JP6387751B2 - プロピレン系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン系ブロック共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プロピレン系ブロック共重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、粘着性が発現しやすい軟質なプロピレン系ブロック共重合体であっても、流動性が良好な共重合体のパウダーが得られるプロピレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
オレフィン系の熱可塑性エラストマー又はプラストマーは、適度な柔軟性と強度を持ち、リサイクルや焼却廃棄などの環境問題適応性が高く、また、軽量で成形性や経済性などにも優れていることから、フィルムやシート、繊維、不織布、各種容器、成形性改質剤などとして、幅広い分野で用いられている。ここでオレフィン系の熱可塑性エラストマー又はプラストマーとしては、プロピレン・α−オレフィン共重合体に代表されるランダムコポリマーの成分を含む重合体ブレンドがよく知られている。
かかる熱可塑性エラストマー又はプラストマーのうち、第1工程でポリプロピレンを主成分とする結晶性のポリマー成分を製造し、第2工程でプロピレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする半結晶性または非晶性のエラストマー成分を製造して得られる、いわゆる軟質プロピレン系ブロック共重合体と称されるものは、ランダムコポリマーのエラストマー又はプラストマーに比べて、耐熱性と生産性に優れ、また、機械的な混合により製造されるランダムコポリマーの成分を含むエラストマー又はプラストマーに対して、製造コストの低減が図れるため、経済性が高く、耐熱性などに優れているため、最近において、非常に汎用されている。
これまでの軟質プロピレン系ブロック共重合体は、チーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されていた。かかる軟質プロピレン系ブロック共重合体は、触媒活性点の不均一性が原因で発生する副生物である分子量が低いオリゴマーが存在することにより、ポリマー粉体(以下、「重合体パウダー」ともいう。)の表面に、第2工程の成分がブリードするため、重合体パウダーの流動性が悪いので、実用的な連続生産が難しいという問題があった。
重合体パウダーの流動性を改善するために、チーグラー・ナッタ触媒での軟質プロピレン系ブロック共重合体の製造技術が工夫され、気相重合技術、プロピレン・α−オレフィン共重合時に触媒失活剤を添加したコア−シェル構造の形成技術、重合体パウダーの大粒径化技術などにより、より軟質なプロピレン系ブロック共重合体が製造できるように、製造可能範囲を拡大してきた。特に、気相重合と重合体パウダーの大粒径化技術の組み合わせは、軟質プロピレン系ブロック共重合体の製造限界を大きく広げた。さらに、触媒活性点の均一性を高めたメタロセン触媒への転換により、オリゴマーの副生を抑えることが可能になり、さらに軟質にできるようになってきている。
一方、チーグラー・ナッタ触媒からメタロセン触媒への転換に伴い、炭素数4以上のα−オレフィンの反応性が高められるため、第2工程で炭素数4以上のα−オレフィンをより多く取り込んだエラストマー成分を製造して得られるプロピレン系ブロック共重合体が製造できるようになった。そして、このプロピレン系ブロック共重合体は、柔軟性と透明性が良好なので、種々の用途への展開が期待されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、メタロセン触媒によるエチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンとプロピレンとのランダム共重合体成分を含む軟質プロピレン系ブロック共重合体は、オリゴマーの副生が抑えられているにも関わらず、重合体パウダーの流動性が乏しく、上記の気相重合、コア−シェル構造の形成技術及び重合体パウダーの大粒径化技術の組み合わせだけでは、実用上の製造プラントへの適用は、困難である。
一方、粘着性の重合体パウダーの製造方法として、微粒子を重合器へフィードし、重合体パウダーを表面改質して、流動性を保つ製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、多量の微粒子の投入が必要であること、連続生産において、後続の生産銘柄が粘着性の悪くない銘柄であるとか、微粒子の混入を望まない銘柄であるとかであっても、重合器に残留する微粒子が混入してしまうので、生産ロスが大きく、生産コストが高くなる問題や、製品の品質上の問題が残る。
また、シロキサン類またはポリシロキサン類を重合器へフィードして、付着を防止するα−オレフィンブロック共重合体の製造方法も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、α−オレフィンの含有量が5重量%を上回るプロピレン系ブロック共重合体の場合は、重合体パウダーの流動性を維持する方法としては、不十分であった。
