JP6379829B2 - 硬化性樹脂組成物及び硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物及び硬化物に関する。
従来、透明性が要求される光学デバイス又は光学部品には、一般的にエポキシ樹脂が用いられているが、近年、より高い透明性が求められている。また、光学部品の小型化による発熱量の増加に伴い、LEDパッケージ等において、エポキシ樹脂の熱による黄変、クラック等の問題が表面化しており(例えば、特許文献1参照)、対応が急務となっている。
エポキシ樹脂に代わり、耐熱性に優れるシリコーン樹脂を透明耐熱材として用いることが試みられている(例えば、特許文献2参照)が、実際上の使用例は少ない。またシリコーン樹脂は、Si−O結合長がC−C結合長に比較して長いため、気密性に劣るという問題がある(例えば、特許文献3参照)。
特開2009−280768号公報 特開平10−228249号公報 特開2012−41496号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、透明性、耐熱性及び気密性に優れる硬化性樹脂組成物、並びにその樹脂硬化物を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
<1> (A)下記一般式(I)で表される構造単位を主鎖に含むポリケトン、(B)アクリル単量体、及び(C)重合開始剤を含有する硬化性樹脂組成物。
一般式(I)中、Xは炭素数1〜50の2価の基を示し、Yは炭素数1〜30の2価の炭化水素基を示し、nは3〜1000の整数を示す。
<2> 前記一般式(I)において、Xが、芳香環を含む炭素数6〜50の2価の基である、前記<1>に記載の硬化性樹脂組成物。
<3> 前記一般式(I)において、Xが、複数の芳香環を含み、前記複数の芳香環は水酸基を有さず且つ相互に非共役であるか相互の共役関係が弱い2価の基である、前記<1>又は<2>に記載の硬化性樹脂組成物。
<4> 前記一般式(I)において、Xの炭素数が12〜50である、前記<3>に記載の硬化性樹脂組成物。
<5> 前記一般式(I)において、Xが、下記一般式(II−1)〜(II−3)のいずれか1つで表される2価の基である、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
一般式(II−1)中、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。
一般式(II−2)中、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Zは酸素原子又は下記一般式(III)で表わされる2価の基を示す。
一般式(III)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。
一般式(II−3)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。
<6> 前記一般式(I)において、Yが、2価の飽和炭化水素基である、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
<7> 前記一般式(I)において、Yが、飽和脂環式炭化水素基を含む2価の炭化水素基である、前記<6>に記載の硬化性樹脂組成物。
<8> 前記一般式(I)において、Yの炭素数が6〜30である、前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
<9> 前記(B)アクリル単量体が、1個の(メタ)アクリロイル基と前記(メタ)アクリロイル基のエステル部における酸素原子に直接結合する直鎖又は分岐のアルキル基とを有する(メタ)アクリル酸エステル、及び1個又は2個以上の(メタ)アクリロイル基と前記(メタ)アクリロイル基のエステル部における酸素原子に脂肪族炭化水素基を介して結合する脂環基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選択される少なくとも1種を含む、前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
<10> 溶剤を更に含有する、前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
<11> 前記<1>〜<10>のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、樹脂硬化物。
本発明によれば、透明性、耐熱性、及び気密性に優れる硬化性樹脂組成物、並びにその樹脂硬化物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」とは、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又はそれに対応する「メタクリル」を意味する。(メタ)アクリロイル等の他の類似表現についても同様である。また、(メタ)アクリル酸エステルを(メタ)アクリレートと記載する場合もある。
本発明において「複数の芳香環は相互に非共役であるか、相互の共役関係が弱い」とは、2つの芳香環がエーテル結合若しくはメチレン結合を介していること、又は2,2’−置換ビフェニルのように適度にねじれていることで、芳香環どうしの共役が抑えられることをいう。
本発明において「透明性」とは、可視光の透過性、少なくとも波長400nmの可視光の透過性が80%以上(膜厚1μm換算)であることを意味する。
本発明において「耐熱性」とは、硬化性樹脂組成物を用いる光学部品において、透明樹脂部分の黄変及びクラックの発生が抑制されていることを意味する。
本発明において「気密性」とは、銀リードフレームを有するLEDパッケージを硬化性樹脂組成物で封止し、これを硫黄存在下に曝した場合に、銀リードフレーム部分の硫化が実質的に生じないことを意味する。
<硬化性樹脂組成物>
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、(A)下記一般式(I)で表される構造単位を主鎖に含むポリケトン(以下、「特定ポリケトン」ともいう)、(B)アクリル単量体、及び(C)重合開始剤を含有する。
一般式(I)中、Xは炭素数1〜50の2価の基を示し、Yは炭素数1〜30の2価の炭化水素基を示し、nは3〜1000の整数を示す。
特定ポリケトンは、主鎖にカルボニル基を含むため、耐熱性及び透明性に優れる。また、主鎖がほぼC−C結合で形成されること、極性基を有するために分子鎖間の凝集エネルギーが高いこと、及び硬化後の弾性率が高く、恐らくは結晶性が高いことにより、気密性に優れる。特定ポリケトンとアクリル単量体とを組み合わせることによって、熱硬化性及び流動性を確保しつつ、硬化後における高い透明性、高い耐熱性、及び高い気密性を実現することができる。
以下、各成分について説明する。
(A)ポリケトン
