JP2009210407A - 測位装置および測位推定方法 - Google Patents

測位装置および測位推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固定局の厳密な位置が不明で、かつ、移動端末や固定局の内部遅延時間が不明の場合において、これらを同時に推定し、測位装置の設置を簡便化することのできる測位装置および測位推定方法を得る。
【解決手段】複数の通信局(1、2)のそれぞれの位置およびそれぞれの局内部の通信処理に含まれる内部遅延時間を推定する測位装置であって、複数の通信局(1、2)に含まれる2つの通信局間の距離、および2つの通信局それぞれの内部遅延時間により定まる電波往復時間の測定結果に基づいて、複数の通信局に対する連立方程式を解くことにより、複数の通信局のそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間を推定する推定手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電波往復時間の測定結果を利用して、移動端末等の位置を推定する測位装置および測位推定方法に関する。
移動端末と固定局との間の電波往復時間を利用して、移動端末位置を測位する従来の方法としては、例えば、次のようなものがある。まず、移動端末が測位要求信号を送信し、これを位置が既知である固定局が受信して測位応答信号を返信する。次に、移動端末が測位要求信号を送信してから測位応答信号を受信するまでの往復時間から、移動端末や固定局の内部遅延を減算する。
さらに、この減算結果を光速で除算することにより、移動端末と固定局との間の距離を算出する。そして、このような距離計測を複数の固定局に対して行い、複数の固定局の位置と、算出した複数の固定局までの距離から、最終的に移動端末の位置を算出している(例えば、特許文献1参照)。
また、この特許文献1には、固定局や移動端末の内部遅延の較正方法も開示されている。開示された較正方法では、移動端末または固定局の内部において、送信器から受信器に信号をループさせ、信号が送信されてから受信されるまでにかかる時間を計測し、その計測結果に基づいて較正を行っている。
特表2003-506930号公報
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。
従来の測位方法では、固定局の位置が既知である必要があるため、測位装置の設置の際に、固定局を厳密に位置決めする必要がある。このため、設置作業が煩わしいという問題があった。また、従来の内部遅延較正方法は、移動端末や固定局の内部で閉じて行う較正であり、内部遅延の較正は、端末内または局内の内蔵クロックを用いて行うものと推定される。
しかしながら、この場合、内蔵クロックの誤差そのものによる内部遅延誤差に関しては、較正できないことになる。また、この内部遅延誤差は、温度等により変化するため、測位装置を設置してから時間が経つと、誤差が大きくなってしまうという問題もあった。
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、固定局の厳密な位置が不明で、かつ、移動端末や固定局の内部遅延時間が不明の場合において、これらを同時に推定し、測位装置の設置を簡便化することのできる測位装置および測位推定方法を得ることを目的とする。
本発明に係る測位装置は、複数の通信局のそれぞれの位置およびそれぞれの局内部の通信処理に含まれる内部遅延時間を推定する測位装置であって、複数の通信局に含まれる2つの通信局間の距離、および2つの通信局それぞれの内部遅延時間により定まる電波往復時間の測定結果に基づいて、複数の通信局に対する連立方程式を解くことにより、複数の通信局のそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間を推定する推定手段を備えるものである。
また、本発明に係る測位推定方法は、複数の通信局のそれぞれの位置およびそれぞれの局内部の通信処理に含まれる内部遅延時間を推定する測位推定方法であって、複数の通信局に含まれる2つの通信局間の距離、および2つの通信局それぞれの内部遅延時間により定まる電波往復時間の測定結果が記憶された記憶部から、複数の通信局のそれぞれの測定結果を取り出すステップと、取り出されたそれぞれの測定結果に基づいて、複数の通信局に対する連立方程式を解くことにより、複数の通信局のそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間を推定するステップとを備えるものである。