特開2010−168498号公報 特開平6−32811号公報 特開昭63−146914号公報
上記特許文献1に記載されているエチレンおよび/または炭素数4〜20のα−オレフィンとプロピレンとのランダム共重合体の重合時では、特に、第1工程で、α−オレフィン含量が5重量%以下の成分(A)を重合し、第2工程で、α−オレフィン含量が15〜80重量%の成分(B)を重合し、成分(B)の割合が20〜70重量%であるプロピレン系ブロック共重合体の重合時において、第2工程で重合される非晶成分が重合体パウダーの表面へブリードする。このことにより、重合体パウダーが付着性を有し、重合体パウダー同士の凝集が生じる。このような重合体パウダー同士の凝集が生じると、気相重合においては、攪拌不良によるヒートスポットが形成され、塊の形成の主原因となる。同時に重合体パウダー同士の凝集は、重合器からの抜出し配管での閉塞を引き起こすおそれがあるため、気相重合での、実用上の製造プラントへの適用が困難であった。
また、上記特許文献2に記載されている微粒子による付着性の重合体パウダーの表面改質では、本発明者らは、重合体パウダーに対して、微粒子が少なくとも1重量%以上必要であることを確認している。多量の微粒子の製造プラントへの投入は、熱交換器等を閉塞させるおそれがある。また、重合体パウダーに付着した微粒子が、フィルム成形した際、著しく透明性を悪化することを確認している。このように、リアクターの循環系への飛散が少なく、透明性を悪化させない液体表面改質剤の探索が必要となっている。
さらに、上記特許文献3に記載されているシロキサン類又はポリシロキサン類を添加する方法では、エチレンおよび/または炭素数4〜20のα−オレフィンとプロピレンとのランダム共重合体の重合条件下では、多量の非晶成分がシロキサン類又はポリシロキサン類でコーティングされた層を超えて、ブリードするため、重合体パウダーの表面改質方法としては、不十分であった。
したがって、本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、粘着性が発現しやすい軟質なプロピレン系ブロック共重合体であっても、流動性が良好な共重合体のパウダーが得られるプロピレン系ブロック共重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、重合体パウダーの表面改質方法を鋭意検討した結果、第1重合器でプロピレン重合体成分(A)を重合する第1工程と、第2重合器でプロピレン共重合体成分(B)を重合する第2工程とを含むプロピレン系ブロック共重合体の製造方法において、第2重合器として、特定の横型重合器を用い、かつ、第2工程では、第2重合器の全長の1/2より下流部分の特定の位置へ、Siを含むオイルなどの流動改質剤をフィードすることにより、流動性が良好なプロピレン系ブロック共重合体が製造できる方法を見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、第1重合器でプロピレン重合体成分(A)を重合する第1工程と、次いで、第2重合器でプロピレン共重合体成分(B)を重合する第2工程とを、含むプロピレン系ブロック共重合体の製造方法であって、
第2重合器は、内部に水平軸周りに回転する攪拌機、長手方向一方の末端近傍にプロピレン重合体成分(A)の導入口、及び長手方向他方の末端近傍にプロピレン系ブロック共重合体の抜出し口を有する横型重合器であり、並びに
第2工程は、第2重合器の全長の1/2より下流部分の位置へ、流動改質剤をフィードし、
前記流動改質剤は、Siを含むオイルであって、珪素(Si)、炭素(C)、酸素(O)および水素(H)の元素からなることを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の製造方法が提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、第2の重合器は、プラグフロー重合槽であることを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の製造方法が提供される
さらに、本発明の第の発明によれば、第1又は2の発明において、前記流動改質剤を、プロピレン系ブロック共重合体の単位時間あたりの生産量に対して、500〜4000ppm添加することを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、プロピレン重合体成分(A)は、プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンの含量が5重量%以下のプロピレン単独重合体またはプロピレン・α−オレフィン共重合体であり、
プロピレン共重合体成分(B)は、α−オレフィン含量が15〜80重量%のプロピレン・α−オレフィン共重合体であり、及び
