JP6380255B2 - 銀被覆銅系微粒子とその製造方法、および、銀被覆銅系微粒子分散液とその製造方法 - Google Patents
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本発明の銀被覆銅系微粒子は、少なくとも表面層が酸化されている銅または銅合金微粒子からなる銅系微粒子と、該銅系微粒子の少なくとも一部を被覆する銀被膜とから構成される。また、この銀被覆銅系微粒子において、銅に対する銀の割合が10質量%〜50質量%であり、平均粒径(d)が10nm〜100nmであり、かつ、平均粒径(d)に対する粒径の標準偏差(σ)の比によって定義される相対標準偏差(σ/d)が60%以下であることがその特徴となる。
a)銅系微粒子
本発明の銀被覆銅系微粒子の本体部は、銅系微粒子、すなわち、少なくとも表面層が酸化されている銅または銅合金微粒子によって構成される。より具体的には、銅系微粒子には、その全体が酸化銅からなる微粒子のほか、少なくとも表面層が酸化銅によって構成される銅微粒子、および、少なくとも表面層が酸化された銅合金微粒子が含まれる。このように少なくとも表面層が酸化された構造の銅系微粒子を本体部として用いることにより、銀被覆銅系微粒子を含む分散液を、大気雰囲気を含む酸化性雰囲気において焼成した場合であっても、銅系微粒子のさらなる酸化や銅系微粒子からの銅の溶出を防止することができる。
銀被膜は、銅系微粒子の表面に存在する酸化銅の一部が銀と置換することによって形成され、銀(Ag)の形態で存在する。この銀被膜は、銅系微粒子の表面全体を被覆している必要はなく、銅系微粒子の表面の少なくとも一部を被覆していればよい。
本発明においては、銀被覆銅系微粒子の表面に、水溶性高分子が吸着していることが好ましい。このような構成を採ることにより、水溶性高分子の立体障害に起因して、分散液中における銀被覆銅系微粒子の凝集が抑制される。すなわち、水溶性高分子は、分散剤として機能し、分散液中における銀被覆銅系微粒子の分散安定性の向上に寄与する。
本発明では、銀被覆銅系微粒子を含む分散液の基板に対する濡れ性の観点から、銀被覆銅系微粒子に所定量のハロゲン元素が含まれていることが好ましい。この場合、銀被覆銅系微粒子中のハロゲン元素の割合は、1質量ppm〜50質量ppmの範囲に、好ましくは1質量ppm〜30質量ppmの範囲に調整される。ハロゲン元素の含有量が1質量ppm未満では、銀被覆銅系微粒子のイオン性や親水性が著しく低下し、塗布時に基板になじまなくなるため、この銀被覆銅系微粒子を含む分散液を用いて導電膜を形成した場合に、その体積抵抗率が増大してしまうおそれがある。一方、ハロゲン元素の含有量が50質量ppmを超えると、この銀被覆銅系微粒子を含む分散液を用いて導電膜を形成した場合に、これと接触する電子部品を腐食させる可能性がある。また、低温焼結性が阻害され、体積抵抗率の低減効果が得られない可能性がある。
銀被覆銅系微粒子の平均粒径は、10nm〜100nmの範囲にあることが必要で、好ましくは10nm〜70nmの範囲、より好ましくは10nm〜50nmの範囲である。これにより、銀被覆銅系微粒子の焼結温度を低温化することができ、優れた低温焼結性が実現される。これに対して、その平均粒径が10nm未満である場合には、銀被覆銅系微粒子の表面積が増大するため、銀被覆による効果を十分に得ることができないばかりでなく、その耐酸化性が低下してしまう。一方、平均粒径が100nmを超えると、たとえばインクジェットプリンタを用いて銀被覆銅系微粒子を含む分散液を塗布する場合に、その吐出の際にインクジェットプリンタのノズルが閉塞してしまうおそれがある。また、上述の水溶性高分子を吸着させたとしても、凝集を抑制しにくくなり、分散液中での分散安定性が低下するおそれがある。
相対標準偏差は、銀被覆銅系微粒子の粒径のばらつきの指標となるものであり、銀被覆銅系微粒子の平均粒径(d)に対する、銀被覆銅系微粒子の粒径の標準偏差(σ)の比(標準偏差σ/平均粒径d)によって定義される。本発明において、銀被覆銅系微粒子の粒径に関する相対標準偏差(σ/d)は、60%以下であることが必要であり、好ましくは55%以下、より好ましくは50%以下である。相対標準偏差が60%を超えると、10nm未満または100nmを超える銀被覆銅系微粒子の割合が多くなるため、耐酸化性の低下やノズルの閉塞などの問題が生じる。
