JP6382421B2 - 水硬性組成物 - Google Patents
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Description
しかし、白色ポルトランドセメントは高価であるという問題があった。
水硬性粉体100質量部に対して、炭素数1以上、4以下の直鎖アルキル基を有するN−アルキルジエタノールアミン及びホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド放出化合物を、合計で0.05質量部以上、0.5質量部以下混合して水硬性組成物を調製する工程、及び
前記水硬性組成物を硬化させて硬化体を得る工程、
を有する、水硬性組成物の硬化体の製造方法に関する。
通常、セメントは以下の成分を含んでいる。
C3S:3CaO・SiO2 エーライト
C2S:2CaO・SiO2 ビーライト
C3A:3CaO・Al2O3 カルシウムアルミネート
C4AF:4CaO・Al2O3・Fe2O3 カルシウムアルミノフェライト
CaSO4:硫酸カルシウム 石膏
CaCO3:炭酸カルシウム
CaO:酸化カルシウム
MgO:酸化マグネシウム
(a)成分は、炭素数1以上、4以下の直鎖アルキル基を有するN−アルキルジエタノールアミンである。炭素数1以上、4以下の直鎖アルキル基を有するN−アルキルジエタノールアミンとしては、水硬性組成物の白色度の観点から炭素数1以上、3以下のアルキル基を有するN−アルキルジエタノールアミンが好ましく、炭素数1又は2のアルキル基を有するN−アルキルジエタノールアミンがより好ましく、炭素数1のアルキル基を有するN−アルキルジエタノールアミンが更に好ましい。
(b)成分は、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド放出化合物である。ホルムアルデヒド放出化合物は、水硬性組成物の固化反応前または固化反応中における一般的なアルカリ条件においてホルムアルデヒドを水硬性組成物中に放出する化合物である。ホルムアルデヒド放出化合物は、自己の分解によりホルムアルデヒドを生じる化合物であってよい。(b)成分としては、ホルムアルデヒド、ヒドロキシメタンスルホン酸、メラミンホルマリン樹脂のプレポリマー、フェノールホルマリン樹脂のプレポリマー、尿素ホルマリン樹脂のプレポリマー等が挙げられ、水硬性組成物の硬化体の白色度の観点からホルムアルデヒド及びヒドロキシメタンスルホン酸から選ばれる化合物が好ましく、ホルムアルデヒドがより好ましい。(b)成分は、1種又は2種以上を使用することができる。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体、(a)成分、(b)成分を含有し、好ましくは分散剤、骨材、及び水を含有する。
本発明の水硬性組成物は、分散剤を含有することが好ましい。分散剤は特に制限がないが、リグニン系分散剤、メラミン系分散剤、ナフタレン系分散剤、ポリカルボン酸系分散剤、リン酸エステル系分散剤が挙げられ、水硬性組成物の硬化体の白色度の観点から、ナフタレン系分散剤及びポリカルボン酸系分散剤から選ばれる分散剤が好ましく、ナフタレン系分散剤から選ばれる分散剤がより好ましい。
[GPC条件]
標準物質:ポリスチレンスルホン酸Na換算
カラム:G4000SWXL+G2000SWXL(東ソー(株)製)
溶離液:30mM酢酸/アセトニトリル=6/4
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI、UV
R1、R2:水素原子、又はメチル基
l:0以上2以下の数
m:0又は1の数
AO:炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基
n:AOの平均付加モル数であり、5以上150以下の数、
R3:水素原子、又は炭素数1以上4以下のアルキル基
を表す。〕
R4、R5、R6:水素原子、メチル基、又は(CH2)m1COOM2
M1、M2:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム、アルキルアンモニウム、又は置換アルキルアンモニウム
m1:0以上2以下の数
を表す。なお、(CH2)m1COOM2はCOOM1と無水物を形成していてもよい。〕
なお、ポリカルボン酸系共重合体(I)は、単量体(1)、単量体(2)以外の構成単量体として、不飽和カルボン酸のアルキルエステル等から選ばれる1種以上を用いることができる。
装置:高速GPC装置 HLC−8320GPC(東ソー(株)製)
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー(株)製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:示差屈折検出器(RI)
サンプルサイズ:0.5mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
また、本発明の水硬性組成物は、骨材を含有できる。骨材として細骨材や粗骨材等が挙げられ、細骨材は山砂、陸砂、川砂、砕砂が好ましく、粗骨材は山砂利、陸砂利、川砂利、砕石が好ましい。用途によっては、軽量骨材を使用してもよい。なお、骨材の用語は、「コンクリート総覧」(1998年6月10日、技術書院発行)による。本発明の水硬性組成物は、骨材として細骨材と粗骨材とを含有することが好ましい。本発明の水硬性組成物がコンクリートの場合、粗骨材の使用量は、水硬性組成物の強度の発現とセメント等の水硬性粉体の使用量を低減し、型枠等への充填性を向上する観点から、嵩容積50%以上が好ましく、55%以上がより好ましく、60%以上が更に好ましく、そして、100%以下が好ましく、90%以下がより好ましく、80%以下が更に好ましい。また、水硬性組成物がコンクリートの場合、細骨材の使用量は、型枠等への充填性を向上する観点から、500kg/m3以上が好ましく、600kg/m3以上がより好ましく、700kg/m3以上が更に好ましく、そして、1000kg/m3以下が好ましく、900kg/m3以下がより好ましい。水硬性組成物がモルタルの場合、細骨材の使用量は、800kg/m3以上が好ましく、900kg/m3以上がより好ましく、1000kg/m3以上が更に好ましく、そして、2000kg/m3以下が好ましく、1800kg/m3以下がより好ましく、1700kg/m3以下が更に好ましい。