プロピレン系ブロック共重合体は、プロピレン共重合体成分(B)の割合が20〜70重量%であることを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、メタロセン触媒を用いて重合することを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の製造方法が提供される。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法によって得られるプロピレン系ブロック共重合体は、一般的に知られている流動性の評価方法である、かさ密度、安息角、および篩上の重合体パウダーの残量評価法のいずれの方法においても、流動性が良好であるとの結果が得られた。
よって、本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法によれば、粘着性が発現しやすい軟質なプロピレン系ブロック共重合体であっても、重合体パウダー同士の凝集を起こすことなく、流動性が良好な共重合体のパウダーが得られるプロピレン系ブロック共重合体を製造することができる。
図1は、実施例で用いた横型重合器のフローシートである。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法は、第1重合器でプロピレン重合体成分(A)を重合する第1工程と、次いで、第2重合器でプロピレン共重合体成分(B)を重合する第2工程とを、含むプロピレン系ブロック共重合体の製造方法であって、
第2重合器は、内部に水平軸周りに回転する攪拌機、長手方向一方の末端近傍にプロピレン重合体成分(A)の導入口、及び長手方向他方の末端近傍にプロピレン系ブロック共重合体の抜出し口を有する横型重合器であり、並びに
第2工程は、第2重合器の全長の1/2より下流部分の位置へ、流動改質剤をフィードすることを特徴とする。
以下、本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法について、具体的かつ詳細に説明する。
1.重合器
(1)第1重合器
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法では、第1工程は、第1重合器でプロピレン重合体成分(A)を重合する工程である。
上記の第1重合器としては、特に形状、構造を問わないが、形状として、縦型重合器、横型重合器、チューブ型重合器などが挙げられ、例えば、スラリー重合、バルク重合で一般に用いられるものとして、攪拌機付き重合器、チューブ型重合器、気相重合に一般に用いられるものとして流動床重合器、攪拌羽根を有する横型重合器などが挙げられる。好ましくは内部に水平軸周りに回転する攪拌機を有する横型重合器である。
(2)第2重合器
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法では、第2工程は、第2重合器でプロピレン共重合体成分(B)を重合する工程である。
上記の第2重合器としては、形状は、横型重合器であり、攪拌機構として、内部に水平軸周りに回転する攪拌機を有する。
また、横型重合器の構造としては、横型重合器の長手方向一方の末端近傍に、第1工程からの重合体パウダーの導入口を有し、長手方向他方の末端近傍に、重合体パウダーの抜出し口を有するものである。そして、末端近傍とは、横型重合器の長手方向の長さの全長を100%(一方の末端は0%、他方の末端は100%)としたときの、長さ基準で、0〜40%のエリア又は60〜100%のエリアをいい、好ましくは0〜20%のエリア又は80〜100%のエリアをいう。そして、重合体パウダーの導入口の位置から遠くない末端が一方の末端であり、その反対側の末端が他方の末端である。
第2重合器では、重合体パウダーの流動形態は、プラグフローが好ましい。導入口、抜出し口を、プラグフローを達成できる位置に、設けるのが好ましい。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法は、連続重合器であること前提としている。プロピレン系ブロック共重合体の連続重合様式としては、スラリー重合、バルク重合などがあるが、本発明で目的としている軟質系プロピレン系共重合体の製造においては、重合体パウダーの流動性の維持の観点から、飽和炭化水素溶媒、液モノマーの影響が最も少ない、気相法が最適である。
気相法には、流動床、完全混合型攪拌重合器などがあるが、滞留時間分布が小さく、長期滞留する重合体パウダーが少ないこと、流動改質剤を重合器全体へ添加できること、さらに重合器から重合体パウダーを抜出す直前の重合器部分で、流動改質剤を添加でき、つねにブリードしてくる非晶成分を流動改質剤でコーティングできることから、内部に水平軸周りに回転する攪拌機を有し、プラグフロー重合器に近い、横型重合器が最適である。
第1重合器と第2重合器とは、連結している。第1重合器と第2重合器との間に、ブローケース等の機器が配設されていてもよい。
2.流動改質剤の添加場所
第2工程において、第2重合器への流動改質剤の添加場所は、第1重合器の重合体パウダーが送られてくる上流部分の一方の末端から他方の末端に向かって重合器全長の1/2より下流部分、すなわち長さ基準で50超〜100%のエリアへ、添加することが好ましい。より好ましくは重合器の重合体パウダーが送られてくる上流部分の一方の末端から他方の末端に向かって重合器全長の2/3の部分または2/3より下流部分、すなわち長さ基準で67〜100%のエリアへの添加、さらに好ましくは重合器の重合体パウダーが送られてくる上流部分の一方の末端から他方の末端に向かって重合器全長の3/4の部分または3/4より下流部分、すなわち長さ基準で75〜100%のエリアへの添加である。
