JP6383899B1 - ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、靴底については、強度や耐摩耗性、グリップ力等を高めるために、シリカやカーボンブラック等の充填剤を配合したゴム組成物が汎用されている。
靴底の重要な特性として防滑性が挙げられる。乾いた地面では、靴底のアウトソールに設けるパターンにより滑り防止を図ることができるが、濡れた路面では、アウトソールに溝や凹凸を設けるだけでは限界がある。そこで、グリップ力向上を目指して、靴底材料自体の開発が行われている。
特開2005−58646号(特許文献2)には、基材ゴム中にイソブチレン系ゴム、ブタジエンゴム及び比重が1.0以上の充填剤が含まれるゴム組成物からなる靴底が開示されている。
特開2008−194187号(特許文献3)には、基材ゴムと充填剤とを含んだゴム組成物を架橋してなるアウトソールと、アッパーとを備えた靴で、充填剤が2つ以上の針状部を有する靴が開示されている。
かかる現状から、ゴム基材自体の性能向上に向けて、ゴム組成物に配合するだけで乾燥路面や濡れた路面に対するグリップ力が向上できる技術が求められている。
本発明は、グリップ力に優れたゴム組成物、該ゴム組成物を用いた靴底、及びゴム組成物用グリップ力向上剤(防滑性向上剤)に関する。
すなわち、本発明は下記の[1]〜[3]に関する。
[1]ゴム成分(A)、アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率が12質量%以上であるリグニン分解物(B)、及び老化防止剤(C)を含有するゴム組成物。
[2]上記[1]に記載のゴム組成物を用いた靴底。
[3]アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率が12質量%以上であるリグニン分解物(B)を有効成分とするゴム組成物用グリップ力向上剤。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)、アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率が12質量%以上であるリグニン分解物(B)、及び老化防止剤(C)を含有する。
ここで、リグニン分解物(B)は、ゴム組成物のグリップ性を高める観点から、アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率が12質量%以上のものであり、これが有効成分となる。
アルカリニトロベンゼン酸化法は、天然リグニン及びリグニン分解物中のβ−O−4結合を分解し、生成するアルデヒドモノマーからβ−O−4結合の量を定量する手法である。つまり、アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率は、その値が高ければ高いほど変性の程度が低いことを意味する。
なお、本発明において「リグニン分解物」とは、天然リグニンのβ−O−4結合を過度に開裂しないようにして得られるもので、低変性で、重量平均分子量が500以上15,000以下の低分子量のものを意味する。
本発明で用いられる特定のアルデヒド収率を有するリグニン分解物(B)は、植物系バイオマスを緩和な条件で処理して低変性のリグニンを得る観点から、例えば、後述するような方法A又は方法Bで、植物系バイオマスからの分解抽出条件を調整することにより得ることができる。
リグニン分解物は低変性であるほど、脂肪族OH基やフェノール性OH基等の親水性官能基の含有量が多いため、舗装路面のシリカ質やマンホール等の金属製品表面との間で高い親和性を発揮することができると考えられる。
ゴムのグリップ力(防滑力)を支配する因子は、接地面(路面)との凝着性と、ゴムの変形によるヒステリシスロス(エネルギー損失)であると言われている。ゴム組成物に低変性のリグニン分解物を配合すると、該ゴム組成物中に存在するリグニン分解物の親水性官能基により、様々な路面に対して凝着性が向上する。この結果、ゴム組成物のグリップ力を向上させることができると考えられる。
ゴム組成物のグリップ力に関し、slipperiness(滑りやすさ)は最大静止摩擦力指数で評価することができ、slip(滑り)は平均動摩擦力指数で評価することができる。
ゴム成分(A)としては、耐摩耗性等の観点から、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる1種以上が用いられる。
天然ゴムは変性して用いることができ、変性天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム、水素化天然ゴム等が挙げられる。
ジエン系合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。
これらの中では、ゴム組成物のグリップ力を向上させる観点から、天然ゴム、変性天然ゴム、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)から選ばれる1種以上のジエン系合成ゴムが好ましく、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)がより好ましい。
ゴム成分(A)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のゴム組成物に用いられる、アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率が12質量%以上であるリグニン分解物(B)(以下、単に「リグニン分解物」ともいう)は低変性である。リグニン分解物(B)の変性度は、アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率により評価することができる。
アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率は、ゴム組成物のグリップ力を向上させる観点から、好ましくは15質量%以上、より好ましくは18質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは22質量%以上、より更に好ましくは24質量%以上であり、そして、生産性の観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、より更に好ましくは35質量%以下である。
アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率は、実施例に記載の方法により特定することができる。なお、リグニン分解物のアルデヒド収率が高いほど反応性に富むため、ゴムに対する改質効果が高いと考えられる。
リグニン分解物(B)の重量平均分子量の測定は、実施例に記載の方法により行うことができる。
リグニン分解物(B)中の硫黄含有量の測定は、実施例に記載の方法により行うことができる。
リグニン分解物(B)は、ゴム組成物が無機充填剤を含有する場合、ゴム組成物中の無機充填剤とゴム成分(A)との接着性を向上させる作用も有する。
本発明で用いられるリグニン分解物(B)は、下記の方法A又は方法Bにより効率的に製造することができる。
工程(A−1):植物系バイオマスの固形分100質量部に対して、塩基性化合物8質量部以上70質量部以下、水10質量部以上10,000質量部以下を混合し、H−ファクターが5,000以下の条件で処理して反応物を得る工程
工程(A−2):前記工程(A−1)を経た植物系バイオマスと、水溶性成分としてアルデヒド収率が12質量%以上であるリグニン分解物を分離する工程
工程(A−3):前記工程(A−2)で得られた水溶性成分であるリグニン分解物から特定の分子量物を得る、又は分画する工程
工程(B−1):植物系バイオマスを酵素により糖化処理して糖化残渣を得る工程
工程(B−2):工程(B−1)で得られた糖化残渣を、水、及び20℃の水に対する溶解度が90g/L以上の有機溶媒から選ばれる少なくとも1種を含む溶媒中で加熱処理して、リグニン分解物を含有する加熱処理液を得る工程
工程(B−3):工程(B−2)で得られた加熱処理液を固液分離して、不溶分を除去し、リグニン分解物を得る工程
方法A及び方法Bにおいて、原料として用いられる植物系バイオマスとしては、草本系バイオマス、木質系バイオマスが挙げられる。これらの中でも、草本系バイオマスが好ましい。
イネ科の植物原料としては、サトウキビバガス、ソルガムバガス等のバガス、スイッチグラス、エレファントグラス、コーンストーバー、コーンコブ、イナワラ、ムギワラ、オオムギ、ススキ、芝、ジョンソングラス、エリアンサス、ネピアグラス等が挙げられる。
アオイ科の植物原料としてはケナフ、ワタ等が挙げられ、マメ科の植物原料としてはアルファルファ等が挙げられ、ヤシ科の植物の非木質原料としてはパームヤシ空果房等が挙げられる。これらの中でも、生産性及び取扱い性の観点から、好ましくはイネ科の植物原料であり、より好ましくはサトウキビバガス、コーンコブ、又はイナワラ、更に好ましくはサトウキビバガスである。
