JP2015056225A - 電池温度測定装置、二次電池装置、電池温度測定方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】サーミスタや熱電対を用いずに二次電池の温度を測定できるようにする。
【解決手段】実施形態の電池温度測定装置は、抵抗値取得部と、温度算出部と、を備えた。前記抵抗値取得部は、非水電解質二次電池の実際の電気抵抗値を取得する。前記温度算出部は、前記非水電解質二次電池の電気抵抗値と前記非水電解質二次電池の温度との関係を示す情報と、前記抵抗値取得部が取得した前記実際の電気抵抗値と、を用いて、前記非水電解質二次電池の温度を求める。
【選択図】図7
【解決手段】実施形態の電池温度測定装置は、抵抗値取得部と、温度算出部と、を備えた。前記抵抗値取得部は、非水電解質二次電池の実際の電気抵抗値を取得する。前記温度算出部は、前記非水電解質二次電池の電気抵抗値と前記非水電解質二次電池の温度との関係を示す情報と、前記抵抗値取得部が取得した前記実際の電気抵抗値と、を用いて、前記非水電解質二次電池の温度を求める。
【選択図】図7
Description
本発明の実施形態は、電池温度測定装置、二次電池装置、電池温度測定方法およびプログラムに関する。
従来、リチウムイオン二次電池等の二次電池の温度測定には、一般的に、サーミスタや熱電対が用いられている。
この種の二次電池では、サーミスタや熱電対を用いずに二次電池の温度を測定できるようにすることが望まれている。
実施形態の電池温度測定装置は、抵抗値取得部と、温度算出部と、を備えた。前記抵抗値取得部は、非水電解質二次電池の実際の電気抵抗値を取得する。前記温度算出部は、前記非水電解質二次電池の電気抵抗値と前記非水電解質二次電池の温度との関係を示す情報と、前記抵抗値取得部が取得した前記実際の電気抵抗値と、を用いて、前記非水電解質二次電池の温度を求める。
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる二次電池装置1の一例を示す模式図である。図1に示すように、二次電池装置1は、一例として、互いに直列接続された複数の組電池モジュール101と、これらの組電池モジュール101に接続された電池管理装置(BMU:Battery Management Unit)60と、を備えている。電池管理装置60は、電池温度測定装置の一例である。
図1は、本実施形態にかかる二次電池装置1の一例を示す模式図である。図1に示すように、二次電池装置1は、一例として、互いに直列接続された複数の組電池モジュール101と、これらの組電池モジュール101に接続された電池管理装置(BMU:Battery Management Unit)60と、を備えている。電池管理装置60は、電池温度測定装置の一例である。
二次電池装置1は、種々の装置や、機械、設備等に設置され、それら種々の装置や、機械、設備の電源として使用されうる。例えば、二次電池装置1は、自動車や自転車(移動体)等の電源等、移動型の電源としても使用される他、例えば、POS(point of sales)システム用の電源等、定置型の電源としても使用される。
各組電池モジュール101は、それぞれ独立して着脱することが可能であり、メンテナンス等において、別の組電池モジュールと交換することができる。本実施形態では、二次電池装置1は、4つの組電池モジュール101を直列接続しているが、組電池モジュールの数は4つ以外であってもよい。
電池管理装置60には、独立した外部電源70が接続されている。外部電源70は、例えば、商用電源である。また、外部電源70は、二次電池装置1が自動車等の車両に搭載される場合には、アクセサリ用等に車両に搭載された鉛蓄電池等の二次電池であってよい。
図2は、本実施形態にかかる組電池監視回路(VTM:Voltage Temperature Monitoring)と組電池との接続の一例を示す図である。図1および図2に示すように、各組電池モジュール101は、組電池11と、組電池監視回路21と、を有している。
組電池11は、一例として、直列接続された複数の二次電池セル(二次電池、単電池)1001を有する。二次電池セル1001は、非水電解質二次電池であり、一例としては、リチウムイオン二次電池である。本実施形態では、一例として、二次電池セル1001は、LiNi1−xMxO2で表せる材料を、正極活物質の一部若しくは全てに用いている。ここで、Mは、一例として、Co,Al,Mn,Cr,Fe,Nb,MG,B,Fから選ばれる元素の少なくとも一種を含み、Xは0〜1の間の所定範囲内の数値である。
