JP6383193B2 - 光干渉断層画像生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光のコヒーレント(干渉性)を利用して物体内部の断層像を撮像する光干渉断層画像生成装置に関する。
従来、歯科用の光干渉断層画像生成装置(Optical Coherence Tomography:以下、OCT装置という。)は、光源から照射されたレーザ光を計測光と参照光とに分配し、計測光をプローブから口腔内組織に照射すると共に、参照光を参照ミラーに照射する。さらに、OCT装置は、口腔内組織から反射して戻ってきた散乱光をプローブで回収し、散乱光と参照ミラーからの反射光とを光合波器で合成させ、その干渉光を解析して断層画像を生成している(例えば、特許文献1参照)。
前記特許文献1のOCT装置は、コリメータを光軸方向に移動させて、カップラ(光分割器)から参照ミラーまでの光路長を変更したり、初期設定したりする際に使用する光路長変更手段を備えている。参照光の光路長変更手段は、コリメータと共に光軸に沿って手動で進退させることが可能なコリメータレンズユニットと、参照光集光レンズと、参照ミラーと、コリメータレンズユニット、参照光集光レンズ及び参照ミラーを支持する支持フレーム部材と、から構成されている。
国際公開第2013/136476号公報
しかし、特許文献1のプローブは、光路長を変更する光路長変更手段が、カバーハウジングに覆われた光学ユニット部(光学ユニット)に内設された手動式の装置から成るので、光路長を変更する場合、光学ユニット部のカバーハウジングを取り外して手動で光路長変更手段を操作しなければならない。このため、光路長を調整する際には、カバーハウジングを取り外したり、取り受けたりする必要があると共に、プローブで被写体を撮影しながら、表示装置に移し出された画像を視認して、光路長を調整しなければならないので、調整し難く、作業工数及び作業時間がかかるという問題点があった。
そこで、本発明は、そのような問題を解消すべく発明されたものであって、光路長を容易に調整することができる光干渉断層画像生成装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る光干渉断層画像生成装置は、レーザ光を照射する光源と、前記レーザ光を被写体に照射する計測光と参照ミラーに照射する参照光に分配する光分割器と、前記計測光を前記被写体に照射し、当該被写体の内部で散乱して戻ってきた散乱光を受光するプローブと、前記参照光が前記参照ミラーから反射して戻ってきた反射光と前記散乱光とを合成させて干渉光を生成する光合波器と、を有し、前記干渉光を解析して光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成装置であって、前記参照光を平行光に収束させるコリメータと、前記平行光を前記参照ミラーに集光させる参照光集光レンズと、前記コリメータを光軸方向に移動させて、前記光分割器から前記参照ミラーまでの光路長を変更する光路長変更手段と、を備え、前記光路長変更手段は、前記コリメータを光軸方向に移動させる光路長調整アクチュエータと、前記光路長調整アクチュエータを駆動させるアクチュエータ制御部と、前記アクチュエータ制御部に対して前記光路長調整アクチュエータを駆動させて前記光分割器から前記参照ミラーまでの光路長の変更させるための信号を入力する指令手段と、を備え、前記指令手段は、前記プローブに設けられたスイッチを備えて構成され、前記プローブには、前記指令手段のスイッチと、前記計測光を前記被写体に集光させる集光レンズと、前記プローブの先端部に装着され前記被写体に当接させるノズルに当接された前記被写体と、の間の距離を調整して集光点を調整する集光点調整機構と、が配置されていることを特徴とする。
このような光干渉断層画像生成装置は、コリメータを光軸方向に移動させて、光分割器から参照ミラーまでの光路長を変更させる光路長調整アクチュエータを備えていることによって、例えば、ノズルを移動させるなどして被写体から光合波器までの光路長を変更した場合、散乱光と反射光の光路長を容易に調整して一致させることができるため、干渉光の解析を迅速に行うことができる。
また、このような光干渉断層画像生成装置は、コリメータを光軸方向に移動させて、光分割器から参照ミラーまでの光路長を変更させる光路長調整アクチュエータと、光路長調整アクチュエータを駆動させる指令手段と、を備えていることによって、例えば、ノズルを移動させるなどして被写体から光合波器までの光路長を変更した場合、光路長を指令手段で遠隔操作して容易に調整して一致させることができるため、干渉光の解析を迅速に行うことができる。
