JP6390682B2 - 充電システム - Google Patents

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Description

本発明は、充電システムに関し、特に充電装置により二次電池装置を充電する充電システムに関する。
一般的に、充電装置により二次電池装置を充電する充電システムでは、安全性の観点から、充電対象物(すなわち二次電池装置)でない物体に対して充電を開始しないように、充電装置の充電端子に接触した物体が充電対象物であるか否かを判定している。そして、当該物体が充電対象物であると判定した場合にのみ、充電を開始する。
特許文献1に開示された充電装置では、充電装置の充電端子に物体が接触した際、当該物体の抵抗値によって変化する直流電圧を検出し、当該物体が充電対象物であるか否かを判定している。
特開2007−267584号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法では、充電装置の充電端子に接触した物体の抵抗値が、たまたま充電対象物の抵抗値と等しい場合には、充電対象物でない物体に対して、誤って充電を開始してしまう虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、より安全性に優れた充電システムを提供するものである。
本発明の一態様に係る充電システムは、
充電装置と、前記充電装置によって充電される二次電池装置と、を含む充電システムであって、
前記充電装置は、
前記二次電池装置が接続される充電端子と、
前記充電端子に直流電圧を供給する直流電源部と、
前記充電端子に交流電圧を供給する交流電源部と、
前記充電端子に接続された物体の抵抗値によって変化する直流信号を検出する直流信号検出部と、
前記充電端子に接続された前記物体のインピーダンス値によって変化する交流信号を検出する交流信号検出部と、を備え、
前記充電端子に前記二次電池装置が接続された際、
前記充電端子に前記直流電源部から検査用直流電圧を供給して、前記直流信号検出部によって直流信号を検出すると共に、前記充電端子に前記交流電源部から検査用交流電圧を供給して、前記交流信号検出部によって交流信号を検出し、
検出された直流信号の値が、前記二次電池装置の抵抗値によって定まる基準範囲に含まれると共に、検出された交流信号の値が、前記二次電池装置のインピーダンス値によって定まる基準範囲に含まれる場合にのみ、前記二次電池装置に対する充電を開始するものである。
本発明の一態様に係る充電システムでは、充電端子に二次電池装置が接続された際、充電端子に直流電源部から検査用直流電圧を供給して、直流信号検出部によって直流信号を検出すると共に、充電端子に交流電源部から検査用交流電圧を供給して、交流信号検出部によって交流信号を検出する。そして、検出された直流信号の値が、二次電池装置の抵抗値によって定まる基準範囲に含まれると共に、検出された交流信号の値が、二次電池装置のインピーダンス値によって定まる基準範囲に含まれる場合にのみ、二次電池装置に対する充電を開始する。
すなわち、本発明の一態様に係る充電システムは、充電端子に接続された物体の抵抗値だけでなくインピーダンス値も二次電池装置と等しくなければ、充電が開始されない構成になっている。抵抗値だけでなくインピーダンス値も二次電池装置と等しくなる確率は、抵抗値のみが二次電池装置と等しくなる確率に比べ、格段に低い。そのため、従来よりも格段に安全性に優れている。
前記二次電池装置が、前記充電端子に接続された電池セルと、前記電池セルに接続されたフィルタ回路と、を備えていることが好ましい。
このような構成により、二次電池装置のインピーダンス値の製造ばらつきを抑制することができる。そのため、二次電池装置のインピーダンス値によって定まる基準範囲の幅を狭くすることができる。その結果、充電装置の充電端子に接続された物体が二次電池装置であるか否かの判定の精度を向上させることができる。
また、前記直流信号検出部が検出する直流信号が、直流電圧であり、前記交流信号検出部が検出する交流信号が、交流電圧であることが好ましい。
このような構成により、簡易な回路構成とすることができる。
さらに、前記二次電池装置が、自律移動ロボットに搭載されていることが好ましい。
本発明の一態様に係る充電システムは、このような用途に特に好適である。
本発明により、より安全性に優れた充電システムを提供することができる。