木質系バイオマスとしては、カラマツやヌクスギ等の針葉樹、アブラヤシ、ヒノキ等の広葉樹から得られる木材チップ等の各種木材、これら木材から製造されるウッドパルプ等が挙げられる。
前記の植物系バイオマスは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
用いられる粉砕機に特に制限はなく、例えば、高圧圧縮ロールミルや、ロール回転ミル等のロールミル、リングローラーミル、ローラーレースミル又はボールレースミル等の竪型ローラーミル、転動ボールミル、振動ボールミル、振動ロッドミル、振動チューブミル、遊星ボールミル又は遠心流動化ミル等の容器駆動媒体ミル、塔式粉砕機、攪拌槽式ミル、流通槽式ミル又はアニュラー式ミル等の媒体攪拌式ミル、高速遠心ローラーミルやオングミル等の圧密せん断ミル、乳鉢、石臼、マスコロイダー、フレットミル、エッジランナーミル、ナイフミル、ピンミル、カッターミル等が挙げられる。
これらの中では、植物系バイオマスの粉砕効率及び生産性の観点から、好ましくは容器駆動式媒体ミル又は媒体攪拌式ミル、より好ましくは容器駆動式媒体ミル、更に好ましくは振動ボールミル、振動ロッドミル又は振動チューブミル等の振動ミル、より更に好ましくは振動ロッドミルである。
粉砕に用いる媒体の材質に特に制限はなく、例えば、鉄、ステンレス、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、チッ化珪素、ガラス等が挙げられるが、植物系バイオマスの粉砕効率の観点から、鉄、ステンレス、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素が好ましく、工業的な利用の観点から、鉄又はステンレスがより好ましい。
媒体がロッドの場合には、ロッドの外径は、粉砕効率の観点から、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上、更に好ましくは20mm以上であり、そして、好ましくは100mm以下、より好ましくは50mm以下、更に好ましくは40mm以下である。
媒体がボールの場合は、ボールの外径は、粉砕効率の観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは1mm以上であり、そして、好ましくは100mm以下、より好ましくは50mm以下である。
粉砕の時間は、用いる粉砕機や使用するエネルギー量等によって変わるが、植物系バイオマスの微細化の観点から、通常5分間以上、好ましくは10分間以上であり、そして、植物系バイオマスの微細化の観点及び経済性の観点から、通常12時間以下、好ましくは3時間以下、より好ましくは1時間以下である。
なお、方法Aにおいては、粉砕処理は行わなくてもよい。
〔工程(A−1)〕
工程(A−1)は、植物系バイオマスの固形分100質量部に対して、塩基性化合物8質量部以上70質量部以下、水10質量部以上10,000質量部以下を混合し、H−ファクターが5,000以下の条件で処理して反応物を得る工程である。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、酸化ナトリウム、酸化カリウム等のアルカリ金属酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属酸化物、硫化ナトリウム、硫化カリウム等のアルカリ金属硫化物、硫化マグネシウム、硫化カルシウム等のアルカリ土類金属硫化物、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化四級アンモニウム等から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、リグニン分解物(B)の回収率向上の観点から、好ましくはアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物、より好ましくはアルカリ金属水酸化物、更に好ましくは水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであり、リグニン分解物の回収率を高める観点及び作業性の観点から、好ましくは水酸化ナトリウムである。これらの塩基性化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
工程(A−1)の塩基性化合物の量は、リグニン分解物(B)の回収率を高める観点から、植物系バイオマスの固形分100質量部に対し、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは55質量部以下、より更に好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下であり、そして、好ましくは8質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。
用いる水に特に制限はなく、蒸留水、イオン交換水又は純水等を用いることができる。
工程(A−1)の水の量は、リグニン分解物(B)の回収率向上、撹拌混合等の作業性、及び経済性の観点から、植物系バイオマスの固形分100質量部に対し、好ましくは10質量部以上、より好ましくは150質量部以上、更に好ましくは250質量部以上、更に好ましくは350質量部以上、更に好ましくは450質量部以上、更に好ましくは550質量部以上、更に好ましくは650質量部以上、更に好ましくは750質量部以上であり、そして、好ましくは8,000質量部以下、より好ましくは5,000質量部以下、更に好ましくは3,500質量部以下、更に好ましくは2,500質量部以下、更に好ましくは1,500質量部以下である。
工程(A−1)の処理は、リグニン分解物(B)の回収率向上、及び経済性の観点から、H−ファクターは、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上、より更に好ましくは2以上であり、そして、好ましくは3,000以下、より好ましくは1,500以下、更に好ましくは1,000以下、より更に好ましくは500以下、より更に好ましくは250以下、より更に好ましくは100以下、より更に好ましくは50以下、より更に好ましくは30以下である。
工程(A−1)の処理は、温度が高いと反応が促進されるとともに時間も同時に関係するため、100℃の脱リグニン反応速度を1として、他の温度における相対速度をArrheniusの式より求め、その温度における時間との積であるH−ファクターによって算出される。
本発明においては、H−ファクターはバイオマスのアルカリを用いた処理で反応系に与えられた熱の総量を表す指標であり、下記数式(1)により表される。H−ファクター(HF)はバイオマスとアルカリ液が接触している時間tを積分することで算出する。
よって、工程(A−1)の処理の温度は、リグニン分解物(B)の回収率、及びサイクル時間の短縮の観点から、好ましくは50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは90℃以上であり、そして、リグニン分解物(B)の回収率及び経済性の観点から、好ましくは180℃以下、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは140℃以下、更に好ましくは130℃以下、更に好ましくは120℃以下である。
工程(A−1)の処理の時間は、上記の処理の温度範囲内で維持した時間を意味し、処理設備のスケールや昇降温速度の違いによって変化するので一概に言えないが、リグニンの回収率を高める観点から、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1時間以上、更に好ましくは1.5時間以上であり、そして、上限は特に限定されず、例えば1か月以下、好ましくは1週間以下、リグニンの回収率、サイクルタイムの短縮及び経済性の観点から、好ましくは30時間以下、より好ましくは20時間以下、更に好ましくは15時間以下、より更に好ましくは10時間以下である。
工程(A−2)は、工程(A−1)で得られた反応物から、アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率が12質量%以上であるリグニン分解物を分離する工程である。
リグニン分解物は、通常、工程(A−1)の処理で得られた反応物の水相部分に存在している。従って、工程(A−2)では、植物系バイオマスの固形分とこの水相を分離してその中から本発明に係るリグニン分解物を取り出すことができる。
当該水相は、前記分離による取り出しに加えて、分離したアルカリ処理バイオマスの固形部中(固体相中)に存在するリグニン分解物を水で洗浄し、水中に溶解させて抽出し、取り出すことができる。