また、このような光干渉断層画像生成装置は、指令手段をプローブに設けていることによって、プローブで被写体を撮影しながら、術者が掴んでいるプローブの指令手段を操作して光路長を調整することができる。このため、光路長の調整が行い易い。
また、前記指令手段のスイッチは、操作することによって前記光路長調整アクチュエータを正転させて前記コリメータを前進させる正転用スイッチと、前記光路長調整アクチュエータを反転させて前記コリメータを後退させる反転用スイッチと、を備えて構成されていることが好ましい。
このような光干渉断層画像生成装置は、正転用スイッチを操作することによってコリメータを前進させることができ、また、反転用スイッチ操作することによってコリメータを後退させることができる。
また、前記プローブの構成部品を覆うハウジングは、前記ハウジングの略中央部に配置された走査手段を収納する走査手段収納部と、前記走査手段収納部の配置位置から後方向に延びて形成されたグリップ部と、前記走査手段収納部から前方向に形成された集光レンズ収納部と、を有し、平面視及び側面視してストレート形状に形成されて、前記走査手段収納部の側面には、前記正転用スイッチと前記反転用スイッチとが設置されていることが好ましい。
このような光干渉断層画像生成装置は、プローブは、ハウジングに正転用スイッチと前記反転用スイッチとが設置されているので、術者は診断プローブ部を掴んで撮影しながら操作することができる。
また、前記被写体の光干渉断層画像を表示する表示装置を備え、前記指令手段は、前記表示装置の画面上に表示されたカーソルまたはアイコンを操作することによって、前記アクチュエータ制御部に前記信号を入力するコンピュータ指令手段を備えることが好ましい。
このような光干渉断層画像生成装置は、指令手段が、表示装置の画面上に表示されたカーソルまたはアイコンを操作することによってアクチュエータ制御部に送信するコンピュータ指令手段を備えることにより、コンピュータ指令手段で表示装置の画面上のカーソルまたはアイコンを操作して光路長調整アクチュエータを制御することができる。このため、術者は、表示装置の画面の画像を見ながらコンピュータ指令手段で光路長調整アクチュエータを遠隔操作することができる。
また、前記被写体の光干渉断層画像を表示する表示装置を備え、前記表示装置及び前記指令手段は、画面上に表示されたスライダーまたはポインタを操作することによって、前記アクチュエータ制御部に前記信号を入力するタッチパネルを備えることが好ましい。
このような光干渉断層画像生成装置は、表示装置及びコンピュータ指令手段がタッチパネルを備えているので、タッチパネルの画像を見ながらスライダーまたはポインタをタッチ操作することによって、光路長を調整することができる。
前記光路長調整アクチュエータは、モータ制御によって駆動されるアクチュエータであることが好ましい。
このような光路長調整アクチュエータは、モータ制御によって駆動される電動機等のアクチュエータから成るので、容易に小型化できるため、ブローブに内設することができる。
また、前記指令手段は、足踏み式スイッチのフットコントローラと、前記スイッチと、を備えて構成されていることが好ましい。
このような光干渉断層画像生成装置は、指令手段がフットコントローラであることによって、両手が塞がっている状態であっても、足でフットコントローラを操作して光路長を調整することができる。
本発明に係る光干渉断層画像生成装置は、光分割器から参照ミラーまでの光路長を光路長調整アクチュエータによって容易に調整することができる。
本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の外観図であって、(a)は単関節アーム型、(b)は多関節アーム型をそれぞれ示している。 本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置のユニット構成を模式的に示す構成図である。 本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の光路長変更手段を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の光路長変更手段を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置の診断プローブ部の斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る光干渉断層画像生成装置であるOCT装置について詳細に説明する。
≪OCT装置≫
