以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の情報処理システムは、家畜牛に装着されている発信機と、発信機から発信される識別情報を受信する受信装置と、識別情報を受信した受信装置から送信されてくる識別情報を受信する情報処理装置とを含む情報処理システムであって、発信機(例えば、図1の発信機11−1)は、家畜牛の頭絡にぶら下げられて装着されるナスカン(例えば、図1のナスカン21−1)と、ナスカンに連結され、揺動によって電力を発生し、起動の回数を計数した計数値および家畜牛を識別するための識別情報を発信するビーコン発信器(例えば、図1のビーコンタグ21−1)とを含み、受信装置(例えば、図1の受信装置12−1)は、発信機から発信される計数値および識別情報を受信する受信手段(例えば、図3の無線通信部59)と、受信した計数値および識別情報と、計数値および識別情報を受信した日付および時刻の情報とを情報処理装置に送信する送信手段(例えば、図3のネットワークインタフェース60)とを含み、情報処理装置(例えば、図1のサーバ14)は、計数値および識別情報並びに日付および時刻の情報から、識別情報で識別される家畜牛について、1日の所定の長さの時間の区間のそれぞれにおける、発信機が起動した回数を算出する第1の算出手段(例えば、図6の時間区間カウント数算出部133)と、区間において発信機が起動した回数から、区間を、識別情報で識別される家畜牛が反すうしている区間であるか否かで分類する分類手段(例えば、図6の分類部134)と、区間の分類の結果および区間の長さから、識別情報で識別される家畜牛が1日に反すうしている時間を算出する第2の算出手段(例えば、図6の時間積算部135)とを含む。
以下、本発明の一実施の形態を図1乃至図12を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態の家畜牛管理システム1の構成を示す図である。家畜牛管理システム1は、情報処理システムの一例であり、家畜牛のそれぞれについて、反すうしている時間および採食している時間を算出する。1日のうちの、反すうしている時間は、家畜牛の健康、カウコンフォート(牛にとって快適な環境を与えること)および栄養管理に対して敏感に反応し、変化するとされている。米国のウィリアム・マイナー農業研究所のレポートによれば、牛は、1日に450分から550分程度反すうするが、発情、削蹄、暑熱/ストレスまたは分娩において、反すうの時間が減少することが報告されている。また、ケトーシス、第4胃変位、消化不良、子宮内膜炎または乳房炎などの傷病が生じると、反すうの時間が減少することが報告されている。さらに、分娩の2週間から3週間前の移行期においても、反すうの時間が減少することが報告されている。このように家畜牛の管理、特に家畜牛の健康管理および家畜牛の移行期の飼養管理に反すうしている時間を知ることは有効である。
また、畜産農家では、経験的に、家畜牛の健康状態により採食の時間の長さが変化すると認識されている。
家畜牛管理システム1は、発信機11−1乃至11−3、受信装置12−1乃至12−3、ハブ13、サーバ14を含み構成される。発信機11−1乃至11−3は、それぞれ、それぞれの家畜牛に装着されている。発信機11−1乃至11−3は、揺動によって電力を発生して起動し、起動すると、UUID(Universally Unique Identifier)、メジャーおよびマイナー、カンパニーID(Identifier)並びにカウンター値を発信する。UUID、メジャーおよびマイナー、カンパニーIDは、家畜牛を識別するための識別情報の一例である。カウンター値は、発信機11−1乃至11−3のそれぞれが起動した回数を示し、計数値の一例である。
例えば、UUIDは、Bluetooth(登録商標)の仕様における、バージョン4.0の呼称であるBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)で規定されている、オブジェクトを一意に識別するための128bitの識別子である。例えば、メジャー(major)は、UUIDをさらに細分化して識別するための16bitの識別子である。また、例えば、マイナー(minor)は、UUIDおよびメジャーをさらに細分化して識別するための16bitの識別子である。カンパニーIDは、後述するビーコンタグ21の製造者を特定する識別子である。
受信装置12−1乃至12−3は、それぞれ、発信機11−1乃至11−3のいずれかから発信されるUUID、メジャーおよびマイナー、カンパニーID並びにカウンター値を受信する。受信装置12−1乃至12−3は、それぞれ、受信したUUID、メジャーおよびマイナー、カンパニーID並びにカウンター値に、受信した日付および時刻を付ける。受信装置12−1乃至12−3は、それぞれ、受信したUUID、メジャーおよびマイナー、カンパニーID並びにカウンター値と受信した日付および時刻とを、集線装置であるハブ13を介してサーバ14に送信する。なお、受信装置12−1乃至12−3は、それぞれ、UUID、メジャーおよびマイナー、カンパニーID、カウンター値、日付並びに時刻を、専用の回線またはインターネットを介してサーバ14に送信するようにしてもよい。また、受信装置12−1乃至12−3は、それぞれ、UUID、メジャーおよびマイナー、カンパニーID、カウンター値、日付並びに時刻を、有線通信または無線通信を介してサーバ14に送信するようにしてもよい。
