JP6384033B2 - 細胞培養容器用ラベル - Google Patents

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Description

本発明は、細胞培養容器に貼付するためのラベル、細胞培養容器とラベルのキット、及びラベルが貼付された細胞培養容器に関する。
培養系で精子と卵子とを体外受精させて受精卵(接合子)を作製して、さらに受精卵を卵割、桑実胚、胚盤胞の段階を経て、透明帯から孵化した脱出胚盤胞の段階まで培養することが可能となり、この卵割から胚盤胞の段階にある受精卵を子宮に移植して産子を得る補助的生殖技術(ART)が、家畜領域のみならずヒトの不妊医療でも確立されている。
このような不妊医療及び生殖補助医療などの分野においては、精子、卵子、及び受精卵などの検体の取り違えが問題となっている。特にこの種の治療においては検体を容器から容器へと移し替える回数が多いため、誤って他人の検体を使用してしまう事件も発生しやすい。再生医療などの分野においても、患者から採取した組織や細胞を培養して、再び本人の体内へ移植されるため、検体の取違えを防止することは非常に重要となっている。
このような取り違えを防止するため、通常、容器自体に患者名やIDなどを記入すること、患者名を記載したラベルを貼付することが行われている。また、読み取りの自動化のため、バーコードやICチップなどを用いる手法なども提案されている。
例えば、特許文献1に記載されるように、ラベルを容器側面に貼付すると、ラベルに記載された情報を読み取る時に内容物をこぼす等のリスクが高いため、容器の裏面に貼付するか、容器蓋の表面に貼付する必要があった。しかし、容器蓋にラベルを貼付すると、作業時に別の容器の蓋と取違えるといった本質的な問題があり、容器本体にラベルを貼付することが重要である。
特許第4862704号公報
本発明は、細胞培養容器本体に、情報を読み取りやすく、かつ細胞観察や培養操作を妨げないよう貼り付けることが可能な細胞培養容器用ラベルを提供することを目的とする。
本発明者らは、シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備えたラベルにおいて、剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、記入領域と、透明領域と、粘着領域とが存在するよう構成し、かつ細胞培養容器の底部外側に、底部からはみ出さないように貼付可能なサイズとすることにより、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルであって、
シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、
剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域と、透明領域と、粘着領域とが存在するよう構成される、
ラベル。
(2)底部に、培養領域と透明又は半透明の透過読取可能領域とを有する細胞培養容器に貼付するためのラベルであり、
ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、細胞培養容器の透過読取可能領域とラベルの記入領域とが重なり、細胞培養容器の培養領域とラベルの透明領域とが重なるように構成される、
(1)に記載のラベル。
(3)剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域が透明領域の周囲に形成され、粘着領域が記入領域の周囲に形成される、(1)又は(2)に記載のラベル。
(4)剥離基材を粘着層から部分的に剥離可能なように、剥離基材に切込み線が形成されており、剥離基材の剥離されない部分が記入領域を構成する、(1)〜(3)のいずれかに記載のラベル。
(5)粘着層がシート状基材の片面に部分的に形成されており、シート状基材の前記片面において粘着層が形成されていない領域が記入領域を構成する、(1)〜(3)のいずれかに記載のラベル。
(6)透明領域が、シート状基材、粘着層及び剥離基材のいずれも存在しない領域である、(1)〜(5)のいずれかに記載のラベル。
(7)剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、粘着領域は、ラベルの外周部に形成される、(1)〜(6)のいずれかに記載のラベル。
(8)細胞培養容器の底部外側に、底部からはみ出さないように貼付可能なサイズを有する、(1)〜(7)のいずれかに記載のラベル。
(9)さらに保持部を有し、保持部が、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付したときに底部からはみ出すように構成される、(1)〜(7)のいずれかに記載のラベル。
(10)ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付後、保持部を切り離し可能なように切込み線が形成されており、切込み線は、保持部を切り離した後のラベルが、細胞培養容器の底部からはみ出さないように形成される、(9)に記載のラベル。
(11)保持部に粘着層を有しない部分が存在する、(9)又は(10)に記載のラベル。
(12)保持部が粘着層を有しない、(11)に記載のラベル。
(13)底部に、透明又は半透明な透過読取可能領域と細胞培養領域とを有する細胞培養容器、及び
細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルであって、
シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、
剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域と、透明領域と、粘着領域とが存在するよう構成される、
ラベル、
を含むキット。
