JP6396664B2 - 位置推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、位置の推定を行う技術に関する。
従来、位置推定に関する様々な技術が提案されている。例えば、被測定系である送信機から送信された通信信号を、測定系である受信機側の複数のアンテナでそれぞれ受信したときのアンテナ間遅延時間を測定し、受信機に対する送信機の相対位置を推定する技術が知られている。
非特許文献1に記載のシステムでは、受信機は、送信された通信信号を複数(例えば、4つ)のアンテナで受信し、各アンテナの復調回路でそれぞれベースバンド信号に復調した上で、測定回路で各アンテナ間の遅延時間差を測定する。また、非特許文献1に記載のシステムでは、通信信号が各アンテナから復調回路に入力されるまでの遅延時間を等しくするために、通信信号が各アンテナから復調回路に入力されるまでの伝送線路長による遅延時間を伝送線路長に応じた固定値によって補正する回路を設けている。
森谷潤一郎、長谷川孝明、田中祐一、清水聡「2.4GHz帯無線信号を用いた逆GPS方式位置特定システム」、電子情報通信学会論文誌A、vol.J19-A、No.1、pp.130−138 (2008)
しかしながら、アンテナから測定回路までの間には、アンテナから復調回路に入力されるまでの伝送線路以外にも、アンプなどの電子回路、A/D変換器などのロジック回路等が介在しており、これらの作動によっても、測定すべき各アンテナ間の遅延時間差に誤差が生じ得る。また、アンテナから測定回路までの間に介在する伝送線路や前述のような電子回路及びロジック回路等についての温度や経時による影響によっても、測定すべき各アンテナ間の遅延時間差に誤差が生じ得る。このため、測定すべき各アンテナ間の遅延時間差を補正するために固定値を用いている非特許文献1に記載の技術では、より高い精度で位置測定が必要な状況では、十分な測定精度を得られないという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、位置推定を精度良く行う技術を提供することを目的としている。
本発明の一側面は、位置推定装置であって、複数のアンテナと、タイミング手段と、時間差位置推定手段と、校正送信手段と、遅延推定手段とを備える。
タイミング手段は、複数のアンテナのそれぞれに接続され、アンテナで特定の信号が受信された受信タイミングに応じた受信タイミング信号を生成する。時間差位置推定手段は、複数のアンテナのうちの1つのアンテナでの受信タイミングに対する残りのアンテナでの受信タイミングの時間差を受信タイミング信号に基づいて算出し、算出した時間差に基づいて複数のアンテナのそれぞれと特定の信号を送信した送信元装置との距離を算出し、算出した距離に基づいて送信元装置の位置を推定する。校正送信手段は、所定の数のアンテナのそれぞれに接続され、所定の送信タイミング信号に基づいて、所定の数のアンテナへ順に所定の校正信号を送信する。遅延推定手段は、伝搬遅延時間を推定する。
ここで特に、遅延推定手段は、校正送信手段に接続されたアンテナのうち校正信号を送信しているアンテナに接続されたタイミング手段において校正送信手段から直接校正信号を受信したときの受信タイミング信号と、送信タイミング信号との時間差を、校正送信手段から当該タイミング手段までの経路における伝搬遅延時間と当該タイミング手段における伝搬遅延時間との合計である第1の遅延合計値として検出する。
また、遅延推定手段は、校正信号を送信しているアンテナに接続されたタイミング手段以外のタイミング手段のそれぞれにおいて校正信号を送信しているアンテナを介して送信された校正信号を受信したときの受信タイミング信号と、送信タイミング信号との時間差を、校正送信手段から校正信号を送信しているアンテナまでの経路、校正信号を送信しているアンテナから校正信号を受信しているアンテナまでの経路、及び校正信号を受信しているアンテナから当該タイミング手段までの経路における伝搬遅延時間と、当該タイミング手段における伝搬遅延時間との合計である第2の遅延合計値として検出する。
さらにまた、遅延推定手段は、校正送信手段に接続されたアンテナ毎に第1の遅延合計値と第2の遅延合計値とを検出し、検出した結果に基づいて各経路における伝搬遅延時間を推定する。
また、時間差位置推定手段は、算出した時間差を遅延推定手段により推定された各経路における伝搬遅延時間に基づいて補正し、補正後の時間差を用いて送信元装置の位置を補正する。
このような構成によれば、各経路における伝送線路長による伝搬遅延時間を固定値に定めている従来装置と比べて、各経路における伝搬遅延時間を実際に測定し、測定した伝搬遅延時間に基づいて送信元装置の位置を補正するため、測位の精度を向上させることができる。
また、本発明の別の側面は、位置推定装置であって、複数のアンテナと、電力検出手段と、電力差位置推定手段と、校正送信手段と、減衰値推定手段とを備える。
電力検出手段は、複数のアンテナのそれぞれに接続され、アンテナで受信された特定の信号の受信電力に応じた電力を検出する。電力差位置推定手段は、特定の信号の送信元である送信元装置における特定の信号の送信電力に対する受信電力の電力差を算出し、算出した電力差に基づいて複数のアンテナのそれぞれと送信元装置との距離を算出し、算出した距離に基づいて、特定の信号を送信した送信元装置の位置を推定する。校正送信手段は、所定の数のアンテナのそれぞれに接続され、所定の送信電力で、所定の数のアンテナへ順に所定の校正信号を送信する。減衰値推定手段は、電力減衰値を推定する。
ここで特に、減衰値推定手段は、校正送信手段に接続されたアンテナのうち校正信号を送信しているアンテナに接続された電力検出手段において校正送信手段から直接校正信号を受信したときの受信電力と、送信電力との電力差を、校正送信手段から当該電力検出手段までの経路における電力減衰値と当該電力検出手段における電力減衰値との合計である第1の減衰合計値として検出する。
また、減衰値推定手段は、校正信号を送信しているアンテナに接続された電力検出手段以外の電力検出手段のそれぞれにおいて校正信号を送信しているアンテナを介して送信された校正信号を受信したときの受信電力と、送信電力との電力差を、校正送信手段から校正信号を送信しているアンテナまでの経路、校正信号を送信しているアンテナから校正信号を受信しているアンテナまでの経路、及び校正信号を受信しているアンテナから当該電力検出手段までの経路における電力減衰値と、当該電力検出手段における電力減衰値との合計である第2の減衰合計値として検出する。
さらにまた、減衰値推定手段は、校正送信手段に接続されたアンテナ毎に第1の減衰合計値と第2の減衰合計値とを検出し、検出した結果に基づいて各経路における電力減衰値を推定する。
また、電力差位置推定手段は、算出した電力差を減衰値推定手段により推定された各経路における電力減衰値に基づいて補正し、補正後の電力差を用いて送信元装置の位置を補正する。
