するよう特別入賞ソレノイドSL2を消磁状態に維持する。なお、実施例では、大当り遊技の種類に関わらず、オープニング時間およびエンディング時間が5秒に設定され、ラウンド間インターバル時間が1秒に設定されている。これに対し、オープニング時間、エンディング時間およびラウンド間インターバル時間のうち少なくとも1つの時間を大当り遊技の種類によって異ならせてもよい。
ここで、主制御ROM60bに記憶される作動パターンは、作動部材33bを比較的長い時間(第1の作動時間)に亘って作動状態に継続保持する長時間動作と、該長時間動作よりも短い時間(第2の作動時間)に亘って作動部材33bを作動状態に継続保持する短時間動作とを適宜に組み合わせて構成されている。具体的に、作動部材33bの長時間動作に対応する第1の作動時間は、所定の発射間隔(実施例では0.6秒毎)で連続的に発射したパチンコ球が一定時間をかけて特別入賞口33aに到達することとした場合において、ラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が特別入賞口33aに入球可能な時間(5.4秒)より長い時間(実施例では25秒)に設定されている。一方で、作動部材33bの短時間動作に対応する第2の作動時間は、複数のパチンコ球の入球が実質的に不可能な時間(実施例では0.2秒)に設定されている。ここで、第1の作動時間は、作動部材33bにおける転動面55の傾斜上端部で受けたパチンコ球が当該転動面55上を転動して特別入賞口33aに到達し得る時間とされている。このため、作動部材33bが長時間動作を行う場合には、作動部材33bが待機状態から作動状態に変位するタイミング(転動面55でパチンコ球を受け止め可能となるタイミング)と同時に転動面55で受けたパチンコ球を、略確実に特別入賞口33aへと入球させることができるようになっている。一方で、第2の作動時間は、作動部材33bにおける転動面55の傾斜上端部で受けたパチンコ球が当該転動面55上を転動して特別入賞口33aに到達し得ない時間とされている。このため、作動部材33bが第2の作動時間に応じて短時間動作を行う場合には、作動部材33bが待機状態から作動状態に変位するタイミング(転動面55でパチンコ球を受け止め可能となるタイミング)と同時に転動面55で受けたパチンコ球が、特別入賞口33aに入球することなく球通過領域Rxを下方へ通過することになる。
また、実施例のパチンコ機10では、付与可能な各大当り遊技において、主制御CPU60aが切替えソレノイドSL3を特定回数目のラウンド遊技に駆動制御して、案内体42を第1姿勢から第2姿勢に変位させるように設定されている。ここで、各大当り遊技における特定回数目のラウンド遊技では、切替えソレノイドSL3を駆動開始するタイミング(案内体42が第1姿勢から第2姿勢に変位するタイミング)が共通に設定されている。具体的に、各大当り遊技では、案内体42を第1姿勢から第2姿勢に変位させるラウンド遊技として2回目(特定回数目)のラウンド遊技が設定されており、この2回目のラウンド遊技の開始タイミング(実施例では、作動部材33bを待機状態から作動状態へ向けて変位させるタイミング)が、切替えソレノイドSL3を駆動開始するタイミング(案内体42が第1姿勢から第2姿勢に変位するタイミング)として設定されている。一方で、切替えソレノイドSL3を駆動終了するタイミング(案内体42が第2姿勢から第1姿勢に変位するタイミング)は、各大当り遊技において2回目のラウンド遊技の終了タイミング(実施例では、作動部材33bを作動状態から待機状態へ向けて変位させるタイミング)と同じに設定されている。このため、2回目のラウンド遊技において作動部材33bに長時間動作を行わせる大当り遊技(後述する有利大当り遊技)と、2回目のラウンド遊技において短時間動作を行わせる大当り遊技(後述する不利大当り遊技)とで、案内体42を第2姿勢に維持する時間の長さが相違している。
ここで、実施例のパチンコ機10は、ラウンド遊技の合計回数が16回に設定された有利大当り遊技と、ラウンド遊技の合計回数が2回に設定された不利大当り遊技とを付与可能に構成されている。そして、実施例では、有利大当り遊技の2回目のラウンド遊技において、主制御CPU60aが作動部材33bに最長で25秒の長時間動作を1回行わせるよう設定されていると共に、主制御CPU60aが案内体42を最長で25秒(すなわち、作動部材33bに長時間動作を行わせる期間)に亘って第2姿勢に維持するよう設定されている。また、パチンコ機10は、不利大当り遊技の2回目のラウンド遊技において主制御CPU60aが作動部材33bに0.2秒の短時間動作を1回行わせるよう設定されていると共に、主制御CPU60aが案内体42を0.2秒(すなわち、作動部材33bに短時間動作を行わせる期間)に亘って第2姿勢に維持するよう設定されている。
