JP6381162B2 - 粉粒体検査処理装置システム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、検査、除去対象となる粉粒体(粒状体)を撮像し、撮像された画像を基に、異物の有無を判別し空気の吐出によって対象の異物を取り除く粒状体検査処理装置が開示されている。
そこで、防水機能を備え、丸洗いすることによって完全に粉塵を除去することができる粉粒体検査処理装置の開発が望まれている。
したがって、粉粒体として食用粉末等を検査対象とする場合においては、装置全体をより清潔に保つことが可能となり、食品安全性を高めることができる。また、粉粒体として毒性を有する薬剤等を検査対象とした場合であっても、使用後に丸洗いを行うことによって、別の薬剤を検査対象として使用することが可能となる。
<粉粒体検査処理装置システムの全体構成>
図1に本実施形態に係る粉粒体検査処理装置システム1の正面図を示す。この粉粒体検査処理装置システム1は、顆粒や錠剤、又は粉体等の粉粒体に混入しているゴミ、金属片、毛髪等の異物の検査を行うとともに、その異物を除去するための装置である。
上部筐体2の内部には、検査処理対象となる粉粒体を供給し、分散させ検査し、粉粒体に混入した異物を除去する各装置が備えられている。粉粒体は粉粒体検査処理装置システム1の正面から向かって左方より右方に搬送され、この搬送経路中において異物の混入が検査され、さらに異物が発見された場合にはこの異物が除去される。
また、下部筐体3の下面には、キャスター4が取り付けられており、粉粒体検査処理装置システム1は、当該キャスター4によって容易に移動させることができる。
以下、図1、及び図2を基に、上部筐体2の内部に設けられた各装置の構成について説明する。
上部筐体2の最上流(図1において左方)には、粉粒体供給装置10(供給手段)が設けられている。粉粒体供給装置10の上部には、中空円錐状に形成されたホッパー5が備えられており粉粒体を下方に供給する。このホッパー5は、上部筐体2の天面2cに設けられた設置孔2aに挿通されて固定されている。また、ホッパー5は、粉粒体検査処理装置システム1が接地された室内の埃等が混入しないようホッパー蓋体5aを備えている。ホッパー5の下端部は、鍔を備えた円筒状に形成され、同形状の鍔が形成された筒体18Aとクランプバンド18Cによってヘルール継手を構成し、容易に着脱可能な接続部18を形成している。なお、ホッパー5の下端部と筒体18Aとの間には、パッキン18Bが介装され、接続部18から粉粒体が流出することはない。
図2に示すように、粉粒体供給装置10は、上方から順に接続部18、上蓋体17、案内部固定ボルト16、案内部15、下蓋体14、ローラー収納体11、ローラー12、ローラー取付体13を有する。
ローラー12は、ローラー駆動装置10Aから突出するローラー回転軸19(回転軸)に取り付けられ、前記ローラー駆動装置10Aによりローラー回転軸19を中心として一定速度で回転する。
なお、ローラー12のローラー回転軸19に対する取り付けは、ローラー回転軸19の先端に設けられた雌螺子孔19a(図7(b)参照)に、ローラー取付体13の雄螺子を螺着することで容易に(工具レスで)行うことができる。
また、ローラー駆動装置10Aは、カバー隔壁10Bにより水密に覆われている。
ローラー12の溝12aに収容された粉粒体は、ローラー12の回転によりローラー12の下方に移送され、自然落下する。ローラー12を一定速度で回転することにより、一定間隔で溝12aから粉粒体が落下し、一定量の粉粒体を一定間隔で下流の振動フィーダ20に供給することができる。
粉粒体供給装置10の下方には、振動フィーダ20が設けられており、当該振動フィーダ20によって粉粒体供給装置10から供給された粉粒体を均一に均して下流(コンベア部30)に流す。
振動フィーダ20は、振動部21と当該振動部21の上面に設置された受板22からなる。振動部21は、その内部に受板22に振動を与えるための駆動装置を有している。振動部21として、防水構造を備えたものを採用する事によって、振動部21を丸洗いすることが可能となる。
なお、受板22は幅方向縁部を上方に屈曲させて成形されており、粉粒体供給装置10の下側からコンベア部30の位置端部までの経路において、幅方向に粉粒体が落下しないように構成されている。
振動フィーダ20から供給された粉粒体は、コンベア部30(搬送手段)においてさらに下流に移送される。コンベア部30は、無端ベルト38と当該無端ベルト38を振動フィーダ20の右端から良品シュート6の間でテンションを印加し回転駆動させる第1プーリ34A、第2プーリ34B、第3プーリ34Cを有している。