このような構成によれば、各経路における伝送線路長による伝搬遅延時間を固定値に定めている従来装置と比べて、各経路における電力減衰値(伝搬遅延時間)を実際に測定し、測定した電力減衰値(伝搬遅延時間)に基づいて送信元装置の位置を補正するため、測位の精度を向上させることができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態の位置測定システムの構成を示すブロック図。 アンテナで送信機からの電波を受信するときの伝搬遅延の様子を説明するための図。 第1実施形態の位置推定処理の手順を示すシーケンス図。 校正部が測定する、各受信パルス信号とトリガ信号との時間差について説明するための図。 校正信号が送信される経路を説明する図。 第2実施形態の位置測定システムの構成を示すブロック図。 第1信号送信部が出力する送信電力と、各受信電力とについて説明するための図。 第2実施形態の位置推定処理の手順を示すシーケンス図。 校正部が測定する、第1信号送信部が出力する送信電力と各受信パルス信号との電力差について説明するための図。 第3実施形態の位置測定システムの構成を示すブロック図。 第3実施形態の位置推定処理の手順を示すシーケンス図。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す位置推定システム1は、送信装置10と受信装置20とを備え、被測定系である送信装置10の位置を測定系である受信装置20によって推定するシステムである。
送信装置10は、特定の信号(本実施形態では一例として、パルス状の高周波信号(電波))を送信するように構成されている。図1に示す送信装置10では、送信制御部13が生成した送信パルス信号に従って送信元送信部12のスイッチ122が作動し、その送信パルス信号のパルス幅の期間だけ、発信器121が生成した高周波信号が送信アンテナ11に供給されることにより、送信アンテナ11からパルス状の(断続的な)高周波信号(電波)が送信される。
受信装置20は、第1アンテナ21a、第2アンテナ21b、第3アンテナ21c及び第4アンテナ21dの4つのアンテナと、回路部20aと、ケーブル41〜44とを備える。第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dは、同一の構成となっており、それぞれケーブル41〜44によって回路部20aに接続されている。第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dは、受信装置20においてそれぞれ異なった位置に取り付けられており、それぞれの位置座標が既知である。なお、ケーブル41〜44は、第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dの位置に応じた長さになっている。
回路部20aは、第1受信部23a、第2受信部23b、第3受信部23c、及び第4受信部23dの4つの受信部と、第1時間測定部25a、第2時間測定部25b、第3時間測定部25c、及び第4時間測定部25dの4つの時間測定部と、第1信号送信部22a、第2信号送信部22b、及び第3信号送信部22cの3つの信号送信部と、通信制御部24と、校正部27と、位置推定部26とを備える。第1受信部23a〜第4受信部23d、第1時間測定部25a〜第4時間測定部25d、第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cは、それぞれ同一の構成となっている。
第1受信部23aは、ケーブル41を介して第1アンテナ21aに接続されている。第1受信部23aは、第1アンテナ21aで受信したパルス状の高周波信号を中間周波数帯の信号(IF信号)に周波数変換(ダウンコンバート)する回路である。第1受信部23aには第1時間測定部25aが接続されている。
第1時間測定部25aは、第1受信部23aにて周波数変換されたIF信号を検波(例えば包絡線検波)を行うことで復調し、さらにこの復調した信号をコンパレータにて波形整形することで、受信パルス信号Praを生成する回路である。第1時間測定部25aには位置推定部26と校正部27とが接続されており、生成された受信パルス信号Praは、位置推定部26と校正部27とへ出力される。
第1時間測定部25aから出力される受信パルス信号Praは、第1アンテナ21aでパルス状の高周波信号が受信されたタイミングに応じて出力される信号である。すなわち、受信パルス信号Praは、第1アンテナ21aでパルス状の高周波信号が受信されたタイミングに、第1アンテナ21aから第1受信部23aまでの経路における伝搬遅延時間(ケーブル41における伝搬遅延時間)と、第1受信部23aの入力から第1時間測定部25aの出力までの経路における伝搬遅延時間とを加えたタイミングで出力される。
同様に、第2受信部23bはケーブル42を介して第2アンテナ21bに接続され、第2受信部23bには第2時間測定部25bが接続されており、第2時間測定部25bで生成された受信パルス信号Prbが位置推定部26と校正部27とへ出力される。受信パルス信号Prbは、第2アンテナ21bでパルス状の高周波信号が受信されたタイミングに応じて出力される信号であり、第2アンテナ21bでの受信タイミングに、第2アンテナ21bから第2受信部23bまでの経路における伝搬遅延時間(ケーブル42における伝搬遅延時間)と、第2受信部23bの入力から第2時間測定部25bの出力までの経路における伝搬遅延時間とを加えたタイミングで出力される。
同様に、第3受信部23cはケーブル43を介して第3アンテナ21cに接続され、第3受信部23cには第3時間測定部25cが接続されており、第3時間測定部25cで生成された受信パルス信号Prcが位置推定部26と校正部27とへ出力される。受信パルス信号Prcは、第3アンテナ21cでパルス状の高周波信号が受信されたタイミングに応じて出力される信号であり、第3アンテナ21cでの受信タイミングに、第3アンテナ21cから第3受信部23cまでの経路における伝搬遅延時間(ケーブル43における伝搬遅延時間)と、第3受信部23cの入力から第3時間測定部25cの出力までの経路における伝搬遅延時間とを加えたタイミングで出力される。
同様に、第4受信部23dはケーブル44を介して第4アンテナ21dに接続され、第4受信部23dには第4時間測定部25dが接続されており、第4時間測定部25dで生成された受信パルス信号Prdが位置推定部26と校正部27とへ出力される。受信パルス信号Prdは、第4アンテナ21dでパルス状の高周波信号が受信されたタイミングに応じて出力される信号であり、第4アンテナ21dでの受信タイミングに、第4アンテナ21dから第4受信部23dまでの経路における伝搬遅延時間(ケーブル44における伝搬遅延時間)と、第4受信部23dの入力から第4時間測定部25dの出力までの経路における伝搬遅延時間とを加えたタイミングで出力される。
位置推定部26は、マイクロプロセッサを備え、第1時間測定部25a〜第4時間測定部25dのそれぞれから受信パルス信号Pra〜Prdが出力されたタイミングの時間差を測定する。位置推定部26は、測定した時間差、すなわち、第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dのそれぞれにおけるパルス状の高周波信号(電波)の到来時間差に基づいて、パルス状の高周波信号を送信した送信元の装置の位置を推定する。
複数のアンテナのそれぞれにおける電波の到来時間差に基づいて送信元の装置の位置を推定する方法(TDOA方式による位置特定方法)としては、非特許文献1等にも記載されている周知の方法を用いることができる。すなわち、記載されているTDOA方式による位置特定方法によると、例えば図2に示すように、送信装置10の位置座標(x0,y0,z0)と、送信装置10から送信された電波(パルス状の高周波信号)が第1アンテナ21aに到達するまでの時間τ1とを未知数とする。また、第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dそれぞれの位置座標を既知とし、第1アンテナ21aを基準とした第2アンテナ21b、第3アンテナ21c、第4アンテナ21dそれぞれにおける電波の到来時間差τ12、τ13、τ14を既知とする。そして、(2)式に示す4元連立方程式を解くことにより、第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dのそれぞれから送信装置10までの距離が算出され、算出されたこれらの距離に基づいて送信装置10の位置が推定される。なお、(2)式において、cは光速(約3.0×108m/秒)を表す。