第2重合器の上記範囲以外の場所、すなわち、第1重合器からの重合体パウダーが送られてくる上流部分で流動改質剤を添加しても、効果は小さい。重合条件下では、重合体パウダーの非晶成分へのモノマー含侵量が高くなることにより、非晶成分の運動性が高まって、重合体パウダーの表面上に流動改質剤のコーティング層を超えてブリードするためである。すなわち、重合体パウダーと流動改質剤との接触後、重合器内に長く滞留すると、流動改質剤を添加後に、さらに重合反応が進んで非晶成分の割合が高くなり、かつ、重合条件下での滞留時間が長くなる重合器の下流側へ行くほど、重合体パウダーの流動性が著しく低下しやすい。
したがって、本発明のように、重合体パウダーと流動改質剤との接触後、速やかに重合器より抜出すことができる態様が好ましい。このように、プラグフロー型横型重合器であると、本発明を非常に効率的に行うことができる。
第2重合器の上記範囲の場所で流動改質剤を添加していれば、上記範囲以外の場所に、さらに添加することは、差支えない。
3.流動改質剤の種類、物性など
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法において、ポリマーの流動改質剤は、Siを含むオイルが好ましい。成型加工の際に、離型性を改良することができるオイルを用いることが可能であるが、その中でも、Siを含むシリコーンオイルが最も好ましい。ここでいう、シリコーンオイルは、アルキル基などの有機基を有し、シロキサン構造からなるポリシロキサンである。親水性が低いオイルを用いるほうが、触媒の活性の低下防止の観点から、好ましい。
使用されるシリコーンオイルは、Si、C、O、Hからなるものが望ましい。その他の元素を含む場合は、例えば、アミノ基を有するアミノ変性シリコーンオイルや、フッ素変性シリコーンオイルは、極性を有するため、触媒の低活性化を招く場合があるので、必要な活性に応じて、選択することが好ましい。
使用されるシリコーンオイルの動粘度は、25℃において、好ましくは50cSt[50mm/s]以上、より好ましくは、80cSt[80mm/s]以上であり、好ましくは10,000cSt以下、より好ましくは6,000cSt以下である。上記の範囲(50cSt)以上だと、シリコーンオイルが重合体パウダーの細孔内部への拡散が抑制できるため、流動改質効果が向上する。一方、上記の範囲(10,000cSt)以下だと、シリコーンオイルの粘度が高くなりすぎず、取り扱いが容易なうえ、重合体パウダーへの分散がより均一となる。
流動改質剤であるシリコーンオイルの添加量(wtppm)は、プロピレン系ブロック共重合体パウダーの重量に対して、好ましくは500ppm以上、より好ましくは1000ppm以上、さらに好ましくは、2000ppm以上、一方、好ましくは4000ppm以下、より好ましくは3500ppm以下、さらに好ましくは3000ppm以下である。
流動改質剤の添加量(wtppm)は、単位時間当たりの添加量/単位時間当たりの生産量によって算出することができる。
上記の範囲(例えば、500ppm)以上だと、流動改質効果が向上し、重合体パウダーの凝集性をより改善でき、より良好な流動性を得ることができる。一方、上記の範囲の上限(例えば、4000ppm)以下だと、シリコーンオイルへ、C3以上の凝縮性ガスや溶媒などが溶解せずに、重合体パウダーを膨潤させず、より良好な流動性を得ることができる。
4.流動改質剤の添加方法
流動改質剤であるシリコーンオイルは、添加の容易さのために、溶媒に溶解させて用いるのが好ましい。用いる溶媒は、シリコーンオイルが均一に分散すれば、特に制限はないが、飽和炭化水素の溶媒が好ましい。特に、入手しやすく、製造プラントで除去が容易なヘキサン、ヘプタンが好ましい。
5.ポリマーの製造方法
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法から得られるプロピレン系ブロック共重合体は、一般的に、プロピレン重合体成分(A)とプロピレン共重合体成分(B)との混合物である。これは、プロピレン重合体成分(A)の重合(前段の第1工程)と、この後に続く、プロピレン共重合体成分(B)の重合(後段の第2工程)との製造工程により得ることができる。
尚、上記成分(A)は、例えば、エチレンなどのプロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンを5重量%以下で含有してもよい。
上記重合に用いられる触媒としては、特に限定されるものではなく、公知の触媒が使用可能である。例えば、チタン化合物と有機アルミニウム化合物を組み合わせた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒(例えば、ポリプロピレンハンドブック(1998年5月15日初版第1刷発行)等に記載)、あるいは、メタロセン触媒(例えば、特開平5−295022号公報参照。)が使用できる。
