以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置に設けられた第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bでは、それぞれ、複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄が変動可能に表示(可変表示)される。図1に示す例では、遊技領域の右側方に、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)などから構成されていればよい。複数種類の識別情報となる特別図柄としては、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号といった、各々を識別可能な複数種類の図柄が予め用意されていればよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号などから構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。特別図柄の可変表示は「特図ゲーム」ともいい、可変表示ゲームの一例となる。
遊技盤2に形成された遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられ、その画面上にて飾り図柄の可変表示が行われる。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域には、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアが含まれていればよい。このような飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。飾り図柄の可変表示は、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して実行され、可変表示ゲームに含まれる。
画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類といった、複数種類の図柄を含んで構成される。より具体的に、英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されて保留記憶表示が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示では、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)が特定可能に表示される。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部には、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに特図保留記憶数を特定可能に表示するための表示器として、第1保留表示器25Aおよび第2保留表示器25Bが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、第2始動領域としての第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1可変状態としての拡大開放状態と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない第2可変状態としての通常開放状態とに変化する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
第1始動領域としての第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出や、第2始動領域としての第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示を実行するための始動条件が成立する。例えば普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第1始動条件は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための始動条件である。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。第2始動条件は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための始動条件である。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
特別可変入賞球装置7は、特定領域としての大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、大入賞口を遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ30が取り付けられている。スティックコントローラ30は、遊技者が把持する操作桿(レバー)を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタン31Aが設けられている。トリガボタン31Aは、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタン31Aに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ35A(図2を参照)が内蔵されていればよい。スティックコントローラ30の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作(レバー操作)を検知する傾倒方向センサユニット32が設けられていればよい。傾倒方向センサユニット32は、透過形フォトセンサなどを含んで構成され、操作桿のレバー傾倒方向(例えば、前後左右方向)を検知するものであればよい。なお、下皿におけるスティックコントローラ30の取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ30の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示入力を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35B(図2を参照)が設けられていればよい。このように、プッシュボタン31Bは、スティックコントローラ30とは別個の所定位置に設けられており、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿を把持しない状態などにおいて指示操作ができるように構成されている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、払出制御基板37といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。また、パチンコ遊技機1には、各基板などに電力を供給する電源基板90(図3)なども搭載されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12や払出制御基板37などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホール(遊技店、遊技場)の管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や入力ドライバ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。入力ドライバ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、大入賞口扉用のソレノイド82へと伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。払出制御基板37は、賞球の払出を制御する基板であり、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御基板37は、賞球の払出個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信に応じて、球払出装置を駆動して、賞球の払出制御を実行する。賞球個数コマンドは、主基板11から制御信号として伝送される。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサ(フォトセンサ、近接スイッチなど)と称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。さらに、主基板11には、賞球個数コマンドなどを制御信号として払出制御基板37に伝送する配線などが接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)やトリガボタン31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット32やトリガセンサ35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、入力ポートと出力ポートとを含んで構成される。入力ポートには、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンド、傾倒方向センサユニット32やトリガセンサ35A、プッシュセンサ35Bから伝送された操作検出信号といった、各種信号が取り込まれる。出力ポートからは、演出制御基板12の外部へと各種信号が伝送される。より具体的に、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
演出制御基板12には、所定の演出出力を初期設定するための設定切替スイッチ300が搭載されている。設定切替スイッチ300により初期設定される演出出力には、スピーカ8L、8Rの音量や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体(発光部材)の発光光量が含まれていればよい。設定切替スイッチ300は、通常、遊技店の係員のみが操作できるものであり、各種の演出出力を複数段階のいずれかに初期設定する。設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて、スティックコントローラ30を用いた遊技者による演出出力の設定変更を許容するか制限(禁止または限定)するかが切り替えられる。演出制御用CPU120は、こうした演出出力の設定を示すデータを、設定情報としてRAM122の所定領域などに記憶させればよい。
図3は、パチンコ遊技機1の内部をパチンコ遊技機1の背面から見た背面図である。図3に示すように、主基板11および演出制御基板12は、パチンコ遊技機1の中央に配置されている。払出制御基板37は、パチンコ遊技機1の下方に配置されている。電源基板90は、左下方に配置されている。球払出装置97は、賞球を払い出すための賞球供給路に対応してパチンコ遊技機1の右側方に配置されている。なお、主基板11は基板収納ケース150に収納されており、演出制御基板12は基板収納ケース270に収納されている。これら基板収納ケース150、270は、いずれも透光性を有するアクリル板等の部材により構成されている。設定切替スイッチ300は、図3に示すように、演出制御基板12にパチンコ遊技機1の背面方向を向くように配置されている。
図4は、演出制御基板12における設定切替スイッチ300の配置例を示している。設定切替スイッチ300は、パチンコ遊技機1を背面から見たときに、演出制御基板12の右上部分に配置され、基板収納ケース270に形成された切欠部270aを介して遊技盤ユニット250の外方から操作可能となっている。パチンコ遊技機1が設置される遊技店では、例えば係員がパチンコ遊技機1の前面扉などを開閉させることができる一方、通常、遊技者は開閉できない。この前面扉を開放したときには、パチンコ遊技機1に設けられた回転軸を軸として、演出制御基板12などが配置された部材を回転させることができる。これにより、係員が演出制御基板12の設定切替スイッチ300を操作可能な状態になる。このように、設定切替スイッチ300は遊技店用の操作部であり、前面扉を開放することが設定切替スイッチ300の操作により演出出力を変更可能にする条件(第1許可条件)となっている。
図5は、設定切替スイッチ300の構成例を示している。図5に示すように、設定切替スイッチ300は、「0」から「F」までの計16個のチャンネルを備えており、ツマミ301を回動操作することでチャンネルを切り替えるスイッチになっている。この実施の形態では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「0」〜「F」のいずれであるかに応じて、演出出力量が6段階のいずれかに初期設定されるとともに、遊技者による設定変更操作を許容するか否かが切り替えられる。設定切替スイッチ300は直接または所定回路を介して演出制御用CPU120に接続され、設定切替スイッチ300のスイッチ位置を示す所定信号(スイッチ信号)が演出制御用CPU120に入力されることによりチャンネルの初期設定を読み取ることができる。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータの駆動などにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどに基づいて第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて第1開始条件が成立する。こうして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて、第2開始条件が成立する。こうして、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。なお、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(装飾図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「小当り」(特殊表示結果)となり、予め定められたハズレ図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。他の一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける有効ライン上に所定の開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されてもよい。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「小当り」となるときにも、画像表示装置5の表示領域において、開放チャンス目を構成する飾り図柄が確定飾り図柄として停止表示されてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29.5秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)が実行される。こうしたラウンドの実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、大入賞口スイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンドは、所定の上限回数(例えば「16」または「2」)に達するまで繰返し実行される。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い第1期間(例えば29.5秒間など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。通常開放ラウンドが所定の第1回数(例えば「16」)まで実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態ともいう。通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態とも称される。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い第2期間(例えば0.1秒間など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。短期開放ラウンドが第1回数よりも少ない所定の第2回数(例えば「2」)まで実行される大当り遊技状態は、短期開放大当り状態ともいう。短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態とも称される。
通常開放大当り状態では、例えば大入賞口を開放状態とする上限時間が29.5秒間でラウンドの上限回数が「16」となることから、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御(確変制御)されることがある。確変状態は、所定回数(例えば200回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変終了条件が成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御(時短制御)されることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となり通常開放大当り状態に制御された後、時短状態となる場合を、「非確変」の大当り種別と称する。可変表示結果が「大当り」となり通常開放大当り状態に制御された後、確変状態となる場合を、「確変」の大当り種別と称する。可変表示結果が「大当り」となり短期開放大当り状態に制御された後、確変状態となる場合を、「突確」の大当り種別と称する。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
リーチ状態において行われる演出を、リーチ演出という。リーチ演出として、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させることや、背景画像の表示態様を変化させること、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させることといった、飾り図柄の変動態様を変化させることとは異なる演出動作が実行されてもよい。画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、リーチ演出に含まれていてもよい。リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、画像表示装置5の画面上で可変表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、可変表示状態は終了する。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