ここで、電波の到来時間差τ12、τ13、τ14のそれぞれは、位置推定部26において測定された、受信パルス信号Praが出力されたタイミングと受信パルス信号Prbが出力されたタイミングとの時間差、受信パルス信号Praが出力されたタイミングと受信パルス信号Prcが出力されたタイミングとの時間差、受信パルス信号Praが出力されたタイミングと受信パルス信号Prdが出力されたタイミングとの時間差、に基づいて算出される値である。特に、本実施形態では、これらの時間差を精度よく検出するために、後述する校正部27において測定された各経路における伝搬遅延時間を用いて、これらの時間差について補正を行う。
図1に戻り説明を続ける。第1信号送信部22aは、ケーブル41に接続されている(すなわち、第1信号送信部22aはケーブル41を介して第1アンテナ21aに接続されている)。第1信号送信部22aは、通信制御部24から出力されるトリガ信号Trに従って、送信装置10から送信されるパルス状の高周波信号と同様のパルス状の高周波信号(以下、校正信号という)を出力する。第1信号送信部22aから出力された校正信号は、ケーブル41を介して第1アンテナ21aから電波として送信されるとともに、第1信号送信部22aから直接(すなわち、第1アンテナ21aを介さずに)、ケーブル41に接続されている第1受信部23aに送信される。
同様に、第2信号送信部22bは、ケーブル42に接続されている。通信制御部24から出力されるトリガ信号Trに従って、第2信号送信部22bから出力された校正信号は、ケーブル42を介して第2アンテナ21bから電波として送信されるとともに、第2信号送信部22bから直接(すなわち、第2アンテナ21bを介さずに)、ケーブル42に接続されている第2受信部23bへ送信される。
同様に、第3信号送信部22cは、ケーブル43に接続されている。通信制御部24から出力されるトリガ信号Trに従って、第3信号送信部22cから出力された校正信号は、ケーブル43を介して第3アンテナ21cから電波として送信されるとともに、第3信号送信部22cから直接(すなわち、第3アンテナ21cを介さずに)、ケーブル43に接続されている第3受信部23cへ送信される。
通信制御部24は、マイクロプロセッサを備え、送信装置10からパルス状の高周波信号(電波)を受信していない間に、所定の時間間隔で、前述の第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cのそれぞれに、順にトリガ信号Trを送信する。
校正部27は、マイクロプロセッサを備え、通信制御部24からトリガ信号を受信すると、第1時間測定部25a〜第4時間測定部25dのそれぞれから出力される受信パルス信号Pra〜Prdと、通信制御部24から出力されるトリガ信号Trとの時間差を測定し、測定した時間差に基づいて、各経路における伝搬遅延時間を算出する。校正部27は、位置推定部26に接続されており、算出された各経路における伝搬遅延時間は位置推定部26へ出力される。
[1−2.処理]
第1実施形態の位置推定システム1において実行される位置推定処理の手順について、図3のシーケンス図を参照しながら説明する。なお、本実施形態では一例として回路部20a内の各構成要素はプリント基板(図示せず)上に配置されており、各構成要素間はプリント基板に設けられた配線パタンによって接続されているものとし、各構成要素間の接続経路における伝搬遅延時間は、ケーブル41〜44における伝搬遅延時間に比べて無視できる程度に小さいものとする。
図3において、S100〜S146の処理は、送信装置10からパルス状の高周波信号(電波)を受信していない間に実行される処理である。はじめに、通信制御部24は、第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cのうちいずれか1つを選択する(S100)。なお以下では、必要に応じて、第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cのそれぞれを第n信号送信部(nは1、2、3のいずれか)と記載するものとする。また、本ステップで選択された第n信号送信部(nは1、2、3のいずれか)を、校正送信部と呼ぶものとする。ここでは、通信制御部24は、第1信号送信部22aを校正送信部として選択する。
次に、通信制御部24は、S100で選択した校正送信部(第1信号送信部22a、すなわちn=1)と、校正部27とに、トリガ信号を送信する(S110)。
ここで、トリガ信号を受信した校正部27は、後述するように第1時間測定部25a〜第4時間測定部25dのそれぞれから受信パルス信号Pra〜Prdを取得するまで、待機する(S112)。
一方、トリガ信号を受信した校正送信部(第1信号送信部22a)は、校正信号を出力する(S114)。校正送信部(第1信号送信部22a)から出力された校正信号は、ケーブル41を介して第1アンテナ21aから電波として送信されるとともに、第1受信部23aに送信される。
第1受信部23aは、校正信号を校正送信部(第1信号送信部22a)から直接受信し、受信した校正信号を周波数変換して第1時間測定部25aへ出力する(S116)。第1時間測定部25aは、周波数変換された校正信号に基づく受信パルス信号Praを校正部27へ出力する(S118)。校正部27は、図4に示すように、トリガ信号Trを受信したタイミングと受信パルス信号Praを受信したタイミングとの時間差T11を測定する(S120)。この時間差T11は、図5に示すように、第1信号送信部22aの出力から第1時間測定部25aの出力までの経路KR1における伝搬遅延時間TR1に相当する。
第1アンテナ21aから電波として送信された校正信号は、第2アンテナ21b、第3アンテナ21c、第4アンテナ21dのそれぞれにおいて受信される。
図3に戻り説明を続ける。第2受信部23bは、第2アンテナ21bで電波として受信された校正信号をケーブル42を介して受信し、受信した校正信号を周波数変換して第2時間測定部25bへ出力する(S122)。第2時間測定部25bは、周波数変換された校正信号に基づく受信パルス信号Prbを校正部27へ出力する(S124)。校正部27は、図4に示すように、トリガ信号Trを受信したタイミングと受信パルス信号Prbを受信したタイミングとの時間差T12を測定する(S126)。この時間差T12は、図5に示すように、第1信号送信部22aの出力から第1アンテナ21aまでのKL1における伝搬遅延時間TL1と、第1アンテナ21aから第2アンテナ21bまでの経路KA12における伝搬遅延時間TA12と、第2アンテナ21bから第2受信部23bの入力までの経路KL2における伝搬遅延時間TL2と、第2受信部23bの入力から第2時間測定部25bの出力までの経路KR2における伝搬遅延時間TR2と、の合計値に相当する。
図3に戻り説明を続ける。第3受信部23c及び第4受信部23dにおいても、第2受信部23bと同様に、それぞれ第3アンテナ21c、第4アンテナ21dで電波として受信された校正信号を、ケーブル43、44を介して受信する(S128、S134)。第3時間測定部25c及び第4時間測定部25dは、それぞれ受信パルス信号Prc、Prdを校正部27へ送信する(S130、136)。校正部27は、図4に示すように、トリガ信号Trを受信したタイミングと受信パルス信号Prcを受信したタイミングとの時間差T13を測定し(S132)、トリガ信号Trを受信したタイミングと受信パルス信号Prdを受信したタイミングとの時間差T14を測定する(S138)。