図2に示すように、第1プーリ34A、第2プーリ34B、第3プーリ34Cは、コンベア部30の奥側に配置される電機機械室9から突出する第1プーリ軸31(回転軸)、第2プーリ軸32(回転軸)、第3プーリ軸33(回転軸)にそれぞれ取り付けられている。第2プーリ軸32は、電機機械室9の内部において駆動制御手段と接続されており、当該駆動制御手段により第2プーリ軸32を右回転させることで無端ベルト38を右回りに駆動させることができる。第1プーリ軸31及び第3プーリ軸33は、回転自在に構成されており、無端ベルト38の駆動に追随して回転することができる。
第1プーリ軸31の先端には、雌螺子孔32a(図9参照)が形成されており、係止体36、第1プーリ34Aを取り付け、さらに固定ボルト35を前記雌螺子孔32aに螺着することで、第1プーリ34Aが第1プーリ軸31に固定されている。したがって、固定ボルト35を外し、第1プーリ軸31の延在方向に第1プーリ34A、係止体36を引き抜くことで、第1プーリ軸31からこれらを容易に取り外すことができる。なお、固定ボルト35は、手回し可能にローレット加工がなされた頭部を有し、着脱に際して工具は不要である。
第2プーリ軸32、第3プーリ軸33も、第1プーリ軸31と同様の構成を有しており、第1プーリ軸31と同様の方法で容易に(工具レスで)、第2プーリ34B、第3プーリ34Cを取り外すことができる。
図2に示すようにこの粉塵吸引ノズル7は、着脱可能に構成されている。粉塵吸引ノズル7は、電機機械室9に設けられた吸引口7A(配管開口)にパッキン7cとクランプバンド7bによりヘルール継手を構成し固定されている。したがって、クランプバンド7bの蝶ネジ部を緩めることによって容易に取り外すことができる。
コンベア部30による粉粒体の移送経路には、撮像部80(異物検知手段)が設けられており、コンベア部30上を搬送される粉粒体の一定領域の二次元画像を撮影することで粉粒体の異物混入を検査する。撮像部80は、コンベア部30の無端ベルト38における幅方向に複数個(図2においては2個)並んだCCDカメラ81と2組の上部照明装置82A、82Bと1組の下部照明装置82Cを有している。
なお、上部照明装置82A、82B及び下部照明装置82Cの発光部は、LEDライトが直線状に並んで設置されており、当該LEDライトが並設された部分は、防水封止されたガラス面及び筐体で覆われている。したがって、これら上部照明装置82A、82B及び下部照明装置82Cは、水をかけるなどして洗浄することができる。
コンベア部30の終端部(図2において右端部)には、異物除去部50(異物除去手段)が設けられている。異物除去部50は、清掃時に取り外し可能なカバー51が備えられ、異物を除去するための除去ノズル56等を保護している。
除去ノズル56は、コンベア部30の終端付近に待機するように備えられ、撮像部80により粉粒体に異物が混入していると判別された場合、即ちその信号を受信したときに、除去ノズル56の先端からコンベア部30上の一定領域の粉末体を吸引して、異物を除去することができる。
除去ノズル56は、その吸込み口がコンベア部30の終端付近となるように、ノズル保持部材57によって保持されている。また、除去ノズル56の吸込み口と逆側には、クランプバンド52及びパッキン53によりヘルール継手を構成し気密に吸引ホース54に接続されている。
図2に示すように、除去ノズル56、吸引ホース54は、クランプバンド52、52、パッキン53、53によって、工具を用いることなく容易に着脱可能である。除去ノズル56、吸引ホース54は、接粉部であり、これらは取り外し可能であるため丸洗いすることができる。
図1、2に示す粉粒体検査処理装置システム1において、異物除去部50は、1つの除去ノズル56と当該除去ノズル56に接続された吸引口55を有し、撮像部80で異物を検知した場合は、異物が除去ノズル56の先端付近に到達したタイミングに合わせて吸引口55から吸引を行い除去ノズル56を介し吸い取る構造となっている。しかしながら、より無駄なく、確実に異物を除去するためには、以下に示す変形例の異物除去部150を採用することが好ましい。
図3に変形例の異物除去部150の断面図を示す。また、図4に当該異物除去部150における除去ノズル200の拡大断面図を示す。これらを基に変形例の異物除去部150について詳しく説明を行う。