サーバ14は、情報処理装置の一例であり、受信装置12−1乃至12−3のいずれかから送信されてきた、UUID、メジャーおよびマイナー、カンパニーID、カウンター値、日付並びに時刻を受信する。サーバ14は、受信したU UUID、メジャーおよびマイナー、カンパニーID、カウンター値、日付並びに時刻を記憶する。サーバ14は、UUID、メジャーおよびマイナー、カンパニーID、カウンター値、日付並びに時刻から、UUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーIDで特定される家畜牛のそれぞれについて、反すうしている時間を算出する。また、サーバ14は、UUID、メジャーおよびマイナー、カンパニーID、カウンター値、日付並びに時刻から、UUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーIDで特定される家畜牛のそれぞれについて、採食している時間を算出する。
より詳しく説明すると、発信機11−1は、ビーコンタグ21−1およびナスカン22−1を含み構成される。発信機11−2は、ビーコンタグ21−2およびナスカン22−2を含み構成される。発信機11−3は、ビーコンタグ21−3およびナスカン22−3を含み構成される。ビーコンタグ21−1乃至ビーコンタグ21−3は、それぞれ、揺動によって電力を発生し、発生した電力で起動する。ビーコンタグ21−1乃至ビーコンタグ21−3は、それぞれ、起動すると、起動の回数を計数したカウンター値並びに家畜牛を識別するためのUUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーIDが含まれるビーコン信号を発信する。
ナスカン22−1乃至22−3は、それぞれ、家畜牛のそれぞれの頭絡に装着され、ビーコンタグ21−1乃至ビーコンタグ21−3のそれぞれに連結される。すなわち、ビーコンタグ21−1乃至ビーコンタグ21−3は、それぞれ、ナスカン22−1乃至22−3のそれぞれにより、家畜牛のそれぞれの頭絡に揺動自在に装着される。
ビーコンタグ21−1乃至ビーコンタグ21−3は、それぞれ、家畜牛が反すうするか、採食すると、揺動させられる。ビーコンタグ21−1乃至ビーコンタグ21−3は、それぞれ、揺動させられると電力を発生して、起動する。ビーコンタグ21−1乃至ビーコンタグ21−3は、それぞれ、近距離無線により、ビーコン信号を発信する。
なお、ビーコンタグ21−1乃至ビーコンタグ21−3は、それぞれ、荷重や衝撃に耐える堅牢性を有し、水や唾液などの液体から保護するための防水性を有するケースや保護カバーなどに格納されている。
受信装置12−1乃至12−3は、家畜牛を飼育している牧場の所定の場所に設置される。例えば、受信装置12−1乃至12−3は、通常の家畜牛が入れられる主たる牛舎、分娩前の家畜牛が入れられる乾乳牛舎若しくは分娩後の家畜牛が入れられる産後牛舎などの牛舎または搾乳するためのパーラー(搾乳施設)などの柱や天井などに設置される。
サーバ14は、牧場内または牧場の運営者の会社若しくは自宅など、所望の場所に設置される。サーバ14は、いわゆるレンタルサーバまたはSaaS(Software as a Service)のサーバなどとして、牛舎から地理的に離れた場所に設けることもできる。
以下、発信機11−1乃至11−3を個々に区別する必要がない場合、単に発信機11と称する。以下、受信装置12−1乃至12−3を個々に区別する必要がない場合、単に受信装置12と称する。また、以下、ビーコンタグ21−1乃至ビーコンタグ21−3を個々に区別する必要がない場合、単にビーコンタグ21と称する。さらに、以下、ナスカン22−1乃至22−3を個々に区別する必要がない場合、単にナスカン22と称する。
なお、図1において、発信機11および受信装置12がそれぞれ3つ用いられる例を示したが、所望の数の発信機11および所望の数の受信装置12を用いることができる。発信機11は、家畜牛のそれぞれに装着されるので、発信機11の数は、家畜牛の頭数と同じとなる。また、発信機11は、家畜牛のうちの一部の家畜牛のそれぞれに装着するようにしてもよい。
次に、ビーコンタグ21、受信装置12およびサーバ14のそれぞれについて、説明する。
まず、ビーコンタグ21のハードウェアの構成の例について説明する。図2は、ビーコンタグ21の構成の例を示すブロック図である。ビーコンタグ21は、電源31、処理部32、記憶部33、発信部34およびインタフェース35を含む。電源31は、コイルと、このコイルに近接してバネで支えられている磁石とを含み構成される。ビーコンタグ21が振動させられたとき、バネで支えられている磁石がコイルに対して変位することにより、コイルに鎖交する磁束が変化し、電源31のコイルに起電力が発生する。電源31において、コイルで発生した電力は、整流されて、蓄電され、処理部32、記憶部33および発信部34に供給される。
ナスカン22を介して頭絡にビーコンタグ21が装着されている家畜牛が反すうするか、採食すると、家畜牛の下あごが動くので、ビーコンタグ21が揺動させられて、電源31で電力が発生し、電力が処理部32、記憶部33および発信部34に供給され、処理部32、記憶部33および発信部34が起動し、動作する。
処理部32は、いわゆるマイクロプロセッサである。記憶部33は、ROM(Read only memory)およびRAM(Random access memory)などからなり、処理部32で実行されるプログラムやプログラムを実行するのに必要なデータを記憶する。記憶部33は、プログラムを実行するのに必要なデータとして、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDなどを記憶している。
カウンター値は、計数値の一例であり、ビーコンタグ21の起動の回数を計数した値である。カウンター値は、記憶部33に設けられているリングカウンターなどのカウンターで計数される。
処理部32および記憶部33を、1つのマイクロプロセッサとして構成することもできる。