(1)溶媒
本発明の銀被覆銅系微粒子分散液は、上述した銀被覆銅系微粒子と溶媒とから構成され、溶媒が、特定の極性溶媒を主成分とし、グリコールを含むことを特徴とする。ここで、特定の極性溶媒を主成分とするということは、溶媒中における特定の極性溶媒の含有量が30質量%以上、好ましくは50質量%以上であることを意味する。
本発明の銀被覆銅系微粒子分散液は、大気雰囲気において低温焼成した場合であっても、良好な導電性を示す。具体的には、本発明の銀被覆銅系微粒子分散液を基板上に塗布し、乾燥した後、大気雰囲気において、200℃で1時間焼成した導電膜を得た場合に、該導電膜の体積抵抗率ρvを40μΩ・cm以下、好ましくは35μΩ・cm以下とすることができる。ただし、本発明の銀被覆銅系微粒子分散液は、焼成時の雰囲気が大気雰囲気に制限されることはなく、窒素ガスなどの不活性雰囲気下で低温焼成した場合であっても、同程度の体積抵抗率(ρv)を達成することも可能である。
本発明の銀被覆銅系微粒子の製造方法は、平均粒径(d)が10nm〜100nmであり、かつ、平均粒径(d)に対する標準偏差(σ)の比によって定義される、銀被覆銅系微粒子の粒径に関する相対標準偏差(σ/d)が60%以下である銅系微粒子を含む銅系微粒子分散液に、この銅系微粒子分散液中の銅に対する銀の割合が10質量%〜50質量%となるように銀イオン含有溶液を添加し、置換反応によって、銀を銅系微粒子の表面に析出させることを特徴とする。
本発明の銀被覆銅系微粒子の製造方法では、銅系微粒子分散液として、平均粒径(d)が10nm〜100nmであり、かつ、平均粒径(d)に対する標準偏差(σ)の比によって定義される相対標準偏差(σ/d)が60%以下である銅系微粒子が分散した銅系微粒子分散液を使用する。
上述した銅系微粒子分散液のうち、市販の酸化銅微粒子分散液や市販の酸化銅微粒子を溶媒中に分散させた分散液以外のものを使用する場合、銅微粒子または銅合金微粒子を酸化させることが必要となる。酸化手段は、特に制限されることなく、公知の手段を利用することができる。たとえば、ポリオール法により得られた銅微粒子を含む溶媒中に、空気や酸素を吹き込むことにより銅微粒子を酸化させることができる。また、得られた銅微粒子をろ過および乾燥した後、酸化性雰囲気において焼成することにより、銅微粒子を酸化させることもできる。これらの手段は、銅合金微粒子の酸化にも適用できる。いずれの場合も、銅微粒子または銅合金微粒子を完全に酸化させて、全体が酸化銅または銅合金酸化物により構成された微粒子とすることもできるが、銅微粒子または銅合金微粒子を完全に酸化させる必要はなく、少なくとも銅微粒子または銅合金微粒子の表面を酸化すれば十分である。これは、銅微粒子の表面層が酸化銅によって構成されていたり、銅合金微粒子の表面層が銅合金酸化物によって構成されたりさえしていれば、これらの微粒子のそれ以上の酸化は抑制され、かつ、これらの微粒子からの銅の溶出を防止することが可能となるからである。
ポリオール法などにより銅微粒子または銅合金微粒子を得た後、銅微粒子または銅合金微粒子を含む溶媒中に酸素や空気を吹き込むことにより、銅微粒子または銅合金微粒子を酸化させて、銅系微粒子分散液を形成した場合、次工程において、この銅系微粒子分散液をそのまま銀イオン含有溶液と混合することができる。ただし、このような銅系微粒子分散液には、不純物や余剰の水溶性高分子が含まれていると考えられる。このため、この銅系微粒子分散液から銅系微粒子を含むスラリーを分離し、このスラリーを極性溶媒で希釈し、洗浄することが好ましい。このような処理により、得られた銅系微粒子分散液を用いて形成した導電膜において、体積抵抗率などに悪影響を及ぼす不純物や余剰の水溶性高分子を、銅系微粒子分散液から除去することができる。