組電池監視回路21は、それぞれコネクタ51を介して電池管理装置60と接続されている。また、組電池監視回路21は、複数の二次電池セル1001のそれぞれの電圧を検出する電圧検出回路を含む。即ち、組電池監視回路21は、組電池11が有する複数の二次電池セル1001毎の電圧(以後、セル電圧ともいう)を検出する。詳しくは、組電池監視回路21は、組電池11が有する二次電池セル1001それぞれの端子間の電圧をセル電圧として検出する。そして、組電池監視回路21は、検出した全てのセル電圧を表すセル電圧信号を、コネクタ51を介して電池管理装置60に入力する。また、組電池監視回路21は、各二次電池セル1001のそれぞれの充電状態(SOC:State Of Charge)として充電容量(充電率)を検出する回路を含む。即ち、組電池監視回路21は、組電池11が有する複数の二次電池セル1001毎の充電容量を検出する。そして、組電池監視回路21は、検出した全ての二次電池セルの充電容量を表す充電容量信号を、コネクタ51を介して電池管理装置60に入力する。
図3は、本実施形態にかかる二次電池セル1001の一例を示す分解斜視図である。図3に示すように、本実施形態では、一例として、二次電池セル1001は、容器1002と、容器1002内に設けられた電極体1003と、蓋体1002bに設けられた一対の正極端子1004および負極端子1005と、電極体1003の正極と正極端子1004とを電気的に接続する正極リード1006と、電極体1003の負極と負極端子1005とを電気的に接続する負極リード1007と、を備えている。
容器1002は、扁平な直方体形状の外装容器(筺体)であり、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金、ステンレスなどの金属材料により形成されている。この容器1002は、一端が開口した容器本体1002aと、この容器本体1002aの開口を塞ぐ矩形板状の蓋体1002bとを有している。容器1002は、蓋体1002bと容器本体1002aとが溶接されて気密および液密に形成されている。なお、容器本体1002aの内面には、容器本体1002aと、正極リード1006および負極リード1007との絶縁のために絶縁層(例えば、絶縁シートなど)が設けられている。
また、蓋体1002bには、例えば矩形状の圧力開放弁1002b1がその蓋体1002bの中央部に位置付けられて設けられている。この圧力開放弁1002b1には、その圧力開放弁1002b1が所定値以上の圧力を受けると開状態となるように溝が形成されている。したがって、圧力開放弁1002b1は、容器1002内に発生したガスによって、容器1002の内圧が所定値以上に上昇した場合、開状態となって容器1002内のガスを排出し、容器1002の内圧を下げる。なお、圧力開放弁1002b1の位置は蓋体1002bの中央に限定されるものではなく、その中央以外の箇所でも良く、また、溝の深さや形状、さらに、圧力開放弁1002b1の面積も開放させたい圧力に応じて適宜変更可能である。
また、蓋体1002bには、容器1002内に電解液を注液するための注液口1002b2が設けられている。この注液口1002b2は貫通孔であり、例えば円形状に形成されている。なお、電解液は二次電池セル1001の組み立て後に注液口1002b2から容器1002内に所定量(例えば、容器1002内の電極体1003が電解液により十分に浸される量)だけ注入される。その後、注液口1002b2は溶接などにより封止される。なお、注液口1002b2の位置や形状、大きさは、必要に応じて適宜変更可能である。
電極体1003は、表面が正極活物質により被膜されている正極集電体(正極)と表面が負極活物質により被膜されている負極集電体(負極)とがセパレータを介して巻回されて扁平形状に形成されている。この電極体1003は、電極群であって発電要素として機能し、その電極体1003における巻回軸方向の両端部の一方が正極集電タブ1003aとして機能し、その他方が負極集電タブ1003bとして機能する。なお、正極集電体や負極集電体としては、例えば、金属箔などを用いることが可能である。