チーグラー・ナッタ触媒は、チタン化合物として有機アルミニウム等で還元して得られた三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物を電子供与性化合物で処理し更に活性化したもの(例えば、特開昭47−34478号公報、特開昭58−23806号公報、特開昭63−146906号公報参照。)、塩化マグネシウム等の担体に四塩化チタンを担持させることにより得られるいわゆる担持型触媒(例えば、特開昭58−157808号公報、特開昭58−83006号公報、特開昭58−5310号公報、特開昭61−218606号公報参照。)等が含まれる。
一方、メタロセン触媒については、前述の文献のみならず、公知のメタロセン触媒が使用可能であり、好ましい。
また、助触媒として使用される有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド、メチルアルモキサン、テトラブチルアルモキサンなどのアルモキサン、メチルボロン酸ジブチル、リチウムアルミニウムテトラエチルなどの複合有機アルミニウム化合物などが挙げられる。また、これらを2種類以上混合して使用することも可能である。
また、上述の触媒には、立体規則性改良や重合体パウダーの性状制御、可溶性成分の制御、分子量分布の制御等を目的とする各種重合添加剤を使用することができる。例えば、ジフェニルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシランなどの有機ケイ素化合物、酢酸エチル、安息香酸ブチル、p−トルイル酸メチル、ジブチルフタレートなどのエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、安息香酸、プロピオン酸などの有機酸類、エタノール、ブタノールなどのアルコール類等の電子供与性化合物を挙げることができる。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法では、重合様式として、第1工程は、スラリー重合、バルク重合、または気相重合であり、好ましくは気相重合であり、第2工程も、スラリー重合、バルク重合、または気相重合であり、好ましくは気相重合であり、また、第1工程で、プロピレンの単独重合、またはプロピレンとエチレン、1−ブテンなどのα−オレフィンとの共重合を行い、第2工程で、第1工程よりもエチレン、1−ブテンなどのα−オレフィンを多く含む共重合ができることが望ましい。
気相重合においては、成分(A)の重合工程は、プロピレン、必要に応じて、α−オレフィン、連鎖移動剤として水素を供給して、前記触媒の存在下に、温度0〜100℃、好ましくは30〜90℃、特に好ましくは40〜80℃、プロピレンの分圧0.6〜4.2MPa、好ましくは1.0〜3.5MPa、特に好ましくは1.5〜3.0MPa、滞留時間は0.5〜10時間で行う。
成分(A)は、プロピレン単独重合体、又はプロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンの含量が5重量%以下のプロピレン・α−オレフィン共重合体が好ましい。
プロピレン・α−オレフィン共重合体としては、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体などが挙げられる。
本発明のプロピレン重合体成分(A)のMFRは、特に制限はないが、通常1〜500g/10分の範囲である。プロピレン重合体成分(A)をこの様な範囲とするためには、触媒の種類にもよるが、連鎖移動剤の水素を、水素/プロピレンのモル比で5×10−5〜0.3の範囲で供給することにより、所望のMFRに調節することが可能である。
プロピレン系ブロック共重合体を製造する際は、第1工程に引き続いて、即ち前段重合工程(第1工程)で製造された成分(A)の存在下、後段重合工程(第2工程)で、プロピレン、α−オレフィン(好ましくはプロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィン)と、必要に応じて水素等を供給して、前記触媒(前記成分(A)の製造に使用した当該触媒)の存在下に0〜100℃、好ましくは30〜90℃、特に好ましくは40〜80℃、プロピレン及びα−オレフィンの分圧各0.1〜2.0MPa、好ましくは0.1〜1.5MPa、滞留時間は0.5〜10時間の条件で、プロピレンとα−オレフィンの共重合を行い、成分(B)を製造し、最終的な生成物として、プロピレン系ブロック共重合体を得る。
成分(B)は、プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンの含量が5重量%超のプロピレン・α−オレフィン共重合体が好ましい。プロピレン・α−オレフィン共重合体としては、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体などが挙げられる。