銅系微粒子分散液の溶媒としては、上述した銀被覆銅系微粒子分散液と同様に、水、アルコール、およびエステルの群から選択される少なくとも1種、好ましくは、水およびエタノールの群から選択される少なくとも1種を主成分とし、グリコール、好ましくは、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、およびトリエチレングリコール(TEG)の群から選択される少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。
銅系微粒子分散液は、分散剤として、水溶性高分子をさらに含むことが好ましい。銅系微粒子分散液中で、水溶性高分子は、銅系微粒子の表面に吸着し、その立体障害によって銅系微粒子同士の凝集を抑制するため、銅系微粒子の分散安定性をより向上させることができる。このような水溶性高分子としては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルピロリドン(PVP)、およびポリアリルアミン(PAA)の群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
銀イオン含有溶液としては、銀、または、硝酸銀、炭酸銀、塩化銀などの銀化合物を、水、アンモニア水、硝酸などの溶媒に溶解した溶液を用いることができる。また、銀イオン含有溶液には、銅系微粒子の表面に銀を均一に析出させる観点から、錯化剤を添加してもよい。このような錯化剤としては、特に制限されることはなく、たとえば、亜硫酸塩や、コハク酸イミド、ヒダントイン、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸などの窒素含有化合物を用いることができる。
a)置換反応
本発明の銀被覆銅系微粒子の製造方法では、上述の銅系微粒子に、銀イオン含有溶液を添加し、置換反応によって、銀を銅系微粒子の表面に析出させることが必要となる。
上述のようにして得られた銀被覆銅系微粒子を含む分散液を固液分離し、洗浄した後、乾燥することにより、銀被覆銅系微粒子を得ることができる。なお、固液分離、洗浄、および乾燥するための手段は、特に制限されることなく、公知の技術を利用することができる。
本発明の銀被覆銅系微粒子の製造方法では、銅系微粒子および銀被覆銅系微粒子に対して、上述した洗浄を的確に行うことで、ハロゲン元素の含有量を1質量ppm〜50質量ppmの範囲に制御することができる。ただし、より厳格にハロゲン元素の含有量を管理するためには、銀被覆銅系微粒子の原料となる、銅微粒子、銅合金微粒子、および銅系微粒子の銅成分、水などの極性溶媒、グリコール、水溶性高分子、ヒドロキシカルボン酸などに含まれるハロゲン元素の含有量を、合計で1質量ppm〜50質量ppmの範囲に制御することが好ましい。
(1)銀被覆銅系微粒子分散液の製造方法
本発明の銀被覆銅系微粒子分散液は、上述した銀被覆銅系微粒子を、水、アルコール、およびエステルの群から選択される少なくとも1種を主成分とし、グリコールを含む溶媒に分散させることにより製造することができる。しかしながら、この方法では、置換反応によって得られた銀被覆銅系微粒子を含む分散液から銀被覆銅系微粒子を固液分離し、洗浄および乾燥した後、再度、所定の溶媒中に分散させることが必要となるため、銀被覆銅系微粒子分散液の生産性に劣るという問題がある。このため、上述した銀被覆銅系微粒子の製造工程において、置換反応後の銀被覆銅系微粒子を含む分散液を、そのまま、本発明の銀被覆銅系微粒子分散液とすることが好ましい。
上述した置換反応後の銀被覆銅系微粒子を含む分散液には、未反応の銀イオンや置換された銅イオン(以下、「余剰イオン」という)および不純物が含まれていると考えられる。分散液中に、これらの余剰イオンや不純物が存在すると、銀被覆銅系微粒子の凝集が引き起こされる場合がある。このため、本発明の銀被覆銅系微粒子分散液の製造方法としては、上述した置換反応後の銀被覆銅系微粒子を含む水溶液に極性溶媒を加えて希釈した後、公知の洗浄方法によって溶媒置換および濃縮を1回ないしは複数回行い、余剰イオンや不純物の含有量を低減することが好ましい。
a)銅系微粒子分散液a
はじめに、ポリオール法を利用して、銅系微粒子分散液aを作製した。
