JP6384540B2 - 地盤改良工法の選定方法及び地盤改良方法 - Google Patents

地盤改良工法の選定方法及び地盤改良方法 Download PDF

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Description

本発明は、地盤改良工法の選定方法及び当該選定方法により選定された地盤改良工法を用いた地盤改良方法に関する。
従来、宅地などにおける地盤改良工法の一つとして、柱状改良工法が知られている。この工法は、セメント系固化材と水を混合したスラリーを地中において現地の土と混合攪拌することにより当該土を固化させ、建物を支える改良柱体を地中に造成するという方法である。
しかし、現地の土には、腐植土(有機質土)のように固化材と混合しても十分に固化せず、固化不良を起こし易い性状のものが含まれる場合がある。このような固化不良は、建物の不同沈下の原因となり得るため、柱状改良工法の施工前に地盤の硬軟、締まり具合及び土層の構成を予め確認し、柱状改良工法を採用可能であるか否かを判断する必要がある。下記特許文献1には、柱状改良工法に適した土質であるか否かについて事前に判断する標準貫入試験(ボーリング調査)を行うための装置について記載されている。
特開2001−288732号公報
ボーリング調査の結果に基づいて柱状改良工法にあたって土質に問題がないと判断されると、柱状改良工法の本施工を行うための重機などが現地に搬入される。そして、本施工が開始される前に、現地において試掘調査が行われることにより土質が再度確認される。
ここで、ボーリング調査では土質に問題がないと判断された場合でも、試掘調査において固化し難い可能性がある土(腐植土など)が確認される場合がある。これは、ボーリング調査では地盤に10cm程度の径を有する孔を空けて1箇所のみで土質調査を行うのに対して、試掘調査では地盤に20cm程度の径を有する孔を2〜3箇所空けて土質調査を行うため、調査対象範囲の広狭によって生じる問題である。
この場合、現地から重機を一旦引き揚げ、試掘調査で採取された土壌試料を別の場所にある試験所に搬送する。そして、この土壌試料と固化材を混合することにより供試体を作製し、当該供試体を用いて一軸圧縮試験を行うことにより土の固化具合を確認する(室内配合試験)。通常、この試験には1週間程度の時間を要する。そして、土が固化することが確認された場合には再び重機を搬入し、一方で土の固化具合が不十分であった場合には他の工法への変更が検討される。
このように、従来では、本施工前の試掘調査による土質の再確認時に固化し難い可能性がある腐植土等が確認された場合、重機の引き揚げや現地から離れた場所での室内配合試験を行う必要が生じるため、工期が大幅に遅れるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、地盤改良における工期の遅延化を防ぐことが可能な地盤改良工法の選定方法及び当該選定方法により選定された地盤改良工法を用いた地盤改良方法を提供することである。
本発明の一局面に係る地盤改良工法の選定方法は、土壌試料を採取する採取工程と、前記採取工程で得られた前記土壌試料と予め設定された量の固化材とを用いて、地盤改良の現地で供試体を作製する作製工程と、前記供試体について予め設定された固化時間よりも短い測定時間において前記現地で前記供試体の硬度を測定する測定工程と、前記測定工程で得られた硬度が予め設定された硬度の閾値以上であるか否かに基づいて、柱状改良工法の採用の可否を判断する判断工程と、前記閾値を準備する準備工程と、を備える。前記準備工程では、前記固化時間の到来時において強度の基準を満たすと判断される前記供試体の前記測定時間の到来時における硬度を測定し、測定された前記硬度に基づいて前記閾値を設定する。前記測定工程では、筒体内に収容された状態の前記供試体の硬度を、山中式土壌硬度計を用いて測定する。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、供試体の固化のための時間が比較的短いときに、供試体の強度と供試体の硬度とが略比例関係を有する点に着目した。そして、通常の固化時間の経過時に強度の基準を満たす供試体について、それよりも前の時間(測定時間)での硬度を測定したところ、通常の固化時間における強度が高いほど測定時間における硬度が高いことを見出し、本発明に想到した。
