JP6386219B2 - 歯槽骨再生誘導用膜 - Google Patents

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Description

本発明は、骨再生誘導療法に好適な歯槽骨再生誘導用膜に関する。
骨再生誘導療法(guided bone regeneration method:以下、「GBR法」と言うことがある。)は、骨の再生を促す治療方法であり、歯科インプラント埋植手術を行うにあたり、骨吸収等によって歯槽骨の骨量が不足している症例に併用されることが多い。GBR法では、歯肉等の骨組織以外の生体組織が骨欠損領域に侵入するのを抑制するため、通常、骨欠損領域を覆う特定の膜が使用される。
本出願人は、GBR法に好適な膜として、先に特許文献1に記載の膜(支持体)を開発した。この膜は、その使用にあたって、適切な大きさに切断して所望の形状に加工する必要があった。GBR法をスムーズに行う上で、膜は取り扱い性に優れるのが望ましい。
特開2011−212209号公報
本発明の課題は、取り扱い性に優れる歯槽骨再生誘導用膜を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)細胞外液透過性および細胞組織不透過性を有する複数の貫通孔を備え、保形性および生体親和性を有する金属箔からなる歯槽骨再生誘導用膜であって、前記歯槽骨再生誘導用膜の両側縁部のうち少なくとも一方は、その一端部側に位置している第1側縁部と、前記第1側縁部よりも外方に且つ他端部側に位置している第2側縁部と、前記第1側縁部および前記第2側縁部の間に位置しており前記第1側縁部から前記第2側縁部に近づくにつれて外方に向かって傾斜している第3側縁部と、を有する、歯槽骨再生誘導用膜。
(2)前記両側縁部のうち少なくとも一方は、前記第1側縁部および前記第3側縁部のそれぞれと接続しており内方に凸の曲線状である第4側縁部をさらに有する、前記(1)に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(3)前記両側縁部のうち少なくとも一方は、前記第2側縁部および前記第3側縁部のそれぞれと接続しており外方に凸の曲線状である第5側縁部をさらに有する、前記(1)または(2)に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(4)前記第1側縁部側における前記両側縁部間の距離をW1、前記第2側縁部側における前記両側縁部間の距離をW2としたとき、前記W1および前記W2は、W1<W2の関係を有する、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(5)前記歯槽骨再生誘導用膜の両端縁部のうち一方から他方に向かって延びているスリットをさらに備える、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(6)前記スリットは、前記両端縁部の前記一方から離れるにつれて幅が小さくなっている、前記(5)に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(7)前記スリットは、略直線状である前記両端縁部の前記一方の垂直二等分線に沿って延びている、前記(5)または(6)に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(8)前記両側縁部のうち少なくとも一方の前記一端部近傍から外方に突出している補助膜をさらに備える、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(9)前記歯槽骨再生誘導用膜の内方において延びている内方フレームおよび前記歯槽骨再生誘導用膜の周縁部に沿って延びている縁フレームのうち少なくとも一方をさらに備える、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(10)前記複数の貫通孔は、前記内方フレームおよび前記縁フレームのうち少なくとも一方に近づくにつれて直径が小さくなっている、前記(9)に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(11)前記内方フレームおよび前記縁フレームを備えるとき、前記内方フレームが前記縁フレームに連続している、前記(9)または(10)に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(12)前記歯槽骨再生誘導用膜の周縁部近傍に位置している少なくとも1つの固定部材挿通孔をさらに備える、前記(1)〜(11)のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(13)前記歯槽骨再生誘導用膜の周縁部に沿って延びている縁フレームをさらに備え、前記少なくとも1つの固定部材挿通孔が、前記縁フレームに位置している、前記(12)に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(14)前記歯槽骨再生誘導用膜の両端縁部はいずれも、略直線状であり、前記両端縁部のそれぞれの中点を通る直線を対称軸として、略左右対称である、前記(1)〜(13)のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