具体的には、工程(A−1)の反応物からメッシュやろ紙を用いて、水相及び工程(A−1)のアルカリ処理バイオマスの固形部を洗浄した水相を回収する工程である。得られたリグニン分解物は、更に、透析膜等により酸又は塩基性化合物を除いてもよい。
工程(A−3)は、工程(A−2)で得られた水溶性成分であるリグニン分解物から特定の分子量物を得る、又は分画する工程である。
リグニン分解物を特定の分子量物に分画する方法としては、限外濾過膜や逆浸透膜等による膜分離による方法、酸添加や有機溶媒の添加により特定のリグニン分解物を析出させる方法、有機溶媒を蒸発させて固化させた後、有機溶媒を加え固液分離(溶媒分画等)する方法、ゲルろ過法、及びこれらの組み合わせからなるいずれかの方法が挙げられる。かかる方法で、リグニン分解物の重量平均分子量を調整することができる。
なお、これらの方法は繰り返し行うことができる。
前記有機溶媒としては、リグニン分解物の抽出効率向上の観点から、アルコール類、ニトリル類、エーテル類及びケトン類から選ばれる1種以上が好ましい。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、ジエチレングリコール、n−プロパノール、イソプロパノール、2−ブタノール、イソブタノール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。ニトリル類としては、アセトニトリル等が挙げられる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの有機溶媒のうち、リグニン分解物の抽出効率向上及び安全性の観点から、好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−ブタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン及びメチルエチルケトンから選ばれる1種以上、より好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、2−ブタノール及びアセトンから選ばれる1種以上、更に好ましくはアセトンである。
有機溶媒を混合する場合は、アセトン/メタノール、アセトン/エタノール、エタノール/メタノール等を用いることができる。また、有機溶媒は、水と混合して使用することもできる。
当該工程(A−3)は、繰り返し行ってもよい。
〔工程(B−1)〕
工程(B−1)は、植物系バイオマスを酵素により糖化処理して糖化残渣を得る工程である。
植物系バイオマスを予め粉砕処理する場合は、粉砕効率向上、糖化率向上、及び生産効率向上の観点から、植物系バイオマスを、塩基性化合物の存在下で粉砕処理することが好ましい。当該処理後、好ましくは酸により中和する。
粉砕処理に用いられる塩基性化合物としては、前記工程(A−1)で記載したものと同様のものが挙げられる。これらの中でも、酵素糖化率向上の観点から、好ましくはアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物、より好ましくはアルカリ金属水酸化物、更に好ましくは水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。
粉砕処理時の水分量は、植物系バイオマスの乾燥質量に対する水分量を意味し、乾燥処理等により植物系バイオマス、塩基性化合物に含まれる水分量を低減することや、粉砕処理時に水を添加して水分量を上げること等により、適宜調整することができる。
セルロースI型結晶化度(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (I)
〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
工程(B−1)の糖化処理に用いられる酵素としては、糖化効率の向上、リグニン分解物の収率向上、及びリグニン分解物の変性抑制の観点から、セルラーゼやヘミセルラーゼが挙げられる。これらの酵素は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、セルラーゼとは、セルロースのβ−1,4−グルカンのグリコシド結合を加水分解する酵素を指し、エンドグルカナーゼ、エクソグルカナーゼ又はセロビオハイドロラーゼ、及びβ−グルコシダーゼ等と称される酵素の総称である。本発明に使用されるセルラーゼとしては、市販のセルラーゼ製剤や、動物、植物、微生物由来のものが含まれる。
また、セルラーゼの1種であるβ−グルコシダーゼの好適例としては、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)由来の酵素(例えば、ノボザイムズ社製ノボザイム188(商品名)やメガザイム社製β-グルコシダーゼ)やトリコデルマ リーゼ(Trichoderma reesei)、ペニシリウム エメルソニイ(Penicillium emersonii)由来の酵素等が挙げられる。
また、ヘミセルラーゼの具体例としては、CellicHTec2(ノボザイムズ社製、商品名)等のトリコデルマ リーゼ(Trichoderma reesei)由来のヘミセルラーゼ製剤やバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM−N546(FERM P-19729)由来のキシナラーゼ、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)、トリコデルマ ビリデ(Trichoderma viride)、フミコーラ インソレンス(Humicola insolens)、バチルス アルカロフィルス(Bacillus alcalophilus)由来のキシラナーゼ、その他の属由来のキシラナーゼ等が挙げられる。
上記の酵素は、糖化効率の向上及びリグニン分解物の変性抑制の観点から、上記セルラーゼ及びヘミセルラーゼから選ばれる1種以上であることが好ましく、セロビオハイドロラーゼ、β−グルコシダーゼ、エンドグルカナーゼ及びヘミセルラーゼから選ばれる1種以上であることがより好ましく、セロビオハイドロラーゼ、及びエンドグルカナーゼから選ばれる1種以上であることが更に好ましい。
例えば、前記酵素を使用し、植物系バイオマスを基質とする場合は、0.5%(w/v)以上20%(w/v)以下の基質懸濁液に対して前記酵素を0.001%(w/v)以上15%(w/v)以下となるように添加し、pH2以上10以下の緩衝液中、反応温度10℃以上90℃以下で、反応時間30分間以上5日間以下で反応させることにより糖化処理を行うことができる。
上記緩衝液のpHは、用いる酵素の種類により適宜選択することが好ましく、好ましくはpH3以上、より好ましくはpH4以上であり、そして、好ましくはpH7以下、より好ましくはpH6以下である。
上記処理温度は、用いる酵素の種類により適宜選択することが好ましく、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上であり、そして、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下である。
さらに、上記処理時間は、用いる酵素の種類により適宜選択することが好ましく、好ましくは0.5日間以上であり、そして、好ましくは3日間以下、より好ましくは2日間以下である。
植物系バイオマスを酵素により糖化処理することにより、糖化残渣が得られる。ここで糖化残渣とは、酵素糖化処理後の混合物を遠心分離等の固液分離手段により分離した、固形成分のことである。この固形成分は、水で数回洗浄することで水溶性の多糖類を除去できる。その後、湿潤状態で次の工程(B−2)を行ってもよいし、乾燥させることで、糖化残渣を粉末化してもよい。生産効率向上の観点からは、湿潤状態で次の工程(B−2)を行うことが好ましい。乾燥処理を行う場合は、リグニンの過度の変性抑制の観点から、100℃以下で乾燥することが好ましく、凍結乾燥することがより好ましい。
工程(B−2)は、糖化残渣を、水及び20℃の水に対する溶解度(以下、単に「溶解度」ともいう)が90g/L以上の有機溶媒から選ばれる少なくとも1種を含む溶媒中で加熱処理して、リグニン分解物を含有する加熱処理液を得る工程である。
工程(B−2)で用いる溶媒としては、低変性のリグニン分解物を高収率で得る観点から、水及び20℃の水に対する溶解度が90g/L以上の有機溶媒を含む溶媒が好ましい。
工程(B−2)で用いる有機溶媒、溶媒の組成比は、前記工程(A−3)で示したものと同様である。
酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ギ酸、酢酸、クエン酸等の有機酸、塩化アルミニウム、金属トリフラート類等のルイス酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等の脂肪酸、ヘテロポリ酸等が挙げられる。これらの中では、リグニン分解物の収率向上及び低分子量のリグニン分解物を得る観点から、好ましくは塩酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、及び塩化アルミニウムから選ばれる1種以上、より好ましくは塩酸、及びリン酸から選ばれる1種以上、更に好ましくは塩酸である。
