JP6391907B2 - 車両用空調装置およびその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気自動車やハイブリッド車等に適用されるヒートポンプ方式の車両用空調装置およびその運転方法に関するものである。
電気自動車やハイブリッド車両、およびアイドリングストップ機能を備えたエンジン駆動車両では、常にエンジンが作動している一般のエンジン駆動車両と異なり、エンジンを備えていないか、備えていても省燃費化のために頻繁にエンジンを停止させる制御がなされている。したがって、このような車両に適用される車両用空調装置においては、エンジン冷却水等の温熱を利用した暖房運転を行い難い。また、一般のエンジン駆動車両のようにエンジンの動力で圧縮機(コンプレッサ)を駆動して冷媒を圧縮することができない。
このため、特許文献1に開示されているように、エンジン動力ではなく電動モータの動力で圧縮機を駆動する電動圧縮機が使用され、この電動圧縮機で圧縮した冷媒を用いて冷暖房を行うヒートポンプ方式の車両用空調装置が採用されている。ヒートポンプ方式によらずに暖房を行うとすれば、電気ヒータにより暖房用の空気を加熱する暖房方式が存在するが、この暖房方式は非常に消費電力が大きいため、高COP暖房(COP≧1)を実現可能なヒートポンプ方式の暖房方式の方が望ましい。このようなヒートポンプ方式の車両用空調装置は、HVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)と呼ばれている。
ヒートポンプ方式の車両用空調装置における問題点として、低外気温時(例えば−10℃以下)の暖房運転時において、空気中の水分が凝縮し、車室外蒸発器に着霜(フロスト)が起こって暖房能力が低下するという事象が挙げられる。
また、空気中の水分だけでなく、降雪や、追従走行時において前方車両から巻き上げられる雪等が車室外蒸発器に付着してフロストしたり、低外気温のために車室外蒸発器における吸熱量が低下したりして暖房能力が低下する場合がある。
このような場合、暖房能力を向上させるために、特許文献1に開示されている車両用空調装置では、低外気温度時の熱源として、冷媒回路内に冷媒加熱装置を設置し、この冷媒加熱装置によって電動圧縮機に吸入される冷媒を加熱する方法が採られている。
一方、このようなヒートポンプ方式の車両用空調装置では、車室内前方のインストルメントパネルの内部に設置されるHVACユニットの内部に車室内凝縮器(コンデンサ)と車室内蒸発器(エバポレータ)とが内包されており、さらに、車室内凝縮器を通る温風と、車室内蒸発器を通る冷風とを混合させて温度調整を行う温度調節ダンパが内蔵されている。
このようなヒートポンプシステムにおいて除湿暖房モードを選択した場合、HVACユニットに内蔵された車室内凝縮器と車室内蒸発器とが同一冷媒システム上の経路となっているために、温度調節ダンパによる温度調整が不可欠となっている。
特開2010−234847号公報
上述したように、従来のヒートポンプ方式の車両用空調装置では、電動圧縮機に吸入される冷媒を加熱する冷媒加熱装置が冷媒回路内に独立的に設置されていたため、この独立した冷媒加熱装置およびこれを接続するための追加配管等の機材が必要となり、これらの設置スペースを狭い車両内部に確保する必要がある上に、冷媒回路が複雑化且つ高コスト化するといった課題があった。
また、HVACユニット内部に温度調節ダンパが設けられることにより、部品点数が増加し、HVACユニット自身も大型化してしまうという課題があった。
さらに、例えば家庭用ルームエアコンの室外機熱交換器に着霜すると、いわゆるリバース運転(暖房→冷房運転)が行われ、室外熱交換器の除霜が実施される。しかし、車両用のヒートポンプシステムで同様な除霜を実施すると、暖房運転を停止することに伴い、車両の視界確保の保安基準を満足できない場合が想定される。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、冷媒回路およびHVACユニットの小型簡素化および低コスト化を図るとともに、冷暖房能力および車室外蒸発器の除霜能力を向上させることができる車両用空調装置およびその運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る車両用空調装置は、冷媒を圧縮する電動圧縮機と、車室内のHVACユニット内に設けられた車室内蒸発器および車室内凝縮器と、車室外に設けられた車室外蒸発器および車室外凝縮器と、前記電動圧縮機に吸入される前の冷媒を必要に応じて加熱する冷媒加熱装置と、を備え、前記電動圧縮機から吐出された冷媒を車室外凝縮器で熱交換した後に減圧して車室内蒸発器に供給する冷房運転と、前記電動圧縮機から吐出された冷媒を車室内凝縮器で熱交換した後に車室外蒸発器に供給する暖房運転と、前記電動圧縮機から吐出された冷媒を車室内凝縮器で熱交換した後に前記車室内蒸発器に供給する除湿暖房運転と、を切り替えて運転するヒートポンプ方式の車両用空調装置であって、前記冷媒加熱装置を、前記電動圧縮機の吸入部に隣接させて設置したことを特徴とする。
上記構成によれば、冷媒加熱装置が電動圧縮機と一体化されるため、従来のような独立した冷媒加熱装置や、これを接続するための追加配管等の機材が不要となり、それらの設置スペースを削減できるとともに、冷媒回路の簡素化および低コスト化を図ることができる。
しかも、冷媒加熱装置で加熱された冷媒が、別な配管等を通ることなく、冷媒加熱装置に隣接している電動圧縮機に直ちに吸入されるため、加熱された冷媒の熱損失を防止して、暖房能力および除霜能力を向上させることができる。
また、本発明に係る車両用空調装置は、上記構成において、前記冷媒加熱装置の入口部に、冷媒の圧力を減圧する温度式膨張弁を隣接させて設置したことを特徴とする。
上記構成によれば、冷媒加熱装置が電動圧縮機と一体化されることに加えて、温度式膨張弁も電動圧縮機に一体化されるため、一層のコンパクト化および低コスト化を図ることができる。
また、本発明に係る車両用空調装置は、上記構成において、前記温度式膨張弁は、前記電動圧縮機に吸入される前の冷媒を前記冷媒加熱装置に流す冷媒加熱流路と、冷媒を前記冷媒加熱装置に流さずに前記電動圧縮機に直接吸入させるバイパス流路と、を備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、冷媒加熱装置が使用されない冷房運転時には、温度式膨張弁の冷媒加熱流路を閉じてバイパス流路を開くことにより、電動圧縮機に吸入される前の冷媒を、圧力損失を招く冷媒加熱装置には通さずに直接電動圧縮機に吸入させることができる。このため、冷媒を効率良く電動圧縮機に吸入させて冷房能力を向上させることができる。
また、本発明に係る車両用空調装置は、前記HVACユニット内において、前記車室内蒸発器を通過した空気の全量が前記車室内凝縮器を通るように風路を形成するとともに、前記電動圧縮機の吐出側に三方切替弁を設けて、該電動圧縮機から吐出された冷媒を前記車室内凝縮器または前記車室外凝縮器のいずれか一方に選択的に流す構成とし、前記電動圧縮機の回転数を変化させることによって前記HVACユニットから車室内に吹き出す風の温度コントロールを行うことを特徴とする。
上記構成によれば、HVACユニット内に設けられた車室内蒸発器と車室内凝縮器のうち、冷房運転時には車室内蒸発器にのみ冷媒が供給され、暖房運転時には車室内凝縮器にのみ冷媒が供給される。そして、電動圧縮機の回転数を変化させることによって温度コントロールが行われる。