図2に示すように、撮像部80には、CCDカメラ81が無端ベルト38の幅方向に複数(図2においては2個)並設されており、無端ベルト38に載せられて送られてくる粉粒体を無端ベルト38の全幅に渡って上方から撮影する。撮影された画像データは、電機機械室9の内部に設けられ画像処理装置に送られ撮影画像を基に無端ベルト38全幅において異物が存在しているか否かを判定する。また、異物がある場合においては、どの位置に異物が存在しているかを検出する。
また、集合管210の上部には、除去ノズル200のエジェクタ部202が挿入され、取り付けられるための取付孔210aを有している。図5に示す例の集合管210には、この取付孔210aに除去ノズル200が4つ取り付けられている。
除去ノズル200によって、圧縮空気と共に、集合管210の内部に送られた異物は、接続配管214に向かう空気の流れに乗って、接続配管214を介しスムーズに異物収納容器に回収される。
なお、吸気口210bには、逆止弁が設けられており、集合管210の内側から外側に向かって空気が流れることを防いでいる。したがって、集合管210内部の異物や、異物共に吸引した粉粒体が集合管210の外部に流出することは無い。
閉塞板220は、集合管210の側面210cに設けられた複数の吸気口210bを同時に覆うことができる大きさに形成された金属板220bと、当該金属板220bの集合管210側の片面に貼り付けられたウレタンなどからなる可撓性のシート220aから構成される。閉塞板220を集合管210の側面210cに接触させることで、吸気口210bを塞ぎ、吸気口210bから集合管210の内部に吸気される空気の流れを抑制することができる。
例えば、撮像部80の異常停止等が原因で、コンベア部30上の粉粒体に異物が混入しているか判断できない場合には、未検査の粉粒体が良品シュート6に回収されることがないように、全ての粉粒体を集合管210を介し異物収納容器に回収することが好ましい。
このような場合には、閉塞板220により吸気口210bを塞ぐことにより、コンベア部30上の粒流体を連続的に異物収納容器に回収することができる。
撮像部80において異物が検出されると、撮像部80からの情報を基に異物の位置を特定し、異物がコンベア部30の終端付近に到達するとともに、異物の位置に対応する電磁弁のON/OFF制御により圧縮空気チューブ211を通じて圧縮空気が除去ノズル200に送給される。除去ノズル200に送給された圧縮空気は、エジェクタ部202のジェットノズル206から集合管210側へ向けて噴出される。
コンベア部30の終端部には、前記異物除去部50とともに良品シュート6が設けられている。コンベア部30上の粉粒体は、終端部に到達すると自重により良品シュート6の中に落下し、当該良品シュート6内を通過して回収される。粉粒体に混入する異物は、前記異物除去部50において吸引、除去されているため、この良品シュート6を通過する粉粒体内には、異物の混入はない。
図2に示すように、良品シュート6は、頭部がローレット加工された取付ボルト6aによって固定可能であり、工具を用いることなく容易に着脱可能である。したがって、接粉部である良品シュート6は、丸洗いすることができる。
図1に示すように、粉粒体検査処理装置システム1の上部筐体2の天面2cには、除湿配管8aを介して除湿装置8が備えられている。この除湿装置8としては、水分をシリカゲルなどの吸着物質に吸収させる化学吸着式、冷却することにより空気中の水分を液化させ除湿する冷却方式等の物を採用することができる。
この除湿装置8を用いる事で、接粉部を有する部品を取り外した粉粒体検査処理装置本体1Aを丸洗い洗浄した後に、当該粉粒体検査処理装置本体1Aを高速に乾燥させることができ、即座に粉粒体検査処理装置システム1を再使用することができる。また、部品同士の嵌合部など、水が抜けにくい部分も確実に乾燥させることができる。
なお、この除湿装置8を動作させる際には、図示略の上部筐体扉を閉じて、乾燥対象となる上部筐体2の内部を極力密閉状態にすることが好ましい。
上述したように、変形例を含めた本実施形態の粉粒体検査処理装置システム1の接粉部を有する部品は、工具を用いることなく容易に着脱可能であり、接粉部を有する部材を丸洗いすることができる。
次に、接粉部を有する部品を取り外した粉粒体検査処理装置本体1Aの洗浄に関して説明する。従来の粉粒体検査処理装置は、粉粒体検査処理装置本体1Aが防水処理されていなかったために、これらを洗浄することができなかった。しかしながら、微細な粉末(粉粒体)を検査処理対象とする場合には、粉粒体が舞い上がり、接粉部以外にも付着することがある。したがって、これらを洗浄できることが好ましい。
