JP6381948B2 - 錠剤の表裏判定方法、錠剤の表裏判定装置、錠剤の割線検出装置及び錠剤印刷装置 - Google Patents

錠剤の表裏判定方法、錠剤の表裏判定装置、錠剤の割線検出装置及び錠剤印刷装置 Download PDF

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Description

本発明は、錠剤の表裏判定方法、錠剤の表裏判定装置、錠剤の割線検出装置及び錠剤印刷装置に関するものである。更に詳しくは、例えば除放性錠剤のような表面に斑模様が表れている割線錠であっても、割線の有無を高い精度で検出することにより、錠剤の表裏の判定ができるようにしたものに関する。
小粒物のワーク(加工対象物)に対し印刷を施す印刷装置は、例えば医薬品等の錠剤の表面に印刷する分野で使用されている。また、錠剤には、例えば一方の面に割線を有する等、表裏の形状が異なるものや表裏で色調が異なるものがあり、錠剤の印刷においては、これに対応し錠剤の表裏において印刷の位置、角度或いはパターンを調節する場合がある。このような錠剤印刷装置の一例としては、特開2013−121432号公報に開示された「錠剤印刷装置」がある。
上記従来の装置は、ランダムに供給される錠剤を検出するための画像データを撮像する第1、第2の検出用ラインセンサカメラと、第1、第2の検出用ラインセンサカメラで撮像された錠剤の画像データに基づいて錠剤の割線の向きに応じた印刷データを作成する画像処理部と、画像処理部で作成された印刷データに基づいて錠剤に印刷処理を行う第1、第2のインクジェットプリンタと、第1、第2のインクジェットプリンタによる印刷処理後に錠剤を検査するための画像データを撮像する第1、第2の検査用ラインセンサカメラを設け、ランダムに供給される錠剤に対して錠剤の向きに応じて高速で印刷できるようにしたものである。
特開2013−121432号公報
しかしながら、上記従来の錠剤印刷装置には、次のような課題があった。
すなわち、従来の錠剤印刷装置では、割線を有する錠剤(割線錠)の表裏を判別するために、検出用ラインセンサカメラにより撮像された画像データを解析することで、通常は一方の面に設けられる割線が検出できるようになっている。
一方、錠剤には、表面に不定形の斑模様が表れているものがある。例えば、薬が体内で徐々に放出されるようにして、作用が長く持続するようにしたタイプ、いわゆる除放性(スパスタブタイプ)の錠剤の多くは、異なる薬を結着してつくられることから、色や質感の違いにより、表面に不定形の斑模様が表れることがある。
このような、表面に斑模様が表れている錠剤にも割線錠があり、その場合、上記従来の装置のように、検出用ラインセンサカメラにより撮像された画像データを解析しただけでは、斑模様に起因する表面の明るさや色調のバラツキが影響して、割線を正確に検出できないことがある。このため、特に錠剤の表裏両面に互いに異なるパターンを印刷する場合、割線錠の表裏の判定に間違いが生じて、表裏両面への所定の印刷ができず不良となってしまうことがあった。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、例えば除放性錠剤のような表面に斑模様が表れている割線錠であっても、割線の有無を高い精度で検出して、錠剤の表裏の判定ができるようにした、錠剤の表裏判定方法、錠剤の表裏判定装置、錠剤の割線検出装置及び錠剤印刷装置を提供することを目的とする。
(1)本発明は、撮像した画像データ上の錠剤において設定された多重ループに沿う部分の輝度値を測定する工程と、閾値を超える前記輝度値の値、又は閾値を超える前記輝度値の変動部分の錠剤表面(じょうざいひょうめん)における分布を基準として錠剤の表裏を判定する工程とを備える錠剤の表裏判定方法である。
(2)本発明は、撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する工程と、前記画像データ上において前記中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分の輝度値を測定する工程と、前記画像データ上において、閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する工程と、割線がある面又はない面を表として表裏を判定する工程とを備える錠剤の表裏判定方法である。
(3)本発明は、撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する工程と、前記画像データ上において前記中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分のノイズを除去する工程と、前記画像データ上においてノイズを除去した部分の輝度値を測定する工程と、前記画像データ上において、閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する工程と、割線がある面又はない面を表として表裏を判定する工程とを備える錠剤の表裏判定方法である。
(4)本発明は、撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する工程と、前記画像データ上で、前記中心を中心とする直径が異なる三つの同心円を設定する工程と、前記中心を中心とする三つの同心円において第1の同心円の近傍の画像データをフィルタ処理してノイズを除去する工程と、前記中心を中心とする三つの同心円において第2の同心円の近傍の画像データをフィルタ処理してノイズを除去する工程と、前記中心を中心とする三つの同心円において第3の同心円の近傍の画像データをフィルタ処理してノイズを除去する工程と、前記第1の同心円の近傍の画像データを微分処理する工程と、前記第2の同心円の近傍の画像データを微分処理する工程と、前記第3の同心円の近傍の画像データを微分処理する工程と、前記第1の同心円、第2の同心円、及び第3の同心円の各微分処理データを合成してノイズを除去する工程と、前記各処理によりノイズを除去した部分の輝度値を測定する工程と、閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する工程と、割線がある面又はない面を表として表裏を判定する工程とを備える錠剤の表裏判定方法である。
(5)本発明の錠剤の表裏判定方法は、割線を検出した場合、割線の角度を検出する工程を備える構成とすることもできる。
この場合は、割線の角度を検出することで、印刷時において、その角度データを使用することにより、割線を避けた位置に印刷したり、或いは割線の傾きに合わせて印刷する等、割線錠の姿勢に関わらず、多様な印刷が可能になる。なお、割線の角度の検出は、例えば、予め蓄積している、1°ごとの画像データとの照合によるが、これに限定するものではなく、他の公知手段で行うこともできる。
(6)本発明は、撮像した画像データ上の錠剤において設定された多重ループに沿う部分の輝度値を測定する手段と、閾値を超える前記輝度値の値、又は閾値を超える前記輝度値の変動部分の錠剤表面(じょうざいひょうめん)における分布を基準として錠剤の表裏を判定する手段とを備える錠剤の表裏判定装置である。
(7)本発明は、撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する手段と、前記画像データ上において、前記錠剤の前記中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分のノイズを除去する手段と、前記画像データ上においてノイズを除去した部分の輝度値を測定する手段と、閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する手段とを備える錠剤の割線検出装置である。
