以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明である遊技機としては、パチンコ遊技機やパチスロ遊技機などがある。図1は、パチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。
パチンコ遊技機(遊技機)1は、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とからなる。遊技盤2は、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域を有する。遊技領域に、遊技媒体である遊技球を、所定の打球発射装置から発射して打ち込む。
遊技盤2には、遊技領域の所定位置に、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとを設ける。第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等からなる。
第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bでは、特別図柄ゲームを行う。特別図柄ゲームは、可変表示ゲームの一つであり、特別図柄を変動可能に表示する。尚、特別図柄(特図)とは、各々を識別可能な複数種類の特別識別情報である。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示する特別図柄を第1特図とし、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示する特別図柄を第2特図とする。
特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等からなる。ただし、これらに限定はされず、7セグメントのLEDにおいて点灯と消灯の組合せにより異なる複数種類の点灯パターンを、複数種類の識別情報として予め設定すれば良い。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5を設ける。画像表示装置5は、LCD(液晶表示装置)等からなり、各種の演出画像を表示する表示領域を形成する。
画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特図及び第2特図の可変表示に対応して、複数(例えば3つ)の飾り図柄表示エリアからなる可変表示部において、飾り図柄を変動可能に表示する。尚、飾り図柄とは、可変表示部における各々を識別可能な複数種類の装飾識別情報である。飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含む。
例えば、画像表示装置5の表示領域に、左、中、右の各飾り図柄表示エリアを配置し、特図ゲームにおいて第1特図と第2特図のうち、いずれかの変動を開始すると、各飾り図柄表示エリアにおいて、上下方向にスクロール表示する等して飾り図柄の変動を開始する。
特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄を停止表示したときに、左、中、右の各飾り図柄表示エリアにおいて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を停止表示する。
特図ゲームと同期して、飾り図柄の可変表示を行い、確定飾り図柄を導出表示する。尚、導出表示とは、特別図柄や飾り図柄等の表示図柄を停止して可変表示を終了すること、即ち、完全停止表示又は最終停止表示することである。
これに対して、仮停止表示する場合もある。飾り図柄の可変表示を開始してから確定飾り図柄を導出表示するまでの可変表示中に、変動速度が0となり、飾り図柄が停留しても、微少な揺れや伸縮などを生じた状態である。
仮停止表示状態では、可変表示結果を確定的に表示しないが、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行しない。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等だけでなく、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどを含む。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hを配置する。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームにおいて可変表示の保留数を示す特図保留記憶数を特定することができる保留記憶表示を行う。
特図ゲームに対応した可変表示の保留は、可変表示中に次の遊技球が、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口、又は普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)し、始動入賞することにより発生する。
即ち、可変表示ゲームの始動条件(実行条件)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることや、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態であることなどにより、可変表示ゲームの開始条件を許容できないときに、成立した始動条件に対して可変表示ゲームを保留する。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過する第1始動入賞の発生により、第1特図を用いた特図ゲームの第1始動条件が成立しても、当該第1特図を用いた特図ゲームの第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数を1加算(インクリメント)し、第1特図を用いた特図ゲームの実行を保留する。
また、第2始動入賞口を遊技球が通過する第2始動入賞の発生により、第2特図を用いた特図ゲームの第2始動条件が成立しても、当該第2特図を用いた特図ゲームの第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数を1加算(インクリメント)し、第2特図を用いた特図ゲームの実行を保留する。
保留した特図ゲームがある場合に、第1特図を用いた特図ゲームの実行を開始するときは、第1特図保留記憶数を1減算(デクリメント)し、第2特図を用いた特図ゲームの実行を開始するときは、第2特図保留記憶数を1減算(デクリメント)する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを合計した可変表示の保留記憶数のことを合計保留記憶数という。特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念であるが、例えば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含むが合計保留記憶数は除くなど、これらの一部を指すこともある。
始動入賞記憶表示エリア5Hと共に、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けても良い。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとを設ける。
第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25A及び第2保留表示器25Bは、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数のそれぞれの上限値(例えば4)に対応した個数(例えば4個)のLED等からなる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとを設ける。普通入賞球装置6Aは、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態を保つ第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。電動チューリップ型役物は、普通電動役物用のソレノイド81によって、垂直位置となる閉鎖状態と、傾動位置となる開放状態とに変化する。
例えば、普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態となり動翼片が垂直位置になることで、第2始動入賞口を遊技球が通過できない閉鎖状態となる。また、普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態となり可動翼片が傾動位置になることで、第2始動入賞口を遊技球が通過できる開放状態となる。
尚、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となって、第2始動入賞口を遊技球が進入できるようにし、また、ソレノイド81がオン状態であるときに拡大開放状態となって、遊技球がより進入しやすくなるように構成しても良い。
普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過可能な通常開放状態と通過しやすい拡大開放状態となる第1可変状態と、遊技球が通過不可能な閉鎖状態と通過可能な開放状態となる第2可変状態に、変化することができる構成にしても良い。
普通入賞球装置6Aの第1始動入賞口に進入した遊技球は、第1始動口スイッチ22Aが検知する。普通可変入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入した遊技球は、第2始動口スイッチ22Bが検知する。
第1始動口スイッチ22Aが遊技球を検知すると、所定個数(例えば3個)の遊技球を賞球(景品遊技媒体)として払い出し、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば4)以下であれば、第1始動条件が成立する。
第2始動口スイッチ22Bが遊技球を検知すると、所定個数の遊技球を賞球として払い出し、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
尚、第1始動口スイッチ22Aが遊技球を検知して払い出した賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bが遊技球を検知して払い出した賞球の個数とは、同一の個数であっても良いし、異なる個数であっても良い。また、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであっても良いし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであっても良い。
普通入賞球装置6A及び普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7を設ける。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉によって特定領域としての大入賞口を形成する。尚、大入賞口扉は、大入賞口扉用のソレノイド82によって開閉駆動し、開放状態と閉鎖状態とに変化する。
例えば、特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態になると大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にして、遊技球が大入賞口を通過できなくする。また、特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態になると大入賞口扉が大入賞口を開放状態にして、遊技球が大入賞口を通過しやすくする。
特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過しやすい遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過しない遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過しにくい一部開放状態を設けても良い。
大入賞口を通過した遊技球は、カウントスイッチ23が検知する。カウントスイッチ23が遊技球を検知すると、所定個数(例えば14個)の遊技球を賞球として払い出す。特別可変入賞球装置7において開放状態にした大入賞口を遊技球が通過したときには、第1始動入賞口や第2始動入賞口など他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球を払い出す。
したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、遊技球が大入賞口を通過して多くの賞球を得ることが可能な、遊技者にとって有利な第1状態となる。また、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、遊技球が大入賞口を通過せず賞球を得ることが不可能又は困難な、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20を設ける。例えば、遊技領域左にある普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に、7セグメントやドットマトリクスのLED等からなり、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(普図)を変動可能に表示する。
普図ゲームは、普通図柄の可変表示であり、可変表示ゲームに含む。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cを設ける。普図保留表示器25Cは、4個のLED等からなる構成で、通過ゲート41を通過した有効通過球数として普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球が流れ落ちる方向や遊技球の速度を変える風車や多数の障害釘などを設ける。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保つ単一又は複数の一般入賞口などを設けても良い。
一般入賞口のいずれかに進入した遊技球を所定の一般入賞球スイッチが検知したら、所定個数(例えば10個)の遊技球を賞球として払い出す。また、遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球を取り込むアウト口を設ける。
遊技機用枠3の上部の左右位置には、効果音等の音楽データを再生出力するためのスピーカ8L、8Rを設け、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9を設ける。パチンコ遊技機1の遊技領域における普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等の各構造物の周囲には、装飾用LEDを配置しても良い。
遊技機用枠3の右下部には、遊技者等が操作することで、遊技媒体である遊技球を遊技領域に向けて発射するための打球操作ハンドル(操作ノブ)を設ける。打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整することができる。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出した遊技球や所定の球貸機により貸し出した遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)を設ける。また、遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿も設ける。
下皿を形成する部材として、下皿中央部分の上面手前側など所定位置に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31A等を取り付けることもできる。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など、操作桿の所定位置には、トリガボタンを設ける。
トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作するなどして所定の指示操作ができる。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作など所定の指示操作を検知するトリガセンサを有する。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aを設ける。
例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置した2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置した2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサ等からなるようにする。
上皿を形成する部材としては、スティックコントローラ31Aの上方で上皿本体の上面手前側など所定位置に、遊技者が押下操作など所定の指示操作をすることが可能なプッシュボタン31Bを設けることもできる。
