以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示や回転等による更新表示など)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5では、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rとなる表示領域として、3つの領域が接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能に、設けられてもよい。画像表示装置5における表示動作は、図3に示す演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120は、第1特別図柄表示装置4Aで第1特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、第1始動入賞口と第2始動入賞口のそれぞれに対応して、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている第1始動入賞口に対応した表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている第2始動入賞口に対応した表示領域のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)が成立したときには、例えば第1始動入賞口に対応した表示部位のうちの1つ(例えば青色表示となっている表示部位のうち右端の表示部位)を非表示に戻す。また、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)が成立したときには、例えば第2始動入賞口に対応した表示部位のうちの1つ(例えば赤色表示となっている表示部位のうち右端の表示部位)を非表示に戻す。
なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した有効始動入賞球数としての第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した有効始動入賞球数としての第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
こうして、第1始動条件や第2始動条件が成立したものの、先に開始された特図ゲームが実行中であることや、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームを開始するための開始条件が成立しないときには、特図ゲームに対応した可変表示の保留が発生する。例えば、第1始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
加えて、画像表示装置5の表示領域には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより実行される特図ゲームにて可変表示される特別図柄を、飾り図柄とは別個に特定可能として表示する特別図柄可変表示エリアが設けられていてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されたことに対応して、特別図柄可変表示エリアにて特別図柄の可変表示に対応した「◎」や「○」、「×」などを示す演出画像の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が終了して確定特別図柄が停止表示されることに対応して、特別図柄可変表示エリアにて確定特別図柄に対応して予め定められた「◎」や「○」、「×」などの演出画像を停止表示すればよい。例えば、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄である場合には特別図柄可変表示エリアに「◎」を停止表示し、小当り図柄である場合には「○」を停止表示し、ハズレ図柄である場合には「×」を停止表示すればよい。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図3に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
この実施の形態における通常開放状態から拡大開放状態とする制御は、第2始動入賞口を遊技球が通過する頻度を向上させる高頻度制御の一例である。高頻度制御は、例えば、(1)第2始動入賞口を閉鎖状態から開放状態にする制御、(2)第2始動入賞口の開放回数を多くする制御、(3)第2始動入賞口の開放時間を長くする制御、(4)第2始動入賞口を形成する可動翼片の開放角度を大きくする制御、(5)第2始動入賞口がスライドして開放するようなものにおいて第2始動入賞口の開放の幅を広げる制御などであってもよい。これらの場合においても、第2始動入賞口を遊技球が通過しない状態から遊技球が通過する状態にするものであってもよいし、第2始動入賞口を遊技球が通過しにくい状態から遊技球が通過し易い状態にするものであってもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図3に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図3に示すカウントスイッチ23によって検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ30が取り付けられている。図2は、スティックコントローラ30の構成例を示している。スティックコントローラ30は、遊技者が把持する操作桿30Aを含み、操作桿30Aの所定位置(例えば遊技者が操作桿30Aを把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタン31Aが設けられている。トリガボタン31Aは、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿30Aを操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿30Aの内部には、トリガボタン31Aに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ35A(図3を参照)が内蔵されていればよい。スティックコントローラ30の下部における下皿の本体内部などには、操作桿30Aに対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット32が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニット32は、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿30Aの中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿30Aの中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。なお、下皿におけるスティックコントローラ30の取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ30の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35B(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン31Bとスティックコントローラ30の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン31B及びスティックコントローラ30の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン31Bとスティックコントローラ30の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
スティックコントローラ30に設けられたトリガボタン31Aは、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿30Aを操作手で把持した状態において、操作指で押引操作することなどにより指示操作がてきるように構成されている。その一方で、プッシュボタン31Bは、スティックコントローラ30とは別個に上皿を形成する遊技機用枠3の所定位置に設けられており、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿30Aを把持しない状態などにおいて、操作手で押下操作することなどにより指示操作ができるように構成されている。したがって、トリガボタン31Aは、プッシュボタン31Bに比べて、連続的な指示操作となる連打操作が困難である。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図3に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態もしくは小当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態もしくは小当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は15ラウンド大当り図柄となり、「1」の数字を示す特別図柄は2ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される多ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口60に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。なお、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。大当り遊技状態における各ラウンドなどにおいては、画像表示装置5における画像出力、遊技効果ランプ9の点灯、スピーカ8L、8Rからの音声出力など、所定の大当り中演出が実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となる。なお、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が第2ラウンド数となるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた所定の入賞球装置において、大入賞口となる所定の入賞口を閉鎖状態から開放状態とすることなどにより、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間又は第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
このような2ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、2ラウンド大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、2ラウンド大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。また、少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、多ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、ラウンドの実行回数が少ないものに限定されず、例えばラウンドの実行回数は少ラウンド特定遊技状態と多ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、少ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限期間(例えば2秒間)が多ラウンド特定遊技状態での上限期間(例えば29秒間)に比べて短くなるものであってもよい。すなわち、少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を開放状態に変化させる期間が多ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が多ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
また、15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、15ラウンド大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「15R非確変大当り」(「15R通常大当り」ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後や、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき2ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。「1」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される2ラウンド大当り図柄は、突確大当り図柄と称される。また、15ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「15R確変大当り」と称される。突確大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「突確大当り」(「2R確変大当り」ともいう)と称される。なお、15ラウンド大当り図柄「3」及び「7」、2ラウンド大当り図柄「1」は一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が、第2回数(第2ラウンド数に等しい実行回数)に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、特別可変入賞球装置7を第1状態とする期間が第2期間となることと、第1状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。可変入賞動作により特別可変入賞球装置7を第1状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2ラウンド大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース状態(高確率状態)であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース状態(通常確率状態)であるともいう。この実施の形態における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態である。
確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないものが含まれていてもよい。一例として、特図ゲームにおける可変表示結果が「15R確変大当り」となったことに基づく15ラウンド大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御される。その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば100回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしてもよい。また、通常状態であるときに特図ゲームにおける可変表示結果が「突確大当り」となったことに基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第2確変状態へと移行して、確変制御のみが行われ、時短制御や高開放制御は行われないようにしてもよい。その一方で、確変状態や時短状態であるときに特図ゲームにおける可変表示結果が「突確大当り」となったことに基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第1確変状態へと移行して、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるようにしてもよい。あるいは、「15R確変大当り」に基づく15ラウンド大当り状態の終了後には、再び特図表示結果が「大当り」となるまで第1確変状態に制御される一方、「突確大当り」に基づく2ラウンド大当り状態の終了後には、第1確変状態に移行して、特図表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときに、第2確変状態へと移行するようにしてもよい。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了と必ずしも連動するものでなくてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて仮停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