本発明によれば、2つの通信局間で測定された電波往復時間に基づいて、複数の通信局に対する連立方程式を解くことにより、複数の通信局のそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間を推定することができ、固定局の厳密な位置が不明で、かつ、移動端末や固定局の内部遅延時間が不明の場合において、これらを同時に推定し、測位装置の設置を簡便化することのできる測位装置および測位推定方法を得ることができる。
以下、本発明の測位装置の較正方法および測位装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。なお、以下の説明においては、固定局、移動端末、固定端末等の総称として、通信局という用語を用いており、送受信機能を備えた局または端末を意味している。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における測位装置の構成図である。図1に示した測位装置は、複数の固定局1および1台の移動端末2で構成される。さらに、図1中には、移動端末2を移動させる経路に相当する周回路3、および移動端末2と複数の固定局1のそれぞれとの電波往復時間を計測するための、周回路3上の移動端末位置であるK個(Kは、2以上の整数)の計測点4が示されている。
また、移動端末2と複数の固定局1のそれぞれとの間では、測位要求信号100と測位応答信号200が送受信される。ここで、測位要求信号100は、移動端末2から複数の固定局1のそれぞれに送られる測位要求であり、測位応答信号200は、測位要求信号100を受けた固定局1から移動端末2への測位応答である。
また、図2は、本発明の実施の形態1における電波往復時間計測の通信シーケンス図であり、ある1つの計測点における移動端末2と、ある1台の固定局との間の通信シーケンスを例示している。図2における符号11〜20は、それぞれ次のものを意味している。11は、移動端末2における電波往復時間計測用のクロックをスタートする時刻である。12は、移動端末2における電波往復時間計測用のクロックをスタートしてから測位要求信号100を送信するまでの内部遅延である。
13は、移動端末2から測位要求信号100を送信する時刻である。14は、固定局1において測位要求信号100を受信した時刻である。15は、固定局1において測位要求信号100を受信してから測位応答信号101を送信するまでの内部遅延である。16は、固定局1から測位応答信号101を送信する時刻である。
17は、移動端末2において測位応答信号101を受信した時刻である。18は、移動端末において測位応答信号101を受信してから電波往復時間計測用のクロックをストップするまでの内部遅延である。19は、移動端末2において電波往復時間計測用のクロックをストップする時刻である。そして、20は、移動端末2において計測される電波往復時間である。
次に、図1の構成および図2の通信シーケンス図に基づいて、本実施の形態1における測位装置の動作について説明する。本実施の形態1において、測位システムを設置する際には、複数の固定局1を設置する。ただし、その際、固定局1の厳密な位置は、不明であってもよい。
設置後の較正(位置推定)の過程では、移動端末2を任意の周回路3で周回させる。この周回路3上の複数の計測点4において、移動端末2は、全ての固定局1との間で電波往復時間を計測する。この計測点4の位置も未知であってもよい。
次に、移動端末2は、次の計測点4に移動して、同様に、全ての固定局1までの電波往復時間を計測し、必要な計測の回数に達するまで、同様の計測を繰り返す。先の図1では、移動端末2がK個の計測点を順次移動し、K回分の計測を繰り返し行うことを示している。この必要な計測の回数については、後述する。
ここで、電波往復時間の計測は、先の図2の通信シーケンスに従って、次のように行われる。移動端末2は、計測開始時刻11において、計測用のクロックをスタートさせる。次に、移動端末2は、未知ではあるが一定の内部遅延時間12の後の時刻13に、固定局1に対して測位要求信号100を送信する。
