JP6394252B2 - 透明導電フィルム、その製造方法及びタッチパネル - Google Patents

透明導電フィルム、その製造方法及びタッチパネル Download PDF

Info

Publication number
JP6394252B2
JP6394252B2 JP2014204588A JP2014204588A JP6394252B2 JP 6394252 B2 JP6394252 B2 JP 6394252B2 JP 2014204588 A JP2014204588 A JP 2014204588A JP 2014204588 A JP2014204588 A JP 2014204588A JP 6394252 B2 JP6394252 B2 JP 6394252B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
transparent conductive
film
conductive film
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014204588A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016076013A (ja
Inventor
睦美 笠原
睦美 笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2014204588A priority Critical patent/JP6394252B2/ja
Publication of JP2016076013A publication Critical patent/JP2016076013A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6394252B2 publication Critical patent/JP6394252B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、透明導電フィルム、その製造方法及び当該透明導電フィルムを具備したタッチパネルに関する。
従来、指などで触れることにより情報を入力する技術が知られている。その中でも特に注目されている技術として、ディスプレイに表示された種々のボタンを指などで触れることにより、通常のボタンを指などで押した場合と同様の情報入力を可能とする表示装置がある。この技術は、ディスプレイとボタンの共用化を可能にすることから、省スペース化や部品点数の削減という大きなメリットをもたらす。
指などの接触を検出するタッチパネルには、種々のタイプのものが存在するが、スマートフォン等の、多点検出を必要とするデバイスで一般に普及しているものとして、静電容量式が挙げられる。静電容量式のタッチパネルは、例えば、検出面内にマトリックス状の電極パターンを備えており、指などで接触した位置の静電容量変化を検出するようになっている。
さらに近年、スマートフォン以外にも、タブレットやノートパソコンなどにもタッチパネルが搭載され、携帯情報端末として用途拡大が見込まれ、それに伴いタッチパネルの大型化、軽量化、薄膜化が要望されていた。また、タッチパネルを搭載した表示装置の用途として、近年、曲面の表示装置が挙げられる。
タッチパネルの基材としては、透明導電層形成時のプロセス温度が比較的高温のため、従来、ガラス基材が用いられてきた。前記ガラス基材を用いたタッチパネルは、タッチパネル作製に対する耐久性が高い反面、薄膜化が困難であり、輸送時に破損及びタッチパネル搭載端末の操作時のガラス割れによって機能が停止してしまうといった問題があった。
上記問題を解決するために、ガラス基材から樹脂基材の透明導電フィルムに置き換えることが考えられてきた。
しかしながら、薄膜化した透明導電フィルムは、カールの調整が困難であり、表示装置との組合せ工程において歩留りを低下させてしまう。また、薄膜化した透明導電フィルムは、従来のタッチパネルと比較して、指やタッチペンなどの接触による透明導電層の劣化が生じやすく、打鍵に対する耐久性を持たせるのは困難であった。
上記の問題に対して、特許文献1では、基材フィルムが薄膜であるが、前記基材フィルムの電極部が設けられた同面かつ非表示領域内に、前記電極部と電気的に接続されるように設けられた導電を有した引き回し配線の厚みを制御することで、カールを抑制できると開示しているが、特許文献1ではその効果は示されておらず、さらに、薄膜樹脂基材を用いたときには打鍵に対する耐久性が不十分であった。
一方、特許文献2では、特定分子量の紫外線吸収剤を含有し、タッチロールを用いた融膜製膜法で作製されたシクロオレフィン樹脂フィルムが開示されている。しかしながら、この製法で作製された基材を用いると、紫外線吸収剤が微量であっても長期間使用した際に工程を汚染してしまうことや、平面性の高い紫外線吸収剤樹脂を用いることでフィルム表面に微結晶ができることで、透明導電フィルムの樹脂基材としてはカール抑制及び打鍵耐久性に問題があった。
特開2013−214173号公報 特開2008−274266号公報
そこで、本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、カールが抑制され、打鍵に対する耐久性に優れた薄膜の透明導電フィルム、その製造方法及び当該透明導電フィルムを具備したタッチパネルを提供することである。特には、スマートフォンやタブレットよりも大きいノートパソコンなどにおいても、上記性質に優れたタッチパネル用薄膜透明導電フィルム、タッチパネル用薄膜透明導電フィルムの製造方法及びタッチパネルを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、樹脂基材の少なくとも一方に、表面保護層を有し、前記表面保護層上に透明導電層を有する透明導電フィルムであって、前記樹脂基材が、溶液流延法で作製され、特定一般式で表される構造を有する含窒素複素環化合物を含有し、かつ、特定式を満たすシクロオレフィン重合体フィルムであり、前記透明導電層の抵抗値が、特定の範囲内であることを特徴とする透明導電フィルムを用いることによって、カールが抑制され、打鍵に対する耐久性に優れることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、下記の手段により解決される。
1.樹脂基材の少なくとも一方に、表面保護層を有し、前記表面保護層上に透明導電層を有する透明導電フィルムであって、
前記樹脂基材が、溶液流延法で作製され、下記一般式(I−1)又は一般式(II)で表される構造を有する含窒素複素環化合物を含有し、かつ、下記式(a)及び(b)を満たすシクロオレフィン重合体フィルムであり、
前記シクロオレフィン重合体が、少なくとも一般式(A−2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体からなるシクロオレフィン重合体であり、
前記透明導電層の抵抗値が、0.01〜150Ω/□の範囲内であることを特徴とする
透明導電フィルム。
Figure 0006394252
Figure 0006394252
(上記一般式(I−1)又は一般式(II)において、A、A、及びBは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表す。T及びTは、含窒素複素環であり、それぞれ独立に、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,3,5−トリアジン環、1,2,3−トリアゾール環又は1,2,4−トリアゾール環を表す。L、L、L及びLは、それぞれ独立に、単結合又は、2価の連結基を表す。mは、0〜5の整数、nは、1〜3の整数を表す。)
式(a):光線透過率(380nm)≧5%
式(b):5μm≦膜厚(d)≦40μm
Figure 0006394252
(一般式(A−2)中、R は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基、又は炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルシリル基を表す。R は、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。pは、0〜2の整数を表す。)
2.前記含窒素複素環化合物の添加量が、前記樹脂基材に対して0.5〜10質量%の範囲内であることを特徴とする第1項に記載の透明導電フィルム。
.前記含窒素複素環化合物が、下記一般式(I−2)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする第1項又は2項に記載の透明導電フィルム。
Figure 0006394252
(一般式(I−2)中、A、A、L、L、L及びLは、それぞれ前記一般式(I−1)におけるA、A、L、L、L及びLと同義である。T3は、ピ
ラゾール環を表す。)
.前記透明導電層の抵抗値が、0.1〜100Ω/□の範囲内であり、かつ、前記透明
導電層が、銅メッシュを含有することを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の透明導電フィルム。
.第1項から第項までのいずれか一項に記載の透明導電フィルムの製造方法であって、前記樹脂基材を溶液流延法で作製することを特徴とする透明導電フィルムの製造方法。
.第1項から第項までのいずれか一項に記載の透明導電フィルム、又は、第項に記載の透明導電フィルムの製造方法で得られた透明導電フィルムを具備することを特徴とするタッチパネル。
本発明の上記手段により、薄膜の透明導電フィルムにも関わらず、カールが抑制され、打鍵に対する耐久性に優れた薄膜のタッチパネル用薄膜透明導電フィルム、タッチパネル用薄膜透明導電フィルムの製造方法及びタッチパネルを提供することが可能となる。また、大型のノートパソコンにおいても同様の効果を提供することも可能となる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
薄膜の透明導電フィルムにおいて、打鍵に対する耐久性が低くなる要因としては、次のように考えている。すなわち、透明導電層は、微小な膜厚偏差及び微小な傷の影響をうけてしまうため、表面保護層が必要となる。ただ、透明導電フィルムを薄膜化する際に、樹脂基材の膜厚比率が高いために、樹脂基材が薄膜化の対象になる。その際に、樹脂基材には打鍵時に多くの負荷がかかり、樹脂基材の表面状態が表面保護層及び透明導電層の性能に影響してくることになり、樹脂基材表面上の微結晶が、表面保護層のクラック発生要因及び密着性の低下に寄与し、透明導電フィルムの打鍵時に劣化してしまうと推測している。
本発明者らは、検討を進めた結果、上記手段を採用することにより、樹脂基材表面上の微結晶の発生を抑制できたと考える。これは、溶液製膜時の乾燥時には、溶媒が揮発するため、融膜製膜と比べて樹脂基材表面の密度が低くなるが、紫外線吸収剤のような平面性の高い化合物を使用すると、溶液製膜であっても基材表面上に微結晶が発生してしまうが、本発明に係る含窒素複素環化合物を用いることで溶媒揮発時の再凝集が抑制できたと推測する。また、上記により、樹脂基材表面の平滑性が優れるため、透明導電層の抵抗値もあわせて制御することで、透明導電フィルムのカールを抑制することができる。
本発明の透明導電フィルムの構成の一例を示す概略断面図 本発明のタッチパネルの構成の一例を含んだ表示装置の概略断面図
本発明の透明導電フィルムは、樹脂基材の少なくとも一方に、表面保護層を有し、前記表面保護層上に透明導電層を有する透明導電フィルムであって、
前記樹脂基材が、溶液流延法で作製され、前記一般式(I−1)又は一般式(II)で表される構造を有する含窒素複素環化合物を含有し、かつ、前記式(a)及び(b)を満たすシクロオレフィン重合体フィルムであり、
前記透明導電層の抵抗値が、0.01〜150Ω/□の範囲内であることを特徴とする。
また、前記シクロオレフィン重合体が、少なくとも前記一般式(A−2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体からなるシクロオレフィン重合体であることを特徴とし、これにより樹脂同士の凝集を抑制するだけではなく、含窒素複素環化合物の微結晶の発生を抑制することができる。この特徴は、本実施形態に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記含窒素複素環化合物の添加量が、前記樹脂基材に対して0.5〜10質量%の範囲内であることが、微結晶の発生を抑制、及び光学調整の観点で好ましい
た、前記含窒素複素環化合物が、前記一般式(I−2)で表されることが、微結晶の発生をさらに抑制し、カール抑制の観点で好ましい。
また、前記透明導電層の抵抗値が0.1〜100Ω/□の範囲内であり、かつ、前記透明導電層が、銅メッシュを含有することが、本願のように薄膜の樹脂基材を用いた際には、打鍵時の断線抑制の観点で好ましい。
また、前記透明導電層フィルムの樹脂基材が溶液流涎法で作製する製造方法であることを特徴とする。これにより、微結晶の発生を抑制できる観点で好ましい。
本発明のタッチパネルは、前記の透明導電フィルムを具備することを特徴とする。これにより、薄膜の透明導電フィルムにも関わらず、カールが抑制され、打鍵に対する耐久性に優れたタッチパネルとすることができ、また、大型のノートパソコンにおいても同様の効果を提供することも可能となる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本発明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《透明導電フィルムの構成概要》
本発明の透明導電フィルムは、樹脂基材の少なくとも一方に、表面保護層を有し、前記表面保護層上に透明導電層を有することを特徴とする。
本発明の透明導電フィルムの構成態様としては、(i)透明導電層、表面保護層、樹脂基材の順に設けてなる透明導電フィルム、又は(ii)透明導電層、表面保護層、樹脂基材、表面保護層の順に設けてなる透明導電フィルムであることが好ましい。
(i)の構成に関しては、反復接触による透明導電層の劣化を抑制する観点から好ましく、(ii)の構成に関しては、透明導電フィルムのカール抑制の観点で好ましい。
そして、本発明に係る透明導電フィルム全体の厚さは特に制限はないが、撓み防止、良好な抵抗値、取り扱い性等の観点から7〜80μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは10〜60μmの範囲内である。
本発明の構成の一例として図1に示すように透明導電フィルム1は、樹脂基材2上に表面保護層3、透明導電層4が順に積層されて設けられている。また、樹脂基材2の他方の面には表面保護層3が設けられている。
以下、各構成層の構成要素について詳細な説明をする。