なお、前記酸や塩基は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
工程(B−2)の溶媒中の有機溶媒の含有量は、リグニン分解物の分離性及びリグニン分解物の抽出率向上の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下であり、更に好ましくは60質量%以下である。
酸又は塩基の含有量は、リグニン分解物の収率向上の観点、生成するリグニン分解物の分子量制御の観点から、工程(B−2)の溶媒に対して、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
ラジカル捕捉剤としては、ヒドロキノン、ベンゾキノン、メトキノン、フェノール等の芳香族系ラジカル捕捉剤、アミン系ラジカル捕捉剤、有機酸系ラジカル捕捉剤、カテキン系ラジカル捕捉剤及び分子状水素から選ばれる1種以上が好ましく、芳香族系ラジカル捕捉剤、及び有機酸系ラジカル捕捉剤から選ばれる1種以上がより好ましく、芳香族系ラジカル捕捉剤が更に好ましい。
工程(B−2)で用いられる加熱装置としては、リグニン分解物の過度の変性抑制及びリグニン分解物の収率向上の観点から、オートクレーブ又はマイクロ波加熱装置が好ましい。
工程(B−2)における加熱処理の時間は、糖化残渣量に応じて適宜選択されるが、リグニン分解物の過度の変性抑制及び収率向上の観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、更に好ましくは10分以上であり、そして、好ましくは5時間以下、より好ましくは3時間以下、更に好ましくは2時間以下、より更に好ましくは1時間以下である。
工程(B−3)は、工程(B−2)で得られた加熱処理液を固液分離して、不溶分を除去し、リグニン分解物を得る工程である。
リグニン分解物を得る方法としては、例えば、ろ過、遠心分離等の固液分離の他に、溶媒留去、洗浄、乾燥等の工程を適宜組み合わせることができる。工程(B−2)で酸又は塩基を添加した場合は、中和する工程を含む。これらの工程は、常法により行うことができる。例えば、工程(B−2)で得られた加熱処理液の固液分離により不溶分を除去し、液体分に含まれる前記有機溶媒及び水を減圧留去し、得られた残渣を水洗し、リグニン分解物を得る方法が挙げられる。溶媒留去後の残渣を水洗することで、水溶性の多糖類等や塩等を除去することができ、リグニン分解物の純度を高めることができる。
方法Bでは、工程(B−3)で得られたリグニン分解物から、低分子量のリグニン分解物を取り出す工程(B−4)を有していてもよい。低分子量のリグニン分解物を取り出す手法として、例えば溶媒分画や、限外濾過膜、逆浸透膜等による膜分離等が挙げられる。
溶媒分画における工程(B−4)の例としては、工程(B−3)で得られたリグニン分解物から、水及び20℃の水に対する溶解度が80g/L以上の有機溶媒から選ばれる少なくとも1種を含む溶媒中でリグニン分解物を抽出する工程が挙げられる。当該工程(B−4)を行うことで、得られるリグニン分解物の重量平均分子量を調整することができ、低分子量のリグニン分解物が得られる。
当該工程の有機溶媒、当該溶媒の組成比は、工程(B−2)で示したものと同様である。当該工程(B−4)は繰り返し行ってもよい。
本発明のゴム組成物は、ゴム組成物のグリップ力低下を長期間抑制する観点から、老化防止剤(C)として、ビスフェノール系化合物、芳香族第二級アミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、モノフェノール系化合物、亜リン酸系化合物、ポリフェノール系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、ジチオカルバミン酸塩系化合物、チオウレア系化合物、キノリン系化合物、及び特殊ワックス系老化防止剤からなる群から選ばれる1種以上を含有する。これらの中では、ビスフェノール系化合物、芳香族第二級アミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、モノフェノール系化合物、及び亜リン酸系化合物から選ばれる1種以上が好ましい。
ビスフェノール系化合物は、下記式(1)又は(2)で表されるものが好ましい。
R1〜R9及びR10〜R18であるアルキル基の炭素数は1〜4がより好ましい。
芳香族第二級アミン系化合物は、下記式(3)で表されるものが好ましい。
R21、R26は、ナフチルアミノ基、1,3−ジメチルブチルアミノ基等がより好ましい。
式(3)において、R26とR27、及びR27とR28が、それぞれ独立に結合して環を形成する場合の化合物としては、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
ヒンダードフェノール系化合物は、下記式(4)〜(6)のいずれかで表されるものが好ましい。
式(4)中、R29及びR30であるアルキル基はtert−ブチル基がより好ましく、Yであるアルキル基の炭素数は1〜18が好ましく、2〜16がより好ましく、3〜14が更に好ましい。
式(5)中、R31及びR32であるアルキル基はtert−ブチル基がより好ましい。
R33、R34及びR35であるチオエーテル基に置換するアルキル基の炭素数は1〜18が好ましく、2〜16がより好ましく、3〜14が更に好ましい。
R33、R34及びR35であるチオエーテル基は、炭素数4〜12のアルキル基を有するチオエーテル基がより好ましい。
これらの中では、[3−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]プロピル] 3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート(イルガノックス1010)、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル(イルガノックス1076)、及び2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール(イルガノックス1520)から選ばれる1種以上がより好ましい。
モノフェノール系化合物の好適例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、及びモノ(又はジ、又はトリ)(α−メチルベンジル)フェノール等から選ばれる1種以上が挙げられる。
亜リン酸系化合物は、下記式(7)で表されるものが好ましい。
P(XR36)3−q(XR37)q (7)
式(7)中、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、R36は炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1〜12のアルキル基を有するモノアルキル又はジアルキルフェニル基を示し、R37は炭素数8〜20のアルキル基を示し、qは0〜3を示す。
式(7)中、R36は、炭素数2〜18のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基を有するモノアルキルフェニル基、及び炭素数2〜8のアルキル基を有するジアルキルフェニル基がより好ましい。
これらの中では、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、及びトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトから選ばれる1種以上がより好ましい。
ベンズイミダゾール系老化防止剤としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩等が挙げられる。
ジチオカルバミン酸塩系化合物の好適例としては、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられ、チオウレア系化合物の好適例としては、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、トリブチルチオ尿素等が挙げられる。
キノリン系化合物の好適例としては、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン等が挙げられる。
その他の老化防止剤として、チオジプロピオン酸ジラウリル等が挙げられる。