第1の実施形態に係る充電システムを示すブロック図である。 第1の実施形態に係る充電システムを用いた充電制御方法の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る充電システムを用いた充電制御方法の他の例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る充電システムの二次電池装置20を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る充電システムを示すブロック図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(第1の実施形態)
<充電システムの構成>
図1を参照して、第1の実施形態に係る充電システムについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る充電システムを示すブロック図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る充電システムは、充電装置10、二次電池装置20を備えている。充電装置10の充電端子T11に二次電池装置20の充電端子T21が接続されると共に、充電装置10のグランド端子T12に二次電池装置20のグランド端子T22が接続され、充電装置10によって二次電池装置20が充電される。
まず、充電装置10の構成について説明する。
図1に示すように、充電装置10は、直流電源部11、交流電源部12、直流信号検出部13、交流信号検出部14、充電制御部15を備えている。
図1に示すように、直流電源部11は、直流電源DPとスイッチSW1を備えている。ここで、図1には、直流電源部11の内部抵抗rも併せて図示されている。スイッチSW1のオン・オフが充電制御部15により制御されている。スイッチSW1がオンの場合、直流電源部11から充電端子T11に直流電圧が供給され、スイッチSW1がオフの場合、直流電源部11から充電端子T11への直流電圧の供給が遮断される。
ここで、直流電源部11から充電端子T11に供給される直流電圧には、充電用直流電圧と検査用直流電圧とがある。充電用直流電圧とは、二次電池装置20を充電するため、充電開始から充電完了に至るまで長時間に亘り、充電端子T11に対して供給される直流電圧である。一方、検査用直流電圧とは、充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20であるか否かを判定するために、充電開始前に充電端子T11に対して一時的に供給される直流電圧である。
本実施形態では、充電用直流電圧の値と、検査用直流電圧の値とが等しい。しかしながら、充電用直流電圧の値と、検査用直流電圧の値とが、異なっていてもよい。例えば、検査用直流電圧の値が、充電用直流電圧の値よりも小さくなるように、充電制御部15が直流電源DPを制御してもよい。充電用直流電圧の値は、例えば24〜42V程度である。
交流電源部12は、交流電源APとスイッチSW2を備えている。ここで、図1には、交流電源部12の内部インピーダンス(出力インピーダンス)zも併せて図示されている。スイッチSW2のオン・オフが充電制御部15により制御されている。スイッチSW2がオンの場合、交流電源部12から充電端子T11に交流電圧が供給され、スイッチSW2がオフの場合、交流電源部12から充電端子T11への交流電圧の供給が遮断される。
ここで、交流電源部12から充電端子T11に供給される交流電圧は、検査用直流電圧のみである。検査用交流電圧は、充電開始前に充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20であるか否かを判定するために、充電端子T11に対して一時的に供給される。検査用交流電圧は、検査用直流電圧に重畳して充電端子T11へ供給されるのが好ましい。検査用交流電圧は、一定周期、一定振幅で印加してもよいし、数種類の周期や振幅で印加してもよい。例えば、周期や振幅をスイープしてもよい。
直流信号検出部13は、充電端子T11に接続された物体の抵抗値によって変化する直流信号を検出する。図1に示すように、本実施形態では、充電端子T11に接続された物体(図1の例では、二次電池装置20)の抵抗と直流電源部11の内部抵抗rとによって分圧された充電端子T11の直流電圧が、直流信号として検出される。ここで、直流電源部11の内部抵抗rと充電端子T11に接続された物体の抵抗とは、直流電源DPとグランドとの間において直列接続される。直流信号検出部13によって検出された充電端子T11の直流電圧が、充電制御部15に対して出力される。直流信号検出部13は、回路などのハードウェアで構成してもよいし、プログラムなどのソフトウェアによる機能で構成してもよい。
