JPH0781986A - 高炉水砕スラグの脱色使用方法および高炉セメント組成物 - Google Patents

高炉水砕スラグの脱色使用方法および高炉セメント組成物

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JPH0781986A
JPH0781986A JP5229294A JP22929493A JPH0781986A JP H0781986 A JPH0781986 A JP H0781986A JP 5229294 A JP5229294 A JP 5229294A JP 22929493 A JP22929493 A JP 22929493A JP H0781986 A JPH0781986 A JP H0781986A
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blast furnace
furnace cement
cement
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cement composition
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Mitsuo Hanada
光雄 花田
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    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高炉セメントの水和硬化時に生じる青色の着
色を防いで、淡色ないしポルトランドセメントの色調と
同様の色調の硬化体を得る。 【構成】 高炉セメントの成分である高炉水砕スラグ中
に存在する重金属硫化物を酸化させるに足りる量の酸化
剤を添加して、高炉セメントを構成する。酸化剤として
は、過酸化カルシウムCaO2 が代表的で、高炉セメン
ト中の高炉水砕スラグの配合量に応じて、市販品であれ
ば重量で1〜2%添加すればよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高炉水砕スラグの使用
方法に関し、詳しくは、高炉水砕スラグを水硬性物質と
して使用するときに生じる青色の発生を防止する方法に
関する。 とくに本発明は、各種セメントのうち高炉セ
メントの水和硬化に固有の青色の発色を防止する技術に
適用したとき、その意義が大きい。
【0002】本発明において「高炉セメント」とは、市
販されている規格品に限らず、ポルトランドセメントと
高炉水砕スラグとを任意の割合で配合したものを包含す
る語である。
【0003】
【従来の技術】高炉製銑の副生物であるスラグは、水で
急冷してガラス質に富んだものとすることによって水硬
性をもったものになるので、これをポルトランドセメン
トと配合し、配合物を高炉セメントの名で市販している
ことは、よく知られている。そのほかにも水硬性を利用
した用途として、路盤材や土壌改良剤として使用されて
いる。
【0004】高炉セメントは、普通ポルトランドに比較
して初期強度は低いが、水和熱が低く、化学品耐性が高
いという利点があるので、低価格であるという有利さも
あいまって、広く使用されつつある。 高炉スラグの有
効利用は資源のリサイクルを実現する上に、省エネルギ
ーのセメント製品という観点からも好ましい。
【0005】ところが、高炉スラグは、水砕急冷したも
のに限らず徐冷した水硬性に乏しいものも含めて、水を
作用させたときに青色に発色するという特性がある。
その色はしばしば濃厚であって、何か異常な反応が生じ
たかのような印象を与えて好ましくない。
【0006】この着色の問題は、高炉水砕スラグの主要
な用途である高炉セメントにもつきまとっていて、これ
が高炉セメントの用途に制約を加えるし、高炉セメント
の成分として高炉水砕スラグを多量に配合することを妨
げている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一般
に上記した高炉水砕スラグに水を作用させたときにみら
れる青色の着色を防止すること、換言すれば高炉水砕ス
ラグの使用に当り脱色をすることにある。 特定的に
は、上記した高炉セメントの水和硬化時の青色の着色を
防止して、硬化体がポルトランドセメント硬化体の色と
同等か、またはそれに近い淡色で得られるようにした高
炉セメント組成物、およびそれを用いて水和硬化体を得
る高炉セメントの脱色硬化方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の一般的な目的を達
成する本発明の高炉水砕スラグの脱色使用方法は、高炉
水砕スラグを水硬性物質として使用するに当り、その中
に含まれている有色の金属硫化物を水和条件下に酸化し
て水酸化物に変えるに足りる量の酸化剤を添加して使用
することを特徴とする。
【0009】本発明の特定的な目的を達成する高炉セメ
ント組成物は、高炉セメントに対して、その構成成分で
ある高炉水砕スラグに含まれている有色の金属硫化物を
水和条件下に酸化して水酸化物に変えるに足りる量の酸
化剤を添加したことを特徴とする。
【0010】本発明の高炉セメント組成物の脱色硬化方
法は、上記した高炉セメント組成物に水を添加し、混練
して水和硬化させることにより、高炉セメントに固有の
青色の着色を防いで硬化体を得ることを特徴とする。
このとき、適宜の骨材を使用し得ることはいうまでもな
い。
【0011】酸化剤は、FeS,MnSなど重金属硫化
