JP6395527B2 - 車両用ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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本発明は、運転者の前方に必要な情報を重畳する車両用ヘッドアップディスプレイ装置に関するものである。
昨今、車両のフロントウインドウガラスに表示像を投影して、運転者の前方に虚像を結像させ、運転中であっても、視線を前方からそらすことなく表示像を視認することが可能な、車両用ヘッドアップディスプレイ装置が実用化されている。
このような車両用ヘッドアップディスプレイ装置にあっては、運転中の運転者の顔の移動に応じて、ヘッドアップディスプレイに表示される虚像の表示位置(重畳位置)を変更していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−86831号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたヘッドアップディスプレイにあっては、運転者の眼球位置に応じて虚像の表示位置を調整することはできるが、このとき、虚像のサイズ(縮尺)の調整までは行っていなかった。ところが、単に虚像の表示位置を調整しただけでは、虚像を前景に重畳したときに、運転者の視点位置が異なると、本来重畳したい位置と実際に重畳される位置との間にずれが生じるため、情報伝達の誤りをきたす虞があった。例えば、先行車との距離を表す距離マーカを路面に重畳する場合を想定すると、適切な位置に距離マーカが重畳されないと、本来必要となる先行車との車間距離を正しく得ることができない虞があった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたもので、運転者の眼球位置(体格)に応じた表示位置に、適切な縮尺の虚像を表示することによって、運転者の視点位置による虚像の重畳位置のずれをなくすことを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置は、車両に搭載された、表示パターンを表示して投影する表示パターン投影部を有し、前記表示パターン投影部から投影された表示パターンを透光性部材で反射して虚像を表示する車両用ヘッドアップディスプレイ装置において、前記車両から、所定の目標物までの距離を測定する距離測定部と、前記車両の運転者の眼球位置を推定する眼球位置推定部と、前記眼球位置推定部で推定された眼球位置に基づいて、前記表示パターンの投影位置を調整する表示パターン投影位置調整部と、前記眼球位置推定部で推定された眼球位置が標準位置に対して高い場合は、前記表示パターンを拡大して表示し、前記眼球位置が前記標準位置に対して低い場合は、前記表示パターンを縮小して表示する表示パターン生成部と、を有して、前記車両と前記目標物との間に、前記表示パターンを重畳することを特徴とする。
本発明に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置によれば、前記した構成とすることによって、運転者の眼球位置(体格)に応じて、虚像の表示位置と縮尺が調整されるため、運転者の体格が変動したときであっても、適切な重畳位置に適切なサイズの虚像を表示することができ、必要な情報を確実に伝達することができる。
本発明の一実施形態である実施例1に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置を備えたインスツルメントパネルの縦断面図である。 本発明の一実施形態である実施例1に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。 運転者の眼球位置に応じた虚像表示位置の変化について説明する図であり、(a)は運転者の眼球が標準的な位置にある場合の虚像の重畳位置について模式的に説明する図である。(b)は運転者の眼球が標準的な位置にあるときの虚像の重畳位置の一例を示す図である。 運転者の眼球位置に応じた虚像表示位置の変化について説明する図であり、(a)は運転者の眼球が高い位置にある場合の虚像の重畳位置について模式的に説明する図である。(b)は運転者の眼球が高い位置にあるときの虚像の重畳位置の一例を示す図である。 運転者の眼球位置に応じた虚像表示位置の変化について説明する図であり、(a)は運転者の眼球が低い位置にある場合の虚像の重畳位置について模式的に説明する図である。(b)は運転者の眼球が低い位置にあるときの虚像の重畳位置の一例を示す図である。 運転者の眼球位置と虚像の表示位置,表示サイズの関係について説明する図である。 (a)は運転者の眼球が高い位置にあるとき、実施例1によって判断された適切な位置に、適切な縮尺の虚像が重畳された状態を模式的に説明する図である。(b)は運転者の眼球が高い位置にあるときの虚像の重畳位置の一例を示す図である。 (a)は運転者の眼球が低い位置にあるとき、実施例1によって判断された適切な位置に、適切な縮尺の虚像が重畳された状態を模式的に説明する図である。(b)は運転者の眼球が低い位置にあるときの虚像の重畳位置の一例を示す図である。 実施例1で行う処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態である実施例2に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。 実施例2で行う眼球位置推定処理の内容について説明する図であり、(a)は車両前方に重畳した基準マーカの位置を調整する様子を示す図である。(b)は基準マーカの位置の調整を完了した状態を示す図である。 実施例2で行う処理の流れを示すフローチャートである。 路面に重畳する情報の別の例を示す図である。