画像表示装置5の画面上における液晶表示の演出として飾り図柄の可変表示が行われる。加えて、画像表示装置5の画面上では、例えばキャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定と変動パターンの判定結果などに基づいて報知画像を表示するような演出も実行される。特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われている可変表示中に実行される各種の演出は、「可変表示中演出」ともいう。可変表示中演出の一例として、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを、遊技者に予め示唆するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告演出パターンが予め用意されている。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチハズレ組合せ)が停止表示(導出)される。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、入力ドライバ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図6は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す特別図柄プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS91)。一例として、ステップS91では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS91にて始動入賞が発生した場合には(ステップS91;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS92)。一例として、ステップS92の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けた保留データとして記憶することで、入賞時乱数として格納されればよい。
ステップS92の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS93)。一例として、ステップS93の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドや、始動入賞の発生により増加した特図保留記憶数を通知する保留数通知コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。ステップS91にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS91;No)、ステップS93の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、特図プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、特別図柄プロセス処理を終了する。
ステップS101にて可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果と称される。ステップS102の処理では、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、可変表示用乱数バッファに一時記憶させた特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かや、可変表示結果を「小当り」とするか否かを、所定割合で決定すればよい。
図7(A)は、特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図7(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、特図表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに大当り種別決定用の乱数値と大当り種別決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。このとき、大当り種別が「確変」や「突確」に決定されたことに対応して、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われて確変状態とすることが決定される。一方、大当り種別が「非確変」に決定されたことに対応して、大当り遊技状態の終了後に時短制御が行われて時短状態とすることが決定される。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
図7(B)は、大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で大当り種別が「突確」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「突確」には決定されない。すなわち、大当り種別が「突確」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
ステップS102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。一例として、ステップS103の処理では、ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、RAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、特別図柄プロセス処理を終了する。
特図プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。ステップS111の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された変動パターン決定テーブルを選択し、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用乱数MR4などに基づいて、変動パターンを複数パターンのいずれかに所定割合で決定すればよい。
図8(A)は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。図8(A)に示す設定例では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」以外(「非確変」または「確変」)である場合と大当り種別が「突確」あるいは可変表示結果が「小当り」である場合のそれぞれに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
ステップS111の処理では、変動パターン種別を複数種別のいずれかに所定割合で決定してから、変動パターンを決定してもよい。変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されている。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーAまたはスーパーB)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。このように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された変動パターン種別決定テーブルを選択し、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン種別決定用乱数MR3などに基づいて、変動パターン種別を複数種別のいずれかに所定割合で決定すればよい。
図8(B1)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。図8(B2)は、小当り時における変動パタンの決定例を示している。図8(B3)は、ハズレ時における変動パタンの決定例を示している。図8(B1)に示す決定例では、大当り種別が「非確変」または「確変」の場合に、変動パターンPA3−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行されてスーパーAやスーパーBのリーチ演出が実行されない変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3−2や変動パターンPA3−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。一方、図8(B3)に示す決定例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行されてスーパーAやスーパーBのリーチ演出が実行されない変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2−2や変動パターンPA2−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
図8(B3)に示す決定例では、スーパーAのリーチ演出まで実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPA2−2の決定割合が、スーパーAのリーチ演出が実行された後にスーパーBのリーチ演出まで実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPA2−3の決定割合よりも高くなるように設定されている。これに対して、図8(B1)に示す決定例では、大当り種別が「非確変」の場合に、変動パターンPA3−2の決定割合が変動パターンPA3−3の決定割合よりも高くなる一方、大当り種別が「確変」の場合に、変動パターンPA3−2の決定割合が変動パターンPA3−3の決定割合よりも低くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも十分に高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、スーパーBのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される。
図8(A)に示すように、変動パターンPA2−1〜PA2−3と、変動パターンPA3−1〜PA3−3とでは、特図変動時間や内容が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。図8(B1)や図8(B3)に示す決定割合の設定により、スーパーリーチのリーチ演出が実行されたときには、ノーマルのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。また、スーパーBのリーチ演出が実行されたときには、スーパーAのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。
こうして決定された変動パターンに対応して、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間が設定される。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。また、変動パターンの決定に対応して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定が行われればよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。例えば、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドや、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンド、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、特別図柄プロセス処理を終了する。
特図プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、特別図柄プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」または「小当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」または「小当り」である場合には(ステップS125;Yes)、特図プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、特別図柄プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」や「小当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、特別図柄プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
特図プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態や小当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことや、小当り遊技状態において大入賞口の開放回数が所定の上限回数に達したことなどであればよい。大当り遊技状態や小当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時や小当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、特別図柄プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態や小当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後または小当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。小当り遊技状態を終了するときには、その小当り遊技状態となる以前の遊技状態に継続して制御すればよい。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、特別図柄プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御用CPU120では、所定の演出制御メイン処理が実行される。
図9は、演出制御用CPU120によって実行される演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。このときには、演出制御基板12を含めたパチンコ遊技機1の全体に対する電力供給が開始されたことに応じて、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた電力供給開始フラグをオン状態にセットする(ステップS71A)。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出カスタマイズ処理を実行する(ステップS75)。演出カスタマイズ処理は、例えば遊技者によるスティックコントローラ30やプッシュボタン31Bの操作に応じて入力されたパスワードから抽出される各種情報に基づいて、パチンコ遊技機1における遊技や演出の実行履歴を示す遊技履歴情報を特定する処理などを含んでいればよい。このパスワードに基づいて特定された遊技履歴情報に対応して、例えば予告演出やリーチ演出といった、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されるまでに実行される所定演出の演出態様を、通常の演出態様とは異なる特別な演出態様に変更してもよい。こうした特別な演出態様に変更された演出は、特典演出と称する。したがって、パスワードのような設定情報に応じて、特典演出の実行制御を有効化または無効化することができる。
ステップS75における演出カスタマイズ処理に続いて、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。ステップS76の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型(可動部材)における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS78)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。ステップS77における演出用乱数更新処理に続いて、演出出力設定処理が実行される(ステップS77)。演出出力設定処理は、例えばスピーカ8L、8Rから出力される音声の音量、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどを点灯させるときの光量といった、演出装置の出力量を変更するための処理などを含んでいればよい。ステップS77にて演出出力設定処理を実行した後には、ステップS72の処理に戻る。こうしたステップS74〜S77の処理を実行することなどによって、演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1における遊技の進行に応じた演出の実行を制御する。
図10は、図9のステップS75にて実行される演出カスタマイズ処理の一例を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1では、遊技や演出の実行結果などに基づいて、遊技ポイント(「経験値」や「レベル」、「コイン」など、その名称は任意でよい)といった所定価値を遊技者に付与することができる。遊技ポイントは、パチンコ遊技機1における遊技履歴を示す遊技履歴情報に含まれて、所定の管理サーバにて遊技者ごとに管理されてもよい。管理サーバは、2次元コード読取機能や電気通信ネットワークへの接続機能を有する携帯端末から送信された遊技の結果などに基づいて、遊技者ごとの遊技履歴情報を更新していく。そして、遊技ポイントが所定値に達することにより、例えば所定のデジタルコンテンツ(楽曲や画像、アプリケーションプログラムなど)を提供できるようにしてもよい。
図10に示す演出カスタマイズ処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出カスタマイズの設定を行うためのカスタマイズ画面が画像表示装置5において表示中であるか否かを判定する(ステップS201)。カスタマイズ画面は、例えばデモンストレーション表示(デモ表示)の実行中といった、パチンコ遊技機1における遊技が開始されていない所定期間にて、プッシュボタン31Bなどの操作手段に対する所定操作(押下操作など)が検出された場合に画像表示装置5に表示させることができればよい。