発信部34は、例えば、BLE通信モジュールなどの近距離無線通信モジュールからなる。発信部34は、UUID、メジャー、マイナー、カンパニーIDおよびカウンター値を含むビーコン信号を発信する。インタフェース35は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インタフェースなどからなる。インタフェース35に他の機器が接続されると、インタフェース35を介して電源が供給され、記憶部33に記憶されているプログラムやUUID、メジャー、マイナー、カウンター値などを読み出したり、書き換えたりすることができる。
次に、受信装置12のハードウェアの構成の例について説明する。図3は、受信装置12のハードウェアの構成の例を示す図である。例えば、受信装置12は、汎用のコンピュータまたは専用のコンピュータなどからなる。コンピュータである受信装置12において、CPU(Central Processing Unit)51,ROM52,RAM53は、バス54により相互に接続されている。
バス54には、さらに、入出力インタフェース55が接続されている。入出力インタフェース55には、USBインタフェースなどを介して、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部56、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部57が着脱自在に接続される。また、入出力インタフェース55には、不揮発性のメモリなどよりなる記憶部58、ビーコンタグ21からのビーコン信号を受信する、BLE通信モジュールなどの近距離無線通信モジュールなどよりなる無線通信部59、ハブ13を介してサーバ14に接続するイーサネット(登録商標)インタフェースや光ファイバを介して通信を行うためのモデムなどであるネットワークインタフェース60が接続されている。
以上のように構成されるコンピュータである受信装置12では、CPU51が、例えば、記憶部58に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース55及びバス54を介して、RAM53にロードして実行することにより、後述する一連の処理が行われる。このプログラムは、ネットワークインタフェース60を介して外部の図示せぬサーバより取得して、記憶部58に記憶することで、コンピュータである受信装置12にインストールすることができる。また、プログラムは、ROM52や記憶部58にあらかじめ記憶しておくことで、コンピュータにあらかじめインストールしておくことができる。
図4は、プログラムを実行する受信装置12により実現される機能の構成の例を示すブロック図である。受信装置12には、アプリケーションプログラムである受信アプリケーションプログラム72(以下、受信アプリ72と称する。)がインストールされ、実行される。
受信装置12が受信アプリ72を実行すると、無線通信制御部81、計時部82、記憶制御部83およびネットワーク通信制御部84が実現される。
無線通信制御部81は、無線通信部59による近距離無線通信を制御する。すなわち、無線通信制御部81は、無線通信部59による、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDが含まれるビーコン信号の受信を制御する。計時部82は、現在の日付および時刻を計時する。なお、計時部82は、ハードウェアとして構成することもできる。記憶制御部83は、ビーコンタグ21からのUUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDが含まれるビーコン信号を受信した場合、受信したUUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDと、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを受信した日付および時刻の情報とを対応付けて記憶部58に記憶させる。
ネットワーク通信制御部84は、ネットワークインタフェース60によるハブ13を介した受信装置12の受信アプリ102とサーバ14との通信を制御する。ネットワーク通信制御部84は、ネットワークインタフェース60に、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDと、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを受信した日付および時刻の情報とをサーバ14宛てに送信させる。
次に、図5および図6を参照して、サーバ14について説明する。例えば、サーバ14は、専用のサーバ、汎用のサーバまたはパーソナルコンピュータなどである。図5は、サーバ14のハードウェアの構成の例を示す図である。コンピュータであるサーバ14において、CPU101,ROM102,RAM103は、バス104により相互に接続されている。
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
以上のように構成されるサーバ14では、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、後述する一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU101)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア111に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