時間差T13は、図5に示すように、第1信号送信部22aの出力から第1アンテナ21aまでのKL1における伝搬遅延時間TL1と、第1アンテナ21aから第3アンテナ21cまでの経路KA13における伝搬遅延時間TA13と、第3アンテナ21cから第3受信部23cの入力までの経路KL3における伝搬遅延時間TL3と、第3受信部23cの入力から第3時間測定部25cの出力までの経路KR3における伝搬遅延時間TR3と、の合計値に相当する。
同様に時間差T14は、図5に示すように、第1信号送信部22aの出力から第1アンテナ21aまでのKL1における伝搬遅延時間TL1と、第1アンテナ21aから第4アンテナ21dまでの経路KA14における伝搬遅延時間TA14と、第4アンテナ21dから第4受信部23dの入力までの経路KL4における伝搬遅延時間TL4と、第4受信部23dの入力から第4時間測定部25dの出力までの経路KR4における伝搬遅延時間TR4と、の合計値に相当する。
これにより、校正部27は、測定した時間差T11〜時間差T14について、(3a)〜(3d)式を得る。
図3に戻り説明を続ける。校正部27は、時間差T11〜時間差T14の測定が完了すると、完了フラグを通信制御部24へ出力する(S140)。
通信制御部24は、完了フラグを受信すると、校正送信部(第1信号送信部22a)へ、校正信号の送信を停止させるためのトリガ信号を送信する(S142)。校正送信部(第1信号送信部22a)は、トリガ信号に従って、校正信号の送信を停止する。
通信制御部24は、第1信号送信部22a〜第3信号送信部22c(所定の信号送信部)の全てを、校正送信部として選択したか否かを判断する(S144)。ここで、第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cの全てを校正送信部として選択していない場合は、S100に移行する。本実施形態では、次に、n=2として校正送信部として第2信号送信部22bを選択し同様の処理を実行して(4a)〜(4d)式を得る。そして、再びS100に移行し、次に、n=3として校正送信部として第3信号送信部22cを選択し同様の処理を実行して(5a)〜(5d)式を得る。
このように第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cの全てを校正送信部として選択し終えると(S144;YES)、校正部27は、(3a)式〜(5d)式の合計12式に基づいて、各経路(経路KL1〜KL4、経路KR1〜KR4)の伝搬遅延時間(TL1〜TL4、TR1〜TR4)を未知数として、これらの未知数を算出する(S146)。
第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dの位置座標が既知であることから、(3a)式〜(5d)式において、各アンテナ間の伝搬遅延時間、すなわち、経路KA12における伝搬遅延時間TA12、経路KA13における伝搬遅延時間TA13、経路KA14における伝搬遅延時間TA14は既知である。また、(3a)式、(4b)式、(5c)式より、経路KR1、KR2、KR3における伝搬遅延時間TR1、伝搬遅延時間TR2、伝搬遅延時間TR3、は、それぞれ校正部27における測定値である時間差T11、T22、T33に相当するため既知である。従って、ここでの未知数は、経路KL1における伝搬遅延時間TL1、経路KL2における伝搬遅延時間TL2、経路KL3における伝搬遅延時間TL3、経路KL4における伝搬遅延時間TL4、及び、経路KR4における伝搬遅延時間TR4の5つである。すなわち、5元連立方程式を解くことにより、各経路の伝搬遅延時間が算出される。
位置推定部26は、送信装置10からの電波(パルス状の高周波信号)を受信した際に、前述のように、各受信パルス信号Pra〜Prdが出力されたタイミングの時間差に基づいて算出した、電波の到来時間差τ12〜τ14のそれぞれを、校正部27によって算出された各経路の伝搬遅延時間を用いて補正する。そして、位置推定部26は、補正後の値を用いて、(2)式に従って第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dのそれぞれと送信装置10との距離を算出し、算出した距離に基づいて送信装置10の位置を推定して、本位置推定処理を終了する(S148)。
ところで、校正送信部として用いる信号送信部の数とアンテナの数との関係は、アンテナの数をPとし、信号送信部の数をQとして、アンテナの数が3以上である場合(P≧3)、(1)式によって表される。
つまり、アンテナ数Pに対し(1)式を満たす数(整数)Qの送信信号部を備える場合、前述の連立方程式における未知数を特定することができる。本実施形態では、アンテナ数を4(P=4)とした場合に(1)式を満たす信号送信部の数Qのうち、最も小さい整数である3(個)に、送信信号部の数を設定している。
[1−3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
[1A]各経路(経路KL1〜KL4、経路KR1〜KR4)における伝搬遅延時間を、第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cより校正信号を送信して実際に測定し、測定した各経路における伝搬遅延時間に基づいて、第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dにおける電波の到来時間差τ12〜τ14を補正して、電波の送信元装置の位置を推定するため、伝送線路長による伝搬遅延時間を固定値に定めている従来装置と比べて、測位の精度を向上させることができる。
各経路(経路KL1〜KL4、経路KR1〜KR4)における伝搬遅延時間を用いた補正を行わない場合、ケーブル41〜44の長さ(配索条件)は必ずしも同一では無いため、これらのケーブルにおける伝搬遅延時間の差が、位置を推定する際の誤差の要因となり得る。また、第1受信部23a及び第1時間測定部25aでは、例えば、アンプなどの電子回路、A/D変換器などのロジック回路等を備えるため、これらの作動によって生じる伝搬遅延時間も、位置を推定する際の誤差の要因となり得る(他の受信部23b〜23d、及び他の時間測定部25b〜25dも同様)。さらに、ケーブルや前述の電子回路及びロジック回路等における温度や経時による影響によって生じる伝搬遅延時間の変化も、位置を推定する際の誤差の要因となり得る。電波は光速(約3.0×108m/sec)で進むため、伝搬遅延時間の変化が仮に数nsecであったとしても、推定した距離には数mの誤差が生じる。このため、各経路の伝搬遅延時間を予め固定値に定めた場合には、測位の精度を向上させることは困難である。
第1実施形態では、前述のように、測位に用いられる各経路における伝搬遅延時間を校正信号を送信することによって実際に測定し、測定した値を補正値として用いるため、温度や配索条件によらず、測位の精度を向上させることができる。
[1B]第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dの4つのアンテナに対して、第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cの3つの信号送信部、すなわち(1)式を満たす最も少ない数の信号送信部を備える。このため、必要最小限の構成で未知数とした各経路の伝搬遅延時間を算出することができる。
