以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、縦長の方形状に形成された外枠と、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)6と、遊技盤6を支持固定する遊技機用枠(台枠)と、遊技機用枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2とを備えて構成されている。遊技機用枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(遊技盤6を除く)とを含む構造体である。遊技盤6には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域7が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技盤6における右側下部位置)には、第1特別図柄表示装置(第1可変表示部)8aと、第2特別図柄表示装置(第2可変表示部)8bとが設けられている。第1特別図柄表示装置8aは、第1特別図柄の可変表示を行う第1表示部としてのLED403と、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を表示可能で停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としての7セグメントLED404とを備えている。第2特別図柄表示装置8bは、第2特別図柄の可変表示を行う第1表示部としてのLED405と、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を表示可能で停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としての7セグメントLED406とを備えている。
第1特別図柄表示装置8aと第2特別図柄表示装置8bはそれぞれ、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。第1特別図柄表示装置8aでは、可変表示中にLED403が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED403が消灯状態となり、表示結果に応じて7セグメントLED404を構成するLEDのうちの所定のLED(セグメント)が点灯状態となる。第2特別図柄表示装置8bでは、可変表示中にLED405が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED405が消灯状態となり、表示結果に応じて7セグメントLED406を構成するLEDのうちの所定のLED(セグメント)が点灯状態となる。
なお、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置8aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特別図柄」や「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置8bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特別図柄」や「第2特図」ともいう。
遊技盤6における遊技領域7の中央付近には、画像表示装置9が設けられている。画像表示装置9は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置9の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置8aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置8bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置9の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置9の表示領域では、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置9の表示領域における右上方部には、飾り図柄と特別図柄および普通図柄に次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9a、9b、9c、9dが設けられている。第4図柄表示領域9aは、第1特図を用いた特図ゲームに同期して第1特別図柄用の第4図柄を可変表示する第1表示部となる第1特別図柄用の第4図柄表示領域である。第4図柄表示領域9bは、第1特図が停止表示(停止図柄の導出表示)されたときに第1特別図柄用の第4図柄を停止表示(赤色表示または青色表示)する第2表示部としての第1特別図柄用の第4図柄表示領域である。第4図柄表示領域9cは、第2特図を用いた特図ゲームに同期して第2特別図柄用の第4図柄を可変表示する第1表示部となる第2特別図柄用の第4図柄表示領域である。第4図柄表示領域9dは、第2特図が停止表示(停止図柄の導出表示)されたときに第2特別図柄用の第4図柄を停止表示(赤色表示または青色表示)する第2表示部としての第2特別図柄用の第4図柄表示領域である。
画像表示装置9の表示領域では、特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄の可変表示が実行される。一方で、画像表示装置9を用いた演出を行う場合には、例えば、飾り図柄の可変表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われることや、可動部材が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われることなどにより、演出態様を多様化させることがある。そのため、画像表示装置9における表示画面を見ていても、現在の状態が可変表示中であるか否かを認識しにくい場合がある。そこで、画像表示装置9の表示領域における一部では、さらに第4図柄の可変表示を行うことにより、第4図柄の状態を確認すれば現在の状態が可変表示中であるか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で可変表示され、画面上から消えたり可動部材などで遮蔽されることがないように配置され、常に視認することができればよい。
画像表示装置9の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア18cが配置されてもよい。始動入賞記憶表示エリア18cでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、第1始動入賞口13aや可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bに遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
例えば、第1始動入賞口13aを遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア18cは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留数表示エリア18c1と、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する第2保留数表示エリア18c2と、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bのいずれで特図ゲームが実行されているかを把握可能に表示する変動中特図表示エリア18ccとを、含んでいる。例えば第1特別図柄表示装置8aによる特図ゲームが開始されるときには、第1保留数表示エリア18c1にて所定の表示色(例えば青色表示)となっている表示部位のうちの1つ(例えば青色表示となっている表示部位のうち右端の表示部位)を非表示(透明色)に変化させる。このときには、変動中特図表示エリア18ccにて第1特図を用いた特図ゲームが実行されることを認識可能に示す演出画像(例えば丸囲みの数字「1」を示すキャラクタ画像)を表示する。これに対して、例えば第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームが開始されるときには、第2保留数表示エリア18c2にて所定の表示色(例えば赤色表示)となっている表示部位のうちの1つ(例えば赤色表示となっている表示部位のうち右端の表示部位)を非表示(透明色)に変化させる。このときには、変動中特図表示エリア18ccにて第2特図を用いた特図ゲームが実行されることを認識可能に示す演出画像(例えば丸囲みの数字「2」を示すキャラクタ画像)を表示する。
始動入賞記憶表示エリア18cとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア18cに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア18cとともに、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器18aと第2保留表示器18bとが設けられている。第1保留表示器18aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器18bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器18aと第2保留表示器18bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置9の周囲における飾り部上方には、演出用の可動部材78が設けられている。この可動部材78は、例えば演出用モータの回転軸に取り付けられ、演出用モータが回転することで画像表示装置9の前方に移動するものであればよい。
遊技盤6の盤面上に形成された遊技領域7には、画像表示装置9の天辺よりも左側の左遊技領域7A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域7B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域7Aと、第2遊技領域である右遊技領域7Bは、例えば遊技領域7の内部における画像表示装置9の端面や釘の配列などにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域7に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域7Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列に沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域7Bへと誘導不可能または誘導困難となる。また、第2遊技領域である右遊技領域7Bへと誘導された遊技球は、例えば釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域7Aへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域7Aにおいて、画像表示装置9の下方に第1始動入賞口13aが設けられている。右遊技領域7Bにおいて、画像表示装置9の右側には、通過ゲート32と、第2始動入賞口13bを形成する可変入賞球装置15とが設けられ、画像表示装置9の下方には、通常アタッカー20Aと確変アタッカー20Bからなる特別可変入賞球装置20が設けられている。
第1始動入賞口13aは、画像表示装置9の直下に設けられており、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行った場合に遊技球が入賞(通過)しやすく、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行った場合には、遊技球の流下経路上に設けられた釘や誘導部材39a〜39cの配置などによって遊技球が入賞(通過)不可能または入賞(通過)困難になっている。したがって、第1始動入賞口13aは、左遊技領域7Aに属する。また、第2始動入賞口13bを形成する可変入賞球装置15は、第1始動入賞口13aの下方に設けられているが、遊技者が右打ちを行うことで、遊技球が通過ゲート32を通過し、可変入賞球装置15が開放状態となり、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞(通過)することを期待できる。そのため、第2始動入賞口13bを形成する可変入賞球装置15は、右遊技領域7Bに属する。
可変入賞球装置15は、普通電動役物用のソレノイド16によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)であり、第2始動入賞口13bを形成する。一例として、可変入賞球装置15では、普通電動役物用のソレノイド16がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、可変入賞球装置15では、普通電動役物用のソレノイド16がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、可変入賞球装置15は、ソレノイド16がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口13bを遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド16がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、右遊技領域7Bには、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)可能な第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能または通過(進入)困難な第2可変状態とに変化可能な可変入賞球装置15が設けられている。
第1始動入賞口13aに進入した遊技球は、第1始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15に形成された第2始動入賞口13bに進入した遊技球は、第2始動口スイッチ15aによって検出される。第1始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ15aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ15aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
通常アタッカー20Aは、可変入賞球装置15の直下に配置され、右打ちしたときに誘導部材39bや釘の配列40により誘導された遊技球が入賞(進入)しやすい位置にある。確変アタッカー20Bは、例えば画像表示装置9の右下方にて誘導部材39b、39cによって形成される経路上といった、右打ちしたときに遊技球が入賞(進入)しやすい経路上に配置されている。このように、通常アタッカー20Aと確変アタッカー20Bはいずれも、右遊技領域7Bに属している。
通常アタッカー20Aは、通常アタッカー用のソレノイド21aによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する第1特別可変入賞球装置である。一例として、通常アタッカー20Aでは、ソレノイド21aがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、通常アタッカー20Aでは、ソレノイド21aがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。通常アタッカー20Aにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、この遊技球がカウントスイッチ23aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、通常アタッカー20Aにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、通常アタッカー20Aにおいて大入賞口が開放状態になれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。これに対して、通常アタッカー20Aにおいて大入賞口が閉鎖状態になれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
確変アタッカー20Bは、可変入賞球装置15の右斜め上方に設けられて、確変アタッカー用のソレノイド21bによって開閉駆動される開閉板23bを備え、その開閉板23bによって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する第2特別可変入賞球装置である。一例として、図40に示すように、確変アタッカー20Bでは、ソレノイド21bがオフ状態であるときに開閉板23bが収納された状態である閉鎖位置となり大入賞口を閉鎖状態にする(例えば図40(d))。その一方で、確変アタッカー20Bでは、ソレノイド21bがオン状態であるときに開閉板23bが突出された状態である開放位置となり大入賞口を開放状態にする(例えば図40(a))。このような確変アタッカー20Bを採用することにより、遊技球の入賞率を開放時間に合わせて調整することが容易となり、確変制御条件が成立する割合を容易に調整することができる。しかしながら、図40(a)に示すように、開放状態となった大入賞口が狭いことや開閉板23bを突出された状態と収納された状態とに変化させることで開閉動作を行うことから、確変アタッカー用の大入賞口扉に遊技球が挟まる、いわゆる球噛みといった状態が発生するおそれがある。
確変アタッカー20Bにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、この遊技球が確変検出スイッチ24aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、確変アタッカー20Bにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、確変アタッカー20Bにおいて大入賞口が開放状態になれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。これに対して、確変アタッカー20Bにおいて大入賞口が閉鎖状態になれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
確変アタッカー20Bにおいて大入賞口に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチ24aによって検出されることにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が、通常状態よりも大当り遊技状態に制御されやすい高確率状態(確変状態ともいう)となる。なお、確変アタッカー20Bにおいて大入賞口が開放状態となっても、確変検出スイッチ24aにより遊技球が検出されなければ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が高確率状態にはならない。また、通常アタッカー20Aや確変アタッカー20Bにおいて、大入賞口を遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。なお、この実施の形態では、詳しくは後述するが、特定の大入賞口開放パターンテーブルにしたがって確変アタッカー20Bの大入賞口を開放状態に制御する場合において、大入賞口の開放を開始してから所定の開放回数までの期間内に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチ24aによって検出されることにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態に制御されるのに加え、大当り遊技状態中に特別な演出を実行することや、遊技情報に含まれる遊技ポイントを加算する、などといった特典が付与されたりする場合がある。また、詳しくは後述するが、開放時間が短い開放パターンにしたがって確変アタッカー20Bの大入賞口を開放状態に制御されている場合に、予め定められた回数の入賞が確変検出スイッチ24aによって検出されることにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態に制御されるのに加え、大当り遊技状態中に特別な演出を実行することや、遊技情報に含まれる遊技ポイントを加算する、などといった特典が付与される場合がある。なお、遊技情報は、遊技の終了後に携帯端末で読み取り可能な2次元コードとして出力され、遊技者は、遊技者の所有する携帯端末でこの2次元コードを読み取ることにより、後述する管理サーバへアクセスし、遊技情報に基づいて遊技者にとって有益(経済的、心理的のどちらであってもよい。)なコンテンツ(専用コンテンツ)を取得することができる。
遊技盤6の所定位置(図1に示す例では、遊技領域7の中段左側方)には、普通図柄表示器10が設けられている。一例として、普通図柄表示器10は、普通図柄の可変表示を行う第1表示部としてのLED401と、停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としてのLED402とを備えて構成される。普通図柄表示器10では、可変表示中にLED401が所定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED401が消灯状態となり、表示結果に応じてLED402が点灯状態(普図当りの場合)または消灯状態(普図ハズレの場合)のいずれかの状態となる。このように、普通図柄表示器10は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器10の近傍には、通過ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普図保留表示器41が設けられている。通過ゲート32を通過した遊技球がゲートスイッチ32aによって検出されたときには、普図保留表示器41において点灯するLEDを1増加させる。一方、普通図柄表示器10による普図ゲームの実行が開始されるときには、点灯するLEDを1減少させる。
遊技盤6の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bおよび大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。例えば通常アタッカー20Aの周辺には、入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29cに入賞(進入)した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出される一方、入賞口29dに入賞(進入)した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。入賞口29a〜29dのいずれかに遊技球が進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域7の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口26が設けられている。