上記地盤改良工法の選定方法では、採取した土壌試料と固化材とを用いて供試体を作製し、所定の測定時間において供試体の硬度を測定する。そして、測定された供試体の硬度が予め設定された硬度の閾値以上であるか否かに基づいて、柱状改良工法の採用の可否を判断する。この測定時間は、供試体について予め設定された固化時間よりも短い。このため、固化時間の到来時において供試体の強度を測定する場合に比べて、柱状改良工法の採用の可否を判断するのに要する日数をより少なくすることができる。しかも、この硬度測定は、持ち運び可能な硬度計を用いて現地で行うことができるため、土壌試料を試験所へ搬送する作業や重機の引き揚げ作業も不要になる。従って、上記地盤改良工法の選定方法によれば、地盤改良における工期の遅延化を防ぐことができる。また筒体内に収容された状態の供試体の硬度を測定することにより、測定中に供試体の形状が崩れるのを防ぐことができるため、硬度測定を正確に行うことができる。
上記地盤改良工法の選定方法において、前記準備工程では、前記固化時間の到来時において強度の基準を満たさないと判断される前記供試体の前記測定時間の到来時における硬度を測定してもよい。そして、前記準備工程において、前記固化時間の到来時に強度の基準を満たす前記供試体の前記測定時間の到来時における硬度値と、前記固化時間の到来時に強度の基準を満たさない前記供試体の前記測定時間の到来時における硬度値と、の間に前記閾値を設定してもよい。
これにより、固化時間の到来時に強度の基準を満たす供試体の測定時間の到来時における硬度値のみに基づいて閾値を設定する場合に比べて、当該閾値をより容易に設定することができる。
上記地盤改良工法の選定方法は、前記採取工程で得られた前記土壌試料が固化し易い土質であるか否かを判定する判定工程をさらに備えていてもよい。そして、前記判定工程で前記土壌試料が固化し難いと判定した場合のみ、前記作製工程、前記測定工程及び前記判断工程が行われてもよい。
これにより、土壌試料が固化し難いと判定した場合にのみ供試体の硬度測定が行われるため、不必要な試験を行う必要がなくなり、工期の遅れを防ぐことができる。また土壌試料が固化し易い場合には、供試体の硬度を測定可能な時間が短く制限されるが、上述のように土壌試料が固化し難い場合には、硬度測定が可能な時間の幅をより広げることができる。
上記地盤改良工法の選定方法において、前記測定工程では、前記山中式土壌硬度計バネ体の引張又は圧縮の量が30mm以下となる前記測定時間において前記供試体の硬度を測定してもよい。バネ体の引張又は圧縮の量が30mm以下となる時間範囲では、供試体の硬度と強度との間に強い相関関係が見られるため、より信頼性の高い測定値を得ることができる。
上記地盤改良工法の選定方法において、前記作製工程は、前記土壌試料と前記固化材と水とを混合することにより、混合試料を得る混合工程と、前記混合試料を前記筒体内に充填する充填工程と、を含んでいてもよい
本発明の他局面に係る地盤改良方法は、上記地盤改良工法の選定方法を用いて地盤改良工法を選定し、選定された工法により地盤を改良する方法である。このため、工法の選定段階で要する時間が少なく、工期の遅延化を防ぐことができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、地盤改良における工期の遅延化を防ぐことが可能な地盤改良工法の選定方法及び当該選定方法により選定された地盤改良工法を用いた地盤改良方法を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る地盤改良方法及び地盤改良工法の選定方法の流れを示すフローチャートである。 筒体内に混合試料が充填された様子を示す模式図である。 山中式土壌硬度計の構成を示す模式図である。 山中式土壌硬度計の円錐部を供試体に貫入させる前の様子を示す模式図である。 山中式土壌硬度計の円錐部を供試体内に貫入させた時の様子を示す模式図である。 供試体の材齢と強度との関係を示すグラフである。 柱状改良工法を説明するための模式図である。 鋼管杭工法を説明するための模式図である。 山中式土壌硬度計を用いて測定した硬度値と圧縮強度との関係(圧縮量が35mm以下の範囲)を示すグラフである。 山中式土壌硬度計を用いて測定した硬度値と圧縮強度との関係(圧縮量が30mm以下の範囲)を示すグラフである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る地盤改良工法の選定方法及び地盤改良方法について詳細に説明する。図1は、地盤改良方法の全体の流れを示すフローチャートである。本実施形態に係る地盤改良方法では、まず、工程S10〜S80の地盤改良工法の選定方法を用いて柱状改良工法を採用可能であるか否かを判断し、その判断に基づいて地盤改良の本施工(S90)が行われる。