なお、直流信号として充電端子T11を流れる直流電流を検出してもよい。この場合、電流検出回路を設ける必要がある。すなわち、本実施形態のように直流電圧を検出した方が、簡易な回路構成とすることができ、好ましい。
さらに、充電端子T11に二次電池装置20が接続された場合の充電端子T11の直流電圧を基準直流電圧Vdsとして、より具体的に説明する。基準直流電圧Vdsは、二次電池装置20の抵抗値によって定まる。充電端子T11に接続された物体の抵抗値が二次電池装置20の抵抗値よりも高い場合、検出される充電端子T11の直流電圧は基準直流電圧Vdsよりも高くなる。他方、充電端子T11に接続された物体の抵抗値が二次電池装置20の抵抗値よりも低い場合、検出される充電端子T11の直流電圧は基準直流電圧Vdsよりも低くなる。そのため、充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20であるか否か判定することができる。
交流信号検出部14は、充電端子T11に接続された物体のインピーダンス値によって変化する交流信号を検出する。図1に示すように、本実施形態では、充電端子T11に接続された物体(図1の例では、二次電池装置20)のインピーダンスと交流電源部12の内部インピーダンスzとによって分圧された充電端子T11の交流電圧が、交流信号として検出される。ここで、交流電源部12の内部インピーダンスzと充電端子T11に接続された物体のインピーダンスとは、交流電源APとグランドとの間において直列接続される。交流信号検出部14によって検出された充電端子T11の交流電圧が、充電制御部15に対して出力される。交流信号検出部14は、回路などのハードウェアで構成してもよいし、プログラムなどのソフトウェアによる機能で構成してもよい。
なお、交流信号として充電端子T11を流れる交流電流を検出してもよい。この場合、電流検出回路を設ける必要がある。すなわち、本実施形態のように交流電圧を検出した方が、簡易な回路構成とすることができ、好ましい。
さらに、充電端子T11に二次電池装置20が接続された場合の充電端子T11の交流電圧を基準交流電圧Vasとして、より具体的に説明する。基準交流電圧Vasは、二次電池装置20のインピーダンス値によって定まる。充電端子T11に接続された物体のインピーダンス値が二次電池装置20のインピーダンス値よりも高い場合、検出される充電端子T11の交流電圧は基準交流電圧Vasよりも高くなる。他方、充電端子T11に接続された物体のインピーダンス値が二次電池装置20のインピーダンス値よりも低い場合、検出される充電端子T11の交流電圧は基準交流電圧Vasよりも低くなる。そのため、充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20であるか否か判定することができる。
充電制御部15は、図1に示していないが、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算部と、各種制御プログラムやデータなどが格納されたRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶部と、を備えている。
図1に示すように、充電制御部15は、充電端子T11に物体が接続されたことを検知する。例えば、充電端子T11は押しボタン式になっており、充電制御部15は、充電端子T11に物体が接続されたことを検知することができる。また、充電端子T11に微小な電圧や電流を常時供給しておくことにより、充電端子T11に物体が接続されたことを検知してもよい。
充電制御部15は、物体の接続を検知すると、充電端子T11に検査用直流電圧を供給するように直流電源部11を制御する。それと共に、充電制御部15は、充電端子T11に検査用交流電圧を供給するように交流電源部12を制御する。
充電制御部15には、検査用直流電圧の供給に応じて直流信号検出部13が検出した直流電圧が入力される。充電制御部15は、入力された直流電圧の値が、二次電池装置20の抵抗値によって定まる基準範囲に含まれるか否か判定する。この基準範囲は、上述の基準直流電圧Vdsに幅を持たせたものであり、例えば記憶部に格納されている。基準範囲の幅は、二次電池装置20の抵抗値の製造ばらつきなどに基づいて適宜決定される。