OCT装置1は、撮影するサンプルS(被写体)を、歯科の患者の診断対象の歯牙(前歯)である場合を例に挙げて説明する。図1及び図2に示すように、OCT装置1は、光学ユニット部10(光学ユニット)と、診断プローブ部30(プローブ)と、制御ユニット部50(制御ユニット)と、を主に備えている光干渉断層画像生成装置である。
図2に示すOCT装置1は、光源11から照射されたレーザ光をサンプルSに照射する計測光と、参照ミラー21に照射する参照光とにカップラ12(光分割器)で分配する。さらに、診断プローブ部30では、計測光をサンプルSに照射しサンプルSの内部から散乱して戻ってきた散乱光と、参照ミラー21からの反射光と、をカップラ16(光合波器)で合成させた干渉光を解析して、光干渉断層画像を生成する。
≪光学ユニット部≫
光学ユニット部10は、一般的な光コヒーレンストモグラフィの各方式が適用可能な光源、光学系、検出部を備えている。光学ユニット部10は、サンプルSに高帯域な波長のレーザ光を続けて(周期的に)照射する光源11と、レーザ光をサンプルSに照射する計測光と参照ミラー21に照射する参照光に分配するカップラ12と、計測光をサンプルSに照射し、サンプルSの内部で散乱して戻ってきた散乱光を受光する診断プローブ部30と、参照光が参照ミラー21から反射して戻ってきた反射光と散乱光とを合成させて干渉光を生成するカップラ16と、その干渉光からサンプルSの内部情報を検出するディテクタ(検出器)23と、光源11とディテクタ23との間の光路中に設けられた光ファイバ(60A,60)や、その他光学部品等を備えている。
光源11から射出された光は、光分割器であるカップラ12により、計測光と参照光とに分けられる。計測光は、サンプルアーム13のサーキュレータ14から診断プローブ部30に入射する。この計測光は、診断プローブ部30のシャッタ機構31のシャッタ(図示省略)が開状態において、受光レンズ32(コリメータレンズ)、走査手段33(ガルバノミラー)を経て集光レンズ34によってサンプルSに集光され、そこで散乱、反射した後に再び集光レンズ34、走査手段33、受光レンズ32を経てサンプルアーム13のサーキュレータ14に戻る。戻ってきた計測光の偏光成分は、偏光コントローラ15によってより偏光の少ない状態に戻され、光合波器としてのカップラ16を介してディテクタ23に入力される。
一方、光分割器用のカップラ12により分離された参照光は、レファレンスアーム17のサーキュレータ18からコリメータレンズ19b、光路長変更手段24を経て参照光集光レンズ20によって参照ミラー21(レファレンスミラー)に集光され、そこで反射した後に再び参照光集光レンズ20、コリメータレンズ19bを経てサーキュレータ18に戻る。戻ってきた参照光の偏光成分は、偏光コントローラ22によってより偏光の少ない状態に戻され、光合波器用のカップラ16を介してディテクタ23に入力される。つまり、カップラ16が、サンプルSで散乱、反射して戻ってきた計測光と、参照ミラー21で反射した反射光とを合波するので、合波により干渉した光(干渉光)をディテクタ23がサンプルSの内部情報として検出することができる。
<光源>
光源11としては、例えば、SS−OCT方式用のレーザ光源から成る。
<参照光のコリメータレンズ>
参照光のコリメータレンズ19b(図2参照)は、カップラ12で分割された参照光を平行光に収束させるレンズであり、図3及び図4に示すように、コリメータレンズユニット19のコリメータ19dの略円筒状のレンズホルダ19a内に収容されている。
コリメータレンズユニット19は、コリメータ19dと、コリメータ19dを保持するコリメータ保持体19eと、コリメータ保持体19eを載設したブロック19fと、ブロック19fを光軸方向に進退移動させる載置した支持台191と、支持台191及び光路長調整アクチュエータMを側方から支持するガイド部材192と、支持台191を支持フレーム部材194に固定するための固定部材193と、光軸に沿って延びる支持フレーム部材194と、を備えている。
図3及び図4に示すように、コリメータ19dは、コリメータレンズ19bを内嵌した略円筒状のレンズホルダ19aと、レンズホルダ19aに内嵌されたコリメータレンズ19bと、レンズホルダ19aに取り付けられたコネクタ19cと、一端がコネクタ19cに接続され、他端がレンズホルダ19aとサーキュレータ18(図2参照)とに接続された光ファイバ(図2のケーブル60A)と、を備えている。コリメータ19dは、カップラ12(光分割器)で分割された参照光を平行光に収束させる機能がある。
レンズホルダ19aは、光軸上の一端側に光ファイバ(図2のケーブル60A)が取り付けられコネクタ19cを固定し、他端側に参照ミラー21に向けて開口され参照光、反射光が出入りする開口部が形成されている。