ここで、実施例の特別入賞ユニット33は、前述の如く、特別入賞検出センサSE3が連絡路R1bより上流側の検出路R1aに対応して設けられると共に、入賞通路R1と特定入球通路R2との分岐が連絡路R1bより下流側に位置するよう構成されている。そして、連絡路R1bは、図11に示すように、遊技領域20a(第2流下経路21b)に設けられた誘導面41と正面視において交差するよう設けられており、パチンコ球が台板71を挟む前側で当該連絡路R1bを横切るように移動し得るだけの上下寸法で延在している。このように、特別入賞ユニット33は、特別入賞検出センサSE3の検出位置と、案内体42による振り分け位置とが上下に離間配置され、パチンコ球が特別入賞検出センサSE3の検出位置を通過してから案内体42の振り分け位置に至るまでに必ず第2の作動時間(0.2秒)よりも長い時間(実施例では、最短で0.7秒程度)がかかるように構成されている。そして、不利大当り遊技では、特別入賞口33aに入球したパチンコ球が案内体42による振り分け位置に到達するまでに必要な時間(0.7秒)よりも短い時間(0.2秒)だけ案内体42が第2姿勢に維持されることで、特定入球通路R2への入球が極めて困難とされている。一方、有利大当り遊技では、特別入賞口33aに入球したパチンコ球が案内体42による振り分け位置に到達するまでに必要な時間(0.7秒)よりも長い時間(25秒)に亘って案内体42が第2姿勢に維持されることで、特定入球通路R2への入球が容易とされている。このように、入賞通路R1において、特別入賞検出センサSE3の検出位置と、案内体42による振り分け位置との間の通路長を大きく構成することで、大当り遊技の種類(有利大当り遊技および不利大当り遊技)によって、特定入球通路R2へのパチンコ球の入球し易さ(確変状態が付与される確率)に明確な差を設けることができるようになっている。
(大当り演出について)
主制御CPU60aは、大当り遊技に関する各種の制御信号(後述する図柄指定コマンド、オープニングコマンド、開放コマンド、閉鎖コマンド、エンディングコマンドおよび特別入賞コマンド)を演出制御CPU65aへ向けて出力するよう構成されている。これに対し、演出制御CPU65aは、演出手段(例えば、図柄表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および当り演出ランプLP等)を主制御CPU60aからの制御信号に基づいて制御することで、大当り遊技中に各種の大当り演出(オープニング演出、ラウンド演出、インターバル演出、エンディング演出および入賞報知演出)を実行させるよう構成されている。
(オープニング演出について)
主制御CPU60aは、大当り遊技を開始する以前の特定のタイミング(例えば、特図変動表示の開始タイミング)で、大当り遊技の種類を特定可能な図柄指定コマンドを演出制御CPU65aへ向けて出力すると共に、大当り遊技を開始するタイミングで、オープニング演出の開始タイミングを示すオープニングコマンドを演出制御CPU65aへ向けて出力するよう構成されている。そして、演出制御CPU65aは、オープニングコマンドの入力タイミングに応じて、図柄指定コマンドにより特定される大当り遊技の種類に応じたオープニング演出を演出手段17,18,19,LPに実行開始させるよう構成されている。演出制御CPU65aは、オープニング演出の開始タイミングを示す制御信号を表示制御CPU66aへ向けて出力することで、大当り遊技の開始を報知する表示画像(動画)をオープニング演出として図柄表示装置17の表示画面17aに表示させる。また、演出制御CPU65aは、スピーカ18を制御して、表示画面17aでの演出表示に合わせた楽曲等をオープニング演出として該スピーカ18に音出力させる。更に、演出制御CPU65aは、枠ランプ19および当り演出ランプLPを制御して、スピーカ18から音出力される楽曲等に合わせた発光態様とすることで、該枠ランプ19および当り演出ランプLPにオープニング演出としての発光演出を実行させる。
ここで、大当り遊技中のオープニング時間では、当り演出ランプLPを構成する各発光体d2の光照射方向X1から上方へ外れた側に作動部材33bが位置し、当り演出ランプLPの全体が正面(図13に示す光照射方向X1)から視認口81aを通じて視認し得る状態となる。一方で、当り演出ランプLPは、オープニング時間において遊技者からの所定の視認範囲S(図13参照)に沿って視認する場合に、待機状態にある作動部材33bが当り演出ランプLPの手前側に重なって略全体が視認し得なくなる。すなわち、大当り遊技中のオープニング時間に当り演出ランプLPで実行されるオープニング演出は、所定の視認範囲(特定位置)Sからは概ね視認することができず、一方で、遊技者が視認口81aを正面から覗き込んだ時には視認し得るようになっている。
(ラウンド演出について)
主制御CPU60aは、オープニング時間またはラウンドインターバル時間の計測終了タイミングに合わせて、該ラウンド遊技(最大継続時間)の開始タイミング(作動部材33bを作動状態とする駆動制御の開始タイミング)を示す開放コマンドを演出制御CPU65aへ向けて出力するよう構成されている。これに対し、演出制御CPU65aは、開放コマンドの入力回数に応じて、開始されるラウンド遊技が何回目のラウンド遊技であるかを特定すると共に、該開放コマンドの入力タイミングに応じて、演出手段17,18,19,LPに実行させる演出をオープニング演出またはインターバル演出からラウンド遊技に対応するラウンド演出へと切り替える制御を行う。演出制御CPU65aは、ラウンド演出の開始タイミングを示す制御信号を表示制御CPU66aへ向けて出力することで、ラウンド遊技の実行期間であることを報知する表示画像(動画)をラウンド演出として図柄表示装置17の表示画面17aに表示させる。また、演出制御CPU65aは、スピーカ18を制御して、表示画面17aでの演出表示に合わせた楽曲等をラウンド演出として該スピーカ18に音出力させる。更に、演出制御CPU65aは、枠ランプ19を制御して、該枠ランプ19にラウンド演出としての発光演出を実行させる。