銅系微粒子分散液を作製する際に、1LのEGに、100gのCu2O粉末と、40gのPVPおよび1.5gのポリエチレンイミン(PEI)を添加して、窒素ガスを吹き込みながら撹拌したこと以外は、銅系微粒子分散液のaの場合と同様にして、平均粒径(d)が18nm、相対標準偏差(σ/d)が45%であり、Cu2Oからなる層厚5nm(平均粒径(d)の約27%)である表面層を備えた銅系微粒子が凝集なく分散した、銅系微粒子分散液bを作製した。
平均粒径が10nmの酸化第二銅(CuO、住友金属鉱山株式会社製)と、純水とEGと、体積比で、純水:EG=8:1となるように混合した溶媒1Lと、クエン酸10gと、PEI10gとを、ホモジナイザー(日本精機株式会社製、US−300T)および高圧乳化装置(株式会社スギノマシン製)を用いて混合し、酸化銅微粒子からなり、平均粒径が12nm、相対標準偏差(σ/d)が60%である銅系微粒子が凝集なく分散した、銅系微粒子分散液cを作製した。
平均粒径が300nm、相対標準偏差σ/dが22%、BET比表面積が3.1m2/gの球状酸化第二銅(CuO、試薬:和光純薬工業株式会社製)粉末100gを純水1L中に懸濁させ、超音波洗浄器(アズワン株式会社製、US−3R)中で10分間分散させることにより、酸化銅微粒子からなり、平均粒径が300nm、相対標準偏差(σ/d)が60%である銅系微粒子が凝集なく分散した、銅系微粒子分散液dを作製した。
[銀被覆銅系微粒子分散液の作製]
銅系微粒子分散液aに、純水とEGを、体積比で、純水:EG=8:1となるように混合した溶媒1Lに、クエン酸10g(約1質量%)を添加することで作製した洗浄液を添加して、その総量が1Lとなるように調整した。続いて、この銅系微粒子分散液を撹拌しながら、20mL/分で、1質量%(銀イオン濃度:7.00g/L)の硝酸銀水溶液2650mLを定量添加した。添加終了後、10分間ほど撹拌を継続し、この状態を保持することで、銅系微粒子の表面における銅と銀の置換反応を進行させ、銀被覆銅系微粒子を含む分散液を作製した。
a)平均粒径および相対標準偏差
得られた銀被覆銅系微粒子分散液の一部をろ過し、FE−SEMを用いて観察した結果、銀被覆銅系微粒子の凝集は見られなかった。また、この銀被覆銅系微粒子の平均粒径(d)は38nmであり、相対標準偏差(σ/d)は49%であった。
ICP発光分析法の結果、この銀被覆銅系微粒子分散液は、Cuを47質量%、Agを11質量%、Clを9質量ppm、酸素を4質量%含み、残部が、純水、EGおよびクエン酸からなること、および、この銀被覆銅系微粒子の、銅に対する銀の割合は23.4質量%であり、銅に対するハロゲン元素の割合は19質量ppmであった。
銀被覆銅系微粒子分散液中における銀被覆銅系微粒子の沈降状態を目視で観察することにより、その分散安定性を評価した。具体的には、銀被覆銅系微粒子が2ヶ月以上沈降しなかった場合を「優(◎)」、1ヶ月以上2ヶ月未満沈降しなかった場合を「良(○)」、1ヶ月経過する前に沈降が確認された場合を「不良(×)」と評価した。この結果、実施例1の銀被覆銅系微粒子分散液では、銀被覆銅系微粒子が2ヶ月以上沈降しなかった。
この銀被覆銅系微粒子分散液を、真空中において80℃で3時間乾燥させた後、窒素雰囲気中にて600℃までの熱重量分析を行ったところ、300℃〜600℃にかけて0.2質量%の質量減少が検出された。別途に実施した、クエン酸、PEI、PVPのそれぞれの熱重量分析結果から、クエン酸に関しては180℃付近から分解し始めて、300℃でほぼ完全に分解蒸発すること、ならびに、PEIおよびPVPに関しては300℃付近から分解し始めて、600℃でほぼ完全に分解蒸発し、炭素が固体として残留しないことが確認されている。このため、300℃〜600℃の質量減少は銅に吸着したPEIおよびPVPの分解に由来する質量減少であると考えられる。したがって、この銀被覆銅系微粒子に吸着している水溶性高分子量は0.2質量%と考えられる。
この銀被覆銅系微粒子分散液に焼成後の膜質向上を目的として、分散液に対して5質量%となるようにクエン酸を添加して、バーコーターによりガラス基板上にパターン印刷した。得られたパターンを、大気雰囲気中において、200℃で1時間熱処理した。このようにして得られた導電膜は、体積抵抗率が12μΩ・cmであった。なお、導電膜の体積抵抗率は、SEM(日本電子株式会社製、JSM−6360LA)を用いて基板の断面を観察することにより測定した膜厚と、抵抗率計(株式会社ダイアンインスツルメンツ製、ロレスターGP)により測定した表面抵抗率に基づいて算出した。以上の結果を表3に示す。
