JP6395991B1 - 多相電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

直流回路(100)と交流回路(120)との間で電力変換を行う多相電力変換装置(10)であって、直流回路(100)と多相電力変換装置(10)との接続配線部(110)に設定した2点(P1)、(P2)間のインダクタンス成分に発生する電圧を検出する差電圧検出部(13)、および差電圧検出部(13)の出力が予め設定した閾値を越えたとき、多相電力変換装置(10)内で短絡が発生したと判定する短絡検出部(14)を備えた。

Description

本願は、バッテリなどの直流電力を交流電力に変換して電動機を駆動する、あるいは、発電機が発電した交流電力を直流電力に変換してバッテリなどの直流電源に供給するための多相電力変換装置に係り、特に、この変換装置内で発生した短絡による過電流を検出する機能を備えた多相電力変換装置に関する。
従来の電力変換装置においては、電力変換装置を構成するパワー半導体の故障またはノイズによる誤動作によって発生した過電流を検知して電力変換を停止し、装置の破壊または発火を防止する過電流保護機能を備えることが一般的である。
例えば、特許文献1には、スイッチング素子の寄生インダクタンスに発生する電圧を積分した出力に基づいて過電流を判定することで、安価な構成で高精度な電流検出機能を実現する技術が紹介されている。
しかし一方で、電力変換装置を構成するスイッチング素子の各々に過電流検出部を設ける必要があるため、回路規模が大きくなり高パワー密度化の妨げになる。
これに対して、例えば、特許文献2には、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置において、直流電源との接続部の入力電圧が所定時間以上にわたって低下することをもって過電流と判定する技術が紹介されている。
これは、直流電源と電力変換装置との間のインダクタンスにより、短絡発生時の急峻な電流変化で生じる入力電圧の降下を利用したものであり、小さな回路規模で電力変換装置の異常な過電流を検出することができる。
しかし一方で、入力電圧の変動が大きいアプリケーションでは、入力電圧が低下した場合に誤検知する懸念があり、判定電圧を適切に設計できない場合がある。その理由は、判定電圧は入力電圧の下限値よりも低く設定する必要があるが、一方で短絡時のパワー半導体素子の抵抗値によっては入力電圧が十分に低下しない場合があるため、判定電圧はある程度高く設定する必要があり、両者が相反するためである。
また、入力電圧の変動による影響を低減する方法として、例えば、特許文献3または特許文献4には、電源と電力変換装置とを接続する接続配線部のシャント抵抗または寄生抵抗を利用して、抵抗の両端の電圧から電流値に換算して過電流を検出する方法が紹介されている。
特開2000−324846号公報 特開2010−141990号公報 特開2001−275392号公報 特開2017−77128号公報
しかしながら、これら接続配線部の抵抗成分を利用した従来技術を、多数のパワー半導体素子で構成される多相電力変換装置に適用する場合、以下の課題がある。
即ち、大電力を扱う多相電力変換装置では、相数に比例して多数のパワー半導体素子を並列接続したり、複数群の電力変換装置を並列化したりするため、電源と電力変換装置との接続配線部には大電流が流れ、高負荷時には更にこの傾向が顕著となる。
そのため、過電流を検出する判定電流値を比較的高く設定する必要がある。一方で、判定電流値を高くし過ぎると、軽負荷時に一つのパワー半導体素子の異常によって短絡が発生した場合に、過電流を検出できない懸念がある。
このように、多相電力変換装置では、各々のパワー半導体素子または各々の相に過電流検出部を設ける必要があり、回路が大規模化するという課題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、簡便小型な構成により、装置内で発生する短絡を確実に検出することができる多相電力変換装置を得ることを目的とする。