演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからの開放コマンドの入力に応じて、ラウンド遊技の実行期間に対応する特有の発光パターン(ラウンド発光パターン)で当り演出ランプLP(中発光体基板LB2の複数の発光体d2)を制御して、該当り演出ランプLPにラウンド演出としての発光演出を実行させるよう構成されている。具体的に、演出制御CPU65aは、開放コマンドの入力タイミングからラウンド遊技の終了条件が成立するまで(後述する閉鎖コマンドを入力するまで)の期間(ラウンド遊技の実行期間)に、中発光体基板LB2の前面に一列で並ぶように実装された合計6個の発光体d2を、ラウンド発光パターンに従って右から順に発光させるよう制御する。このラウンド発光パターンは、合計6個の発光体d2を、最初は赤色で右から順に発光させ、次に黄色で右から順に発光させ、次に緑色で右から順に発光させ、次に青色で右から順に発光させるものであって、先ず、最も右側に位置する発光体d2を0.12秒の期間に亘って発光させ、この最も右側の発光体d2の発光を終了すると同時に、右から2個目に位置する発光体d2を0.12秒の期間に亘って発光させ、その後は同様に、右から3個目、4個目、5個目、6個目の各発光体d2を順に0.12秒の期間に亘って発光させるようになっている。そして、右から6番目の発光体d2の発光を終了すると同時に、発光色を変えて最も右側の発光体d2から順に0.12秒ずつ発光させるよう設定されている。
ここで、ラウンド遊技の実行期間には、作動状態にある作動部材33bの連結部51に対して当り演出ランプLPの略全体(複数の発光体d2)が後方位置に重なるように位置する。すなわち、作動部材33bは、ラウンド遊技の実行期間において当り演出ランプLPの発光体d2の光照射方向X1に位置するよう構成され、当り演出ランプLPは、各発光体d2から前方へ向けた光を作動状態の作動部材33bに照射し得るよう構成されている。ここで、ラウンド遊技の実行期間には、有色不透明な合成樹脂材からなる作動部材33bが、当り演出ランプLPの発光体d2から照射される光の一部を所定の視認範囲(特定位置)Sへ向けて(図13(b)においてX2で示す方向へ向けて)反射するようになっている。すなわち、ラウンド遊技の実行期間(作動部材33bの作動状態)には、当り演出ランプLPの発光体d2に照射されて作動部材33bで所定の視認範囲Sへ向けて(X2方向へ向けて)反射した光を、遊技者が視認し得るようになっている。
また、ラウンド遊技の実行期間において所定の視認範囲Sから視認する場合に、作動部材33bの連結部51(転動面55)と前側規制部88との間に当り演出ランプLPの上部が位置して、光透過部101を通じて各発光体d2が視認できるようになる。ここで、各発光体d2は、ラウンド遊技の実行期間において所定の視認範囲Sから視認する場合に、作動部材33bの転動面55を転動するパチンコ球の移動軌跡と重なる奥側に当り演出ランプLPが位置して、発光状態(光照射状態)となっている発光体d2が転動面55上のパチンコ球によって一時的に隠されたり、また露出されたりすることで、当り演出ランプLPの光の態様が転動面55上のパチンコ球との関係で変化し得るようになっている。
(インターバル演出およびエンディング演出について)
主制御CPU60aは、ラウンド遊技の終了条件(特別入賞口33aへの規定個数のパチンコ球の入球、または最大継続時間の経過)が成立した場合に、該ラウンド遊技の終了タイミング(作動部材33bの駆動制御の終了タイミング)を示す閉鎖コマンドを演出制御CPU65aへ向けて出力するよう構成されている。これに対し、演出制御CPU65aは、入力した閉鎖コマンドが最後のラウンド遊技以外のラウンド遊技の終了を示す場合には、演出手段17,18,19,LPに実行させる演出をラウンド演出からインターバル演出に切り替え、所定時間(実施例では1秒)に亘ってインターバル演出を演出手段17,18,19,LPに実行させる制御を行う。演出制御CPU65aは、インターバル演出の開始タイミングを示す制御信号を表示制御CPU66aへ向けて出力することで、ラウンド間インターバル時間であること報知する表示画像(動画)をオープニング演出として図柄表示装置17の表示画面17aに表示させる。また、演出制御CPU65aは、スピーカ18を制御して、表示画面17aでの演出表示に合わせた楽曲等をインターバル演出として該スピーカ18に音出力させる。更に、演出制御CPU65aは、枠ランプ19および当り演出ランプLPを制御して、スピーカ18から音出力される楽曲等に合わせた発光態様とすることで、該枠ランプ19および当り演出ランプLPにインターバル演出としての発光演出を実行させる。
なお、演出制御CPU65aは、入力した閉鎖コマンドが最後のラウンド遊技の終了を示す場合には、演出手段17,18,19,LPに実行させる演出をラウンド演出からエンディング演出に切り替え、所定時間(実施例では5秒)に亘ってエンディング演出を演出手段17,18,19,LPに実行させる制御を行うよう構成されている。演出制御CPU65aは、エンディング演出の開始タイミングを示す制御信号を表示制御CPU66aへ向けて出力することで、大当り遊技の終了を報知する表示画像(動画)をエンディング演出として図柄表示装置17の表示画面17aに表示させる。また、演出制御CPU65aは、スピーカ18を制御して、表示画面17aでの演出表示に合わせた楽曲等をエンディング演出として該スピーカ18に音出力させる。更に、演出制御CPU65aは、枠ランプ19および当り演出ランプLPを制御して、スピーカ18から音出力される楽曲等に合わせた発光態様とすることで、該枠ランプ19および当り演出ランプLPにエンディング演出としての発光演出を実行させる。