この構成により、従来の車両用空調装置においてHVACユニット内に設けられていた温調ダンパが無くなるため、HVACユニットを大幅に小型簡素化するとともに、低コスト化することができる。
しかも、従来の車両用空調装置のように、冷房時にHVACユニット内の車室内凝縮器に圧縮されて高温化した冷媒が供給されることがないため、温風の漏れやHVACユニットの温度上昇等による熱漏れの虞がなく、これによって冷房能力を向上させることができる。
また、本発明に係る車両用空調装置は、上記構成において、前記車室外凝縮器を前記車室外蒸発器に近接させて設置するとともに、前記車室外凝縮器側から前記車室外蒸発器側に向かって冷却風を送風する送風手段を設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、車室外蒸発器への着霜等により機能低下した時に、電動圧縮機から吐出された高温な冷媒を車室外凝縮器に供給しながら送風手段を作動させることにより、高温な冷媒が車室外凝縮器で熱交換された際に発生する熱風が送風手段の作動により車室外蒸発器に吹き付けられ、車室外蒸発器の着霜が融解される。このため、車室外蒸発器の除霜能力を向上させることができる。
また、本発明に係る車両用空調装置の運転方法は、前記の各構成の車両用空調装置において、前記暖房運転時における暖房の吹出し温度が目標吹出し温度に達していない場合は、前記冷媒加熱装置を作動させて前記電動圧縮機に吸入される前の冷媒を加熱することを特徴とする。
上記運転方法によれば、電動圧縮機に圧縮される前の冷媒が冷媒加熱装置によって加熱されるため、車室内凝縮器における放熱量が多くなり、これによって特に低外気温時における暖房能力を向上させることができる。
また、本発明に係る車両用空調装置の運転方法は、前記の各構成の車両用空調装置において、前記暖房運転時、且つ前記車室外蒸発器に着霜している時に内気循環モードが選択された場合には、前記電動圧縮機から吐出された冷媒を前記車室内蒸発器と前記車室外蒸発器との両方に供給しながら前記除湿暖房運転を行うことを特徴とする。
内気循環モードでは、窓曇りの発生が懸念されるが、上記運転方法によれば、車室内蒸発器を用いて除湿暖房運転を実施することにより、窓曇りの発生を抑制しながら暖房運転を続行することができる。また、車室内蒸発器と車室外蒸発器の両方へ冷媒を流すことにより、車室内蒸発器のフロストを極力避けることができる。
また、本発明に係る車両用空調装置の運転方法は、前記暖房運転時、且つ前記車室外蒸発器に着霜している時に内気循環モードが選択され、且つ冷媒加熱装置を作動させる場合には、前記電動圧縮機から吐出された冷媒を前記車室内蒸発器に供給し、前記車室外蒸発器には供給せずに前記除湿暖房運転を行うことを特徴とする。
上記運転方法によれば、窓曇りを防止するとともに、電動圧縮機から吐出された冷媒を全て冷媒加熱装置に流して加熱し、暖房能力を向上させることができる。
また、本発明に係る車両用空調装置の運転方法は、前記車室外凝縮器と前記車室外蒸発器とが近接させて設置され、前記車室外凝縮器側から前記車室外蒸発器側に向かって冷却風を送風する送風手段が設けられた車両用空調装置において、前記車室外蒸発器の除霜を行う除霜運転時には、前記電動圧縮機から吐出された冷媒を前記車室外凝縮器に供給しながら前記送風手段を作動させることを特徴とする。
上記運転方法によれば、車室外蒸発器への着霜により機能低下した時に、電動圧縮機から吐出された高温な冷媒を車室外凝縮器に供給しながら送風手段を作動させることにより、冷媒が車室外凝縮器で熱交換された際に発生する熱風が送風手段の作動により車室外蒸発器に吹き付けられ、車室外蒸発器の着霜が融解される。このため、短時間で効果的に車室外蒸発器を除霜することができ、車室外蒸発器の除霜能力を向上させることができる。
また、本発明に係る車両用空調装置の運転方法は、上記運転方法において、前記除霜運転時には内気循環モードにすることを特徴とする。
上記運転方法によれば、既に暖められた車室内空気を無駄にすることなく車室内蒸発器に吸熱させて除霜のための熱源とし、車室外蒸発器の除霜に供することができる。このため、車室内から吸い込まれる空気の温度を可及的に高めにし、短時間で効果的に車室外蒸発器を除霜できるようにして、車室外蒸発器の除霜能力を向上させることができる。
また、本発明に係る車両用空調装置の運転方法は、上記運転方法において、前記除霜運転時には、前記HVACユニットの複数の吹出し口のうち、内気吸込み口から遠い吹出し口を選択することを特徴とする。
上記運転方法によれば、除霜運転時にHVACユニットより吹き出される冷風が、直接HVACユニットの内気吸込み口にショートサーキットしてしまうことを防止することができる。このため、車室内空気の熱を無駄にすることなく車室内蒸発器に吸熱させて車室外蒸発器の除霜に供することができ、除霜能力を向上させることができる。
以上のように、本発明に係る車両用空調装置およびその運転方法によれば、冷媒回路およびHVACユニットの小型簡素化および低コスト化を図るとともに、冷暖房能力および車室外蒸発器の除霜能力を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る車両用空調装置の冷媒回路図である。 電動圧縮機に設けられた温度式膨張弁の概略構成を示す図である。 冷房運転時における冷媒の流れを示す図である。 暖房運転時(着霜前)における冷媒の流れを示す図である。 暖房運転時(着霜後、外気導入モード、冷媒加熱装置ON)における冷媒の流れを示す図である。 除湿暖房運転(内気循環モード、冷媒加熱装置OFF)における冷媒の流れを示す図である。 除湿暖房運転(内気循環モード、冷媒加熱装置ON)における冷媒の流れを示す図である。 除霜運転における冷媒の流れを示す図である。 車両用空調装置を制御する制御装置のブロック図である。 図9に示す制御装置による運転制御フロー図である。 冷房運転時の制御フロー図である。 暖房運転時の制御フローの一部を示す図である。 図12の残りの部分を示す図である。 除霜運転時の制御フロー図である。 図12の残りの部分を示す図である。
以下、図1〜図15に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1に示されるヒートポンプ方式の車両用空調装置1は、HVACユニット2と、冷暖房可能な冷媒回路3とを備えている。
HVACユニット2は、内外気切替ダンパ4を介して車室内の内気または車室外の外気のいずれかを選択的に導入し、下流側に圧送するブロア5と、ブロア5に連なる空気流路6内に上流側から下流側にかけて順次配設されている車室内蒸発器8と、車室内凝縮器9とを備えている。このHVACユニット2は、車室内前方のインストルメントパネル内に設置され、車室内蒸発器8および車室内凝縮器9により温調された空気を、車室内に向けて開口されているデフ吹出し口11、フェイス吹出し口12、フット吹出し口13いずれかから、吹出しモード切替ダンパ14,15,16により切り換えられる吹出しモードに従って車室内に吹き出し、車室内を設定温度に空調するものである。
HVACユニット2内における風路構造は、ブロア5から送風されて車室内蒸発器8を通過した外気または内気の全量が車室内凝縮器9を通るように形成されている。なお、従来のHVACユニット内に設けられている温調ダンパは設けられていない。
一方、冷暖房が可能な冷媒回路3には、閉サイクルの冷凍サイクル27と暖房サイクル29とが構成されている。