(8)本発明は、錠剤供給部と、外周面に多数の錠剤保持部を有し、該錠剤保持部に前記錠剤供給部から錠剤が移される第一搬送ドラムと、外周面に多数の錠剤保持部を有し、該錠剤保持部に前記第一搬送ドラムの前記錠剤保持部から錠剤が反転して移される第二搬送ドラムと、外周面に多数の錠剤保持部を有し、該錠剤保持部に前記第二搬送ドラムの前記錠剤保持部から錠剤が反転して移される取出ドラムと、前記第一搬送ドラムの外周面近傍に配され、前記第一搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤を撮像する第1の印刷用撮像装置と、前記第一搬送ドラムの回転方向において、前記第1の印刷用撮像装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第一搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤に印刷する第1の印刷装置と、前記第一搬送ドラムの回転方向において、前記第1の印刷装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第一搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の印刷済みの錠剤を撮像する第1の検査用撮像装置と、前記第二搬送ドラムの外周面近傍に配され、前記第二搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤を撮像する第2の印刷用撮像装置と、前記第二搬送ドラムの回転方向において、前記第2の印刷用撮像装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第二搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤に印刷する第2の印刷装置と、前記第二搬送ドラムの回転方向において、前記第2の印刷装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第二搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の印刷済みの錠剤を撮像する第2の検査用撮像装置と、撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する手段と、前記画像データ上において、前記中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分のノイズを除去する手段と、前記画像データ上においてノイズを除去した部分の輝度値を測定する手段と、閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する手段とを有する錠剤の割線検出装置と、不良錠剤と判定された錠剤を排除する不良錠剤排除装置と、不良錠剤と判定されなかった錠剤を良品として排出する良品錠剤排出装置とを備える錠剤印刷装置である。
(9)本発明は、錠剤供給部と、外周面に多数の錠剤保持部を有し、該錠剤保持部に前記錠剤供給部から錠剤が移される第一搬送ドラムと、外周面に多数の錠剤保持部を有し、該錠剤保持部に前記第一搬送ドラムの前記錠剤保持部から錠剤が反転して移される第二搬送ドラムと、外周面に多数の錠剤保持部を有し、該錠剤保持部に前記第二搬送ドラムの前記錠剤保持部から錠剤が反転して移される取出ドラムと、前記第一搬送ドラムの外周面近傍に配され、前記第一搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤を撮像する第1の印刷用撮像装置と、前記第一搬送ドラムの回転方向において、前記第1の印刷用撮像装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第一搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤に印刷する第1の印刷装置と、前記第一搬送ドラムの回転方向において、前記第1の印刷装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第一搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の印刷済みの錠剤を撮像する第1の検査用撮像装置と、前記第二搬送ドラムの外周面近傍に配され、前記第二搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤を撮像する第2の印刷用撮像装置と、前記第二搬送ドラムの回転方向において、前記第2の印刷用撮像装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第二搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤に印刷する第2の印刷装置と、前記第二搬送ドラムの回転方向において、前記第2の印刷装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第二搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の印刷済みの錠剤を撮像する第2の検査用撮像装置と、前記第1の印刷用撮像装置から送られた撮像信号を画像データに変換し、撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する手段と、前記画像データ上において、前記中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分のノイズを除去する手段と、前記画像データ上においてノイズを除去した部分の輝度値を測定する手段と、閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する手段とを有し、結果の信号を出力する第1の印刷用画像処理装置と、印刷データを内部に持ち、同期信号と、前記第1の印刷用画像処理装置から送られてきた結果信号を基に、内部に持った印刷データを前記第1の印刷装置へ送る第1の印刷用制御装置と、前記第1の印刷装置の仕様にあわせた印刷データを作成し、前記第1の印刷用制御装置に送る第1の印刷用データ作成装置と、前記第1の検査用撮像装置から送られてきた撮像信号を画像データに変換し、画像処理によって錠剤の傷、欠け、又は印刷の状態を調べ、結果の信号を出力する第1の検査用画像処理装置と、前記第2の印刷用撮像装置から送られた撮像信号を画像データに変換し、撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する手段と、前記画像データ上において、前記中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分のノイズを除去する手段と、前記画像データ上においてノイズを除去した部分の輝度値を測定する手段と、閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する手段とを有し、結果の信号を出力する第2の印刷用画像処理装置と、印刷データを内部に持ち、同期信号と、前記第2の印刷用画像処理装置から送られてきた結果信号を基に、内部に持った印刷データを前記第2の印刷装置へ送る第2の印刷用制御装置と、前記第2の印刷装置の仕様にあわせた印刷データを作成し、前記第2の印刷用制御装置に送る第2の印刷用データ作成装置と、前記第2の検査用撮像装置から送られてきた撮像信号を画像データに変換し、画像処理によって錠剤の傷、欠け、又は印刷の状態を調べ、結果の信号を出力する第2の検査用画像処理装置と、前記同期信号をつくり、錠剤が供給されてから排出されるまで、どの位置にあるかを追跡するとともに、前記第1、第2の印刷用画像処理装置と前記第1、第2の検査用画像処理装置の前記結果の信号を、追跡している錠剤に関連づけ、その結果に基づき、不良と判定された錠剤が、不良錠剤排除装置に到達したとき、排除するように信号を出力し、不良と判定されなかった錠剤は、次の良品錠剤排出装置により排出するように信号を出力する機械制御部と、不良と判定された信号に基づき、錠剤を不良として排除する不良錠剤排除装置と、不良と判定されなかった信号に基づき、錠剤を良品として排出する良品錠剤排出装置とを備える錠剤印刷装置である。