以下、本発明の車両用ヘッドアップディスプレイ装置の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aの概略構造を示す縦断面図である。まず、図1を用いて、車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aの全体構成について説明する。
[全体構成の説明]
自動車などの車両20における車室の前部には、図1の縦断面図に示すように、車室前壁パネル1とフロントウインドウガラス40(透光性部材)とが設けられている。そして、フロントウインドウガラス40の下側には、車室前壁パネル1を覆い隠すようにインスツルメントパネル3が設けられている。
このインスツルメントパネル3の内部には、車室前壁パネル1の車両20の後方側(図1の紙面右側)に位置するように車幅方向(図1の紙面直交方向)へ延びる車体強度部材4が配設されている。この車体強度部材4の下部には、ステアリングコラム5を取付けるための、図示しないコラムブラケットが設けられている。
インスツルメントパネル3の内部(の上側)には、更に、空調ダクト11,12や、ハーネス13(電線の束)や、計器装置14などが車両20の前方側から順に設けられている。また、インスツルメントパネル3には、計器装置14の上部を覆うメータフード15が一体または別体に設けられている。そして、ステアリングコラム5の、インスツルメントパネル3から車両20の後方側へ突出した部分には、コラムカバー16が取付けれている。なお、インスツルメントパネル3の内部の構成要素の配置場所は、車両によって異なるため、前記した構成はその一例である。
ここで、車室前壁パネル1は、フロントウインドウガラス40(透光性部材)の下側に設けられて、車室とエンジンルームとの間を仕切るダッシュパネルなどで構成される。車体強度部材4は、金属製もしくは軽合金製の非円形断面(例えば、矩形断面)のものとされている。空調ダクト11は、窓曇り防止のために、フロントウインドウガラス40に対して空調用空気を吹き出すためのダクト(デフロスターダクト)である。また、空調ダクト12は、乗員へ向けて空調用空気を吹き出すためのダクト(ベンチレーターダクト)である。
このように構成されたインスツルメントパネル3の内部の隙間には、空調ダクト11とハーネス13との間の位置に、車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aが取付けられている。そして、車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aの上方は、インスツルメントパネル3が切り欠かれて、フロントウインドウガラス40(透光性部材)との間に、車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aから出射して虚像を結像させる光束51が通過する開口部29が形成されている。
車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aは、上記した構成を有するインスツルメントパネル3の内部に設置された、虚像を形成するために必要な表示部と結像光学系とを内包するケーシング22と、ケーシング22を閉塞するように設置された防塵カバー27と、防塵カバー27の上方に設置されたフィニッシャカバー30と、から構成される。なお、防塵カバー27には赤外線反射コーティングが施されており、車両20の外部から防塵カバー27に入射する赤外線(熱線)が、ケーシング22内部へ侵入するのを阻止して、ケーシング22内部の温度上昇を防止する。
次に、ケーシング22の内部構成について説明する。車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aを構成するケーシング22の内部には、画像や映像などを表示する液晶パネルからなる画像表示部23aと、画像表示部23aを背面から照明する複数のLEDで構成された照明部23bと、この画像表示部23aに表示された画像を、矢印Lに沿って反射させて、フロントウインドウガラス40の方向へ導いて投影するための光路形成部品25,26と、前記した防塵カバー27と、を備えている。
なお、防塵カバー27は、光路形成部品25,26を通過した光を通過させてフロントウインドウガラス40の方向に導くとともに、車両20の外部から入射した外光を、運転者が視認できない方向に向かって反射させる機能を有しており、厚さが一定の透明な、例えばポリカーボネイト等の樹脂部材やガラス等で成形されている。そして、この防塵カバー27は、フロントウインドウガラス40の側から見て車両20の前後方向に亘って凹状面をなして、車両20の左右方向(図1の紙面直交方向)に亘って、前記した凹状面が連続した筒面をなしている。
この防塵カバー27は、ケーシング22の上縁に、ケーシング22から外部に出射する、図1の矢印Lで代表される光線の出口を閉塞するように組み付けられている。