冷凍サイクル27は、冷媒を圧縮する電動圧縮機20、およびこの電動圧縮機20に吸入される前の冷媒を必要に応じて加熱する冷媒加熱装置41、ならびに電動圧縮機20に吸入される冷媒の圧力を減圧する第1温度式膨張弁42が一体的にユニット化されたコンプレッサユニット20Aと、電動圧縮機20の吐出側に設けられた三方切替弁23と、車室外凝縮器21と、レシーバ22と、第2温度式膨張弁24と、HVACユニット2内の車室内蒸発器8と、逆止弁25とが、この順に吐出配管26Aおよび冷媒配管26B,26C,26D,26E,26F,26Gを介して接続されることによって構成されている。
図2に示すように、コンプレッサユニット20Aに内蔵されている冷媒加熱装置41は、電動圧縮機20の吸入部20aに隣接して設置され、第1温度式膨張弁42は、冷媒加熱装置41の入口部に隣接して設置されている。そして、第1温度式膨張弁42の内部には、電動圧縮機20に吸入される前の冷媒を冷媒加熱装置41に流す冷媒加熱流路42aと、吸入前の冷媒を冷媒加熱装置41に流さずに電動圧縮機20の吸入部20aに直接吸入させるバイパス流路42bとが設けられている。冷媒加熱流路42aには減圧部42cおよび感温部42dが設けられている。
冷媒加熱装置41は、例えば発熱体としての電熱線を絶縁した状態で金属パイプにより被覆する、いわゆる電気式のシーズヒータとしたり、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子を使用した電気式のPTCヒータとすることができる。また、逆止弁25は、冷媒配管26F側(車室内蒸発器8側)からコンプレッサユニット20A側への冷媒の流れのみを許容する。上記の冷凍サイクル27は、エンジン駆動方式の車両に適用されている現行の車両用空調装置と概略同様のものである。
暖房サイクル29は、コンプレッサユニット20Aおよび三方切替弁23と、HVACユニット2内の車室内凝縮器9と、レシーバ22と、第3温度式膨張弁31と、車室外蒸発器32と、逆止弁25とが、この順に吐出配管26Aおよび冷媒配管26H,26I,26D,26J,26K,26L,26M,26Gを介して接続されることによって構成されている。したがって、コンプレッサユニット20Aと、三方切替弁23と、レシーバ22と、吐出配管26Aおよび冷媒配管26D,26Gは、冷凍サイクル27と暖房サイクル29とによって共用されている。
さらに、冷媒配管26Jと、コンプレッサユニット20Aの第1温度式膨張弁42との間を接続する冷媒配管26Nが配設されており、この冷媒配管26Nに逆止弁43と電磁弁44とが介装されている。逆止弁43は、冷媒配管26J側(レシーバ22側)からコンプレッサユニット20A側への冷媒の流れのみを許容する。
第2温度式膨張弁24と、第3温度式膨張弁31は、各々、減圧機構を備える通路24a,31aと、減圧機構を備えていない通路24b,31bと、を備えている。そして、減圧機構を備えない通路24b,31b側で冷媒の温度を検知することで、各々、通路24a,31aの減圧機構の開度を調整することができるようになっている。第1温度式膨張弁42もほぼ同様な構造である。なお、三方切替弁23の具体的な構成は問わず、例えば2個の電磁弁を組み合わせてもよい。
上記した冷媒回路3において、暖房サイクル29を構成している車室外蒸発器32は、冷凍サイクル27を構成している車室外凝縮器21に対して、外気を通風する車室外ファン36(送風手段)の通風路中における下流側に、車室外凝縮器21と互いに平行に、且つ近接して設置されており、車室外ファン36を共用化している。車室外ファン36は、車室外凝縮器21側から車室外蒸発器32側に向かって冷却風を送風(吸引)する。なお、本実施形態においては、車室外蒸発器32と車室外凝縮器21との間に、車両駆動用のエンジン、モータ、インバータおよびバッテリ等を冷却する冷却媒体を熱交換させるラジエータ37が設置された構成とされている。
車室外凝縮器21、車室外蒸発器32およびラジエータ37の配置は任意であるが、本実施形態のように配置すると、車室外凝縮器21および車両用のラジエータ37によって、降雪時や積雪時における雪をブロックし、車室外蒸発器32に対する雪の付着を軽減することができる。したがって、車室外蒸発器32での熱交換性能を確保し、暖房性能を向上することができるとともに、車室外蒸発器32への雪の付着による凍結を防止することができる。また、車両用のラジエータ37から放熱がある場合には、それを吸熱して暖房能力の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のレシーバ22は、車室外凝縮器21からの冷媒配管26Cと、車室内凝縮器9からの冷媒配管26Iとが接続される2つの冷媒流入口にそれぞれ逆止弁38,39が一体的に組み込まれた逆止弁付きのレシーバとされている。各逆止弁38,39は、共にレシーバ22の外部側から内部側への冷媒の流れのみを許容する。冷媒配管26Dはレシーバ22の出口配管であり、この冷媒配管26Dは冷媒配管26Eと冷媒配管26Jとに分岐し、冷媒配管26Eが車室内蒸発器8側に繋がり、冷媒配管26Jが車室外蒸発器32側に繋がる。
電動圧縮機20から吐出された冷媒は、三方切替弁23の開弁状態により、車室外凝縮器21(冷媒配管26B側)または車室内凝縮器9(冷媒配管26H側)のいずれか一方に選択的に流されるようになっている。そして、HVACユニット2から車室内に吹き出す風の温度コントロールは、電動圧縮機20の回転数を変化させることと、電動圧縮機20に吸入される前の冷媒を冷媒加熱装置41によって加熱することによって行われる。
次に、車両用空調装置1の運転時における冷媒の流れを、図3〜図8を用いて説明する。この車両用空調装置1は、電動圧縮機20から吐出された冷媒を車室外凝縮器21で熱交換した後に減圧して車室内蒸発器8に供給する冷房運転と、電動圧縮機20から吐出された冷媒を車室内凝縮器9で熱交換した後に車室外蒸発器32に供給する暖房運転と、電動圧縮機20から吐出された冷媒を車室内凝縮器9で熱交換した後に車室内蒸発器8に供給する除湿暖房運転とを切り替えて運転される。なお、各図において、運転時に冷媒が流れる冷媒配管は太線で示され、冷媒が流れていない冷媒配管は細線で示されている。
[冷房運転]
図3は、冷房運転時における冷媒の流れを示している。
冷房運転時には、電動圧縮機20で圧縮された冷媒が吐出配管26Aより冷媒配管26Bを経て車室外凝縮器21側に供給されるように、三方切替弁23の開弁方向が設定される。車室外凝縮器21に供給された冷媒は、車室外ファン36を介して通風される外気と熱交換されて凝縮液化される。この液冷媒は、冷媒配管26Cとレシーバ22の逆止弁38とを経てレシーバ22内に導入され、ここに一旦貯留された後、冷媒配管26D,26Eを経て第2温度式膨張弁24に導かれ、ここで減圧されて気液二相状態となり、HVACユニット2内の車室内蒸発器8に供給される。
車室内蒸発器8でブロア5から送風されてくる内気または外気と熱交換されて蒸発ガス化された冷媒は、冷媒配管26F,26Gと、逆止弁25と、第1温度式膨張弁42とを経て電動圧縮機20に吸入され、再び圧縮される。この時、冷媒加熱装置41は停止(OFF)状態とされている。冷媒は、第1温度式膨張弁42を通過する際にバイパス流路42bに通されて、圧力損失を招く冷媒加熱装置41には通されずに直接電動圧縮機20に吸入される。以下、同様のサイクルが繰り返される。
