JP6384144B2 - 電極活物質,電極及び電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電極活物質,それを用いてなる電極及びそれを用いてなる電池に関する。
ノート型コンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等の普及に伴い、これら小型の電子機器を駆動するための二次電池の需要が拡大している。そして、これら電子機器には、高容量化が可能であることから、非水電解質二次電池(特に、リチウムイオン二次電池)の使用が進められている。
非水電解質二次電池は、小型の電子機器への利用に加えて、車両(EV,HV,PHV)や家庭用電源(HEMS)等の大電力が求められる用途への適用も検討されている。この場合、非水電解質二次電池の電極板の大型化,多数の電極板を積層させて電極体を形成する,多数の電池セルを組み合わせて組電池とすること等の手段により、大電力を得られるようにしている。
非水電解質二次電池は、通常、正極板及び負極板をセパレータを介した状態で積層して電極体を形成し、非水電解質とともにケースに収容している。電極板は、金属板(金属箔)よりなる集電体の表面に、電極活物質を含むペーストを塗布・乾燥し、所定の形状に成形して製造される。
非水電解質二次電池の代表例であるリチウムイオン二次電池の負極活物質には、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な物質が用いられる。具体的には、シリコン系化合物の利用が進められている。このシリコン系化合物として、アモルファスシリコンがあげられる。
しかしながら、アモルファスシリコンは、充放電時の体積変化が大きいことが知られている。つまり、充放電が繰り返されると、損傷(崩壊)を生じるおそれがあった。
このような課題に対して、特許文献1〜2に記載のように、アモルファスではなくケイ素を含有した金属間化合物を利用することが開示されている。
特許文献1には、ハーフホイスラー型構造の金属間化合物を負極活物質として利用することが開示されている。この金属間化合物は、ハーフホイスラー型構造の空隙がリチウムイオンの挿入サイトとなる。
特許文献2には、ケイ素及び/またはケイ素合金粉末を用いて、その粉末と磁性金属粒子を混合した電極を特徴とすることが開示されている。この電極は、負極活物質(ケイ素及び/またはケイ素合金粉末)が体積変化(収縮)を生じても、それにより生じた空間に磁性金属粒子が入り込んで導電経路を確保することで内部抵抗の増加を抑える。
特開2012−174535号公報 特開2006−92928号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電極活物質は金属間化合物よりなるため、リチウムイオンの挿入サイトが限定され、電池容量が限定される。なお、このことは、類似構造であるホイスラー型構造の電極活物質でも同様と考えられる。
また、特許文献2に記載の電極は、電極活物質の損傷の抑制についての効果は得られない。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、電池容量を発現する電極活物質であって、電池容量を発現可能な元素を含有する新たな電極活物質を提供することを課題とする。同様の電極及び電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者は電極活物質について検討を重ねた結果、本発明をなすに至った。
本発明の電極活物質は、ラーベス相を有する基材と、アモルファス相を有するとともに基材に分散したSiを有する分散元素と、を含有するTi−Fe−Si系合金よりなることを特徴とする。
本発明の電極活物質は、基材に分散元素が分散した構成を有する。この構成によると、分散元素が電池容量を発現して体積変化を生じても、基材が分散粒子の過剰な体積変化を抑制する。この結果、本発明の電極活物質は、体積変化による損傷が抑えられた電極活物質となる。すなわち、繰り返しの充放電特性(サイクル特性)に優れた電池(及び電極)を得られる。
更に、本発明の電極活物質は、電池容量を発現する分散元素が基材に分散して配されており、分散元素の分散量を多くすることで電池容量を大きくすることができる。すなわち、得られる電池容量が限定されない。