そして、プログラムは、リムーバブルメディア111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記憶部108に記憶することで、コンピュータにインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記憶部108に記憶することで、コンピュータにインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記憶部108にあらかじめ記憶しておくことで、コンピュータにあらかじめインストールしておくことができる。
なお、サーバ14は、いわゆる仮想サーバとすることもできる。サーバ14を仮想サーバとした場合、プログラムを実行すると、物理的なCPU101乃至リムーバブルメディア111がリソースとして利用されることになる。
図6は、プログラムを実行するサーバ14により実現される機能の構成の例を示すブロック図である。サーバ14がプログラムを実行することにより、受信制御部131、記憶制御部132、時間区間カウント数算出部133、分類部134および時間積算部135が実現される。
受信制御部131は、受信装置12からハブ13を介して送信されてくる、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値、カンパニーID並びに日付および時刻の情報の通信部109による受信を制御する。記憶制御部132は、受信したUUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値、カンパニーIDに日付および時刻の情報を対応付けて、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値、カンパニーID並びに日付および時刻の情報を記憶部108に記憶させる。
時間区間カウント数算出部133は、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値、カンパニーID並びに日付および時刻の情報から、UUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーIDで識別される家畜牛について、1日のうちの所定の長さの時間の区間(以下、時間区間と称する。)のそれぞれにおける、カウント数を算出する。ここで、例えば、時間区間は、1分、3分または5分など所定の長さとされる。なお、時間区間は、午前0時から午前6時まで、5分間で、午前6時から午後6時まで、2分間で、午後6時間から午前0時まで、1分間などと、1日の時間帯で長さを変えるようにして良い。
カウント数は、その時間区間で、ビーコンタグ21が起動された回数を示す。例えば、時間区間カウント数算出部133は、午前3時05分から午前3時10分までの時間区間について、カウント数を算出する場合、午前3時05分の後であって、午前3時05分に最も近いカウンター値が714275であり、午前3時10分の前であって、午前3時10分に最も近いカウンター値が714347であるとき、714347と714275との差分から72であるカウント数を算出する。また、例えば、時間区間カウント数算出部133は、時間区間の開始時刻に最も近いカウンター値と時間区間の終了時刻に最も近いカウンター値との差分から、カウント数を算出するようにしてもよい。
分類部134は、1日の所定の長さの時間区間のカウント数から、それぞれの時間区間を、UUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーIDで識別される家畜牛が反すうしている時間区間であるか、反すう以外の行動をしている時間区間であるかに分類する。また、分類部134は、1日の所定の長さの時間区間のカウント数から、それぞれの時間区間を、UUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーIDで識別される家畜牛が採食している時間区間であるか、採食以外の行動をしている時間区間であるかに分類する。
分類部134は、判定部141および分類書き込み部142を含む。判定部141は、時間区間のカウント数と所定の閾値と比較して、積算値が閾値以上であるか否かを判定する。また、判定部141は、時間区間のカウント数と所定の閾値と比較して、積算値が閾値未満であるか否かを判定する。分類書き込み部142は、家畜牛が反すうしている時間区間または家畜牛が採食している時間区間などの時間区間の分類の結果を示すデータを記憶部108にファイルとして書き込む。
時間積算部135は、時間区間の分類の結果および時間区間の長さから、UUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーIDで識別される家畜牛が1日に反すうしている時間を算出する。また、時間積算部135は、時間区間の分類の結果および時間区間の長さから、UUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーIDで識別される家畜牛が1日に採食している時間を算出する。時間積算部135は、積算時間書き込み部143を含む。積算時間書き込み部143は、UUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーIDで識別される家畜牛が1日に反すうしている時間を記憶部108にファイルとして書き込む。また、積算時間書き込み部143は、UUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーIDで識別される家畜牛が1日に採食している時間を記憶部108にファイルとして書き込む。