なお、大当り遊技中のラウンド間インターバル時間に当り演出ランプLPで実行されるインターバル演出、および、大当り遊技中のエンディング時間に当り演出ランプLPで実行されるエンディング演出は、オープニング演出と同様、所定の視認範囲Sからは概ね視認することができないようになっている。すなわち、当り演出ランプLPは、ラウンド間インターバル時間およびエンディング時間において、作動部材33bが待機状態とされることから、所定の視認範囲Sに沿って当り演出ランプLPを機前側上方から視認する場合には作動部材33bが手前側に重なって略全体が視認し得なくなる。一方で、視認口81aの後方位置に当り演出ランプLPが重なり、かつ作動部材33bが当該当り演出ランプLPの前方位置(発光体d2の光照射方向X1)から上方へ外れた側に位置することから、当り演出ランプLPを前方から視認口81aを通じて視認することは可能であり、遊技者が視認口81aを正面から覗き込んだ時にインターバル演出やエンディング演出の内容を確認することができるようになっている。
すなわち、実施例のパチンコ機10において大当り遊技が付与される場合には、オープニング時間、ラウンド間インターバル時間およびエンディング時間において作動部材33bが待機状態とされ、ラウンド遊技の実行期間(最大継続時間の計測期間)において作動部材33bが作動状態とされる。そして、作動部材33bは、待機状態(オープニング時間、ラウンド間インターバル時間およびエンディング時間)において当り演出ランプLPの発光体d2の光照射方向X1から外れた側に位置し、当り演出ランプLPが作動部材33bの連結部51より下方でかつ視認口81aの後方位置に重なるように構成されている。また、作動部材33bは、作動状態(ラウンド遊技の実行期間)において当り演出ランプLPの発光体d2の光照射方向X1に位置し、当り演出ランプLPの略全体が作動部材33bの連結部51の後方位置に重なるように構成されている。
ここで、特別入賞ユニット33は、演出制御CPU65aが当り演出ランプLP(発光体d2)による大当り演出をオープニング演出またはインターバル演出からラウンド演出に切り替えることで、当り演出ランプLP(発光体d2)から光照射方向X1へ向かう光が作動部材33bに照射されることなく視認口81aの前方へ向かう状態から、当該光照射方向X1へ向かう光が作動部材33bに照射されて反射する状態へと変化するよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、当り演出ランプLP(発光体d2)からの光が作動部材33bで反射する度合いが、当該作動部材33bの待機状態から作動状態への変位に伴って高まることで、作動部材33bの変位に応じて機前側から視認し得る当り演出ランプLP(発光体d2)からの光の態様が変化するよう構成されている。ここで、作動部材33bは、当り演出ランプLP(発光体d2)から光照射方向X1へ向かう光の一部を所定の視認範囲(機前側の特定位置)Sへ向けて反射可能に構成され、当り演出ランプLP(発光体d2)からの光が作動部材33bで所定の視認範囲(機前側の特定位置)Sへ向けて反射する度合いが、当該作動部材33bの待機状態から作動状態への変位に伴って高まるようになっている。
また、特別入賞ユニット33は、所定の視認範囲(機前側の特定位置)Sから視認する場合に、作動部材33bの待機状態(オープニング時間、ラウンド間インターバル時間およびエンディング時間)において当り演出ランプLP(発光体d2)の手前側に作動部材33bが重なるように位置する。一方で、作動状態(ラウンド遊技の実行期間)には当り演出ランプLPの上部(発光体d2の略全体)が前カバー81の前側規制部88および作動部材33bの転動面55の間に位置するように構成されている。すなわち、特別入賞ユニット33は、演出制御CPU65aが当り演出ランプLP(発光体d2)による大当り演出をオープニング演出またはインターバル演出からラウンド演出に切り替えることで、所定の視認範囲(機前側の特定位置)Sから視認する場合における当り演出ランプLP(発光体d2)の手前側に作動部材33bが重なる範囲が減少することで、作動部材33bの変位に応じて機前側から視認し得る当り演出ランプLP(発光体d2)からの光の態様が変化するよう構成されている。なお、特別入賞ユニット33は、所定の視認範囲Sから当り演出ランプLPを視認する場合に、作動状態にある作動部材33bの転動面55を転動するパチンコ球の移動軌跡と重なる奥側に発光体d2が位置し、当該発光体d2がパチンコ球により隠されたり露出されたりすることで光の態様が変化するようになっている。
また、特別入賞ユニット33は、演出制御CPU65aが当り演出ランプLP(発光体d2)による大当り演出をラウンド演出からインターバル演出またはエンディング演出に切り替えることで、当り演出ランプLP(発光体d2)から光照射方向X1へ向かう光が作動部材33bに照射されて反射する状態から、当該光照射方向X1へ向かう光が作動部材33bに照射されることなく視認口81aの前方へ向かう状態へと変化するよう構成されている。また、特別入賞ユニット33は、演出制御CPU65aが当り演出ランプLP(発光体d2)による大当り演出をラウンド演出からインターバル演出またはエンディング演出に切り替えることで、所定の視認範囲(機前側の特定位置)Sから視認する場合における当り演出ランプLP(発光体d2)の手前側に作動部材33bが重なる範囲が増加するよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、作動部材33bが作動状態から待機状態へ変位する場合にも、機前側から視認し得る当り演出ランプLP(発光体d2)からの光の態様が変化するようになっている。