正極端子1004は、蓋体1002bの長手方向の一端部に設けられており、負極端子1005は、蓋体1002bの長手方向の他端部に設けられている。これらの正極端子1004および負極端子1005は、電極体1003の巻回軸方向に圧力開放弁1002b1および注液口1002b2を間にして並んでおり、金属などの導電性を有する材料により形成されている。正極端子1004は、蓋体1002bを貫通して延伸しており、正極リード1006に接合されている。同様に、負極端子1005も、蓋体1002bを貫通して延伸しており、負極リード1007に接合されている。
正極端子1004と蓋体1002bとの間には、合成樹脂やガラスなどの絶縁体から構成された正極シール材1004a(ガスケット)が設けられている。同様に、負極端子1005と蓋体1002bとの間にも、合成樹脂やガラスなどの絶縁体から構成された負極シール材1005a(ガスケット)が設けられている。これらの正極シール材1004aおよび負極シール材1005aは、正極端子1004および負極端子1005と容器1002との間を気密および液密にシールすると共に電気的に絶縁している。
正極リード1006は、金属などの導電性を有する材料により形成されており、正極バックアップリード1009を介して電極体1003の正極集電タブ1003aと正極端子1004とを電気的に接続するリード部である。正極バックアップリード1009は、金属などの導電性を有する材料により形成されており、電極体1003の正極集電タブ1003aを束ねるリード部である。正極リード1006は、容器1002の天井面(蓋体1002bの裏面)からその側面(容器本体1002aの側面)に沿って延伸し、正極バックアップリード1009および正極集電タブ1003aを挟み込む形状に形成されている。この正極リード1006の電極体1003側の端部、すなわち正極リード1006の一対の脚部の端部が正極バックアップリード1009に超音波溶接により接合されている。なお、正極リード1006の蓋体1002b側の端部には、正極端子穴1006aが形成されており、その正極端子穴1006aに正極端子1004は嵌められて正極リード1006に接合されている。
負極リード1007は、金属などの導電性を有する材料により形成されており、負極バックアップリード1010を介して電極体1003の負極集電タブ1003bと負極端子1005とを電気的に接続するリード部である。負極バックアップリード1010は、金属などの導電性を有する材料により形成されており、電極体1003の負極集電タブ1003bを束ねるリード部である。負極リード1007は、容器1002の天井面(蓋体1002bの裏面)からその側面(容器本体1002aの側面)に沿って延伸し、負極バックアップリード1010および負極集電タブ1003bを挟み込む形状に形成されている。この負極リード1007の電極体1003側の端部、すなわち負極リード1007の一対の脚部の端部が負極バックアップリード1010に超音波溶接により接合されている。なお、負極リード1007の蓋体1002b側の端部には、負極端子穴1007aが形成されており、その負極端子穴1007aに負極端子1005は嵌められて負極リード1007に接合されている。
図4は、本実施形態にかかる電池管理装置60の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、電池管理装置60は、物理量取得部601と、抵抗値取得部602と、温度算出部603と、温度算出用情報記憶部604と、出力部605と、を備えている。本実形態では、電池管理装置60は、一例として、制御部と記憶部とを有しており、制御部が記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、物理量取得部601、抵抗値取得部602、温度算出部603、および出力部605として機能(動作)する。また、温度算出用情報記憶部604は、記憶部の一部の記憶領域によって構成される。制御部は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)等によって構成されうる。また、記憶部は、ROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有して構成されうる。なお、電池管理装置60のハードウエアの構成はあくまで一例であって、例えばチップやパッケージにする等、種々に変形して実施することが可能である。また、電池管理装置60には、各組電池11(二次電池セル1001)に直流電流や交流電流を流すための電源供給回路が設けられている。また、電池管理装置60には、直列接続された複数の組電池11(二次電池セル1001)に流れる電流を検出する電流検出回路610が設けられている。