本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法は、
水硬性粉体100質量部に対して、炭素数1以上、4以下の直鎖アルキル基を有するN−アルキルジエタノールアミン及びホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド放出化合物を、合計で0.05質量部以上、0.5質量部以下混合して水硬性組成物を調製する工程、及び
前記水硬性組成物を硬化させて硬化体を得る工程、
を有する。
なお、得られる硬化体はその表面の白色度が向上するが、その程度には拘らない。好ましくはその表面の白色度が70以上である。
本発明の水硬性組成物用白色化剤は、炭素数1以上、4以下の直鎖アルキル基を有するN−アルキルジエタノールアミン〔以下、(a)成分という〕と、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド放出化合物〔以下、(b)成分という〕とを含み、水硬性組成物の硬化体の白色度を向上させる水硬性組成物用白色化剤である。
MDEA:N−メチルジエタノールアミン:日本乳化剤(株)製
<(a)成分の比較化合物>
TEA:トリエタノールアミン:キシダ化学(株)製
ホルムアルデヒド:37質量%ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)、和光純薬工業株式会社製(表中の質量部は有効分の量である)
ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム:関東化学株式会社製
ナフタレン系分散剤:花王(株)製、マイテイ150
ポリカルボン酸系分散剤:以下の製造例1により得られたもの
攪拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水114gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。60質量%のω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数120:エステル純度100%)水溶液300g、メタクリル酸(試薬:和光純薬工業株式会社製)11.5g、及び3−メルカプトプロピオン酸1.2gを混合溶解した水溶液と、過硫酸アンモニウム1.9gを水45gに溶解した水溶液の2者を、それぞれ1.5時間かけて上記反応容器中に滴下した。その後、80℃で1時間熟成し、更に過硫酸アンモニウム0.8gを水15gに溶解した水溶液を30分かけて滴下し、引き続き80℃で1.5時間熟成した。熟成終了後に40℃以下に冷却した後、48%水酸化ナトリウム水溶液9.6gで中和し、重量平均分子量54000の共重合体(ポリカルボン酸系分散剤)を得た(中和度0.7)。その後、水を用いて固形分40質量%に調整し、ポリカルボン酸系分散剤の40質量%水溶液を得た。単量体(1)/単量体(2)のモル比は20/80である。この水溶液を共重合体の添加量が表2の値となるように用いた。
セメント(C):普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)の普通ポルトランドセメント/住友大阪セメント(株)の普通ポルトランドセメント=1/1、質量比)、密度3.16g/cm3
<骨材>
細骨材(S):城陽産、山砂、FM=2.67、密度2.56g/cm3
<水>
水道水(W)
(1)モルタル調製工程
表1に示す配合条件で、モルタルミキサー((株)ダルトン製 万能混合撹拌機 型式:5DM-03-γ)を用いて、セメント(C)、細骨材(S)を投入し空練りを10秒行い、セメント分散剤と水硬性組成物用添加剤を含む練り水(W)を加えた。この際、空気連行量が2%以下になるよう消泡剤を添加した。そして、モルタルミキサーの低速回転(63rpm)にて60秒間、更に高速回転(128rpm)にて120秒間本混練りしてモルタルを調製した。
JIS A 1132に基づき、円柱型プラモールド(底面の直径:5cm、高さ10cm)の型枠3個に、それぞれ二層詰め方式によりモルタルを充填した。
充填後のモルタルを20℃の室内にて気中(20℃)養生を行い、モルタル調製から24時間後に硬化した供試体を型枠から脱型し供試体を得た。
供試体の24時間後の白色度をx-rite社のSpectroEyeを用いて、下記に示す条件で測定した。供試体の側面の任意の3点の色度を測定し、得られたLab色度のうちL値を白色度の指標として、平均値を求めた。
*白色度の測定条件
観測光源:D65
観測視野:2°
濃度:DIN
白色基準:Abs
フィルター:NO
供試体の24時間強度をJIS A1108に基づいて測定し、供試体3個の平均値を求めた。
また、表2では、(a)成分の比較化合物も便宜的に(a)成分の欄に示し、(a)成分と(b)成分の合計、(a)成分/(b)成分の質量比も、当該比較化合物を(a)成分とみなして計算した値を示した。
Claims (2)
- 水硬性粉体、炭素数1以上、4以下の直鎖アルキル基を有するN−アルキルジエタノールアミン〔以下、(a)成分という〕、並びに、ホルムアルデヒド及びヒドロキシメタンスルホン酸から選ばれる化合物〔以下、(b)成分という〕を含有する水硬性組成物であって、
(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の合計が、水硬性粉体100質量部に対して0.05質量部以上、0.5質量部以下であり、且つ(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比が、(a)成分の含有量/(b)成分の含有量で、0.005以上、15以下である水硬性組成物。 - 水硬性粉体100質量部に対して、炭素数1以上、4以下の直鎖アルキル基を有するN−アルキルジエタノールアミン〔以下、(a)成分という〕、並びに、ホルムアルデヒド及びヒドロキシメタンスルホン酸から選ばれる化合物〔以下、(b)成分という〕を、合計で0.05質量部以上、0.5質量部以下であり、且つ(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比が、(a)成分の含有量/(b)成分の含有量で、0.005以上、15以下で混合して水硬性組成物を調製する工程、及び
前記水硬性組成物を硬化させて硬化体を得る工程、
を有する、水硬性組成物の硬化体の製造方法。
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