本実施形態で用いられる特定ポリケトンは、下記一般式(I)で表される構造単位を主鎖に含む。
一般式(I)中、Xは炭素数1〜50の2価の基を示す。Yは炭素数1〜30の2価の基を示す。nは3〜1000の整数を示す。
上記一般式(I)で表される構造単位において、Xは炭素数1〜50の2価の基であればその他は特に限定されないが、芳香環を含むことでより高い耐熱性を実現することができる。Xは、高い耐熱性を実現する観点から、芳香環を含む炭素数6〜50の2価の基であることが好ましい。尚、Xで表される2価の基は、置換基を有していてもよく、主鎖は炭化水素基であることが好ましい。
芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ナフタセン環、クリセン環、ピレン環、トリフェニレン環、ペンタセン環、ベンゾピレン環等が挙げられる。
更に、Xは、複数の芳香環を含み、前記複数の芳香環は水酸基を有さず且つ相互に非共役であるか相互の共役関係が弱い2価の基(以下、「特定芳香環基」ともいう)であることがより好ましい。これにより、ポリケトン合成時に低い反応温度で良好なジアシル化を実現することができ、分子量が高く耐熱性に優れるポリケトンとなる。特定芳香環基は、炭素数が12〜50であることが好ましい。
Xとしては、下記一般式(II−1)〜(II−3)で表される2価の基等が挙げられる。
一般式(II−1)中、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。波線を付した部分は、結合手を意味する。以降、同様である。
一般式(II−2)中、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Zは、酸素原子又は下記一般式(III)で表わされる2価の基を示す。
一般式(III)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。
一般式(II−3)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。
一般式(II−1)中、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜30の炭化水素基を示し、耐熱性の観点から、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基を示す。
で表される炭化水素基としては、飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基等が挙げられる。
で表される脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基等のシクロアルキル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基等が挙げられる。
で表される飽和脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、neo−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−イコサニル基、n−トリアコンタニル基等が挙げられる。また、飽和脂肪族炭化水素基の末端部分に上記脂環式炭化水素基が導入されたものが挙げられる。
で表される不飽和脂肪族炭化水素基としては、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、エチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。また、不飽和脂肪族炭化水素基の末端部分に上記脂環式炭化水素基が導入されたものが挙げられる。
一般式(II−1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、耐熱性の観点から、好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基を示す。このような炭化水素基としては、Rで例示したものと同様のものが挙げられる。また置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアシル基等が挙げられる。尚、炭化水素基が置換基を有する場合、炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数を含めないものとする。以降、同様である。
一般式(II−2)中、Rは、一般式(II−1)中のRと同様である。
一般式(III)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、耐熱性の観点から、好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基を示す。このような炭化水素基としては、Rで例示したものと同様のものが挙げられる。また置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアシル基等が挙げられる。
一般式(II−3)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示し、耐熱性の観点から、好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基を示す。このような炭化水素基としては、Rで例示したものと同様のものが挙げられる。また置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアシル基等が挙げられる。
一般式(I)で表される構造単位において、Yは炭素数1〜30の2価の基を示す。Yで表される2価の基は、炭素数が1〜30であり、耐熱性の観点から6〜30であることが好ましい。
また、Yで表される2価の基は、炭化水素基を含むことが好ましく、透明性の観点から、飽和炭化水素基を含むことが好ましい。飽和炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であっても、飽和脂環式炭化水素基であってもよい。より高い耐熱性と透明性の両立の観点から、Yで表される2価の基は、飽和脂環式炭化水素基を含むことが好ましい。また、嵩高い脂環式炭化水素基を含むと、高い耐熱性と透明性を維持したまま、(B)成分であるアクリル単量体及び溶剤への溶解性を持たせることができる。また、Yで表される2価の基は、複数の脂肪族炭化水素基、複数の脂環式炭化水素基、又はそれらを組み合わせてもよい。