ここで、図5は、本実施形態にかかる二次電池セル1001における電気抵抗値と温度との関係を示したグラフである。詳細には、図5は、所定の状態の二次電池セル1001に所定の直流電流を流したときの直流抵抗と温度との関係を計測した結果、および所定の状態の二次電池セル1001に所定の交流電流を流したときの交流抵抗値と温度との関係を計測した結果を示している。この図5に示す結果から、二次電池セル1001に直流電流を流したときの直流抵抗値と、二次電池セル1001に交流電流を流したときの交流抵抗値とは、それぞれ二次電池セル1001の温度が高い程、低くなることが分かる。また、図5から、二次電池セル1001における直流抵抗と交流抵抗とでは、二次電池セル1001の温度上昇に応じた抵抗値の低下率が異なることも分かる。即ち、直流電流を流したときの直流抵抗と温度との関係を近似した近似線と、交流電流を流したときの交流抵抗値と温度の関係を近似した近似線とは、傾きが異なるものとなる。
上記の傾向から、実際の二次電池セル1001の電気抵抗値が分かれば、上記関係に基づいて、二次電池セル1001の温度を算出(推定)することができる。但し、直流抵抗値と温度との関係および交流抵抗値と温度との関係は、二次電池セル1001の個体間に差(個体差)がある。このような個体差の原因の一つとしては、例えば、正極リード1006や負極端子1005等の部品の寸法ばらつきがある。したがって、各二次電池セル1001に対して、例えば、基準としてのある一つの二次電池セル1001の直流抵抗値と温度との関係に基づいて、他の二次電池セル1001の温度を算出すると、算出結果に上記個体差の影響が入りやすい。そこで、本実施形態では、図6に示すように、二次電池セル1001の直流抵抗値と二次電池セル1001の交流抵抗値との差分値(差分抵抗値)と温度との関係を求め、この関係に基づいて、二次電池セル1001の温度を算出(推定)して、一つの基準とすることで、二次電池セル1001の個体差の影響を抑制する。なお、二次電池セル1001の直流抵抗値と二次電池セル1001の交流抵抗値との差分値と温度との関係は、ある一つの二次電池セル1001のものであってよいし、複数の二次電池セル1001の平均であってもよい。
本実施形態では、電池管理装置60の制御部は、上記の二次電池セル1001の電気抵抗値と温度との関係を用いて二次電池セル1001の温度を計測する電池温度算出処理(電池温度算出方法)を実行する。この電池温度算出処理において、電池管理装置60の制御部は、物理量取得部601と、抵抗値取得部602と、温度算出部(温度推定部)603と、出力部605として機能し、温度算出用情報記憶部604に記憶された情報を用いて、二次電池セル1001の温度を計測する。
温度算出用情報記憶部604(記憶部)は、二次電池セル1001の電気抵抗値と二次電池セル1001の温度との関係を示した温度算出用情報(情報)を予め記憶している。詳細には、本実施形態では、温度算出用情報は、二次電池セル1001の直流抵抗値と二次電池セル1001の交流抵抗値との差分値と、二次電池セルの温度との関係を示す情報である。本実施形態では、温度算出用情報記憶部604に記憶された温度算出用情報は、一例として、図6に示す二次電池セル1001の直流抵抗値と交流抵抗値との差分値と、二次電池セル1001の温度との関係を表す温度算出用の数式である。この数式は、一例として、直流抵抗値と交流抵抗値との差分値と温度との関係を近似した近似式であってよい。なお、温度算出用の数式は、プログラムに予め組み込まれて記憶部に記憶されていてもよいし、プログラムとは別に記憶部に記憶されていてもよい。また、温度算出用情報は、一例として、図6で示す直流抵抗と交流抵抗との差分値毎の温度を示すデータであってもよい。なお、温度算出用情報は、一例として、二次電池装置1の工場出荷前に、温度算出用情報記憶部604に記憶される。