本発明のゴム組成物、特に靴底用ゴム組成物は、耐摩耗性、機械的強度等の向上のため、充填剤(D)を含有することが好ましい。充填剤としては、カーボンブラック、ハイスチレン樹脂、コーンスターチ等の炭素系充填剤、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、ゼオライト、珪藻土、アルミナ、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム等からなる群から選ばれる1種以上の充填剤が挙げられる。
カーボンブラックとしては、HAF、FEF、GPF、SRF、N339、SAF、ISAF、IISAF−HS(N285)等のほか、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボンとシリカのデュアル・フェイズ・フィラー等が挙げられる。
これらの中でも、靴底のファッション性、グリップ力向上の観点から、無機充填剤が好ましく、シリカ、アルミナがより好ましく、シリカが更に好ましい。
シリカとしては、乾式法シリカ、湿式法シリカ等が挙げられる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法シリカが好ましい。また、湿式法シリカには、沈殿法、ゲル法、ゾルゲル法があるが、中でも沈殿法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(ASTM D3037−81に準じたBET法で測定)は、グリップ性及び耐摩耗性の観点から、好ましくは50m2/g以上、より好ましくは100m2/g以上であり、そして好ましくは400m2/g以下、220m2/g以下である。
これらの充填剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のゴム組成物、特に靴底用ゴム組成物は、さらにシランカップリング剤を配合することが好ましい。
シランカップリング剤は、公知のものを用いることができるが、中でも、下記式(8)〜(11)のいずれかで表される化合物から選ばれる1種以上が好ましい。
AaB3−aSi−X−Sb−X−SiAaB3−a (8)
〔式中、Aは炭素数1以上3以下のアルコキシ基又は塩素原子、Bは炭素数1以上3以下のアルキル基、Xは炭素数1以上9以下のアルカンジイル基、アルケンジイル基又は炭素数7以上15以下のアリーレン基を示し、aは1以上3以下の整数、bは1以上6以下の整数で分布を有することもある。ただし、aが1のときは2つのBは同じであっても異なっていてもよく、aが2又は3のときは2つ又は3つのAは同じであっても異なっていてもよい。〕
AaB3−aSi−X−Y (9)
〔式中、A、B、X、aは前記式(8)と同様であり、Yはメルカプト基,ビニル基,アミノ基,グリシドキシ基又はエポキシ基を示す。〕
AaB3−aSi−X−Sb−Z (10)
〔式中、A、B、X、a、bは前記式(8)と同様であり、Zはベンゾチアゾリル基,N,N−ジメチルチオカルバモイル基、メタクリロイル基、又は、炭素数1以上15以下の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。〕
AcBdDeSi−X−S―CO−X1 (11)
〔式中、A、B、Xは前記式(8)と同様であり、X1は、炭素数1以上20以下の飽和若しくは不飽和アルキル基、又は炭素数6以上15以下のアレーンジイル基を示す。DはA、B、又は−[O(XO)n]0.5基であり、nは1以上4以下の整数で分布を有することがあり、Xは前記と同様である。また、c、d、及びeは、0≦c≦3、0≦d≦2、0≦e≦1、かつc+d+2e=3の関係を満たす数である。〕
一般式(9)で表されるシランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
一般式(10)で表されるシランカップリング剤としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N、N−ジメチルカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルn−オクチルジスルフィド等が挙げられる。
一般式(11)で表されるシランカップリング剤としては、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)、アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率が12質量%以上であるリグニン分解物(B)、及び老化防止剤(C)を含有する。
ゴム成分(A)の含有量は、ゴム組成物中、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは55質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下、より更に好ましくは70質量%以下である。
また、リグニン分解物(B)の含有量は、ゴム組成物中、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下である。
前記リグニンのゴム組成物中の含有量は、ゴム組成物のクリップ力を向上させる観点から、ゴム成分(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは2.0質量部以上であり、そして、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下、より更に好ましくは12質量部以下、より更に好ましくは9質量部以下、より更に好ましくは5質量部以下である。
また、前記リグニンのゴム組成物中の含有量は、好ましくは0.45質量%以上、より好ましくは0.9質量%以上、更に好ましくは1.35質量%以上であり、そして、好ましくは18質量%以下、より好ましくは13.5質量%以下、更に好ましくは9質量%以下、より更に好ましくは4.5質量%以下である。
リグニン分解物(B)中のリグニンの量(リグニン含率)の測定は、実施例記載の方法により行うことができる。
また、老化防止剤(C)の含有量は、ゴム組成物中、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.25質量%以上であり、そして、好ましくは6.5質量%以下、より好ましくは5.8質量%以下、更に好ましくは3.7質量%以下である。
以上の観点から、本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)100質量部に対し、リグニン分解物(B)1質量部以上30質量部以下、及び老化防止剤(C)0.1質量部以上10質量部以下を含有することが好ましい。
本発明のゴム組成物が更にシランカップリング剤(E)を含有する場合、シランカップリング剤(E)の含有量は、ゴム組成物のクリップ力を向上させる観点から、充填剤(D)100質量部に対して、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。
ゴム成分(A)に対するリグニン分解物(B)の質量比〔(B)/(A)〕は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.015以上、更に好ましくは0.02以上であり、そして、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下、更に好ましくは0.15以下、より更に好ましくは0.12以下、より更に好ましくは0.08以下である。
ゴム成分(A)に対する、リグニン分解物(B)中のリグニンの質量比〔(リグニン)/(A)〕は、好ましくは0.009以上、より好ましくは0.0135以上、更に好ましくは0.018以上であり、そして、好ましくは0.27以下、より好ましくは0.18以下、更に好ましくは0.135以下、より更に好ましくは0.108以下、より更に好ましくは0.072以下である。
ゴム成分(A)に対する老化防止剤(C)の質量比〔(C)/(A)〕は、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.002以上、更に好ましくは0.005以上であり、そして、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.08以下、更に好ましくは0.05以下、より更に好ましくは0.03以下である。
リグニン分解物(B)に対する老化防止剤(C)の質量比〔(C)/(B)〕は、好ましくは0.025以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.125以上であり、そして、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.25以下、より更に好ましくは1.0以下である。
リグニン分解物(B)に対する充填剤(D)の質量比〔(D)/(B)〕は、好ましくは1.3以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは2.6以上、より更に好ましくは3.0以上、より更に好ましくは5.0以上であり、そして、好ましくは40以下、より好ましくは26.7以下、更に好ましくは20以下である。