次に、所定の長さの時間区間のカウント数と分類との関係について説明する。発明者は、カウンター値と対比しながら、家畜牛の行動を観察した。図7は、1日の家畜牛の行動を観察して得られた、5分間の時間区間のカウント数と家畜牛の行動と対応の例を示す図である。図7において、左側の1列(図中の縦並び)の升は、0時(午前0時)から23時(午後11時)までの1時間毎の区間を示す。図7において、左側の1列で00と示されている升は、升を含む1行(図中の横並び)が0時(午前0時)から1時(午前1時)までの1時間の区間であることを示す。図7において、左側の1列で01と示されている升は、升を含む1行が1時(午前1時)から2時(午前2時)までの1時間の区間であることを示す。同様に、左側の1列で02乃至23と示されている升は、それぞれ、升を含む1行が2時(午前2時)から3時(午前3時)までの1時間の区間乃至23時(午後11時)から0時(午前0時)までの1時間の区間であることをそれぞれ示す。
図7において、上側の1行の升は、1時間における、0分から5分まで、5分から10分まで、10分から15分まで、15分から20分まで、20分から25分まで、25分から30分まで、30分から35分まで、35分から40分まで、40分から45分まで、45分から50分まで、50分から55分までおよび55分から0分までのそれぞれの5分の時間区間を示す。図7において、上側の1行で0と示されている升は、升を含む1列が0分から5分までの時間区間であることを示す。図7において、上側の1行で5と示されている升は、升を含む1列が5分から10分までの時間区間であることを示す。同様に、図7において、上側の1行で10乃至55と示されている升は、それぞれ、升を含む1列が10分から15分までの時間区間乃至55分から0分までの時間区間であることをそれぞれ示す。
図7において、太字でカウント数を示す区間は、家畜牛の反すうが観察された区間であることを示す。また、図7において、家畜牛の反すうが観察された区間の升は太線で囲まれている。例えば、図7において、午前0時0分から午前5時15分まで、家畜牛の反すうを観察したことが示されている。また、例えば、図7において、午後6時45分から午後10時25分まで、家畜牛の反すうを観察したことが示されている。
図7において、カウント数に下線が付されている区間は、家畜牛の採食が観察された区間であることを示す。また、図7において、家畜牛の採食が観察された区間の升は二重線で囲まれている。例えば、図7において、午前7時0分から午前8時0分まで、家畜牛の採食を観察したことが示されている。また、例えば、図7において、午後5時20分から午後6時25分まで、家畜牛の採食を観察したことが示されている。
なお、家畜牛は、反すうする場合、下あごを横方向に動かすので、ナスカン22で頭絡に装着されているビーコンタグ21は、円周上を移動するように旋回する。すなわち、この場合、ビーコンタグ21は、円錐を描くように動かされる。また、家畜牛は、採食する場合、下あごを上下方向に動かすので、ビーコンタグ21は、上下動する。採食でビーコンタグ21が上下動させられると、ビーコンタグ21の電源31が電力を発生しやすく、起動する回数が多くなる。これに対して、反すうではビーコンタグ21が円錐状に旋回させられるので、採食の場合に比較すると、ビーコンタグ21の電源31が電力を発生しにくくなり、採食の場合に比較してビーコンタグ21の起動する回数は少なくなる。
発明者は、図7に示される家畜牛の行動の観察の結果などから、5分間の時間区間のカウント数と、家畜牛の行動との対応関係を考察した。図8は、5分間の時間区間のカウント数と、家畜牛の行動の分類との対応関係を示す図である。図8においては、所定の時間区間である対象時間区間のカウント数、対象時間区間の前の時間区間のカウント数および対象時間区間の次の時間区間のカウント数と、家畜牛の行動との対応関係とを示す。
区間を5分とした場合、対象時間区間のカウント数が20未満であり、対象時間区間の前の時間区間のカウント数が20未満であり、対象時間区間の次の時間区間のカウント数が90以上であるとき、対象時間区間において、家畜牛は、採食をしていた。
区間を5分とした場合、対象時間区間のカウント数が20以上90未満であり、対象時間区間の次の時間区間のカウント数が90以上であるとき、対象時間区間において、家畜牛は、採食をしていた。
区間を5分とした場合、対象時間区間のカウント数が20以上90未満であり、対象時間区間の次の時間区間のカウント数が90未満であるとき、対象時間区間において、家畜牛は、反すうをしていた。
区間を5分とした場合、対象時間区間のカウント数が90以上であるとき、対象時間区間において、家畜牛は、採食をしていた。
他の対象時間区間では、家畜牛は静止、歩行、飲水、体を舐める、他の牛とじゃれるなどの行動をしていた。
これらから、後述の分類の処理により、家畜牛の行動で区間を分類することとした。
図9は、カウンター値の取得の処理を説明するフローチャートである。カウンター値の取得の処理は、家畜牛が反すうするまたは採食するなどしてビーコンタグ21が揺動させられて、ビーコンタグ21が起動すると実行される。家畜牛が反すうするなどしてビーコンタグ21が揺動させられると、ビーコンタグ21の電源31が電力を発生して、ビーコンタグ21が起動する。すると、ステップS101において、ビーコンタグ21の処理部32は、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを記憶部33から読み出す。この場合、処理部32は、起動の回数を計数するカウンターからカウンター値を読み出す。処理部32は、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを含むパケットを生成し、発信部34に供給する。
ステップS102において、ビーコンタグ21の発信部34は、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを含むパケットをビーコン信号として発信する。ステップS103において、ビーコンタグ21の処理部32は、記憶部33のカウンターのカウンター値をインクリメント(1だけ加算)する。
