JP6393308B2 - ポリアミド製造プロセスにおける抽出水の連続的再循環方法およびその装置 - Google Patents
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Description
a)オリゴマーの分解を最大とするために、温度を220〜280℃に調整し、水分量を20〜40重量%の範囲に調整し、滞留時間を0.5〜20時間の範囲に調整し、
b)混合流をポリアミドプロセスに速やかに供給できるように、上昇する圧力を、本質的にカプロラクタムを含む少なくとも1つの部分流を計量して加えることで低下させる。
オリゴマー分解を最大化することは、以下の点に起因する本発明の最適な空時収量の観点から理解されるべきである。
さらに再重合の後であって流入流を計量して加える前に、フラッシュエバポレーター中で再重合物の断熱的な膨張が生じることが好ましい。
したがって、フラッシュエバポレーターは好ましくは本質的に再重合物の融点の温度、好ましくは150〜220℃を与えるように加熱されるか、あるいは完全に断熱される。よってフラッシュエバポレーターの圧力は、溶融ポリマーの凝固を避けるように調整される。好ましくは、フラッシュエバポレーターの圧力は4〜10barである。蒸発は好ましくは充填物または流下薄膜にて生じる。再重合は220〜280℃、好ましくは240〜270℃で実施される。予備混合器は好ましくは180〜220℃、1〜6barで操作される。
a)環状オリゴマーの分解のための再重合器、
b)バージンなラクタムと、場合によっては添加剤および混合流を混合するための予備混合器、
c)予備混合器から分岐され、当該予備混合器の前に位置する供給ポイントで計量され加えられる、循環流を再循環するためのバイパス、
d)循環流を流すためにバイパスに設置されたポンプ。
さらに好ましくは、再重合物と循環流の混合を改善するためのスタティックミキサーは供給ポイントと予備混合器の間に設置される。
図1は2つの圧力ステージを備える技術に基づく公知の重合方法の概要を示す。
図2は本発明の製造方法の第一の態様を示す。
図3は本発明の製造方法の第二の態様を示す。
図4は本発明の製造方法の第三の態様を示す。
反応マスは継続してVKパイプ5に移送される(VKは連続的減少の略である)。ポリアミドモル質量に置換えてさらに高度に重合するために、当該パイプでは可能な限りの量の水を240〜280℃の温度、0.5〜1.5barにて頂部で排出し、カラム6を介して除去する。VKパイプの中央部では反応による発熱のために溶融物の温度が若干上昇するが、下部にて240〜255℃に冷却される。VKパイプでの通常の滞留時間は6〜15時間である。次いで、溶融物は排出され、顆粒化およびその後の抽出等のさらなる工程に供される。
以下の実施例は、その概要が図2に示されているプロセスに基づく。
434kg/hのカプロラクタム、200kg/hの水、16.4kg/hの環状ダイマーからなる流れを、258℃で2時間の滞留時間(最適化された分解ステージ)で、チューブ反応器に供給した。これによりカプロラクタム量は7.5重量%に、ダイマー量は0.72重量%に低下した。反応マス上の蒸気圧は32.5barであった。次いで流れを約8barで単一の断熱膨張(フラッシュ)ステージに供した。78.7kg/hの水蒸気および微量のカプロラクタムが184.0℃で遊離され、反応混合物の水分量は20.5重量%に低下した。同様に、当該水およびカプロラクタムを用いて反応中間体を184.0℃に冷却した(ただし融点である170℃よりは高く保った)。この流れは循環している予備混合器のバイパス流に、好ましくはスタティックミキサーの前に導入された。予備混合器は3bar、200℃で運転され、2083kg/hのバージンなカプロラクタムが当該予備混合器に計量され加えられた。バイパスの温度は200℃であり(予備混合器の温度である)、流れ25と26の液体比は混合流の蒸気圧を5.0barに低下させるために1/3〜1で選択された。フラッシュタンクからの流出物と組合せる前に、循環流は3.6重量%の水、64.8重量%のカプロラクタム、31.6重量%のポリアミド6からなっていた。混合後、温度は195.8℃であり、当該流れは7.8重量%の水、50.3重量%のカプロラクタム、41.9重量%のポリアミド6で構成されていた。この時点での溶融物上の蒸気圧は5.0barであった。当該流れは、200℃、3barで運転される予備混合器内で膨張し、同時に2083kg/hのカプロラクタムと混合された。この条件下で、さらに18.9kg/hの水が蒸発した。同様に、蒸発したカプロラクタムを予備混合器に再循環した。この循環流はポンプによって反応生成物から分岐された。このシステムから排出された流れ26は200℃の温度を有し、3.6重量%の水、64.8重量%のカプロラクタム、31.6重量%のポリアミド6を有し、かつ3barの蒸気圧を有していた。これは、カプロラクタムの転化を完全にしさらにシステムから水を除去するために、例えば3bar、240℃で運転される予備重合器に直接移送できる。