物を酸化する能力をもつものならば任意に使用でき、過
酸化水素、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、金属過酸化物な
どから選択できるが、酸化剤としての使用効率、取扱い
の容易さの点から、金属過酸化物が有利である。 中で
も、過酸化カルシウムCaO2が、酸化後にCa(OH)2
なって土質構成成分やセメント水和物成分と合体するの
で、最も好ましい。CaO2は、製紙業なとで多量に使用
されているので、入手容易である。 ただし、CaO2
純品は危険物であり、市販されているものは通常Ca(O
H)2やCaCO3で希釈して、CaO2含有量50%前後に
してある。 過塩素酸塩や次亜鉛素酸塩のようにClを
含有するものは、鉄筋の錆を誘発するので、用途によっ
ては適当といえないことがある。
【0012】酸化剤の使用量は、酸化されるべき金属硫
化物の量を考慮して、また実現すべき脱色の度合に応じ
て決定すべきである。 高炉セメントに関していえば、
最も代表的な高炉水砕スラグを使用した高炉セメントに
CaO2を添加する場合は、B種高炉セメント(高炉水砕
スラグ50重量%)に対してはその0.5重量%以上、
C種高炉セメント(高炉水砕スラグ60重量%)に対し
てはその1.0重量%以上添加すると、効果的な脱色が
行なえ、この高炉セメントを使用した水和硬化体はポル
トランドセメントを使用した硬化体と同程度の色とな
る。
【0013】
【作用】発明者は、高炉水砕スラグに水を作用させたと
きに青色に着色する現象について研究し、その原因が、
高炉水砕スラグ中に含まれている重金属硫化物にあるこ
とを見出した。
【0014】高炉スラグ中に存在するイオウは重量で約
1%であるが、金属と結合した硫化物の形をとってい
て、その種類は多様である。 アルカリ金属硫化物Na
2S ,K2S やアルカリ土類金属硫化物CaS,MgS
は無色であるが、重金属硫化物FeS,MnSなどは黒
色である。
【0015】重金属硫化物MSを酸化すると、 MS+〔O〕→MO+S MO+H2O→M(OH)2 の反応により、重金属は水酸化物に変化する。 それら
は、有色であっても硫化物よりはるかに淡い色であるか
ら、高炉水砕スラグの水和したものは、もはや青く着色
されていない。 遊離したイオウも淡黄色である。
【0016】場合によっては、SがSO2やSO3まで酸
化される反応も考えられるが、それらの生成物も無色で
ある。
【0017】重金属硫化物の酸化によって生成するM
(OH)2およびSまたはその酸化物は、微量でもある
し、高炉水砕スラグの水和したものの強度そのほかの物
性に対して、ほとんど影響しない。 とくに高炉セメン
トの水和硬化体の強度には影響ないことが、下記の実施
例により確認された。
【0018】以下、本発明の最も重要な態様である高炉
セメントを対象に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕市販の高炉セメントB種(ポルトランドセ
メント:高炉水砕スラグ=50:50)に、重量で0.2
5%,0.50%または1.00%の割合で市販のCaO
2(純度49%、有効酸素11%)を添加し、混合して
本発明の高炉セメント組成物を得た。
【0020】それらに水を加えて混練し、混水量40%
のセメントペーストとした。 各ペーストを小型円筒状
(径2.5cm、高さ5.0cm)のテストピース成形用型
に流し込み、20°±2℃に保った恒温室内で水中養生
した。
【0021】1週間後および4週間後にテストピースを
とり出し、硬化体の色調を観察したのち、圧縮強度を測
定した。 その結果を、比較のためCaO2 を添加しな
かった場合のデータとともに、表1に示す。 色調は1
週間後と4週間後とで変りなかったので、まとめて記
す。
【0022】 表1 市販CaO2 色 調 圧縮強度(kg/cm2) 添加量(%) 1週間 4週間 0 濃青色 380 480 0.25 淡青色 320 420 0.50 ポルトランドセメント色 350 455 1.00 ポルトランドセメント色 420 430 〔実施例2〕市販の高炉セメントC種(ポルトランドセ
メント:高炉水砕スラグ=40:60)に対し、0.5
%,1.0%または2.0%の上記した市販のCaO2
添加して、本発明の高炉セメント組成物とした。 それ
らについて、実施例1と同様な試験を行なった。 1週
間養生のデータを表2に示す。
【0023】 表2 市販CaO2 色 調 圧縮強度 添加量(%) 1週間(kg/cm2 0 濃青色 398 0.5 淡青色 398 1.0 ポルトランドセメント色 440 2.0 ポルトランドセメント色 442 〔実施例3〕高炉水砕スラグを乾燥したものに種々の割
合でCaO2 を添加し、試験ミルで粉砕すると同時に混
合を行なった。 このスラグの分析値(重量%)は、つ
ぎのとおりである。
【0024】SiO2: 34.0 Al23: 1
4.0 FeO: 0.5 CaO: 42.5 MgO: 6.0 S:
0.8 普通ポルトランドセメントに対して、上記のCaO2
加高炉水砕スラグを、重量%で70:30〜10:90
の範囲内で10%刻みに配合して、高炉セメントを調製
した。
【0025】それらを用いて、実施例1および2と同様
にテストピースにし、1週間養生後の硬化体の色調をし
らべた。 結果を、図1にまとめて示す。 図1におい
て、下方の曲線より下の濃い網カケの部分は硬化体が高
炉セメント固有の青色に着色している領域であり、上方
の曲線より上の白地の部分はポルトランドセメントの硬
