JP6380936B2 - 移動体及びシステム - Google Patents

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本発明は、移動体及びシステムに関し、より詳細には、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムによる測位機能を搭載した移動体、及び、その移動体と飛行体とを備えたシステムに関する。
従来から、人や物を運ぶための移動体は様々な種類が流通している。また、移動体には自律走行型の移動体も提案されており、これにより、運搬目的だけでなく、周囲の監視(警備)のためにも用いることができる。そして、運搬目的、監視目的に拘わらず、また自律走行型か否かに拘わらず、移動体には自身の現在位置を把握するためのGPSによる測位機能が搭載されているものがある。一方で、移動体は、GPS衛星の位置によりGPSの電波が届かない場所や建物からの反射波により大きな誤差が発生して精度が悪くなるような場所でも移動可能であり、そのような場面を想定した様々な位置検出技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、加速度センサや角速度センサの検出信号から移動体の慣性移動量を算出し、その慣性移動量から移動体の位置を検出する自己位置検知装置が開示されている。この装置では、移動体の前方が視野となるようにして移動体に搭載したカメラにより撮像した画像情報に基づいて、移動体のカメラ相対移動量を算出し、慣性移動量により表わされている移動体の位置を、カメラ相対移動量により表わされている移動体の位置により補正している。これにより、GPS等の電波を用いた絶対位置検知が困難な場所でも、また移動体の速度が遅い場合でも、高精度に自己位置が検知できる。
特許文献2には、経路案内時に、GPSを利用せずに、ユーザの現在位置を推定する現在位置推定装置が開示されている。この現在位置推定装置は、複数の地物相互の相対的な位置関係についてユーザが視認した結果を入力する位置関係入力部と、各地物の位置を記録した地図データベースを参照する地図データベース参照部と、地図データベースを参照して、複数の地物について、相対的な位置関係で視認可能な範囲を特定することにより、ユーザの現在位置を推定する推定エンジンと、を備えている。
特許文献3には、GPS衛星が届かないような位置に駐車車両が移動されてしまったとしても、車両の移動を検出することが可能な車両移動判定装置が開示されている。この装置では、車両の駐車時に車両の周囲の一部をカメラに撮影させ、その後、車両の始動時において、車両の周囲の上記一部をカメラに撮影させ、両者の画像を比較することで、車両の駐車中に車両が移動されたか否かを判定している。
特許文献4には、GPS電波が利用できないところでも、所定の経路上のユーザの推定位置を表示して誤差の少ない経路案内を行うナビゲーションシステムが開示されている。このナビゲーションシステムは、推定位置を、GPS測位情報に基づき推定位置を算出するGPSモードと、歩数計から取得したユーザの進行距離情報と地磁気センサから取得した方位情報に基づき推定位置を算出する自律航法モードと、進行距離情報のみに基づき推定位置を算出する歩数計モードと、を備え、推定位置の算出時にGPS測位情報が取得可能であるときはGPSモードに、GPS測位情報が取得できないときは自律航法モードに、さらに、GPS測位情報が取得できず且つ地磁気センサの動作が異常であるときは歩数計モードに切り替えている。
特許文献5には、地図情報を電子地図に重ねて表示させるための端末と、その端末から地図情報要求データを受信して、その要求データから指定領域を読み取り、その指定領域をモニタリングして端末に地図情報として返信する飛行体と、を備えたリアルタイムマップ情報通信システムが開示されている。このシステムには、地図情報の送信を中継する情報送受信制御装置を含むこともできる。この技術では、地図情報と位置情報から解析して得た道路状況(交通状況)を、地図情報に付加して端末で表示している。
特許文献6には、ジャイロコンパス装置及びGPS装置を搭載した観測船と、その観測船に繋留された気球又は小型飛行船と、地図座標データを予め記憶したデータ処理装置とからなるシステムが開示されている。このシステムでは、藻場等のモニタリングを目的として気球又は小型飛行船で観測船を含む航空写真を撮影し、撮影された画像、取得された方位及び位置データ、並びに上記地図座標データに基づき、データ処理装置が藻場等の撮影結果を含む地図情報を作成している。
特開2005−315709号公報 特開2007−205948号公報 特開2009−280046号公報 特開2012−230092号公報 特開2002−237000号公報 特開2004−151278号公報
しかしながら、特許文献4に記載の技術は、GPS衛星からの電波が受信可能か受信不能かでモードを切り替え、且つGPSモード以外のモードでは建物の位置などの周囲環境とは無関係に移動体が位置情報を取得するものであり、実際の電波の受信状態は一義的に利用可能/利用不能で分けられるものではないため、GPSによる測位情報を生かし切って周囲環境の経時的な変化に対応して精確に現在位置を検出できるとは言えない。
なお、特許文献3に記載の技術は、車両が移動したか否かを判定できるだけで、車両の位置を検出できる技術ではない。また、特許文献1,2に記載の技術は、GPSによる測位結果を利用しない技術である。仮に、GPSによる測位結果を利用し、GPS衛星からの電波が受信できなくなった場合にのみ、特許文献1,2に記載された技術を利用するように構成したとしても、電波の受信状態は一義的に利用可能/利用不能で分けられるものではないため、どのような場面にどちらの結果を利用すれば良い位置検出ができるのかについては分からず、最適な利用ができているとは言えない。
また、特許文献1に記載の技術は、慣性移動量をカメラ相対移動量で表された移動体の位置で補正するものであり、補正のためには撮影された2枚の画像に同じ物体を含める必要があるため、基本的にカメラでの撮影間隔が長ければ補正に対応できる移動体のスピードも限られてくる、といった問題もある。また、特許文献2に記載の技術はユーザが視認結果を入力する必要があり、自律走行装置には適用できず、自動車等の運転者が必要な移動体では走行中に利用できない、といった問題もある。
さらに、特許文献1〜4に記載の技術では、詳細な地図情報が登録されていないエリアを走行する際に、衛星からの電波の受信状態が悪い場所に入ると移動体の位置の精度が格段に下がる。
なお、特許文献5に記載の技術では、飛行体からの情報により道路状況を得ることができるが、道路や建物などの固定された物体の位置情報については元の電子地図に含まれていることが前提となっている。よって、この技術は、建物などが登録されていないエリアを移動体が走行する場面に限らず、移動体の現在位置の測位精度を上げるための技術ではない。また、特許文献6に記載の技術も移動体の現在位置の精度を上げるための技術ではなく、地図情報の作成についても地上には対応できない。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、衛星測位システムで測位した情報を用いて自己の現在位置を検出する移動体において、地図情報が登録されていないエリアを走行する際に衛星からの電波の受信状態が悪い場面であっても、精確に現在位置を求めることを可能にすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、衛星測位システムで測位した測位位置を示す測位情報を取得する測位情報取得部と、情報受信部と、を備えた移動体であって、複数の固定された物体の位置を示す物体情報を含む地図情報を記憶する記憶部と、前記物体を認識する物体認識部と、前記物体情報と該物体認識部での認識結果とに基づき前記物体に対する前記移動体の現在の相対位置を算出する相対位置算出部と、前記地図情報が示す地図上において、前記物体認識部で認識された前記物体の位置を検索して推定し、前記相対位置が示す前記移動体の前記地図上での現在の推定位置を求める位置推定部と、前記位置推定部で求められた現在の前記推定位置と前記測位情報が示す現在の前記測位位置とに対し、前記位置推定部での推定の尤度に応じた重み付けを行い、前記移動体の現在位置を確定する位置確定部と、を備え、前記物体情報は、前記衛星測位システムによる測位機能を有する飛行体で認識された前記物体についての位置を示す、前記情報受信部で受信した飛行体取得情報を含むことを特徴としたものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記情報受信部は、無線通信路を経由して前記飛行体取得情報を受信することを特徴としたものである。