遊技領域7の左右上下部には、効果音等を再生出力するためのスピーカ27が設けられており、さらに遊技領域7の周辺部には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cを含んだ装飾用ランプ28が設けられている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cは、パチンコ遊技機1に設けられた装飾発光体の一例である。その他にも、例えばパチンコ遊技機1の遊技領域7における各構造物(例えば可変入賞球装置15、通常アタッカー20A、確変アタッカー20B等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。例えば、打球操作ハンドル5は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル5には、打球発射装置が備える発射モータ(駆動モータ)の駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。パチンコ遊技機1では、遊技球の発射間隔が、例えば0.6秒といった、一定の間隔になるように設定されていればよい。ただし、打球発射装置に遊技球が供給されなければ、遊技球を発射することはできない。すなわち、例えば0.6秒といった一定の発射間隔は、遊技球を最も短い間隔で発射することができる最短発射間隔となるものであればよい。
遊技領域7の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が所定の操作を可能な操作ボタン112が設置されている。なお、操作ボタン112は、遊技者による押下操作が可能な押しボタンスイッチが設けられるだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルが設けられてもよい。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技領域の下方における遊技機用枠の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラが取り付けられている。スティックコントローラは、遊技者が把持する操作桿を含む。スティックコントローラAの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作(遊技者の操作行為)を指示入力として検知する傾倒方向センサユニットなどからなるコントロールセンサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤6の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。コントロールセンサユニットは、スティックコントローラに対する遊技者の操作行為を検知して、操作行為に応じた操作検出信号を出力する。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン112が設けられている。プッシュボタン112は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作(遊技者の操作行為)を指示入力として、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検知できるように構成されていればよい。プッシュボタン112の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン112に対してなされた遊技者の操作行為を指示入力として検知するプッシュセンサが設けられていればよい。プッシュセンサは、プッシュボタン112に対する遊技者の操作行為を検知して、操作行為に応じた操作検出信号を出力する。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、第1始動入賞口13aを遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が第1始動口スイッチ14aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるとともに、画像表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特図を用いた特図ゲームと飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応して実行される。
可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が第2始動口スイッチ15aによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されとともに、画像表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特図を用いた特図ゲームと飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応して実行される。ただし、可変入賞球装置15が第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
右遊技領域7Bに設けられた通過ゲート32を通過した遊技球がゲートスイッチ32aによって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器10にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器10による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15を構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板80に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置9の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアは、それぞれの位置が画像表示装置9の表示領域において固定的でなくてもよいし、3つのエリアが離れていてもよい。特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置9において、最終停止図柄となる確定飾り図柄が導出表示される。
第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置9において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置9の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
飾り図柄の可変表示態様は、画像表示装置9の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態となることで、「リーチ」になることがある。具体的な一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態となることで、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」(「リーチ状態」や「リーチ態様」ともいう)になる。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置9の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。こうした「リーチ」にはならない飾り図柄の可変表示態様を、「非リーチ」という。
大当り遊技状態では、通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bにおける大入賞口が開放状態となって遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば6個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。通常アタッカー20Aにおいて大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23aにより入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「5」または「15」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、可変入賞球装置15を第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御、あるいは、これらの制御の一部または全部を組み合わせることにより、可変入賞球装置15を有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。このように、可変入賞球装置15を有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。高開放制御により第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)しやすくなる遊技状態は、有利遊技状態(「高ベース状態」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「5」となったときに、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて、確変アタッカー20Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「5」以外であるときには、通常アタッカー20Aにおける大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて、通常アタッカー20Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、確変アタッカー20Bに進入した遊技球が確変検出スイッチ24aによって検出されることで、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。すなわち、確変検出スイッチ24aの設置箇所を特定領域とし、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、所定の確変制御条件を成立させることができる。
大当り遊技状態中のラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「5」であるとき(第5ラウンド)には、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とする回数や時間が異なる複数の開放パターンがあり、これらのパターンは、「確変1」〜「確変7」といった、大当り種別に対応付けられている。各開放パターンや大当り種別の詳細については後述するが、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とする回数や時間が異なるため、各開放パターンに応じて大入賞口を遊技球が通過(進入)する確率が異なっている。したがって、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件の成立確率も異なる。なお、大当り種別を複数種類のいずれとするかは、例えば特図ゲームの開始時に可変表示結果を「大当り」とする決定がなされたことに対応して、所定割合で決定される。さらに、後述するように、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とする時間のうち、短期開放を行う時間も各開放パターンに応じて異なるため、特別な演出が実行したり遊技ポイントを加算する、などといった特典が付与される確率も異なっている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板31、演出制御基板80、音声制御基板70、ランプ制御基板35といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板31と演出制御基板80との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板77なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板31は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板31は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板80などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板31は、第1特別図柄表示装置8aと第2特別図柄表示装置8bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器10の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板31には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド16、通常アタッカー用のソレノイド21a、確変アタッカー用のソレノイド21bに伝送する。
演出制御基板80は、主基板31とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板77を介して主基板31から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置9、スピーカ27および装飾用ランプ28や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板80は、画像表示装置9における表示動作や、スピーカ27からの音声出力動作の全部または一部、装飾用ランプ28や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板70は、演出制御基板80とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板80からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ27から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板35は、演出制御基板80とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板80からの指令や制御データなどに基づき、装飾用ランプ28や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板31には、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ15a)、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ23aおよび確変検出スイッチ24a)、入賞口スイッチ30a、30bといった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板31には、第1特別図柄表示装置8a、第2特別図柄表示装置8b、普通図柄表示器10などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板31から演出制御基板80に向けて伝送される制御信号は、中継基板77によって中継される。中継基板77を介して主基板31から演出制御基板80に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置9における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ27からの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、装飾用ランプ28や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、主基板31の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント(更新)可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として可変入賞球装置15を第1可変状態となる開放状態や拡大開放状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。また、RAM102には、後述する大入賞口開放前ワークテーブル、普電開放ワークテーブル、といった各ワークテーブルがセットされる領域(ワークテーブル記憶領域)が予め用意されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
演出制御基板80には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置9における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板80では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板80の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板80の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板80に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板80には、画像表示装置9に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板70に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板35に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板80には、操作ボタン112に対する遊技者の指示操作(例えば押下操作など)を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、操作検出ユニット107から伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板80では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板80に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板80に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板80に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置9における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置9の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板80に搭載されたI/O125は、例えば主基板31などから伝送された演出制御コマンドや操作検出ユニット107から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板80の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置9へと伝送される映像信号や、音声制御基板70へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板35へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板70には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板70では、演出制御基板80から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ27に出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板35には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板35では、演出制御基板80から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して装飾用ランプ28や装飾用LEDなどに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板31では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、4ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
図3は、遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。この遊技制御用タイマ割込み処理において、CPU103は、スイッチ処理を実行する(ステップS11)。スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15b、カウントスイッチ23a、確変検出スイッチ24aといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。
続いてCPU103は、メイン側エラー処理を実行する(ステップS12)。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。図4は、図3のステップS12におけるメイン側エラー処理内にて行われる入賞エラー判定処理の一例を示すフローチャートである。入賞エラー処理では、RAM102の所定領域に設けられたソレノイド出力データテーブルに格納されている8ビットのデータにより示される状態と、カウントスイッチ23a、確変検出スイッチ24a、第2始動口スイッチ15aといった各スイッチの状態とを比較することにより不正な入賞があったか否かを判定する。入賞エラー判定処理において、CPU103は、例えば、RAM102の所定領域に設けられたソレノイド出力データテーブルに格納されている8ビットのデータのうち、後述するソレノイド出力データD1がオン状態であるか否かを判定する(ステップS51)。具体的には、ソレノイド出力データD1に「1」がセットされている場合にはオン状態であると判定し、「0」がセットされている場合にはオフ状態であると判定すればよい。ソレノイド出力データD1がオフ状態である場合(ステップS51;No)、例えば、カウントスイッチ23aがオンであるか否かを判定することにより(ステップS52)、カウントスイッチ23aにより入賞球が検出されたか否かを判定する。
ソレノイド出力データD1がオン状態である場合や(ステップS51;Yes)、カウントスイッチ23aがオフ状態である場合(ステップS52;No)、ソレノイド出力データテーブルに格納されている8ビットのデータのうち、後述するソレノイド出力データD3がオン状態であるか否かを判定する(ステップS53)。具体的には、ソレノイド出力データD3に「1」がセットされている場合にはオン状態であると判定し、「0」がセットされている場合にはオフ状態であると判定すればよい。ソレノイド出力データD3がオフ状態である場合(ステップS53;No)、例えば、確変検出スイッチ24aがオンであるか否かを判定することにより(ステップS54)、確変検出スイッチ24aにより入賞球が検出されたか否かを判定する。
ソレノイド出力データD3がオン状態である場合や(ステップS53;Yes)、確変検出スイッチ24aがオフ状態である場合(ステップS54;No)、ソレノイド出力データテーブルに格納されている8ビットのデータのうち、後述するソレノイド出力データD2がオン状態であるか否かを判定する(ステップS55)。具体的には、ソレノイド出力データD2に「1」がセットされている場合にはオン状態であると判定し、「0」がセットされている場合にはオフ状態であると判定すればよい。ソレノイド出力データD2がオフ状態である場合(ステップS55;No)、例えば、第2始動口スイッチ15bがオンであるか否かを判定することにより(ステップS56)、第2始動口スイッチ15bにより入賞球が検出されたか否かを判定する。なお、ソレノイド出力データの構成については後述する。