化体と同様な色調の領域であり、2本の曲線にはさまれ
た淡い網カケの部分はその中間の、淡青色に着色してい
る領域である。
【0026】
【発明の効果】上記実施例にみるように、本発明の高炉
セメント組成物は、そのまま、または適宜の骨材ととも
に水を加えて混練し水和硬化させるとき、従来の高炉セ
メントにおいては避けられなかった硬化体の青色の着色
を完全に防止し、または部分的に軽減し、ポルトランド
セメントの硬化体と同等の色調の、またはそれに近い淡
い着色しかしていない硬化体を得ることができる。
【0027】添加する材料は金属の過酸化物のような、
比較的廉価なものであって量も少いから、コスト面の影
響はわずかである。セメントの水和は従来のものと実質
上同様に進み、発現する強度に関して差異は認められな
い。 このように、本発明によるときは、高炉セメント
の用途に加えられていた制約がなくなり、高炉セメント
の利点を活かすことができる。
【0028】以上、本発明の効果を最も重要な態様であ
る高炉セメントの効果に関して説明したが、本発明は高
炉セメントに限らず、路盤材、土壌改良剤、あるいはそ
のほかの、高炉水砕スラグのもつ水硬性を利用するすべ
ての用途に適用したとき、同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のデータであって、ポルトラ
ンドセメントと高炉水砕スラグとを種々の割合で配合し
て得た高炉セメントにおいて、CaO2(純度49%の
品)添加量と水和硬化体の色調との関係を示したグラ
フ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 22:06) Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉水砕スラグを水硬性物質として使用
    するに当り、その中に含まれている有色の金属硫化物を
    水和条件下に酸化して水酸化物に変えるに足りる量の酸
    化剤を添加して使用することを特徴とする高炉水砕スラ
    グの脱色使用方法。
  2. 【請求項2】 酸化剤として金属過酸化物を使用する請
    求項1に記載の使用方法。
  3. 【請求項3】 金属過酸化物としてCaO2 を使用する
    請求項1に記載の使用方法。
  4. 【請求項4】 高炉水砕スラグの使用が路盤材または土
    壌改良剤としての使用である請求項1に記載の使用方
    法。
  5. 【請求項5】 高炉セメントに対して、その構成成分で
    ある高炉水砕スラグに含まれている有色の金属硫化物を
    水和条件下に酸化して水酸化物に変えるに足りる量の酸
    化剤を添加したことを特徴とする高炉セメント組成物。
  6. 【請求項6】 酸化剤として金属過酸化物を使用した請
    求項5に記載の高炉セメント組成物。
  7. 【請求項7】 金属過酸化物が過酸化カルシウムCaO
    2 である請求項6に記載の高炉セメント組成物。
  8. 【請求項8】 CaO2を、B種高炉セメント(高炉水砕
    スラグ50重量%)に対してはその0.5重量%以上、
    C種高炉セメント(高炉水砕スラグ60重量%)に対し
    てはその1.0重量%以上添加してなる請求項7に記載
    の高炉セメント組成物。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の高炉セメントに水を添
    加し、混練して水和硬化させることにより、高炉セメン
    トに固有の青色の着色を防いで硬化体を得ることを特徴
    とする高炉セメント組成物の脱色硬化方法。
  10. 【請求項10】 適宜の骨材を添加して実施する請求項
    9に記載の脱色硬化方法。
JP5229294A 1993-09-14 1993-09-14 高炉水砕スラグの脱色使用方法および高炉セメント組成物 Pending JPH0781986A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015124105A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 花王株式会社 水硬性組成物
WO2017080577A1 (en) * 2015-11-09 2017-05-18 Ecocem Materials Limited Ground granulated blast slag based binder, discoloured mortar or concrete including said binder and their preparation methods
JP2017141135A (ja) * 2016-02-12 2017-08-17 宇部興産株式会社 セメント組成物およびその製造方法
JP2017222573A (ja) * 2017-09-29 2017-12-21 花王株式会社 水硬性組成物
WO2018210418A1 (en) * 2017-05-17 2018-11-22 Ecocem Materials Limited Ground granulated blast slag based binder, discoloured mortar or concrete including said binder and their preparation methods

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