(15)上下顎の前歯部欠損用である、前記(1)〜(14)のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
本発明によれば、予め特定の形状に構成されていることから、使用にあたって、加工の必要がないか、または簡単な加工で済み、それゆえ取り扱い性に優れ、GBR法をスムーズに行うことができるという効果がある。
本発明の第1実施形態に係る歯槽骨再生誘導用膜を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る歯槽骨再生誘導用膜を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る歯槽骨再生誘導用膜を示す平面図である。 (a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る歯科インプラント埋植手術を示す概略説明図である。
<歯槽骨再生誘導用膜>
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る歯槽骨再生誘導用膜(以下、「膜」と言うことがある。)について、図1を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の膜1Aは、複数の貫通孔2を備えている。本実施形態の複数の貫通孔2は、後述する図4(b)に示すように、膜1Aの表面3および裏面4の間を貫通している。
本実施形態の複数の貫通孔2は、細胞外液透過性および細胞組織不透過性を有する。細胞外液とは、体液のことを意味するものとする。体液としては、例えば血液、リンパ液等が挙げられる。また、細胞組織とは、複数の細胞および細胞外マトリックスから構成される生体組織であって、軟組織および硬組織のことを意味するものとする。軟組織としては、例えば歯肉組織、皮膚組織、脂肪組織、筋肉組織、血管等が挙げられる。硬組織としては、例えば骨組織等が挙げられる。
本実施形態の複数の貫通孔2は、直径が0.1〜500μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。これにより、複数の貫通孔2が上述した細胞外液透過性および細胞組織不透過性を有するようになる。
上述した貫通孔2を備える本実施形態の膜1Aは、保形性および生体親和性を有する金属箔からなる。保形性とは、図4に示すように、膜1Aを湾曲ないし折り曲げたとき、その形状を保持できる性質のことを意味するものとする。言い換えれば、保形性とは、膜1Aを湾曲ないし折り曲げることによって歯槽骨再生誘導空間の形成、すなわちスペースメイキングが可能になる性質のことを意味するものとする。また、生体親和性とは、生体組織と接触したときに実質的に害がなく、生体組織になじみ易い性質のことを意味するものとする。
このような特性を有する金属箔を構成する金属としては、例えば純度99質量%以上の純チタン、チタン合金、ステンレス鋼、コバルト−クロム合金、コバルト−クロム−モリブデン合金、タンタル、ジルコニウム、金、白金等が挙げられ、例示した金属のうち純チタンが好ましい。また、金属箔を構成する金属は、展延性を有するのが好ましい。
金属箔の厚さ、すなわち膜1Aの厚さとしては、5〜100μmであるのが好ましい。これにより、膜1Aを手指で簡単に湾曲ないし折り曲げることができ、優れた取り扱い性を発揮することができる。
なお、膜1Aが備えている複数の貫通孔2および膜1Aを構成する金属箔のさらに詳しい説明は、上述した特許文献1に記載されている。
一方、本実施形態の膜1Aは、図1に示すように、両側縁部として互いに対向して位置している一側縁部5および他側縁部6、並びに両端縁部として互いに対向して位置している一端縁部7および他端縁部8をさらに備えている。本実施形態では、表面視において、一側縁部5および他側縁部6が、矢印Aに示す膜1Aの長さ方向に沿って延びており、一端縁部7および他端縁部8が、矢印Bに示す膜1Aの幅方向に沿って延びている。表面視とは、表面3側から膜1Aを見た状態を意味するものとする。
本実施形態では、表面視において、一端縁部7および他端縁部8がいずれも、略直線状であり、膜1Aは、一端縁部7の中点M7および他端縁部8の中点M8を通る直線L1を対称軸として、略左右対称に構成されている。したがって、本実施形態では、一側縁部5および他側縁部6のそれぞれの構成が、互いに同一であることから、以下においては特別な説明を要しない限り、一側縁部5についての説明をもって他側縁部6についての説明に代えるものとする。