まず、搬入工程S10が行われる。この工程S10では、前工程で行われた標準貫入試験(ボーリング調査)において腐植土が確認されず、柱状改良工法にあたって現地の土質に問題がない(土が固化材により十分に固化する)と判断された後、柱状改良工法の本施工に使用する重機が現地に搬入される。
次に、採取工程S20が行われる。この工程S20では、柱状改良工法の本施工を開始する前に、当該本施工が予定された現地から土壌試料を採取することにより、現地の土質を再度確認する(試掘調査)。具体的には、搬入した重機により現地の地盤において200mm径程度の孔を2〜3箇所空け、各孔から所定の深さ(例えば1m)までの土壌試料を採取する。
次に、判定工程S30が行われる。この工程S30では、採取工程S20で得られた土壌試料を目視観察等することにより、当該土壌試料が固化し易い土質であるか否かを判定する。具体的には、採取した土壌試料の中に腐植土等の固化し難い土が含まれるか否かを目視等により確認し、その有無に基づいて柱状改良工法にあたって土質に問題がないか否かを判定する。そして、腐植土等が確認されず土質に問題がない(土壌試料が固化し易い)と判定した場合には(S30:YES)、柱状改良工法の採用をそのまま決定する(S70)。
腐植土は、柱状改良工法においてセメント系固化材と混合しても固化し難い性質を有する。このため、現地の地盤に少量でも腐植土が含まれる場合には、固化不良に起因して地盤を十分に強化することができない可能性があり、建物の不同沈下を招く虞がある。
また先に行われるボーリング調査では腐植土が確認されなかった場合でも、試掘調査において腐植土が確認される場合がある。これは、ボーリング調査では地盤に10cm径程度の孔を1箇所のみ空けて土壌試料を採取するのに対して、試掘調査では上述の通り20cm径程度の孔を2〜3箇所空けて土壌試料を採取するため、土質調査の対象範囲の違いに起因するものである。
判定工程S30で腐植土等が確認された場合には、土壌試料が固化し難いと判定する(S30:NO)。この場合、柱状改良工法の採用をそのまま決定せず、土壌試料と固化材とを混合し、その強度等を測定することにより土の固化具合を確認する試験をさらに行う必要がある。これは、目視確認等だけでは、土が固化材により十分に固化するか否かを判断するのが困難であるからである。
通常、このような土の固化試験を行う場合には、現地から重機を一旦引き揚げ、採取された土壌試料を別の場所にある試験所に搬送する。次に、この土壌試料と固化材とを混合することにより供試体を作製し、当該供試体について予め設定された固化時間(例えば28日間)養生した後、当該供試体を用いて一軸圧縮試験を行う。そして、測定された圧縮強度に基づいて土が正常に固化するか否かを判断する。
これに対して、本実施形態では、現地から採取した土壌試料と固化材とを用いて供試体を作製し、上記固化時間よりも短い測定時間において供試体の硬度を現地で測定する。そして、測定された供試体の硬度が予め設定された硬度の閾値以上であるか否かに基づいて、柱状改良工法の採用の可否を判断する。
このため、本実施形態では、通常の一軸圧縮試験のように固化時間の到来時に供試体の強度を測定する場合に比べて、柱状改良工法の採用の可否を判断するのに要する日数をより少なくすることができる。しかも、この硬度測定は、持ち運び可能な硬度計を用いて現地で行うことができるため、土壌試料を試験所へ搬送する作業や重機の引き揚げ作業も不要になる。従って、地盤改良における工期の遅延化を防ぐことができる。以下、供試体の硬度測定について詳細に説明する。
まず、作製工程S40が行われる。この工程S40では、混合工程S41及び充填工程S42が順に行われることにより、採取工程S20で得られた土壌試料と予め設定された量の固化材とを用いて供試体が作製される。