前記した光路形成部品25,26は、画像表示部23aに表示された表示パターン18(図1には非図示)をフロントウインドウガラス40の方向へ向けて導く反射鏡(単数または複数の平面鏡または凸面鏡(光路形成部品25)と、凹面鏡(光路形成部品26)と、によって構成される。なお、光路形成部品25,26を形成する光学部品の個数や種類は、前記した構成に制限されるものではなく、適宜設計された構成の光学部品が用いられる。
ここで、凹面鏡(光路形成部品26)は、ステップモータ21によって支持されており、このステップモータ21は、モータ駆動部28の指示に応じて回転し、光路形成部品26の向きを、矢印Mの方向に変更することができる。このステップモータ21の回転に応じて、光束51の出射方向が変化して、後述する虚像60の結像位置を変更することができる。
なお、画像表示部23aは、液晶パネルのみならず、LEDから出射した光をマイクロミラーでスキャンして表示画像を生成するDLP方式や、レーザー光源から出射した光をスキャンして表示画像を生成するレーザー方式で構成しても構わない。ただし、DLP方式やレーザー方式を用いるときには、光路形成部品25,26の他に、表示画像を投影するスクリーンが必要となる。
画像表示部23aから出射して開口部29を通過した光束51は、フロントウインドウガラス40(透光性部材)で反射して、反射光束52として運転者90の眼球92の方向に反射する。この反射光束52をフロントウインドウガラス40の車外側に延長したとき、運転者90から見て、フロントウインドウガラス40から所定距離(運転者90の眼球92から結像距離cの位置)前方の点Pを含む位置に、画像表示部23aに表示した表示パターン18(非図示)が、虚像60として結像する。
[詳細構成の説明]
次に、図2を用いて、車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aの詳細構成について説明する。
車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aは、図2に示すように、車両20に搭載された、フロントウインドウガラス40(透光性部材)と、フロントウインドウガラス40に向けて、例えば、先行車との距離を表す距離マーカ34(表示パターン18)を投影する、液晶パネルからなる表示パターン投影部72と、表示パターン投影部72から投影された表示パターン18をフロントウインドウガラス40に導いて、運転者90の前方に虚像60を形成する投影光学系70と、車両20に乗車している運転者90と、運転者90の顔面に向けて設置されて、運転者90の顔面の画像を撮像する運転者撮像部62と、運転者撮像部62で撮像された画像の中から、運転者90の眼球位置を推定する眼球位置推定部64aと、眼球位置推定部64aで推定された運転者90の眼球位置に基づいて、距離マーカ34(表示パターン18)の投影位置を調整する表示パターン投影位置調整部66aと、眼球位置推定部64aで推定された運転者90の眼球位置に基づいて、距離マーカ34(表示パターン18)の縮尺を調整して距離マーカ34を生成する表示パターン生成部68と、先行車との車間距離を測定する、レーザや赤外線、超音波等を用いた測距センサを有する距離測定部69と、からなる。
なお、運転者撮像部62は、車両20の計器装置14(図1参照)の近傍に、運転者90のアイレンジを包含する領域を撮像するように埋め込まれており、様々な体格の運転者90が運転席に着座したときであっても、運転者90の眼球92が撮像できるようになっている。
また、表示パターン投影部72は、例えば、図1で説明した画像表示部23aと照明部23bから構成される。
そして、投影光学系70は、例えば、図1で説明した光路形成部品25,26から構成される。
さらに、表示パターン投影位置調整部66aは、例えば、図1で説明したステップモータ21とモータ駆動部28から構成される。
[運転者の眼球位置と虚像の表示位置、表示サイズの関係の説明]
次に、図3A,図3B,図3C,図4を用いて、運転者の眼球の高さの違いによって、虚像の重畳位置,表示サイズに差が生じることを説明する。
図3A(a)は、運転者90の眼球92が標準的な位置E1(眼球の高さL1)にある場合の虚像の重畳位置について、模式的に説明する図である。そして、図3A(b)は、そのときの虚像の重畳位置の一例を示す図である。図3B(a)は、運転者90の眼球92が高い位置E2(眼球の高さL2)にある場合の虚像の重畳位置について、模式的に説明する図である。そして、図3B(b)は、そのときの虚像の重畳位置の一例を示す図である。また、図3C(a)は、運転者90の眼球92が低い位置E3(眼球の高さL3)にある場合の虚像の重畳位置について、模式的に説明する図である。そして、図3C(b)は、そのときの虚像の重畳位置の一例を示す図である。
図3A(b)に示すように、運転者90の前方の路面には、車両20と先行車32との車間距離を表す距離マーカ34が重畳されて、運転者90への情報提供を行っている。
距離マーカ34は、具体的には、図3A(a)に示すように、表示位置(表示高さ)hの位置に表示サイズdで虚像表示されて、車両20の前方の点A1と点B1の間の領域に重畳される。図3A(a)において、距離マーカ34の上端、すなわち遠方側の点A1は、車両20の前方、運転者90から距離a1の位置に重畳されている。なお、距離マーカ34は、図3A(b)に示すように、複数の目盛から構成されて、各目盛は、例えば、点A1と点B1の間を等間隔に分割した位置を示す。さらに、距離マーカ34の左側には、距離測定部69によって測定された、先行車32との車間距離を表す数値が表示される。