《樹脂基材》
本発明に係る樹脂基材は、液流延法で作製され、下記一般式(I−1)又は一般式(II)で表される構造を有する含窒素複素環化合物を含有し、かつ、波長380nmの光の透過率及び膜厚が下記式(a)及び(b)を満たすシクロオレフィン重合体フィルムであることを特徴とする。
式(a):光線透過率(380nm)≧5%
式(b):5μm≦膜厚(d)≦40μm
すなわち、本発明における樹脂基材は、シクロオレフィン重合体を主成分とするフィルムであり、シクロオレフィン系重合体は、透明性、機械的強度、熱安定性、及び水分遮蔽性などに優れる。
本発明に係る樹脂基材の膜厚は、5〜40μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは10〜30μmの範囲内である。樹脂基材の膜厚が5μm以上であれば加工適正が確保でき、40μm以下であれば透明導電層の断線が生じにくい。
(シクロオレフィン重合体)
シクロオレフィン重合体としては、種々のシクロオレフィン単量体の重合体を用いることができるが、ノルボルネン骨格を有するシクロオレフィン単量体を単独重合あるいは共重合して得られる重合体を用いることが好ましい。
以下において、本発明で用いられるシクロオレフィン単量体の説明をする。
本発明に係るシクロオレフィン重合体は、下記で示される一般式(A−1)及び(A−2)で表されるシクロオレフィン単量体から単独重合あるいは共重合して得られる重合体である。
一般式(A−1)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体を説明する。
Figure 0006394252
(一般式(A−1)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、;ハロゲン原子;、酸素、窒素、イオウ又はケイ素を含む連結基を有していてもよい置換又は非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;又は極性基を表す。pは、0〜2の自然数を表す。)
上記極性基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基であることが、溶液製膜時の溶解性を確保する観点で好ましい。
次に、一般式(A−2)で表されるシクロオレフィン単量体を説明する。
Figure 0006394252
(一般式(A−2)中、Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基、又は炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルシリル基を表す。Rは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。pは、0〜2の整数を表す。)
本発明においては、一般式(A−2)で表されるように、置換基R及びRが片側炭素に置換されたシクロオレフィン単量体を用いることで、分子の対称性が崩れたためか溶媒揮発時の樹脂同士の拡散運動を促進し、それに伴い含窒素複素環化合物の微結晶化を抑制し、打鍵性の観点で好ましい。
は、炭素数1〜3の炭化水素基、Rは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基であることが、溶液製膜時の溶解性を確保する観点でも好ましい。
以下に、本願における一般式(A−1)及び(A−2)を具体的に示すが、以下の具体例によって何ら限定されることはない。
Figure 0006394252
Figure 0006394252
Figure 0006394252
シクロオレフィン重合体としては、ノルボルネン骨格を有する前記一般式(A−1)及び(A−2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体を単独重合又は共重合して得られる重合体であり、例えば以下のものが挙げられ、(1)〜(3)が好ましく、(3)がより好ましい。
(1)シクロオレフィン単量体の開環重合体
(2)シクロオレフィン単量体と共重合性単量体との開環共重合体
(3)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体
(4)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化し
たのち、水素添加した(共)重合体
(5)シクロオレフィン単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和重合体
(6)シクロオレフィン系単量体の付加型(共)重合体及びその水素添加(共)重合体
(7)シクロオレフィン系単量体とメタクリレート、又はアクリレートとの交互共重合体
本発明に係る好ましいシクロオレフィン重合体としては、下記一般式(B−1)及び一般式(B−2)で表される構造単位を有するものが挙げられる。このようなシクロオレフィン重合体は、一般式(B−1)で表される構造単位のみ、式(B−2)で表される構造単位のみ、式(B−1)と式(B−2)のそれぞれの構造単位を含む共重合体でもよい。
好ましくは、式(B−2)の構造体のみ、又は一般式(B−1)と一般式(B−2)の両者の構造単位を含む共重合体の樹脂である。得られるシクロオレフィン重合体のガラス転移温度が高くかつ透過率の高い優れたものとなる点で好ましい。
Figure 0006394252
(一般式(B−1)中、Xは、−CH=CH−で表される基又は式:−CHCH−で表される基である。R〜Rは、それぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウ又はケイ素を含む連結基を有していてもよい置換又は非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;又は極性基を表す。pは、0〜2の自然数を表す。)
Figure 0006394252
(一般式(B−2)中、Xは、−CH=CH−で表される基又は式:−CHCH−で表される基である。Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基、又は炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルシリル基を表す。Rは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。pは、0〜2の整数を表す。)
本明細書では、本願に係るシクロオレフィン重合体の製造方法等については、特開2008−107534号公報の記載を援用するものとし、その説明を省略する。
(含窒素複素環化合物)
本発明に係る樹脂基材は、耐打鍵性及び光学調整のために、下記一般式(I−1)又は一般式(II)で表される構造を有する含窒素複素環化合物を含有していることを特徴とする。
含窒素複素環化合物は、分子量が100〜800の範囲内である含窒素複素環化合物であり、中でも下記一般式(I−1)、一般式(II)で表される構造を有する化合物を用いれば、樹脂基材表面上での微結晶化を抑制し、耐打鍵性の観点で好ましい。
本発明の樹脂基材に係る含窒素複素環化合物の添加量としては、樹脂基材の固形分に対して0.5〜10質量%の範囲内であることが好ましく、さらには3〜6質量%の範囲内であることが好ましい。含窒素複素環化合物の添加量が0.5質量%以上であると、光学調整が行いすく、含窒素複素環化合物が10質量%以下であると、打鍵時の透明導電層の断線が生じにくい。
なお、ここでいう樹脂基材とは、樹脂フィルムを構成する樹脂のみのことをいい、上記含窒素複素環化合物の添加量とは、樹脂フィルムを構成する樹脂のみの質量に対する添加量である。
(一般式(I−1)で表される構造を有する化合物)
Figure 0006394252
(一般式(II)で表される構造を有する化合物)
Figure 0006394252
上記一般式(I−1)、一般式(II)において、A、A及びBは、それぞれ独立に、アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等)、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表す。この中で、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環が好ましく、特に、5員若しくは6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環であることが好ましい。
5員若しくは6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環の構造に制限はないが、例えば、ベンゼン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、フラン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、イソオキサジアゾール環、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、イソチアジアゾール環等が挙げられる。
、A及びBで表される5員若しくは6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環は、置換基を有していてもよく、当該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等)、アルケニル基(ビニル基、アリル基等)、シクロアルケニル基(2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基等)、アルキニル基(エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素環基(フェニル基、p−トリル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(2−ピロール基、2−フリル基、2−チエニル基、ピロール基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、ピラゾリノン基、ピリジル基、ピリジノン基、2−ピリミジニル基、トリアジン基、ピラゾール基、1,2,3−トリアゾール基、1,2,4−トリアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、1,2,4−オキサジアゾール基、1,3,4−オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、1,2,4−チオジアゾール基、1,3,4−チアジアゾール基等)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等)、アシルオキシ基(ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等)、アミノ基(アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等)、アシルアミノ基(ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等)、メルカプト基、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等)、スルファモイル基(N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N′−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等)、スルホ基、アシル基(アセチル基、ピバロイルベンゾイル基等)、カルバモイル基(カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等)等の各基が挙げられる。
前記一般式(I−1)、一般式(II)において、A、A及びBは、ベンゼン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,3−トリアゾール環又は1,2,4−トリアゾール環を表すことが、樹脂基材の透過率の観点で好ましい。
前記一般式(I−1)、一般式(II)において、T及びTは、それぞれ独立に、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,3,5−トリアジン環、1,2,3−トリアゾール環又は1,2,4−トリアゾール環を表すことが好ましい。これらの中で、耐打鍵性に優れた樹脂基材が得られるために、ピラゾール環であることが特に好ましい。
及びTで表されるピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環又は1,2,4−トリアゾール環、イミダゾール環は、互変異性体であってもよい。
ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,3−トリアゾール環又は1,2,4−トリアゾール環の具体的な構造を下記に示す。
Figure 0006394252
上記式中、※は一般式(I−1)、一般式(II)におけるL、L、L又はLとの結合位置を表す。
は、水素原子又は非芳香族置換基を表す。
で表される非芳香族置換基としては、前記一般式(I−1)、一般式(II)におけるAが有してもよい置換基のうちの非芳香族置換基と同様の基を挙げることができる。
で表される置換基が芳香族基を有する置換基の場合、AとT又はBとTがねじれやすくなり、平面性が崩れるため、樹脂基材の表面上で微結晶化を抑制できると推測する。
前記一般式(I−1)、一般式(II)において、T及びTは置換基を有してもよく、当該置換基としては、前記一般式(I−1)、一般式(II)におけるA及びAが有してもよい置換基と同様の基を挙げることができる。
前記一般式(I−1)、一般式(II)において、L、L、L及びLは、それぞれ独立に、単結合又は、2価の連結基を表し、2個以下の原子を介して、5員若しくは6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環が連結されている。
2個以下の原子を介してとは、連結基を構成する原子のうち連結される置換基間に存在する最小の原子数を表す。
連結原子数2個以下の2価の連結基としては、特に制限はないが、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、O、(C=O)、NR、S、(O=S=O)からなる群より選ばれる2価の連結基であるか、それらを2個組み合わせた連結基を表す。Rは、水素原子又は置換基を表す。Rで表される置換基の例には、アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等)、芳香族炭化水素環基(フェニル基、p−トリル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ピリジル基等)、シアノ基等が含まれる。