(14)底部に、透明又は半透明な透過読取可能領域と細胞培養領域とを有する細胞培養容器であって、
その底部外側にラベルが貼付されており、
ラベルが、シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域と、透明領域と、粘着領域とが存在するよう構成され、粘着領域が細胞培養容器の底部外側に貼付されている、
細胞培養容器。
(15)細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルが複数形成されたシートであって、
各ラベルが、シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域と、透明領域と、粘着領域とが存在するよう構成される、
シート。
本発明により、細胞培養容器本体に、情報を読み取りやすく、かつ細胞観察や培養操作を妨げないよう貼り付けることが可能な細胞培養容器用ラベルが提供され、不妊医療、生殖補助医療及び再生医療などの分野において、検体の取違えの問題を回避できる。
本発明のラベルの一実施形態の上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を部分的に粘着層から剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を部分的に粘着層から剥離したときの、垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を示す概略図である。 保持部を有するラベルが複数形成されたシートの一実施形態の上面視を示す概略図である。 保持部を有するラベルが複数形成されたシートの一実施形態の垂直断面図を示す概略図である。 保持部を有するラベルが複数形成されたシートの一実施形態の使用方法を示す概略図である。 本発明のラベルの一実施形態において、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の写真を示す。
以下、本発明について説明する。
本発明のラベルは、細胞培養容器の底部外側に貼付するためのものであり、
シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、
剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域と、透明領域と、粘着領域とが存在するよう構成される。
本発明のラベルは、当技術分野で通常用いられる細胞培養容器に貼付可能である。例えば、底部と側壁と開口部を有し、底部で細胞を培養することが可能な汎用のシャーレに貼付することができる。汎用のシャーレとしては、開口部が好ましくは円形で、開口幅が、好ましくは30〜60mm、特に35mmのものが挙げられる。本発明のラベルは、細胞培養容器の底部外側に貼付するように構成されている。底部外側とは、細胞培養容器において細胞を配置して培養する底部の容器内側に対し、その反対側、換言すれば容器の裏側をさす。一実施形態においてラベルは、細胞培養容器の底部外側に、底部からはみ出さないように貼付可能なサイズを有する。すなわち、一実施形態においてラベルは、細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、細胞培養容器側からの上面視において、ラベルが細胞培養容器の底部からはみ出さないようなサイズ及び形状を有する。好ましくは、ラベルの外周が形成する図形が、細胞培養容器の底部の外周が形成する図形と相似であり、ラベルのサイズの方が少し小さいこと(例えば面積で90%程度)が好ましい。したがって、細胞培養容器の底部の外周が円形であれば、ラベルの外周の形状も円形であることが好ましい。ラベルが底部からはみ出すことで、容器の持ち運びが困難になり容器を落とすリスクが高まること、インキュベーター内で培養する際に余分なスペースが必要になること、隣同士の容器と接触して内容物をこぼすなどのリスクが高まることなどの問題があるが、底部からはみ出さないように貼付可能なサイズとすることで、持ち運び時や培養時に接触するリスクを軽減し作業性を向上させることができる。
一実施形態においてラベルは、底部に、培養領域と透明又は半透明の透過読取可能領域とを有する細胞培養容器に貼付するために、好適に用いられる。培養領域は、細胞培養容器の底部において細胞を配置して培養する領域である。ラベルを底部外側に貼付する際に、わかりやすいように、底部のその他領域と視認可能に区別されていることが好ましい。例えば、培養領域を内壁で囲むことにより区別されていてもよいし、単に線で囲むことにより区別されていてもよい。培養領域は、好ましくは細胞培養容器の底部の中心に位置し、培養領域を取り囲むその他の領域が透明又は半透明の透過読取可能領域であることが好ましい。したがって、一実施形態において細胞培養容器の透過読取可能領域は、培養領域の周囲に形成される。
透明又は半透明の透過読取可能領域は、ラベルを細胞培養容器の底部に貼付した状態で、容器側からラベルを透過読取可能な程度に透明又は半透明な領域をさす。当技術分野で慣用されるシャーレ等の細胞培養容器は、全体が透明又は半透明であることが多いので、本発明のラベルは、慣用のシャーレに好適に用いることができる。細胞観察の観点から、培養領域も透明又は半透明の透過読取可能領域であることが好ましい。一実施形態においてラベルは、容器底部の一部で培養を実施する慣用のシャーレのように、培養領域も透過読取可能領域も透明又は半透明で実質的に区別がつかない細胞培養容器に添付するためにも好適に用いられる。