本願に開示される多相電力変換装置は、直流回路と交流回路との間で電力変換を行う多相電力変換装置であって、前記直流回路と前記多相電力変換装置との接続配線部に設定した2点間のインダクタンス成分に発生する電圧を検出する差電圧検出部、および前記差電圧検出部の出力が予め設定した閾値を越えたとき、前記多相電力変換装置内で短絡が発生したと判定する短絡検出部を備え、前記差電圧検出部と前記短絡検出部との間に、前記差電圧検出部の出力の直流成分を除去する微分回路を備えたものである。
本願に開示される多相電力変換装置は、以上のように、差電圧検出部により、接続配線部に設定した2点間のインダクタンス成分に発生する電圧を検出するようにしたので、特に電流変化率が大きい装置内で発生する短絡の現象を、過負荷の現象と確実に峻別して検出し判定することが出来る。
実施の形態1に係る多相電力変換装置の一般的な構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る多相電力変換装置の具体例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る多相電力変換装置の差電圧検出部および短絡検出部の具体例を示す回路図である。 実施の形態1に係る多相電力変換装置における短絡検出の動作原理を説明する第1の模式波形図である。 実施の形態1に係る多相電力変換装置における短絡検出の動作原理を説明する第2の模式波形図である。 実施の形態2に係る多相電力変換装置の差電圧検出部から短絡検出部に至る部分の具体例を示す回路図である。 実施の形態2に係る多相電力変換装置における短絡検出の動作原理を説明する模式波形図である。 実施の形態3に係る多相電力変換装置の差電圧検出部から短絡検出部に至る部分の具体例を示す回路図である。 実施の形態3に係る多相電力変換装置における短絡検出の動作原理を説明する模式波形図である。 実施の形態4に係る多相電力変換装置の差電圧検出部から短絡検出部に至る部分の具体例を示す回路図である。 実施の形態5に係る多相電力変換装置の具体例を示すブロック図である。 実施の形態6に係る多相電力変換装置の具体例を示すブロック図である。 実施の形態7に係る多相電力変換装置の一般的な構成を示すブロック図である。 実施の形態7に係る多相電力変換装置の具体例を示すブロック図である。 実施の形態8に係る多相電力変換装置の一般的な構成を示すブロック図である。 実施の形態8に係る多相電力変換装置の具体例を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る多相電力変換装置の一般的な構成を示すブロック図である。図1において、多相電力変換装置10は、直流回路100と交流回路120との間で電力変換を行うもので、主回路部11とこの主回路部11を制御する制御部12とで構成される。特に、制御部12は、直流回路100と多相電力変換装置10との接続配線部110に設定した2点P1、P2間のインダクタンス成分111に発生する差電圧を検出する差電圧検出部13および差電圧検出部13の出力に基づき多相電力変換装置内での短絡発生の有無を判定する短絡検出部14を備えている。
なお、図1では、接続配線部110の差電圧を検出する箇所として、正側配線上の2点P1、P2を設定する例を記載している。これは、一般に、負側配線は、コモンモードノイズ電流の影響を受けやすい傾向があり、これを避ける意図である。
このノイズの影響を考慮する必要が無い場合は、一般に接地レベルに構成される負側配線上に差電圧検出個所を設定するのが、後段でその詳細を説明する差電圧検出部13および短絡検出部14の絶縁処理を簡素化できる点でメリットがある。
図2は、実施の形態1に係る多相電力変換装置の具体的な構成を示すブロック図である。多相電力変換装置として、ここでは、直流回路100である直流電源100aの直流電力を3相の交流電力に変換し、交流回路120として3相の交流負荷である3相電動機120aを駆動する3相(多相)インバータ10aを一例として示している。
このような電動機駆動用の3相インバータ10aは、家電、電動自動車または産業用機器などで幅広く適用されている。
3相インバータ10aの主回路部11は、パワー半導体モジュールM1〜M6と平滑コンデンサ15とで構成される。
なお、ここでは、パワー半導体モジュールとしてMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)を例として記載しているが、本願はこれに限られるものではない。また、本願は、パワー半導体モジュールの個数、多相電力変換装置の相数、および電源または負荷の数、詳細な回路構成において、以下の例に限られるものでないことは明らかである。