ステップS201にてカスタマイズ画面の表示中ではない場合には(ステップS201;No)、カスタマイズ画面の表示を開始するための表示開始条件が成立したか否かを判定する(ステップS202)。演出制御用CPU120は、例えばパチンコ遊技機1における遊技が開始されていない所定期間にて、プッシュボタン31Bなどの操作手段に対する所定操作(押下操作など)が検出されたときに、表示開始条件が成立したと判定すればよい。表示開始条件が成立した場合には(ステップS202;Yes)、カスタマイズ画面の表示を開始させるための設定を行う(ステップS203)。一方、表示開始条件が成立していない場合には(ステップS202;No)、簡単スタートの指示があったか否かを判定する(ステップS204)。簡単スタートは、例えば飾り図柄の可変表示中といった、パチンコ遊技機1における遊技の実行中でも、特定の変動中メッセージや予告演出に応じてプッシュボタン31Bに対する所定操作が検出されたときなどに、その開始を指示できればよい。
ステップS204にて簡単スタートの指示があった場合には(ステップS204;Yes)、簡単スタート用の演出設定を行う(ステップS205)。例えば演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に記憶されている履歴記録管理テーブルにおける遊技履歴の記録を読み出し、その読出結果に応じたレベルや経験値、キャラクタなどを設定し、これらの設定を特定可能に報知する。履歴記録管理テーブルには、パチンコ遊技機1における遊技の履歴として、予めミッション対象として定められた遊技内容ごとに達成(既に実行済み)または未達(未だ実行せず)を示すデータが格納されている。履歴記録管理テーブルにおける遊技履歴の記録は、簡単スタートの指示がなくても更新可能であるが、所定条件が成立したときに簡単スタートの指示などによる演出カスタマイズの開始がなければクリア(初期化)される。こうしたパチンコ遊技機1における遊技履歴の内容に応じて、画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の表示態様や、スピーカ8L、8から出力される楽曲などの種類、遊技効果ランプ9および装飾用などの点灯パターンが、予め用意された複数種類のいずれかに設定できればよい。演出制御用CPU120は、このような簡単スタートによる演出カスタマイズの設定情報(カスタマイズ設定情報)を、RAM122の所定領域に格納することなどにより、演出カスタマイズが行われていない通常時とは異なる演出態様での演出(特典演出)の実行などを制御できればよい。
ステップS201にてカスタマイズ画面を表示中であると判定された場合には(ステップS201;Yes)、カスタマイズ画面の表示を終了するための表示終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS206)。演出制御用CPU120は、例えばカスタマイズ画面にて表示の終了を指示する項目が選択されたときや、飾り図柄の可変表示が開始されるときに、表示終了条件が成立したと判定すればよい。表示終了条件が成立した場合には(ステップS206;Yes)、カスタマイズ画面の表示を終了させるための設定を行う(ステップS207)。一方、表示終了条件が成立していない場合には(ステップS206;No)、カスタマイズ画面の表示中に演出カスタマイズの開始要求があったか否かを判定する(ステップS208)。演出制御用CPU120は、例えばパスワードの入力が行われたり、カスタマイズ画面にて簡単スタートを指示する項目が選択されたときに、演出カスタマイズの開始要求があったと判定すればよい。
ステップS208にて演出カスタマイズの開始要求があった場合には(ステップS208;Yes)、演出カスタマイズを開始するために必要となるカスタマイズ情報を取得する(ステップS209)。例えばカスタマイズ画面の表示後にパスワードの入力が行われた場合に、そのパスワードを示すデータをカスタマイズ情報として取得する。このとき取得したカスタマイズ情報に基づいて、演出カスタマイズの指示が有効であるか否かを判定する(ステップS210)。例えば演出制御用CPU120は所定のパスワード解析処理を実行して、入力されたパスワードが有効であるか否かを判定すればよい。ステップS210にて演出カスタマイズの指示が有効ではないと判定された場合には(ステップS210;No)、演出カスタマイズ処理を終了する。一方、演出カスタマイズの指示が有効であると判定された場合には(ステップS210;Yes)、演出カスタマイズを開始するための設定を行う(ステップS211)。例えばステップS211の処理では、パスワードから特定されるレベルや経験値その他の遊技履歴に応じて、画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の表示態様や、スピーカ8L、8Rから出力される楽曲などの種類、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの点灯パターンが、予め用意された複数種類のいずれかに設定されればよい。また、遊技履歴に応じた演出モードを設定して、その演出モードに応じた演出画像の表示などが行われるようにしてもよい。演出制御用CPU120は、このような演出カスタマイズの設定情報(カスタマイズ設定情報)を、RAM122の所定領域に格納することなどにより、演出カスタマイズが行われていない通常時とは異なる演出態様での演出(特典演出)の実行などを制御できればよい。
ステップS208にて演出カスタマイズの開始要求がない場合には(ステップS208;No)、カスタマイズ情報の出力要求があったか否かを判定する(ステップS212)。演出制御用CPU120は、例えばカスタマイズ画面にてカスタマイズ情報となる2次元コードの表示を指示する項目が選択されたときなどに、カスタマイズ情報の出力要求があったと判定すればよい。
ステップS212にてカスタマイズ情報の出力要求があった場合には(ステップS212;Yes)、カスタマイズ情報を出力する(ステップS213)。例えばステップS213の処理では、履歴記録管理テーブルをチェックして、遊技履歴に応じた所定のコード(2次元コードなど)を画像表示装置5の画面上に表示して出力するための制御が行われる。例えば2次元コードとして、パチンコ遊技機1の機種を示す機種情報や遊技者IDの他に、可変表示回数や大当り回数、レベル、経験値などを特定可能な情報、および、遊技者が所持する端末装置を用いて所定の管理サーバにアクセスするためのネットワークアドレスなどを含むコードが出力されればよい。遊技者は、端末装置を操作して、画像表示装置5の画面上などに表示された2次元コードを撮像させ、端末装置の内部に取り込ませることができればよい。こうした2次元コードなどに基づいて、所定のネットワークアドレス(具体例としてURLやIPアドレスなど)を端末装置により指定してアクセスした管理サーバにて、次回の演出カスタマイズで使用可能なパスワードなどが発行されればよい。なお、パチンコ遊技機1から出力されたコードを遊技者が端末装置に取り込むことにより、次回の演出カスタマイズで使用可能なカスタマイズ情報が発行されてもよい。あるいは、管理サーバから端末装置にダウンロードされて実行されたアプリケーションプログラムにより、演出カスタマイズで使用可能なカスタマイズ情報が発行されてもよい。
ステップS212にてカスタマイズ情報の出力要求がない場合には(ステップS212;No)、演出カスタマイズの終了要求があったか否かを判定する(ステップS214)。演出制御用CPU120は、例えばカスタマイズ画面にて演出カスタマイズの終了を指示する項目が選択されたときなどに、演出カスタマイズの終了要求があったと判定すればよい。ステップS214にて演出カスタマイズの終了要求がない場合には(ステップS214;No)、演出カスタマイズ処理を終了する。一方、演出カスタマイズの終了要求があったと判定された場合には(ステップS214;Yes)、演出カスタマイズを終了するための設定を行う(ステップS215)。例えばステップS215の処理では、履歴記録管理テーブルをクリア(初期化)することにより、遊技履歴情報を消去すればよい。
図11は、図9のステップS76にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。このような可変表示開始設定処理において確定飾り図柄を決定することで、飾り図柄の可変表示結果を、その可変表示結果が導出表示されるより前に決定できる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、所定の演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン)から飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図12は、図11のステップS170にて実行される可変表示開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドといった、変動開始コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS301)。これらの変動開始コマンドを受信していないときには(ステップS301;No)、パチンコ遊技機1における客待ち状態などにてデモンストレーション表示(デモ表示)を含めたデモンストレーション演出を実行するための制御を行う(ステップS302)。一例として、ステップS302の処理では、デモンストレーション演出を実行するために予め用意された演出制御パターンから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯のうち、一部又は全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS302の処理に続いて、遊技者がパチンコ遊技機1における遊技を開始したことに対応する所定の検出があったか否かを判定する(ステップS303)。パチンコ遊技機1における遊技の開始を検出するために、例えばパチンコ遊技機1の遊技領域に含まれる発射球案内通路では、打球発射装置による遊技球の発射位置に隣接して発射球検出センサが設けられていればよい。発射球検出センサは、発射位置にて発射された直後に移動する遊技球の通過を検出する。発射球検出センサから出力される発射信号(検出信号)は、払出制御基板37に入力され、払出制御基板37を経由して、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/O105へと伝送される。遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、例えば演出プロセスフラグの値が“0”に更新(初期化)されてから所定時間(1分間など)が経過した後、最初に発射信号が検出されたときに、遊技開始通知コマンドを演出制御基板12に対して伝送させればよい。なお、発射球検出センサは、発射位置に隣接して設置されるものに限定されず、例えば遊技領域の左側方に設けられたガイドレールの出口付近に設置されるものでもよい。また、発射球検出センサを用いた遊技球の検出により遊技の開始を検出するものに限定されず、遊技の開始を検出可能な任意の構成を備えるものであればよい。例えばタッチリング(タッチセンサ)を用いた打球操作ハンドルの操作検出により遊技の開始を検出してもよい。あるいは、パチンコ遊技機1の内部または外部における所定位置に設けられた赤外線センサの遊技者検出(着座検出)により遊技の開始を検出してもよい。現在時刻を特定するためのRTC(リアルタイムクロック回路)を演出制御基板12に設置して、遊技店の開店時刻が経過してから最初に遊技球の発射が検出されることにより、遊技の開始を検出してもよい。
パチンコ遊技機1における遊技の開始を検出する処理として、パチンコ遊技機1における初回の可変表示が開始されたか否かを検出してもよい。例えば演出プロセスフラグの値が“0”に更新(初期化)されてから所定時間(1分間など)が経過した後、最初に変動開始コマンドの受信があったと判定されたときに、遊技開始の検出があったと判定してもよい。現在時刻を特定するためのRTCを演出制御基板12に設置して、遊技店の開店時刻が経過してから最初に可変表示の開始が検出されたときに、遊技開始の検出があったと判定してもよい。
ステップS303にて遊技開始の検出があったと判定された場合には(ステップS303;Yes)、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた遊技開始判定フラグをオン状態にセットしてから(ステップS304)、可変表示開始待ち処理を終了する。遊技開始判定フラグは、パチンコ遊技機1における遊技が開始されたか否かを示し、図9に示されたステップS78の演出出力設定処理にて参照される。
ステップS303にて遊技開始の検出がなかったと判定された場合には(ステップS303;No)、遊技終了待ち時間として予め定められた所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS305)。遊技終了待ち時間は、例えば演出プロセスフラグの値が“0”に更新(初期化)されてからパチンコ遊技機1における遊技を行っていないと判定するまでの待ち時間(1分間など)として予め定められていればよい。遊技終了待ち時間が経過していない場合には(ステップS305;No)、可変表示開始待ち処理を終了する。一方、遊技終了待ち時間が経過した場合には(ステップS305;Yes)、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた遊技終了判定フラグをオン状態にセットしてから(ステップS306)、可変表示開始待ち処理を終了する。遊技終了判定フラグは、パチンコ遊技機1における遊技が行われているか否かを示し、図9に示されたステップS78の演出出力設定処理にて参照される。
なお、演出プロセスフラグの値が“0”に更新(初期化)されてからの経過時間により遊技の終了を判定するものに限定されず、遊技の終了を検出可能な任意の構成を備えるものであればよい。例えば演出プロセスフラグの値が“0”に更新(初期化)された後に発射球検出センサを用いて遊技球が検出されないときに遊技の終了を検出してもよい。あるいは、タッチリング(タッチセンサ)を用いた打球操作ハンドルの操作検出により遊技の終了を検出してもよい。あるいは、パチンコ遊技機1の所定位置に設けられた赤外線センサの遊技者検出により遊技の終了を検出してもよい。
ステップS301にて変動開始コマンドの受信があった場合には(ステップS301;Yes)、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS307)、可変表示開始待ち処理を終了する。
図13は、図11のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS311)。ステップS311の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「小当り」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」、「突確(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。なお、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」となる場合には、ノーマルのリーチ演出が実行される場合に対応した「ノーマル(ハズレ)」の可変表示内容と、スーパーのリーチ演出が実行される場合に対応した「スーパー(ハズレ)」の可変表示内容とがあってもよい。可変表示内容が「小当り」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならずに、短期開放チャンス目として予め定められた特殊組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「小当り」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる。可変表示内容が「突確(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「小当り」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて短期開放チャンス目として予め定められた特殊組合せとなる飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される短期開放チャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された短期開放チャンス目決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の短期開放チャンス目のうちで、最終停止図柄となる飾り図柄の組合せを決定する。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「確変」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「確変」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
可変表示内容が「突確(大当り)」である場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄、または、リーチ組合せとなる飾り図柄を、最終停止図柄に決定する。例えば図8(A)に示す変動パターンのうち、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に対応して変動パターンPC1−1が指定された場合には、可変表示内容が「小当り」である場合と同様にして、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄を、最終停止図柄に決定すればよい。一方、変動パターンPC2−1が指定された場合には、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合と同様にして、リーチ組合せとなる飾り図柄を、最終停止図柄に決定すればよい。
ステップS311の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。また、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることを報知できればよい。ステップS501の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS311における最終停止図柄などの決定に続いて、変動中メッセージの有無や、変動中メッセージを報知する場合の報知態様に対応する変動中メッセージ種別を決定する(ステップS312)。演出制御用CPU120は、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された変動中メッセージ種別決定用データを選択して、変動中メッセージの有無や変動中メッセージ種別などを決定すればよい。変動中メッセージ種別決定用データでは、例えば可変表示内容などに応じて、変動中メッセージ種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、変動中メッセージの有無や変動中メッセージ種別に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される変動中メッセージ種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、変動中メッセージ種別決定用データを参照することにより、変動中メッセージの有無や変動中メッセージ種別を決定すればよい。