ステップS56にて第2始動口スイッチ15bがオンであると判定した場合(ステップS56;Yes)、例えば、第2特図保留記憶数更新禁止フラグをセットするなどにより、第2特図保留記憶数の更新を禁止する設定を行う(ステップS57)。ステップS57の処理を実行した後や、ステップS52にて下大入賞口スイッチがオンである場合(ステップS52;Yes)や、ステップS56にて第2始動口スイッチがオン状態である場合には(ステップS55;Yes)、賞球の払出しを禁止するための設定を行う(ステップS58)。例えば、ステップS58の処理において、CPU103は、I/O105に含まれる出力ポートのうち払出制御基板に対して賞球個数信号を送信するための出力ポートをクリアすることにより、賞球個数信号の送信を停止させる。また、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた賞球個数設定バッファや、I/O105にて賞球個数信号を送信するための出力ポートにつき、制御データの書込みを禁止することにより、賞球数の設定が行われないようにする。なお、入賞エラー判定処理において不正な入賞があったことを判定するにあたり、ソレノイド出力データテーブルに格納されている8ビットのデータにより示される状態と、カウントスイッチ23a、確変検出スイッチ24a、第2始動口スイッチ15bといった各スイッチの状態とを比較する前に、後述するプロセスフラグの値(特図プロセスフラグや普図プロセスフラグの値)を参照するようにし、プロセスフラグの値に応じて、異常報知処理を実行するか否かを判定してもよい。また、ラウンド数に応じて異常報知処理を実行するか否かを判定してもよい。さらに、決定された大当り種別に応じて異常報知処理を実行するか否かを判定してもよい。また、決定された大当り種別に応じてカウントスイッチ23a、確変検出スイッチ24a、第2始動口スイッチ15bといった各スイッチのうち、判定すべきスイッチを決定するようにしてもよい。
ステップS58の処理を実行した後、異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS59)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS59の異常報知処理では、所定の報知画面を画像表示装置9の表示領域に表示させること、スピーカ27から所定の警告音を出力させること、装飾用ランプ28に含まれる所定の警告ランプや全ランプを点灯させること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることにより、異常を報知するための設定が行われる。一例として、CPU103は、検出された入賞エラーの種類に応じてEXTデータが異なる異常入賞報知指定コマンドを、演出制御基板80に対して送信するための設定を行う。例えば、ステップS52にてカウントスイッチ23aがオンであると判定されたときと、ステップS54にて確変検出スイッチ24aがオンであると判定されたとき、ステップS56にて第2始動口スイッチ15bがオンであると判定されたときとでは、EXTデータが異なる異常入賞報知指定コマンドを送信することにより、発生した入賞エラーの種類を特定可能とすればよい。
異常入賞報知指定コマンドの送信設定を行うときには、検出された入賞エラーの種類に応じたコマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(コマンドテーブルアドレス)を、RAM102に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタが指定するバッファ領域にセットすればよい。こうして設定された異常入賞報知指定コマンドは、例えば図3のステップS17にてコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80へと伝送されればよい。以下、各種の制御コマンドを演出制御基板80などのサブ側の制御基板に送信するための設定を行う処理において、同様の設定が行われればよい。
異常入賞報知指定コマンドを受信した演出制御基板80では、例えば演出制御用マイクロコンピュータの演出制御用CPU120が報知制御処理を実行することなどにより、入賞エラーの種類に応じた報知動作が行われるようにすればよい。こうした報知動作の一例として、例えばステップS52にてカウントスイッチ23aがオンであると判定されたときには、図5(A)に示すような第1異常報知画面が画像表示装置9の表示領域に表示される。また、例えばステップS54にて確変検出スイッチ24aがオンであると判定されたときには、図5(B)に示すような第2異常報知画面が画像表示装置9の表示領域に表示される。例えばステップS56にて第2始動口スイッチ15bがオンであると判定されたときには、図5(C)に示すような第3異常報知画面が画像表示装置9の表示領域に表示される。
図3に戻り、ステップS12のメイン側エラー処理を実行した後には、情報出力処理を実行し(ステップS13)、その後遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板31の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
続いてCPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置8aや8bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器10における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や可変入賞球装置15における可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。この普通図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、その普図プロセスフラグの値に対応して、普通図柄表示装置10による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示を行うための各種設定や、普通電動役物用のソレノイド16の駆動制御により可変入賞球装置15に設けられた可動翼片を垂直位置(閉鎖状態)あるいは傾動位置(開放状態)とするための各種設定などが行われる。
ステップS16の普通図柄プロセス処理を実行した後は、コマンド制御処理を実行する(ステップS17)。コマンド制御処理は、主基板31から演出制御基板80などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板80に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図6は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図7は、始動入賞判定処理として、図6のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞口13aに対応して設けられた第1始動口スイッチ14aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ14aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ14aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、例えばRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ13aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bに対応して設けられた第2始動口スイッチ15aからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ15aがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ15aがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、例えばRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えばRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS208の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが第1特図保留記憶部151Aにセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが第2特図保留記憶部151Bにセットされる。なお、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データは、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したときに抽出されるものに限定されず、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときに抽出されるようにしてもよい。
第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
ステップS210の処理に続いて、始動入賞時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、演出制御基板80に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板80に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。第1始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)したことにより第1始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)したことにより第2始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。また、演出制御基板80に対して合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてもよい。あるいは、始動入賞の発生により増加した第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてもよい。
ステップS211の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、始動入賞判定処理を終了する。
図6に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開閉制御する処理や、カウントスイッチ23aまたは確変検出スイッチ24aによって検出された遊技球の個数などに基づいて、通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、設定されている大入賞口開放パターンテーブルや確変アタッカー20Bにおける大入賞口への入賞個数に応じて特典付与決定コマンドや確変検出コマンドの送信を設定する処理などが含まれている。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、実行可能なラウンド遊技の回数が「0」であるか否かを判定する処理や、大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、実行可能なラウンド遊技の回数が「0」でないときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、実行可能なラウンド遊技の回数が「0」であるときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置9、スピーカ27、装飾用ランプ28や装飾用LEDなどといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図8は、特別図柄通常処理として、図6のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、確変制御が行われる確変状態であるか否かなどに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図9(A)は、ステップS239の処理における決定例を示している。この決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、ステップS239にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図指定バッファ値などに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図9(B)は、ステップS242の処理における決定例を示している。この決定例では、開始条件が成立した特図ゲームにて可変表示される特別図柄(変動特図)が、第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。ここで、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには、第1特別図柄表示装置8aによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第1特図となる。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには、第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第2特図となる。図9(B)に示す決定例では、変動特図が第1特図であるときに、大当り種別が「確変1」〜「確変5」、「確変7」のいずれかに決定される。一方、変動特図が第2特図であるときには、大当り種別が「確変6」または「確変7」のいずれかに決定される。詳しくは後述するが、「確変6」や「確変7」といった大当り種別は、ラウンド数が「5」のラウンド遊技において、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とする時間が、他の大当り種別に対応する時間よりも長く設定されている。したがって、「確変6」や「確変7」といった大当り種別の場合には、他の大当り種別の場合よりも確変アタッカー20Bにおける大入賞口に遊技球が入賞し易く、確変制御条件が成立しやすい。すなわち、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合には、第1始動入賞口13aを遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合よりも、確変制御条件が成立しやすい。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、決定される大当り種別の割合を異ならせてもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。ステップS243の処理では、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することで、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図6に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置9において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板31から演出制御基板80に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図10は、特別図柄停止処理として、図3のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS265の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS261;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS262)。また、図柄確定時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS263)。例えば、図柄確定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドを、演出制御基板80に対して送信するための設定が行われる。さらに、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば500ミリ秒)を設定する(ステップS264)。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS265)、特別図柄停止処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行される。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS261;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS266)。このとき、特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS266;No)、特別図柄停止処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行され、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS266にて特図確定表示時間が経過した場合には(ステップS266;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS267)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS268)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS268;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS269)。このときには、大当り開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS270)。また、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする(ステップS271)。続いて、時短制御(高開放制御を含む)や確変制御を終了するための設定を行う(ステップS272)。例えば、ステップS272の処理として、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理、確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための確変回数カウンタをクリアする処理などが、実行されればよい。
時短回数カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態や時短状態となる場合に、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「70」)が設定されればよい。確変回数カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる場合に、確変制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「71」)が設定されればよい。
ステップS272の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS273)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図6に示すステップS114の大当り開放前処理が実行される。
ステップS268にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS268;No)、時短制御(高開放制御を含む)や確変制御を終了させるか否かの判定を行う(ステップS274)。一例として、ステップS274の処理では、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、所定の時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短制御や高開放制御を終了すればよい。一方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持するなどして、ステップS274の処理を終了すればよい。
また、ステップS274の処理では、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するなどして更新する。そして、更新後の確変回数カウント値が所定の確変終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。このとき、確変終了判定値と合致すれば、所定の確変フラグをクリアすることなどにより、確変制御を終了すればよい。一方、確変終了判定値と合致しなければ、確変フラグの状態を維持するなどして、ステップS274の処理を終了すればよい。
ステップS274の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS275)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“0”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図6に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図11は、大当り開放前処理として、図6のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS321)。ここで、大当り開始フラグは、大当り遊技状態の開始に対応して、図10に示すステップS271の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS321にて大当り開始フラグがオンであるときには(ステップS321;Yes)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS322)。そして、大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS322;No)、大当り開放前処理を終了することで、大当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。演出制御基板80の側では、例えば大当り開始時演出待ち時間が経過するまでの期間において、大当り遊技状態が開始されることを報知する演出動作などが実行されるようにすればよい。
ステップS321にて大当り状態開始前フラグがオフであるときには(ステップS321;No)、ラウンド開始待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS326)。このとき、ラウンド開始待ち時間が経過していなければ(ステップS326;No)、大当り開放前処理を終了することで、ラウンド開始待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS326にてラウンド開始待ち時間が経過したときには(ステップS326;Yes)、実行するラウンド遊技のラウンド数を、例えば、ラウンド数カウンタにより特定する(ステップS327)。その後、大入賞口開放パターンテーブル決定処理を実行する(ステップS328)。
図12は、図11のステップS328における大入賞口開放パターンテーブル決定処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す大入賞口開放パターンテーブル決定処理において、CPU103は、大当り種別を特定し(ステップS881)、実行可能ラウンドカウント値をセットする(ステップS882)。この実施の形態において実行可能ラウンドカウント値は、実行可能なラウンド遊技のラウンド数を示す値であり、例えば、大当たり種別が「確変3」〜「確変6」のいずれかである場合には「5」、大当たり種別が「確変1」、「確変2」、「確変7」のいずれかである場合には「15」といったように、予め大当り種別に応じて(定められている。
