JP6394151B2 - ベルトユニットと転写ユニット及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
このようなベルトユニットや転写ユニットにおいて、ベルト部材を用いる場合、その材質が基材と弾性層なとの複数層のベルト部材を用いると、ベルト幅方向に位置するベルト端部が、層毎の熱膨張係数の違いにより熱変形による影響や経時劣化によって反り返る場合がある。ベルト端部に反りが発生すると、反り具合によっては1つのユニットを着脱する際に、隣接する別なユニット等と干渉してしまい、干渉の際のベルト部材の破損や着脱動作の妨げとなる場合がある。
そこで、ベルト端部の反る方向に押さえ部材を配置し、この押さえ部材を接離機構で支持して、必要に応じて上下方向に動作させて、ベルトの反りが大きくならないようにした構成が提案されている。例えば特許文献1、2。
本発明は、隣接するユニット間の隙間を拡大することなく、位置精度のバラツキを抑えてベルト部材の耐久性を向上することを、その目的とする。
本発明は、接離動作可能なベルト部材の反りを押さえる押さえ部材を、ベルト部材を支持するユニットに設けるとともに、ベルト接離移動に伴い押さえ部材も接離移動可能にした点を特徴としている。
複写機本体100には、その中央に、無端状のベルト部材である中間転写体としての転写ベルト10を有する機能ユニットとなる転写ユニット500が設けられている。転写ベルト10は、複数の支持部材としての複数のローラに巻き掛けられていて、図中時計回りに回転走行可能とされている。符号Vで示す矢印は転写ベルト10の走行方向を示す。
転写ベルト10の周囲には、画像転写後に転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写クリーニング装置17が配置されている。転写ユニット500の上方には、その走行方向Vに沿って、走行方向下流側からブラック・シアン・マゼンタ・イエロの4つのプロセスカートリッジユニット18Bk、18C、18M、18Yが横に並べて配置されている。これら4つのプロセスカートリッジユニット18Bk、18C、18M、18Yは、タンデム画像形成部20を構成している。タンデム画像形成部20の上には、露光装置21が配置されている。各プロセスカートリッジユニットは機能ユニットであって、像担持体としてのドラム状の感光体40Bk、40C、40M、40Yを備えている。各プロセスカートリッジユニットは、図示を省略した周知の電子写真プロセスの機能部材により各感光体上に各色の現像剤としてのトナーを用いてトナー像を形成するとともに、トナー像転写後の感光体表面を清掃する機能を備えている。各プロセスカートリッジユニットは、転写ユニット500との間に隙間を設けて隣接配置されている。これら各プロセスカートリッジユニット及び転写ユニット500は、複写機本体100に着脱可能に支持されている。
2次転写対向部材としては、ローラ部材ではなく、複数のローラ部材に無端ベルトを巻き掛けたものであってもよい。本実施形態においては、2次転写部材を転写ベルト10に接触させる接触方式を採用するが、非接触のチャージャを2次転写部材として配置してもよい。このような場合は、ローラ部材やベルト部材による用紙搬送機能を合わせて備えることは難しくなるため、搬送手段を個別に配置すればよい。
図示の例では、2次転写部(ニップ部)22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成部20と平行に、用紙Pの両面に画像を記録すべく用紙Pを反転する用紙反転装置28が配置されていて、両面印刷に対応可能とされている。片面印刷だけの場合には、用紙反転装置28は無くてもよい。カラー複写機は、パソコンなどの外部端末装置と有線、無線を問わずに接続可能としてプリンタとして機能するようにしてもよい。なお、画像形成装置としては、カラー複写機やプリンタに限定されるものではなく、ファクシミリ、あるいは複写機、プリンタ、ファクシミリ等の少なくとも2つの機能を備えた複合機であってもよい。
不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
一方、画像転写後の転写ベルト10は中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。