本発明のラベルは、シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備える。そして、剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域と、透明領域と、粘着領域とが存在するよう構成される。剥離基材は、部分的に粘着層から剥離可能なように、切込み線(例えば、ハーフカット)が形成されていることが好ましい。切込み線は、力を加えることにより切り離し剥離可能なもの、例えばミシン目状やV字カットでもよい。底部に、培養領域と透明又は半透明の透過読取可能領域とを有する細胞培養容器にラベルを貼付する場合は、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、細胞培養容器の透過読取可能領域とラベルの記入領域とが重なり、細胞培養容器の培養領域とラベルの透明領域とが重なることが好ましい。細胞培養容器の透過読取可能領域とラベルの記入領域とが重なることにより、記入領域に記入又は印字された情報を、細胞培養容器側から読み取ることができる。
記入領域は、必要な情報、例えば、ラベルを貼付する細胞培養容器で培養される検体の情報を記入するための領域である。情報は、記入済みであってもよいし、使用者がラベルを貼付する前に記入してもよい。一実施形態においては、剥離基材を粘着層から部分的に剥離可能なように、剥離基材に切込み線が形成されており、剥離基材の剥離されない部分が記入領域を構成する。剥離基材の剥離されない領域であって、粘着層と接していない側の面が記入領域となる。その場合、粘着層は、好ましくはシート状基材の片面の全面に形成され、剥離基材も剥離前において、粘着層の全面に接着される。別の実施形態においては、粘着層がシート状基材の片面に部分的に形成されており、シート状基材の片面において粘着層が形成されていない領域が記入領域を構成する。シート状基材の粘着層が形成される側の面のうち、粘着層が形成されておらず露出した領域が記入領域である。その場合、剥離基材は剥離前において、粘着層の全面に接着される。
さらに別の実施形態においては、剥離基材を剥離した後の粘着層が露出した領域、すなわち粘着領域が記入領域を兼ねていてもよく、露出した粘着層に情報を記入してもよい。その場合、粘着層は好ましくはシート状基材の片面の全面に形成され、剥離基材も剥離前において、粘着層の全面に接着される。
記入領域に記入される情報としては、例えば、患者名、患者識別番号(カルテ番号や培養管理番号など)、検体名、日付、処理工程名などが挙げられる。また、バーコードやQRコード、アノトドット等の識別記号が記入/印字されていてもよい。これらの情報は、内容によって記入領域に事前に記入されていてもよいし、使用者が記入してもよいし、事前に記入された情報に使用者が追記してもよい。また、ラベルを容器に貼付した状態で、記入領域が透明な場合(例えば、シート状基材や粘着層が透明な場合)は、シート状基材の粘着層が形成されていない側の面に、情報を細胞培養容器側から観察して視認できるように、反転した文字等で印字してもよい。その場合、反転した文字等は、使用者が手で記入するのは困難なため、予め印字されているか、プリンター等によって鏡像印刷することが好ましい。
粘着領域は、剥離基材が粘着層から剥離されることにより粘着層が露出した領域であり、当該領域を介してラベルを細胞培養容器の底部に貼付することができる。一実施形態において剥離基材は、部分的に粘着層から剥離可能なように切込み線が形成されており、剥離基材が切込み線に沿って部分的に剥離されることにより、粘着層が部分的に露出して粘着領域を形成する。別の実施形態においては、粘着層がシート状基材の片面に部分的に形成されており、部分的に形成された粘着層に接着した剥離基材がすべて剥離されることにより粘着層が露出した領域が粘着領域となる。
粘着領域を介してラベルを細胞培養容器の底部に貼付することから、粘着領域は、ラベルの外周部に形成されることが好ましい。ラベルの外周部は、ラベルの一定の範囲をとりまく外側の領域をさし、好ましくはラベルの外縁を含む。ラベルの外縁を含む場合、内側の一定の範囲を囲んでいればラベルの外縁全部を含む必要はなく、例えば保持部を含まなくてもよい。その場合、記入領域は、外周部に形成された粘着領域の内側に形成されることが好ましい。細胞培養容器の底部外周部とラベルの外周部とを接触させて貼付することにより、ラベルを安定に容器に貼付することができ、作業中のラベルがはがれてしまうリスクを低減することができる。また、ラベルの内側を粘着領域で取り囲むように貼付されることから、粘着領域の内側の記入領域に存在するインクなどの物質が拡散するのを抑制できる。ラベル外周部に形成された粘着領域の内側に形成された記入領域の内側に透明領域が存在する場合は、透明領域を囲む内周部に粘着領域がさらに存在することが好ましい。外周部と内周部の粘着領域を介してラベルを細胞培養容器に貼付することにより、より強固な貼付が可能になるとともに、記入領域に存在するインクなどの物質を密封し、拡散を抑制する効果も向上させることができる。
透明領域は、透過観察可能な程度に透明な領域である。透明領域は、ラベルを細胞培養容器に貼付した状態で、顕微鏡観察等を行う場合に、細胞観察を妨げない。したがって、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、細胞培養容器の培養領域とラベルの透明領域とが重なるように、ラベルを設計することが好ましい。細胞培養容器の培養領域とラベルの透明領域の重なりは、完全に一致している必要はなく、ラベルを貼付した状態で、ラベルの透明領域が、培養領域全体と重なりかつそれより広くてもよい。また、培養領域の観察を妨げない限り、ラベルの透明領域が、培養領域全体と重なっておらずそれより狭くてもよい。顕微鏡観察においては、通常、光を培養領域に透過させて観察することから、細胞培養容器の培養領域もまた、透過観察可能なように透明であることが好ましい。
一実施形態において透明領域は、シート状基材、粘着層及び剥離基材のいずれも存在しない領域、例えばラベルにおける貫通孔である。あるいは、透明領域は、透明なシート状基材のみが存在する領域であってもよく、透明なシート状基材と透明な粘着層が存在する領域であってもよく、透明なシート状基材、透明な粘着層及び透明な剥離基材が存在する領域であってもよい。したがって、一実施形態においてラベルのシート状基材、粘着層及び剥離基材はすべて透明である。