粉粒体供給装置10の駆動制御手段はローラー駆動装置10Aであり、当該ローラー駆動装置10Aは、カバー隔壁10Bにより覆われている。カバー隔壁10Bは、外部に対し防水シールされており、この防水シールにより、粉粒体検査処理装置本体1Aに対し散水を行ってもローラー駆動装置10Aに水がかかることがない。
振動フィーダ20の駆動制御手段は、振動部21であり、上段において既に説明したように振動部21として防水構造を備えたものを採用する事で、振動部21を丸洗いすることができる。振動部21が防水構造を備えるとは、即ち外部に対して防水シールされていることを意味する。
また、上部筐体2の設置面2bと電機機械室9を覆うカバー隔壁9Aとの溶接は、(点溶接ではなく)線溶接がなされ気密に接合されており、これにより、カバー隔壁9Aと設置面2bの間から水が浸入することは無い。
以上のように、粉粒体検査処理装置本体1Aにおいて、粉粒体供給装置10(供給手段)、振動フィーダ20、コンベア部30(搬送手段)、撮像部80(異物検知手段)、異物除去部50(異物除去手段)を駆動制御する駆動制御手段は、防水シールされたカバー隔壁(カバー隔壁9A、カバー隔壁10B、振動フィーダ20の防水構造)に覆われている。したがって、粉粒体検査処理装置本体1Aに対し散水して水洗いする場合、これらの駆動制御手段に水が浸入することがなく、錆の発生や電気回路のショートを抑止できる。
上部筐体2において、各装置が設置される設置面2bは、例えば前面側に傾斜して構成され、洗浄に用いた水が前面側から流れ落ちる様に構成されている。
また従来、上部筐体2に設けられる上部筐体扉(図示略)は、上部筐体2の天面2c側に開閉するガルウィング方式のものが用いられていたが、開閉機構の構造が複雑となり水が抜けにくい懸念がある。したがって、蝶つがいにより左右に開くものを採用することが好ましい。
(吸引口)
コンベア部30に設けられ、無端ベルト38の外周面と内周面に付着した粉塵をそれぞれ吸引する粉塵吸引ノズル7、7は、電機機械室9に設けられた吸引口、7Aから取り外し、丸洗い洗浄することができる。粉塵吸引ノズル7を取り外した吸引口7Aは、外部に対し開放されており、電機機械室9の内部と外部を連通させている。したがって、粉塵吸引ノズル7を取り外した状態で粉粒体検査処理装置本体1Aに散水すると、吸引口7Aを介し電機機械室9の内部に水が浸入してしまう。
図6(a)に、吸引口7Aに防水カバー116を取り付けた様子を断面図として示す。吸引口7Aは、電機機械室9のカバー隔壁9Aから、円筒部7dが突出して形成されている。この円筒部7dが電機機械室9の内側に延び、円筒部7dの内側において吸引装置と接続されている。円筒部7dの外周面7eは、電機機械室9のカバー隔壁9Aに水密に(例えば溶接接合やパッキンを介したボルト固定等によって)接合されている。なお、図6(a)、(b)においては、カバー隔壁9Aと円筒部7dは一体として示した。
防水カバー118は、吸引口7Aの円筒部7dの内径より若干小さく形成された円柱状の軸部118aと、当該軸部118aより大きく形成された頭部118bからなる。軸部118aの周面には、Oリング117が収まる溝118cが設けられている。この防水カバー118を吸引口7Aに取り付けると、Oリング117が吸引口7Aの内周面7fと軸部118aの隙間を防ぎ、吸引口7Aの開口部7hを気密に塞ぐことができる。
変形例の防水カバー118は、吸引口7Aに挿入するだけで装着が完了するため、上述した防水カバー116と比較して、作業者の負担を軽減することができる。
その他の変形例として、吸引口7Aにおける円筒部7dの外周面7eにおいて、Oリングを用いて防水を行っても良い。
以上、図6(a)、(b)を基に、粉塵吸引ノズル7が取り付けられる吸引口7Aを覆う防水カバー116、118について説明を行った。これらの防水カバー116、118は、異物を除去するための吸引口55においても同様の構成のものを使用することができる。
図2に示す、接粉部を有する部品を取り外した粉粒体検査処理装置本体1Aにおいて、水との接触を許さない嫌水部がある。嫌水部としては、撮像部80のCCDカメラ81、並びに粉粒体供給装置10のローラー回転軸19の軸受部19C(図7(b)参照)及びコンベア部30の第1、第2、第3プーリ軸31、32、33(回転軸)の軸受部32C(図9(b)参照)が挙げられる。これら嫌水部には防水カバーを装着し、その状態で、粉粒体検査処理装置本体1Aの洗浄を行うことが望ましい。