飽和脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基、テトラメチレン基、n−メチルトリメチレン基、エチルエチレン基、ジメチルエチレン基、ペンチレン基、n−メチルテトラメチレン基、n−エチルトリメチレン基、n,n−ジメチルトリメチレン基、プロピルエチレン基、エチルメチルエチレン基、ヘキシレン基、n−メチルペンチレン基、n−エチルテトラメチレン基、n−プロピルトリメチレン基、ブチルエチレン基、n,n−ジメチルテトラメチレン基、トリメチルトリメチレン基、n,n−エチルメチルトリメチレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、イコサニレン基、トリアコンタニレン基等が挙げられる。
耐熱性の観点から、飽和脂肪族炭化水素基として、より好ましくは、ヘキシレン基、n−メチルペンチレン基、n−エチルテトラメチレン基、n−プロピルトリメチレン基、ブチルエチレン基、n,n−ジメチルテトラメチレン基、トリメチルトリメチレン基、n,n−エチルメチルトリメチレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、イコサニレン基、トリアコンタニレン基等が挙げられる。
飽和脂環式炭化水素基としては、シクロプロパン骨格、シクロブタン骨格、シクロペンタン骨格、シクロヘキサン骨格、シクロヘプタン骨格、シクロオクタン骨格、キュバン骨格、ノルボルナン骨格、トリシクロ[5.2.1.0]デカン骨格、アダマンタン骨格、ジアダマンタン骨格、ビシクロ[2.2.2]オクタン骨格等の2価の基が挙げられる。
耐熱性の観点から、飽和脂環式炭化水素基として、より好ましくは、シクロヘキサン骨格、シクロヘプタン骨格、シクロオクタン骨格、キュバン骨格、ノルボルナン骨格、トリシクロ[5.2.1.0]デカン骨格、アダマンタン骨格、ジアダマンタン骨格、ビシクロ[2.2.2]オクタン骨格等の2価の基が挙げられる。
本実施形態に係る特定ポリケトンは、公知の方法によって合成されたものを用いることができる。
本実施形態に係る特定ポリケトンの重量平均分子量(Mw)は、耐熱性及び気密性を維持する観点から、ポリスチレン換算の標準GPCで500以上であることが好ましく、より高い耐熱性と、アクリル単量体及び溶剤への溶解性の観点から、10000〜300000であることがより好ましい。更に高い耐熱性が必要な場合には、30000〜300000が好ましい。特定ポリケトンの重量平均分子量(Mw)は、実施例に記載の方法で測定した値をいう。
特定ポリケトンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(A)ポリケトンは、特定ポリケトン以外のポリケトンを含んでいてもよい。本発明の効果を奏する観点からは、(A)ポリケトンの総量中の特定ポリケトンの含有率は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
(A)ポリケトンの含有量は、(A)ポリケトン及び(B)アクリル単量体の総量100質量部に対して、耐熱性の観点から、好ましくは1質量部〜99質量部、より好ましくは5質量部〜99質量部であり、液状剤としての作業性向上の観点から、更に好ましくは5質量部〜90質量部である。
(B)アクリル単量体
本実施形態に係る(B)アクリル単量体としては、特に限定されず、例えば、(B1)直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル単量体、(B2)脂環基を有する(メタ)アクリル単量体、(B3)官能基を有する(メタ)アクリル単量体、及び(B4)多価(メタ)アクリル単量体、が挙げられる。
(B1)直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル単量体
直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル単量体は、エステル部に直鎖又は分岐のアルキル基を有し、1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。エステル部における直鎖又は分岐のアルキル基は、エステル部の酸素原子に直接結合していることが好ましい。
直鎖又は分岐のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。炭素数が20以下であると、低弾性率となる傾向にある。アクリル重合体の溶解性の観点から、直鎖又は分岐のアルキル基は、炭素数が2〜18であることがより好ましく、温度サイクル耐性の観点から、炭素数が4〜18であることが更に好ましい。低い温度で熱分解による質量減少が起こりにくく、劣化により着色が生じにくくなるという観点から、直鎖又は分岐のアルキル基は、直鎖又は3級炭素を有しない分岐アルキル基が好ましい。以上の観点から、エステル部に、炭素数が1〜20であり且つ直鎖又は3級炭素を有しない分岐アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。
エステル部に炭素数1〜20の直鎖又は3級炭素を有しない分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル等が挙げられる。
これらの中でも、硬化物としたときのクラックを防ぐ観点から、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル(アクリル酸ラウリル)、アクリル酸イソステアリル等がより好ましい。
(B2)脂環基を有する(メタ)アクリル単量体
脂環基を有する(メタ)アクリル単量体は、エステル部に脂環基を有し、1個又は2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。ここで、エステル部における脂環基は、エステル部の酸素原子に脂肪族炭化水素基を介して結合していることが好ましい。
脂環基としては、例えば、シクロアルカン、ビシクロアルカン、ノボラック化合物及びイソボルニル化合物が挙げられる。中でも、透明性を向上させる観点から、ビシクロアルカン又はノボラック化合物を用いることが好ましい。
エステル部に脂環基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニルメチル、(メタ)アクリル酸フェニルノルボルニル、(メタ)アクリル酸シアノノルボルニル、
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸メンチル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル、(メタ)アクリル酸シクロデシル等が挙げられる。
これらの中でも、透明性の観点から、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニルメチル、(メタ)アクリル酸フェニルノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸メンチル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸シクロデシル等が好ましい。