一実施形態においてラベルは、さらに保持部を有し、保持部は、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付したときに底部からはみ出すように構成される。このような保持部を有するラベルは、作業用の手袋をしながらでもつまみやすく、細胞培養容器の底部外側に貼付しやすいため、作業効率を向上させることができる。
一実施形態においてラベルは、保持部を切り離し可能なように切込み線が形成されており、保持部を切り離した後のラベルは、細胞培養容器の底部外側に、底部からはみ出さないように貼付可能なサイズを有する。切込み線を形成することにより、ラベルを細胞培養容器の底部に貼付した後に、貼付後は不要となる保持部を切り離すことができる。切込み線は、力を加えることにより切り離し剥離可能なもの、例えばミシン目状やV字カットでもよい。一実施形態において、容器の底部外側に貼付して保持部を切り離した後のラベルは、容器側からの上面視において細胞培養容器の底部からはみ出している部分がなく、細胞培養容器を重ねたり、機器に設置したりする際に邪魔にならないという利点を有する。一実施形態において切込み線は、細胞培養容器の底部に貼付した状態で、容器側からの上面視において、細胞培養容器の底部外周に沿うように形成される。細胞培養容器の底部外周が円形の場合は、円形の外周に沿うように切込み線を円弧状に形成することにより、記入領域をできる限り広くすることができる。別の実施形態において切込み線は、直線状に形成される。切込み線を直線状とすることで、ラベル貼付後の保持部の切り離しが容易になる。
一実施形態において保持部は、シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材剥離可能に配置される剥離基材とを備える。保持部はラベルの一部であり、保持部を構成するシート状基材、粘着層及び剥離基材は、ラベルのその他の部分から連続して形成される。一実施形態においては、剥離基材を剥離してラベルを貼付する際に、保持部から剥離基材は除去され、シート状基材と粘着層を備えた保持部をつまんで容器に貼付することができる。好ましくはシート状基材と粘着層に切込み線が形成されており、容器に貼付した後に切込み線に沿って、保持部を切り離すことができる。
保持部において、粘着層は、シート状基材の片面に全面に形成されていてもよく、あるいはシート状基材の片面に部分的に形成されていてもよい。全面に形成されている場合は、剥離基材を剥離後の保持部は、全面が粘着層となり、保持部をつまむときに指や器具に保持部が貼り付いてしまうという問題があるが、保持部に粘着層を有しない部分があるか、保持部が粘着層を有しない場合は、剥離基材の剥離後に保持部においてシート状基材が露出する領域が存在することで、上記のような問題を回避できる。また、剥離基材の剥離前においては、保持部において粘着層を有しない部分が存在するため、剥離基材が接着しておらず遊離した部分があり、剥離基材の剥離を容易に実施することができる。
保持部が粘着層を全く有しない場合であって、シート状基材と剥離基材から構成される場合でも、シート状基材と剥離基材がラベルの保持部以外の部分で粘着層を介して接着することにより、保持部においても一体性を維持することができる。その場合、剥離基材を剥離した後の保持部は、シート状基材のみで構成され、シート状基材に切込み線が形成されていれば、ラベル貼付後に保持部を切り離すことができる。保持部に剥離基材が最初から存在せず、保持部がシート状基材のみからなっていてもよく、その場合も、保持部をつまむときに指や器具に保持部が貼り付いてしまうという問題がない。
一実施形態においては、複数のラベルを一枚のシートに形成することができる。シートには、各ラベルをシートから切り取り可能なように、各ラベルの外周に沿って切込み線が形成される。一実施形態において、ラベルの外周に沿って形成される切込み線は、シート状基材と粘着層にのみハーフカットとして形成され、剥離基材には対応する切込み線が存在しない。それにより、保持部をつまんで引き上げることで、各ラベルを剥離基材が剥離された状態、すなわち細胞培養容器に貼付可能な状態で切り取ることができる。ラベルの透明領域が貫通孔である場合は、透明領域に相当する部分に同様の切込み線を形成してもよい。
本発明のラベルは、当技術分野で通常用いられる方法で、シート状基材の片面に粘着層を形成し、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に剥離基材を配置することにより製造することができる。シート状基材は、特に制限されないが、例えば、紙及びプラスチックフィルムなどを使用することができる。紙としては、上質紙、コート紙、クラフト紙、アート紙、その他各種板紙、加工紙、合成紙などが使用できる。シート状基材は、耐水性を有する材料であることが好ましい。耐水性とすることにより、高湿度な環境でも利用可能であるとともに、作業時に培養液や水が接触しても、損傷を回避できる。シート状基材が記入領域を構成する実施形態においては、シート状基材のうち少なくとも記入領域を構成する領域については、記入可能な材料で形成されていることが好ましい。記入領域を構成する領域の表面のみ、記入可能な材料で形成されていてもよい。記入可能な材料としては、例えば合成紙ではユポ(ユポコーポレーション社製:ポリプロピレン樹脂系)やクリスパー(東洋紡社製:ポリエステル樹脂系)などがあり、コートフィルムではレーザーピーチ(日清紡ポリスタケミカル社製:ポリエステルフィルム)などがある。