また、ここでは、平滑コンデンサ15を搭載する例を示しているが、平滑コンデンサを搭載しない場合にも有効である。平滑コンデンサ15の有無による差異については、後段の図4、図5のところで説明する。
図3は、実施の形態1に係る多相電力変換装置の差電圧検出部13および短絡検出部14の具体的な回路構成例を示す図である。当該回路は、接続配線部110上の間隔を隔てて設定した2点P1、P2間のインダクタンス成分(ここでは、寄生インダクタンス成分)111に発生する差電圧Vdbをモニタする構成となっており、入力電流Ibが過電流状態にあることを検出する構成となっている。
具体的には、差電圧Vdbを演算増幅器OP1で構成した差動増幅回路で増幅し、比較器CP1で予め定めた基準電圧(閾値)Vref1と比較して過電流検出信号Sscを生成する構成になっている。差動増幅回路の出力には、抵抗R5とコンデンサC1とで構成するローパスフィルタを備え、差電圧Vdbに重畳したインパルスノイズを除去する構成としている。なお、図3において、抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4は差電圧検出部13の差動増幅回路を構成する要素である。
図4は、実施の形態1に係る多相電力変換装置における短絡検出の動作原理を示す模式波形図である。図4には、上段から順に、直流電源100aの電源電流Ibと、モニタする差電圧Vdbと、生成する過電流検出信号Sscとを示している。また、tscは短絡発生時刻、IbLは重負荷時の電源電流値、IbSは軽負荷時の電源電流値、Ibthは従来判定レベル、VdbLは重負荷時の差電圧、VdbSは軽負荷時の差電圧を表している。
時刻tscで短絡が発生して大電流が流れると、差電圧Vdbが破線で示す判定閾値Vdbth(図3の基準電圧Vref1が相当する)を超過したことを判定し、過電流検出信号Sscを生成する。
図中の実線波形は、重負荷時の波形例を示しており、一方で点線波形は、軽負荷時の波形例を示している。
多相電力変換装置においては、相数が増加したり、短絡個所の抵抗が大きい(パワー半導体モジュールにスポット状ショート故障が発生した場合など)場合等を想定すると、図4の上段図に示すように、軽負荷時に発生する短絡電流と重負荷時の正常な電流との差が縮小する。
従って、先の背景技術の欄で説明した特許文献3または特許文献4の場合のように、従来の電流センサ出力とシャント抵抗または寄生抵抗値とから換算した値から過電流を判定する場合、判定の閾値電流Ibthの設計マージンが縮小し、誤検出が発生しやすくなる。
ところで、接続配線部110に流れる電流Ibは、3相電動機120aのインダクタンス等によって制限されるため、millisecond(ms)オーダーの時定数で変化するのが一般的である。主回路部11に平滑コンデンサ15を搭載する場合は、電流Ibの電流変化の時定数はさらに長くなる。
これに対し、多相電力変換装置10a内、即ち、主回路部11に短絡が発生した場合は、小さなインダクタンスの迂回経路が発生するため、電流Ibは、microsecond(μs)オーダーの時定数で急峻に変化する。
以上のことから、インダクタンス成分111に発生する差電圧Vdbに基づいて、多相電力変換装置内で発生する短絡事象をその検出対象とする本実施の形態では、短絡発生時の電流Ibsの高い電流変化率dIbs/dtとインダクタンス成分Lbとの積で決まる高い差電圧Vdbの値に基づいて判定するので、図4の中段図に示すように、重負荷時の誤検出防止と過電流検出とが両立する設計範囲を広くすることができる。
図4は、図2で平滑コンデンサ15を搭載した場合の模式波形を示しているが、平滑コンデンサ15を搭載しない場合または平滑コンデンサ15の容量が小さい場合にも適用できる。
この場合、図5に示す通り、正常時に電源電流Ibにリップル波形が現れるため、それに伴って差電圧Vdbにもリップルが発生する。この正常時の電流変化率dIbn/dtは、3相電動機120a等の負荷側のインダクタンスによって小さな値に制限される。