転写ベルト10の製造方法は、ロールコート法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。転写ベルト10の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで転写ベルト10の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本発明における転写ベルト10の体積抵抗率および表面抵抗率は上記範囲内であるのが望ましい。
なお、体積抵抗率および表面抵抗率の測定は、高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)にHRSプローブ(内側電極直径5.9mm、リング電極内径11mm)を接続し、転写ベルト10の表裏に100V(表面抵抗率は500V)の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
形状係数SF−2は、トナー形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
これら形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
また、トナー粒径は体積平均粒径で4〜10μmの範囲であることが望ましい。これよりも小粒径の場合には現像時に地汚れの原因となることや、流動性が悪化し、さらに凝集しやすくなるので中抜けが発生しやすくなる。逆にこれよりも大粒径の場合には、トナー飛び散りや、解像度悪化により高精細な画像を得ることができない。本実施形態では、トナー粒径の体積平均粒径が6.5μmのものを用いた。
図3はプロセスカートリッジユニット18Bk、18C、18M、18Yと転写ユニット500とを複写機本体手前側から見た概略図である。図3において、転写ユニット500は、複数の支持部材としての第1〜第10の従動ローラ501〜510と、支持部材としての駆動ローラ511と、2次対向ローラ512と、これら各ローラ501〜512に巻き掛けられた転写ベルト10を備えている。駆動ローラ511と従動ローラ508は、複写機本体100の右端側と左端側に配置されている。転写ベルト10は、駆動ローラ511と従動ローラ508の間で巻き掛けられた上辺側において、プロセスカートリッジユニット18Bk、18C、18M、18Yの感光体40Bk、40C、40M、40Yと対向している。従動ローラ506と従動ローラ507との間には、転写ベルト10を外側から内側に向かって押圧するテンションローラ15が位置されている。駆動ローラ511は駆動源としての駆動モータM3によって図中時計周り方向に回転駆動される。
なお、ここでは離間位置として第2の位置と第3の位置を設けているが、第2の位置は設けずに第3の位置を第2の位置として設定しても良い。
また、転写ユニット500を離脱する場合、複写機本体奥側のベルト端部10bの反りが各押さえ部材530で押さえられるので、転写ユニット500を複写機本体100の奥側から手前側へ移動させる離脱時や、手前側から奥側へ移動させる装着時に、転写ベルト10と各プロセスカートリッジとの干渉が無く、転写ベルト10の破損を防止できる。
また、転写ベルト10を離脱する場合には、離脱するときに手前となるベルト端部10cに反りがあっても、各押さえ部材531により押さらえる。このため、転写ベルト10がプロセスカートリッジ18Bk、18C、18M、18Yにひっかからなくなるので、転写ベルト10の破損を防止することができる。
一端5302a、5312bと反対側に位置する押さえ部5302、5312の他端5302b、5312bは、図示のように傾斜していな平坦面であっても良いが、図13(a)、図13(b)に示すように、転写ベルト10の表面10aから離間する方向に傾斜した傾斜面としてもよい。また、転写ベルト10と接触する裏面5302c、5312c側や一端5302a、5312aの角部やエッジを、面取り加工や曲面加工しておくと、ベルト端部10b、10cと接触した場合に転写ベルト10が傷つき難くなるので好ましい。