CCDカメラ81が水に塗れると故障の原因になる。また、CCDカメラ81は、コンベア部30上を搬送される粉粒体に混入する異物を検知するために設けられており、粉粒体検査処理装置本体1Aに高精度で組み付ける必要があるため、容易な着脱ができない。
この防水カバーの形状は、CCDカメラ81を水密に覆うことができれば、特に限定されるものではない。しかしながら、防水カバーで覆う対象部は、洗浄を行うことができないため、粉粒体検査処理装置本体1Aの丸洗い洗浄においても、水がかからず粉塵の除去がなされないため、別途アルコール等によるふき取り洗浄を行う必要がある。したがって、防水カバーで覆う対象部は最小限とすることが好ましい。
粉粒体供給装置10のローラー回転軸19(回転軸)の軸受部19Cは、水と接触しないことが好ましい嫌水部である。したがって、この軸受部19Cに水分が浸入しないように防水カバー112を取り付けて粉粒体検査処理装置本体1Aを洗浄することが好ましい。
図7(a)にローラー回転軸19に装着される防水カバー112の断面図を示し、図7(b)にローラー回転軸19の断面図を示す。
なお、回転シャフト19Aと回転体19Dはキー溝及びキー部材(ともに図示略)によって同軸回転するように固定されている。
防水カバー112は、カバー本体110と2つの径の異なるOリング111A、111B(止水部材)とから構成される。カバー本体110は、主穴110cを有するキャップ状の円対称な外形を有している。また、主穴110cの底部110dには、中央孔110bと係止ピン穴110aが設けられている。中央孔110bは底部110dの中央に貫通して形成され、係止ピン穴110aは前記ローラー回転軸19の係止ピン19Eに対応する位置に形成されている。
同様に、中央孔110bの内径は、回転シャフト19Aの第1外径部19bと略同じか若干大きくに形成されている。中央孔110bの内周面端部には溝が設けられ、当該溝にOリング111Bがはめ込まれている。
防水カバー112は、Oリング111Aにより、固定シャフト19Bの第2外径部19cからの水分の浸入を抑止し、Oリング111Bにより、回転シャフト19Aの第1外径部19bからの水分の浸入を抑止する(止水する)ことができる。したがって、Oリング111A、111Bによって囲まれた領域には水分が浸入することは無く、隙間A1、A2にも水分が到達することは無い。
コンベア部30の第1、第2、第3プーリ軸31、32、33の軸受部32Cは、水と接触しないことが好ましい嫌水部である。したがって、この軸受部32Cに水分が浸入しないように防水カバー115を取り付けて粉粒体検査処理装置本体1Aを洗浄することが好ましい。
図9(a)、(b)に第2プーリ軸32の正面図及び縦断面図を示す。なお、第1プーリ軸31及び第3プーリ軸33は、第2プーリ軸32と同様の構造を有しているため、ここでは、第2プーリ軸32の説明でこれらを代表する。
回転シャフト32Aは、電機機械室9の内部に設けられた駆動制御手段により一定速度で回転するように構成されている。また、回転シャフト32Aの先端付近には、当該回転シャフト32Aとキー溝及びキー部材(ともに図示略)により接続され一体となって回転する回転体32Dが取り付けられている。また、この回転体32Dは、軸受部32Cの一側面を覆うように配置されている。
なお、第1プーリ軸31及び第3プーリ軸33において、回転シャフト32Aは駆動制御手段に接続されず回転自在に保持されている。したがって、無端ベルト38が取り付けられた状態において、第2プーリ軸32の駆動回転に追随して回転する。
したがって、第2プーリ34Bを取り外し、粉粒体検査処理装置本体1Aを水により洗浄する場合においては、図10に示すようにキャップ形状に形成された防水カバー115を装着することが好ましい。
防水カバー115は、Oリング114Aにより、固定シャフト32Bの第2外径部32cからの水分の浸入を抑止し、Oリング114Bにより、回転シャフト32Aの第1外径部32dからの水分の浸入を抑止する(止水する)ことができる。したがって、Oリング114A、114Bによって囲まれた領域には水分が浸入することは無く、隙間B1、B2にも水分が到達することは無い。
(第1陽圧室)