続いてCPU103は、ステップS881の処理にて特定した大当り種別に応じて、ソレノイド出力データを指定する(ステップS883)。具体的には、ラウンド数に応じて開放する大入賞口が定められているため、CPU103は、開放する大入賞口ソレノイドに対応するソレノイド出力データを指定する。詳しくは後述するが、ソレノイド出力データD3は確変アタッカー用ソレノイド21bを、ソレノイド出力データD1は通常アタッカー用ソレノイド21aを、ソレノイド出力データD2は普通電動役物用ソレノイド16を示しており、その値が「1」である場合には開放を、「0」である場合は閉鎖を示している。ステップS883の処理では、例えば、ステップS327の処理にて特定したラウンド数が「5」である場合、確変アタッカー20Bにおける大入賞口が開放されることから、ソレノイド出力データD3が指定され、ラウンド数が「5」以外である場合には、通常アタッカー20Aにおける大入賞口が開放されることから、ソレノイド出力データD1が指定される。
ステップS883の処理を実行した後には、大入賞口開放パターン指定テーブルをセットし(ステップS884)、大入賞口開放パターンテーブルを決定して(ステップS885)、大入賞口開放パターンテーブル決定処理を終了する。図13は、ステップS884の処理にてセットされる大入賞口開放パターン指定テーブルの一例を示す図である。図13に示す大入賞口開放パターン指定テーブル140では、大当り種別とラウンド数に応じて、大入賞口開放パターンテーブル1〜6のいずれかが割り当てられている。詳しくは後述するが、大入賞口開放パターンテーブルは、大入賞口の開閉パターンが定められたテーブルである。大入賞口開放パターン指定テーブル140では、例えば、ステップS881の処理にて特定した大当り種別が「確変1」、「確変2」、「確変7」のいずれかである場合、ラウンド数が「1」〜「4」と、「6」〜「15」である場合や、特定した大当り種別が「確変6」である場合にラウンド数が「1」〜「4」のいずれかである場合に、大入賞口開放パターンテーブル6に示される開閉パターンに従って大入賞口を開閉制御することを示しており、ラウンド数が「5」である場合には、大入賞口開放パターンテーブル1に示される開閉パターン(大当り種別が「確変1」、「確変6」「確変7」のいずれかである場合)や大入賞口開放パターンテーブル2に示される開閉パターン(大当り種別が「確変2」である場合)に従って大入賞口を開閉制御することを示している。また、ステップS881の処理にて特定した大当り種別が「確変3」、「確変4」、「確変5」のいずれかである場合、ラウンド数が「1」〜「4」である場合には、大入賞口開放パターンテーブル6に示される開閉パターンに従って大入賞口を開閉制御し、ラウンド数が「5」である場合には、大当り種別が「確変3」である場合は、大入賞口開放パターンテーブル3に示される開閉パターンに従って、大当り種別が「確変4」である場合は、大入賞口開放パターンテーブル4に示される開閉パターンに従って、大当り種別が「確変5」である場合は、大入賞口開放パターンテーブル5に示される開閉パターンに従って、それぞれ大入賞口を開閉制御することを示している。
図14(A)〜(F)は、図12のステップS885の処理で決定される大入賞口開放パターンテーブルの構成例を示す図である。図示するように、大入賞口開放パターンテーブルには、大入賞口(通常アタッカー20Aにおける大入賞口または確変アタッカー20Bにおける大入賞口)を開放制御する時間と閉鎖制御する時間とか交互に設定されている。なお、終了コードは、閉鎖制御することを示すとともに、当該ラウンド遊技の終了を示している。
図14(A)に示す大入賞口開放パターンテーブル1は、4000ミリ秒の開放と1000ミリ秒の閉鎖とを繰り返すパターンを示すテーブルであり、このパターンは、遊技球が入賞し易く、確変制御条件が成立しやすいパターンである。図14(B)に示す大入賞口開放パターンテーブル2は、60ミリ秒、80ミリ秒、100ミリ秒、といったように徐々に開放時間が長くなった後、4000ミリ秒の開放と1000ミリ秒の閉鎖とを繰り返すパターンを示すテーブルであり、このパターンは、遊技球が入賞し難く、確変制御条件が成立し難い開閉動作の後(短期開放を繰り返した後)、遊技球が入賞し易く、確変制御条件が成立しやすい開閉動作となるパターンである。これら大入賞口開放パターンテーブル1、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開放パターンを有利開放パターンという。特に、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開放パターンを特別有利開放パターンという。この実施の形態では、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開放パターンに従って開閉制御が開始された場合、1回目の開放が行われてから5回目までの開放が行われている期間(短期開放が行われている期間)に、遊技球が入賞することにより(確変検出スイッチ24aによって検出されたことにより)、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態に制御される(確変制御条件が成立する)のに加え、大当り遊技状態中に特別な演出を実行することや、遊技情報に含まれる遊技ポイントを加算する、などといった特典が付与される。すなわち、特別有利開放パターンに従って開放制御が行われる場合において、1回目の開放から5回目の開放が行われる期間に遊技球が入賞すると、確変制御条件の成立に加えて特典を付与する条件(特典付与条件)が成立したことを示す特典付与条件が成立することとなる。なお、6回目以降の開放が行われている期間に遊技球が入賞した場合には、確変制御条件が成立することとなる。
図14(C)、(D)、(E)に示す大入賞口開放パターンテーブル3〜5は、それぞれ、徐々に開放時間が長くなるものの、短期開放を繰り返すパターンを示すテーブルであり、このパターンは、遊技球が入賞し難く、確変制御条件が成立し難いパターンである。すなわち、大入賞口開放パターンテーブル3〜5では、大入賞口開放パターンテーブル1、大入賞口開放パターンテーブル2と比べて確変制御条件が成立し難い。しかしながら、大入賞口開放パターンテーブル3〜5それぞれで共通の短期開放制御が開始されるものの、徐々に開放時間が長くなり、かつ、それぞれのテーブルで開放時間の長さが異なっているため、それぞれのテーブルで確変制御条件の成立割合が異なり、最終の開放制御が終了する間際まで確変制御条件の成立への期待感を維持することができる。なお、大入賞口開放パターンテーブル3〜5に示される開放パターンを不利開放パターンという。第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合には、図9(B)に示すように、「確変6」または「確変7」のいずれかの大当り種別が決定され、図13に示すように、ラウンド数が「5」である場合に大入賞口開放パターンテーブル1が指定される。したがって第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合には、有利開放パターンにしたがった開閉制御が行われるため、第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合よりも確変制御条件が成立し易い。
また、この実施の形態では、不利開放パターン(大入賞口開放パターンテーブル3〜5に示される開放パターン)により開閉制御が行われている場合に、遊技球が2回入賞することにより(確変検出スイッチ24aによって2回検出されたことにより)、確変制御条件が成立するのに加え、大当り遊技状態中に特別な演出を実行することや、遊技情報に含まれる遊技ポイントを加算する、などといった特典が付与される特典付与条件が成立するものの、大入賞口開放パターンテーブル3では、60ミリ秒、80ミリ秒、120ミリ秒、200ミリ秒、32ミリ秒といったように、大入賞口開放パターンテーブル4では、60ミリ秒、80ミリ秒、120ミリ秒、32ミリ秒といったように、また大入賞口開放パターンテーブル5では、60ミリ秒、80ミリ秒、100ミリ秒、32ミリ秒といったように、当該不利開放パターンによる開閉制御を行う大入賞口開放パターンテーブル3〜5における各開放時間(各短期開放の開放時間)の組合せが、テーブルパターンに応じてそれぞれ異なるため、遊技球が2回入賞する確率もそれぞれ異なり、確変制御条件の成立に加えて特典を付与する条件が成立したことを示す特典付与条件が成立する割合も異なる。また、大入賞口開放パターンテーブル3〜5それぞれで共通の短期開放制御が開始されるものの、徐々に開放時間が長くなるため、最終の開放制御が終了する間際まで、特典付与条件が成立することへの期待感を維持することができる。
図14(F)に示す大入賞口開放パターン6は、通常アタッカー用の大入賞口の開閉パターンを示している。図14(C)、(D)、(E)に示す大入賞口開放パターンテーブル3〜5には、終了コードの前に32ミリ秒間開放状態とする開放時間7が設定されている。これにより、確変アタッカー用の大入賞口を予め定められた上限個数の入賞がなく、開放パターンテーブルに示される開放パターンにしたがって全ての開放制御を実行して閉鎖状態に制御する際に遊技球が当該確変アタッカー用の大入賞口に進入して確変アタッカー用の大入賞口扉に遊技球が挟まる、いわゆる球噛みといった状態を防止することができる。なお、例えば、終了コードが読み込まれた場合に確変アタッカー用の開閉板23bや入賞通路などを振動させるなどして球噛みが防止できれば、予め開放時間7を大入賞口開放パターンテーブルに設定しなくてもよい。
図14(A)〜(E)に示す大入賞口開放パターンテーブル1〜5に示される開放パターンは、大入賞口開放パターンテーブル1に示される開放パターンと大入賞口開放パターンテーブル2に示される開放パターンが、確変制御条件が成立する確率が最も高く(例えばいずれもほぼ100%の確率で確変制御条件が成立する)、その次に大入賞口開放パターンテーブル3に示される開放パターンが(例えば60%の確率で確変制御条件が成立する)、その次に大入賞口開放パターンテーブル4に示される開放パターン(例えば50%の確率で確変制御条件が成立する)、といった順に確変制御条件が成立しやすく、大入賞口開放パターンテーブル5に示される開放パターンが最も確変制御条件が成立し難い(例えば30%の確率で確変制御条件が成立する)開放パターンとなっている。図14(C)〜(E)に示す大入賞口開放パターンテーブル3〜5に示される開放パターンでは、確変制御条件の成立する確率と同様に、大入賞口開放パターンテーブル3に示される開放パターンが、特典付与条件が成立する確率が最も高く、その次に大入賞口開放パターンテーブル4に示される開放パターンが、特典付与条件が成立しやすく、大入賞口開放パターンテーブル5に示される開放パターンが、最も特典付与条件が成立し難い開放パターンとなっている。 また、図14(B)に示す大入賞口開放パターンテーブル2は、1回目から5回目の開放が行われるまでの期間中に遊技球が1回でも入賞すればよいため、図14(C)〜(E)に示す大入賞口開放パターンテーブル3〜5に示されるいずれの開放パターンよりも、特典付与条件が成立する確率が高くなっている。また、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開放パターンでは、大入賞口開放パターンテーブル5に示される開放パターンと近似した開放制御を複数回行った後に、大入賞口開放パターンテーブル1に示される開放パターンと同様の開放制御が行われる。したがって、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開放パターンによる開放制御が行われているのか(確変制御条件や特典付与条件が成立する可能性が高いパターンによる開放制御が行われているのか)、大入賞口開放パターンテーブル5に示される開放パターンによる開放制御が行われているのか(確変制御条件や特典付与条件が成立する可能性が低いパターンによる開放制御が行われているのか)、が、開放制御が開始された初期の段階では遊技者に不明となり、不利な開放パターンによる開放制御が行われた後に有利な開放制御が行われるのではないか、という期待を持たせることができる。
なお、図14(B)〜(E)に示す大入賞口開放パターンテーブル2〜5には、開放時間と閉鎖時間との和が常に一定(例えば1500ミリ秒)となる開閉動作を行う設定がなされている(例えば60ミリ秒、80ミリ秒、100ミリ秒、120ミリ秒、200ミリ秒の開放時間と各開放時間に対応する閉鎖時間)。これによれば、開放状態に制御されるタイミングが一定となるため、演出制御用CPU120は、当該タイミングに合わせて演出を実行すればよく、演出と開閉動作の同期をとることが容易となる。また、入賞確率を変化させて確変制御条件が成立する割合を調整するために、設計段階で開放時間の調整を行った場合でも、演出を実行するタイミングの変更が少なくてすむため、設計変更も容易に行うことができる。
図11に戻り、ステップS328の処理を実行した後は、入賞個数カウンタをクリアして、その格納値である入賞個数カウント値を「0」に初期化する(ステップS329)。そして、ソレノイド制御処理を実行する(ステップS330)。詳しくは後述するが、ソレノイド制御処理では、図12のステップS885の処理で決定された大当り開放パターンテーブルの開放時間データが大入賞口開放前ワークテーブルにセットされるとともに、大当り種別に応じて、ソレノイド出力データD1またはD3が「1」である8ビットのデータ(例えば「00000010」または「00001000」)が大入賞口開放前ワークテーブルにセットされる。
ステップS330の処理を実行した後、演出制御基板80に対してラウンド開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS331)。そして、特図プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS332)、大当り開放前処理を終了する。
図15は、大当り開放中処理として、図6のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、入賞個数カウント値が所定の最大入賞判定値(例えば「9」)に達したか否かを判定する(ステップS341)。ステップS341にて最大入賞判定値に達していないときには(ステップS341;No)、大入賞口開放前ワークテーブルに終了コードがセットされているか否かを判定する(ステップS342)。終了コードがセットされていないと判定した場合(ステップS342;No)、電動役物開放パターン処理を実行する(ステップS343)。詳しくは後述するが、電動役物開放パターン処理は、図12のステップS885の処理で決定された大入賞口開放パターンテーブルにより示される開閉パターンにしたがって、通常アタッカー20Aにおける大入賞口または確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開閉制御する処理である。
図15におけるステップS343の処理を実行した後は、カウントスイッチ23aから伝送される検出信号をチェックすることなどにより、カウントスイッチ23aがオンであるか否かを判定する(ステップS344)。ステップS344にてカウントスイッチ23aがオンである場合には(ステップS344;Yes)、通常入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS345)。通常入賞個数カウント値は、例えばRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた入賞個数カウンタの格納値であり、1回のラウンド遊技が実行されるあいだにカウントスイッチ23aにより検出された遊技球の個数を示すものであればよい。なお、ステップS345の処理では、カウントスイッチ23aにより遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる遊技球を払い出すための設定が行われる。
ステップS345の処理を実行した後、またはカウントスイッチ23aがオフである場合には(ステップS344;No)、確変検出スイッチ24aがオンであるか否かを判定する(ステップS346)。確変検出スイッチ24aがオンである場合(ステップS346;Yes)、確変入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS347)。確変入賞個数カウント値は、例えばRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた入賞個数カウンタの格納値であり、1回のラウンド遊技(ラウンド数が「5」のラウンド遊技)が実行されるあいだに確変検出スイッチ24aにより検出された遊技球の個数を示すものであればよい。
ステップS347の処理を実行した後は、図12のステップS885の処理で決定された大入賞口開放パターンテーブルにより示される開閉パターンが「大入賞口開放パターンテーブル2」であるか否か(テーブルパターンが「2」であるか否か)を判定する(ステップS348)。テーブルパターンが「2」である場合には(ステップS348;Yes)、開放回数が「6」未満であるか否かを判定する(ステップS349)。開放回数は、例えばRAM102の所定領域に設けられた開放カウンタの値を参照することにより取得すればよく、開放カウンタの値は、後述するステップS361にてクリアされればよい。また、開放カウント値は、開放時間データが大入賞口開放前ワークテーブルにセットされる度に、カウント値を1増加させればよい。ステップS349にて開放回数が「6」未満である場合(開放カウント値が「6」未満である場合)(ステップS349;Yes)、例えばRAM102の所定領域に設けられた特典フラグをオン状態にセットする(ステップS350)。なお、ステップS350の処理では、例えばRAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグもオン状態にセットする。ステップS350の処理を実行した後は、特典フラグおよび確変確定フラグがともにオン状態にセットされていることに基づいて、確変制御条件の成立に加えて、大当り遊技状態中に特別な演出を実行することや、遊技情報に含まれる遊技ポイントを加算する、などといった特典を付与する条件(特典付与条件)が成立したことを示す特典付与決定コマンドを送信する設定をする(ステップS351)。当該特典付与決定コマンドは、図3のステップS17にて演出制御基板80に向けて伝送される。これにより、大入賞口開放パターンテーブル2にしたがって確変アタッカー20Bの大入賞口を開放状態に制御する場合において、大入賞口の開放を開始してから所定の開放回数(5回目の開放)までの期間内に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチ24aによって検出されると、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態に制御されるのに加え、大当り遊技状態中に特別な演出を実行することや、遊技情報に含まれる遊技ポイントを加算する、などといった特典が付与されることとなる。
一方、ステップS348にてテーブルパターンが「2」でないと判定した場合(ステップS348;No)、図12のステップS885の処理で決定された大入賞口開放パターンテーブルにより示される開閉パターンが「大入賞口開放パターンテーブル1」または「大入賞口開放パターンテーブル6」であるか否か(テーブルパターンが「1」または「6」であるか否か)を判定する(ステップS352)。テーブルパターンが「1」または「6」でない場合(ステップS352;No)、確変入賞個数カウント値が「2」であるか否かを判定する(ステップS353)。確変入賞個数カウント値が「2」である場合(ステップS353;Yes)、例えばRAM102の所定領域に設けられた特典フラグをオン状態にセットする(ステップS354)。なお、ステップS354の処理では、確変確定フラグは既にオン状態にセットされているため(ステップS353にて確変入賞個数カウント値が「1」である場合に、後述するステップS358にてオン状態にセットされる)、ステップS350とは異なり、確変確定フラグについては、特に処理を行わない。ステップS354の処理を実行した後は、特典フラグおよび確変確定フラグがともにオン状態にセットされていることに基づいて、特典付与条件が成立したことを示す特典付与決定コマンドを送信する設定をする(ステップS355)。当該特典付与決定コマンドは、図3のステップS17にて演出制御基板80に向けて伝送される。これにより、大入賞口開放パターンテーブル3〜5に示されるような、開放時間が短い開放パターンにしたがって確変アタッカー20Bの大入賞口を開放状態に制御されている場合に、予め定められた回数(2回)の入賞が確変検出スイッチ24aによって検出されることにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態に制御されるのに加え、大当り遊技状態中に特別な演出を実行することや、遊技情報に含まれる遊技ポイントを加算する、などといった特典が付与されることとなる。
ステップS352にてテーブルパターンが「1」または「6」である場合(ステップS352;Yes)や、ステップS349にて開放回数が「6」以上である場合(開放カウント値が「6」以上である場合)(ステップS349;No)や、ステップS353にて確変入賞個数カウント値が「2」でない場合(ステップS353;No)は、確変制御条件が成立したことを示す確変検出コマンドを送信する設定を行う(ステップS356)。なお、ステップS356の処理では、例えば、ステップS353にて確変入賞個数カウント値が「2」でない場合に、確変入賞個数カウント値が「3」以上であるかを判定し、「3」以上である場合には、当該確変入賞個数カウント値を示すコマンドを、確変検出コマンドとともに送信し、演出制御基板80の側にて、当該確変入賞個数カウント値に応じた数のコインを獲得した画像を表示するようにしてもよい。これによれば、確変入賞個数カウント値に応じて獲得するコインの画像を表示することができ(例えば、確変入賞個数カウント値が「3」である場合は獲得コインの数が「2」など)、遊技興趣を向上させることができる。ステップS351、ステップS355、ステップS356のいずれかの処理を実行した後は、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS357)。確変確定フラグがオフである場合(ステップS357;No)、確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS358)。
ステップS358の処理を実行した後、または確変確定フラグがオンである場合(ステップS357;Yes)、確変検出スイッチ24aにより遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる遊技球を払い出すための設定を行う(ステップS359)。ステップS359の処理を実行した後、または確変検出スイッチ24aがオフである場合(ステップS346;No)、大当り開放中処理を終了する。
ステップS341にて入賞個数カウント値が最大入賞判定値に達した場合には(ステップS341;Yes)、例えば開閉制御が行われている大入賞口(通常アタッカー20Aにおける大入賞口または確変アタッカー20Bにおける大入賞口)に対応するソレノイド(通常アタッカー用ソレノイド21aまたは確変用ソレノイド21b)の駆動を停止して大入賞口(通常アタッカー20Aにおける大入賞口または確変アタッカー20Bにおける大入賞口)を閉鎖状態とする設定を行う(ステップS360)。例えば、開閉制御が行われている大入賞口が通常アタッカー20Aにおける大入賞口である場合には、通常アタッカー用ソレノイド21aの駆動を停止して上大入賞口を閉鎖状態とする設定を行い、開閉制御が行われている大入賞口が確変アタッカー20Bにおける大入賞口である場合には、確変アタッカー用ソレノイド21bの駆動を停止して上大入賞口を閉鎖状態とする設定を行う。