(10)本発明は、処理する錠剤の設定が、前記錠剤の表裏両面に印刷を行い、前記錠剤の表面形状の違いにより印刷パターンの切り換えを行い、前記錠剤の表裏両面の形状が互いに異なる、という設定の場合において、前記錠剤の表裏両面の形状が同じと判定されたときに、前記錠剤が不良であると判定する工程と、前記錠剤の表裏両面の形状が同じでないと判定され、更に表側の面及び裏側の面の印刷が良と判定されたときに、前記錠剤が良品であると判定する工程とを備える表裏両面に印刷する錠剤の良否判定方法である。
この表裏両面に印刷する錠剤の良否判定方法は、印刷処理される錠剤等の錠剤の種類ごとに、予め決められている設定が、「錠剤の表裏両面に印刷を行い」、「錠剤の表面形状の違いにより印刷パターンの切り換えを行い」、「錠剤の表裏両面の形状が互いに異なる」という設定である場合、上記設定にも関わらず、後の検査工程で「錠剤の表裏両面の形状が同じ」と判定されたとき、そのまま無条件に不良錠剤とみなすものである。例えば割線錠を処理する場合において、両面に割線のない錠剤が混入していた場合も、確実に排除できる。
特許請求の範囲、及び明細書にいう「中心」の用語は、対象となる画像データの錠剤の外形を表す図形の中心の他、例えば長円形状(楕円形状)、或いはそれに近似する形状、四角形状、菱形状等の点対称形状である場合、対称の中心の意味を含む。
特許請求の範囲、及び明細書にいう「閾値を超える」という文言は、必ずしも輝度値の数としての大小に関わるものでなく、限界値としてのある値を超過する意味を含むものである。
特許請求の範囲にいう「多重ループ」の多重、又は「複数の同心円」の複数とは、二本、三本、又は四本以上であり、特に限定するものではない。
また、ループの形状は特に限定せず、円形の他、例えば三角形、四角形、その他の多角形、楕円形、異形等、様々に設定できる。更に、「多重ループ」は、各ループが同心(中心が共通)であってもよいし、同心でなくてもよい。
(作用)
本発明に係る錠剤の割線検出装置の作用を説明する。
錠剤の割線検出装置によれば、撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出し、画像データ上において、中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分のノイズを除去し、ノイズを除去した画像データ上において、閾値(しきい値:限界値)を超える輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出することにより、割線錠の片面、又は両面に形成されている割線を検出できる。
すなわち、割線錠に形成されている割線は、通常、錠剤の中心線と重なるか、又は沿うように形成されている溝である。この溝は、撮像時において適宜方向からの照明が当てられることによって、画像データ上で、輝度値が規則性をもって変化した部分として表れる。
一方、割線錠が表面に斑模様が表れているような除放性錠剤である場合、割線のない側の面を見ているときに、上記と同様の位置、すなわち複数の同心円の近傍、且つ錠剤の中心線の近傍の位置で、閾値を超える輝度値の変動部分が表れる可能性は皆無ではないが、確率としては極めて低い。
したがって、画像データ上において、閾値を超える輝度値の変動部分が、錠剤の中心線の近傍に位置するということは、その面に極めて高い確率で割線が存在していると見ることができる。
このように、錠剤の割線検出装置によれば、表面に斑模様が表れているような除放性錠剤の割線錠であっても、割線の有無を高い精度で検出することができ、例えば割線錠の表裏両面に異なるパターンを印刷するような場合でも、表裏の判別に間違いが生じにくいので、印刷不良による不良錠剤の発生を防止することができる。
本発明は、例えば除放性錠剤のような表面に斑模様が表れている割線錠であっても、割線の有無を高い精度で検出して、錠剤の表裏の判定ができる、錠剤の表裏判定方法、錠剤の表裏判定装置、錠剤の割線検出装置及び錠剤印刷装置を提供することができる。
本発明に係る錠剤印刷装置の一実施の形態を示す正面視概略説明図である。 図1に示す錠剤印刷装置の構成のブロック図である。 錠剤印刷装置の錠剤供給部の供給ドラムから第一搬送ドラムへの受け渡し部の構造を示す拡大断面説明図である。 錠剤印刷装置の第一搬送ドラムから第二搬送ドラムへの受け渡し部の構造を示す拡大断面説明図である。 錠剤印刷装置の第二搬送ドラムから取出ドラムへの受け渡し部の構造を示す拡大断面説明図である。 錠剤印刷装置の取出ドラムと不良錠剤排除部及び良品錠剤排出部への受け渡し部の構造を示す拡大断面説明図である。 第一搬送ドラムにおける第1の印刷装置による印刷(A面印刷)の説明図である。 第二搬送ドラムにおける第2の印刷装置による印刷(B面印刷)の説明図である。 錠剤印刷装置における錠剤供給から印刷、検査、選別までの工程のフロー図である。 図9のフロー図における印刷用画像処理の工程のフロー図である。 図9のフロー図における検査用画像処理の工程のフロー図である。 図9のフロー図における良品総合判定処理の工程のフロー図である。 図10のフロー図における錠剤形状判別処理の工程のフロー図である。 錠剤が図17(a)のツートーンカラーの錠剤であるときの図10のフロー図における錠剤形状判別処理の工程のフロー図である。 割線錠の割線の検出方法を示し、(a)は割線錠の表面における説明図、(b)は輝度値のグラフである。 割線錠の割線の検出方法を示し、(a)は割線錠の裏面における説明図、(b)は輝度値のグラフである。 ツートーンカラーの錠剤を示し、(a)は表面側の中央部分が明るく、他の部分がやや暗い色調の錠剤の斜視図、(b)は表面側が明るく、裏側がやや暗い色調の錠剤の斜視図である。 錠剤が図17(a)のツートーンカラーの錠剤の表裏の検出方法を示し、(a)は錠剤の表面における説明図、(b)は輝度値のグラフである。 錠剤が図17(a)のツートーンカラーの錠剤の表裏の検出方法を示し、(a)は錠剤の裏面における説明図、(b)は輝度値のグラフである。 対称となる錠剤(割線錠)の形状の種類を示し、(a)は円形錠、(b)は五角形錠、(c)は長円形錠、(d)は楕円形錠、(e)は三角形錠、(f)は四角形錠の説明図である。
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
図1ないし図8を参照する。
錠剤印刷装置Pは、医薬品等の錠剤の形状の良否を判定し、錠剤の表裏を判別して表裏の一方又は両方の面に印刷をし、錠剤が良品であるか不良であるかの選別をすることができるものである。錠剤印刷装置Pは、主フレーム8を備えている。主フレーム8の上部には、上部フレーム80が固定されている。主フレーム8の上部側及び上部フレーム80には、錠剤供給部である錠剤供給装置4が配設されている。
錠剤供給装置4は、上部フレーム80に設けられ錠剤を貯留する一次ホッパー40と、一次ホッパー40から供給される錠剤を整列させるボールフィーダ41と、主フレーム8の上部側に設けられボールフィーダ41で整列した錠剤を順次下方へ送るシュート42と、シュート42から錠剤を受け取る供給ドラム43で構成されている。
供給ドラム43は、回転軸(符号省略)を水平にして縦方向に回転する円筒体であり、外周面430(図3参照)にはワークである錠剤を収容する有底円形孔である錠剤保持部431が多数形成されている。錠剤保持部431の配列は、供給ドラム43の厚み方向(図1で奥行方向)に等間隔で五箇所、及び周方向に等間隔で多数形成されている(図7、図8参照)。上記錠剤保持部の形状及び配列は、後述する第一搬送ドラム1、第二搬送ドラム2、及び取出ドラム3も同様である。なお、錠剤保持部の孔形状は、円形に限定するものではなく、例えば後述する図20に示すような各形状の錠剤に合うように各種形状が採用される。この場合は、各ドラムの外周部分を交換できる構造にする等して対応する。
また、供給ドラム43は、それぞれ独立して空気の吸排制御を行う制御通気路432を有している。各制御通気路432は、各錠剤保持部431につながっており、個々に吸排制御を行うことで、各錠剤保持部431における錠剤の吸着と解放を切り替えることができる。この錠剤保持部と制御通気路の構造、及び作用は、後述する第一搬送ドラム1、及び第二搬送ドラム2も同様であり、取出ドラム3については構造がやや異なる(後述)が作用は同様である。