本実施形態の第1プーリ軸31(駆動部)は、電機機械室9の前面に設けられたスライド板37とともに左右方向にスライドするように、電機機械室9の内部にスライド機構124とエアシリンダ130からなるテンション印加機構132(駆動制御手段)が設けられている。これにより、無端ベルト38にテンションをかけたり、緩めたりすることができる。
スライド板37は、電機機械室9を覆うカバー隔壁9Aに対して相対的にスライドするため、当該カバー隔壁9Aとわずかな隙間をもって取り付けられている。したがって、粉粒体検査処理装置システム1による粉粒体の検査処理工程において舞い上がった粉塵がこの隙間を通り電機機械室9の内側に浸入する虞がある。また、接粉部を有する部材を取り外した粉粒体検査処理装置本体1Aに散水し洗浄を行う場合においては、この隙間から電機機械室9の内部に水が浸入する虞がある。
図11(a)、(b)に、第1プーリ軸31及びスライド板37をスライドさせるためのスライド機構124、エアシリンダ130、並びに第1陽圧室120の(粉粒体検査処理装置システム1の正面側に対して反対側から見た)背面図及び上面図を示しこれを基に各部を詳細に説明する。なお、図11(a)、(b)において、第1陽圧室120の一部を断面として表示した。
スライドテーブル125は、合計4つのリニアブロック124b上に固定されている。リニアガイド124Aを構成するレール124aは、ともに水平方向に延在し、カバー隔壁9Aの内側面9aに固定されている。このレール124a上に設置されたリニアブロック124bは、レール124aの延在方向に沿って滑らかに直線運動することができる。したがって、エアシリンダ130によりロッド129が伸縮動作を行うと、ロッド129の先端に固定されたスライドテーブル125は、ロッド129の動作にともない滑らかに水平運動を行う。
なお、カバー隔壁9Aとスライド板37の間に、パッキンを介装し、これらの間の隙間をさらに狭くすることが望ましい。
これにより、カバー隔壁9Aとスライド板37の間のわずかな隙間において、電機機械室9の内側から外側に向かう空気の流れが形成される。この空気の流れは、常に内側から外側に形成されるため、粉粒体検査処理装置システム1による粉粒体の検査処理工程において舞い上がった粉塵が、電機機械室9の内側に浸入することを抑制できる。
また、接粉部を有する部材を取り外した粉粒体検査処理装置本体1Aに散水し洗浄を行う場合においても、電機機械室9の内側に水が浸入することを抑制できる。エア供給手段190の圧力を調整可能とし、粉粒体検査処理装置本体1Aを洗浄する際には、第1陽圧室120の圧力を高圧とすることで、水分浸入防止の効果を高めることができる。
本実施形態の異物除去部50及び変形例の異物除去部150において、除去ノズル56、200を保持するノズル保持部材57、212は、昇降可能な構造となっている。
除去ノズル56、200は、無端ベルト38の僅かな隙間を設けて配置されているため、洗浄のために無端ベルト38、及び第2プーリ34Bを取り外す際に、これら除去ノズル56、200が作業者の作業を阻害する。また、除去ノズル56、200の取り外しにも、無端ベルト38、又は当該無端ベルト38を巻きかける第2プーリ34Bが邪魔になる場合がある。
ノズル保持部材57を上昇させることによって、粉粒体検査処理装置システム1から、これらの部品を取り外す作業の容易性が高まる。
図12に示すように、ノズル保持部材212は、電機機械室9のカバー隔壁9Aから水平方向に突出して延在している。ノズル保持部材212の根元は、取付板152、昇降スライド板151、中継体153(駆動部)を介して、電機機械室9の内部に接続されている。カバー隔壁9Aには、上下方向に延びる挿通孔9cが設けられており、前記中継体153は、この挿通孔9cの内部に配置されている。昇降機構164が昇降動作を行うと、中継体153は挿通孔9cに沿って昇降する。また、このとき昇降スライド板151は、中継体153とともに昇降するが、昇降する全てのストローク範囲において、挿通孔9cを覆う大きさに形成されている。したがって、挿通孔9cが電機機械室9の外部に対して露出することは無い。
また、接粉部を有する部材を取り外した粉粒体検査処理装置本体1Aに散水し洗浄を行う場合においては、この隙間から電機機械室9の内部に水が浸入する虞がある。
ストッパボルト173と当接ボルト166は頭部同士が互いに対向して配置されている。ストッパボルト173は、ボルト台座172に対し螺子を回転させることで、その頭部の高さを調整することができる。
