JP6382136B2 - プラント監視制御システムおよびその監視制御方法 - Google Patents
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Description
近年では、プラント制御の高度化により計測データの信号点数の増大や、プラントの大規模化により、設備や機器の状態・故障判断が困難になってきている。
詳しくは、特許文献1では、アラーム信号の発生順序と発生時間間隔についての適合条件と、当該条件が成立したときに実行する所定のアクションとを対応づけるアラームパターンを予め登録しておき、プロセス信号によりプラントの状態が把握され、所定のアラーム信号が入力されてアラームパターンに適合したときに、アクションの内容を表示するプラント監視制御システムが開示されている。
例えば、上下水プラント等においては、プラント設備を監視し、故障や異常が発生した際には、プラントのスピーカーによる警報・警告や、監視制御端末の画面表示を警報・警告画面にすることが行われている。このような場合に、発生した故障や異常に対応するべき部署以外にも警報・警告が通知され、業務の妨げになるケースがある。
一方、上下水プラントでは、供給している水の水質悪化、有害物質の流出など事故が発生した際には、プラント内の部署だけでなく周辺自治体、住民などに警報を通知する必要がある。
また、判定ルールや警報の通知先を適宜修正する方法では、プラント監視制御システムのプログラム更新の運用管理が煩雑になる問題もある。
また、周辺自治体や住民などのブラント外部にも速やかに警報を発することができる。
図1は、本実施例の監視制御システムの構成図である。
監視制御装置100には、プラント機器103の流量計や圧力計などのセンサ信号が接続され、プラントの運転監視を実施している。
監視制御装置100は、監視制御システムが監視するプラントの複数の区画のそれぞれに対応して設けられており、監視制御装置100の監視者は、担当の区画の監視作業をおこなう。
監視制御装置100の警報通知制御部107は、出力装置101に、詳細を後述する警報通知先選択画面等を表示し、プラント施設の複数の部署に設けられた場内警報装置110と周辺自治体や住民等のプラント施設外の外部警報装置113に、警報を通知する。
また、警報通知制御部107は、監視者の操作入力情報や、後述するプラント機器103の操作やプラント情報収集部104からの情報取得により、出力装置101の画面切り替えをおこなっている。
プラント情報収集部104は、異常状態を判定すると、警報通知制御部107にこれを通知する。また、警報通知制御部107からプラントの状態の取得要求があったときには、これに応答し、プラント機器103の状態を通知する。
このとき、詳細は後述するが、監視者の権限に応じて、警報通知先を変更できるようにしている。
また、詳細は後述するが、警報が発生した際には、権限306の内容に応じて、通知先を選択することができる。
また、通知先・外部状況取得装置112は、気象予報情報を取得するようにする。下水処理プラントでポンプ設備に異常が発見された際に、ゲリラ豪雨等の気象予報があると、大量の雨水処理をおこなう可能性があり、ポンプ設備の異常の影響が大きくなる。このため、他の下水処理プラントにも警報通知をおこなう等の通知先の調整が必要となる。
このため、本実施例の監視制御装置100では、予めプラント機器103の異常状態により警報通知先を設定しておき、警報通知時に、通知先の設定変更期間を設けて、通知先・外部状況取得装置112から取得した情報により、警報通知先を変更できるようにした。
本実施例の監視制御システムによりプラント機器103の監視を開始する際には、監視者が監視制御装置100から監視者IDとパスワードを入力し、監視者のユーザ認証をおこなう。このユーザ認証は、前述の監視者情報格納部109の管理者情報300を参照しておこなわれ、認証が成功すると、管理者情報300の監視対象304の設定内容にしたがって、プラントの所定の区画の監視が始まる。
プラント情報収集部104は、プラント機器103が異常状態であるか、または、異常発生を予測できる状態と判定すると、警報通知制御部107にそれを通知する。
また、プラント情報収集部104の判定結果は、プラント情報201に記憶する。
出力装置101に表示される警報通知先選択画面501は、警報情報格納部111の警報管理情報202と警報設定情報203により警報設定の表示内容が制御されている。
また、監視者情報300の権限306に設定されている監視者の権限に応じて、警報通知先の変更を許可されている監視者は、前記設定変更期間の間であれば、警報通知先を変更可能にしている。
監視制御システムは、図1の出力装置101に対応する液晶モニター401と、監視制御卓402と、制御用計算機403とから構成されている。監視制御卓402には、図1の入力装置102に相当するキーボード、マウス、またはタッチスクリーンが設置されている。
つぎに制御用計算機403で実行される監視制御装置100の動作を詳細に説明する。