供給ドラム43の図1、図3において右斜め下方には、供給ドラム43の各錠剤保持部431が形成されている外周面430に対し外周面100がほぼ接触するようにして、第一搬送ドラム1が配設されている。第一搬送ドラム1は、回転軸(符号省略)を水平にして縦方向に回転する、上記供給ドラム43より径大な円筒体である。第一搬送ドラム1の外周面100には、上記供給ドラム43と同様に多数の錠剤保持部101、及び制御通気路102が形成されている。
第一搬送ドラム1の外周面100近傍において、供給ドラム43寄りには、第一搬送ドラム1の回転により搬送されている錠剤保持部101内の錠剤を撮像し、撮像信号を出力する第1の印刷用撮像装置11が配設されている。第1の印刷用撮像装置11は、照明具とセットとなったラインセンサカメラである。撮像装置としては、レーザー等による変位センサを採用することもでき、これについては後述する各撮像装置も同様である。
第1の印刷用撮像装置11から出力された撮像信号は、第1の印刷用画像処理装置14に送られて、画像データに変換される。第1の印刷用画像処理装置14では、画像データを画像処理することによって錠剤の有無や形状が検出される。そして、その結果の信号が出力され、後述する第1の印刷用制御装置15へ送られる。なお、第1の印刷用画像処理装置14は、後述する第2の印刷用画像処理装置24と共に錠剤の割線検出装置を構成し、後述する機械制御部6へ結果の信号を送る等、機械制御部6と制御情報のやり取りをする。
また、第一搬送ドラム1の回転方向において第1の印刷用撮像装置11より下手側の外周面100の近傍には、第一搬送ドラム1の回転により搬送されている各錠剤保持部101内の錠剤に印刷する第1の印刷装置12が配設されている。第1の印刷装置12は、インクジェットプリンタのヘッド120(図7参照)を有する。
第1の印刷装置12には、第1の印刷用制御装置15から印刷データが送られる。第1の印刷用制御装置15は、後述する第1の印刷用データ作成装置16で予め作成された印刷データを内部に持ち、上記第1の印刷用画像処理装置14から送られてきた結果の信号を基に、印刷データを選択して第1の印刷装置12へ送る。第1の印刷用データ作成装置16は、第1の印刷装置12の仕様にあわせた印刷データを予め作成し、第1の印刷用制御装置15に送るようになっている。このように、第1の印刷用制御装置15が、第1の印刷用データ作成装置16で予め作成された印刷データを使用するので、その都度印刷データを算出する場合と比較して、より短時間で印刷できる。また、これについては、後述する第2の印刷用制御装置25、及び第2の印刷用データ作成装置26も同様である。
さらに、第一搬送ドラム1の回転方向において第1の印刷装置12より下手側の外周面100の近傍には、第一搬送ドラム1の回転により搬送されている各錠剤保持部101内の錠剤を撮像し、撮像信号を出力する第1の検査用撮像装置13が配設されている。
第1の検査用撮像装置13から出力された撮像信号は、第1の検査用画像処理装置17に送られる。第1の検査用画像処理装置17では、送られてきた撮像信号を画像データに変換し、画像処理によって錠剤の傷、欠け、又は印刷の状態を調べ、結果の信号を出力する。第1の検査用画像処理装置17は、後述する機械制御部6へ結果の信号を送る等、機械制御部6と制御情報のやり取りをする。
第一搬送ドラム1の図1、図4において左斜め下方には、第一搬送ドラム1の各錠剤保持部101が形成されている外周面100に外周面200がほぼ接触するようにして、第二搬送ドラム2が配設されている。第二搬送ドラム2は、回転軸(符号省略)を水平にして縦方向に回転する、上記第一搬送ドラム1と同径の円筒体である。第二搬送ドラム2の外周面200には、上記供給ドラム43と同様に多数の錠剤保持部201、及び制御通気路202が形成されている。
第二搬送ドラム2の外周面200近傍において、第一搬送ドラム1寄りには、第二搬送ドラム2の回転により搬送されている錠剤保持部201内の錠剤を撮像し、撮像信号を出力する第2の印刷用撮像装置21が配設されている。第2の印刷用撮像装置21は、照明具とセットとなったラインセンサカメラである。
第2の印刷用撮像装置21から出力された撮像信号は、第2の印刷用画像処理装置24に送られて、画像データに変換される。第2の印刷用画像処理装置24では、画像データを画像処理することによって錠剤の有無や形状が検出される。そして、その結果の信号が出力され、後述する第2の印刷用制御装置25へ送られる。なお、第2の印刷用画像処理装置24は、後述する機械制御部6へ結果の信号を送る等、機械制御部6と制御情報のやり取りをする。
また、第二搬送ドラム2の回転方向において第2の印刷用撮像装置21より下手側の外周面200の近傍には、第二搬送ドラム2の回転により搬送されている各錠剤保持部201内の錠剤に印刷する第2の印刷装置22が配設されている。第2の印刷装置22は、インクジェットプリンタのヘッド220(図8参照)を有する。
第2の印刷装置22には、第2の印刷用制御装置25から印刷データが送られる。第2の印刷用制御装置25は、後述する第2の印刷用データ作成装置26で作成された印刷データを内部に持ち、上記第2の印刷用画像処理装置24から送られてきた結果の信号を基に、印刷データを選択して第2の印刷装置22へ送る。第2の印刷用データ作成装置26は、第2の印刷装置22の仕様にあわせた印刷データを作成し、第2の印刷用制御装置25に送るようになっている。
さらに、第二搬送ドラム2の回転方向において第2の印刷装置22より下手側の外周面200の近傍には、第二搬送ドラム2の回転により搬送されている各錠剤保持部201内の錠剤を撮像し、撮像信号を出力する第2の検査用撮像装置23が配設されている。
第2の検査用撮像装置23から出力された撮像信号は、第2の検査用画像処理装置27に送られる。第2の検査用画像処理装置27では、送られてきた撮像信号を画像データに変換し、画像処理によって錠剤の傷、欠け、又は印刷の状態を調べ、結果の信号を出力する。第2の検査用画像処理装置27は、後述する機械制御部6へ結果の信号を送る等、機械制御部6と制御情報のやり取りをする。
第二搬送ドラム2の図1、図5において右斜め下方には、第二搬送ドラム2の各錠剤保持部201が形成されている外周面200に錠剤保持部301の先端がほぼ接触するようにして、取出ドラム3が配設されている。取出ドラム3は、回転軸(符号省略)を水平にして縦方向に回転する、上記第一搬送ドラム1とほぼ同径の概略円筒体である。
取出ドラム3の外周部(符号省略)に放射方向を向け多数設けられている円管状の錠剤保持部301には、制御通気路302が接続されており、個々に吸排制御を行うことで、各錠剤保持部301における錠剤の吸着と解放を切り替えることができる。
取出ドラム3の図6において右斜め下部には、不良錠剤排除装置31が配設されている。不良錠剤排除装置31は、取出ドラム3の外側に位置するダクト312と、取出ドラム3の内部側に位置するノズル装置310で構成されている。ノズル装置310は、二箇所にエアノズル311を有している。
各エアノズル311は、噴射方向を回転移動する各錠剤保持部301に向けて設けてあり、各錠剤保持部301に圧縮空気を噴射することにより、錠剤保持部301の先端に吸着されている錠剤のうち、機械制御装置6から送られてきた不良と判定された信号に基づき、該不良錠剤をダクト312へ吹き飛ばし、排除することができる。なお、各エアノズル311は、傷や欠けがある等、形状不良で強制的に排除される割線錠と、印刷不良で排除される割線錠とを仕分けすることもできる。
取出ドラム3の下側には、良品錠剤排出装置5が配設されている。良品錠剤排出装置5は、ベルトコンベヤであり、上側を移動する搬送部50の上に、不良と判定されなかった良品錠剤Tgが各錠剤保持部301から解放されて載置され、包装工程等、後工程へ送られる。
なお、上記供給ドラム43、第一搬送ドラム1、第二搬送ドラム2、及び取出ドラム3は、機械制御部6の制御により同期回転するようになっている。各ドラムで搬送される各錠剤は、機械制御部6により、第1の撮像装置11以降、良品錠剤排出装置5まで、搬送経路のどの位置にあるか追跡される。