一方で、短絡発生時には、負荷側のインダクタンスと関係なく電流が急増するため、その電流変化率dIbs/dtは大きな値になる。この性質を利用して、図3に示した比較器CP1の基準電圧Vref1は、インダクタンス成分111のインダクタンス値Lbと、回路の増幅率αと、通常動作時の最大電流変化率dIbn/dtと、短絡時の電流変化率dIbs/dtとに基づいて設定すればよい。
なお、上述の増幅率αは、検出した差電圧Vdbを差動増幅する場合のゲインに相当し、例えば、図3の回路では、α=R3/R1で求まる。
具体的に、通常動作時に誤検出せず、短絡時を異常として判定できるためには、以下の条件が要求される。
α・Lb・dIbn/dt<Vref1<α・Lb・dIbs/dt ・・(式1)
以上の説明では、短絡検出部14が多相電力変換装置内の短絡を検出して過電流検出信号Sscを生成した以降の動作について触れていないが、制御部12は、この過電流検出信号Sscの出力に応じて多相電力変換装置10aの電力変換動作を停止するようパワー半導体モジュールを制御することは言うまでもない。
なお、本願の方式では、故障したパワー半導体モジュールを特定することはできないため、電力変換動作を停止する方法としては、全パワー半導体モジュールを一旦オフするのが適当である。
以上のように、実施の形態1に係る多相電力変換装置は、直流電源100aと3相インバータ10aとの接続配線部110に設定した2点P1、P2間のインダクタンス成分111に発生する差電圧Vdbを検出する差電圧検出部13およびこの差電圧Vdbが予め設定した閾値Vdbthを越えたとき3相インバータ10a内で短絡が発生したと判定する短絡検出部14を備えたので、簡便小型な構成で、しかも、たとえ相数が増加したり、短絡個所の抵抗が大きい場合等を想定しても、3相インバータ10a内で発生する短絡の現象を確実に検出することが出来、変換器の故障または発火等の事故への波及を防止することが出来る。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、接続配線部110に設定した2点P1、P2間のインダクタンス成分111に発生する差電圧Vdbから短絡を検出することで、短絡の現象を過負荷等の現象と峻別する構成を採用している。
従って、仮に、この2点間にインダクタンス成分に加えて寄生抵抗成分が存在すると、その分、判定マージン減少の原因となり得る。
勿論、これを考慮して、この2点P1、P2を設定する接続配線部110を構成する往復導体部分の断面積を大きく、また、離反距離を増やす等の対策が望ましいが、実施の形態2は、この寄生抵抗成分の存在が無視できないと仮定した場合の対策案を提供するものである。
図6は、実施の形態2に係る多相電力変換装置の差電圧検出部13から短絡検出部14に至る部分の具体例を示す回路図である。なお、多相電力変換装置全体の構成は先の実施の形態1と変わるところがないので、その図示説明は省略する。
先の図3の回路と異なるのは、差電圧検出部13と短絡検出部14との間に、微分回路16を新たに挿入した点である。そして、差電圧Vdbを演算増幅器OP1で差動増幅した信号をこの微分回路16で微分する構成としている。
即ち、この微分回路16は、接続配線部110上の間隔を隔てた2点P1、P2間の寄生抵抗成分112の存在を想定し、差電圧検出部13の出力における、寄生抵抗成分112により発生する直流成分を除去する訳である。
なお、微分回路16の構成としては、図6では、コンデンサC1と抵抗R5で微分する構成としているが、これに限られるものではない。
図7は、実施の形態2に係る多相電力変換装置における短絡検出の動作原理を示す模式波形図である。図に示すように、重負荷時に発生する差電圧Vdbの直流成分を微分回路16で微分信号SdVに変換し、直流成分を除去する。時刻tscに短絡が発生して大電流が流れると、微分信号SdVが判定閾値SdVthを超過したことを判定し、過電流検出信号Sscを生成する。なお、図7において、SdVLは重負荷時の微分信号、SdVSは軽負荷時の微分信号を表している。
以上のように、実施の形態2に係る多相電力変換装置は、差電圧検出部13と短絡検出部14との間に、微分回路16を新たに挿入したので、接続配線部110上の寄生抵抗成分112の存在によって懸念される重負荷時の短絡誤検出を防止することができる。
実施の形態3.