また、この実施の形態では、普通図柄表示器20における普通図柄の可変表示と合わせて、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などにより、普通図柄の表示結果が「普図当り」となるか「普図ハズレ」となるかなどを、普通図柄の表示結果が導出表示される前に遊技者に予告報知するための普図連動演出が実行されることがある。この実施の形態では、画像表示装置5に設けられた、普図連動演出実行エリア5Fにて、普通図柄の可変表示の開始に合わせて、スロットが回転する普図連動演出が実行される。そして、普通図柄の表示結果が「普図当り」(特定結果)となる場合には普図連動演出実行エリア5Fに「○」の図柄(特定演出)が所定の割合で停止表示され、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる場合には普図連動演出実行エリア5Fに「×」の図柄が所定の割合で停止表示されることにより普通図柄の表示結果を予告報知する。なお所定の割合は、図16を参照して後述する。
このような普通図柄の表示結果の報知(特に「普図当り」となることの報知)は、「普図当り」となったことに対応して普通可変入賞球装置6Bの開放(拡大開放制御)が行われるより、所定期間前に実行される。ここでいう所定期間とは、遊技者が遊技球を発射してから普通可変入賞球装置6Bに到達するまでの最短到達時間を超える時間であることが望ましい。このようにすることで、普図連動演出による報知結果を遊技者が確認してから遊技球を発射しても、普通可変入賞球装置6Bが構成する第2始動入賞口に遊技球を入賞させることができるので、遊技者が効率良く遊技をすることができるようになる。
また、普図連動演出において、普通図柄の可変表示とは別個に行われている特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるか否かを示唆、報知する特図表示結果報知が実行される場合がある。この場合、普図連動演出実行エリア5Fに「チャンス」や「激アツ」の文字など、「大当り」となる文字が停止表示されることにより、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となることを示唆する。普図連動演出の詳細については、後述する。
なお、普図連動演出は、画像表示装置5の表示画面に所定のキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりするものであってもよい。また、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが含まれてもよい。
普図連動演出における普通図柄の表示結果の報知が高頻度制御予告演出であり、普図連動演出における特図表示結果報知が特定表示結果予告演出である。この実施の形態の高頻度制御予告演出、及び、特定表示結果予告演出は、普図連動演出実行エリア5Fにて、普通図柄の可変表示の開始に合わせて、スロットが回転する普図連動演出によって実行されるがこれに限定されない。高頻度制御予告演出、及び、特定表示結果予告演出は、普通図柄の変動に連動して実行される一の演出において、普通図柄の表示結果、及び/または、特別図柄の表示結果が示唆・予告されるものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち非確変大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せ(「通常大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が非確変大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、非確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「非確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り遊技状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、時短状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、大当り種別が「非確変」である場合と同様のリーチ演出が実行された後などに、もしくは、大当り種別が「非確変」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、リーチ演出が実行された後などに、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合や、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、例えば2回開放チャンス目TC1〜TC4として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。特図ゲームにおける確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄である「1」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に突確モード開始演出が実行されてもよい。突確モード開始演出では、大当り種別が「突確」となることに対応して予め定められた演出動作が行われる。突確モード開始演出が行われた後には、突確モードと称される通常の演出モードとは異なる演出モードが開始されてもよい。また、突確モード開始演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作に限定されず、2ラウンド大当り状態となる期間の一部または全部においても、可変表示中から継続して実行される演出動作であってもよい。突確モード開始演出が開始されるときには、可変表示中の飾り図柄を消去して、突確モード開始演出が実行された後には、確定飾り図柄が導出表示されないようにしてもよい。突確モードでは、例えば可変表示結果が「大当り」となって確変状態が終了するまで、突確モード中演出が行われる。突確モード中演出では、画像表示装置5の表示領域における背景画像の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすること、飾り図柄の可変表示に伴ってスピーカ8L、8Rから出力される音声を通常の演出モードにおける音声とは異なるものとすること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯パターンを通常の演出モードにおける点灯パターンとは異なるものとすること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることにより、突確モードであることを遊技者が認識できるように報知すればよい。
確変状態では、例えば「確変中」といった確変状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、画像表示装置5の表示領域における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態であることを遊技者が認識できる確変中の演出モードとなるようにしてもよい。あるいは、確変状態では、例えば通常状態や時短状態と同様の演出モードとなることにより、確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難になることがあってもよい(いわゆる潜伏確変)。こうした潜伏確変が行われる期間は、遊技状態が潜伏確変中であるともいう。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路104やI/O105は、外付けであってもよい。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100ではCPU103がROM101に格納されている遊技制御用のプログラムを実行して遊技制御を行うので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU103)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11とは異なる他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
主基板11では、例えば図3に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しがたい状態(通常開放状態)から遊技球が通過(進入)し易い状態(拡大開放状態)へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図5に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図5に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示す保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示す保留記憶情報となる。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、確変フラグ、時短フラグなどが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図8のステップS15や図9に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器20による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために図8のステップS16や図10に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに特図表示結果を「大当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに特図表示結果を「小当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、小当りフラグがクリアされてオフ状態となる。
確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態となるときに、時短制御などが開始されることに対応してオン状態にセットされる一方で、時短制御が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1始動入賞判定カウンタ、第2始動入賞判定カウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタ、時短回数カウンタ、ラウンド数カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路104とは別個に、あるいは、乱数回路104から抽出された数値データを用いて、CPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
第1始動入賞判定カウンタは、第1始動口スイッチ22Aから伝送される遊技球の検出信号となる第1始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。例えば、第1始動口スイッチ22Aからの第1始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が1加算される。そして、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が予め定められた入賞判定値に達したときに、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値は、第1始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化されればよい。
第2始動入賞判定カウンタは、第2始動口スイッチ22Bから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。例えば、第2始動口スイッチ22Bからの第2始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値が1加算される。そして、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値が予め定められた入賞判定値に達したときに、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値は、第2始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化されればよい。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの数である第1保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの数である第2保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
時短回数カウンタは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態であるときに、高ベース中における時短制御を終了するまでに実行可能な特図ゲームの残存回数を特定可能にカウントするためのものである。一例として、時短回数カウンタには、大当り遊技状態が終了するときに、大当り種別バッファ値が「0」であるに対応したカウント初期値「100」を示すデータが、時短回数カウント値として設定される。その後、可変表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短制御を終了して高ベース中から低ベース中へと移行する制御が行われる。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数などをカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、始動口バッファ、変動特図指定バッファ、大当り種別バッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
始動口バッファには、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに進入した遊技球が検出されたかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1始動口スイッチ22Aにより第1始動入賞口に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「1」が設定される。また、第2始動口スイッチ22Bにより第2始動入賞口に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「2」が設定される。
変動特図指定バッファには、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「1」が設定される。また、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「2」が設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定バッファ値が「0」に設定される。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別を複数種類のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値には「0」が設定され、大当り種別が「確変」であれば大当り種別バッファ値には「1」が設定され、大当り種別が「突確」であれば大当り種別バッファ値には「2」が設定される。
図3に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図3に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、トリガボタン31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線、スティックコントローラ30の操作桿30Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット32から伝送するための配線も接続されている。
図6(A)は、各々の演出制御パターンの構成例を示している。図6(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データとなるプロセスデータから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