得られた未加硫ゴム組成物は、公知の方法により加工、成形され、130℃以上180℃以下に加熱され、加硫ゴムとすることができる。
架橋方法は、特に限定されず、架橋物の形状、大きさ等に応じて選択すればよい。靴底の形状の金型中に架橋剤を配合したゴム組成物を充填して加熱することにより成形と同時に架橋してもよく、架橋剤を配合したゴム組成物を予め成形した後、それを加熱して架橋してもよい。
成形温度は、通常10〜220℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃であり、架橋時間は、通常、1〜120分、好ましくは3〜60分である。
本発明の靴底は、本発明のゴム組成物を用いてなる。
本発明のゴム組成物を用いた靴底は、耐摩耗性及び防滑性に優れるので、スポーツシューズ、トレッキングシューズ、クライミングシューズ、バイク用シューズ、通勤靴、釣り用長靴、ビーチサンダル、ダイビング用シューズ、風呂用靴、レインシューズ等に使用することができる。特に水場で使用する靴の底に好適である。
本発明のゴム組成物用グリップ力向上剤(防滑性向上剤)は、アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率が12質量%以上であるリグニン分解物(B)を有効成分とする。
用いられるリグニン分解物の詳細は、前述したとおりである。
本発明のゴム組成物用グリップ力向上剤中におけるリグニン分解物(B)の含有量は、本発明の効果を好適に発揮させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
本発明のゴム組成物用グリップ力向上剤は、上記したリグニン分解物(B)のほか、公知のゴム組成物用添加剤を含むことができる。また、リグニン分解物(B)は、所望によりオイル、エステル化合物、又はリグニン分解物(B)の効果を阻害しない有機化合物等により希釈して用いることができる。
リグニン分解物70mg、リグニン含有試料、2M 水酸化ナトリウム水溶液7mL、ニトロベンゼン0.4mLを20mLのバイアルに入れ、900rpmで撹拌しながら170℃で2.5時間加熱した。反応終了後冷却し、10mLのジエチルエーテルで3回抽出し、ニトロベンゼン還元物と余分なニトロベンゼンを除去した。残った水層側に濃塩酸を加えてpH1に調整し、さらに10mLのジエチルエーテルで3回抽出した。このジエチルエーテル抽出液を減圧下で留去し、酸化混合物を得た。この酸化混合物をジクロロメタン20mLでメスアップした。この溶液のうち2mLをミリポアHVHP膜(日本ミリポア株式会社製、孔径0.45μm)でろ過し、ガスクロマトグラフィ(GC)に供した。
ガスクロマトグラフィは、AgilentJ&W GCカラム DB−5(アジレント・テクノロジー株式会社製)を装着したGC装置(株式会社島津製作所製、GC−2010Plus)を用いた。測定条件は、リグニン含有試料量は1.0μL、ヘリウム流速は14.1mL/分、抽入口温度300℃、スプリット比10:1とした。温度は、60℃で1分間保持した後、60〜250℃まで5℃/分で昇温し、250℃で10分保持した。定量は、バニリン、シリンガアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒドの3つのアルデヒドを試薬として用い、濃度に対するピーク面積で検量線を作成し、リグニン分解物中の前記3つのアルデヒド収量をそれぞれ求めた。
下記計算式(II)によりアルデヒド収率(質量%)を算出し、リグニン変性度の指標とした。アルデヒド収率が高いほど、低変性なリグニン分解物であることを示している。
アルデヒド収率(質量%)=(バニリン、シリンガアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒドのアルデヒド量を合算したアルデヒド収量/採取したリグニン分解物中のリグニン質量)×100 (II)
リグニン分解物中のリグニン含率及びリグニン質量は、下記計算式(III)、(IV)により算出した。
リグニン含率(質量%)=〔酸不溶性リグニン含率(質量%)+酸可溶性リグニン含率(質量%)〕 (III)
リグニン質量(g)=〔酸不溶性リグニン含率(質量%)+酸可溶性リグニン含率(質量%)〕×リグニン分解物採取量(乾基準)(g)/100 (IV)
ここで、酸不溶性リグニン含率及び酸可溶性リグニン含率は、以下に示す方法により算出した。
(酸不溶性リグニン含率の算出)
酸不溶性リグニン含率は、下記計算式(V)により、粗酸不溶性リグニン中の灰分率を差し引いて算出した。
酸不溶性リグニン含率(質量%)=粗酸不溶性リグニン含率(質量%)×〔100−灰分率(質量%)〕/100 (V)
(粗酸不溶性リグニン含率の算出)
粉砕したリグニン分解物を、60℃で真空乾燥した。この乾燥したリグニン分解物300mgをバイアルに入れ、72質量%硫酸を3mL加えて30℃の水浴中で1時間適宜撹拌した。その後、水84mLを加えて耐圧瓶に移し、オートクレーブを用いて120℃で1時間処理を行った。その後、リグニン分解物が70℃以下にならないうちに取り出し、予め恒量を測定しておいた1G−3のガラスフィルターを用いて吸引ろ過を行った。ろ液(A)は保管し、残渣が付着したガラスフィルターはよく水洗した後、105℃で乾燥して、恒量を測定し、下記計算式(VI)により、粗酸不溶性リグニン含率(乾基準)を求めた。
粗酸不溶性リグニン含率(質量%)=〔リグニン分解物残査質量(g)/リグニン分解物採取量(乾基準)(g)〕×100 (VI)
(灰分率の算出)
粗酸不溶性リグニンを予め恒量を測定したるつぼに移し、575℃で12時間保持し、その後冷却して、るつぼの恒量を測定し、灰化後試料質量を求め、下記計算式(VII)により、灰分率を求めた。
灰分率(質量%)=〔灰化後試料質量(g)/粗酸不溶性リグニン採取量(乾基準)(g)〕×100 (VII)
(酸可溶性リグニン含率の算出)
酸可溶性リグニンの測定は以下の方法により行い、酸可溶性リグニン含率を算出した。
ろ液(A)を100mLに定容し、UV−Vis吸光光度計を用いて、205nmにおける吸光度を測定した。この時、吸光度が0.3〜0.8になるように適宜希釈した。
酸可溶性リグニン含率(質量%)=d×v×(As−Ab)/(a×w)×100
d:希釈倍率、v:ろ液定容量(L)、As:試料溶液の吸光度、Ab:ブランク溶液の吸光度、a:リグニンの吸光係数、w:試料採取量(乾基準)(g)
なお、リグニンの吸光係数(a)は、中野順三、飯塚堯介監訳「リグニン化学研究法」(ユニ出版株式会社、1994年発行)において、既報の平均値として記載されている値110L/g/cmを用いた。
リグニン分解物の分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう)法により下記条件で測定した。
〔GPC操作〕
リグニン含有試料溶液(1mg/mL)を100μLを注入して測定を行った。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出した。
〔GPC条件〕
機種 :HLC−8120GPC[東ソー株式会社]
検出器 :RI検出器
分離カラム :TSK−GEL α−M 2本[東ソー株式会社]
ガードカラム:TSKgel guardcolumn α[東ソー株式会社]
カラム温度 :40℃
溶離液 :60mmol/LのH3PO4と50mmol/LのLiBrを添加したN,N−ジメチルホルムアミド溶液
溶離液流量 :1mL/min
標準試料 :単分散ポリスチレン混合溶液〔東ソー株式会社製のA−500(分子量5.0×102)、F−10(分子量9.64×104)、F−850(分子量8.42×106)、Pressure Chemical社製(分子量4.0×103、3.0×104、9.29×105)〕
リグニン分解物中の硫黄含有量は、下記の自動燃焼装置付きイオンクロマトグラフ法により測定し、算出した。
〔分析操作〕
リグニン分解物を燃焼ボードに約0.02〜0.05g採取し、酸化タングステンを添加した。自動燃焼装置AQF‐100(三菱化学株式会社)にて燃焼操作を行い、硫酸イオンとして吸収液(900ppm過酸化水素溶液5mL)にて捕集した。吸収液を、イオン交換水を用いて50mLに定容し、試験溶液とした。試料溶液をイオンクロマトグラフ法により測定を行い、検量線から検体中の硫黄の含量(硫酸イオンより換算:0.3338)を算出した。
〔燃焼装置操作条件〕
機 種 :自動燃焼装置AQF−100[三菱化学株式会社]
最高燃焼温度:1000℃
ガス流量 :アルゴン/酸素200mL/min、酸素400mL/min
送水ユニットガス流量:アルゴン150mL/min
〔イオンクロマト操作条件〕
機種 :ICS−1500[DIONEX社]
検出器 :電気伝導度検出器
分離カラム :IonPac AS12A[DIONEX社]