先の実施の形態2では、モニタする差電圧Vdbを差動増幅し、微分回路16で微分する構成であった。しかし、この構成では、差電圧Vdbの直流成分を除去できる一方で、微分回路16を用いるために検出信号に重畳するノイズに対する耐性が低下する課題がある。
実施の形態3に係る多相電力変換装置は、この点を改良したものである。
図8は、実施の形態3に係る多相電力変換装置の差電圧検出部13から短絡検出部14に至る部分の具体例を示す回路図である。なお、多相電力変換装置全体の構成は先の実施の形態1と変わるところがないので、その図示説明は省略する。
先の図6の回路と異なるのは、微分回路16で微分した信号を積分回路17で積分する構成を追加していることである。積分回路17の構成としては、図8では、演算増幅器OP2を用いた不完全積分回路としているが、これに限られるものではない。なお、図8において、抵抗R6、コンデンサC2は積分回路17を構成する要素である。
図9は、実施の形態3に係る多相電力変換装置における短絡検出の動作原理を示す模式波形図である。図7と同様に、重負荷時に発生する差電圧Vdbの直流成分を微分回路16で微分信号SdVに変換し、直流成分を除去する。さらに、積分回路17により、微分信号SdVから積分信号SIVを生成し、この信号が判定閾値SIVthを超過したことをもって過電流と判定して過電流検出信号Sscを生成する。
ここで、電源電流をIb、接続配線部110上の2点P1、P2間の寄生抵抗成分112およびインダクタンス成分111をそれぞれRbおよびLbとすると、接続配線部110上の2点P1、P2間に発生する差電圧Vdbは以下の式で表される。
Vdb=Rb・Ib+Lb・dIb/dt ・・・ (式2)
式2において、右辺第一項は直流成分を表し、右辺第二項は交流成分を表す。本実施の形態3では、微分回路16と積分回路17とを経ることで、式2における、差電圧Vdbの直流成分Rb・Ibが除去され、交流成分Lb・dIb/dtにより短絡の判定を行う構成となり、検出信号に重畳するノイズに対する耐性の低下を抑制することが出来、重負荷時の誤検出を防止することができる。
以上のように、実施の形態3に係る多相電力変換装置は、微分回路16と短絡検出部14との間に、さらに、積分回路17を設ける構成としたので、微分回路16の検出信号に重畳するノイズに対する耐性の低下を抑制することが出来、重負荷時の誤検出を防止することができる。
実施の形態4.
先の実施の形態3では、モニタする差電圧Vdbを差動増幅し、微分回路16と積分回路17とで接続配線部110の寄生抵抗成分112によって発生する直流電流成分を除去することで、重負荷時の誤検出を防止するとともに検出信号に重畳するノイズに対する耐性の低下を抑制するものであった。
しかし、検出信号に交流性の大きなインパルスノイズが重畳した場合、例えば、接続配線部と主回路配線との磁気結合によりノイズが発生する場合、さらには、インバータを構成する半導体素子のスイッチングによる電流リップルに伴いノイズが発生する場合等、先の積分回路17の採用をもってしてもノイズによる誤検出が発生する懸念がある。
実施の形態4に係る多相電力変換装置は、この点を改良したものである。
図10は、実施の形態4に係る多相電力変換装置の差電圧検出部13から短絡検出部14に至る部分の具体例を示す回路図である。なお、多相電力変換装置全体の構成は先の実施の形態1と変わるところがないので、その図示説明は省略する。
先の図8の回路と異なるのは、1階積分する構成の積分回路17を、2階積分する構成の積分回路17aとしていることである。積分回路17aの構成としては、ここでは演算増幅器OP2、OP3を用いた不完全積分回路を2段設ける構成としているが、これに限られるものではない。
以上のように、実施の形態4に係る多相電力変換装置は、微分回路16と短絡検出部14との間に、2段の積分を行う積分回路17aを設ける構成としたので、モニタする差電圧Vdbの直流成分を除去すると共に、差電圧Vdbを積分する作用がある。このため、検出信号に交流性の大きなインパルスノイズが重畳したとしても、この積分作用によってノイズ成分が除去されノイズ耐性を向上させることができる。
実施の形態5.
図11は、実施の形態5に係る多相電力変換装置の具体例を示すブロック図である。
図11の多相電力変換装置10bは、3相交流発電機が相当する交流電源120cからの交流電力を直流電力に変換し、蓄電池が相当する直流電源100aに直流電力を供給する3相コンバータの例である。直流負荷100bは、直流電源100aから電力の供給を受ける。
3相コンバータ10bの主回路部11は、図2の3相インバータ10aと同様、その制御は、制御部12で行う。制御部12は、直流電源100aと3相コンバータ10bとの間の接続配線部110に設定した2点P1、P2間のインダクタンス成分111に発生する差電圧を検出する差電圧検出部13および差電圧検出部13の出力に基づき多相電力変換装置内での短絡発生の有無を判定する短絡検出部14を備えている。
なお、図11では、接続配線部110の差電圧を検出する箇所として、正側配線上の2点P1、P2を設定する例を記載しているが、先の実施の形態1で説明したと同様、負側配線上の2点間の差電圧を検出しても良い。
図11における差電圧検出部13および短絡検出部14の構成および動作は、先の各形態例の構成および動作と同様であるので、再度の説明は省略する。
以上のように、実施の形態5に係る多相電力変換装置は、交流電源120cからの交流電力を直流電力に変換する3相コンバータ10bと直流電源100aとの間の接続配線部110に設定した2点P1、P2間のインダクタンス成分111に発生する差電圧を検出することで、3相コンバータ10b内で発生する短絡を確実に検出することが出来る。
実施の形態6.