更に透明性向上の観点から、(メタ)アクリル酸シクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニルメチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル等がより好ましい。
脂環基を有する(メタ)アクリル単量体は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有してもよい。脂環基を有する多価(メタ)アクリル単量体としては、シクロヘキサン1,4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン1,3−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート(例えば、「KAYARAD R−684」日本化薬株式会社、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート)、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート(例えば、「A−DCP」新中村化学株式会社、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)が挙げられる。
(B3)官能基を有する(メタ)アクリル単量体
官能基を有する(メタ)アクリル単量体は、下記一般式(IV)および(V)に示すように、分子内に、カルボキシ基、ヒドロキシ基、酸無水物基、アミノ基、アミド基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル単量体であることが好ましい。

一般式(IV)および(V)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。Zはカルボキシ基、ヒドロキシ基、酸無水物基、アミノ基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する置換基又は水素原子を示す。Zはアミノ基を有する置換基または水素原子を示す。
官能基を有する(メタ)アクリル単量体としては、一般式(IV)において、Zがカルボキシ基を含む置換基である化合物、Zが水素原子である化合物、Zがヒドロキシ基を含む置換基である化合物、Zが酸無水物基を含む置換基である化合物、Zがアミノ基を含む置換基である化合物、Zがエポキシ基を含む置換基である化合物等が挙げられる。また一般式(V)において、Zが水素原子である化合物、Zがアミノ基を含む置換基である化合物等が挙げられる。
一般式(IV)において、Zがカルボキシ基を含む置換基である化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシ基含有(メタ)アクリル単量体が挙げられる。
一般式(IV)において、Zが水素原子である化合物としては、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸が挙げられる。
一般式(IV)において、Zがヒドロキシ基を含む置換基である化合物としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル単量体が挙げられる。
一般式(IV)において、Zが酸無水物基を含む置換基である化合物としては、無水トリメリット酸(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、シクロヘキサントリカルボン酸無水物(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル等の酸無水物基含有(メタ)アクリル単量体が挙げられる。
一般式(IV)において、Zがアミノ基を含む置換基である化合物としては、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル、メタクリル酸−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル等のアミノ基含有(メタ)アクリル単量体が挙げられる。
一般式(IV)において、Zがエポキシ基を含む置換基である化合物としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、2−(2,3−エポキシプロポキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(2,3−エポキシプロポキシ)ブチル(メタ)アクリレート、5−(2,3−エポキシプロポキシ)ペンチル(メタ)アクリレート、6−(2,3エポキシプロポキシ)ヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、(メタ)アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、(メタ)アクリル酸−β−メチルグリシジル、α−エチルアクリル酸−β−メチルグリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル単量体が挙げられる。
一般式(V)において、Zが水素原子である化合物としては、メタアクリルアミド等のアミド基含有(メタ)アクリル単量体が挙げられる。
一般式(V)において、Zがアミノ基を含む置換基である化合物としては、N−アクリロイルグリシンアミド等のアミド基含有(メタ)アクリル単量体が挙げられる。
これらのうち、官能基を有する(メタ)アクリル単量体としては、気密性の点でエポキシ基含有(メタ)アクリル単量体が好ましく、メタクリル酸グリシジルがより好ましい。
(B4)多価(メタ)アクリル単量体
多価(メタ)アクリル単量体は、(メタ)アクリロイル基を2個以上有するものであって、(B2)以外のものであれば特に制限されない。このような多価(メタ)アクリル単量体としては、ジオキサングリコール骨格を有する多価(メタ)アクリル単量体、官能基を有する多価(メタ)アクリル単量体等が挙げられる。
硬化物の透明性を向上させる観点から、ジオキサングリコール骨格を有する多価(メタ)アクリル単量体を用いることが好ましい。一方、硬化物のクラックを防ぐ観点からは、直鎖状骨格を有する多官能(メタ)アクリル単量体を用いることが好ましい。
多価(メタ)アクリル単量体としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート〔好ましくはポリエチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、より好ましくはエチレンオキサイド5〜15モル変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート〕、(ポリ)エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記の中では、硬化物の透過率向上の観点から、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、「KAYARAD R−604」日本化薬株式会社、ジオキサングリコールジアクリレート)等が好ましい。