ステップS360の処理を実行した後、またはステップS342の処理にて終了コードがセットされていると判定した場合(ステップS342;Yes)、ラウンド終了コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS361)。そして、特図プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS362)、大当り開放中処理を終了する。
図16は、大当り開放後処理として、図6のステップS116にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、実行可能ラウンドカウント値が1減算されるように更新する(ステップS361)。このときには、更新後の実行可能ラウンドカウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS362)。そして、実行可能ラウンドカウント値が「0」以外であれば(ステップS362;No)、ラウンド開始待ち時間を設定するとともに(ステップS363)、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS364)、大当り開放後処理を終了する。こうして、ステップS362の処理により更新後の実行可能ラウンドカウント値が「0」であると判定されるまでは、図6に示すステップS114〜S116の処理を繰り返し実行することにより、大当り遊技状態にて大入賞口(通常アタッカー20Aにおける大入賞口または確変アタッカー20Bにおける大入賞口)を開放状態とする複数回のラウンドを実行させることができる。
ステップS362にて大入賞口開放カウント値が「0」であるときには(ステップS362;Yes)、大当り終了時演出待ち時間を設定する(ステップS365)。このときには、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする。続いて、大当り終了コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS366)。その後、特図プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS367)、大当り開放後処理を終了する。なお、時短状態の継続回数をカウントして、大当り終了コマンドのEXTデータなどにより特定可能とし、演出制御基板80に対して時短状態の継続回数を通知するようにしてもよい。
図17は、大当り終了処理として、図6のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS381)。一例として、図16に示す大当り開放後処理におけるステップS365の処理において、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS381の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS381にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS381;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS381にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS381;Yes)、時短制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を時短状態とするための設定を行う(ステップS382)。一例として、ステップS382の処理では、時短フラグと有利状態フラグがオン状態にセットされるとともに、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)が、時短回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS383)。
ステップS383にて確変確定フラグがオンであるときには(ステップS383;Yes)、確変制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS384)。一例として、ステップS384の処理では、確変フラグをオン状態にセットすることに加え、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「71」)を、確変回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS385)。
ステップS383にて確変確定フラグがオフであるときや(ステップS383;No)、ステップS385の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS386)、大当り終了処理を終了する。特図プロセスフラグが“0”に初期化されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図6に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
このような大当り終了処理では、ステップS384で確変制御を開始するための設定を行う前に、ステップS382で時短制御を開始するための設定が行われる。したがって、大当り遊技状態中に確変確定フラグがオン状態にセットされて確変制御条件が成立すると、大当り遊技状態の終了後における遊技状態は、確変制御とともに時短制御(これに伴う高開放制御)が行われる高確率/高ベース状態としての確変状態に制御される。
図18は、普通図柄プロセス処理として、図3のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ32aからの検出信号に基づき、ゲートスイッチ32aがオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ32aがオンであるときには、RAM102の所定領域に設けられた普図保留記憶部151Cにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR4を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部151Cにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR4が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート32を遊技球が通過したものの未だ開始されていない普図ゲームの保留データを記憶する。一例として、普図保留記憶部151Cは、通過ゲート32の通過順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過による普図始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして普図保留記憶部151Cに記憶された保留データは、普通図柄表示器10による普通図柄を用いた普図ゲームの実行が保留されていることを示し、この普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」に決定されるか否かなどを判定可能にする普図保留記憶情報となる。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図18に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Cに格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器10による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Cに格納された保留データがある場合には、普図表示結果決定処理や普図変動時間決定処理を実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。普通図柄決定処理は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する処理である。普図変動時間決定処理は、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示を開始してから普図表示結果が導出されるまでの可変表示時間である普図変動時間を決定する処理である。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器10にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15が備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、可変入賞球装置15に形成された第2始動入賞口13bを通過不利状態から通過有利状態に変化させるための設定などが行われる。
ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15が備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を開放状態や閉鎖状態に変化させるための設定などが行われる。
図19は、図18のステップS140にて実行される普通図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す普通図柄通常処理において、CPU103は、まず、例えば普図保留記憶数カウント値などに基づいて、普図保留記憶があるか否か、すなわち、普図保留記憶数が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS601)。このとき、普図保留記憶数が「0」で普図保留記憶がなければ(ステップS601;No)、普図ゲームを実行するための普図始動条件が成立していないことから、そのまま普通図柄通常処理を終了する。
ステップS601にて普図保留記憶があるときには(ステップS601;Yes)、普図保留記憶部151Cから普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データを読み出す(ステップS602)。このときには、普図保留記憶部151Cにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データを読み出すことにより、普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データが読み出される。また、ステップS602の処理では、普図保留記憶カウント値を1減算するとともに、普図保留記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせればよい。
ステップS602の処理に続いて、普図表示結果を決定するための使用テーブルとして、図20に示すような、普図表示結果決定テーブル135を選択してセットする(ステップS603)。図19に戻り、ステップS602にて読み出した乱数値MR4に基づき、ステップS603にてセットした普図表示結果決定テーブル135を参照することにより、普図表示結果を決定する(ステップS604)。このときには、ステップS604における決定結果が「普図当り」であるか否かの判定が行われる(ステップS605)。そして、「普図当り」であると判定された場合には(ステップS605;Yes)、遊技制御フラグ設定部に設けられた普図当りフラグをオン状態にセットする(ステップS606)。ステップS604の処理では、有利状態フラグがオン状態にセットされているか否かを判定することにより、普図表示結果を決定すればよい。なお、ステップS603の処理において有利状態フラグがオン状態にセットされているか否かを判定し、有利状態フラグがオン状態であるか否かに応じて別々に設定された普図表示結果決定テーブルを参照するようにしてもよい。
ステップS605にて「普図当り」ではないと判定されたときや(ステップS605;No)、ステップS606の処理を実行した後には、普図変動時間を決定する(ステップS607)。例えば、ステップS607の処理では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるか有利状態であるかや、ステップS604にて決定された普図表示結果が「普図当り」であるか否かなどに応じて、普図変動時間が複数種類のいずれかに決定されればよい。その後、普図プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS608)、普通図柄通常処理を終了する。
図21は、図18のステップS142にて実行される普通図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す普通図柄停止処理において、CPU103は、まず、普図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS621)。ここで、普図確定表示中フラグは、普図ゲームにおける普図表示結果となる確定普通図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS624の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS621にて普図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS621;No)、例えばROM101に記憶されている普通図柄表示制御データのうちで、確定普通図柄に対応した制御データの読出設定を行うといった、確定普通図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS622)。このときには、普図確定表示時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS623)。そして、普図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS624)、普通図柄停止処理を終了する。
ステップS621にて普図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS621;Yes)、普図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS625)。このとき、普図確定表示時間が経過していなければ(ステップS625;No)、普通図柄停止処理を終了することで、普図確定表示時間が経過するまで待機する。ステップS625にて普図確定表示時間が経過したときには(ステップS625;Yes)、普図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS626)、普図当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS627)。ステップS627にて普図当りフラグがオフであるときには(ステップS627;No)、普図表示結果が「普図ハズレ」であることに対応して、普図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS628)、普通図柄停止処理を終了する。
ステップS627にて普図当りフラグがオンであるときには(ステップS627;Yes)、有利状態フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS629)。このとき、有利状態フラグがオフであれば(ステップS629;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であることに対応して、例えば、図22に示す決定割合にしたがって第1普電開放パターンテーブルAと第1普電開放パターンテーブルBのいずれかのテーブルを選択し、使用パターンにセットする(ステップS630)。一方、ステップS629にて有利状態フラグがオンであるときには(ステップS629;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であることに対応して、例えば、図22に示す決定割合にしたがって第2普電開放パターンテーブルAと第2普電開放パターンテーブルBのいずれかのテーブルを選択し、使用パターンにセットする(ステップS631)。
図23は、図21のステップS630またはS631の処理にてセットされる第1普電開放パターンテーブルと第2普電開放パターンテーブルの構成例を示す図である。各普電開放パターンテーブルは、第2始動入賞口を開放状態とする時間を示す普電開放時間や閉鎖状態とする時間を示す普電閉鎖時間等が設定されている。普電開放時間は、普電開放時間1〜普電開放時間3までの3種類の時間が予め用意されており、具体的には、普電開放時間1が最も短く(例えば100ミリ秒)、次に普電開放時間3が短く(例えば1360ミリ秒)、普電開放時間2が最も長く(例えば5300ミリ秒)設定されている。また、普電閉鎖時間は、1380ミリ秒に設定されている。なお、終了コードは、閉鎖状態とすることを示すとともに、「普図当り」による第2始動入賞口の開放が終了したことを示している。図23(A)に示す第1普電開放パターンテーブルAは、普電開放時間1と終了コードが設定されているテーブルであり、図21のステップS630の処理にてこのテーブルがセットされると、後述するステップS143の普通電動役物作動処理にて、第2始動入賞口が100ミリ秒間開放状態となった後、閉鎖状態となる。図23(B)に示す第1普電開放パターンテーブルBは、普電開放時間2と終了コードが設定されているテーブルであり、図21のステップS630の処理にてこのテーブルがセットされると、後述するステップS143の普通電動役物作動処理にて、第2始動入賞口が5300ミリ秒間開放状態となった後、閉鎖状態となる。一方、図23(C)に示す第2普電開放パターンテーブルAは、普電開放時間3と普電閉鎖時間とが交互に設定されているテーブルであり、図21のステップS631の処理にてこのテーブルがセットされると、後述するステップS143の普通電動役物作動処理にて、1360ミリ秒間の開放状態と1380ミリ秒間の閉鎖状態とが交互に3回繰り返される。図23(D)に示す第2普電開放パターンテーブルBは、第1普電開放パターンテーブルBと同様に、普電開放時間2と終了コードが設定されているテーブルであり、図21のステップS631の処理にてこのテーブルがセットされると、後述するステップS143の普通電動役物作動処理にて、第2始動入賞口が5300ミリ秒間開放状態となった後、閉鎖状態となる。
図21に戻り、ステップS630またはS631の処理を実行した後は、駆動対象の入賞口として第2始動入賞口を指定するためソレノイド出力データD2を指定する(ステップS632)。ステップS632の処理を実行した後は、ソレノイド制御処理を実行する(ステップS633)。詳しくは後述するが、ステップS633におけるソレノイド制御処理では、ステップS631またはS632の処理でセットされた普電開放パターンテーブルの開放時間データが普電開放ワークテーブルにセットされるとともに、ソレノイド出力データD2が「1」である8ビットのデータ(例えば「00000100」)が普電開放ワークテーブルにセットされる。
ステップS633の処理を実行した後は、普図プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS634)、普通図柄停止処理を終了する。
図24は、図18のステップS143にて実行される普通電動役物作動処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す普通電動役物作動処理において、CPU103は、まず、普電開放ワークテーブルに終了コードがセットされているか否かを判定する(ステップS161)。終了コードがセットされている場合(ステップS161;Yes)、「普図当り」に対応する第2始動入賞口の開放が終了したと判定し、普図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS163)、普通電動役物作動処理を終了する。
ステップS161にて終了コードがセットされていないと判定した場合(ステップS161;No)、電動役物開放パターン処理を実行し(ステップS162)、普通電動役物作動処理を終了する。詳しくは後述するが、電動役物開放パターン処理は、図21のステップS630またはA631の処理で選択された普電開放パターンテーブルにより示される開閉パターンにしたがって、第2始動入賞口を開閉制御する処理である。
図25は、ソレノイド出力データテーブルの構成例を示す図である。ソレノイド出力データテーブルには、RAM102の所定領域に設けられ、8ビットの値が格納される。図示するように、8ビットのデータのうち、2ビット目の値がソレノイド出力データD1であり、通常アタッカー用のソレノイド21aに対応している。また、3ビット目の値がソレノイド出力データD2であり、普通電動役物用のソレノイド16に対応している。また、4ビット目の値がソレノイド出力データD3であり、確変アタッカー用ソレノイド21bに対応している。このように、普通電動役物用ソレノイド16に対応するソレノイド出力データD2がソレノイド出力データD1とD3の間に設定されているため、ノイズ等により本来開放すべき大入賞口ではない大入賞口を開放状態に制御するおそれを低減させることができる。このソレノイド出力データテーブルの各ビット値を「0」または「1」に更新することにより、各ソレノイドの開閉制御が行われる。なお、ソレノイド出力データテーブルにより示される8ビットのデータをソレノイド出力ビットと呼ぶ。ソレノイド出力ビットは、初期値として「00000000」が設定されている。
図26は、図11のステップS330または図21のステップS633の処理にて実行されるソレノイド制御処理の一例を示すフローチャートである。図26のソレノイド制御処理において、CPU103は、まず、駆動対象となるソレノイドを特定する(ステップS191)。具体的には、図11のステップS330にて当該ソレノイド制御処理が実行された場合には、ソレノイド出力データテーブルには、大当り種別に応じて(大当り種別が「確変」の場合には確変の種類に応じて)、図12のステップS883の処理にて通常アタッカー用ソレノイド21aまたは確変アタッカー用ソレノイド21bが指定されているため、当該指定されたソレノイドを駆動対象のソレノイドとして特定する。具体的には、確変アタッカー用ソレノイド21bが指定されている場合(ソレノイド出力データD3が指定されている場合)は、ソレノイド出力データを「00001000」とし、通常アタッカー用ソレノイド21aが指定されている場合(ソレノイド出力データD1が指定されている場合)には、ソレノイド出力データを「00000010」とすることで、駆動対象のソレノイドを特定する。また、図21のステップS633の処理にて当該ソレノイド制御処理が実行された場合には、ステップS632の処理にて普通電動役物用ソレノイド16が指定されているため(ソレノイド出力データD2が指定されているため)、ソレノイド出力データを「00000100」とすることで普通電動役物用ソレノイド16を駆動対象のソレノイドとして特定する。
次に、特定した駆動対象のソレノイドのソレノイド出力データD2の値が「1」であるか否かを判定する(ステップS192)。具体的には、ステップS191で特定したソレノイド出力データが「00000100」であるか否かを判定することによりソレノイド出力データD2の値が「1」であるか否かを判定する。ソレノイド出力データD2の値が「1」である場合(ステップS192;Yes)、図21のステップS630またはS631の処理で選択した普電開放パターンテーブルの先頭に設定されている開放時間データ(普電開放時間1〜3のいずれかのデータなど)を普電開放ワークテーブルの所定領域にセットする(ステップS193)。
ステップS192にてソレノイド出力データD2の値が「1」でない場合(ステップS192;No)、大入賞口開放パターンテーブル1〜6のうちのセットされている大入賞口開放パターンテーブルの先頭に設定されている開放時間データを大入賞口開放前ワークテーブルの所定領域にセットする(ステップS194)。