ここで、説明を簡単にするために、点A1は先行車32の後端と一致する位置に重畳されているものとし、距離マーカ34の下端、すなわち手前側の点B1は、車両20の前方、運転者90から距離b1の位置に重畳されているものとする。そして、距離マーカ34の遠方側の点A1に相当する位置の目盛が、車両20と先行車32の車間距離を表すものとする。
次に、運転者90の眼球92の位置E2が、図3A(a)に示した眼球92の位置E1よりも高い位置にあるときに、図3A(a)と同じ表示位置(表示高さ)hに同じ表示サイズdで距離マーカ34を虚像表示した場合について、図3B(a),(b)に図示する。図3B(a),(b)からわかるように、距離マーカ34は、図3A(a),(b)に示した場合と比べて、路面のより手前の位置(点A2から点B2の範囲)に重畳される。すなわち、距離マーカ34の重畳位置は、本来重畳すべき位置からずれを生じ、図3B(b)の場合には、距離マーカ34が先行車32に届かないため、車間距離を読み取ることができない。
同様に、運転者90の眼球92の位置E3が、図3A(a)に示した眼球92の位置E1よりも低い位置にあるときに、図3A(a)と同じ表示位置(表示高さ)hに同じ表示サイズdで距離マーカ34を虚像表示した場合について、図3C(a),(b)に図示する。図3C(a),(b)からわかるように、距離マーカ34は、図3A(a),(b)に示した場合と比べて、路面のより遠方の位置(点A3から点B3の範囲)に重畳される。すなわち、虚像の重畳位置は、本来重畳すべき位置からずれを生じ、図3C(b)の場合には、距離マーカ34が実際よりも遠方に重畳されるため、先行車32までの車間距離は、実際の車間距離よりも短く観測される。
このように、距離マーカ34を路面に重畳させて表示するときには、運転者90の眼球92の位置E1,E2,E3に応じて、表示すべき虚像(距離マーカ34)の表示位置(表示高さ)hと表示サイズdを、それぞれ適切に調整する必要がある。
次に、距離マーカ34の表示位置の調整方法について、図4を用いて説明する。
図4は、図3A(a),図3B(a),図3C(a)に示した、運転者90の眼球92の位置E1,E2,E3が変動した場合であっても、常に、路面上の点A1から点B1の範囲に亘って距離マーカ34を重畳できるように、距離マーカ34の表示位置(表示高さ)h1,h2,h3と表示サイズd1,d2,d3を設定する方法について説明する図である。
図4からわかるように、距離マーカ34の表示位置(表示高さ)h2,h3は、眼球92の位置E2,E3(眼球92の高さL2,L3)と、結像距離cと、運転者90の眼球92から点B1までの距離b1がわかれば、(式1),(式2)によって求めることができる。
h2={(b1−c)/b1}*L2 (式1)
h3={(b1−c)/b1}*L3 (式2)
ここで、眼球92の高さL2,L3は、眼球位置推定部64aの推定結果に基づいて算出することができる。
また、結像距離cは、車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aの設計パラメータであるため、既知の値である。
さらに、運転者90の眼球92から点B1までの距離b1は、車両20の先端から点B1までの距離と、距離マーカ34の結像位置から運転者90の眼球92までの距離(結像距離c)と、車両20の先端から距離マーカ34の結像位置までの距離が、ともに既知であるため、計算によって求めることができる。したがって、(式1),(式2)によって、距離マーカ34の表示位置(表示高さ)h2,h3を算出することができる。
また、虚像(距離マーカ34)の表示サイズd2,d3は、(式3),(式4)によって求めることができる。
d2=[{(a1−c)/a1}−{(b1−c)/b1}]*L2 (式3)
d3=[{(a1−c)/a1}−{(b1−c)/b1}]*L3 (式4)
ここで、眼球92の高さL2,L3は、眼球位置推定部64aの推定結果に基づいて算出することができる。また、(式3),(式4)の右辺に記載された変数であるa1,b1,cはいずれも既知であるため、(式3),(式4)によって、距離マーカ34の表示サイズd2,d3を算出することができる。
そして、距離マーカ34の表示位置(表示高さ)h2,h3と表示サイズd2,d3が決まれば、その距離マーカ34を生成するために、表示パターン投影部72に表示すべき表示パターン18(非図示)の形態(サイズ)と表示パターン投影部72における表示位置が一意に決定する。すなわち、(式1)〜(式4)によって決定した表示位置(表示高さ)h2,h3に、算出された表示サイズd2,d3の距離マーカ34を表示することによって、運転者90の眼球92の位置に応じた適切な位置に、距離マーカ34を確実に重畳させることができる。
[運転者の眼球位置の推定方法の説明]
次に、眼球位置推定部64aで行う運転者90の眼球92の位置の推定方法について説明する。眼球位置を推定する方法には様々なものがあるが、ここでは、運転者撮像部62で撮像した運転者90の顔面を含む画像の中から、眼球92の位置を検出して、検出された眼球92の位置に基づいて、図3Aに記載した眼球の高さL1を推定する。
運転者撮像部62で撮像された画像に対して、例えば、顔面の左右対称性,眼球が有する明るさ分布等を利用した分析を行うことによって、眼球位置を検出することができる。そして、検出された左右いずれかの眼球の上下方向位置を求め、眼球の高さL1を推定する。あるいは、左右それぞれの眼球の上下方向位置を求めて、その平均値を眼球の高さL1としてもよい。