また、機械制御部6は、第1、第2の印刷用画像処理装置14、24と第1、第2の検査用画像処理装置17、27の結果の信号を、追跡している錠剤に関連づけ、その結果に基づき、不良と判定された錠剤を不良錠剤排除装置31に到達したとき排除するように信号を出力し、不良と判定されなかった錠剤を良品錠剤排出装置5により排出するように信号を出力する。
(作用)
錠剤印刷装置Pの作用を説明する。以下の説明では、錠剤印刷装置Pにより、全体に斑模様がある除放性錠剤であって、片面に割線がある円形の割線錠Toに対し表裏両面に異なる印刷を行う場合を例にとり、作業(工程)及び制御の流れを説明する。また、錠剤印刷装置Pの構造については、図1ないし図8を主に参照し、制御については図9ないし図13(又は図14)を主に参照する。
なお、印刷の対象となる錠剤としては、図20に示す(a)の円形錠、(b)の五角形錠、(c)の長円形錠、(d)の楕円形錠、(e)の三角形錠、(f)の四角形錠等、各種形状の割線錠、或いは同様の各種形状を有すると共に、表裏で色が異なるツートーンカラーの錠剤(図17(a)、(b)参照)、又は片面に割線があり他方の面に刻印がされている錠剤等があげられるが、これらに限定されるものではない。
(1)錠剤供給(図9:ステップS1)
錠剤供給装置4の一次ホッパー40からボールフィーダ41へ割線錠To(片面に割線がある割線錠)が送られ、ここで整列された割線錠Toは、シュート42を通り供給ドラム43へ送られる。供給ドラム43は、矢印方向へ回転しながら、割線錠Toを各錠剤保持部431に順次収容して吸着し、これを保持する(図3参照)。
そして、各錠剤保持部431内の割線錠Toと第一搬送ドラム1の各錠剤保持部101が相対向したときに、各錠剤保持部431側で割線錠Toが解放され、各錠剤保持部101側で吸着されることで割線錠Toは移行する(図3参照)。
(2)第1の印刷用画像処理(図9:ステップS2)
第1の印刷用撮像装置11により第一搬送ドラム1上の割線錠Toの撮像を行う。この撮像信号は、第1の印刷用画像処理装置14へ送られ、画像データに変換されて、図10に示すような以下の処理が行われる。
(2-1)錠剤があるか?(図10:ステップS21)
割線錠Toがあれば次のステップS22に移行し、割線錠Toがなければ、その箇所は不良と判定(ステップS26)し、以降はこの箇所を追跡して、錠剤無しと判定された箇所が不良錠剤排除装置31の排除部に来たときに排除動作を行う。
(2-2)錠剤に欠けがあるか?(図10:ステップS22)
割線錠Toの画像データの面積を算出する等して欠けがあるかどうかを判定し、欠けがなければ次のステップS23に移行し、欠けがあれば、この割線錠Toは不良錠剤と判定され(ステップS26)、以降、後の不良錠剤排除装置31で排除するために追跡される。
(2-3)錠剤中心検出(図10:ステップS23)
割線錠Toの画像データにおいて、割線錠Toの中心Cを検出する(図15、図16等参照)。
(2-4)錠剤形状判別処理(図10:ステップS24)
ここで割線の検出にあたっては、図13に示すような以下の処理が行われる。
この処理の前に、予め設定され記憶されている三重(さんじゅう)の同心円を上記検出した中心に合わせて錠剤Toの画像データに重ねる処理を行う(図15、図16等参照)。
(2-4-1)同心円1のフィルタ処理によるノイズ除去(図13:ステップ241)
画像データ上において、最も径小の同心円1(図で符号は省略)の近傍の画像のノイズをフィルタ処理により除去する。
ここで行われるフィルタ処理は、例えば移動平均処理、すなわち同心円上の画素毎に前後の指定した区間内の平均値に置き換える処理を行うことによって、ノイズの除去が行われ、表面のざらつきや細かな汚れを除去した画像を得ることができるものである。
(2-4-2)同心円2のフィルタ処理によるノイズ除去(図13:ステップ242)
画像データ上において、中間の同心円2(図で符号は省略)の近傍の画像のノイズをフィルタ処理により除去する。
(2-4-3)同心円3のフィルタ処理によるノイズ除去(図13:ステップ243)
画像データ上において、最も径大の同心円3(図で符号は省略)の近傍の画像のノイズをフィルタ処理により除去する。
(2-4-4)同心円1の微分処理(図13:ステップ244)
画像データ上において、最も径小の同心円1の近傍の画像の微分処理を行う。
(2-4-5)同心円2の微分処理(図13:ステップ245)
画像データ上において、中間の同心円2の近傍の画像の微分処理を行う。
(2-4-6)同心円3の微分処理(図13:ステップ246)
画像データ上において、最も径大の同心円3の近傍の画像の微分処理を行う。
(2-4-7)同心円C1、C2、C3の微分処理合成によるノイズ除去(図13:ステップ247)
上記同心円C1、C2、C3の微分処理したデータを合成して、各同心円近傍の画像のノイズ除去を行う。なお、領域のエッジでは、画素の輝度値の変化が大きいため、画素値の変化に対して微分を求めれば、明暗(濃淡)の変化が分かり、エッジの検出を行うことができる。
(2-4-8)割線があるか?(図13:ステップ248)
図15及び図16を参照する。
ステップS241〜ステップS247でノイズを除去した画像データ上において、同心円C1、C2、C3に沿う部分の輝度値を測定する。まず、図15(a)のように、割線7がある表面(おもて面)を見ている場合は、その輝度値の変動部分(ピーク)が閾値を超えており、更に変動部分が輝度値の測定部である同心円C1、C2、C3の近傍にあり、且つ割線錠Toの中心線の近傍(図15(b)では120°及び300°近傍)に位置する。すなわち、この場合は、見ている面(表面:おもて面)には割線ありとされ、次のステップS249へ移行する。
また、図16(a)のように、割線7がない裏面を見ている場合は、図16(b)に示すように同心円C1、C2、C3に沿う部分の輝度値は、裏面が大体において均質であるため、大きな変動もなく、閾値を超えない範囲で推移することとなる。すなわち、この場合は、見ている面(裏面)には割線無しと判定される(ステップS251)。
(2-4-9)角度が検出できたか?(図13:ステップ249)
ステップS248で割線ありとされた場合、割線の角度(又は傾き)が検出される。割線の角度が検出できたときは、割線ありと判定される(図13:ステップ250)。また、割線の角度が検出できなかったときは、割線なしと判定される(ステップS251)。
すなわち、割線錠Toに形成されている割線は、通常、割線錠Toの中心線と重なるか、又は沿うように形成されている溝であり、この溝は、撮像時において適宜方向からの照明が当てられることによって、画像データ上で、輝度値が隣り合って変化した部分として表れる。
一方、割線錠Toは、本実施例では表面に斑模様が表れている除放性錠剤であるが、割線のない側の面(裏面:図16参照)を見ているときに、同心円C1、C2、C3に沿う部分、且つ割線錠Toの中心線の近傍の位置で、閾値を超える輝度値の変動部分が表れる確率は極めて低い。したがって、画像データ上において、閾値を超える輝度値の変動部分が、同心円C1、C2、C3の近傍(輝度値の測定位置)、且つ割線錠Toの中心線の近傍P1、P2(図15(a)参照)に位置するということは、その面に極めて高い確率で割線が存在していると見ることができる。
(2-5)良品錠剤(図10:ステップS25)
ステップS24による処理を通過した割線錠Toは、良品錠剤と判定され、次のステップS3に移行する。
(2-6)不良錠剤(図10:ステップS26)
ステップS22で不良と判定された割線錠は、以降、後の不良錠剤排除装置31で排除するために追跡される。
(3)印刷用画像処理、有無判定(図9:ステップS3)
ステップS2で割線錠Toがあると判定されているときは、次のステップS4に移行し、割線錠Toがないと判定されているときは、後述するステップS6(第1の検査用画像処理)に移行する。
(4)印刷用画像処理、形状判定(図9:ステップS4)
ステップS2で割線錠Toの表面に割線があると判定され、割線の角度が検出できたときは、次のステップS5に移行し、第1の印刷用制御装置15で記憶されている印刷パターンから適合する印刷パターンを選択する。