演出制御プロセスタイマ判定値は、図7に示す演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ30の操作桿30Aに対する傾倒操作とトリガボタン31Aに対する指示操作とを有効に検出する操作有効期間、あるいは、プッシュボタン31Bに対する指示操作を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。ここで、操作検出制御データは、スティックコントローラ30の操作桿30Aに対する傾倒操作とトリガボタン31Aに対する指示操作とを有効に検出する操作有効期間において、プッシュボタン31Bに対する指示操作が検出されないように制限(禁止)する設定がなされていればよい。また、操作検出制御データは、プッシュボタン31Bに対する指示操作を有効に検出する操作有効期間において、スティックコントローラ30の操作桿30Aに対する傾倒操作の検出とトリガボタン31Aに対する指示操作の検出とを制限(禁止)するように設定されていればよい。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用役物が備える可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図6(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ30の操作桿30Aやトリガボタン31Aあるいはプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の発光体など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図3に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図7に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図7に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。一例として、演出制御カウンタ設定部193には、演出動作の進行を制御するために用いられる乱数値(演出用乱数)を示す数値データの一部又は全部をカウントするためのランダムカウンタが設けられていればよい。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
なお演出制御用データ保持エリア190は、前記図5で説明した遊技制御用データ保持エリア150の第1特図保留記憶部151A,及び第2特図保留記憶部151Bと同様に、第1特図保留記憶部(図示しないが、説明の便宜上、「第1特図保留記憶部191A」と称する。),及び第2特図保留記憶部(同じく「第2特図保留記憶部191B」と称する。)も備えている。
ここで第1特図保留記憶部191Aには、前記第1特図保留記憶部151Aと同じ内容が記憶され、具体的には、後述する図9のS101に示す始動入賞判定処理で、前記MR1〜MR3の数値データを含む第1始動口入賞指定コマンドが主基板11から送信されてくると、該第1始動口入賞指定コマンドが含むMR1〜MR3の数値データが記憶される。また第2特図保留記憶部191Bにも、前記第2特図保留記憶部151Bと同じ内容が記憶され、具体的には、後述する図9のS101に示す始動入賞判定処理で、前記MR1〜MR3の数値データを含む第2始動口入賞指定コマンドが主基板11から送信されてくると、該第2始動口入賞指定コマンドが含むMR1〜MR3の数値データが記憶される。
さらに第2特図保留記憶部191Bには、前記普図連動演出で普図当り報知(開放予告)が行われ、該普図当り報知が実行された後に普通図柄表示器20の表示結果が普図当りとなって普通可変入賞球装置6Bが有利状態(開放状態)となったときに、該普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データとして、該入賞が特定入賞(開放予告入賞)である旨を示す特定入賞フラグが記憶される。
図3に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示やリーチ演出における演出表示といった各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などを備えて構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや、トリガセンサ35A、プッシュセンサ35B及び傾倒方向センサユニット32から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図8のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図8に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図9は、特別図柄プロセス処理として、図8に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
この始動入賞判定処理で、CPU103は、第1始動口スイッチ22Aから伝送される検出信号である第1始動入賞信号が入力されると、第1保留記憶数が上限値に達していなければ、始動口バッファ値「1」を設定して、該第1保留記憶数を1加算し、また第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号である第2始動入賞信号が入力されると、第2保留記憶数が上限値に達していなければ、始動口バッファ値「2」を設定して、該第2保留記憶数を1加算する。
次に、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1,大当り種別決定用の乱数値MR2,及び変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出し、該抽出した各乱数値を示す数値データを、始動口バッファ値「1」ならば第1特図保留記憶部151Aにセットする一方、始動口バッファ値「2」ならば第2特図保留記憶部151Bにセットする。
そして始動口バッファ値「1」ならば、前記第1特図保留記憶部151Aにセットした数値データを含む第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う一方、始動口バッファ値「2」ならば、前記第2特図保留記憶部151Bにセットした数値データを含む第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。また該設定の後には、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図8に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図9に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS110〜S120の各処理を実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定され、特図プロセスフラグの値を“1”に更新する。なお第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bの両方に保留データが有る場合には、該保留データが記憶された順に関わらず、第2特図保留記憶部151Bの保留データが優先して消化される(特図2優先消化)。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれており、最後に特図プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。さらに、大当りフラグ及び小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」又は「確変」であることに対応して15ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンド遊技の実行回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定する。これに対して、大当り種別が「突確」であることに対応して2ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、ラウンド遊技の実行回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定する。そして特図プロセスフラグの値を“5”に更新する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして特図プロセスフラグの値を“6”に更新する。なお大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして特図プロセスフラグの値を“7”に更新する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において可変入賞動作の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば可変表示結果が「小当り」であることに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、可変入賞動作における大入賞口の開放回数を「2回」に設定すればよい。そして特図プロセスフラグの値を“9”に更新する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして特図プロセスフラグの値を“10”に更新する。なお大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。そして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図10は、普通図柄プロセス処理として、図8のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、普図保留記憶部151Cにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR5を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部151Cにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR5が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図10に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Cに格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Cに格納された保留データがある場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普通図柄判定処理が実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。そして普図プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。そして「普図当り」ならば、普図プロセスフラグの値を“3”に更新し、「普図ハズレ」ならば、普図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための設定などが行われる。そして普図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
図11は、図10のステップS140内にて実行される普通図柄判定処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄判定処理において、CPU103は、まず、普図保留記憶部156にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、普図表示結果判定用の乱数値MR5を示す数値データを読み出す(ステップS351)。このときには、例えば普図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、普図保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、普図保留記憶部156にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR5を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS352)。
ステップS352の処理に続いて、時短フラグがオンであるか否かの判定を行う(ステップS353)。このとき、時短フラグがオフであれば(ステップS353;No)、普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果につき判定を行うためのテーブルとして、図12(A)に示す低ベース時普図表示結果判定テーブル201Aを設定する(ステップS355)。また、時短フラグがオンであれば(ステップS353;Yes)、普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果につき判定を行うためのテーブルとして、図12(B)に示す高ベース時普図表示結果判定テーブル201Bを設定する(ステップS355)。
普図表示結果判定テーブル201A、201Bは、ROM101に記憶される。普図表示結果判定テーブル201A、201Bは、普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどを判定するために参照されるテーブルである。例えば、普図表示結果判定テーブル201A、201Bはそれぞれ、普図表示結果判定用の乱数値MR5を、表示結果、第2始動入賞口の開放時間や普通図柄の変動時間などに対応付ける(割り当てる)設定データ(判定用データ)から構成されている。遊技状態が低ベース状態(通常状態)である場合は、図12(A)に示す低ベース時普図表示結果判定テーブル201Aが参照され、遊技状態が高ベース状態(時短状態)であるときには、図12(B)に示す高ベース時普図表示結果判定テーブル201Bが参照される。
普図表示結果判定テーブル201A、201Bの設定により、高ベース状態である場合は、低ベース状態である場合よりも普図当りとなる割合が高くなっている。また、普図変動時間も、高ベース状態である場合は、低ベース状態である場合よりも短く設定されているので、表示結果が導出表示されるまでの平均的な時間が短くなり、結果として第2始動入賞口の開放される割合が多くなる。
ステップS354、S355のいずれかの処理を実行した後には、各処理で設定した普図表示結果判定テーブルを参照することで、普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかの判定を行う(ステップS356)。このとき、普図表示結果を「普図当り」とする旨の判定が行われた場合には、普図ゲームにおける確定普通図柄として「7」を示す普通図柄が決定されるようにすればよい。また、普図表示結果を「普図ハズレ」とする旨の判定が行われた場合には、普図ゲームにおける確定普通図柄として「−」を示す普通図柄が決定されるようにすればよい。
ステップS356にて普図表示結果の判定を行った後には、普図表示結果を「普図当り」とすると決定されたか否かを判定する(ステップS357)。ステップS357にて「普図当り」とすると決定されたと判定した場合(ステップS357;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図当りフラグをセットする(ステップS358)。