車室内蒸発器8で冷媒と熱交換されることにより冷却された内気または外気は、吹出しモード切替ダンパ14,15,16により切り替えられる吹出しモードに応じて、デフ吹出し口11、フェイス吹出し口12、フット吹出し口13のいずれかから車室内に吹き出され、車室内の冷房に供される。
この冷房運転時には、HVACユニット2内の車室内凝縮器9には、圧縮されて高温化した冷媒が供給されることがないため、車室内凝縮器9の温度が高くなることがない。したがって、車室内蒸発器8を通過して冷却された風の全量が車室内凝縮器9を通過しても、この冷風が温められることはない。そして電動圧縮機20の回転数を変化させることによって冷風の温度コントロールがなされる。
[暖房運転(着霜前)]
図4は、暖房運転時における冷媒の流れを示している。
暖房運転時、車室外蒸発器32に着霜するまでの間は、電動圧縮機20で圧縮された冷媒が吐出配管26Aより冷媒配管26Hを経てHVACユニット2内の車室内凝縮器9側に供給されるように、三方切替弁23の開弁方向が設定される。車室内凝縮器9に供給された冷媒は、ブロア5から送風されてくる内気または外気と熱交換されて放熱される。これによって加熱された空気は、吹出しモードに応じて、デフ吹出し口11、フェイス吹出し口12およびフット吹出し口13のいずれかから車室内に吹き出され、車室内の暖房に供される。なお、通常の暖房運転は、窓の曇りを防止するために外気導入モードで行われる。
車室内凝縮器9で熱交換されて凝縮液化された冷媒は、冷媒配管26Iとレシーバ22の逆止弁39とを経てレシーバ22内に導入され、ここに一旦貯留された後、冷媒配管26D,26Jを通り、冷媒配管26Nに設けられた電磁弁44が閉じているために第3温度式膨張弁31に導かれ、ここで減圧されて気液二相状態となり、さらに冷媒配管26Kを経て車室外蒸発器32に供給される。
車室外蒸発器32に供給された冷媒は、車室外ファン36により通風される外気と熱交換され、外気から吸熱することで蒸発ガス化された後、冷媒配管26Lを経て第3温度式膨張弁31を通過し、さらに冷媒配管26M,26Gと、逆止弁25と、第1温度式膨張弁42とを経て電動圧縮機20に吸入され、再び圧縮される。この時、冷媒加熱装置41は、冷房運転時と同じく停止(OFF)状態とされており、冷媒は、第1温度式膨張弁42の内部で圧力損失の少ないバイパス流路42bを通って電動圧縮機20に吸入される。以下、同様のサイクルが繰り返されてヒートポンプ暖房が行われる。
[暖房運転(着霜後)]
上記のように、車室外蒸発器32により、外気から吸熱して暖房運転を行うと、低外気温時(例えば−10℃以下の時)に、車室外蒸発器32の表面に着霜し、この着霜が進むに連れて暖房能力が低下し、ついには暖房の吹出し温度が目標吹出し温度に達しなくなる懸念がある。そこで、車室外蒸発器32が着霜した場合には、車室外蒸発器32に冷媒を流すことを停止するとともに、冷媒加熱装置41を作動させて電動圧縮機20に吸入される前の冷媒を加熱する冷媒加熱式の暖房運転が行われる。
即ち、車室外蒸発器32に対して着霜が検知された場合、冷媒加熱装置41を作動させる。こうして冷媒加熱装置41により冷媒が蒸発し過熱度が付き始めると、第1温度式膨張弁42が開き(ON)、電磁弁44も開かれるため、図5に示すように、電動圧縮機20から吐出されて車室内凝縮器9とレシーバ22とを経た冷媒が冷媒配管26Nに流れ込み、電磁弁44と逆止弁43とを通過し、第1温度式膨張弁42の冷媒加熱流路42a(図2参照)を通って冷媒加熱装置41に通され、ここで加熱されてから電動圧縮機20に吸入され、圧縮される。以下、同様のサイクルが繰り返されてヒートポンプ暖房が続行される。
これに伴い、車室外蒸発器32へ流入する冷媒量が減少し、過熱度が付かない状態となって、第3温度式膨張弁31の減圧機構を備える通路31aが閉じる(OFF)。このため、車室外蒸発器32への冷媒供給が停止される。冷媒加熱装置41で加熱された冷媒が電動圧縮機20で圧縮されて車室内凝縮器9に導入され、ブロア5から送風されてくる外気と熱交換されて放熱されることは、除霜前の暖房運転と同様である。なお、この冷媒加熱式の暖房運転が行われている時も、窓の曇りを防止するために外気導入モードに設定するのが好ましい。
なお、第2温度式膨張弁24および第3温度式膨張弁31は、電磁弁を備えたものであってもよい。電磁弁を備えていれば、完全に冷媒の流れを停止させることができる。しかし、電磁弁を使わずに温度式膨張弁とすることで、車両用空調装置1の構成を簡素化することができる。
[除湿暖房運転(着霜後)]
このように、車室外蒸発器32が着霜していて、冷媒加熱装置41により冷媒を加熱しながら暖房運転が行われている最中に、乗員により内気循環モードが選択された場合には、温度が高い車室内空気から吸熱して暖房できる利点があるものの、車内の湿度の高い空気が循環されることにより、車両の窓が急激に曇る懸念がある。このような場合には、電動圧縮機20から吐出された冷媒を、車室内蒸発器8と車室外蒸発器32との両方に供給しながら除湿暖房運転が行われる。
この除湿暖房運転時には、図6に示すように、電動圧縮機20で圧縮された冷媒は、着霜前の暖房運転時(図4)と同様に、まず車室内凝縮器9に導入され、ここで、ブロア5から送風されてくる内気と熱交換されて放熱される。これによって加熱された空気は、吹出しモードに応じて、デフ吹出し口11、フェイス吹出し口12およびフット吹出し口13のいずれかから車室内に吹き出され、車室内の暖房に供される。
車室内凝縮器9で放熱して凝縮液化した冷媒は、レシーバ22内に導入され、ここに一旦貯留された後、冷媒配管26Dから冷媒配管26Eと26Jの両方に分流するように流される。
レシーバ22から冷媒配管26Eに流れた冷媒は、第2温度式膨張弁24で減圧されて気液二相状態となり、HVACユニット2内の車室内蒸発器8に供給される。この車室内蒸発器8で冷媒に吸熱されることによって冷却除湿された空気(内気)は、車室内蒸発器8の下流側に設置されている車室内凝縮器9で加熱され、吹出しモードに応じて、デフ吹出し口11、フェイス吹出し口12およびフット吹出し口13のいずれかから車室内に吹き出されることで、車室内の暖房に供される。車室内蒸発器8でブロア5から送風されてくる内気と熱交換されて蒸発ガス化された冷媒は、冷媒配管26Fに流れる。
また、レシーバ22から冷媒配管26Jに流れた冷媒は、電磁弁44が閉じているために第3温度式膨張弁31側に流れ、ここで減圧されて気液二相状態となり、車室外蒸発器32に供給される。車室外蒸発器32に供給された冷媒は、車室外ファン36により通風される外気と熱交換され、外気から吸熱することで蒸発ガス化された後、再び第3温度式膨張弁31を通過し、冷媒配管26G内において車室内蒸発器8から流れてきた冷媒と合流し、逆止弁25と第1温度式膨張弁42とを経て電動圧縮機20に吸入され、再び圧縮される。
この時、冷媒加熱装置41は停止(OFF)状態とされており、冷媒は、第1温度式膨張弁42の内部で圧力損失の少ないバイパス流路42bを通って電動圧縮機20に吸入される。以下、同様のサイクルが繰り返されてヒートポンプ暖房と冷房とを併用した除湿暖房運転が行われる。この除湿暖房運転では、車室内蒸発器8を利用して内気の除湿が行われるので、窓曇りの心配がない。
さらに、外気温が低く、暖房の吹出し温度が目標吹出し温度に達しない場合には、冷媒加熱装置41を作動させて電動圧縮機20に吸入される前の冷媒を加熱する。この時の冷媒の流れは図7に示すようになる。この時は、図6の状態から電磁弁44を開いて冷媒配管26Nを開通した状態で冷媒加熱装置41をONにする。