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記飛行体取得情報は、前記飛行体が予め設定された予定飛行経路で飛行して取得した情報であることを特徴としたものである。
第4の技術手段は、第2の技術手段において、前記移動体の進行方向を検知する検知部と、前記飛行体に対し、前記検知部で検知された進行方向を示す方向情報を、前記飛行体の進むべき進行方向を示す情報として無線通信路を介して送信する情報送信部と、を備え、前記飛行体取得情報は、前記飛行体が前記方向情報に従って飛行して取得した情報であることを特徴としたものである。
第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1の技術手段において、前記飛行体を離着陸させるためのエアポートを備えたことを特徴としたものである。
第6の技術手段は、第1〜第5のいずれか1の技術手段において、前記位置確定部は、前記尤度が増すに連れて前記測位位置の重みを軽くするような重み付けを行うことを特徴としたものである。
第7の技術手段は、第1〜第5のいずれか1の技術手段において、前記位置確定部は、前記尤度が所定値以上である場合、前記測位位置の重みを無くし、前記尤度が前記所定値未満である場合、前記推定位置の重みを無くすことを特徴としたものである。
第8の技術手段は、第1〜第7のいずれか1の技術手段において、前記位置推定部は、前記物体認識部で認識された前記物体の位置を検索するに際し、直前に前記位置確定部で確定された前記現在位置に基づき検索開始範囲及び/又は検索範囲を決定することを特徴としたものである。
第9の技術手段は、第1〜第8のいずれか1の技術手段において、前記物体情報は、前記物体認識部で事前に認識させた前記物体についての位置を示す情報を含むことを特徴としたものである。
第10の技術手段は、第1〜第9のいずれか1の技術手段において、前記物体情報は、前記物体についての高さを示す情報を含み、前記位置推定部は、前記推定位置の推定に使用した前記物体の高さが高い程、前記尤度を上げることを特徴としたものである。
第11の技術手段は、第10の技術手段において、前記高さを示す情報は、前記飛行体取得情報の一部として取得された情報を含むことを特徴としたものである。
第12の技術手段は、第1〜第11のいずれか1の技術手段において、前記物体認識部は、前記移動体の上空方向の視界の広さを検出し、前記位置推定部は、前記物体認識部で検出された前記視界の広さが狭い程、前記尤度を上げることを特徴としたものである。
第13の技術手段は、第1〜第12のいずれか1の技術手段において、前記位置確定部は、前記測位情報に含まれる或いは前記測位情報から算出される、測位に使用した衛星の数及び配置を示す情報に基づき、前記重み付けの係数を決定することを特徴としたものである。
第14の技術手段は、第1〜第13のいずれか1の技術手段において、前記地図情報は、前記測位情報取得部で取得できる前記測位情報の精度が所定精度より悪くなる領域を示す精度情報を含み、前記位置確定部は、前記精度情報に基づき前記重み付けの係数を決定することを特徴としたものである。
第15の技術手段は、第1〜第14のいずれか1の技術手段において、前記記憶部は、前記地図情報の一部として前記移動体の予定走行経路を記憶し、前記移動体は、前記位置確定部で確定された前記現在位置に基づき、前記予定走行経路に沿った自律走行を行う駆動制御部を備えた自律走行装置であることを特徴としたものである。
第16の技術手段は、第1〜第14のいずれか1の技術手段において、運転者による運転操作を受け付ける操作部と、前記位置確定部で確定された前記現在位置に基づき、前記地図上でのナビゲーションを行うナビゲーション部と、を備えたことを特徴としたものである。
第17の技術手段は、第1〜第16のいずれか1項に記載の移動体と、前記衛星測位システムによる測位機能及び前記物体を認識する物体認識機能を有する飛行体と、を備え、前記移動体の現在位置を確定するシステムである。
本発明によれば、衛星測位システムで測位した情報を用いて自己の現在位置を検出する移動体において、地図情報が登録されていないエリアを走行する際に衛星からの電波の受信状態が悪い場面であっても、精確に現在位置を求めることができる。
本発明の第1の実施形態に係る移動体と自律飛行体の一構成例を示すブロック図である。 図1Aの移動体と自律飛行体の一例を示す外観図である。 図1Aの移動体の走行経路と自律飛行体の飛行経路の一例を示す模式図である。 図1Aの移動体における位置確定部の詳細を説明するためのブロック図である。 図1Aの移動体の走行経路を含む地図の一例を示す図である。 図4の走行経路において移動体が撮影した上空の画像の一例を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る移動体の一部の構成例を示すブロック図である。 本発明の第9の実施形態に係る移動体と自律飛行体の一構成例を示すブロック図である。
本発明に係る移動体は、工場や公共施設の施設内、或いはそれらの施設や駐車場等の敷地内で移動させる移動体や、公道を走行する自動車や自動二輪車等の移動体などである。特に敷地内や施設内で自動的に移動させる移動体には、自律走行型の制御機構を有しているものがある。自動車等の運転者による運転を基本とする移動体も自律走行型の制御を搭載することで、自律走行、或いは運転者の運転補助としての自律走行が可能になる。また、本発明に係る移動体は、人や物を運搬する運搬目的だけでなく、移動しながら周囲を監視するためにも用いることができ、その場合の移動体は監視ロボットとも呼べる。また、本発明は、このような移動体と後述する飛行体とを備え、その移動体の現在位置を確定するシステムとしての形態も採り得る。以下、図面を参照しながら、本発明の様々な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1A〜図4を参照しながら説明する。まず、図1Aのブロック図、図1Bの外観図を参照しながら、本実施形態に係る移動体と自律飛行体の一構成例について説明する。
移動体1は、移動を行うための移動機構を備えたマシンであり、移動装置とも呼べる。図1A,図1Bの例では、この移動機構は、駆動制御部11と、駆動制御部11により制御される車輪12aを含む駆動部12で構成される。駆動部12は、例えば図示しないエンジン及び/又はモータなどを備えている。さらに、移動体1は、測位情報取得部13、記憶部14、及び物体認識部15を備えると共に、相対位置算出部10a、位置推定部10b、位置確定部10c、及び情報通信部16を備える。図1Aでは移動体1を制御する主制御部10に各部10a〜10cを備えた例を挙げているが、これに限ったものではない。