また、充電制御部15には、検査用交流電圧の供給に応じて交流信号検出部14が検出した交流電圧が入力される。充電制御部15は、入力された交流電圧の値が、二次電池装置20のインピーダンス値によって定まる基準範囲に含まれるか否か判定する。この基準範囲は、上述の基準交流電圧Vasに幅を持たせたものであり、例えば記憶部に格納されている。基準範囲の幅は、二次電池装置20のインピーダンス値の製造ばらつきなどに基づいて適宜決定される。
そして、充電制御部15は、入力された直流電圧及び交流電圧の値がいずれも基準範囲に含まれる場合にのみ、充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20であると判定し、二次電池装置20に対する充電を開始する。すなわち、入力された直流電圧及び交流電圧の値がいずれも基準範囲に含まれる場合、充電制御部15は、充電端子T11に充電用直流電圧を供給するように直流電源部11を制御する。
反対に、充電制御部15は、入力された直流電圧及び交流電圧の値いずれかが基準範囲に含まれない場合、充電端子T11に接続された物体は二次電池装置20でないと判定し、二次電池装置20に対する充電を開始しない。
次に、二次電池装置20の構成について説明する。
図1に示すように、二次電池装置20は、電池セル21、電池管理部22、スイッチSW3を備えている。
電池セル21は、二次電池装置20の充電端子T21とグランド端子T22との間において、複数の単セルが直列接続された構造を有している。また、電池セル21は、二次電池装置20の充電端子T21とグランド端子T22との間において、スイッチSW3と直列に接続されている。
電池管理部22は、過充電による熱暴走などを抑制するため、各単セルの温度、電圧、電流などを監視している。電池管理部22は、過充電や温度の異常上昇などを検知すると、スイッチSW3をオフにして、電池セル21への充電を中止する。すなわち、正常に充電が行われていれば、スイッチSW3は常時オンになっている。電池管理部22は、例えば、いわゆるバッテリーマネジメントシステム(BMS:Battery Management System)である。
以下に、第1の実施形態に係る充電システムが奏する効果について説明する。
従来の手法では、充電装置の充電端子に接続された物体が二次電池装置(充電対象物)であるか否かを判定する際に、検査用直流電圧しか供給していなかった。そのため、充電端子に接触した物体の抵抗値が、たまたま二次電池装置の抵抗値と等しい場合には、二次電池装置でない物体に対して、誤って充電を開始してしまう虞があった。
これに対し、第1の実施形態に係る充電システムでは、充電装置10の充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20であるか否かを判定する際に、検査用直流電圧に加え検査用交流電圧を供給する。そのため、第1の実施形態に係る充電システムでは、充電端子T11に接触した物体の抵抗値だけでなくインピーダンス値も二次電池装置20と等しくなければ、充電が開始されない構成になっている。抵抗値だけでなくインピーダンス値も二次電池装置20と等しくなる確率は、抵抗値のみが二次電池装置20と等しくなる確率に比べ、格段に低い。従って、第1の実施形態に係る充電システムは、従来よりも安全性が格段に向上し、安全性に優れている。
第1の実施形態に係る充電システムは用途を何ら限定されないが、例えば二次電池装置20が自律移動ロボットに搭載された用途に特に好適である。自律移動ロボットの場合、充電装置10への着脱を自律移動ロボット自身が行う。そのため、自律移動ロボットが充電装置10から離れた状態すなわち非充電時にも、充電装置10が常に充電可能な状態になっている。そのため、自律移動ロボットの充電システムには、特に高い安全性が要求される。
<充電システムを用いた充電制御方法の一例>
次に、図2を参照して、第1の実施形態に係る充電システムを用いた充電制御方法の一例について説明する。図2は、第1の実施形態に係る充電システムを用いた充電制御方法の一例を示すフローチャートである。図2の説明に当たっては、図1に示した充電システムのブロック図も参照する。
図2に示すように、まず、図1に示す充電制御部15が、充電装置10の充電端子T11に物体が接続されたことを検出する(ステップST11)。