なお、第1実施形態では、第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dが「複数のアンテナ」の一例に相当し、第1受信部23a及び第1時間測定部25a、第2受信部23b及び第2時間測定部25b、第3受信部23c及び第3時間測定部25c、第4受信部23d及び第4時間測定部25dが、「タイミング手段」の一例に相当する。また、位置推定部26が「時間差位置推定手段」の一例に相当し、第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cが「校正送信手段」の一例に相当し、校正部27が「遅延推定手段」の一例に相当する。
また、伝搬遅延時間TR1、伝搬遅延時間TR2、伝搬遅延時間TR3、伝搬遅延時間TR4、のそれぞれが、「第1の合計遅延時間」に相当する。また、第1信号送信部22aが第1アンテナ21aへ校正信号を送信している場合、伝搬遅延時間TL1と伝搬遅延時間TA12と伝搬遅延時間TL2と伝搬遅延時間TR2との合計、伝搬遅延時間TL1と伝搬遅延時間TA13と伝搬遅延時間TL3と伝搬遅延時間TR3との合計、伝搬遅延時間TL1と伝搬遅延時間TA14と伝搬遅延時間TL4と伝搬遅延時間TR4との合計、のそれぞれが「第2の合計遅延時間」に相当する。
[2.第2実施形態]
[2−1.構成]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
前述した第1実施形態では、各経路における伝搬遅延時間を測定し、測定した伝搬遅延時間に基づいて送信元の装置の位置を補正していた。これに対し、第2実施形態では、各経路における電力減衰値を測定し、測定した電力減衰値に基づいて送信元の装置の位置を補正する点で、第1実施形態と相違する。
図6に示す第2実施形態における受信装置30は、図1に示す第1実施形態の受信装置20の構成と比べて、受信タイミングを表す信号を出力する第1時間測定部25a〜第4時間測定部25dが、それぞれ、受信電力を表す信号を出力する第1強度測定部28a〜第4強度測定部28dに置換されている。またこれに伴い、位置推定部26、校正部27が、位置推定部36、校正部37に置換されている。
また、第2実施形態では、送信装置10は、第1実施形態におけるパルス状の高周波信号に代えて正弦波(高周波)を送信する。これに伴って、第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cは、通信制御部24から出力されるトリガ信号Trに従って、送信装置10から送信される正弦波(高周波)と同様の信号を校正信号として出力する。送信装置10から送信される正弦波(高周波)の周波数、送信電力PWt、及び送信アンテナ11のアンテナ利得GTXは既知であるとする。また、第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dのそれぞれのアンテナ利得は既知であるとする。
第2実施形態では、第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dは、正弦波(高周波)を受信し、第1受信部23aから第4受信部23dは、受信された正弦波(高周波)をIF信号に周波数変換する。
第1強度測定部28aは、第1受信部23aにて周波数変換されたIF信号を、図7における(b)に示すように、所定の期間(電力計測積分期間)Tint積分した値を受信電力PWaとして検出し、検出した受信電力PWaを表す信号を出力する回路である。受信電力PWaは、第1アンテナ21aで受信された正弦波(高周波)の受信電力に応じた電力である。受信電力PWaは、具体的には、第1アンテナ21aでの受信電力から、第1アンテナ21aから第1受信部23aまでの経路における電力減衰値(ケーブル41における電力減衰値)と、第1受信部23aの入力から第1強度測定部28aの出力までの経路における電力減衰値との合計値を減算した電力である。受信電力PWaを表す信号は、位置推定部36と校正部37とへ出力される。
第2強度測定部28b、第3強度測定部28c、及び第4強度測定部28dは、同様に、第2受信部23b、第3受信部23c、第4受信部23dからそれぞれ出力されたIF信号を、図7における(c)〜(e)に示すように、電力計測積分期間Tint積分した値を、受信電力PWb、受信電力PWc、受信電力PWdとして検出し、検出した受信電力を表す信号を位置推定部36と校正部37とへ出力する。
受信電力PWbは、具体的には、第2アンテナ21bでの受信電力から、第2アンテナ21bから第2受信部23bまでの経路における電力減衰値(ケーブル42における電力減衰値)と、第2受信部23bの入力から第2強度測定部28bの出力までの経路における電力減衰値との合計値を減算した電力である。
受信電力PWcは、具体的には、第3アンテナ21cでの受信電力から、第3アンテナ21cから第3受信部23cまでの経路における電力減衰値(ケーブル43における電力減衰値)と、第3受信部23cの入力から第3強度測定部28cの出力までの経路における電力減衰値との合計値を減算した電力である。
受信電力PWdは、具体的には、第4アンテナ21dでの受信電力から、第4アンテナ21dから第4受信部23dまでの経路における電力減衰値(ケーブル44における電力減衰値)と、第4受信部23dの入力から第4強度測定部28dの出力までの経路における電力減衰値との合計値を減算した電力である。
図6に戻り説明を続ける。位置推定部36は、第1強度測定部28a〜第4強度測定部28dのそれぞれから出力された受信電力PWa〜PWdを表す信号と、送信元の装置から送信された正弦波(高周波)の送信電力との電力比に基づいて、送信元の装置との距離を算出する。
例えば、送信装置10から送信される正弦波(高周波)の送信電力PWtと、受信アンテナ(第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dのそれぞれ)で受信される正弦波(高周波)の受信電力PWRXと、送信アンテナ11から受信アンテナ(第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dのそれぞれ)までの距離Rと、の関係は、受信電力PWRXが距離Rの二乗に反比例することを示すフリスの伝達公式から導かれる、(6)式によって表される。
λは正弦波(高周波)の波長(既知)であり、GTXは送信アンテナ11の利得(既知)であり、GRXは受信アンテナ(第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dのそれぞれ)の利得(既知)である。
ここで、第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dのそれぞれにおける受信電力PWRXは、第1強度測定部28a〜第4強度測定部28dから出力された受信電力PWa〜PWdのそれぞれに基づいて算出される値である。特に、本実施形態では、これらの受信電力PWa〜PWdと送信電力PWtとの電力比を精度よく検出するために(受信電力PWa〜PWdを精度よく検出するために)、後述する校正部37において測定された各経路における電力減衰値を用いて、これらの電力比(受信電力PWa〜PWd)について補正を行う。
第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cは、第1実施形態と同様に、通信制御部24から出力されるトリガ信号Trに従って、校正信号(正弦波(高周波))を出力する。第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cのそれぞれから出力される校正信号の送信電力PWT1〜PWT3は既知であり、ここでは、送信電力PWT1〜PWT3の値は等しく電力値PWT0であるとする。