表面視において、本実施形態の一側縁部5は、その一端部5a側に位置している第1側縁部51と、第1側縁部51よりも外方に且つ他端部5b側に位置している第2側縁部52と、第1側縁部51および第2側縁部52の間に位置しており第1側縁部51から第2側縁部52に近づくにつれて外方に向かって傾斜している第3側縁部53と、を有する。このような構成によれば、以下のような優れた取り扱い性を発揮することが可能となる。
すなわち、上述した構成によれば、第1〜第3側縁部51〜53によって残存する歯牙を回避しつつ残存する歯牙に回り込み、図4に示す骨欠損領域100を膜1Aで覆うことができる。また、残存する歯牙に応じて一側縁部5を加工するときには、第1〜第3側縁部51〜53の形状を基準にして一側縁部5を加工すればよく、それゆえ比較的簡単な加工で済む。さらに、図1に示すように、膜1Aのうち第2側縁部52に対応する領域521が、外方に膨出して器具等で把持し易い形状に構成されていることから、術中、器具等による膜1Aの保持を容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、表面視において、第1〜第3側縁部51〜53がいずれも略直線状であり、第1側縁部51および第2側縁部52は、互いに略平行であるとともに、上述した直線L1に対しても略平行である。
また、本実施形態では、表面視において、上述した一端縁部7が第1側縁部51側に位置しており、他端縁部8が第2側縁部52側に位置している。そして、表面視において、本実施形態の一端縁部7は、第1側縁部51に略直交し、一端縁部7および第1側縁部51の交差部1aが、外方に凸の曲線状に面取りされている。同様に、表面視において、本実施形態の他端縁部8は、第2側縁部52に略直交し、他端縁部8および第2側縁部52の交差部1bが、外方に凸の曲線状に面取りされている。また、本実施形態では、表面視において、他端縁部8の長さが、一端縁部7の長さよりも大きく構成されている。
ところで、第1側縁部51は第2側縁部52よりも膜1Aの内方に位置していることから、第1側縁部51は、残存する歯牙をより回避し易い部位である。本実施形態では、表面視において、第1側縁部51の長さが、第2側縁部52の長さよりも大きく構成されていることから、残存する歯牙に対して優れた回避性を発揮することができる。
また、本実施形態では、残存する歯牙に対する回避性を向上させるとともに、残存する歯牙に接触したときに残存する歯牙が損傷するのを抑制する観点から、次のような構成を有する。すなわち、本実施形態では、表面視において、一側縁部5が、第1側縁部51および第3側縁部53のそれぞれと接続しており内方に凸の曲線状である第4側縁部54をさらに有する。また、本実施形態では、表面視において、一側縁部5が、第2側縁部52および第3側縁部53のそれぞれと接続しており外方に凸の曲線状である第5側縁部55をさらに有する。なお、症例等に応じて、第1側縁部51および第3側縁部53は、互いに直接接続させることができ、第2側縁部52および第3側縁部53も、互いに直接接続させることができる。
本実施形態では、表面視において、第1側縁部51側における両側縁部間の距離をW1、第2側縁部52側における両側縁部間の距離をW2としたとき、W1およびW2が、W1<W2の関係を有する。このような構成によれば、膜1Aのうち幅広に構成されている第2側縁部52側における両側縁部間の領域によって、骨欠損領域100を確実に覆うことができる。
一方、表面視において、本実施形態の膜1Aは、他端縁部8から一端縁部7に向かって延びているスリット9をさらに備えている。このような構成によれば、図4に示すように、骨欠損領域100付近に小帯120があったとき、スリット9によって小帯120を回避しつつ骨欠損領域100を膜1Aで覆うことができる。したがって、本実施形態の膜1Aを、上下顎の前歯部欠損用として使用すると、本実施形態の有用性が増す上で好ましい。なお、本実施形態のスリット9は、上述した小帯120のみならず、骨欠損領域100を覆うときに膜1Aの障害となる箇所を回避する部位としても機能する。
図1に示すように、本実施形態のスリット9は、表面視において、次のような構成を有する。すなわち、本実施形態のスリット9は、他端縁部8から離れるにつれて幅W9が小さくなっている。また、本実施形態のスリット9は、その先端部91が第2側縁部52に対応する領域521に位置している。本実施形態のスリット9は、他端縁部8の垂直二等分線L2に沿って延びている。なお、本実施形態において、他端縁部8の垂直二等分線L2は、上述した一端縁部7の中点M7および他端縁部8の中点M8を通る直線L1と同一直線上に位置している。
上述した本実施形態の膜1Aは、例えばマスキングとエッチングとを適宜組み合わせるか、それらを繰り返すことによって作製することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る膜について、図2を参照して詳細に説明する。なお、図2においては、上述した図1と同一の構成部分には同一の符号を付して説明は省略する場合がある。