ガードカラム:IonPac AG12A[DIONEX社]
溶離液 :2.7mmol/L炭酸ナトリウム及び
0.3mmol/L炭酸水素ナトリウムの混液[1:1]
溶離液流量 :1.5mL/min
サプレッサー:AERS 500 4−mm(リサイクルモード)[サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社]
〔工程(A−1)〕
草本系バイオマスとして、バガスを乾燥質量として30gをガラス瓶に入れ、固形分濃度が10質量%になるように、1.6質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えた。ガラス瓶を恒温槽で95℃、6時間加熱した(H−ファクター:3.5)。
〔工程(A−2)〕
工程(A−1)で得られた反応物を、400メッシュのSUSメッシュとヌッチェを用いて減圧濾過した。残渣を、90℃のイオン交換水300mLで洗浄し、ろ液を得た。
〔工程(A−3)〕
ろ液に1.0M 塩酸を加えpH2にした。
得られた懸濁液を、遠心分離した(日立工機株式会社製「CR 20GIII」、10000rpm、20分)。上澄みを除き、イオン交換水300mLを加え、撹拌した後、再度遠心分離し、水洗を行った。水洗を2回行い、得られた沈殿物を凍結乾燥した。
得られたリグニンにアセトンを加え、3時間撹拌し、溶媒抽出を行った。その後、濾紙「ろ紙No.2」(東洋濾紙株式会社製)を用いて固液分離をした。ろ液からアセトンを減圧留去し、リグニン分解物1を得た。
得られたリグニン分解物1のアルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率は、27.6質量%、重量平均分子量は1,700、硫黄含有量は0.085質量%であった。また、リグニン分解物1のリグニン含率は93質量%であった。
調製例1の工程(A−3)において、抽出溶媒をアセトン/メタノール(80/20,体積比)の混合溶媒に変えて、アセトン/メタノール混合溶媒を使用した以外は、調製例1と同様の条件でリグニン分解物2を得た。得られたリグニン分解物2のアルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率は、24.3質量%、重量平均分子量は4,800、硫黄含有量は0.056質量%であった。また、リグニン分解物2のリグニン含率は90質量%であった。
(前処理)
草本系バイオマスとして、バガス(サトウキビの搾りかす、水分量7.0質量%)を減圧乾燥機「VO−320」(アドバンテック東洋株式会社製)の中に入れ、窒素流通下の条件で2時間減圧乾燥し、水分量2.0質量%、ホロセルロース含有量71.3質量%、リグニン含有量22.8質量%の乾燥バガスを得た。
得られた乾燥バガス100gと、粒径0.7mmの粒状の水酸化ナトリウム「トーソーパール」(東ソー株式会社製)4.4g(ホロセルロースを構成するアンヒドログルコース単位(AGU)1モルに対し0.25モル相当量)とをバッチ式振動ミル「MB−1」(中央化工機株式会社製、容器全容積3.5L、ロッドとして、φ30mm、長さ218mm、断面形状が円形のSUS304製ロッド、ロッド充填率57容量%)に投入し、2時間粉砕処理して粉砕バガス(セルロースI型結晶化度14%、平均粒径56.6μm)を得た。得られた粉砕バガス100g(塩基性化合物を除いた乾燥原料換算)を、1.0M 塩酸で中和した。
〔工程(B−1)〕
得られたバガス粉砕物100gを2.0Lの100mM酢酸緩衝液(pH5.0)に投入し、セルラーゼ・ヘミセルラーゼ製剤「Cellic CTec 2」(ノボザイムズ社製)を20mL添加し、50℃に保ちながら600rpmで撹拌し酵素糖化を行った。24時間後に反応を終了させ、遠心分離により上清と糖化残渣に分離した。糖化残渣は洗浄・遠心分離を繰り返し行い、凍結乾燥させた。
〔工程(B−2)〕
得られた糖化残渣(絶乾質量250mg)を反応容器(容量5mL)に取り、アセトン/水(50/50,質量比)の混合溶媒を4.8g、塩酸(濃度1.0M)を240μL添加し、密閉した後、160℃、1.6MPaで30分間、900rpmで撹拌しながらマイクロ波加熱装置「Initiator 60」(バイオタージ・ジャパン株式会社製)を用いてマイクロ波加熱を行い、加熱処理液を得た。
〔工程(B−3)〕
工程(B−2)で得られた加熱処理液は、遠心分離により抽出液と残渣に分離され、残渣をアセトン、水、及びアセトン/水混合溶媒で抽出液が透明になるまで洗浄した。遠心分離及び洗浄により得られた抽出液を集め、1.0M 水酸化ナトリウムを240μL添加して中和した後、抽出液に含まれる溶媒を減圧留去した。得られた固形分を再度水で洗浄し、水不溶分を室温で減圧乾燥してリグニン分解物3を得た。得られたリグニン分解物3のアルカリニトロベンゼン酸化によるアルデヒド収率は、20.1質量%、重量平均分子量は9,300、硫黄含有量は0.066質量%であった。またリグニン分解物3のリグニン含率は95質量%であった。
ユーカリウッドチップ(株式会社有吉コーポレーション製)を、ミニスピードミル(MS−05、ラボネクト社製)で30秒間粉砕し、30秒間停止し、更に30秒間粉砕し、粉砕物20g(絶乾質量)と、酢酸200mLと、1M硫酸(和光純薬工業株式会社製)12mLをナスフラスコに入れ、液相を均一に混合した後、室温で1週間静置した。次いで、120℃で1時間還流を行った。次いで、2M NaOH(和光純薬工業株式会社製)15mLを加え、液相を均一に混合した後、ろ紙(アドバンテック製、定性濾紙No.2、径90mm)とブフナーロートとを用い、吸引濾過によって固液分離した。
ろ紙上に残留したろ過物に対し、酢酸(和光純薬工業株式会社製)40mLを加えて洗浄し、洗浄液をろ液に加えた。ろ液をイオン交換水2Lに投入し、得られた懸濁液を遠心分離器(日立工機株式会社製「CR 20GIII」)で遠心分離(100r/min、20分間)し、ケーク1を得た。前記ケーク1の2倍の質量のイオン交換水にケーク1を分散させ、再度前記条件で遠心分離してケーク2を得た。このケーク2を凍結乾燥して粉末とし、アセトンを加え、3時間撹拌した後、ろ紙(アドバンテック製、定性濾紙No.2)を用いて固液分離をした。ろ液からアセトンを減圧留去し、リグニン分解物4を得た。
得られたリグニン分解物4のアルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率は、13.1質量%、重量平均分子量は9,800、硫黄含有量は0.061質量%であった。また、リグニン分解物4のリグニン含率は79質量%であった。
(1)未加硫ゴム組成物の製造
表1〜8に示す配合組成において、亜鉛華、硫黄及び加硫促進剤を除く成分を100mLの密閉型ミキサー(株式会社東洋精機製作所製、ラボプラストミル(R100))で3〜6分間混練し、温度が155℃に達したときに排出してゴム組成物を得た。ここで50℃以下に冷却した後、次に該ゴム組成物に亜鉛華、硫黄及び加硫促進剤を加えて3分間混練し、温度が110〜125℃に達したときに排出して未加硫ゴム組成物を得た。
上記(1)で得られた未加硫ゴム組成物を2枚のSUS板の間に厚さ1.6mm、14.3cm×10.3cmの金属製の枠と共に挟み、160℃で加硫処理して加硫ゴム試験片を作製した。得られた加硫ゴムシートを株式会社ダンベル製、スーパーストレートカッターを用いて1.3cm×6.3cmの短冊形試験片を切り出した。
なお、試験片の加硫時間は、JIS K6300−2の振動式加硫試験機による加硫試験に準じて、未加硫ゴムの160℃の時の加硫時間(T90)を求め、加硫はT90に1.5を乗じた時間行った。
株式会社トリニティーラボ製の静・動摩擦測定器「TL201Ts」を用い、テーブル摺動型の駆動ユニットを用いて測定した。
静・動摩擦測定器の測定ユニットの試験片固定箇所に、加硫ゴム試験片をニチバン株式会社製の両面テープ(強力タイプ)「ナイスタック」(登録商標)を用いて固定した。その際、測定面との接地面(測定ユニット下面)が1.3cm×2.0cmになるようにし、ゴム試験片の両端の余った部分は、測定ユニット側面に固定した。また、測定面には9.0cm×5.5cm×0.7cmのSUS303を用いた。SUS板は摺動型テーブルに液受けバットを設置し、その中に固定した。固定にはニチバン株式会社製の両面テープ(強力タイプ)「ナイスタック」(登録商標)を用いた。
最大静止摩擦力指数、及び平均動摩擦力指数は、測定速度10mm/秒、垂直荷重100g、移動距離1cmで測定を行った。また、各試験片の最大静止摩擦力指数、及び平均動摩擦力指数は、本発明に係るリグニン分解物以外で同等の成分を有するゴム組成物(比較例1のゴム組成物)の各摩擦力を100として、下記計算式(VIII)により相対値を求め、最大静止摩擦力指数、及び平均動摩擦力指数とした。なお、摩擦力指数が大きいほどゴムのグリップ力に優れることを示す。
摩擦力指数=(摩擦力/比較例1の摩擦力)×100 (VIII)