ステップS201において、受信装置12で実行されている受信アプリ72により実現される無線通信制御部81は、無線通信部59に、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを含むビーコン信号を受信させる。無線通信制御部81は、パケットであるビーコン信号からUUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを抽出して、記憶制御部83に供給する。
ステップS202において、受信装置12の記憶制御部83は、計時部82から、ビーコン信号を受信したとき(すなわち、現在)の日付および時刻を取得して、ビーコン信号を受信したときの日付および時刻に対応付けて、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを記憶部58に記憶させる。例えば、記憶制御部83は、日付および時刻に対応付けた、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDをファイルとして記憶部58に記憶させる。
ステップS203において、受信装置12のネットワーク通信制御部84は、記憶部58から、日付、時刻、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを読み出して、ネットワークインタフェース60に、日付、時刻、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを含むデータをサーバ14宛てに送信させる。
なお、ネットワーク通信制御部84は、ビーコン信号が受信された場合、無線通信制御部81からUUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを取得し、計時部82から、日付および時刻を取得して、ネットワークインタフェース60に、日付、時刻、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを含むデータをサーバ14宛てに送信させるようにしてもよい。
ステップS301において、サーバ14の受信制御部131は、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109に、ハブ13を介して受信装置12から送信されてくる、日付、時刻、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを含むデータを受信させる。ステップS302において、記憶制御部132は、日付、時刻、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを含むデータを記憶部108に記憶させる。例えば、記憶制御部132は、日付、時刻、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを含むデータをファイルとして記憶部108に記憶させる。また、例えば、記憶部108にデータベースを作成して、記憶制御部132は、日付、時刻、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを含むデータをデータベースに格納させるようにしてもよい。
なお、ステップS302において、記憶制御部132は、CSV(comma-separated values)などの方式のファイルに、1つの行に配置するか、または、データベースの1つのレコードに格納するなどして、日付および時刻に対応付けて、UUID、メジャーおよびマイナー、カウンター値並びにカンパニーIDを記憶部108に記憶させる。
次に、図10のフローチャートを参照して、時間区間のカウント数の算出の処理を説明する。ここでは、一例として時間区間を5分として説明する。なお、時間区間のカウント数の算出の処理は、UUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーIDで識別される家畜牛毎に実行される。すなわち、時間区間のカウント数の算出の処理では、UUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーID毎に、時間区間のカウント数が算出される。
ステップS51において、時間区間カウント数算出部133は、記憶部108から、1日分の、日付および時刻並びに、日付および時刻に対応付けられたカウンター値を読み出す。ステップS52において、時間区間カウント数算出部133は、日付および時刻、並びに日付および時刻に対応付けられたカウンター値から、その日の最初の5分間のカウンター値を抽出する。ステップS53において、時間区間カウント数算出部133は、ステップS52の手続きで抽出されたカウンター値から、その日の最初の5分間の時間区間のカウント数を求める。
ステップS54において、時間区間カウント数算出部133は、日付および時刻並びに、日付および時刻に対応付けられたカウンター値から、次の5分間のカウンター値を抽出する。ステップS55において、時間区間カウント数算出部133は、ステップS54の手続きで抽出されたカウンター値から、カウンター値を積算することで、次の5分間の時間区間のカウント数を求める。
ステップS56において、時間区間カウント数算出部133は、1日分のカウンター値がまだあるか否かを判定し、1日分のカウンター値がまだあると判定された場合、手続きはステップS54に戻り、次の5分間の時間区間について上述した手続きが繰り返される。