粘着層に用いる粘着剤としては、特に制限されないが、例えば、天然ゴム、ブタジエン−スチレンゴム、アクリルゴムなどの合成ゴムを主成分とするゴム系粘着剤、アクリル酸、アクリル酸ブチルなどを主成分とするアクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、フッ素系粘着剤などの通常使用されている粘着剤が使用される。中でもゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤が一般的に使用される。粘着層は、再貼付可能な弱粘着性の粘着剤で形成されていてもよい。弱粘着性の粘着剤で粘着層を形成することにより、ラベルを容器に一度貼付した後に情報を追記したい場合に、ラベルを容器から剥がして記入し、再度貼付することができる。
粘着剤を塗布する方法としては、例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、コンマーコーターなどを使用することができる。また粘着剤の粘度によっては、グラビアコーター、ブレードコーターなどが使用できる。粘着剤は、耐水性を有する材料であることが好ましい。耐水性とすることにより、高湿度な環境でも利用可能であるとともに、作業時に培養液や水が接触しても、損傷を回避できる。
剥離基材は、特に制限されないが、例えば、プラスチックフィルムを使用できる。また、グラシン紙、クラフト紙などにシリコン膜を剥離層として形成したものも好適に使用できる。また紙と剥離層の間に樹脂ラミネート層を有するものも使用できる。またプラスチックフィルムにシリコン膜を剥離層として形成したものも使用できる。剥離基材は、耐水性を有する材料であることが好ましい。耐水性とすることにより、高湿度な環境でも利用可能であるとともに、作業時に培養液や水が接触しても、損傷を回避できる。剥離基材における切込み線を形成する方法として、所望する形状の抜き刃、ハーフカット刃を木型に埋め込んだトムソン抜き型や、金型を用いてプレスすることにより形成することができる。
本発明はまた、底部に、透明又は半透明な透過読取可能領域と細胞培養領域とを有する細胞培養容器及び上記ラベルを含むキット、ならびに底部に、透明又は半透明な透過読取可能領域と細胞培養領域とを有する細胞培養容器であって、その底部外側に上記ラベルが貼付された細胞培養容器に関する。
細胞培養容器の形状等については、上述のとおりであり、その材質は、特に制限されない。具体的には、金属、ガラス、及びシリコン等の無機材料、プラスチック(例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)で代表される有機材料を挙げることができる。細胞培養容器は、当業者に公知の方法で製造することができる。例えば、プラスチック材料からなる培養容器を製造する場合には、慣用の成形法、例えば射出成形により製造することができる。
細胞培養容器は、培養細胞の非特異的接着を防止し、また培養液のドロップが表面張力によって偏ることを防止する観点から、内側にプラズマ処理などの表面親水化処理することが好ましい。さらにγ線滅菌などの滅菌処理されていることがより好ましい。ラベルを貼付した細胞培養容器も同様に滅菌処理されていることが好ましい。滅菌前の容器に付着している菌数(バイオバーデン数)は、100cfu/容器以下であることが好ましい。ラベルもまた滅菌処理を施されていることが好ましく、包装袋に包まれた状態で滅菌処理されていることがさらに好ましい。滅菌前のラベルは、付着している菌数(バイオバーデン数)が1000cfu/ラベル以下であることが好ましく、100cfu/ラベル以下であることがさらに好ましい。滅菌前の菌数が少ない方が、照射線量をあまり上げずに滅菌が可能となり、ラベル材料の制約が生じにくいという利点がある。例えば、ガンマ線耐性の低い材料も使うことができる。また、ラベル側の菌数が大きいと、容器単体を滅菌するための最低限のガンマ線照射量よりも過剰に照射することが必要となり、容器材料のガンマ線耐性の観点での制約も生じてしまう。ラベル側も、容器と同じ程度以下の菌数であることで、容器とラベルを同じ包装袋に入れたとしても照射線量に制約が生じない。
細胞培養容器は、受精卵の発育を促進するような表面処理又は表面コートがなされていてもよい。特に、受精卵の発育を促進するために、他の器官の細胞(例えば、子宮内膜細胞や卵管上皮細胞)と共培養をする場合、これらの細胞をあらかじめ培養容器に接着させる必要がある。このような場合に、培養容器の内側表面に細胞接着性の材料をコートすると有利である。
培養対象となる細胞は、特に制限されないが、例えば、受精卵、卵細胞、ES細胞(胚性幹細胞)及びiPS細胞(人工多能性幹細胞)が挙げられる。卵細胞は、未受精の卵細胞をさし、未成熟卵母細胞及び成熟卵母細胞が含まれる。受精卵は、受精後、卵割により2細胞期、4細胞期、8細胞期と細胞数が増えていき、桑実胚を経て、胚盤胞へと発生する。受精卵には、2細胞胚、4細胞胚及び8細胞胚などの初期胚、桑実胚、胚盤胞(初期胚盤胞、拡張胚盤胞及び脱出胚盤胞を含む)が含まれる。胚盤胞は、胎盤を形成する潜在能力がある外部細胞と胚を形成する潜在能力がある内部細胞塊からなる胚を意味する。ES細胞は胚盤胞の内部細胞塊から得られる未分化な多能性又は全能性細胞をさす。iPS細胞は、体細胞(主に線維芽細胞)へ数種類の遺伝子(転写因子)を導入することにより、ES細胞に似た分化万能性を持たせた細胞をさす。すなわち、細胞には、受精卵や胚盤胞のように複数の細胞の集合体も包含される。
細胞培養容器は、好ましくは哺乳動物及び鳥類の細胞、特に哺乳動物の細胞の培養に好適である。哺乳動物は、温血脊椎動物をさし、例えば、ヒト及びサルなどの霊長類、マウス、ラット及びウサギなどの齧歯類、イヌ及びネコなどの愛玩動物、ならびにウシ、ウマ及びブタなどの家畜が挙げられる。
以下、図面を参照することにより、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明のラベルの一実施形態の上面視を図1に示す。図1は、ラベルを剥離基材側から見た上面視である。その垂直断面図を図2に示す。この実施形態において、ラベルの剥離基材を部分的に粘着層から剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を図3示し、その垂直断面図を図4に示す。また、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を図5に示す。