まず、混合工程S41では、採取工程S20で得られた土壌試料と予め設定された量の固化材と水とを現地において混合する。具体的には、採取工程S20で得られた土壌試料を所定の混合容器(図示しない)内に投入すると共に、予め設定された量の固化材及び水を当該混合容器内に投入する。固化材としては、柱状改良工法で用いられるものと同様に、セメント系固化材が使用される。そして、当該混合容器内において土壌試料と固化材と水とを混合攪拌することにより、土壌試料と固化材と水とが均一に混ざり合った混合試料が得られる。
次に、充填工程S42では、まず図2に示す円筒形状の筒体10が準備される。筒体10は、軸方向の一方(上方)に開口11が設けられると共に軸方向の他方(下方)が底部12により塞がれたものであり、混合試料13を充填可能な中空部10Aを有する。筒体10の内径D1は例えば50mmであり、高さH1は例えば100mmである。その後、図2に示すように、混合試料13が筒体10の中空部10A全体に均一に充填される。これにより、円柱形状を有する硬度測定用の供試体14が作製される。
次に、供試体14の硬度を測定する測定工程S50が行われる。まず、この工程S50で用いられる硬度計1の構成及び仕組みについて図3〜図5を参照して説明する。
硬度計1は、山中式土壌硬度計であって、図3に示すように、円錐部2と、支持部6と、バネ体3と、突き当て鍔5と、遊動指標部4と、を備える。円錐部2は、供試体14において測定面となる円柱上面14A(図4,5)に押し付けることにより、当該供試体14内に貫入させるための部分である。支持部6は、円筒形状を有し、円錐部2が支持部6の軸方向に移動可能となるように当該円錐部2を支持する。
バネ体3は、供試体14から円錐部2に加わる力により支持部6に対して円錐部2が軸方向に移動することに応じて圧縮変形可能となるように支持部6と円錐部2との間に設けられている。具体的には、図4及び図5に示すように円錐部2を供試体14に押し付けたときに、供試体14から受ける力によって円錐部2が支持部6内に押し込められるのに応じて、バネ体3が圧縮可能となっている。図3に示すように、バネ体3は、支持部6内に収容されており、一端が円錐部2の底部側に接続されると共に、他端が支持部6の底部側に接続されている。
突き当て鍔5は、円錐部2を供試体14内に貫入させるときに、図5に示すように供試体14の円柱上面14Aに接触させるための部分である。突き当て鍔5は、支持部6よりも径が大きい円板形状を有している。硬度計1においては、突き当て鍔5が円柱上面14Aに接触するまでに円錐部2が供試体14内に貫入する深さが、「円錐部2の供試体14に対する貫入深さ」として予め設定されている。
遊動指標部4は、支持部6の外周面の一部を軸方向に沿って切り欠いたスリット部6Aに設けられている。図4及び図5に示すように、遊動指標部4は、円錐部2を供試体14に押し付けたときのバネ体3の圧縮量に応じて、スリット部6Aに沿って軸方向に移動する。スリット部6Aの周りには目盛が設けられており、これによりバネ体3の圧縮量を読み取ることができる。
なお、硬度計1は、山中式土壌硬度計に限定されるものではなく、同様の機能を備えるものであれば(供試体14の硬度測定が可能であれば)、その構造は特に制限されない。
ここで、測定工程S50で得られる供試体14の硬度の合否を判断するための、供試体14の硬度の閾値を準備する準備工程について説明する。この準備工程は、搬入工程S10よりも前に事前に行われる。
準備工程では、以下のようにして供試体14の硬度の閾値S2が設定される(図6)。まず、複数種の土壌試料(1)〜(3)を準備し、これらの土壌試料と固化材とを用いて供試体をそれぞれ作製する。そして、供試体の材齢(供試体の作製時点からの経過時間)と、供試体の強度と、の関係について調査し、図6に示すようなグラフを得る。図6のグラフにおいて、横軸が供試体の材齢を示し、縦軸が供試体の強度を示している。また横軸中の「T1」が測定工程S50において供試体14の硬度を測定する「測定時間」を示し、「T2」が通常の一軸圧縮試験が行われる「固化時間」を示している。図6に示すように、(1)及び(2)の供試体は固化時間T2の到来時において強度の基準S1を満たし、(3)の供試体は固化時間T2の到来時において強度の基準S1を満たしていない。また図10は、測定時間T1における供試体14の硬度(横軸)と供試体14の圧縮強度(縦軸)との関係を示している。図10のグラフの通り、測定時間T1においては供試体14の硬度と供試体14の圧縮強度とは略比例関係を有している。