主制御部10は、駆動制御部11の制御及び記憶部14への読み書きを行うが、測位情報取得部13での取得や物体認識部15での認識の制御も行うように構成することもできる。例えば主制御部10は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)、作業領域としてのRAM(Random Access Memory)、及び記憶装置などの制御デバイスで構成され、その一部又は全部を集積回路/ICチップセットとして搭載することもできる。この記憶装置には、制御プログラム(各部10a〜10cでの後述の処理等を実行するためのプログラムを含む)をはじめ、各種設定内容などが記憶される。この記憶装置としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)など様々な装置が適用できる。
測位情報取得部13は、GPSで測位した測位位置を示すGPS測位情報を取得する部位であり、GPS衛星からの電波を受信するアンテナや受信したGPS信号を解析して測位情報(緯度、経度)を求める解析部などで構成される。アンテナは、図1Bで例示する測位情報取得部13の位置のように移動体1の本体17の適所に配置しておけばよい。但し、例示する配置に限らず、その感度が良くなるような位置にアンテナが設けられていればよい。なお、測位情報取得部13は、DGPS(Differential GPS)の機能又はRTK−GPS(Real Time Kinematic GPS)の機能を設けることや、無線通信部及び無線通信基地局との位置関係から位置を補正する機能を設けることで、コストは嵩むがその精度を上げることもできる。
測位情報取得部13としてGPS測位情報を取得する例を挙げて説明しているが、GPSと同様の他の衛星測位システム(地域航法衛星システム)を適用することもできる。他の衛星測位システムとしては、日本の準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System:QZSS)、ロシアのGLONASS(Global Navigation Satellite System)、EUのガリレオ、中国の北斗、インドのIRNSS(Indian Regional Navigational Satellite System)などが挙げられる。
記憶部14は、地図情報14aを記憶する部位である。この地図情報14aには、複数の固定された物体の位置を示す物体情報も含まれている。また、地図情報14aには、通行可能な領域(道路や駐車場内の非駐車領域など)の位置を示す情報も含まれている。移動体1が監視ロボットである場合には、この地図情報14aは環境地図を示す情報であると言える。ここで、固定された物体(以下、単に物体と言う)には、建物等の不動産だけでなく、線路、植木や街路樹、壁や柱など、他の構造物を含めておけばよい。上記物体は、一般的に地物と呼ばれる概念のうち、実際に存在するものであって且つ通行可能な領域(道路等)を除いたものと言える。
物体認識部15は、物体を認識する部位である。物体認識部15は、基本的に物体の移動体1に対する位置(移動体1から物体までの距離と方向)が認識できればよい。よって、物体認識部15としては、移動体1に対する障害物の位置を検出するための障害物検知センサや、静止画又は動画を撮影するためのカメラなどが利用できる。なお、静止画を撮影するカメラでは撮影間隔を短くすることで移動体1の移動に対応できる。
上記障害物検知センサは、他の移動体や障害物との衝突を避けるためにそれらを事前に検知するためのセンサであり、光や赤外線や他の電磁波や超音波などを能動的に発信し、その発信波の反射波を受信して障害物の位置を検知するアクティブセンサである。障害物検知センサとしては、例えば、LIDAR(Light Detection and Ranging又はLaser Imaging Detection and Ranging)、レーザレンジファインダ、電波レーダ(ミリ波レーダ等)、超音波センサなど、様々な種類のセンサが適用できる。また、障害物検知センサは、必要に応じて、モータによって左右に動かすメカニカルスキャン方式、或いは、複数のチャンネルを使って受信を行い、受信チャンネル間に発生する位相差を利用して検知角度を算出する電子スキャン方式を採用して、障害物の検知を行えばよい。なお、レーザレンジファインダは光飛行時間測距方式(TOF:Time of Flight)を採用した測距センサであり、走査軸を1軸、2軸もたせることで、それぞれ2次元平面の計測、3次元的な計測が可能となる。また、LIDARはレーザレンジファインダの一種であるとも言える。
また、物体認識部15は図1Bで例示したように移動体1の前方に設けられることが好ましいが、他の部分に設けられていても進行方向の物体が認識できればよい。また、複数の物体認識部15を別々の位置に設けること、及び/又は、複数種類の物体認識部15を設けることで、物体の位置をより精確に認識させることができる。
記憶部14で記憶される地図情報14aは、上述のように複数の固定された物体の位置を示す物体情報を含むが、本実施形態の主たる特徴として、この物体情報は飛行体(以下、自律飛行体2で例示)で収集され情報通信部16で受信した情報(飛行体取得情報と呼ぶ)を含む。つまり、情報通信部16は、物体情報を自律飛行体2から直接(又は別途設けたサーバ装置等を介して)受信する情報受信部の一例と言える。飛行体取得情報の受信タイミングは、基本的に飛行体取得情報に含まれる物体の近辺を移動体1が走行する前であればその情報が利用できる。自律飛行体2での飛行体取得情報の取得(収集)タイミングは、その受信タイミングより前であればよい。
情報通信部16で例示した情報受信部は、無線通信路を経由して飛行体取得情報を受信することが好ましい。無線通信路での無線伝送方式としては、各種無線LAN(Local Area Network)(WiFi(登録商標)認証の有無は問わない)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標) LE(Low Energy)などの規格に準じた方式が挙げられ、無線到達距離や伝送帯域などを考慮して使用すればよいが、例えば携帯電話網などを利用してもよい。自律飛行体2と移動体1の間は直接、無線通信を行ってもよいが、無線LAN等の無線基地局や携帯電話網などを介してもよいし、或いはそれに加えて上記サーバ装置を介してもよい。つまり、この例では、自律飛行体2と移動体1の間の通信経路の一部又は全部が無線通信路であればよい。
次に、自律飛行体2や上記飛行体取得情報について説明する。
自律飛行体2としてはドローンなどと呼ばれる無人飛行体が適用できるが、その飛行機能や飛行方式は問わない。自律飛行体2は、その内部構成について図示していないが、測位情報取得部13と同様の衛星測位システムによる測位情報取得部、並びに物体認識部15と同様の物体認識部(例えばLIDARなど)を有すると共に、主制御部と外部に上記飛行体取得情報を送信する情報送信部を有する。この物体認識部は自律飛行体2の下部に取り付けるなどしておけばよい。また、この情報送信部は無線通信を行う無線通信部であることが好ましいが、自律飛行体2での飛行体取得情報の収集が完了した時点で有線により、移動体1(又は上記サーバ装置など)で接続して飛行体取得情報を送信するような構成を採用することもできる。
自律飛行体2側の主制御部は、上記測位情報取得部によって取得した自律飛行体2の位置を示す測位情報と、上記物体認識部により認識した物体についての情報(平面形状等の情報)とに基づき、認識した物体の位置を示す情報を生成し、飛行体取得情報として情報送信部に送信させる。生成される情報としては、物体全体についての位置情報(緯度経度の情報)があることが好ましく、位置情報の存在点のメッシュ間隔も狭い方が好ましいが、基本的には物体の中心など一点の位置(緯度経度)とその物体の平面形状(無論、方位も加味した形状)とであってもよい。
但し、送信する飛行体取得情報としては、自律飛行体2の測位情報と認識した物体についての情報であってもよく、後者は単に物体の認識結果を示す情報であってもよい。その場合、移動体1側(若しくは送信を経由するサーバ装置等の機器側)がそれらの情報から認識した物体の位置を示す情報を生成すればよい。なお、上記測位情報に物体認識時の自律飛行体2の高度を含んでおくことで、元々の地図情報に含まれる道路などの大きさとのマッチング処理を経ずとも、認識した物体の大きさ(水平面での大きさ)や高さも分かる。そのため、自律飛行体2には高度計も具備しておくことが好ましい。