ここで、運転者撮像部62で撮像した画像における眼球の上下方向位置が高くなるほど、眼球の高さL1も高くなるため、予め、実験によってその対応関係をデータ化して、結果を眼球位置推定部64aに記憶しておく。そして、記憶されたデータの中から、検出された眼球位置に相当する眼球の高さL1を参照することによって、眼球位置を推定することができる。
なお、運転者90によっては、車両20のシートの前後位置や背もたれの角度を調整して着座する場合がある。車両20のシートの前後位置や背もたれの角度は、シートに内蔵したセンサによって検出することができるため、このようにして検出されたシートの前後位置や背もたれの角度も加味することによって、運転者90の眼球92の位置の推定精度をより向上させることもできる。
[表示パターンの投影位置の決定方法、および調整方法の説明]
次に、運転者90の眼球位置に基づいて、表示パターン18の投影位置を決定する方法について、距離マーカ34を例にあげて説明する。
眼球位置推定部64aにおいて、運転者90の眼球92の高さがL1であると推定されると、距離測定部69で測定された先行車32との車間距離を表す距離マーカ34を重畳させる路面上の手前側の位置(図4の点B1)が既知であるから、結像距離cの位置に表示すべき距離マーカ34を表す虚像60の表示位置(表示高さ)hが一意に定まる(具体的には、前述した(式1)または(式2)による)。
そして、このようにして決定した表示位置(表示高さ)hの位置に、虚像60の最下点(距離マーカ34のうち、最も車両20に近接した点B1)を表示するために、表示パターン投影位置調整部66aによって、投影光学系70を構成している光路形成部品26の向きを変更する。
具体的には、表示パターン投影位置調整部66aからの指示によって、画像表示部23aに表示した距離マーカ34の最近接位置を表すマーカが、運転者90の眼球92と路面上の点B1とを結ぶ線分上に重畳されるように、ステップモータ21を回転させる。ステップモータ21は、モータ駆動部28から入力される所定のパルスによって駆動されるとともに、1パルスあたりの回転角度が規定されているため、光路形成部品26の初期位置がわかっていれば、初期位置からの移動角度を把握することができるため、距離マーカ34の投影位置を確実に調整することができる。
[表示パターンの縮尺の決定方法の説明]
次に、運転者90の眼球位置に基づいて、距離マーカ34(表示パターン18)の縮尺を決定する方法について説明する。
前述した通り、運転者90の眼球92の位置が異なると、同じ距離マーカ34を重畳したときに、実際に重畳すべき位置とのずれが発生する。
したがって、表示パターン18(例えば距離マーカ34)を適切な位置に重畳するためには、前述した通り、運転者90の眼球92の位置に応じて、距離マーカ34の上下方向の縮尺を調整する必要がある。
以下、距離マーカ34の縮尺を変更する具体的な方法について説明する。図4において、運転者90の眼球92が、標準の位置よりも高い位置にあるときに表示すべき距離マーカ34の虚像の表示サイズd2、および、運転者90の眼球92が、標準の位置よりも低い位置にあるときに表示すべき距離マーカ34の虚像の表示サイズd3は、眼球92が標準的な位置にあって、表示サイズd1の距離マーカ34が表示されたときに対して、それぞれ、(式5),(式6)によって補正をかける必要がある。
d2=(L2/L1)*d1 (式5)
d3=(L3/L1)*d1 (式6)
これは、眼球92が標準的な位置にあるときに表示した距離マーカ34の表示サイズd1を、眼球92の高さの変動に応じた割合で拡大、または縮小すればよいことを示している。そして、運転者90の眼球92の位置が高いときほど、距離マーカ34は縦方向(上下方向)に拡大して表示する必要があり、運転者90の眼球92の位置が低いときほど、距離マーカ34は縦方向(上下方向)に縮小して表示する必要があることがわかる。
なお、表示パターン18(例えば距離マーカ34)は、その都度、縮尺を計算して生成してもよいが、予め、上下方向の縮尺が異なる複数の表示パターン18を生成して表示パターン生成部68に記憶しておき、運転者90の眼球92の位置を推定した都度、標準位置からの眼球92の高さの変動率に対応する表示パターン18を選択するようにしてもよい。このように、表示パターン18を選択式とすることによって、複雑な演算を行うことなく、適切な縮尺を有する表示パターン18を迅速に生成することができる。
図5A,図5Bに、このようにして生成した表示パターン18によって形成された距離マーカ34を、適切な位置に重畳した例をそれぞれ示す。
図5A(a)は、運転者90の眼球92の位置E2が高い(眼球92の高さL2)場合を示しており、このときに重畳される距離マーカ34は、図5A(b)に示すように、距離マーカ34の縮尺と重畳位置を制御していない図3B(b)と比較すると、適切な位置に重畳されていることがわかる。
また、図5B(a)は、運転者90の眼球92の位置E3が低い(眼球92の高さL3)場合を示しており、このときに重畳される距離マーカ34は、図5B(b)に示すように、距離マーカ34の縮尺と重畳位置を制御していない図3C(b)と比較すると、適切な位置に重畳されていることがわかる。