(B)アクリル単量体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。(B)アクリル単量体としては、透明性の観点から、(B1)直鎖又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル単量体、及び(B2)脂環基を有する(メタ)アクリル単量体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
(B)アクリル単量体の含有量は、(A)ポリケトン及び(B)アクリル単量体の総量100質量部に対して、液状剤としての作業性向上の観点から、好ましくは1質量部〜99質量部、耐熱性の観点から、より好ましくは5質量部〜95質量部、更に好ましくは10質量部〜90質量部である。
(C)重合開始剤
本実施形態に係る(C)重合開始剤は、(C1)熱重合開始剤及び(C2)光重合開始剤から選択される少なくとも1種を用いることができる。これらは組み合わせて用いてもよい。これにより、熱硬化性樹脂組成物としてだけでなく、光硬化性樹脂組成物としても設計することが可能となり、例えば、露光工程を採用することで、硬化時間の短縮を図ることが可能である。
(C1)熱重合開始剤としては、ジラウロイルペルオキシド(例えば、「パーロイルL」日油株式会社)、1,1,3,3−トリメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート(例えば、「パーオクタO」日油株式会社)、ベンゾイルペルオキシド(例えば、「ナイパーBW」日油株式会社)、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン(例えば、「パーヘキサHC」日油株式会社)、t−ブチルクミルパーオキサイド(例えば、「パーブチルC」日油株式会社)、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート(例えば、「パーヘキサV」日油株式会社)、ジクミルパーオキサイド(例えば、「パークミルD」日油株式会社)等の過酸化物等が挙げられる。
尚、(C1)熱重合開始剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C1)熱重合開始剤の含有量は、添加による効果と、アウトガス量及び保存安定性の兼ね合いから、(A)ポリケトン及び(B)アクリル単量体の総量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜30質量部、より好ましくは0.2質量部〜20質量部、更に好ましくは0.5質量部〜10質量部である。
(C2)光重合開始剤としては、アシルフォスフィンオキサイド化合物、オキシムエステル化合物、芳香族ケトン化合物、キノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、ベンジル誘導体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、アクリジン誘導体、クマリン化合物、N−フェニルグリシン誘導体等が挙げられる。尚、本実施形態で用いる光重合開始剤は、常法によって合成してもよく、市販のものを入手してもよい。
これらの中でも、光硬化性の向上、高感度化、及び硬化膜の透明性の観点から、アシルフォスフィンオキサイド、オキシムエステル化合物及び芳香族ケトンが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(例えば、「IRGACURE−819」BASF社)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(例えば、「LUCIRIN TPO」BASF社)等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−2−(O−ベンゾイルオキシム)(例えば、「IRGACURE−OXE01」BASF社)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(O−アセチルオキシム)(例えば、「IRGACURE−OXE02」BASF社)、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[o−(エトキシカルボニル)オキシム](例えば、「Quantacure−PDO」日本化薬株式会社)等が挙げられる。
芳香族ケトン化合物としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(例えば、「IRGACURE−651」BASF社)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(例えば、「IRGACURE−369」BASF社)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(例えば、「IRGACURE−907」BASF社)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(例えば、「IRGACURE−127」BASF社)等が挙げられる。
キノン化合物としては、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−t−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等が挙げられる。
ベンゾインエーテル化合物としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等が挙げられる。
ベンジル誘導体としては、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物の他、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体としては、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等が挙げられる。2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体の具体例としては、2−(2−クロロフェニル)−1−[2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル−1,3−ジアゾール−2−イル]−4,5−ジフェニルイミダゾール等が挙げられる。
アクリジン誘導体としては、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等が挙げられる。