また、自律飛行体2は、物体情報以外(主に道路)の地図情報も併せて上記飛行体取得情報として送信してもよい。その場合、移動体1側では情報通信部16が自律飛行体2から物体情報以外の地図情報を受信し、主制御部10が記憶部14に地図情報14aの一部として記憶させればよい。これにより、新設道路などにも対応した地図情報14aが作成できる。地図情報14aの作成処理や物体情報の埋め込み等の処理は、既知の技術を採用すればよい。例えば、また、近年ではカメラやレーザレンジファインダ等の物体認識結果に基づく自己位置推定と地図の作成とを同時に行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術の開発が盛んに行われており、このSLAM技術により、物体情報を含む地図情報14aの一部又は全部を作成するようにしてもよい。
本実施形態では、上記飛行体取得情報は、自律飛行体2が予め設定された予定飛行経路で飛行して取得した情報とする。このような自律飛行は、自律飛行体2に予定飛行経路を記憶させておくと共に自律飛行体2の測位機能での測位結果に従って制御すればよい。また、この予定飛行経路は、移動体1の予定走行経路が決まっているのであればそれと同じ(無論、高度は異なる)にしておくことが好ましいが、その予定走行経路のうちの一部の地域を指定して飛行させてもよい。両者の経路が同じ場合、移動体1に先行して自律飛行体2が飛行することになるが、両者を同時移動(つまりタンデム移動)させるようにしてもよい。
タンデム移動の一例について図2を参照しながら説明する。図2は、移動体1の走行経路と自律飛行体2の飛行経路の一例を示す模式図である。図2で示す地域には、物体(建物又は他の障害物)31a〜31d及び物体(街路樹又は植木)31eが道路32に沿って存在しており、移動体1の予定走行経路が道路32に沿ったルートであるものとする。つまり、この例における予定走行経路は、移動体1が道路32上を時系列で移動体1aの位置から、移動体1bの位置、移動体1cの位置へと移動していく経路である。この場合、地図情報14aとして道路32や物体31a〜31eが格納され、予定走行経路も格納されている。
タンデム移動は、自律飛行体2に予定走行経路の上空の予定飛行経路(この例では道路32の上空の予定飛行経路34)を格納しておき、自律飛行体2の測位結果に基づきその経路34を先行させて飛行させることで実現できる。例えば移動体1が移動体1aの位置を走行しているときには自律飛行体2は自律飛行体2aの位置を飛行させ、移動体1bの位置を走行しているときには自律飛行体2bの位置を飛行させればよい。但し、移動体1の移動は特に交通網などでは予定通りの時間で進まないことが常であるため、移動体1から自律飛行体2に対して無線通信により現在の移動体1の位置を知らせるようにし、予定飛行経路においてその位置から所定の水平方向距離だけ離れた位置を飛行するように自律飛行体2が制御すればよい。上記所定の水平方向距離には当然誤差があってもよく、自律飛行体2が物体情報を精確に得て、移動体1が地図情報14aに反映できればよい。
また、特にこのようなタンデム移動を考慮する場合には、移動体1は、自律飛行体2を離着陸させるためのエアポートを備えることが好ましい。このエアポートは本体17の上部などの設けておけばよく、着陸した状態の自律飛行体2を固定し離陸時には離脱させるための部材や、自律飛行体2を充電するための充電部を設けておくことが好ましい。
上述のようにして最新の地図情報14aを得た移動体1における現在位置の確定について説明する。
相対位置算出部10aは、上記物体情報と物体認識部15での認識結果とに基づき、認識された物体に対する移動体1の現在の相対位置を算出する。なお、障害物検知センサには相対位置算出部10aの機能が組み込まれたものもある。物体の認識は移動体1の周辺環境(周辺状況)の認識を意味するため、物体認識部15及び相対位置算出部10aは、周辺環境情報取得部を構成していると言える。
位置推定部10bは、地図情報14aを参照して移動体1の地図上での現在の推定位置を求める。より具体的には、位置推定部10bは、地図情報14aが示す地図上において上記認識された物体の位置を検索(照合)して推定し、上記相対位置が示す移動体1の上記地図上での現在の推定位置を求める。この検索には、画像マッチング(マップマッチングとも言う)の手法が適用でき、以下の説明ではこの検索を画像マッチングとも呼ぶ。また、画像マッチングの手法は問わないが、物体の位置又は物体の表面上の点を特徴点して抽出し、そのパターンをマッチングさせるパターンマッチングを行うことが好ましい。
このとき、もし物体が1つしか認識できなかった場合でも、例えばその物体の表面における水平方向の2点を結ぶ線分の角度は認識できるため、画像マッチングは可能である。よって、物体が1つでも存在すれば、移動体1に対する物体の距離だけでなく方位も推定できることになる。なお、位置推定部10bで物体の位置を検索後に、相対位置算出部10aで移動体1の相対位置を算出し、その結果から位置推定部10bが推定位置を求めるような手順を採用してもよい。
位置推定部10bでは、画像マッチングによる推定を行っているため、その一致度合い(一致率)が、その推定の尤度を表す一つの指標となる。尤度が高いと、位置推定部10bにおける自己位置の推定結果が信頼できることを意味し、逆に尤度が低いとその推定結果が信頼できないことを意味する。そして、一致度合い或いは尤度は、認識に使用した地図情報14aの精確さ(特に、認識された物体の存在する領域における精確さ)や認識された物体の数など、推定に使用した情報量に依存することになる。
例えば、広大な砂漠や広場など、周囲360度にわたって環境に変化がない状況下では、自己位置を推定する特徴点を見つけられずに(情報量が足りずに)推定の精度が劣化する(つまり尤度が低くなる)。しかし、このような状況下では、GPS衛星から移動体1への障害物が無くなるため、GPS測位情報の精度が高い。逆に、高い建物が周りにある状況下では、推定の精度が上がる(つまり尤度が高くなる)。このような状況下では、GPS測位情報は、建物に反射した電波を受信することや、衛星が見えなくなることがあるため、その精度を悪化させる。これらの点を考慮し、位置確定部10cは次のように現在位置を確定する。
すなわち、位置確定部10cは、位置推定部10bで求められた現在の推定位置とGPS測位情報が示す現在の測位位置とに対し、位置推定部10bでの推定の尤度に応じた重み付けを行い、移動体1の現在位置を確定(決定)する。そして、このようにして確定する現在位置は、GPS衛星からの電波の受信状態が悪い場面でも精確な位置となる。
次に、図3及び図4を参照しながら、本実施形態における位置確定部10cのより具体的な例について説明する。図3は、図1Aの移動体における位置確定部の詳細を説明するためのブロック図、図4は、図1Aの移動体の走行経路を含む地図の一例を示す図で、図2の模式図で示した地域に対応した地図上での走行経路の例を示す図である。
上述した尤度に応じた重み付けとは、尤度に応じた重み付け係数で重み付けすることを意味する。よって、位置確定部10cは、図3に示すように尤度を入力し、重み付け係数を算出する重み付け係数算出部10dと、その重み付け係数と共にGPS測位情報及び推定位置を入力し、現在位置を算出する重み付け実行部10eと、を有する。
例えば、尤度K(0<K≦1)をそのまま推定位置の重み付け係数に用い、測位位置側の重み付け係数としてその残余(1−K)を用い、現在位置を求める。この計算は、次式のように緯度、経度それぞれに対して実行すればよい。測位位置側の重み付け係数として(1−K)を用いる理由は、尤度Kが大きいことが移動体1の周囲に物体が多く(推定位置の信頼度が高く)、GPS信号の受信を妨げ、GPS測位情報の信頼性が低下している可能性があるためである。