警報通知先選択画面501には、プラント内の部署、他プラント、作業者の他、自治体、配水対象の周辺住民等の警報の通知先に対応した通知先ボタン502が表示され、監視者の通知先ボタン502の操作により警報通知先が設定される。この警報通知先の設定は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置1012によりおこなわれる。
上記の通知先ボタン502、503の操作は、監視者情報格納部109に設定されている監視者情報の権限306に、“警報通知先の変更可”が設定されている監視者のみがおこなうことができる。
通知開始ボタン504の処理には、タイマ機能をもっており、そのカウント時間が通知開始ボタン504に表示されている。例えば、1秒毎にカウントダウンするカウント表示をおこなう。カウンタが0になると、そのときの警報通知先の設定に従って、警報通知がおこなわれる。
これにより、警報通知先の変更を可能とし、かつ、設定変更期間を設けるようにしたので、所定時間に適切な警報通知をおこなうことができる。
この他部署の状況や環境状態を考慮した警報通知先は、警報管理情報202と警報設定情報203に予め設定された警報の通知先(ルールに基づく警報の通知先)と区別するために、通知先ボタン502をブリンク表示してもよい。
これにより、修理時間の短縮をおこない、プラントの休止時間を低減することができる。
まず、警報制御装置100は、監視対象のプラント機器103からプラント機器のセンサ信号(計測データ)を取得する(S601)。
ステップS602で、プラント機器103が正常と判定された場合には(S602のYes)、ステップS601に戻り、プラント機器103の監視を継続する。
ステップS602で、プラント機器103が異常状態であるか、または、異常発生を予測できる状態と判定された場合には(S602のNo)、以下の警報通知先の選択処理をおこなう。
そして、プラント機器ごとの異常/正常の状態を記録するプラント情報201を“異常”に更新する。
そして、取得した重要度を基に、通知先の設定変更期間のカウンタ初期値を設定し、取得した通知先とカウント初期値により画面管理情報200に登録されている警報通知先選択画面をプラント機器103の異常に対応するように編集し、出力装置101に警報通知先選択画面を表示する(S605)。
これを実現するために、監視制御装置100は、監視者情報300の権限306に基づいて、監視者が通知先変更権限を保有しているか否かを判定する(S606)。
監視者に変更権限が無い場合には(S606のNo)、ステップS612に移り、警報通知先選択画面にハイライト表示されている通知先(予め設定された通知先)に警報を通知する。
ステップS607で、通知先ボタンの押下等の操作がおこなわれていない場合には(S607のNo)、ステップS609に移る。
詳細には、通知をおこなうように設定され、ハイライト表示している通知先ボタンの操作であれば、警報通知の設定を通知から不通知に変更し、ハイライト表示を解消する。通知をおこなわないように設定され、ハイライト表示していない通知先ボタンの操作であれば、警報通知の設定を不通知から通知に変更し、ハイライト表示をおこなう。
全体通知ボタン505の押下等の操作がおこなわれた場合には(S609のYes)、全ての警報通知先に警報を通知する設定とし(S610)、ステップS612に移る。
ステップS612では、選択された通知先の警報通知をおこなう処理をおこなっているので、この場合には、全ての警報通知先に警報通知がおこなわれる。
また、ステップS610で、全ての警報通知先ボタン502をハイライト表示してもよい。
また、ステップS608で、警報通知先を変更した場合には、警報管理情報202の通知先のデータを更新するようにしてもよい。この場合には、同じプラント機器103で再び障害が発生した場合に、警報通知先が登録されているので、修正が不要となるとともに、権限のない監視員が、監視作業をおこなっている場合にも、適切な通知先に警報通知をおこなうことができる。
これにより、警報通知をより適切におこなうことができる。
また、警報通知先が設定変更されて警報管理情報202が更新された場合には、他の監視制御装置100の警報情報格納部111に更新内容を通知し、警報管理情報202の同期をとることが望ましい。
上下水プラントでは人々の生活に直結する業務を行っている。供給している水の水質が悪化した場合や、河川への有害物質の流出、突発的な断水が発生した場合など、迅速に警報通知をプラント外に行う必要がある。通知方法としては、自治体に通報することで関連する住民等に通知するケースや、防災無線を通じて直接住民に警報を伝えるケースが考えられる。その他、プラントで発生した事故、故障の影響により配水能力が低下し、他のプラントに配水を依頼する際などにプラント間で警報通知を行うケースが考えられる。
例えば、供給している水の水質悪化や河川への有害物質の流出など周辺地域に重大な影響を及ぼす恐れのある事故が発生した場合は、警報通知先選択画面の画面操作を行うことで周辺自治体、住民に警報通知を行う。