図1及び図2に示すとおり、ラベル1は、シート状基材2と、シート状基材2の片面に形成された粘着層3と、粘着層3を介してシート状基材2に剥離可能に配置される剥離基材4(4a及び4b)とを備える。そして、図3及び4に示すように、剥離基材4の一部(4a)を粘着層3から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域5と、透明領域6と、粘着領域7とが存在するよう構成される。さらに、図5に示すように、ラベルは、細胞培養容器8の底部外側9に、底部からはみ出さないように貼付可能なサイズを有する。
当該実施形態において、ラベルを貼付する細胞培養容器8は、円形の底部の中心に、円形の培養領域10と、それを取り囲む透過読取可能領域11とを有する。培養領域10は、内壁12で囲まれている。ラベル1を細胞培養容器8の底部外側9に貼付したときに、細胞培養容器の透過読取可能領域11とラベルの記入領域5とが重なり、細胞培養容器の培養領域10とラベルの透明領域6とが重なるように構成される。透過読取可能領域11と記入領域5が重なっていることから、記入領域に記入又は印字された情報を、容器側から読み取ることができ、培養領域10と透明領域6とが重なっていることから、培養領域が観察しやすい。したがって、ラベルの透明領域6も円形であり、ラベルの記入領域5は円形の透明領域6の周囲に形成されている。さらに、粘着領域7は記入領域5の周囲に形成されている。
図1に示すように、粘着層3から部分的に剥離可能なように、剥離基材4には切込み線13が形成されている。剥離基材4aを粘着層3から剥離すると、残った剥離基材4bが記入領域5を構成し、剥離によって露出した粘着層3が粘着領域7を構成する。透明領域6は、シート状基材、粘着層及び剥離基材のいずれも存在しない領域、すなわち貫通孔である。
本発明のラベルの別の実施形態の上面視を図6に示す。図6は、ラベルを剥離基材側から見た上面視である。その垂直断面図を図7に示す。この実施形態において、ラベルの剥離基材を部分的に粘着層から剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を図8示し、その垂直断面図を図9に示す。また、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を図10に示す。
図6及び図7に示すとおり、ラベル1は、シート状基材2と、シート状基材2の片面の外周部に部分的に形成された粘着層3と、粘着層3を介してシート状基材2に剥離可能に配置される剥離基材4とを備える。そして、図8及び9に示すように、剥離基材4を粘着層3から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域5と、透明領域6と、粘着領域7とが存在するよう構成される。さらに、図10に示すように、ラベルは、細胞培養容器8の底部外側9に、底部からはみ出さないように貼付可能なサイズを有する。
ラベルを貼付する細胞培養容器8は、図5と同様に、円形の底部の中心に、円形の培養領域10と、それを取り囲む透過読取可能領域11とを有する。培養領域10は、内壁12で囲まれている。ラベル1を細胞培養容器8の底部外側9に貼付したときに、細胞培養容器の透過読取可能領域11とラベルの記入領域5とが重なり、細胞培養容器の培養領域10とラベルの透明領域6とが重なるように構成される。したがって、ラベルの透明領域6も円形であり、ラベルの記入領域5は円形の透明領域6の周囲に形成されている。さらに、粘着領域7は記入領域5の周囲に形成されている。透過読取可能領域11と記入領域5が重なっていることから、記入領域に記入又は印字された情報を、容器側から読み取ることができ、培養領域10と透明領域6とが重なっていることから、培養領域が観察しやすい。
当該実施形態においては、粘着層3がシート状基材2の片面の外周部に部分的に形成されており、シート状基材2の前記片面において粘着層3が形成されていない領域が記入領域5を構成する。そして、図6に示すように、剥離基材4には切込み線は存在せず、剥離基材4を粘着層3から剥離することによって露出した粘着層3が粘着領域7を構成する。透明領域6は、シート状基材、粘着層及び剥離基材のいずれも存在しない領域、すなわち貫通孔である。
図11は、本発明のラベルの別の実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を示す。当該実施形態においては、ラベルの外周部に形成された粘着領域7の内側に形成された記入領域5の内側に透明領域6が存在し、透明領域6を囲む内周部に粘着領域7がさらに存在する。外周部と内周部の粘着領域を介してラベルを細胞培養容器に貼付することにより、より強固な貼付が可能になるとともに、記入領域に存在するインクなど物質を拡散する効果も向上させることができる。
保持部を有するラベルの実施形態の上面視を図12に示す、図12は、ラベルを剥離基材側から見た上面視である。その垂直断面図を図13に示す。この実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を図14に示し、その垂直断面図を図15に示す。また、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を図16に示す。