ステップS193またはS194のいずれかの処理を実行した後には、ステップS193またはステップS194のいずれかの処理でワークテーブルにセットした開放時間データ(時間データ)により示される時間を4ミリ秒で除算した値を、タイマ値としてセットする(ステップS195)。ステップS195の処理でセットしたタイマ値は、後述する電動役物開放パターン処理におけるステップ940にて減算される。なお、ステップS195にてセットされるタイマ値は、ステップS193の処理を実行した場合とステップS194の処理を実行した場合とで別々のタイマ値をRAM102の所定領域にセットする。例えば、ステップS193の処理を実行した場合には、普通電動役物用のタイマ値をセットし、ステップS194の処理を実行した場合には、大入賞口用に設けられた確変アタッカー用と通常アタッカー用とで共通のタイマ値(共通タイマ値)をセットする。なお、ステップS193またはS194のいずれかの処理を実行したかに応じてそれぞれのタイマ値をセットしてもよい。
ステップS195にてタイマ値をセットした後は、ステップS193またはS194のいずれかの処理にてセットしたワークテーブルの所定領域に、ステップS191で特定した駆動対象のソレノイドに対応するソレノイド出力データをセットして(ステップS196)、ソレノイド制御処理を終了する。なお、このステップS196の処理は、ステップS191の処理にて実行されるようにしてもよい。具体的には、図11のステップS330にて当該ソレノイド制御処理が実行された場合には、大入賞口開放前ワークテーブルの所定領域に、図21のステップS633の処理にて当該ソレノイド制御処理が実行された場合には、普電開放前ワークテーブルの所定領域に、特定したソレノイド出力データを格納すればよい。なお、いずれの処理にてソレノイド制御処理が実行されたかは、特図プロセスフラグの値や普図プロセスフラグの値を参照することにより判定すればよい。また、ステップS196の処理は、ステップS193やS194の処理にて開放時間データが格納される処理とともに実行されてもよい。
図27は、大入賞口開放前ワークテーブル、普電開放ワークテーブル、の各ワークテーブルの構成例を示す図である。図示するように、ワークテーブルには、図26のステップS193やS194の処理により開放時間データが格納される。また、ステップS196の処理により、8ビットのソレノイド出力データが格納される。すなわち、図26に示すソレノイド制御処理では、図27に示すように、ワークテーブルの所定領域に開放時間データとソレノイド出力データが格納される。なお、各ワークテーブルには、開放時間データやソレノイド出力データの他にも、特図プロセスフラグの値や普図プロセスフラグの値などが格納され、処理内容に応じて適宜参照される。また、後述する電動役物開放パターン処理において、各ワークテーブルに格納されている開放時間データやソレノイド出力データが更新されることとなる。なお、大入賞口開放前ワークテーブル、普電開放ワークテーブル、の各ワークテーブルは、RAM102に設けられたワークテーブル記憶領域に格納されている。
図28は、図15のステップS343または図24のステップS162の処理にて実行される電動役物開放パターン処理の一例を示すフローチャートである。図28の電動役物開放パターン処理において、CPU103は、まず、設定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS931)。ここで、設定フラグは、普電開放ワークテーブル、大入賞口開放前ワークテーブルのいずれかのテーブルが後述するステップS934、S935のいずれかの処理によりセットされたことに対応して、後述する937の処理によりオン状態にセットされる。
設定フラグがオフである場合(ステップS931;No)、ソレノイド出力データD2の値が「1」であるか否かを判定する(ステップS932)。ここで、ソレノイド出力データD2の値が「1」であるか否かは、図26に示すソレノイド制御処理におけるステップS191で特定した駆動対象のソレノイドのソレノイド出力データD2の値が「1」であるか否かを判定すればよい(図26のステップS191で特定したソレノイド出力データが「00000100」であるか否かを判定すればよい)。ソレノイド出力データD2の値が「1」である場合(ステップS192;Yes)、普電開放ワークテーブルを、使用テーブルとしてRAM102の所定領域にセットする(ステップS934)。
ステップS932にてソレノイド出力データD2の値が「1」でない場合(ステップS932;No)、大入賞口開放前ワークテーブルを、使用テーブルとしてRAM102の所定領域にセットする(ステップS935)。
ステップS934、S935のいずれかの処理を実行した後は、使用テーブルとしてセットしたワークテーブルに格納されているソレノイド出力データと開放時間データに従って、通常アタッカー、確変アタッカー、第2始動入賞口のいずれかの電動役物を開放状態または閉鎖状態とする電動役物開閉制御を行う(ステップS936)。なお、ステップS936の処理では、電動役物を開放状態とする制御が行われる。具体的には、ソレノイド出力ビットとワークテーブルに格納されているソレノイド出力データとの排他的論理和を求め、演算結果をソレノイド出力ビットとして更新することにより、駆動対象となるソレノイドに対して駆動信号を出力して電動役物の開閉制御を行う。例えば、ソレノイド出力ビットが「00000000」でソレノイド出力データが「00001000」である場合には、演算結果が「00001000」となり、3ビット目の値(ソレノイド出力データD3の値)が「1」であるため、確変アタッカー用のソレノイド21bに対して駆動信号が出力され、開放状態に制御されることとなる。なお、ステップS936の処理にてソレノイド出力ビットを更新した後は、ソレノイド出力データを「00000000」に更新する。ステップS936の処理を実行した後には、設定フラグをオン状態にセットする(ステップS937)。
ステップS937の処理を実行した後、または、ステップS931にて設定フラグがオンである場合には(ステップS931;Yes)、図26のソレノイド制御処理におけるステップS195の処理にてセットされたタイマ値を「1」減算する(ステップS938)。なお、ステップS938の処理では、ステップS934、S935のいずれかの処理が実行されたかに応じて、対応するタイマ値を減算すればよい。また、設定フラグがオンである場合には、例えば、ステップS162の処理により当該電動役物開放パターン処理が実行されたことを示す実行フラグをオン状態にセットするなどすることによりステップS162の処理により当該電動役物開放パターン処理が実行されたか否かを判定し、対応するタイマ値を減算すればよい。具体的には、ステップS934の処理を実行した場合には、図26のステップS195の処理にてセットされた普通電動役物用のタイマ値を「1」減算し、それ以外の場合には、大入賞口用の共通タイマ値を「1」減算すればよい。
ステップS938の処理を実行した後は、ステップS938の処理で減算したタイマ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS939)。タイマ値が「0」でない場合には(ステップS939;No)、電動役物開放パターン処理を終了する。一方、タイマ値が「0」である場合には(ステップS939;Yes)、対象となる開放パターンテーブルを参照し、現在ワークテーブルにセットされている時間データの次にセットされる時間データを読み出し、当該ワークテーブルにセットする(ステップS940)。例えば、対象となる開放パターンテーブルが図14(E)に示す大入賞口開放パターンテーブル5であって(図12のステップS885にて大入賞口開放パターンテーブル5が決定された場合であって)、かつ、大入賞口開放パターンテーブル5の先頭の時間データである「大入賞口開放時間6」が大入賞口開放前ワークテーブルにセットされている場合(図26のステップS196にて「大入賞口開放時間6」が大入賞口開放前ワークテーブルにセットされた場合)に、図28のステップS939にてタイマ値が「0」であると判定すると、大入賞口開放パターンテーブル5の先頭の時間データの次に設定されている「大入賞口閉鎖時間4」を読み込み、大入賞口開放前ワークテーブルにセットして時間データを更新する。なお、読み込む対象となる時間データは、ワークテーブルに時間データがセットされる度にポインタが先頭から順にシフトされることで特定されればよい。
ステップS940の処理を実行した後は、駆動対象となるソレノイドを開閉制御させるためにワークテーブルに格納されているソレノイド出力データの切り替えを行う(ステップS941)。具体的には、ワークテーブルに格納されている「00000000」のソレノイド出力データのうち、駆動対象となるソレノイドに対応するビットの値を「1」に切り替える。例えば、駆動対象となるソレノイドが確変アタッカー用ソレノイド21bである場合には、ソレノイド出力データD3を「1」に、すなわち、「00001000」に切り替える。なお、駆動対象となるソレノイドは、図12のステップS883や図21のステップS632の処理にて指定されているので、これに従って切り替えを行えばよい。
続いてCPU103は、ステップS940にてワークテーブルにセットした時間データが終了コードであるか否かを判別する(ステップS942)。例えば、終了コードは予め「0000」と定められているため、ワークテーブルにセットされた時間データが「0000」と一致するか否かを判定することで、終了コードであるか否かを判別すればよい。終了コードでないと判別した場合(ステップS942;No)、ステップS940にてワークテーブルにセットした時間データにより示される時間を4ミリ秒で除算した値を、タイマ値としてセットしてタイマ値を更新する(ステップS943)。
ステップS943の処理を実行した後またはステップS942にて終了コードであると判定した場合(ステップS942;Yes)は、ステップS936の処理と同様にソレノイド出力ビットとワークテーブルに格納されているソレノイド出力データとの排他的論理和を求め、電動役物開閉制御を行う(ステップS944)。ここで、大当り遊技状態中に「普図当り」となった場合には、通常アタッカー20Aにおける大入賞口または確変アタッカー20Bにおける大入賞口と第2始動入賞口13bが開放状態や閉鎖状態となる。例えば、ソレノイド出力ビットが「00001100」であり(確変アタッカー20Bにおける大入賞口と第2始動入賞口13bが開放状態の場合)、第2始動入賞口13bを開閉制御する場合には、ステップS941の処理により普電開放ワークテーブルに格納されているソレノイド出力データが「00000100」となっているため、ステップS944の処理にて排他的論理和が演算され、ソレノイド出力ビットが「00001000」となる。これにより、普通電動役物用のソレノイド16に駆動信号が出力される。したがって、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態としたまま、第2始動入賞口を閉鎖状態とする駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド16に出力することができる。なお、電動役物開閉制御にて排他的論理和を演算した後は、ワークテーブルに格納されているソレノイド出力データを「00000000」に更新する。
ステップS944の処理を実行した後には、ステップS937にてオン状態にセットした設定フラグをクリアしてから(ステップS945)、電動役物開放パターン処理を終了する。なお、大入賞口開放パターンテーブル1〜6や第1及び第2普電開放パターンテーブルA、B、といった各開放パターンテーブルによって開放状態や閉鎖状態にする時間がセットされ、タイマ値に応じて開放状態や閉鎖状態に制御されるが、入賞口の種類に応じて、閉鎖状態から開放状態に駆動する駆動時間や開放状態から閉鎖状態に駆動する駆動時間が異なるようにしてもよい。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。
演出制御基板80では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板80に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板77を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ27からの音声出力動作、装飾用ランプ28および装飾用LEDなどの装飾発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図29は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板31から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置9の表示領域における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置9の表示領域における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板31から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板31からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板80の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板31から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り開始時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り開始時処理は、主基板31から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。また、大当り開始時処理は、ラウンド数が「5」であるラウンド遊技において、確変アタッカー20Bにおける大入賞口に遊技球が入賞し易い(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択された可能性を示唆する示唆演出と、確変アタッカー20Bにおける大入賞口に遊技球が入賞し易い(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択されたことを示す特別演出とのいずれかの演出を実行するかを決定する処理や、示唆演出や特別演出の実行パターンを決定する処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えばラウンド数に応じて、大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置9の表示領域に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾用ランプ28や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、ラウンド数が「5」未満である場合には示唆演出や特別演出を実行し、ラウンド数が「5」である場合に、受信したコマンドに応じた演出を実行する。そして、ラウンド数が「6」以上である場合には、例えばRAM122に設けられた確変確定フラグの状態に応じた演出を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば、確変検出コマンドや特典付与決定コマンドを受信したことなどに基づいて、行われた遊技の結果を例えばRAM122に記憶する処理が含まれている。さらに、大当り中演出処理では、例えば主基板31から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置9の表示領域に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾用ランプ28や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図30は、図29のステップS174における大当り開始時処理内で行われる処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す大当り開始時処理内の処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り種別を特定する(ステップS771)。大当り種別は、主基板31から伝送された可変表示結果通知コマンド等に基づいて特定すればよい。
ステップS771の処理を実行した後は、図31(A)に示す示唆演出実行決定テーブルを参照し、ステップS771で特定した大当り種別に基づいて、示唆演出と特別演出とのいずれの演出を実行するかを決定する(ステップS772)。ここで、示唆演出は、遊技者にとって有利な(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択されている可能性があることを遊技者に示唆する演出であり、特別演出は、遊技者にとって有利な(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択されていることを遊技者に示す演出である。図31(A)は、示唆演出実行決定テーブルの構成例を示す図である。図示するように、示唆演出実行決定テーブルでは、「確変1」〜「確変7」といった大当り種別に応じて、示唆演出を実行するか特別演出を実行するかが所定の割合で決定されるように構成されている。この実施の形態では、大当り種別が「確変6」、「確変7」である場合には、特別演出を実行すると決定される割合が、示唆演出を実行すると決定される割合よりも高く設定されており、大当り種別が「確変6」、「確変7」である場合には、遊技者にとって有利な(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択されていることを遊技者に示すことができる。また、大当り種別が「確変1」〜「確変5」である場合には、示唆演出を実行すると決定される割合が、特別演出を実行すると決定される割合よりも高く設定されている。したがって、大当り種別が「確変1」〜「確変5」である場合には、遊技者にとって有利な(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択されている可能性があることを遊技者に示唆することができ、遊技興趣を向上させることができるとともに、有利な開放パターンが選択されていることが事前に遊技者に認識されてしまうことを防止することができる。なお、示唆演出と特別演出のいずれかの演出を実行する場合について示したが、いずれの演出も実行しない場合があってもよい。
図30に戻り、ステップS772の処理を実行した後は、当該ステップS772にて示唆演出を実行すると決定されたか否かを判定する(ステップS773)。示唆演出を実行すると決定された場合(ステップS773;Yes)、図31(B)に示す示唆演出パターン決定テーブルに示される決定割合にしたがって示唆演出パターンを決定する(ステップS774)。示唆演出パターンは、パターン1が最も遊技者にとって有利な(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択されている可能性が高いことを示しており、次いでパターン2、パターン3が最も遊技者にとって有利な(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択されている可能性が高いことを示している。したがって、この実施の形態における示唆演出パターン決定テーブルでは、遊技者にとって有利な(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択される大当り種別(例えば、「確変1」や「確変6」など)の場合には、パターン1の示唆演出パターンが決定され、遊技者にとって不利な(確変制御条件が成立しにくい)開放パターンが選択される大当り種別(例えば「確変5」など)の場合には、パターン3の示唆演出パターンが決定される割合が高く設定されている。また、「確変3」や「確変4」といった大当り種別の場合には、「確変3」の方が「確変4」の大当り種別よりも確変制御条件が成立しやすいため、パターン2の示唆演出パターンが決定される割合が、「確変3」の方が高く設定されている。なお、パターン4は、ラウンド遊技の最初にパターン3に示す示唆演出を実行し、その後、所定時間経過後に、確変制御条件が成立しやすい遊技状態であることを示す示唆演出を実行するパターンである。これによれば、示唆演出のパターンによって遊技者にとっての有利度が異なるため、特別演出が実行されない場合であっても、複数の示唆演出の中でも有利度の高い示唆演出が行われることがあり、遊技興趣を向上させることができる。
この実施の形態における示唆演出は、ラウンド数が「1」〜「4」であるラウンド遊技中に実行される。示唆演出パターン1は、図36(a)〜(d)に示すように、ラウンド数が「1」〜「3」の各ラウンド遊技においてキャラクタ画像を画像表示装置9における所定の表示領域に順に表示し、ラウンド数が「4」のラウンド遊技において、「1」〜「3」のラウンド遊技で表示させたキャラクタを全て表示する示唆演出のパターンである。示唆演出パターン2は、図37(a)〜(d)に示すように、ラウンド数が「1」と「2」のラウンド遊技においてキャラクタ画像を画像表示装置9における所定の表示領域に順に表示し、ラウンド数が「3」のラウンド遊技ではキャラクタ画像を表示しない示唆演出のパターンである。示唆演出パターン3は、図38(a)〜(d)に示すように、ラウンド数が「1」のラウンド遊技においてのみキャラクタ画像を画像表示装置9における所定の表示領域に順に表示し、ラウンド数が「2」と「3」のラウンド遊技ではキャラクタ画像を表示しない示唆演出のパターンである。示唆演出パターン4は、図39(a)〜(d)に示すように、ラウンド数が「1」のラウンド遊技においてのみキャラクタ画像を画像表示装置9における所定の表示領域に順に表示し、ラウンド数が「2」と「3」のラウンド遊技ではキャラクタ画像を表示しない示唆演出のパターンであって、ラウンド数が「5」のラウンド遊技における所定のタイミング(遊技球が入賞し易い(確変制御条件が成立し易い)開閉動作が実行されるタイミング)に、図39(f)に示すキャラクタ画像(3つのキャラクタ画像)を表示する示唆演出のパターンである。このように、この実施の形態では、表示されるキャラクタの数によって、遊技者にとって有利な(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択されている可能性を示唆しており、キャラクタの数が多いほど、遊技者にとって有利な(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択されている可能性が高いことを示している。なお、遊技者にとって有利な(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択されている可能性は、キャラクタの数ではなく、演出の種類や、メッセージ等を表示することにより示唆してもよい。
図30に戻り、ステップS773にて特別演出を実行すると決定された場合(ステップS773;No)、特別演出パターンを決定する(ステップS775)。特別演出パターンは、ステップS771で特定した大当り種別に応じて予め複数用意されていればよい。また、大当り種別に関わらず、特別演出パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、複数の特別演出パターンのうちからいずれかの特別演出パターンを決定するようにしてもよい。
ステップS774またはS775のいずれかの処理を実行した後は、演出プロセスフラグの値を“5”に更新してから(ステップS776)、大当り開始時処理内の処理を終了する。