1質量%の硝酸銀水溶液の添加量を4600mLとしたこと以外は、実施例1と同様にして、銀被覆銅系微粒子および銀被覆銅系微粒子分散液、並びに導電膜を作製して、その評価を行った。この結果を表3に示す。
1質量%の硝酸銀溶液の代わりに、1質量%(銀イオン濃度:8.25g/L)の塩化銀のアンモニア水溶解液を使用したこと、および、その添加量を5500mLとしたこと以外は、実施例1と同様にして、銀被覆銅系微粒子および銀複銅系微粒子分散液、並びに導電膜を作製して、その評価を行った。この結果を表3に示す。
銅系微粒子分散液bを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、銀被覆銅系微粒子および銀被覆銅系微粒子分散液、並びに導電膜を作製して、その評価を行った。この結果を表3に示す。
銅系微粒子分散液cを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、銀被覆銅系微粒子および新被覆銅系微粒子分散液、並びに導電膜を作製して、その評価を行った。この結果を表3に示す。
1質量%の硝酸銀溶液の代わりに、1質量%の塩化銀のアンモニア水溶解液を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、銀被覆銅系微粒子および銀被覆銅系微粒子分散液、並びに導電膜を作製して、その評価を行った。この結果を表3に示す。
銅系微粒子分散液aに対して、上記a)〜d)の評価を行った。また、銅系微粒子分散液aを用いて導電膜を作製し、上記e)の評価を行った。この結果を表3に示す。
1質量%の硝酸銀水溶液の添加量を600mLとしたこと以外は、実施例1と同様にして、銀被覆銅系微粒子および銀被覆銅系微粒子分散液、並びに導電膜を作製して、その評価を行った。この結果を表3に示す。
1質量%の硝酸銀水溶液の添加量を6500mLとしたこと以外は、実施例1と同様にして、銀被覆銅系微粒子および銀被覆銅系微粒子分散液、並びに導電膜を作製して、その評価を行った。この結果を表3に示す。
1質量%の塩化銀のアンモニア水溶解液を5秒で全量添加したこと(添加速度:31800mL/分)、および、添加終了後の攪拌時間を3分程度としたこと以外は、実施例6と同様にして、銀被覆銅系微粒子および銀被覆銅系微粒子分散液、並びに導電膜を作製して、その評価を行った。この結果を表3に示す。
1質量%の塩化銀のアンモニア水溶解液の添加速度を5mL/分としたこと以外は、実施例6と同様にして、銀被覆銅系微粒子および銀被覆銅系微粒子分散液、並びに導電膜を作製して、その評価を行った。この結果を表3に示す。
銅系微粒子分散液dを撹拌しながら、20mL/分で、1質量%の硝酸銀水溶液4700mLを定量添加した。添加終了後、10分間ほど撹拌を継続し、この状態を保持することで、銅系微粒子の表面における銅と銀の置換反応を進行させ、銀被覆銅系微粒子を含む分散液を作製した。
表1〜3より、実施例1〜6の銀被覆銅系微粒子分散液は、銀によって被覆されていない銅系微粒子を用いた比較例1の銅系微粒子分散液や、銀による被覆量が所定の範囲にない比較例2および3の銀被覆銅系微粒子分散液と比べて、大気雰囲気において低温焼成した場合であっても、得られる導電膜の体積抵抗率を大幅に低減可能であることが確認される。
Claims (17)
- 少なくとも表面層が酸化されている銅または銅合金微粒子からなる銅系微粒子と、該銅系微粒子の少なくとも一部を被覆する銀被膜とを備え、平均粒径が10nm〜100nmであり、該平均粒径に対する標準偏差の比によって定義される相対標準偏差が60%以下であり、かつ、銅に対する銀の割合が10質量%〜50質量%である、銀被覆銅系微粒子。
- 前記銅系微粒子全体または前記銅系微粒子の前記表面層が、CuOからなる、請求項1に記載の銀被覆銅系微粒子。
- ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、およびポリアリルアミンの群から選択される少なくとも1種の水溶性高分子が粒子表面に吸着している、請求項1または2に記載の銀被覆銅系微粒子。
- 前記水溶性高分子の吸着量は、炭素換算で1.0質量%以下である、請求項3に記載の銀被覆銅系微粒子。
- ハロゲン元素をさらに含み、前記銀被覆銅系微粒子中の銅に対するハロゲン元素の割合が1質量ppm〜50質量ppmである、請求項1〜4のいずれかに記載の銀被覆銅系微粒子。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の銀被覆銅系微粒子と溶媒とからなり、該溶媒が、水、アルコール、およびエステルの群から選択される少なくとも1種を主成分とし、グリコールを含む、銀被覆銅系微粒子分散液。
- 前記溶媒の主成分は、水およびエタノールの群から選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の銀被覆銅系微粒子分散液。
- 前記グリコールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、およびトリエチレングリコールの群から選択される少なくとも1種である、請求項6または7に銀被覆銅系微粒子分散液。
- 前記溶媒は、ヒドロキシカルボン酸をさらに含む、請求項6〜8のいずれかに記載の銀被覆銅系微粒子分散液。
- 前記ヒドロキシカルボン酸がクエン酸である、請求項9に記載の銀被覆銅系微粒子分散液。
- 基板に塗布後、大気雰囲気において200℃で1時間焼成して導電膜を得た場合に、該導電膜の体積抵抗率が40μΩ・cm以下となる、請求項6〜10のいずれかに記載の銀被覆銅系微粒子分散液。
- 少なくとも表面層が酸化されている銅または銅合金微粒子からなり、平均粒径が10nm〜100nmであり、かつ、該平均粒径に対する標準偏差の比によって定義される相対標準偏差が60%以下である銅系微粒子およびヒドロキシカルボン酸を含む銅系微粒子分散液に、該銅系微粒子分散液中の銅に対する銀の割合が10質量%〜50質量%となるように銀イオン含有溶液を添加し、置換反応によって、銀を銅系微粒子の表面に析出させる、銀被覆銅系微粒子の製造方法。
- 前記銅系微粒子分散液の溶媒として、水およびエタノールの群から選択される少なくとも1種を主成分とし、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールの群から選択される少なくとも1種を含む溶液を用いる、請求項12に記載の銀被覆銅系微粒子の製造方法。
- 前記銅系微粒子分散液は、分散剤として、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンおよびポリアリルアミンの群から選択される少なくとも1種の水溶性高分子を含む、請求項12または13に記載の銀被覆銅系微粒子の製造方法。
- 前記ヒドロキシカルボン酸がクエン酸である、請求項12〜14のいずれかに記載の銀被覆銅系微粒子の製造方法。
- 少なくとも表面層が酸化されている銅または銅合金微粒子からなり、平均粒径が10nm〜100nmであり、かつ、該平均粒径に対する標準偏差の比によって定義される相対標準偏差が60%以下である銅系微粒子およびヒドロキシカルボン酸を含む銅系微粒子分散液に、該銅系微粒子分散液中の銅に対する銀の割合が10質量%〜50質量%となるように銀イオン含有溶液を添加し、置換反応によって、銀を銅系微粒子の表面に析出させる、銀被覆銅系微粒子分散液の製造方法。
- 前記置換反応後の銀被覆銅系微粒子を含む分散液に、水およびエタノールの群から選択される少なくとも1種を主成分とし、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールの群から選択される少なくとも1種を含む溶媒を添加し、溶媒置換および濃縮することにより、該銀被覆銅系微粒子を含む分散液中の余剰イオンを洗浄除去する洗浄工程をさらに備える、請求項16に記載の銀被覆銅系微粒子の製造方法。
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