図14は、ステップS312の処理における変動中メッセージ種別(変動中メッセージの有無を含む)の決定例を示している。この実施の形態では、変動中メッセージ種別として、キャラクタ表示とテロップ表示とが予め用意されている。キャラクタ表示の変動中メッセージ種別は、画像表示装置5の画面上に表示したキャラクタのセリフとして、所定のメッセージを報知する変動中メッセージの報知演出である。テロップ表示の変動中メッセージ種別は、画像表示装置5の画面上における所定領域(例えば画面上部のメッセージ表示エリアなど)にてメッセージを示す演出画像(文字画像など)がテロップ表示(スクロール表示)されて所定のメッセージを報知する変動中メッセージの報知演出である。
図14に示す決定例では、可変表示内容に応じて異なる割合で、変動中メッセージを報知しない場合に対応した「メッセージなし」、あるいはキャラクタ表示やテロップ表示の変動中メッセージ種別のいずれかに決定される。例えば可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合には、可変表示内容が「ノーマル(ハズレ)」、「スーパー(ハズレ)」、「大当り」のいずれかである場合よりも高い割合で、キャラクタ表示やテロップ表示の変動中メッセージ種別に決定される。したがって、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」に対応して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない場合には、リーチ状態となる場合よりも高い割合で変動中メッセージの報知が行われる。このように、可変表示内容が特定内容となるか否かに応じて異なる割合で、変動中メッセージの報知が行われるようにしてもよい。なお、可変表示内容に応じて変動中メッセージの有無や種別が決定されるものに限定されず、可変表示内容にかかわらず所定割合で変動中メッセージの有無や種別が決定されてもよい。すなわち、変動中メッセージの有無や種別により可変表示内容が所定内容となる可能性が示唆されるものであってもよいし、そのような可能性が示唆されないものであってもよい。
図13に示すステップS312の処理による決定に基づいて、変動中メッセージを報知しない場合に対応した「メッセージなし」であるか否かを判定する(ステップS313)。このとき、「メッセージなし」ではなくキャラクタ表示またはテロップ表示の変動中メッセージ種別であると判定された場合には(ステップS313;No)、変動中メッセージ決定処理を実行する(ステップS314)。変動中メッセージ決定処理では、変動中メッセージ種別の決定結果に応じて、飾り図柄の可変表示中に報知される具体的なメッセージの内容などが決定される。
図15は、この実施の形態における変動中メッセージの設定例を示している。図15に示す複数種類の変動中メッセージのうち、変動中メッセージMN1A〜変動中メッセージMN1E、変動中メッセージMN2A〜変動中メッセージMN2C、変動中メッセージMN3A〜変動中メッセージMN3Cは、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)の示唆を目的としない通常メッセージに分類される。一方、変動中メッセージMSA〜変動中メッセージMSFは、大当り期待度の示唆を目的とする特定メッセージに分類される。
変動中メッセージMN1A、変動中メッセージMN2A、変動中メッセージMN3Aは、パチンコ遊技機1における遊技の説明となる内容の通常メッセージである。変動中メッセージMN1B、変動中メッセージMN2B、変動中メッセージMN3Bは、パチンコ遊技機1のモチーフとなるストーリー(物語)の説明となる内容の通常メッセージである。変動中メッセージMN1C、変動中メッセージMN2C、変動中メッセージMN3Cは、遊技説明やストーリー説明に限定されない一般的な内容の通常メッセージである。変動中メッセージMN1Dは、例えば音量や光量といった、演出装置における出力量の設定を示す通常メッセージであり、特に、演出装置の出力量が最小出力量であることを示す通常メッセージである。変動中メッセージMN1Eは、演出カスタマイズによる特典演出の実行制御が有効化されているか否かを示す通常メッセージであり、特に、演出カスタマイズによる特典演出が無効であることを示す通常メッセージである。
この実施の形態では、変動中メッセージ種別がキャラクタ表示とテロップ表示のいずれに決定されたかにかかわらず、共通の変動中メッセージが決定され、変動中メッセージ種別の決定結果に応じて異なる報知態様で報知される。キャラクタ表示の変動中メッセージ種別に決定された場合には、画像表示装置5の画面上に表示したキャラクタのセリフとなってメッセージが報知される。テロップ表示の変動中メッセージ種別に決定された場合には、画像表示装置5の画面上における所定領域(例えば画面上部のメッセージ表示エリアなど)にてメッセージを示す演出画像(文字画像など)がテロップ表示(スクロール表示)される。
図16(A)〜(E)は、変動中メッセージ種別がキャラクタ表示に決定された場合に対応する変動中メッセージの報知例を示している。例えば変動中メッセージMN1Aとして、図16(A)に示すように、「ステップアップ予告はステップが進むほどアツイ!!」という遊技説明となるメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。変動中メッセージMN1Bとして、図16(B)に示すようなストーリー説明となるメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。変動中メッセージMN1Cとして、図16(C)に示すような一般メッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。変動中メッセージMN1Dとして、図16(D)に示すような演出出力設定(この例では音量設定)が最小出力量であることを示唆するメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。変動中メッセージMN1Eとして、図16(E)に示すような演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。
図16(F)は、変動中メッセージ種別がテロップ表示に決定された場合に対応する変動中メッセージの報知例を示している。例えば変動中メッセージMN1Eとして、図16(F)に示すような演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージが、画像表示装置5の所定領域にてテロップ表示される。
図17は、図13のステップS314にて実行される変動中メッセージ決定処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す変動中メッセージ決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」に対応した非リーチであるか否かを判定する(ステップS401)。そして、非リーチである場合には(ステップS401;Yes)、通常メッセージとなる変動中メッセージを決定するために用意された通常メッセージ決定用データを選択する(ステップS402)。通常メッセージ決定用データでは、例えばメッセージ決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、通常メッセージに分類される複数種類の変動中メッセージに、割り当てられていればよい。このときには、RAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられたグループ選択バッファの格納値であるグループ選択バッファ値を特定する(ステップS403)。この実施の形態では、通常メッセージとなる複数種類の変動中メッセージが予め複数のグループに区分けされ、可変表示が実行されるごとに、変動中メッセージが選択されるグループを切り替える。ステップS401にて非リーチではないと判定された場合には(ステップS401;No)、特定メッセージを選択するか否かに対応した特定メッセージ選択の有無を決定する(ステップS404)。
図18(A)は、ステップS404の処理における特定メッセージ選択有無の決定例を示している。演出制御用CPU120は、特定メッセージ選択の有無を決定するために用意された特定メッセージ有無決定用データを選択する。特定メッセージ有無決定用データでは、例えば特定メッセージ有無決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、特定メッセージ選択の有無を示す決定結果に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される特定メッセージ選択有無決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、特定メッセージ有無決定用データを参照することにより、特定メッセージ選択の有無を決定すればよい。
図17に示すステップS404の決定に基づいて、特定メッセージの選択があるか否かを判定する(ステップS405)。このとき、特定メッセージの選択がなければ(ステップS405;No)、ステップS402の処理に進み、通常メッセージを決定するための設定を行う。一方、特定メッセージの選択がある場合には(ステップS405;Yes)、特定メッセージとなる変動中メッセージを決定するために用意された特定メッセージ決定用データを選択する(ステップS406)。特定メッセージ決定用データでは、例えばメッセージ決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、特定メッセージに分類される複数種類の変動中メッセージに、割り当てられていればよい。
ステップS403、S406の処理を実行した後には、変動中メッセージを決定する(ステップS407)。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるメッセージ決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、選択したメッセージ決定用データ(通常メッセージ決定用データまたは特定メッセージ決定用データ)を参照することにより、変動中メッセージを決定すればよい。
図18(B)は、ステップS407の処理による通常メッセージの決定例を示している。通常メッセージとして決定可能な変動中メッセージは、グループ選択バッファ値や演出出力設定、演出カスタマイズの状態(無効または有効)に応じて設定されればよい。図18(B)に示す決定例では、グループ選択バッファ値が「1」であるときに、演出出力設定や演出カスタマイズの状態に応じて、決定可能な変動中メッセージを異ならせている。例えば演出出力設定が最小出力量かつ遊技者調整可である場合には、変動中メッセージMN1Dに決定可能となる一方、最小出力量以外または遊技者調整不可である場合には、変動中メッセージMN1Dに決定不能となる。また、例えば演出カスタマイズが無効である場合には、変動中メッセージMN1Eに決定可能となる一方、演出カスタマイズが有効である場合には、変動中メッセージMN1Eに決定不能となる。グループ選択バッファ値が「2」または「3」であるときには、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eに決定不能となる。したがって、演出出力設定が最小出力量であり遊技者による調整が許容されるときには、所定割合で変動中メッセージMN1Dに決定される。演出カスタマイズが無効であるときには、所定割合で変動中メッセージMN1Eに決定される。
図18(C)は、ステップS407の処理による特定メッセージの決定例を示している。特定メッセージとなる変動中メッセージは、可変表示内容に応じて決定割合が異なっている。したがって、特定メッセージとなる変動中メッセージにおける報知内容により、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)を示唆することができる。
図17に示すステップS407にて変動中メッセージを決定した後には、グループ選択バッファ値を更新してから(ステップS408)、変動中メッセージ決定処理を終了する。例えばステップS408の処理では、グループ選択バッファ値が「1」または「2」であれば、グループ選択バッファ値を1加算するように更新し、グループ選択バッファ値が「3」であれば、グループ選択バッファ値を「1」に更新すればよい。これにより、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eは、飾り図柄の可変表示が3回実行されるごとに、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合、または可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」以外でも通常メッセージを選択する場合(特定メッセージ選択がない場合)に対応して、所定割合で決定することができる。こうして、例えばステップS407の処理にてグループ選択バッファ値が「1」に対応して変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eが決定された後には、グループ選択バッファ値が更新されて再び「1」になるまでは、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eが決定されない。このように、パチンコ遊技機1における変動中メッセージとして、演出出力設定が最小出力量であることを示唆するメッセージや、演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージを選択した履歴に応じて、以降の可変表示に対応する変動中メッセージを選択することができる。例えば飾り図柄の可変表示が3回実行されるという、パチンコ遊技機1における所定の遊技ごとに報知される変動中メッセージとして、演出出力設定が最小出力量であることを示唆するメッセージや、演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージを、所定割合で選択することができる。ただし、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」以外である場合には、ステップS404の処理にて特定メッセージを選択しないと決定される割合が低い。したがって、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるといった、パチンコ遊技機1における遊技の結果が特定結果となる場合には、こうした特定結果とならない場合よりも低い割合で、特定の設定がされた状態であることを示唆する演出態様にできる。
なお、グループ選択バッファ値を更新するものに代えて、ステップS407の処理により変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eが決定されたときには、所定のメッセージ決定制限フラグをオン状態にセットして、そのメッセージ決定制限フラグがオンである期間は、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージ1Eを決定可能な変動中メッセージに設定しないように制限を設けてもよい。メッセージ決定制限フラグは、例えば可変表示の実行回数が所定回数(10回など)に達したことや、所定時間(5分間など)が経過したこと、デモ表示が開始されたことといった、予め定められたメッセージ決定制限解除条件が成立したときに、クリアされてオフ状態になればよい。
図13に示すステップS313にて変動中メッセージを報知しないメッセージなしであると判定された場合や(ステップS313;Yes)、ステップS314の変動中メッセージ決定処理を実行した後には、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様に対応する予告演出種別を決定する(ステップS315)。演出制御用CPU120は、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出種別決定用データを選択して、予告演出の有無や予告演出種別などを決定すればよい。予告演出種別決定用データでは、例えば可変表示内容などに応じて、予告演出種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や予告演出種別に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出種別決定用データを参照することにより、予告演出の有無や予告演出種別を決定すればよい。
図19(A)は、ステップS315の処理における予告演出種別(予告演出の有無を含む)の決定例を示している。この実施の形態では、複数の予告演出種別として、ボタン操作、ステップアップ、レバー操作が予め用意されている。ボタン操作の予告演出種別は、プッシュボタン31Bに対する遊技者による所定操作(押下操作など)が検出されたタイミングにて所定の演出動作が行われ、その演出態様などに応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。ステップアップの予告演出種別は、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様が複数段階に変化するなどの演出動作が実行されればよい。このように、ステップアップの予告演出種別は、特図ゲームの開始条件(第1開始条件または第2開始条件)が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる最終停止図柄が導出表示されるまでに、演出態様が所定の順番に従って1段階から複数段階まで変化(ステップアップ)することにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。「ステップアップ」の予告演出では、演出態様が変化する回数(ステップ数)に応じて大当り信頼度が異なり、ステップ数が多いときに、ステップ数が少ないときよりも、大当り信頼度が高いことを示唆できればよい。すなわち、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、予め定められた段階まで演出態様が変化する。「ステップアップ」の予告演出における演出態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や表示色、表示柄といった、表示態様の一部または全部が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は段階的に変化したと認識可能なものであればよい。キャラクタ画像の表示によるステップアップの他にも、可動部材が繰返し動作する回数や同時に動作する部材数、動作する部材の種類などを異ならせることにより、大当り信頼度を異ならせてもよい。レバー操作の予告演出種別は、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する遊技者による所定操作(傾倒操作など)が検出されたタイミングにて所定の演出動作が行われ、その演出態様などに応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。