また、成分(B)は、プロピレンと2種類以上のα−オレフィン、例えば、エチレンと1−ブテンが共重合されていてもよく、成分(B)としては、本発明の効果が表れる軟質プロピレン系ブロック共重合体が得られやすい、例えば、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体が好ましい。
本発明のプロピレン共重合体成分(B)の固有粘度[η]は、好ましくは1.0〜2.0dl/gである。この範囲にコントロールする場合、触媒の種類にもよるが、水素/(プロピレン+α−オレフィン)モル比を、10−5〜0.8の範囲で行うことにより、調節することが可能である。
また、成分(B)中のα−オレフィン含量を本発明の所望の範囲内に維持するためには、後段のプロピレン濃度に対するα−オレフィン濃度を調整すればよい。
さらに、ゲル発生やベタツキを抑えるために、成分(B)の重合中あるいは重合前に、エタノールなどのアルコール類や酸素などの非共有電子対を有する気体を添加することが望ましい。具体的には、アルコールであれば、アルコール類/有機アルミニウム化合物の比で、0.5〜3.0モル比の条件で行うことができる。酸素であれば、酸素/有機アルミニウムの化合物の比で、0.01〜2.0モル比の条件で行うことができる。また、このアルコール類や非共有電子対を有する気体の添加量で、成分(B)の割合も、コントロールすることができる。
第1工程で製造される成分(A)のα−オレフィン含量は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1.0重量%以上、さらに好ましくは1.5重量%以上であり、一方、上限は、好ましくは5重量%以下、より好ましくは4.5重量%以下、さらに好ましくは4重量%以下である。この範囲(5重量%以下)であると、第1工程から重合体パウダーの耐熱性が低下せず、通常の重合温度の設定が容易になる。
また、第2工程で製造される成分(B)のα−オレフィン含量は、好ましくは15重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは25重量%以上であり、一方、上限は、好ましくは80重量%以下、より好ましくは75重量%以下、さらに好ましくは70重量%以下である。この範囲(15〜80重量%)であると、重合体パウダー性状の悪化が発生せずに、また、流動改質剤の効果のみで、重合体パウダーの性状を維持することができる。
さらに、ポリマーのプロピレン系ブロック共重合体において、成分(B)の割合は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは25重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上であり、一方、上限は、好ましくは70重量%以下、より好ましくは65重量%以下、さらに好ましくは、60重量%以下である。この範囲(20〜70重量%)であると、柔軟性が不足せず、また、重合体パウダーがコア−シェル構造を形成できるため、成分(B)のブリードが発生せずに、重合体パウダーの性状を維持することができる。
一般的に、第2工程で製造される非晶成分量中に含まれるα−オレフィン含量が大きくなるほど、また、非晶成分の製造割合が大きくなるほど、重合体パウダーの表面への非晶成分がブリードしやすくなるため、付着性は大きくなる。
以下、実施例によって、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。本発明における各物性値の測定方法を以下に示す。
1.重合体パウダーの凝集性の評価:
(1)かさ密度(B.D)の測定:
ASTM D1895−69に準拠したポリマーのかさ密度を測定した。
かさ密度(B.D)(以後、B.Dとも記載する。)は、一般的な流動性指標の一つである。かさ密度が小さくなることは、重合体パウダーの粘着性の増加等が原因であることが、広く知られている。本発明においても、プロピレン以外の成分(B)のα−オレフィンが15重量%を下回る条件でのB.Dを基準として、重合体パウダーの流動性の評価を行った。
(2)安息角測定:
筒井理化学機器(株)型、三輪式円筒回転法の安息角測定器を用いて、回転時の傾斜安息角を測定した。
安息角も、かさ密度(B.D)と同じく、一般的な流動性指標の一つである。粉体層の自由表面が限界応力状態にある場合に、粉体層表面が水平面に対してなす角度を安息角とよぶ。すなわち、安息角は、粉体を空中の1点から水平板上に連続的に落下させて得られる円錐形堆積の斜面と、水平板のなす角度である。安息角の測定には、注入法、排出法、傾斜法があるが、本発明においては重合体パウダーが流動する様子の確認が容易である傾斜法を用いて、評価した。
(3)2800μm篩上の残量評価:
篩上の残量評価は、2800μmの篩で、30秒間一定の間隔にて、篩作業を行い、その残量にて、評価を実施した。せん断がかかる条件下での、重合体パウダー同士の凝集性の比較として実施した。
篩後の重合体パウダーの残存割合が20重量%を超えると、第2工程後の配管で閉塞を起こし、運転継続ができなくなる。
[実施例1]
1.第1工程:ポリマー成分(A)の重合
図1は、実施例で用いた重合装置のフローシートである。