物理量取得部601は、二次電池セル1001の電気に関する物理量を取得する。詳細には、本実施形態では、物理量取得部601は、二次電池セル1001の状態判定用の物理量として、各組電池監視回路21から、各二次電池セル1001の充電容量および電圧値を受信(取得)する。また、物理量取得部601は、二次電池セル1001の抵抗値算出用の物理量として、組電池11(二次電池セル1001)に、所定の直流電流および所定の交流電流を流し、このときの各二次電池セル1001の直流電圧値および交流電圧値を、各組電池監視回路21から受信(取得)する。この際、直流電流および交流電流は、別々に流しても良いし、直流電流に交流電流を重畳させてもよい。ここで、直流電流と交流電流は、一例として、外部電源70から供給される。外部電源70から供給される直流電流または交流電流を、交流電流または直流電流に変換する場合には、電力変換装置(図示せず)が用いられる。なお、例えば、二次電池装置1に接続される負荷が、モータである場合、モータによる回生エネルギーによる交流電流と、該交流電流を変換した直流電流とを組電池11に流してもよい。また、組電池監視回路21から送信される二次電池セル1001の電気に関する物理量(直流電圧、交流電圧、充電状態)には、一例として、対応する二次電池セル1001の識別情報が付加されうる。
抵抗値取得部602は、各二次電池セル1001の実際の電気抵抗値を取得する。本実施形態では、抵抗値取得部602は、二次電池セル1001の実際の電気抵抗値として、直流抵抗値および交流抵抗値を取得する。二次電池セル1001の直流抵抗値は、物理量取得部601が取得した、直流電流を流した際の二次電池セル1001の直流電圧と、流した直流電流の電流値と、を用いて算出される。また、二次電池セル1001の交流抵抗値は、物理量取得部601が取得した、交流電流を流した際の二次電池セル1001の交流電圧と、流した交流電流の電流値と、を用いて算出される。なお、別例として、電池監視回路21が二次電池セル1001の実際の電気抵抗値を算出して電池管理装置60に送信し、抵抗値取得部602が送信された二次電池セル1001の実際の電気抵抗値を受信(取得)してもよい。
温度算出部603は、温度算出用情報記憶部604に記憶された温度算出用情報と、抵抗値取得部602が取得した二次電池セル1001の実際の電気抵抗値と、を用いて、各二次電池セル1001の温度を求める。詳細には、温度算出用情報記憶部604に記憶された温度算出用情報としての温度算出用の数式に、二次電池セル1001の実際の電気抵抗値を当てはめて、二次電池セル1001の温度を算出する。即ち、本実施形態では、温度算出部603は、温度算出用情報と、抵抗値取得部602が取得した二次電池セル1001の直流抵抗値と抵抗値取得部602が取得した二次電池セル1001の交流抵抗値との差分値と、を用いて、二次電池セル1001の温度を求める。
また、本実施形態では、一例として、温度算出部603は、二次電池セル1001が所定の状態の場合には温度を算出するが、二次電池セル1001がその所定の状態ではない場合には、温度を算出しない。詳細には、温度算出部603は、物理量取得部601が取得した二次電池セル1001の物理量が規定量の場合に、二次電池セル1001の温度を求め、物理量取得部601が取得した二次電池セル1001の物理量が規定量ではない場合には、二次電池セル1001の温度を求めない。一例として、温度算出部603は、二次電池セル1001の充電容量(充電率)が所定範囲内である場合に、二次電池セル1001の温度を求め、該充電容量が所定範囲内にない場合には、二次電池セル1001の温度を求めない。上記の充電容量の所定範囲は、例えば0%よりも大きい第1充電率の充電容量から、第1充電率よりも大きい第2充電率の充電容量の間であってよい。また、一例として、温度算出部603は、二次電池セル1001の電圧が所定範囲内である場合に、二次電池セル1001の温度を求め、該電圧が所定範囲内にない場合には、二次電池セル1001の温度を求めない。上記の電圧の所定範囲は、例えば0よりも大きい第1電圧値と、第1電圧値よりも大きい第2電圧値との間であってよい。このように、温度算出に条件を設けるのは、上記の温度算出用情報は、二次電池セル1001が所定の状態の場合により有効であり、温度算出精度が高くなるからである。
出力部605は、温度算出部603が求めた温度が閾値を超えた場合には、二次電池セル1001の温度が閾値を超えた旨を示す警報情報(情報、信号)を出力する。本実施形態では、一例として、出力部605は、警報器80に対して警報情報を出力する。警報器80は、例えば、表示装置や音声出力装置等であり、警報情報が入力されると、温度が閾値を超えた旨を示す警報を表示出力や音声出力する。即ち、本実施形態では、出力部605は、温度算出部603が求めた温度が閾値を超えた場合には、二次電池セル1001の温度が閾値を超えた旨を示す警報を、警報器80に出力させる。