(5)第1の印刷(図9:ステップS5)
第1の印刷装置12によって、上記選択した印刷パターンを割線錠ToのA面に印刷する(図7参照)。図7では、A面に割線がある割線錠Toには、割線を挟んだ位置に平行になるように、割線錠Toに関連する情報(本実施の形態では、「AB」と「123」としている。)を表す文字を印刷している。
A面に割線がない割線錠Toには、当該割線錠ToのB面にあると想定される割線の角度と無関係に画一的な角度で、同じく割線錠Toに関連する情報(本実施の形態では、「CD」としている。)を表す文字を印刷しており、印刷の天地(又は向き)は表裏(A面、B面)で揃っていない。なお、裏面(B面)に刻印等の錠剤の周方向の角度を検出するための指標を設けて、錠剤の角度を検出するようにし、その角度に合わせて印刷をして、A面の印刷パターンとB面の印刷パターンの天地を揃えることも可能である。
(6)第1の検査用画像処理(図9:ステップS6)
第1の検査用撮像装置13による第一搬送ドラム1上の印刷後の割線錠Toの撮像を行う。撮像信号は、第1の検査用画像処理装置17へ送られ、画像データに変換されて、図11に示す以下の処理が行われる。
(6-1)錠剤があるか?(図11:ステップS61)
割線錠Toがあれば、次のステップ62に移行し、割線錠Toがなければ、その箇所は不良と判定され(ステップS65)、以降はこの箇所を追跡して、錠剤無しと判定された箇所が不良錠剤排除装置31の排除部に来たときに排除動作を行う。
(6-2)錠剤に欠けや汚れがあるか?(図11:ステップS62)
割線錠Toに欠けや汚れがなければ、次のステップS63に移行し、欠けや汚れがあれば不良錠剤と判定され(ステップS65)、後の不良錠剤排除装置31で排除するために追跡される。
(6-3)規格通りに印刷がされているか?(図11:ステップS63)
割線錠Toの画像と予め記憶されている基準となる画像データとを対比(又は比較)して、規格通りに印刷がされていれば、良品錠剤と判定され(ステップS64)、規格通りの印刷がされていなければ不良錠剤と判定される(ステップS65)。
そして、第一搬送ドラム1から第二搬送ドラム2へ割線錠Toの受け渡しが行われる。
第一搬送ドラム1の各錠剤保持部101内の割線錠Toと第二搬送ドラム2の各錠剤保持部201が相対向したときに、各錠剤保持部101側で割線錠Toが解放され、各錠剤保持部201側で吸着されることで、割線錠Toは裏返されて移行する(図4参照)。
(7)第2の印刷用画像処理(図9:ステップS7)
第2の印刷用撮像装置21により第二搬送ドラム2上の割線錠Toの撮像を行う。撮像信号は、第2の印刷用画像処理装置24へ送られ、画像データに変換されて、上記(2)の第1の印刷用画像処理と同様の処理が行われる。
(8)印刷用画像処理、有無判定(図9:ステップS8)
ステップS7で割線錠Toがあると判定されたときは、次のステップS9に移行し、割線錠Toがないと判定されたときは、後述するステップS11(第2の検査用画像処理)に移行する。
(9)印刷用画像処理、形状判定(図9:ステップS9)
割線錠To表面に割線があると判定され、割線の角度が検出できたときは、次のステップS10に移行し、第2の印刷用制御装置25で記憶されている印刷パターンから適合する印刷パターンを選択する。
(10)第2の印刷(図9:ステップS10)
第2の印刷装置22によって、上記選択した印刷パターンを割線錠ToのB面に印刷する(図8参照)。図8では、B面に割線がある割線錠Toには、割線を挟んだ位置に平行になるように、割線錠Toに関連する情報(本実施の形態では「AB」と「123」)を表す文字を印刷している。なお、B面に割線がない割線錠Toには、当該割線錠ToのA面にあると想定される割線の角度と無関係に画一的な角度で、同じく割線錠Toに関連する情報(本実施の形態では「CD」)を表す文字を印刷している。
(11)第2の検査用画像処理(図9:ステップS11)
第2の検査用撮像装置23による第二搬送ドラム2上の印刷後の割線錠Toの撮像を行う。撮像信号は、第2の検査用画像処理装置27へ送られ、画像データに変換されて、上記(6)の第1の検査用画像処理と同様の処理が行われる。
(12)良品総合判定処理(図9:ステップS12)
良品総合判定処理においては、図12に示す処理が行われる。
(12-1)両面に印刷を行うか?(図12:ステップS121)
割線錠Toの両面に印刷を行う設定であれば、次のステップS122に移行し、両面に印刷を行う設定でなければ、ステップS122〜ステップS124を省略してステップS125に移行する。
(12-2)形状によりパターンを切り換えるか?(図12:ステップS122)
割線錠Toの面の形状により、印刷パターンを切り換える設定であれば、次のステップS123に移行し、切り換える設定でなければ、ステップS123〜ステップS124を省略してステップS125に移行する。
(12-3)A面、B面が違う形状か?(図12:ステップS123)
割線錠ToがA面、B面で違う形状の設定であれば、次のステップS124に移行し、違う形状の設定でなければ、ステップS124を省略してステップS125に移行する。
(12-4)A面、B面共に同じ形状と判定したか?(図12:ステップS124)
割線錠Toが、A面、B面で同じ形状と判定されなかった場合、次のステップS125に移行する。割線錠ToがA面、B面で違う形状の設定であるにも関わらず、A面、B面で同じ形状と判定された場合、当該割線錠Toは不良錠剤と判定され(ステップS128)、以降は、不良錠剤排除装置31で排除するために追跡される。
(12-5)A面は検査良品か?(図12:ステップS125)
A面が検査良品であれば、次のステップS126へ移行し、検査良品でなければ、当該錠剤は不良錠剤と判定される(ステップS128)。
(12-6)B面は検査良品か?(図12:ステップS126)
B面が検査良品であれば、当該割線錠Toは良品錠剤であると判定され(ステップS127)、検査良品でなければ、当該割線錠Toは不良錠剤と判定される(ステップS128)。
そして、第二搬送ドラム2から取出ドラム3へ錠剤の受け渡しが行われる。第二搬送ドラム2の各錠剤保持部201内の割線錠Toと取出ドラム3の各錠剤保持部301の先端が相対向したときに、各錠剤保持部201側で割線錠Toが解放され、各錠剤保持部301側で吸着されることで、割線錠Toは裏返されて移行する(図5参照)。
(13)良品総合判定、良品か?(図9:ステップS13)
ステップS12の処理の結果を基に、割線錠Toの良否が判定される(ステップS127、ステップS128)。
(14)不良錠剤の排除(図9:ステップS14)
割線錠Toが不良の場合、追跡されている当該不良の割線錠Tbが不良錠剤排除装置31の位置に搬送されてきたときに、不良錠剤排除装置31によって排除される(図6参照)。
(15)良品錠剤の排出(図9:ステップS15)
また、割線錠Toが良品の場合、追跡されている良品の割線錠Tgは良品錠剤排出装置5により排出され、包装工程等の次工程へ送られる。
このように、錠剤印刷装置Pによれば、表面に斑模様が表れているような除放性錠剤の割線錠であっても、錠剤の割線検出装置を構成する第1の印刷用画像処理装置14及び第2の印刷用画像処理装置24によって、割線の有無を高い精度で検出することができる。
これにより、割線錠の表裏両面に異なるパターンを印刷するような場合でも、表裏の判別に間違いが生じにくい(割線が片側の面のみにある場合)ので、印刷不良による不良錠剤の発生を防止することができる。
したがって、所望の印刷を施した割線錠(本実施の形態では、割線がある側の面に割線錠に関連する情報を表す文字「AB」と「123」の文字が印刷され、割線がない側の面に「CD」の文字が印刷された割線錠)が得られる。
なお、錠剤印刷装置Pによれば、上記したような表面に割線がある錠剤(割線To)だけでなく、表裏で色調が異なる錠剤についても表裏を判定し、表裏面それぞれに印刷をすることができる。表裏で色調が異なる錠剤としては、例えば図17(a)、(b)に示すような錠剤がある。