プッシュボタン31Bは、遊技者からの所定の指示操作を、機械的、電気的又は電磁的に検知する。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対する遊技者の指示操作を検知するプッシュセンサ35Bを設ける。
図2は、パチンコ遊技機に搭載した各種の制御基板などを示す構成図である。パチンコ遊技機1には、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14など各種の制御基板を搭載する。
また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送する各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載する。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤の背面などには、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などの各種基板を配置する。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路を有する。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設したスイッチ等からの信号を入力する機能、演出制御基板12などサブ側の制御基板に宛てて制御コマンド等の指令情報を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備える。
また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等(例えばセグメントLED)の点灯又は消灯の制御、第1特図や第2特図の可変表示の制御、普通図柄表示器20の消灯又は点灯や発色の制御、普通図柄の可変表示の制御など、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備える。
主基板11には、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111なども搭載する。スイッチ回路110は、遊技球検知用の各種スイッチからの検知信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、各種回路を有する。各種回路では、主基板11からの制御信号を、中継基板15を介して受信し、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、装飾用LEDなど演出用の電気部品による演出動作を制御する。
即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯又は消灯動作の全部又は一部、その他演出用の電気部品が所定の演出動作を実行するための制御内容を決定する機能を備える。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力するための音声信号処理を実行する処理回路や、スピーカ8L、8Rから出力される音声データを記憶する音声ROM(Read Only Memory)などを有する。音声ROMは、MP3等の形式の音声データを、音番号を付して登録する。この音声ROMに登録可能な音声データの数には、ハードウェア又はソフトウェア的な上限がある。
この実施の形態において、音声制御基板13は、音声を出力するためのチャンネルが8個設定されており、それぞれのチャンネル毎に音番号を設定して音声を指定することや、チャンネル毎に音量を設定することができるようになっており、8種類の音声を同時に出力できるようになっている。具体的には、常時再生されるBGM(バックグラウンドミュージック)とともに、擬似連の可変表示演出やリーチ演出などにおいて所定の表示に合わせて再生する効果音が同時に出力される。
具体的に、音声制御基板13には、スピーカ8L、8Rから出力される音声データを特定可能な音番号と音量データが、演出制御基板12によりチャンネルを指定して入力される。
次いで、音声制御基板13は、入力された音番号によってスピーカ8L、8Rから出力される音声データを特定し、特定された音声データを音声ROMから取得する。そして、音声制御基板13は、取得した音声データに基づく音声を、CPU120により入力された音量データに対応する音量で、指定チャンネルからスピーカ8L、8Rへ出力する。
なお、音量データとは、演出制御用CPU120が音声制御基板13に対して効果音の音量を指定するためのデータであり、数値が大きいほど大きな音量になり、0を指定すると音声が消音される。
但し、連続音として登録された音声データに基づく音声は、終了するまで継続して出力される。そのため、音量データとして0を設定した場合には、遊技者の耳には効果音が聞こえなくなるが、音声ROMから音声データを取得する処理は引き続き行われるので、音声は途切れることなく再生され続ける。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどを点灯又は消灯するランプドライバ回路などを有する。
主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23など各種スイッチからの検知信号を伝送する配線を接続する。
尚、各種スイッチは、センサのように、遊技媒体である遊技球を検知できる任意の構成を有するものであれば良い。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線を接続する。
主基板11から演出制御基板12に伝送する制御信号は、中継基板15が中継する。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に伝送する制御コマンドには、電気信号として送受信を行う演出制御コマンド等がある。
演出制御コマンドには、画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いる音声制御コマンドや、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いるランプ制御コマンドなどを含む。
演出制御コマンドの例としては、2バイト構成で、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を示す場合、MODEデータの先頭ビットは必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定する。
主基板11に搭載した遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1チップのマイクロコンピュータ等であり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
ROM101は、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶する。RAM102は、遊技制御用のワークエリアを提供する。CPU103は、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行う。乱数回路104は、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理を実行する。また、CPU103が行う各種動作も実行する。
例えば、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶する変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶した各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作などがある。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102を内蔵していれば良く、ROM101、乱数回路104、I/O105などは外付けでも良い。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いる各種の遊技用乱数を示す数値データを更新可能にカウントする。
遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新するものであっても良いし、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新するものであっても良い。
例えば、RAM102の遊技制御カウンタ設定部などに設けたランダムカウンタや、RAM102とは別に内部レジスタに設けたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新を行う。
ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他に、遊技の進行を制御するために用いる各種の選択用データやテーブルデータ等を格納する。例えば、CPU103が各種の判定、決定、設定などを行うために用意した複数の判定テーブル、決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータを記憶する。
また、ROM101には、CPU103が主基板11からの各種制御コマンドを制御信号として送信するために用いる複数のコマンドテーブルや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルからなるテーブルデータなども記憶する。
RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いる各種データを書換え可能に一時記憶する。計算など一時的な作業領域として使用でき、かつ高速に読み書きができれば良い。
演出制御基板12は、遊技の進行を制御するための主基板11とは別に、大規模な処理を必要とする演出を制御するために設けた基板であり、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とを備える。
演出制御用CPU120は、プログラムに従って制御動作を行う。ROM121は、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶する。RAM122は、演出制御用CPU120のワークエリアを提供する。乱数回路124は、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う。
演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理を実行する。また、演出制御用CPU120が行う各種動作も実行する。
例えば、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶する変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶した各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作などがある。
演出制御用CPU120、ROM121及びRAM122は、演出制御基板12に搭載した1チップの演出制御用マイクロコンピュータに内蔵しても良い。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線、音声制御基板13に対して音番号データを示す効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す電飾信号を伝送するための配線なども接続する。
さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検知したことを示す操作検知信号をコントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検知したことを示す操作検知信号をプッシュセンサ35Bから伝送するための配線なども接続する。
演出制御基板12では、乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いる各種の演出用乱数を示す数値データを更新可能にカウントする。
ROM121には、演出制御用のプログラムの他に、演出動作を制御するために用いる各種のデータテーブルなどを格納する。例えば、演出制御用CPU120が各種の判定、決定、設定を行うために用意した複数の判定テーブル、決定テーブル、設定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどを記憶する。
RAM122には、パチンコ遊技機1における演出動作を制御するために用いる各種データを書換え可能に一時記憶する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御を行う。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示する演出画像の切換タイミングを決定するなどして、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行する。
表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などを搭載する。尚、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、DSP(Digital Signal Processor)などの画像処理用のマイクロプロセッサである。
また、CGROMは、書換え不可能な半導体メモリであっても良いし、フラッシュメモリなどの書換え可能な半導体メモリであっても良く、磁気メモリや光学メモリなどの不揮発性記録媒体を用いて構成したものであれば良い。
I/O125は、演出制御基板12の外部から主基板11などが伝送した演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へ各種信号を伝送するための出力ポートとを含む。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へ伝送する映像信号、音声制御基板13へ伝送する効果音信号、ランプ制御基板14へ伝送する電飾信号などを出力する。
パチンコ遊技機1においては、遊技者が遊技媒体である遊技球を用いて所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能とする。例えば、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置した打球操作ハンドルを遊技者が回転操作することにより、打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技球を遊技領域に向けて発射する。
遊技領域を流れ落ちた遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成した第1始動入賞口(第1始動領域)を通過すると、第1始動口スイッチ22Aで遊技球を検知して第1始動条件が成立する。前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了等していれば第1開始条件が成立し、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始する。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成した第2始動入賞口(第2始動領域)を通過すると、第2始動口スイッチ22Bで遊技球を検知して第2始動条件が成立する。前回の特図ゲームや大当り遊技状態などが終了等していれば第2開始条件が成立し、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始する。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態であるときには、遊技球は第2始動入賞口を通過困難又は通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球をゲートスイッチ21が検知すると、普通図柄表示器20において普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。前回の普図ゲームが終了等していれば、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立し、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始する。
普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始した後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。確定普通図柄が特定普通図柄(普図当り図柄)で停止表示すれば、可変表示結果が普図当りとなり、特定普通図柄以外で停止表示すれば、可変表示結果が普図ハズレとなる。