(入賞報知演出について)
主制御CPU60aは、大当り遊技中に特別入賞検出センサSE3によって特別入賞口33aに入球したパチンコ球が検出された場合に、該特別入賞検出センサSE3による検出のタイミングで、特別入賞口33aへの入球が発生したことを示す特別入賞コマンドを演出制御CPU65aへ向けて出力するよう構成されている。これに対し、演出制御CPU65aは、当り演出ランプLPを発光制御することで、特別入賞口33aへの入球が発生したことを報知するための入賞報知演出としての発光演出を当り演出ランプLPに実行させる。
具体的に、演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからの特別入賞コマンドの入力に応じて、特別入賞口33aへの入賞の発生に対応する特有の発光パターン(入賞時発光パターン)で当り演出ランプLP(中発光体基板LB2の複数の発光体d2)を制御して、該当り演出ランプLPに入賞報知演出としての発光演出を実行させるよう構成されている。具体的に、演出制御CPU65aは、ラウンド発光パターンに従って右から順に発光するよう制御される状態となっている各発光体d2の発光色のみを入賞時発光パターンに特有の発光色(実施例では白色)に変更する制御を行い、当該制御を例えば1.2秒間に亘って継続する。すなわち、各発光体d2の発光タイミングについては変化しないものの、各発光体d2の発光色が1.2秒間に亘ってラウンド発光パターンとは異なる発光色に変化することで、特別入賞口33aへの入賞の発生を報知し得るようになっている。
ここで、大当り遊技中のラウンド遊技では、作動部材33bが作動状態にあり、遊技者が所定の視認範囲Sから当り演出ランプLPを視認する場合に、当り演出ランプLPの発光体d2から光照射方向X1へ向けて照射されて作動部材33bで反射した光を当該遊技者が視認し得ると共に、当り演出ランプLP(発光体d2)自体を前側規制部88および転動面55の間から確認できるようになっている。すなわち、特別入賞ユニット33は、当り演出ランプLPを構成する発光体d2の発光色がラウンド発光パターンに含まれる発光色(赤色、黄色、緑色、青色)から入賞時発光パターンに特有の発光色(白色)に変化したこと(すなわち、特別入賞口33aへの入球が発生したこと)を遊技者が容易に認識し得るように構成されている。
(実施例の作用)
次に、前述した実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
実施例のパチンコ機10では、遊技領域20aを流下するパチンコ球が第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口32aに入球して、第1始動入賞検出センサSE1または第2始動入賞検出センサSE2により検出されると、主制御基板60の主制御CPU60aは、始動入賞検出センサSE1,SE2の検出に基づいて特図当り判定を実行する。また、主制御CPU60aは、特図当り判定が大当り遊技を付与する当りの判定結果となった場合に、付与する大当り遊技の種類を決定すると共に、決定した大当り遊技の種類に応じて、特別入賞ユニット(特別入賞部)33に備えられる作動部材33bの作動パターンを決定する。
そして、主制御CPU60aは、大当り遊技のラウンド遊技において、作動パターンにより定められるタイミングで作動部材33bを待機状態から作動状態に変位させるよう特別入賞ソレノイドSL2を駆動制御すると共に、ラウンド遊技の終了条件としての、規定個数(9個)のパチンコ球が特別入賞口33aへ入球する条件、または作動パターンに定められる作動時間(作動部材33bの長時間動作に対応する第1の作動時間および短時間動作に対応する第2の作動時間のうち何れか)が経過する条件の成立によって、作動部材33bを作動状態から待機状態に復帰させるよう特別入賞ソレノイドSL2の駆動制御を終了する。
作動部材33bの長時間動作に対応する第1の作動時間は、作動部材33bを待機状態から作動状態へ変位するのと同時に転動面55で受けたパチンコ球が当該時間の経過までに特別入賞口33aに入球可能な時間(25秒)に設定してあるから、主制御CPU60aが作動部材33bを第1の作動時間で作動状態に変位させることで、特別入賞口33aへのパチンコ球の入球を期待できる作動部材33bの作動状態を生起することができる。一方で、作動部材33bの短時間動作に対応する第2の作動時間は、作動部材33bを待機状態から作動状態へ変位するのと同時に転動面55で受けたパチンコ球が当該時間の経過までに特別入賞口33aに入球し得ない時間(0.2秒)に設定してあるから、主制御CPU60aが作動部材33bを第2の作動時間で作動状態に変位させることで、特別入賞口33aへのパチンコ球の入球を期待できない作動部材33bの作動状態を生起することができる。すなわち、第1の作動時間および第2の作動時間で作動部材33bを作動させるようにすることで、当該作動部材33bが作動する時間によって、特別入賞口33aにパチンコ球が入球可能な作動状態と、入賞確率が極めて低い作動状態とを生起することができる。これにより、作動部材33bの動作態様に幅を持たせることができ、遊技の興趣を向上させ得る。