当該実施形態において、ラベル1は、シート状基材2と、シート状基材2の片面に形成された粘着層3と、粘着層3を介してシート状基材2に剥離可能に配置される剥離基材4とを備える。保持部14も、ラベル1の一部として、シート状基材2と、シート状基材2の片面に形成された粘着層3と、粘着層3を介してシート状基材2に剥離可能に配置される剥離基材4とを備える。保持部14は、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付したときに底部からはみ出すように構成される。図14及び図15に示すように、当該実施形態においては、剥離基材4を粘着層3から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、粘着層3が露出した粘着領域7と貫通孔としての透明領域6が存在する。この実施形態では、粘着領域7が記入領域5を兼ねている。情報は、粘着層3上に記入してもよいし、シート状基材2の粘着層3が形成されていない面に記入してもよい。後者の場合は、情報を細胞培養容器側から観察して視認できるように、反転した文字等で印字することが好ましく、シート状基材と粘着層は透明であることが好ましい。ラベル1は、容器に貼付した後で保持部14を切り離し可能なように切込み線15が形成されている。切込み線15は、剥離基材4を剥離してラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した後に保持部14を切り離すことができるように、少なくともシート状基材2と粘着層3に形成されるが、剥離基材4に形成されていてもよい。さらに、図16に示すように、切込み線15は、保持部14を切り離した後のラベルが、細胞培養容器の底部からはみ出さないように形成される。この実施形態においては、図14に示すように、切込み線15は、細胞培養容器の底部に貼付した状態で、容器側からの上面視において、細胞培養容器の円形の底部外周に沿うように円弧状に形成される。
保持部を有するラベルの別の実施形態の上面視を図17に示す、図17は、ラベルを剥離基材側から見た上面視である。その垂直断面図を図18に示す。この実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離したときの、シート状基材と反対側からの上面視を図19に示し、その垂直断面図を図20に示す。また、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を図21に示す。
当該実施形態では、保持部14に粘着層3を有しない部分が存在する。したがって、剥離基材4を剥離しやすい。また、図19及び図20に示すように、剥離基材4を粘着層3から剥離したときに、保持部14の一部においてシート状基材2が露出する。したがって、ラベルを細胞培養容器に貼付する際に、保持部14におけるシート状基材2が露出した部分をつまむことにより、指や器具に保持部が貼り付くのを回避できる。当該実施形態においては、図19に示すように、切込み線15は直線状に形成されているため、切り離しが容易である。その他の点においては、図12〜図16に示す実施形態と同様である。
保持部を有するラベルの別の実施形態の垂直断面図を図22に示す。この実施形態において、ラベルの剥離基材を粘着層から剥離して細胞培養容器の底部外側に貼付した状態の垂直断面図を図23に示す。
当該実施形態では、保持部14が粘着層3を有しない。また、剥離基材4も有しない。したがって、保持部14においてシート状基材2が常に露出しており、ラベルを細胞培養容器に貼付する際に、保持部14をつまんでも、指や器具に保持部が貼り付くのを回避できる。その他の点においては、図12〜図16に示す実施形態と同様である。
保持部14を有するラベルが複数形成されたシート16の実施形態を図24に示す。図24は、シート16をシート状基材2側から見た上面視である。その垂直断面図を図25に示す。さらにこのシート16に形成されたラベルの使用方法を図26に示す。
シート16には、各ラベル1をシート16から切り取り可能なように、各ラベルの外周に沿って切込み線17が形成されている。さらに、ラベルを切り取った時に貫通孔としての透明領域6を形成するための切込み線17も形成されている。切込み線17は、シート状基材2と粘着層3にハーフカットとして形成されている。したがって、剥離基材4を残して、剥離基材4が剥離された状態のラベル1を切り取ることができる。すなわち、この実施形態のシート16には、図17及び図18のラベルが複数存在し、保持部14をつまんで各ラベルを引き上げることにより、図19及び図20の状態のラベル1を切り取ることができる。切込み線15は、ラベルをシートから切り取る際には離れず、細胞培養容器に貼付後に引っ張ることにより切り離しが可能な、ミシン目などの部分的な切込み線であり、切込み線17はラベルを引き上げるだけでシートから切り取ることが可能な完全な切込み線である。ラベルを図26に示すように、この実施形態のシートは、(1)保持部14をつまんで引き上げることにより、シート状基材2と粘着層3を剥離基材4から剥離することによりラベル1を切り取り、(2)粘着層3が露出した粘着領域7に必要な情報を記入し、(3)貫通孔である透明領域6が細胞培養容器8の培養領域10と重なるように容器の底部外側9に貼付し、(4)保持部14を切込み線15に沿って切り離す、ことによって使用できる。
図1〜4に示す実施形態のラベルであって、直径35mmの透明なシャーレの中心部に直径7mmの円形の培養領域が存在する細胞培養容器に貼付するためのラベルを作製した。ラベルの外周の形状が、直径33mmの円形となるように作製した。また剥離基材には直径26mmの部分に切込み線(ハーフカット)を入れることで、剥離基材の外周部(4a)を剥離することにより、粘着層が露出する構成とした。また、ラベルの中心に、直径11mmの円形の抜き加工を施して透明領域とし、細胞培養容器の培養部の観察を阻害しないようにした。ラベルの粘着領域及び透明領域以外の部分を記入領域とし、ID番号・日付・患者名を記入し、それらをシャーレ底部外側面に貼付けた。貼付けた状態の写真を図27に示す。
1:ラベル
2:シート状基材
3:粘着層
4:剥離基材
5:記入領域
6:透明領域
7:粘着領域