普通図柄の可変表示結果が普図当りとなった場合、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップ型役物の可動翼片が傾動位置となって通常開放制御や拡大開放制御を行い、所定時間が経過すると垂直位置に戻って閉鎖制御や開放制御を行う。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するときには、特別図柄の可変表示結果を予め定めた特定表示結果としての大当りにするか否かを、その可変表示結果を導出表示する以前に事前決定する。
即ち、始動条件や開始条件の成立時などに乱数回路105等で抽選を行い、抽選結果に基づき特図ゲームにおける可変表示結果を導出表示する。抽選結果が大当りであれば、可変表示結果は最終的に特定表示結果で停止する。
可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などを行い、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドを、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送する。
可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームを開始し、変動パターンに対応して予め定めた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示する。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置した左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示を行う。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示するときに、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。
特別図柄の可変表示結果として予め定めた大当り図柄を導出表示したときは、可変表示結果が大当りである特定表示結果となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態に制御する。特別図柄の可変表示結果として大当り図柄を導出表示せず、ハズレ図柄を導出表示したときには、可変表示結果がハズレとなる。
例えば、「3」や「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。尚、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄にしても良い。
また、数字や記号として特定の意味を有する点灯パターンの特別図柄を大当り図柄やハズレ図柄とするだけでなく、例えば7セグメントのLEDにおける任意の点灯パターンの特別図柄を大当り図柄やハズレ図柄としても良い。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放状態となって、遊技者にとって有利な第1状態となる。所定期間(例えば29秒間)が経過するまで、又は所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまで、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技を実行する。
ラウンド遊技の実行以外の期間では、大入賞口は閉鎖状態となり、入賞球が発生困難又は発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときは、カウントスイッチ23で入賞球を検知し、所定個数(例えば14個)の遊技球を賞球として払い出す。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば15回)に達するまで繰り返し実行する。
特図表示結果が大当りとなった場合、大当り種別を確変(確率変動)又は非確変とすることができる。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄を導出表示したときは大当り種別を非確変(又は確変の可能性あり)とし、「7」の数字を示す大当り図柄を導出表示したときは大当り種別を確変とする等である。
特図表示結果が大当りとなった場合の大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とし、上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドを実行する。
尚、大当り種別を確変として、上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドとなる突確(突然確変)などを設けても良い。通常開放ラウンドを実行する大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドを実行する大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り遊技状態が終了した後、可変表示結果が大当りとなる確率が通常状態よりも高くなる確変状態に制御することができる。確変状態は、所定回数の可変表示を実行する、又は次回の大当り遊技状態を開始する等の所定の確変終了条件が成立するまで継続する。
また、大当り遊技状態が終了した後、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短(時間短縮)状態に制御することもできる。時短状態は、所定回数の可変表示を実行する、又は次回の大当り遊技状態を開始する等の時短終了条件が成立するまで継続する。
例えば、大当り種別が非確変であれば遊技状態を時短状態にし、大当り種別が確変であれば遊技状態を確変状態にしたりする。さらに、確変状態や時短状態では、通常状態よりも遊技球が第2始動入賞口を通過しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bは第1可変状態(通常開放状態又は拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態又は開放状態)に変化する。
即ち、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が普図当りとなる確率を通常状態よりも上げる制御、可変表示結果が普図当りとなって普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態よりも長くする制御、その傾動回数を通常状態よりも増加させる制御等により、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態と第2可変状態に変化する。
尚、これらの制御のいずれか1つを行うようにしても良いし、複数の制御を組み合わせて行うようにしても良い。確変状態や時短状態になることで、普通可変入賞球装置6Bが有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態に変化する高開放制御(高ベース制御)により、次に可変表示結果が大当りとなるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
パチンコ遊技機1において、遊技媒体である遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な価値を有するものである。尚、記録情報を記録媒体に保存しておき、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能としても良い。
画像表示装置5に設けた左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれかの特図ゲームを開始することにより、飾り図柄の可変表示を開始する。
飾り図柄の可変表示を開始してから、左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの間に、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる場合がある。
リーチ態様とは、変動が継続中の飾り図柄が1つで、それ以外の飾り図柄が停止表示して、大当り組合せの一部を構成したときの表示態様である。継続変動中のリーチ変動図柄が停止表示したときに大当り組合せとなる可能性が存在する状態である。尚、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動する表示態様も含むものとする。
具体的には、左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち、左飾り図柄表示エリア5L及び右飾り図柄表示エリア5Rが、予め定めた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」)で停止表示し、中飾り図柄表示エリア5Cが未だ変動中の状態である。
また、リーチ態様の場合、変動中の飾り図柄の変動速度を遅くしたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像等の演出画像を表示したり、背景画像を変えたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示したり、飾り図柄の表示を変えたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を実行することもある。
リーチ態様におけるキャラクタ画像の表示や背景画像の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の表示の変化などのリーチ演出表示には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体の点灯・点滅動作など、リーチ態様となる以前とは異なる動作態様とすることも含む。
リーチ演出には、演出動作が異なる複数種類の演出パターン(リーチパターン)を予め用意しておく。それぞれのリーチ演出における演出動作に応じて、出現頻度や大当りとなる可能性(信頼度又は期待度)が異なるようにすることができる。
例えば、リーチ演出として、ノーマルやスーパーA、スーパーB等の種類を予め用意した場合、ノーマルのリーチ演出はよく出現するが期待度は低く、スーパーA、スーパーBのリーチ演出はあまり出現しないがその分だけ期待度は高くなるように設定する。この実施の形態では、スーパーBのリーチ演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦うバルト演出が実行される。バトル演出において、味方キャラクタが敵キャラクタとの戦いに勝利したときには、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されるとともに、大当り遊技状態に制御されることを報知する演出動作が行われる。これに対して、味方キャラクタが敵キャラクタとの戦いに敗北したときには、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出以外に、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、可変表示結果が大当りとなる可能性などを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知する可変表示演出を実行する場合がある。
例えば、滑りや擬似連などであり、主基板11の側で変動パターンを決定することにより実行するか否かが決まる。尚、主基板11の側で決定した変動パターンに関わらず、演出制御基板12の側で実行するか否かを決定しても良い。
擬似連の可変表示演出は、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれかが1回成立し、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果である確定飾り図柄を導出表示するまでに、左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全ての飾り図柄を仮停止表示した後、左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全ての飾り図柄を再変動する演出表示を、所定回数(例えば最大3回まで)行う。
再変動(擬似連変動)の回数は、飾り図柄の可変表示を開始してから全ての飾り図柄が最初に仮停止するまでの初回変動を除く。即ち、左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全ての飾り図柄が再変動する回数である。
擬似連の可変表示演出では、左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、予め定めた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として仮停止し、その後に擬似連変動を行う。
擬似連の可変表示演出において、擬似連変動を1〜3回行うことにより、第1開始条件又は第2開始条件の1回の成立で、飾り図柄の可変表示を2〜4回続けて行ったかのように見せることができる。
尚、可変表示演出としては、擬似連の他に、発展チャンス目、発展チャンス目終了、チャンス目停止後滑り等の各種演出動作を実行しても良い。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出以外に、所定の演出画像の表示、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作、演出用模型の所定動作など、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、パチンコ遊技機1において実行される遊技の有利度を、遊技者に予め告知(示唆)する予告演出を実行する場合もある。
例えば、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があること、スーパーリーチによるリーチ演出を実行する可能性があること、可変表示結果が大当りとなる可能性があることなどを、予告演出により示唆する。
予告演出となる演出動作は、左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全ての飾り図柄の可変表示を開始してから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる前に実行する。尚、可変表示結果が大当りとなる可能性があることを示唆する予告演出は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行する場合もある。
予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄を導出するまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告する。予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンを予め用意する。
尚、ボタン予告やウィンドウ予告など複数種類の予告演出を実行可能に設定したとして、予告演出における演出動作は、それを実行したか否かに関わらず、特別図柄の可変表示時間に変化は生じない。
ボタン予告による予告演出を実行する場合、全ての図柄変動を開始してから、2つ以上の飾り図柄表示部(例えば左飾り図柄表示部5Lと右飾り図柄表示部5R)において飾り図柄を導出表示する前に、操作有効期間中演出となる所定の演出動作を行う。
操作有効期間中演出のうち操作促進演出は、画像表示装置5の表示画面に予め用意したキャラクタ画像やメッセージ画像などの演出画像を表示し、遊技者に対しプッシュボタン31Bの押下操作など所定の操作を促したりする。
操作促進演出としては、画像表示装置5に演出画像を表示するものに限られず、スピーカ8L、8Rから所定の音声を出力するもの、遊技効果ランプ9や装飾用LEDで所定の点灯パターンを点灯又は点滅するもの、遊技領域内又は遊技領域外に設けた演出用模型の可動部材が所定の動作態様で動作するもの、あるいは、これらのいずれかを組み合わせたものがある。
操作有効期間中演出の実行中は、遊技者によるプッシュボタン31Bなどの操作を有効に検知する操作有効期間となる。操作有効期間内に遊技者によるプッシュボタン31Bの押下操作などを検知すると、それを検知したタイミングで操作有効期間中演出の実行を停止すると共に、ボタン操作時演出となる所定の演出動作を行う。
ボタン操作時演出は、画像表示装置5の表示画面に予め用意したキャラクタ画像やメッセージ画像などの演出画像を表示し、可変表示結果が大当りとなる可能性などを認識可能に予告する。プッシュボタン31Bに対する押下操作など所定の操作を、操作有効期間内に検知したら、操作有効期間中演出をボタン操作時演出に切り替えるなどして演出態様を変える。
ウィンドウ予告による予告演出は、ボタン予告による予告演出に対応して操作有効期間を開始するよりも後のタイミングで、予め用意した複数種類のキャラクタなどを示す演出画像を、画像表示装置5の表示画面にウィンドウを出して表示する。