図3、図14に示すように、スライダ522、523には、その長手方向に延びていて、互いに対向する一対の長孔526と一対の長孔527とが長手方向にそれぞれ間隔を空けて形成されている。これら長孔526と長孔527には、フレーム板520、521の互いに対向する面から突出した一対の軸状のピン528、529が挿入されていて、スライダ522、523をフレーム板520、521において長手方向にスライド移動可能に支持するとともに上下方向への位置決めをしている。長孔526、527に挿入するのはピンや軸ではなく、回転自在にフレーム板520、521に支持されたコロであってもよい。スライダ522、523は剛性確保のために板金製のものを用いているが、ピン528、529とのスライド時の摩擦を考慮すると、すべりの良い樹脂材で長孔526、527自体を形成することや、長孔526、527の内部にすべりの良い樹脂材を配置し、その樹脂材でピン528、529をスライド自在に保持するようにしても良い。あるいは、ピン528、529を金属製とし、その外周に滑りのよい樹脂材を被せることや、コーテイングをしても良いし、グリスなどの潤滑剤と塗布してもよい。
本実施の形態では、図12、図13に示すように、各ブラケット800に穴801をそれぞれ設け、フレーム板520、521に回動支点軸533を設けたが、これに替えて、ブラケット800に回動支点軸553を設け、フレーム板520、521に穴801を設けてブラケット800をフレーム板520、521に対して回動可能に支持するようにしても良い。
また、本実施の形態では、感光体40Bk、40C、40M、40Y上に形成されたトナー像をベルト部材としての中間転写ベルト10に転写する画像形成装置に本発明を適用したが、装置の構成はこれに限らない。たとえば、感光体40Bk、40C、40M、40Yとベルト部材としての搬送ベルトとの間に用紙Pを搬送し、感光体40Bk、40C、40M、40Y上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する装置にも適用可能である。また、カラー画像形成装置ではなく、モノクロの画像形成装置にも適用可能である。
図15(b)の状態においては、フレーム板520に設けられた回動支点軸533を、ブラケット800に形成された穴801に挿入することで、フレーム板520に対するブラケット800の回転中心の位置が精度よく決めることが出来る。つまり本実施形態では、図15(a)の状態および図15(b)の状態のそれぞれで、少なくとも回動支点軸533を、フレーム板520に対するブラケット800の主基準とすることで、フレーム板520に対してブラケット800を精度よく位置決めすることができる。
本実施形態において、図16中、押さえ部材530、531と支持ローラ510の反時計回りへの回転移動は接触方向(矢印Aで示す所定の方向)への回転であり、時計回り方向(矢印Bで示す逆方向)への回転移動は離間方向への回転となる。
(ブラック側の構成)
図3、図14、図18(a)に示すように、接離機構700を構成するスライダ524、525には、長手方向に延びていて、互いに対向する一対の長孔586と一対の長孔587とが長手方向にそれぞれ間隔を空けて形成されている。これら長孔586と長孔587には、フレーム板520、521の互いに対向する面から突出した一対のピン588、589が挿入されていて、スライダ524、525をフレーム板520、521において長手方向にスライド移動可能に支持するとともに上下方向への位置決めを行っている。長孔586、587に挿入するのはピンや軸ではなく、回転自在にフレーム板520、521に支持されたコロであってもよい。スライダ524、525は剛性確保のために板金製のものを用いているが、ピン588、589とのスライド時の摩擦を考慮すると、すべりの良い樹脂材に長孔586、587自体を形成することや長孔586、587の内部にすべりの良い樹脂材を設け、その樹脂材でピン588、589を受けるようにしても良い。あるいは、ピン588、589を金属製とし、その外周にすべてのよい樹脂材を被せることや、コーテイングしても良いし、グリスなどの潤滑剤と塗布してもよい。
(フルカラーモード時の動作)
フルカラーモードの場合、図17(a)に示すように、スライダ522、523は引っ張りスプリング543の作用によって図中右方に寄せられている。このとき偏心カムである接離カム541は玉軸受540に対してカム軸542とカム外周面541aとの偏心距離が最小となる部分で接触している。また、手動カム547は、カム受け部546とは離れた状態にある。このため、フルカラーモードでは、支持ローラ510と、第1から第3の3組の押さえ部材530、531(ブラケット800)は、図3に示す第1の位置にある。無論、1次転写ローラ14Y、14M、14Cも第1の位置に位置している。