図32は、図29のステップS175における大当り中演出処理の一例を示すフローチャートである。図32の大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板31から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS501)。このとき、大当り終了指定コマンドの受信がない場合には(ステップS501;No)、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数(ラウンド数)が「5」未満であるか否かを判定する(ステップS502)。ラウンド数が「5」未満であった場合(ステップS502;Yes)、図30のステップS772にて示唆演出を実行すると決定されたか否かを判定する(ステップS503)。示唆演出を実行すると決定されたと判定した場合(ステップS503;Yes)、図30のステップS774にて決定された示唆演出パターンにしたがって示唆演出を実行する(ステップS504)。一方、特別演出を実行すると決定されたと判定した場合(ステップS503;No)、図30のステップS775にて決定された特別演出パターンにしたがって特別演出を実行する(ステップS505)。
ステップS504またはステップS505のいずれかの処理を実行した後は、ラウンド数に応じた大当り中演出を実行し(ステップS506)、大当り中演出処理を終了する。
ステップS502にてラウンド数が「5」以上であると判定した場合(ステップS502;No)、ラウンド数が「5」であるか否かを判定する(ステップS507)。ラウンド数が「5」である場合(ステップS507;Yes)、主基板31から伝送される確変検出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS508)。確変検出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS508;No)、主基板31から伝送される特典付与決定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS509)。特典付与決定コマンドを受信した場合(ステップS509;Yes)、確変制御条件が成立したことに加えて、特別な演出を実行することや遊技情報に含まれる遊技ポイントを加算する、などといった特典が付与されたことを示す、例えば図34(g)や図34(i)や図35(f)に示すような、確変決定演出とは異なる特典付与演出を実行して(ステップS510)、大当り中演出処理を終了する。このように、特典付与演出では、確変決定演出とは異なる演出が実行されることから、遊技者の入賞に対する意欲を向上さえることができる。また、入賞が困難な短期開放時に遊技媒体が入賞することにより、付加価値として特有の演出が実行されるため、遊技興趣を向上させることができる。また、ステップS510の処理では、例えばRAM122に設けられた遊技情報記憶領域に記憶されている遊技ポイントを加算することにより、遊技情報を更新する。RAM122の遊技情報記憶領域に記憶された遊技情報は、遊技の終了が指定されたときに、2次元コードとして出力される。なお、遊技情報には、遊技ポイントの他にも、可変表示の実行回数、大当り遊技状態に制御された回数やリーチの種類など、遊技の開始から終了までの期間に行われた遊技の内容を特定できる情報などが含まれる。したがって、遊技の終了が指定されたときに、上記のような、すなわち、遊技の開始から終了までの期間に行われた遊技の内容を特定できる遊技情報が、2次元コードとして出力される。このような遊技情報は、例えば、主基板31側からコマンドが送信される度に遊技情報を更新して記憶されればよい。例えば、遊技情報として確変状態に制御された回数を記憶する場合には、当該ステップS510の処理の他、後述するステップS512の処理においても、遊技情報を更新する処理を行うようにすればよい。
図34(g)や図34(i)や図35(f)に示す例では、遊技ポイントを加算するといった特典が付与されたことを、コインを獲得した画像を表示することによって示しているが、例えば、獲得した遊技ポイント数を示す画像であってもよい。なお、図示するように、コインを獲得した画像を表示する場合には、コイン1枚につき10ポイント加算されるなど、予めコインに対応するポイント数が設定されていればよい。また、遊技の開始や遊技の終了は、例えば、スティックコントローラ及びプッシュボタン112を操作することで指定可能であればよく、遊技の開始を示す操作がなされたことに基づいて、演出制御基板80の側にて遊技情報の記憶を開始し、遊技の終了を示す操作がなされたことに基づいて、演出制御基板80の側にて遊技情報を2次元コードとして出力すればよい。具体的には、デモ表示画面の表示中にスティックコントローラやプッシュボタン112などが操作されることで、メニュー画面が表示され、遊技者は、当該スティックコントローラやプッシュボタン112を操作することで遊技の開始や遊技の終了を選択すればよい。なお、RAM122に設けられた遊技情報記憶領域に記憶されている遊技ポイントについては、一旦遊技機の電源が投入されると、電源が遮断されるまでの間、または、遊技の終了が指定されるまでの間(2次元コードの出力が行われるまでの間)、記憶され続け、電源の遮断または2次元コードの出力が行われると、クリアされる。したがって、例えば、一の遊技機にて複数の遊技者が順に遊技を行う場合(例えば遊技者A、遊技者B、遊技者Cの順に遊技を行う場合)に、最後に遊技を行う遊技者(遊技者C)は、それまでに遊技を行った遊技者(遊技者AおよびB)が2次元コードの出力処理を行わなかったときには、最初の遊技者(遊技者A)が遊技を行ってから、当該最後の遊技者(遊技者C)が遊技を行うまでに遊技情報記憶領域に記憶されている遊技ポイントを全て取得することが可能となる。これによれば、遊技者は、自分が遊技を行う前に2次元コードの出力が行われていないことへの期待感を持つことができる。
図34は、5R目に実行される演出の表示動作例を示す図である。なお、大当り遊技状態となった後の1R〜5R目の特典付与演出が実行される前までは、例えば、図33に示すようになる。図33は、図33(a)〜(d)に示すように示唆演出パターン3の示唆演出が行われて、図33(e)に示すような、後述する発射促進演出が行われた場合の表示動作例を示す図である。一方、特典付与決定コマンドを受信していない場合(ステップS509;No)、例えば、遊技球を右遊技領域2Bに発射するよう遊技者に指示する「右打ちしてね!」のメッセージや、図33(e)(図35(e)、図38(e)、図39(e))、図36(e)、図37(e)に示すようなメッセージや、右向き矢印を示す指示報知画像AR2を表示するといった、発射促進演出を実行し(ステップS511)、大当り中演出処理を終了する。なお、ラウンド数が「5」であるラウンド遊技中に、一度も確変検出コマンドを受信しなかった場合には、ラウンド数が「5」のラウンド遊技の終了時(または終了前)に、当該発射促進演出において、図38(f)に示すような、確変制御条件が成立しなかったことを示す演出を実行するようにしてもよい。ラウンド遊技の終了時であるかは、主基板31から伝送されるラウンド終了コマンドを受信したか否かにより判定すればよい。また、ステップS511における発射促進演出は、確変アタッカー20Bが開放状態への制御が開始されることに応じて実行されるようにしてもよい。ここで、開放状態への制御が開始されるか否かは、開放時間データがワークテーブルにセットされることにより開放状態への制御が開始されることを判定してもよい。また、例えば、大入賞口開放パターンテーブル2〜5に含まれる閉鎖時間1〜4などは、開放時間と閉鎖時間との合計値が一定となるように設定されているため、一定期間経過する毎に開放状態への制御が開始されたと判定して発射促進演出を実行するようにしてもよい。なお、発射促進演出は、予め複数種類用意されていればよく、発射促進演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて発射促進演出の種類を決定すればよい。また、実行される示唆演出の種類に応じて発射促進演出の種類を決定してもよい。
一方、ステップS508にて確変検出コマンドを受信したと判定した場合(ステップS508;Yes)、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立したことを遊技者に報知する確変決定演出を実行し(ステップS512)、大当り中演出処理を終了する。確変決定演出は、予め複数種類用意されており、例えば、この実施の形態では、遊技球が入賞し難い(確変制御条件が成立し難い)開閉動作中に遊技球が入賞した場合と、遊技球が入賞し易い(確変制御条件が成立し易い)開閉動作中に遊技球が入賞した場合とで異なる確変決定演出が実行される。これによれば、遊技者に特別感を与えることができ、遊技興趣を向上させることができる。なお、この実施の形態における確変決定演出には、図34(f)(図36(f)や図37(f)も同様)や図34(h)や図39(g)に示す画像を表示する演出とが予め用意されている。図34は、5Rのラウンド遊技において、確変検出コマンドを一度受信した後に(確変アタッカー20Bにおける大入賞口に一度遊技球が入賞した後に)特典付与決定コマンドを受信した場合における特典付与演出の表示動作例を示している。具体的には、テーブルパターンが「3」〜「5」である場合において(図15のステップS353;No)、確変検出コマンドが主基板31から伝送されたことにより、図32のステップS512にて図34(f)または図34(h)に示す画像を表示する確変決定演出が行われ、続いて遊技球が再び確変アタッカー20Bにおける大入賞口に入賞したことにより特典付与決定コマンドが主基板31から伝送されたことにより、図32のステップS510にて図34(g)や図34(i)に示す画像を表示する特典付与演出が実行された場合の例を示している。なお、図34(h)は、再度確変アタッカー20Bにおける大入賞口に遊技球が入賞した場合には、特典として遊技ポイントを取得することができることを示唆している。図34(f)(図36(f)や図37(f)も同様)や図34(h)や図39(g)に示す確変決定演出とのいずれの演出を実行するかは、確変決定演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて決定すればよい。なお、図36〜図39は、各示唆演出が実行された場合の表示動作例を示すとともに、特典付与演出が実行されない場合における表示動作例を示している。
図35は、5Rのラウンド遊技において、テーブルパターンが「2」である開閉制御が開始され、短期開放が行われる5回目までの開放期間中に特典付与決定コマンドを受信した場合における特典付与演出の表示動作例を示している。具体的には、テーブルパターンが「2」であり(図15のステップS348;Yes)、開放回数が6回未満である場合において(図15のステップS349;Yes)、特典付与決定コマンドが主基板31から伝送されたことにより、図32のステップS510にて特典付与演出が実行された場合の例を示している。図35に示す例では、5Rのラウンド遊技における短期開放期間中に(テーブルパターンが「2」の場合における5回目までの開放中)、2度特典付与決定コマンドを受信した場合の例を示しており、1回目に受信したことにより特典付与演出が実行された場合の表示動作例を図35(f)に、2回目に受信したことにより特典付与演出が実行された場合の表示動作例を図35(g)に示している。なお、図35(a)〜(e)は、大当り遊技状態となりラウンド遊技を開始してから、示唆演出パターン3の示唆演出が実行され、発射促進演出が実行されるまでの表示動作例である。図35に示す例では、1回目に特典付与決定コマンドを受信した場合と、2回目に特典付与決定コマンドを受信した場合とで異なる画像を表示する例(図35(f)と図35(g))を示したが、特典付与決定コマンドを受信する度に予めRAM122に設けられたコマンド受信カウンタの値を1増加させ、当該コマンド受信カウンタの値に対応した画像を表示させることにより、コマンドを受信した回数に応じて異なる特典付与演出を実行すればよい。コマンド受信カウンタは、例えば、後述するステップS516の処理にてクリアされればよい。なお、テーブルパターンが「2」であり、短期開放期間が終了した後に遊技球が図15のステップS356にて確変検出コマンドが主基板31から伝送され、図32のステップS512にて、例えば、図36(f)(図37(f))や図39(g)に示す確変決定演出が実行される。
ステップS507にてラウンド数が「5」でないと判定された場合(ステップS507;No)、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS513)。確変確定フラグがオフである場合(ステップS513;No)、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御することがないことを示す非確変確定演出を実行し(ステップS515)、大当り中演出処理を終了する。一方、確変確定フラグがオンである場合(ステップS513;Yes)、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御することを示す確変確定演出を実行し(ステップS514)、大当り中演出処理を終了する。
ステップS501にて、大当り終了指定コマンドの受信があった場合には(ステップS501;Yes)、大当り終了報知演出時間を設定する(ステップS516)。ステップS516の処理では、例えば主基板11から伝送された大当り終了指定コマンドにより特定される大当り終了演出待ち時間に対応して、複数種類の大当り終了報知演出時間のうちいずれかを選択して設定すればよい。より具体的には、大当り終了指定コマンドにより指定された大当り終了演出待ち時間と同一の時間を、大当り終了報知演出時間として設定すればよい。ステップS516の処理を実行した後は、演出制御プロセスフラグの値を“6”に更新してから(ステップS517)、大当り中演出処理を終了する。
また、この実施の形態における遊技機1は、図41に示すように、遊技場(ホール)に設置されている。遊技機1は、遊技が開始されてから遊技が終了するまでの期間(遊技の開始や終了は、例えば、遊技者によって指示される。)における遊技の結果などを2次元コードとして出力する。遊技者は、パチンコ遊技機1が出力する2次元コードを携帯端末1001で読み取り、2次元コードが表す遊技の結果などを管理サーバ1000に送信する。遊技の結果は、特に、遊技の進行に応じて遊技者に付与された遊技ポイント(例えば特典付与演出が行われたことで取得するコインなど)を含む。この遊技ポイントが貯まると、遊技ポイントを貯めた遊技者にとって有益(経済的、心理的のどちらであってもよい。)なコンテンツ(専用コンテンツ)が得られる。本実施の形態のパチンコ機1では、遊技を開始する際に、例えばパスワードを入力することで、以前遊技を行った際のレベルや演出設定等、過去の遊技履歴を反映した(引き継いだ)演出を実行させることが可能となり、長期間にわたり継続性のある演出を行わせることができる。また、遊技の終了後、遊技結果情報を含む2次元コードに、パスワードが含まれるため、パスワードを発行する管理サーバ1000にて、2次元コードに含まれるパスワードを認証することで、パスワードの発行を受けた遊技者であるか否かを判別することが可能となる。したがって、第三者が他人のパスワードを入手して遊技を行い2次元コードを取得したり、他人の2次元コードを取得したりしても、この2次元コードに含まれる遊技結果情報を、管理サーバ1000が備える後述の遊技者データベースに反映させることはできない。これにより、パスワードや2次元コードを流用したり盗用したりしても意味がなくなるため、パスワード及び2次元コードの流用や盗用を防止することができる。なお、管理サーバ1000によって発行されるパスワードは、その発行の度に変化するランダム値によって変化するため、同一内容の遊技履歴が特定される場合であっても同一パスワードとなる訳ではなく、パスワードを推測することが困難となる。
管理サーバ1000は、パチンコ遊技機1における遊技履歴を遊技者毎に管理するとともに、遊技ポイントに応じて遊技者に専用コンテンツを付与する。遊技履歴は、遊技の結果の集合からなる。管理サーバ1000は、携帯端末1001から送信された遊技の結果などに基づいて、当該遊技者の遊技履歴を更新していく(特に遊技ポイントを蓄積していく)。遊技者は、携帯端末1001を介して、管理サーバ1000にアクセスし、当該遊技者の遊技履歴に含まれる遊技ポイントに応じて管理サーバ1000が記憶する特典を取得できる。つまり、遊技者の要求に応じて、当該遊技者に付与され貯められた遊技ポイントに応じて、専用コンテンツが管理サーバ1000から当該遊技者の携帯端末1001に配信される。
図42は、管理サーバ1000で実行されるサーバメイン処理の手順を示すフローチャートである。このサーバメイン処理は、携帯端末1001から、管理サーバ1000が管理する各ウェブページへのアクセス要求がある度に実行される。管理サーバ1000は、このアクセス要求に応じて、以下の各処理を実行する。
携帯端末1001から、会員登録用のウェブページへのアクセス要求があった場合(ステップS2901;Yes)、管理サーバ1000は、会員登録処理を実行する(ステップS2902)。
図43は、この会員登録処理の手順を示すフローチャートであり、図48は、この処理に関しての、携帯端末1001と管理サーバ1000間のデータのやり取りを示す図である。管理サーバ1000は、会員登録要求の送信元の携帯端末1001の端末識別情報(SIMデータ)が、遊技者データベースに既に登録されているか否かを判定する(ステップS3001)。端末識別情報が遊技者データベースに登録済みである場合(ステップS3001;Yes)、管理サーバ1000は、遊技者の操作に応じて携帯端末1001から送信される会員情報(例えば、遊技者名(登録ネーム)、性別、生年月日、都道府県等の個人情報等)を、端末識別情報に対応する遊技者情報に反映する(ステップS3002)。これにより、例えば、遊技者は、未だ会員情報を登録していなかった場合に、会員情報を登録することができ、あるいは、登録済みの会員情報を変更することができる。
一方、端末識別情報が遊技者データベースに登録済みでない場合(ステップS3001;No)、管理サーバ1000は、当該遊技者(当該端末識別情報)に対応する遊技者情報を遊技者データベースに新規登録する(ステップS3003)。この場合の遊技者情報には、端末識別情報と、遊技者の操作に応じて携帯端末1001から送信される会員情報のみが格納される。そして、管理サーバ1000は、会員登録要求を行った携帯端末1001に対して登録結果を通知する(ステップS3004)。登録結果を受けた携帯端末1001では、登録結果が表示され、遊技者にその旨が通知される。
図42に示すサーバメイン処理に戻り、携帯端末1001から、メニュー画面用のウェブページへのアクセス要求があった場合、すなわち、メニューデータ取得要求があった場合(ステップS2903;Yes)、管理サーバ1000は、当該要求の送信元の携帯端末1001の端末識別情報(SIMデータ)が、遊技者データベースに既に登録されているか否かを判定する(ステップS2904)。その結果、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みでない場合(ステップS2904;No)、管理サーバ1000は、メニューデータの取得が不可である旨を、当該端末識別情報で示される携帯端末1001に送信する(ステップS2907)。その後、管理サーバ1000は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みである場合(ステップS2908;Yes)、管理サーバ1000は、メニューデータを当該端末識別情報で示される携帯端末1001に送信する(ステップS2905)。これにより、当該携帯端末1001の表示部には、図47(D)に示されるようなメニュー画面が表示される。このメニュー画面には、管理サーバ1000が管理するサイトで、遊技者に提供され得る項目のメニューが表示される。具体的には、パスワード発行、履歴表示、達成ミッションの表示、遊技ポイント数の表示、カスタム設定、ゲームの実行、アバターの設定、ショップでのコンテンツ等の購入、掲示板の閲覧及び投稿、等を行なうための各リンクが表示される。遊技者により、所望のリンクが選択されると、管理サーバ1000は、メニュー選択受付処理を実行する(ステップS2906)。
図44は、このメニュー選択受付処理の手順を示すフローチャートである。遊技者により、パスワード発行のリンクが選択されると(ステップS3401;Yes)、管理サーバ1000は、パスワード発行処理を実行する(ステップS3402)。
図45は、このパスワード発行処理の手順を示すフローチャートである管理サーバ1000は、当該要求の送信元の携帯端末1001の端末識別情報(SIMデータ)が、遊技者データベースに既に登録されているか否かを判定する(ステップS3501)。その結果、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みでない場合(ステップS3501;No)、管理サーバ1000は、パスワードの発行が不可である旨を、当該端末識別情報で示される携帯端末1001に送信する(ステップS3502)。その後、管理サーバ1000は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みである場合(ステップS3501;Yes)、管理サーバ1000は、当該遊技者に対応する遊技者情報及び遊技履歴情報に基づいて、例えば、レベル、機種情報、直近情報、記念日、及び、その他の演出設定等の情報を取得し、取得した各情報に基づいてパスワードを生成し、生成したパスワードを当該端末識別情報で示される携帯端末1001に送信する(ステップS3503)。そして、管理サーバ1000は、生成したパスワードを、前回発行パスワードとして、当該遊技者に対応する遊技者情報に格納すると共に、ステータスを遊技中に更新する(ステップS3504)。その後、管理サーバ1000は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
図47(F)は、パスワード発行のリンクが選択されたときに、携帯端末1001の表示部に表示されるパスワード表示画面の例を示す図である。遊技者は、このパスワード表示画面を見ながら、遊技機1に対して、パスワードを入力することができる。なお、本実施形態の管理サーバ1000では、パスワードの発行要求を受け付けた際に、該当する遊技者情報のステータスが遊技中であっても、パスワードの発行が禁止されることはなく、このような状況で新たにパスワードの発行要求を受け付けた場合でも、新たにパスワードが発行されるようになっている。したがって、パスワードの発行を受けたものの、遊技を行わなかった場合や、遊技を行ったものの2次元コードを取得しなかった場合、あるいは、2次元コードを取得したものの更新要求を行わなかった場合でも、パスワードを解放するためのアクセスを行うことなく、新たにパスワードの発行を受けることが可能となっている。
図44に示すメニュー選択受付処理に戻り、遊技者により、ショップのリンクが選択されると(ステップS3405;Yes)、管理サーバ1000は、アイテム付与処理を実行する(ステップS3406)。