この時に、第3温度式膨張弁31が例えば半開弁状態であると、車室外蒸発器32側に冷媒が流れてしまい、電動圧縮機20に吸入される冷媒の圧力が減少してしまうため、好ましくは第3温度式膨張弁31に電磁弁機能を設け、着霜後の除湿暖房運転時には、この電磁弁により第3温度式膨張弁31を強制的に閉じて冷媒配管26K,26L,26Mを閉鎖し、車室外蒸発器32に冷媒が流れないようにする。これにより、レシーバ22から冷媒配管26Jに流れた冷媒が全て冷媒加熱装置41側に流れ、冷媒加熱装置41で加熱されることによって暖房能力が向上される。
[除霜運転]
上記のように、車室外蒸発器32を機能させて暖房運転している時に、車室外蒸発器32に対して着霜が検知された場合でも、直ちに除霜運転は行わず、前述した冷媒加熱式の暖房運転(図5)、または除湿暖房運転(図6)に切り替えることにより、そのまま暖房運転を継続するように制御される。このため、車両が走行(使用)されている間は、強制的な除霜は行われず、外気で自然にデフロストされるのを待つことになる。しかし、外気温の低い状態が続くと、除霜されずに霜が付着したままとなることが想定される。
そこで、車両が停止(駐車)とされ、乗員が居なくなった状態で、さらに電気自動車やハイブリッド車両の場合において望ましいのは車両のバッテリの充電時、または充電後でバッテリ容量に余裕がある時に、車両用空調装置1の除霜運転を行うように制御される。
この除霜運転では、図8に示されるように、電動圧縮機20で圧縮されたホットガス冷媒が冷媒配管26Bを通って車室外凝縮器21側に供給されるように、三方切替弁23の開弁方向が設定され、車室外ファン36を作動させる。即ち、冷房運転時(図3)と同様に冷媒が流れる。また、HVACユニット2の内外気切替ダンパ4が内気循環モードに設定される。車室外凝縮器21に供給された冷媒は、車室外ファン36を介して通風される外気と熱交換されて凝縮液化され、この時に車室外凝縮器21が高温になる。
車室外蒸発器32は、車室外凝縮器21に対して、外気を通風する車室外ファン36(送風手段)の通風路中における下流側に近接して設置されているため、車室外ファン36の作動により、高温な車室外凝縮器21と熱交換して温風となった冷却風が車室外蒸発器32に吹き付けられ、その熱により車室外蒸発器32に付着した霜が融解される。
車室外凝縮器21で放熱して凝縮された冷媒は、冷媒配管26C、レシーバ22、出口冷媒配管26D、冷媒配管26Eを経て第2温度式膨張弁24に導かれ、ここで減圧されて気液二相状態となり、HVACユニット2内の車室内蒸発器8に供給される。車室内蒸発器8に供給された気液二相冷媒は、ブロア5を介して循環される車室内空気(内気)から吸熱して蒸発され、冷媒配管26F,26Gと、逆止弁25と、第1温度式膨張弁42とを経て電動圧縮機20に吸入され、再び圧縮される。以下、同様のサイクルが繰り返されることによって、車室外凝縮器21で放熱されるホットガス冷媒の熱を利用して間接的に車室外蒸発器32の霜を溶解し、除霜することができる。
このため、除霜運転時にも、低圧仕様の車室外蒸発器32に対して高圧のホットガス冷媒を流通させることなく、その除霜を行うことが可能となる。また、この除霜運転は、車内に乗員が居ない状態で行われることから、除霜に適合する最適なモードに設定して運転することができる。
本実施形態では、車室内蒸発器8で可能な限り温度の高い空気から吸熱できるように、内外気切替ダンパ4を内気循環モードとするとともに、電動圧縮機20の回転数を高くして冷房能力を最大(MAX COOL)に設定して冷房運転するようにしている。このようにホットガスの熱量を有効に利用して除霜できるため、短時間で除霜することができる。
また、除霜運転は、車両を停止した後、車室内に乗員が居ない状態で、且つ車両のバッテリの充電中もしくは充電後に行うようにしているので、除霜運転が車両の走行距離に影響を及ぼすことを回避することができるとともに、車両バッテリの充電時もしくは充電後のバッテリ容量に余裕がある時に除霜運転を行うことができ、したがって、乗員に何ら影響を及ぼさない状態で効率良く確実に車室外蒸発器32を除霜することができる。
さらに、吹出しモードについても、仮にフットモードを選択してフット吹出し口13から空気を吹き出すようにすると、フット吹出し口13から吹き出された空気が、フット吹出し口13に近接して開口されている内気循環用の吸込み口にショートサーキットし、車室内の温度の高い空気を吸い込むことができ難くなる虞がある。そこで、除霜運転時には、HVACユニット2の複数の吹出し口11,12,13のうち、吸込み口から遠い吹出し口が選択される。即ち、吹出しモードをフットモード以外の、デフモード、フェイスモード、バイレベルモードのいずれかが自動選択されるようになっている。したがって、内気循環により車室内から吸い込まれる空気の温度を可及的に高めにし、短時間で効果的に車室外蒸発器32を除霜することができる。
また、この除霜運転の終了は、車室外蒸発器32を用いたヒートポンプ暖房運転(図4の着霜前の暖房運転)を実施して、着霜検知手段(後述する車室外蒸発器冷媒温度センサ(T1)58と外気温度センサ(Tamb)54との温度差が設定値a以上か否かで判定)により着霜がないことを確認した時点で除霜運転を終了させるようにしている。つまり、着霜検知手段が作動しないことを以って除霜が完了していることを確認して、除霜残しが無いように確実に車室外蒸発器32を除霜できるようにしている。
[空調制御装置]
以上説明した運転モードは、図9に示されている空調制御装置50を介して制御されるようになっている。この空調制御装置50は、上位に当たる車両制御装置51と接続され、車両側から関係情報が入力可能とされているとともに、コントロールパネル52を備えている。そして、空調制御装置50は、以下に説明する各種センサからの検出信号と、車両制御装置51およびコントロールパネル52からの入力情報とに基づいて、車両用空調装置1の運転制御を行う。
空調制御装置50には、車両の適所に設置されている車室内温度センサ(Tr)53、外気温度センサ(Tamb)54、日射センサ(Ts)55、車速センサ56の他、車室内蒸発器8に設置されているフロストセンサ(FS)57、車室外蒸発器32に設置されている車室外蒸発器冷媒温度センサ(T1)58、冷媒配管26Hに設置されている高圧センサ(HP)59、車室内凝縮器9に設置されている車室内凝縮器吹出し温度センサ(Tc)60からの検出信号が入力されるようになっている(これら各センサの設置位置は図1参照)。
空調制御装置50は、以上の各種センサからの検出信号と、コントロールパネル52および車両制御装置51からの入力情報に基づき、予め設定されているプログラムに従って所要の演算、処理等を行い、吹出しモード切替ダンパ14,15,16用のアクチュエータ61、内外気切替ダンパ4用のアクチュエータ62、ブロア5用のモータ64、車室外ファン36用のモータ65、電動圧縮機20用のモータ66、冷媒加熱装置41用のオン/オフスイッチ67、三方切替弁23用の電磁コイル68および電磁弁44用の電磁コイル69等を制御し、上記の如く車両用空調装置1を運転制御する機能を担うものである。
[運転制御]
以下に、この空調制御装置50による車両用空調装置1の運転制御を、図10ないし図15に示すフローチャートを参照して説明する。