(現在位置の緯度)=(1−K)×(GPS測位位置の緯度)+K×(推定位置の緯度)
(現在位置の経度)=(1−K)×(GPS測位位置の経度)+K×(推定位置の経度)
これらの式は、GPS測位情報の信頼度をα(0<α≦1)としたとき、下式を意味する。
(現在位置の緯度)=α×(GPS測位位置の緯度)+(1−α)×(推定位置の緯度)
(現在位置の経度)=α×(GPS測位位置の経度)+(1−α)×(推定位置の経度)
この例のように、位置確定部10cは、尤度が増すに連れて測位位置の重みを軽くするような(つまり測位位置の信頼度を下げるような)重み付けを行うことが好ましい。よって、尤度の指標と言える画像マッチングの一致率(照合率)がk(%)であれば、GPS測位位置の信頼度αは例えば1−k/100とすればよい。但し、尤度Kやαの求め方はこれに限らない。無論、尤度Kに応じた推定位置側の信頼度βを規定し、推定位置側の重み付け係数をβ、測位位置側の重み付け係数を1−βとするなどしてもよい。
図4で例示する地図40は、図2で示したように、物体(建物又は他の障害物)31a〜31d及び物体(街路樹又は植木)31eが道路32に沿って存在する領域の地図を示している。このような地図が地図情報14aに含まれることになる。そして、この道路32上に移動体1が時系列で移動体1aの位置から、移動体1bの位置、移動体1cの位置へと実際に移動するシーンを想定して説明する。
まず、移動体1が移動体1aの位置に存在する場面では、物体が周囲に存在しないため、尤度に対応する一致率が0%か数%となる一方で、GPS測位情報が示す地図上の緯度経度33aが移動体1aの実際の位置と重なることになる。無論、ここでは物体認識部15が物体31a,31cなどを認識できる性能をもっていない例を想定している。この場合、GPS測位情報の信頼度αは1となり、現在位置がGPSの測位位置に確定される。
移動体1が移動体1bの位置に存在する場面では、物体が周囲に多数存在するため、尤度に対応する一致率が100%(又はそれに近い値)となる一方で、GPS測位情報が示す地図上の緯度経度33bが移動体1bの実際の位置とはかなりズレることになる。この場合、GPS測位情報の信頼度αは0(又は0に近い値)となり、現在位置が位置推定部10bでの推定位置(又はそれ付近)に確定される。
移動体1が移動体1cの位置に存在する場面では、物体が周囲に少数存在するため、尤度に対応する一致率が例えば50%となり、GPS測位情報が示す地図上の緯度経度33cが移動体1cの実際の位置と若干ズレることになる。この場合、GPS測位情報の信頼度αは例えば0.5となり、現在位置が位置推定部10bでの推定位置とGPS測位情報が示す位置との中間の位置に確定される。
また、位置確定部10cは、上記尤度Kが所定値以上である場合、上記測位位置の重みを無くし(現在位置を推定位置に確定する)、尤度Kが上記所定値未満である場合、上記推定位置の重みを無くす(現在位置を測位位置に確定する)ように重み付けを行ってもよい。所定値としては、例えば70%など予め決めた高めの値であればよい。
次に、その他の応用例について説明する。
位置推定部10bは、画像マッチングを実行するに際し、直前に位置確定部10cで確定された現在位置に基づき、検索開始範囲及び/又は検索範囲を決定するようにすることが好ましい。これにより、画像マッチングの速度を上げるだけでなく、決定した検索開始範囲に近いものを優先的に検索結果として抽出したり、決定した検索範囲内に絞りこんで検索したりすることで、画像マッチングの精度(つまり推定の精度)も上げることができる。特に、確定された現在位置だけでなく、移動体1の速度(及び磁気センサ等の他のセンサから得た移動体1の進行方向)も加味して、これらの範囲を決めることで、より画像マッチングの精度を上げることができる。
この例からも分かるように、移動体1は、地磁気を計測する磁気センサなどを備え、その磁気センサが向いている方向を検知することで移動体1の進行方向を検知して、検知結果を主制御部10に出力して進行方向の修正に利用するように構成することもできる。
また、画像マッチングに使用する地図情報14aの物体情報は、物体認識部15で事前に認識させた物体についての位置を示す情報を含むことが好ましい。つまり、実際の走行時の画像マッチングに用いるために、走行する予定の経路上で物体認識部15(移動体1に搭載しておくことが好ましいが非搭載でもよい)による物体認識を実行し、その物体認識結果と認識した位置を関連付けて格納しておく。これにより、画像マッチングでの一致率が上がり、精度が向上する。
例えば駐車場や敷地内などの或る特定領域内の監視用に移動体1を用いる場合には、予定走行経路が決まっているため非常に有益となる。つまり、移動体1が、記憶部14に地図情報14aの一部として移動体1の予定走行経路を記憶し、位置確定部10cで確定された現在位置(地図上の現在位置)に基づき、上記予定走行経路に沿った自律走行を行う駆動制御部11を備えた自律走行装置である場合には、特に有益となる。無論、このような予定走行経路に沿った自律走行を行う例は、物体情報として事前認識された物体の位置を示す情報を含まない例にも適用できる。
また、このような事前の物体認識は、上述した例に限ったものではない。移動体1は、実際の走行時に物体認識部15での物体認識を実行し、その際に位置確定部10cで確定した現在位置とその物体とを関連付け、物体情報として登録するような学習機能をもたせてもよい。また、上述したSLAM技術により、物体情報を含む地図情報14aの一部を作成するようにしてもよい。
そして、上述のように、本実施形態では自律飛行体2で得た物体情報も地図情報14aに含まれることになるため、より画像マッチングでの一致率が上がり、精度が向上する。この例のように、移動体1による事前の物体認識と自律飛行体2での物体認識の双方を採用する場合には、いずれか新しい方の情報で更新することが望ましいが、2重に物体情報を格納しておき、双方の物体情報を参照して画像マッチングを行うこともできる。但し、同じ物体について両者で得たものを保持しておく場合にも、物体認識部15と自律飛行体2とで認識させた物体情報に差が大きかった物体については、物体が置き換わったと判断し、新しい方で更新すればよい。
以上、本実施形態によれば、衛星測位システムで測位した情報を用いて自己の現在位置を検出する移動体において、地図情報が登録されていないエリアを走行する際に衛星からの電波の受信状態が悪い場面であっても、精確に現在位置を求めることができる。また、飛行体の例として自律飛行体2を挙げたが、非自律飛行体を採用した場合、移動体1又は使用者がその非自律飛行体を遠隔操作するようにして飛行させることもできる。無論、その場合にも非自律飛行体には物体情報を得るために測位機能や物体認識機能をもつ。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、主に図2を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態との重複箇所の説明を基本的に省略するが、例えば第1の実施形態で説明した様々な応用例が適用できる。
本実施形態における移動体1は、移動体1の進行方向を検知する検知部と、この検知部で検知された進行方向を示す方向情報を、自律飛行体2の進むべき進行方向を示す情報(方向情報)として無線通信路を介して自律飛行体2に対して送信する情報送信部と、を備える。この検知部は上記磁気センサやジャイロセンサなどが挙げられ、この情報送信部は情報通信部16で例示できる。そして、本実施形態では、飛行体取得情報は、自律飛行体2が上記方向情報に従って飛行して取得した情報であるものとする。また、方向情報だけでなく、移動体1の走行速度を示す速度情報も、自律飛行体2に送信し、自律飛行体2では、移動体1と一定の水平方向距離を保つように自律飛行体2の飛行制御を行うようにすることが好ましい。