図46は、このアイテム付与処理の手順を示すフローチャートであり、図49は、この処理に関しての、携帯端末1001と管理サーバ1000間のデータのやり取りを示す図である。管理サーバ1000は、当該携帯端末1001の端末識別情報(SIMデータ)が、遊技者データベースに既に登録されているか否かを判定する(ステップS3701)。その結果、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みでない場合(ステップS3701;No)、管理サーバ1000は、アイテム付与が不可である旨を、当該携帯端末1100に送信する(ステップS3702)。その後、管理サーバ1000は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みである場合(ステップS3701;YES)、管理サーバ1000は、遊技者データベースの当該遊技者に対応する遊技者情報か遊技ポイント等を抽出し、予め記憶されている特典データベースに基づいて、抽出した遊技ポイント等に応じて付与可能なアイテムを抽出する(ステップS3703)。そして、管理サーバ1000は、抽出したアイテムのリストを生成し、生成したアイテムリストを当該端末識別情報で示される携帯端末1001に送信する(ステップS3704)。この場合、アイテム要求を行なった携帯端末1001の表示部には、例えば、図47(G)で示すように、付与可能なアイテムを示す画面が表示される。この画面には、例えば、遊技ポイントの残数、付与可能なアイテムを選択するためのリンク、その付与に必要な遊技ポイント数、図47(D)のメニュー画面に移行するために、ショップを出るためのリンクが表示される。図47(G)に示す例では、遊技ポイントの残数が1234ポイントであること、アイテムAを購入するためのリンクと共に、アイテムAの購入に遊技ポイントが100ポイントが必要であること、及び、アイテムBを購入するためのリンクと共に、アイテムBの購入に遊技ポイントが50ポイント必要であることが示されている。図47(G)の画面において、遊技者により、所望のアイテム種別に対応したリンクが選択されることによって、選択されたアイテム種別を示すデータが管理サーバ1000に対して送信される。管理サーバ1000は、当該携帯端末1001から、遊技者が所望するアイテム種別を受信すると(ステップS3705;YES)、受信したアイテム種別で示されるアイテムデータを、特典データベースが示す格納場所から読み出し、当該携帯端末1001に送信する(ステップS3706)。
これにより、遊技者は、コンテンツデータ、あるいは、交換券や応募券を示す2次元コード等のデータを取得することができる。なお、図49に示す例では、管理サーバ1000からアイテムデータを携帯端末に送信する例を示したが、例えば、管理サーバ1000側にてアイテムデータを更新するようにしてもよい。この場合には、図47(D)に示すパスワード発行が遊技者に選択されると、アイテムデータに相当するアイテムパスワードの発行を選択可能に表示し、当該アイテムパスワードの発行が選択されると、管理サーバ1000から携帯端末にアイテムパスワードが発行されればよい。そして遊技者によりアイテムパスワードが遊技機に入力されると、例えば、アイテムパスワードの入力がなされた場合特有の演出等が実行される。例えば、アイテムパスワードが入力された場合特有のリーチ演出が、アイテムパスワードに応じて複数用意されており、アイテムパスワードに応じたリーチ演出が実行されればよい。これによれば、アイテムパスワードが入力された場合特有の演出が実行されることから、遊技興趣を向上させることができる。
図44に示すメニュー選択受付処理に戻り、遊技者により、その他の各リンクが選択されると(ステップS3407;Yes)、管理サーバ1000は、その選択されたリンクに応じた処理を実行する(ステップS3408)。例えば、遊技者により、履歴表示のリンクが選択されると、管理サーバ1000は、遊技者に日付を選択させるための画面データを当該携帯端末1100に送信する。これにより、図47(E)に示すような、日付選択画面が当該携帯端末1100の表示部140に表示される。この日付選択画面には、遊技履歴データベースの当該遊技者に対応する遊技履歴情報の日付の選択肢のリンクが表示される。遊技者により、何れかのリンクが選択されると、管理サーバ1000は、選択されたリンクに対応する日付の遊技履歴情報と、当該遊技者に対応する遊技者情報と、に基づいて、当該遊技者の遊技履歴を抽出し、当該携帯端末1001に送信する。これにより、図47(C)に示すような、履歴表示画面が当該携帯端末1001の表示部に表示される。
図47(A)は、携帯端末1001で2次元コードを読み取っている際の表示部の表示画面の例を示す図である。このように、オートフォーカスにより焦点が合った状態で、表示画面内の枠内に所定の大きさで、撮影された2次元コードが表示されている状態で、2次元コードの画像が携帯端末1001に取り込まれる。そして、携帯端末1001が備える一般的な2次元コード読み取り用のアプリケーションプログラムにより、読み取った2次元コードが解析される。
図47(B)は、携帯端末1001の表示部に、2次元コードの解析結果としてのURLが表示されている様子を示す図である。このように、管理サーバ1000の会員登録ページ等の所定のウェブページの所在を示すURLが携帯端末1001の表示部に表示される。そして、このURLが選択されることで、このURLによって示される、管理サーバ1000の所定のウェブページにアクセスすることができる。
このように、上記の構成によれば、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開放パターンに従って開閉制御が開始された場合、1回目の開放が行われてから5回目までの開放が行われている短期開放が行われている期間(入賞が困難な期間)に、遊技球が入賞することにより(確変検出スイッチ24aによって検出されたことにより)、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態に制御される(確変制御条件が成立する)のに加え、大当り遊技状態中に特別な演出を実行することや、遊技情報に含まれる遊技ポイントを加算する、などといった特典が付与される。また、大入賞口開放パターンテーブル3〜5に示される不利開閉パターンに従って開閉制御が行われている場合に遊技球が2回入賞することにより(確変検出スイッチ24aによって2回検出されたことにより)、確変制御条件が成立するのに加え、大当り遊技状態中に特別な演出を実行することや、遊技情報に含まれる遊技ポイントを加算する、などといった特典が付与される特典付与条件が成立する。したがって、入賞が困難な開放時に遊技媒体が入賞する特別な事象に対して付加価値が得られるので遊技興趣を向上させることができる。
また、上記の構成によれば、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開放パターンに従って開閉制御が開始された場合、1回目の開放が行われてから5回目までの開放が行われている短期開放が行われている期間(入賞が困難な期間)に、遊技球が入賞すること(確変検出スイッチ24aによって検出されたことにより)や、大入賞口開放パターンテーブル3〜5に示される不利開閉パターンに従って開閉制御が行われている場合に遊技球が2回入賞することにより(確変検出スイッチ24aによって2回検出されたことにより)、確変決定演出とは異なる演出が実行されることから、短期開放中における入賞に対する遊技者の意欲を向上さえることができる。また、入賞が困難な短期開放時に遊技媒体が入賞することにより、付加価値として特有の演出が実行されるため、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記の構成によれば、ステップS510の処理において、例えばRAM122に設けられた遊技情報記憶領域に記憶されている遊技ポイントを加算することにより、遊技情報を更新する。そして、遊技の終了が指定されたときに、記憶した遊技情報を2次元コードとして出力する。したがって入賞が困難な開放時に遊技媒体が入賞する特別な事象に対して、付加価値として遊技価値とは異なる特典が得られるので遊技興趣を向上させることができる。
また、上記構成によれば、大入賞口開放パターンテーブル2に示される開放パターンに従って開閉制御が開始された場合、1回目の開放が行われてから5回目までの開放が行われている短期開放が行われている期間(入賞が困難な期間)に、遊技球が入賞すること(確変検出スイッチ24aによって検出されたことにより)や、大入賞口開放パターンテーブル3〜5に示される不利開閉パターンに従って開閉制御が行われている場合に遊技球が2回入賞することにより(確変検出スイッチ24aによって2回検出されたことにより)、遊技ポイントが加算され、遊技の終了後に携帯端末で読み取り可能な2次元コードとして出力される。そして遊技者は、遊技者の所有する携帯端末でこの2次元コードを読み取ることにより、後述する管理サーバへアクセスし、遊技情報に基づいて遊技者にとって有益(経済的、心理的のどちらであってもよい。)なコンテンツ(専用コンテンツ)を取得する入賞が困難な開放時に遊技媒体が入賞する特別な事象に対して、付加価値として遊技価値とは異なる特典が得られるので遊技興趣を向上させることができる。また、遊技者は、遊技価値とは異なる特典を取得しようとするため、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記の構成によれば、図14(C)、(D)、(E)に示す大入賞口開放パターンテーブル3〜5において、終了コードの前に32ミリ秒間開放状態とする開放時間7が設定されていることから、確変アタッカー用の大入賞口を閉鎖状態に制御中に遊技球が当該確変アタッカー用の大入賞口に進入して確変アタッカー用の大入賞口扉に遊技球が挟まる、図40(b)に示すような、いわゆる球噛みといった状態を防止することができる。また、32ミリ秒間といったように、新たに発射された遊技球が入賞することのない期間のみ開放状態となる(瞬間的に開放状態となる)ため、想定外の入賞が発生することを抑制でき、本来設定した入賞率と異なる入賞率となることを防止することができる。また、上記の構成によれば、球噛み状態を防止する動作において、開放状態とする期間(開放時間7)が、いずれの開放時間よりも短く設定されているため、いずれの開放パターンに含まれる開放期間よりも短い期間に球噛み状態を防止する動作を実行するため、球噛みの対象の球以外の新たな入賞が発生することを抑止することができる。
また、上記の構成によれば、確変アタッカー用の大入賞口へ遊技球が入賞し難い(確変制御条件が成立し難い)開閉動作の後、遊技球が入賞し易くい(確変制御条件が成立しやすい)開閉動作となるパターンが設定されており、遊技者にとって不利な開閉動作が開始された場合であっても、不利な開閉動作が行われた後に有利な開閉動作が行われることに対する期待を持つことができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記の構成によれば、ラウンド数が「5」のラウンド遊技において、確変アタッカー用の大入賞口の開放時間が徐々に長くなるパターンが設定されており、遊技者にとって不利な開閉動作が開始された場合であっても、複数実行される開閉動作のうち最初に実行された開閉動作よりも後に実行される開閉動作の方が、遊技者にとって有利な開閉動作となるため、不利な開閉動作が行われた後に有利な開閉動作が行われることに対する期待を持つことができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記の構成によれば、大当り遊技状態中に「普図当り」となった場合でも、ソレノイド制御処理が実行されることにより、普電開放ワークテーブルに普電開放時間等が格納される。したがって、開放契機の異なる入賞口に対して、一方の入賞口の開閉制御中に他方の入賞口の開閉制御が発生した場合でも、それぞれの入賞口の開閉制御を行う設定を共通の処理にて実行可能であり、不具合を発生させることなく、プログラム容量を削減することができる。
また、電動役物開放パターン処理にて、ソレノイド出力ビットとソレノイド出力データとの排他的論理和が演算されることで駆動対象に駆動信号が出力され、ソレノイドの開閉制御が行われる。したがって、開放契機の異なる入賞口に対して、一方の入賞口の開閉制御中に他方の入賞口の開閉制御が発生した場合でも、それぞれの入賞口の開閉制御を共通の処理により実行可能であり、不具合を発生させることなく、プログラム容量を削減することができる。また、電動役物開放パターン処理にて、タイマ値が「0」になった場合には、次に設定されている時間データに更新される。すなわち、時間データの切り替えも共通の処理で行われるため、プログラム容量を削減することができる。さらに、電動役物開放パターン処理にて、タイマ値が「0」になった場合には、時間データの更新とともに、ソレノイド出力データの切り替えが行われる。そしてソレノイド出力ビットとの排他的論理和が演算され、ソレノイド出力ビットが更新されるとともに駆動信号が出力される。したがって、ソレノイド出力ビットの更新も共通の処理にて行われるため、プログラム容量を削減することができる。
また、上記の構成によれば、通常アタッカー用ソレノイド21aと確変アタッカー用ソレノイド21bと普通電動役物用ソレノイド16といった各ソレノイドのうち、いずれのソレノイドを駆動対象とするのかを、ソレノイド制御処理にて特定するため、不具合を発生させることなく、共通の処理により各ソレノイドを制御することができる。
また、上記の構成によれば、入賞エラー判定処理により、不正な入賞を検知する。したがって、複数の入賞口を備えていても、不正な入賞を適切に判定することができる。
(変形例)
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
(1)上記実施の形態では、ラウンド数が「5」未満である場合に遊技者にとって有利な(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択されている可能性があることを遊技者に示唆する示唆演出を実行する例を示したが、これは一例である。示唆演出は、例えば、特典付与条件が成立しやすい開放パターンが選択されている可能性があることを遊技者に示唆する演出であってもよい。この場合には、例えば、特典付与条件が成立する可能性のある、大入賞口開放パターンテーブル2や大入賞口開放パターンテーブル3〜5のいずれかの開放パターンに応じて開閉制御が行われる場合に示唆演出を実行するようにし、表示されるキャラクタの数によって、遊技者にとって有利な(特典付与条件が成立しやすい)開放パターンが選択されている可能性を示唆してすればよい。
(2)上記実施の形態では、図15のステップS351やS355の処理において、確変制御条件と特典付与条件とが成立したことを示す特典付与決定コマンドを送信する設定をする例を示したが、これは一例である。例えば、ステップS351やS355の処理では、確変制御条件の成立を示す確変検出コマンドと特典付与条件の成立を示す特典付与コマンドとの双方を送信する設定をしてもよい。この場合には、演出制御基板80の側では、例えば、図32のステップS508やS509の処理ではなく、双方のコマンド(確変検出コマンドと特典付与コマンド)を受信したか否かを判定し、双方のコマンドを受信した場合にステップS510における特典付与演出を実行すればよい。また、確変検出コマンドのみ受信した場合には、ステップS512における確変決定演出を実行すればよい。
(3)上記実施の形態では、図26におけるステップS192の処理を実行することで、ステップS193、S194のいずれの処理を実行するかを決定する例を示したが、これは一例である。ステップS193、S194のいずれの処理を実行するかは、例えば、特図プロセスフラグの値や普図プロセスフラグの値を参照することにより決定するようにしてもよいし、当該ソレノイド制御処理を実行する前に、いずれの処理を実行するのかを指定してから当該ソレノイド制御処理を実行するようにしてもよい。
(4)上記実施の形態では、図28におけるステップS932の処理を実行することで、ステップS934、S935のいずれかの処理を実行するのかを決定する例を示したが、これは一例である。ステップS934、S935のいずれかの処理を実行するかは、例えば、特図プロセスフラグの値や普図プロセスフラグの値を参照することにより決定するようにしてもよいし、当該電動役物開放パターン処理を実行する前に、いずれの処理を実行するのかを指定してから当該電動役物開放パターン処理を実行するようにしてもよい。
(5)上記実施の形態では、図26のステップS195の処理にて、ワークテーブルにセットした開放時間データ(時間データ)により示される時間を4ミリ秒で除算した値をタイマ値としてセットし、図28のステップS938の処理にて「1」減算する例を示したが、これは一例である。図26のステップS195の処理にてセットされるタイマ値は、ワークテーブルにセットした時間データにより示される時間であってもよい。この場合には、図28のステップS938の処理が実行される度に、4ミリ秒ずつ減算すればよい。
(6)上記実施の形態では、駆動対象となるソレノイドを特定するソレノイド出力データとソレノイド出力ビットとの排他的論理和を求め、演算結果に応じて駆動対象のソレノイドに駆動信号を出力する例を示したが、これは一例である。例えば、駆動対象となるソレノイドを特定するデータ(ソレノイド特定データ)を、ワークテーブルに格納された時間データと対応付けて記憶しておき、タイマ値が「0」になったことに応じて、新たに読み込まれた時間データに対応するソレノイド特定データにより特定されるソレノイドに駆動信号を出力するようにしてもよい。
(7)上記実施の形態では、大入賞口開放パターンテーブル3〜5に基づいて確変アタッカー用の大入賞口を開閉制御する場合、32ミリ秒間開放状態とすることでいわゆる球噛みといった状態を防止する動作を実行する例を示したが、これは一例である。例えば、球噛みといった状態を防止する動作は、いわゆる球噛み状態となった場合に、開放状態への制御を開始してから(閉鎖位置から開放位置への開放動作を開始してから)開放状態となる前に閉鎖状態への制御を開始する(閉鎖位置へ戻す制御を開始する)動作であってもよい。具体的には、図40(a)に示すように、遊技球が確変アタッカー用大入賞口に入賞し、図40(b)に示すように、いわゆる球噛み状態となった場合、図40(c)に示すように開放状態への制御を開始してから(閉鎖位置から開放位置への開放動作を開始してから)開放状態となる前に閉鎖状態への制御を開始して(閉鎖位置へ戻す制御を開始して)、図40(d)に示すように、開放位置となるよりも前に閉鎖位置に戻すようにしてもよい。これによれば、いわゆる球噛みが発生した場合においても、球噛みの対象の球以外の新たな入賞が発生することを抑止することができる。また、上記実施の形態では、球噛み状態を防止する動作において、開放状態とする期間を32ミリ秒間とする例を示したが、これは一例である。例えば、打球発射装置から一旦遊技球が発射されてから次の遊技球が発射されるまでの期間のうちの最短の期間(最短発射間隔(例えば0.6秒))よりも短い期間を、球噛み状態を防止する動作期間としてもよい。これによれば、遊技媒体が発射される期間よりも短い期間に動作するため、いわゆる球噛みが発生した場合においても、球噛みの対象の球以外の新たな入賞が発生することを抑止することができる。
(8)上記実施の形態では、球噛み状態を防止する動作により確変アタッカー用の大入賞口に遊技球が入賞した場合であっても、終了コードが読み込まれるまでの32ミリ秒間の入賞を有効な入賞としてカウントする(例えばステップS347の処理を実行するなど)例を示したが、これは一例である。例えば、球噛み状態を防止する動作を開始してから開放状態が終了した後の所定期間を、有効判定タイマ値としてRAM102の所定領域に予め設定しておき、当該所定期間内の入賞を有効な入賞として判定するようにしてもよい。この場合には、例えば、終了コードが読み込まれたことに応じて有効判定タイマ値を徐々に減算させ、「0」になるまでに確変検出スイッチがオン状態となった場合に有効な入賞と判定すればよい。これによれば、いわゆる球噛みが解消された後に遊技球が入賞するといった遅れ入賞球を適切に有効期間内の入賞として判定することができる。
(9)上記実施の形態では、示唆演出を実行することにより、確変アタッカー20Bにおける大入賞口に遊技球が入賞し易い(確変制御条件が成立しやすい)開放パターンが選択された可能性を、遊技者に示唆する例を示したが、当該示唆演出に加えて、確変アタッカー20Bにおける大入賞口の開放回数を遊技者に報知する開放回数報知演出を実行してもよい。具体的には、大入賞口開放パターンテーブル3〜5といった、遊技球が入賞し難く、確変制御条件が成立し難いパターンの開閉動作の開放回数を遊技者に報知するようにすればよく、球噛み状態を防止する場合における開放動作の回数は当該開閉動作の開放回数に含まないようにすればよい。この場合、例えば、ステップS885にて大入賞口開放パターンテーブル3〜5のいずれかの大入賞口開放パターンテーブルが決定された場合には、その旨と当該決定された大入賞口開放パターンテーブルに含まれる開放時間7を除く開放時間の数を示す開放回数コマンドを、演出制御基板80に対して伝送し、ステップS504の示唆演出の実行後に、開放回数コマンドに基づいて開放回数を遊技者に報知する演出を実行すればよい。なお、開放回数を遊技者に報知する演出は、ラウンド数が「4」であるラウンド遊技において実行するようにしても、ラウンド数が「5」であるラウンド遊技の開始時に実行するようにしてもよい。また、開放回数を遊技者に報知する演出は、メッセージを表示してもよいし、開放回数に応じた複数種類の音声を予め用意しておき、音声により報知するようにしてもよい。これによれば、開放状態に制御される回数を遊技者に報知することができ、入賞機会を狙う遊技者の遊技意欲を高めるとともに、入賞が困難な開放については報知演出を制限することで遊技者を落胆させることを防止することができる。
(10)上記実施の形態では、ステップS885の処理にて決定された開放パターンにしたがって確変アタッカー用の大入賞口を開放制御する例を示したが、例えば、予め確変アタッカー20Bに装飾用LEDを配置し、当該確変アタッカー用の大入賞口が開放されることに対応して当該装飾用LEDを点灯させるようにしてもよい。この場合、例えば、大入賞口開放パターンテーブルに含まれる開放時間データが大入賞口開放前ワークテーブルにセットされることや閉鎖時間データがセットされることに応じて、点灯、消灯を繰り返すようにすればよい。また、一定期間経過する毎に開放状態への制御が開始されたと判定して点灯させるようにしてもよい。これによれば、開放状態に制御されるタイミングで確変アタッカー20Bが発光されるため、確変アタッカー20Bに注目を集めることができ、遊技媒体が入賞するか否かに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
(11)上記実施の形態では、ステップS772の処理にて大当り種別が「確変2」である場合には特別演出を実行せず示唆演出の実行を決定する例を示したが、これは一例である。例えば、大当り種別が「確変2」である場合においても、特別演出の実行を決定するようにしてもよい。この、大当り種別が「確変2」である場合に特別演出を実行すると決定した場合は、例えば、ラウンド数が「1」〜「4」であるラウンド遊技中には、特別演出を実行しないようにすればよい。これによれば、特別有利開閉パターンに従って開閉制御が行われる場合には、示唆演出が制限されるため、遊技者にとって有利な開閉制御が行われることを事前に遊技者に認識されてしまうことを防止することができる。
(12)上記実施の形態では、遊技球が入賞し難く、確変制御条件が成立し難い開閉動作の後、遊技球が入賞し易く、確変制御条件が成立しやすい開閉動作となる開放パターン(特別有利開放パターン)を含む開放パターンテーブルとして、大入賞口開放パターンテーブル2のみが予め設定されている例を示したが、これに限定されず、特別有利開放パターンとして複数種類の開放パターンが予め用意されていてもよい。例えば、遊技球が入賞し難く、確変制御条件が成立し難い開閉動作時間として、60ミリ秒、80ミリ秒、100ミリ秒、といったように大入賞口開放パターンテーブル3〜5に含まれる開放時間を含む大入賞口開放パターンテーブル2に加え、大入賞口開放パターンテーブル3〜5に含まれる開放時間よりも短い時間を、遊技球が入賞し難く、確変制御条件が成立し難い開閉動作時間とするパターンテーブル(特殊開閉パターンテーブル)を予め用意しておいてもよい。この場合、大当り種別が「確変2」であるときには、大入賞口開放パターンテーブル2よりも特殊開閉パターンテーブルに示される開放パターンにしたがって開閉動作を行うようにすればよい。これによれば、遊技者にとって不利な開閉動作が開始された場合であっても、不利な開閉動作が行われた後に有利な開閉動作が行われる可能性が他の不利な開閉動作が開始された場合よりも高くなるため、不利な開閉動作が行われた後に有利な開閉動作が行われることに対する期待を持つことができ、遊技興趣を向上させることができる。
(13)その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾セグメントランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(14)本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。