ノズル保持部材212と無端ベルト38との隙間は、粉粒体の種類に応じた最適な距離にすることが効率的な異物除去を行う上で好ましい。昇降機構164に下端ストッパ機構174を設けることで、容易にノズル保持部材212と無端ベルト38との距離を調整することができる。
カバー隔壁9Aへの固定部において第2陽圧室160の縁部には、第2陽圧室160の外側に直角に折れ曲がり形成された取付折曲片160bが設けられている。取付折曲片160bとカバー隔壁9Aの内側面9aの間には、パッキン163が介装されており、当該パッキン163を圧縮させて、取付ボルト162により四隅が固定されている。これにより、第2陽圧室160の取付折曲片160bとカバー隔壁9Aの内側面9aとの間を気密に塞ぐことができる。
なお、カバー隔壁9Aと昇降スライド板151の間に、パッキンを介装し、これらの間の隙間を、さらに狭くすることが望ましい。
これにより、カバー隔壁9Aと昇降スライド板151の間のわずかな隙間において、電機機械室9の内側から外側に向かう空気の流れが形成される。この空気の流れは、常に内側から外側に形成されるため、粉粒体検査処理装置システム1による粉粒体の検査処理工程において舞い上がった粉塵が、電機機械室9の内側に浸入することを抑制できる。
また、粉部を有する部材を取り外した粉粒体検査処理装置本体1Aに散水し洗浄を行う場合においても、電機機械室9の内側に水が浸入することを抑制できる。
エア供給手段190の圧力を調整可能とし、粉粒体検査処理装置本体1Aを洗浄する際には、第2陽圧室160の圧力を高圧とすることで、水分浸入防止の効果を高めることができる。
図5に示すように、電機機械室9を覆うカバー隔壁9Aであって異物除去部150の集合管210と対向する部分には、集合管210の側面210cに設けられた複数の吸気口210bを塞ぐことができる閉塞板220が設置されている。また、電機機械室9の内部には、当該閉塞板220を集合管210の側面210cに近接、離間させるための開閉機構230が設けられており、当該開閉機構230を動作させることにより、集合管210の吸気口210bを開閉することができる。
したがって、粒流体から発生する粉塵がこの隙間を通り電機機械室9の内側に浸入する虞がある。また、接粉部を有する部材を取り外した粉粒体検査処理装置本体1Aに散水し洗浄を行う場合においては、この隙間から電機機械室9の内部に水が浸入する虞がある。
そこで、カバー隔壁9Aの内側に第3陽圧室180を設ける。この第3陽圧室180にはエア供給手段190(防水手段)が接続され、当該エア供給手段190により内部を陽圧とすることで、カバー隔壁9Aと昇降スライド板151の隙間から粉塵や水の浸入を防ぐことができる。
これにより、水平シャフト236とリニアブッシュ231の間のわずかな隙間において、電機機械室9の内側から外側に向かう空気の流れが形成される。この空気の流れは、常に内側から外側に形成されるため、粉粒体検査処理装置システム1による粉粒体の検査処理工程において舞い上がった粉塵が、電機機械室9の内側に浸入することを抑制できる。
また、粉部を有する部材を取り外した粉粒体検査処理装置本体1Aに散水し洗浄を行う場合においても、電機機械室9の内側に水が浸入することを抑制できる。
エア供給手段190の圧力を調整可能とし、粉粒体検査処理装置本体1Aを洗浄する際には、第3陽圧室180の圧力を高圧とすることで、水分浸入防止の効果を高めることができる。
図13(a)に本発明の第2実施形態に係る粉粒体検査処理装置システムにおいて、無端ベルト38にテンションを印加した状態における第1プーリ軸31とスライド板137(覆設板)の断面図を示す。なお、図13(a)は、第1実施形態の説明に用いた図11(b)に対応する。
また、図13(b)、(c)にテンションを緩め、無端ベルト38を取り外した状態における第1プーリ軸31とスライド板137の断面図、及び正面図を示す。
以下、図13(a)、(b)、(c)を基に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態においては、スライド板37及び第1プーリ軸31を左右にスライド運動させるためのスライド機構124を第1陽圧室120によって覆い、当該第1陽圧室120の内部を陽圧とすることで、カバー隔壁9Aとスライド板37の間の隙間からの水の浸入を抑制する構成を備えている。
第2実施形態においては、スライド板137とカバー隔壁9Aの外側面9eの間に、パッキン139を介装し、当該パッキン139を圧縮して固定することで、水の浸入を抑制する構成を備えている。