尚、キャラクタなどを示す演出画像の表示と共に、そのキャラクタからのメッセージを表示したり、又はメッセージをスピーカ8L、8Rから出力するなど、各種の演出動作を行っても良い。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が大当りのとき、画像表示装置5の表示領域において、リーチ態様を経由した上で、予め定めた大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する。
例えば、大当り種別が非確変又は確変となる場合には、左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄を揃えて停止表示することにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する。
特図表示結果がハズレとなる場合で、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならないときは、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄を停止表示することにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。
また、特図表示結果がハズレとなる場合で、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるときは、所定のリーチハズレ組合せを構成する飾り図柄を停止表示することにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板から電力供給を開始すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103が遊技制御メイン処理など所定の処理を実行する。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。初期設定では、RAM101のクリア等をする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵のCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにCTCが割込み要求信号をCPU103へ送出し、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行する。
初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰する処理を実行してから、ループ処理に入るようにしても良い。
遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
遊技制御用タイマ割込処理には、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などのパチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理等を含む。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23などの各種スイッチから入力した検知信号の状態を判定する処理である。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要があれば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、パチンコ遊技機1の外部に設置したホール管理用コンピュータに供給する大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
例えば、主基板11の側で用いる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4などがある。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を大当りとして大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いる乱数値である。
大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を大当りとする場合における大当り種別を、非確変や確変などの複数種別のいずれかに決定するために用いる乱数値である。
変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意した複数パターンのいずれかに決定するために用いる乱数値である。
普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を普図当りとするか普図ハズレとするかなどの決定を行うために用いる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理における特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理を選択して実行する。
普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20におけるセグメントLEDの点灯や消灯などの表示動作を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送する処理である。
例えば、コマンド制御処理では、RAM102に設けた送信コマンドバッファの値によって指定したコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105の出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットする。
その後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3(A)は、特別図柄プロセス処理の例を示すフローチャートである。また、図3(B)は、第1特図保留記憶部の例を示す図であり、図3(C)は、第2特図保留記憶部の例を示す図である。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する。第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aの第1始動入賞口を遊技球が通過したことにより、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理を行う。
また、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bの第2始動入賞口を遊技球が通過したことにより、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理を行う。
例えば、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば4)であるか否かを判定する。第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。
また、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の遊技制御カウンタ設定部など所定領域に設けた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。
第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに1増加する。始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の第1特図保留記憶部など所定領域に保留データとして記憶する。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば4)であるか否かを判定する。第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。
また、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の遊技制御カウンタ設定部など所定領域に設けた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。
第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加する。始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の第2特図保留記憶部など所定領域に保留データとして記憶する。
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の遊技制御フラグ設定部など所定領域に設けた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
特図プロセスフラグの値が「0」のとき、特別図柄通常処理を実行する(ステップS110)。特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶した保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定を行う。
また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を大当りとするか否かを、その可変表示結果を導出表示する以前に事前決定する。
さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄かハズレ図柄のいずれかを設定する。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値を「1」に更新する。
特図プロセスフラグの値が「1」のとき、変動パターン設定処理を実行する(ステップS111)。変動パターン設定処理には、可変表示結果を大当りとするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などを含む。
特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定する。したがって、変動パターン設定処理において変動パターンを決定することで、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間も決まる。
また、変動パターン設定処理には、可変表示結果がハズレとなる場合に、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを決定する処理を含む。変動パターン設定処理にて可変表示結果がハズレとなる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを決定しても良い。
さらに、変動パターン設定処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始するための設定を行う処理を含む。変動パターン設定処理を実行したときには、特図プロセスフラグの値を「2」に更新する。
特図プロセスフラグの値が「2」のとき、特別図柄変動処理を実行する(ステップS112)。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始するための設定を行う処理や、特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などを含む。特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。
特図プロセスフラグの値が「3」のとき、特別図柄停止処理を実行する(ステップS113)。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を停止し、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示するための設定を行う処理を含む。
また、RAM102の遊技制御フラグ設定部など所定領域に設けた大当りフラグがオンかオフかの判定などを行う。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が大当りであることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うと共に、特図プロセスフラグの値を「4」に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する。
特図プロセスフラグの値が「4」のとき、大当り開放前処理を実行する(ステップS114)。大当り開放前処理には、可変表示結果が大当りのとき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などを含む。
例えば、大入賞口を開放状態とする期間の上限を29秒に設定して、通常開放ラウンドを実行する。尚、大当り種別に突確を設けた場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を0.1秒に設定して、短期開放ラウンドを実行する。大当り開放前処理を実行したときは、特図プロセスフラグの値を「5」に更新する。
特図プロセスフラグの値が「5」のとき、大当り開放中処理を実行する(ステップS115)。大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態にしてからの経過時間を計測する処理や、計測した経過時間やカウントスイッチ23で検知した遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングであるか否かを判定する処理などを含む。大入賞口を閉鎖状態に戻したときは、特図プロセスフラグの値を「6」に更新する。
特図プロセスフラグの値が「6」のとき、大当り開放後処理を実行する(ステップS116)。大当り開放後処理には、各回のラウンド遊技後に、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数でない場合に次回のラウンド遊技を開始するまで待機する処理などを含む。
次回のラウンド遊技を開始するときは、特図プロセスフラグの値を「4」に更新する。また、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときは、特図プロセスフラグの値を「7」に更新する。
特図プロセスフラグの値が「7」のとき、大当り終了処理を実行する(ステップS117)。大当り終了処理には、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などの演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてエンディング演出を実行する期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などを含む。
例えば、大当り種別が確変であるか非確変であるかに応じて、確変状態や時短状態に制御するための設定を行う。大当り終了処理の後、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する。
図4は、特別図柄通常処理の例として、ステップS110で実行する処理を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。
第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、読出値が「0」であるか否かを判定する。
ステップS231において第2特図保留記憶数が「0」以外であるときは(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば、保留番号1に対応する記憶領域)などRAM102の所定領域に記憶する保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。
ステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における第2始動入賞の発生により抽出した遊技用乱数を読み出す。読み出した数値データは、変動用乱数バッファなどに格納して、一時記憶する。
ステップS232の処理に続いて、第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算すると共に、第2特図保留記憶部の記憶内容をシフトする(ステップS233)。
例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号1より下位の保留番号2〜4に対応する記憶領域に記憶した保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、合計保留記憶数を1減算するように更新しても良い。RAM102の遊技制御バッファ設定部など所定領域に設けた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231において第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。
CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、読出値が「0」であるか否かを判定する。ステップS235の処理は、ステップS231で第2特図保留記憶数が「0」のときに、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。即ち、第2特図を用いた特図ゲームを、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行する。
尚、第2特図を用いた特図ゲームを、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行するものに限定しない。即ち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかに関わらず、遊技球が始動入賞口を通過した順番で、特図ゲームを実行しても良い。
第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれかに遊技球が通過したことを示す始動口データを、保留データと共に、又は保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶し、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定すれば良い。
ステップS235において第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば、保留番号1に対応する記憶領域)などRAM102の所定領域に記憶する保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。
ステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における第1始動入賞の発生により抽出した遊技用乱数を読み出す。読み出した数値データは、変動用乱数バッファなどに格納し、一時記憶する。
ステップS236の処理に続いて、第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算すると共に、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトする(ステップS237)。
例えば、第1特図保留記憶部において保留番号1より下位の保留番号2〜4に対応する記憶領域に記憶した保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、合計保留記憶数を1減算するように更新しても良い。変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、大当り、小当り、ハズレのいずれかに決定する(ステップS239)。
例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意した特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルには、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較する決定値を、特図表示結果を、大当り、小当り、ハズレのいずれとするかの決定結果に割り当てておく。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定する。
図5(A)は、特図表示結果の決定例を示す図である。特図表示結果を、大当りとハズレのいずれとするかを、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定する。
例えば、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を大当りとするか否かの決定割合を変えても良い。CPU103は、RAM102の遊技制御フラグ設定部など所定領域に設けた確変フラグがオンである場合に、確変状態であると判定することができる。
確変状態における確変制御中は、通常状態や時短状態におけるときよりも高い割合で、特図表示結果を大当りに決定する。したがって、ステップS117の大当り終了処理において、大当り種別が確変である場合には、確変フラグがオン状態となり確変制御を行う確変状態であるので、通常状態や時短状態のときよりも、特図表示結果が大当りになりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わらず、確変制御の有無に応じた所定割合で特図表示結果を決定する。
尚、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意しても良い。
また、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合とでは、小当りなど所定の特図表示結果に対する決定値の割当てを変えても良い。
CPU103は、ステップS239の処理で決定した特図表示結果が大当りであるか否かを判定する(ステップS240)。
特図表示結果が大当りの場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の遊技制御フラグ設定部など所定領域に設けた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意した大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。
大当り種別決定テーブルには、大当り種別決定用の乱数値と比較する決定値を、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に割り当てておく。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定する。
図5(B)は、大当り種別の決定例を示す図である。変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに関わらず、所定割合で大当り種別を非確変と確変のいずれかに決定する。
尚、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、決定可能な大当り種別を変えても良いし、大当り種別の決定割合を変えても良い。例えば、変動特図が第1特図である場合には、所定割合で大当り種別を突確に決定し、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別を突確には決定しないように設定することができる。
ステップS242の処理を実行した後は、大当り種別を記憶する(ステップS243)。CPU103は、RAM102の遊技制御バッファ設定部など所定領域に設けた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶する。
ステップS240において特図表示結果が大当りではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。
例えば、ステップS240において特図表示結果が大当りではない場合には、ハズレ図柄として予め定めた「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する。
また、ステップS240において特図表示結果が大当りである場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定めた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定する。
即ち、大当り種別が非確変の場合には「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定し、大当り種別が確変の場合には「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する。
ステップS244の処理を実行した後は、特図プロセスフラグの値を「1」に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS245の処理において特図プロセスフラグの値を「1」に更新することにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、ステップS111の変動パターン設定処理を実行する。
ステップS235において第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行い(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。
例えば、画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行い、デモ表示設定を終了する。
図6(A)は、変動パターン設定処理の例として、ステップS111において実行される処理を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。
大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が大当りとなる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果がハズレとなるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図6(B)は、変動パターンを示す図である。可変表示結果(特図表示結果)がハズレとなる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にならない非リーチの場合と、リーチ態様になるリーチの場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が大当りとなる場合などに対応して、複数の変動パターンを予め用意する。
例えば、変動パターンPA2−1〜PA2−3と、変動パターンPA3−1〜PA3−3とでは、特図変動時間や内容が共通する一方、可変表示結果がハズレとなるか大当りとなるかが異なる。
ステップS262の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意した大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンを決定する。大当り変動パターン決定テーブルには、大当り種別が非確変であるか確変であるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較する決定値を、変動パターンの決定結果に割り当てておく。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が大当りとなる場合に対応した変動パターンを決定すれば良い。
ステップS263の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態や時短状態により時短制御をするときの時短中の場合とに対応して、予め用意した複数のハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを用いて、ハズレ時の変動パターンを決定する。
複数のハズレ変動パターン決定テーブルには、通常時であるか時短中であるかや、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較する決定値を、変動パターンの決定結果に割り当てておく。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、可変表示結果がハズレとなる場合に対応した変動パターンを決定すれば良い。
ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数が所定数(例えば2)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様を非リーチに決定するように、決定値を割り当てることができる。
特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様に決定しにくいように設定することができる。特図保留記憶数が比較的多いときは、比較的少ないときよりも、平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制し、遊技者による遊技球の発射停止(止め打ち)を低減することもできる。
図7(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示す図である。例えば、大当り種別が非確変又は確変の場合に、変動パターンPA3−1のように、ノーマルのリーチ演出だけを実行する変動パターンの決定割合を低くし、変動パターンPA3−2や変動パターンPA3−3のように、スーパーリーチのリーチ演出を実行する変動パターンの決定割合を高くするように設定することができる。
図7(B)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示す図である。例えば、変動パターンPA2−1のように、ノーマルのリーチ演出だけを実行する変動パターンの決定割合を高くし、変動パターンPA2−2や変動パターンPA2−3のように、スーパーリーチのリーチ演出を実行する変動パターンの決定割合を低くするように設定することもできる。
また、スーパーリーチのリーチ演出を実行する変動パターンの決定割合を、ハズレ時よりも大当り時を高く設定することにより、スーパーリーチのリーチ演出を実行したときは、導出する可変表示結果が大当りとなる可能性(大当り期待度)が高くなる。
スーパーリーチのリーチ演出でも、スーパーAのリーチ演出を実行して可変表示結果を導出する変動パターンPA2−2の決定割合を、スーパーBのリーチ演出を実行して可変表示結果を導出する変動パターンPA2−3の決定割合よりも高く設定することができる。
大当り種別が非確変の場合に、変動パターンPA3−2の決定割合を変動パターンPA3−3の決定割合よりも高く設定し、大当り種別が確変の場合に、変動パターンPA3−2の決定割合を変動パターンPA3−3の決定割合よりも低く設定することもできる。
また、大当り時には、スーパーBのリーチ演出を実行する変動パターンの決定割合を、ハズレ時よりも十分に高く設定することもできる。したがって、可変表示結果が大当りで遊技状態が大当り遊技状態となる場合は、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、スーパーBのリーチ演出を実行して可変表示結果を導出する。
決定割合の設定により、スーパーリーチのリーチ演出を実行したときは、ノーマルのリーチ演出を実行したときよりも、大当り期待度を高くする。また、スーパーBのリーチ演出を実行したときは、スーパーAのリーチ演出を実行したときよりも、可変表示結果が大当りとなる可能性(大当り期待度)と、大当り種別が確変となる可能性(確変期待度)を高くする。
ステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS264)。特別図柄の可変表示時間である特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから特図表示結果である確定特別図柄を導出表示するまでの所要時間である。
特図変動時間は、予め用意した複数の変動パターンに対応して定めておく。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を導出するタイミングを設定する。
ステップS264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始するために、特別図柄の変動を開始するための設定を行う(ステップS265)。
例えば、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新する駆動信号を送信するための設定を行う。また、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新する駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS265の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定を行う(ステップS266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを、順次送信するために、予め用意した第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。
また、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを、順次送信するために、予め用意した第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。
第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する演出制御コマンドであり、第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する演出制御コマンドである。
変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示する飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。