また、図18(a)に示すように、スライダ524、525も引っ張りスプリング593の作用によって図中右方に寄せられている。このとき偏心カムである接離カム591は玉軸受590に対してカム軸592とカム外周面591aとの偏心距離が最小となる部分で接触している。このため、フルカラーモードでは、支持ローラ501、502は図3に示す第1の位置にある。無論、1次転写ローラ14Bkも第1の位置に位置している。このときの転写ベルト10の軌跡は、略水平状態の軌跡に保持される。
ブラックモードの場合、駆動モータM1が駆動して接離カム541が180度回転したところで、駆動モータM1が停止する。すると、接離カム541は玉軸受540に対してカム軸542とカム外周面541aとの偏心距離が最大となる部分で接触するので、スライダ522、523が図17(a)の状態から左方にスライド移動して図17(b)に示す状態となる。スライダ522、523が移動すると、図15(b)、図16(b)に示すように、ピン558、578が保持部材の開口部557、577の側面557A、577Aにそれぞれ当接して左方に向かって押し出す。この押し出しにより押さえ部材530、531、570がそれぞれ時計回り方向に回動し、押さえ部材530、531と支持ローラ510が第1の位置よりも下方に下がった離間位置となる第2の位置へと移動する。また、ブラックモードでは、1次転写ローラ14C、14M、14Yも第1の位置から図4に示す第2の位置へと移動する。このため、転写ベルト10の軌跡は、1次転写ローラ14Bkと感光体40Bkとが接触した部位から図4に示すように左下がりに傾斜して下降した軌跡となり、感光体40C、40M、40Yと離間した第2の位置となる。
潤滑剤塗布モードの場合、スライダ522、523は、押さえ部材530、531と支持ローラ510を第2の位置に保持するとともに、駆動モータM2が駆動される。駆動モータM2が駆動すると、図18(a)に示す接離カム591が180度回転したところで、駆動モータM2が停止する。すると、接離カム591は玉軸受590に対してカム軸592とカム外周面590aとの偏心距離が最大となる部分で接触するので、スライダ524、525が図18(a)の状態から左方にスライド移動して図18(b)に示す状態となる。スライダ524、525が移動すると、ピン611、612が保持部材の開口部609、610の側面609A、609Aに当接して左方に向かって押し出す。この押し出しにより保持部材594、595がそれぞれ時計回り方向に回動し、支持ローラ501、502が第1の位置よりも下方に下がった離間位置となる第2の位置へと移動する。また、潤滑剤塗布モードでは、カラー用の1次転写ローラ14C、14M、14Yだけでなく、ブラック用の1次転写ローラ14Bkも第1の位置から図5に示す第2の位置へと移動する。このため、転写ベルト10の軌跡は、フルカラーモードのベルト起動に対して下方に位置する軌跡となり、すべての感光体40Bk、40C、40M、40Yから離間した第2の位置となる。
離間モードの場合、図14に示す手動レバー549を反時計回りに回転操作する。すると、カム軸548と一体の手動カム547も反時計回りに回転する。すると、図17(b)において接離カム541で左方に押されたスライダ522、523のカム受け部546が手動カム547によって図17(c)に示すように左方に押される。このため、図15(b)、図16(b)に示すように、ピン558、578が保持部材の開口部557、577の側面557A、577Aをさらに左方に向かって押し出し、保持部材530、531、570がそれぞれ時計回り方向にさらに回転し、押さえ部材530、531と支持ローラ510が実線で示す第2の位置から、これよりも下方に下がった2点鎖線で示す離間位置となる第3の位置へと移動する。すなわち、本実施形態では、ベルト離間時のモードの転写ベルト10の軌跡がベルト接触時の転写ベルト10の軌跡と平行でないようにしている。
また、スライダ524、525も図示しないカムによって、図18(c)に示すように、接離カム591による左方への位置よりも左方へと移動し、ピン611、612が開口部609、610の側面609A、609Aをさらに左方に向かって押し出す。この押し出しにより保持部材594、595がそれぞれ時計回り方向に回動し、支持ローラ501、502が第2の位置よりも下方に下がった離間位置となる第3の位置へと移動する。このため、転写ベルト10は、第2の位置の軌跡よりも、より感光体40Bk、40C、40M、40Yから離間した軌跡となる。