本発明の電極活物質において、分散元素は、アモルファス相を有する。分散元素がアモルファス相を形成することで、分散元素がより電池容量を発現できる。分散元素は、Siを有する。
本発明の電極は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極活物質を用いてなることを特徴とする。
本発明の電池は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極活物質を有する電極を用いてなることを特徴とする。
本発明の電極及び電池は、本発明の電極活物質を用いてなるものであって、本発明の電極活物質により得られる効果を発揮できる。
AB型結晶の金属間化合物での六方晶(C14相)の結晶構造を示す図である。 AB型結晶の金属間化合物での立方晶(C15相)の結晶構造を示す図である。 AB型結晶の金属間化合物での二重六方晶(C36相)の結晶構造を示す図である。 実施形態のリチウムイオン二次電池の構成を示す斜視図である。 実施形態のリチウムイオン二次電池の構成を示す断面図である。 実施形態のリチウムイオン二次電池の別の構成を示す斜視図である。 実施形態のコイン型のリチウムイオン二次電池の構成を示す断面図である。 実施例の負極活物質の面分析の測定結果を示す図である。 実施例の負極活物質のXRDの測定結果を示す図である。
[電極活物質]
本発明の電極活物質は、基材と、分散元素と、を含有する合金よりなる。
基材は、ラーベス相を有する。ラーベス相は、AB型結晶の金属間化合物の相である。ラーベス相を有する基材は、このような結晶(金属間化合物)を有する構造となる。そして、この強固な結晶構造により、基材は、それ自身の損傷(崩壊)が抑えられる。
本発明において、基材は、ラーベス相を有するAB型結晶の金属間化合物と、それ以外の相を有する金属(金属間化合物)と、が混在していても良いが、ラーベス相を有するAB型結晶の金属間化合物のみからなることが好ましい。
ラーベス相は、C14相,C15相,C36相の少なくとも一つの相よりなることが好ましい。C14相は、図1に示す六方晶である。C15相は、図2に示す立方晶である。C36相は、図3に示す二重六方晶である。ラーベス相がこれらの相の少なくとも一つの相よりなることで、高い結晶性を発揮し、それ自身の損傷(崩壊)が抑えられる。
ラーベス相は、C14相,C15相,C36相より選ばれる一つの相よりなることがより好ましい。ラーベス相が一つの相から形成されることで、異なる相の結晶が含まれなくなり、金属間化合物(基材)がより高い結晶性を有することとなる。
分散元素は、基材に分散する元素である。分散元素の基材に分散するとは、分散元素が電極活物質の合金中で化合物を形成していない状態を示す。分散元素は、ラーベス相を有する金属間化合物の結晶の間(粒界)に存在しても、ラーベス相を有する金属間化合物の結晶の中(挿入サイト)に存在しても、両者に存在しても、いずれでもよい。分散元素は、ラーベス相を有する金属間化合物の結晶の間(粒界)に存在することが好ましい。
分散元素は、電極活物質から電池(電極)を形成したときに、電池容量を発現する。すなわち、分散元素は、電解質イオンを吸蔵・放出可能な元素である。本発明では、基材に分散した分散元素が電解質イオンを吸蔵・放出して体積変化を生じようとしても、その高い結晶性に基づいて基材が過剰な体積変化を規制する。この結果、分散元素の体積変化に起因する損傷が抑えられ、繰り返しの充放電特性(サイクル特性)に優れた電池(及び電極)を得られる。
分散元素は、アモルファス相を有することが好ましい。分散元素がアモルファス相を有することで、電解質イオンが分散元素(の組織)に移動(吸蔵・放出)しやすくなる。すなわち、より電池容量を発現できる。
分散元素は、基材に分散可能であり、かつ電池容量を発揮する元素であれば限定されるものではないが、13族〜15族の少なくとも一つの族に含まれる元素であることが好ましい。分散元素がこれらの族より選ばれる元素よりなることで、上記の効果を発揮できる。分散元素は、2種類以上の元素であっても良いが、1種類の元素よりなることがより好ましい。分散元素は、Si,Ge(14族)が好ましく、Siであることがより好ましい。
本発明の電極活物質を形成する合金は、平均粒径(D50)が300μm以下であることが好ましい。平均粒径が300μmを超えると、電極を製造したときに、集電体から剥離が生じやすくなる。また、電極での電極活物質の密度が低下し、更に、有効な表面積が十分に得られなくなり、電池容量を十分に発揮できなくなる。