101 出力装置
102 入力装置
102 外部警報装置
103 プラント機器
104 プラント情報収集部
105 入力処理部
106 処理実行部
107 警報通知制御部
108 画面情報格納部
109 作業者情報格納部
110 場内警報装置
111 警報情報格納部
112 通知先・外部状況取得装置
Claims (9)
- プラント機器のセンサ信号を取得し、異常状態を判定するプラント情報収集部と、
前記プラント機器ごとの警報の種類、ならびに、前記警報の種類ごとの、前記プラント機器が異常の時に警報を通知する警報通知先と、前記警報の重要度とを記憶する警報情報格納部と、
監視者ごとの警報通知先の変更権限の有無を記録する監視者情報格納部と、
警報の通知先の選択画面を表示する出力装置と、
監視者の警報通知先の変更操作を入力する入力装置と、
前記プラント情報収集部の判定に基づいて、予め設定された警報通知先を前記警報情報格納部から取得し、前記警報通知先を含む複数の通知先を選択可能に表示する選択画面を前記出力装置に表示する警報通知制御部と、
を備え、
警報通知制御部は、前記入力装置の操作により警報通知先を、前記警報の重要度に応じて設定された所定期間にわたり変更可能とし、
前記監視者情報格納部に警報通知先の変更権限有と記録された監視者が、前記所定期間内に前記警報通知先の選択画面を操作した場合に、警報通知先を変更可能に制御し、
前記所定期間の経過後に、所定期間中に設定された警報通知先に警報を通知する
ことを特徴とするプラント監視制御システム。 - 請求項1に記載のプラント監視制御システムにおいて、
前記警報情報格納部の警報通知先は、前記警報通知先の選択画面で変更された通知先に更新される
ことを特徴とするプラント監視制御システム。 - 請求項1に記載のプラント監視制御システムにおいて、
前記警報通知制御部は、前記警報情報格納部に予め設定された警報通知先と監視者が選択した警報通知先とを、警報通知可能な通知先と判別できるように表示する前記警報通知先の選択画面を前記出力装置に表示する
ことを特徴とするプラント監視制御システム。 - 請求項1に記載のプラント監視制御システムにおいて、
前記警報通知制御部は、前記警報通知先の選択画面に、自治体へ警報通知する通知先ボタンとプラントの周辺住民に警報通知する通知先ボタンを表示する
ことを特徴とするプラント監視制御システム。 - 請求項1に記載のプラント監視制御システムにおいて、
通知先またはプラント環境の状況を取得する通知先・外部状況取得装置を備え、
前記警報通知制御部は、
前記プラント情報収集部と前記通知先・外部状況取得装置の情報に基づいて警報通知先を求め、
求めた前記警報通知先の通知先ボタンを、前記警報情報格納部に予め設定された警報通知先の通知先ボタンと、監視者が警報通知先に選択した通知先ボタンと、警報通知可能な通知先ボタンと弁別表示する前記警報通知先の選択画面を前記出力装置に表示する
ことを特徴とするプラント監視制御システム。 - プラント機器のセンサ信号を取得し、異常状態を判定するステップと、
異常判定したプラント機器の警報を通知する警報通知先を取得し、前記警報通知先を予め選択された警報通知先とするとともに、前記警報通知先を含む複数の通知先ボタンを選択画面に表示するステップと、
監視者が警報通知先の変更を行う権限を有するか否かを判定するステップと、
監視者が警報通知先の変更を行う権限を有する場合に、通知する警報の重要度に応じて設定された所定の設定変更期間、前記通知先ボタンの選択操作を可能とし、前記所定の設定変更期間の経過後に、選択された通知先ボタンに対応する通知先に警報通知をおこなうステップと、
監視者が警報通知先の変更を行う権限を有しない場合に、直ちに、選択された通知先に警報通知をおこなうステップと、
を有することを特徴とするプラント監視制御システムの監視制御方法。 - 請求項6に記載のプラント監視制御システムの監視制御方法において、
前記通知先ボタンの選択画面に、前記警報通知先として予め選択された通知先の通知先ボタンと、他の通知先ボタンを弁別可能に表示するステップ、
を含むことを特徴とするプラント監視制御システムの監視制御方法。 - 請求項6に記載のプラント監視制御システムの監視制御方法において、
前記通知先ボタンの選択画面に、警報通知を指示する警報の通知開始ボタンを表示するステップと、
前記通知開始ボタンに、警報通知先の選択操作の残り時間を表わすタイマカウンタを表示するステップと、
を含むことを特徴とするプラント監視制御システムの監視制御方法。 - 請求項6に記載のプラント監視制御システムの監視制御方法において、
異常判定したプラント機器の重要度を取得するステップと、
取得した重要度に応じて、通知先ボタンの選択画面の設定変更期間を求めるステップと、
を含むことを特徴とするプラント監視制御システムの監視制御方法。
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