クマリン化合物としては、7−アミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−メチルアミノ−4−メチルクマリン、7−エチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、7−アミノシクロペンタ[c]クマリン、7−ジエチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジエチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジメチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−ジメチルアミノクマリン、2,3,6,7,10,11−ヘキサンヒドロ−1H,5H−シクロペンタ[3,4][1]ベンゾピラノ−[6,7,8−ij]キノリジン12(9H)−オン、7−ジエチルアミノ−5’,7’−ジメトキシ−3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−カルボニルビス[7−(ジエチルアミノ)クマリン]、7−ジエチルアミノ−3−チエノキシルクマリン等が挙げられる。
N−フェニルグリシン誘導体としては、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシンブチルエステル、N−p−メチルフェニルグリシン、N−p−メチルフェニルグリシンメチルエステル、N−(2,4−ジメチルフェニル)グリシン、N−メトキシフェニルグリシン等が挙げられる。
(C2)光重合開始剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C2)光重合開始剤の含有量は、(A)ポリケトン及び(B)アクリル単量体の総量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜20質量部、より好ましくは0.1質量部〜10質量部、更に好ましくは0.1質量部〜5質量部である。当該含有量を上記範囲とすることで、硬化物の発泡、濁り、着色及びクラックを防ぐことができる傾向にある。
(D)溶剤
本実施形態の硬化性樹脂組成物には、更に(D)溶剤を配合してもよい。(D)溶剤は各成分を均一に溶解又は分散するものであれば特に制限はなく、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、3−メチルメトキシプロピオネート、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、ジイソロピルベンゼン、ヘキシルベンゼン、アニソール、ジグライム、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(D)溶剤を含有する場合、(D)溶剤の含有量は、(A)ポリケトン、(B)アクリル単量体及び(D)溶剤の総量100質量部に対して、液状剤としての作業性向上の観点から、好ましくは10質量部〜95質量部、耐熱性の観点から、より好ましくは5質量部〜95質量部、更に好ましくは5質量部〜90質量部である。
(E)酸化防止剤
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、更に(E)酸化防止剤を含有していてもよい。これにより、硬化反応後、硬化物内に残留する(C)重合開始剤並びに(A)ポリケトン及び(B)アクリル単量体の重合末端の酸化を防ぐことが可能となる。その結果、硬化物の着色を防ぎ、優れた可視光透過率が得られる傾向がある。
(E)酸化防止剤としては、特に制限はなく、ヒンダードフェノール構造を有する化合物(以下、「ヒンダードフェノール化合物」ともいう)を用いることが好ましい。
尚、本実施形態で用いるヒンダードフェノール化合物としては、1分子中に下記一般式(V)で表される基(ヒンダードフェノール基)を少なくとも1つ有する化合物が挙げられる。
式(V)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、直鎖又は分岐のアルキル基を示す。尚、R7とR8とが共に水素原子となることはない。また、直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。分岐アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。1分子中に式(V)で表される基が複数あるとき、複数のR及びRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、上記式(V)中のベンゼン環において、フェノール性水酸基、R及びR以外に、低級アルキル基等の基を有していてもよい。
本実施形態で用いるヒンダードフェノール化合物としては、上記式(V)中のR及びRの少なくとも一方が分岐アルキル基である化合物が好ましく、R及びRの少なくとも一方がt−ブチル基である化合物がより好ましく、R及びRが共にt−ブチル基である化合物が更に好ましい。
尚、このようなヒンダードフェノール化合物は、常法によって合成してもよく、市販のものを入手してもよい。
本実施形態で用いるヒンダードフェノール化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノアート](例えば、「IRGANOX1010」BASF社)、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)(例えば、「IRGANOX245」BASF社)、4−[[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−2,6−ジ−t−ブチルフェノール(例えば、「IRGANOX565」BASF社)、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸オクタデシル(例えば、「IRGANOX1076」BASF社)、N,N’−(1,6−ヘキサンジイル)ビス[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロパンアミド](例えば、「IRGANOX1098」BASF社)、トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸(例えば、「CYANOX1790」アメリカンシアナミド社)、6−t−ブチル−4−[3−[(2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル]−2−メチルフェノール(例えば、「スミライザーGP」住友化学株式会社)、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(例えば、「アデカスタブAO80」株式会社ADEKA)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(例えば、「ヨシノックス425」株式会社エーピーアイコーポレーション)などが挙げられる。