本発明の電極活物質を形成する合金は、電気抵抗率が1×10−4Ωm以下であることが好ましい。電気抵抗率が1×10−4Ωm以下となることで、内部抵抗の増加が抑えられる。電気抵抗率が1×10−4Ωmを超えて大きくなると、電極における内部抵抗が大きくなり、電池性能の低下を招く。
本発明の電極活物質を形成する合金は、具体的な組成が限定されるものではないが、分散元素としてSiを有するTi−Fe−Si系合金であることが好ましく、分散元素としてアモルファスのSiを有する、TiFeSiで示される合金であることがより好ましい。
合金がTiFeSiの場合には、図1〜3に示したように、ラーベス相をなすAB型結晶のAにはTiが、BにはFe又はSi(Fe+Si=2となる任意の割合)が、それぞれ位置する。
(製造方法)
本発明の電極活物質は、上記の構成を有するように製造する方法であれば、その製造方法が限定されるものではない。例えば、以下の製造方法で製造することができる。
本発明の電極活物質は、基材及び分散元素を形成するための原料(すべての原料)が溶融状態で混合した溶湯を調製する工程と、溶湯を冷却する工程と、を施す製造方法である。
基材及び分散元素を形成するための原料(すべての原料)が溶融状態で混合した溶湯を調製する工程は、すべての原料の混合した溶湯(混合溶湯)を得る工程である。混合溶湯を得る方法については限定されない。
すべての原料を同時に加熱・溶融して混合溶湯としても、1種又は2種以上の原料を加熱・溶融して溶湯を得たのちに当該溶湯に他の原料を投入して混合溶湯としても、いずれでも良い。
加熱方法についても、それぞれの原料の材質(融点)により加熱温度が異なるため、すべての原料が溶融状態となる温度まで加熱できる加熱方法を適宜選択できる。また、溶融時の雰囲気についても、限定されるものではない。
なお、基材及び分散元素を形成するための原料は、純金属であっても、2種以上の原料の合金であっても、酸素等の溶湯となったときに消失する元素との化合物(酸化物)であっても、いずれでもよい。
溶融状態の溶湯を冷却する工程は、混合溶湯を冷却して凝固(固化)する工程である。混合溶湯を冷却する方法については、本発明の電極活物質を得られる方法であれば限定されない。
混合溶湯の冷却において、冷却速度は限定されるものでなく、急冷,放冷,徐冷から適宜選択できる。好ましくは放冷である。また、冷却時の雰囲気についても、限定されるものではない。
[電極]
本発明の電極は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極活物質、すなわち、上記の電極活物質を用いてなる。
本発明の電極は、非水電解質二次電池の負極板であることが好ましい。
負極板2は、負極活物質(上記の電極活物質)と結着剤とを混合して得られた負極ペーストを負極集電体の表面に塗布し、その後、乾燥、成形することで製造できる。
本発明の電極(負極)において、負極活物質は、上記の電極活物質のみからなることが好ましいが、従来公知の負極活物質と混合して用いることを排除するものではない。
導電材としては、炭素材料、金属粉、導電性ポリマーなどを用いることができる。導電性と安定性の観点から、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラックなどの炭素材料を使用することが好ましい。
結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素樹脂共重合体(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)SBR、アクリル系ゴム、フッ素系ゴム、ポリビニルアルコール(PVA)、スチレン・マレイン酸樹脂、ポリアクリル酸塩、カルボキシルメチルセルロース(CMC)などを挙げることができる。
溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒、又は水などを挙げることができる。
負極集電体としては、従来の集電体を用いることができ、銅、ステンレス、チタンあるいはニッケルなどの金属を加工したもの、例えば板状に加工した箔,網,パンチドメタル,フォームメタルなどを用いることができるが、これらに限定されない。
[電池]