図2に示すように、本実施形態では、補助膜10および内方フレーム11をさらに備えている点で、上述した第1実施形態と構成が異なる。具体的に説明すると、本実施形態の膜1Bは、一側縁部5の一端部5a近傍から外方に突出している補助膜10をさらに備えている。このような構成によれば、膜1Bで骨欠損領域100を覆ったとき、補助膜10を歯槽骨111の表面形状に追従させて膜1Bを固定することができ、結果として膜1Bの固定性を向上させることができる(図4(b)参照)。
なお、表面視において、本実施形態の補助膜10は、略三角形状に構成されているが、これに限定されるものではない。表面視において、補助膜10は、例えば後述する図3に示すように、略四角形状に構成することができる。
また、本実施形態の膜1Bは、その内方において延びている内方フレーム11をさらに備えている。内方フレーム11は、他の部位よりも大きな剛性を有する部位である。具体的には、内方フレーム11は、例えば複数の貫通孔2を存在させないか、または内方フレーム11以外の他の部位よりも貫通孔2の数を少なくするか、あるいは他の部位よりも厚みを大きくすることによって、他の部位よりも剛性が大きくなるように構成される部位である。本実施形態の内方フレーム11は、複数の貫通孔2を存在させないことによって他の部位よりも剛性が大きくなるように構成されている。膜1Bが、このような内方フレーム11をさらに備えると、膜1Bの強度を向上させることができる。
内方フレーム11の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。また、表面視において、内方フレーム11は、次のように構成されていてもよい。すなわち、内方フレーム11は、略直線状か、または曲線状に延びていてもよい。また、内方フレーム11は、略直線状の部位と曲線状の部位とを含んでいてもよいし、分岐していてもよい。内方フレーム11の端部は、膜1Bの内方に位置していてもよいし、膜1Bの周縁部12に至っていてもよい。内方フレーム11の数が複数であるとき、複数の内方フレーム11は、互いに交差していてもよいし、互いに離れて位置していてもよい。
本実施形態の膜1Bが備えている内方フレーム11は、第1側縁部51側に位置している第1内方フレーム11aと、第2側縁部52側に位置している第2内方フレーム11bの2つである。本実施形態では、表面視において、第1,第2内方フレーム11a,11bが、次のような構成を有する。すなわち、第1,第2内方フレーム11a,11bはいずれも、複数に分岐して略直線状に延びており、その端部11a1,11b1が膜1Bの周縁部12に至っている。また、第1,第2内方フレーム11a,11bは、互いに離れて位置している。
その他の構成は、上述した第1実施形態に係る膜1Aと同様であるので、説明を省略する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る膜について、図3を参照して詳細に説明する。なお、図3においては、上述した図1および図2と同一の構成部分には同一の符号を付して説明は省略する場合がある。
図3に示すように、本実施形態では、縁フレーム13および固定部材挿通孔14をさらに備えている点で、上述した第1,第2実施形態と構成が異なる。具体的に説明すると、本実施形態の膜1Cは、その周縁部12に沿って延びている縁フレーム13をさらに備えている。このような構成によれば、上述した内方フレーム11と同様に、膜1Cの強度を向上させることができる。
表面視において、縁フレーム13は、膜1Cの周縁部12の全周にわたって連続して延びていてもよいし、断続的に延びていてもよい。表面視において、本実施形態の縁フレーム13は、膜1Cの周縁部12の全周にわたって連続して延びている。なお、縁フレーム13におけるその他の構成は、内方フレーム11と同様であるので、説明を省略する。
表面視において、本実施形態の膜1Cは、内方フレーム11として、3つに分岐して略直線状に延びている第3内方フレーム11cをさらに備えている。表面視において、本実施形態では、第3内方フレーム11cが縁フレーム13に連続している。このような構成によれば、膜1Cを湾曲ないし折り曲げたとき、比較的負荷が掛かり易くクラック等の破損が発生し易い第3内方フレーム11cおよび縁フレーム13の間の領域における強度を向上させて破損の発生を抑制することができる。
表面視において、本実施形態では、第3内方フレーム11cが有する3つの端部11c1〜11c3のうち、比較的負荷が掛かり易く破損が発生し易い一端縁部7側に位置している端部11c3を介して、第3内方フレーム11cが縁フレーム13に連続している。なお、必要に応じて、残り2つの端部11c1,11c2を介して、第3内方フレーム11cが縁フレーム13に連続していてもよい。