校正部37は、通信制御部24からトリガ信号Trを受信すると、第1強度測定部28a〜第4強度測定部28dのそれぞれから出力される受信電力PWa〜PWdを表す信号と、校正送信部(第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cのいずれか1つ)における校正信号の送信電力(電力値PWT0)との電力差を測定し、測定した電力差に基づいて、各経路における電力減衰値を算出する。校正部37は、位置推定部36に接続されており、算出された各経路における電力減衰値は位置推定部36へ出力される。
[2−2.処理]
第2実施形態の位置推定システムにおいて実行される位置推定処理の手順は、図8のシーケンス図に示すように、第1実施形態のシーケンス図(図3)と比べると、S118、S124、S130、S136が、それぞれS119、S125、S131、S137に置換される。また、S120、S126、S132、S138が、それぞれS121、S127、S133、S139に置換される。また、S146、S148が、それぞれS147、S149に置換される。
なお、第1実施形態と同様に、本実施形態では一例として回路部30a内の各構成要素はプリント基板(図示せず)上に配置されており、各構成要素間はプリント基板に設けられた配線パタンによって接続されているものとし、各構成要素間の接続経路における電力減衰値は、ケーブル41〜44における電力減衰値に比べて無視できる程度に小さいものとする。
はじめに、通信制御部24は、第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cのうちいずれか1つ(第n信号送信部(nは1、2、3のいずれか))を選択する(S100)。ここでは、通信制御部24は、第1信号送信部22aを校正送信部として選択する。
次に、通信制御部24は、S100で選択した校正送信部(第1信号送信部22a)と、校正部37とに、トリガ信号を送信する(S110)。
ここで、トリガ信号を受信した校正部37は、後述するように第1強度測定部28a〜第4強度測定部28dのそれぞれから受信電力PWa〜PWdを表す信号を取得するまで、待機する(S112)。
一方、トリガ信号を受信した校正送信部(第1信号送信部22a)は、校正信号を出力する(S114)。出力された校正信号は、ケーブル41を介して第1アンテナ21aから電波として送信されるとともに、第1受信部23aに送信される。
第1受信部23aは、校正信号を校正送信部(第1信号送信部22a)から直接受信し、受信した校正信号を周波数変換して第1強度測定部28aへ出力する(S116)。第1強度測定部28aは、周波数変換された校正信号の受信電力PWaを測定し、受信電力PWaを表す信号を校正部37へ出力する(S119)。校正部37は、図9に示すように、校正送信部(第1信号送信部22a)における校正信号の送信電力PWT1(電力値PT0)と、受信電力PWaとの電力差P11を測定する(S121)。この電力差P11は、図6に示すように、第1信号送信部22aの出力から第1強度測定部28aの出力までの経路KR11における電力減衰値AR11に相当する。
第1アンテナ21aから電波として送信された校正信号は、第2アンテナ21b、第3アンテナ21c、第4アンテナ21dのそれぞれにおいて受信される。
図8に戻り説明を続ける。第2受信部23bは、第2アンテナ21bで電波として受信された校正信号をケーブル42を介して受信し、受信した校正信号を周波数変換して第2強度測定部28bへ出力する(S122)。第2強度測定部28bは、周波数変換された校正信号の受信電力PWbを測定し、受信電力PWbを表す信号を校正部37へ出力する(S125)。校正部37は、図9に示すように、校正送信部(第1信号送信部22a)における校正信号の送信電力PWT1(電力値PT0)と、受信電力PWbとの電力差P12を測定する(S127)。この電力差P12は、図6に示すように、第1信号送信部22aの出力から第1アンテナ21aまでのKL1における電力減衰値AL1と、第1アンテナ21aから第2アンテナ21bまでの経路KA12における電力減衰値AA12と、第2アンテナ21bから第2受信部23bの入力までの経路KL2における電力減衰値AL2と、第2受信部23bの入力から第2強度測定部28bの出力までの経路KR22における電力減衰値AR22と、の合計値に相当する。
図8に戻り説明を続ける。第3受信部23c及び第4受信部23dにおいても、第2受信部23bと同様に、それぞれ第3アンテナ21c、第4アンテナ21dで電波として受信された校正信号を、ケーブル43、44を介して受信する(S128、S134)。また、第2強度測定部28bと同様に、第3強度測定部28c及び第4強度測定部28dは、それぞれ受信電力PWc、PWdを測定し、測定した受信電力PWc、PWdを表す信号を校正部37へ出力する(S131、137)。校正部37は、図9に示すように、校正送信部(第1信号送信部22a)における校正信号の送信電力PWT1(電力値PT0)と、受信電力PWcとの電力差P13を測定し(S133)、受信電力PWdとの電力差P14を測定する(S139)。
電力差P13は、図6に示すように、第1信号送信部22aの出力から第1アンテナ21aまでのKL1における電力減衰値AL1と、第1アンテナ21aから第3アンテナ21cまでの経路KA13における電力減衰値AA13と、第3アンテナ21cから第3受信部23cの入力までの経路KL3における電力減衰値AL3と、第3受信部23cの入力から第3時間測定部25cの出力までの経路KR33における電力減衰値AR33と、の合計値に相当する。
同様に電力差P14は、図6に示すように、第1信号送信部22aの出力から第1アンテナ21aまでのKL1における電力減衰値AL1と、第1アンテナ21aから第4アンテナ21dまでの経路KA14における電力減衰値AA14と、第4アンテナ21dから第4受信部23dの入力までの経路KL4における電力減衰値AL4と、第4受信部23dの入力から第4時間測定部25dの出力までの経路KR44における電力減衰値AR44と、の合計値に相当する。
これにより、校正部37は、測定した電力差P11〜電力差P14について、(3a)〜(3d)式において、T11〜T14をP11〜P14に置換し、TL1〜TL4をAL1〜AL4に置換し、TA12〜TA14をAA12〜AA14に置換し、TR1〜TR4をAR11〜AR44に置換した式を得る。
図8に戻り説明を続ける。校正部37は、電力差P11〜電力差P14の測定が完了すると、第1信号送信部22aを校正送信部とする測定が完了したことを表す完了フラグを通信制御部24へ出力する(S140)。
通信制御部24は、完了フラグを受信すると、校正送信部(第1信号送信部22a)へ、校正信号の送信を停止させるためのトリガ信号を送信する(S142)。校正送信部(第1信号送信部22a)は、トリガ信号に従って、校正信号の送信を停止する。
通信制御部24は、第1信号送信部22a〜第3信号送信部22c(所定の信号送信部)の全てを、校正送信部として選択したか否かを判断する(S144)。ここで、第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cの全てを校正送信部として選択していない場合は、S100に移行し、通信制御部24は、n=2とし、校正送信部として第2信号送信部22bを選択する。そして、同様の処理を実行し、校正部37は、(4a)〜(4d)式において、T21〜T24をP21〜P24に置換し、TL1〜TL4をAL1〜AL4に置換し、TA12及びTA23〜TA24をAA12及びAA23〜AA24に置換し、TR1〜TR4をAR11〜AR44に置換した式を得る。