実施例1よりも大きな液体比の設定により、断熱膨張を省略でき、流れ13を直接バイパスに計量して加えることができる。この可能性の概略を図3に示す。
実施例1と同様の組成を有する流れ11を最適化された分解ステージ12に供給した。これによりカプロラクタム量は7.5重量%に、ダイマー量は0.72重量%に低下した。反応マス上の蒸気圧は32.5barであった。この流れは循環している予備混合器17のバイパス流20に、好ましくはスタティックミキサー18の前に導入された。予備混合器を200℃で運転し、2083kg/hのカプロラクタムを計量して加えた。バイパスの温度は200℃であり(予備混合器の温度である)、流れ25と26の液体比は混合流の蒸気圧を4.3barに低下させるために1/10〜1で選択された。流れ13と組合せる前に、循環流20は3.6重量%の水、62.9重量%のカプロラクタム、33.5重量%のポリアミド6からなっていた。混合後、温度は198.4℃であり、流れ22は6.0重量%の水、57.9重量%のカプロラクタム、36.1重量%のポリアミド6で構成されていた。この時点での溶融物上の蒸気圧は4.3barであった。流れ22は、200℃、3barで運転される予備混合器内で膨張し、同時に2083kg/hのカプロラクタムからなる流23と混合された。この条件下で、96.7kg/hの水が蒸発した。同様に、蒸発したカプロラクタムを予備混合器に再循環した。この循環流25はポンプ21によって反応生成物から分岐された。このシステムから排出された流れ26は200℃の温度を有し、3.6重量%の水、62.9重量%のカプロラクタム、33.5重量%のポリアミド6を有し、かつ3barの蒸気圧を有していた。これは、カプロラクタムの転化を完全にしさらにシステムから水を除去するために、例えば3bar、240℃で運転される予備重合器に直接移送できる。
予備混合器の循環バイパスへ直接導入する代わりに、バージンなラクタムで希釈することによっても蒸気圧を低減できる。この場合、流れ23は混合物の固化温度に到達しないように予備加熱されなければならない。この方法の概要を図4に示す。
150kg/hの水および3kg/hの酢酸を用いた2つの圧力ステージを有するプロセスにより、2600kg/hのカプロラクタムをポリアミド6に転化した。混合物を予備重合器に装入した。予備重合器の頂部は240℃、4barであり滞留時間1時間で92.4kg/hの水を蒸発させた。次いで、混合物を断熱された下部に移送し2.5時間滞留させた。ここでは温度は264℃に上昇し、8.5重量%のカプロラクタムが転化された。この時点でのダイマーの量は0.50重量%であった。反応混合物を雰囲気温度にてVKパイプに移送した。当該パイプの上部にて、滞留時間1時間、275℃にて、さらに51.3kg/hの水が排出された。下部ではトータルで8時間の滞留し、断熱部の後(3時間)で、反応温度が最終的に240℃に低下した。出口でのカプロラクタム量は8.3重量%、ダイマー量は0.66重量%であり、1重量%硫酸溶液で測定した相対粘度は2.69であった。
直接再循環:
実施例2と同様の反応条件にて、2578kg/hのカプロラクタム、150kg/hの水、3kg/hの酢酸、22kg/hの環状ダイマーをプロセスに供した。VKパイプの出口においてカプロラクタム量は8.3重量%、ダイマー量は0.85重量%であり(22kg/h)、前記相対粘度は2.69であった。
直接再循環および最適化された再重合:
434kg/hのカプロラクタム、200kg/hの水、16.0kg/hの環状ダイマーからなる流を閉じたチューブ反応器にて、自発圧力下、258℃で2時間反応させた。カプロラクタム、量は7.5重量%に、ダイマー量は0.72重量%に低下した。予備混合器の上部で得られた反応混合物を、さらに2150kg/hのカプロラクタムおよび3kg/hの酢酸と混合し、実施例2と同様の反応条件(ただしVKパイプの頂部の圧力が0.83barに低下した点は異なる)で反応させた。VKパイプの出口においてカプロラクタム量は8.6重量%、ダイマー量は0.61重量%であった(16.0kg/h)。ここでの前記相対粘度は2.69であった。
[発明の態様]
[1]
重合工程、顆粒化工程、およびその後の当該顆粒を水で抽出する工程を備えるポリアミド製造プロセスにおいて抽出水を連続的に再循環する方法であって、
少なくとも1つの製造ラインからの抽出水を濃縮し、環状オリゴマーを分解するために抽出水流(11)として再重合(12)に供給し、再重合物(12、16)として、少なくとも1つの流入流(20、23)で希釈し、次いで混合流(26)として前記重合工程に供給し、
再重合中に、
a)オリゴマーの分解を最大とするために、温度を220〜280℃の範囲に調整し、水分量を20〜40重量%の範囲に調整し、滞留時間を0.5〜20時間の範囲に調整し、
b)ポリアミド製造プロセスへの迅速な混合流(22、26)の供給を可能とするように少なくとも1つの本質的にカプロラクタムを含む流入流(20、23)を計量して加えることによって、上昇する圧力を低下させることを特徴とする、方法。