次に、充電制御部15の制御に基づいて、直流電源部11のスイッチSW1がオンになり、充電端子T11に検査用直流電圧が供給される。これに伴い、直流信号検出部13が充電端子T11の直流電圧を検出する(ステップST12)。上述の通り、ここで検出される充電端子T11の直流電圧は、充電端子T11に接続された物体(図1の例では、二次電池装置20)の抵抗と直流電源部11の内部抵抗rとによって、直流電源DPの直流電圧が分圧されたものである。
次に、充電制御部15は、直流信号検出部13が検出した充電端子T11の直流電圧が、二次電池装置20の抵抗値によって定まる基準範囲に含まれるか否か判定する(ステップST13)。上述の通り、この基準範囲は、二次電池装置20の抵抗値によって定まる基準直流電圧Vdsに幅を持たせたものである。
直流信号検出部13が検出した充電端子T11の直流電圧が、二次電池装置20の抵抗値によって定まる基準範囲に含まれない場合(ステップST13NO)、充電制御部15は、充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20でないと判定し、充電を開始せずに終了する。
一方、直流信号検出部13が検出した充電端子T11の直流電圧が、二次電池装置20の抵抗値によって定まる基準範囲に含まれる場合(ステップST13YES)、充電制御部15の制御に基づいて、交流電源部12のスイッチSW2がオンになり、充電端子T11において検査用交流電圧が検査用直流電圧に重畳される。これに伴い、交流信号検出部14が充電端子T11の交流電圧を検出する(ステップST14)。上述の通り、ここで検出される充電端子T11の交流電圧は、充電端子T11に接続された物体(図1の例では、二次電池装置20)のインピーダンスと交流電源部12の内部インピーダンスzとによって、交流電源APの交流電圧が分圧されたものである。
次に、充電制御部15は、交流信号検出部14が検出した充電端子T11の交流電圧が、二次電池装置20のインピーダンス値によって定まる基準範囲に含まれるか否か判定する(ステップST15)。上述の通り、この基準範囲は、二次電池装置20のインピーダンス値によって定まる基準交流電圧Vasに幅を持たせたものである。
交流信号検出部14が検出した充電端子T11の交流電圧が、二次電池装置20のインピーダンス値によって定まる基準範囲に含まれない場合(ステップST15NO)、充電制御部15は、充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20でないと判定し、充電を開始せずに終了する。
一方、交流信号検出部14が検出した交流電圧が、二次電池装置20のインピーダンス値によって定まる基準範囲に含まれる場合(ステップST15YES)、充電制御部15は、充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20であると判定する。そして、充電制御部15は、充電端子T11に充電用直流電圧を供給するように直流電源部11を制御し、充電を開始する(ステップST16)。
第1の実施形態に係る充電システムを用いた充電制御方法では、充電装置10の充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20であるか否かを判定する際に、検査用直流電圧に加え検査用交流電圧を供給する。そのため、充電端子T11に接触した物体の抵抗値だけでなくインピーダンス値も二次電池装置20と等しくなければ、充電が開始されない構成になっている。抵抗値だけでなくインピーダンス値も二次電池装置20と等しくなる確率は、抵抗値のみが二次電池装置20と等しくなる確率に比べ、格段に低い。従って、従来よりも安全性が格段に向上し、安全性に優れている。
第1の実施形態に係る充電システムは用途を何ら限定されないが、例えば二次電池装置20が自律移動ロボットに搭載された用途に特に好適である。自律移動ロボットの場合、充電装置10への着脱を自律移動ロボット自身が行う。そのため、自律移動ロボットが充電装置10から離れた状態すなわち非充電時にも、充電装置10が常に充電可能な状態になっている。そのため、自律移動ロボットの充電システムには、特に高い安全性が要求される。
<充電システムを用いた充電制御方法の他の例>
次に、図3を参照して、第1の実施形態に係る充電システムを用いた充電制御方法の他の例について説明する。図3は、第1の実施形態に係る充電システムを用いた充電制御方法の他の例を示すフローチャートである。
図3に示したステップST11、ST12、ST14、ST16は、図2に示したステップST11、ST12、ST14、ST16と同じである。