コネクタ19cは、光ファイバ(図2のケーブル60A)をレンズホルダ19aに取り付けるための接続部材であり、レンズホルダ19a内に装着されている。
コリメータ保持体19eは、レンズホルダ19aを光軸方向へ進退させて微調整可能にねじ止めし、ブロック19f上に固定されている。
図3に示すように、ブロック19fは、支持台191の上面に、光軸方向に延設されたガイド溝191aに進退自在に係合されたスライダー凸部19jと、光路長調整アクチュエータMの回転軸Maに形成された雄ねじ部(図示省略)に螺合する雌ねじ部(図示省略)と、を有している。ブロック19fは、光路長調整アクチュエータMの回転軸Maの雄ねじ部が回転することによって、雄ねじ部が螺合している雌ねじ部(図示省略)が形成されたブロック19fが、ガイド溝191aを進退するように構成されている。ブロック19fは、平面視して略コ字状のブラケット19h内に圧縮コイルばねSPを介在して光軸に直交する方向に微調整可能に支持されている。
調整具19gは、コリメータ保持体19e及びブロック19fを光軸に直交する方向に微調整可能に固定するための部材であり、ねじ部材から成る。
ブラケット19hは、コリメータ保持体19eを側方から支持する部材であり、側面視して略十字状に形成されて、上端部が調整具19gによってコリメータ保持体19eに固定されて一体化されている。ブラケット19hは、調整具19gを緩めることによって、調整具19gを中心として前後方向に揺動可能となる。
支持台191は、この支持台191に固定したコリメータレンズユニット19を載設して、コリメータレンズユニット19を支持フレーム部材194に対して光軸方向に位置調整可能に支持する部材である。支持台191は、支持フレーム部材194上に光軸方向に摺動自在に載置された厚板部材であり、支持フレーム部材194の載置面194a上の適正な位置に固定部材193によって固定される。
固定部材193は、支持台191及びガイド部材192を支持フレーム部材194に固定するための部材から成り、載置面194aの所定位置に固定される。
かかる構成により、コリメータ19dは、サンプルS側の光路長と参照光側の光路長が等しくなるように予め設定された光軸上の位置に配置することができる。
参照光集光レンズ20は、コリメータレンズ19bによって収束された平行光を参照ミラー21に集光させるレンズであり、例えば、支持フレーム部材194上のコリメータレンズ19bと参照ミラー21との間の予め設定された光軸上の位置に配置されている。参照光集光レンズ20は、この参照光集光レンズ20の傾きを調整可能に支持台20aに支持されると共に、その支持台20aが支持フレーム部材194に光軸方向へ移動及び固定可能に締結される固定具20bでレール部194bの所定位置に固定される。
支持フレーム部材194は、光軸方向に延設された板状の部材であり、支持フレーム部材194の載置面194a上にコリメータレンズユニット19が取り付けられ、レール部194b上に参照光集光レンズ20、及び、参照ミラー21が載設されている。支持フレーム部材194には、例えば、一端部に参照ミラー21が固定され、この参照ミラー21から適宜な間隔を介して参照光集光レンズ20とコリメータ19dとが順に配置されて、コリメータ19dを移動することによって光路長が変更できるように設けられている。
<参照光の光路長変更手段>
図2に示すように、参照光の光路長変更手段24は、コリメータ19dを光軸方向に移動させて、カップラ12(光分割器)から参照ミラー21までの光路長を変更したり、初期の光路長を設定する際に使用する装置である。図3及び図4に示すように、参照光の光路長変更手段24は、例えば、コリメータ19dを保持してそのコリメータ19dと共に光軸に沿って、光路長調整アクチュエータMで電動式に進退可能に配置されたコリメータレンズユニット19と、前記参照光集光レンズ20と、前記参照ミラー21と、コリメータレンズユニット19、参照光集光レンズ20及び参照ミラー21を支持する支持フレーム部材194と、を備えている。光路長変更手段24において、参照光集光レンズ20及び参照ミラー21は、光路長の初期設定時に、支持フレーム部材194に対して位置調整が行われる。その初期設定後の光路長の調整は、光路長調整アクチュエータMが組み込まれたコリメータレンズユニット19によって行われる。