本発明の電池は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極活物質、すなわち、上記の電極活物質を有する電極を用いてなる。これは、上記の電極を用いてなることを示す。
本発明の電池は、非水電解質二次電池であることが好ましい。非水電解質二次電池は、その種類が限定されるものではないが、正負両極でリチウムイオンの吸蔵・放出が行われるリチウムイオン二次電池であることが好ましい。
リチウムイオン二次電池1は、負極板2及び正極板3がセパレータ4を介して複数層積層した電極体が非水電解質5とともに電池ケース6に封入(収容)される。負極2には電池ケース6を貫通する負極端子62が、正極3には電池ケース6を貫通する正極端子63が、それぞれ電気的に接続されている。負極端子62と正極端子63は、いずれも金属箔(金属シート)よりなる。リチウムイオン二次電池の代表的な構成であるラミネート型電池の構成を、図4〜図5に示す。
(負極)
負極板2は、上記の本発明の電極(負極板2)である。
(正極)
正極板3は、正極活物質、導電材及び結着材を混合して得られた正極ペーストを正極集電体に塗布し、その後、上記の負極板2(電極板)と同様に処理して製造される。
正極活物質は、従来公知の正極活物質を用いることができる。正極活物質は、例えば、種々の酸化物、硫化物、リチウム含有酸化物、導電性高分子などを用いることができる。正極活物質は、リチウム−遷移金属複合酸化物であることが好ましい。
リチウム−遷移金属複合酸化物は、ポリアニオン構造のリチウム金属化合物(Liα βη4−γγ)であることがより好ましい。(なお、M:Mn,Co,Ni,Fe,Cu,Cr,Mg,Ca,Zn,Tiより選ばれる1種以上、X:P,As,Si,Mo,Geより選ばれる1種以上、Z:Al,Mg,Ca,Zn,Tiより選ばれる1種以上を任意で含有可能、0≦α≦2.0、0≦β≦1.5、1≦η≦1.5、0≦γ≦1.5)
リチウム−遷移金属複合酸化物は、オリビン構造のリチウム−遷移金属複合酸化物であることが好ましい。このオリビン構造のリチウム−遷移金属複合酸化物としては、LiFePO,LiFeMn1−xPO(0≦x<1)を例示できる。
導電材は、正極の電気伝導性を確保する。導電材としては、黒鉛の微粒子,アセチレンブラック,ケッチェンブラック,カーボンナノファイバーなどのカーボンブラック,ニードルコークスなどの無定形炭素の微粒子などを使用できるが、これらに限定されない。
結着剤は、正極活物質粒子や導電材を結着する。結着剤としては、例えば、PVDF,EPDM,SBR,NBR,フッ素ゴムなどを使用できるが、これらに限定されない。
正極合剤は、溶媒に分散させて正極集電体に塗布される。溶媒としては、通常は結着剤を溶解する有機溶媒を使用する。例えば、NMP,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,メチルエチルケトン,シクロヘキサノン,酢酸メチル,アクリル酸メチル,ジエチルトリアミン,N−N−ジメチルアミノプロピルアミン,エチレンオキシド,テトラヒドロフランなどを挙げることができるが、これらに限定されない。また、水に分散剤、増粘剤などを加えてPTFEなどで正極活物質をスラリー化する場合もある。
正極集電体は、例えば、アルミニウム,ステンレスなどの金属を加工したもの、例えば板状に加工した箔,網,パンチドメタル,フォームメタルなどを用いることができるが、これらに限定されない。
負極板2と正極板3の大きさは限定されるものではなく、所望の電池性能を発揮できる正極活物質及び負極活物質を備えた電極活物質層を有する形状とすることができる。なお、リチウムイオン二次電池1において、負極板2(負極活物質層)は、その面積を正極板3(正極活物質層)の面積以上とする(広い面積で形成される)ことができる。
(非水電解質)
非水電解質5は、支持塩が有機溶媒に溶解してなるものを用いる。
非水電解質5の支持塩は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF,LiBF,LiClO及びLiAsFから選ばれる無機塩,これらの無機塩の誘導体,LiSOCF,LiC(SOCF及びLiN(SOCF,LiN(SO,LiN(SOCF)(SO),から選ばれる有機塩、並びにこれらの有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが望ましい。これらの支持塩は、電池性能を更に優れたものとすることができ、かつその電池性能を室温以外の温度域においても更に高く維持することができる。支持塩の濃度についても特に限定されるものではなく、用途に応じ、支持塩及び有機溶媒の種類を考慮して適切に選択することが好ましい。