再びS100に移行し、通信制御部24は、n=3とし、校正送信部として第3信号送信部22cを選択する。そして、同様の処理を実行し、校正部37は、(5a)〜(5d)式において、T31〜T34をP31〜P34に置換し、TL1〜TL4をAL1〜AL4に置換し、TA13、TA23、TA34をAA13〜、AA23、AA34に置換し、TR1〜TR4をAR11〜AR44に置換した式を得る。
このように第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cの全てを校正送信部として選択し終えると(S144;YES)、校正部37は、得られた合計12式に基づいて、各経路(経路KL1〜KL4、経路KR11〜KR44)の電力減衰値(AL1〜AL4、AR11〜AR44)を未知数として、第1実施形態と同様に、これらの未知数を算出する(S147)。
位置推定部36は、送信装置10からの電波(正弦波(高周波))を受信した際に、前述のように、送信電力と各受信電力PWa〜PWdとの電力比に基づいて算出した、第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dのそれぞれと送信装置10との距離を、校正部37によって算出された各経路の電力減衰値を用いて補正する。そして位置推定部36は、補正後の距離に基づいて送信装置10の位置を推定する(S149)。
[2−3.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
[2A]各経路における電力減衰値(伝搬遅延時間)を実際に測定し、測定した電力減衰値(伝搬遅延時間)に基づいて送信元の装置の位置を補正するため、伝送線路長による伝搬遅延時間を固定値に定めている従来装置と比べて、測位の精度を向上させることができる。
なお、第2実施形態では、第1受信部23a及び第1強度測定部28a、第2受信部23b及び第2強度測定部28b、第3受信部23c及び第3強度測定部28c、第4受信部23d及び第4強度測定部28dが、「電力検出手段」の一例に相当し、位置推定部36が「電力差位置推定手段」の一例に相当し、校正部37が「減衰値推定手段」の一例に相当する。
また、電力減衰値AR1、電力減衰値AR2、電力減衰値AR3、電力減衰値AR4、のそれぞれが、「第1の合計遅延時間」に相当する。また、第1信号送信部22aが第1アンテナ21aへ校正信号を送信している場合、電力減衰値AL1と電力減衰値AA12と電力減衰値AL2と電力減衰値AR2との合計、電力減衰値AL1と電力減衰値AA13と電力減衰値AL3と電力減衰値AR3との合計、電力減衰値AL1と電力減衰値AA14と電力減衰値AL4と電力減衰値AR4との合計、のそれぞれが「第2の合計遅延時間」に相当する。
[3.第3実施形態]
[3−1.構成]
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
前述した第1実施形態では、校正信号の送信先となる第1アンテナ21a〜第3アンテナ21cごとに、校正信号を送信する第1信号送信部22a〜第3信号送信部22cを備えていた。これに対し、第3実施形態では、図10に示すように、校正信号を送信する1つの信号送信部22eと、所定の数のアンテナ(第1アンテナ21a〜第3アンテナ21c)のうちいずれか1つを選択して、校正信号の送信先を切り替えるスイッチ29とを備える点で、第1実施形態と異なる。
[3−2.作用]
第3実施形態の位置推定システムにおいて実行される位置推定処理の手順は、図11のシーケンス図に示すように、第1実施形態のシーケンス図(図3)と比べると、S100がS105に置換される。また、S140、S142、S144が、それぞれS141、S143、S145に置換される。なお、第3実施形態では、信号送信部22eが校正送信部となる。
はじめに、通信制御部24は、校正信号を送信する送信先として、第1アンテナ21aから第3アンテナ21c(所定の数のアンテナ)のいずれか1つをスイッチ29によって選択する(S105)。なお以下では、必要に応じて、第1アンテナ21a〜第3アンテナ21cのそれぞれを第nアンテナ(nは1、2、3のいずれか)と記載するものとする。
S110〜S138の処理が実行された後は、校正部27は、第1アンテナ21aを校正信号の送信先とした場合の測定が完了したことを表すフラグを通信制御部24に出力する(S141)。通信制御部24は、完了フラグを受信すると、校正送信部(信号送信部22e)へ、校正信号の送信を停止させるためのトリガ信号を送信する(S143)。校正送信部(信号送信部22e)は、トリガ信号に従って、校正信号の送信を停止する。
通信制御部24は、第1アンテナ21a〜第3アンテナ21cの全てをスイッチ29によって切替先として選択したか否かを判断する。ここで、第1アンテナ21a〜第3アンテナ21cの全てを切替先として選択していない場合(S145;NO)は、S105に移行し、通信制御部24は、n=2としスイッチ29の切替先として第2アンテナ21bを選択して同様の処理を実行した後、n=3としスイッチ29の切替先として第3アンテナ21cを選択して同様の処理を実行する。第1アンテナ21a〜第3アンテナ21cの全てを切替先として選択すると(S145;YES)、校正部27は、各経路の伝搬遅延時間を算出し(S146)、位置推定部26は、各経路の伝搬遅延時間を用いて電波の到来時間差τ12〜τ14のそれぞれを補正し、送信装置10の位置を推定して、本位置推定処理を終了する。
[3−3.効果]
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果[1A]に加え、以下の効果が得られる。
[3A]校正信号を送信すべきアンテナが複数である場合、スイッチ29を備えることによって、校正信号を送信する構成として信号送信部22eのみを備えればよくなるため、受信装置20を簡易に構成することができる。
なお、第3実施形態では、スイッチ29が「切替手段」の一例に相当する。
[4.他の実施形態]
[4A]上記実施形態では、アンテナ数を4(P=4)とした場合に(1)式を満たす信号送信部の数Qのうち、最も小さい整数である3(個)に、送信信号部の数を設定していた。これに対し、例えば、送信信号部の数を4(個)に設定し、受信装置20を構成してもよい。これにより、より精度良く、未知数とした各経路の伝搬遅延時間(電力減衰値)を算出することができる。
[4B]上記実施形態では、各経路(経路KL1〜KL4、経路KR1〜KR4)の伝搬遅延時間(TL1〜TL4、TR1〜TR4)を未知数として、測定に基づいてこれら全て未知数を算出した。これに対し、未知数とした各経路の伝搬遅延時間のうちのいくつかを、予め所定値に定めておいてもよい。例えば、経路KL1及びKL2の伝搬遅延時間TL1及びTL2を、予め所定値に設定し、経路KR1及びKR2の伝搬遅延時間TR1及びTR2を予め所定値に設定し、残りの伝搬遅延時間を未知数として算出するようにしてもよい。予め所定値(既知)に設定する伝搬遅延時間の選択によっては、校正信号の送信先とするアンテナ数を減らすことができ、この場合、信号送信部の数を減らすことができる。