図6の(1)及び(2)の供試体の測定時間T1における硬度を硬度計1により測定すると共に、(3)の供試体の測定時間T1における硬度を硬度計1により測定する。そして、(1)及び(2)の硬度値と(3)の硬度値との間に硬度の閾値S2を設定する。測定時間T1において閾値S2を超える場合((1)及び(2)の供試体)には固化時間T2においても基準S1を満たし、測定時間T1において閾値S2を超えない場合((3)の供試体)には固化時間T2においても基準S1を満たさないことになる。従って、上記の通り設定した閾値S2に基づいて、通常の固化時間T2よりも短い測定時間T1において土壌試料が正常に固化するか否かを高い信頼性をもって評価することができる。
測定工程S50では、供試体14について予め設定された固化時間T2よりも短い測定時間T1(図6)において円錐部2を供試体14に押し付けたときのバネ体3の圧縮量に基づいて、測定時間T1における供試体14の硬度を測定する。具体的には、測定者が硬度計1を手に持ち、図4に示すように円錐部2の先端を供試体14の測定面(円柱上面14A)の中央に垂直に突き立てる。次に、円錐部2の先端を供試体14の測定面に押し付けることにより、当該円錐部2を供試体14内に貫入させる。そして、図5に示すように、突き当て鍔5が測定面(円柱上面14A)に接触するまで円錐部2全体を供試体14内に貫入させる。この時のバネ体3の圧縮量を目盛から読み取り、これに基づいて供試体14の硬度を測定する。
測定時間T1は、円錐部2を予め設定された貫入深さまで供試体14内に貫入可能となるように(つまり突き当て鍔5が円柱上面14Aに接触可能なように)予め設定されており、例えば18時間とすることができる。これにより、例えば前日の午後4時頃に供試体14を準備した後、翌日の午前10時頃に硬度測定を開始することができるため、試験をスムーズに進めることができる。
本実施形態では、供試体14の硬度測定において、バネ体3の圧縮量が30mm以下となる範囲で供試体14の硬度と強度との間に強い相関関係が見られるため、より信頼性の高い測定値を得ることができる。
また本実施形態では、図4及び図5に示すように、筒体10内に収容された状態の供試体14に対して円錐部2を押し付ける。これにより、円錐部2を押し付けたときに供試体14の形状が崩れるのを筒体10により防ぐことができるため、硬度測定を正確に行うことができる。
次に、判断工程S60が行われる。この工程S60では、測定工程S50で得られた硬度が予め設定された硬度の閾値S2(図6)以上であるか否かに基づいて、柱状改良工法の採用の可否を判断する。そして、測定工程S50で得られた硬度が閾値S2以上である場合には(S60:YES)、現地の土が固化材により正常に固化するものと判断し、柱状改良工法の採用を決定する(S70)。一方、測定工程S50で得られた硬度が閾値S2未満である場合には(S60:NO)、土が固化不良を起こすものと判断する。この場合、柱状改良工法以外の工法を地盤改良工法として決定する(S80)。具体的には、鋼管杭工法や既製コンクリート杭を用いた工法を柱状改良工法の代わりの工法として決定する。以上の工程S10〜S80により地盤改良工法を決定することができ、本実施形態に係る地盤改良工法の選定方法が終了する。
次に、施工工程S90が行われる。この工程S90では、判断工程S60において決定された地盤改良工法を用いた本施工が開始される。柱状改良工法に決定した場合には(S70)、図7(左)に示すように、スクリュー21を貫入させて地盤を掘削しつつ、当該スクリュー21の先端からセメントミルクを注入する。そして、設計深さまで掘り下げた後(図7(中央))、スクリュー21を回転させて土とセメントミルクを攪拌しつつスクリュー21を引き上げる。これにより、図7(右)に示すように、所定の設計長さ及び支持力を有するセメントからなる改良柱体22が地中に造成され、これによって地盤を強化することができる。