仮に一端5302a、5312aを傾斜面として形成しない場合、離脱モードとなって押さえ部5302、5312が下方に移動した際に、図21に鎖線で示すように、一端5302a、5312aの角部がベルト端部側の表面10aに接触してしまう。離脱モードの場合、転写ベルト10は走行していないので、一端5302a、5312aの角部がベルト端部の表面10aに接触した状態でも、磨耗することはない。しかしベルト端部の表面10aの位置と一端5302a、5312aの回動角によっては、接触状態が強くなり、表面10aが凹んだり、折れ痕が発生する可能性がある。このため、押さえ部5302、5312と転写ベルト10(ベルト端部10b、10c)との間には極力隙間を設ける、あるいは、接触した場合でも、角でない部分で接触させるのが好ましい。よって、押さえ部5302、5312の一端5302a、5312aを転写ベルト10の表面10aから離間する方向に傾斜する傾斜面とすると、一端5302a、5312aとベルト端部の表面10aとの接触を回避できるので、転写ベルト10の破損が低減し、ベルト耐久性が向上する。
摩擦低減部材としては、シール材650ではなく、裏面5302c、5312cとベルト端部10b、10cとの摺動性を高めるために、図22に示すように、裏面5302c、5312cに短繊維を植毛したブラシ状のシート材651を貼り付けて設けてもよい。この場合、単なる摺動性のよいシール材650に比べて、接触面積が低減して摩擦抵抗が少なくなるとともに短繊維によってベルト端部10b、10cに付着している飛散トナーや、紙粉を簡易的にクリーニングすることも期待できるので好ましい。
上述した実施形態において、転写ベルト10がフルカラーモード、ブラックモード、潤滑剤紙塗布モードの場合、転写ベルト10はベルト走行方向Vに走行している。このため、少なくとも転写ベルト10が走行状態となるモードの場合には、押さえ部材530、531の裏面5302c、5312cとベルト端部10b、10cとは、非接触状態とするのが好ましい。そして、離脱モードの場合には、転写ベルト10は走行状態ではないので、押さえ部材530、531の裏面5302c、5312cとベルト端部10b、10cとは接触状態とし、反ったベルト端部10b、10cを下方に押し下げることで、転写ユニット500やプロセスカートリッジユニット18Bk、18C、18M、18Yの着脱動作時に転写ベルト10とプロセスカートリッジユニット18Bk、18C、18M、18Yとの接触を回避することができ、転写ベルト10の耐久性の向上につながる。
上記実施形態において、ブラックモードにおいて、第1の押さえ部材530(1)、531(1)と第2の押さえ部材530(2)、531(2)を第1の位置から第2の位置へと移動して離間位置としたのは、接離動作は1回に動く移動量を大きくすると接離カム541の大径化や、接離トルクが大きくなるなどの問題が発生する。このため、離脱モードに移る前に、事前に第1の押さえ部材530(1)、531(1)と第2の押さえ部材530(2)、531(2)を移動しておくことで、第3の位置への移動量が少なくなり、結果して接離カム541の大径化や駆動モータM1の大型化を防止することができるからである。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
10b、10c ベルト端部
100 複写機本体(画像形成装置本体)
500 ベルトユニット(転写ユニット)
501〜512 複数の支持部材
530、531 押さえ部材(第一の部材)
520、521 フレーム
522、523 スライダ
5302、5312 押さえ部(第1の部材)
5302a、5312a 押さえ部材の一端面
5302c、5312c 押さえ部材の対向面
5401 カム
557 ピン
557A 当接面
550、551 保持部材(第二の部材)
553 回転軸、軸
555 当接部(ストッパ)
556 突当面
600 接離機構
650 シート材(摩擦低減部)
651 ブラシ状のシート材(摩擦低減部)
652 回転部材
690 目印部
800 ブラケット
801 穴
A 所定の方向
B 逆方向
V ベルト部材の走行方向
Y ベルト部材の幅方向