この測位要求信号100を時刻14に受信した固定局1は、未知ではあるが一定の内部遅延時間15の後の時刻16に、移動端末2に対して測位応答信号101を送信する。測位応答信号101を時刻17に受信した移動端末2は、未知ではあるが一定の内部遅延時間18の後の時刻19に計測用のクロックをストップし、電波往復時間20を計測する。
より具体的には、固定局1の数をM(Mは、2以上の整数)とし、第m固定局1(mは、1≦m≦Mの整数)において、K個の計測点の中の第k計測点(kは、1≦k≦Kの整数)により計測される電波往復時間τ(k)は、下式(1)のようになる。
Figure 2009210407
ただし、上式(1)において、[x(k)、y(k)、z(k)]は、移動端末2の第k計測点の位置座標であり、[X、Y、Z]は、第m固定局1の位置座標である。また、ηは、移動端末2における内部遅延であり、計測用クロックのスタートから測位要求信号100の送信までの遅延時間12と、測位応答信号101を受信してから計測用クロックのストップまでの遅延時間18との和である。また、ξは、第m固定局1における、測位要求信号100を受信してから測位応答信号101を送信するまでの内部遅延15である。
上式(1)の方程式としては、K個の計測点4と、M個の固定局1の組み合わせである、KM個の式が得られる。一方、未知変数(未知パラメータ)は、移動端末2のK個の計測点の位置座標3K個、M個の固定局1の位置座標3M個、固定局1の内部遅延M個、移動端末2の内部遅延1個の、合計(3K+4M+1)個となる。しかし、実際には、座標の平行移動と回転による冗長を避けるため、6個の未知変数が減少する。さらに、移動端末2の内部遅延と固定局1の内部遅延との間の不確定性を避けるため、1個の未知変数が減少し、(3K+4M−6)個が実質的な未知変数となる。
従って、方程式と未知変数の数の関係から、次式(2)の条件を満たすK個以上の計測点で計測を行うことにより連立方程式を解き、未知変数である固定局の位置と内部遅延、および移動端末の計測点位置と内部遅延を求めることができる。
Figure 2009210407
なお、計測点数Kが上式(2)の等号を満たす回数より多い場合には、最小二乗法を用いて方程式を解くことができ、最小二乗原理より計測点が多いほど、より高精度に固定局1の位置や内部遅延を推定することができる。従って、実際には可能な限り多数の計測点で電波往復時間を計測するのがよい。
また、固定局1および移動端末2の計測点の位置座標や、内部遅延などの一部の値が既知であった場合には、その既知の値を代入して方程式を解くことにより、上式(2)の条件が緩和され、より少ない計測点数Kで他の未知変数を求めることができる。また、全てを未知変数として方程式を解く場合に比べ、より高精度に未知変数を求めることができる。
例えば、測位システムの用途が平面内での測位のみを目的とする場合には、z(k)とZmを既知である一定値とおいて、2次元測位とすることにより、未知変数を減らすことができる。
この場合、座標の平行移動や回転による冗長と、内部遅延の不確定性を避けた実質的な未知変数の数は、2K+3M−3個となる。このため、次式(3)の条件を満たすK個以上の計測点で計測を行うことにより連立方程式を解き、未知変数である固定局1の位置と内部遅延、および移動端末2の計測点位置と内部遅延を求めることができる。
Figure 2009210407
本実施の形態1における通信局は、先の図1に示すように、1台の移動端末2と複数の固定局1で構成されている。そして、本実施の形態1における測位装置は、図1には図示されていないが、移動端末2による電波往復時間の測定結果が記憶される記憶部と、記憶部に記憶された電波往復時間の測定結果に基づいて連立方程式を解くことにより未知変数を推定する推定手段とを備えている。なお、この記憶部および推定手段は、通信局内に持たせることもでき、また、通信局とは別個の構成として持たせることも可能である。
このような構成を備えることにより、複数の通信局のそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間を推定することができる。これにより、固定局の厳密な位置が不明で、かつ、移動端末や固定局の内部遅延時間が不明の場合においても、これらを同時に推定することができる。この結果、測位装置の設置を簡便化することのできる測位装置および測位推定方法を得ることができる。