一方、柱状改良工法以外の工法(例えば鋼管杭工法)に決定した場合には(S80)、図8に示すように、重機を用いて鋼管杭31を回転させつつ地盤に貫入し、複数本の鋼管杭31を継ぎ足しつつ所定の設計深さまで打ち込むことにより地盤を強化する。以上のようにして住宅の建設にあたっての地盤強化が行われ、本実施形態に係る地盤改良方法が完了する。
なお、上記した実施形態は本発明の例示であり、本発明では例えば以下のような変形例も採用することができる。
上記実施形態のように、測定工程S50で供試体14の硬度を測定した後、この硬度値に基づいて測定時間T1における圧縮強度を推定してもよい。さらに、測定時間T1における圧縮強度に所定の係数を掛けて補正することにより、通常の固化時間T2における圧縮強度を算出してもよい。
上記実施形態では、供試体14を筒体10内に収容した状態で硬度測定を行う場合について説明したが、供試体14を筒体10から取り出した上で硬度測定を行ってもよい。
上記実施形態では、円錐部2の移動に応じてバネ体3が圧縮変形可能な硬度計1を用いる場合について説明したが、円錐部2の移動に応じてバネ体3が引張変形可能な硬度計が用いられてもよい。この場合、円錐部2を供試体14に押し付けたときのバネ体3の引張量に基づいて測定時間T1における供試体14の硬度を測定することができる。
また上記実施形態では、測定工程S50において山中式土壌硬度計を用いる場合について説明したが、上述の通りこれに限定されるものではない。測定工程S50において、山中式土壌硬度計とは異なる硬度計であって、円錐部と、円錐部が移動可能となるように円錐部を支持する支持部と、供試体から円錐部に加わる力により支持部に対して円錐部が移動することに応じて引張又は圧縮変形可能となるように支持部と円錐部との間に設けられたバネ体と、を備えると共に、硬度測定のための円錐部の供試体に対する貫入深さが予め設定された硬度計を用いてもよい。そして、円錐部を上記貫入深さまで供試体内に貫入可能となるように予め設定された測定時間において円錐部を供試体に押し付けると共にバネ体の引張又は圧縮の量に基づいて、上記測定時間における供試体の硬度を測定してもよい。また本発明では、円錐部と支持部とバネ体とを備える硬度計以外のものを用いて供試体の硬度を測定してもよい。
上記準備工程において、図6のように固化時間T2の到来時に基準S1を満たす複数(例えば2つ)の供試体について測定時間T1の到来時における硬度を測定し、その低い方の値を閾値S2として設定してもよい。また固化時間T2の到来時に基準S1を満たす1つの供試体についてのみ測定時間T1の到来時における硬度を測定し、その硬度値の公差を考慮して閾値S2を設定してもよい。
山中式土壌硬度計を用いて測定した硬度値と、一軸圧縮試験による圧縮強度と、の相関関係について確認するため、以下の実験を行った。
まず、砂質土を準備し、これにセメント系固化材及び水を混合することにより供試体14を作製した。そして、硬度計1(山中式土壌硬度計)を用いて円錐部2を供試体14内に貫入させたときのバネ体3の圧縮量(mm)及び硬度(kN/m)を測定した。この測定を、材齢1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、9時間、18時間及び24時間のそれぞれについて行った。また同じ供試体14を用いて一軸圧縮試験を行い、供試体の圧縮強度(kN/m)を測定した。
また粘性土及び軟弱粘性土を準備し、山中式土壌硬度計による硬度測定及び一軸圧縮試験による圧縮強度の測定について、砂質土の場合と同様に行った。
下記表1は砂質土を用いた場合の実験結果を示し、下記表2は粘性土を用いた場合の実験結果を示し、下記表3は軟弱粘性土を用いた場合の実験結果をそれぞれ示している。図9のグラフは表1〜表3のデータをプロットしたものであり、図10のグラフは表1〜表3のデータのうち圧縮量が30mm超えるものを除外してプロットしたものである。
Figure 0006384540
Figure 0006384540
Figure 0006384540
(考察)
図9及び図10のグラフから明らかなように、山中式土壌硬度計による硬度値(横軸)と圧縮強度(縦軸)との間には、土質に依らず一定の比例関係があることが分かった。しかし、図9のグラフのように、硬度値(硬度計支持強度)が大きくなるとデータのばらつきが大きくなり、圧縮強度との相関が悪くなる(相関係数Rの二乗値が0.7468)。一方、図10のグラフのように、バネ体3の圧縮量が30mm以下の範囲であれば、硬度値と圧縮強度との間に強い相関関係が見られた(相関係数Rの二乗値が0.9937)。