これらの中でも特に、溶解性の観点から、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(例えば、「アデカスタブAO80」株式会社ADEKA)が好ましい。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(E)酸化防止剤を含有する場合、(E)酸化防止剤の含有量は、(A)ポリケトン及び(B)アクリル単量体の総量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜20質量部、より好ましくは0.1質量部〜15質量部、更に好ましくは0.1質量部〜10質量部である。当該含有量を上記範囲とすることで、高温における樹脂着色を抑制することができる。
<樹脂硬化物>
本実施形態の樹脂硬化物は、本実施形態の硬化性樹脂組成物を、加熱又は紫外線照射により硬化させることで得られる。
硬化性樹脂組成物が溶剤を含む場合には、硬化前後に加熱乾燥を行ってもよい。加熱乾燥の条件は、硬化性樹脂組成物中の溶剤が充分に揮散する条件であれば特に制限はなく、通常、50℃〜150℃で、1分間〜90分間程度である。
加熱による硬化は、箱型乾燥機、熱風式コンベアー型乾燥機、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、マイクロ波硬化炉等のオーブンを用いて行なうことができる。
硬化の雰囲気は、大気中又は窒素等の不活性雰囲気中のいずれを選択することもでき、硬化性樹脂組成物の酸化を防ぐ観点から、窒素雰囲気下で行なうことが好ましい。
加熱の温度及び時間は、組成条件、作業効率等に合わせて任意に設定でき、通常、60℃〜200℃で30分〜2時間程度である。
紫外線による硬化は、ケミカルランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を用いて行うことができる。
紫外線の照射条件は、組成条件、作業効率等に合わせて任意に設定でき、通常、照射エネルギーで100mJ/cm〜10,000mJ/cm程度である。
本発明の樹脂硬化物は、優れた可視光透過率を有し、かつ、高温においても黄変及びクラックの発生が抑えられ、優れた気密性を有する。そのため、本発明の樹脂硬化物は、小型化及び高密度実装の光学部品、並びに高温環境下で長時間使用される可能性のある光学部品に好適に適用できる。例えば、イメージセンサの受光素子又はLED素子の発光素子の接着部材又は封止部材、高密度に集積された光導波路の構成部材、ディスプレイ用途等の各種ガラス代替材等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(A)成分、(B)成分及び(C)成分を、表1に示した割合(質量部、固形分比)で配合し、実施例及び比較例の樹脂組成物を得た。表1中の各成分は、以下に示すものである。
(A)成分
A成分は、以下の方法により合成したものを用いた。
(合成例1)
炭酸ジメチル80ml及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.3gが入った撹拌機付きステンレス製100mlオートクレーに、一酸化炭素/エチレンの1/1混合気体を内圧が48バール(4.8MPa)になるまで加え、圧力を保ちながら、60℃で6時間反応させた。反応後、内容物にアセトンを加え、生成した析出物を濾取した。得られた固体を蒸留水とメタノールで洗浄した後、乾燥し、ポリケトンA1を得た(単離収量0.6g)。このA1の、標準ポリスチレン換算のGPC法で求めた重量平均分子量は10,000であった。
(合成例2)
3−ヘキセン二酸0.46g(4.0mmol)及び2,2’−ジメトキシビフェニル0.86g(4.0mmol)が入ったフラスコに、五酸化二リン及びメタンスルホン酸の混合液(質量比1:10)を12ml加え、60℃で18時間撹拌した。反応後、内容物をメタノール中に投じ、生成した析出物を濾取した。得られた固体を蒸留水とメタノールで洗浄した後、乾燥し、ポリケトンA2を得た(単離収率80質量%)。このA2の、標準ポリスチレン換算のGPC法で求めた重量平均分子量は10,000であった。
(合成例3)
3−ヘキセン二酸の代わりにオクタン二酸0.70g(4.0mmol)を用いた以外は合成例2と同様にして、ポリケトンA3を得た(単離収率90質量%)。このA3の、標準ポリスチレン換算のGPC法で求めた重量平均分子量は10,000であった。
(合成例4)
3−ヘキセン二酸の代わりにシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸0.69g(4.0mmol)を用いた以外は合成例2と同様にして、ポリケトンA4を得た(単離収率85質量%)。このA4の、標準ポリスチレン換算のGPC法で求めた重量平均分子量は30,000であった。
(合成例5)
3−ヘキセン二酸の代わりにアダマンタン−1,3−ジカルボン酸0.90g(4.0mmol)を用いた以外は合成例2と同様にして、ポリケトンA5を得た(単離収率89質量%)。このA5のGPC法の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は70,000であった。
(B)成分
下記式(VI)で表されるアクリル酸ラウリル(「LA」共栄社化学株式会社、エステル部に直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル)をアクリル単量体B1として用いた。
下記式(VII)で表される、トリシクロ[5.2.1.0]デカンジメタノールジアクリレート(「A−DCP」新中村化学株式会社、エステル部に脂環基を有する2官能(メタ)アクリル酸エステル)をアクリル単量体B2として用いた。
下記式(VIII)で表されるジオキサングリコールジアクリレート(「R−406」日本化薬株式会社、多価(メタ)アクリル単量体)をアクリル単量体B3として用いた。
(C)成分
1,1,3,3−トリメチルブチルぺルオキシ−2−エチルヘキサネート(「パーオクタO」日油株式会社)を熱重合開始剤C1として用いた。
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(「IRGACURE−819」BASF社)と、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(「IRGACURE−127」BASF社)とを、質量比1:1で配合したものを光重合開始剤C2として用いた。
(D)成分
1−メチル−2−ピロリドン(NMP)を、(D)溶剤として用いた。
(E)成分