ステップS358にて普図当りフラグをセットした後、または、ステップS357にて「普図ハズレ」とすると決定されたと判定した場合(ステップS357;No)、普図表示結果に対応する普図変動時間の設定を行う(ステップS359)。一例として、ステップS359の処理では、CPU103が、普図変動時間を、普図表示結果判定テーブル201A、201Bを参照することなどにより特定し、特定された普図変動時間に対応するタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部153に設けられた普図変動タイマにセットする。この場合には、図10に示すステップS141の普通図柄変動処理が実行されるごとに、例えば普図変動タイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。あるいは、ステップS359の処理では、普図変動タイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、普図変動時間に対応する普図変動終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図10に示すステップS141の普通図柄変動処理が実行されるごとに、例えば普図変動タイマの値を1加算するように更新し、その値が普図変動終了判定値に達したときに、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS359にて普図変動時間を設定した後には、主基板11から演出制御基板12に対して普図変動開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS360)。ここで、普図変動開始コマンドは、ステップS356の処理にて判定された普図表示結果や、ステップS359の処理にて設定された普図変動時間などを示す演出制御コマンドであればよい。例えば、ステップS360の処理において、CPU103は、ROM101に記憶された普図変動開始コマンドテーブルを構成するテーブルデータの先頭アドレスを、RAM102の所定領域などに設けられた送信コマンドポインタにセットする。こうしてステップS360での設定を行った場合には、普通図柄判定処理が終了してから図8に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して普図変動開始コマンドが送信されることになる。なお、普図変動開始コマンドとは別に、普図表示結果を示す演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するようにしてもよい。ただし、普図変動開始コマンドにより普図表示結果が示されることで、別個に普図表示結果を示す演出制御コマンドを送信する必要がなくなることから、主基板11から演出制御基板12に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板11における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。
ステップS360にて普図変動開始コマンドの送信設定を行った後には、普図プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS361)、普通図柄判定処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図13のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図13に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、普通図柄の可変表示に合わせて演出制御基板12の側で実行される普図連動演出を実行するための普図連動演出設定処理を実行する(ステップS76)。
ステップS76の普図連動演出設定処理を実行した後には、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図14は、演出制御プロセス処理として、図13のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS171の可変表示中演出設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示中演出設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。そして演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。こうした演出制御を行った後、例えば図柄変動制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。図柄変動制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図15は、図13のステップS76にて実行される普図連動演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す普図連動演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される普図変動開始指定コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS601)。普図変動開始指定コマンドの受信があった場合(ステップS601;Yes)、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS602)。現在の遊技状態は、主基板11から伝送される遊技状態指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより特定すればよい。
現在の遊技状態が高ベース状態でなければ(ステップS602;No)、大当り遊技状態中であるか否かを判定する(ステップS603)。ここでは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が大当り中演出処理に対応した“6”である場合には、大当り遊技状態中であると判定し、“6”以外であれば、大当り遊技状態中でないと判定する。
大当り遊技状態中でないと判定された場合(ステップS603;No)、第2保留記憶数が上限数の4であるか否かを判定する(ステップS604)。第2保留記憶数は、例えば、第2始動口入賞指定コマンドの受信回数と第2変動開始コマンドの受信回数との差分から特定する。
普図変動開始指定コマンドの受信がない場合(ステップS601;No)、現在の遊技状態が高ベース状態である場合(ステップS602;Yes)、大当り遊技状態中である場合(ステップS603;Yes)、第2保留記憶数が上限数である場合は(ステップS604;Yes)、そのまま普図連動演出設定処理を終了する。
即ち、この実施の形態では、第2保留記憶数が上限数である場合は、普図連動演出の実行が制限されるようになっている。普通図柄の表示結果が「普図当り」となった場合は、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われるが、第2保留記憶数が上限数である場合、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、第2保留記憶数が増えることはない。従って、普通図柄の表示結果を予告報知する普図連動演出は、遊技者にとって不必要な演出となってしまう。そこで、第2保留記憶数が上限数である場合に普図連動演出の実行を制限することで、遊技者にとって不必要な演出を制限し、遊技者に対して好適な予告報知を行うことができる。
また、この実施の形態では、現在の遊技状態が高ベース状態である場合は、普図連動演出の実行が制限されるようになっている。普通図柄の表示結果はほぼ「普図当り」となる(図12(B)参照)。従って、普通図柄の表示結果を予告報知する普図連動演出を行うことの面白みがない。そこで、高ベース状態である場合に普図連動演出の実行を制限することで、演出が煩わしくなることを防止できる。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態においても普図連動演出の実行が制限されるようになっている。これにより、遊技者は、大入賞口に遊技球を入賞させることや、大当り遊技状態における演出(各ラウンドなどにおける大当り中演出や大当り中昇格演出など)に集中できるようになる。
ステップS604において、第2保留記憶数が上限数でなければ(ステップS604;No)、普図連動演出の実行の有無を決定するための処理を実行する(ステップS605)。
ステップS605では、まず、普図連動演出の実行の有無を決定するためのテーブルとして、図16(A)〜(C)に示す普図連動演出実行有無決定テーブル202A〜202Cのいずれかをセットする。これにより、普通図柄表示器20の表示結果が特定結果(普図当り)となるときに、該表示結果が導出させる以前に特定演出(普図当り報知)が所定の割合で実行される。
普図連動演出実行有無決定テーブル202A〜202Cは、普図連動演出実行有無決定用の乱数値に基づいて、普図連動演出の実行有無を決定するためのテーブルである。普図連動演出実行有無決定テーブル202A〜202Cでは、普図連動演出実行有無決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、「実行する」、「実行しない」のいずれかに割り当てられている。
図16(A)に示す普図連動演出実行有無決定テーブル202Aは、現在の演出モードがモードAである場合に使用される。図16(B)に示す普図連動演出実行有無決定テーブル202Bは、現在の演出モードがモードBであって、第2保留記憶数が0ある場合に使用される。図16(C)に示す普図連動演出実行有無決定テーブル202Cは、現在の演出モードがモードBであって、第2保留記憶数が1〜3ある場合に使用される。なお、現在の演出モードは、モードフラグがいずれの演出モードに対応した値であるかを読み出すことにより特定すればよい。
普図連動演出実行有無決定テーブル202A〜202Cの設定では、普通図柄の表示結果(普図表示結果)が「普図当り」である場合に、「普図ハズレ」である場合よりも、高い割合で普図連動演出が実行されるようになっている。なお、普図表示結果は、普図変動開始指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより特定すればよい。
また、普図連動演出実行有無決定テーブル202A〜202Cの設定では、演出モードがモードBである場合、モードAである場合よりも、高い割合で普図連動演出が実行されるようになっている。具体的には、図16に示すように、モードAにおける普図当り時の普図連動演出の実行割合は50/100であり、モードB(第2保留記憶数=1〜3)における普図当り時の普図連動演出の実行割合は70/100であり、モードB(第2保留記憶数=0)における普図当り時の普図連動演出の実行割合は100/100であり、普図ハズレ時の普図連動演出の実行割合は全て1/100である。このようにすることで、モードBにおいては、モードAである場合よりも、遊技者は普通図柄の表示結果(普通可変入賞球装置6Bが開放すること)を把握しやすくなるので、遊技者が安心して遊技をできるようになり、モードBの演出モードを有利な演出モードとすることができる。
この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」や「小当り」とならずに、「ハズレ」が500回継続したときに、モードBの演出モードに移行するようになっている。このようにして移行したモードBにおいては、モードAである場合よりも高い割合で普図連動演出が実行されるようになっており、遊技者が普通図柄の表示結果(普通可変入賞球装置6Bが開放すること)を把握しやすくなるので、遊技者が長い間「大当り」とならないことによって遊技を止めてしまうことを防止できる。
また、演出モードがモードBである場合においては、第2保留記憶数が0である場合、第2保留記憶数が1〜3である場合よりも、高い割合で普図連動演出が実行されるようになっている。具体的には、図16に示すように、モードB(第2保留記憶数=1〜3)における普図当り時の普図連動演出の実行割合は70/100であり、モードB(第2保留記憶数=0)における普図当り時の普図連動演出の実行割合は100/100であり、普図ハズレ時の普図連動演出の実行割合は全て1/100である。演出モードがモードBとなっている台(遊技機)は、長い間「大当り」となっていない台ということが遊技者が認識できるので、遊技者に敬遠されやすい。第2保留記憶数が0である場合、第2保留記憶数が1〜3である場合よりも、高い割合で普図連動演出が実行されるようにすることで、第2保留記憶数が0である遊技開始時には遊技者は普通図柄の表示結果(普通可変入賞球装置6Bが開放すること)をより把握しやすくなるので、上記のような敬遠を避けることができる。
また、普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる割合(信頼度)についても、演出モードがモードBである場合、モードAである場合よりも高くなっている。さらに、演出モードがモードBである場合においては、第2保留記憶数が0である場合、第2保留記憶数が1〜3である場合よりも、普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度が高くなっている。
普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度は、X/(X+Y)で計算できる。
X:(普図当りの割合)*(普図当り時の普図連動演出の実行割合)
Y:(普図ハズレの割合)*(普図ハズレ時の普図連動演出の実行割合)
図12(A)に示すように、低ベース時において、普図当りの割合は2/251であり、普図ハズレの割合は、249/251である。
また、図16に示すように、モードAにおける普図当り時の普図連動演出の実行割合は50/100であり、モードB(第2保留記憶数=1〜3)における普図当り時の普図連動演出の実行割合は70/100であり、モードB(第2保留記憶数=0)における普図当り時の普図連動演出の実行割合は100/100であり、普図ハズレ時の普図連動演出の実行割合は全て1/100である。
具体的に信頼度を計算すると、モードAにおいて普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度は、(2/251*50/100)/((2/251*50/100)+(249/251*1/100))≒0.29である。モードB(第2保留記憶数=1〜3)において普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度は、(2/251*70/100)/((2/251*70/100)+(249/251*1/100))≒0.36である。モードB(第2保留記憶数=0)において普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度は、(2/251*100/100)/((2/251*100/100)+(249/251*1/100))≒0.45である。
以上のように、演出モードがモードBである場合、モードAである場合よりも普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度が高くなっている。さらに、演出モードがモードBである場合においては、第2保留記憶数が0である場合、第2保留記憶数が1〜3である場合よりも、普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度が高くなっている。
このようにすることで、モードBにおいては、モードAである場合もよりも、普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度が高くなるので、遊技者は普通図柄の表示結果(普通可変入賞球装置6Bが開放すること)を把握しやすくなるので、遊技者が安心して遊技をできるようになり、モードBの演出モードを有利な演出モードとすることができる。さらに、第2保留記憶数=0である場合にはさらに信頼度が向上するので、モードBの台の敬遠を避けることができる。
また、この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」や「小当り」とならずに、「ハズレ」が500回継続したときに、モードBの演出モードに移行するようになっている。このようにして移行したモードBにおいては、モードAである場合よりも普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度が高くなっており、遊技者が普通図柄の表示結果(普通可変入賞球装置6Bが開放すること)を把握しやすくなるので、遊技者が長い間「大当り」とならないことによって遊技を止めてしまうことを防止できる。
ステップS605では、現在の演出モードや第2保留記憶数に応じて普図連動演出実行有無決定テーブル202A〜202Cのいずれかをセットした後には、放出演出実行タイミング決定用の乱数値(「1」〜「100」の範囲の値をとる)を示す数値データを抽出し、セットした普図連動演出実行有無決定テーブル202A〜202Cのいずれかを参照することにより、普図連動演出の実行有無を決定する。
ステップS605にて、普図連動演出の実行有無が決定された後、普図連動演出を実行すると決定されたか否かを判定する(ステップS606)。普図連動演出を実行しないと決定された場合は(ステップS606;No)、普図連動演出設定処理を終了する。
普図連動演出を実行すると決定された場合(ステップS606;Yes)、普図表示結果が「普図当り」であるか否かを判定する(ステップS607)。