図19(B)は、パチンコ遊技機1にて用いられる予告演出種別の設定例を示している。各予告演出種別は、複数の予告演出パターンが分類されて属するグループであって、共通する演出態様を含む予告演出パターンのグループごとに区分けされていればよい。ボタン操作の予告演出種別は、予告演出パターンYKP1−1〜予告演出パターンYKP1−4と、予告演出パターンYKP1Dおよび予告演出パターンYKP1Eが属するグループである。ステップアップの予告演出種別は、予告演出パターンYKP2−1〜予告演出パターンYKP2−4が属するグループである。レバー操作の予告演出種別は、予告演出パターンYKP3−1〜予告演出パターンYKP3−4が属するグループである。
図20および図21は、各種の予告演出が実行される場合に対応した演出実行例を示している。図20(A)〜(D)は、予告演出種別がボタン操作に決定された場合に対応する予告演出の実行例を示している。予告演出種別がボタン操作に決定された場合には、予告演出パターンYKP1−1〜予告演出パターンYKP1−4や予告演出パターンYKP1D、予告演出パターンYKP1Eのうちいずれかの予告演出パターンといった、ボタン操作の予告演出パターンが決定される。ボタン操作の予告演出パターンに対応して予告演出が実行される場合には、例えば図20(A)に示すように、プッシュボタン31Bに対する遊技者の所定操作(押下操作など)を促す促進演出が実行され、所定操作の検出に基づいて、所定のメッセージを報知するなどの演出動作が実行される。例えば予告演出パターンYKP1−2によるメッセージとして、図20(B)に示すような大当り期待度を示唆するメッセージが報知される。一方、予告演出パターンYKP1Dによるメッセージとして、図20(C)に示すような演出出力設定(この例では音量設定)が最小出力量であることを示唆するメッセージが報知される。また、予告演出パターンYKP1Eによるメッセージとして、図20(D)に示すような演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージが報知される。
図21(A)は、予告演出種別がステップアップに決定された場合に対応する予告演出の実行例を示している。予告演出種別がステップアップに決定された場合には、予告演出パターンYKP2−1〜予告演出パターンYKP2−4のうちいずれかの予告演出パターンといった、ステップアップの予告演出パターンが決定される。ステップアップの予告演出パターンに対応して予告演出が実行される場合には、例えば図21(A)に示すキャラクタ画像の表示などにより、演出態様を1段階から複数段階まで変化させることができる。ステップアップの予告演出パターンには、演出出力設定が最小出力量であることを示唆するものや、演出カスタマイズが無効であることを示唆するものが含まれていない。
図21(B1)および(B2)は、予告演出種別がレバー操作に決定された場合に対応する予告演出の実行例を示している。予告演出種別がレバー操作に決定された場合には、予告演出パターンYKP3−1〜予告演出パターンYKP3−4のうちいずれかの予告演出パターンといった、レバー操作の予告演出パターンが決定される。レバー操作の予告演出パターンに対応して予告演出が実行される場合には、例えば図21(B1)に示すように、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する遊技者の所定操作(傾倒操作など)を促す促進演出が実行され、所定操作の検出に基づいて、所定のメッセージを報知するなどの演出動作が実行される。レバー操作の予告演出パターンには、演出出力設定が最小出力量であることを示唆するものや、演出カスタマイズが無効であることを示唆するものが含まれていない。
図13に示すステップS315の処理による決定に基づいて、予告演出を実行しない場合に対応した「実行なし」であるか否かを判定する(ステップS316)。このとき、「実行なし」ではなくボタン操作、ステップアップ、レバー操作の予告演出種別のいずれかであると判定された場合には(ステップS316;No)、予告演出パターンを決定する(ステップS317)。例えば演出制御用CPU120は、予告演出種別に応じて予め用意された予告演出パターン決定用データを選択する。予告演出パターン決定用データでは、例えば可変表示内容などに応じて、予告演出パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出パターン決定用データを参照することにより、予告演出パターンを決定すればよい。
図22(A)は、非リーチ時に対応したボタン操作の予告演出パターン決定例を示している。可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」となる非リーチ時には、演出出力設定や演出カスタマイズの状態(無効または有効)に応じた所定割合で、ボタン操作の予告演出パターンが決定される。また、演出出力設定や演出カスタマイズの状態に応じて、決定可能なボタン操作の予告演出パターンを異ならせている。例えば演出出力設定が最小出力量かつ遊技者調整可である場合には、予告演出パターンYKP1Dに決定可能となる一方、最小出力量以外または遊技者調整不可である場合には、予告演出パターンYKP1Dに決定不能となる。例えば演出カスタマイズが無効である場合には、予告演出パターンYKP1Eに決定可能となる一方、演出カスタマイズが有効である場合には、予告演出パターンYKP1Eに決定不能となる。したがって、演出出力設定が最小出力量であり遊技者による調整が許容されるときには、所定割合で予告演出パターンYKP1Dに決定される。演出カスタマイズが無効であるときには、所定割合で予告演出パターンYKP1Eに決定される。
なお、ステップS317の処理にてボタン操作の予告演出パターンを決定したときには、変動中メッセージの場合におけるグループ選択バッファ値と同様に所定のバッファ値を更新して、そのバッファ値が所定値(例えば「1」)であるときに、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eを決定可能な予告演出パターンに設定する一方、バッファ値が所定値以外であるときには、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eを決定可能な予告演出パターンに設定しないようにしてもよい。あるいは、ステップS317の処理により予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eが決定されたときには、所定のパターン決定制限フラグをオン状態にセットして、そのパターン決定制限フラグがオンである期間は、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eを決定可能な予告演出パターンに設定しないように制限を設けてもよい。パターン決定制限フラグは、例えば可変表示の実行回数が所定回数(10回など)に達したことや、所定時間(5分間など)が経過したこと、デモ表示が開始されたことといった、予め定められたパターン決定制限解除条件が成立したときに、クリアされてオフ状態になればよい。
図22(B)は、非リーチ時以外に対応したボタン操作の予告演出パターン決定例を示している。可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」以外となる場合には、演出出力設定や演出カスタマイズの状態(無効または有効)にかかわらず所定割合で、ボタン操作の予告パターンが決定される。この場合には、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eには決定されないように制限が設けられる。このように、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるといった、パチンコ遊技機1における遊技の結果が特定結果となる場合には、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出を実行しないように制限が設けられる。なお、遊技の結果が特定結果となる場合には、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出を実行しないように制限が設けられるものに限定されず、特定結果とならない場合よりも低い割合で、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出が実行されるように制限が設けられてもよい。例えば変動中メッセージの場合と同様に、非リーチ時以外の場合でも、所定割合で非リーチ時の予告演出パターン決定処理を行うことに決定されたときには、非リーチ時と同様の決定割合で予告演出パターンが決定されてもよい。
こうして、図13に示すステップS317の処理では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」となるか否かに応じて、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eに決定可能とするか否かを異ならせたり、それらの決定割合を異ならせたりすることで、遊技の結果が特定結果となるか否かに応じて異なる割合で、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出を実行することができる。また、図13に示すステップS315の処理では、例えば図19(A)に示すように、可変表示内容に応じて異なる割合でボタン操作の予告演出種別に決定される。予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eは、ボタン操作の予告演出種別に分類されることから、ボタン操作の予告演出種別に決定された場合に選択可能となる一方、ステップアップやレバー操作の予告演出種別に決定された場合には選択することができない。このことからしても、遊技の結果が特定結果となるか否かに応じて異なる割合で、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出を実行することができる。したがって、予告演出種別の決定割合と予告演出パターンの決定割合との双方により、遊技の結果が特定結果となるか否かに応じて異なる割合で、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出を実行することができる。なお、予告演出種別の決定割合と予告演出パターンの決定割合とのうちいずれか一方により、遊技の結果が特定結果となるか否かに応じて異なる割合で、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出を実行することができるようにしてもよい。
図13に示すステップS316の処理にて「実行なし」と判定された場合や(ステップS316;Yes)、ステップS317の処理を実行した後には、簡単スタート指示受付期間を設定する(ステップS318)。簡単スタート指示受付期間は、変動中メッセージMN1Eや予告演出パターンYKP1Eに決定された場合に、演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージが報知される期間に対応して、プッシュボタン31Bに対する操作を有効に受け付けて、簡単スタートによる演出カスタマイズを開始可能にする期間である。ステップS318の処理に続いて、出力変更指示受付期間を設定する(ステップS319)。出力変更指示受付期間は、変動中メッセージMN1Dや予告演出パターンYKP1Dに決定された場合に、演出出力設定が最小出力量であることを示唆するメッセージが報知される期間に対応して、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する操作を有効に受け付けて、演出出力の設定変更を可能にする期間である。
ステップS319の処理を実行した後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS320)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS314の変動中メッセージ決定処理による変動中メッセージの決定結果に対応して、複数用意された演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。さらに、演出制御用CPU120は、ステップS317の処理による予告演出パターンの決定結果に対応して、複数用意された演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS320の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに基づき、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS321)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS322)。このときには、例えばステップS320にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS322の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS323)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS324)、可変表示開始設定処理を終了する。
図23は、図11のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS331)。一例として、ステップS331の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS331にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS331;No)、変動中メッセージ報知期間であるか否かを判定する(ステップS332)。変動中メッセージ報知期間は、例えば図13に示すステップS320の処理にて変動中メッセージの決定結果に応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS332にて変動中メッセージ報知期間であるときには(ステップS332;Yes)、変動中メッセージを報知する制御を行う(ステップS333)。ステップS333の処理では、例えば変動中メッセージの決定結果に応じて選択された演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて変動中メッセージの報知が行われればよい。
ステップS332にて変動中メッセージ報知期間ではないと判定されたときや(ステップS332;No)、ステップS333の処理を実行した後には、予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS334)。予告演出期間は、例えば図13に示すステップS320の処理にて予告演出パターンの決定結果に応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS334にて予告演出期間であるときには(ステップS334;Yes)、予告演出を実行するための演出制御を行う(ステップS335)。ステップS335の処理では、例えば予告演出パターンの決定結果に応じて選択された演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて予告演出を実行すればよい。
ステップS334にて予告演出期間ではないと判定されたときや(ステップS334;No)、ステップS335の処理を実行した後には、リーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS336)。リーチ演出期間は、例えば図13に示すステップS320の処理にて変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS336にてリーチ演出期間であるときには(ステップS336;Yes)、リーチ演出を実行するための演出制御を行う(ステップS337)。ステップS336にてリーチ演出期間ではないと判定されたときや(ステップS336;No)、ステップS337の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示動作を含めたその他の演出動作制御を行ってから(ステップS338)、可変表示中演出処理の実行を終了する。
ステップS331にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS331;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS339)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS339;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS339にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS339;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS340)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS341)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS342)、可変表示中演出処理を終了する。