支持塩が溶解する有機溶媒(非水溶媒)は、通常の非水電解質に用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えばカーボネート類,ハロゲン化炭化水素,エーテル類,ケトン類,ニトリル類,ラクトン類,オキソラン化合物等を用いることができる。特に、プロピレンカーボネート,エチレンカーボネート,1,2−ジメトキシエタン,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,エチルメチルカーボネート,ビニレンカーボネート等及びそれらの混合溶媒が適当である。例に挙げたこれらの有機溶媒のうち、特にカーボネート類,エーテル類からなる群より選ばれた1種以上の非水溶媒を用いることにより、支持塩の溶解性、誘電率及び粘度において優れ、電池の充放電効率が高いので、好ましい。
リチウムイオン二次電池1において、最も好ましい非水電解質は、支持塩が有機溶媒に溶解したものである。
(セパレータ)
セパレータ4は、負極板2と正極板3との間に介在し、両者を電気的に絶縁するとともに、非水電解質5を保持する。
セパレータ4は、その大きさが限定されるものではない。リチウムイオン二次電池1において、正極板及び負極板を電気的に絶縁するために、これら電極板よりも大きいことが好ましい。
セパレータ4は、例えば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いる。セパレータ4は、2つの電極板の電気的な絶縁を担保するために、それぞれの電極板又は電極活物質層よりも大きな寸法で成形される。
(電池ケース)
電池ケース6は、ラミネート外装体より形成される。ラミネート外装体は、ラミネートフィルム60から構成される。ラミネートフィルム60は、可塑性樹脂層600/金属箔601/可塑性樹脂層602をこの順で含む。これらの層以外にも、樹脂層や金属層を含んでいてもよい。ラミネートフィルム60の表面や、各層の間には何らかの表面処理(プラズマ処理、酸処理、化学的処理など)を行い、それぞれの層間や接着される部材との間の接着性を向上することができる。そして熱融着する面には可塑性樹脂層を配設する。可塑性樹脂層は、熱や何らかの溶媒により軟化させた状態で他のラミネートフィルム(又は電極端子62,63)などに押圧することにより接着される。2つの可塑性樹脂層600,602を構成する可塑性樹脂は、同じ材料であっても、異なる材料であっても、いずれでもよい。可塑性樹脂層600,602を構成する可塑性樹脂としては非水電解質5に対して安定性が高い材料であることが望ましく、例えばポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ナイロン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体などのフッ素樹脂、ポリカーボネートなどを単独で又は複数積層して又は複数混合(ポリマーアロイなどとして)用いることができる。
この電池ケース6は、ラミネート外装体に限定されるものではなく、円柱状や角柱状の樹脂や金属の硬質材料よりなるケースを用いてもよい。
(電極端子)
電極端子(負極端子62,正極端子63)は、電極体の負極板2の集電タブ20又は正極板3の集電タブ30に電気的に接続されている。電極端子62,63は、シート状の金属板で形成される。電極端子62,63は、接続される負極板2,正極板3のそれぞれの集電タブ20,30(集電体)と同じ材料を使用することができる。
電極端子62,63のそれぞれがラミネート外装体よりなる電池ケース6を貫通する部分では、ラミネート外装体を構成するラミネートフィルム60の可塑性樹脂層602と電極端子62,63とが密封状態を保つように接合されている。つまり、ラミネートフィルム60を重ね合わせて融着するときに、その間に電極端子62,63を挟持することにより、電極端子62,63とラミネートフィルム60とが接合される。