普図表示結果が「普図当り」であれば(ステップS607;Yes)、普図表示結果が「普図当り」となることを報知することに対応した普図連動演出パターンAの普図連動演出の実行を開始するための設定を行い(ステップS608)、普図連動演出設定処理を終了する。ステップS608では、普図連動演出パターンAに対応した演出制御データを表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた普図連動演出実行エリア5Fにて普図連動演出を開始させればよい。
普図表示結果が「普図当り」でなければ(ステップS607;No)、普図表示結果が「普図ハズレ」となることを報知することに対応した普図連動演出パターンBの普図連動演出の実行を開始するための設定を行う(ステップS609)。ステップS609では、普図連動演出パターンBに対応した演出制御データを表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた普図連動演出実行エリア5Fにて普図連動演出を開始させればよい。
ステップS609の後には、普図連動演出において特図表示結果報知を制限する状態であるか否かを示す特図表示結果報知制限フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS610)。特図表示結果報知制限フラグがオン状態であれば(ステップS610;Yes)、特図表示結果報知を実行するか否かの判定をせずに普図連動演出設定処理を終了する。
特図表示結果報知制限フラグがオフ状態であれば(ステップS610;No)、特別図柄の変動パターンを特定する(ステップS611)。ステップS611では、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、現在実行中の可変表示の変動パターンを特定する。なお、特別図柄の可変表示は、普通図柄の可変表示と連動していないため、主基板11から変動パターン指定コマンドを受信していない場合もある。この場合は、以降の処理をスキップして普図連動演出設定処理を終了する。
ステップS611にて変動パターンを特定した後には、普図連動演出における特図表示結果報知パターンを決定するための処理を実行する(ステップS612)。
ステップS612では、まず、特図表示結果報知パターンを決定するためのテーブルとして、図17に示す特図表示結果報知パターン決定テーブル203をセットする。
特図表示結果報知パターン決定テーブル203は、特図表示結果報知パターン決定用の乱数値に基づいて、特図表示結果報知の有無や特図表示結果報知パターンを決定するためのテーブルである。特図表示結果報知パターン決定テーブル203では、特図表示結果報知パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、「実行しない」旨の決定結果、「パターンα」、「パターンβ」のいずれかに割り当てられている。「パターンα」と「パターンβ」とでは、特図表示結果報知の演出態様が異なっていればよい。
特図表示結果報知パターン決定テーブル203は、変動パターンが「非リーチハズレ」、「リーチハズレ」、「スーパーリーチハズレ」、「大当り」、「突確・小当り」のいずれに対応したものであるかによって、決定値の割り当てが異なっている。具体的には、「大当り」>「突確・小当り」>「スーパーリーチハズレ」>「リーチハズレ」>「非リーチハズレ」の順に特図表示結果報知が実行されやすくなっており、また、「大当り」>「突確・小当り」>「スーパーリーチハズレ」>「リーチハズレ」>「非リーチハズレ」の順で「パターンα」よりも「パターンβ」に決定されやすくなっている。このような設定により、特図表示結果報知が実行されたか否かや、いずれの特図表示結果報知パターンであるかによって、リーチが発生することや、特図表示結果が「大当り」などになることを遊技者に示唆することができる。
ステップS612では、特図表示結果報知パターン決定テーブル203をセットした後には、特図表示結果報知パターン決定用の乱数値(「1」〜「100」の範囲の値をとる)を示す数値データを抽出し、セットした特図表示結果報知パターン決定テーブル203を参照することにより、特図表示結果報知の有無や特図表示結果報知パターンを決定する。
ステップS612の処理の後、特図表示結果報知を実行しないと決定されたか否かを判定する(ステップS613)。特図表示結果報知を実行しないと決定された場合は(ステップS613;Yes)、普図連動演出設定処理を終了する。
特図表示結果報知を実行する(「パターンα」または「パターンβ」)と決定された場合(ステップS613;No)、現在の特別図柄の可変表示が終了するまでの間、更なる特図表示結果報知を制限するために、特図表示結果報知制限フラグをオン状態にセットする(ステップS614)。なお、特図表示結果報知制限フラグは、特別図柄の可変表示が終了するときにクリアされる。
そして、ステップS612にて決定された特図表示結果報知パターンに対応した特図表示結果報知を実行するための設定を行ってから(ステップS615)、普図連動演出設定処理を終了する。ステップS615では、ステップS612における決定結果に応じて、特図表示結果報知パターンαまたは特図表示結果報知パターンβのいずれかに対応した演出制御データを表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた普図連動演出実行エリア5Fにて特図表示結果報知を実行させればよい。
この実施の形態では、ステップS601にて普図変動開始指定コマンドの受信があったと判定されたときに、即ち、普通図柄の変動が開始するときに、ステップS605にて普図連動演出を実行するか否かを決定する。そして、普図連動演出を実行すると決定されたときに(ステップS606;Yes)、普図連動演出において特図表示結果報知を実行するための処理(ステップS610〜S615)が実行される。このように、この実施の形態の特図表示結果報知は、普通図柄の変動に連動して実行される演出である。即ち、普通図柄の変動に関連する演出により、特別図柄の表示結果を示唆することができる。
図18は、普図連動演出の表示動作例を示す図である。図18(A)は、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示中であって、普図連動演出が実行される前の画像表示装置5の表示例である。ここで、図15のステップS605の処理において、普図連動演出を実行することに決定された場合は、図18(B)に示すように、普図連動演出実行エリア5Fにおいて、スロットの回転が開始されるような表示がなされる。
普図表示結果が「普図当り」であった場合は、図15のステップS608の処理が実行されることにより、図18(C)に示すように、普図連動演出実行エリア5Fに「○」の図柄が停止表示される普図連動演出パターンAの普図連動演出が実行される。
一方、普図表示結果が「普図ハズレ」であった場合は、図15のステップS609の処理が実行されることにより、図18(D)に示すように、普図連動演出実行エリア5Fに「×」の図柄が停止表示される普図連動演出パターンBの普図連動演出が実行される。
図15のステップS610にてYesと判定された場合や、ステップS612にて特図表示結果報知を実行しないと決定された場合は、ここで普図連動演出が終了するが、ステップS612にて特図表示結果報知を実行する旨の決定がなされた場合は、その決定結果に応じて、図18(E)または図18(F)に示すように、普図連動演出実行エリア5Fに「チャンス」や「激アツ」というような文字が表示される特図表示結果報知が実行される。ここでは、ステップS612にてパターンαに決定された場合には「チャンス」の文字が表示され、ステップS612にてパターンβに決定された場合には「激アツ」の文字が表示される。
このような特図表示結果報知が実行されることにより、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて実行されている可変表示においてリーチとなることや、可変表示結果が「大当り」となることを示唆することができる。なお、図17に示したように、「激アツ」と表示されるパターンβの特図表示結果報知が実行された方が、「チャンス」と表示されるパターンβの特図表示結果報知が実行された場合よりも、可変表示結果が「大当り」となる期待度が高い。
この実施の形態では、普図連動演出における特図表示結果報知は、「普図ハズレ」となることが報知される普図連動演出が実行された後にのみ行われるようになっている。このように、「普図ハズレ」となることが報知されて遊技者が落胆した後に、遊技者にとってより好ましい「大当り」となることを予告されるので、演出効果が向上するとともに、遊技の興趣が向上する。
なお、「普図当り」となることが報知される普図連動演出の後や、「普図当り」となることの報知、「普図ハズレ」となることの報知のいずれも実行されないときに、特図表示結果報知を実行可能にしてもよい。この場合、図15のステップS610〜S615の処理を、ステップS608の処理の後や、ステップS606にてNoと判定されたときに実行するようにすればよい。また、ステップS601にて普図変動開始指定コマンドの受信があったと判定されたときに、ステップS610〜S615を実行して、普図連動演出における普通図柄の表示結果の報知の有無より先に特図表示結果報知を実行するか否かなどを決定するようにしてもよい。このように、特図表示結果報知は、普通図柄の変動に連動して実行されるものであればよい。
続いて、普図連動演出の実行タイミングについて説明する。図19、図20は、普図連動演出のタイミングチャートである。図19(A)に示すように、普図連動演出は、普通図柄の変動が開始されたときに開始される。そして、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる場合には、第2始動入賞口が開放されるよりt1時間前に「普図当り」となることの報知が開始される。ここで、t1は、遊技者が遊技球を発射してから第2始動入賞口に到達するまでの最短到達時間を超える時間となる。このようにすることで、普図連動演出による報知結果を遊技者が確認してから遊技球を発射しても、普通可変入賞球装置6Bが構成する第2始動入賞口に遊技球を入賞させることができるので、遊技者が効率良く遊技をすることができるようになる。なお、遊技者が遊技球を発射してから第2始動入賞口に到達するまでの最短到達時間は、遊技機1の物理的な構成から算出してもよいし、統計的に測定してもよい。
なお、上記のt1の時間を、遊技者が遊技球を補充した(買い増した)後に遊技球を発射してから第2始動入賞口に到達するまでにかかるまでの最短の想定時間としてもよい。このようにすることで、「普図当り」となることの報知が実行されたにもかかわらず遊技球が不足して第2始動入賞口に遊技球を入賞させることができないといった状況を防止することができ、遊技者がさらに効率良く遊技をすることができるようになる。
また、図19(B)に示すように、1回の特別図柄の変動が実行される間に、普通図柄の変動が複数回実行される場合がある。この場合、普通図柄の変動が開始されるごとに、普図連動演出を実行するか否かの判定が実行される。図19(B)に示す例では、図中の2回目の普通図柄の変動が開始されるときのみに普図連動演出が実行されていることを示している。
図20(A)は、普図連動演出において、特図表示結果報知が実行される場合のタイミングチャートである。この場合は、図20(A)に示すように、普通図柄の変動が開始されるときに、普図連動演出が開始され、図18(D)に示すように「普図ハズレ」となることが報知された後に、図18(E)、(F)に示すように特図表示結果報知が実行される。
図20(B)は、特図表示結果報知を制限する期間を示すタイミングチャートである。図20(B)に示すように、1回の特別図柄の変動が実行される間に、普通図柄の変動が3回実行された場合であって、1回目の普通図柄の変動において普図連動演出が実行され特図表示結果報知が行われた場合、特別図柄の変動が終了するまでの期間は、特図表示結果報知制限フラグがオン状態となり、特図表示結果報知が制限される。このようにすることで、1回の特別図柄の変動中に複数回の特図表示結果報知が実行されて、演出が煩わしくなったり、報知の内容が変わって遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。なお、このように特図表示結果報知が制限される期間において、普図連動演出における普通図柄の表示結果の報知は制限せずに実行するが、この期間において普通図柄の表示結果の報知も制限するようにしてもよい。この場合は、図15の普図連動演出設定処理を開始するときに、特図表示結果報知制限フラグがオン状態であるか否かを判定し、オン状態であれば普図連動演出設定処理を終了するようにすればよい。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、第2保留記憶数が上限数である場合は、普図連動演出の実行が制限されるようになっている。普通図柄の表示結果が「普図当り」となった場合は、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われるが、第2保留記憶数が上限数である場合、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞したとしても、第2保留記憶数が増えることはない。従って、普通図柄の表示結果を予告報知する普図連動演出は、遊技者にとって不必要な演出となってしまう。そこで、第2保留記憶数が上限数である場合に普図連動演出の実行を制限することで、遊技者にとって不必要な演出を制限し、遊技者対して好適な予告報知を行うことができる。
また、図19(A)に示すように、普図連動演出は、普通図柄の変動が開始されたときに開始される。そして、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる場合には、第2始動入賞口が開放されるよりt1時間前に「普図当り」となることの報知が開始される。ここで、t1は、遊技者が遊技球を発射してから第2始動入賞口に到達するまでの最短到達時間を超える時間となる。このようにすることで、普図連動演出による報知結果を遊技者が確認してから遊技球を発射しても、普通可変入賞球装置6Bが構成する第2始動入賞口に遊技球を入賞させることができるので、遊技者が効率良く遊技をすることができるようになる。
また、現在の遊技状態が高ベース状態である場合は、普図連動演出の実行が制限されるようになっている。普通図柄の表示結果はほぼ「普図当り」となる(図12(B)参照)。従って、普通図柄の表示結果を予告報知する普図連動演出を行うことの面白みがない。そこで、高ベース状態である場合に普図連動演出の実行を制限することで、演出が煩わしくなることを防止できる。
また、大当り遊技状態においても普図連動演出の実行が制限されるようになっている。これにより、遊技者は、大入賞口に遊技球を入賞させることや、大当り遊技状態における演出に集中できるようになる。
また、普図連動演出実行有無決定テーブル202A〜202Cの設定では、演出モードがモードBである場合、モードAである場合よりも、高い割合で普図連動演出が実行されるようになっている。このようにすることで、モードBにおいては、モードAである場合もよりも、遊技者は普通図柄の表示結果(普通可変入賞球装置6Bが開放すること)を把握しやすくなるので、遊技者が安心して遊技をできるようになり、モードBの演出モードを有利な演出モードとすることができる。
また、演出モードがモードBである場合、モードAである場合よりも普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度が高くなっている。このようにすることで、モードBにおいては、モードAである場合もよりも、普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度が高くなるので、遊技者は普通図柄の表示結果(普通可変入賞球装置6Bが開放すること)を把握しやすくなるので、遊技者が安心して遊技をできるようになり、モードBの演出モードを有利な演出モードとすることができる。
また、可変表示結果が「大当り」や「小当り」とならずに、「ハズレ」が500回継続したときに、モードBの演出モードに移行するようになっている。このようにして移行したモードBにおいては、モードAである場合よりも、高い割合で普図連動演出が実行されるようになっており、また、普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度が高くなっている。従って、モードBのおいてはモードAである場合よりも、遊技者が普通図柄の表示結果(普通可変入賞球装置6Bが開放すること)を把握しやすくなるので、遊技者が長い間「大当り」とならないことによって遊技を止めてしまうことを防止できる。なお、モードBにおいてモードAである場合よりも高い割合で普図連動演出が実行されるようすること、モードBにおいてモードAである場合よりも普図連動演出が実行されたときに「普図当り」となる信頼度が高くなるようにすること、のいずれかの制御がなされればこのような効果を奏することができる。