、L、L及びLで表される2価の連結基は、置換基を有してもよく、置換基としては特に制限はないが、例えば、前記一般式(I−1)、一般式(II)におけるA及びAが有してもよい置換基と同様の基を挙げることができる。
前記一般式(I−1)、一般式(II)において、L、L、L及びLは、前記一般式(I−1)、一般式(II)で表される構造を有する化合物の平面性が高くなることで、表面保護層との密着性を向上すると推測しており、単結合又は、O、(C=O)−O、O−(C=O)、(C=O)−NR又はNR−(C=O)であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
前記一般式(I−1)、一般式(II)において、mは、0〜5の整数を表し、nは、1〜3の整数を表す。m及びnが2以上の整数を表すとき、前記一般式(I−1)、一般式(II)における複数のA、T、L、及びLは同じであってもよく、異なっていてもよい。
〈一般式(I−2)で表される構造を有する化合物〉
一般式(I−1)で表される構造を有する化合物は、一般式(I−2)で表される構造を有するピラゾール化合物であることが好ましい。
ベンゼン環にメタ位に置換され、かつ含窒素芳香環がピラゾール環であることで、高い打鍵耐性を得ることができる。これは表面保護層形成時に強いアンカー効果が得られたためと推測する。
Figure 0006394252
(一般式(I−2)中、A、A、L、L、L及びLは、それぞれ前記一般式(I−1)におけるA、A、L、L、L及びLと同義であり、T3は、ピラゾール環を表す。)
前記一般式(I−1)、(II)、及び(I−2)で表される構造を有する化合物は、水和物、溶媒和物又は塩を形成してもよい。なお、本発明において、水和物は有機溶媒を含んでいてもよく、また溶媒和物は水を含んでいてもよい。すなわち、「水和物」及び「溶媒和物」には、水と有機溶媒のいずれも含む混合溶媒和物が含まれる。
塩としては、無機又は有機酸で形成された酸付加塩が含まれる。無機酸の例として、ハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸など)、硫酸、リン酸などが含まれ、またこれらに限定されない。また、有機酸の例には、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、クエン酸、安息香酸、アルキルスルホン酸(メタンスルホン酸など)、アリルスルホン酸(ベンゼンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸など)などが挙げられ、またこれらに限定されない。これらのうち好ましくは、塩酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩である。
塩の例としては、親化合物に存在する酸性部分が、金属イオン(例えばアルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム又はマグネシウム塩、アンモニウム塩アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又はアルミニウムイオンなど)により置換されるか、又は有機塩基(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペリジン、など)と調整されたときに形成される塩が挙げられ、またこれらに限定されない。これらのうち好ましくはナトリウム塩、カリウム塩である。
溶媒和物が含む溶媒の例には、一般的な有機溶媒のいずれも含まれる。具体的には、アルコール(例、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、t−ブタノール)、エステル(例、酢酸エチル)、炭化水素(
例、トルエン、ヘキサン、ヘプタン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン)、ニトリル(例、アセトニトリル)、ケトン(アセトン)などが挙げられる。好ましくは、アルコール(例、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、t−ブタノール)の溶媒和物である。これらの溶媒は、前記化合物の合成時に用いられる反応溶媒であっても、合成後の晶析精製の際に用いられる溶媒であってもよく、又はこれらの混合であってもよい。
また、2種類以上の溶媒を同時に含んでもよいし、水と溶媒を含む形(例えば、水とアルコール(例えば、メタノール、エタノール、t−ブタノールなど)など)であってもよい。
なお、前記一般式(I−1)、(II)、及び(I−2)で表される構造を有する化合物を、水や溶媒、塩を含まない形態で添加しても、本発明におけるシクロオレフィン重合体フィルム中において、水和物、溶媒和物又は塩を形成してもよい。
以下に、本発明に用いられる含窒素化合物を示すが、以下の具体例によって何ら限定されることはない。なお、前述のように、以下の具体例は互変異性体であってもよく、水和物、溶媒和物又は塩を形成していてもよい。
Figure 0006394252
Figure 0006394252
Figure 0006394252
Figure 0006394252
Figure 0006394252
次に、前記一般式(I−1)、(I−2)で表される構造を有する化合物の製造方法について説明する。
前記一般式(I−1)、(I−2)で表される構造を有する化合物は、公知の方法で合成することができる。反応に用いる溶媒としては、原料と反応しない溶媒であれば、いかなる溶媒でも構わないが、エステル系(例えば、酢酸エチル、酢酸メチル等)、アミド系(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、エーテル系(エチレングリコールジメチルエーテル等)、アルコール系(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等)、芳香族炭化水素系(例えば、トルエン、キシレン等)、水を挙げられることができる。
使用する溶媒として、好ましくは、アルコール系溶媒である。また、これらの溶媒は、混合して用いても良い。
溶媒の使用量は、特に制限はないが、使用するヒドラジド誘導体の質量に対して、0.5〜30倍量の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、1.0〜25倍量の範囲内であり、特に好ましくは、3.0〜20倍量の範囲内である。
ニトリル誘導体とヒドラジド誘導体を反応させる場合、触媒を使用しなくても構わないが、反応を加速させるために触媒を使用する方が好ましい。
使用する触媒としては、酸を用いても良く、塩基を用いても良い。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等が挙げられ、好ましくは塩酸である。酸は、水に希釈して添加しても良く、ガスを系中に吹き込む方法で添加しても良い。塩基としては、無機塩基(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)及び有機塩基(ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、カリウムエチラート、ナトリウムブチラート、カリウムブチラート、ジイソプロピルエチルアミン、N,N′−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N−メチルモルホリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、ピリジン等)のいずれを用いて良く、無機塩基としては、炭酸カリウムが好ましく、有機塩基としては、ナトリウムエチラート、ナトリウムブチラートが好ましい。無機塩基は、粉体のまま添加しても良く、溶媒に分散させた状態で添加しても良い。また、有機塩基は、溶媒に溶解した状態(例えば、ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液等)で添加しても良い。
触媒の使用量は、反応が進行する量であれば特に制限はないが、形成されるトリアゾール環に対して1.0〜5.0倍モルの範囲内が好ましく、さらに1.05〜3.0倍モルの範囲内が好ましい。
イミノエーテル誘導体とヒドラジド誘導体を反応させる場合は、触媒を用いる必要がなく、溶媒中で加熱することにより目的物を得ることができる。
反応に用いる原料、溶媒及び触媒の添加方法は、特に制限がなく、触媒を最後に添加しても良く、溶媒を最後に添加しても良い。また、ニトリル誘導体を溶媒に分散又は溶解させ、触媒を添加した後、ヒドラジド誘導体を添加する方法も好ましい。
反応中の溶液温度は、反応が進行する温度であればいかなる温度でも構わないが、好ましくは、0〜150℃の範囲内であり、さらに好ましくは、20〜140℃の範囲内である。また、生成する水を除去しながら、反応を行っても良い。
反応溶液の処理方法は、いかなる手段を用いても良いが、塩基を触媒として用いた場合は、反応溶液に酸を加えて中和する方法が好ましい。中和に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸又は酢酸等が挙げられるが、特に好ましくは酢酸である。中和に使用する酸の量は、反応溶液のpH(25℃)が4〜9になる範囲であれば特に制限はないが、使用する塩基に対して、0.1〜3倍モルの範囲内が好ましく、特に好ましくは、0.2〜1.5倍モルの範囲内である。
反応溶液の処理方法として、適当な有機溶媒を用いて抽出する場合、抽出後に有機溶媒を水で洗浄した後、濃縮する方法が好ましい。ここでいう適当な有機溶媒とは、酢酸エチル、トルエン、ジクロロメタン、エーテル等非水溶性の溶媒、又は、前記非水溶性の溶媒とテトラヒドロフラン又はアルコール系溶媒との混合溶媒のことであり、好ましくは酢酸エチルである。
一般式(I−1)、(I−2)で表される構造を有する化合物を晶析させる場合、特に制限はないが、中和した反応溶液に水を追加して晶析させる方法、又は、一般式(I−1)、(I−2)で表される構造を有する化合物が溶解した水溶液を中和して晶析させる方法が好ましい。
また、一般式(II)の製造方法等については、欧州特許第1479397号の記載を援用するものとし、その説明を省略する。
(例示化合物74の合成)
例示化合物74は、以下のスキームによって合成することができる。
Figure 0006394252
脱水テトラヒドロフラン520mlにアセトフェノン80g(0.67mol)、イソフタル酸ジメチル52g(0.27mol)を加え、窒素雰囲気下、氷水冷で撹拌しながら、ナトリウムアミド52.3g(1.34mol)を少しずつ滴下した。氷水冷下で3時間撹拌した後、水冷下で12時間撹拌した。反応液に濃硫酸を加えて中和した後、純水及び酢酸エチルを加えて分液し、有機層を純水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗結晶にメタノールを加えて懸濁洗浄することにより、中間体Aを55.2g得た。
テトラヒドロフラン300ml、エタノール200mlに中間体A55g(0.15mol)を加え、室温で撹拌しながら、ヒドラジン1水和物18.6g(0.37mol)を少しずつ滴下した。滴下終了後、12時間加熱還流した。反応液に純水及び酢酸エチルを加えて分液し、有機層を純水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗結晶をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)で精製することによって、例示化合物74を27g得た。
得られた例示化合物74のH−NMRスペクトルは以下のとおりである。なお、互変異性体の存在により、ケミカルシフトが複雑化するのを避けるために、測定溶媒にトリフルオロ酢酸を数滴加えて測定を行った。
H−NMR(400MHz、溶媒:重DMSO、基準:テトラメチルシラン)δ(p
pm):8.34(1H、s)、7.87〜7.81(6H、m)、7.55〜7.51
(1H、m)、7.48〜7.44(4H、m)、7.36〜7.33(2H、m)、7
.29(1H、s)
その他の化合物についても同様の方法によって合成が可能である。
(その他の添加剤)
本発明における樹脂基材には、前記光学調整以外に可塑剤、酸化防止剤、マット剤、光安定剤、光学異方性制御剤、帯電防止剤、剥離剤などを含んでよい。以下に詳細を記す。
((可塑剤))
可塑剤とは、一般的には高分子中に添加することによって脆弱性を改良したり、溶融粘度を低下させたり、柔軟性を付与したりする効果のある添加剤であるが、例えば本発明における好ましい態様の樹脂の場合、透湿度を改善するためにも添加されるため、透湿防止剤としての機能を有する。
本発明において可塑剤として用いることができるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールを重合することにより得られ、ジカルボン酸構成単位(ジカルボン酸に由来する構成単位)の70%以上が芳香族ジカルボン酸に由来し、かつジオール構成単位(ジオールに由来する構成単位)の70%以上が脂肪族ジオールに由来する。
芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位の割合は70%以上、好ましくは80%以上、
さらに好ましくは90%以上である。
脂肪族ジオールに由来する構成単位の割合は70%以上、好ましくは80%以上、さら
に好ましくは90%以上である。ポリエステル樹脂は、二種以上を併用してもよい。
前記芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナ
フタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,4′−ビフェニルジカ
ルボン酸等及びこれらのエステル形成性誘導体が例示できる。
ポリエステル樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲でアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸を用いることができる。
前記脂肪族ジオールとして、エチレングリコール、1,3−プロピレンジオール、1,
4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール
等及びこれらのエステル形成性誘導体が例示できる。
ポリエステル樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲でブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のモノアルコール類や、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類を用いることもできる。