可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を通知する演出制御コマンドである。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける保留記憶数を通知する演出制御コマンドであり、第2保留記憶数通知コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を「2」に更新し(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。特図プロセスフラグの値を「2」に更新することにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、ステップS112の特別図柄変動処理を実行する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12は、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動し、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
次に、タイマ割込みフラグがオンであるか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、CTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態になる。タイマ割込みフラグがオフであれば待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。
演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いる場合は、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。
演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、所定のコマンド受信割込み処理を実行する。コマンド受信割込み処理では、I/O125が有する入力ポートのうち、主基板11が送信した制御信号を、中継基板15を介して受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。
取り込んだ演出制御コマンドは、RAM122に設けた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した各種の演出制御コマンドを格納した演出制御コマンド受信用バッファに対し、演出制御コマンドの読み出しを行い、対応する設定や制御などを行う。
コマンド解析処理を実行した後は、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LED等の発光体における点灯動作など各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から受信した演出制御コマンド等に応じた判定、決定、設定などを行う。
演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理を実行し、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントする演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図8は、演出制御プロセス処理の例を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の演出制御フラグ設定部など所定領域に設けた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
演出プロセスフラグの値が「0」のとき、可変表示開始待ち処理を実行する(ステップS170)。可変表示開始待ち処理は、主基板11から中継基板15を介して第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含む。
第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの開始を通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの開始を通知する演出制御コマンドである。第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値を「1」に更新する。
演出プロセスフラグの値が「1」のとき、可変表示開始設定処理を実行する(ステップS171)。可変表示開始設定処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示を開始することに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示やその他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含む。可変表示開始設定処理を実行したときには、演出プロセスフラグの値を「2」に更新する。
演出プロセスフラグの値が「2」のとき、可変表示中演出処理を実行する(ステップS172)。可変表示中演出処理には、演出制御用CPU120が、RAM122の演出制御タイマ設定部など所定領域に設けた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理を含む。
また、可変表示中演出処理には、主基板11から中継基板15を介して図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を完全停止表示(導出表示)する処理を含む。尚、所定の演出制御パターンから終了コードを読み出したことに対応して、確定飾り図柄を導出表示しても良い。
変動パターン指定コマンドで指定した変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドに因らなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定することができる。演出制御などを行った後、演出プロセスフラグの値を「3」に更新する。
演出プロセスフラグの値が「3」のとき、可変表示停止処理を実行する(ステップS173)。可変表示停止処理には、可変表示結果通知コマンドで通知した可変表示結果や、主基板11から中継基板15を介して大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態を開始するか否かを判定する処理を含む。
可変表示結果が大当りに対応して大当り遊技状態を開始する場合には、演出プロセスフラグの値を「4」に更新する。また、可変表示結果がハズレに対応して大当り遊技状態を開始しない場合には、演出プロセスフラグの値を「0」にクリア(初期化)する。
演出プロセスフラグの値が「4」のとき、大当り表示処理を実行する(ステップS174)。大当り表示処理には、主基板11から中継基板15を介して大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含む。大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値を「5」に更新する。
演出プロセスフラグの値が「5」のとき、大当り中演出処理を実行する(ステップS175)。大当り中演出処理では、演出制御用CPU120が、大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示すること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力すること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯又は点滅すること等、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。
また、大当り中演出処理では、主基板11から中継基板15を介して大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値を「6」に更新する。
演出プロセスフラグの値が「6」のとき、大当り終了演出処理を実行する(ステップS176)。大当り終了演出処理では、演出制御用CPU120が、大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示すること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力すること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯又は点滅すること等、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。演出プロセスフラグの値は「0」にクリア(初期化)する。
図9(A)は、可変表示開始設定処理の例として、ステップS171において実行する処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS401)。
演出制御用CPU120は、主基板11から中継基板15を介して受信した変動パターン指定コマンドが示す変動パターン、可変表示結果通知コマンドが示す可変表示結果など、変動開始時決定内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた変動開始時決定内容として、非リーチ(ハズレ)、リーチ(ハズレ)、非確変(大当り)、確変(大当り)等がある。
図9(B)は、最終停止図柄となる飾り図柄の決定例を示す図である。例えば、変動開始時決定内容が非リーチ(ハズレ)である場合、左飾り図柄表示エリア5Lと、右飾り図柄表示エリア5Rにおいて、異なる飾り図柄を最終停止図柄に決定する。
演出制御用CPU120は、乱数回路124又はRAM122の演出制御カウンタ設定部など所定領域に設けた演出用ランダムカウンタ等で更新する左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶しておいた左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における左飾り図柄表示エリア5Lに停止表示する左確定飾り図柄を決定する。
次に、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等で更新する右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶しておいた確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における右飾り図柄表示エリア5Rに停止表示する右確定飾り図柄を決定する。右確定図柄決定テーブルの設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように決定する。
続いて、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等で更新する中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶しておいた中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における中飾り図柄表示エリア5Cに停止表示する中確定飾り図柄を決定する。
変動開始時決定内容がリーチ(ハズレ)である場合、左飾り図柄表示エリア5Lと、右飾り図柄表示エリア5Rとが、同一の飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等で更新する左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶しておいた左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における左飾り図柄表示エリア5Lと右飾り図柄表示エリア5Rにおいて揃って停止表示する図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
さらに、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等で更新する中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶しておいた中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における中飾り図柄表示エリア5Cにおいて停止表示する中確定飾り図柄を決定する。
例えば、中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になり、確定飾り図柄が大当り組合せとなる場合には、任意の値(例えば1)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算又は減算する等して、確定飾り図柄が大当り組合せではなく、リーチ組合せ等になるようにすれば良い。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときに、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定しても良い。
変動開始時決定内容が非確変(大当り)又は確変(大当り)である場合には、左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて同一の飾り図柄を最終停止図柄に決定する。
演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等で更新する大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶しておいた大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示する図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
大当り種別が非確変と確変のいずれであるか、また、大当り中昇格演出を実行するか否かなどに応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかを決定する。具体的には、大当り種別が非確変である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。
また、大当り種別が確変で大当り中昇格演出を実行しないと決定したときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が確変であっても大当り中昇格演出を実行すると決定したときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示したにも関わらず、大当り中昇格演出を実行してしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにする。
変動開始時決定内容が非確変(大当り)又は確変(大当り)である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出など確変昇格演出を実行するか否かを決定しても良い。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄を一旦表示することによって、確変状態に制御することを一旦は認識困難又は認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)して同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄を停止表示することによって確変状態に制御することを報知する。
尚、再抽選演出において飾り図柄が再変動した後に非確変大当り組合せの飾り図柄を停止表示することにより、確変状態に制御することを報知しない場合もある。また、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御することを報知しても良い。再抽選演出を実行すると決定した場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定する。
ステップS401における最終停止図柄などの決定に続いて、擬似連決定処理を実行する(ステップS402)。擬似連の可変表示演出を実行する場合に、擬似連の可変表示演出における演出態様や、仮停止表示する擬似連チャンス目となる飾り図柄の組合せを決定する。尚、擬似連変動が複数回の場合は、各回における擬似連チャンス目となる飾り図柄の組合せを決定する。
ステップS402に続いて、予告演出決定処理を実行する(ステップS403)。演出制御用CPU120は、特定遊技状態に移行する可能性を示唆する演出を表示する演出手段により、ボタン予告やウィンドウ予告などの予告演出を実行するか否かを決定する。