図17(a)に示す錠剤Tcは、表面(おもてめん)側の中心部分(裏面側には露出しない)が明るい色調(例えば白色)であり、表面側の他の部分と裏面側の全体がやや暗い色調(例えば橙色)の錠剤である。また、図17(b)に示す錠剤Twは、表面(おもてめん)側の全体が明るい色調であり、裏面側の全体がやや暗い色調の錠剤である。
ここで、図17(a)の錠剤Tcの場合の表裏検出の処理について説明する。
図14、図18及び図19を参照する。
ステップS241a、S242a、S243a、S244a、S245a、S246a、ステップS247aで、上記S241〜S247と同様の処理を行い、ノイズを除去した画像データ上において、同心円C1、C2、C3、C4に沿う部分の輝度値を測定する。
なお、図18(a)に示すように、同心円C1、C2、C3、C4のうち、径小側の二本の同心円C1、C2は錠剤Tcの明るい色調の部分に位置しており、径大側の二本の同心円C3、C4はやや暗い色調の部分に位置している。
そして、図14のフロー図に示すように、ステップS248aにおいて、見ている面の表面(ひょうめん)に色彩の差があるか、が検出される。図18(a)のように、錠剤Tcの部分によって色調に差がある表面(おもて面)を見ている場合は、明るい色調の部分の同心円C1、C2に沿う部分の閾値を超える輝度値と、暗い色調の部分の同心円C3、C4の輝度値では、図18(b)に示すように、その値に差があり、この面には色彩の差があるとされる(ステップ250a)。
また、図19(a)のように、表面(ひょうめん)に色彩の差がほとんどない裏面を見ている場合は、図19(b)に示すように同心円C1、C2、C3、C4に沿う部分の輝度値は、裏面が大体において均質であるため、大きな変動もなく、閾値を超えない範囲で推移することとなり、この面には色彩の差がないとされる(ステップS251a)。
なお、詳しい説明は省略するが、図17(b)の錠剤Twの場合も、表裏面において、同心円C1、C2、C3、C4に沿う部分で輝度値を測定し、その値が閾値を超える側を例えば表面(おもてめん)とする等して、表裏を検出することができる。
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。
P 錠剤印刷装置
8 主フレーム
80 上部フレーム
4 錠剤供給装置
40 一次ホッパー
41 ボールフィーダ
42 シュート
43 供給ドラム
430 外周面
431 錠剤保持部
432 制御通気路
1 第一搬送ドラム
100 外周面
101 錠剤保持部
102 制御通気路
11 第1の印刷用撮像装置
12 第1の印刷装置
13 第1の検査用撮像装置
14 第1の印刷用画像処理装置
15 第1の印刷用制御装置
16 第1の印刷用データ作成装置
17 第1の検査用画像処理装置
2 第二搬送ドラム
200 外周面
201 錠剤保持部
202 制御通気路
21 第2の印刷用撮像装置
22 第2の印刷装置
23 第2の検査用撮像装置
24 第2の印刷用画像処理装置
25 第2の印刷用制御装置
26 第2の印刷用データ作成装置
27 第2の検査用画像処理装置
3 取出ドラム
301 錠剤保持部
302 制御通気路
31 不良錠剤排除装置
310 ノズル装置
311 エアノズル
312 ダクト
5 良品錠剤排出装置
50 搬送部
6 機械制御部
To 割線錠
Tg 良品錠剤
Tb 不良錠剤
Tc、Tw ツートーンカラー錠剤
7 割線
C1、C2、C3、C4 同心円

Claims (9)

  1. 撮像した画像データ上の錠剤において設定された多重ループに沿う部分の輝度値を測定する工程と、
    閾値を超える前記輝度値の値、又は閾値を超える前記輝度値の変動部分の錠剤表面における分布を基準として錠剤の表裏を判定する工程とを備える
    錠剤の表裏判定方法。
  2. 撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する工程と、
    前記画像データ上において前記中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分の輝度値を測定する工程と、
    前記画像データ上において、閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する工程と、
    割線がある面又はない面を表として表裏を判定する工程とを備える
    錠剤の表裏判定方法。
  3. 撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する工程と、
    前記画像データ上において前記中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分のノイズを除去する工程と、
    前記画像データ上においてノイズを除去した部分の輝度値を測定する工程と、
    前記画像データ上において、閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する工程と、
    割線がある面又はない面を表として表裏を判定する工程とを備える
    錠剤の表裏判定方法。
  4. 撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する工程と、
    前記画像データ上で、前記中心を中心とする直径が異なる三つの同心円を設定する工程と、
    前記中心を中心とする三つの同心円において第1の同心円の近傍の画像データをフィルタ処理してノイズを除去する工程と、
    前記中心を中心とする三つの同心円において第2の同心円の近傍の画像データをフィルタ処理してノイズを除去する工程と、
    前記中心を中心とする三つの同心円において第3の同心円の近傍の画像データをフィルタ処理してノイズを除去する工程と、
    前記第1の同心円の近傍の画像データを微分処理する工程と、
    前記第2の同心円の近傍の画像データを微分処理する工程と、
    前記第3の同心円の近傍の画像データを微分処理する工程と、
    前記第1の同心円、第2の同心円、及び第3の同心円の各微分処理データを合成してノイズを除去する工程と、
    前記各処理によりノイズを除去した部分の輝度値を測定する工程と、
    閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する工程と、
    割線がある面又はない面を表として表裏を判定する工程とを備える
    錠剤の表裏判定方法。
  5. 前記割線を検出した場合、前記割線の角度を検出する工程を備える
    請求項2、3又は4の錠剤の表裏判定方法。
  6. 撮像した画像データ上の錠剤において設定された多重ループに沿う部分の輝度値を測定する手段と、
    閾値を超える前記輝度値の値、又は閾値を超える前記輝度値の変動部分の錠剤表面における分布を基準として錠剤の表裏を判定する手段とを備える
    錠剤の表裏判定装置。
  7. 撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する手段と、
    前記画像データ上において、前記錠剤の前記中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分のノイズを除去する手段と、
    前記画像データ上においてノイズを除去した部分の輝度値を測定する手段と、
    閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する手段とを備える
    錠剤の割線検出装置。
  8. 錠剤供給部と、
    外周面に多数の錠剤保持部を有し、該錠剤保持部に前記錠剤供給部から錠剤が移される第一搬送ドラムと、
    外周面に多数の錠剤保持部を有し、該錠剤保持部に前記第一搬送ドラムの前記錠剤保持部から錠剤が反転して移される第二搬送ドラムと、
    外周面に多数の錠剤保持部を有し、該錠剤保持部に前記第二搬送ドラムの前記錠剤保持部から錠剤が反転して移される取出ドラムと、