図7は、本実施形態にかかる電池管理装置60が行う温度測定処理の流れを示すフローチャートである。図7に基づいて、電池管理装置60が実行する温度測定処理の流れを説明する。温度測定処理では、まず、物理量取得部601が、二次電池セル1001の状態判定用の物理量として、各二次電池セル1001の充電容量および電圧を各組電池監視回路21から受信(取得)する(ステップS1)。
次に、電池管理装置60の制御部は、一例として、ステップS2〜ステップS8の処理を各二次電池セル1001毎に行う。
ステップS2では、温度算出部603が、物理量取得部601が取得した二次電池セル1001が規定状態か、即ち、二次電池セル1001の充電容量と電圧とが規定範囲内か否かを判定する。二次電池セル1001の充電容量と電圧との両方が規定範囲内である場合には(ステップS2のYes)、ステップS3に進む。一方、二次電池セル1001の充電容量と電圧との少なくとも一方が規定範囲外である場合には(ステップS2のNo)、該二次電池セル1001の温度計測を行わずに、ステップS8に進む。
ステップS3では、物理量取得部601が、各二次電池セル1001の抵抗値算出用の物理量として、所定の直流電流を流した際の二次電池セル1001の直流電圧値を各組電池監視回路21から取得(受信)するとともに、所定の交流電流を流した際の各二次電池セル1001の交流電圧値を各組電池監視回路21から取得(受信)する。
次に、抵抗値取得部602が、ステップS3で取得された二次電池セル1001の直流電圧値と交流電圧値とを用いて、二次電池セル1001の実際の電気抵抗値(直流抵抗値および交流抵抗値)を算出する(ステップS4)。
次に、温度算出部603が、温度算出用情報記憶部604に記憶された温度算出用情報と、抵抗値取得部602が算出した二次電池セル1001の実際の電気抵抗値(直流抵抗値、交流抵抗値)と、を用いて、各二次電池セル1001の温度を算出する(ステップS5)。
次に、出力部605が、温度算出部603が求めた温度が閾値以下か否か、即ち二次電池セル1001の温度が正常か否かを判定し、温度算出部603が求めた温度が閾値以下(正常)の場合には(ステップS6のYes)、警報を出すことなく、ステップS8に進む。一方、温度算出部603が求めた温度が閾値以下(異常)の場合には(ステップS6のNo)、温度算出部603は、二次電池セル1001の温度が閾値を超えた旨を示す警報情報(温度異常警報)を出力し(ステップS7)、ステップS8に進む。
電池管理装置60の制御部は、全ての二次電池セル1001に対する処理が完了するまで、ステップS2以降の処理を繰り返す(ステップS8のNo)。そして、電池管理装置60の制御部は、全ての全ての二次電池セル1001に対する処理が完了すると(ステップS8のYes)、処理を終了する。
以上説明したとおり、本実施形態では、抵抗値取得部602が、二次電池セル1001の実際の電気抵抗値を取得し、温度算出部603が、二次電池セル1001の電気抵抗値と二次電池セル1001の温度との関係を示す温度算出用情報と、抵抗値取得部602が取得した二次電池セル1001の実際の電気抵抗値と、を用いて、二次電池セル1001の温度を求める。したがって、本実施形態によれば、サーミスタや熱電対を用いずに二次電池セル1001の温度を測定することができる。よって、二次電池装置1を比較的簡素な構成とすることができる。
また、本実施形態では、抵抗値取得部602は、二次電池セル1001の電気抵抗値として、二次電池セル1001の直流抵抗値および交流抵抗値を取得する。また、温度算出用情報は、二次電池セル1001の直流抵抗値と二次電池セル1001の交流抵抗値との差分値と、二次電池セル1001の温度との関係を示す。また、温度算出部603は、温度算出用情報と、抵抗値取得部602が取得した直流抵抗値と抵抗値取得部602が取得した交流抵抗値との差分値と、を用いて、二次電池セル1001の温度を求める。したがって、本実施形態によれば、直流抵抗値と温度との関係および交流抵抗値と温度との関係についての二次電池セル1001の個体差の影響を抑制しつつ、一つの基準によって複数の二次電池セル1001の温度を算出することができる。