なお、本実施例では、距離マーカ34の縮尺を、運転者90の眼球92の位置E1,E2,E3のみに応じて一様に変更したが、これは、さらに、距離マーカ34内の位置(車両20からの距離)に応じて縮尺を調整してもよい。すなわち、車両20から遠方の位置ほど、距離マーカを構成している目盛の間隔の縮尺の変化率を小さくし、車両20に近接した位置ほど、距離マーカを構成している目盛の間隔の縮尺の変化率を大きくしてもよい。これによって、等間隔に引かれた目盛が、透視変換の作用によって、近傍ほど疎らに観測され、遠方ほど密に観測される様子を、より一層的確に表現することができる。
[実施例1の処理の流れの説明]
次に、図6のフローチャートを用いて、実施例1の処理の流れを説明する。
(ステップS100)眼球位置推定部64aにおいて、眼球位置推定処理を行う。処理の具体的な内容は前述した通りである。
(ステップS102)表示パターン投影位置調整部66aにおいて、表示パターン18の投影位置決定処理を行う。処理の具体的な内容は前述した通りである。
(ステップS104)表示パターン投影位置調整部66aにおいて決定した投影位置に基づいて、投影光学系70の調整を行う。具体的な調整方法は前述した通りである。
(ステップS106)表示パターン生成部68において、縮尺が調整された表示パターン18を生成する。具体的な生成方法は、前述した通りである。
(ステップS108)表示パターン投影部72に、生成した表示パターン18を表示して投影する。
以下、本発明の車両用ヘッドアップディスプレイ装置の別の実施形態について、図面を参照して説明する。
図7は、本発明の一実施形態である車両用ヘッドアップディスプレイ装置10bの詳細構成を示すブロック図である。この車両用ヘッドアップディスプレイ装置10bは車両20に搭載されて、図1で説明した車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aと同じ全体構成を有しており、細部の構成が異なっている。まず、図7を用いて、車両用ヘッドアップディスプレイ装置10bの詳細構成について説明する。
[詳細構成の説明]
車両用ヘッドアップディスプレイ装置10bは、図7に示すように、車両20に搭載された、フロントウインドウガラス40(透光性部材)と、フロントウインドウガラス40に向けて、例えば、先行車との距離を表す距離マーカ34(表示パターン18)を投影する、液晶パネルからなる表示パターン投影部72と、表示パターン投影部72から投影された距離マーカ34(表示パターン18)をフロントウインドウガラス40に導いて、運転者90の前方に虚像60を形成する投影光学系70と、車両20に乗車している運転者90と、運転者90が、自ら距離マーカ34(表示パターン18)の投影位置を調整する表示パターン投影位置調整部66bと、表示パターン投影位置調整部66bの調整結果に基づいて、運転者90の眼球位置を推定する眼球位置推定部64bと、眼球位置推定部64bで推定された運転者90の眼球位置に基づいて、距離マーカ34(表示パターン18)の縮尺を決定して距離マーカ34(表示パターン18)の縮尺を調整する表示パターン生成部68と、表示パターン投影位置調整部66bの調整結果と距離マーカ34(表示パターン18)の縮尺を記憶する表示パターン記憶部74と、表示パターン記憶部74に記憶された表示パターン投影位置調整部66bの調整結果と距離マーカ34(表示パターン18)の縮尺を読み出して、記憶された位置に記憶された表示パターン18を再現する表示パターン再現部76と、先行車との車間距離を測定する距離測定部69と、からなる。
[運転者の眼球位置の推定方法の説明]
次に、眼球位置推定部64bで行う運転者90の眼球92の位置の推定方法について説明する。眼球位置を推定する方法には様々なものがあるが、ここでは、運転者90が自ら表示パターン投影位置調整部66bを操作することによって、虚像表示された基準マーカ36を所定の位置に合致させて、その結果に基づいて、運転者90の眼球92の位置を推定する。
具体的な処理の内容について、図8を用いて説明する。すなわち、運転者90は、車両20を停車させて、前方に表示された基準マーカ36の虚像を見ながら、図8(a)に示すように、基準マーカ36の表示位置を矢印Nの方向に調整して、図8(b)に示すように、車両20のボンネットの先端に合致させる。
図8(b)の状態になったとき、基準マーカ36は、運転者90の眼球92と車両20のボンネットの先端を結ぶ直線上に表示されている。ここで、虚像の結像距離は予めわかっているため、表示された基準マーカ36の地面からの高さが一意に求まる。
さらに、車両20のボンネット先端の高さ、および、ボンネット先端と基準マーカ36の結像位置との水平距離も既知であるため、基準マーカ36の表示位置と車両20のボンネット先端とを結ぶ直線が一意に決定する。そして、この直線の、基準マーカ36の表示位置から結像距離cだけ車両20の後方側の位置における高さとして、運転者90の眼球92の高さを推定することができる。
なお、運転者90の眼球位置に基づいて、距離マーカ34(表示パターン18)の投影位置と縮尺を決定する方法、および、距離マーカ34(表示パターン18)の投影位置を調整する方法は、いずれも、実施例1で説明した通りであるため、説明を省略する。
[表示パターンの記憶機能の説明]
次に、生成した距離マーカ34(表示パターン18)とその投影位置を記憶する機能について説明する。車両20のイグニッションスイッチを投入するたびに、運転者90の眼球位置を推定するのは非効率である。そこで、車両用ヘッドアップディスプレイ装置10bは、1度推定した運転者90の眼球位置に基づいて調整した、距離マーカ34(表示パターン18)の投影位置と縮尺を、表示パターン記憶部74に記憶する機能を有している。