なお、表1では、比較例1を100、表2では比較例2を100、表3では比較例6を100、表4では比較例7を100、表5では比較例8を100として、表6では比較例9を100として、表7では比較例10を100として、表8では比較例11を100として、それぞれ計算した。
また、乾燥状態で測定し、各摩擦力を上記計算式(VIII)に当てはめた結果をドライ、液受けバット中にイオン交換水を満たし、SUS板とゴム試験片をイオン交換水で水没させた状態で測定した際の、各摩擦力を上記計算式(VIII)に当てはめた結果をウエットと表記した。結果を表1〜8に示す。
*1:溶液重合スチレン・ブタジエンゴム、日本ゼオン株式会社製 「Nipol(登録商標)NS210」
*2:乳化重合スチレン・ブタジエンゴム、日本ゼオン株式会社製「Nipol(登録商標)1502」
*3:東京化成工業株式会社製、リグニン(脱アルカリ)「L0045」、重量平均分子量:14400、リグニン含有量:84質量%、アルデヒド収率:5.5質量%、硫黄含有量:4.5質量%
*4:ナカライテスク株式会社製、リグニン「20453−02」、リグニン含有量: 60質量%、アルデヒド収率:8.7質量%、重量平均分子量:11,000、硫黄含有量:3.5質量%
*5:シグマアルドリッチ社製、リグノスルホン酸ナトリウム「471038−100G」、重量平均分子量:52000、リグニン含有量:85質量%、アルデヒド収率:11質量%、硫黄含有量:6.0質量%
*7:ビスフェノール系老化防止剤、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、大内新興化学工業株式会社製「ノクラックNS−30」
*8:亜リン酸エステル系老化防止剤、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、城北化学工業株式会社製「JP−650」
*9:ヒンダートフェノール系老化防止剤、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、BASF社製「イルガノックス1076」
*21:モノフェノール系老化防止剤、2,6-ジ−tert−ブチル-4-メチルフェノール(BHT)、和光純薬株式会社製、特級
*22:キノリン系老化防止剤、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業株式会社製「ノクラック224」
*23:特殊ワックス系老化防止剤、精選特殊ワックス、大内新興化学工業株式会社製「サンノック」
*11:カーボンブラック、東海カーボン株式会社製、「シースト3」
*12:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、デグッサ社製「Si69」
*13:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、城北化学工業株式会社製「JF−77」
*14:花王株式会社製「ルナックS−70V」
*15:ナフテン系プロセスオイル、日本サン石油株式会社製「SUNTHENE 410」
*16:和光純薬工業株式会社製「酸化亜鉛 和光一級」
*17:和光純薬工業株式会社製「硫黄、粉末 化学用」
*18:スルフェンアミド系加硫促進剤、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、三新化学工業株式会社製「サンセラーNS」
*19:天然ゴム、「RSS3号」
Claims (15)
- ゴム成分(A)、アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率が12質量%以上であるリグニン分解物(B)、及び老化防止剤(C)を含有するゴム組成物。
- リグニン分解物(B)の重量平均分子量が500以上15,000以下である、請求項1に記載のゴム組成物。
- 老化防止剤(C)が、ビスフェノール系化合物、芳香族第二級アミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、モノフェノール系化合物、亜リン酸系化合物、ポリフェノール系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、ジチオカルバミン酸塩系化合物、チオウレア系化合物、及びキノリン系化合物からなる群から選ばれる1種以上を含有する、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 芳香族第二級アミン系化合物が、下記式(3)で表されるものである、請求項3に記載のゴム組成物。
〔式(3)中、R19、R20、及びR22〜R25は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R21は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、総炭素数9のアルキルフェニル基、又はナフチルアミノ基を示し、R26は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、総炭素数9のアルキルフェニル基、p−トルエンスルホニルアミノ基、ナフチルアミノ基、アニリノ基、又は炭素数1〜8のアルキル基を有するアミノ基を示し、R27及びR28は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルケニル基を示す。R26とR27、及びR27とR28は、それぞれ独立に結合して環を形成していてもよい。ただし、R26とR27とR28が同時に環を形成することはない。〕 - ヒンダードフェノール系化合物が、下記式(4)〜(6)のいずれかで表されるものである、請求項3記載のゴム組成物。
〔式(4)中、R29及びR30は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Yは炭素原子、イオウ原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、mは1〜4の整数を示し、nは1〜3の整数を示す。〕
〔式(5)中、R31及びR32は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、qは1〜3の数を示し、Dは(5a)又は(5b)の基を示す。*は結合部位を示し、qが1のとき結合部位は1つであり、qが3のとき結合部位は3つである。〕
〔式(6)中、R33、R34及びR35は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を有するチオエーテル基を示すが、全てが水素原子であることはない。〕 - モノフェノール系化合物が、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)である、請求項3に記載のゴム組成物。
- 亜リン酸系化合物が、下記式(7)で表されるものである、請求項3に記載のゴム組成物。
P(XR36)3−q(XR37)q (7)
〔式(7)中、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、R36は炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1〜12のアルキル基を有するモノアルキル又はジアルキルフェニル基を示し、R37は炭素数8〜20のアルキル基を示し、qは0〜3を示す。〕 - 更に充填剤(D)を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物。
- 充填剤(D)が、炭素系充填剤、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、ゼオライト、珪藻土、アルミナ、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、及び塩基性炭酸マグネシウムからなる群から選ばれる1種以上である、請求項9に記載のゴム組成物。
- ゴム成分(A)100質量部に対し、リグニン分解物(B)1質量部以上30質量部以下、及び老化防止剤(C)0.1質量部以上10質量部以下を含有する、請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物を用いた靴底。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物の靴底用としての使用。
- アルカリニトロベンゼン酸化法によるアルデヒド収率が12質量%以上であるリグニン分解物(B)を含有するゴム組成物用グリップ力向上剤。
- リグニン分解物(B)の重量平均分子量が500以上15,000以下である、請求項14に記載のゴム組成物用グリップ力向上剤。
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