このように、第1の実施形態では自律飛行体2が予め設定された予定飛行経路で飛行して飛行体取得情報を収集したが、本実施形態ではその代わりに移動体1の実際の走行経路を考慮し、その走行経路から予測される経路の上空を先行して飛行して飛行体取得情報を収集する。よって、本実施形態では、飛行体取得情報の送受に無線通信路を含むものとする。また、本実施形態では、地図情報14aに含まれる既知の走行経路を走行する場合に備えて、特に移動体1に上記エアポートを備えることが有益となる。なお、自律飛行体2の代わりに非自律飛行体を採用した場合、移動体1が上記方向情報及び上記速度情報を非自律飛行体を遠隔操作する情報として送信することもできる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、主に図4を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態との重複箇所の説明を基本的に省略するが、第1の実施形態で説明した様々な応用例が適用でき、また第2の実施形態も適用できる。
本実施形態では、地図情報14aにおける物体情報は、物体についての高さ(例えば図4の高さHa〜He)を示す情報を含むこと、つまり地図情報14aが3次元地図の情報であることが好ましい。ここで、高さの情報は移動体1から認識できる物体の表面積の少なさを表すものである。特に、物体認識部15で事前に認識させた物体についての高さを示す情報であることがより好ましい。
そして、本実施形態における位置推定部10bは、上記推定位置の推定に使用した物体の高さが高い程、上記尤度Kを上げるようにする。具体的に説明すると、まず移動体1の周囲に高いビル等の物体が存在した場合、物体での反射波の影響によりGPSの精度が悪化する。しかし、本実施形態では、地図情報14aの一部として保持された高さ情報に基づき推定に使用した物体の高さが高い程、測位位置への重み付けを軽くし推定位置への重み付けを重くして現在位置の確定を行う。よって、例えば移動体1が図4の移動体1bのような物体(ビル等)31a〜31cに囲まれた位置を走行中も、物体認識に基づく精確な推定結果が存在するため、現在位置を精度良く決定することができる。
さらに、上記高さを示す情報は、飛行体取得情報の一部として取得された情報を含むことが好ましい。物体の高さは、例えば自律飛行体2の高度と自律飛行体2からの物体上面の距離とから求めることができる。なお、自律飛行体2の飛行高度は地形や建物の高さに応じて可変としてもよい。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、主に図4,図5を併せて参照しながら説明する。図5は、図4の走行経路において移動体1bが撮影した上空の画像の一例を示す図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態との重複箇所の説明を基本的に省略するが、第1の実施形態で説明した様々な応用例が適用でき、また第2の実施形態も適用できる。
本実施形態における物体認識部15は、移動体1の上空方向の視界の広さを検出するようにする。ここで、上空方向の視界の広さは、第3の実施形態で説明した高さと同様に、移動体1から認識できる物体の表面積の少なさを表すものである。本実施形態では移動体1の上面側に物体認識部15を設けることが好ましく、そのため進行方向用の物体認識部15と合わせて複数個の物体認識部15を設けることが好ましいと言える。
そして、本実施形態における位置推定部10bは、物体認識部15で検出された上記視界の広さが狭い程、尤度Kを上げるようにする。具体的に説明すると、まず物体認識部15として例えばカメラを用いた場合、画像認識により空(人工物でない)部分の割合が多いと上空の視界が拓けていると分かり、例えばLIDARを用いた場合、上方向の距離データが無限遠(物体が無い)の部分の割合が多いと上空の視界が拓けていると分かる。
従って、移動体1が例えば図4の移動体1bの位置で認識した物体(例えば撮影した画像又は検知した距離の2次元表現の画像(奥行画像))は、図5で例示する画像50のようになる。このうち上空領域51は、物体が存在しない場合に比べて広く、移動体1は自身の上空の視界が遮られた状況(上空の視界の拓け度合いが低い状況)に位置していることになる。そして、この状況では物体での反射波の影響によりGPSの精度が悪化する。
よって、本実施形態では、上記視界の広さが狭い程、尤度Kを上げることで、測位位置への重み付けを軽くし推定位置への重み付けを重くして現在位置の確定を行う。このような処理により、例えば移動体1が図4の移動体1bのような物体(ビル等)31a〜31cに囲まれた位置を走行中も、物体認識に基づく精確な推定結果が存在するため、現在位置を精度良く決定することができる。
また、本実施形態は第3の実施形態との併用も可能であり、その場合、高さと視界の広さを変数とする所定の関数に基づき、尤度Kを求めるか、或いは直接重み付け係数を求めるようにすればよい。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係る移動体の一部の構成例を示すブロック図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態との重複箇所の説明を基本的に省略するが、第1の実施形態で説明した様々な応用例が適用でき、また第2〜第4の実施形態との併用も可能である。
本実施形態における位置確定部10cは、測位に使用したGPS衛星の数及び配置を示す情報(以下、衛星配置情報と言う)に基づき、重み付け係数を決定する。このような構成例について説明する。図6に移動体1の一部を例示するが、測位情報取得部13は、GPS信号受信部61、GPS座標算出部62、及びDOP(Dilution Of Precision)値算出部63を有する。位置推定部10bは、位置座標推定部64及び尤度算出部65を有する。位置確定部10cは、図3で例示したように重み付け係数算出部10d及び重み付け実行部(乗算部)10eを有する。
位置推定部10bでは、位置座標推定部64が画像マッチングにより推定位置(推定位置の座標)を算出し、尤度算出部65がその算出過程から尤度Kを算出する。
一方で、測位情報取得部13では、GPS信号受信部61がGPS衛星からの電波を受信し、GPS座標算出部(解析部)62がその受信した信号を解析してGPS測位座標を算出する。また、DOP値算出部63がその受信した信号を解析して、或いはそのGPS測位座標の算出過程から、DOP値を算出する。
このように、上記衛星配置情報は、測位情報取得部13で取得したGPS測位情報に含まれる情報、或いはGPS測位情報から算出できる情報であり、例えばGPSの衛星配置の悪化度を示す指標値、つまりGPS精度の劣化の程度を表す指標値であるDOP値を用いることができる。DOP値が大きくなる程、GPS精度が低くなる。また、DOP値としては0〜1の値が用いられることがあるが、これに限ったものではない。また、DOP値には、幾何学的精度低下率、水平精度低下率、垂直程度低下率など多くの指標値があり、いずれの値を採用してもよいし、複数の値を採用してもよい。
また、DOP値等の衛星配置情報は、移動体1の上方の視界の広さを表す指標であると言え、移動体1の周囲の物体の多さや高さと関係があり、よって推定の容易さと関係がある。一般的に、DOP値が高い場合には、衛星が固まっているなど、衛星の配置が悪いため、測位位置の信頼度は低く、逆に推定位置の信頼度が高くなる。
従って、本実施形態のように衛星配置情報に基づき重み付け係数を決定することは、現在位置の精度向上のために有益であると言える。位置確定部10cでは、重み付け係数算出部10dが尤度算出部65から尤度Kを入力すると共にDOP値算出部63からDOP値を入力し、それらの値から重み付け係数を算出する。一例を挙げると、推定位置側の重み付け係数γとしてK×DOP値を用い、GPS測位位置側の重み付け係数を1−γとすればよい。なお、K、DOP値として0から1の間の値を用いた例を挙げているが、これに限らず、その場合には、正規化(規格化)しておけばよい。