図3に示すように、この充電制御方法の他の例では、ステップST12の後に、ステップST13を行わずに、すぐにステップST14を行う。
すなわち、充電制御部15の制御に基づいて、直流電源部11のスイッチSW1がオンになり、充電端子T11に検査用直流電圧が供給される。これに伴い、直流信号検出部13が充電端子T11の直流電圧を検出する(ステップST12)。これに続いて、充電制御部15の制御に基づいて、交流電源部12のスイッチSW2がオンになり、充電端子T11において検査用交流電圧が検査用直流電圧に重畳される。これに伴い、交流信号検出部14が充電端子T11の交流電圧を検出する(ステップST14)。
次に、充電制御部15は、直流信号検出部13が検出した充電端子T11の直流電圧が、二次電池装置20の抵抗値によって定まる基準範囲に含まれ、かつ、交流信号検出部14が検出した充電端子T11の交流電圧が、二次電池装置20のインピーダンス値によって定まる基準範囲に含まれるか否か判定する(ステップST25)。
直流信号検出部13が検出した充電端子T11の直流電圧と、交流信号検出部14が検出した充電端子T11の交流電圧のいずれかが基準範囲に含まれない場合(ステップST25NO)、充電制御部15は、充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20でないと判定し、充電を開始せずに終了する。
一方、直流信号検出部13が検出した充電端子T11の直流電圧と、交流信号検出部14が検出した充電端子T11の交流電圧のいずれもが基準範囲に含まれる場合(ステップST25YES)、充電制御部15は、充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20であると判定する。そして、充電制御部15は、充電端子T11に充電用直流電圧を供給するように直流電源部11を制御し、充電を開始する(ステップST16)。
図2の例では、充電端子T11に検査用直流電圧を供給した後(ステップST12)、充電端子T11の直流電圧が基準範囲に含まれるか否か判定する(ステップST13)。そして、充電端子T11の直流電圧が基準範囲に含まれる場合(ステップST13YES)、充電端子T11に検査用交流電圧を重畳させる(ステップST14)。一方、充電端子T11の直流電圧が基準範囲に含まれない場合には(ステップST13NO)、充電端子T11に検査用交流電圧を供給しない。
これに対し、図3の例では、充電端子T11に検査用直流電圧を供給した後(ステップST12)、続けて充電端子T11に検査用交流電圧を重畳させる(ステップST14)。すなわち、必ず充電端子T11に検査用交流電圧を供給する。そして、充電端子T11の直流電圧が基準範囲に含まれるか否かの判定と、充電端子T11の交流電圧が基準範囲に含まれるか否かの判定とをまとめて行う(ステップST25)。
図2の例では、充電端子T11の直流電圧が基準範囲に含まれる場合、その後に充電端子T11に検査用交流電圧を重畳させて判定する。すなわち、判定をステップST13、ST15に分けて2回行う必要があるため、所要時間が長くなる。
一方、図3の例では、必ず充電端子T11に検査用交流電圧を重畳させる必要があるが、判定はステップST25における1回しか行わない。そのため、充電端子T11の直流電圧を供給する時間は常に一定であり、図2の例においてステップST13、ST15の2回の判定を行う場合よりも所要時間は短くなる。
(第2の実施形態)
次に、図4を参照して、第2の実施形態に係る充電システムについて説明する。図4は、第2の実施形態に係る充電システムの二次電池装置20を示すブロック図である。
図4に示すように、第2の実施形態に係る充電システムの二次電池装置20では、電池セル21と並列接続されたフィルタ回路23が設けられている。フィルタ回路23は、並列接続された抵抗R1とコンデンサC1とを備えている。なお、図4に示したフィルタ回路23の構成は、あくまでも一例であって、図4の構成に限定されるものではなく、種々の構成が考えられる。
第2の実施形態に係る充電システムでは、二次電池装置20にフィルタ回路23を設けることにより、二次電池装置20のインピーダンス値の製造ばらつきを抑制することができる。そのため、例えば二次電池装置20のインピーダンス値によって定まる基準範囲の幅を狭くすることができる。その結果、充電装置10の充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20であるか否かの判定の精度を向上させることができる。