また土の種類毎に測定可能な時間の上限について考察すると、比較的固化し易い砂質土及び粘性土では材齢が9時間以内であればバネ体3の圧縮量が30mm以下となり、軟弱粘性土では材齢が24時間経過した時点でもバネ体3の圧縮量が30mm以下であった。また測定時間の下限について考察すると、どの種類の土でも硬度と圧縮強度との相関関係が確認できるのは材齢が6時間以上からであった。よって、6時間以上9時間以下の範囲であれば、どのような種類の土でも硬度と圧縮強度との間に強い相関関係が得られると考えられる。また軟弱粘性土の結果から考えると、腐植土のように固化し難い土の場合では24時間経過した時点でも硬度と圧縮強度との間に相関関係が得られると考えられる。よって、測定時間T1を試験のスケジュール上好ましい18時間に設定することができると考えられる。
今回開示された実施形態及び実施例は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 硬度計
2 円錐部
3 バネ体
6 支持部
10 筒体
13 混合試料
14 供試体
S20 採取工程
S30 判定工程
S40 作製工程
S41 混合工程
S42 充填工程
S50 測定工程
S60 判断工程
T1 測定時間
T2 固化時間

Claims (6)

  1. 土壌試料を採取する採取工程と、
    前記採取工程で得られた前記土壌試料と予め設定された量の固化材とを用いて、地盤改良の現地で供試体を作製する作製工程と、
    前記供試体について予め設定された固化時間よりも短い測定時間において前記現地で前記供試体の硬度を測定する測定工程と、
    前記測定工程で得られた硬度が予め設定された硬度の閾値以上であるか否かに基づいて、柱状改良工法の採用の可否を判断する判断工程と、
    前記閾値を準備する準備工程と、を備え、
    前記準備工程では、前記固化時間の到来時において強度の基準を満たすと判断される前記供試体の前記測定時間の到来時における硬度を測定し、測定された前記硬度に基づいて前記閾値を設定し、
    前記測定工程では、筒体内に収容された状態の前記供試体の硬度を、山中式土壌硬度計を用いて測定することを特徴とする、地盤改良工法の選定方法。
  2. 前記準備工程では、
    前記固化時間の到来時において強度の基準を満たさないと判断される前記供試体の前記測定時間の到来時における硬度を測定し、
    前記固化時間の到来時に強度の基準を満たす前記供試体の前記測定時間の到来時における硬度値と、前記固化時間の到来時に強度の基準を満たさない前記供試体の前記測定時間の到来時における硬度値と、の間に前記閾値を設定することを特徴とする、請求項1に記載の地盤改良工法の選定方法。
  3. 前記採取工程で得られた前記土壌試料が固化し易い土質であるか否かを判定する判定工程をさらに備え、
    前記判定工程で前記土壌試料が固化し難いと判定した場合のみ、前記作製工程、前記測定工程及び前記判断工程が行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の地盤改良工法の選定方法。
  4. 前記測定工程では、前記山中式土壌硬度計バネ体の引張又は圧縮の量が30mm以下となる前記測定時間において前記供試体の硬度を測定することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の地盤改良工法の選定方法。
  5. 前記作製工程は、
    前記土壌試料と前記固化材と水とを混合することにより、混合試料を得る混合工程と、
    前記混合試料を前記筒体内に充填する充填工程と、を含ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の地盤改良工法の選定方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の地盤改良工法の選定方法を用いて地盤改良工法を選定し、選定された工法により地盤を改良することを特徴とする、地盤改良方法。
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