また、図20(B)に示すように、1回の特別図柄の変動が実行される間に、普通図柄の変動が3回実行された場合であって、例えば、1回目の普通図柄の変動において普図連動演出が実行され特図表示結果報知が行われた場合、特別図柄の変動が終了するまでの期間は、特図表示結果報知制限フラグがオン状態となり、特図表示結果報知が制限される。このようにすることで、1回の特別図柄の変動中に複数回の特図表示結果報知が実行されて、演出が煩わしくなったり、報知の内容が変わって遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。
また、普図連動演出における特図表示結果報知は、図15のステップS611において普通図柄の変動開始時の変動パターンを特定することにより実行される。これにより、好適なタイミングで特図表示結果報知を実行できる。
普図連動演出における特図表示結果報知は、「普図ハズレ」となることが報知される普図連動演出が実行された後にのみ行われるようになっている。このように、「普図ハズレ」となることが報知されて遊技者が落胆した後に、遊技者にとってより好ましい「大当り」となることを予告されるので、演出効果が向上するとともに、遊技の興趣が向上する。
また、上記実施の形態では、第1特別図柄の大当り種別として「突確」が含まれる一方、第2特別図柄の大当り種別として「突確」が含まれず、その分「確変」になりやくなっている。従って、第2特別図柄の表示結果の方が第1特別図柄の表示結果よりも遊技者に取って有利な大当り種別になりやすい。上記実施の形態では、第2特別図柄の変動が第1特別図柄の変動より優先的に実行されるので、遊技者にとって有利な大当り種別になりやすくなっている。また、高ベース状態においては、第1始動入賞口より第2始動入賞口の方が入賞し易いが、第2特別図柄の変動が第1特別図柄の変動より優先的に実行されるので、第2保留記憶数が上限数となる期間を極力減らすことができる。さらに、第2特別図柄に対応した第2始動入賞口が開放することを報知する普図連動演出を実行するので、普図連動演出が遊技者にとって価値のある演出となる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、第2保留記憶数が上限数であったときに普図連動演出の実行を制限していたが、普図連動演出の実行を制限するときについてはこれに限定されない。例えば、高ベース状態が、時短状態において所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたことにより終了してから、そのときに第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データに対応した可変表示が実行されるまでの期間において、普図連動演出の実行を制限するようにしてもよい。
高ベース状態においては、普通図柄の表示結果がほぼ「普図当り」となるようになっており(図12(B)参照)、第2始動入賞口が高頻度で開放する。これにより、高ベース状態においては、第2保留記憶数が上限数である割合が高くなる。そして、高ベース状態が終了してから、そのときに第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データに対応した可変表示が実行されるまでの期間は第2保留記憶数が上限数であることが想定される。そこで、この期間において、普図連動演出の実行を制限することによって、上記実施の形態と同様に遊技者にとって不必要な演出を制限し、遊技者対して好適な予告報知を行うことができるようになる。
そのためには、演出制御基板12の側で、現在の遊技状態を記憶するために、図13のステップS74のコマンド解析処理内において、図21(A)に示すような、遊技状態記憶処理を実行する。図21(A)に示す遊技状態記憶処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される遊技状態指定コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS631)。
遊技状態指定コマンドの受信があれば(ステップS631;Yes)、遊技状態指定コマンドにより特定される遊技状態に対応した値を遊技状態フラグにセットする(ステップS632)。ステップS632では、図21(B)に示すように、低確低べース状態(通常状態)であれば遊技状態フラグに「1」をセットし、低確高べース状態(時短状態)であれば遊技状態フラグに「2」をセットし、高確低べース状態(潜伏確変中)であれば遊技状態フラグに「3」をセットし、高確高べース状態(確変状態)であれば遊技状態フラグに「4」をセットする。
続いて、高ベース状態が終了したか否かを判定する(ステップS633)。ステップS633では、例えば前回の遊技状態フラグの値を記憶しておき、ステップS632において、遊技状態フラグが「2」から「1」に変化したか否かを判定すればよい。高ベース状態が終了していなければ(ステップS633;No)、遊技状態記憶処理を終了する。
高ベース状態が終了していれば(ステップS633;Yes)、普図連動演出を制限するか否かを判定するための普図連動演出制限フラグをオン状態にセットする(ステップS634)。そして、遊技状態記憶処理を終了する。
ステップS631において、遊技状態指定コマンドの受信がなければ(ステップS631;No)、主基板11から伝送される第2変動開始指定コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS635)。第2変動指定コマンドの受信がなければ(ステップS635;No)、遊技状態記憶処理を終了する。
第2変動指定コマンドの受信があれば(ステップS635;Yes)、普図連動演出制限フラグをオン状態であるか否かを判定する(ステップS636)。普図連動演出制限フラグがオン状態であれば(ステップS636;Yes)、普図連動演出制限フラグをオフ状態にしてから(ステップS637)、遊技状態記憶処理を終了する。普図連動演出制限フラグがオフ状態であれば(ステップS636;No)、そのまま遊技状態記憶処理を終了する。
この変形例では、図15のステップS604において、普図連動演出制限フラグがオン状態であるか否かが判定される。そして、オン状態であれば、ステップS605の処理に進み、普図連動演出を実行するか否かの判定が行われ、オフ状態であれば、普図連動演出設定処理が終了し、普図連動演出は実行されない。
以上のような遊技状態記憶処理を実行することで、演出制御基板12の側で現在の遊技状態を記憶するとともに、高ベース状態が終了してから、そのときに第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データに対応した可変表示が実行されるまでの期間において、普図連動演出制限フラグがオン状態にセットされることにより、普図連動演出の実行が制限される。
図22は、高ベース状態が終了してから、そのときに第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データに対応した可変表示が実行されるまでの期間において、普図連動演出の実行が制限される場合のタイミングチャートである。
図22(A)は、上記実施の形態と同様に、第2保留記憶部151Bに記憶されている保留データが、第1保留記憶部151Aに記憶されている保留データよりも優先して消化(特図2優先消化)される場合のタイミングチャートである。この場合、図22(A)に示すように、特図2優先消化のため、普図連動演出の実行が制限される期間t2は、高ベース状態が終了してから次回の特別図柄の変動が実行されるまでの期間となるので、期間t2が短い期間となる。
図22(B)は、第2保留記憶部151Bまたは第1保留記憶部151Aに記憶されている保留データが、記憶された順に消化(入賞順消化)される場合のタイミングチャートである。この場合、図22(B)に示すように、高ベース状態が終了してから第2特別図柄の変動が実行される前に第1特別図柄の変動が挟まることがあるので、普図連動演出の実行が制限される期間t2が特図2優先消化の場合よりも長い期間となる場合がある。このように、この変形例における制御は、入賞順消化の遊技機において有効である。
高ベース状態においては、普通図柄の表示結果がほぼ「普図当り」となるようになっており(図12(B)参照)、第2始動入賞口が高頻度で開放する。これにより、高ベース状態においては、第2保留記憶数が上限数である割合が高くなる。そして、高ベース状態が終了してから、そのときに第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データに対応した可変表示が実行されるまでの期間は第2保留記憶数が上限数であることが想定される。そこで、図22(A)、(B)に示す期間t2において、普図連動演出の実行を制限することによって、遊技者にとって不必要な演出を制限し、遊技者対して好適な予告報知を行うことができるようになる。
なお、入賞順消化とするための制御は任意でよいが、例えば、遊技制御用データ保持エリア150に、どのような順番でいずれの始動入賞口に入賞したかを特定できるようなデータを記憶しておき、図9のS110に示す特別図柄通常処理では、そのデータを参照することにより、第2保留記憶部151Bまたは第1保留記憶部151Aのいずれかから保留データを読み出して大当り判定などを実行するようにすればよい。
また、高ベース状態が終了してから、予め定められた所定期間において普図連動演出の実行を制限するようにしてもよい。
上記実施の形態では、普図連動演出において普図当りとなることの報知を行うタイミングは、図19(A)に示したように、第2始動入賞口が開放するt1時間前で一定であったが、例えば、図23(A)に示すように、第2始動入賞口が開放するt1時間前に普図当りとなることの報知を行う報知タイミング1と、図23(B)に示すように、第2始動入賞口が開放するt3(t3>t1)時間前に普図当りとなることの報知を行う報知タイミング2と、のように普図連動演出において普図当りとなることの報知を行うタイミングを複数設けてもよい。これらのタイミングは、図15のステップS605の処理によりいずれかが選択されるようにすればよい。このように報知タイミングを複数設けることで、遊技者が遊技球を第2始動入賞口に入賞させるために、遊技球を発射する最適なタイミング(第2始動入賞口に入賞しない遊技球(無駄球)を発生させずに第2始動入賞口に遊技球を入賞させるタイミング)が複数種類になり、無駄球を削減することに技術的要素を取り入れることができ、遊技の興趣が向上する。なお、t1及びt3は、遊技者が遊技球を発射してから普通可変入賞球装置6Bに到達するまでの最短到達時間を超える時間である。
このように報知タイミングを複数設ける場合においては、普図当りとなることの報知の報知態様を異ならせてもよい。そうすることで、報知態様によって遊技者が遊技球を発射する最適なタイミングを示唆することができ、さらに遊技の興趣が向上する。
また、上記実施の形態では、普図連動演出において特図表示結果報知を実行した場合は、特別図柄の可変表示が終了するまでさらなる特図表示結果報知の実行を禁止することにより、特図表示結果報知の実行を制限していたが、実行された場合に可変表示結果が「大当り」となる割合(大当り信頼度)が高いパターンの特図表示結果報知が実行された後に、それより大当り信頼度が低くなるパターンの特図表示結果報知の実行が禁止されるようにして、特図表示結果報知の実行を制限するようにしてもよい。このようにすることで、信頼度が低下する特図表示結果報知は制限される一方、信頼度が向上する特図表示結果報知は実行される場合があるので、遊技者を混乱させてしまうことを防止しつつ、好適な特図表示結果報知を実行することができる。
即ち、特図表示結果報知の実行を制限するとは、単に特図表示結果報知の実行を禁止することではなく、実行の頻度を低下させることや、一部の特図表示結果報知を禁止することなども含む。
例えば、上記実施の形態では、パターンαの特図表示結果報知が実行された場合よりも、パターンβの特図表示結果報知が実行された場合の方が、可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなっていたが(図17参照)、パターンβの特図表示結果報知が実行された場合には、特別図柄の可変表示が終了するまでの間、特図表示結果報知の実行が禁止されるようにしてもよい。
そのためには、図24に示した普図連動演出設定処理において、ステップS613においてNoと判定された場合(特図表示結果報知を実行する場合)、その特図表示結果報知パターンがパターンβであった場合に(ステップS621;Yes)、ステップS614において特図表示結果報知制限フラグがセットされるようにすればよい。このようにすることで、パターンβの特図表示結果報知が実行された場合は、特別図柄の可変表示が終了するまでの間、特図表示結果報知の実行が禁止される一方、パターンαの特図表示結果報知が実行された場合は、さらに特図表示結果報知の実行される場合があるようにすることができる。なお、パターンαの特図表示結果報知が実行された後に、さらに特図表示結果報知の実行される場合には、パターンβの特図表示結果報知が実行されるようにしてもよい。このようにすることで、特図表示結果報知が実行されるたびに信頼度が向上するステップアップ予告のような演出が可能になる。
また、上記実施の形態では、図19(B)に示したように、1回の特別図柄の変動が実行される間に、普通図柄の変動が複数回実行される場合がある。1回の特別図柄の変動が実行される間のいずれのタイミングで、普図連動演出における特図表示結果報知を実行するかによって、特図表示結果報知の演出態様を異ならせてもよい。例えば、図25(A)に示すように、特別図柄の変動が開始してから最も早い第1のタイミングで特図表示結果報知を実行する場合には、第1の演出態様として例えば「チャンス」という文字を普図連動演出実行エリア5Fに表示させる。また、図25(B)に示すように、特別図柄の変動が開始してから所定時間が経過した第2のタイミングで特図表示結果報知を実行する場合には、第2の演出態様として例えば「アツイ」という文字を普図連動演出実行エリア5Fに表示させる。そして、また、図25(B)に示すように、特別図柄の変動が開始してから最も遅い第3のタイミングで特図表示結果報知を実行する場合には、第3の演出態様として例えば「激アツ」という文字を普図連動演出実行エリア5Fに表示させる。
いずれのタイミングにおいてどのような演出態様とするかは任意でよい。タイミングの判定方法は、変動パターンにより指定される変動時間、変動開始からの経過時間を参照することによって判定すればよい。また、リーチが成立したこと、リーチ成立後スーパーリーチのリーチ演出が開始されたことなどを契機に、特図表示結果報知の演出態様を変更するようにしてもよい。リーチ成立後にリーチとなることを示唆する特図表示結果報知を行ってもその演出が無駄になるからである。例えば、スーパーリーチを伴う変動が実行されているときには、リーチが成立前にはリーチが成立することを示唆し、リーチ成立後にはスーパーリーチとなることを示唆し、スーパーリーチのリーチ演出が開始された後には「大当り」となることを示唆する特図表示結果報知を行うようにしてもよい。このようにすることで、特別図柄の変動に合わせた好適な特図表示結果報知を実行できるようになる。
また、各特図表示結果報知パターンにおいて、演出時間が異なるロングバージョン、ショートバージョンを設けて、特図表示結果報知を開始するタイミングに応じてロングバージョン、ショートバージョンを選択的に実行するようにしてもよい。例えば、図17に示すように、特図表示結果報知パターンが2種類である場合、特図表示結果報知パターンα(ロング)、特図表示結果報知パターンα(ショート)、特図表示結果報知パターンβ(ロング)、特図表示結果報知パターンβ(ショート)というように4つのパターンを用意する。そして、例えば、図15のステップS615において特図表示結果報知をするときに、特別図柄の変動時間の残り時間を特定し、所定の閾値以上であればロングバーションのパターンを選択し、所定の閾値未満であればショートバーションのパターンを選択するようにすればよい。このようにすることで、特別図柄の変動時間に合わせた好適な特図表示結果報知を実行できるようになる。
上記実施の形態では、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bが一体にして設けられており、第1始動入賞口と第2始動入賞口とが近接していた。第1始動入賞口と第2始動入賞口との配置はこれに限定されず、例えば遊技領域の画像表示装置5を挟んで左右に第1始動入賞口と第2始動入賞口とが配置されていてもよい。このような配置である場合には、第1始動入賞口を狙う場合と、第2始動入賞口を狙う場合と、で遊技球の発射のさせ方が異なるので、第2始動入賞口が開放することを報知する普図連動演出が、より効果的なものになる。