図10は、車両用空調装置1のメイン制御フロー図であり、制御が開始されると、まずステップS101において、コントロールパネル52の設定を読み込み、さらにステップS102において、各種のセンサ53〜60からの検出値を読み込む。これらの設定値および検出値に基づいて、ステップS103では、目標吹出し温度Ttarを算出し、ステップS104に移行する。ここでは、除湿運転ありか否かが判定され、除湿運転がなされている(Yes)であれば、ステップS105に移行して「冷房運転制御」に入り、除湿運転がなされていなければ(No)、ステップS106に移行して「暖房運転制御」に入り、その後、ステップS107において、各種センサ53〜60の検出値を出力し、スタート点に戻る。
上記ステップS105において「冷房運転制御」に入ると、図11に示される冷房運転制御が実行される。
冷房運転制御では、まずステップS201において、三方切替弁23の流路が決定され、冷媒を車室外凝縮器21側に流す回路に接続される。続いて、ステップS202において、電磁弁44の開閉が決定され、電磁弁44が閉(OFF)とされる。これによって、冷房用の冷凍サイクル27が設定される。
引き続き、ステップS203において電動圧縮機20の回転数、ステップS204において内外気切替ダンパ4の切り替えによる吸い込みモード、ステップS205において吹出しモード切替ダンパ14,15,16の切り替えによる吹出しモード、ステップS206においてブロア5の駆動電圧、ステップS207において車室外ファン36の駆動電圧がそれぞれ決定され、各モータおよびアクチュエータ61〜66が制御されることにより、車室内温度が設定温度となるように冷房運転が実行されるようになっている。その後、C1(ステップS107)に移行され、冷房運転が継続される。
また、図10のステップS106において、「暖房運転制御」に入ると、図12および図13に示される暖房運転制御が実行される。
暖房運転制御では、まず図12のステップS301において、三方切替弁23の流路が決定され、冷媒を車室内凝縮器9側に流す回路に接続される。続いて、ステップS302において、電磁弁44の開閉が決定され、電磁弁44が閉(OFF)とされる。これにより、着霜前の暖房用のヒートポンプサイクルが設定され、その後、ステップS303に移行される。ステップS303においては、車室外蒸発器32に対する着霜の有無が判定される。
ステップS303における着霜の有無は、車室外蒸発器冷媒温度センサ58の検出値T1と外気温度センサ54の検出値Tambとの差が、設定値a以上か否か(Tamb−T1≧a)で判定される。着霜あり(Yes)と判定されると、ステップS304に移行され、着霜なし(No)と判定されると、ステップS501(図13参照)に移行される。ここで、着霜なしと判定された場合には、車室外蒸発器32を蒸発器として機能させ、着霜前のヒートポンプサイクルにより暖房運転(図4)されることになる。
図13のステップS501では、乗員が内気循環モードを選択する可能性があるので、内気導入モードを選択する指令の有無が判断される。外気導入モードを選択する旨の指令(外気指令)がなければ、内気循環モード(Yes)と決定され、ステップS502で内気循環モードに設定され、ステップS503で電磁弁の開度が設定される。
引き続き、ステップS504に移行し、目標吹出し温度Ttarと車室内凝縮器吹出し温度センサ60の検出値Tcoとの差が、設定値b以上か否か(Ttar−Tco≧b)、または、フロストセンサ57による検出値Fsが、設定値c以下か否か(Fs≦c)が判定される。Ttar−Tco≧b、または、Fs≦c(Yes)と判定されると、ステップS505に移行して冷媒加熱装置41がONされる。そうでなければ(No)、ステップS506に移行して冷媒加熱装置41がOFF状態のまま保たれるようになっている。このように、ヒートポンプによる暖房だけでは能力が足りないと判断される場合、冷媒加熱装置41により暖房能力を補うようにしている。
これに続いて、ステップS507において電動圧縮機20の回転数、ステップS508において吹出しモード切替ダンパ14,15,16の切り替えによる吹出しモード、ステップS509においてブロア5の駆動電圧、ステップS510において車室外ファン36の駆動電圧等がそれぞれ決定され、モータおよびアクチュエータ61〜66が駆動されることにより、車室内温度が設定温度となるように、車室外蒸発器32に着霜後の暖房運転が実行されるようになっている。その後、C1(ステップS107)に移行され、暖房運転が継続される。
一方、ステップS501において外気導入モードを選択する旨の指令(外気指令)があれば、外気導入モード(No)と決定され、ステップS601で外気導入モードに設定され、ステップS602において冷媒加熱装置41をOFFに設定した後、ステップS603において電動圧縮機20の回転数、ステップS604において吹出しモード切替ダンパ14,15,16の切り替えによる吹出しモード、ステップS605においてブロア5の駆動電圧、ステップS606において車室外ファン36の駆動電圧等がそれぞれ決定され、各モータおよびアクチュエータ61〜66が駆動されることにより、車室内温度が設定温度となるように暖房運転が実行されるようになっている。その後、C1(ステップS107)に移行され、暖房運転が継続される。
一方、図12のステップS303において、着霜ありと判定され、ステップS304に移行されると、車両電源が入っている(ON)か否(OFF)か、が判定され、OFF(No)の場合にはステップS401に移行し、ON(Yes)の場合にはステップS305に移行される。ステップS305においては、外気導入モードを選択する指令の有無が判断される。外気導入モードを選択する旨の指令(外気指令)がなければ、内気循環モード(Yes)と決定され、次のステップS306で内気循環モードに設定され、ステップ307で電磁弁の開度が設定される。
引き続き、ステップS308に移行される。ここでは、目標吹出し温度Ttarと車室内凝縮器吹出し温度センサ60の検出値Tcoとの差が、設定値b以上か否か(Ttar−Tco≧b)、または、フロストセンサ57による検出値Fsが、設定値c以下か否か(Fs≦c)が判定される。Ttar−Tco≧b、または、Fs≦c(Yes)と判定されると、ステップS309に移行して冷媒加熱装置41がONされる。そうでなければ(No)、ステップS310に移行して冷媒加熱装置41がOFF状態のまま保たれるようになっている。このように、ヒートポンプによる暖房だけでは能力が足りないと判断される場合、冷媒加熱装置41により暖房能力を補うようにしている。
これに続いて、ステップS311において電動圧縮機20の回転数、ステップS312において吹出しモード切替ダンパ14,15,16の切り替えによる吹出しモード、ステップS313においてブロア5の駆動電圧、ステップS314において車室外ファン36の駆動電圧等がそれぞれ決定され、モータおよびアクチュエータ61〜66が駆動されることにより、車室内温度が設定温度となるように、車室外蒸発器32に着霜後の暖房運転が実行されるようになっている。その後、C1(ステップS107)に移行され、暖房運転が継続される。
ステップS305において、外気導入モードを選択する旨の指令(外気指令)があれば、外気導入モードと決定され(No)、次いで、図15に示すステップS315において外気導入モードに設定され、次にステップS316において、電磁弁44が開(ON)とされる。次に、ステップS317で冷媒加熱装置41をONに設定した後、ステップS318において電動圧縮機20の回転数、ステップS319において吹出しモード切替ダンパ14,15,16の切り替えによる吹出しモード、ステップS320においてブロア5の駆動電圧、ステップS321において車室外ファン36の駆動電圧等がそれぞれ決定され、各モータおよびアクチュエータ61〜66が駆動されることにより、車室内温度が設定温度となるように暖房運転が実行される。その後、C1(ステップS107)に移行され、暖房運転が継続される。