ここで例示したように、位置確定部10cは、DOP値が増すに連れて測位位置の重みを軽くするような(つまり測位位置の信頼度を下げるような)重み付けを行えばよい。若しくは、位置確定部10cは、DOP値が所定値(例えば最大値の50%)以上である場合、上記測位位置の重みを無くし(現在位置を推定位置に確定する)、DOP値がその所定値未満である場合、上記推定位置の重みを無くす(現在位置を測位位置に確定する)ように重み付けを行ってもよい。
なお、上記衛星配置情報は、第1〜第4の実施形態で説明したような重み付け係数の決定条件に加える決定条件であると言える。但し、決定の手順は問わず、例えば第1〜第4の実施形態で説明したような決定条件に従って重み付け係数を決定した後、衛星配置情報に基づいてそれを修正するようにしてもよい。
重み付け係数の決定後、重み付け実行部(乗算部)10eが、その重み付け係数を用いて、GPS座標(測位座標)算出部62から入力した測位座標と位置座標推定部64から入力した推定位置座標とに対し、例えば下式により重み付けを行って、現在位置の座標を算出(決定)する。
(現在位置の緯度)=(1−γ)×(GPS測位位置の緯度)+γ×(推定位置の緯度)
(現在位置の経度)=(1−γ)×(GPS測位位置の経度)+γ×(推定位置の経度)
(第6の実施形態)
第5の実施形態で説明した衛星配置情報を用いた重み付け手法は、尤度を用いない場合にも適用できる。このような構成例を第6の実施形態として、簡単に説明する。
本実施形態に係る移動体は、第1又は第2の実施形態等で説明した移動体1と同様に、測位情報取得部13、記憶部14、物体認識部15、情報通信部16、相対位置算出部10a、及び位置推定部10bを備えるが、位置確定部10cの処理が若干異なる。
本実施形態における位置確定部10cは、位置推定部10bで求められた現在の推定位置とGPS測位情報が示す現在の測位位置とに対し、衛星配置情報に応じた重み付け(重み付け係数の算出)を行い、移動体の現在位置を確定する。例えばDOP値が低いと、測位位置側の重み付け係数を高くして推定位置側の重み付け係数を低くする。逆に、DOP値が高いと、測位位置側の重み付け係数を低くして推定位置側の重み付け係数を高くする。本実施形態のように衛星配置情報に基づき重み付けを実行することは、現在位置の精度向上のために有益であると言える。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態との重複箇所の説明を基本的に省略するが、第1の実施形態で説明した様々な応用例が適用でき、また第2〜第6のいずれの実施形態と併用することができる。
本実施形態では、地図情報14aに、測位情報取得部13で取得できるGPS測位情報の精度が所定精度より悪くなる領域を示す精度情報を含めるようにする。この精度情報を地図情報14aに埋め込むタイミングは、例えば、第1の実施形態で説明した物体認識部15での事前の物体認識や飛行体取得情報の受信と同様のタイミングでよく、よって地図情報14aの最初の作成時(マップ構築時)や更新時であってもよいし、精度情報の学習機能をもたせてもよい。精度情報の学習機能をもたせる場合には、例えば、位置確定部10cで確定した現在位置とその際に用いたGPS測位情報が示す測位位置との差を誤差として、その現在位置における精度情報とすればよい。
この精度情報は、測位情報取得部13で取得した現在のGPS測位情報の信頼度を示す情報として利用でき、また移動体1の上方の視界の広さを表す指標であるため、移動体1の周囲の物体の多さや高さと関係があり、よって推定の容易さとも関係がある。従って、本実施形態における位置確定部10cは、上記精度情報に基づき重み付け係数を決定する。そして、このように精度情報に基づき重み付け係数を決定することは、現在位置の精度向上のために有益であると言える。
重み付け係数の決定に際しては、位置確定部10cは、精度情報が示す精度が増すに連れて測位位置の重みを重くするような(つまり測位位置の信頼度を上げるような)重み付けを行う。若しくは、位置確定部10cは、精度情報が示す精度が所定値(例えば最高値の50%)以上である場合、上記推定位置の重みを無くし(現在位置を測位位置に確定する)、精度がその所定値未満である場合、上記測位位置の重みを無くす(現在位置を推定位置に確定する)ように重み付けを行ってもよい。また、精度情報としては、精度が悪いことを示す「0」と精度が良いことを示す「1」の2値のみを採用し、前者の場合には推定位置に確定し、後者の場合には測位位置に確定するようにしてもよい。
なお、上記精度情報は、第1〜第5の実施形態で説明したような重み付け係数の決定条件に加える決定条件であると言える。但し、決定の手順は問わず、例えば第1〜第5の実施形態で説明したような決定条件に従って重み付け係数を決定した後、精度情報に基づいてそれを修正するようにしてもよい。
(第8の実施形態)
第7の実施形態で説明した精度情報を用いた重み付け手法は、尤度を用いない場合にも適用できる。このような構成例を第8の実施形態として、簡単に説明する。
本実施形態に係る移動体は、第1又は第2の実施形態等で説明した移動体1と同様に、測位情報取得部13、記憶部14、物体認識部15、情報通信部16、相対位置算出部10a、及び位置推定部10bを備えるが、位置確定部10cの処理が若干異なる。
本実施形態における位置確定部10cは、位置推定部10bで求められた現在の推定位置とGPS測位情報が示す現在の測位位置とに対し、精度情報に応じた重み付け(重み付け係数の算出)を行い、移動体の現在位置を確定する。例えばGPS精度が高いことを精度情報が示していた場合には、測位位置側の重み付け係数を高くして推定位置側の重み付け係数を低くする。逆に、GPS精度が低いことを精度情報が示していた場合には、測位位置側の重み付け係数を低くして推定位置側の重み付け係数を高くする。本実施形態のように精度情報に基づき重み付けを実行することは、現在位置の精度向上のために有益であると言える。
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態との重複箇所の説明を基本的に省略するが、第1の実施形態で説明した様々な応用例が適用でき、また第2〜第5,第7のいずれの実施形態と併用することができる。
本実施形態に係る移動体は、位置推定部10bでの処理を除き、第1又は第2の実施形態等で説明した移動体1と同様である。位置確定部10cで用いる尤度は上述したように推定に使用した情報量に依存するため、本実施形態における位置推定部10bでは、この尤度を地図情報14aにおける物体情報の信頼度に応じて決定する。その他の点は同様である。
例えばSLAMでは、情報量の多さが、地図上の各位置についての物体位置の精度を示す情報を指していると言えるが、これと同様の考え方で、本実施形態ではこの情報を物体情報の信頼度(確度)を示す情報として取り扱う。そして、この物体情報の信頼度は、例えば、元々記憶部14に格納されていた地図情報14aの物体情報に比べて、飛行体取得情報で更新した部分の物体情報を信頼度が高いとし、そこに含まれる物体を用いて推定した場合に尤度を高く設定すればよい。また、実際に移動体1の物体認識部15で認識させて得た物体情報の方を、飛行体取得情報で得た物体情報に比べて信頼度が高いように取り扱ってもよい。
(第10の実施形態)
本発明の第10の実施形態について、図7を参照しながら説明する。図7は、本実施形態に係る移動体と自律飛行体の一構成例を示すブロック図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態との重複箇所の説明を基本的に省略するが、第1の実施形態で説明した様々な応用例が適用でき、また第2〜第9のいずれの実施形態と併用することができる。