図12は、実施の形態6に係る多相電力変換装置の具体例を示すブロック図である。先の図2に示した実施の形態1と異なる点は、接続配線部110のインダクタンス成分として、3相インバータ10aの入力部に設けたフィルタ回路のインダクタンス成分を利用するものである。
本実施の形態6におけるフィルタ回路は、フィルタコンデンサ113とフィルタリアクトル111aおよび平滑コンデンサ15で構成されるパイ型フィルタの例を示しているが、これとは異なる他のフィルタ回路のインダクタンス成分を用いた構成であっても良い。
フィルタリアクトル111aのインダクタンス値は、接続配線部110の寄生インダクタンスのインダクタンス値よりも十分大きくなり、寄生抵抗成分が相対的に小さくなるので、先の実施の形態2で説明した、寄生抵抗成分による影響が抑制される効果がある。
また、モニタする差電圧Vdbの信号レベルが大きくなり、従って、例えば、差電圧検出部13での差動増幅回路を省略できる可能性もある。
さらに、パイ型フィルタ回路を設けたことにより、3相インバータ10aから発生するノイズを低減することができる。
なお、図12における差電圧検出部13および短絡検出部14の構成および動作は、先の各形態例の構成および動作と同様であるので、再度の説明は省略する。
以上のように、実施の形態6に係る多相電力変換装置の差電圧検出部13は、フィルタリアクトル111aのインダクタンス成分に発生する電圧を検出するようにしたので、寄生抵抗成分による影響が抑制される等の効果がある。
実施の形態7.
図13は、実施の形態7に係る多相電力変換装置の一般的な構成を示すブロック図である。先の図1の構成に対して、多相電力変換装置が、多相インバータの2つの主回路部11a、11bを有する多相電力変換装置10cで構成されている。
これにより、より大きな電力を変換し、2つの交流回路120を駆動することができる。
図14は、実施の形態7に係る多相電力変換装置の具体的な構成を示すブロック図である。図14の多相電力変換装置10cは、第一電力変換装置である主回路部11aと第二電力変換装置である主回路部11bとの直流側は互いに並列にして接続配線部110を介して直流回路である直流電源100aに接続され、主回路部11aと主回路部11bとの交流側は、それぞれ第一交流回路である3相電動機120aおよび第二交流回路である3相電動機120bに接続されている。なお、主回路部11aは、パワー半導体モジュールM1〜M6と平滑コンデンサ15aとで構成され、主回路部11bは、パワー半導体モジュールM7〜M12と平滑コンデンサ15bとで構成される。
本実施の形態7は、2つの3相電動機120aおよび120bを駆動する2群構成の多相電力変換装置で、例えば、電動自動車で採用されている。この構成においても、共通の制御部12に備えた差電圧検出部13および短絡検出部14により、2群の共通の経路となる接続配線部110に設定された2点P1、P2間のインダクタンス成分111に発生する差電圧に基づいて、2群で構成された多相電力変換装置内で発生する短絡を検出し、電力変換動作を停止して保護することが出来る。
以上のように、実施の形態7に係る多相電力変換装置は、2群の主回路部11a、11bを1個の接続配線部110を介して直流電源100aに接続することにより、2群の主回路部11a、11b内に発生する短絡を1個所で検出することができる。
実施の形態8.