上記実施の形態では、普通図柄の変動が開始するときに、第2保留記憶数が上限数であるか否かを判定し、第2保留記憶数が上限数である場合には、普図連動演出の実行を制限していたが、普図連動演出において、普図当りとなることの報知を開始するタイミング(遊技者が遊技球を発射してから第2始動入賞口に到達するまでの最短到達時間を超える時間t1など)において、第2保留記憶数が上限数に達しているか否かを判定し、上限数である場合には、普図当りとなることの報知を制限するようにしてもよい。普図当りとなることの報知を開始するときには、普通図柄の変動が開始するときよりも、第2保留記憶数が増加している可能性もあるため、このような制御を行うことでより好適な報知が行うことができる。
上記実施の形態では、高ベース状態においては、普通図柄の表示結果はほぼ「普図当り」となるため普図連動演出の実行を制限していたが、高ベース状態においても普図連動演出を実行してもよい。例えば、この場合の普図連動演出は、普図当りとなることを報知するものではなく、高ベース状態を報知するものなど、低ベース状態であるときと演出態様を異ならせてもよい。
上記実施の形態では、可変表示結果が「大当り」や「小当り」とならずに、「ハズレ」が500回継続したときに、モードAの演出モードからモードBの演出モードに移行するようになっていたが、演出モードの移行条件はこれに限定されない。例えば、可変表示が実行されるたびに抽選を行って演出モードを変更するか否かを判定するようにしてもよい。また、「突確」や「小当り」となったときの潜伏確変中において、上記実施の形態のモードBの演出モードに移行するようにしてもよい。
上記実施の形態では、大当り遊技状態においては、普図連動演出の実行を制限していたが、大当り遊技状態においても普図連動演出を実行するようにしてもよい。大当り遊技状態においても普図連動演出を実行することで、大当り遊技状態における第2始動入賞口の開放状況を報知することができる。また、大当り遊技状態においても普図連動演出を実行する場合において、普図連動演出により大当り遊技状態における大入賞口の残り開放時間と、現在の入賞個数を併せて報知するようにしてもよい。これにより、遊技者は遊技球の発射を調整することで、大当り遊技状態におけるラウンドの時間を調整することができるようになる。大当り遊技状態におけるラウンド間には、大入賞口が閉鎖状態となるインターバル時間が設けられるが、ラウンドの時間を調整することで、そのインターバル時間に第2始動入賞口が開放するように調整し、インターバル時間には第2始動入賞口を狙って遊技球を発射するなどの調整をすることができるようになる。
上記実施の形態では、第2保留記憶数が上限数である場合や、高ベース状態である場合、大当り遊技状態である場合、高ベース状態が終了してから、そのときに第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データに対応した可変表示が実行されるまでの期間において、普図連動演出を禁止することにより、普図連動演出の実行を制限していたが、普図連動演出の実行を制限するとは、単に普図連動演出の実行を禁止することではなく、実行の頻度を低下させることや、一部の普図連動演出を禁止することなども含む。
また、上記実施の形態では、普通図柄の変動開始時に図15のステップS602〜S604の処理を実行することにより、第2保留記憶数が上限数である場合や、高ベース状態である場合、大当り遊技状態である場合、高ベース状態が終了してから、そのときに第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データに対応した可変表示が実行されるまでの期間において、普図連動演出の実行を制限していたが、実際に普図連動演出を実行するタイミングにおいて、図15のステップS602〜S604の判定を実行して、普図連動演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
具体的には、普通図柄の変動開始時にステップS605の処理を実行することで、普図連動演出の実行の有無を決定し、普図連動演出を実行すると決定された場合には、その普図連動演出の実行開始時に図15のステップS602〜S604の判定を実行し、いずれかでYesと判定された場合には普図連動演出の実行を制限する一方、全てNoと判定された場合には普図連動演出をそのまま実行するようにすればよい。
このようにすることで、普通図柄の変動開始後に普図連動演出を実行する場合、普通図柄の変動開始後、普図連動演出開始前に、保留記憶数が増減した場合など、図15のステップS602〜S604の判定結果が変化した場合に、適切な普図連動演出の実行または制限をすることができる。
また、上記実施の形態では、普通図柄の変動開始時に図15のステップS610〜S612の処理を実行することにより、特別図柄の変動パターンを特定し、特図表示結果報知を実行するか否かを決定していたが、普図連動演出において、特図表示結果報知実行するときにおいて、特図表示結果報知を実行するか否かを決定するようにしてもよい。このようにすることで、普図連動演出開始後に特別図柄の変動が開始した場合などに、適切な特図表示結果報知を行うことができる。
また、例えば、「プッシュボタン単発」や「プッシュボタン連打」、「トリガボタン単発」、「トリガボタン連打」となる演出動作は、リーチ演出や予告演出、変動中昇格演出、大当り中昇格演出のうち一部又は全部の演出として、実行可能に設定されていればよい。リーチ演出や予告演出、変動中昇格演出、大当り中昇格演出のうち一部又は全部の演出として、「プッシュボタン単発」や「プッシュボタン連打」、「トリガボタン単発」、「トリガボタン連打」となる演出動作の全部が実行可能となるものに限定されず、これらの演出動作の一部が実行可能となるものであってもよい。また、リーチ演出や予告演出、変動中昇格演出、大当り中昇格演出のいずれであるかに応じて、実行可能となる演出動作の組合せを異ならせてもよく、例えばリーチ演出では「トリガボタン単発」又は「トリガボタン連打」の演出動作が実行可能となる一方、予告演出では「プッシュボタン単発」又は「プッシュボタン連打」の演出動作が実行可能となるようにしてもよい。このように、演出動作の実行タイミングに応じて、全ての演出動作の組合せが異なっていてもよいし、例えば「プッシュボタン連打」の演出動作はリーチ演出でも予告演出でも実行可能になるといったように、一部に同じ演出動作を含む組合せであってもよい。いずれの演出動作を実行するかは、特図表示結果の決定結果、変動パターンの決定結果、パチンコ遊技機1における遊技状態、特図保留記憶数、その他に実行される演出動作の内容のうち、一部又は全部に基づいて、決定されるものであればよい。より一般的に、「プッシュボタン単発」や「プッシュボタン連打」、「トリガボタン単発」、「トリガボタン連打」となる演出動作の一部又は全部は、パチンコ遊技機1における遊技制御の決定結果や進行状況、その他の演出動作の決定結果や進行状況の一部又は全部に基づいて、各々の演出動作を実行するか否かが決定されるものであればよい。
また、「プッシュボタン単発」や「プッシュボタン連打」、「トリガボタン単発」、「トリガボタン連打」となる演出動作の全部から、いずれかの演出動作を選択して実行するか否かが決定されてもよいし、一部の演出動作から、各々の演出動作を選択して実行するか否かが決定されてもよい。例えば、「プッシュボタン単発」と「トリガボタン単発」の演出動作だけを実行可能にしたパチンコ遊技機1が提供されてもよいし、「プッシュボタン連打」と「トリガボタン連打」の演出動作だけを実行可能にしたパチンコ遊技機1が提供されてもよい。
上記実施の形態では、スティックコントローラ30の操作桿30Aが傾倒操作可能なものであるとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばスライド操作可能なスライド式レバーといった、遊技者が把持して多方向に操作可能な任意の操作装置が用いられてもよい。すなわち、スティックコントローラ30の操作桿30Aは、遊技者が方向に関する指示操作を可能な任意の方向操作装置であればよい。
上記実施の形態では、特図表示結果が「大当り」に決定されたときに、大当り種別が「突確」に決定されることがあるものとして説明した。また、特図表示結果が「小当り」に決定されることもあるものとして説明した。これに対して、特図表示結果は「ハズレ」又は「大当り」に決定され、特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「非確変」又は「確変」に決定されて、大当り種別が「突確」に決定されたり特図表示結果が「小当り」に決定されたりすることがないようにしてもよい。この場合には、例えば2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態にて賞球(出玉)がほとんど得られない2回開放遊技が実行されることを防止して、遊技に間延びが生じることによる遊技興趣の減退を抑制することができる。
上記実施の形態では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを備えたパチンコ遊技機1について説明したが、1つの特別図柄表示装置が設けられたパチンコ遊技機1にも本発明を適用することができる。
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が、スティックコントローラ30やプッシュボタン31Bに対する各種操作に応じた演出動作の実行を可能にするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の実行を可能にしてもよい。
一例として、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、表示制御基板を設ける。表示制御基板には、表示制御用CPUと、ROMと、RAMと、乱数回路と、I/Oとが搭載されていればよい。この場合、表示制御基板に搭載された表示制御用CPUが画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行することから、上記実施の形態で演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、表示制御基板に搭載されればよい。表示制御基板では、例えば表示制御用CPUがROMから読み出したプログラムを実行することにより、画像表示装置5における演出画像の表示による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、表示制御用CPUがROMから固定データを読み出す固定データ読出動作や、表示制御用CPUがRAMに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、表示制御用CPUがRAMに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この場合、表示制御用CPUは、例えば演出制御基板12からの表示制御指令や演出制御基板12を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに基づき、各種の演出動作を実行するための決定などを行うようにしてもよい。なお、表示制御用CPUは、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部を実行するものであればよい。また、音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12からの制御指令を伝送する配線により、演出制御基板12と接続されていてもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120により、演出動作を統括的に制御するための処理が実行されればよい。
また、音声制御基板13やランプ制御基板14が備える機能を、演出制御基板12に搭載された音声制御回路やランプ制御回路などに備えさせ、音声制御基板13やランプ制御基板14となる独立の制御基板は設けられないようにしてもよい。この場合には、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、前述したような表示制御基板を設け、演出制御用CPU120により決定した演出制御パターンなどに応じた表示制御コマンドが、演出制御基板12から表示制御基板に対して伝送されるようにしてもよい。図3に示す構成において、音声制御基板13に搭載されたマイクロコンピュータやランプ制御基板14に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御内容を決定するための処理、遊技効果ランプ9といった発光体における点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する特別可変表示手段を備え、該特別可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
次に、追加実施形態1及び追加実施形態2について説明する。なお、追加実施形態1及び追加実施形態2について特記する事項以外は、上記の実施形態が踏襲される。
[追加実施形態1:特定入賞による始動条件の成立に応じて記憶された権利により実行される変動表示演出]
上記の実施形態では、図15のS608,及び図18(c)に示すように、普通図柄表示器20の表示結果が普図当りとなるときに、画像表示装置5の普図連動演出実行エリア5Fで普図当り報知(普図連動演出パターンA「○」)を所定の割合で実行する例について説明したが、これに加えて、図26に示すように、該普図当り報知が実行された後に普図当りとなって普通可変入賞球装置6Bが開放されたときの入賞である特定入賞があると、当該特定入賞による始動条件の成立に応じて画像表示装置5で実行される変動表示演出を、該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて実行されるときと異なる態様で実行するように構成するのが好ましい。
ここで演出制御基板12の演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、特図1又は特図2の変動に対応する飾り図柄の変動中に、前記図15のステップS608で、普図連動演出パターンAの普図連動演出の実行開始を設定すると、図26に示すように、D01(図18(B)に相当)で、普図連動演出実行エリア5Fのスロットを回転し、所定時間経過後に、D02(図18(C)に相当)で、普図連動演出実行エリア5Fに普図当り報知「○」を表示する。
そして図19(A)に示すように、普図当り報知開始のt1経過後に、主基板11のCPU103の制御により普図当りとなって普通可変入賞球装置6Bが開放されたときに、該普通可変入賞球装置6Bに形成される第2始動入賞口に入賞があり、主基板11から前記第2始動口入賞始動コマンドが送信されてくると、演出制御基板12は、該第2始動口入賞始動コマンドを受信し、該演出制御基板12の演出制御用CPU120は、該第2始動口入賞始動コマンドの受信が、普図当り報知開始のt1経過後から普図当り報知終了までの間であるか否か、即ち普通可変入賞球装置6Bが開放されたときの入賞である特定入賞であるか否かを判定する。そして特定入賞であると判定した場合には、前記図7について説明したように、演出制御基板12に設けられた演出制御用データ保持エリア190の第2特図保留記憶部191B(図示外)において、当該第2始動口入賞始動コマンドの保留データとして、該入賞が特定入賞である旨を示す特定入賞フラグを記憶する。
この演出制御基板12の演出制御用CPU120は、普通可変入賞球装置6Bに入賞があったときに、該入賞が前記特定演出(普図当り報知)が実行された後に普通図柄表示器20の表示結果が特定結果(普図当り図柄)となって普通可変入賞球装置6Bが有利状態(開放状態)に変化したときの入賞である特定入賞か否かを判定する入賞判定手段として機能するものである。
そして前記第2始動口入賞始動コマンドの受信に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hに、第2始動条件の成立を示す保留マークH2を表示するが、前記判定で特定入賞でないと判定した場合(即ち普図当り報知無しの通常入賞の場合)には、前述の如く、青色表示で保留マークH2を表示するが、前記判定で特定入賞であると判定した場合(即ち普図当り報知有りの特定入賞の場合)には、D03に示すように、前記青色表示とは異なる態様(例えば緑色表示)で保留マークH2を表示する。
この始動入賞記憶表示エリア5Hは、前記入賞判定手段(演出制御基板12の演出制御用CPU120)により特定入賞であると判定されたときに、該特定入賞による始動条件の成立に応じて変動表示が実行されるまで所定の報知を行う報知手段として機能するものである。これによれば、前記入賞が特定入賞であれば、該特定入賞による始動条件の成立に応じて変動表示が実行されるまで所定の報知が行われるので、該特定入賞したことを遊技者に分かりやすくすることができる。