なお、特別入賞ユニット33は、遊技盤20に当接すると共にパチンコ球が前面側を流下可能な台板71と、台板71の前側に離間する位置に設けられてパチンコ球の前方移動を規制する前側規制部88とが設けられている。ここで、作動部材33bを作動状態から待機状態に変位する際には、該作動部材33bが台板71から離間する前方へ移動して前側規制部88の下端部に連結部51(転動面55)が対向する。すなわち、実施例のパチンコ機10は、前側規制部88によって球通過領域Rxに流入するパチンコ球の前方移動が規制されることで、転動面55上のパチンコ球を安定して特別入賞口33aへ向けて案内することができる。また、待機状態とされた作動部材33bに対するパチンコ球の接触を前側規制部88によって防止することができる。
ここで、作動部材33bの作動状態で転動面55上に位置していたパチンコ球は、作動部材33bを作動状態から待機状態に変位する際に、転動面55が台板71側へ下方傾斜するよう姿勢変位することで、転動面55上のパチンコ球が台板71側へ落下し、球通過領域Rxを下方へ通過する。すなわち、意外性のある動作態様により作動部材33bを待機状態および作動状態に切り換えることができ、従来にない動きを行う作動部材33bに対する印象を高め、また当該作動部材33bの変位によりパチンコ球に意外性のある動きをさせることができることで、遊技者の興趣を向上させ得る。また、作動部材33bを作動状態から待機状態に変位させる際に転動面55がパチンコ球を特別入賞口33aに案内し得る状態から案内し得ない状態に直ちに切り換わるから、転動面55上のパチンコ球が特別入賞口33aに取り込まれない状態に速やかに移行させることができる。
なお、作動部材33bは、作動状態において球通過領域Rxを塞ぐように連結部51の転動面55が位置し、当該転動面55が傾斜下端側となる左側で球通過領域Rxへ向けて開口する特別入賞口33aにパチンコ球を案内可能な状態となる。ここで、転動面55は、傾斜方向となる左右方向の幅寸法がパチンコ球の直径の2倍以上とされていることで、作動部材33bの作動状態において球通過領域Rxに流入してくる複数のパチンコ球を同時に受け止めて特別入賞口33aへ向けて転動させることができる。一方で、転動面55における傾斜方向と交差する前後方向の幅寸法は、パチンコ球の直径以下とされ、また特別入賞口33aの開口寸法は、パチンコ球の直径以上かつ該パチンコ球の直径の2倍以上とされている。このため、球通過領域Rxに流入してくる複数のパチンコ球を転動面55で同時に受け止めたとしても、複数のパチンコ球が転動面55上で前後に並んで特別入賞口33aへ向けて転動することはなく、また複数のパチンコ球が特別入賞口33aに同時に入球することもない。すなわち、転動面55上に存在する複数のパチンコ球を1個ずつ特別入賞口33aへ入球させることができると共に、作動部材33bを作動状態から待機状態に変位させる際に、転動面55上にある複数のパチンコ球を一度に球通過領域Rxの下方へ排出することができる。ここで、特別入賞口33aに連通する入賞通路R1には、上流部として台板71より前側に設けられる検出路R1aに特別入賞検出センサSE3が設けられている。すなわち、転動面55の長手方向に位置する特別入賞口33aにパチンコ球が1個ずつ入球するようにしたことで、転動面55で複数のパチンコ球を同時に受け止め可能な構成において、特別入賞口33aに入球したパチンコ球を直ちに特別入賞検出センサSE3で検出する構成が実現されている。この場合に、所定のラウンド遊技の実行期間中において特別入賞口33aへの規定個数目のパチンコ球の入球が生じた場合に直ちに作動部材33bを作動状態から待機状態に変位させることができるから、1回のラウンド遊技において規定個数を超えるパチンコ球が特別入賞口33aへ入球するのを防ぐことができる。
また、待機状態の作動部材33bを作動状態とした場合に、当該作動状態における転動面55が前側規制部88より下方に位置し、当該転動面55と前側規制部88との間に前方へ開口する隙間が形成される。この状態では、転動面55と前側規制部88との間の隙間を通じて、当該転動面55上のパチンコ球を前側から視認することができる。すなわち、球通過領域Rxでのパチンコ球の前方移動を規制する前側規制部88を設けた構成としても、作動部材33bの作動状態において転動面55上を特別入賞口33aへ向けて転動するパチンコ球を見失うことがない。
ここで、作動部材33bは、大当り遊技が付与される期間のうちオープニング時間、ラウンド間インターバル時間およびエンディング時間には待機状態とされ、ラウンド遊技の実行期間(最大継続時間の計測期間)には作動状態とされる。そして、オープニング時間、ラウンド間インターバル時間およびエンディング時間において、待機状態の作動部材33bは、当り演出ランプLPの発光体d2の光照射方向X1から外れた側に位置し、当り演出ランプLP(発光体d2)は、作動部材33bの連結部51より下方でかつ視認口81aの後方位置に重なって、光照射方向X1へ向かう光が作動部材33bに照射されることなく該作動部材33bの下方を通過して、視認口81aの前方へ向かう状態となる。これに対し、ラウンド遊技の実行期間において、作動状態の作動部材33bは、当り演出ランプLPの発光体d2の光照射方向X1に位置し、当り演出ランプLP(発光体d2)は、略全体が作動部材33bの連結部51の後方位置に重なって、光照射方向X1へ向かう光が作動部材33bに反射する状態となる。このようにすることで、大当り遊技中には、当り演出ランプLP(発光体d2)からの光が作動部材33bで反射する度合いが、当該作動部材33bの待機状態から作動状態への変位に伴って高まることで、作動部材33bの変位に応じて機前側から視認し得る当り演出ランプLP(発光体d2)からの光の態様が変化する。すなわち、実施例のパチンコ機10は、作動部材33bの変位によって機前側から視認し得る当り演出ランプLP(発光体d2)からの光の態様が変化するようになっており、作動部材33bの位置を遊技者に対して容易に認識させることができる。また、作動部材の意外性のある動作態様や、該作動部材33bの変位によってパチンコ球に意外性のある動きをさせることができることにより、遊技者の興趣を向上させることができる。