図24は、図9のステップS78にて実行される演出出力設定処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す演出出力設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、設定切替スイッチ300の変更があったか否かを判定する(ステップS221)。例えば演出制御用CPU120は、ステップS221の処理を実行するごとに、設定切替スイッチ300のスイッチ位置を読み取って、RAM122の所定領域に格納する。このとき、例えば今回読み取ったスイッチ位置と前回読み取ったスイッチ位置とが異なる場合には、設定切替スイッチ300の変更があったと判定すればよい。パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときには、前回読み取ったスイッチ位置の記録がないことから、必ず設定切替スイッチ300の変更があったと判定してもよい。ステップS221にて設定切替スイッチ300の変更があった場合には(ステップS221;Yes)、変更後の状態(スイッチ位置)に対応した設定を行う(ステップS222)。
図25は、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に対応する設定内容の一例を示している。例えば、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「5」である場合には、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量について、上限音量が「97.0」に初期設定され、遊技者による音量設定(調整)が可能(許容)に設定される。なお、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量に限定されず、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDの光量といった、任意の演出装置の出力量を設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて初期設定できればよい。図24に示すステップS222の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に対応した演出出力量の設定情報(出力量設定情報)を、RAM122の所定領域に格納することなどにより、演出出力量を複数段階(例えば6段階)のいずれかに初期設定できればよい。ここで、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「6」〜「B」のいずれかであり、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)となる場合には、ステップS222の処理にて初期設定された演出出力量で以降の演出などが実行される。
図24に示すステップS221にて設定切替スイッチ300の変更がない場合や(ステップS221;No)、ステップS222の処理を実行した後には、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて、遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)であるか否かを判定する(ステップS223A)。遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)である場合には(ステップS223A;Yes)、出力変更の指示があったか否かを判定する(ステップS223B)。演出制御用CPU120は、例えばデモンストレーション表示(デモ表示)の実行中といった、パチンコ遊技機1における遊技が開始されていない所定期間にて、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)が検出された場合に、出力変更の指示があったと判定すればよい。また、例えば飾り図柄の可変表示中といった、パチンコ遊技機1における遊技の実行中でも、特定の変動中メッセージや予告演出に応じてスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作が検出されたときなどに、出力変更の指示があったと判定すればよい。
ステップS223Bにて出力変更の指示があった場合には(ステップS223B;Yes)、指示に対応した表示と設定を行う(ステップS224)。この実施の形態では、遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)である場合に、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿(レバー)を操作することにより、設定切替スイッチ300のスイッチ位置と同様に、演出出力量を6段階のいずれかに設定変更(調整)することができる。画像表示装置5の画面上には、例えばデモ画面のレイヤーに設定変更画面のレイヤーを重畳表示するなどして、設定変更画面の裏ではデモ画面の表示が継続されてもよい(音声出力なども継続される)。
図26は、音量設定変更画面の表示例を示している。演出制御用CPU120は、表示制御部123に所定の表示制御指令を送ることなどにより、RAM122の所定領域に格納されている出力量設定情報に応じた演出出力量を特定可能に示す設定変更画面を、画像表示装置5に表示させる。例えば設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「0」であり、未だ遊技者による設定変更(調整)が行われていないときには、音量設定が「音量1(最小)」であることに対応して、図26に示す6段階に対応したメモリのうち1つだけを第1表示色(例えば赤色)で表示する一方、残りの5つを第1表示色とは異なる第2表示色(例えば白色)で表示する。そして、例えばスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が右に傾倒操作されたことに対応して、音量設定を「音量2」に変更するとともに、音量設定変更画面において第1表示色のメモリを1つ増加させる。このように、例えばスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が第1方向(右方向など)に傾倒操作されるごとに、演出出力量の設定が最大に達するまで、複数段階の演出出力量を1段階ずつ増加させるように変更すればよい。一方、例えばスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が第1方向とは異なる第2方向(左方向)に傾倒操作されるごとに、演出出力量の設定が最小に達するまで、複数段階の演出出力量を1段階ずつ減少させるように変更すればよい。
図24に示すステップS224の処理では、変更後の演出出力量を報知する確認動作が実行されてもよい。例えば演出制御用CPU120は、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから変更後の音量に対応する確認音を出力させる。また、演出制御用CPU120は、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを変更後の光量に対応して点灯させる。
ステップS223Aにて遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)である場合や(ステップS223A;No)、ステップS223Bにて出力変更の指示がなかった場合(ステップS223B;No)、あるいはステップS224の処理を実行した後には、電力供給開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS225)。このとき、電力供給開始フラグがオフであれば(ステップS225;No)、遊技開始判定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS226)。遊技開始判定フラグがオフであれば(ステップS226;No)、遊技終了判定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS227)。遊技終了判定フラグがオフであるときには(ステップS227;No)、演出出力設定処理を終了する。
ステップS225にて電力供給開始フラグがオンである場合や(ステップS225;Yes)、ステップS226にて遊技開始判定フラグがオンである場合(ステップS226;Yes)、あるいはステップS227にて遊技終了判定フラグがオンである場合には(ステップS227;Yes)、オンであると判定された対応するフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS228A)、遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)であるか否かを判定する(ステップS228B)。
ステップS228Bにて遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)である場合には(ステップS228B;Yes)、例えばRAM122の所定領域に格納された出力量設定情報に基づいて、演出出力設定が最小出力量であるか否かを判定する(ステップS229)。そして、演出出力設定が最小出力量であるときには(ステップS229;Yes)、最小出力量であることを示唆する演出を実行するための制御を行う(ステップS230)。このときには、ステップS225〜S227の処理によりオンであると判定されたフラグに応じた演出制御パターンを選択することなどにより、状況に応じた示唆を行うことができればよい。
ステップS228Bにて遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)である場合や(ステップS228B;No)、ステップS229にて演出出力設定が最小出力量ではない場合(ステップS229;No)、あるいはステップS230の処理を実行した後には、例えばRAM122の所定領域に格納されたカスタマイズ設定情報に基づいて、演出カスタマイズの設定が無効であるか否かを判定する(ステップS231)。このとき、演出カスタマイズの設定が有効であれば(ステップS231;No)、演出出力設定処理を終了する。
ステップS231にて演出カスタマイズの設定が無効である場合には(ステップS231;Yes)、演出カスタマイズが無効であることを示唆する演出を実行するための制御を行う(ステップS232)。このときには、ステップS225〜S227の処理によりオンであると判定されたフラグに応じた演出制御パターンを選択することなどにより、状況に応じた示唆を行うことができればよい。
なお、演出制御基板12に搭載されたRAM122がバックアップ電源によってバックアップされない場合には、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止するごとに、その記憶内容が消去される。そのため、ステップS225にて電力供給開始フラグがオンである場合に対応してステップS231の処理が実行されたときには、常に演出カスタマイズの設定が無効であると判定され、ステップS232の処理が実行されることになる。一方、ステップS229の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて、演出出力設定が最小出力量であると判定される場合と判定されない場合とがある。そこで、ステップS225にて電力供給開始フラグがオンであると判定された場合には、ステップS229の処理による判定を行う一方、ステップS231の処理による判定やステップS232の処理による演出制御は行わないようにしてもよい。あるいは、演出カスタマイズの設定をバックアップRAMに格納して保存したり、RAM122とは異なる不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリなど)に格納するなどして、電力供給が停止しても記憶内容が消去されないようにしてもよい。また、演出出力設定についても、例えばスティックコントローラ30の操作桿(レバー)を用いた遊技者による出力設定をバックアップRAMに格納して保存したり、RAM122とは異なる不揮発性メモリに格納するなどして、電力供給が停止しても記憶内容が消去されないようにしてもよい。すなわち、ステップS225の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置のみに基づいて演出出力設定が最小出力量であるか否かを判定してもよいし、設定切替スイッチ300のスイッチ位置だけでなくバックアップRAMなどに保存された出力設定にも基づいて演出出力設定が最小出力量であるか否かを判定してもよい。
図27は、電力供給開始時の示唆例を示している。図27に示す例では、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄の初期表示が行われているときに、演出出力設定が最小出力量であることを報知するメッセージとなる文字画像や、演出カスタマイズが無効であることを報知するメッセージとなる文字画像を表示させる。このようなメッセージとなる文字画像の表示とともに、あるいは文字画像の表示に代えて、スピーカ8L、8Rによりメッセージとなる音声を出力させてもよい。その他、任意の演出装置を用いて、演出出力設定が最小出力量であることを示唆する演出動作、または演出カスタマイズが無効であることを示唆する演出動作が実行されればよい。例えば、遊技効果ランプ9に含まれる所定の報知ランプを点灯させることにより、演出出力設定が最小出力量であることを報知してもよい。これにより、演出出力設定が最小出力量であることを、遊技店の係員などが容易に認識することができる。
図28(A)は、通常時におけるデモ画面の表示例を示している。例えば演出制御用CPU120は、図12に示す可変表示開始待ち処理において、ステップS302の処理による演出制御を行うことにより、図28(A)に示すようなデモ画面を画像表示装置5に表示させる。このときには、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)やプッシュボタン31Bに対する遊技者による所定操作を有効に検出して、演出カスタマイズに関する各種設定を行うためのカスタマイズ画面を表示可能にしてもよい。演出制御用CPU120は、例えば図10に示すステップS202にてカスタマイズ画面の表示開始条件が成立したと判定すると、ステップS203の処理による設定に基づいて、カスタマイズ画面の表示を開始すればよい。
図28(B1)および(B2)は、遊技開始時または遊技終了時の示唆例を示している。例えば演出制御用CPU120は、図12に示す可変表示開始待ち処理において、ステップS303の処理により遊技開始の検出があったと判定したときに、ステップS304の処理により遊技開始判定フラグをオン状態にセットする。図24に示す演出出力設定処理では、ステップS226の処理にて遊技開始判定フラグがオンであると判定されたときに、ステップS228BやステップS231の処理が実行される。また、図12に示す可変表示開始待ち処理において、ステップS305の処理により遊技終了待ち時間が経過したと判定されたときに、ステップS306の処理により遊技終了判定フラグをオン状態にセットする。図24に示す演出出力設定処理では、ステップS227の処理にて遊技終了判定フラグがオンであると判定されたときに、ステップS228BやステップS231の処理が実行される。
こうしてステップS228Bの処理が実行されたときに、演出出力設定が最小出力量であると判定された場合には、図28(B1)に示すように、演出出力設定が最小出力量であることを報知するメッセージとなる文字画像を表示させる。また、ステップS231の処理が実行されたときに、演出カスタマイズの設定が無効であると判定された場合には、図28(B2)に示すように、演出カスタマイズが無効であることを報知するメッセージとなる文字画像を表示させる。このようなメッセージとなる文字画像は、デモ表示の一部として表示されてもよいし、デモ表示とは別個の報知画像として表示されてもよい。メッセージとなる文字画像の表示とともに、あるいは文字画像の表示に代えて、スピーカ8L、8Rによりメッセージとなる音声を出力させてもよい。その他、任意の演出装置を用いて、演出出力設定が最小出力量であることを示唆する演出動作、または演出カスタマイズが無効であることを示唆する演出動作が実行されればよい。パチンコ遊技機1における遊技開始の検出として、初回の可変表示が開始されたことを検出したときに、演出出力設定が最小出力量であることのメッセージや、演出カスタマイズの設定が無効であることのメッセージを報知してもよい。このように、初回の可変表示が開始されたときには、強制的に特定設定状態であることの示唆を行うようにしてもよい。
パチンコ遊技機1などの遊技機については、例えば出力音量などの演出出力量に関する規制が行われ、その規制の範囲内で演出出力量の設定を変更できる場合がある。しかしながら、演出出力量の設定を変更できることが遊技者に認識されていないため、初期設定のまま遊技が行われてしまい、遊技者の好みに合わない出力設定であるなどの理由から、遊技興趣が減退して遊技機の稼動が低下するおそれがある。また、遊技店では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置を調整して、演出出力量が最小出力量となるような初期設定で電源投入される場合があり、演出出力の設定が遊技者の好みに合わない場合が増大するおそれがある。そこで、演出出力設定が最小出力量であるときには、その旨を報知するメッセージとなる文字画像の表示などにより、演出出力設定が最小出力量であることの示唆を行う。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、演出出力設定が最小出力量である場合と、演出カスタマイズの設定が無効である場合に、これらを示唆する演出などが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、演出出力設定が最小出力量である場合と、演出カスタマイズの設定が無効である場合とのうち、いずれか一方の場合にのみ所定の示唆が行われ、他方の場合には示唆が行われないように構成されたものでもよい。
上記実施の形態では、パチンコ遊技機1などの遊技機に対する電力供給が開始されたときや、遊技の開始が検出されたとき、遊技の終了が検出されたときに、演出出力設定が最小出力量であることや、演出カスタマイズの設定が無効であることを示唆する報知などを行うものとして説明した。また、変動中メッセージやボタン操作の予告演出といった、パチンコ遊技機1などの遊技機における所定の遊技ごとに実行される演出の演出態様を、演出出力設定が最小出力量であることや、演出カスタマイズの設定が無効であることに対応した特定演出態様とするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、パチンコ遊技機1における任意の遊技中あるいは遊技中以外の所定期間にて、演出出力設定が最小出力量であることや、演出カスタマイズの設定が無効であることなどを示唆できるものであればよい。例えばパチンコ遊技機1における可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態に対応して実行される大当り中演出の演出態様として、演出出力設定が最小出力量であることや、演出カスタマイズの設定が無効であることに対応した特定演出態様が選択されるものとしてもよい。あるいは、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態といった特別遊技状態であるときに、可変表示の実行に対応して、あるいは可変表示の実行に対応することなく、演出出力設定が最小出力量であることや、演出カスタマイズの設定が無効であることなどを示唆できるようにしてもよい。