このとき、各データは、運転者90と対応付けて記憶される。なお、記憶するデータと運転者90との対応付けは、例えば、記憶を行う際に、運転者90が固有の番号を付与することによって行う。これにより、運転者90が変更した場合であっても、各運転者固有の距離マーカ34(表示パターン18)の投影位置と縮尺を運転者毎に記憶しておくことができる。
[表示パターンの再現機能の説明]
次に、記憶された距離マーカ34(表示パターン18)の投影位置と縮尺を読み出して、記憶された距離マーカ34(表示パターン18)を再現する機能について説明する。
車両用ヘッドアップディスプレイ装置10bは、記憶された位置に記憶された表示パターン18を再現する表示パターン再現部76を有しており、運転者90の指示を受けて、表示パターン記憶部74から、その運転者90に対応する記憶データを読み出す。このとき、運転者90は、自身に対応する固有の番号を入力することによって、自分が記憶させたデータを読み出すことができる。
読み出されたデータは、表示パターン投影位置調整部66bに送られて、投影光学系70の投影方向を調整する。さらに、読み出されたデータは、表示パターン生成部68に送られて、運転者90に合った縮尺を有する距離マーカ34の表示パターン18が生成される。このようにして再現された距離マーカ34の表示パターン18は表示パターン投影部72から投影されて、運転者90に合った適切な位置に重畳される。
[実施例2の処理の流れの説明]
次に、図9のフローチャートを用いて、実施例2の処理の流れを説明する。
(ステップS200)表示パターン記憶部74の中に、表示パターン18(例えば距離マーカ34)の記憶データが存在するか否かを判定する。記憶データが存在したときはステップS202に進み、それ以外のときはステップS204に進む。
(ステップS202)表示パターン記憶部74から表示パターン18の記憶データを読み出す。なお、この読み出しは表示パターン再現部76によって行われて、例えば、データの記憶時に入力した、運転者90に対応する固有の番号を指定することによって、運転者90に対応する記憶データが読み出される。
(ステップS204)眼球位置推定部64bにおいて、眼球位置推定処理を行う。処理の具体的な内容は前述した通りであり、運転者90自身が、虚像表示された基準マーカ36を所定の位置に合致させた結果に基づいて、眼球位置が推定される。
(ステップS206)表示パターン投影位置調整部66bにおいて、表示パターン18の投影位置決定処理を行う。処理の具体的な内容は前述した通りである。
(ステップS208)表示パターン生成部68において、表示パターン18の縮尺を決定する。処理の具体的な内容は前述した通りである。
(ステップS210)決定した表示パターン18の縮尺とその投影位置を表示パターン記憶部74に記憶する。このとき、前述したように、各データは、運転者90と対応付けて記憶される。
(ステップS212)表示パターン投影位置調整部66bにおいて決定した投影位置に基づいて、投影光学系70の調整を行う。具体的な調整方法は前述した通りである。
(ステップS214)表示パターン生成部68において、表示パターン18の縮尺を調整する。具体的な調整方法は、前述した通りである。
(ステップS216)表示パターン投影部72に、生成した表示パターン18を表示して投影する。
以上説明したように、実施例1に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aによれば、眼球位置推定部64aが推定した運転者90の眼球92の位置に基づいて、表示パターン投影位置調整部66aが、先行車32(所定の目標物)までの距離を測定する距離測定部69で測定された車間距離に応じた距離マーカ34(表示パターン18)を表す虚像60の投影位置を調整するとともに、表示パターン生成部68が、運転者90の眼球92の位置に応じて縮尺が調整された表示パターン18を生成して表示パターン投影部72に表示する。そして、表示パターン投影部72から投影された表示パターン18は、フロントウインドウガラス40(透光性部材)で反射して、車両20と先行車32(所定の目標物)との間に重畳されて、運転者90が視認可能な虚像60を表示するため、運転者が変わって体格(眼球位置)が変化した場合であっても、重畳位置がずれることなく、なおかつ適切なサイズの虚像を表示することができる。したがって、必要な情報を適切な位置に確実に重畳することができ、必要な情報を確実に伝達することができる。
また、実施例1に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aによれば、表示パターン生成部68は、運転者90の眼球92の位置に応じて、表示パターン18(例えば距離マーカ34)の上下方向の縮尺を調整するため、運転者の体格(眼球位置)が変化した場合であっても、適切な縮尺を有する虚像60が表示され、虚像60の重畳位置のずれの発生を抑制することができる。
そして、実施例1に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置10aによれば、表示パターン生成部68は、予め用意された複数の表示パターンの中から、運転者90の眼球92の位置に応じて、表示パターン投影部72に表示する適切な表示パターンを選択するため、複雑な演算を行うことなく、適切な縮尺を有する虚像60を表示することができる。