以上のように、実施の形態1によれば、厳密な位置決めや内部遅延調整を行わず、簡便に固定局を設置した後、移動端末を周回させて電波往復時間を計測し、固定局の位置や内部遅延を推定し較正することができる。これにより、他の手段による固定局の位置計測や内部遅延の較正が不要となり、測位システムの設置を簡便化することができる。
また、移動端末の位置(計測点)も同時に推定できるので、特別な較正を行うための電波往復時間計測を必要とせず、測位装置の主目的である端末の測位を行いながら、随時固定局の位置と内部遅延を較正することができるという利点もある。
なお、本実施の形態1では、移動端末2が測位要求信号100を送信し、固定局1が測位応答信号101を返信する方式で説明したが、本発明の測位装置は、これに限定されない。これとは逆に、固定局1が測位要求信号100を送信し、移動端末2が測位応答信号101を返信するような場合にも、上述した内容と同様の原理で、同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2における測位装置の構成図である。図3に示した測位装置は、複数の固定局1および複数の移動端末2で構成される。測位要求信号100および測位応答信号101は、先の実施の形態1で説明したものと同等である。
先の実施の形態1では、1台の移動端末2を測位エリア内で周回させ、複数(K個)の計測点で、複数の固定局1のそれぞれとの電波往復時間を計測することにより、未知変数を推定した。
これに対して、本実施の形態2では、1台の移動端末2を周回させることにより複数の計測点を得る代わりに、複数の移動端末2を用い、各々が固定局1までの電波往復時間を計測することによって目的を達成する。
本実施の形態2に示す構成は、測位対象の移動端末2が物品に貼られたRFIDなど、移動端末2が多数存在する場合において、特に効果を発揮する。
次に、図3の構成に基づいて、本実施の形態2における測位装置の動作について説明する。本実施の形態2において、複数個ある移動端末2の内部遅延時間が全て等しい場合には、先の実施の形態1とまったく同様の方法により、固定局1の位置と内部遅延を推定できることは明らかである。しかしながら、一般には、複数の移動端末2の個々の内部遅延は、必ずしも等しいとは限らない。そこで、それぞれの移動端末の内部遅延も未知変数として推定する。
図3に示すように、各移動端末2は、それぞれが全ての固定局1との間の電波往復時間を計測する。個々の移動端末2が固定局1との電波往復時間を計測する過程は、先の実施の形態1と同じであり、説明を省略する。
固定局1の数をM(Mは、2以上の整数)とし、第m固定局1(mは、1≦m≦Mの整数)において、J個の移動端末2の第j移動端末j(jは、1≦j≦Jの整数)により計測される電波往復時間τj、m(先の図2で示した20に相当)は、下式(4)のようになる。
Figure 2009210407
ただし、上式(4)において、[x、y、z]は、第j移動端末2の位置座標であり、[X、Y、Z]は、第m固定局1の位置座標である。また、ηは、第j移動端末2の内部遅延(先の図2における12と18の和に相当)であり、ξは、第m固定局1の内部遅延(先の図2の15に相当)である。
上式(4)の方程式としては、J個の移動端末2とM個の固定局1の組み合わせであるJM個の式が得られる。一方、未知変数は、各移動端末2の位置座標3J個と内部遅延J個、各固定局1の位置座標3M個と内部遅延M個の、合計(4J+4M)個となる。
しかし、実際には、座標の平行移動と回転による冗長を避けるため、6個の未知変数が減少する。さらに、移動端末2の内部遅延と固定局の内部遅延との間の不確定性を避けるため、1個の未知変数が減少し、(4J+4M−7)個が実質的な未知変数となる。
従って、方程式と未知変数の数の関係から、次式(5)の条件を満たす数の移動端末と固定局を用いることにより連立方程式を解き、未知変数である固定局の位置と内部遅延、および移動端末の位置と内部遅延を求めることができる。
Figure 2009210407
なお、移動端末2の数Jや固定局1の数Mが上式(5)の等号を満たす個数より多い場合には、最小二乗法を用いて方程式を解くことができ、最小二乗原理より計測点(すなわち、移動端末2や固定局1の台数)が多いほど、より高精度に固定局1の位置や内部遅延を推定することができる。従って、実際には可能な限り多数の計測点で電波往復時間の計測を行うのがよい。