8:細胞培養容器
9:底部外側
10:培養領域
11:透過読取可能領域
12:内壁
13:切込み線
14:保持部
15:切込み線
16:シート
17:切込み線

Claims (11)

  1. 細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルであって、
    シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、
    剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域と、透明領域と、粘着領域とが存在するよう構成され、
    透明領域が、シート状基材、粘着層及び剥離基材のいずれも存在しない領域であ
    粘着層がシート状基材の片面に部分的に形成されており、シート状基材の前記片面において粘着層が形成されていない領域が記入領域を構成しており、
    剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域が透明領域の周囲に形成され、粘着領域が、ラベルの外周部、或いは、ラベルの外周部及び透明領域を囲む内周部に形成されている、
    ラベル。
  2. 底部に、培養領域と透明又は半透明の透過読取可能領域とを有する細胞培養容器に貼付するためのラベルであり、
    ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付したときに、細胞培養容器の透過読取可能領域とラベルの記入領域とが重なり、細胞培養容器の培養領域とラベルの透明領域とが重なるように構成される、
    請求項1に記載のラベル。
  3. 剥離基材を粘着層から部分的に剥離可能なように、剥離基材に切込み線が形成されており、剥離基材の剥離されない部分が記入領域を構成する、請求項1又は2に記載のラベル。
  4. 細胞培養容器の底部外側に、底部からはみ出さないように貼付可能なサイズを有する、請求項1〜のいずれかに記載のラベル。
  5. さらに保持部を有し、保持部が、ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付したときに底部からはみ出すように構成される、請求項1〜のいずれかに記載のラベル。
  6. ラベルを細胞培養容器の底部外側に貼付後、保持部を切り離し可能なように切込み線が形成されており、切込み線は、保持部を切り離した後のラベルが、細胞培養容器の底部からはみ出さないように形成される、請求項に記載のラベル。
  7. 保持部に粘着層を有しない部分が存在する、請求項又はに記載のラベル。
  8. 保持部が粘着層を有しない、請求項に記載のラベル。
  9. 底部に、透明又は半透明な透過読取可能領域と細胞培養領域とを有する細胞培養容器、及び
    細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルであって、
    シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、
    剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域と、透明領域と、粘着領域とが存在するよう構成され、
    透明領域が、シート状基材、粘着層及び剥離基材のいずれも存在しない領域であ
    粘着層がシート状基材の片面に部分的に形成されており、シート状基材の前記片面において粘着層が形成されていない領域が記入領域を構成しており、
    剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域が透明領域の周囲に形成され、粘着領域が、ラベルの外周部、或いは、ラベルの外周部及び透明領域を囲む内周部に形成されている、
    ラベル、
    を含むキット。
  10. 底部に、透明又は半透明な透過読取可能領域と細胞培養領域とを有する細胞培養容器であって、
    その底部外側にラベルが貼付されており、
    ラベルが、シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域と、透明領域と、粘着領域とが存在するよう構成され、透明領域が、シート状基材、粘着層及び剥離基材のいずれも存在しない領域であり、粘着層がシート状基材の片面に部分的に形成されており、シート状基材の前記片面において粘着層が形成されていない領域が記入領域を構成しており、剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域が透明領域の周囲に形成され、粘着領域が、ラベルの外周部、或いは、ラベルの外周部及び透明領域を囲む内周部に形成されており、粘着領域が細胞培養容器の底部外側に貼付されている、
    細胞培養容器。
  11. 細胞培養容器の底部外側に貼付するためのラベルが複数形成されたシートであって、
    各ラベルが、シート状基材と、シート状基材の片面に形成された粘着層と、粘着層を介してシート状基材に剥離可能に配置される剥離基材とを備え、剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域と、透明領域と、粘着領域とが存在するよう構成され、透明領域が、シート状基材、粘着層及び剥離基材のいずれも存在しない領域であ粘着層がシート状基材の片面に部分的に形成されており、シート状基材の前記片面において粘着層が形成されていない領域が記入領域を構成しており、剥離基材を少なくとも部分的に粘着層から剥離したときに、シート状基材と反対側からの上面視において、記入領域が透明領域の周囲に形成され、粘着領域が、ラベルの外周部、或いは、ラベルの外周部及び透明領域を囲む内周部に形成されている、
    シート。
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