なお特定入賞である旨の報知は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留マークH2の色を変えることには限られず、例えば通常入賞ならば保留マークH2を点灯し、特定入賞ならば保留マークH2を点滅するようにして、保留マークH2の表示態様を変えるものでも良い。また該報知は、保留マークH2の表示態様を変えることには限られず、役物の点灯や、音声による報知であっても良い。
演出制御基板12の演出制御用CPU120は、前記可変表示中演出処理(図14のS173)により、D04に示すように、飾り図柄ハズレを停止表示した後、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bの両方に保留データが有る場合には、該保留データが記憶された順に関わらず、第2特図保留記憶部151Bの保留データを優先して消化して(特図2優先消化)、再び可変表示中演出処理により、D05に示すように、飾り図柄の変動を開始するが、前記特定入賞による保留データの消化の場合(即ち消化する保留データについて、演出制御基板12に設けられた演出制御用データ保持エリア190の第2特図保留記憶部191Bで特定入賞フラグが記憶されている場合)には、D06に示すように、飾り図柄を特殊変動(例えば背景を変更)させる。
この演出制御基板12の演出制御用CPU120は、前記入賞判定手段により特定入賞であると判定されたときに、該特定入賞による始動条件の成立に応じて実行される変動表示演出(D06)を、該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて実行されるとき(D01)と異なる態様で実行する変動表示実行手段として機能するものである。
これによれば、特定演出(普図当り報知)が実行された後に普通図柄表示器20の表示結果が特定結果(普図当り図柄)となって普通可変入賞球装置6Bが有利状態に変化したときの入賞である特定入賞による始動条件の成立に応じて実行される変動表示演出が、該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて実行されるときと異なる態様で実行されるので、特定入賞による始動条件の成立について遊技者の注目を集めることができる。
なお変動表示演出は、飾り図柄の背景を変更させるものには限られず、飾り図柄の大きさ,色,形,変動スピード等を通常と異ならせるような特殊変動であってもよく、また特別なキャラクタを表示したり、特別な音を鳴らしたりするものであってもよい。
また変動表示実行手段(主基板11のCPU103,演出制御基板12の演出制御用CPU120)は、前記変動表示の実行時間を決定する時間決定手段(ステップS111の変動パターン設定処理,ステップS171の可変表示中演出設定処理)を含み、前記変動表示演出が特定入賞による始動条件の成立に応じて実行されるときと特定入賞以外の始動条件の成立に応じて実行されるときとで前記時間決定手段に決定された実行時間が同一の時間であっても、該変動表示演出を異なる態様で実行する。これによれば、演出の態様が異なっても実行時間は同一なので、該実行時間の管理が容易(例えば変動パターンの種類が少なくて済む)である。
また特定演出実行手段(演出制御基板12の演出制御用CPU120)は、図示しないが、以下のように構成されることが好ましい。
まず変動表示演出が特定の態様で実行されているとき(例えば画像表示装置5でスーパーリーチ演出や大当り演出や予告演出を表示中のとき,スピーカでファンファーレ演出を鳴らしているとき等)は、該特定演出の実行を制限するのが好ましい。ここで特定演出の実行の制限は、例えば特定演出を実行しないことや、タイミングをずらして特定演出を実行すること等である。これによれば、変動表示演出が特定の態様で実行されているときは、特定演出の実行が制限されるので、該変動表示演出の邪魔をすることがない。
また、変動表示演出が実行される期間の一部の期間において特定演出(普図当り報知)を実行し、該一部の期間において変動表示演出が特定の態様で実行されているとき(例えば画像表示装置5でスーパーリーチ演出を表示中のとき等)は、該特定演出を前記一部の期間と異なる期間において実行するのが好ましい。例えばスーパーリーチ演出が行われるときには、該演出の前半で特定演出を行い、該演出が盛り上がる後半では特定演出を行わないようにする。これによれば、一部の期間において変動表示演出が特定の態様で実行されているときは、特定演出が該一部の期間と異なる期間において実行されるので、該変動表示演出の邪魔をすることがない。
また、変動表示演出が実行されていないとき(例えばデモ画面表示中)に特定演出(普図当り報知)を実行する場合、前記変動表示演出が実行されているときと異なる態様で該特定演出を実行するのが好ましい。具体的には、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bの両方に保留データが無い状態で特定演出を実行する場合に、例えば通常よりも大きな音や、通常とは異なる特有の音で特定演出を実行したり、通常よりも早めのタイミングで普図当り報知「○」を表示する。これによれば、変動表示演出が実行されていないときに特定演出を実行する場合、該変動表示演出が実行されているときと異なる態様で特定演出が実行されるので、変動表示演出が実行されていないときにも遊技者の注目を集めることができる。
さらに、実行されている変動表示演出において特定遊技結果(大当り図柄,小当り図柄)となるときにも、特定演出(普図当り報知)を実行するのが好ましい。これによれば、実行されている変動表示演出において特定遊技結果となるときにも、特定演出が実行されるので、該特定遊技結果に基づいて発生する特定遊技状態における有利状態の発生を報知することができる。
なお、以上に説明した追加実施形態1では、特定入賞があると、当該特定入賞による始動条件の成立に応じて画像表示装置5で実行される変動表示演出を、該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて実行されるときと異なる態様で実行するように構成する例について説明したが、パチンコ遊技機1が、変動表示演出において特定遊技結果(大当り図柄,小当り図柄)となることを予告する予告演出を実行する予告演出実行手段(演出制御基板12の演出制御用CPU120)を備える場合には、該予告演出実行手段は、特定入賞があると、当該特定入賞による始動条件の成立に応じて画像表示装置5で実行される変動表示演出において、該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて実行される変動表示演出と異なる割合で、予告演出を実行するように構成しても良い。
具体的には、演出制御基板12の演出制御用CPU120は、特定入賞による始動条件の成立に応じて画像表示装置5で実行される変動表示演出(図26のD06)において、該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて実行される変動表示演出よりも高頻度で予告演出を実行する。
これによれば、特定演出(普図当り報知)が実行された後に普通図柄表示器20の表示結果が特定結果(普図当り図柄)となって普通可変入賞球装置6Bが有利状態に変化したときの入賞である特定入賞による始動条件の成立に応じて実行される変動表示演出において、該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて実行される変動表示演出と異なる割合で、予告演出が実行されるので、特定入賞による始動条件の成立について遊技者の注目を集めることができる。
この場合において、予告演出実行手段(演出制御基板12の演出制御用CPU120)は、変動表示演出が特定入賞による始動条件の成立に応じて実行されるときと特定入賞以外の始動条件の成立に応じて実行されるときとで前記時間決定手段に決定された実行時間が同一の時間であっても、該変動表示演出を異なる割合で実行するのが好ましい。これによれば、変動表示演出が特定入賞による始動条件の成立に応じて実行されるときと特定入賞以外の始動条件の成立に応じて実行されるときとで実行時間が同一の時間であっても、予告演出が異なる割合で実行されることにより、予告演出の実行割合が異なっても実行時間は同一なので、該実行時間の管理が容易(例えば変動パターンの種類が少なくて済む)である。
[追加実施形態2:特定入賞による始動条件の成立に応じて記憶された権利に対する先読み予告]
上記の実施形態では、図15のS608,及び図18(c)に示すように、普通図柄表示器20の表示結果が普図当りとなるときに、画像表示装置5の普図連動演出実行エリア5Fで普図当り報知(普図連動演出パターンA「○」)を所定の割合で実行する例について説明したが、パチンコ遊技機1が、前記始動条件が成立したときに、前記変動表示手段(第1特別図柄表示装置4A,第2特別図柄表示装置4B,画像表示装置5)での変動表示を行う権利を所定数を上限として記憶する保留記憶手段(第1特図保留記憶部151A,第2特図保留記憶部151B)と、該保留記憶手段に記憶された権利による変動表示について特定遊技結果(特図大当り図柄,特図小当り図柄)とするか否かを、該権利による変動表示の表示結果が導出される前に決定する特定決定手段と、前記保留記憶手段に記憶された権利のうちに特別な権利(例えばスーパーリーチ演出を発生させる権利や、大当り,小当りを発生させる権利)が含まれているか否かを示唆する先読み予告を実行する先読み予告実行手段(画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hに先読み予告として「熱」と表示させる処理を行う演出制御基板12の演出制御用CPU120)を備える場合には、該先読み予告実行手段は、特定入賞があると、当該特定入賞による始動条件の成立に応じて記憶された権利に対する先読み予告を、該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて記憶された権利とは異なる態様で実行するように構成するのが好ましい。
ここで演出制御基板12の演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、特図1又は特図2の変動に対応する飾り図柄の変動中に、前記図15のステップS608で、普図連動演出パターンAの普図連動演出の実行開始を設定すると、図27に示すように、D01(図18(B)に相当)で、普図連動演出実行エリア5Fのスロットを回転し、所定時間経過後に、D02(図18(C)に相当)で、普図連動演出実行エリア5Fに普図当り報知「○」を表示する。
そして図19(A)に示すように、普図当り報知開始のt1経過後に、主基板11のCPU103の制御により普図当りとなって普通可変入賞球装置6Bが開放されたときに、該普通可変入賞球装置6Bに形成される第2始動入賞口に入賞があると、前記第2特図保留記憶部151Bにおいて保留記憶が行われて、主基板11から演出制御基板11に第2始動口入賞始動コマンドが送信されるが、ここで主基板11のCPU103は、上記の実施形態では、図9のS110に示す特別図柄通常処理において、当該保留記憶が消化される際に、MR1〜MR3に基づいて、特別図柄表示結果,大当り種別,及び変動パターン種別を決定していたところ、この追加実施形態2では、図9のS101に示す始動入賞判定処理において、当該保留記憶の際に(即ち該権利による変動表示の表示結果が導出される前に、MR1〜MR3に基づいて、特別図柄表示結果,大当り種別,及び変動パターン種別を決定し、該決定結果を含む前記第2始動口入賞始動コマンドを、演出制御基板12に送信する。
演出制御基板12の演出制御用CPU120は、前記第2始動口入賞始動コマンドを受信すると、該第2始動口入賞始動コマンドの受信が、普図当り報知開始のt1経過後から普図当り報知終了までの間であるか否か、即ち普通可変入賞球装置6Bが開放されたときの入賞である特定入賞であるか否かを判定する。そして特定入賞であると判定した場合には、前記図7について説明したように、演出制御基板12に設けられた演出制御用データ保持エリア190の第2特図保留記憶部191B(図示外)において、当該第2始動口入賞始動コマンドの保留データとして、該入賞が特定入賞である旨を示す特定入賞フラグを記憶する。
そして前記第2始動口入賞始動コマンドの受信に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hに、第2始動条件の成立を示す前記保留マークH2か、又は、先読み予告マークH2’を表示する。ここで前記第2始動口入賞始動コマンドに含まれる変動パターン種別が、スーパーリーチの発生を示さない場合には、保留マークH2を表示し、スーパーリーチの発生を示す場合には、所定の割合で、熱い演出である旨を示す先読み予告マークH2’「熱」を表示する。
そして変動パターン種別がスーパーリーチを示さない場合においては、追加実施形態1と同様に、前記判定で特定入賞でないと判定した場合(即ち普図当り報知無しの通常入賞の場合)には、青色表示で保留マークH2を表示するが、該判定で特定入賞でないと判定した場合(即ち普図当り報知有りの特定入賞の場合)には、前記青色表示とは異なる態様(例えば緑色表示)で保留マークH2を表示する。
一方、変動パターン種別がスーパーリーチを示す場合においては、前記判定で特定入賞でないと判定した場合(即ち普図当り報知無しの通常入賞の場合)には、青色表示で先読み予告マークH2’「熱」を表示するが、該判定で特定入賞でないと判定した場合(即ち普図当り報知有りの特定入賞の場合)には、D03’に示すように、前記青色表示とは異なる態様(例えば緑色表示)で先読み予告マークH2’「熱」を表示する。
これによれば、特定演出(普図当り報知)が実行された後に普通図柄表示器20の表示結果が特定結果(普図当り図柄)となって普通可変入賞球装置6Bが有利状態に変化したときの入賞である特定入賞による始動条件の成立に応じて記憶された権利に対する先読み予告が、該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて記憶された権利に対する先読み予告とは異なる態様で実行されるので、特定入賞による始動条件の成立に応じて記憶された権利について、遊技者の注目を集めることができる。
なお先読み予告マークH2’は、熱い演出である旨を表す「熱」には限られず、例えば前記第2始動口入賞始動コマンドに含まれる特別図柄表示結果が大当り又は小当りを示す場合には、それらを示す「当」であってもよい。また先読み予告は、D03’に示すように、保留マークH2を先読み予告マークH2’に変化させるものには限られず、例えば役物や画像表示装置5などで先読み予告を実行するものにおいて、特殊な画像,特殊な動き,特殊な音,特殊な発行パターンに変化させるものや、画像は通常と同じだが特殊な音が鳴るもの等であってもよい。即ち先読み予告は、通常入賞と特定入賞とで異なる態様で実行されるものであれば、その実行態様は特に限定されない。
ここで先読み予告実行手段(演出制御基板12の演出制御用CPU120)は、先読み予告が特定入賞による始動条件の成立に応じて記憶された権利に対して実行されるときと該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて記憶された権利に対して実行されるときとで、該権利が前記特別な権利である旨を示唆する割合(いわゆる信憑性)を異ならせて先読み予告を実行するのが好ましい。
例えば通常入賞の先読み予告は信憑性が低く(いわゆるガセが多く)、特定入賞の先読み予告は信憑性が高い(ガセが少ない)ように構成すれば、特定入賞の先読み予告の信憑性が高まるので、遊技者に注目される。また、これとは逆に、特定入賞の先読み予告は信憑性が低い(ガセが多い)ように構成すれば、特定入賞の先読み予告の実行頻度を増やすことができるので、遊技者に注目される。即ち、いずれにおいても、特定入賞による始動条件の成立に応じて記憶された権利について、遊技者の注目を、より高めることができる。
なお、以上に説明した追加実施形態2では、特定入賞があると、当該特定入賞による始動条件の成立に応じて記憶された権利に対する先読み予告を、該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて記憶された権利とは異なる態様で実行する例について説明したが、特定入賞があると、当該特定入賞による始動条件の成立に応じて記憶された権利に対する先読み予告において、該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて記憶された権利とは異なる割合で、先読み予告を実行するように構成しても良い。例えば、通常入賞の場合には1/20の割合で先読み予告を実行し、特定入賞の場合には1/2の割合で先読み予告を実行する。
これによれば、特定演出(普図当り報知)が実行された後に普通図柄表示器20の表示結果が特定結果(普図当り図柄)となって普通可変入賞球装置6Bが有利状態に変化したときの入賞である特定入賞による始動条件の成立に応じて記憶された権利に対する先読み予告において、該特定入賞以外の始動条件の成立に応じて記憶された権利に対する先読み予告とは異なる割合で、先読み予告が実行されるので、特定入賞による始動条件の成立に応じて記憶された権利について、遊技者の注目を集めることができる。