また、固定局1および移動端末2の計測点の位置座標や、内部遅延などの一部の値が既知であった場合には、その既知の値を代入して方程式を解くことにより、上式(5)の条件が緩和され、より少ない計測点数(台数)で他の未知変数を求めることができる。また、全てを未知変数として方程式を解く場合に比べ、より高精度に未知変数を求めることができる。
例えば、測位システムの用途が平面内での測位のみを目的とする場合には、zとZを既知である一定値とおいて、2次元測位とすることにより、未知変数を減らすことができる。
この場合、座標の平行移動や回転による冗長と、内部遅延の不確定性を避けた実質的な未知変数の数は、3J+3M−4個となる。このため、次式(6)の条件を満たす数の移動端末2と固定局1を用いることにより連立方程式を解き、未知変数である固定局1の位置と内部遅延、および移動端末2の位置と内部遅延を求めることができる。
Figure 2009210407
本実施の形態2における通信局は、先の図3に示すように、複数の移動端末2と複数の固定局1で構成されている。そして、本実施の形態2における測位装置は、図3には図示されていないが、各移動端末2による電波往復時間の測定結果が記憶される記憶部と、記憶部に記憶された電波往復時間の測定結果に基づいて連立方程式を解くことにより未知変数を推定する推定手段とを備えている。なお、この記憶部および推定手段は、いずれかの通信局内に持たせることもでき、また、通信局とは別個の構成として持たせることも可能である。
このような構成を備えることにより、複数の通信局のそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間を推定することができる。これにより、固定局の厳密な位置が不明で、かつ、移動端末や固定局の内部遅延時間が不明の場合においても、これらを同時に推定することができる。この結果、測位装置の設置を簡便化することのできる測位装置および測位推定方法を得ることができる。
以上のように、実施の形態2によれば、厳密な位置決めや内部遅延調整を行わず、簡便に固定局を設置した後、複数の移動端末を用いて電波往復時間を計測し、固定局の位置や内部遅延を推定し較正することができる。これにより、他の手段による固定局の位置計測や内部遅延の較正が不要となり、測位システムの設置を簡便化することができる。
また、移動端末の位置も同時推定できるので、特別な較正を行うための電波往復時間計測を必要とせず、測位装置の主目的である端末の測位を行いながら、随時固定局の位置と内部遅延を較正することができるという利点もある。
なお、先の実施の形態1と本実施の形態2を併用し、複数の移動端末をそれぞれ周回移動させて、複数の計測点で電波往復時間を計測することも可能である。この場合にも、実施の形態1や実施の形態2と同様の効果を得ることができる。原理は、同様であるので、詳細な説明は省略する。
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3における測位装置の構成図である。図4に示した測位装置は、複数の固定端末5で構成される。測位要求信号100および測位応答信号101は、先の実施の形態1、2で説明したものと基本的には同等であるが、本実施の形態3では、複数の固定端末5同士の間で通信される点が異なる。
先の実施の形態2では、複数の移動端末2と複数の固定局1との組み合わせのみで電波往復時間を計測し較正を行った。これに対して、本実施の形態3では、固定局と移動端末を区別せず、固定局間、および移動端末間でも電波往復時間を計測し、較正を行う。これにより、より較正精度を高めることができる。
この場合には、全ての固定局1や移動端末2に、測位要求信号を送信し測位応答信号を受信する機能と、測位要求信号を受信して測位応答信号を送信する機能の両方が必要となる。しかしながら、送受信のためのハードウェアは増加しないので、容易に適用することができる。
次に、図4の構成に基づいて、本実施の形態3における測位装置の動作について説明する。本実施の形態3において、固定局1と移動端末2は、本質的に違いが無いので、ここでは全てが固定端末5であるものとして説明する。以下の説明では、固定端末5の数をM(Mは、2以上の整数)とし、第m固定端末5(mは、1≦m≦Mの整数)と第n固定端末5(nは、1≦n≦M、かつn≠mの整数)との間の通信を例に説明する。