さらに、実施例2に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置10bによれば、眼球位置推定部64bは、表示パターン投影部72が運転者90の前方に投影した基準マーカ36によって生成される虚像60の表示位置を、運転者90が表示パターン投影位置調整部66bによって調整して所定の位置に合致させたときの、表示パターン投影位置調整部66bの調整結果に基づいて、運転者90の眼球92の位置を推定するため、特別な装置を使用することなく、運転者90の眼球位置を簡便かつ確実に推定することができる。
また、実施例2に係る車両用ヘッドアップディスプレイ装置10bによれば、表示パターン記憶部74が、表示パターン投影位置調整部66bで決定された表示パターン18の投影位置と、表示パターン生成部68で決定された表示パターン18と、を運転者毎に記憶して、表示パターン再現部76が、運転者90の指示に応じて、表示パターン記憶部74に記憶された、当該運転者90に対応する記憶内容を読み出して、記憶内容に応じた投影位置に、記憶された表示パターン18を投影するため、1度記憶しさえすれば、簡単な操作で、適切な位置へ適切な縮尺の虚像を表示することができる。
なお、実施例1,実施例2では、透光性部材として車両20のフロントウインドウガラス40を用いた例を説明したが、透光性部材としては、フロントウインドウガラス40の他に、フロントウインドウガラス40とは別に設けた透光性を有する反射パネル(別体型コンバイナ)を用いてもよい。
また、実施例1,実施例2では、重畳する表示パターン18として、所定の目標物である先行車32までの距離を表す距離マーカ34を例にあげて説明したが、表示パターン18の具体例は、これに限定されるものではない。例えば、図10に示すように、目標物である交差点までの距離を表す経路誘導マーカ35に対しても、本発明を適用することができる。この場合には、カーナビゲーションシステムで検出した、交差点までの距離に応じた経路誘導マーカ35の表示位置と縮尺を、運転者90の眼球92の位置に応じて調整した後、車両20の前方の路面に重畳することによって、車両20の経路を的確に表示することができる。
さらに、実施例1,実施例2では、表示パターン投影位置調整部66aの指示によって、投影光学系70を構成している光路形成部品26の向きを変更し、距離マーカ34(表示パターン18)の投影位置を調整したが、投影位置の調整方法は、光路形成部品26の向きを変更に限定されるものではない。すなわち、光路形成部品25の向きを変更する構成としてもよい。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。
10a 車両用ヘッドアップディスプレイ装置
18 表示パターン
20 車両
34 距離マーカ
40 フロントウインドウガラス(透光性部材)
60 虚像
62 運転者撮像部
64a 眼球位置推定部
66a 表示パターン投影位置調整部
68 表示パターン生成部
70 投影光学系
72 表示パターン投影部
90 運転者
92 眼球

Claims (4)

  1. 車両に搭載された、表示パターンを表示して投影する表示パターン投影部を有し、前記表示パターン投影部から投影された表示パターンを透光性部材で反射して虚像を表示する車両用ヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記車両から、所定の目標物までの距離を測定する距離測定部と、
    前記車両の運転者の眼球位置を推定する眼球位置推定部と、
    前記眼球位置推定部で推定された眼球位置に基づいて、前記表示パターンの投影位置を調整する表示パターン投影位置調整部と、
    前記眼球位置推定部で推定された眼球位置が標準位置に対して高い場合は、前記表示パターンを拡大して表示し、前記眼球位置が前記標準位置に対して低い場合は、前記表示パターンを縮小して表示する表示パターン生成部と、を有して、前記車両と前記目標物との間に、前記表示パターンを重畳することを特徴とする車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記表示パターン生成部は、予め用意された複数の表示パターンの中から、運転者の眼球位置に応じた表示パターンを選択するものであることを特徴とする請求項1に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記眼球位置推定部は、前記表示パターン投影部が前記車両の前方に投影した、基準マーカによって生成される虚像の表示位置を、運転者が前記表示パターン投影位置調整部によって調整して、所定の位置に合致させたときの、前記基準マーカの投影位置に基づいて、前記運転者の眼球位置を推定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記表示パターン投影位置調整部で決定された前記表示パターンの投影位置と、前記表示パターン生成部で生成された表示パターンと、を運転者毎に記憶する表示パターン記憶部と、
    運転者の指示に応じて、前記表示パターン記憶部に記憶された、前記運転者に対応する記憶内容を読み出して、前記記憶内容に応じた投影位置に、記憶された表示パターンを投影する表示パターン再現部と、を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置。
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