[2]
前記の本質的にカプロラクタムを含む少なくとも1つの流入流(20、23)が、再重合と予備混合器(17)の間に配置された供給ポイント(19)において計量され加えられて、それによりカプロラクタム濃度が予備混合器(17)の前で上昇し、温度は低下してもよく、これによって混合流のポリアミド製造プロセスへの再循環が可能となるまで溶融物上の蒸気圧が予備混合器(17)内の圧力に近づくことを特徴とする、[1]の方法。
[3]
前記少なくとも1つの流入流(20、23)がカプロラクタムを本質的に含む部分流であって、当該部分流は、再重合(12)後にバイパスを経由して分流し、予備混合器(17)の前に、再度循環流(20)として循環において再重合物(16)に供給されることを特徴とする、[1]または[2]の方法。
[4]
流入流(20)を計量して加えた後に、再重合物(16)と流入流(20)の混合を改善するためにスタティックミキサー(18)を使用することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかの方法。
[5]
再重合(12)の後であって、流入流を計量して加える(19)前に、再重合物(16)の断熱膨張がフラッシュエバポレーター(14)にて生じることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかの方法。
[6]
フラッシュエバポレーター(14)を、再重合物(16)の融点に本質的に適合する温度、特に150〜220℃に加熱するか、あるいは完全に断熱し、フラッシュエバポレーター(14)の圧力をポリマー溶融物が凝固しないように、好ましくは4〜10barに調整することを特徴とする、[5]の方法。
[7]
前記膨張が充填物または流下薄膜にて生じることを特徴とする、[5]または[6]の方法。
[8]
240〜270℃の温度および/または25〜35重量%の水分量および/または1〜15時間の滞留時間において、再重合を実施することを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかの方法。
[9]
予備混合器(17)を180〜220℃の温度、および1〜6barの圧力で運転することを特徴とする、[1]〜[8]のいずれかの方法。
[10]
本質的にカプロラクタムを含む少なくとも1つの流入流(23)が、バージンなラクタムからなるか、またはこれを本質的に含み、当該流入流が予備混合器(17)の前に位置する供給ポイント(19)において計量され加えられて、それによりカプロラクタム濃度が予備混合器(17)の前で上昇し、温度は低下してもよく、これによって溶融物上の圧力が予備混合器(17)内の圧力に適合することを特徴とする、[1]の方法。
[11]
複数、好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜4の製造ラインからの抽出水が組み合わされ、そして次に再重合(12)に供されることを特徴とする、[1]〜[10]のいずれかの方法。
[12]
重合工程、顆粒化工程、およびその後の当該顆粒を水で抽出する工程を備えるポリアミド製造プロセスにおいて抽出水を連続的に再循環するための装置であって、
a)環状オリゴマーの分解のための再重合器(12)、
b)バージンなラクタムと、場合によっては添加剤、および混合流(22、26)を混合するための予備混合器(17)、
c)予備混合器(17)から分流され、当該予備混合器(17)の前に位置する供給ポイント(19)で計量され加えられ、循環流(20)を再循環するためのバイパス、および
d)循環流(20)を流すためにバイパスに設置されたポンプ(21)、
を備える、装置。
[13]
再重合物(16)の断熱膨張のためのフラッシュエバポレーター(14)を、再重合器(12)と供給ポイント(19)の間に配置することを特徴とする、[12]の装置。
[14]
再重合物(16)と少なくとも1つの流入流(20、23)の混合を改善するスタティックミキサー(18)を供給ポイント(19)と予備混合器(17)の間に配置することを特徴とする、[12]または[13]の装置。
Claims (15)
- 重合工程、顆粒化工程、およびその後の当該顆粒を水で抽出する工程を備えるポリアミド製造プロセスにおいて抽出水を連続的に再循環する方法であって、
少なくとも1つの製造ラインからの抽出水を濃縮し、環状オリゴマーを分解するために抽出水流(11)として再重合(12)に供給し、再重合物(12、16)として、少なくとも1つの流入流(20、23)で希釈し、次いで混合流(26)として前記重合工程に供給し、
再重合中に、
a)オリゴマーの分解を最大とするために、温度を220〜280℃の範囲に調整し、水分量を20〜40重量%の範囲に調整し、滞留時間を0.5〜20時間の範囲に調整し、