さらに、図12のステップS304において、No、即ち車両電源がOFFと判定され、ステップS401に移行すると、車両電源(バッテリ)が充電中または充電完了か否かが判定される。ここで、充電中または充電完了(Yes)と判定されると、車両が停車中(駐車中)で、乗員が乗っておらず、かつ車両のバッテリが充電中もしくは充電完了していると判断し、ステップS402に移行して車室外蒸発器32に着霜している霜を除霜する「除霜運転制御」が実施される。車室外蒸発器32の霜は、着霜後の継続運転中において、自然にデフロストされている可能性もあるが、着霜判定された後の車両電源OFF時、必ず「除霜運転制御」が実行されるようになっている。
一方、車両電源(バッテリ)が充電中または充電完了していなければ(ステップS401→No)、除霜運転は終了される。
この「除霜運転制御」では、図14に示されるように、ステップS701において、三方切替弁23の流路が決定され、冷媒を車室外凝縮器21側に流す回路に接続される。続いて、ステップS702において、電磁弁44の開閉が決定され、電磁弁44が閉とされる。これにより、除霜運転用の冷凍サイクル27が設定され、その後、ステップS703に移行される。ステップS703においては、車室内温度センサ53の検出値Trと外気温度センサ54の検出値Tambとの差が、設定値d以下か否か(Tr−Tamb≦d)、またはフロストセンサ57による検出値Fsが、設定値c以下か否か(Fs≦c)が判定される。
ステップS703でYesと判定されると、ステップS704に移行して冷媒加熱装置41がONされ、Noと判定されると、ステップS705に移行して冷媒加熱装置41がOFF状態に保たれるようになっている。このように、車室内温度が低く、車室内蒸発器8で十分な吸熱が期待できず、除霜に必要な熱量が不足していると判断される場合、冷媒加熱装置41により車室内蒸発器8に循環される冷媒を加熱できるようにしている。
次に、ステップS706において電動圧縮機20の回転数、ステップS707において内外気切替ダンパ4の切り替えによる吸い込みモード(内気循環モード)、ステップS708において吹出しモード切替ダンパ14,15,16の切り替えによる吹出しモード、ステップS709においてブロア5の駆動電圧、ステップS710において車室外ファン36の駆動電圧等がそれぞれ決定され、各モータおよびアクチュエータ61〜66が駆動されることにより、内気循環モードで除霜運転が実行されるようになっている。
また、本実施形態においては、この除霜運転時、吹出しモード切替ダンパ14,15,16によりデフモード、フェイスモードもしくはバイレベルモードのいずれかの吹出しモードにして運転するようにしている。これは、内気循環モードによって行われる除霜運転時、フット吹出し口13から車室内に吹き出される低温の空気が近くの内気循環用の吸込口からショートサーキットするのを防ぐためである。
図14に示されるステップS701ないしステップS710の「除霜運転制御」が終了すると、その後、図12のC2(ステップS403)に移行され、着霜判定が実行される。この着霜判定は、ステップS303で行われる着霜判定と同様に、車室外蒸発器冷媒温度センサ58の検出値T1と外気温度センサ54の検出値Tambとの差が、設定値a以上か否か(Tamb−T1≧a)で判定される。そして、着霜あり(Yes)と判定されると、ステップS402に戻り、「除霜運転制御」が継続され、No(着霜なし)と判定されると除霜運転が終了されるようになっている。
[作用・効果]
本実施形態に係る車両用空調装置1によれば、以下の作用効果が奏される。
まず、冷媒加熱装置41を、電動圧縮機20の吸入部に隣接させて設置したことにより、冷媒加熱装置41が電動圧縮機20と一体化される(コンプレッサユニット20Aとなる)ため、従来のような独立した冷媒加熱装置や、これを接続するための追加配管等の機材が不要となり、それらの設置スペースを削減できるとともに、冷媒回路3の簡素化および低コスト化を図ることができる。
しかも、冷媒加熱装置41で加熱された冷媒が、別な配管等を通ることなく、冷媒加熱装置41に隣接している電動圧縮機20に直ちに吸入されるため、加熱された冷媒の熱損失を防止して、暖房能力および除霜能力を向上させることができる。
これに加えて、冷媒加熱装置41の入口部に、冷媒の圧力を減圧する第1温度式膨張弁42を隣接させて設置したため、冷媒加熱装置41が電動圧縮機20と一体化されることに加えて、第1温度式膨張弁42も電動圧縮機20に一体化されるため、一層のコンパクト化および低コスト化を図ることができる。
さらに、この第1温度式膨張弁42は、電動圧縮機20に吸入される前の冷媒を冷媒加熱装置41に流す冷媒加熱流路42aと、冷媒を冷媒加熱装置41に流さずに電動圧縮機20に直接吸入させるバイパス流路42bと、を備えているため、冷媒加熱装置41が使用されない冷房運転時には、第1温度式膨張弁42の冷媒加熱流路42aを閉じてバイパス流路42bを開くことにより、電動圧縮機20に吸入される前の冷媒を、圧力損失を招く冷媒加熱装置41には通さずに直接電動圧縮機20に吸入させることができる。このため、冷媒を効率良く電動圧縮機20に吸入させて冷房能力を向上させることができる。
また、この車両用空調装置1では、HVACユニット2内において、車室内蒸発器8を通過した空気の全量が車室内凝縮器9を通るように風路を形成するとともに、電動圧縮機20の吐出側に三方切替弁23を設けて、電動圧縮機20から吐出された冷媒を車室内凝縮器9または車室外凝縮器21のいずれか一方に選択的に流す構成とし、電動圧縮機20の回転数を変化させることによってHVACユニット2から車室内に吹き出す風の温度コントロールを行うようにした。
この構成によれば、HVACユニット2内に設けられた車室内蒸発器8と車室内凝縮器9のうち、冷房運転時には車室内蒸発器8にのみ冷媒が供給され、暖房運転時には車室内凝縮器9にのみ冷媒が供給される。そして、電動圧縮機20の回転数を変化させることによって温度コントロールが行われる。
この構成により、従来の車両用空調装置においてHVACユニット内に設けられていた温調ダンパが無くなるため、HVACユニット2を大幅に小型簡素化するとともに、低コスト化することができる。
しかも、従来の車両用空調装置のように、冷房時にHVACユニット内の車室内凝縮器に圧縮されて高温化した冷媒が供給されることがないため、温風の漏れやHVACユニットの温度上昇等による熱漏れの虞がなく、これによって冷房能力を向上させることができる。
また、この車両用空調装置1は、車室外凝縮器21を車室外蒸発器32に近接させて設置するとともに、車室外凝縮器21側から車室外蒸発器32側に向かって冷却風を送風する車室外ファン36(送風手段)を設けている。このため、車室外蒸発器32が着霜して機能低下し、除霜運転を行う際には、電動圧縮機20から吐出された高温な冷媒を車室外凝縮器21に供給しながら車室外ファン36を作動させることにより、高温な冷媒が車室外凝縮器21で熱交換された際に発生する熱風が車室外ファン36の作動により車室外蒸発器32に吹き付けられ、車室外蒸発器32の着霜が融解される。このため、車室外蒸発器32の除霜能力を向上させることができる。