全長150cm、内容積100Lの横型重合器5に、ベットポリマー27kgを導入後、窒素ガスを流通させた。その後、プロピレン、エチレンおよび水素を所定のモル比および圧力となるように、導入しながら昇温し、重合条件が整った時点で、特開2005−132992号公報に記載されているメタロセン触媒(製造例−1の〔(r)−ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム〕を用いた予備重合触媒)を、触媒として0.50g/hで配管1から供給し、有機アルミニウム化合物として、トリイソブチルアルミニウム(7重量%調整品)を120ml/h一定となるように配管1から供給した。触媒フィードゾーンを56℃、重合体パウダーの抜出し口ゾーンを63℃に、重合温度を傾斜させて設定し、重合圧力2.1MPaGの条件を維持した。配管3から液化プロピレンを、配管2から重合器の気相部ガス組成がエチレン/プロピレン=0.05、更に重合器の気相中の水素濃度を水素/プロピレン=0.00021モル比に維持するように、エチレン及び水素ガスを連続的に供給して、生成ポリマーすなわちプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)の分子量(MFR)、エチレン含量([E])を調整した。
ブローケース7から重合体パウダーの一部をサンプリングし、分析したところ、エチレン含量([E])が1.9重量%(wt%)、230℃、2.16kg荷重のMFRが12g/10分(g/10min)であった。
この時の第1工程での生産量は、7.5kg/hであった。
2.第2工程:ポリマー成分(B)の重合
第1工程と同じ容量、形状の横型重合器11に、第1重合工程からのプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)をブローケース7から間欠的に供給し、プロピレンとエチレン、ブテンの共重合を行った。
重合条件は、重合温度55℃、重合圧力1.6MPaG、であり、気相中のガス組成エチレン/(プロピレン+ブテン)=0.40、ブテン/プロピレン=0.26、水素/全モノマー=0.000088モル比となるように調整した。プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体成分(B)の重合量を調整するための重合活性抑制剤として、酸素を触媒1gに対して8mmol/hで配管12から供給した。
流動改質剤として、動粘度100cStのシリコーンオイル[東レ・ダウ社製、「SH200」 100CS]のヘキサン希釈品(40g/L)を、上流側から約80%の位置に設置されている配管16から、170ml/hでフィードし、単位時間あたりの生産量の580ppmになるように供給した。
第2工程後のポリマーの成分(B)の割合は、40重量%で、成分(B)に含まれるエチレン([E])/ブテン([B])の含量は、それぞれ13重量%/28重量%であった。ブロック共重合体のMFRは、7g/10分であった。この時の第2工程後の生産量は、11.6kg/hであった。
また、重合体パウダーの流動性の評価結果は、以下のとおりであった。
・かさ密度:0.47g/ml
・回転安息角:33°
・2800μm篩上重合体パウダーの残存割合:0.1重量%
上記のとおり、通常の流動性を有する重合体パウダーを得ることができ、プラントの運転状態は、安定していた。
[実施例2]
シリコーンオイルのヘキサン希釈品を上流側から約55%の位置に設置されている配管17から170ml/hでフィードし、単位時間あたりの生産量の600ppmになるように供給した以外は、実施例1と同様の条件にて、運転した。
第2工程後のポリマーの成分(B)の割合は、39重量%で、成分(B)に含まれるエチレン([E])/ブテン([B])の含量は、それぞれ13重量%/30重量%であった。ブロック共重合体のMFRは、7g/10分であった。この時の第2工程後の生産量は、11.2kg/hであった。
また、重合体パウダーの流動性の評価結果は、以下のとおりであった。
・かさ密度:0.41g/ml
・回転安息角:39°
・2800μm篩上重合体パウダーの残存割合:2重量%
上記のとおり、重合体パウダーの流動性は、実施例1よりも悪化傾向を示したが、プラント運転は継続できた。
[実施例3]
配管16、17、及び上流側から約20%の位置に設置されている配管18から、シリコーンオイルのヘキサン希釈品をそれぞれ170ml/h(総量510ml/h)でフィードし、単位時間あたりの生産量の1740ppmになるように、供給した以外は、実施例1と同様の条件にて運転した。
第2工程後のポリマー中の成分(B)の割合は、40重量%で、成分(B)に含まれるエチレン([E])/ブテン([B])の含量は、それぞれ13重量%/30重量%であった。ブロック共重合体のMFRは、7g/10分であった。この時の第2工程後の生産量は、11.6kg/hであった。
また、重合体パウダーの流動性の評価結果は、以下のとおりであった。
・かさ密度:0.47g/ml
・回転安息角:33°
・2800μm篩上重合体パウダーの残存割合:0.1重量%
上記のとおり、通常の流動性を有する重合体パウダーを得ることができ、プラント運転状態は、安定していた。