電極端子62,63は、ラミネートフィルム60との接着性を向上する目的で表面処理を行ったり、金属製のタブ本体とその表面を被覆する可塑性樹脂層とから構成したりすることができる。電極端子62,63に行う表面処理としては、表面粗化などを行いアンカー効果を期待する物理的なものや、プラズマ処理やプライマー塗布によって化学的に表面を活性化したりするものが例示できる。
電極端子62,63は、その幅及び設置位置が限定されるものではないが、電極板2,3との電流の流れを阻害しないためには、可能な限り断面積(端子の幅)が広いことが好ましい。電極端子62,63の幅が広くなると、電極体で発生した熱の放熱にも寄与できる。
リチウムイオン二次電池1は、一対の電極端子62,63が互いに背向する方向に突出して設けられても(図4で示した形態)、図6に示したように一対の電極端子62,63が同一方向に突出して設けられても、いずれでもよい。
電極端子62,63は、電池ケース6がラミネート外装体よりなる場合にはシート状の金属板であることが好ましいが、例えば、電池ケース6が硬質材料よりなる場合には棒状とすることが好ましい。
[電池の別の構成]
リチウムイオン二次電池の別の代表的な構成であるコイン型電池の構成を、図7に断面図で示す。
コイン型の電池は、負極ケース72,正極ケース73,シール材74(ガスケット),負極2,正極3,非水電解質5,セパレータ4,保持部材75などを有する。
負極2,正極3,セパレータ4及び非水電解質5は、上記のラミネート型電池と同様とすることができる。
負極ケース72と正極ケース73は絶縁性のシール材74を介して、負極2,正極3,セパレータ4,非水電解質5及び保持部材75などを封入(密封)する。
負極ケース72は、負極集電体21を介して負極合剤層22が面接触する。正極ケース73は、正極集電体31を介して正極合剤層32が面接触して導電する。
保持部材75は、負極2(負極合剤層22),正極3(正極合剤層32),及びセパレータ4を所定の位置に保持するように機能する。保持部材75は、弾性片やバネ等の弾性部材を用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
本発明の実施例として、負極活物質及びそれを用いてなるリチウムイオン二次電池(負極)を製造する。
[実施例]
チタン(Ti源),鉄(Fe源),ケイ素(Si源)を原子比で1:2:1となるように秤量する。
これらの混合粉末をアーク溶解し、放冷する。
以上により、全体としてTiFeSiの組成をもつ合金が製造された。
得られた合金を、平均粒径(D50)を100μm以下となるように粉砕・分級する。
以上により本実施例の電極活物質(負極活物質)が得られた。
(評価)
製造された負極活物質についてその評価(構成の確認)を行った。
(EPMA)
製造された負極活物質をφ15mmのペレット状に成形し、その試料中央部を、ビーム径φ1μmの条件でEPMAで観察した。具体的には、試料中央部の任意の3カ所で組成を観察し、それぞれの平均値を求めた。
その結果、Ti:25%,Fe:46%,Si:25%,C:4%の原子比で含まれることが確認された。ここで、Cは不可避不純物である。すなわち、製造された負極活物質は、TiFeSiの組成を有していることが確認できた。
(面分析)
負極活物質試料の表面に面分析を行った。面分析として、負極活物質試料を構成する各元素の分布を求め、Siの観測結果を図8に示した。
図8に示したように、負極活物質試料は、Siが、均一に分散している(偏在していない)ことが確認できた。仮に、Siが偏在しているとすると、Siが結晶で存在していると解される。
(XRD)
次に、製造された負極活物質をXRDで観察した。XRDの観察結果を図9に示した。なお、TiFeSiについてもXRDを観測し、合わせて示した。
図9に示したように、負極活物質は、TiFe2.91Si1.09の構造を備えていることが読み取れる。そして、TiFeSiの回折ピークとは異なるピークを示していることから、TiFeSiのホイスラー構造とは異なる構造をもつことが確認できる。
また、XRDで解析された負極活物質の構造(TiFe2.91Si1.09)は、AB型であることを示しており、ラーベス相の金属間化合物であることがわかる。
そして、EPMAの結果(TiFeSiの組成)と、ラーベス相を有する金属間化合物の組成(TiFe2.91Si1.09)と、から、金属間化合物を形成していないケイ素(Si)が存在することが確認できる。
面分析によると、Siが均一に分散し偏析していないことがわかる。このことから、金属間化合物を形成していないケイ素(Si)は、アモルファス状であると解釈できる。