一方、上述した複数の貫通孔2は、第3内方フレーム11cおよび縁フレーム13のうち少なくとも一方に近づくにつれて直径が小さくなっているのがよい。このような構成によれば、互いに隣り合う貫通孔2,2同士の間の領域が第3内方フレーム11c、縁フレーム13に向かうにつれて大きくなることから、第3内方フレーム11c近傍、縁フレーム13近傍の膜1Cの強度が向上し、結果として第3内方フレーム11c、縁フレーム13を備えることによる効果を向上させることができる。同様の観点から、貫通孔2の数が、第3内方フレーム11cおよび縁フレーム13のうち少なくとも一方に近づくにつれて少なくなっていてもよい。
本実施形態の膜1Cは、その周縁部12近傍に位置している少なくとも1つの固定部材挿通孔14をさらに備えている。固定部材挿通孔14は、膜1Cの表面3および裏面4の間を貫通しており、固定部材を挿通させる部位として機能する。膜1Cが、このような固定部材挿通孔14をさらに備えると、膜1Cで骨欠損領域100を覆ったとき、固定部材挿通孔14に固定部材を挿通して膜1Cを歯槽骨に固定することができる。固定部材としては、例えば縫合糸、ネジ、ステープル、釘等が挙げられる。
固定部材挿通孔14の数は、少なくとも1つである限り、特に限定されるものではなく、所望の数を採用することができる。本実施形態の固定部材挿通孔14の数は、4つである。
本実施形態では、表面視において、4つの固定部材挿通孔14がいずれも、縁フレーム13に位置している。このような構成によれば、固定部材挿通孔14を形成することによって低下した膜1Cの強度を補強することができる。
その他の構成は、上述した第1,第2実施形態に係る膜1A,1Bと同様であるので、説明を省略する。
<歯科インプラント埋植手術>
次に、GBR法を併用する本発明の一実施形態に係る歯科インプラント埋植手術について、上述した第1実施形態に係る膜1Aを使用する場合を例にとって、図4を参照して詳細に説明する。
まず、歯肉のうち骨欠損領域100に対応する部分を切開し、顎骨110において歯槽骨111の一部が欠損した骨欠損領域100を露出させる。次に、膜1Aを湾曲ないし折り曲げて、露出した骨欠損領域100を覆う。このとき、膜1Aは、上述した理由から優れた取り扱い性を発揮する。また、膜1Aとして、そのサイズを変更したものをいくつか準備しておくと、さらに優れた取り扱い性を発揮することができる。
骨欠損領域100を膜1Aで覆った状態で数ヶ月の期間を経ると、膜1Aで覆われた骨欠損領域100を骨組織が埋めることによって歯槽骨111が再生する(GBR法)。すなわち、骨欠損領域100では、欠損前の歯槽骨111と実質的に同じ成分の新生の歯槽骨111が造成する。
最後に、歯肉を再び切開して膜1Aを取り除き、フィクスチャーを歯槽骨111に埋入固定して数週間から数か月程度の免荷期間を経た後、フィクスチャーにアバットメントおよび人工歯を取り付けて歯科インプラントとし、治療を終了する。
なお、上述の実施形態において、露出した骨欠損領域100を膜1Aで覆う前に、必要に応じて移植材130を骨欠損領域100に充填することができる。移植材130としては、例えば自家骨、人工骨、骨補填材料、骨形成因子(Bone Morphogenetic Protein)、多血小板血漿(Platelet Rich Plasma)等が挙げられる。自家骨としては、例えば顎骨、脛骨、腸骨等から採取した患者の骨が挙げられる。人工骨としては、例えばβ−TCP、ハイドロキシアパタイト等が挙げられる。骨補填材料としては、例えばコラーゲンスポンジ等が挙げられる。例示したこれらの移植材130は、1種または2種以上をブレンドして用いることができる。
また、上述の実施形態では、GBR法による骨造成が完了した後に、フィクスチャーを埋入しているが、フィクスチャーの埋入と同時にGBR法による骨造成を行うこともできる。すなわち、歯槽骨111にフィクスチャーを埋入するのと同時に、膜1Aで骨欠損領域100を覆って骨造成を行うこともできる。
上述の実施形態では、膜1Aを使用する場合を例にとって説明したが、膜1Aに代えて、膜1B,1Cを使用しても同様の効果が得られる。
以上、本発明に係るいくつかの実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。
例えば、上述の各実施形態では、膜1A〜1Cが略左右対称に構成されているが、これに代えて、膜1A〜1Cを左右非対称に構成することができる。具体的には、例えば膜1A〜1Cが左右非対称となるように、一側縁部5が有する第1〜第3側縁部51〜53の位置と、他側縁部6が有する第1〜第3側縁部の位置とを、互いにずらしたり、他側縁部6に第1〜第3側縁部がなく、一側縁部5のみが第1〜第3側縁部51〜53を有する構成にすることができる。
また、上述の各実施形態では、スリット9が他端縁部8から一端縁部7に向かって延びているが、これに代えて、スリット9が一端縁部7から他端縁部8に向かって延びている構成にすることができる。すなわち、スリット9は、膜1A〜1Cの両端縁部のうち任意の一方から他方に向かって延ばすことができる。
また、上述の第2,第3実施形態では、内方フレーム11か、または内方フレーム11および縁フレーム13を備える構成にしたが、これに代えて、縁フレーム13のみを備える構成にすることができる。