[比較例1]
シリコーンオイルをフィードしなかった以外は、実施例1と同様の条件にて、運転した。
第2工程後のポリマーの成分(B)の割合は、25重量%で、成分(B)に含まれるエチレン([E])/ブテン([B])の含量は、それぞれ13重量%/30重量%であった。ブロック共重合体のMFRは、11g/10分であった。
重合体パウダーの流動性の評価結果は、かさ密度が0.36g/ml、回転安息角は、計測不可能、2800μm篩上重合体パウダーの残存割合が90重量%であった。
非晶成分である成分(B)の割合は、実施例1〜3より小さい25重量%であっても、抜出し配管21に閉塞を生じ、プラント運転は、継続できなかった。
[比較例2]
シリコーンオイルのヘキサン希釈品を、上流側から約20%の位置に設置されている配管18から170ml/hでフィードした以外は、実施例1と同様の条件にて、運転した。
第2工程後のポリマーの成分(B)の割合は、25重量%で、成分(B)に含まれるエチレン([E])/ブテン([B])の含量は、それぞれ12重量%/29重量%であった。ブロック共重合体のMFRは、11g/10分であった。
重合体パウダーの流動性の評価結果は、かさ密度が0.38g/ml、回転安息角は、計測不可能、2800μm篩上重合体パウダーの残存割合が95重量%であった。
比較例1と同様、非晶成分である成分(B)の割合が実施例1〜3より小さい25重量%であっても、抜出し配管21に閉塞を生じ、プラント運転は、継続できなかった。所定時間のプラント運転ができなかったため、生産量は、定まらず、シリコーンオイルフィード量は、算出できなかった。
上記のプロピレン系ブロック共重合体の組成とシリコーンオイルフィード条件、評価結果を、表1に示す。
Figure 0006387751
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法では、第2工程において、流動改質剤(例えば、Siを含むオイル)を、特定の横型重合器である第2重合器の全長の1/2より下流部分の位置へ、供給することにより、重合体パウダー同士の凝集を起こすことなく、流動性が良好な共重合体のパウダーが得られるプロピレン系ブロック共重合体を製造できる方法であり、産業上、利用可能性が高いものである。
1 触媒、有機アルミニウム化合物の供給配管
2 循環ガス配管
3 液化プロピレン供給配管
4 循環ガス配管
5 第1工程の重合器
6 第1工程の重合体パウダー抜出し配管
7 ブローケース
8 第2工程の重合体パウダー受入れ配管
9 循環ガスヒーター
10 循環ガスブロワー
11 第2工程の横型重合器
12 重合活性抑制剤の供給配管
13 循環ガス配管
14 液化プロピレンの供給配管
15 循環ガス配管
16,17,18 流動改質剤の供給配管
19 循環ガスヒーター
20 循環ガスブロワー
21 第2工程の重合体パウダー抜出し配管

Claims (5)

  1. 第1重合器でプロピレン重合体成分(A)を重合する第1工程と、次いで、第2重合器でプロピレン共重合体成分(B)を重合する第2工程とを、含むプロピレン系ブロック共重合体の製造方法であって、
    第2重合器は、内部に水平軸周りに回転する攪拌機、長手方向一方の末端近傍にプロピレン重合体成分(A)の導入口、及び長手方向他方の末端近傍にプロピレン系ブロック共重合体の抜出し口を有する横型重合器であり、並びに
    第2工程は、第2重合器の全長の1/2より下流部分の位置へ、流動改質剤をフィードし、
    前記流動改質剤は、Siを含むオイルであって、珪素(Si)、炭素(C)、酸素(O)および水素(H)の元素からなることを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
  2. 第2の重合器は、プラグフロー重合槽であることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
  3. 前記流動改質剤を、プロピレン系ブロック共重合体の単位時間あたりの生産量に対して、500〜4000ppm添加することを特徴とする請求項1又は2に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
  4. プロピレン重合体成分(A)は、プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンの含量が5重量%以下のプロピレン単独重合体またはプロピレン・α−オレフィン共重合体であり、
    プロピレン共重合体成分(B)は、α−オレフィン含量が15〜80重量%のプロピレン・α−オレフィン共重合体であり、及び
    プロピレン系ブロック共重合体は、プロピレン共重合体成分(B)の割合が20〜70重量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
  5. メタロセン触媒を用いて重合することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
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