Claims (30)
- 画像形成装置本体に着脱可能なベルトユニットであって、
複数の支持部材に巻き掛けられて走行可能であって、基層と弾性層とを有するベルト部材と、
前記ベルト部材の端部の反りを押さえる押さえ部材と、
前記複数の支持部材を支持するフレームと、
前記押さえ部材を装着するとともに回動可能な保持部材と、
前記保持部材を回動することで、前記押さえ部材を前記ベルト部材に対して近接離間する方向に回動させる接離機構を備え、
前記押さえ部材が、前記接離機構を介して前記フレームに位置決めして設けられているベルトユニット。 - 画像形成装置本体に着脱可能なベルトユニットであって、
複数の支持部材に巻き掛けられて走行可能なベルト部材と、
前記ベルト部材の端部の反りを押さえる押さえ部材と、
前記複数の支持部材を支持するフレームと、
前記押さえ部材を装着するとともに回動可能な保持部材と、
前記保持部材を回動することで、前記押さえ部材を前記ベルト部材に対して近接離間する方向に回動させる接離機構を備え、
前記押さえ部材が、前記接離機構を介して前記フレームに位置決めして設けられているベルトユニット。 - 請求項1または2記載のベルトユニットであって、
前記押さえ部材を前記ベルト部材に対して近接する方向に回動させたとき、および、前記押さえ部材を前記ベルト部材に対して離間する方向に回動させたとき、のそれぞれで、前記押さえ部材が前記フレームに位置決めされるベルトユニット。 - 請求項3記載のベルトユニットであって、
前記押さえ部材は、前記フレームに設けられた回転軸に回転可能に支持されることにより、前記フレームに位置決めされるベルトユニット。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載のベルトユニットにおいて、
前記複数の支持部材のうちの少なくとも一部の支持部材と前記押さえ部材とを前記保持部材に設けて一体として前記フレームに装着したベルトユニット。 - 請求項1乃至5の何れか1項に記載のベルトユニットにおいて、
前記押さえ部材が前記保持部材に着脱可能に設けられているベルトユニット。 - 請求項1乃至5の何れか1項に記載のベルトユニットにおいて、
前記フレームは、前記接離機構によって接離動作する前記保持部材を、任意の位置で保持する当接部を備えているベルトユニット。 - 請求項1乃至7の何れか1項に記載のベルトユニットにおいて、
前記押さえ部材が前記ベルト部材の走行方向に複数配置されているベルトユニット。 - 請求項1乃至8の何れか1項に記載のベルトユニットにおいて、
前記押さえ部材が前記ベルト部材の幅方向に複数配置されているベルトユニット。 - 請求項1乃至9の何れか1項に記載のベルトユニットにおいて、
前記ベルト部材が互いに平行とならない複数の軌跡を取るように変位可能であって、
前記押さえ部材は、前記ベルト部材の端部と対向する対向面を有し、前記ベルト部材の軌跡が変位しても、前記対向面と前記ベルト部材との角度が変化しないように設けられているベルトユニット。 - 請求項1乃至10の何れか1項に記載のベルトユニットにおいて、
前記押さえ部材は、前記ベルト部材の端部と対向する押さえ部を備え、前記押さえ部の少なくとも一端が前記ベルト部材から離間する方向に傾斜して形成されているベルトユニット。 - 請求項1乃至10の何れか1項に記載のベルトユニットにおいて、
前記押さえ部材は、前記ベルト部材の端部と対向する押さえ部を備え、前記押さえ部には、前記ベルト部材を前記複数の支持部材に装着する位置の基準となる目印部を有するベルトユニット。 - 請求項1乃至10の何れか1項に記載のベルトユニットにおいて、
前記押さえ部材は、前記ベルト部材の端部と対向する押さえ部を備え、前記押さえ部の少なくとも前記ベルト部材と対向する対向面に、摩擦低減部を有するベルトユニット。 - 請求項13記載のベルトユニットにおいて、
前記摩擦低減部は、曲面又はブラシ状のシート材で構成されているベルトユニット。 - 請求項1乃至10の何れか1項に記載のベルトユニットにおいて、
前記押さえ部材は、前記ベルト部材との対向部位に回転可能な回転部材を備えているベルトユニット。 - 画像形成装置本体に着脱可能なベルトユニットであって、
複数の支持部材に巻き掛けられて走行可能であって、基層と弾性層とを有するベルト部材と、
前記ベルト部材の端部の反りを押さえる押さえ部材と、
前記複数の支持部材を支持するフレームを備え、