ステップS403に続いて、演出制御パターンを予め用意した複数パターンのいずれかに決定する(ステップS404)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示した変動パターンやステップS402における決定結果などに対応して、複数用意した特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとして設定する。
ステップS404の処理を実行した後は、変動パターン指定コマンドで指定した変動パターンに対応して、RAM122の演出制御タイマ設定部など所定領域に設けた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS405)。
画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始するための設定を行う(ステップS406)。例えば、使用パターンとして決定した演出制御パターンが有する表示制御データにおいて指定する表示制御指令を、表示制御部123のVDP等に対して伝送することなどにより、画像表示装置5の表示画面に設けた左、中、右の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動を開始する。
ステップS406の処理に続き、飾り図柄の可変表示を開始することに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS407)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号1に対応した表示部位を消去すると共に、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動する。
演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である「2」に更新してから(ステップS408)、可変表示開始設定処理を終了する。
図10は、可変表示中演出処理の例であり、ステップS172において実行する処理を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。
例えば、演出制御プロセスタイマ値を1減算するなど更新し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して特図変動時演出制御パターンなど所定の演出制御パターンから終了コードを読み出したときなどに、可変表示時間が経過したと判定する。
ステップ451において可変表示時間が未経過の場合には(ステップS451;No)、ボタン予告やウィンドウ予告となる予告演出の実行があるか否かを判定する(ステップS452)。例えば、演出制御用CPU120は、予め複数用意した予告演出制御パターンのいずれかを使用パターンに設定したか否かに応じて、予告演出の有無を判定する。
予告演出の実行があると判定した場合には(ステップS452;Yes)、予告演出動作制御処理を実行する(ステップS453)。予告演出は、ボタン予告演出、ウィンドウ予告演出など飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる前に実行する各種演出動作である。
ステップS452において予告演出の実行がないと判定した場合や(ステップS452;No)、ステップS453の予告演出動作制御処理を実行した後には、擬似連の可変表示演出を実行するか否かを判定する(ステップS454)。
擬似連の可変表示演出を実行する場合には(ステップS454;YES)、擬似連動作制御を行う(ステップS455)。飾り図柄の可変表示をステップS402で決定した仮停止図柄で一旦仮停止した後、すぐに再変動を行う。
ステップS454において擬似連の可変表示演出を実行しないと判定した場合や(ステップS454;No)、ステップS455の擬似連動作制御処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS456)。リーチ演出実行期間は、変動パターンに応じて使用パターンとして決定する特図変動時演出制御パターンなどの演出制御パターンにおいて予め定めておく。
ステップS456においてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS456;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS457)。例えば、演出制御パターンなどから読み出した表示制御データやランプ制御データなどの演出制御実行データに応じて、所定の演出態様によるリーチ演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送する。
画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示したり、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力したり、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDを点灯、点滅又は消灯したり、演出用模型を動作したり、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせたりして、所定の演出装置においてリーチ演出を実行できれば良い。
ステップS456においてリーチ演出期間ではないと判定したときや(ステップS456;No)、ステップS457の処理を実行した後には、変動パターンに対応して選択した演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示動作を含む演出動作制御を行ってから(ステップS458)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS451において可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板11から中継基板15を介して図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS459)。
図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS459;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。尚、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理を実行しても良い。
ステップS459において図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS459;Yes)、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送するなど、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示する制御を行う(ステップS460)。
また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定めた一定時間を設定する(ステップS461)。演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である「3」に更新してから(ステップS462)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1における演出動作を、具体例を挙げて説明する。図11、図12及び図13は、擬似連の可変表示演出における演出動作を説明するための図である。
例えば、変動パターン指定コマンドで変動パターンPB2−2や変動パターンPB3−2が指定されている場合には、擬似連変動(再変動)回数が2回であることから、図9のステップS402で擬似連チャンス目となる図柄の組合せの決定が2回行われるとともに、擬似連の可変表示演出の演出態様が、例えば図11に示す演出態様と図12に示す演出態様の何れかに決定される。
続いて、ステップS404の処理では、変動パターンPB2−2や変動パターンPB3−2と、ステップS402で決定された演出態様とに対応する特図変動時演出制御パターンが、使用パターンとして設定される。この実施の形態において、この特図変動時演出制御パターンの音声制御データには、一つの音番号のみが登録されている。具体的に、図11に示す演出態様が決定されている場合、対応する特図変動時演出制御パターンの音声制御データには、音番号「1」のみが、図12に示す演出態様が決定されている場合、対応する特図変動時演出制御パターンの音声制御データには、音番号「2」のみが登録されている。
そして、図10に示す可変表示中演出処理では、演出制御用CPU120が、音声制御データに従って、音番号(図11に示す例では「1」、図12に示す例では「2」)と音量データとを音声制御基板13に入力する。音声制御基板13は、入力された音番号によってスピーカ8L、8Rから出力される音声データを特定し、特定された音声データを音声ROMから取得する。
音番号「1」に対応する音声データは、図11(J)に示すように、無音部分、「AAA」、無音部分、「BBB」、無音部分、及び「CCC」から構成されている。尚、無音部分は、音声データのうち音声が存在しないデータの部分である。
音声制御基板13は、音番号「1」に対応する音声データに基づく音声を、CPU120により入力された音量データに対応する音量で、スピーカ8L、8Rへ出力することにより、図11に示す擬似連の可変表示演出において、音声を出力する。
具体的に、図11(A)に示す初回変動の開始時から、図11(B)に示す演出画像が表示されるまでの期間では、音番号「1」に対応する音声データに基づく無音部分が再生されることにより無音となる。このとき、ノイズ等が混在することを防止すべく、無音部分は音量「0」で再生される。
そして、図11(B)に示すような、キャラクタが「AAA」と発音する演出画像が表示されるタイミングにおいて、音番号「1」に対応する音声データに基づく音声が、音量データに対応する音量「4」で再生されることにより、スピーカ8L、8Rから「AAA」という音声が出力される。
その後、1回目の擬似連変動において、図11(E)に示す演出画像が表示されるまでの期間では、再度、音番号「1」に対応する音声データに基づく無音部分が再生されることにより無音となる。このとき、無音部分は音量「0」で再生される。
そして、図11(E)に示すような、キャラクタが「BBB」と発音する演出画像が表示されるタイミングにおいて、音番号「1」に対応する音声データに基づく音声が、音量データに対応する音量「4」で再生されることにより、スピーカ8L、8Rから「BBB」という音声が出力される。
その後、2回目の擬似連変動において、図11(H)に示す演出画像が表示されるまでの期間では、再度、音番号「1」に対応する音声データに基づく無音部分が再生されることにより無音となる。このとき、無音部分は音量「0」で再生される。
そして、図11(H)に示すような、キャラクタが「CCC」と発音する演出画像が表示されるタイミングにおいて、音番号「1」に対応する音声データに基づく音声が、音量データに対応する音量「4」で再生されることにより、スピーカ8L、8Rから「BBB」という音声が出力される。
また、音番号「2」に対応する音声データは、図12(J)に示すように、無音部分、「XXX」、無音部分、「YYY」、無音部分、及び「ZZZ」から構成されている。
音声制御基板13は、音番号「2」に対応する音声データに基づく音声を、CPU120により入力された音量データに対応する音量で、スピーカ8L、8Rへ出力することにより、図12に示す擬似連の可変表示演出において、音声を出力する。
具体的に、図12(A)に示す初回変動の開始時から、図12(B)に示す演出画像が表示されるまでの期間では、音番号「2」に対応する音声データに基づく無音部分が再生されることにより無音となる。このとき、ノイズ等が混在することを防止すべく、無音部分は音量「0」で再生される。
そして、図12(B)に示すような、キャラクタが「XXX」と発音する演出画像が表示されるタイミングにおいて、音番号「2」に対応する音声データに基づく音声が、音量データに対応する音量「4」で再生されることにより、スピーカ8L、8Rから「XXX」という音声が出力される。
その後、1回目の擬似連変動において、図12(E)に示す演出画像が表示されるまでの期間では、再度、音番号「2」に対応する音声データに基づく無音部分が再生されることにより無音となる。このとき、無音部分は音量「0」で再生される。
そして、図12(E)に示すような、キャラクタが「YYY」と発音する演出画像が表示されるタイミングにおいて、音番号「2」に対応する音声データに基づく音声が、音量データに対応する音量「4」で再生されることにより、スピーカ8L、8Rから「YYY」という音声が出力される。
その後、2回目の擬似連変動において、図12(H)に示す演出画像が表示されるまでの期間では、再度、音番号「2」に対応する音声データに基づく無音部分再生されることにより無音となる。このとき、無音部分は音量「0」で再生される。
そして、図12(H)に示すような、キャラクタが「ZZZ」と発音する演出画像が表示されるタイミングにおいて、音番号「2」に対応する音声データに基づく音声が、音量データに対応する音量「4」で再生されることにより、スピーカ8L、8Rから「ZZZ」という音声が出力される。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、擬似連の可変表示演出のみで用いられ、単独では用いることがない複数の効果音を、1つの音声データとして登録する。そして、かかる音声データにおいて、複数の効果音のうち、第1効果音(例えば「AAA」)を出力した後、第2効果音(例えば「BBB」)を出力するまでの期間には、その時間分に相当する無音部分のデータを用意する。
即ち、第1のタイミングで第1の効果音を出力した後に、第2のタイミングで第2の効果音を出力する場合に、第1の効果音と第2の効果音の間に、第1のタイミングから第2のタイミングまでに時間分に相当する無音部分を設けた状態で、1つの音声データとする。この音声データを再生することで、各タイミングに合わせて各効果音を出力することができる。
このようにすれば、例えば、擬似連変動が2回の場合、初回変動と第1回目の擬似連変動と第2回目の擬似連変動において行う各演出に音声データが存在すると管理用ナンバーを3つ使用することになるが、3つの音声データを1つにまとめれば、管理用ナンバーは1つで済むことになる。
また、音声データ中の無音部分には音声は存在しないが、ノイズが混在する可能性もあることから、無音部分を再生する間は、音量を「0」にすることで、ノイズ等を防止することができる。
尚、擬似連の可変表示演出において、飾り図柄の可変表示を開始してから、仮停止と再変動を繰り返し、最終停止図柄を停止表示するまでの時間は予め定めておくので、各演出における音声出力のタイミングも固定化できる。
ただし、図11及び図12に示すように、ストーリーを分岐するなど擬似連の可変表示演出に複数のパターンを用意する場合は、一部共通の音声を出力しても一部異なる音声を出力すれば、音声データを別々に用意すればよい。
すなわち、図11に示す擬似連の可変表示演出で再生する音声データと、図12に示す擬似連の可変表示演出で再生する音声データとが完全に同一でなければ、2つの音声データとして用意すればよい。このようにすれば、各音声データの容量は大きくなるが、音声データの数を減らすことができる。
また、擬似連変動の回数は、最大回数(この実施の形態では3回)以内で毎回変わる。擬似連変動の回数が変わっても、途中の段階までは同じ音声を出力する場合は、最大回数分の音声データを作成しておけばよい。
図13は、擬似連変動が1回の場合を示す図である。出力する音声は、初回変動と第1回目の擬似連変動において、図11の場合と同じである。そのため、音声データは、図11の音声データと同じものを使用し、第1回目の擬似連変動における演出画像が表示されるタイミングで音声「BBB」を出力したときに、音声データの再生を停止する。
即ち、第1のタイミングで第1の効果音を出力した後に第2のタイミングで第2の効果音を出力する音声データを作成しておき、第1のタイミングでのみ第1の効果音を出力する場合は、第1のタイミングで第1の効果音を出力してから、第2のタイミングに至るまでの間に、音声データの再生を停止すればよい。
尚、擬似連の可変表示演出中において音声データの再生中であっても、当該音声データを再生するチャンネルとは別のチャンネルを使用して独立した効果音を再生することも可能であり、組合せのバリエーションが多彩となる。
例えば、擬似連の可変表示演出における演出と演出の間は、音声データのうち無音部分の再生中だが、仮停止などのタイミングに合わせて、再生中の音声データとは別に効果音を出力しても良い。
図14及び図15は、リーチ演出における演出動作を説明するための図である。例えば、変動パターン指定コマンドで変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3などが指定された場合に、スーパーBのリーチ演出としてバトル演出が実行される。
ステップS404の処理では、変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応する特図変動時演出制御パターンが使用パターンとして設定される。