ポリエステル樹脂の製造には、公知の方法である直接エステル化法やエステル交換法を適用することができる。ポリエステル樹脂の製造時に使用する重縮合触媒としては、公知の三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、酢酸チタン等のチタン化合物、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物等が例示できるが、これらに限定されない。
好ましいポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキレート樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−テレフタレート−4,4′−ビフェニルジカルボキシレート樹脂、ポリ−1,3−プロピレン−テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂等がある。
より好ましいポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂の固有粘度(フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/40質量比混合溶媒中、25℃で測定した値)は、0.7〜2.0dl/gの範囲内が好ましく、より好ましくは0.8〜1.5dl/gの範囲内である。固有粘度が0.7dl/g以上であるとポリエステル樹脂の分子量が充分に高いために、これを使用して得られるポリエステル樹脂組成物からなる成形物が成形物として必要な機械的性質を有すると共に、透明性が良好となる。固有粘度が2.0dl/g以下の場合、成形性が良好となる。他の可塑剤としては、特開2013−97279の段落0065〜0080の一般式(PEI)及び一般式(PEII)に記載の化合物を用いてよい。
((酸化防止剤))
酸化防止剤は、例えば、樹脂基材中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等により樹脂基材が分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、フィルム中に含有させるのが好ましい。
このような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることができる。
特に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また、例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
((マット剤))
本発明に係る樹脂基材には、作製されたフィルムがハンドリングされる際に、傷が付いたり、搬送性が悪化することを防止するために、マット剤として、微粒子を添加することも好ましい。
微粒子としては、無機化合物の微粒子や樹脂の微粒子が挙げられる。無機化合物の微粒子の例として、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等を挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化ケイ素が好ましい。
微粒子の一次粒子の平均粒径は、5〜400nmの範囲内が好ましく、さらに好ましいのは10〜300nmの範囲内である。これらは主に粒径0.05〜0.3μmの範囲内の2次凝集体として含有されていてもよく、平均粒径80〜400nmの範囲内の粒子であれば凝集せずに一次粒子として含まれていることも好ましい。
フィルム中のこれらの微粒子の含有量は、0.01〜1質量%の範囲内であることが好ましく、特に0.05〜0.5質量%の範囲内であることが好ましい。
共流延法による多層構成のλ/4位相差フィルムの場合は、表面にこの添加量の微粒子を含有することが好ましい。二酸化ケイ素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル、株式会社製)の商品名で市販されており、使用することができる。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル株式会社製)の商品名で市販されており、使用することができる。
樹脂の微粒子の例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン株式会社製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でもアエロジル200V、アエロジルR972Vが、樹脂基材のヘイズを低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましく用いられる。
本発明に係る樹脂基材においては、少なくとも一方の面の動摩擦係数が0.2〜1.0の範囲内であることが好ましい。
《表面保護層》
本発明の表面保護層は、透明導電フィルムの製造方法においては、樹脂基材の少なくとも一方の面上に形成される。樹脂基材に表面保護層を設けることで、透明導電層加工前の搬送による表層の傷の発生を抑制でき、透明導電層との密着性を向上させることが可能となる。
本発明に係る表面保護層の形成に使用される硬化型樹脂としては、熱硬化型樹脂や活性エネルギー線硬化型樹脂が挙げられるが、成形が容易なことから、活性エネルギー線硬化型樹脂が好ましく用いることができる。
(1)熱硬化型樹脂
熱硬化型樹脂は、特に制限はなく、具体的には、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビニルベンジル樹脂等の種々の熱硬化性樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するものであれば良く、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(具体的には、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルトルイジン、ジグリシジルアニリン等)、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェ
ノール類のグリシジルエーテル化物、及びアルコール類のジグリシジルエーテル化物、並びにこれらのエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物及び水素添加物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用しても良い。
(2)活性エネルギー線硬化型樹脂
本発明において好適に用いることができる活性エネルギー線硬化型樹脂とは、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させて、活性エネルギー線硬化型樹脂層が形成される。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化する紫外線硬化型樹脂が好ましい。
(2.1)紫外線硬化型樹脂
以下、本発明に係る表面保護層の形成に好適な紫外線硬化型樹脂について説明する。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、又はプレポリマーを反応させて得られた生成物に、さらに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシ基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号公報に記載の樹脂を用いることができる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151112号公報に記載の樹脂を用いることができる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることができ、特開平1−105738号公報に記載のものを用いることができる。
また、本発明では、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂を用いることが好ましく、このような化合物としては、例えば、多官能アクリレート樹脂等が挙げられる。ここで、多官能アクリレート樹脂とは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基又はメタクロイルオキシ基を有する化合物である。
多官能アクリレート樹脂のモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレートテトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタグリセロールトリメタクリレートペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセリントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートが挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独又は2種以上を混合して用いられる。また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであっても良い。
本発明において適用可能な紫外線硬化型樹脂の市販品としては、例えば、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、(株)ADEKA製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、
M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学(株)製);セイカビームPHC2210(S)、PHCX−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業(株)製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、
UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、DIC(株)製);オーレックスNo.340クリヤ(以上、中国塗料(株)製);サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(以上、三洋化成工業(株)製);SP−1509、SP−1507(以上、昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成(株)製)等を適宜選択して利用できる。
(2.2)光重合開始剤
また、紫外線硬化型樹脂の硬化促進のために、光重合開始剤を紫外線硬化型樹脂に対して2〜30質量%の範囲内で含有することが好ましい。光重合開始剤としては、光照射によりカチオン重合を開始させるルイス酸を放出するオニウム塩の複塩の一群が特に好ましい。
このようなオニウム塩としては、特に、芳香族オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが特に有効であり、中でも特開昭50−151996号公報、同50−158680号公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号公報、同52−30899号公報、同59−55420号公報、同55−125105号公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号公報、同56−149402号公報、同57−192429号公報等に記載のオキソスルホニウム塩、特公昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4139655号明細書等に記載のチオピリリウム塩等が好ましい。また、アルミニウム錯体や光分解性ケイ素化合物系重合開始剤等を挙げることができる。上記カチオン重合開始剤と、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントン等の光増感剤を併用することができる。
(2.3)各種添加剤
また、表面保護層には、耐傷性、滑り性や屈折率を調整するために無機化合物又は有機化合物の微粒子を含んでも良い。
表面保護層に使用される無機微粒子としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO;Indium TinOxide)、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。特に、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が好ましく用いられる。
また、有機粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコーン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、又はポリフッ化エチレン系樹脂粉末等紫外線硬化性樹脂組成物を加えることができる。特に好ましくは、架橋ポリスチレン粒子(例えば、綜研化学製SX−130H、SX−200H、SX−350H)、ポリメチルメタクリレート系粒子(例えば、綜研化学製MX150、MX300)、フッ素含有アクリル樹脂微粒子が挙げられる。フッ素含有アクリル樹脂微粒子としては、例えば日本ペイント製:FS−701等の市販品が挙げられる。また、アクリル粒子として、例えば日本ペイント製:S−4000、アクリル−スチレン粒子として、例えば日本ペイント製:S−1200、MG−251等が挙げられる。
また、表面保護層の耐熱性を高めるために、光硬化反応を抑制しないような酸化防止剤を選んで用いてもいいし、公知の紫外線吸収剤を含有しても良い。
表面保護層の形成に用いる表面保護層形成用塗布液には、溶媒が含まれていても良く、必要に応じて適宜含有し、希釈されたものであっても良い。表面保護層形成用塗布液に含有される有機溶媒としては、例えば、炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル等)、グリコールエーテル類、その他の有機溶媒の中から適宜選択し、又はこれらを混合し利用できる。プロピレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)又はプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)等を5質量%以上、より好ましくは5〜80質量%の範囲内で含有する上記有機溶媒を用いるのが好ましい。