前記押さえ部材が、前記フレームに位置決めして設けられていて、
前記ベルト部材が互いに平行とならない複数の軌跡を取るように変位可能であって、
前記押さえ部材は、前記ベルト部材の端部と対向する対向面を有し、前記ベルト部材の軌跡が変位しても、前記対向面と前記ベルト部材との角度が変化しないように設けられているベルトユニット。 - 画像形成装置本体に着脱可能なベルトユニットであって、
複数の支持部材に巻き掛けられて走行可能であって、基層と弾性層とを有するベルト部材と、
前記ベルト部材の端部の反りを押さえる押さえ部材と、
前記複数の支持部材を支持するフレームを備え、
前記押さえ部材が、前記フレームに位置決めして設けられていて、
前記押さえ部材は、前記ベルト部材の端部と対向する押さえ部を備え、前記押さえ部には、前記ベルト部材を前記複数の支持部材に装着する位置の基準となる目印部を有するベルトユニット。 - 請求項1乃至17の何れか1つに記載のベルトユニットを備えた画像形成装置。
- 複数のローラに巻き掛けられ、表面に画像が転写されるベルトと、
画像が転写される領域よりもベルト幅方向外側で前記ベルトの表面に対向する対向面を有するブラケットと、
前記複数のローラを回転可能に支持するフレームと、を備え、
画像形成装置本体に対してベルト幅方向へ引き出し可能な転写ユニットであって、
前記フレームには軸が形成され、前記ブラケットには穴が形成され、
前記ブラケットは、前記軸を前記穴に挿入することにより、前記フレームに対して回転可能に支持される転写ユニット。 - 請求項19記載の転写ユニットにおいて、
前記フレームにはストッパが形成され、前記ブラケットには突当部が形成され、
前記ブラケットが所定の方向へ回転するとき、前記突当部に前記ストッパが突当たる転写ユニット。 - 請求項20記載の転写ユニットにおいて、
スライダと、
回転することにより前記スライダを移動するカムと、を備え、
前記ブラケットは、前記スライダが移動することにより前記軸を中心として回転する転写ユニット。 - 請求項21記載の転写ユニットにおいて、
前記ブラケットには当接面が形成され、前記スライダにはピンが設けられ、
前記ブラケットは、前記ピンが前記当接面を押すことにより前記軸を中心として回転する転写ユニット。 - 請求項20乃至22の何れか1項に記載の転写ユニットにおいて、
前記ブラケットが前記所定の方向へ回転するとき、前記ブラケットの前記対向面は前記ベルト表面から離れる方向へ移動するとともに、画像形成装置本体に設けられた像担持体に前記ベルトが接触する転写ユニット。 - 請求項23記載の転写ユニットにおいて、
転写ユニットは、前記ブラケットを前記所定の方向と逆方向へ回転させた状態で、画像形成装置本体からベルト幅方向へ引き出し可能である転写ユニット。 - 請求項19乃至24の何れか1項に記載の転写ユニットにおいて、
前記軸および前記穴は、ベルト幅方向に延びて形成され、
前記軸は、ベルト幅方向から前記穴に挿入される転写ユニット。 - 請求項19乃至25の何れか1項に記載の転写ユニットにおいて、
ポリエチレンテレフタラート製のシート、ポリウレタン製のシートまたはブラシ状のシートを前記ブラケットの前記対向面に貼り付けた転写ユニット。 - 請求項19乃至26の何れか1項に記載の転写ユニットにおいて、
前記ブラケットの前記対向面は曲面状に形成されている転写ユニット。 - 請求項19乃至27の何れか1項に記載の転写ユニットにおいて、
前記ブラケットは、前記対向面を有する第一の部材と、前記穴が形成されるとともに前記第一の部材を保持する第二の部材と、を有する転写ユニット。 - 複数のローラに巻き掛けられるベルトと、
ベルト幅方向の端部で前記ベルトの表面に対向する対向面を有するブラケットと、
前記複数のローラを回転可能に支持するフレームと、を備え、
前記フレームには、ストッパと、ベルト幅方向に延びる軸とが形成され、
前記ブラケットには、穴と、突当部とが形成され、
前記軸が前記穴に挿入され、前記突当部が前記ストッパに突き当たることで、前記フレームに対する前記ブラケットの回転を規制するベルトユニット。 - 請求項29記載のベルトユニットにおいて、
前記ストッパは、前記ブラケットの対向面が前記ベルトの表面から離れる方向へ移動するのを規制するベルトユニット。
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