この特図変動時演出制御パターンの音声制御データには、3つの音番号が登録されている。具体的には、図14に示す演出態様において、音声制御データには、複数のチャンネルのうちの第1のチャンネルに対応して、効果音を指定する音番号「3」及び音番号「4」が、第1のチャンネルとは別の第2のチャンネルに対応して、表示と非同期で再生されるBGMを指定する音番号「5」が登録されている。
演出制御用CPU120は、音声制御データにしたがって、音番号「3」及び音番号「4」と音量データとを第1のチャンネルを指定して音声制御基板13に入力するとともに、音番号「5」と音量データとを第2のチャンネルを指定して音声制御基板13に入力する。音声制御基板13は、入力された音番号によってスピーカ8L、8Rから出力される音声データを特定し、特定された音声データを音声ROMから取得する。
図14(G)に示すように、音番号「3」に対応する音声データは、無音部分、「ジャキーン」から構成され、音番号「4」に対応する音声データは、無音部分、「ドーン」から構成される。また、音番号「5」に対応する音声データは、一のBGMのみから構成される。
音声制御基板13は、音番号「3」及び音番号「4」に対応する音声データに基づく効果音を、CPU120により入力された音量データに対応する音量で、スピーカ8L、8Rへ出力することにより、音声を出力する。また、音声制御基板13は、音番号「5」に対応する音声データに基づくBGMを、CPU120により入力された音量データに対応する音量で、スピーカ8L、8Rへ出力することにより、BGMを出力する。
具体的には、図14(A)に示す演出開始時から図14(B)に示す演出が表示されるまでの間において、音番号「5」に対応する音声データに基づくBGMが音量「2」で再生されるとともに、音番号「3」に対応する音声データに基づく無音部分が再生されることにより、スピーカ8L、8RからBGMのみが出力される。このとき、ノイズ等が混在することを防止すべく、無音部分は音量「0」で再生されればよい。
図14(B)に示すバトル演出が表示されるタイミングにおいて、音番号「5」に対応する音声データに基づくBGMが音量「2」で再生されるとともに、音番号「3」に対応する音声データに基づく効果音が、音量データに対応する音量「4」で再生されることにより、スピーカ8L、8RからBGMとともに「ジャキーン」という効果音が出力される。このように、BGMの音量を抑えることにより、別チャンネルで再生される効果音の邪魔とならないようにすることができる。
図14(C)に示す演出開始時から図14(D)に示す演出が表示されるまでの間において、音番号「5」に対応する音声データに基づくBGMが音量「2」で再生されるとともに、音番号「4」に対応する音声データに基づく無音部分が再生されることにより、スピーカ8L、8RからBGMのみが出力される。このとき、無音部分は音量「0」で再生されればよい。
図14(D)に示すバトル演出の結果が表示されるタイミングにおいて、音番号「5」に対応する音声データに基づくBGMが音量「2」で再生されるとともに、音番号「4」に対応する音声データに基づく効果音が、音量データに対応する音量「4」で再生されることにより、スピーカ8L、8RからBGMとともに「ドーン」という効果音が出力される。このように、BGMの音量を抑えることにより、別チャンネルで再生される効果音の邪魔とならないようにすることができる。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、効果音の出力時よりも若干早い任意の時点を効果音の再生の開始位置として、音声データにおいて設定しておき、設定した開始位置から効果音の出力位置までの時間分に相当する無音部分を音声データの先頭に付加する。即ち、無音部分の長さで効果音を出力するまでの時間を調整する。
即ち、音声データを呼び出す任意のタイミングを予め決定し、呼出しのタイミングから効果音を出力するタイミングまでの時間分に相当する無音部分を効果音の冒頭に設けた音声データを作成する。この音声データを再生することで、演出において表示する映像や画像等に合わせて所定のタイミングで効果音を出力することができる。
例えば、音声制御データにおいて、演出の開始位置と同じタイミングで音声データを呼び出す設定にし、音声データには、演出の開始位置から音声の出力位置までに相当する無音部分を先頭に設ける。演出など他の開始位置と音声データの開始位置を合わせておくと、効果音を出力するタイミングを把握しやすい。
尚、開発段階において、映像等に対して図14(G)に示す音声データの効果音を出力するタイミングが早かったときは、図15(I)に示すように、無音部分を長くした音声データに差し換えれば良い。同様に、効果音を出力するタイミングが遅ければ、無音部分を短くした音声データにすることにより、効果音を出力するタイミングを調整することができる。
音声データの再生を開始する位置が一定であれば、プログラムを修正する必要はなくなり、修正した音声データに差し替えるだけで、効果音を出す位置を調節することができる。
尚、音声データにおいて、効果音の前には無音部分を設けるが、効果音の後には無音部分は設けない。無音部分であってもデータ量は存在するので、音声データの容量を節減することができる。
尚、表示と非同期で再生されるBGMについては、前後に無音部分を設けない。繰り返し再生する場合は無音部分が邪魔となるし、無音部分であってもデータ量は存在するので、音声データの容量を節減することができる。
尚、リーチ演出などにおける表示は、動画像データを再生したことによる映像にて行うことができ、映像の再生に合わせて効果音を出力する。映像による表示は演出効果が高いが、効果音の発生タイミングを特定し難いので、無音部分の調整により音声データを差し替えた方が効率は良い。
また、所定のチャンネルである音声データを再生した後、すぐに同じチャンネルで別の音声データを再生する場合、前の音声データを再生した後、次の音声データを呼び出して設定するまでの間に、所定の遅延時間を設けている。
前の音声データの無音部分の長さを調整して音声の出力タイミングが後にずれても、遅延時間の範囲内であれば、遅延時間で吸収が可能なので、後の音声データの再生に関しては影響がない。即ち、前の音声データの設定期間と後の音声データの設定期間が重ならなければ良いので、遅延時間の分だけ前の音声データを後ろにずらすことが可能となる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、パチンコ遊技機1が備える構成及び機能の少なくとも一部は、パチスロ遊技機(スロットマシン)など他の遊技機にも適用することができる。
スロットマシンでは、遊技媒体としてメダルなどを用いた所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能とする。尚、遊技媒体としてメダルを用いるものに限定されず、メダルの枚数に対応する点数(クレジットなど)を使用して、所定の遊技を実行可能とするものであっても良い。
例えば、スロットマシンの筐体前面における所定位置に設けた所定の投入口から投入したメダルの枚数や、データとして蓄積したクレジットなどに応じて、賭け数(例えば3)を設定する。所定のスタートスイッチが、遊技者によるスタートレバーに対する押下など所定操作を検知したことに基づいて、図柄表示装置の左、中、右の各リールが回転を開始し、図柄の可変表示を開始する。
スタートレバーの操作を検知して可変表示を開始するときには、乱数回路などによって更新する遊技用乱数の一部又は全部を抽出する。抽出する遊技用乱数には、所定の入賞役が発生することを許容するか否かを決定するために用いる内部抽選用の乱数値などを含む。
抽出した内部抽選用の乱数値や現在の遊技状態などに基づいて、所定の当選判定用テーブルを参照することで、内部抽選を行う。内部抽選に当選した場合は、当選した役に対応した当選フラグを遊技制御用マイクロコンピュータにおけるRAMの所定領域に設定する。
役の種類には、大別して、メダルや得点の付与を伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能とする再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役を予め定めておく。
各役のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選したゲームにおいてのみ有効であるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生を許容した役が揃うまで有効となる。即ち、特別役の入賞を一度許容すると、たとえ各ゲームにおいて特別役の入賞が成立しなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越すことになる。ただし、レギュラーボーナスなど所定の遊技状態中におけるボーナスゲームでは、特別役の当選を次のゲームへ持ち越さないようにしても良い。
各リールの回転動作による図柄の可変表示を開始した後、左、中、右の各ストップスイッチを、遊技者が押入するなど所定操作を検知したことに基づいて、対応するリールの回転を停止し、入賞ライン上に図柄を停止表示する。
スロットマシンの図柄表示装置では、例えば、5本(上中下段の3本及び対角線の2本)、4本(上中段の2本及び対角線の2本)等のように、複数の入賞ラインを予め定めておき、賭け数の設定などに応じて所定数の入賞ラインを有効化する。全てのリールの回転を停止することで、1ゲームが終了し、有効化したいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せなどにより、入賞が発生し得る。
スロットマシンにおける遊技状態には、レギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態などがある。レギュラーボーナスの遊技状態では、JAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役を、入賞となる役として定めておき、内部抽選での抽選対象とする。
ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、チェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス又はJACINなどの特別役を、入賞となる役として定めておき、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とする。
通常遊技状態では、チェリー、スイカ及びベルなどの小役、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役を、入賞となる役として定めておき、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とする。
通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームとして所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば360枚)以上となった場合に終了する。
通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、いずれかの役で8ゲーム入賞した場合のいずれか早い方で終了する。
通常遊技状態時のレギュラーボーナスでは、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了するようにしても良い。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスと共に当該レギュラーボーナスも終了する。
尚、スロットマシンは、景品遊技媒体であるメダルを直接に付与するものであっても良いし、景品遊技媒体であるメダルの枚数に対応した得点などを付与するものであっても良い。
スロットマシンでは、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行した場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。
尚、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であれば良い。
通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、停止順や停止タイミングなどリールの導出条件を満たすことを条件に発生し、報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順を報知するアシストタイム(AT)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチを操作した際に表示した図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出することが可能となるチャレンジタイム(CT)や、リプレイ入賞やシングルボーナス入賞など特定の入賞の発生を許容する確率が高まる遊技状態(リプレイタイムや集中状態)等があり、これらを組み合わせた遊技状態もある。
スロットマシンにおいて遊技媒体として用いるメダルや、その枚数に対応して付与する得点の記録情報は、数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な価値を有するものであれば良い。また、これらのメダルや得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、スロットマシンで再度の遊技に使用可能な価値を有するものであっても良い。
また、スロットマシンにおいて付与可能となる遊技価値は、景品遊技媒体となるメダルの付与や得点の付与に限定されず、レギュラーボーナスやビッグボーナスなど他の特別遊技状態に制御すること、特別遊技状態において実行可能な可変表示の上限回数を多くすることなど、遊技者にとって有利な遊技状態となることを含む。
例えば、スロットマシンの前面扉には、各種の演出画像を表示可能な画像表示装置を有する。また、スロットマシンの上部左右には、効果音を出力する2つのスピーカを有する。さらに、スロットマシンの前面扉における所定位置には、遊技効果ランプを有する。
スロットマシンが備える画像表示装置、スピーカ、遊技効果ランプなどによる演出動作には、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行することなど所定の遊技価値を付与する可能性を予告する予告演出を含む。
スロットマシンが備える演出制御用マイクロコンピュータのCPUは、図柄の可変表示を開始するときなどに、内部抽選の結果に基づいて、予告演出を実行するか否かと、実行する場合における予告演出の態様を決定する。
予め用意した予告決定用データと、演出制御用マイクロコンピュータの乱数回路などから抽出した予告決定用の乱数値を示す数値データとを用いて、抽出した乱数値と予告演出の有無や演出態様に割り当てておいた予告決定値とを比較し、乱数値と合致する決定値や乱数値が入る決定値範囲に対応して、予告なし又は予告演出の態様を決定すれば良い。
スロットマシンにおいて実行可能な予告演出として、ボタン予告やウィンドウ予告となる予告演出なども含む。所定の遊技価値を付与する可能性が高いことを示唆するウィンドウ予告の予告演出を実行する場合には、ボタン予告の予告演出の実行に制限を設ける。所定の遊技価値が高いことを示唆する演出に対する遊技者の注目度を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、左、中、右の各リールの回転動作による図柄の可変表示を開始した後、左、中、右の各ストップスイッチの操作を抑制した上で、連続する演出を実行しながら各リールの仮停止及び再変動を繰り返した後に、各ストップスイッチの操作を受け付ける演出動作も可能である。
連続する演出等について各音声の間に無音部分を設けた1つの音声データを用いたり、予告演出等について効果音の前に無音部分を設けた音声データを用いることは、パチンコ遊技機1と同様である。
その他にも、遊技機の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、所定演出を実行するための画像表示装置における画像表示動作、スピーカにおける音声出力動作、遊技効果ランプ、装飾用LEDにおける点灯動作を含む各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
また、遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定せず、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1などの遊技機が備えるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布又は提供する形態に限定せず、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布する形態を採っても構わない。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続したネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としても良いし、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。