    前記第一搬送ドラムの外周面近傍に配され、前記第一搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤を撮像する第1の印刷用撮像装置と、
    前記第一搬送ドラムの回転方向において、前記第1の印刷用撮像装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第一搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤に印刷する第1の印刷装置と、
    前記第一搬送ドラムの回転方向において、前記第1の印刷装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第一搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の印刷済みの錠剤を撮像する第1の検査用撮像装置と、
    前記第二搬送ドラムの外周面近傍に配され、前記第二搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤を撮像する第2の印刷用撮像装置と、
    前記第二搬送ドラムの回転方向において、前記第2の印刷用撮像装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第二搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤に印刷する第2の印刷装置と、
    前記第二搬送ドラムの回転方向において、前記第2の印刷装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第二搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の印刷済みの錠剤を撮像する第2の検査用撮像装置と、
    撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する手段と、
    前記画像データ上において、前記中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分のノイズを除去する手段と、
    前記画像データ上においてノイズを除去した部分の輝度値を測定する手段と、閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する手段とを有する錠剤の割線検出装置と、
    不良錠剤と判定された錠剤を排除する不良錠剤排除装置と、不良錠剤と判定されなかった錠剤を良品として排出する良品錠剤排出装置とを備える
    錠剤印刷装置。
  9. 錠剤供給部と、
    外周面に多数の錠剤保持部を有し、該錠剤保持部に前記錠剤供給部から錠剤が移される第一搬送ドラムと、
    外周面に多数の錠剤保持部を有し、該錠剤保持部に前記第一搬送ドラムの前記錠剤保持部から錠剤が反転して移される第二搬送ドラムと、
    外周面に多数の錠剤保持部を有し、該錠剤保持部に前記第二搬送ドラムの前記錠剤保持部から錠剤が反転して移される取出ドラムと、
    前記第一搬送ドラムの外周面近傍に配され、前記第一搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤を撮像する第1の印刷用撮像装置と、
    前記第一搬送ドラムの回転方向において、前記第1の印刷用撮像装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第一搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤に印刷する第1の印刷装置と、
    前記第一搬送ドラムの回転方向において、前記第1の印刷装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第一搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の印刷済みの錠剤を撮像する第1の検査用撮像装置と、
    前記第二搬送ドラムの外周面近傍に配され、前記第二搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤を撮像する第2の印刷用撮像装置と、
    前記第二搬送ドラムの回転方向において、前記第2の印刷用撮像装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第二搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の錠剤に印刷する第2の印刷装置と、
    前記第二搬送ドラムの回転方向において、前記第2の印刷装置より下手側の外周面近傍に配され、前記第二搬送ドラムの回転により搬送されている前記錠剤保持部内の印刷済みの錠剤を撮像する第2の検査用撮像装置と、
    前記第1の印刷用撮像装置から送られた撮像信号を画像データに変換し、撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する手段と、
    前記画像データ上において、前記中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分のノイズを除去する手段と、
    前記画像データ上においてノイズを除去した部分の輝度値を測定する手段と、
    閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する手段とを有し、結果の信号を出力する第1の印刷用画像処理装置と、
    印刷データを内部に持ち、同期信号と、前記第1の印刷用画像処理装置から送られてきた結果信号を基に、内部に持った印刷データを前記第1の印刷装置へ送る第1の印刷用制御装置と、
    前記第1の印刷装置の仕様にあわせた印刷データを作成し、前記第1の印刷用制御装置に送る第1の印刷用データ作成装置と、
    前記第1の検査用撮像装置から送られてきた撮像信号を画像データに変換し、画像処理によって錠剤の傷、欠け、又は印刷の状態を調べ、結果の信号を出力する第1の検査用画像処理装置と、
    前記第2の印刷用撮像装置から送られた撮像信号を画像データに変換し、撮像した画像データ上の錠剤の中心を検出する手段と、
    前記画像データ上において、前記中心を中心とする直径が異なる複数の同心円に沿う部分のノイズを除去する手段と、
    前記画像データ上においてノイズを除去した部分の輝度値を測定する手段と、
    閾値を超える前記輝度値の変動部分が錠剤の中心線の近傍に位置するときに有として割線の有無を検出する手段とを有し、結果の信号を出力する第2の印刷用画像処理装置と、
    印刷データを内部に持ち、同期信号と、前記第2の印刷用画像処理装置から送られてきた結果信号を基に、内部に持った印刷データを前記第2の印刷装置へ送る第2の印刷用制御装置と、
    前記第2の印刷装置の仕様にあわせた印刷データを作成し、前記第2の印刷用制御装置に送る第2の印刷用データ作成装置と、
    前記第2の検査用撮像装置から送られてきた撮像信号を画像データに変換し、画像処理によって錠剤の傷、欠け、又は印刷の状態を調べ、結果の信号を出力する第2の検査用画像処理装置と、
    前記同期信号をつくり、錠剤が供給されてから排出されるまで、どの位置にあるかを追跡するとともに、前記第1、第2の印刷用画像処理装置と前記第1、第2の検査用画像処理装置の前記結果の信号を、追跡している錠剤に関連づけ、その結果に基づき、不良と判定された錠剤が、不良錠剤排除装置に到達したとき、排除するように信号を出力し、不良と判定されなかった錠剤は、次の良品錠剤排出装置により排出するように信号を出力する機械制御部と、
    不良と判定された信号に基づき、錠剤を不良として排除する不良錠剤排除装置と、
    不良と判定されなかった信号に基づき、錠剤を良品として排出する良品錠剤排出装置とを備える
    錠剤印刷装置。
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