また、本実施形態では、出力部605は、温度算出部603が求めた温度が閾値を超えた場合には、二次電池セル1001の温度が閾値を超えた旨を示す情報を出力する。したがって、本実施形態によれば、一例として、二次電池セル1001の温度が閾値を超えた旨を使用者に報知することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、二次電池セル1001の交流抵抗値を用いずに、二次電池セル1001の直流抵抗値と温度との関係を用いて二次電池セル1001の温度を計測する点が、第1の実施形態と異なる。
本実施形態は、二次電池セル1001の交流抵抗値を用いずに、二次電池セル1001の直流抵抗値と温度との関係を用いて二次電池セル1001の温度を計測する点が、第1の実施形態と異なる。
本実施形態では、温度算出用情報記憶部604に記憶された温度算出用情報(情報)は、二次電池セル1001の直流抵抗値と二次電池セル1001の温度との関係を示す。ここで、図8は、本実施形態にかかる二次電池セル1001における直流抵抗値と温度との関係を示したグラフである。温度算出用情報は、一例として、図8に示す二次電池セル1001の直流抵抗値と、二次電池セル1001の温度との関係を表す温度算出用の数式である。この数式は、一例として、直流抵抗値と温度との関係を近似した近似式であってよい。この温度算出用情報は、各二次電池セル1001毎の、直流抵抗値と温度との関係を示す情報を含む。
ここで、第1の実施形態で説明したように、直流抵抗値と温度との関係は、二次電池セル1001の個体間に差がある。一方、二次電池セル1001の温度上昇に応じた抵抗値の低下率、即ち図8の近似線の傾きは、二次電池セル1001の個体間の差は略無く、二次電池セル1001同士で略同じである。即ち、温度をx、直流抵抗をy、近似線の傾きをaとし場合、温度算出用の数式(近似式)は、y=ax+cとなるが、yは二次電池セル1001同士で略同である一方、cは、二次電池セル1001毎に異なる場合がある。つまり、ある二次電池の温度算出用の数式による近似線は、図8の実線で示す近似線となり、別のある二次電池の温度算出用の数式による近似線は、図8の一点鎖線で示す近似線となる場合がある。上記式のcは、二次電池セル1001のある温度での直流抵抗値を一点計測することで求まる。したがって、本実施形態では、一例として、工場出荷前に、各二次電池セル1001においてある温度での直流抵抗値を一つ求めて、温度算出用の数式を各二次電池セル1001毎に取得し、上記の式を二次電池セル1001の識別情報と関連付けして温度算出用情報記憶部604に記憶している。
本実施形態では、電池管理装置60の制御部は、上記の二次電池セル1001の直流抵抗値と温度との関係を用いて二次電池セル1001の温度を計測する。この際、本実施形態では、物理量取得部601は、交流電流値は取得せず、直流電流値を取得し、抵抗値取得部602は、電気抵抗値として直流抵抗値を取得する。
そして、温度算出部603は、温度算出用情報(温度算出用の数式)と抵抗値取得部602が取得した直流抵抗値とを用いて、二次電池セル1001の温度を求める。詳細には、温度算出用情報記憶部604に記憶された温度算出用情報としての温度算出用の数式に、二次電池セル1001の実際の直流抵抗値を当てはめて、二次電池セル1001の温度を算出する。なお、温度測定処理のその他の部分は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
以上説明したとおり、本実施形態では、抵抗値取得部602は、二次電池セル1001の電気抵抗値として直流抵抗値を取得する。また、温度算出用情報は、二次電池セル1001の直流抵抗値と二次電池セル1001の温度との関係を示す。また、温度算出部603は、温度算出用情報と抵抗値取得部602が取得した直流抵抗値とを用いて、二次電池セル1001の温度を求める。したがって、本実施形態によれば、交流抵抗値を求めることなく、二次電池セル1001の温度を算出することができる。
以上のとおり、上記各実施形態によれば、サーミスタや熱電対を用いずに二次電池セル1001の温度を測定することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、複数の組電池11や複数の二次電池セル1001が直列接続された例を示したが、これらは並列接続されていてもよい。この場合、各二次電池セル1001毎の電流値を検出する電流検出回路を設けて、検出した電流値を用いて二次電池セル1001の電気抵抗値を求めることができる。
また、電池温度測定装置は、電池管理装置60に限るものではなく、電池管理装置60とは別の情報処理装置やサーバ等であってもよい。