以上に示したように、実施例の負極活物質は、ラーベス相を有する基材(TiFe2.91Si1.09)と、基材に分散したアモルファス相を形成する分散元素(Si)と、を含有する合金よりなることが確認できた。
(電気抵抗率)
また、実施例の負極活物質の電気抵抗率を測定したところ、2.5×10−6Ωm以下と、電気抵抗率が小さいことも確認できた。すなわち、負極活物質として使用しても、内部抵抗の上昇を招かないことが確認できた。
[リチウムイオン二次電池]
(負極)
上記の負極活物質86質量部,導電材(アセチレンブラック)7質量部,結着剤(PVDF)7質量部を溶媒(NMP)とともに混合して、負極ペーストを調製した。負極ペーストは、59%の固形分比を有する。
負極ペーストを厚さ0.015mmのアルミ箔よりなる負極集電体の両面に塗布、乾燥、圧縮し、負極活物質層を有する負極板が製造された。
(正極)
正極(対極)には金属リチウムを用いた。
(非水電解質)
非水電解質には、EC:DECが50:50の割合(vol%)になるように混合した混合溶媒に、LiPFを1mol%となるように溶解させたものが用いられた。
(リチウムイオン二次電池の組み立て)
負極(負極活物質層)及び正極をセパレータを介して対向した状態で非水電解質とともにケースに封入して、本実施例のリチウムイオン二次電池が製造された。
(評価)
実施例のリチウムイオン二次電池の評価として、充放電を行い、充放電容量を測定した。具体的には、雰囲気温度25℃で、CC−CV充電(0.2C、0.005V)及びCC放電(1.6Vまで)を1サイクルとして充放電を3回繰り返し、それぞれの充放電時の容量を求めた。そして、(放電容量)/(充電容量)で得られる充放電効率(%)を求めた。
その結果、実施例のリチウムイオン二次電池では、初回〜3回のいずれのサイクルでの充放電においても、充放電可能な電池容量が確認された。すなわち、リチウムイオン二次電池として使用できることが確認できた。
また、実施例のリチウムイオン二次電池では、充放電効率についても、いずれのサイクルにおいても、すなわち、50%以上の値を有していることが確認できた。
上記のように、実施例のリチウムイオン二次電池では充放電容量を有していることが確認できた。すなわち、実施例の電極活物質は、リチウムイオン二次電池の負極活物質として機能を発揮できることが確認できた。すなわち、ラーベス相を有する基材と、基材に分散したアモルファス相を形成するSiと、を含有する合金よりなる実施例の負極活物質は、アモルファス相を形成するSiが電池容量を発現することがわかった。
1:リチウムイオン二次電池
2:負極板(電極板) 20:負極集電体
21:負極活物質層
3:正極板(電極板) 30:正極集電体
31:正極活物質層
4:セパレータ
5:非水電解質
6:電池ケース 60:ラミネートフィルム
62:負極端子(電極端子) 63:正極端子(電極端子)
72:負極ケース 73:正極ケース
74:シール材(ガスケット) 75:保持部材

Claims (7)

  1. ラーベス相を有する基材と、アモルファス相を有するとともに該基材に分散したSiを有する分散元素と、を含有するTi−Fe−Si系合金よりなることを特徴とする電極活物質。
  2. 前記分散元素は、13族〜15族の少なくとも一つの族に含まれる元素である請求項1記載の電極活物質。
  3. 前記ラーベス相は、C14相,C15相,C36相の少なくとも一つの相よりなる請求項1〜2のいずれか1項に記載の電極活物質。
  4. 前記合金は、平均粒径(D50)が300μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極活物質。
  5. 前記合金は、電気抵抗率が1×10−4Ωm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極活物質。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極活物質を用いてなることを特徴とする電極。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極活物質を有する電極(2)を用いてなることを特徴とする電池。
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