ステップS56において、1日分のカウンター値について積算値が求められて1日分のカウンター値がもうないと判定された場合、手続きはステップS57に進み、時間区間カウント数算出部133は、5分間の時間区間毎のカウント数を記憶部108に記憶して、時間区間のカウント数の算出の処理は終了する。なお、時間区間カウント数算出部133は、ファイルとして、5分間の時間区間毎のカウント数を記憶部108に記憶しても良いし、記憶部108に作成されたデータベースに、5分間の時間区間毎のカウント数を格納するようにしてもよい。
なお、時間区間のカウント数の算出の処理は、時間区間を1分または3分など所定の長さである場合、時間区間の長さを変えて、同様に行うことができる。
次に、分類の処理について説明する。分類の処理は、分類部134が、記憶部108から、1日分の時間区間のカウント数を読み出してから実行される。図11は、分類の処理を説明するフローチャートである。ステップS71において、分類部134は、1日の時間区間のうち、所定の時間区間を判定対象時間区間として選ぶ。例えば、分類部134は、1日の時間区間から、午前0時0分から順に時間区間を選ぶ。
ステップS72において、分類部134の判定部141は、読み出された時間区間のカウント数から、判定対象時間区間のカウント数が90以上であるか否かを判定する。ステップS72において、判定対象時間区間のカウント数が90以上であると判定された場合、手続きはステップS73に進み、分類部134の分類書き込み部142は、判定対象時間区間を特定するデータに採食を示す属性のデータを対応付けることで、判定対象時間区間の行動分類を採食にして、行動分類が採食とされた判定対象時間区間のデータをファイルとして記憶部108に記憶させる。
ステップS72において、判定対象時間区間のカウント数が90以上でないと判定された場合、手続きはステップS74に進み、分類部134の判定部141は、読み出された時間区間のカウント数から、判定対象時間区間のカウント数が20以上90未満であるか否かを判定する。ステップS74において、判定対象時間区間のカウント数が20以上90未満であると判定された場合、手続きは、ステップS75に進み、分類部134の判定部141は、読み出された時間区間のカウント数から、判定対象時間区間の次の時間区間のカウント数が90以上であるか否かを判定する。ここで、判定対象時間区間の次の時間区間とは、判定対象時間区間に連続した、判定対象時間区間の後の時間区間をいう。例えば、判定対象時間区間が午前3時5分から午前3時10分までの時間区間である場合、判定対象時間区間の次の時間区間は、午前3時10分から午前3時15分までの時間区間である。
ステップS75において、判定対象時間区間の次の時間区間のカウント数が90以上であると判定された場合、手続きは、ステップS73に進み、上述の手続きが行われる。
ステップS75において、判定対象時間区間の次の時間区間のカウント数が90以上でないと判定された場合、手続きは、ステップS76に進み、分類部134の分類書き込み部142は、判定対象時間区間を特定するデータに反すうを示す属性のデータを対応付けることで、判定対象時間区間の行動分類を反すうにして、行動分類が反すうとされた判定対象時間区間のデータをファイルとして記憶部108に記憶させる。
ステップS74において、判定対象時間区間のカウント数が20以上90未満でないと判定された場合、手続きは、ステップS77に進み、分類部134の判定部141は、読み出された時間区間のカウント数から、判定対象時間区間の次の時間区間のカウント数が90以上であるか否かを判定する。ステップS77において、判定対象時間区間の次の時間区間のカウント数が90以上であると判定された場合、手続きは、ステップS78に進み、分類部134の判定部141は、読み出された時間区間のカウント数から、判定対象時間区間の前の時間区間のカウント数が20未満であるか否かを判定する。
ここで、判定対象時間区間の前の時間区間とは、判定対象時間区間に連続した、判定対象時間区間に先立つ時間区間をいう。例えば、判定対象時間区間が午前3時5分から午前3時10分までの時間区間である場合、判定対象時間区間の前の時間区間は、午前3時0分から午前3時5分までの時間区間である。
ステップS78において、判定対象時間区間の前の時間区間のカウント数が20未満であると判定された場合、手続きは、ステップS73に進み、上述した手続きが行われる。
ステップS78において、判定対象時間区間の前の時間区間のカウント数が20未満でないと判定された場合、または、ステップS77において、判定対象時間区間の次の時間区間のカウント数が90以上でないと判定された場合、手続きは、ステップS79に進み、分類部134の分類書き込み部142は、判定対象時間区間を特定するデータに歩行その他を示す属性のデータを対応付けることで、判定対象時間区間の行動分類を歩行その他にして、行動分類が歩行その他とされた判定対象時間区間のデータをファイルとして記憶部108に記憶させる。なお、歩行その他の行動分類には、歩行、飲水、体を舐める、他の牛とじゃれるなどの行動が含まれる。
ステップS73、ステップS76およびステップS79の後、手続きはステップS80に進み、分類部134は、1日の時間区間のうち、分類していない時間区間がまだあるか否かを判定する。ステップS80において、分類していない時間区間がまだあると判定された場合、手続きはステップS71に戻り、次の判定対象時間区間が選ばれ、上述した手続きが繰り返される。ステップS80において、分類していない時間区間がもうないと判定された場合、1日の時間区間の全てが分類されたので、分類の処理は終了する。