1…二次電池装置、60…電池管理装置、601…物理量取得部、602…抵抗値取得部、603…温度算出部、605…出力部、1001…二次電池セル(非水電解質二次電池)。
Claims (8)
- 非水電解質二次電池の実際の電気抵抗値を取得する抵抗値取得部と、
前記非水電解質二次電池の電気抵抗値と前記非水電解質二次電池の温度との関係を示す情報と、前記抵抗値取得部が取得した前記実際の電気抵抗値と、を用いて、前記非水電解質二次電池の温度を求める温度算出部と、
を備えた電池温度測定装置。 - 前記抵抗値取得部は、前記電気抵抗値として、直流抵抗値および交流抵抗値を取得し、
前記情報は、前記非水電解質二次電池の直流抵抗値と前記非水電解質二次電池の交流抵抗値との差分値と、前記非水電解質二次電池の温度との関係を示し、
前記温度算出部は、前記情報と、前記抵抗値取得部が取得した前記直流抵抗値と前記抵抗値取得部が取得した前記交流抵抗値との差分値と、を用いて、前記非水電解質二次電池の温度を求める、請求項1に記載の電池温度測定装置。 - 前記抵抗値取得部は、前記電気抵抗値として直流抵抗値を取得し、
前記情報は、前記非水電解質二次電池の直流抵抗値と前記非水電解質二次電池の温度との関係を示し、
前記温度算出部は、前記情報と前記抵抗値取得部が取得した前記直流抵抗値とを用いて、前記非水電解質二次電池の温度を求める、請求項1に記載の電池温度測定装置。 - 前記非水電解質二次電池の電気に関する物理量を取得する物理量取得部を備え、
前記温度算出部は、前記物理量取得部が取得した前記物理量が規定量の場合に、前記非水電解質二次電池の温度を求め、前記物理量取得部が取得した前記物理量が規定量ではない場合には、前記非水電解質二次電池の温度を求めない、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電池温度測定装置。 - 前記温度算出部が求めた温度が閾値を超えた場合には、前記非水電解質二次電池の温度が閾値を超えた旨を示す情報を出力する出力部を備えた請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電池温度測定装置。
- 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電池温度測定装置と、
前記非水電解質二次電池と、
を備えた二次電池装置。 - 抵抗値取得部が、非水電解質二次電池の実際の電気抵抗値を取得するステップと、
温度算出部が、前記非水電解質二次電池の電気抵抗値と前記非水電解質二次電池の温度との関係を示し記憶部に記憶された情報と、前記抵抗値取得部が取得した前記実際の電気抵抗値と、を用いて、前記非水電解質二次電池の温度を求めるステップと、
を含む電池温度測定方法。 - 抵抗値取得部が、非水電解質二次電池の実際の電気抵抗値を取得するステップと、
温度算出部が、前記非水電解質二次電池の電気抵抗値と前記非水電解質二次電池の温度との関係を示し記憶部に記憶された情報と、前記抵抗値取得部が取得した前記実際の電気抵抗値と、を用いて、前記非水電解質二次電池の温度を求めるステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013187554A JP2015056225A (ja) | 2013-09-10 | 2013-09-10 | 電池温度測定装置、二次電池装置、電池温度測定方法およびプログラム |
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---|---|---|---|---|
JP2018050396A (ja) * | 2016-09-21 | 2018-03-29 | トヨタ自動車株式会社 | 充電システム |
-
2013
- 2013-09-10 JP JP2013187554A patent/JP2015056225A/ja active Pending
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US10181749B2 (en) | 2016-09-21 | 2019-01-15 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Charging system |
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