上記実施の形態では、演出出力設定が最小出力量である場合に、これを示唆する演出などが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、演出出力設定に基づく所定の示唆条件が成立したときに、その条件成立を示唆する演出などが実行されるものであってもよい。例えば、演出出力設定が最大出力量である場合に、これを示唆する演出などが実行されてもよい。あるいは、例えば音量設定が「音量1(最小)」または「音量2」である場合といった、所定量未満(音量3未満など)である場合に、これを示唆する演出などが実行されてもよい。
上記実施の形態では、演出カスタマイズの設定が無効である場合に、これを示唆する演出などが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、パチンコ遊技機1などの遊技機における遊技履歴にかかわらず変更可能な任意の演出設定に基づく所定の示唆条件が成立したときに、その条件成立を示唆する演出などが実行されるものであってもよい。例えば、遊技者によるスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)といった操作手段に対する所定操作が検出されたことに応じて、複数種類のキャラクタからいずれかを選択し、選択されたキャラクタに応じた演出が複数回の可変表示にわたり実行可能となる場合に、所定操作が検出されない場合に対応したキャラクタが選択されているときに、これを示唆する演出などが実行されてもよい。
上記実施の形態では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置により、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)である場合を設けるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、設定切替スイッチ300のスイッチ位置にかかわらず、遊技者による設定変更(調整)が常に可能(許容)であるものであってもよい。また、上記実施の形態では、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)といった所定の操作手段に対する所定操作により、設定切替スイッチ300のスイッチ位置による設定と同様の複数段階(6段階など)のいずれかに演出出力量を変更できるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技者による操作に応じて変更可能な演出出力量の範囲と、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて変更可能な演出出力量の範囲とが、所定の対応関係にあってもよいし、一方の範囲が他方の範囲より広い範囲または狭い範囲となるものであってもよい。例えば設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じた複数段階ごとに、遊技者による操作に応じて変更可能な演出出力量の範囲として、互いに異なる可変設定範囲が予め定められていてもよい。より具体的な一例として、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「0」〜「2」のいずれかであるときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの光量が「30%」〜「70%」の範囲で変更可能となり、スイッチ位置が「3」〜「5」のいずれかであるときには、光量が「60%」〜「100%」の範囲で変更可能となるようにしてもよい。このように、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて変更可能な演出出力量の範囲は、複数段階のスイッチ位置に共通する範囲(重複範囲)を含んでいてもよい。あるいは、設定切替スイッチ300のスイッチ位置ごとに、重複範囲を含まない演出出力量の変更可能範囲が定められていてもよい。
上記実施の形態では、パチンコ遊技機1におけるスティックコントローラ30とプッシュボタン31Bとが互いに別個の操作手段として設けられ、それぞれの操作手段に対する所定操作による指示操作が検出された結果に応じて、演出カスタマイズの設定や演出出力量の変更が行われたり、所定の予告演出における演出態様を変化させたりするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばプッシュボタン31Bのみといった、単一の操作手段を備えるものにおいて、その操作手段に対する所定操作による指示入力の検出結果に応じて、各種の設定や変更ができるようにしてもよい。
遊技者による指示入力を検出するための構成は、スティックコントローラ30やプッシュボタン31Bに限定されず、例えば回動操作が可能なジョグダイアルであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよい。また、例えば赤外線センサや超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による指示入力行為に限定されない任意の動作を検出できるセンサを用いてもよい。所定のカメラを用いて遊技者の手といった被写体を撮影した結果を解析(ビデオ式モーションキャプチャ)して、任意の入力動作を所定操作として検出できるようにしてもよい。すなわち、所定操作を検出するための構成は、任意対象物の動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できる任意の構成であればよい。
上記実施の形態では、パチンコ遊技機1における遊技が実行されているときに、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eの報知、あるいは、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eによる予告演出の実行に応じて、出力変更指示受付期間や簡単スタート指示受付期間が設定され、それ以外の期間では遊技者による所定操作に応じた演出出力設定の変更や簡単スタートの指示が行われないものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示といった、遊技の進行に応じた演出が実行されているときでも、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)やプッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)に応じて、演出出力量の設定変更や演出カスタマイズの設定を有効とする変更を受け付けることができてもよい。ただし、例えばボタン操作の予告演出やレバー操作の予告演出といった、所定の操作手段に対する操作に応じた操作演出が実行される場合には、設定変更を行うための操作を受け付けないように制限を設けてもよい。これにより、遊技者が意図しない設定変更を防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることで、遊技興趣を向上させることができる。
また、例えば飾り図柄の可変表示が開始されても、ボタン操作の予告演出が開始されるまでの期間といった、遊技の進行に応じた演出が所定態様となるまでの期間において、設定変更を行うための操作を受け付けるようにしてもよい。これにより、設定変更の操作により遊技における演出が妨げられることを防止して、遊技興趣を向上させることができる。
さらに、例えばボタン操作の予告演出といった操作演出の実行が終了してから所定時間が経過したときに、設定変更の操作を受け付けないようにした制限を解除してもよい。これにより、操作演出の実行に伴い設定変更の操作が誤って受け付けられることを防止できる。
加えて、例えば画像表示装置5の画面上に、演出出力量や演出カスタマイズの設定状態を特定可能に表示する表示エリアを設け、ボタン操作の予告演出といった遊技の進行に応じた演出を、こうした表示エリア以外の領域にて実行してもよい。これにより、遊技における演出が妨げられることなく設定変更の操作を受け付けた旨を認識させることができる。
また、例えばスティックコントローラ30やプッシュボタン31Bのような複数の操作手段が設けられた場合に、1の操作手段に対する操作に応じて設定変更の操作を受け付け、他の操作手段に対する操作に応じた操作演出が実行されるときには、こうした設定変更の操作を受け付けないように制限を設けてもよい。これにより、操作演出の実行に伴い設定変更の操作が誤って受け付けられることを防止できる。
その他、設定切替スイッチ300を用いた演出出力量の設定と、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)といった所定の操作手段に対する所定操作に応じた演出出力量の設定に関して、以下のような変形が可能である。
例えば設定切替スイッチ300を操作可能な状態(前面扉を開放した状態)にしたときに、設定切替スイッチ300のスイッチ位置を切替操作を行うと、演出制御用CPU120は、図24に示すステップS222の処理にて、複数段階のいずれかの段階を第1音量段階または第1光量段階などの第1出力量段階として設定する。例えば図26に示すような音量設定変更画面を表示しているときに、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対して所定操作(傾倒操作など)を行うと、演出制御用CPU120は、図24に示すステップS224の処理にて、複数段階のいずれかの段階を第2音量段階または第2光量段階などの第2出力量段階として設定する。ステップS224の処理において第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)と第2出力量段階(第2音量段階または第2光量段階など)とに基づいて音量を設定すると、その設定した音量で以降の演出などを実行する。
そして、例えば図24に示すステップS224の処理では、図26に示すような音量設定変更画面において設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じた初期表示を行うことなどにより、第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)に応じて異なる第2出力量段階(第2音量段階または第2光量段階など)を示す段階表示が行われてもよい。このように、遊技店用の第1許可条件が成立しているときに行われる第1操作に基づいて、複数段階のいずれかの段階を第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)として設定する一方、遊技者用の第2許可条件が成立しているときに行われる第2操作に基づいて、複数段階のいずれかの段階を第2出力量段階(第2音量段階または第2光量段階など)として設定する。こうして設定された第1出力量段階と第2出力量段階とに応じた出力量の演出を所定の演出装置(例えばスピーカ8L、8Rなど)により実行させる一方、遊技者が視認可能な表示領域に表示される表示内容として、第2操作が行われるときに第2出力量段階を示す段階表示を行い、その段階表示における初期表示を、第1出力量段階に応じて異ならせてもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
また、例えば図24に示すステップS224の処理では、図26に示すような音量設定変更画面において、図25に示す設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「5」に対応して音量設定が「音量6(最大)」であるときとスイッチ位置が「0」に対応して音量設定が「音量1(最小)」であるときとで異なる初期表示を行うことなどにより、第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)が最高段階であるときと最低段階であるときとで異なる初期表示となる段階表示が行われてもよい。このように、第2操作が行われるときに第2出力量段階を示す段階表示を行い、その段階表示における初期表示を、第1出力量段階が最高段階であるときと最低段階であるときとで異ならせてもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
あるいは、例えば図24に示すステップS224の処理では、図26に示すような音量設定変更画面において、図25に示す設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「0」〜「4」のいずれかに対応して音量設定が「音量1(最小)」から「音量5」のいずれかであるときには音量設定が「音量6(最大)」以外の第2音量段階を示すように初期表示を行い、かつ、スイッチ位置が「5」に対応して音量設定が「音量6(最大)」であるときには音量設定が「音量6(最大)」である第2音量段階を示すように初期表示を行うことなどにより、第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)が最高段階以外であるときには最高段階以外の第2出力量段階(第2音量段階または第2光量段階など)を示すように、かつ、第1出力量段階が最高段階であるときには最高段階の第2出力量段階を示すように、初期表示となる段階表示が行われてもよい。このように、第2操作が行われるときに第2出力量段階を示す段階表示を行い、その段階表示における初期表示を、第1出力量段階が最高段階以外であるときには最高段階以外の第2出力量段階を示すように、かつ、第1出力量段階が最高段階であるときには最高段階の第2出力量段階を示すようにしてもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
例えば図4や図5に示す設定切替スイッチ300は、遊技店の係員による操作対象として、演出出力量が取り得る複数段階に対応した複数のスイッチ位置のいずれかに物理的に変位する変位部を備える操作装置となる。図24に示すステップS222の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が物理的に変更された後において、図26に示すような音量設定変更画面が表示されるときに、設定切替スイッチ300によって新たに設定された演出出力量に応じた演出を所定の演出装置(スピーカ8L、8Rなど)により実行させることを開始してもよい。このように、第1操作の操作対象として、第1出力量段階が取り得る複数段階に対応した複数位置のいずれかに第1操作によって物理的に変位する変位部を備える操作装置を設け、第1操作によって変位した変位部の位置に応じた第1出力量段階を第1操作に基づく第1出力量段階として設定し、変位部の位置が変更された後において、第2操作が行われるときに第2出力量段階を示す段階表示に対応して、新たに設定された第1出力量段階に応じた演出出力量の演出を所定の演出装置により実行させることを開始してもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
あるいは、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が物理的に変更された後において、図24に示すステップS224の処理により遊技者の所定操作(例えばスティックコントローラ30の操作桿に対する傾倒操作など)に応じて演出出力量の設定変更が行われるときに、設定切替スイッチ300によって新たに設定された演出出力量に応じた演出を所定の演出装置(スピーカ8L、8Rなど)により実行させることを開始してもよい。このように、第1操作の操作対象として、第1出力量段階が取り得る複数段階に対応した複数位置のいずれかに第1操作によって物理的に変位する変位部を備える操作装置を設け、第1操作によって変位した変位部の位置に応じた第1出力量段階を第1操作に基づく第1出力量段階として設定し、変位部の位置が変更された後において、第2操作によって設定される第2出力量段階が変更されるときに、第1操作によって新たに設定された第1出力量段階に応じた演出出力量の演出を所定の演出装置により実行させることを開始してもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
例えば図26に示すような音量設定変更画面では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて第1表示色で表示するメモリの初期表示量を異ならせてもよい。このように、第1出力量段階が高い段階であるほど、段階表示における初期表示が示す第2出力量段階を高くしてもよい。これにより、第1出力量段階と第2出力量段階との関係が把握しやすくなり、好適に出力量を調整できる。
例えば図24に示すステップS224の処理では、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)に応じて演出出力設定が変更されたときには、変更後の演出出力量を示す確認演出動作を実行する。一方、例えば図24に示すステップS222の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて演出出力設定が変更されたときでも、変更後の演出出力量を示す確認演出動作を実行しないようにしてもよい。このように、第2操作により第2出力量段階が新たに設定されたときに、その新たに設定された第2出力量段階を示す確認演出動作(例えば確認音の出力など)を所定の演出装置により実行し、第1操作により第1出力量段階が新たに設定されたときに、その新たに設定された第1出力量段階を示す確認演出動作を実行しないようにしてもよい。これにより、第2出力量段階を演出動作により確認できるので、好適に出力量を調整できる。
例えば設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「6」〜「B」のいずれかに設定されて、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であるときには、演出出力設定を変更するための画面表示を行わないようにしてもよい。このように、第1出力量段階が取り得る複数段階には、第2操作により第2出力量段階を設定することを制限する制限段階が含まれ、この制限段階が第1出力量段階として設定されたときに、第2出力量段階を設定することを制限する設定制限を行うようにしてもよい。これにより、遊技者側の出力量設定を制限でき、遊技店が意図しない出力量での演出実行を防止できる。