[4C]上記第2実施形態において、(5)式で算出した第1アンテナ21a〜第4アンテナ21dのそれぞれと送信装置10との距離を光速Cとの除算によって遅延時間に換算し、第1強度測定部28a〜第4強度測定部28dのそれぞれで検出された受信電力PWa〜PWdと校正信号の送信電力とに基づいて(5)式により距離を算出して、これを伝搬遅延時間に換算し、第1実施形態と同様に伝搬遅延時間に基づく位置推定を行っても良い。
[4D]上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
[4E]本発明は、前述した受信装置20の他、当該受信装置20を構成要素とする位置推定システム1、当該受信装置20としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体、位置推定方法など、種々の形態で実現することができる。
1…位置推定システム、21a…第1アンテナ 21b…第2アンテナ 21c…第3アンテナ 21d…第4アンテナ 22a…第1信号送信部 22b…第2信号送信部 22c…第3信号送信部 23a…第1受信部 23b…第2受信部 23c…第3受信部 23d…第4受信部 24…通信制御部 25a…第1時間測定部 25b…第2時間測定部 25c…第3時間測定部 25d…第4時間測定部 26…位置推定部 27…校正部 28a…第1強度測定部 28b…第2強度測定部 28c…第3強度測定部 28d…第4強度測定部 29…スイッチ 36…位置推定部 37…校正部

Claims (5)

  1. 複数のアンテナ(21a〜21d)と、
    前記複数のアンテナのそれぞれに接続され、前記アンテナで特定の信号が受信された受信タイミングに応じた受信タイミング信号を生成するタイミング手段(23a〜23d、25a〜25d)と、
    前記複数のアンテナのうちの1つの前記アンテナでの前記受信タイミングに対する残りの前記アンテナでの前記受信タイミングの時間差を前記受信タイミング信号に基づいて算出し、算出した時間差に基づいて前記複数のアンテナのそれぞれと前記特定の信号を送信した送信元装置との距離を算出し、算出した距離に基づいて前記送信元装置の位置を推定する時間差位置推定手段(26)と、
    所定の数の前記アンテナ(21a、21b)のそれぞれに接続され、所定の送信タイミング信号に基づいて、前記所定の数の前記アンテナへ順に所定の校正信号を送信する校正送信手段(22a〜22b、24)と、
    伝搬遅延時間を推定する遅延推定手段(27)と、
    を備え、
    前記遅延推定手段は、
    前記校正送信手段に接続された前記アンテナのうち前記校正信号を送信している前記アンテナに接続された前記タイミング手段において、前記校正送信手段から直接前記校正信号を受信したときの前記受信タイミング信号と、前記送信タイミング信号との時間差を、前記校正送信手段から当該タイミング手段までの経路における伝搬遅延時間と当該タイミング手段における伝搬遅延時間との合計である第1の遅延合計値として検出し、
    前記校正信号を送信しているアンテナに接続されたタイミング手段以外の前記タイミング手段のそれぞれにおいて前記校正信号を送信しているアンテナを介して送信された前記校正信号を受信したときの前記受信タイミング信号と、前記送信タイミング信号との時間差を、前記校正送信手段から前記校正信号を送信しているアンテナまでの経路、前記校正信号を送信しているアンテナから前記校正信号を受信している前記アンテナまでの経路、及び前記校正信号を受信しているアンテナから当該タイミング手段までの経路における伝搬遅延時間と、当該タイミング手段における伝搬遅延時間との合計である第2の遅延合計値として検出し、
    前記校正送信手段に接続されたアンテナ毎に前記第1の遅延合計値と前記第2の遅延合計値とを検出し、検出した結果に基づいて各経路における伝搬遅延時間を推定し、
    前記時間差位置推定手段は、算出した前記時間差を前記遅延推定手段により推定された前記各経路における伝搬遅延時間に基づいて補正し、補正後の前記時間差を用いて前記送信元装置の位置を補正する
    ことを特徴とする位置推定装置。
  2. 複数のアンテナ(21a〜21d)と、
    前記複数のアンテナのそれぞれに接続され、前記アンテナで受信された特定の信号の受信電力に応じた電力を検出する電力検出手段(23a〜23d、25a〜25d)と、
    前記特定の信号の送信元である送信元装置における前記特定の信号の送信電力に対する前記受信電力の電力比を算出し、算出した電力比に基づいて前記複数のアンテナのそれぞれと前記送信元装置との距離を算出し、算出した距離に基づいて、前記特定の信号を送信した送信元装置の位置を推定する電力差位置推定手段(27)と、
    所定の数の前記アンテナ(21a、21b)のそれぞれに接続され、所定の送信電力で、前記所定の数の前記アンテナへ順に所定の校正信号を送信する校正送信手段(22a〜22b、24)と、
    電力減衰値を推定する減衰値推定手段(28)と、
    を備え、
    前記減衰値推定手段は、
    前記校正送信手段に接続された前記アンテナのうち前記校正信号を送信している前記アンテナに接続された前記電力検出手段において、前記校正送信手段から直接前記校正信号を受信したときの受信電力と、前記送信電力との電力差を、前記校正送信手段から当該電力検出手段までの経路における電力減衰値と当該電力検出手段における電力減衰値との合計である第1の減衰合計値として検出し、
    前記校正信号を送信しているアンテナに接続された電力検出手段以外の前記電力検出手段のそれぞれにおいて前記校正信号を送信しているアンテナを介して送信された前記校正信号を受信したときの受信電力と、前記送信電力との電力差を、前記校正送信手段から前記校正信号を送信しているアンテナまでの経路、前記校正信号を送信しているアンテナから前記校正信号を受信している前記アンテナまでの経路、及び前記校正信号を受信しているアンテナから当該電力検出手段までの経路における電力減衰値と、当該電力検出手段における電力減衰値との合計である第2の減衰合計値として検出し、
    前記校正送信手段に接続されたアンテナ毎に前記第1の減衰合計値と前記第2の減衰合計値とを検出し、検出した結果に基づいて各経路における電力減衰値を推定し、
    前記電力差位置推定手段は、算出した前記電力比を前記減衰値推定手段により推定された前記各経路における電力減衰値に基づいて補正し、補正後の前記電力比を用いて前記送信元装置の位置を補正する
    ことを特徴とする位置推定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の位置推定装置であって、
    前記複数のアンテナの総数Pが3以上であるとき、前記総数Pと前記校正送信手段に接続された前記所定の数のアンテナの数Qとの関係が、下記式(1)で示される
    ことを特徴とする位置推定装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の位置推定装置であって、
    前記校正送信手段に接続された前記所定の数のアンテナの数は、前記複数のアンテナの総数に等しい
    ことを特徴とする位置推定装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の位置推定装置であって、
    前記所定の数のアンテナに共通の前記校正送信手段が接続され、
    前記所定の数のアンテナのうちいずれか1つを選択して、前記校正信号の送信先を切り替える切替手段(29)を備える
    ことを特徴とする位置推定装置。
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