図4に示すように、各固定端末5は、他の全ての固定端末5との間で電波往復時間を計測する。電波往復時間を計測する過程は、先の実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
第m固定端末5が第n固定端末5に対して測位要求信号100を送信して計測した電波往復時間τm、n(先の図2の20に相当)は、下式(7)のようになる。
Figure 2009210407
ただし、上式(7)において、[X、Y、Z]と[X、Y、Z]は、それぞれ第m固定端末5と第n固定端末5の位置座標である。また、ηは、第m固定端末5における、計測用クロックのスタートから測位要求信号100の送信までの遅延時間(先の図2の12に相当)と測位応答信号101を受信してから計測用クロックのストップまでの遅延時間(先の図2の18に相当)の和である。また、ξは、第n固定端末5における測位要求信号100を受信してから測位応答信号101を送信するまでの内部遅延(先の図2の15に相当)である。
上式(7)の方程式としては、M個の固定端末5の中から2台を順列付で選ぶ組み合わせであるM(M−1)個の式が得られる。一方、未知変数は、固定端末5の位置座標3M個と、測位要求信号100を送信する移動端末2としての働きをする場合の内部遅延M個、および固定局1としての働きをする場合の内部遅延M個の、合計5M個となる。
しかし、実際には、座標の平行移動と回転による冗長を避けるため、6個の未知変数が減少する。さらに、移動端末2としての内部遅延と固定局1としての内部遅延との間の不確定性を避けるため、1個の未知変数が減少し(5M−7)個が実質的な未知変数となる。
従って、方程式と未知変数の数の関係から、次式(8)の条件を満たす数の固定端末5を用いることにより連立方程式を解き、未知変数である固定端末5の位置と内部遅延を求めることができる。
Figure 2009210407
なお、固定端末5の数Mが上式(8)の等号を満たす個数より多い場合には、最小二乗法を用いて方程式を解くことができ、最小二乗原理より計測点(すなわち、固定端末5の台数)が多いほど、より高精度に固定端末5の位置や内部遅延を推定することができる。従って、実際には可能な限り多数の計測点で電波往復時間の計測を行うのがよい。
また、先の実施の形態1、2と同様に、固定端末の計測点の位置座標、内部遅延などの一部が既知であった場合には、その既知の値を代入して方程式を解くことにより、上式(8)の条件が緩和され、より少ない固定端末数で他の未知変数を求めることができる。また、全てを未知変数として方程式を解く場合に比べ、より高精度に未知変数を求めることができる。
例えば、測位システムの用途が平面内での測位のみを目的とする場合には、Z、Zを既知である一定値とおいて、2次元測位とすることにより、未知変数を減らすことができる。
この場合、座標の平行移動や回転による冗長と、内部遅延の不確定性を避けた実質的な未知変数の数は、4M−4個となる。このため、次式(9)の条件を満たす数の固定端末5を用いることにより連立方程式を解き、未知変数である固定端末5の位置と内部遅延を求めることができる。
Figure 2009210407
本実施の形態3における通信局は、先の図4に示すように、複数の固定端末5で構成されている。そして、本実施の形態3における測位装置は、図4には図示されていないが、各固定端末5による電波往復時間の測定結果が記憶される記憶部と、記憶部に記憶された電波往復時間の測定結果に基づいて連立方程式を解くことにより未知変数を推定する推定手段とを備えている。なお、この記憶部および推定手段は、いずれかの通信局内に持たせることもでき、また、通信局とは別個の構成として持たせることも可能である。
このような構成を備えることにより、複数の固定端末のそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間を推定することができる。これにより、固定端末の厳密な位置が不明で、かつ、固定端末の内部遅延時間が不明の場合においても、これらを同時に推定することができる。この結果、測位装置の設置を簡便化することのできる測位装置および測位推定方法を得ることができる。
以上のように、実施の形態3によれば、厳密な位置決めや内部遅延調整を行わず、簡便に固定端末を設置した後、複数の固定端末間で電波往復時間を計測し、固定端末の位置や内部遅延を推定し較正することができる。これにより、他の手段による固定端末の位置計測や内部遅延の較正が不要となり、測位システムの設置を簡便化することができる。