表面保護層の製造方法としては、表面保護層形成用塗布液を用いて、例えば、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の湿式塗布方法で塗設することができる。
表面保護層形成用塗布液の塗布量は、ウェット層厚として0.1〜40μmの範囲内が適当で、好ましくは、0.5〜30μmである。また、層厚としては、0.1〜30μmの範囲内、好ましくは1〜10μmの範囲内である。
表面保護層の硬化処理方法としては、表面保護層を形成した後、当該表面保護層に活性エネルギー線、好ましくは紫外線を照射して、最終的に表面保護層を硬化する。
紫外線硬化型樹脂を光硬化反応により硬化させ、硬化した表面保護層を形成するために用いる光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件は、それぞれのランプによって異なるが、活性エネルギー線の照射量は、好ましくは5〜350mJ/cmの範囲内であり、特に好ましくは250〜300mJ/cmの範囲内である。
《透明導電層》
本願における透明導電層は、本願の透明導電層の抵抗値としては0.01〜150Ω/□の範囲内であることを特徴とする。より好ましくは、透明導電層の抵抗値が0.1〜100Ω/□の範囲内である。透明導電層の抵抗値が0.01Ω/□以上であると、打鍵に対する耐久性が得られ、抵抗値が150Ω/□以下であると、カールを抑制できる観点からから好ましい。
また、本願の透明導電層は、上記抵抗値を満たすものであればよいが、銅メッシュを含むことが好ましく、銅は他の金属と比べマイグレーション現象が起こりにくく、打鍵時の断線抑制の観点で好ましい。
(金属ナノワイヤー)
金属ナノワイヤーとは、材質が金属であり、形状が針状又は糸状であり、径がナノメートルサイズの導電物質をいう。金属ナノワイヤーは直線状であってもよく、曲線状であってもよい。金属ナノワイヤーで構成された透明導電層を用いれば、金属ナノワイヤーが網の目状となることにより、少量の金属ナノワイヤーであっても良好な電気伝導経路を形成することができ、電気抵抗の小さい透明導電フィルムを得ることができる。さらに、金属ナノワイヤーが網の目状となることにより、網の目の隙間に開口部を形成して、光透過率の高い透明導電フィルムを得ることができる。
上記金属ナノワイヤーの太さdと長さLとの比(アスペクト比:L/d)は、好ましくは10〜100,000の範囲内であり、より好ましくは50〜100,000の範囲内であり、特に好ましくは100〜10,000の範囲内である。このようにアスペクト比の大きい金属ナノワイヤーを用いれば、金属ナノワイヤーが良好に交差して、少量の金属ナノワイヤーにより高い導電性を発現させることができる。その結果、光透過率の高い透明導電フィルムを得ることができる。
なお、本明細書において、「金属ナノワイヤーの太さ」とは、金属ナノワイヤーの断面が円状である場合はその直径を意味し、楕円状である場合はその短径を意味し、多角形である場合は最も長い対角線を意味する。金属ナノワイヤーの太さ及び長さは、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡によって確認することができる。
上記金属ナノワイヤーの太さは、好ましくは500nm未満であり、より好ましくは200nm未満であり、特に好ましくは10〜100nmの範囲内であり、最も好ましくは10〜50nmの範囲内である。このような範囲であれば、光透過率の高い透明導電層を形成することができる。
上記金属ナノワイヤーの長さは、好ましくは2.5〜1000μmの範囲内であり、より好ましくは10〜500μmの範囲内であり、特に好ましくは20〜100μmの範囲内である。このような範囲であれば、導電性の高い透明導電フィルムを得ることができる。
上記金属ナノワイヤーを構成する金属としては、導電性の高い金属である限り、任意の適切な金属が用いられ得る。上記金属ナノワイヤーを構成する金属としては、例えば、銀、金、銅、ニッケル等が挙げられる。また、これらの金属にメッキ処理(例えば、金メッキ処理)を行った材料を用いてもよい。中でも好ましくは、導電性の観点から、銀又は銅である。
上記金属ナノワイヤーの製造方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば溶液中で硝酸銀を還元する方法、前駆体表面にプローブの先端部から印可電圧又は電流を作用させ、プローブ先端部で金属ナノワイヤーを引き出し、前記金属ナノワイヤーを連続的に形成する方法等が挙げられる。溶液中で硝酸銀を還元する方法においては、エチレングリコール等のポリオール、及びポリビニルピロリドンの存在下で、硝酸銀等の銀塩の液相還元することによりにより、銀ナノワイヤーが合成され得る。
均一サイズの銀ナノワイヤーは、例えば、Xia,Y.etal.,Chem.Mater.(2002)、14、4736−4745 、Xia, Y.etal., Nano letters(2003)3(7)、955−960 に記載される方法に準じて、大量生産が可能である。
上記透明導電層は、上記透明基材上に、上記金属ナノワイヤーを含む透明導電層形成用組成物を塗工することにより形成することができる。より具体的には、溶媒中に上記金属ナノワイヤーを分散させた分散液(透明導電層形成用組成物)を、上記透明基材上に塗布した後、塗布層を乾燥させて、透明導電層を形成することができる。
上記溶媒としては、水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒等が挙げられる。環境負荷低減の観点から、水を用いることが好ましい。
上記金属ナノワイヤーを含む透明導電層形成用組成物中の金属ナノワイヤーの分散濃度は、好ましくは0.1〜1重量%の範囲内である。このような範囲であれば、導電性及び光透過性に優れる透明導電層を形成することができる。
上記金属ナノワイヤーを含む透明導電層形成用組成物は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、金属ナノワイヤーの腐食を防止する腐食防止材、金属ナノワイヤーの凝集を防止する界面活性剤等が挙げられる。使用される添加剤の種類、数及び量は、目的に応じて適切に設定され得る。また、前記透明導電層形成用組成物は、本発明の効果が得られる限り、必要に応じて、任意の適切なバインダー樹脂を含み得る。
上記金属ナノワイヤーを含む透明導電層形成用組成物の塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。塗布方法としては、例えば、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコート、凸版印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法等が挙げられる。
塗布層の乾燥方法としては、任意の適切な乾燥方法(例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥)が採用され得る。例えば、加熱乾燥の場合には、乾燥温度は代表的には100〜200℃の範囲内であり、乾燥時間は代表的には1〜10分の範囲内である。
上記透明導電層が金属ナノワイヤーを含む場合、前記透明導電層の厚さは、好ましくは0.01〜10μmの範囲内であり、より好ましくは0.05〜3μmの範囲内であり、特に好ましくは0.1〜1μmの範囲内である。このような範囲であれば、導電性及び光透過性に優れる透明導電フィルムを得ることができる。
上記透明導電層が金属ナノワイヤーを含む場合、前記透明導電層の全光線透過率は、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。
(金属メッシュ)
金属メッシュを含む透明導電層は、上記透明基材上に、金属細線が格子状のパターンに形成されてなる。上記金属メッシュを構成する金属としては、導電性の高い金属である限り、任意の適切な金属が用いられ得る。上記金属メッシュを構成する金属としては、例えば、銀、金、銅、ニッケル等が挙げられる。また、これらの金属にメッキ処理(例えば、金メッキ処理)を行った材料を用いてもよい。中でも好ましくは銅であり、マイグレーション現象が起こりにくく、打鍵時の断線抑制の観点からも好ましい。
金属メッシュを含む透明導電層は、任意の適切な方法により形成させることができる。前記透明導電層は、例えば、銀塩を含む感光性組成物(透明導電層形成用組成物)を上記積層体上に塗布し、その後、露光処理及び現像処理を行い、金属細線を所定のパターンに形成することにより得ることができる。また、前記透明導電層は、金属微粒子を含むペースト(透明導電層形成用組成物)を所定のパターンに印刷して得ることもできる。
このような透明導電層及びその形成方法の詳細は、例えば、特開2012−18634号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。また、金属メッシュから構成される透明導電層及びその形成方法の別の例としては、特開2003−331654号公報に記載の透明導電層及びその形成方法が挙げられる。
上記透明導電層が金属メッシュを含む場合、前記透明導電層の厚さは、好ましくは0.1〜30μmの範囲内であり、より好ましくは0.1〜9μmの範囲内である。
上記透明導電層が金属メッシュを含む場合、前記透明導電層の透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
《その他の層》
上記透明導電フィルムは、必要に応じて、任意の適切なその他の層を備え得る。上記その他の層としては、例えば、ハードコート層、帯電防止層、アンチグレア層、反射防止層、カラーフィルター層等が挙げられる。
以下、上記構成層以外について記載する。
(粘着層)
粘着層は、透明導電性フィルムを、透明導電フィルム同士、表示素子、又はカバーガラスやカバーフィルムに貼り付けることを可能にする粘着性を有しており、この粘着層によって透明導電層フィルムを表示装置に接合して、タッチパネル表示装置を形成するための構成層である。
粘着層としては、特に制限されず、例えば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤等のいずれもが用いられる。
粘着剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ニトリルゴム等が用いられる。ラミネート法は、特に制限されず、例えば、ロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。また、粘着層の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜100μm程度の範囲であることが好ましい。
なお、透明導電フィルムは、他方の面に剥離シートを備えていてもよい。
剥離シートとしては、粘着層の粘着性を保護することができるものであればよく、例えば、アクリルフィルム又はシート、ポリカーボネートフィルム又はシート、ポリアリレートフィルム又はシート、ポリエチレンナフタレートフィルム又はシート、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はシート、フッ素フィルムなどのプラスチックフィルム又はシート、又は酸化チタン、シリカ、アルミニウム粉、銅粉などを練り込んだ樹脂フィルム又はシート、これらを練り込んだ樹脂にコーティングを施したりアルミニウム等の金属を金属蒸着したりなどの表面加工を施した樹脂フィルム又はシートが用いられる。
剥離シートの厚さは、特に制限されないが、通常12〜250μmの範囲内であることが好ましい。
《樹脂基材の製造方法》
本発明に係る樹脂基材は、溶液流延製膜で製造されたフィルムであり、溶液製膜時の乾燥時には、溶媒が揮発するため、融膜製膜と比べて樹脂基材表面の密度が低くなり、添加剤の微結晶が発生しにくく、打鍵に対する耐久性の観点で好ましい。
以下に、樹脂基材の製造方法について記述する。
本発明に係る溶液流延法では、樹脂及び添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープをベルト状又はドラム状の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸又は幅保持する工程、さらに乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻き取る工程により行われる。
また、特開2000−301555号公報、特開2000−301558号公報、特開平7−032391号公報、特開平3−193316号公報、特開平5−086212号公報、特開昭62−037113号公報、特開平2−276607号公報、特開昭55−014201号公報、特開平2−111511号公報、及び特開平2−208650号公報等の各公報に記載のセルロースアシレートフィルム製膜技術を本発明に応用できる。
ドープ中のシクロオレフィン重合体の濃度は、濃度が高い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、シクロオレフィン重合体の濃度が高すぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%の範囲内が好ましく、さらに好ましくは、15〜25質量%の範囲内である。流延(キャスト工程)前のドープ粘度は500〜50000の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは1000〜12000の範囲内である。
流延工程における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、金属支持体としては、ステンレススティールベルト又は鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。
キャストの幅は1〜4mの範囲内とすることができる。流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜溶剤が沸騰して発泡しない温度以下に設定される。温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、余り高すぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化する場合がある。
好ましい支持体温度としては、0〜100℃の範囲内で適宜決定され、5〜30℃の範囲内がさらに好ましい。又は、冷却することによってウェブをゲル化させて残留溶媒を多く含んだ状態でドラムから剥離することも好ましい方法である。