ここで、作動部材33bが作動状態にある場合は、当り演出ランプLP(発光体d2)から光照射方向X1へ向かう光の一部を作動部材33bが所定の視認範囲(機前側の特定位置)Sへ向けて反射する。一方で、作動部材33bが待機状態にある場合には、当り演出ランプLP(発光体d2)から光照射方向X1へ向かう光が作動部材33bの下方を通過して視認口81aの前方へと向かうことになり、当り演出ランプLP(発光体d2)から光照射方向X1へ向かう光を作動部材33bが反射しない。このため、所定の視認範囲Sに沿って視認する場合に、作動部材33bの待機状態から作動状態への変位に伴って、当り演出ランプLP(発光体d2)からの光が作動部材33bで所定の視認範囲(機前側の特定位置)Sへ向けて反射する度合いが高まる。すなわち、所定の視認範囲Sに沿って視認する場合にも、作動部材33bの動作に伴って当り演出ランプLP(発光体d2)からの光の態様が変化することとなり、作動部材33bの位置を遊技者に対して容易に認識させることができると共に、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、オープニング時間、ラウンド間インターバル時間およびエンディング時間において所定の視認範囲(機前側の特定位置)Sから当り演出ランプLPを視認する場合に、待機状態の作動部材33bは、当り演出ランプLP(発光体d2)の手前側に重なるように位置し、当り演出ランプLP(発光体d2)の略全体が直接視認し得ない状態となる。これに対し、ラウンド遊技の実行期間において所定の視認範囲(機前側の特定位置)Sから当り演出ランプLPを視認する場合に、作動状態の作動部材33bは、前カバー81の前側規制部88および作動部材33bの転動面55の間に位置し、当り演出ランプLP(発光体d2)の上部が直接視認し得る状態となる。すなわち、前側規制部88を備えた構成としつつ、所定の視認範囲(機前側の特定位置)Sから視認する場合に転動面55の近くで発光演出を行うことができる。また、実施例のパチンコ機10は、待機状態から作動状態への作動部材33bの変位に応じて、所定の視認範囲(機前側の特定位置)Sから視認する場合における当り演出ランプLP(発光体d2)の手前側に作動部材33bが重なる範囲が減少することで、機前側から視認し得る当り演出ランプLP(発光体d2)からの光の態様が変化する。すなわち、作動部材33bの変位によって機前側から視認し得る当り演出ランプLP(発光体d2)からの光の態様が変化するようになっており、作動部材33bの位置を遊技者に対して容易に認識させることができる。更に、作動部材の意外性のある動作態様や、該作動部材33bの変位によってパチンコ球に意外性のある動きをさせることができることにより、遊技者の興趣を向上させることができる。
当り演出ランプLPは、中発光体基板LBにおける基板上部LB2aの前面に設けられた合計6個の発光体d2を基板カバー100の光透過部101で覆うことで構成されており、これら6個の発光体d2は、作動状態にある作動部材33bの転動面55が傾斜する方向に並ぶように位置して、各発光体d2が転動面55に沿う位置で前方(光照射方向X1)へ向けて光を照射する。なお、ラウンド発光パターンおよび入賞時発光パターンにより当り演出ランプLPが発光制御される場合には、転動面55に沿って最も右側に位置する発光体d2から左側へ向けて順番に発光体d2が発光することで、転動面55に沿って特別入賞口33aへ向けて光が流れるように見える。すなわち、作動部材33bの変位に応じた6個の発光体d2からの光の態様の変化を遊技者が確認し易くすることができる。
(変更例)
本発明は、前述の実施例に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1) 実施例では、作動部材が待機状態(第1状態)にある場合に、当り演出ランプの発光体から光照射方向へ向かう光が作動部材に照射されない一方、作動部材が作動状態(第2状態)にある場合に、当り演出ランプの発光体から光照射方向へ向かう光が作動部材に照射されるよう構成したが、作動部材が待機状態(第1状態)にある場合には当り演出ランプの発光体から光照射方向へ向かう光が作動部材に照射され、作動部材が作動状態(第2状態)にある場合には当り演出ランプの発光体から光照射方向へ向かう光が作動部材に照射されないよう構成してもよい。
(2) 実施例では、作動部材を有色不透明な素材により形成することで、作動状態にある作動部材が当り演出ランプの発光体(光照射手段)から光照射方向へ照射される光を反射し得るよう構成した。これに対し、作動部材を無色透明または有色透明な素材により形成して、作動状態にある作動部材が当り演出ランプの発光体から光照射方向へ照射される光を透過し得るよう構成してもよい。
この場合には、当り演出ランプの発光体から光照射方向へ向かう光は、作動部材が待機状態にある場合には当該作動部材を透過せず、作動部材の態様は変化しない。一方で、作動部材が作動状態になると当該作動部材を透過することから、作動部材の内部を透過する光の一部が乱反射するようにして作動部材を明輝させ得る。これにより、作動部材の変位に応じて機前側から視認し得る当り演出ランプ(発光体)からの光の態様が変化する構成を実現することができる。