また、二次電池装置20の種別毎にフィルタ回路23のインピーダンス値を設定することにより、二次電池装置20の種別を簡易に判定することができる。
(第3の実施形態)
次に、図5を参照して、第3の実施形態に係る充電システムについて説明する。図5は、第3の実施形態に係る充電システムを示すブロック図である。
図5に示すように、第3の実施形態に係る充電システムの二次電池装置20では、フィルタ回路23が電池セル21と直列接続されている。そして、フィルタ回路23と電池セル21との間のノードに接続された検出端子T23が設けられている。
第3の実施形態に係る充電システムの充電装置10には、検出端子T23に接続される検出端子T13が設けられている。そして、直流信号検出部13は、充電端子T11ではなく検出端子T13の直流電圧を検出する。交流信号検出部14は、充電端子T11ではなく検出端子T13の交流電圧を検出する。
第3の実施形態に係る充電システムでも、二次電池装置20にフィルタ回路23を設けることにより、二次電池装置20のインピーダンス値の製造ばらつきを抑制することができる。そのため、例えば二次電池装置20のインピーダンス値によって定まる基準範囲の幅を狭くすることができる。その結果、充電装置10の充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20であるか否かの判定の精度を向上させることができる。
また、二次電池装置20の種別毎にフィルタ回路23のインピーダンス値を設定することにより、二次電池装置20の種別を簡易に判定することができる。
さらに、充電端子T11とは別に検出端子T13を設けているため、充電装置10の充電端子T11に接続された物体が二次電池装置20であるか否かの判定の精度を向上させることができる。二次電池装置20でない物体が、充電端子T11に接続される(接触する)と同時に、検出端子T13にも接続される(接触する)可能性は低いからである。
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
10 充電装置
11 直流電源部
12 交流電源部
13 直流信号検出部
14 交流信号検出部
15 充電制御部
20 二次電池装置
21 電池セル
22 電池管理部
23 フィルタ回路
AP 交流電源
C1 コンデンサ
DP 直流電源
r 内部抵抗
R1 抵抗
SW1、SW2、SW3 スイッチ
T11、T21 充電端子
T12、T22 グランド端子
T13、T23 検出端子
z 内部インピーダンス

Claims (4)

  1. 充電装置と、前記充電装置によって充電される二次電池装置と、を含む充電システムであって、
    前記充電装置は、
    前記二次電池装置が接続される充電端子と、
    前記充電端子に直流電圧を供給する直流電源部と、
    前記充電端子に交流電圧を供給する交流電源部と、
    前記充電端子に接続された物体の抵抗値によって変化する直流信号を検出する直流信号検出部と、
    前記充電端子に接続された前記物体のインピーダンス値によって変化する交流信号を検出する交流信号検出部と、を備え、
    前記充電端子に前記二次電池装置が接続された際、
    前記充電端子に前記直流電源部から検査用直流電圧を供給して、前記直流信号検出部によって直流信号を検出すると共に、前記充電端子に前記交流電源部から検査用交流電圧を供給して、前記交流信号検出部によって交流信号を検出し、
    検出された直流信号の値が、前記二次電池装置の抵抗値によって定まる基準範囲に含まれると共に、検出された交流信号の値が、前記二次電池装置のインピーダンス値によって定まる基準範囲に含まれる場合にのみ、前記二次電池装置に対する充電を開始する、
    充電システム。
  2. 前記二次電池装置が、
    前記充電端子に接続された電池セルと、
    前記電池セルに接続されたフィルタ回路と、を備えている、
    請求項1に記載の充電システム。
  3. 前記直流信号検出部が検出する直流信号が、直流電圧であり、
    前記交流信号検出部が検出する交流信号が、交流電圧である、
    請求項1又は2に記載の充電システム。
  4. 前記二次電池装置が、自律移動ロボットに搭載されている、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電システム。
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