金属支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風又は冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法がある。温水を用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、金属支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。温風を用いる場合は、溶媒の蒸発潜熱によるウェブの温度低下を考慮して、溶媒の沸点以上の温風を使用しつつ、発泡も防ぎながら目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。特に、流延から剥離するまでの間で支持体の温度及び乾燥風の温度を変更し、効率的に乾燥を行うことが好ましい。
シクロオレフィン重合体フィルムが、良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は10〜150質量%の範囲内が好ましく、さらに好ましくは20〜40質量%の範囲内又は60〜130質量%の範囲内であり、特に好ましくは、20〜30質量%の範囲内又は70〜120質量%の範囲内である。
残留溶媒量は、下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
なお、Mはウェブ又はフィルムを製造中又は製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。また、シクロオレフィン重合体フィルムの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、さらに乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%の範囲内である。
フィルム乾燥工程では、一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールにウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
本発明に係る樹脂基材を溶液流延法で製造する場合のドープを形成するのに有用な有機溶媒は、シクロオレフィン重合体、その他の添加剤を同時に溶解するものであれば制限なく用いることができる。
例えば、塩素系有機溶媒としては、塩化メチレン、非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることができ、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトンを好ましく使用し得る。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の範囲内の炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有させることが好ましい。ドープ中のアルコールの比率が高くなるとウェブがゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になる。
特に、メチレンクロライド、及び炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有する溶媒に、シクロオレフィン重合体を、少なくとも計15〜45質量%の範囲内で溶解させたドープ組成物であることが好ましい。
炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールを挙げることができる。これらの内ドープの安定性、沸点も比較的低く、乾燥性もよいこと等からエタノールが好ましい。
延伸する方法は、公知のロール延伸機やテンターなどを好ましく用いることができる。延伸温度は、通常フィルムを構成する樹脂のTg〜Tg+60℃の温度範囲で行われることが好ましい。
延伸する方法には特に限定はない。例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げて縦方向に延伸する方法、同様に横方向に広げて横方向に延伸する方法、又は縦横同時に広げて縦横両方向に延伸する方法などが挙げられる。もちろんこれ等の方法は、組み合わせて用いてもよい。すなわち、製膜方向に対して横方向に延伸しても、縦方向に延伸しても、両方向に延伸してもよく、さらに両方向に延伸する場合は同時延伸であっても、逐次延伸であってもよい。なお、いわゆるテンター法の場合、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆動すると滑らかな延伸が行うことができ、破断等の危険性が減少できるので好ましい。
本発明においては、特に、延伸はフィルム搬送ロールの周速差を利用して搬送方向に行うか、又は搬送方向と直交方向(幅手方向又はTD方向ともいう)にウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で行うことが好ましく、さらに左右把持手段によってウェブの把持長(把持開始から把持終了までの距離)を左右で独立に制御できるテンターを用いたλ/4フィルムであることが好ましい。
また、本発明に係る樹脂基材を、延伸工程でフィルム搬送方向に対して45°方向に延伸することがフィルム長手方向に対する配向角θを35〜55°にする上で好ましい。
前記のように遅相軸が長手方向と平行な方向に透過軸があるロール状の偏光フィルムと、配向角が実質的に45°であるλ/4フィルムとを、長手方向を合わせてロール・to・ロールで貼合すると、ロール状長尺状の円偏光板を容易に製造できるので、フィルムのカットロスが少なく生産上有利である。
また、本願の溶液流延法により作製されたシクロオレフィン重合体フィルムの含窒素複素環化合物の分布に関しては、TOF−SIMSにより測定できる。
装置としてフィジカルエレクトロニクス(Physical Electronics)社製 TFS−2100を使用し、温度23℃、湿度55%RHで試料の中央部の厚み断面と、端部の厚み断面とをそれぞれTOF−SIMSにより走査しシクロオレフィン重合体フィルム中に含有する含窒素複素環化合物に帰属する質量値のカウント数を、厚み断面の表面側から裏面(剥離面)側に至るまで連続的に測定した。なお、試料はA4サイズ(210mm×297mm)であり、測定箇所は長辺の幅中心から10mmの端部で挟まれる部分を中央部とし、長辺の両端辺から10mmの部分を端部とした。
前記記載の表面側の中央部と端部の測定から、シクロオレフィン重合体フィルム中に含有する含窒素複素環化合物に帰属する質量値のカウント数の差は5%以下であり、裏面も同様の結果であった。さらに、中央部の厚み断面の測定から、断面中央部と表面側のシクロオレフィン重合体フィルム中に含有する含窒素複素環化合物に帰属する質量値のカウント数の差は5%以下であり、断面中央部と裏面側も同様であり、本願のシクロオレフィン重合体フィルムの含窒素複素環化合物の微結晶化が抑制されていることがわかる。
《タッチパネル表示装置》
本願のタッチパネルは、透明導電層のパターンの形状はタッチパネル(例えば、静電容量方式タッチパネル)として良好に動作するパターンであれば特に限定はされないが、例えば、特表2011−511357号公報、特開2010−164938号公報、特開2008−310550号公報、特表2003−511799号公報、特表2010−541109号公報に記載のパターンが挙げられる。
図2に示すようにタッチパネルは、x軸にパターン化された透明導電フィルムと、y軸にパターン化された透明導電フィルム1を、粘着フィルム5を用いて積層させ、最表面にカバーガラス6を設けることで作製でき、前記タッチパネルを液晶表示装置7と組み合わせることで、タッチパネル表示装置が作製できる。
以下、本発明について実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。本実施例の透明導電フィルムは、図1に示す実施態様である。
実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」及び「部」は、それぞれ、「質量%」及び「質量部」を意味する。
<<シクロオレフィン重合体フィルムの作製>>
(シクロオレフィン重合体1の合成)
シクロオレフィン単量体(一般式A−1)の例示化合物11を100部、分子量調節剤である1−ヘキセン3.6部とトルエン200部を、窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これに、重合触媒としてトリエチルアルミニウム((CAl)1.5モル/Lのトルエン溶液 0.17部と、t−ブタノール及びメタノールで変性した六塩化タングステン(WCl)を変性し、t−ブタノールとメタノール及びタングステンのモル比が0.35:0.3:1とされたWCl溶液(濃度0.05モル/L)1.0部を加え、80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は96%であった。
得られた重合体溶液の4000部をオートクレーブに入れ、これの重合体溶液にRuHCl(CO)[P(Cを0.48部加え、水素ガス圧を10MPa、反応温度160℃の条件で3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液を冷却した後、水素ガスを放圧し、この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収した。回収した凝固物を乾燥して、シクロオレフィン重合体1を得た。
(シクロオレフィン重合体2の合成)
シクロオレフィン単量体(一般式A−2)の例示化合物28を100部、分子量調節剤である1−ヘキセン3.6部とトルエン200部を、窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これに、重合触媒としてトリエチルアルミニウム((CAl)1.5モル/Lのトルエン溶液0.17部と、t−ブタノ−ル及びメタノールで変性した六塩化タングステン(WCl)を変性し、t−ブタノールとメタノール及びタングステンのモル比が0.35:0.3:1とされたWCl溶液(濃度0.05モル/L)1.0部を加え、80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は98%であった。
得られた重合体溶液の4000部をオートクレーブに入れ、これの重合体溶液にRuHCl(CO)[P(Cを0.48部加え、水素ガス圧を10MPa、反応温度160℃の条件で3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液を冷却した後、水素ガスを放圧し、この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収した。回収した凝固物を乾燥して、シクロオレフィン重合体2を得た。
(シクロオレフィン重合体3の合成)
シクロオレフィン単量体(一般式A−1)の例示化合物5を50部と、シクロオレフィン単量体(一般式A−2)の例示化合物28を200部と、分子量調整剤として1−ヘキセン18部と、トルエン750部とを窒素置換した反応容器に仕込み、60℃に加熱した。これに、重合触媒としてトリエチルアルミニウム((CAl)1.5モル/Lのトルエン溶液0.62部と、t−ブタノール及びメタノールで変性した六塩化タングステン(WCl)を変性し、t−ブタノールとメタノール及びタングステンのモル比が0.35:0.3:1とされたWCl溶液(濃度0.05モル/L)5.1部を加え、80℃で3時間加熱攪拌することにより開環共重合反応させて開環共重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
得られた開環共重合体溶液4000部をオートクレーブに入れ、この共重合体溶液に(A−1)にRuHCl(CO)[P(Cを0.48部加え、水素ガス圧10MPa、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液を冷却した後、水素ガスを放圧し、この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収した。回収した凝固物を乾燥して、シクロオレフィン重合体3を得た。
(シクロオレフィン重合体4の合成)
シクロオレフィン単量体(一般式A−2)の例示化合物22を100部、分子量調節剤である1−ヘキセン2部とトルエン200部を、窒素置換した反応容器に仕込み、90℃に加熱した。これに、重合触媒としてトリエチルアルミニウム((CAl)1.8モル/Lのトルエン溶液0.22部と、t−ブタノ−ル及びメタノールで変性した六塩化タングステン(WCl)を変性し、t−ブタノールとメタノール及びタングステンのモル比が0.35:0.3:1とされたWCl溶液(濃度0.05モル/L)1.0部を加え、80℃で5時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
得られた重合体溶液の4000部をオートクレーブに入れ、これの重合体溶液にRuHCl(CO)[P(Cを0.48部加え、水素ガス圧を10MPa、反応温度160℃の条件で3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液を冷却した後、水素ガスを放圧し、この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収した。回収した凝固物を乾燥して、シクロオレフィン重合体4を得た。
(微粒子添加液の作製)
微粒子(アエロジルR812:日本アエロジル株式会社製、
一次平均粒子径:7nm、見掛け比重50g/L) 4質量部
ジクロロメタン 48質量部
エタノール 48質量部
以上をディゾルバーで50分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
さらに、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液を調製した。
<シクロオレフィン重合体フィルム101の作製>
次いで、下記組成の主ドープ1を調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドを400kg/minの流量とエタノールを20kg/minの流量で添加した。溶媒の添加開始から3分後に、前記加圧溶解タンクに、シクロオレフィン重合体1を200kg/min撹拌しながら投入した。次いで、溶媒投入開始後5分後に、含窒素複素環例示化合物52を投入して、さらに溶媒投入開始後15分後に、微粒子添加液を投入して、これを80℃に加熱し、撹拌しながら、完全に溶解した。加熱温度は室温から5℃/minで昇温し、30分間で溶解した後、3℃/minで降温した。
ドープ粘度は10000CPであり、含水率は0.50%であった。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244(濾過精度0.005mm)を使用して濾過流量300L/m2・h、濾圧1.0×106Paにて濾過し、主ドープ1を調製した。