次に、反すうおよび採食の時間の算出の処理を説明する。反すうおよび採食の時間の算出の処理は、時間積算部135が、記憶部108から、1日分の時間区間の行動分類を示すデータを読み出してから実行される。図12は、反すうおよび採食の時間の算出の処理を説明するフローチャートである。ステップS91において、時間積算部135は、1日分の時間区間の行動分類を示すデータから、行動分類が反すうとされた時間区分の全部を選ぶ。ステップS92において、時間積算部135は、ステップS91の手続きで選ばれた時間区分の時間を積算する。例えば、ステップS92において、時間積算部135は、時間区間の長さが5分間であり、行動分類が反すうとされた時間区分の数が100である場合、5分間を100回積算して(5分間に100を乗じて)、積算値として500分を求める。例えば、ステップS92において、時間区間の長さが1日の時間帯で変えられている場合、時間積算部135は、選ばれた時間区分について、時間区間毎の長さを積算することにより、反すうの時間区分の時間の積算値を算出する。
ステップS93において、時間積算部135の積算時間書き込み部143は、ステップS92の手続きで得られた、積算して得られた時間を反すうの時間として、1日のうちに反すうした時間を示すデータをファイルとして記憶部108に記憶させる。
ステップS94において、時間積算部135は、1日分の時間区間の行動分類を示すデータから、行動分類が採食とされた時間区分の全部を選ぶ。ステップS95において、時間積算部135は、ステップS94の手続きで選ばれた時間区分の時間を積算する。例えば、ステップS95において、時間積算部135は、時間区間の長さが5分間であり、行動分類が採食とされた時間区分の数が50である場合、5分間を50回積算して(5分間に50を乗じて)、積算値として250分を求める。例えば、ステップS95において、時間区間の長さが1日の時間帯で変えられている場合、時間積算部135は、選ばれた時間区分について、時間区間毎の長さを積算することにより、採食の時間区分の時間の積算値を算出する。
ステップS96において、時間積算部135の積算時間書き込み部143は、ステップS95の手続きで得られた、積算して得られた時間を採食の時間として、1日のうちに反すうした時間を示すデータをファイルとして記憶部108に記憶させ、反すうおよび採食の時間の算出の処理は終了する。
なお、積算時間書き込み部143は、1日のうちに反すうした時間を示すデータおよび1日のうちに反すうした時間を示すデータをデータベースに格納するようにしてもよい。また、1日のうちに反すうした時間または採食した時間を算出するようにしたが、半日毎、2日毎、3日毎など所定の期間毎に反すうした時間または採食した時間を算出するようにしてもよい。
このように、情報処理システムの一例である家畜牛管理システム1は、家畜牛に装着されている発信機11と、発信機11から発信される識別情報を受信する受信装置12と、識別情報を受信した受信装置12から送信されてくる識別情報を受信する情報処理装置の一例であるサーバ14とを含む。
発信機11は、家畜牛の頭絡に装着されるナスカン22と、ナスカン22に連結され、揺動によって電力を発生し、起動の回数を計数した計数値の一例であるカウンター値および家畜牛を識別するための識別情報の一例であるUUID、メジャーおよびマイナー並びにカンパニーIDを発信するビーコン発信器の一例であるビーコンタグ21とを含む。
受信装置12は、発信機11から発信される計数値および識別情報を受信する受信手段の一例である無線通信部59と、受信した計数値および識別情報と、計数値および識別情報を受信した日付および時刻の情報とを情報処理装置の一例であるサーバ14に送信する送信手段の一例であるネットワークインタフェース60とを含む。
情報処理装置の一例であるサーバ14は、計数値および識別情報並びに日付および時刻の情報から、識別情報で識別される家畜牛について、1日の所定の長さの時間の区間のそれぞれにおける、発信機が起動した回数を算出する第1の算出手段の一例である時間区間カウント数算出部133と、区間において発信機が起動した回数から、区間を、識別情報で識別される家畜牛が反すうしている区間であるか否かで分類する分類手段の一例である分類部134と、区間の分類の結果および区間の長さから、識別情報で識別される家畜牛が1日に反すうしている時間を算出する第2の算出手段の一例である時間積算部135とを含む。
また、情報処理装置の一例であるサーバ14は、家畜牛の頭絡に装着されている発信機であって、揺動によって電力を発生し、起動の回数を計数した計数値および家畜牛を識別するための識別情報を発信する発信機からの計数値および識別情報並びに計数値および識別情報が受信された日付および時刻から、識別情報で識別される家畜牛について、1日の所定の長さの時間の区間のそれぞれにおける、発信機が起動した回数を算出する第1の算出手段の一例である時間区間カウント数算出部133と、区間において発信機が起動した回数から、区間を、識別情報で識別される家畜牛が反すうしている区間であるか否かで分類する分類手段の一例である分類部134と、区間の分類の結果および区間の長さから、識別情報で識別される家畜牛が1日に反すうしている時間を算出する第2の算出手段の一例である時間積算部135とを含む。
分類部134に、分類の対象となる区間である対象区間における発信機が起動した回数と、対象区間の次の区間における発信機が起動した回数と、対象区間の前の区間における発信機が起動した回数とから対象区間を分類させることができる。
分類部134に、区間における発信機が起動した回数から、区間を、識別情報で識別される家畜牛が採食している区間であるか否かで分類させ、時間積算部135に、区間の分類の結果および区間の長さから、識別情報で識別される家畜牛が1日に採食している時間を算出させることができる。
サーバ14に、受信した計数値および識別情報に、計数値および識別情報を受信した日付および時刻の情報を対応付けて、計数値および識別情報並びに日付および時刻の情報を記憶する記憶手段の一例である記憶部108をさらに設けることができる。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。