光路長調整アクチュエータMは、コリメータ19dを光軸方向に移動させて、カップラ12(光分割器)から参照ミラー21までの光路長を変更させるための動力源であり、例えば、電動モータから成る。図2に示すように、光路長調整アクチュエータMは、この光路長調整アクチュエータMを駆動させるアクチュエータ制御部55に電気的に接続されて、指令手段90A,90Bを操作することによって、回転軸Maを正転または反転させる駆動信号が入力される。その信号によって、図3に示す光路長調整アクチュエータMは、回転駆動することによってブロック19fを光軸方向に前進、後退させる略ねじ棒状の回転軸Maを備えたステッピングモータから成り、この光路長調整アクチュエータMを回転させることで、コリメータレンズユニット19を光軸方向に沿って前後方向に移動させることができる。
≪指令手段≫
指令手段90A,90Bは、カップラ12(光分割器)から参照ミラー21までの光路長の変更をアクチュエータ制御部55に指令して、光路長調整アクチュエータMを起動、停止させるコントローラである。指令手段90Aは、診断プローブ部30(プローブ)に設けられたスイッチSW(図5参照)、及び、足踏み式スイッチのフットコントローラ80(図1参照)から成る。
スイッチSWは、操作することによって光路長調整アクチュエータMを正転させてコリメータ19dを前進させる正転用スイッチSW1(図5参照)と、光路長調整アクチュエータMを反転させてコリメータ19dを後退させる反転用スイッチSW2(図5参照)と、を備えて構成されている。
図5に示すように、正転用スイッチSW1と反転用スイッチSW2は、診断プローブ部30のグリップ部3bの前側にある走査手段収納部3aの側面に設置されて、術者が診断プローブ部30を掴んで撮影しながら操作できる位置に設けられている。
フットコントローラ80(図1参照)は、プローブ設置用のスイッチSW同様に、正転用スイッチSW1と反転用スイッチSW2との2つの操作ノブ(図示省略)を備えて、足で操作可能になっている。フットコントローラ80(図1参照)は、術者の両手が塞がっていたとしても、撮影開始の操作ボタン(図示省略)を操作するために、制御ユニット部50に有線または無線で通信可能に接続されている。
指令手段90A,90Bは、図2に示すキーボードスイッチ91やマウス92等のポインティングデバイスであっても構わない。キーボードスイッチ91及びマウス92は、表示装置54上に表示されたカーソル54a(スライダー)、アイコン54b(あるいはポインタ)等のグラフィックインターフェイス(graphical user interface)を移動させるスイッチ操作を行うことが可能になっている。このため、キーボードスイッチ91及びマウス92は、表示装置54に映し出された画像54cを視認しながら操作を行うことができる。
≪プローブ≫
図2に示すように、診断プローブ部30は、レーザ光を2次元走査する走査手段33(ガルバノミラー)を含み、光学ユニット部10からのレーザ光をサンプルSに導くと共に、サンプルS内で散乱して反射した散乱光を受光して光学ユニット部10に導くものである。この診断プローブ部30は、それぞれ後記するケーブル60と、ハウジング3と、フレーム本体(図示省略)と、シャッタ機構31と、受光レンズ32と、走査手段33と、集光レンズ34と、集光点調整機構35と、ノズル37と、指令手段90Bと、を備えている。
<ケーブル>
ケーブル60(図1参照)は、診断プローブ部30と、光学ユニット部10及び制御ユニット部50とを光学的及び電気的に接続するためのものである。ケーブル60は、光学ユニット部10に接続された光ファイバと、制御ユニット部50に接続された通信線とを内蔵している。
<ハウジング>
図5に示すように、ハウジング3は、フレーム本体(図示省略)や診断プローブ部30の構成部品を覆ったり、指令手段90Aを支持したりするケース体であり、平面視及び側面視してストレート形状に形成されている。ハウジング3には、それぞれ後記する走査手段収納部3aと、グリップ部3bと、集光レンズ収納部3cと、が形成されている。図2に示すように、ハウジング3内には、フレーム本体(図示省略)、受光レンズ32、走査手段33、集光レンズ34、シャッタ機構31、が主に設けられている。
走査手段収納部3aは、ハウジング3の略中央部に配置された走査手段33を収納する部位であり、一方の側面にスイッチSW(指令手段90A)が配置されている。
グリップ部3bは、術者が手で診断プローブ部30を持つ際に握る部位であると共に、ホルダ71(図2参照)で抱持される部位である。グリップ部3bは、走査手段収納部3aの配置位置から後方向に延びて、略角筒状に形成されている。グリップ部3bは、その内部に受光レンズ32等が収納され、後端部の筒体38からケーブル60A(図2参照)が引き出された状態に配線されている。
集光レンズ収納部3cは、集光レンズ34及び集光点調整機構35を収納すると共に、ノズル37をノズル支持体36を介して支持する部位である。集光レンズ収納部3cは、グリップ部3bに対して同じ前後方向に延びて形成されると共に、走査手段収納部3aから前方向に向けて略円筒状に形成されている。