〈主ドープ1の組成〉
シクロオレフィン重合体1 100質量部
ジクロロメタン 200質量部
エタノール 10質量部
微粒子添加液 3質量部
含窒素複素環例示化合物52 3.2質量部
精製トルエン 0.004質量部
以上を密閉されている主溶解釜に投入し、撹拌しながら溶解してドープを調製した。
調製したドープを、ステンレス製無端支持体(ベルト)上で、流量710L/hrで流延(キャスト)した。その際、流延端部のジクロロメタンを滴下しながら流延を行った。
乾燥温度40℃にて、流延したウェブ中の残留溶媒量が30質量%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力130N/mで、ステンレス製無端支持体上から剥離した。剥離したウェブを乾燥しながら残留溶媒量を5質量%に調整し、次いで、乾燥ゾーンを多数のローラーで、搬送張力は100N/mとし、温度140℃で20分間搬送させながら乾燥をさせ、膜厚43μmの原反フィルムを作製した。
前記原反フィルムを搬送させ、175℃の熱をかけながらフィルム搬送方向に対して45°方向に1.7倍延伸し、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム101を得た。シクロオレフィン重合体フィルム101の膜厚は25μmであった。
<シクロオレフィン重合体フィルム102の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム101で作製した、主ドープ1の含窒素複素環例示化合物52を含窒素複素環例示化合物34にした以外はシクロオレフィン重合体フィルム101と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム102を得た。
<シクロオレフィン重合体フィルム103の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム101で作製した、主ドープ1の含窒素複素環例示化合物52を含窒素複素環化合物70にした以外はシクロオレフィン重合体フィルム101と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム103を得た。
<シクロオレフィン重合体フィルム104の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム101で作製した、主ドープ1の含窒素複素環例示化合物52を含窒素複素環化合物74にした以外はシクロオレフィン重合体フィルム101と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム104を得た。
<シクロオレフィン重合体フィルム105の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム104で作製した条件で、流量55L/hrで流延(キャスト)した以外はシクロオレフィン重合体フィルム104と同様にして、比較例のシクロオレフィン重合体フィルム105を得た。シクロオレフィン重合体フィルム105の膜厚は3μmであった。
<シクロオレフィン重合体フィルム106の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム104で作製した条件で、流量290L/hrで流延(キャスト)した以外はシクロオレフィン重合体フィルム104と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム106を得た。シクロオレフィン重合体フィルム106の膜厚は10μmであった。
<シクロオレフィン重合体フィルム107の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム104で作製した条件で、流量990L/hrで流延(キャスト)した以外はシクロオレフィン重合体フィルム104と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム107を得た。シクロオレフィン重合体フィルム107の膜厚は35μmであった。
<シクロオレフィン重合体フィルム108の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム104で作製した条件で、流量1270L/hrで流延(キャスト)した以外はシクロオレフィン重合体フィルム104と同様にして、比較例のシクロオレフィン重合体フィルム108を得た。シクロオレフィン重合体フィルム108の膜厚は45μmであった。
<シクロオレフィン重合体フィルム109の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム104で作製した条件で、主ドープ1の含窒素複素環例示化合物74の添加量を0.1質量部にした以外はシクロオレフィン重合体フィルム104と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム109を得た。
<シクロオレフィン重合体フィルム110の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム104で作製した条件で、主ドープ1の含窒素複素環化合物74の添加量を12質量部にした以外はシクロオレフィン重合体フィルム104と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム110を得た。
<シクロオレフィン重合体フィルム111の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム104で作製した条件で、主ドープ1の含窒素複素環化合物74の添加量を7質量部にした以外はシクロオレフィン重合体フィルム104と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム111を得た。
<シクロオレフィン重合体フィルム112の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム104で作製した、主ドープ1のシクロオレフィン重合体1をシクロオレフィン重合体2にした以外はシクロオレフィン重合体フィルム104と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム112を得た。
<シクロオレフィン重合体フィルム113の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム112で作製した条件で、流量290L/hrで流延(キャスト)した以外はシクロオレフィン重合体フィルム112と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム113を得た。シクロオレフィン重合体フィルム113の膜厚は10μmであった。
<シクロオレフィン重合体フィルム114の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム104で作製した、主ドープ1のシクロオレフィン重合体1をシクロオレフィン重合体3にした以外はシクロオレフィン重合体フィルム104と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム114を得た。
<シクロオレフィン重合体フィルム115の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム104で作製した、主ドープ1のシクロオレフィン重合体1をシクロオレフィン重合体4にした以外はシクロオレフィン重合体フィルム104と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム115を得た。
<シクロオレフィン重合体フィルム116の作製>
下記組成の主ドープ2を調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドを410kg/minの流量とエタノールを10kg/minの流量で添加した。溶媒の添加開始から3分後に、前記加圧溶解タンクに、アクリル樹脂であるポリメチルメタクリレートBR85(三菱レイヨン株式会社製)を200kg/min撹拌しながら投入した。次いで、溶媒投入開始後5分後に、紫外線吸収剤であるTinuvin928(BASF社製)を投入して、さらに溶媒投入開始後15分後に、微粒子添加液を投入して、これを80℃に加熱し、撹拌しながら、完全に溶解した。加熱温度は室温から5℃/minの昇温し、30分間で溶解した後、3℃/minで降温した。
ドープ粘度は15000CPであり、含水率は0.90%であった。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244(濾過精度0.005mm)を使用して濾過流量300L/m2・h、濾圧1.0×106Paにて濾過し、主ドープ2を調製した。
〈主ドープ2の組成〉
ポリメチルメタクリレートBR85 100質量部
ジクロロメタン 205質量部
エタノール 5質量部
微粒子添加液 3質量部
紫外線吸収剤Tinuvin928 3.2質量部
精製トルエン 0.004質量部
以上を密閉されている主溶解釜に投入し、撹拌しながら溶解してドープを調製した。
調製したドープを、ステンレス製無端支持体(ベルト)上で、流量630L/hrで流延(キャスト)した。その際、流延端部のジクロロメタンを滴下しながら流延を行った。
乾燥温度40℃にて、流延したウェブ中の残留溶媒量が30質量%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力150N/mで、ステンレス製無端支持体上から剥離した。剥離したウェブを乾燥しながら残留溶媒量を5質量%に調整し、次いで、乾燥ゾーンを多数のローラーで、搬送張力は100N/mとし、温度120℃で25分間搬送させながら乾燥をさせ、膜厚43μmの原反フィルムを作製した。
前記原反フィルムを搬送させ、165℃の熱をかけながらフィルム搬送方向に対して45°方向に1.7倍延伸し、比較例のシクロオレフィン重合体フィルム116を得た。シクロオレフィン重合体フィルム116の膜厚は25μmであった。
<シクロオレフィン重合体フィルム117の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム116で作製した、主ドープ2のTinuvin928を含窒素複素環例示化合物74にした以外はシクロオレフィン重合体フィルム116と同様にして、比較例のシクロオレフィン重合体フィルム117を得た。
<シクロオレフィン重合体フィルム118の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム104で作製した、主ドープ1の含窒素複素環例示化合物74をTinuvin928にした以外はシクロオレフィン重合体フィルム104と同様にして、本発明のシクロオレフィン重合体フィルム118を得た。
(膜厚の測定)
接触式の膜厚計(マイクロメーター ミニコムM)を用いてシクロオレフィン重合体フィルムの膜厚を測定した。
(光線透過率の測定)
分光吸収測定装置(Spectrophotometer U−3200(日立製作所製))を用い、シクロオレフィン重合体フィルムの分光吸収スペクトルを測定し、380nmにおける光線透過率を求めた。
各項目についての評価結果を表1に示す。
Figure 0006394252
次いで、前記シクロオレフィン重合体フィルム101〜118の片面にマイクログラビアを用いてアクリル酸エステル及びアモルファスシリカを主成分とした紫外線硬化型樹脂(JSR社製オプスターZ7527)及び界面活性剤(AGCセイミケミカル社製サーフロンS−651)を含有した表面保護層形成用塗布液を、乾燥後膜厚0.7μmになるように塗布し、乾燥した。
次いで、高圧水銀ランプを使用して、大気下で前記塗膜に光量270mJ/cm2で紫外線照射して硬化し、表面保護層を片面に形成した。次いで、前記表面保護層とは逆の面に、同様に表面保護層を形成した。
<<透明導電フィルムの作製>>
<透明導電フィルム201の作製>
銀ナノワイヤーは、Y.Sun、B.Gates、B.Mayers、& Y.Xia,“Crystalline silver nanowires by soft solution processing” 、Nano letters 、(2002) 、2(2) 165〜168に記載されるポリオールを用いた方法の後、ポリビニルピロリドン(PVP)の存在下で、エチレングリコールに硫酸銀を溶解し、これを還元することによって合成されたナノワイヤーである。すなわち本発明においてはCambrios Technologies Corporation 米国仮出願第60/815,627号に記載される修正されたポリオール方法によって、合成されたナノワイヤーを用いた。
透明導電層を形成する金属ナノワイヤーとして、上記方法で合成された短軸径約70〜80nm、アスペクト比100以上の銀ナノワイヤーを水性媒体中に0.5%w/v含有する銀ナノワイヤー水分散体組成物(Cambrios Technologies Corporation社製 ClearOhmTM, Ink−A AQ)を、スロットダイ塗工機を使用し、シクロオレフィン重合体フィルム101上に乾燥後膜厚が1.5μmになるように塗布、乾燥した後に、圧力2000kN/mで加圧処理を行い、透明導電層を形成し、透明導電フィルム201を得た。
<透明導電フィルム202〜218の作製>
透明導電フィルム201で作製した透明導電層を、シクロオレフィン重合体フィルム102〜118に対してそれぞれ形成し、透明導電フィルム202〜218を作製した。
<透明導電フィルム219の作製>
透明導電フィルム201で用いた銀ナノワイヤー水分散体組成物を、スロットダイ塗工機を使用し、シクロオレフィン重合体フィルム112上に乾燥後膜厚が5μmになるように塗布、乾燥した後に、圧力2000kN/mで加圧処理を行い、透明導電層を形成し、透明導電フィルム219を得た。
<透明導電フィルム220の作製>
透明導電フィルム201で用いた銀ナノワイヤー水分散体組成物を、スロットダイ塗工機を使用し、シクロオレフィン重合体フィルム112上に乾燥後膜厚が0.2μmになるように塗布、乾燥した後に、圧力2000kN/mで加圧処理を行い、透明導電層を形成し、透明導電フィルム220を得た。
<透明導電フィルム221の作製>
透明導電フィルム201で用いた銀ナノワイヤー水分散体組成物を、スロットダイ塗工機を使用し、シクロオレフィン重合体フィルム112上に乾燥後膜厚が0.1μmになるように塗布、乾燥した後に、圧力2000kN/mで加圧処理を行い、透明導電層を形成し、透明導電フィルム221を得た。
<透明導電フィルム222の作製>