またこのように構成された車両用空調装置1の運転方法として、暖房運転時における暖房の吹出し温度が目標吹出し温度に達していない場合は、冷媒加熱装置41を作動させて電動圧縮機20に吸入される前の冷媒を加熱するようにしたため、車室内凝縮器9における放熱量が多くなり、これによって特に低外気温時における暖房能力を向上させることができる。
また、車両用空調装置1の運転方法として、暖房運転時、且つ車室外蒸発器32に着霜している時に内気循環モードが選択された場合には、電動圧縮機20から吐出された冷媒を車室内蒸発器8と車室外蒸発器32との両方に供給しながら除湿暖房運転を行うようにした。
このため、窓曇りの発生が懸念される内気循環モードにおいても、上記運転方法によれば、車室内蒸発器8を用いて除湿暖房運転を実施することにより、窓曇りの発生を抑制しながら暖房運転を続行することができる。また、車室内蒸発器8と車室外蒸発器32の両方へ冷媒を流すことにより、車室内蒸発器8のフロストを極力避けることができる。
また、車両用空調装置1の運転方法として、車室外蒸発器32の除霜を行う除霜運転時には、電動圧縮機20から吐出された高温な冷媒を車室外凝縮器21に供給しながら車室外ファン36を作動させるようにした。このため、高温な冷媒が車室外凝縮器21で熱交換された際に発生する熱風が車室外ファン36の作動により車室外蒸発器32に吹き付けられ、車室外蒸発器32の着霜が融解される。このため、短時間で効果的に車室外蒸発器32を除霜することができ、車室外蒸発器32の除霜能力を向上させることができる。
また、この除霜運転時においては、内気循環モードを自動選択するようにしたため、既に暖められた車室内空気を無駄にすることなく車室内蒸発器8に吸熱させて除霜のための熱源とし、車室外蒸発器32の除霜に供することができる。このため、車室内から吸い込まれる空気の温度を可及的に高めにし、短時間で効果的に車室外蒸発器32を除霜できるようにして、車室外蒸発器32の除霜能力を向上させることができる。
また、この除霜運転時においては、HVACユニット2の複数の吹出し口11,12,13のうち、内気吸込み口から遠い吹出し口を自動選択するようにしたため、除霜運転時にHVACユニット2より吹き出される冷風が、直接HVACユニット2の内気吸込み口にショートサーキットしてしまうことを防止することができる。このため、車室内空気の熱を無駄にすることなく車室内蒸発器8に吸熱させて車室外蒸発器32の除霜に供することができ、除霜能力を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
1 車両用空調装置
2 HVACユニット
3 冷媒回路
8 車室内蒸発器
9 車室内凝縮器
11,12,13 HVACユニットの吹出し口
20 電動圧縮機
20A コンプレッサユニット
20a 電動圧縮機の吸入部
21 車室外凝縮器
22 レシーバ
23 三方切替弁
27 冷凍サイクル
29 暖房サイクル
32 車室外蒸発器
36 車室外ファン(送風手段)
41 冷媒加熱装置
42 第1温度式膨張弁
42a 冷媒加熱流路
42b バイパス流路

Claims (11)

  1. 冷媒を圧縮する電動圧縮機と、
    車室内のHVACユニット内に設けられた車室内蒸発器および車室内凝縮器と、
    車室外に設けられた車室外蒸発器および車室外凝縮器と、
    前記電動圧縮機に吸入される前の冷媒を必要に応じて加熱する冷媒加熱装置と、を備え、
    前記電動圧縮機から吐出された冷媒を車室外凝縮器で熱交換した後に減圧して車室内蒸発器に供給する冷房運転と、
    前記電動圧縮機から吐出された冷媒を車室内凝縮器で熱交換した後に車室外蒸発器に供給する暖房運転と、
    前記電動圧縮機から吐出された冷媒を車室内凝縮器で熱交換した後に前記車室内蒸発器に供給する除湿暖房運転と、
    を切り替えて運転するヒートポンプ方式の車両用空調装置であって、
    前記冷媒加熱装置を、前記電動圧縮機の吸入部に隣接させて設置し、
    前記冷媒加熱装置の入口部に、冷媒の圧力を減圧する温度式膨張弁を隣接させて設置したことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記温度式膨張弁は、
    前記電動圧縮機に吸入される前の冷媒を前記冷媒加熱装置に流す冷媒加熱流路と、
    冷媒を前記冷媒加熱装置に流さずに前記電動圧縮機に直接吸入させるバイパス流路と、を備えていることを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置。
  3. 前記電動圧縮機、前記冷媒加熱装置、及び、前記温度式膨張弁は、一体化されている請求項1又は2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記HVACユニット内において、前記車室内蒸発器を通過した空気の全量が前記車室内凝縮器を通るように風路を形成するとともに、
    前記電動圧縮機の吐出側に三方切替弁を設けて、該電動圧縮機から吐出された冷媒を前記車室内凝縮器または前記車室外凝縮器のいずれか一方に選択的に流す構成とし、
    前記電動圧縮機の回転数を変化させることによって前記HVACユニットから車室内に吹き出す風の温度コントロールを行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用空調装置。
  5. 前記車室外凝縮器を前記車室外蒸発器に近接させて設置するとともに、
    前記車室外凝縮器側から前記車室外蒸発器側に向かって冷却風を送風する送風手段を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両用空調装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の車両用空調装置において、
    前記暖房運転時における暖房の吹出し温度が目標吹出し温度に達していない場合は、前記冷媒加熱装置を作動させて前記電動圧縮機に吸入される前の冷媒を加熱することを特徴とする車両用空調装置の運転方法。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の車両用空調装置において、
    前記暖房運転時、且つ前記車室外蒸発器に着霜している時に内気循環モードが選択された場合には、
    前記電動圧縮機から吐出された冷媒を前記車室内蒸発器と前記車室外蒸発器との両方に供給しながら前記除湿暖房運転を行うことを特徴とする車両用空調装置の運転方法。
  8. 請求項6に記載の車両用空調装置の運転方法において、
    前記暖房運転時、且つ前記車室外蒸発器に着霜している時に内気循環モードが選択された場合には、
    前記電動圧縮機から吐出された冷媒を前記車室内蒸発器に供給し、前記車室外蒸発器には供給せずに前記除湿暖房運転を行うことを特徴とする車両用空調装置の運転方法。
  9. 請求項5に記載の車両用空調装置において、
    前記車室外蒸発器の除霜を行う除霜運転時には、
    前記電動圧縮機から吐出された冷媒を前記車室外凝縮器に供給しながら前記送風手段を作動させることを特徴とする車両用空調装置の運転方法。
  10. 前記除霜運転時には内気循環モードにすることを特徴とする請求項9に記載の車両用空調装置の運転方法。
  11. 前記除霜運転時には、前記HVACユニットの複数の吹出し口のうち、吸込み口から遠い吹出し口を選択することを特徴とする請求項10に記載の車両用空調装置の運転方法。
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