<シャッタ機構>
図2に示すように、シャッタ機構31は、サーキュレータ14から送られてきた計測光と、サンプルSに計測光が当たって反射した散乱光とが診断プローブ部30を通過するのを遮断する装置である。シャッタ機構31は、シャッタによってサンプルSからの反射光を遮断して、表示画面上に写るノイズ(像)をソフト的に除去するゼロ点補正を行うためのものである。
<受光レンズ>
受光レンズ32は、カップラ12からサーキュレータ14を介して送られた計測光を受光してレーザ径を調整するレンズであり、例えば、コリメータレンズから成る。
<走査手段>
走査手段33は、受光レンズ32を通過したレーザ光の照射方向を変化させるためのミラーであり、X方向ガルバノミラーと、Y方向ガルバノミラーと、を備えて構成されている。
なお、走査手段33は、レーザ光を2次元走査する二次元MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーであってもよい。
<集光レンズ>
図2に示すように、集光レンズ34は、走査手段33による走査光を集光すると共に、計測光をサンプルSに集光させて照射するレンズである。
集光点調整機構35は、集光レンズ34とノズル37(図5参照)に当接されたサンプルSとの間の距離を調整して集光点を調整する装置である。
<ノズル>
図5に示すように、ノズル37は、前歯用のノズルであり、集光レンズ34(図2参照)の前方に配置され計測光をサンプルSに照射して散乱光を回収する開口部を先端に有する筒体から成る。ノズル37は、ハウジング3に対して進退させて、集光レンズ34とサンプルSとの距離を調整することが可能なノズル伸縮機構(図示省略)を備えている。
≪制御ユニット部≫
制御ユニット部50(制御ユニット)は、図2に示すように、AD変換回路51と、DA変換回路52と、ガルバノミラー制御回路53と、表示装置54と、指令手段90Bと、OCT制御装置100と、を備えている。
AD変換回路51は、ディテクタ23(検出器)のアナログ出力信号をデジタル信号に変換するものである。
DA変換回路52は、OCT制御装置100のデジタル出力信号をアナログ信号に変換するものである。このアナログ信号は、ガルバノミラー制御回路53に入力する。
ガルバノミラー制御回路53は、診断プローブ部30の走査手段33を制御するドライバである。
表示装置54は、OCT制御装置100によって生成される光干渉断層画像(以下、OCT画像という)を表示するものである。表示装置54は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、EL(Electronic Luminescence)、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)等から構成される。
OCT制御装置100は、OCT装置1の制御装置であって、レーザ光に同期して走査手段33を制御することで撮影を行うと共に、ディテクタ23の検出信号を変換したデータからサンプルSのOCT画像を生成する制御を行うものである。OCT制御装置100は、入出力手段から成る指令手段90Bと、記憶手段と、演算手段と、を備えたコンピュータと、このコンピュータにインストールされたプログラムとから構成される。
図2に示すように、指令手段90Bは、コリメータ19dを光路長調整アクチュエータMで光軸方向に移動させて、光路長を調整する指令を、表示装置54の画面上に表示されたカーソル54a、または、アイコン54bを操作することによって、アクチュエータ制御部55に入力するコンピュータ指令手段(91,92)から成る。
コンピュータ指令手段は、図1に示すように、パソコンの操作に使用されるキーボード93に配置されているキーボードスイッチ91と、マウス92と、から成る。キーボードスイッチ91は、キーボード93に多数設けられたプッシュスイッチから成る制御器であり、例えば、キーボードスイッチのうちの矢印キーから成る。
マウス92は、表示装置54の画面上に表示されて、光路長調整アクチュエータMを正転、反転させて光路長を調整するためのカーソル54a、及び、アイコン54bを操作する操作器である。
[作用]
次に、OCT装置1を使用してサンプルS(前歯)を撮影する場合を説明する。
図2に示す診断プローブ部30で撮影する断層画像は、ノズル37を伸縮させて、撮影する画像の対象点を移動させて焦点位置を通過すると、断層画像の反転が起きるため、参照光側のコリメータ19d(図3及び図4参照)を移動させることで断層画像の反転を回避することができる。断層画像は、焦点位置を変えることによって断層画像の一部分が折り返すように写る。これを防ぐために、参照光側のコリメータ19dを動かす。参照光側のコリメータ19dと同じことが診断プローブ部30内でも起きる。