さらに、例えばデモ画面の表示中にスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が所定操作されるなどして、演出出力設定を変更するための第2許可条件が成立している期間において、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に対応して遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であるときには、変更禁止を報知する所定画像を画像表示装置5の画面上に表示するなどして、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であることを、遊技者が認識可能に報知してもよい。このように、第2許可条件が成立している期間において、第2出力量段階を設定することを制限する設定制限が行われているときには、第2許可条件が成立していることに対応した対応画像を表示し、このような設定制限が行われていないときには、対応画像を表示しないようにしてもよい。これにより、第2出力段階の設定が制限されていることを遊技者に報知できる。
あるいは、例えばデモ画面の表示中にスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が所定操作されるなどして、演出出力設定を変更するための第2許可条件が成立している期間において、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に対応して遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であるときには、所定操作が行われたことに応じて演出出力設定を変更できない旨のブザー音を、スピーカ8L、8Rから出力させてもよい。このように、第2出力量段階を設定することを制限する設定制限が行われているときには、第2操作が行われたことに応じて所定演出を実行してもよい。これにより、第2出力段階の設定が制限されていることを遊技者に報知できる。
例えば図24に示すステップS227の処理により遊技終了判定フラグがオンであると判定されたときには、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)により変更された演出出力設定をクリアして、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じた演出出力量の初期設定が行われてもよい。このように、設定中の第2出力量段階を所定タイミングにおいてクリアし、初期設定の段階を第2出力量段階として設定してもよい。そして、第1出力量段階は、第1操作に基づいてのみ変更されてもよい。これにより、第2出力量段階の設定が意図せずに残存したまま他の遊技者による遊技などが行われることを防止できる。
上記実施の形態においては、特図変動時間に対応する飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに実行されるステップS112の処理(図6を参照)などにより、1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
パチンコ遊技機1としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるものであってもよい。可変入賞装置の内部に進入した遊技球が検出されたときに、演出出力設定が最小出力量であることや、演出カスタマイズの設定が無効であることといった、特定設定状態であることの示唆が行われるようにしてもよい。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。具体的には、演出制御基板に搭載されたRAMの所定領域に格納されたカスタマイズ設定情報や出力量設定情報などの設定情報に応じて演出の態様を変化させるものにおいて、演出カスタマイズの設定が無効である場合や演出出力設定が最小出力量である場合のように、設定情報に基づく特定設定状態である場合に、その特定設定状態の示唆を行う特徴などを備えるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態では、例えばRAM122の所定領域に格納(保持)されたカスタマイズ設定情報や出力量設定情報などの設定情報に応じた制御を行って演出を実行する。そして、例えば演出カスタマイズの設定が無効である場合や演出出力設定が最小出力量である場合のように、特定の設定情報が格納(保持)されているときに、その特定の設定情報が格納(保持)されている旨の示唆を行うようにする。これにより、演出に関する制御の設定変更が可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図24に示すステップS225にて電力供給開始フラグがオンであると判定されたことに対応して、ステップS230やステップS232の処理を実行可能にすることで、遊技機への電力供給が開始されたときに示唆を行うようにしてもよい。これにより、特定設定状態であることを遊技店側で容易に認識することができ、遊技店側に好適な出力設定の変更が可能になる。
例えば図24に示すステップS226にて遊技開始判定フラグがオンであると判定されたことに対応して、ステップS230やステップS232の処理を実行可能にすることで、遊技者が遊技機における遊技を開始したと判定されたときに示唆を行うようにしてもよい。これにより、遊技の開始時に出力設定の変更が可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図24に示すステップS227にて遊技終了判定フラグがオンであると判定されたことに対応して、ステップS230やステップS232の処理を実行可能にすることで、遊技者が遊技機における遊技を行っていないと判定されたときに示唆を行うようにしてもよい。これにより、遊技を開始する前に出力設定が変更可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
あるいは、上記実施の形態では、図17に示すステップS407にて変動中メッセージを決定することで、遊技機による遊技の進行に応じた演出のうちの所定演出の演出態様を複数態様のうちから選択する。ここで、ステップS402の処理で通常メッセージ決定用データが選択された場合には、例えば図18(B)に示すように決定可能な変動中メッセージが設定され、演出カスタマイズの設定が無効である場合や演出出力設定が最小出力量である場合のように、特定の設定情報が格納(保持)されているときに、その特定の設定情報が格納(保持)されている旨を示唆する変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eといった特定の演出態様を選択可能に設定する。これにより、演出に関する制御の設定変更が可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図17に示すステップS407にて変動中メッセージを決定するごとに、ステップS408にてグループ選択バッファ値が「1」〜「3」のいずれかに更新される。ステップS407の処理では、例えば図18(B)に示すように、グループ選択バッファ値が「1」であるときに、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eといった特定の演出態様が選択可能になる。こうして、特定の演出態様を選択した後には、例えば再びグループ選択バッファ値が「1」に更新されるまでは、特定の演出態様が選択されないことになり、特定の演出態様を選択した履歴に応じて、特定の演出態様が選択されてもよい。これにより、設定変更が可能であることを示唆する報知が頻繁に実行されないようにして報知の煩わしさを抑制し、好適に演出態様を選択可能として、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図17に示すステップS401にて非リーチ以外であると判定された場合には、ステップS404にて例えば図18(A)に示すような割合で特定メッセージ選択の有無を決定する。そして、ステップS405にて特定メッセージの選択がないと判定された場合に、ステップS402の処理に進んで通常メッセージ決定用データを選択することで、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eといった特定の演出態様を選択可能に設定する。一方、特定メッセージの選択があると判定された場合には、例えば図18(C)に示すように、特定の演出態様を選択しないように設定する。このように、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるといった、遊技機による遊技の結果が特定結果となる場合に、こうした特定結果とならない場合とは異なる割合で特定の演出態様を選択してもよい。これにより、特定結果となるか否かに応じて出力設定が変更可能であることを好適に示唆して、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進し、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図13に示すステップS312では、飾り図柄の可変表示が開始されるごとに、所定割合で変動中メッセージの有無や変動中メッセージ種別が決定され、例えば図14に示すような決定割合でキャラクタ表示やテロップ表示の変動中メッセージ種別が決定されたときに、ステップS314の変動中メッセージ決定処理を実行することで、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eといった特定の演出態様を所定割合で選択する。このように、例えば飾り図柄の可変表示といった遊技機における所定の遊技ごとに実行される演出の演出態様を、所定割合で特定の演出態様を含む複数種類の演出態様のうちから選択してもよい。また、図17に示すステップS408にて更新されるグループ選択バッファ値が「1」であるときに、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eを所定割合で選択することで、例えば飾り図柄の可変表示が3回実行されるといった遊技機における所定の遊技ごとに実行される演出態様を、所定割合で特定の演出態様を含む複数種類の演出態様のうちから選択してもよい。これにより、所定の遊技ごとに実行される演出の演出態様を好適に選択して、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進し、遊技興趣を向上させることができる。
あるいは、上記実施の形態では、図13に示すステップS315にてボタン操作の予告演出種別に決定された後、ステップS317にて予告演出パターンを決定することで、遊技者によるプッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)に応じた操作演出の演出態様を複数種類の演出態様のうちから選択する。ここで、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」となる非リーチ時には、例えば図22(A)に示すような決定割合で予告演出パターンが決定され、演出カスタマイズの設定が無効である場合や演出出力設定が最小出力量である場合のように、特定の設定情報が格納(保持)されているときに、その特定の設定情報が格納(保持)されている旨を示唆する予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eといった特定の演出態様を選択可能に設定する。その後、例えば図23に示すステップS335の予告演出制御が行われることで、プッシュボタン31Bに対する操作に応じた操作演出が実行される。これにより、演出に関する制御の設定変更が可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図13に示すステップS317にてボタン操作の予告演出種別に分類された予告演出パターンを決定するごとに、変動中メッセージの場合におけるグループ選択バッファ値と同様にバッファ値の更新が行われ、そのバッファ値が所定値(例えば「1」)であるときに、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eといった特定演出態様を選択可能にしてもよい。こうして、特定の演出態様を選択した後には、再びバッファ値が所定値に更新されるまでは、特定の演出態様が選択されないことになり、特定の演出態様を選択した履歴に応じて、特定の演出態様が選択されてもよい。これにより、出力設定が変更可能であることを示唆する報知が頻繁に実行されないようにして報知の煩わしさを抑制し、好適に演出態様を選択可能として、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図13に示すステップS317の処理では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」以外となる場合に、例えば図22(B)に示すような決定割合で予告演出パターンが決定され、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eには決定されないようにしてもよい。あるいは、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」以外となる場合に、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」となる場合よりも低い割合で、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eといった特定の演出態様を選択可能にしてもよい。このように、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるといった、遊技機における遊技の結果が特定結果となる場合に、こうした特定結果とならない場合とは異なる割合で特定の演出態様を選択してもよい。これにより、特定結果となるか否かに応じて出力設定が変更可能であることを好適に示唆して、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進し、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図13に示すステップS315では、飾り図柄の可変表示が開始されるごとに、所定割合で予告演出の有無や予告演出種別が決定され、例えば図19(A)に示すような決定割合でボタン操作の予告演出種別が決定されたときに、ステップS317の処理を実行することで、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eといった特定演出態様を所定割合で選択する。このように、例えば飾り図柄の可変表示といった遊技機における所定の遊技ごとに実行される演出の演出態様を、所定割合で特定の演出態様を含む複数種類の演出態様のうちから選択してもよい。これにより、所定の遊技ごとに実行される演出の演出態様を好適に選択して、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進し、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図24に示すステップS222にて設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて音量設定などの演出出力設定を行った後、ステップS224にてスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)に応じた演出出力量の設定変更を行う。そして、ステップS229にて演出出力設定が最小出力量であると判定されたことに対応して、ステップS230の処理を実行することで、演出装置の出力量が所定量未満である旨の示唆を行うようにしてもよい。あるいは、図17に示すステップS407の処理では、演出出力設定が最小出力量である場合に対応して、図18(B)に示すように、変動中メッセージMN1Dを決定可能な変動中メッセージに設定してもよい。あるいは、図13に示すステップS317の処理では、演出出力設定が最小出力量である場合に対応して、図22(A)に示すように、所定割合で予告演出パターンYKP1Dを選択可能に設定してもよい。これにより、演出装置の出力量が変更可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図10に示すステップS204にて簡単スタートの指示ありと判定されたことに対応して、ステップS205の処理を実行することで簡単スタートによる演出カスタマイズの設定が行われる。また、ステップS210にて演出カスタマイズを開始するために取得したカスタマイズ情報が有効であると判定されたことに対応して、ステップS211の処理を実行することでパスワードなどを用いた演出カスタマイズを開始する設定が行われる。一方、図24に示すステップS231の処理において、こうした演出カスタマイズの設定が無効であると判定されたことに対応して、ステップS232の処理を実行することで、演出カスタマイズによる通常時とは異なる特典演出の実行制御が無効化されている旨の示唆を行うようにしてもよい。あるいは、図17に示すステップS407の処理では、演出カスタマイズの設定が無効である場合に対応して、図18(B)に示すように、変動中メッセージMN1Eを決定可能な変動中メッセージに設定してもよい。あるいは、図13に示すステップS317の処理では、演出カスタマイズの設定が無効である場合に対応して、図22(A)に示すように、所定割合で予告演出パターンYKP1Eを選択可能に設定してもよい。これにより、特典演出の実行制御を有効化できることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図24に示すステップS228Bにて設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であると判定されたときには、ステップS230の処理を実行しないように制限することで、遊技者による設定変更が制限されているときには、特定設定状態の示唆に制限を設けるようにしてもよい。あるいは、図17に示すステップS407の処理では、例えば図18(B)に示すように、遊技者による演出出力の設定変更(調整)が不可(禁止)であることに対応して、変動中メッセージMN1Dが決定可能な変動中メッセージに含まれないように設定されてもよい。あるいは、図13に示すステップS317の処理では、例えば図22(A)に示すように、遊技者による演出出力の設定変更(調整)が不可(禁止)であることに対応して、予告演出パターンYKP1Dには決定できないように設定されてもよい。これにより、不要な示唆の実行を防止して、遊技者に混乱を与えないようにすることができる。