3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(「アデカスタブAO80」株式会社ADEKA)を(E)酸化防止剤として用いた。
尚、比較例1では、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(「セロキサイド2021P」株式会社ダイセル)70質量部に、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(「リカシッドMH」新日本理化株式会社)30質量部を硬化剤として配合したものを用いた。
比較例2では、LED用シリコーン材料(「OE6631」東レ・ダウコーニング株式会社)を用いた。
<分子量の測定>
上記(A)成分の分子量は、溶離液として、硝酸テトラブチルアンモニウム(TBA・NO)を0.1質量%溶解させたテトラヒドロフラン(THF)を用いて、GPC法によって測定し、標準ポリスチレン換算にて求めた。詳細は次のとおりである。
・装置名:RI−8220(検出器)、DP−8220(ポンプ)、SD−8223(デガッサ)(東ソー株式会社)
・カラム:Gelpack GL−A150、GL−A160、GL−A170(製品名、日立化成株式会社)
・検出器:RI検出器
・溶離液:硝酸テトラブチルアンモニウム(TBA・NO)を0.1質量%溶解させたテトラヒドロフラン(THF)
・流速:1ml/分
・標準物質:ポリスチレン
<初期透過率の測定>
実施例及び比較例の樹脂組成物を、ガラス基板上にスピンコーター(「MS−A」株式会社ミカサ)を用いて均一な厚さになるように塗布し、120℃のホットプレート上で3分間加熱した。これを、熱硬化性樹脂組成物の場合は窒素置換した高温クリーンオーブン(「CLH−21CD(III)」光洋サーモシステム株式会社)に入れ、25℃から150℃に1時間で昇温し、更に150℃で1時間硬化し、150℃から25℃に1時間で降温した。光硬化性樹脂組成物の場合は、高精度平行露光機(「EXM−1172」株式会社オーク製作所)を用いて、露光量4000mJ/cmで完全に硬化させた。得られた試験基板の厚さは5μm〜10μmであった。
この試験基板の透過率を、ガラス単体の透過率をリファレンスとして、紫外可視分光光度計(「U−3310 Spectrophotometer」日立ハイテク株式会社)を用いて、波長400nmの光透過率を測定した。測定値を厚さ10μmに換算した結果を表1に示す。
<加熱試験>
実施例及び比較例の樹脂組成物を、前記透過率の測定と同様にガラス基板上に塗布して、硬化し、厚さ5μm〜10μmの試験基板を得た。
この試験基板を200℃のオーブンに72時間静置した後、ガラス単体の透過率をリファレンスとして、紫外可視分光光度計(「U−3310 Spectrophotometer」日立ハイテク株式会社)を用いて、波長400nmの光透過率を測定した。測定値を厚さ10μmに換算した結果を表1に示す。
また、加熱後のクラックの有無を目視で確認し、下記基準で評価した。結果を表1に示す。
A:厚さが不均一になっている基板の端部分以外にクラックが見られなかった。
B:クラックが広範囲に見られた。
<ガスバリア性の測定>
実施例及び比較例の樹脂組成物を、市販のLED用リードフレーム(「TOP LED OP4」エノモト株式会社)に滴下し、120℃のホットプレート上で10分間加熱した。これを、熱硬化性樹脂組成物の場合は、窒素置換した高温クリーンオーブン(「CLH−21CD(III)」光洋サーモシステム株式会社)に入れ、25℃から150℃に1時間で昇温し、更に150℃で2時間硬化し、150℃から25℃に1時間で降温した。光硬化性樹脂組成物の場合は、高精度平行露光機(「EXM−1172」株式会社オーク製作所)を用いて、露光量8000mJ/cmで完全に硬化させた。
得られた試験サンプルを、乾燥剤を入れていないガラス製デシケータ内に、硫黄粉末0.3gとともに静置した。デシケータを密封し、80℃の恒温槽で2時間保存した後で、試験サンプルのリードフレーム及び銀メッキの硫化の有無を目視で確認した。試験サンプルは各樹脂組成物について3つずつ作製して、下記基準で評価した。結果を表1に示す。
A:1つも硫化が見られなかった
B:1つでも硫化が見られた
表1に示された結果から、本発明の硬化性樹脂組成物は、透明性、耐熱性、及び気密性に優れることが確認された。

Claims (7)

  1. (A)下記一般式(I)で表される構造単位を主鎖に含むポリケトン、(B)アクリル単量体、及び(C)重合開始剤を含有し、
    前記一般式(I)において、Xが、下記一般式(II−1)〜(II−3)のいずれか1つで表される2価の基である、硬化性樹脂組成物。

    (一般式(I)中、Xは炭素数1〜50の2価の基を示し、Yは炭素数1〜30の2価の炭化水素基を示し、nは3〜1000の整数を示す。)

    〔一般式(II−1)中、R はそれぞれ独立に、炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。〕

    〔一般式(II−2)中、R はそれぞれ独立に、炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Zは酸素原子又は下記一般式(III)で表わされる2価の基を示す。〕

    〔一般式(III)中、R 及びR はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。〕

    〔一般式(II−3)中、R はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。〕
  2. 前記一般式(I)において、Yが、2価の飽和炭化水素基である、請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記一般式(I)において、Yが、飽和脂環式炭化水素基を含む2価の炭化水素基である、請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記一般式(I)において、Yの炭素数が6〜30である、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(B)アクリル単量体が、1個の(メタ)アクリロイル基と前記(メタ)アクリロイル基のエステル部における酸素原子に直接結合する直鎖又は分岐のアルキル基とを有する(メタ)アクリル酸エステル、及び1個又は2個以上の(メタ)アクリロイル基と前記(メタ)アクリロイル基のエステル部における酸素原子に脂肪族炭化水素基を介して結合する脂環基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 溶剤を更に含有する、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、樹脂硬化物。
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