なお、実施例の作動部材を無色透明または有色透明な素材により形成する場合には、当該作動部材に光反射部からなる情報表示部を設けて、当り演出ランプ(発光体)からの光の照射に伴って情報表示部を識別容易な発光表示状態に変化させる構成としてもよい。例えば、作動部材の外面のうち作動状態で当り演出ランプの発光体から光を受け得る位置に、「開放」の文字形状を表す凹溝(光反射部)からなる情報表示部を形成する。この場合に情報表示部の形成位置は、作動部材が作動状態となった場合に遊技者からの所定の視認範囲(機前側の特定位置)から視認可能となるよう設定する。このようにすることで、作動部材が作動状態(すなわち、遊技球を特別入賞口(入球口)へ向けて案内し得る状態)となったときに、作動部材に「開放」の文字情報が表示されて、作動部材の位置(作動状態)を遊技者に対して明確に報知することができる。
(3) 実施例では、特別入賞口(入球口)および作動部材を備えた特別入賞ユニット(特別入賞部)を、遊技領域における枠状装飾体から右下方へ離間する位置に配設した。これに関して、実施例では、当り演出ランプを視認する際の遊技者からの所定の視認範囲(機前側の特定位置)の上限として、発光体(光照射手段)を有する当り演出ランプの上縁と、前カバーに形成される視認口の上縁を結ぶ直線の延長位置を設定し、所定の視認範囲の下限として、当り演出ランプの下縁と、作動部材の待機状態における連結部の下縁とを結ぶ直線の延長位置を設定した。しかしながら、所定の視認範囲は実施例に限られない。
例えば、特別入賞ユニットが遊技領域において上下方向の中央部位(例えば、枠状装飾体の左側部または右側部)に設けられた構成では、当り演出ランプを視認する際の遊技者からの所定の視認範囲(機前側の特定位置)は、当り演出ランプの上縁および下縁から前方へ向けて水平に延在する直線の延長位置を基準として設定することが考えられる。この場合にも、当り演出ランプの発光体から光照射方向へ向かう光は、作動部材が待機状態にある場合には当該作動部材で反射せず、作動部材が作動状態になると当該作動部材で反射するようになり、当り演出ランプの発光体からの光が作動部材で(所定の視認範囲へ向けて)反射する度合いが作動部材の作動状態への変位に伴って高まるように構成できる。
また、所定の視認範囲(機前側の特定位置)の上限および下限を、前述したように当り演出ランプの上縁および下縁から前方へ向けて水平に延在する直線の延長位置を基準として設定する場合には、当り演出ランプ(発光体)の位置を実施例の構成よりもやや上側に変更することで、所定の視認範囲(機前側の特定位置)から視認する場合において、当該当り演出ランプ(発光体)の上部が作動部材の作動状態において前側規制部および転動面の間に位置し、当該当り演出ランプ(発光体)の下部に対して作動部材が手前側に重なるように位置するよう構成することができると共に、作動部材が作動状態にある場合および待機状態にある場合で当り演出ランプ(発光体)の手前側に作動部材が重なる範囲が変化するよう構成することができる。
(4) 実施例では、作動部材が軸部を中心として前後に揺動する構成としたが、作動部材の動作方向は前後方向に限られるものではなく、例えば左右方向に動作するよう構成してもよい。また、作動部材の動作は揺動に限られるものではなく、例えば前後方向にスライドする構成であってもよい。
(5) 実施例では、特別入賞口(入球口)が台板の前側で右方に開口すると共に、転動面が左側の入球口へ向けて下方傾斜するよう構成したが、台板に前方へ向けて開口するよう特別入賞口を設け、作動状態にある作動部材の転動面が特別入賞口の前方位置で後側へ下方傾斜するよう構成してもよい。
(6) 実施例では、作動部材における一対のアーム部に軸部を夫々形成したが、アーム部を省略して連結部の両端部に直接的に軸部を設けてもよい。この場合には、作動部材(連結部)の後縁に沿う軸部を設けて台板で枢支するか、作動部材(連結部)の前縁に沿う軸部を設けて前側規制部で枢支するようにして、作動状態(第2状態)となる上位置および待機状態(第1状態)となる下位置の間で揺動するよう作動部材を構成することで、作動状態から待機状態に変位する際に転動面上の遊技球が球通過領域を通過するよう構成することができる。
(7) 実施例では、遊技球の前方移動を規制する前側規制部を備えると共に、作動部材が待機状態(第1状態)で前側規制部に近接し、待機状態から作動状態(第2状態)に変位する際に台板に近接するよう構成したが、前側規制部を作動部材に設けるようにしてもよい。この場合には、作動部材が作動状態にある場合に転動面の前縁となる位置から上方へ向けて延出するよう前側規制部を設け、当該前側規制部における台板側に下方傾斜する後面によって遊技球の前方移動を規制することができる。
(8) 実施例では、作動部材が待機状態(第1状態)から作動状態(第2状態)に変位する際に転動面が前側規制部から下方に離間して隙間が形成され、当該隙間を介して転動面上の遊技球を前側から視認し得るように構成したが、転動面上を転動する遊技球を光透過性の前側規制部を介して前側から視認できるように構成してもよい。
(9) 実施例では、特別入賞口(入球口)と接続された検出路に対応して特別入賞検出センサを設けたが、特別入賞検出センサを特別入賞口から離間した位置(例えば台板の後側)に配置してもよい。
(10) 実施例では、球通過領域を通過したパチンコ球が誘導面で受け止められるように構成したが、当該球通過領域は特別入賞口(入球口)の開口側に画成されて遊技球が通過可能な領域であればよく、球通過領域を通過する遊技球が特別入賞口(入球口)とは別の入球口へ向かうように構成してもよい。