b)ポリアミド製造プロセスへの迅速な混合流(22、26)の供給を可能とするように少なくとも1つの本質的にカプロラクタムを含む流入流(20、23)を計量して加えることによって、上昇する圧力を低下させることを特徴とする、方法。 - 前記の本質的にカプロラクタムを含む少なくとも1つの流入流(20、23)が、再重合と予備混合器(17)の間に配置された供給ポイント(19)において計量され加えられて、それによりカプロラクタム濃度が予備混合器(17)の前で上昇し、温度は低下してもよく、これによって混合流のポリアミド製造プロセスへの再循環が可能となるまで溶融物上の蒸気圧が予備混合器(17)内の圧力に近づくことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの流入流(20、23)がカプロラクタムを本質的に含む部分流であって、当該部分流は、再重合(12)後にバイパスを経由して分流し、予備混合器(17)の前に、再度循環流(20)として循環において再重合物(16)に供給されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- 流入流(20)を計量して加えた後に、再重合物(16)と流入流(20)の混合を改善するためにスタティックミキサー(18)を使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 再重合(12)の後であって、流入流を計量して加える(19)前に、再重合物(16)の断熱膨張がフラッシュエバポレーター(14)にて生じることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- フラッシュエバポレーター(14)を、再重合物(16)の融点に適合する温度に加熱するか、あるいは完全に断熱し、フラッシュエバポレーター(14)の圧力をポリマー溶融物が凝固しないように調整することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
- フラッシュエバポレーター(14)を150〜220℃の温度に加熱するか、あるいは完全に断熱し、フラッシュエバポレーター(14)内の圧力は、4〜10barの範囲であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
- 前記膨張が充填物内へまたは流下薄膜にて生じることを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
- 240〜270℃の温度および/または25〜35重量%の水分量および/または1〜15時間の滞留時間において、再重合を実施することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 予備混合器(17)を180〜220℃の温度、および1〜6barの圧力で運転することを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
- 本質的にカプロラクタムを含む少なくとも1つの流入流(23)が、バージンなラクタムからなるか、またはこれを本質的に含み、当該流入流が予備混合器(17)の前に位置する供給ポイント(19)において計量され加えられて、それによりカプロラクタム濃度が予備混合器(17)の前で上昇し、温度は低下してもよく、これによって溶融物上の圧力が予備混合器(17)内の圧力に適合することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 複数、好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜4の製造ラインからの抽出水が組み合わされ、そして次に再重合(12)に供されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
- 重合工程、顆粒化工程、およびその後の当該顆粒を水で抽出する工程を備えるポリアミド製造プロセスにおいて抽出水を連続的に再循環するための装置であって、
a)環状オリゴマーの分解のための再重合器(12)、
b)バージンなラクタムと、任意に添加剤、および混合流(22、26)を混合するための予備混合器(17)、
c)予備混合器(17)から分流され、当該予備混合器(17)の前に位置する供給ポイント(19)で計量され加えられる、循環流(20)を再循環するためのバイパス、および
d)循環流(20)を流すためにバイパスに設置されたポンプ(21)、
を備える、装置。 - 再重合物(16)の断熱膨張のためのフラッシュエバポレーター(14)を、再重合器(12)と供給ポイント(19)の間に配置することを特徴とする、請求項13に記載の装置。
- 再重合物(16)と少なくとも1つの流入流(20、23)の混合を改善するスタティックミキサー(18)を供給ポイント(19)と予備混合器(17)の間に配置することを特徴とする、請求項13または14に記載の装置。
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