本発明の実施の形態1における測位装置の構成図である。 本発明の実施の形態1における電波往復時間計測の通信シーケンス図である。 本発明の実施の形態2における測位装置の構成図である。 本発明の実施の形態3における測位装置の構成図である。
符号の説明
1 固定局、2 移動端末、3 周回路、4 計測点、5 固定端末。

Claims (7)

  1. 複数の通信局のそれぞれの位置およびそれぞれの局内部の通信処理に含まれる内部遅延時間を推定する測位装置であって、
    前記複数の通信局に含まれる2つの通信局間の距離、および前記2つの通信局それぞれの前記内部遅延時間により定まる電波往復時間の測定結果に基づいて、前記複数の通信局に対する連立方程式を解くことにより、前記複数の通信局のそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間を推定する推定手段を備えることを特徴とする測位装置。
  2. 請求項1に記載の測位装置において、
    前記複数の通信局は、1台の移動端末と複数の固定局とを含んで構成され、
    前記推定手段は、前記移動端末を移動させることにより複数の計測点において前記複数の固定局のそれぞれに対して計測された電波往復時間に基づいて、前記移動端末および前記複数の固定局に対する連立方程式を解くことにより、前記移動端末および前記複数の固定局のそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間を推定する
    ことを特徴とする測位装置。
  3. 請求項1に記載の測位装置において、
    前記複数の通信局は、複数の移動端末と複数の固定局とを含んで構成され、
    前記推定手段は、前記複数の移動端末と前記複数の固定局との総組み合わせに対して計測された電波往復時間による連立方程式を解くことにより、前記複数の移動端末および前記複数の固定局のそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間を推定する
    ことを特徴とする測位装置。
  4. 請求項1に記載の測位装置において、
    前記複数の通信局は、複数の固定局を含んで構成され、
    前記推定手段は、前記複数の固定局間での一対を選ぶ総組み合わせに対して計測された電波往復時間による連立方程式を解くことにより、前記複数の複数の固定局のそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間を推定する
    ことを特徴とする測位装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の測位装置において、
    前記測定手段は、推定すべきそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間の各パラメータの中に既知パラメータが含まれている場合には、前記既知パラメータを活用して未知パラメータの数を減らして前記連立方程式を解くことにより、前記未知パラメータの推定を行うことを特徴とする測位装置。
  6. 複数の通信局のそれぞれの位置およびそれぞれの局内部の通信処理に含まれる内部遅延時間を推定する測位推定方法であって、
    前記複数の通信局に含まれる2つの通信局間の距離、および前記2つの通信局それぞれの前記内部遅延時間により定まる電波往復時間の測定結果が記憶された記憶部から、前記複数の通信局のそれぞれの測定結果を取り出すステップと、
    取り出された前記それぞれの測定結果に基づいて、前記複数の通信局に対する連立方程式を解くことにより、前記複数の通信局のそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間を推定するステップと
    を備えることを特徴とする測位推定方法。
  7. 請求項6に記載の測位推定方法において、
    前記測定するステップは、推定すべきそれぞれの位置およびそれぞれの内部遅延時間の各パラメータの中に既知パラメータが含まれている場合には、前記既知パラメータを活用して未知パラメータの数を減らして前記連立方程式を解くことにより、前記未知パラメータの推定を行うことを特徴とする測位推定方法。
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