1A〜1C 歯槽骨再生誘導用膜
1a 交差部
1b 交差部
2 貫通孔
3 表面
4 裏面
5 一側縁部
5a 一端部
5b 他端部
51 第1側縁部
52 第2側縁部
521 領域
53 第3側縁部
54 第4側縁部
55 第5側縁部
6 他側縁部
7 一端縁部
8 他端縁部
9 スリット
91 先端部
10 補助膜
11 内方フレーム
11a 第1内方フレーム
11a1 端部
11b 第2内方フレーム
11b1 端部
11c 第3内方フレーム
11c1〜11c3 端部
12 周縁部
13 縁フレーム
14 固定部材挿通孔
100 骨欠損領域
110 顎骨
111 歯槽骨
120 小帯
130 移植材

Claims (14)

  1. 細胞外液透過性および細胞組織不透過性を有する複数の貫通孔を備え、保形性および生体親和性を有する金属箔からなる歯槽骨再生誘導用膜であって、
    前記歯槽骨再生誘導用膜の両側縁部のうち少なくとも一方は、その一端部側に位置している第1側縁部と、前記第1側縁部よりも外方に且つ他端部側に位置している第2側縁部と、前記第1側縁部および前記第2側縁部の間に位置しており前記第1側縁部から前記第2側縁部に近づくにつれて外方に向かって傾斜している第3側縁部と、を有し、
    前記歯槽骨再生誘導用膜の両端縁部のうち一方から他方に向かって延びている小帯回避可能なスリットをさらに備える、歯槽骨再生誘導用膜。
  2. 前記両側縁部のうち少なくとも一方は、前記第1側縁部および前記第3側縁部のそれぞれと接続しており内方に凸の曲線状である第4側縁部をさらに有する、請求項1に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
  3. 前記両側縁部のうち少なくとも一方は、前記第2側縁部および前記第3側縁部のそれぞれと接続しており外方に凸の曲線状である第5側縁部をさらに有する、請求項1または2に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
  4. 前記第1側縁部側における前記両側縁部間の距離をW1、前記第2側縁部側における前記両側縁部間の距離をW2としたとき、前記W1および前記W2は、W1<W2の関係を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
  5. 前記スリットは、前記両端縁部の前記一方から離れるにつれて幅が小さくなっている、請求項1に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
  6. 前記スリットは、略直線状である前記両端縁部の前記一方の垂直二等分線に沿って延びている、請求項1または5に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
  7. 前記両側縁部のうち少なくとも一方の前記一端部近傍から外方に突出している補助膜をさらに備える、請求項1〜6のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
  8. 前記歯槽骨再生誘導用膜の内方において延びている内方フレームおよび前記歯槽骨再生誘導用膜の周縁部に沿って延びている縁フレームのうち少なくとも一方をさらに備える、請求項1〜7のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
  9. 前記複数の貫通孔は、前記内方フレームおよび前記縁フレームのうち少なくとも一方に近づくにつれて直径が小さくなっている、請求項8に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
  10. 前記内方フレームおよび前記縁フレームを備えるとき、前記内方フレームが前記縁フレームに連続している、請求項8または9に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
  11. 前記歯槽骨再生誘導用膜の周縁部近傍に位置している少なくとも1つの固定部材挿通孔をさらに備える、請求項1〜10のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
  12. 前記歯槽骨再生誘導用膜の周縁部に沿って延びている縁フレームをさらに備え、
    前記少なくとも1つの固定部材挿通孔が、前記縁フレームに位置している、請求項11に記載の歯槽骨再生誘導用膜。
  13. 前記歯槽骨再生誘導用膜の両端縁部はいずれも、略直線状であり、
    前記両端縁部のそれぞれの中点を通る直線を対称軸として、略左右対称である、請求項1〜12のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
  14. 上下顎の前歯部欠損用である、請求項1〜13のいずれかに記載の歯槽骨再生誘導用膜。
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