図15は、実施の形態8に係る多相電力変換装置の一般的な構成を示すブロック図である。先の図14の多相電力変換装置が主回路部を並列に構成した2群構成であったのに対して、本実施の形態8の多相電力変換装置は、2群の主回路部を直列に構成した多相電力変換装置である。例えば、1段目が直流を直流に変換し、2段目が直流を交流に変換する構成がある。
図16は、実施の形態8に係る多相電力変換装置の具体的な構成を示すブロック図である。図16の多相電力変換装置10dは、直流電源100aの直流電力を昇圧した直流電力に変換する多相(3相)コンバータ主回路部11cおよび多相(3相)コンバータ主回路部11cで昇圧した直流電力を交流電力に変換して3相電動機120aを駆動する多相(3相)インバータ主回路部11dを備えた構成である。このような構成は、電動自動車で採用される構成である。なお、主回路部11cは、パワー半導体モジュールM1〜M6と平滑コンデンサ15aとで構成され、主回路部11dは、パワー半導体モジュールM7〜M12と平滑コンデンサ15bとで構成される。
この構成においても、共通の制御部12に備えた差電圧検出部13および短絡検出部14により、多相(3相)コンバータ主回路部11cの入力側と直流電源100aとの接続配線部110に設定された2点P1、P2間のインダクタンス成分111に発生する差電圧に基づいて、2群で構成された多相電力変換装置内で発生する短絡を検出し、電力変換動作を停止して保護することが出来る。
本実施の形態では、3つの昇圧リアクトル18a〜18cを並列にした3相構成を例として示している。差電圧検出部13の具体的な構成は、実施の形態1から実施の形態4で説明した構成のいずれであってもよく、その詳細な動作の説明は割愛する。
以上のように、実施の形態8に係る多相電力変換装置は、2群の主回路部11c、11dを1個の接続配線部110を介して直流電源100aに接続することにより、2群の主回路部11c、11d内に発生する短絡を1個所で検出することができる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
10,10a,10b,10c,10d 多相電力変換装置、11 主回路部、11a,11b 多相(3相)インバータ主回路部、11c 多相(3相)コンバータ主回路部、11d 多相(3相)インバータ主回路部、12 制御部、13 差電圧検出部、14 短絡検出部、15 平滑コンデンサ、16 微分回路、17,17a 積分回路、100 直流回路、100a 直流電源、100b 直流負荷、110 接続配線部、111 インダクタンス成分、111a フィルタリアクトル、112 寄生抵抗成分、120 交流回路、120a,120b 3相電動機、120c 交流電源。

Claims (10)

  1. 直流回路と交流回路との間で電力変換を行う多相電力変換装置であって、
    前記直流回路と前記多相電力変換装置との接続配線部に設定した2点間のインダクタンス成分に発生する電圧を検出する差電圧検出部、および前記差電圧検出部の出力が予め設定した閾値を越えたとき、前記多相電力変換装置内で短絡が発生したと判定する短絡検出部を備え、
    前記差電圧検出部と前記短絡検出部との間に、前記差電圧検出部の出力の直流成分を除去する微分回路を備えた多相電力変換装置。
  2. 前記微分回路と前記短絡検出部との間に、前記微分回路の出力を積分する積分回路を備えた請求項1記載の多相電力変換装置。
  3. 前記接続配線部にフィルタリアクトルを挿入する場合、前記差電圧検出部は、前記フィルタリアクトルのインダクタンス成分に発生する電圧を検出するようにした請求項1または請求項2に記載の多相電力変換装置。
  4. 複数の前記多相電力変換装置を1個の前記接続配線部を介して前記直流回路に接続することにより前記複数の前記多相電力変換装置内で発生する短絡を1個所で検出可能とした請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の多相電力変換装置。
  5. 前記多相電力変換装置である第一電力変換装置と第二電力変換装置とを備え、前記第一電力変換装置と前記第二電力変換装置との直流側は互いに並列にして前記接続配線部を介して前記直流回路に接続され、前記第一電力変換装置と前記第二電力変換装置との交流側は、それぞれ前記交流回路である第一交流回路および第二交流回路に接続された請求項4記載の多相電力変換装置。
  6. 前記多相電力変換装置は、前記直流回路からの直流電力を交流電力に変換して前記交流回路に出力する多相インバータである請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の多相電力変換装置。
  7. 前記多相電力変換装置は、前記交流回路からの交流電力を直流電力に変換して前記直流回路に出力する多相コンバータである請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の多相電力変換装置。
  8. 前記多相電力変換装置は、前記直流回路からの直流電力を直流電力に変換する多相コンバータおよび前記多相コンバータからの直流電力を交流電力に変換して前記交流回路に出力する多相インバータを備えた請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の多相電力変換装置。
  9. 前記直流回路は直流電源であり、前記交流回路は交流負荷である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の多相電力変換装置。
  10. 前記直流回路は直流負荷であり、前記交流回路は交流電源である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の多相電力変換装置。
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