スライド板137と螺子孔9fとパッキン139により挿通孔9bを覆う防水手段140を構成し、挿通孔9bからの水の浸入を抑制可能することができる。即ち、粉粒体検査処理装置本体に散水し洗浄を行うことができる。
このとき、スライド板137の貫通孔137aにキャップをして、貫通孔137aの内周面に粉塵が堆積しないようにすることが好ましい。
1A…粉粒体検査処理装置本体
2…上部筐体
3…下部筐体
7A、55…吸引口(配管開口)
8…除湿装置
9…電機機械室
9b、9c、9d…挿通孔
9A、10B…カバー隔壁
10…粉粒体供給装置(供給手段)
10A…ローラー駆動装置
12…ローラー
19…ローラー回転軸(回転軸)
19C、32C…軸受部(嫌水部)
19b、32d…第1外径部
19c、32…第2外径部19c(外径部)
20…振動フィーダ
21…振動部
30…コンベア部(搬送手段)
31…第1プーリ軸(駆動部、回転軸)
32…第2プーリ軸(回転軸)
33…第3プーリ軸(回転軸)
34A…第1プーリ
34B…第2プーリ
34C…第3プーリ
37…スライド板
38…無端ベルト
50、150…異物除去部(異物除去手段)
80…撮像部(異物検知手段)
81…CCDカメラ(嫌水部)
111A、111B…Oリング(止水部材)
114A、114B…Oリング(止水部材)
112、115、116…防水カバー
120…第1陽圧室
120a、160a、180a…エア供給口
124…スライド機構
130、170、233…エアシリンダ
132…テンション印加機構(駆動制御手段)
137…スライド板(覆設板)
139…パッキン
140…防水手段
141…押圧手段
153…中継体(駆動部)
160…第2陽圧室
164…昇降機構(駆動制御手段)
180…第3陽圧室
190…エア供給手段(防水手段)
236…水平シャフト(駆動部)
230…開閉機構(駆動制御手段)
Claims (3)
- 検査対象とする粉粒体を一定量毎で供給する供給手段と、
前記供給手段の下流に位置し、前記粉粒体を搭載して移送する搬送手段と、
前記搬送手段に載せられた前記粉粒体に混入している異物を検知する異物検知手段と、
前記異物検知手段による検知結果に基づいて異物を除去する異物除去手段と、
これらの内いずれか一つを駆動制御する駆動制御手段と、
前記駆動制御手段と接続され当該駆動制御手段により動作する駆動部と、
前記駆動制御手段を覆い前記駆動部が挿通される挿通孔を備えたカバー隔壁と、
前記挿通孔を介し前記カバー隔壁の内側に水分が浸入することを抑制する防水手段と、を備え、
前記防水手段が、
前記カバー隔壁の内側に設けられ、当該カバー隔壁の内側を陽圧に保圧するエア供給手段であり、
前記カバー隔壁の内側において前記挿通孔を含む一定領域を覆う陽圧室が設けられ、
前記エア供給手段により前記陽圧室を陽圧に保圧可能であり、
前記カバー隔壁の外側において前記挿通孔を覆い前記カバー隔壁の壁面に沿ってスライドする覆設板が設けられる、
粉粒体検査処理装置システム。 - 検査対象とする粉粒体を一定量毎で供給する供給手段と、
前記供給手段の下流に位置し、前記粉粒体を搭載して移送する搬送手段と、
前記搬送手段に載せられた前記粉粒体に混入している異物を検知する異物検知手段と、
前記異物検知手段による検知結果に基づいて異物を除去する異物除去手段と、
これらの内いずれか一つを駆動制御する駆動制御手段と、
前記駆動制御手段と接続され当該駆動制御手段により動作する駆動部と、
前記駆動制御手段を覆い前記駆動部が挿通される挿通孔を備えたカバー隔壁と、
前記挿通孔を介し前記カバー隔壁の内側に水分が浸入することを抑制する防水手段と、を備え、
前記防水手段が、
前記カバー隔壁の外側において前記挿通孔を覆い前記カバー隔壁の壁面に沿ってスライドする覆設板と、
当該覆設板と前記カバー隔壁との間に介装されるパッキンと、
前記覆設板を前記カバー隔壁に押し付ける押圧手段と、を有し、
前記押圧手段は、
前記覆設板に設けられた貫通孔と、
前記カバー隔壁に設けられた螺子孔と、
固定ボルトと、から構成され、
前記固定ボルトは、前記覆設板の板厚方向から見て前記貫通孔と前記螺子孔とが一致する位置に前記覆設板が配置された状態で、前記貫通孔を介して前記螺子孔に螺着し前記パッキンを圧縮する、
粉粒体検査処理装置システム。 - 請求項1又は2に記載の粉粒体検査処理装置システムであって、全体を乾燥するための除湿装置を備えていることを特徴とする粉粒体検査処理装置システム。
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