OCT装置1は、コリメータ19dを光軸方向に移動させて、カップラ12(光分割器)から参照ミラー21までの光路長を変更する光路長変更手段24と、集光レンズ34とサンプルSとの距離を調整して集光点を調整する集光点調整機構35と、を有し、両者を作動させて互いの光路長を一致させることによって、所望の可干渉距離内の鮮明な断層画像を得ることができる。
また、光路長調整アクチュエータMを制御する指令手段90Aは、診断プローブ部30に設けられていることによって、診断プローブ部30でサンプルS(前歯)を撮影しながら、術者が掴んでいる診断プローブ部30の指令手段90Aを遠隔操作して光路長を調整することができるため、光路長の調整作業が行い易い。
このように、OCT装置1は、従来のように光路長変更手段24が光学ユニット(光学ユニット部10)に内設されてカバーハウジングに覆われていても、カバーハウジングの外部にある診断プローブ部30のスイッチSW(指令手段90A)を遠隔操作して、光路長変更手段24の光路長調整アクチュエータMを駆動させて光路長を調整することができる。
このため、光路長を調整する際には、光学ユニット部10のカバーハウジングを取り外したり、取り受けたりすることが不要となるので、光路長を調整する作業工数及び作業時間を大幅に短縮することができる。スイッチSWは、診断プローブ部30に設けられていることにより、診断プローブ部30で前歯を撮影しながら光路長を調整することができるので、光路長の調整作業が行い易い。
また、光路長は、図1に示すように、表示装置54の画面上に表示されて、カーソル54a、あるいは、アイコン54bをキーボードスイッチ91、または、マウス92を操作して、光路長調整アクチュエータMでコリメータ19dを光軸方向に移動させることによっても、光路長を調整することができる。この場合、表示装置54の画面上に表示された前歯の画像54cを視認しながら、カーソル54a、または、アイコン54bを操作することができるので、光路長を適正な長さに調整し易い。
≪変形例≫
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
本発明の実施形態では、図1に示す液晶ディスプレイ等から成る表示装置54と、キーボードスイッチ91とマウス92とから成る指令手段90Bと、を備えたOCT装置1を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
表示装置54及び指令手段90Bは、画面上に表示されたアイコンを操作することによって、コリメータ19dを光路長調整アクチュエータMで光軸方向に移動させて、光路長を調整する指令をアクチュエータ制御部55に送信するタッチパネルや、タブレットから成るものであっても構わない。
このように構成すれば、タッチパネルやタブレットに表示された前歯の画像54cを全体的に見ながら患部を広範囲に探索したり、光路長を調整したりすることができるため、対象となる患部を迅速かつ確実に発見して光路長を素早く調整することができる。
≪その他の変形例≫
また、指令手段90Aの一例として、診断プローブ部30に設けた場合を説明したが、これに限定されるものではない。指令手段90Aは、OCT装置1を制御する制御ユニット部50、光路長変更手段24が設けられた光学ユニット部10、あるいは、光干渉断層画像を表示する表示装置54に設けても構わない。
また、光路長調整アクチュエータMの一例として、モータ制御によって駆動される電動モータ(アクチュエータ)を例に挙げて説明したが、光路長調整アクチュエータMは、コリメータ19dを光軸方向に沿って移動させる駆動源であれば、その駆動方式は特に限定されない。光路長調整アクチュエータMは、例えば、ステッピングモータ、サーボモータ、リニアモータ等の電気式アクチュエータや、油圧制御によって駆動される油圧モータ等の油圧式アクチュエータや、空気圧制御によって駆動される空気圧モータ等の空気圧式アクチュエータや、超音波制御によって駆動される超音波モータ等の超音波式アクチュエータであっても構わない。
また、前記実施形態では、OCT装置1の一例として、前歯(切歯)をサンプルSとし、図5に示すストレートタイプの前歯用のノズル37を備えた診断プローブ部30を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
診断プローブ部30は、サンプルSを臼歯としてアングルタイプの臼歯用のノズルに交換して使用しても構わない。