シクロオレフィン重合体フィルム112をグロー放電して前処理した。この前処理後のシクロオレフィン重合体フィルム112をマグネトロン式スパッタ装置の真空槽内に、銅ターゲットに対峙して配置し、空気をアルゴンに完全置換して得た真空度2×10−3トールの環境下、印加電圧DC9kWで1m/minで3回繰り返しのスパッタ蒸着を行い、前記にて得られた銅薄膜の厚さは、0.6μmであった。次いで、特開平11−243296号公報の段落0046〜0050を参照して、銅メッシュの導電層を形成し、透明導電フィルム222を得た。
<透明導電フィルム223の作製>
透明導電フィルム222の銅薄膜の厚さを0.02μmにした以外は透明導電フィルム222と同様にして、透明導電フィルム223を得た。
<透明導電フィルム224の作製>
透明導電フィルム222の銅薄膜の厚さを6nmにした以外は透明導電フィルム222と同様にして、透明導電フィルム224を得た。
<透明導電フィルム225の作製>
透明導電フィルム222の銅薄膜の厚さを4μmにした以外は透明導電フィルム222と同様にして、透明導電フィルム225を得た。
(カール評価)
得られた透明導電フィルムに対し、温度25℃、環境湿度60%RHの環境で、水平の台に対して透明導電フィルムの4隅がせり上がった高さを測定し、これらの高さの平均値を下記評価基準に基づいてカールの度合いを評価した。
3:水平の台に対し、透明導電フィルムのせり上がった高さは2mm未満
2:水平の台に対し、透明導電フィルムのせり上がった高さは2mm以上5mm未満
1:水平の台に対し、透明導電フィルムのせり上がった高さは5mm以上
(抵抗値の測定)
得られた透明導電フィルムに対し、ロレスタGP MCP−T610(三菱化学アナリテック株式会社製)を用いて、測定温度23℃において四端子法により測定した。
各項目についての評価結果を表2に示す。
Figure 0006394252
<<タッチパネル表示装置の作製>>
特表2010−541109号公報に記載のパターン化された前記の透明導電フィルム201〜225を用いて、図2にあるようにタッチパネル部材7を作製した。
次に、SONY製21.5インチVAIOTap21(SVT21219DJB)のあらかじめ貼合されていたタッチパネル部材を剥がして、上記作製したタッチパネル部材を貼合し、タッチパネル表示装置301〜325を作製した。
(打鍵試験)
得られたタッチパネル表示装置に対し、打鍵試験機202型−950−2(株式会社タッチパネル研究所製)を用いて、打鍵速度を2Hz、荷重150gの条件で、カバーガラス側の上方から入力ペンを1万5000回押し当てた。なお、入力ペンのペン先材料はゴム下に敷く測定盤をガラス基板とし、その上に、導電メッシュがガラス側になるようにして置き、上方から入力ペンを300g荷重で押し当て、摺動距離5cm、往復1秒(5cmを1秒間で往復)の条件で繰り返し摺動させることができる実験装置を用いて実験を行った。なお、入力ペンのペン先材料はポリアセタールで、Rは0.8mmである。
(抵抗値変化率評価)
タッチパネル試験機001型−29−2(株式会社タッチパネル研究所製)を用いて、
打鍵試験前後のタッチパネル表示装置の端子間抵抗値を測定し、抵抗値変化率を下記評価基準に基づいて評価した。
5:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が0.5%未満の値を示す
4:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が0.5%以上1.0%未満の値を示す
3:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が1.0%以上1.5%未満の値を示す
2:打鍵試験前後の表面抵抗値の上昇率が1.5%以上の値を示す
1:打鍵後の表面抵抗値が断線のため測定できない
(タッチパネル応答性評価)
打鍵試験後のタッチパネル表示装置を表示にした状態において、評価者がタッチパネル画面の左端から右端へ指でなぞり、ポインターが下記評価基準に基づいて動作したか評価した。
3:5人の評価者が、1人20回ずつ上記作業を行った時、ポインターが100回中100回応答した。
2:5人の評価者が、1人20回ずつ上記作業を行った時、ポインターが100回中99回応答した。
1:5人の評価者が、1人20回ずつ上記作業を行った時、ポインターが100回中98回以下応答した。
各項目についての評価結果を表3に示す。
Figure 0006394252
表3に示した評価結果から明らかなように、本発明の透明導電フィルムを用いた場合、シクロオレフィン重合体フィルムが薄膜にも関わらず、カールが抑制され、打鍵に対する耐久性に優れていることがわかる。また、スマートフォンやタブレットより大型のノートパソコンのタッチパネルにおいても同様の効果を提供することができることがわかる。
1 透明導電フィルム
2 樹脂基材
3 表面保護層
4 透明導電層
5 粘着フィルム
6 カバーガラス
7 タッチパネル部材
8 液晶表示装置

Claims (6)

  1. 樹脂基材の少なくとも一方に、表面保護層を有し、前記表面保護層上に透明導電層を有する透明導電フィルムであって、
    前記樹脂基材が、溶液流延法で作製され、下記一般式(I−1)又は一般式(II)で表される構造を有する含窒素複素環化合物を含有し、かつ、下記式(a)及び(b)を満たすシクロオレフィン重合体フィルムであり、
    前記シクロオレフィン重合体が、少なくとも一般式(A−2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体からなるシクロオレフィン重合体であり、
    前記透明導電層の抵抗値が、0.01〜150Ω/□の範囲内であることを特徴とする
    透明導電フィルム。
    Figure 0006394252
    Figure 0006394252
    (上記一般式(I−1)又は一般式(II)において、A、A2、及びBは、それぞ
    れ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表す。、T及びTは、含窒素複素環であり、それぞれ独立に、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,3,5−トリアジン環、1,2,3−トリアゾール環又は1,2,4−トリアゾール環を表す。L、L、L及びLは、それぞれ独立に、単結合又は、2価の連結基を表す。mは、0〜5の整数、nは、1〜3の整数を表す。)
    式(a):光線透過率(380nm)≧5%
    式(b):5μm≦膜厚(d)≦40μm
    Figure 0006394252
    (一般式(A−2)中、R は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基、又は炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルシリル基を表す。R は、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。pは、0〜2の整数を表す。)
  2. 前記含窒素複素環化合物の添加量が、前記樹脂基材に対して0.5〜10質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電フィルム。
  3. 前記含窒素複素環化合物が、下記一般式(I−2)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の透明導電フィルム。
    Figure 0006394252
    (一般式(I−2)中、A、A、L、L、L及びLは、それぞれ前記一般式(I−1)におけるA、A、L、L、L及びLと同義である。T3は、ピラゾール環を表す。)
  4. 前記透明導電層の抵抗値が、0.1〜100Ω/□の範囲内であり、かつ、前記透明導
    電層が、銅メッシュを含有することを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の透明導電フィルム。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の透明導電フィルムの製造方法であって、
    前記樹脂基材を溶液流延法で作製することを特徴とする透明導電フィルムの製造方法。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の透明導電フィルム、又は、請求項に記載の透明導電フィルムの製造方法で得られた透明導電フィルムを具備することを特徴とするタッチパネル。
JP2014204588A 2014-10-03 2014-10-03 透明導電フィルム、その製造方法及びタッチパネル Active JP6394252B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014204588A JP6394252B2 (ja) 2014-10-03 2014-10-03 透明導電フィルム、その製造方法及びタッチパネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014204588A JP6394252B2 (ja) 2014-10-03 2014-10-03 透明導電フィルム、その製造方法及びタッチパネル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016076013A JP2016076013A (ja) 2016-05-12
JP6394252B2 true JP6394252B2 (ja) 2018-09-26

Family

ID=55951584

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014204588A Active JP6394252B2 (ja) 2014-10-03 2014-10-03 透明導電フィルム、その製造方法及びタッチパネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6394252B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4976734B2 (ja) * 2006-04-12 2012-07-18 富士フイルム株式会社 セルロース体組成物、フィルム、偏光板および液晶表示装置
US8211984B2 (en) * 2006-07-21 2012-07-03 Mitsui Chemicals, Inc. Ring-opening metathesis polymer, hydrogenated product thereof, method for preparing the same, and use thereof
JP5556084B2 (ja) * 2009-08-18 2014-07-23 凸版印刷株式会社 タッチパネル用ハードコートフィルム及びタッチパネル
JP5423784B2 (ja) * 2009-11-11 2014-02-19 東レ株式会社 導電積層体およびその製造方法
JP2013194186A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Nippon Shokubai Co Ltd 透明樹脂組成物、透明フィルムおよび画像表示装置
TWI572600B (zh) * 2013-01-10 2017-03-01 Konica Minolta Inc 樹脂組成物、三唑化合物、光學薄膜、偏光板、光學透鏡、圓偏光板、及圖像顯示裝置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016076013A (ja) 2016-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107533253B (zh) 带有触控面板的液晶显示装置及其制造方法
WO2014109350A1 (ja) 樹脂組成物、トリアゾール化合物、光学フィルム、偏光板、光学レンズ、円偏光板及び画像表示装置
JP7371641B2 (ja) アクリル樹脂フィルムの製造方法、応用品、応用品の製造方法、ガスバリアー性フィルムの製造方法、導電性フィルムの製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び偽造防止媒体の製造方法
KR102168985B1 (ko) 편광판, 편광판의 제조 방법 및 액정 표시 장치
KR101778477B1 (ko) 편광판, 그것을 구비한 액정 표시 장치
WO2013161581A1 (ja) 斜め延伸フィルムの製造方法
JPWO2017188160A1 (ja) フィルムセンサ部材及びその製造方法、円偏光板及びその製造方法、並びに、画像表示装置
CN107011610B (zh) 环烯烃系膜
JP2016090925A (ja) 光学フィルム、タッチパネル用センサー及び光学フィルムの製造方法
JP2012198282A (ja) λ/4板、その製造方法、偏光板、液晶表示装置、及び立体画像表示装置
JP6428621B2 (ja) セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP6394252B2 (ja) 透明導電フィルム、その製造方法及びタッチパネル
JPWO2015060167A1 (ja) 位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP5971198B2 (ja) 偏光板とその製造方法、及びそれを具備した有機エレクトロルミネッセンス表示装置
WO2015119213A1 (ja) 偏光子保護用フィルム、偏光板および液晶表示装置
JP6669083B2 (ja) 偏光板一体型タッチセンサー及びその製造方法
JP2011053596A (ja) 光学フィルム、偏光板及び表示装置
JP2017194620A (ja) 偏光板および液晶表示装置
JP6729402B2 (ja) 導電性フィルム、タッチパネル、および導電性フィルムの製造方法
WO2016111058A1 (ja) 垂直配向型液晶表示装置
JP2016160338A (ja) 共重合体、シクロオレフィン系樹脂組成物、シクロオレフィン系樹脂フィルム、導電性フィルム、及びタッチパネル
JP2017181865A (ja) 位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2017191153A (ja) 偏光板および液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6394252

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150