第1,第2の実施形態等では、移動体1が自律走行装置である例を挙げて説明した。図7で例示する本実施形態に係る移動体7は、図1の各部11〜16に加え、運転者による運転操作を受け付ける操作部71と、位置確定部10cで確定された現在位置に基づき、地図情報14aが示す地図上でのナビゲーションを行うナビゲーション部72と、を備える。操作部71は、ハンドルやアクセル、ブレーキなどで構成される。
ナビゲーション部72は、例えば、図4で例示した地図40のような地図を表示させ(但し、移動体の位置は現在位置の一か所)、例えば運転者や同乗者が事前に登録した目的地に向かうように(目的地への予定走行経路に沿うように)、音声及びルート表示により案内すればよい。よって、ナビゲーション部72は、画像表示部及び/又は音声出力部を備える。なお、本実施形態においても、自律走行機能をもたせてもよく、その場合、自律走行を運転者の運転で補う、若しくは運転者の運転の不備を自律走行で補うようにすればよい。
(その他)
第1〜第10の実施形態では、自律飛行体2等の飛行体で物体情報等を取得することを前提とした。しかし、実際に販売や流通させる移動体としては、地図情報として予め記憶部に格納された地図情報(或いは実際に物体認識部15で取得した物体情報を加えた地図情報)のみを使用する移動体、つまり飛行体からの直接又は間接的な情報の受信を行う情報受信部等の飛行体に関連する部位を設けない移動体を採用してもよい。また、このような移動体においても、本発明に係る移動体において飛行取得情報を元に蓄積した地図情報を記憶させて利用することもできる。
1,1a,1b,1c,7…移動体、2,2a,2b…自律飛行体、10…主制御部、10a…相対位置算出部、10b…位置推定部、10c…位置確定部、10d…重み付け係数算出部、10e…重み付け実行部、11…駆動制御部、12…駆動部、12a…車輪、13…測位情報取得部、14…記憶部、14a…地図情報、15…物体認識部、16…情報通信部、17…本体、31a,31b,31c,31d,31e…物体、32…道路、33a,33b,33c…緯度経度、34…予定飛行経路、40…地図、50…画像、51…上空領域、61…GPS信号受信部、62…GPS座標算出部、63…DOP値算出部、64…位置座標推定部、65…尤度算出部、71…操作部、72…ナビゲーション部。

Claims (17)

  1. 衛星測位システムで測位した測位位置を示す測位情報を取得する測位情報取得部と、情報受信部と、を備えた移動体であって、
    複数の固定された物体の位置を示す物体情報を含む地図情報を記憶する記憶部と、
    前記物体を認識する物体認識部と、
    前記物体情報と該物体認識部での認識結果とに基づき前記物体に対する前記移動体の現在の相対位置を算出する相対位置算出部と、
    前記地図情報が示す地図上において、前記物体認識部で認識された前記物体の位置を検索して推定し、前記相対位置が示す前記移動体の前記地図上での現在の推定位置を求める位置推定部と、
    前記位置推定部で求められた現在の前記推定位置と前記測位情報が示す現在の前記測位位置とに対し、前記位置推定部での推定の尤度に応じた重み付けを行い、前記移動体の現在位置を確定する位置確定部と、
    を備え、
    前記物体情報は、前記衛星測位システムによる測位機能を有する飛行体で認識された前記物体についての位置を示す、前記情報受信部で受信した飛行体取得情報を含むことを特徴とする移動体。
  2. 前記情報受信部は、無線通信路を経由して前記飛行体取得情報を受信することを特徴とする請求項1に記載の移動体。
  3. 前記飛行体取得情報は、前記飛行体が予め設定された予定飛行経路で飛行して取得した情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体。
  4. 前記移動体の進行方向を検知する検知部と、前記飛行体に対し、前記検知部で検知された進行方向を示す方向情報を、前記飛行体の進むべき進行方向を示す情報として無線通信路を介して送信する情報送信部と、を備え、
    前記飛行体取得情報は、前記飛行体が前記方向情報に従って飛行して取得した情報であることを特徴とする請求項2に記載の移動体。
  5. 前記飛行体を離着陸させるためのエアポートを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動体。
  6. 前記位置確定部は、前記尤度が増すに連れて前記測位位置の重みを軽くするような重み付けを行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動体。
  7. 前記位置確定部は、前記尤度が所定値以上である場合、前記測位位置の重みを無くし、前記尤度が前記所定値未満である場合、前記推定位置の重みを無くすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動体。
  8. 前記位置推定部は、前記物体認識部で認識された前記物体の位置を検索するに際し、直前に前記位置確定部で確定された前記現在位置に基づき検索開始範囲及び/又は検索範囲を決定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の移動体。
  9. 前記物体情報は、前記物体認識部で事前に認識させた前記物体についての位置を示す情報を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の移動体。
  10. 前記物体情報は、前記物体についての高さを示す情報を含み、
    前記位置推定部は、前記推定位置の推定に使用した前記物体の高さが高い程、前記尤度を上げることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の移動体。
  11. 前記高さを示す情報は、前記飛行体取得情報の一部として取得された情報を含むことを特徴とする請求項10に記載の移動体。
  12. 前記物体認識部は、前記移動体の上空方向の視界の広さを検出し、
    前記位置推定部は、前記物体認識部で検出された前記視界の広さが狭い程、前記尤度を上げることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の移動体。
  13. 前記位置確定部は、前記測位情報に含まれる或いは前記測位情報から算出される、測位に使用した衛星の数及び配置を示す情報に基づき、前記重み付けの係数を決定することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の移動体。
  14. 前記地図情報は、前記測位情報取得部で取得できる前記測位情報の精度が所定精度より悪くなる領域を示す精度情報を含み、
    前記位置確定部は、前記精度情報に基づき前記重み付けの係数を決定することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の移動体。
  15. 前記記憶部は、前記地図情報の一部として前記移動体の予定走行経路を記憶し、
    前記移動体は、前記位置確定部で確定された前記現在位置に基づき、前記予定走行経路に沿った自律走行を行う駆動制御部を備えた自律走行装置であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の移動体。
  16. 運転者による運転操作を受け付ける操作部と、前記位置確定部で確定された前記現在位置に基づき、前記地図上でのナビゲーションを行うナビゲーション部と、を備えたことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の移動体。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の移動体と、前記衛星測位システムによる測位機能及び前記物体を認識する物体認識機能を有する飛行体と、を備え、前記移動体の現在位置を確定するシステム。
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