1 OCT装置(光干渉断層画像生成装置)
11 光源
12 カップラ(光分割器)
16 カップラ(光合波器)
19b コリメータレンズ
19d コリメータ
20 参照光集光レンズ
21 参照ミラー
24 光路長変更手段
30 診断プローブ部(プローブ)
54 表示装置
55 アクチュエータ制御部
90A,90B 指令手段
91 キーボードスイッチ(コンピュータ指令手段)
92 マウス(コンピュータ指令手段)
M 光路長調整アクチュエータ
S サンプル(被写体)
SW スイッチ(指令手段)

Claims (7)

  1. レーザ光を照射する光源と、
    前記レーザ光を被写体に照射する計測光と参照ミラーに照射する参照光に分配する光分割器と、
    前記計測光を前記被写体に照射し、当該被写体の内部で散乱して戻ってきた散乱光を受光するプローブと、
    前記参照光が前記参照ミラーから反射して戻ってきた反射光と前記散乱光とを合成させて干渉光を生成する光合波器と、を有し、
    前記干渉光を解析して光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成装置であって、
    前記参照光を平行光に収束させるコリメータと、
    前記平行光を前記参照ミラーに集光させる参照光集光レンズと、
    前記コリメータを光軸方向に移動させて、前記光分割器から前記参照ミラーまでの光路長を変更する光路長変更手段と、を備え、
    前記光路長変更手段は、前記コリメータを光軸方向に移動させる光路長調整アクチュエータと、
    前記光路長調整アクチュエータを駆動させるアクチュエータ制御部と、
    前記アクチュエータ制御部に対して前記光路長調整アクチュエータを駆動させて前記光分割器から前記参照ミラーまでの光路長の変更させるための信号を入力する指令手段と、を備え
    前記指令手段は、前記プローブに設けられたスイッチを備えて構成され、
    前記プローブには、前記指令手段のスイッチと、
    前記計測光を前記被写体に集光させる集光レンズと、前記プローブの先端部に装着され前記被写体に当接させるノズルに当接された前記被写体と、の間の距離を調整して集光点を調整する集光点調整機構と、が配置されていることを特徴とする光干渉断層画像生成装置。
  2. 前記指令手段のスイッチは、操作することによって前記光路長調整アクチュエータを正転させて前記コリメータを前進させる正転用スイッチと、
    前記光路長調整アクチュエータを反転させて前記コリメータを後退させる反転用スイッチと、を備えて構成されていることを特徴とする請求項に記載の光干渉断層画像生成装置。
  3. 前記プローブの構成部品を覆うハウジングは、前記ハウジングの略中央部に配置された走査手段を収納する走査手段収納部と、
    前記走査手段収納部の配置位置から後方向に延びて形成されたグリップ部と、
    前記走査手段収納部から前方向に形成された集光レンズ収納部と、を有し、平面視及び側面視してストレート形状に形成されて、
    前記走査手段収納部の側面には、前記正転用スイッチと前記反転用スイッチとが設置されていることを特徴とする請求項に記載の光干渉断層画像生成装置。
  4. 前記被写体の光干渉断層画像を表示する表示装置を備え、
    前記指令手段は、前記表示装置の画面上に表示されたカーソルまたはアイコンを操作することによって、前記アクチュエータ制御部に前記信号を入力するコンピュータ指令手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光干渉断層画像生成装置。
  5. 前記被写体の光干渉断層画像を表示する表示装置を備え、
    前記表示装置及び前記指令手段は、画面上に表示されたスライダーまたはポインタを操作することによって、前記アクチュエータ制御部に前記信号を入力するタッチパネルを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光干渉断層画像生成装置。
  6. 前記光路長調整アクチュエータは、モータ制御によって駆動されるアクチュエータであることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の光干渉断層画像生成装置。
  7. 記指令手段は、足踏み式スイッチのフットコントローラと、前記スイッチと、を備えて構成されていることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の光干渉断層画像生成装置。
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